WO2024034690A1

WO2024034690A1 - 液体制御装置

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Publication number: WO2024034690A1
Application number: PCT/JP2023/029386
Authority: WO
Inventors: 久雄田中
Original assignee: エバートロンホールディングスピーティーイーリミテッド
Priority date: 2022-08-11
Filing date: 2023-08-14
Publication date: 2024-02-15
Also published as: JPWO2024034690A1

Abstract

コンパクトな装置構成によって、電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波を調整し、効果的な治療ないし処置を行うことができる液体制御装置を提供する。　本発明の１つの実施態様の液体制御装置は少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象部に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相を調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波を制御し、前記電極に対向する対象部に応じて、前記電極に印加する周波数、電圧、及び、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の出射方向の少なくとも１つを時間的に変化するように、又は、前記電極への電圧の印加時間を制御することを特徴とする。

Description

液体制御装置

　本発明は、液体制御装置に関する。

　従来、人体に電磁場を印可することによる頭痛、肩こり等の治療について、電磁界曝露が人体に及ぼす影響についての研究がなされている。

　例えば、特許文献１には、被治療者が着座する椅子の頭側と足裏側にそれぞれ電極を設け、この２つの電極に対してそれぞれ周波数のことなる交流高電圧を印加することによって、２つの電極間に印加される交流高電圧の周波数の差分を人体の通常心拍周期（６０～９０拍／分）の周波数（１～１．８Ｈｚ）以下の低い周波数とほぼ同じにすることにより、副交感神経優位のリラックス効果を期待している。なお、このような電位治療装置としては、例えば、白寿交流高電圧電界保健装置ヘルストロンHES-A30が日本の厚生労働省によって承認され（承認番号21100BZZ00265000）、市販されている。

特許第５２３５０４０号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の電位治療装置によれば、９０００Ｖ程度の高電圧を電極に印加するため、商用電源１００Ｖ（５０／６０Ｈｚ）をトランスによって高電圧に昇圧する必要があり装置が大型化し、しかも、安全性を確保するために装置が複雑化してしまう問題があった。また、特許文献１では、副交感神経優位のリラックス効果を期待するものであるため、被験者の心理的な効果を期待することが限界であり、より直接的な治療効果を発揮するものではなかった。

　本発明の目的は、コンパクトな装置構成によって、電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波を調整し、効果的な治療ないし処置を行うことができる液体制御装置を提供することにある。

　本発明の各実施態様の目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第１の態様の液体制御装置は、少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、浮腫，細胞浮腫，若しくは神経細胞浮腫を改善ないし防止する制御をすること、ホルモン，内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランスを制御すること、又は、ミトコンドリア活性，オートファジー活性，卵子活性，若しくは精子活性を制御すること、を特徴とする。

　本発明の第２の態様の液体制御装置は、少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりを改善ないし防止する制御をすること、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性を改善ないし向上する制御をすること、硬結，若しくは硬化を改善ないし防止する制御をすること、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止する制御をすること、活性酸素，若しくは乳酸を除去する制御をすること、マッスルインバランスを改善ないし防止する制御をすること、ボディーバランス，筋膜バランス，咬合，整骨，整体を改善ないし向上する制御をすること、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止する制御をすること、心臓拍動、若しくは脈拍を改善ないし向上する制御をすること、血圧を改善ないし正常化する制御をすること、呼吸機能ないし肺機能を改善ないし向上する制御をすること、透析機能の改善ないし向上する制御をすること、視力，動体視力を改善ないし向上する制御をすること、眼科疾患を改善ないし防止する制御をすること、内科疾患を改善ないし防止する制御をすること、　免疫機能の改善ないし向上する制御をすること、ドラッグデリバリーシステム，若しくはコスメの浸透性を改善する制御をすること、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質を改善ないし向上する制御をすること、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出を改善ないし向上する制御をすること、又は、液体の波動，若しくはエクトプラズムを制御すること、を特徴とする。

　本発明の第３の態様の液体制御装置は、少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖を防止する制御をすること、熱傷，壊死，若しくは褥瘡を改善ないし防止する制御をすること、転移の防止をする制御をすること、認知症，アルツハイマー，パーキンソン病を改善ないし防止する制御をすること、睡眠改善，美容改善，ＰＭＳ，生理痛，疼痛，そう痒，健康増進，運動機能改善,もしくはアンチエイジングの制御をすること、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上する制御をすること、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、又は、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善すること、を特徴とする。

　本発明の第４の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記電極に印加する電圧の電圧値が０Ｖ～７０００Ｖの範囲で制御され、または前記電圧の交流成分の周波数が０Ｈｚ～１ＭＨｚの範囲で制御されることを特徴とする。

　本発明の第５の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記電圧の電圧値及び／又は周波数は、所定の範囲で滑らかに、又は、ステップ状に経時的に変動することを特徴とする。

　本発明の第６の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記物質中の水分の連珠配列、配列方向、水分結合、若しくは水分活性を制御すること、前記物質中の水相と他相との界面分極、界面張力、若しくは、エマルション状態を制御すること、又は、前記物質中の活性酸素の状態を制御すること、のいずれかの制御をすることを特徴とする。

　本発明の第７の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記電極から所定時間、電場、磁場、電磁場、又は電磁波を発生した後に、前記電場、磁場、電磁場、又は電磁波が解除された後にも、制御効果が所定時間にわたり持続されることを特徴とする。

　本発明の第８の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記電極に印加される電圧は、前記直流成分に加えて、前記交流成分を含んでいることを特徴とする。

　本発明の第９の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記電極が板状、棒状、シート状、針状、櫛歯状、又は、２以上の電極を互いに組み合わせた形状であることを特徴とする。

　本発明の第１０の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記コントローラが、クラウド，サーバ，又はネットワークにより管理されることを特徴とする。

　本発明の第１１の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、前記コントローラが機械学習により制御パラメータを設定することを特徴とする。

　本発明の第１２の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、梗塞、壊死、褥瘡、熱傷、活性酸素除去、乳酸除去、血流改善、リンパ液流改善、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、動脈硬化、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりの改善ないし防止、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性改善、硬結，若しくは硬化の改善ないし防止、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止、細胞浮腫、神経細胞浮腫、水腫、肺水腫、関節水腫、腹水腫、インスリン分泌障害、排泄障害、排泄困難、便秘、排尿障害、鬱滞、水疱、ドラッグデリバリー向上、薬液ないし体液の粘度低減、細胞培養、再生医療、再生医療における培養時間短縮，培養品質向上，若しくは培養効率向上、細胞組織再生、乳酸低減、腫脹、腫大、浮腫、体液滞留、細胞外液ないし細胞内液の脱水、皮膚疾患、色素沈着症、肝斑、雀卵斑、表皮性しわ、真皮性しわ、表情じわ、乾皮症、体調改善、硬結、筋硬結、筋膜リリース、筋膜電位改善、神経変形疾患、筋膜電磁治療、マッスルインバランス、筋膜電位バランス改善、ボディーバランス改善、筋膜バランス改善、咬合改善、整骨改善、整体改善、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止、内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランス改善、骨折、関節疾患、スキンケア、保湿、妊孕性改善、不妊症、精子運動率改善、精子活性、卵子活性、ミトコンドリア活性、オートファジー活性、ＰＭＳ、疼痛、そう痒、異常感覚、冷え性、不感症、痙攣、アンチエイジング、毛包ケア、更年期障害改善、洗浄性向上、脱毛症、ＡＧＡ、ＥＤ、脂肪分解促進、コンタクトレンズ装着感改善、ドライアイ、視力改善、動体視力改善、睡眠障害、睡眠改善、睡眠時無呼吸症候群、予防医学改善、神経細胞改善、細胞浮腫改善、ウィルス，細菌，若しくはカビ対策、癌、緑内障、白内障、加齢黄斑変性、眼科疾患、難聴、聴覚障害、視覚障害、認知症、アルツハイマー、パーキンソン病、水分出納、消化器内科疾患、呼吸器内科疾患、循環器内科疾患、神経内科疾患、血液内科疾患、腎臓内科疾患、内分泌内科疾患、内科疾患、血圧改善ないし正常化、脈拍，若しくは心臓拍動の改善ないし向上、呼吸機能ないし肺機能の改善ないし向上、透析機能の改善ないし向上、整骨療法、死後硬直改善、又は、リハビリテーション医療改善の治療のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御することを特徴とする。

　本発明の第１３の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックの改善、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器の改善、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質の改善ないし向上、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出の改善ないし向上、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上、エマルション性の改善ないし向上、ドラックデリバリー性の改善ないし向上、薬品の効能ないし性能の改善ないし向上、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖防止ないし対策、転移の防止、薬液の粘性の低下、又は、液体の波動の制御、エクトプラズムの制御のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御することを特徴とする。

　本発明の第１４の態様の液体制御装置は、第１乃至第３の態様のいずれかの液体制御装置において、電磁治療器、電位治療器、低周波治療器、ＥＭＳ、マッサージ機器、美顔機器、振動機器、キャビテーション機器、マイクロバブル機器、マイクロナノバブル機器、ナノバブル機器、ファインバルブ機器、テラヘルツ機器、高周波機器、量子治療器、育毛機器、セルライト機器、筋肉弛緩機器、超音波治療機器、オゾン発生機器、水素発生機器、ＬＥＤ機器、ビューティー機器、痩身機器の少なくとも１つの機器の性能を向上するように制御することを特徴とする。

　本発明の第１５の態様の液体制御装置は、少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象部に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向する対象部に応じて、前記電極に印加する周波数、電圧、及び、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の出射方向の少なくとも１つを時間的に変化するように、又は、前記電極への電圧の印加時間を制御することを特徴とする。

　本発明の液体制御装置によれば、コンパクトな装置構成によって、電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波を調整し、効果的な治療ないし処置を行うことができる。具体的には各態様の液体制御装置は、次のような作用効果を奏する。

　第１の態様の液体制御装置は、電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、対象物における水分の界面分極を増大し、界面張力を低下させることに伴い、液体の粒子が微粒子化される。本態様の液体制御装置において電界印加により得られた水滴粒子の大きさは、2.5～8μｍである。生体の細胞間の間隔は12μm以下であるので、本実施形態で得られた粒径が12μm以下の水滴は、生体の細胞間に浸透しやすい性質を有する。本実施形態では電界印加によって微粒子化された水分粒子が動物や植物の生体の細胞間に浸透することにより、様々な効能を生じる。液体の代謝が改善されることにより、浮腫，細胞浮腫，若しくは神経細胞浮腫が改善ないし防止する制御をすることができる。また、液体の代謝が改善されることにより、ホルモン，内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランスを制御することができる。また、液体の代謝が改善されることにより、ミトコンドリア活性，オートファジー活性，卵子活性，若しくは精子活性を制御することがでる。

　本発明の第２の態様の液体制御装置は、電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、対象物における水分の界面分極を増大し、界面張力を低下させることに伴い、液体の粒子が微粒子化される。本態様の液体制御装置において電界印加により得られた水滴粒子の大きさは、2.5～8μｍである。生体の細胞間の間隔は12μm以下であるので、本実施形態で得られた粒径が12μm以下の水滴は、生体の細胞間に浸透しやすい性質を有する。本実施形態では電界印加によって微粒子化された水分粒子が動物や植物の生体の細胞間に浸透することにより、様々な効能を生じる。液体の微粒子化により、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりを改善ないし防止する制御をすること、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性を改善ないし向上する制御をすることができる。細胞や組織内の水分量を適切に保つことにより、硬結，若しくは硬化を改善ないし防止する制御をすることができる。また、細胞ないし組織に水分がいきわたることにより、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止する制御をすることができる。液体の流れが改善されることにより代謝が改善され、活性酸素，若しくは乳酸を除去する制御をすることができる。例えば、筋肉からの離水により筋肉が硬化するが、本態様の液体制御装置の電極から電界を印加することにより、液体の界面張力が低下するように制御し、水分を微粒子化することにより、細胞や組織の代謝を改善することで、マッスルインバランスを改善ないし防止する制御をすること、ボディーバランス，筋膜バランス，咬合，整骨，整体を改善ないし向上する制御をすることができる。骨折や血管の疾患についても、患部に血液やリンパ液が十分に提供されることが自然治癒力向上には不可欠であり、液体の流動性の改善により、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止する制御をすることができる。血流改善に伴い、心臓拍動、若しくは脈拍を改善ないし向上する制御をすること、血圧を改善ないし正常化する制御をするができる。血流改善、液体流動性改善は、呼吸機能ないし肺機能を改善ないし向上する制御をすること、透析機能の改善ないし向上する制御をすることにも寄与する。液体の代謝改善により、視力，動体視力を改善ないし向上する制御、眼科疾患を改善ないし防止する制御をすることができる。血流改善、水分バランスの改善により、内科疾患を改善ないし防止する制御をすることができる。また、液体の代謝改善を改善することにより、免疫機能の改善ないし向上する制御をすることができる。液体流動性の改善により、ドラッグデリバリーシステム，若しくはコスメの浸透性を改善する制御をすることができる。本態様の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、液体のエマルション状態を改善すること、つまり、二液を微細化すると共に、二液の混ぜ合わせ度合が向上することにより、例えば、水の中に油が、もしくは油の中に水が良好に分散している状態とすることが可能となる。これにより、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質を改善ないし向上する制御をすることができる。また、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出を改善ないし向上する制御をすることができる。従来の抽出時間を大幅に短縮し、抽出したものは長時間、劣化しない体質に変化し、同じ原材料でたくさん抽出できるので、抽出効率の向上が実現できる。本態様の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、液体の界面張力を低下すること、液体の粒子を連珠配列上にすること、及び、エマルション性の向上に加え、水分の品質向上、例えば、液体の波動の改善を図ることができる。水分の品質改善は、水分がかかわる全ての自然現象に対する制御を可能と吸うため、例えばエクトプラズムを制御することも可能である。

　本発明の第３の態様の液体制御装置は、電極に対向した対象物における液体の状態を制御し、液体の界面張力を低下するように制御することにより液体の粒子を微粒子化すると共に、微粒子化した液体の粒子を連珠配列するように制御することができる。体内、組織内、細胞内で、微生物，細菌，真菌，及びウィルスは、体内の自由水と結合し、自由水の水分を利用して増殖する。そこで、体内、組織内、細胞内の自由水を連珠結合するように制御することにより、微生物，細菌，真菌，及びウィルスの増殖を阻止、抑制することができる。これにより、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖を防止する制御をすることが可能となる。また、本態様の液体制御装置は、液体の界面張力を低減し、液体粒子を微粒子化し、微粒子化した液体粒子を連珠配列することができる。液体の代謝を向上すると共に、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖を防止することにより、熱傷，壊死，若しくは褥瘡を改善ないし防止する制御をすることができる。転移とは、血液やリンパ液の流れにのって、病巣が他の臓器にも移動し、そこでまた増殖することであるが、液体の代謝の向上は、免疫機能の向上にも寄与するため、転移の防止をする制御をすることが可能となる。脳の活性化にも液体の代謝向上が必要となるため、本態様の液体制御装置により、脳内の水分バランスの改善、水分代謝の改善を図ることに伴い、認知症，アルツハイマー，パーキンソン病を改善ないし防止する制御をすることができる。本態様の液体制御装置により水分バランス、水分代謝を向上することにより、睡眠改善，美容改善，ＰＭＳ，生理痛，疼痛，そう痒，健康増進，運動機能改善,もしくはアンチエイジングの制御をすることができる。本態様の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、液体の界面張力を低下し、液体の粒子を微粒子化することができると共に、液体のエマルション状態を改善すること、つまり、二液を微細化すると共に、二液の混ぜ合わせ度合が向上することにより、例えば、水の中に油が、もしくは油の中に水が良好に分散している状態とすることが可能となる。歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成について、水分の界面張力低下による水粒子の微細化による水分の浸透性の改善、水分保持特性の改善、エマルション性の改善するように本態様の液体制御装置が機能することで、各組織を人工的に生成する場合にも、品質向上、生成時間の短縮、品質手順の簡略化、コスト低減等の改善ないし向上するような制御をすることができる。本態様の液体制御装置は、電極に対向した対象物における液体の状態を制御し、液体の界面張力を低下するように制御することにより液体の粒子を微粒子化すると共に、微粒子化した液体の粒子を連珠配列するように制御することができる。体内、組織内、細胞内で、微生物，細菌，真菌，及びウィルスは、体内の自由水と結合し、自由水の水分を利用して増殖する。そこで、体内、組織内、細胞内の自由水を連珠結合するように制御することにより、微生物，細菌，真菌，及びウィルスの増殖を阻止、抑制することができる。また、組織内、細胞内の水分が連珠配列となることにより、水分の蒸発、離水を防止することができるため、組織や細胞の鮮度を維持することができる。これにより、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、及び、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善することができる。

　本発明の第４の態様の液体制御装置は、電極に印加する電圧の電圧値が０Ｖ～７０００Ｖの範囲で、電圧の交流成分の周波数が０Ｈｚ～１ＭＨｚの範囲の中で、コントローラにおいて予め対象物の部位、状態に応じて設定された電圧値及び周波数が選択されて、制御される。

　本発明の第５の態様の液体制御装置は、電圧の電圧値及び／又は周波数は、所定の範囲で滑らかに、又は、ステップ状に経時的に変動するように制御される。これにより、事前に最適な電圧値及び周波数が既知でない場合であっても、必ず最適な電圧値及び周波数を電極に供給することが可能となる。

　本発明の第６の態様の液体制御装置は、物質中の水分の連珠配列、配列方向、水分結合、若しくは水分活性を制御すること、物質中の水相と他相との界面分極、界面張力、若しくは、エマルション状態を制御すること、又は、物質中の活性酸素の状態を制御すること、のいずれかの制御をする。

　本発明の第７の態様の液体制御装置は、電極から所定時間、電場、磁場、電磁場、又は電磁波を発生した後に、前記電場、磁場、電磁場、又は電磁波が解除された後にも、制御効果が所定時間にわたり持続される。

　本発明の第８の態様の液体制御装置は、電極に印加される電圧は、前記直流成分に加えて、前記交流成分を含んでいる。

　本発明の第９の態様の液体制御装置は、電極が板状、棒状、シート状、針状、櫛歯状、又は、２以上の電極を互いに組み合わせた形状である。

　本発明の第１０の態様の液体制御装置は、コントローラが、クラウド，サーバ，又はネットワークにより管理されることを特徴とする。

　本発明の第１１の態様の液体制御装置は、コントローラが機械学習により制御パラメータを設定する。

　本発明の第１２の態様の液体制御装置は、梗塞、壊死、褥瘡、熱傷、活性酸素除去、乳酸除去、血流改善、リンパ液流改善、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、動脈硬化、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりの改善ないし防止、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性改善、硬結，若しくは硬化の改善ないし防止、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止、細胞浮腫、神経細胞浮腫、水腫、肺水腫、関節水腫、腹水腫、インスリン分泌障害、排泄障害、排泄困難、便秘、排尿障害、鬱滞、水疱、ドラッグデリバリー向上、薬液ないし体液の粘度低減、細胞培養、再生医療、再生医療における培養時間短縮，培養品質向上，若しくは培養効率向上、細胞組織再生、乳酸低減、腫脹、腫大、浮腫、体液滞留、細胞外液ないし細胞内液の脱水、皮膚疾患、色素沈着症、肝斑、雀卵斑、表皮性しわ、真皮性しわ、表情じわ、乾皮症、体調改善、硬結、筋硬結、筋膜リリース、筋膜電位改善、神経変形疾患、筋膜電磁治療、マッスルインバランス、筋膜電位バランス改善、ボディーバランス改善、筋膜バランス改善、咬合改善、整骨改善、整体改善、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止、内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランス改善、骨折、関節疾患、スキンケア、保湿、妊孕性改善、不妊症、精子運動率改善、精子活性、卵子活性、ミトコンドリア活性、オートファジー活性、ＰＭＳ、疼痛、そう痒、異常感覚、冷え性、不感症、痙攣、アンチエイジング、毛包ケア、更年期障害改善、洗浄性向上、脱毛症、ＡＧＡ、ＥＤ、脂肪分解促進、コンタクトレンズ装着感改善、ドライアイ、視力改善、動体視力改善、睡眠障害、睡眠改善、睡眠時無呼吸症候群、予防医学改善、神経細胞改善、細胞浮腫改善、ウィルス，細菌，若しくはカビ対策、癌、緑内障、白内障、加齢黄斑変性、眼科疾患、難聴、聴覚障害、視覚障害、認知症、アルツハイマー、パーキンソン病、水分出納、消化器内科疾患、呼吸器内科疾患、循環器内科疾患、神経内科疾患、血液内科疾患、腎臓内科疾患、内分泌内科疾患、内科疾患、血圧改善ないし正常化、脈拍，若しくは心臓拍動の改善ないし向上、呼吸機能ないし肺機能の改善ないし向上、透析機能の改善ないし向上、整骨療法、死後硬直改善、又は、リハビリテーション医療改善の治療のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御する。

　本発明の第１３の態様の液体制御装置は、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックの改善、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器の改善、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質の改善ないし向上、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出の改善ないし向上、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上、エマルション性の改善ないし向上、ドラックデリバリー性の改善ないし向上、薬品の効能ないし性能の改善ないし向上、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖防止ないし対策、転移の防止、薬液の粘性の低下、又は、液体の波動の制御、エクトプラズムの制御のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御する。

　本発明の第１４の態様の液体制御装置は、電磁治療器、電位治療器、低周波治療器、ＥＭＳ、マッサージ機器、美顔機器、振動機器、キャビテーション機器、マイクロバブル機器、マイクロナノバブル機器、ナノバブル機器、ファインバルブ機器、テラヘルツ機器、高周波機器、量子治療器、育毛機器、セルライト機器、筋肉弛緩機器、超音波治療機器、オゾン発生機器、水素発生機器、ＬＥＤ機器、ビューティー機器、痩身機器の少なくとも１つの機器の性能を向上するように制御する。

　本発明の第１５の態様の液体制御装置は、少なくとも１つの電極と、前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラが、前記電極を対象部に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向する対象部に応じて、前記電極に印加する周波数、電圧、及び、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の出射方向の少なくとも１つを時間的に変化するように、又は、前記電極への電圧の印加時間を制御する。本態様の液体制御装置によって、電極から電界を印加することにより、液体の界面分極を増大し、界面張力を低下することにより、液体の粒子を微粒子化し、微粒子化した液体の粒子を連珠配列するように制御することができ、さらに、微粒子化した液体のエマルション性を向上することができ、さらには、液体の品質を向上すること、例えば液体の波動エネルギーを改善することができる。本態様の液体制御装置はこれらの機能によって、コンパクトな装置構成によって、電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波を調整し、効果的な治療ないし処置を行うことができる。

実施形態１に係る電極の概念図である。水分子の模式図であり、図２Ａは自由に活動している状態の水分子であり、図２Ｂは連珠配列のときの水分子である。自由水の顕微鏡写真であり、図３Ａは電場を印加する前の自由水の状態を示し、図３Ｂは電場を印加した際の自由水の状態を示す。水粒子の電位のシミュレーション結果であり、図４Ａはシミュレーションモデルの説明図であり、図４Ｂは電位シミュレーションの結果である。印加電圧の周波数と電圧値（０～７５Ｖ）を変化させた際の食用油と水の界面張力のグラフである。電極への印加電圧の周波数と電圧値（０～１５０Ｖ）を変化させた際の食用油と水の界面張力のグラフである。油中での水滴滴下についての写真である。油中での水滴周囲の微粒子についての写真である。実施形態１の変形例１に係る電極の概念図である。実施形態１の変形例１の異なる電極の概念図であり、図１０Ａは１つの電極を用いる例であり、図１０Ｂは１つの電極と当該電極に対向する２つの電極を用いる例である。実施形態１の変形例２に係る異なる周波数の電圧を用いた場合の波形図である。実施形態１の変形例２の係る異なる位相の電圧を用いた場合の波形図である。実施形態１の変形例３に係る液体制御装置のブロック図である。実施形態１の変形例４に係る電圧値、電流値及び周波数のスイープを説明するグラフである。３０分後の血流改善の結果である。４週間にわたる血流改善の結果である。ゴースト血管が復活した結果である。マウス下肢虚血モデルでの血流改善の結果である。造影剤の粘度が低下した結果である。炭疽病菌に対する抗菌作用の結果である。水滴の粒径の測定結果である。グリーンリーフレタスの水耕栽培の改善結果である。しその保存における改善結果である。リュウマチの浮腫率の改善結果である。下肢虚血モデルマウスの血流の改善効果である。高粘性剤の粘度低減効果である。心臓移植マウスの血中CPKの改善効果である。電波振動による電気刺激による副反応の検証結果である。図２８の実験条件である。魚の死後硬直、血液凝固改善結果である。遺体の腐敗防止装置である。血液凝固抑制装置である。イチゴのカビ抑制効果である。炭疽菌の繁殖の抑制効果である。咀嚼筋の緊張緩和による咀嚼バランス改善効果である。仙骨１番の測定結果（膀胱、卵巣、前立腺への効能）胸椎１２番の測定結果(腎臓への効能) 胸椎８番の計測結果(肝臓への効能) 胸椎１番の計測結果(心臓、肺への効能) 頚椎３番の計測結果(喉、副鼻腔への効能) ヒト培養細胞の生存率向上効果末梢血単核球の観察結果睡眠改善例１睡眠改善例２生理痛の改善実験生理痛の改善効果造影剤の改善効果カビ、腐食の防止効果魚の腐食防止効果鮮度維持効果パンのカビ防止効果シミ、しわの改善装置シミ、しわの改善効果例１シミ、しわの改善効果例２シミ、しわの改善効果例３電極の構造例１電極の構造例２電極の構造例３電極の構造例４電極の構造例５電極の構造例６電極の構造例７電極の構造例８電極の構造例９緑茶の抽出昆布の抽出出汁の抽出麺の熟成水の波動の向上結果１水の波動の向上結果２水の波動の向上結果３水の波動の向上結果４

　以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る液体制御装置について説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための液体制御装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。なお、各実施形態では対象部の内部又は表面に含まれる液体としては、自由水等の「水分」を例に挙げて説明しているが、本発明では物質の内部又は表面に含まれる液体としては、水に限定されるものではなく、例えば水溶液、血液、体液、薬剤、エマルション、油、有機物、イオン流体、粘性流体、非粘性流体、圧縮性流体、非圧縮性流体等のあらゆる液体に広く適用可能である。また、各実施形態において「水分」という表現を用いることがあるが、これは液体を水だけに限定することを意図したものでは無く、あらゆる液体に広く適用可能である。

[実施形態１]
　図１～図１９を参照して、実施態様１に係る液体制御装置について説明する。

　図１は液体制御装置１の概念図である。液体制御装置１は、コントローラ１０と、一対の電極１３、１４とを、備えている。コントローラ１０は、電流電圧制御部３３、制御部３６、通信部３５及び記憶部３７を備えている。電極１３、１４には、電流電圧制御部３３により制御される電流電圧印加部１１から、直流電圧または交流電圧の少なくともいずれか一方が供給される。電極１３、１４に印加された電流及び／又は電圧は、検出部３８により検出され、制御部３６にフィードバックされる。また、電極１３、１４の間の空間に配置されている物質の種類や大きさを検出する物質検出部３２（例えばカメラ等）が設けられている。なお、コントローラ１０の実際の回路構成においては、電流電圧印加部１１及び検出部３８をコントローラ１０と一体に設けるようにしてもよい。また、例えば、コントローラ１０、電流電圧印加部１１を一体として、１つの筐体内に収容することも可能である。

　検出部３８は、電極１３、１４に設けることにより発生される電磁波の状態を検出するようにすることもできる。この場合、電磁波の状態を検出する検出部３８は電極１３、１４に一体として設けるようにしてもよい。検出部３８用のケーブルは、電極１３、１４のケーブルと一体化することも可能であり、この場合、ケーブルの取り回しがし易くなる。また、電磁場の発生状況の検出手段を電極１３、１４で兼ねるようにしてもよい。また、検出部３８は、電流及び／又は電圧検出手段を備えるが、この場合、電流電圧印加部１１において電流及び／又は電圧を検出することも可能であるので、検出部３８の電流及び／又は電圧検出手段は、電流電圧印加部１１に一体化することが可能であり、さらに、コントローラ等の筐体に一体に組み込むことも可能である。また、検出部３８の電流及び／又は電圧検出手段によって、検出されたデータには、電磁波発生に伴う数値が重畳されていることになるため、当該検出データから電極１３、１４において発生した電磁波を検出することも可能である。

　物質検出部３２はコントローラに一体化させることもできるが、カメラ等の付加による大型化を防ぐため、またカメラ等の配置の都合から、物質検出部３２をコントローラ１０と別体に構成することもできる。図１では、電極１３、１４が一対設けられている例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、後述のように電極は１個以上であれば、その個数は問わず、また、その形状も様々なものを採用できる。例えば、電極１３、１４が１個の場合には、その電極に対向するように物質を配置すればよい。物質検出部３２によって電極１３、１４に対向して配置された物質の種類、状態、大きさ等が検出されると、この物質の検出に応じて制御部３６は制御指令値が演算される。この制御指令値に応じて、電流電圧制御部３３が電流電圧印加部１１を制御することにより電極１３、１４に印加される電流及び電圧が制御され、電極に対向して配置された物質に対して、電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つが印加される。以下、単に「電磁場が印加される」、「電磁波が照射される」「電界が印加される」等という表現を用いることがあるが、これらの表現は電磁場や電磁波や電界の限定を意図したものではなく、電場、磁場、電磁場又は電磁波を包含するものである。この時、物質に対して印加される電磁場は、制御部３６において検出部３８からの検出値に基づくフィードバック制御により演算された制御指令に応じて所望の状態に制御されている。電極１３、１４には、少なくとも交流成分を含む電圧が印加され、電極１３、１４からは印加された電圧に応じて電場が発生し、また磁場も発生する。電磁場とは、電場又は磁場の少なくともいずれか一方を含むものである。また、電極１３、１４にはアンテナの機能があるため、電極１３、１４からは印加された電圧に応じて電磁波が発生する。電極１３、１４から発生させる電場、磁場、電磁場、及び電磁波は、印加する電圧及び電流に対応し、相互に関連しており、演算により算出することができるため、本実施形態では電極１３、１４から発生する電場、磁場、電磁場及び電磁波の強度については、電界強度により定量的に評価する。電極１３、１４には直流成分だけを印加することもでき、この場合にも液体の界面張力低下や連珠配列制御、エマルションの制御等が可能である。また、電極１３、１４に直流成分及び交流成分を印加することも可能であるが、本実施形態では、各実施例間での評価がしやすいように、交流成分のみを印加した場合、例えば５０ＫＨｚ、１００Ｖの交流電圧を印加した場合を例示する。電極１３、１４に電圧を印加することにより、電流も供給されるため、コントローラ１０にて制御する対象は、電圧値、電流値、周波数、及び位相であり、コントローラ１０によって各物理量の目標値の設定が可能であるが、本実施形態では、各実施例間で統一した説明が可能となるように、目標値として、電圧値及び周波数について説明するが、当然に他の物理量の目標値設定も可能である。

　通信部３５は管理サーバ４０、データベース４３、他のＰＣ３１ａ～３１ｎ、及び、他の液体制御装置１ａ～１ｎと通信することにより、制御パラメータや制御値を管理サーバ４０から受信する。記憶部３７にはプログラムが記憶されており、ＣＰＵ等を備える制御部３６は記憶部３７に記憶されているプログラムにより動作し、管理サーバ４０から受信した制御パラメータや制御値に基づいて、コントローラ１０に内蔵された電流電圧制御部３３を介して電流電圧印加部１１を制御することにより、電極１３、１４に印加する電流及び／又は電圧を制御する。このプログラムは、通信部３５を介して管理サーバ４０から書き換え可能である。なお、プログラムをフラッシュメモリ等のリムーバブルメモリに記憶させておき、リムーバブルメモリを用いてコントローラ１０のプログラムを書き換えることも可能である。また、通信部３５に接続されているマンマシンインターフェイス３１によって、プログラムの設定や書き換えを行うことも可能である。

　管理サーバ４０は、コントローラ１０のプログラムの更新ないしメンテナンス、コントローラ１０の使用状況の監視ないし見守り、コントローラ１０の位置情報ないし環境情報の収集ないし分析、コントローラ１０からの改善要求情報の収集ないし分析、コントローラ１０のメンテナンス、コントローラ１０からの制御情報及び／又はデータベース４３からの情報の収集、コントローラ１０のための学習モデル情報の生成及び提供、学習モデル情報に基づく制御情報の提供、又は、コントローラ１０の制御パラメータの提供等の機能を有している。

　コントローラ１０の使用状況の監視ないし見守りについて、管理サーバ４０はコントローラ１０における制御情報を常に収集することができるため、管理サーバ４０は、コントローラ１０の使用状況を常時把握し、監視ないし美見守りを行う機能を有する。ここで、見守りの機能には、コントローラ１０に対応する液体制御装置１を利用しているユーザが、どのような時間帯に、どの程度、どのように該液体制御装置１を使用しているかを分析することにより、ユーザの状態を把握することが含まれる。例えば、ある飲食店で液体制御装置が利用される場合には、その飲食店の営業状況、来客状況、調理状況、仕込み状況等を管理サーバ４０において把握することができる。また、例えば個人のユーザである場合には、液体制御装置の使用状況から、そのユーザである個人の生活状況、安否状況等を管理サーバ４０において把握できる。このため、管理サーバ４０において、液体制御装置１が異常であると判断した場合には、対応するユーザに報知すると共に、登録された連絡先、警察や消防等の緊急連絡先に、異常を報知することも可能である。

　コントローラ１０の位置情報ないし環境情報の収集ないし分析について、管理サーバ４０は、コントローラ１０から液体制御装置１が配置されている位置情報、気候情報、地域情報等を収集し、品質管理装置１が使用されている位置情報ないし環境状況を把握することができるので、例えば、管理サーバ４０からコントローラ１０に対して、使用環境に応じた制御情報等を送信すること等ができる。

　コントローラ１０からの改善要求情報の収集ないし分析について、管理サーバ４０は、コントローラ１０に対してＰＣ３１から入力された改善要求情報をコントローラから収集し、または、該コントローラ１０と通信するＰＣ３１から入力された改善要求情報を直接ＰＣ３１から収集することができる。改善要求情報には、液体制御装置１のユーザからの改善希望や、制御結果に対する評価や、要望事項等の情報が含まれている。これらの改善要求情報は管理サーバ４０において分析され、各液体制御装置１の制御パラメータの設定に用いられる。

　コントローラ１０のメンテナンスについて、管理サーバ４０は、コントローラ１０の運転状況、プログラムの状況、装置制御パラメータの状況、記憶部３７に記憶されている情報、機器の状況、液体制御装置の環境状況等の情報を収集・監視し、コントローラ１０のプログラム、制御パラメータ、検出情報、制御結果情報、各種設定パラメータ、記憶部の記憶内容についてのメンテナンスを行うことができる。メンテナンスの内容としては、特に限定されるものではないが、プログラムの設定ないし更新、制御パラメータや設定パラメータの設定ないし更新、後述の学習モデルの設定ないし更新等が含まれる。コントローラ１０からの収集された各種運転状況の情報、制御情報等、及び／又は、データベース４３からの情報の収集は、後述のように管理サーバ４０における深層学習に用いられる。また、深層学習により訓練された学習モデル情報及び／又は該学習モデルによって算出された制御パラメータ等が、各液体制御装置１のコントローラ１０に提供される。

　また、コントローラ１０には電極間に配置される物質の種類及び／又は状態を検出するための物質検出部３２が接続されており、コントローラ１０は、物質の種類及び／又は状態を把握することにより、物質の種類、状態、大きさ等に応じて適切な出力電圧及び／又は出力電流となるように内蔵された電流電圧印加部１１を制御する。なお、電流電圧印加部１１は、後述のように直流－直流変換、直流－交流変換、交流－直流変換、及び、交流－交流変換の少なくとも一つの機能を有している。例えば、電流電圧印加部１１は、ＶＶＶＦ（ＶＡＲＩＡＢＬＥ　ＶＯＬＴＡＧＥ　ＶＡＲＩＡＢＬＥ　ＦＲＥＱＵＥＮＣＹ）インバータとすることができる。また、電流電圧印加部１１は、交流電圧・電流に直流電圧・電流を重畳した電圧・電流を電極１３、１４に印加することができる。

　また、マンマシンインターフェイス３１がコントローラ１０と通信を行うことにより、ユーザは、マンマシンインターフェイス３１からの入力によって、コントローラの設定、操作を行うことができる。マンマシンインターフェイス３１としては、例えばディスプレイ、タッチパネル、キーボード及びマウス等が含まれる。なお、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、携帯端末、又は、ノート型パソコン等のパーソナルコンピュータ（以下マンマシンインターフェイス３１を、単に「ＰＣ」ということもある。）等によりコントローラ１０を操作する場合には、スマートフォン等がマンマシンインターフェイス３１及び通信部３５等の機能を兼ねることが可能である。

　ＰＣ３１はコントローラ１０と通信することにより、制御パラメータの設定、制御プログラムの更新等を行うことができると共に、コントローラ１０の稼働状況、制御状況等をＰＣ３１で監視することができる。また、ＰＣ３１とコントローラ１０とを通信ネットワークを介して接続すれば、ＰＣ３１は遠隔地からコントローラ１０の設定、操作、監視等を行うことができる。

　また、液体制御装置１は外部電源（図示省略）に接続されている。外部電源としては、交流電源とすることも、直流電源とすることもでき、また直流電源としては、一次電池及び二次電池等を含む電池とすることもできる。液体制御装置１が移動、搬送又は携帯が可能な場合には、外部電源３９を電池とすると電源を確保する上で便利である。

　また、コントローラ１０は後述の検出部３８からの検出信号に基づいて電極に印加される電流値、電圧値、周波数又は位相の少なくとも１つをフィードバック制御する。

　電極１３、１４の間には、処理対象とする物質が配置されるようにする。処理対象とする物質としては、個体、液体及び気体の少なくとも１つものであれば、特に限定されるものではなく、後述のとおり多様な物質を対象とすることができる。

　コントローラ１０は、通信部３５を介して、あるいは、ＰＣ３１を介して、通信ネットワーク４５に接続されており、この通信ネットワーク４５は管理サーバ４０、データベース４３、液体制御装置１ａ～１ｎ、ＰＣ３１ａ～３１ｎに接続されている。管理サーバ４０は、コントロータ１０から、物質検出部３２及び／又は検出部３８の検出データを含む制御情報を通信部３５又はＰＣ３１を介して、収集することができる。管理サーバ４０では、データベース４３のデータ、各液体制御装置１、１ａ～１ｎからの情報、各ＰＣ３１、３１ａ～３１ｎからの情報に基づき、例えば深層学習等の機械学習により、コントローラの制御パラメータを求めるための学習モデルを演算する。管理サーバ４０は訓練済みの学習モデルや、学習済みモデルにより求められた演算パラメータを各液体制御装置１、１ａ～１ｎのコントローラ１０に送信する。コントローラ１０は、制御部３６において学習モデルを用いて物質検出部３２及び／又は検出部３８からの検出データに基づいて電極１３、１４に対向して配置された物質に適応するパラメータを演算し、あるいは、制御部３６において管理サーバ４０から送信された適応するパラメータを用いて、電流電圧印加部１１から電極１３、１４に印加する電流及び／又は電圧を電流電圧制御部３３によって制御するための演算を行う。記憶部３７には、制御プログラムが記憶されている。コントローラ１０は、制御プログラムに基づいて制御される。この制御プログラムは、管理サーバ４０から書き換え可能であるため、適時プログラムを更新し、バージョンアップすることが可能である。また、ＰＣ３１から制御プログラムの設定、変更、更新も可能である。さらに、ＰＣ３１によってコントローラ１０の各種制御パラメータを設定・変更することも可能である。

［電極について］
　図１では一対の電極１３，１４として板状電極が例示されているが、電極１３，１４の態様は板状に限定されるものではなく、箔状、膜状又は層状とすることもでき、さらに、棒状、球状、半球状、円柱状、半円柱状、円錐状、半円錐状、略Ｌ字状、略コ字状、多角形状、多角柱状、多角錐状、曲面状、又は、屈曲状等、多様な形状を採用可能である（後述の図３２～図３９等を参照）。また、電極１３，１４が箔状及び膜状の場合には、電極の厚みを非常に薄くできるため、電極の設置スペースを小さくすることができると共に、形状を自由に設定することができ、軽量化することもでき、さらに、電極の設置が容易である。層状の場合には、例えば所定の基体に対して重ねるように薄膜状の電極を設けられているもの等も含まれる。

　電極１３，１４の形状は、平板状に限られるものではなく、どのような形状であってもかまわない。箔状の電極１３，１４を用いる場合には、設置場所の形状に沿って、電極を任意の形状に成形することができるので、例えば電極を曲面状とすることも可能である。

　電極１３，１４には複数の貫通孔を設けることもできる。電極に複数の貫通孔を設けると電極から電磁波を発生させる際の特性を改善することが可能であると共に、通気性を有し、さらに、電極を通して視認性を確保することもできる。孔の形状は、円形、楕円形、多角形、スリット状、線分状、これらの組み合わせ等、多様なものを採用でき、例えば６角形の孔を設けることもできる。

　電極１３、１４の材質は、導電性を有する材質であれば特に限定されるものではないが、例えば銅、鉄、ステンレス、アルミニウム、チタン、金、銀、プラチナ等の導電性金属等、これらの金属の合金等、あるいは、導電性酸化物、導電性ガラス等の導電性材料等が採用される。また、電極１３，１４の表面を絶縁材により被覆することもできる。なお、例えば電極をフライヤーに配置する場合には、フライヤーの内面と電極との間は絶縁される。また、例えばコンテナの内面に電極を配置する場合には、コンテナの内面と電極との間には絶縁を施すことが望ましい。一対の電極１３，１４の一方と他方を別の材質とすることも可能である。例えば電極１３の材質をステンレスとし、電極１４の材質をチタンとすることができ、この他、ステンレスとアルミニウム、ステンレスと銅との組み合わせ等も可能である。電極１３，１４の材質を変更することによって、その電極から発生させる電磁波の特性を調整することが可能である。この場合、電極１３と電極１４との材質を取り換えることによっても、電磁波の特性を調整することが可能である。後述のとおり、電極の数は、一対に限らず、１枚の場合、３枚以上の場合、二対以上の場合等、適宜設定することが可能であり、この場合にも、各電極の材質を適宜選択することにより、その電極から発生させる電磁波の特性を調整することが可能である。例えば、二対の電極を用いる場合に、一対の電極の材質をステンレスとし、もう一対の電極の材質を銅にすることによって、これら電極から発生させる電磁波の特性を調整することが可能である。電極１３，１４は、電場、磁場、電磁場、電磁波、音波及び超音波の中の少なくとも１つを発生するものであるが、音波又は超音波のみを発生させる場合には、電極１３，１４の材質は導電性材料に限られるものではなく、例えば樹脂等の導電性のない材料を用いることができる。

　液体制御装置１を設置するために専用の筐体を設けることもできるが、これに限定されるものではなく、例えば既存の筐体に設置することも可能である。液体制御装置１を設置できる既存の筐体としては、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵倉庫、冷凍倉庫、貯蔵庫、倉庫、冷蔵車、冷凍車、クーラーボックス、搬送用コンテナ、保管用コンテナ、ショーケース、棚、引き出し、フライヤー、栽培容器（水耕栽培用等）、燃料タンク、パソコン、携帯電話、椅子ベッド、家具、寝具、家電機器、工場内の各種製造機器、加工機器、医療機器、健康機器、美容機器、調理機器、研磨機器、乗り物、半導体の洗浄機器、製錬工程、焼き付け工程、乾燥工程で冷却時に出る水蒸気の制御機器等多様な筐体を選択することができる。

　冷蔵庫の場合には、一対の電極１３，１４を例えば冷蔵庫内の天井面と底面に沿って、対向する側壁面に沿って、天井面や棚板や底面に沿って、天井面や底面と側面とに沿って、又は、扉側内面と奥側側面とに沿って配置することができる。フライヤーの場合には、例えば油容器の内側の両側面に沿って配置される。すなわち、一対の電極１３，１４が対向するように配置されていれば、どのように配置しても構わない。また、一対の電極が平行になるように配置する必要なく、例えば両電極が垂直となる位置関係とすることも可能であり、両電極の間に処理対象となる物質を配置できる空間を設けることができれば両電極はどのような配置としても構わない。電極の個数、配置、形状は、特に特定されるものではなく、その個数は一対に限定されるものではく、1枚でも、３枚以でも、2対以上でもよく、例えば後述の図９、１０、２３～３０等を参照されたい。

　液体制御装置１を設置する対象としては、筐体である必要はなく、一対の電極１３，１４が配置できる場所であれば、どのような場所にでも配置することができる。例えば、棚や壁等、一対の電極１３，１４が対向して配置できれば、どのような場所であっても設置可能であり、また、電極１３，１４を固定するために例えば衝立状の部材を用いることも可能である。例えばまな板として構成することもできる。また、例えば電極の個数は一対に限定されるものではく、１枚でも、３枚以でも、２対以上でもよく、例えば後述の図９、１０、２３～３０等を参照されたい。

［電極に印加される電圧について］
　コントローラ１０から一対の電極１３，１４には、直流成分電圧又は交流成分電圧の少なくともいずれか一方が印加される。直流成分電圧は特に限定されるものではないが、例えば０Ｖから７０００Ｖの間で調整可能であり、例えば０Ｖから５０００Ｖの間で調整可能であり、例えば０Ｖから２０００Ｖの間で調整可能であり、例えば０Ｖ～５００Ｖの間で調整することも可能であり、例えば０Ｖ～２００Ｖの間で調整することも可能であり、例えば０Ｖ～１００Ｖの間で調整することも可能であり、また、例えば５Ｖ～２０Ｖの間で調整することも可能であり、さらに、例えば１０Ｖ～１５Ｖの間で調整することも可能である。また、極性は正とすることも負とすることもできる。すなわち、例えば０Ｖ～２００Ｖの間で調整する場合、正負両極性を考慮した場合には、－２００Ｖ～＋２００Ｖの間で調整することができる。したがって、正負両極性を考慮した場合には、例えば－７０００Ｖ～＋７０００Ｖの間で調整可能であり、例えば－５０００Ｖ～＋５０００Ｖの間で調整可能であり、例えば－２０００Ｖから２０００Ｖの間で調整可能であり、例えば－５００Ｖ～＋５００Ｖの間で調整することも可能であり、例えば－２００Ｖ～＋２００Ｖの間で調整することも可能である。電源電圧については、直流電源を用いるようにしてもよいし、交流電源を用いるようにしてもよい。直流電源を用いるようにした場合には、電源として例えば電池を用いることができるため、可搬性に優れる。また、交流電源を用いるようにした場合には、例えば商用電源を用いることができるため、容易に電源を確保することができる。電源電圧については、例えば交流１００Ｖ～４００Ｖとすることができる、例えば直流５Ｖ～２０Ｖとすることができ、また、例えば直流１０Ｖ～１５Ｖとすることができる。また、空間電場で表現した場合には、例えば－７０００Ｖ／ｃｍ～＋７０００Ｖ／ｃｍ例えば－５０００Ｖ／ｃｍ～＋５０００Ｖ／ｃｍの間で調整可能であり、例えば－２０００Ｖ／ｃｍ～＋２０００Ｖ／ｃｍの間で調整可能であり、また、例えば－５００Ｖ／ｃｍ～＋５００Ｖ／ｃｍの間で調整することも、－２００Ｖ／ｃｍ～＋２００Ｖ／ｃｍの間で調整することも可能である。

　一対の電極１３，１４には、少なくとも直流成分電圧を印加し、例えば交流成分電圧を０Ｖとし、直流成分電圧のみを印加することも可能である。

　直流成分電圧の向きは、プラス（＋）とすることも、マイナス（－）とすることもできる。本実施形態では、電極１４の電位が電極１３（アース電位）の電位よりも高くなるときの直流成分電圧の向きをプラスとし、逆に、電極１４の電位が電極１３の電位よりも低くなるときの直流電圧の向きをマイナスとする。直流成分電圧がプラスの場合でも、マイナスの場合でも、物質の性質を向上する効果を奏する。

　また、一対の電極１３，１４には、直流成分電圧に加えて、交流成分電圧を印加することができる。また、直流成分電圧を０Ｖとして、交流成分電圧のみを印加することもできる。交流成分電圧の周波数は特に限定されるものではないが、例えば０～１ＭＨｚの間で調整可能であり、例えば０Ｈｚ～５００ｋＨｚの間で調整可能であり、例えば０Ｈｚ～２００ｋＨｚの間で調整可能であり、また、例えば５Ｈｚ～１００ｋＨｚの間で調整可能である。対象に応じて、低い周波数帯で使用する場合も、高い周波数帯で使用する場合もある。低い周波数帯では、例えば５Ｈｚ～５００Ｈｚ程度の周波数帯を使用する場合もある。

　また、交流成分電圧の電圧は特に限定されるものではないが、１ｃｍ当たりの空間電場がピーク間において、例えば０～７０００Ｖｐｐ／ｃｍの間で調整可能であり、例えば０～５０００Ｖｐｐ／ｃｍの間で調整可能であり、例えば０～２０００Ｖｐｐ／ｃｍの間で調整可能であり、また、０～５００Ｖｐｐ／ｃｍの間で調整することも可能であり、また、例えば０～２００Ｖｐｐ／ｃｍの間で調整することも可能である。あるいは、例えば電極に対して、０～７０００Ｖの間で電圧を供給することが可能であり、例えば０～５０００Ｖの間で電圧を供給することが可能であり、例えば０～２０００Ｖの間で電圧を供給することが可能であり、例えば０～５００Ｖの間で調整することも可能であり、さらに、例えば５０～２５０Ｖの間で調整することも可能である。例えば一対の電極の場合に、電極間電圧は例えば０～７０００Ｖの間で電圧を供給することが可能であり、例えば０～５０００Ｖの間で調整することも可能であり、例えば０～２０００Ｖの間で調整することも可能であり、例えば０～５００Ｖの間で調整することも可能であり、さらに、例えば５０Ｖ～２５０Ｖの間で調整することも可能である。

　なお、直流成分電圧を印加すると物質の性質を向上する効果が高まる場合もあるが、交流成分電圧のみを印加した場合でも効果は得られ、この場合、直流成分電圧は０Ｖとされる。以下、交流電圧成分について、原則、電圧値のピークトゥーピークを表す場合には単位として［Ｖｐｐ］を用い、電圧の実効値をあらわすためには［Ｖ］を用いる。

　上述のとおり、外部電源の電圧は直流電圧であっても、交流電圧であっても外部電源としては、交流電源とすることも、直流電源とすることもできる。交流電源としては、例えば商用電源を利用可能である。また直流電源としては、例えば一次電池及び二次電池等を含む電池とすることができ、例えば１２Ｖバッテリーや乾電池等、様々な電池を利用可能である。

　コントローラ１０において直流成分電圧の電圧値を調整するためには、直流電源をＤＣ－ＤＣコンバータによって電圧を制御する方法、交流電源をＡＣ－ＤＣコンバータにより整流する際に、または、整流後に、ＤＣ－ＤＣコンバータによって電圧を制御する方法等がある。また、コントローラ１０において交流成分電圧の電圧値及び周波数を調整するためには、直流電源をＤＣ－ＡＣコンバータ（インバータ）によって制御する方法、交流電源をＡＣ－ＤＣコンバータにより整流した後にＤＣ－ＡＣコンバータ（インバータ）によって制御する方法、交流電源をＡＣ－ＡＣコンバータにより制御する方法等がある。

　なお、直流成分電圧の目標電圧値が直流電源の電源電圧と等しい場合には、直流成分電圧として直流電源の電源電圧をそのまま用いることも可能である。同様に、交流成分電圧の目標電圧及び目標周波数が交流電源の電源電圧と等しい場合には、交流成分電圧として交流電源の電源電圧をそのまま用いることも可能である。

　そして、直流成分電圧と交流成分電圧とが加算されて、すなわち、交流成分電圧に対してオフセット電圧として、直流成分電圧が加算されて、この加算された電圧が、一対の電極１３，１４間に印加される。また、例えばＤＣ－ＡＣコンバータでの電力変換において交流成分電圧を制御する際に、直流成分電圧を併せて制御することも可能である。

　電極に印加する電圧の交流成分としては、正弦波状電圧が挙げられるが、本実施形態の交流電圧成分は正弦波状に限定されるものではく、例えば矩形波状、ＰＷＭ波形等、あらゆる波形のものを含む。なお、正弦波及び矩形波とは、厳密な意味の正弦波や矩形波だけを意味するのではなく、ノイズ、歪み等を考慮した上での波形を意味している。また、電極に印加する電圧の直流成分としては、一定電圧だけを意味するものではなく、時間と共に変化する直流成分電圧を用いることも可能である。

　コントローラ１０における電圧を制御手段としては、アナログ式の回路、デジタル式の回路、及び、アナログ回路とデジタル回路とを組み合わせた回路のいずれでも構わない。例えば、正弦波状の電圧をアナログ回路で発生させることもできるし、また、ＰＷＭ波形により等価的な正弦波を発生させることもできる。また、例えば、矩形波状の電圧を発生する回路としては、デジタル式の回路を用いることもできるが、アナログ式の回路を用いることもできる。

　また、コントローラ１０は電極１３、１４に印加する電圧ないし電流を次のように制御する。
（１）物質の界面張力を低下させる電圧ないし電流であること、
（２）飲食物、液体の腐食を防止する電圧ないし電流であること、
（３）生花保存、飲料水保存、水耕栽培の育成促進ないし環境良化、発芽率向上、孵化率向上、アクアリウムの防汚ないし浄化、水質良化、氷砂糖成長促進、燃料改質、又は、燃費向上のいずれか少なくとも１つに資する電圧ないし電流であること、
（４）血液ないし血液成分の保存、糖尿病改善、慢性腎臓病改善、人工透析の改善、血流改善、血管再生、末梢神経障害改善、関節症ないしリウマチ改善、臓器保存、抗腫瘍効果、虚血改善、リンパ浮腫改善、褥瘡改善、壊死予防ないし改善、循環器系疾患改善、又は、感染症対策のいずれか少なくとも１つに資する電圧ないし電流であること、
（５）蓄電器の充電ないし放電、発電機、又は、送電設備のいずれか少なくとも１つの効率を向上させる電圧ないし電流であること、
（６）エマルションの乳化ないし生成を促進する電圧、又は、エマルションの状態維持期間を向上する電圧ないし電流であること、
（７）空気清浄器又はイオナイザーの効果を向上する電圧ないし電流であること、
（８）原子ないし分子を種類ごとに分離させる電圧ないし電流であること、
（９）空間の温度ないし湿度を制御する電圧であること、及び、
（１０）バクテリア、細菌、ウイルス、又は、微生物のいずれか少なくとも１つと、水分とを分離させる電圧ないし電流であること、
（１１）ケミカルポリッシング、メカニカルポリッシング、ケミカルメカニカルポリッシング、又は、磁気研磨を促進する電圧ないし電流であること、
からなる群の中から選択される少なくとも１つの電圧ないし電流である。

［コントローラの制御について］
　液体制御装置１は、コントローラ１０により駆動され、一対の電極１３，１４間に電場が発生する。このとき、電極１３，１４は、アンテナとして機能し、両電極１３，１４間に電磁波が放射されることにより、電磁場が発生する。また、電極１３，１４に対して、電気的、磁気的あるいは機械的な手段により振動を与えることにより、電極間に音波及び／又は超音波を発生させることもできる。電極間に音波及び／又は超音波を発生させる手段としては例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いることができる。したがって、両電極１３，１４間には、電場、磁場、電磁場、電磁波、音波及び超音波の中の少なくとも１つが発生する。電場、磁場、電磁場又は電磁波に加えて、音波及び／又は超音波を用いることにより、物質の特性を向上する効果が増大する。

　コントローラ１０は検出部３８からの検出信号に基づいて電極に印加される電流値、電圧値、周波数及び位相の少なくとも１つをフィードバック制御する。検出部３８は電極に印加される電圧を検出する電圧センサ、電極に印加される電流を検出する電流センサ、電極に印加される電圧及び／又は電流の周波数を検出する周波数センサ、電極に印加される電圧及び／又は電流の位相を検出する位相センサ、両電極１３，１４間の磁場を検出する磁場センサ、両電極１３，１４間の電場を検出する電場センサ、両電極１３，１４間の音波の大きさや周波数を検出する音波センサ、及び、両電極１３，１４間の超音波の大きさや周波数を検出するや超音波センサの少なくとも１つを含む。

　また、電極にセンサを設けることもできる。電極自体をセンサとして用いることも可能である。電極にセンサを設けた場合には、電極へ電力を供給する電源線に加え、センサのための配線（例えば２本）が必要となる。コントローラ１０と電極との間の配線数は少ない方が望ましいため、電源線とセンサ線とをまとめて単一のコードとするとよい。この場合の単一コードは少なくとも絶縁性を有する素材で被覆されているものを利用する。さらに、耐久性や耐熱性があることも望ましい。さらに、冷凍室での使用も考慮すると低温にも耐えられることが望ましい。例えばフライヤーでの使用を考慮すると絶縁性に加え、耐久性及び耐熱性が求められるため、コードの被覆素材としては、例えばフッ素樹脂等を採用することができる。一対の電極を設ける場合には、一方の電極のみにセンサを設けるようにすることも可能である。あるいは、両方の電極にセンサを設けた場合には、一方の電極のセンサにより他方の電極が発生する物理量を検出することが可能である。３個以上の電極の場合には、少なくとも１個の電極にセンサを設けるようにすることができるが、これに限定されるものではなく、複数の電極、あるいは、全ての電極にセンサを設けることも可能である。

　コントローラ１０における電流値、電圧値、周波数及び位相の少なくとも１つの制御目標値は、対象とする物質の種類や状態に応じて設定される。この制御目標値の設定は、図示されない通信器を介して、遠隔で設定することが可能である。また、コントローラ１０の制御パラメータや制御量を遠隔制御することも可能である。これにより、複数の液体制御装置１のコントローラ１０を遠隔地にあるサーバ４０で集中管理し、各コントローラ１０を適切に制御することが可能である。ただし、コントローラ１０の制御の態様は、サーバ４０からの遠隔制御に限定されるものではなく、例えば各コントローラ１０に直接、制御目標値を設定したり、制御パラメータを設定したりすることにより、各液体制御装置１のコントローラ１０を個別に制御することも可能である。

　なお、コントローラ１０には記憶部３７が設けられており、当該記憶部３７には制御プログラムが記憶されている。コントローラ１０はこの制御プログラムに基づいて制御される。この制御プログラムは通信又は記憶媒体を介して書き換え可能であるため、適時プログラムを更新し、バージョンアップすることが可能である。さらに、コントローラ１０とサーバ４０は通信可能であり、サーバ４０から送られてくる制御パラメータ、制御量、制御プログラムないし各種設定値は、記憶部３７に記憶される。また、制御プログラムは適宜の記憶媒体に記憶することが可能である。

　図２は水分子の模式図であり、図２Ａは自由に活動している状態の水分子であり、図２Ｂは連珠配列のときの水分子である。

　対象となる物質、例えば、肉、魚、野菜等の食品等、飲料、動植物細胞、及び、油等は、自由水等の水分としての水分子を含んでいる。

　通常、水分子（Ｈ２Ｏ）は、図２Ａに示すように、不規則に配列している。そのため、水素原子Ｈが活性酸素３０を取り込んだり、水素結合を発生したりし、水分子のサイズが大きくなり、水分子の動きが鈍くなる。そして、水分子の酸化が始まる。

　これに対して、一対の電極１３，１４間に電場が発生すると、水分子は、一定の向きに配列しようとする。なぜならば、水分子は、電子を引っ張る力が強い酸素原子Ｏが少しマイナスに、電子を出しやすい水素原子Ｈが少しプラスなり、それぞれが一対の電極１３，１４との間の電場の方向に向こうとするからである。

　コントローラ１０により交流成分電圧を発生させると、水分子は交互に向きを変える。この時、水分子は交流成分電圧と同じ周波数で向きを変え、振動しているような状態となる。そして、この振動を繰り返すうち、水分子は、図２Ｂに示すように、活性酸素３０又は他の成分との水素結合が切り離されて、徐々に水分子がそれぞれ規則的に細粒化して配列するようになる。

　物質内に存在する自由水等の水分としての水粒子（微細な水滴）間についても同様の作用があるため、一対の電極１３，１４間の電場によって、水粒子同士が引き合うようにして連珠配列を形成する。

　一対の電極１３，１４間に直流成分電圧が印加される場合には、この直流成分電圧による電場の向きに沿って、水分子が配列しようとする力の成分が存在する。このため、直流成分電圧のみを一対の電極１３，１４間に印加した場合にも、水分子は規則的に配列するようになる。さらに、直流成分電圧に対して交流成分電圧が印加されると、水分子は交流成分電圧と同じ周波数で向きを変え、かつ、一方向に水分子が配列しようとする力の成分も存在するため、水分子がより規則的に配列しやすくなる。水粒子の状態についても、これと同様に、一対の電極１３，１４間の電場によって、自由水等の水分としての水粒子同士が引き合うようにして連珠配列を形成する。

　なお、一対の電極１３，１４間に印加する電圧に直流成分電圧が含まれていない場合にも、交流成分電圧によって、水分子は交流成分電圧と同じ周波数で向きを変え、振動しているような状態となる。そして、この振動を繰り返すうち、水分子は、活性酸素３０又は他の成分との水素結合が切り離されて、徐々に水分子がそれぞれ規則的に細粒化して配列するようになる。また、一対の電極１３，１４間に印加する電圧に直流成分電圧が含まれていない場合に、交流成分電圧による作用は、水粒子の状態についても同様に、一対の電極１３，１４間の電場によって、自由水等の水分としての水粒子同士が引き合うようにして連珠配列を形成する。

　なお、音波又は超音波には水分子を振動させる作用があるため、一対の電極１３，１４間に直流成分電圧及び／又は交流成分電圧を印加する際に、さらに所定の周波数及び強度の音波及び／又は超音波を電極間に発生させることにより、水分子の配列を促進する効果を奏する。また、所定の音波及び／又は超音波により水分子を振動させた場合には、電極間に電圧を印加しない場合であっても、水分子を整列させることが可能である。

　水分子ないし水粒子の配列方向は、電磁場の印加方向に沿う方向となるため、印加する電磁場を制御することにより、水分子ないし水粒子の配列方向を制御することが可能である。例えば一対の電極１３、１４から印加する電磁場は一定方向であるが、後述の図９では、直交する２対（電極１３、１４、及び、電極１５、１６）の電極から電磁場を印加しているため、各電極に印加する電流ないし電圧を制御することにより、各電極間に発生する電磁場の強さに加え、電磁場の向きも調整することができるので、水分子ないし水粒子の配列方向を制御することが可能である。

　水は、「結合水」と「自由水」とに分けることができる。結合水は、他の成分と水素結合により結びつき安定した状態である。これに対して、自由水は、自由に活動している状態であり、物質が食品である場合には食品が新鮮でみずみずしい状態である。しかしながら、自由水は、分子が他の成分と結合しやすく、自由水を含む食品は腐敗しやすい。すなわち、雑菌、ウィルス、微生物又は、活性酵素が自由水と結合することで腐食が進みやすい。また、結合水の状態においても時間経過や温度上昇、乾燥環境の中では結合水が自由水になり、その時、水素結合していた細胞の成分の一部をもぎ取ることで腐敗しやすくなる。そこで、自由水を連珠配列した結合状態（上記「結合水の状態」とは区別される。）または他の細胞等に結合した状態にすることで鮮度維持を可能にする。

　本実施形態の液体制御装置１によって連珠配列された水分子は、自由水同士が結合して結合水のような安定した状態となる構造を形成すると考えられる。すなわち、本実施形態の液体制御装置１によって規則的に配列された水分子は、物質内に保持されながら、他の成分と結合しないため、食品を新鮮でみずみずしい状態に保つことができる。

　したがって、本実施形態の液体制御装置１を容器に設置しておけば、容器内の物質の自由水の配列を制御することができ、物質が食品、薬品、細胞である場合には、食品、薬品、細胞の鮮度を維持することが可能となる。例えば、液体制御装置１を輸送容器として使用することで、従来よりも長距離の輸送でも鮮度を維持したまま食品を輸送することができる。なお、容器は例えば発泡スチロール等でもよく、本実施形態の液体制御装置１を既存の発泡スチロール等に取り付けることで、輸送容器を構成することができる。

　また、本実施形態の液体制御装置１によって一度規則的に配列した水分子は、数日～数十日間、規則的に配列した状態で保持される。したがって、対象となる物質が食品、薬品、細胞である場合、本実施形態の液体制御装置１により自由水を連珠配列の状態にした後に、別の容器に移して保存しても、食品、薬品、細胞の鮮度を維持することが可能となる。

　また、電極１３，１４に所定の電圧が印加されると、物質の水分中の水分子は、電気的に整列し、略一定方向（電場の向き）に配向する。この時、水分子が整列することによって、物質の導電率が増大する。物質が液体の場合にも水分子を整列させることが可能であり、これにより例えば純水の場合にも、導電率を上昇させることができる。また、水分子は電場中では一定の周波数で微振動するため、０℃付近では結晶化しない。

　また、電極１３，１４に所定の電圧が印加されると、物質中の水分子の水素結合が抑制されるため、水素結合が少なくなるため、例えば生理的な水を得ることが可能である。さらにこの水に対して、マイクロバルブ、マイクロナノバブル又はナノバブル等の微小気泡を添加することにより、より高機能な水を得ることができる。このような電場及び微小気泡による液体の高機能化は水だけに限定されるものではなく、例えば水溶液、エマルション、油等にも適用可能である。

　また、電極１３，１４に所定の電圧が印加されると、物質の水分中の水分子の水和が促進される。例えば、物質に含まれる蛋白質等が水和され、水分子と結合して蛋白質等が水分子で囲まれた状態となると、物質の劣化を抑制することができる。

　図３は自由水の顕微鏡写真であり、図３Ａは電場を印加する前の自由水の状態を示し、図３Ｂは電場を印加した際の自由水の状態を示す。図３Ｂに示すように、電場を印加した際の自由電子では、白色の下線でマーキングした箇所において、水粒子の連珠配列が確認できる。これに対して、図３Ａに示すように、電場を印加する前の自由水では、水粒子の連珠配列は確認できない。図３より、本実施形態の液体制御装置１により自由水を連珠配列の状態にすることができることが確認できた。図３では、油相中における水相の連珠配列の様子を示したが、印加する電界を制御することにより同様に液体の連珠配列を制御することは、他の種類の液体間でも可能である。

　図４は水粒子の電位のシミュレーション結果であり、図４Ａはシミュレーションモデルの説明図であり、図４Ｂは電位シミュレーションの結果である。図４Ａに示すようにシミュレーションモデルは自由水として、中央部に４個の連珠配列の水粒子が存在し、その左側には独立した２個の水粒子が存在するものである。

　図４Ｂでは水粒子の縦方向に沿った鉛直方向断面における等電位の領域が３箇所示されている。一番右側の断面において、水粒子が連珠配列している箇所では、連珠配列内の水粒子内は等電位であることが示されている。また、図面の中央部に存在する４個の連珠配列の水粒子の領域は略同じ色によって着色されていることから、４個の連珠配列の水粒子の領域の電位は略等しいことが分る。

　連珠配列している４個の水粒子には電気力線が走っていることから、この４個の水粒子が引き付け合っていること分かる。さらに、連珠配列している４個の水粒子から左側に離れて存在する２個の独立した水粒子に対しても連珠配列している４個の水粒子からの電気力線が走っていることから、これら２個の独立した水粒子に対しても、連珠配列している４個の水粒子へ引き付ける方向の力が作用していることが考えられ、２個の独立した水粒子にが、連珠配列している４個の水粒子の配列に加わる可能性が考えられる。

［界面張力の低下について］
　Ｗ／Ｏエマルション（例えば食用油中の微小水滴）において、本実施形態の液体制御装置１によって電磁場を印加した場合に、界面張力を低下させることができる。この場合、界面張力の低下は例えば１０％以上を実現することができ、また電磁場の条件によっては２０%以上を実現することができ、さらに、例えば直流成分電圧及び交流成分電圧を適切に制御すると、界面張力を６０％以上低下させることができる。これは、電磁場の印加によって形成される界面分極の増大によるものと考えられる。

　例えば食用油中で食物を調理するとき、食物に含まれる水分が食用油中で水蒸気となる際に、食物から食用油中に離脱する水滴は、微小水滴であり。このような微小水滴に、界面張力を低下させるのに十分な界面分極が生じていると、双極子間引力による微小水滴の連珠配列が形成される。フライヤーを用いて食用油で食物を揚げる場合に、フライヤーに対して本実施形態の液体制御装置１の一対の電極１３，１４を設置しておくと、油／水界面の界面張力を低下させることができる。

　界面張力は、水と油との界面に限定されるものではなく、二種類の液体間、液体と気体との間、液体と固体との間の界面についても、少なくとも一方の相に液体を含む限りにおいて任意の界面について、本実施形態の液体制御装置により、界面張力を低下するように制御可能である。

　図５及び図６には、本実施形態の液体制御装置１により食用油と水との界面張力が低下することを示すグラフである。図５は、印加電圧の周波数と電圧値（０～７５Ｖ）を変化させた際の食用油と水の界面張力のグラフであり、図６は、電極への印加電圧の周波数と電圧値（０～１５０Ｖ）を変化させた際の食用油と水の界面張力のグラフである。図５及び図６は、前述の［界面張力の低下について］の項目で説明した測定装置と異なり、円筒状の容器内に、下層に水を、上層に食用油を、両者の界面が接する状態で入れ、この容器内に一対のステンレス電極を挿入し、様々な周波数及び電圧値の交流電圧を印加しながら、食用油と水との界面張力を測定した。界面張力の測定にはFace Automatic Surface Tensiometer（協和界面科学株式会社）を用いた。なお、電極としては一対の平板電極を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば円筒状の容器の内壁に沿うような曲面状の電極、あるいは、ステンレス箔のようなフレキシブルな電極を容器の内面に沿うように配置させてもよい。

　図５は、電極に印加した交流電圧は、周波数を１０ｋＨｚ～５０ｋＨｚ、電圧を０Ｖ～７５Ｖの間で変化させた時の食用油と水の界面張力のグラフである。図５から、食用油と水の界面張力は、電極に印加される交流電圧の周波数及び電圧値と関連性を有することが分かる。すなわち、周波数が５０ｋＨｚから、２０ｋＨｚへ、さらに、１０ｋＨｚに低下するほど、界面張力が減少している。また、電圧値が０Ｖから７５Ｖへ上昇するほど、界面張力は減少している。したがって、これらの界面張力と電極に印加される交流電圧の周波数及び電圧値と関連性とを利用することにより、液体制御装置１は印加電圧を調整することにより、界面張力を制御することが可能である。例えば、液体制御装置１をフライヤーに適用する場合には、前述のように界面張力が低下すると食物に内包される水分が離脱する際に、食用油中で粒径の小さな微小水滴となって分散しやすくなるため、加熱されている食用油中で水蒸気となって気化しても、発生する突沸は小さくなるが、この際に、液体制御装置１により界面張力を制御することにより、突沸の程度を調節できるようになるため、様々なフライヤーによる調理条件、食材の種類や状態や量等に応じた電極への印加電圧の設定が可能となる。これにより、フライヤーによる調理条件が異なる場合にも、適切な電圧を電極に印加することにより、界面張力を適正に制御できるので、調理された食物の食感及び食味が非常に優れたものとなる。これは、電極に印加する電圧をフィードバック制御する場合にも有用である。また、界面張力は測定ないし予測可能であるため、界面張力を制御パラメータの１つとして利用することも可能である。

　図６は、電極に印加した交流電圧は、周波数を１０ｋＨｚ～２０ｋＨｚ、電圧を０Ｖ～１６０Ｖの間で変化させた時の食用油と水の界面張力のグラフである。図６は、特定の実験装置による測定例であり、この測定結果を全ての測定系に拡大することはできないまでも、界面張力と電極に印加される交流電圧の周波数及び電圧値と関連性があることが示されている。この関連性を利用して、電極に印加される交流電圧の周波数及び電圧値を調整することにより、界面張力の最適化が可能となる。本実施形態の液体制御装置１の効果と、界面張力との関係が明らかになったことにより、フライヤーの場合だけは無く、他の適用対象、例えば保冷や保蔵等に用いる場合にも、界面張力との関係からその効果の最適化を図ることが可能となる。上述の界面張力の測定は比較的容易であるため、本実施形態の液体制御装置１の最適化を、界面張力との関係から分析できることにより、電極に印加する電圧の制御をより適切に、かつ、より容易に行うことができる。

　図５、６では、水相と油相間の界面張力の低下について説明したが、液相と該液体とは異なる相との間の界面張力についても同様に、印加する電磁場を制御することにより、制御することが可能である。液体の界面張力の制御については、液相と他の液相との界面張力だけでなく、液相と気相との界面張力、液体と固相との間の界面張力の制御にも適用可能であり、例えば、本実施形態の液体制御装置により電磁場を印加することにより、界面張力の制御、接触角の制御等も可能である。

　図７は、油中での水滴滴下についての写真であり、食用油中に細い管（直径１．０ｍｍの金属ストロー）から生理食塩水を滴下する際に、細い管の先端周囲を囲むように環状電極を設け、細い管と環状電極との間に１００Ｖの電圧を印加した場合の様子が示されている。電圧を印加しない場合、水滴は油中に滴下しない。電圧を印加すると食用油と生理食塩水との界面張力が低下し、水滴が油中に滴下される。図７では、滴下される水滴の周囲に、微小水泡が散らばっている様子が確認できる。電圧を印加すると界面張力が低下するため、水滴の粒径が小さくなることに加え、水滴の滴下に伴い、微小水泡が生成される。

　電圧を印加した際に、食用油中に生理食塩水の水滴が滴下されるが、この水滴の滴下の瞬間をハイスピードカメラにて観察したものである。図８Ａは電圧印加前、図８Ｂが電圧印加開始時、図８Ｃが電圧印加後の様子を示し、時系列に図８Ａ、図８Ｂ、図８Ｃの順番となる。電圧を印加すると図８Ｂ及び図８Ｃに示されているように、微細水泡が確認できる。なお、電気分解により電極から発生する気体との区別が鮮明でない部分もある。

　本実施形態の液体制御装置が、界面張力を低下するように制御することにより、例えば油中で水滴の微小水泡を形成されるように制御できる機能を利用して、例えば油中水（W/O）型、あるいは、水中油（O/W）型のエマルションを生成し、またエマルションの安定化性等の品質を向上するように制御することが可能である。また、エマルションは２相に限らず、３相以上のエマルションの制御も可能である。また、ここではエマルションとして水相と油相の２相の混合について例示したが、本実施形態の液体制御装置は、一方に液体を含む限りにおいては、任意の２相以上、例えば２種類の液体、液体と固体の混合、攪拌、又は捏和の制御に用いることとができ、以下、単にエマルションの制御という表現を用いるが、この制御には、任意の２相以上の混合における制御も含まれる。

　本実施形態の液体制御装置により物質に対して印加する電磁場を制御することにより、物質の内部ないし表面に存在する水分に作用し、水分がくさること、水分がにごること、色がにごること、藻が生えること、ぬめること、錆びること、又は、かびることの等を防止、抑制ないし制御することが可能である。

［変形例１］
　図９を参照して、変形例１に係る液体制御装置について説明する。図９は、変形例１に係る電極の概念図である。図１～図８と同様の構成については同一の符号を用いると共に、その説明を省略する。変形例１に係る液体制御装置は、電極を２対とした点で前記実施形態１に係る液体制御装置と異なる。

　液体制御装置１Ａは、コントローラ１０Ａ，１０Ｂと、二対の電極としての第１電極１３，１４及び第２電極１５，１６を、備えている。コントローラ１０Ａ，１０Ｂはそれぞれ、交流成分電圧発生部及び直流成分電圧発生部を備えている。コントローラ１０の実際の回路構成においては、交流成分電圧発生部及び直流成分電圧発生部を別々に設ける必要はなく、両者の機能を兼ねる回路構成とすることもできる。また、２つのコントローラ１０Ａ，１０Ｂを１つのコントローラとして構成することも可能である。そして、第１電極１３，１４及び第２電極１５，１６から同様な電磁波を発生させるのであれば、１つのコントローラから第１電極１３，１４及び第２電極１５，１６の両方に電圧を印加するようにしてもよい。

　液体制御装置１Ａは、コントローラ１０Ａ及び１０Ｂにより駆動され、第１電極の一対の電極１３，１４間、及び、第２電極の一対の電極１５，１６間に電場が発生する。このとき、電極１３～１６はそれぞれアンテナとして機能し、第１電極の両電極１３，１４間、及び第２電極の両電極１５，１６間にそれぞれ電磁波が放射されることにより、電磁場が発生する。したがって、両電極１３～１４，１５～１６間には、電場、磁場、電磁場及び電磁波の中の少なくとも１つが発生する。また、実施形態１と同様に、電極１３，１４に対して、電気的、磁気的あるいは機械的な手段により振動を与えることにより、電極間に音波及び／又は超音波を発生させることもでき、さらに、所定の音波及び／又は超音波により水分子を振動させた場合には、電極間に電圧を印加しない場合であっても、水分子を整列させることが可能である。

　第１電極１３，１４間及び第２電極１５，１６間には、処理対象とする物質が配置されるようにする。処理対象とする物質としては、実施形態１と同様に、個体、液体及び気体の少なくとも１つものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態の液体制御装置１Ａを冷蔵庫に設置する場合には、例えば第１電極１３，１４を冷蔵庫内の側面に設置し、第２電極１５，１６を冷蔵庫の天井面、底面又は棚板に設置することができる。図９では、第１電極１３，１４と第２電極１５，１６とが直交するように配置される例が示されているが、本発明はこれに特定されるものではなく、第１電極１３，１４により発生する電磁場と第２電極１５，１６により発生する電磁場との少なくとも一部が処理対象とする物質に作用するのであれば、第１電極１３，１４と第２電極１５，１６とはどのような配置でも構わない。

　コントローラ１０Ａ，１０Ｂは図示されない検出部からの検出信号に基づいて電極に印加される電流値、電圧値、周波数及び位相の少なくとも１つをフィードバック制御する。検出部は電極に印加される電圧を検出する電圧センサ、電極に印加される電流を検出する電流センサ、電極に印加される電圧及び／又は電流の周波数を検出する周波数センサ、両電極１３～１４、１５～１６間の磁場を検出する磁場センサ、及び、両電極１３～１４、１５～１６間の電場を検出する電場センサ、電圧の位相検出センサ、電流の位相検出センサ、及び、電圧と電流との位相検出センサの少なくとも１つを含む。

　コントローラ１０Ａ，１０Ｂにおける電流値、電圧値、周波数及び位相の少なくとも１つの制御目標値は、処理対象とする物質の種類や状態に応じて設定される。そして、コントローラ１０Ａから第１電極１３，１４に印加する電流、電圧、周波数及び位相は、それぞれコントローラ１０Ｂから第２電極１５，１６に印加する電流、電圧、周波数及び位相と同一であっても、異なっていても構わない。例えば、両者の電圧と周波数とを異なるものとすること、両者の周波数のみを異なるものとすること、両者の周波数と位相とを異なるものとすること等、各種の組み合わせが可能である。

　この制御目標値の設定は、図示されない通信器を介して、遠隔で設定することが可能である。また、コントローラ１０Ａ，１０Ｂの制御パラメータや制御量を遠隔制御することも可能である。これにより、複数の液体制御装置１Ａのコントローラ１０Ａ，１０Ｂを遠隔地にある管理サーバ４０で集中管理し、各コントローラ１０Ａ，１０Ｂを適切に制御することが可能である。ただし、コントローラ１０Ａ，１０Ｂの制御の態様は、管理サーバ４０からの遠隔制御に限定されるものではなく、例えば各コントローラ１０Ａ，１０Ｂに直接、制御目標値を設定したり、制御パラメータを設定したりすることにより、各液体制御装置１Ａのコントローラ１０Ａ，１０Ｂを個別に制御することも可能である。

　管理サーバ４０はクラウド上に設けられたクラウドサーバとすることもできる。１つ以上の液体制御装置がネットワークを介して、クラウドサーバに接続されており、各液体制御装置での制御情報は、クラウドサーバで管理されており、対象部位と状態に応じた最適な制御パラメータがクラウドサーバから情報により設定される。また、各制御結果データもクラウドサーバにより収集されている。例えばクラウドサーバでは、対象物、対象部位、及び対象物の状態に対する、電圧、電流、周波数、及び界面張力等に関するデータを記憶しており、クラウドサーバでは、これらのデータに応じて、各液体制御装置のコントローラの制御パラメータを設定する。クラウドサーバでは、制御パラメータとして、電極に印加する電圧及び周波数の目標値をそのままコントローラに送信してもよいし、あるいは、電極に印加する電圧及び周波数を演算するために必要な対象物とその状態に応じた界面張力などのデータをコントローラに送信し、コントローラにて目標値の演算を行うようにしてもよい。前者の場合には、クラウドサーバから目標値の設定が可能であるため、現場における操作者の設定の手間を省くことができる。本実施形態の液体制御装置では対象物、対象部位、対象物ないし対象部位の種類や状態、制御目標等に応じて、複数種類のコントローラを準備しておくこともできるが、同一のコントローラを用いて多様な目標値の設定することにより、さまざまな対象物の制御に適用可能となる。クラウドサーバにおいて収取された多様な履歴データを用いて、後述のように機械学習を行うことにより最適な制御パラメータを決定することができる。また、後述のように、制御パラメータの設定に当たっては、液体制御装置の電極から印加される電界を感知することができる、パラメータ測定用のダミー測定器を用いることができる。

　図９では、直交する２対（Ｘ方向電極１３、１４、及び、Ｙ方向電極１５、１６）の電極から電磁場を印加しているため、各電極に印加する電流ないし電圧を制御することにより、各電極間に発生する電磁場の強さに加え、電磁場の向きも調整することができるので、水分子ないし水粒子の配列方向を制御することが可能である。Ｘ方向電極１３、１４に印加する電流ないし電圧をコントローラ１０Ａで制御し、Ｙ方向電極１５、１６に印加する電流ないし電圧をコントローラ１０Ｂで制御するところ、例えば、Ｘ方向電極１３、１４に印加する電圧値と、Ｙ方向電極１５、１６に印加する電圧値との比を調整することにより、各電極により発生させる電磁場の強さ及び向きを調整できるので、この電磁場の中に配置した物質内部ないし表面の水分を微粒子化させると共に、この微粒子化された水分の配列状態を所望の方向に制御することが可能である。各電極には交流電圧だけでなく、直流電圧も印加できるので、この直流電圧成分を調整することにより、各電極により発生されれる電磁場の中に配置した物質内部ないし表面の水分の配列を、Ｘ－Ｙ座標の二次元について任意の方向に制御可能である。図９の２対の電極、Ｘ方向電極１３、１４、及び、Ｙ方向電極１５、１６に加えて、さらにもう一対のＺ方向電極（不図示）とコントローラ１０Ｃを追加することにより、三次元空間において所望の方向及び強さの電磁波を発生させることができるので、各電極により発生されれる電磁場の中に配置した物質内部ないし表面の水分の配列を、三次元について任意の方向に制御可能である。後述のように、本実施形態の液体制御装置により、物質の内部ないし表面の水分子の微粒子化と、特定方向への連珠配列の状態、及び、この配列方向を制御することにより、物質の性質を向上させることが可能である。

　図１０は変形例１の異なる電極の概念図であり、図１０Ａは１つの電極を用いる例であり、図１０Ｂは１つの電極と当該電極に対向する２つの電極を用いる例である。実施形態１では一対の電極を用いる例を、実施形態２では二対の電極を用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば１個の電極を用いること、３個等の奇数の電極を用いること等も可能である。例えば図１０Ａに示すように、１個の電極１７によっても電磁波を発生することができる。また、例えば３個の電極を用いる場合には、図１０Ｂに示すように１個の電極１８に対して２個の電極１９，２０を対向させることや、あるいは、３個の電極から異なる電磁波を発生させることも可能である。したがって、電極の個数や配置は任意に設定でき、限定されるものではない。

［変形例２］
　図１１及び図１２を参照して、本発明の変形例２に係る液体制御装置について説明する。図１１は、変形例２に係る異なる周波数の電圧を用いた場合の波形図であり、図１２は、変形例２に係る異なる位相の電圧を用いた場合の波形図である。図１１～図１２と同様の構成については同一の符号を用いると共に、その説明を省略する変形例２に係る液体制御装置は、一対の電極から、それぞれ異なる電磁波を発生させた点で実施形態１及び変形例１と異なる。

　図１１では、一対の電極２１Ａ，２１Ｂの一方の電極２１Ａから５０ｋＨｚの周波数の電磁波（Ｐ波）を発生させ、他方の電極２１Ｂから４７ｋHzの周波数の電磁波（Ｑ波）を発生させている。ここで、電磁波の振幅をＡとすると、Ｐ波及びＱ波はそれぞれ次の式で表される。なお、時刻ｔ＝０において、共にＶ（ｔ）＝０となる位置（例えば両電極２１Ａ，２１Ｂのちょうど中間の位置）での式として表す。
Ｐ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ１ｔ），ｆ１＝５０ｋＨｚ
Ｑ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ２ｔ），ｆ２＝４７ｋＨｚ
これにより、一対の電極２１Ａ，２１Ｂ間には、図１１ＣのようにＰ波＋Ｑ波の電磁波が印加されることになる。

　図１２では、一対の電極２２Ａ，２２Ｂの一方の電極２２Ａから５０ｋＨｚの周波数の電磁波（Ｐ波）を発生させ、他方の電極２２Ｂから３０ｋHzの周波数の電磁波（Ｑ波）を発生させている。両波形の位相αは両者ともα＝０で一致している。ここで、電磁波の振幅をＡとすると、Ｐ波及びＱ波はそれぞれ次の式で表される。なお、時刻ｔ＝０において、共にＶ（ｔ）＝０となる位置（例えば両電極２１Ａ，２１Ｂのちょうど中間の位置）での式として表す。
Ｐ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ１ｔ），ｆ１＝５０ｋＨｚ
Ｑ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ２ｔ），ｆ２＝３０ｋＨｚ
これにより、一対の電極２２Ａ，２２Ｂ間には、図１２ＢのようにＰ波＋Ｑ波の電磁波が印加されることになる。

　図１２Ｃでは、一対の電極２３Ａ，２３Ｂの一方の電極２３Ａから周波数５０ｋＨｚ、位相α＝０の周波数の電磁波（Ｐ波）を発生させ、他方の電極２３Ｂから周波数３０ｋHz、位相α＝π／２の電磁波（Ｑ波）を発生させている。すなわち両波形の位相はπ／２に設定されている。ここで、電磁波の振幅をＡとすると、Ｐ波及びＱ波はそれぞれ次の式で表される。なお、時刻ｔ＝０において、Ｐ波Ｖ（ｔ）＝０、Ｑ波Ｖ（ｔ）＝Ａとなる位置（例えば両電極２１Ａ，２１Ｂのちょうど中間の位置）での式として表す。
Ｐ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ１ｔ），ｆ１＝５０ｋＨｚ
Ｑ波：Ｖ（ｔ）＝Ａｓｉｎ（２πｆ２ｔ+π／２），ｆ２＝３０ｋＨｚ
これにより、一対の電極２３Ａ，２３Ｂ間には、図１２ＤのようにＰ波＋Ｑ波の電磁波が印加されることになる。

　図１１～１２では両電極からそれぞれ周波数及び／又は位相の異なる電磁波を発生させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば両電極に印加する交流成分電圧を調整して電磁波のピーク間電圧を制御することや、両電極に印加する直流成分電圧を調整して、交流成分電圧に対してオフセット電圧として直流成分電圧を印加することや、両電極に印加する直流成分電圧を異ならせることや、両電極に印加する交流成分電圧のピーク間電圧値、周波数及び位相を異ならせること等も可能である。

［変形例３］
　図１３を参照して、本発明の実施態様１の変形例３に係る液体制御装置について説明する。図１３は、液体制御装置１のブロック図である。図１～図１２と同様の構成については同一の符号を用いると共に、その説明を省略する。

　図１３は図１に対応するブロック図である。ただし、通信部３５、記憶部３７及び外部電源３９等は省略されている。すなわち、実際には制御部３６は、通信部３５を介して管理サーバ４０等と通信を行い、記憶部３７との間でデータの入出力を行い、外部電源３９から電力が供給され、電流電圧制御部３３を介して電流電圧印加部１１を制御しているが、それらの動作は図１３では省略されている。また、図１３では、コントローラ１０は筐体５０（例えば冷蔵庫等）の外部に示されているが、これに限定されるものではなく、例えばコントローラ１０を筐体５０の内部に設けることもできる。

　図１３におけるフロー（ａ）～（ｈ）について、順に説明する。フロー（ａ）では、マンマシンインターフェイス３１からの入力により、コントローラ１０のオン・オフ、動作モード、物質の種類や状態、電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流の設定等のコントローラ１０の設定が入力される。動作モードとしては、例えば、自動モード、物質入力モード、及び、手動設定モード等がある。自動モードでは、例えば、後述のように物質検出部３２からの検出信号、検出部３８からの検出信号及び管理サーバ４０からの制御パラメータや制御値に応じて、物質が適切な状態となるようにコントローラ１０が自動的に制御される。物質入力モードでは、例えばマンマシンインターフェイス３１から物質の種類や状態を入力することにより、物質に応じてコントローラ１０が適切に制御される。手動設定モードでは、例えば電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流を手動で設定する。以下では、特に説明がない限りは、自動モードの場合を例に挙げて説明する。また、フロー（ａ）では、さらに筐体５０が自動調整機能を有する場合には、マンマシンインターフェイス３１から筐体５０に対する筐体に対する設定値を入力できるようにしてもよい。

　フロー（ｂ）では、制御部３６からの指令により、物質検出部３２から物質に関する情報が収集される。例えば筐体５０が冷蔵庫の場合、物質検出部３２により収集される物質に関する情報としては、庫内カメラの映像、水分量センサによる食品の水分に関する検出信号、及び、温度センサや湿度センサの検出信号（冷蔵庫に内蔵されたセンサからの検出信号も含む）等が含まれる。また、例えば筐体５０がコンテナの場合、物質検出部３２により収集される物質に関する情報としては、コンテナ内カメラの映像、コンテナ内の温度センサや湿度センサの検出信号、及び、コンテナに設けられたＧＰＳからの信号（なお、ＧＰＳをコントローラ１０に設けることも可能である）等が含まれる。ここでは、筐体５０が冷蔵庫である例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、筐体５０としては、例えば、治療台、処置台、簡易ベッド、電磁治療器、電位治療器、低周波治療器、ＥＭＳ、マッサージ機器、美顔機器、振動機器、キャビテーション機器、マイクロバブル機器、マイクロナノバブル機器、ナノバブル機器、ファインバルブ機器、テラヘルツ機器、高周波機器、量子治療器、育毛機器、セルライト機器、筋肉弛緩機器、超音波治療機器、オゾン発生機器、水素発生機器、ＬＥＤ機器、ビューティー機器、痩身機器、又は、保存容器等を備える器具、機器、装置、又は設備等が含まれる。物質検出部３２により収集される物質に関する情報としては、治療用ないし処置用カメラやセンサの情報、上記各種機器により収集ないし処理される情報、保存容器や保管装置からの情報等が含まれる。

　フロー（ｃ）では、ＣＰＵ３６からの指令により物質検出部３２から収集された物質に関する情報は、通信部３５を介して管理サーバ４０に送信される。なお、フロー（ａ）における設定が物質入力モードの場合は、例えばマンマシンインターフェイス３１から入力された物質の種類や状態の情報が、管理サーバ４０に送信される。

　また、フロー（ａ）における設定が手動設定モードである場合には、例えば、管理サーバ４０に電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流についての情報を送信し、管理サーバ４０において所定の補正を行ったうえで、所定の制御パラメータや制御値を管理サーバ４０から制御部３６に対して送信するようにしてもよい。また、例えば、管理サーバ４０における情報収集のために、手動で設定された電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流を管理サーバ４０に送信し、制御値は制御部３６において計算するようにしてもよい。また、例えば、管理サーバ４０において上述の制御値の補正や情報収集が不要である場合には、フロー（ｃ）において管理サーバ４０に出力電圧及び／又は出力電流の情報を送信する必要はない。

　管理サーバ４０においては、物質の種類及び状態に対して適切な制御パラメータや制御値が計算される。さらに、管理サーバ４０においては、制御パラメータや制御値を計算する際に、物質の種類及び状態以外にも、季節、天候、気象予報、日時、場所、需給予想、冷蔵庫の入出庫や収納状況、コンテナの輸送経路と交通状況、当該コンテナと関連する一群のコンテナの状況、在庫管理情報、需給状況、経済指標、ウェッブ上の情報等の情報をデータベース４３等と通信することにより参照することができる。さらに、管理サーバ４０においては、各液体制御装置についての治療ないし処置情報、すなわち、予約情報、治療内容、処置内容、対処物、対処物、対象部位、治療目的、処理目的等の情報を収集する。

　物質検出部３２により収集される物質に関する情報の中、カメラの映像からは、管理サーバ４０において、物質の種類や状態を画像認識により判別することができる。この画像認識の際には、例えば深層学習により訓練されたＡＩを使用することにより、物質の種類や状態を正確に認識することができる。すなわち、食品のカメラの映像とその食品の実際の種類や状態とのデータにより訓練されたニューラルネットワークを用いて、カメラの映像から物質の種類や状態を正確に認識することができる。サーバは他のコントローラ１０とも通信を行うことにより、多くの画像認識データを蓄積することができ、それにより、多様な物質に対して画像認識の精度をより高めることが可能となる。なお、コントローラ１０がＡＩのプログラムを備えている場合には、管理サーバ４０で訓練済みの学習モデルを用いて、制御部３６において画像認識を行い、フロー（ｃ）においては画像認識の結果をサーバ４０に送信することもできる。このようにコントローラ１０において画像認識を行った場合には、フロー（ｃ）におけるデータ送信の通信量を低減することができる。

　フロー（ｄ）では、管理サーバ４０において計算された制御パラメータや制御値がコントローラ１０の制御部３６に送信される。

　管理サーバはクラウド上に設けられたクラウドサーバとすることもできる。１つ以上の液体制御装置がネットワークを介して、クラウドサーバに接続されており、各液体制御装置での制御情報は、クラウドサーバで管理されており、対象部位と状態に応じた適切な制御パラメータがクラウドサーバから情報により設定される。また、各制御結果データもクラウドサーバにより収集されている。例えばクラウドサーバでは、対象物、対象部位、及び対象物の状態に対する、電圧、電流、周波数、及び界面張力等に関するデータを記憶しており、クラウドサーバでは、これらのデータに応じて、各液体制御装置のコントローラの制御パラメータを設定する。クラウドサーバでは、制御パラメータとして、電極に印加する電圧及び周波数の目標値をそのままコントローラに送信してもよいし、あるいは、電極に印加する電圧及び周波数を演算するために必要な対象物とその状態に応じた界面張力などのデータをコントローラに送信し、コントローラにて目標値の演算を行うようにしてもよい。前者の場合には、クラウドサーバから目標値の設定が可能であるため、現場における操作者の設定の手間を省くことができる。本実施形態の液体制御装置では対象物、対象部位、対象物ないし対象部位の種類や状態、制御目標等に応じて、複数種類のコントローラを準備しておくこともできるが、同一のコントローラを用いて多様な目標値の設定することにより、さまざまな対象物の制御に適用可能となる。

　同一のコントローラを用いて多様な目標値の設定するためには、制御パラメータの設定にＡＩを利用することが好ましい。クラウドサーバにおいて収取された多様な履歴データを用いて機械学習を行うことにより最適な制御パラメータを決定することができる。機械学習の種類は特に限定されるものではないが例えばディープラーニングを用いることができる。訓練データとしては、各制御パラメータとそれに対応する制御結果のデータを用いることができる。ネットワークに接続された他の液体制御装置の制御結果データもクラウドサーバに収集されていることにより、各制御パラメータとそれに対応する制御結果のデータに加え、様々な環境データ、機構データ、対象部位データ、状況データ等のビッグデータが得られるので、これらのビッグデータを訓練データとして用いて、機械学習によって学習モデルを訓練することができる。訓練された学習モデルを用いて、対象物、対象部位、及び対象の状況に応じた適切な制御パラメータの設定が可能である。後述の変形例３の物質検出部３２及び検出部３８により検出されたデータについても、クラウドサーバにより収集可能であり、これらのデータも機械学習の訓練データとして利用可能である。なお、後述の物質検出部３２における画像認識の機械学習については、クラウドサーバにて制御パラメータの演算と共に行うことができる。

　前述のように、マンマシンインターフェイス３１、例えばＰＣ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話等からの入力により、コントローラ１０のオン・オフ、動作モード、物質の種類や状態、電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流の設定等のコントローラ１０の設定が入力される。本実施態様の液体制御装置では多様な対象を制御可能であるため、コントローラ１０の設定値の入力に際しては、マンマシンインターフェイス３１から、対話式で設定値を入力できるようにしておくことが好ましい。また、本実施態様の液体制御装置を設置している施設、医院、クリニック等に設置している予約システムや管理システムと接続し、予約情報、スケジュール情報、管理情報等から、本実施態様の液体制御装置を利用する予定、日時、対象物、対象部位、対象物及び対象部位の状態、制御目標等を液体制御装置に入力することができる。入力する情報としては、特に限定されるものではないが、対象物及び対象部位の状態としは、例えば対象者の身長、体重、体温、血圧、血糖値等を含む体調や症状の情報、問診票の情報、カルテ情報、履歴情報等、制御目標としては、例えば治療目標、治療方針、治療計画等の情報が入力される。設定値の入力について治療内容に関する場合には、対象者の入力に対して、医師や医療スタッフがチェックして確定すること、対象者に対して問診した結果を医師や医療スタッフが入力すること等の入力方法を採用できる。入力情報としては、治療の系か情報の入力が好ましいため、カルテや治療履歴などの情報も含まれる。前述の制御パラメータを設定するための機械学習には、これらの様々な入力情報、後述の変形例３の物質検出部３２及び検出部３８により検出された情報、施設、医院、クリニック等に設置されている液体制御装置と共に使用する治療ないし施術機器からの情報や画像情報、液体制御装置の制御結果データ、施術後の対象者の診療情報や経過情報、対象者の検診情報やその履歴情報、後述のダミー測定器による校正情報等が利用できる。物質検出部３２から入力された画像情報等からの画像認識に係る機械学習は、画像認識だけをそれぞれ単独で行ってもよいが、画像情報をクラウドサーバでの制御パラメータ設定のための機械学習として一括して行てもよい。

　制御パラメータの設定に当たっては、液体制御装置の電極から印加される電界を感知することができる、パラメータ測定用のダミー測定器を用いることができる。ダミー測定器には電界測定器が備えられており、液体制御装置の電極から印加された電界を測定できる。液体制御装置のコントローラ、あるいは、クラウドサーバでは、対象物の特性に応じた対象物の最適な電界、電極の目標である電圧及び周波数、並びに、電界と液体の界面張力との関係等のデータを記憶している。この記憶データに基づき、現在の液体制御装置の電極の種類とその配置に応じて、適切に対象物に電界を印加できるように、ダミー測定器で検出された電界のフィードバックデータを用いて、液体制御装置の電極に印加する電圧の電圧値及び周波数の校正を行うことができる。このような電極の種類や配置に応じた適切な電界の校正時の情報についても、クラウドサーバにおいて収集しておくことで、先の最適な制御パラメータの機械学習に使用することもできる。制御パラメータとしては、少なくとも、電極に印加する電圧、電流、周波数、電極から対象物に印加する電界等のデータが含まれる。また、ダミー測定器を用いることに代えて、電極自体に電界測定機能を設けるようにしてもよい。例えば、電極のインダクタンス、キャパシタンス、電極に流れる電流等に基づいて電極から印加された電界の値を演算により求めることも可能である。

　制御パラメータの設定にあたっては、様々な制御対象、制御目標が設定でき、特に限定されるものではないが、例えば次のものを含む。梗塞、壊死、褥瘡、熱傷、活性酸素除去、乳酸除去、血流改善、リンパ液流改善、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、動脈硬化、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりの改善ないし防止、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性改善、硬結，若しくは硬化の改善ないし防止、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止、細胞浮腫、神経細胞浮腫、水腫、肺水腫、関節水腫、腹水腫、インスリン分泌障害、排泄障害、排泄困難、便秘、排尿障害、鬱滞、水疱、ドラッグデリバリー向上、薬液ないし体液の粘度低減、細胞培養、再生医療、再生医療における培養時間短縮，培養品質向上，若しくは培養効率向上、細胞組織再生、乳酸低減、腫脹、腫大、浮腫、体液滞留、細胞外液ないし細胞内液の脱水、皮膚疾患、色素沈着症、肝斑、雀卵斑、表皮性しわ、真皮性しわ、表情じわ、乾皮症、体調改善、硬結、筋硬結、筋膜リリース、筋膜電位改善、神経変形疾患、筋膜電磁治療、マッスルインバランス、筋膜電位バランス改善、ボディーバランス改善、筋膜バランス改善、咬合改善、整骨改善、整体改善、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止、内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランス改善、骨折、関節疾患、スキンケア、保湿、妊孕性改善、不妊症、精子運動率改善、精子活性、卵子活性、ミトコンドリア活性、オートファジー活性、ＰＭＳ、疼痛、そう痒、異常感覚、冷え性、不感症、痙攣、アンチエイジング、毛包ケア、更年期障害改善、洗浄性向上、脱毛症、ＡＧＡ、ＥＤ、脂肪分解促進、コンタクトレンズ装着感改善、ドライアイ、視力改善、動体視力改善、睡眠障害、睡眠改善、睡眠時無呼吸症候群、予防医学改善、神経細胞改善、細胞浮腫改善、ウィルス，細菌，若しくはカビ対策、癌、緑内障、白内障、加齢黄斑変性、眼科疾患、難聴、聴覚障害、視覚障害、認知症、アルツハイマー、パーキンソン病、睡眠改善、美容改善、健康増進、運動機能改善、水分出納、消化器内科疾患、呼吸器内科疾患、循環器内科疾患、神経内科疾患、血液内科疾患、腎臓内科疾患、内分泌内科疾患、内科疾患、血圧改善ないし正常化、脈拍，若しくは心臓拍動の改善ないし向上、呼吸機能ないし肺機能の改善ないし向上、透析機能の改善ないし向上、整骨療法、死後硬直改善、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックの改善、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器の改善、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質の改善ないし向上、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出の改善ないし向上、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上、エマルション性の改善ないし向上、ドラックデリバリー性の改善ないし向上、薬品の効能ないし性能の改善ないし向上、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖防止ないし対策、転移の防止、薬液の粘性の低下、又は、液体の波動の制御、エクトプラズムの制御等に関するもの。

　フロー（ｅ）では、制御部３６は、管理サーバ４０から送信された制御パラメータや制御値を用いて、電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流を制御する。

　フロー（ｆ）では、制御部３６は、検出部３８により検出された検出信号に基づいて各電極１３，１４に印加される電流値、電圧値、周波数及び位相の少なくとも１つをフィードバック制御する。なお、検出部３８により検出された検出信号には、電極に印加される電圧、電極に印加される電流、電極に印加される電圧及び／又は電流の周波数及び／又は位相、両電極１３，１４間の磁場、両電極１３，１４間の電場、及び、両電極１３，１４間の音波及び／又は超音波の少なくとも１つを含む。この時、フィードバックされる制御値は、制御部３６において計算された制御値であってもよいが、管理サーバ４０において計算された制御値でもよい。

　ここで、フィードバックされる制御値が制御部３６において計算された制御値である場合には、フロー（ｄ）において管理サーバ４０から制御部３６には制御目標値が送信されている。あるいは、手動モードの場合には、フロー（ａ）において、制御目標値としての設定値が入力される。なお、制御目標値は、物質検出部３２により収集される物質に関する情報に応じて時間に対して可変に設定されることができる。また、フィードバックされる制御値が管理サーバ４０において計算された制御値である場合には、管理サーバ４０において、フィードバックされる制御値を計算するために、フロー（ｃ）において検出部３８により検出された検出信号を管理サーバ４０に送信し、管理サーバ４０においてフィードバックされる制御値が計算され、フロー（ｄ）により管理サーバ４０から制御部３６に制御値が送信される。

　本実施形態では、検出部３８を用いる例を説明したが、検出部３８を用いない制御も可能である。この場合、フロー（ｆ）は省略され、フロー（ｅ）により電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流が制御される。なお、この場合の制御にはセンサレス制御やオープンループ制御等、各種制御が適用可能である。

　フロー（ｇ）は、筐体５０が自動調整機能を持つ場合には、制御部３６からの制御指令が筐体５０に送信されるようにしてもよい。筐体５０が冷蔵庫である場合には、制御指令は、例えば制御指令は庫内の温度や湿度の設定値である。また、筐体５０がコンテナであってコンテナに温度や湿度を調整する機能がある場合には、制御指令は、例えばコンテナに対する温度や湿度の設定値である。また、筐体５０がコンテナであって、コンテナが温度や湿度を調整可能な倉庫に格納されている場合には、後述のようにフロー（ｉ）により当該コンテナの温度や湿度の調整に関する情報が、外部サーバ及びデータベース４３としての当該倉庫の管理サーバに対して送信され、他のコンテナを含めた全てのコンテナの温度や湿度の状態を適切に調整するために用いられる。なお、筐体５０が自動調整機能を有しない場合には、フロー（ｇ）は必須の構成ではなく、この場合、例えば後述のフロー（ｈ）において、マンマシンインターフェイス３１に、制御部３６からの制御指令に関する情報が表示される。

　フロー（ｈ）では、制御部３６における制御の状況として、例えば電流電圧印加部１１の出力電圧及び／又は出力電流の制御状況、現在扱っている物質の種類及び状態の情報、筐体５０の状況（物質検出部３２の検出情報）、筐体５０が自動調整機能を有しない場合には、ＣＰＵ３６からの筐体５０に対する制御指令に関する情報が、マンマシンインターフェイス３１に表示される。また、これらの情報に加えて、マンマシンインターフェイス３１には、必要に応じて、あるいは、マンマシンインターフェイス３１からの操作に応じて、フロー（ｄ）において管理サーバ４０から制御パラメータや制御値に加えて送られてくる情報として、例えば、季節、天候、気象予報、日時、場所、需給予想、冷蔵庫の入出庫や収納状況、コンテナの輸送経路と交通状況、当該コンテナと関連する一群のコンテナの状況、在庫管理情報、需給状況、経済指標、及び、ウェッブ上の情報等の情報を表示することができる。これらの情報を参酌することにより操作者は治療や処置を適切に管理することができる。

　マンマシンインターフェイス３１は、コントローラ１０に一体とすることができる。または、マンマシンインターフェイス３１は、コントローラと１０と別体とすること、あるいは、コントローラ１０の一部の機能と共に別体とすることもでき、この場合、マンマシンインターフェイス３１を、通信機能を有する携帯端末、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ＰＣとして構成することができる。マンマシンインターフェイス３１を、コントローラ１０の一部の機能と共に別体とする場合には、コントローラ１０の中の、通信部３５の機能、記憶部３７の機能、及び、制御部３６の演算機能のいずれか少なくとも１つ、または、その一部の機能をマンマシンインターフェイス３１と共に別体とすることができる。さらに、マンマシンインターフェイス３１と共に、物質検出センサ３２の機能や検出部３８の機能又はそれらの機能の一部を一体化することも可能である。例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、又は、ＰＣに内蔵されているカメラ機能は、物質検出部３２として利用することが可能である。

　フロー（ｉ）では、管理サーバ４０は、データベース４３と通信することにより、物質の管理に必要な情報の送受信やデータ収集を行っている。管理サーバ４０は、インターネットを介して、必要な外部サーバとの間で通信を行うことができる。このため、筐体５０がコンテナである場合には、例えば当該コンテナを管理している倉庫の管理データベースや管理サーバにアクセスすることができる。

　また、コントローラが、電極を対象部に対向して配置した状態で、電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、電極に対向する対象部に応じて、前記電極に印加する周波数、電圧、及び、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の射角度の少なくとも１つを時間的に変化するように、又は、電極への電圧の印加時間を制御するようにすることもできる。対象物についての情報が物質検出部３２からの検出信号、検出部３８からの検出信号、又は、マンマシンインターフェイスからの設定信号から入力されると、コントローラは、対象物の種類や状態に応じて、管理サーバ４０からの制御パラメータや制御値による所定の設定に基づき、電極に印加する周波数及び電圧を時間的に変化させるか、電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の射角度、すなわち電極の角度を時間的に変化させるか、又は、電極への電圧の印加時間を制御するかのいずれか少なくとも１つを制御する。電圧及び／又は周波数の時間的変化の所定の設定については、特に限定されるものではないが、後述の変形例４のようなスイープさせる特性を採用することもできる。

［変形例４］
　図１４を用いて、本発明の変形例４に係る液体制御装置、品質制御方法、プログラム、記憶媒体、について説明する。図１～図１３と同様の構成については同一の符号を用いると共に、その説明を省略する。実施形態１、変形例１～３の液体制御装置１においては、電流ないし電圧は、電流値ないし電圧値、及び、周波数は所定の値に設定されていたが、変形例４では、電流値ないし電圧値、及び／又は、周波数を所定の規則で、かつ、所定の範囲内で変化させる、すなわち、スイープさせる。図１４Ａは、電圧値、電流値又は周波数を直線状に連続的にスイープさせる例を示す。図１４Ｂは、電圧値、電流値又は周波数を直線状にステップ状に変化させる例を示す。また、図１４Ｃは、例えば電圧値をステップ状に変化させると共に、周波数を直線状に連続的にスイープさせるものであり、また例えば、周波数をステップ状に変化させると共に、電圧値を直線状に連続的にスイープさせるものである。これによりどのような対象に対しても、自動的に、適切な電流値ないし電圧値、及び／又は、適切な周波数の電磁波を発生させることが可能となる。すなわち、スイープの範囲内の所定のタイミングでは適切な電流値、電圧値又は周波数が発生されていることになる。なお、図１４Ｃは一例にすぎずこれに限定れるものでは無い。図１４Ｃでは一方の値が一定の間に他方の値が０からピークまでの間を一往復しているが、これに限られない。例えば、一方の値が一定の間に他方の値が０からピークまで増加し、次に、一方の値がステップ状に変化してその値で一定となった時に他方の値がピークから０へ減少するというような変化を繰り返すものとしてもよい。さらに、図１４Ｃにおいて一方の値がステップ状に変化して、他方の値が０からピークまでの間を連続的かつ頻繁に変化しているが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の値がゆるやかに連続的に変化し、他方の値が０からピークまでの間を連続的かつ頻繁に変化するものとすることもできる。

　スイープさせる規則は図１４に限定されるものではなく、直線状やステップ状の変化の他に、例えば曲線状の変化、正弦波状の変化、アナログ的な滑らかに変化、離散的な変化、ランダムな変化等であってもよい。交流電圧値、直流電圧値、交流電流値、直流電流値、周波数等を変化させることができ、この場合に、各値を１つずつ変化させること、複数の値を関連させて変化させること（例えば図１４Ｃの例を参照。）、複数の値を同時に変化させること等もできる。スイープの範囲については、例えば変形例１～３で規定した範囲内で行うことができ、あるいは、それよりもさらに広い範囲に広げることも可能である。

　任意の対象に対して、スイープの範囲内の所定のタイミングでは適切な電流値、電圧値又は周波数が発生されていることになるが、物質検出センサ３２等によるフィードバックによりコントローラ１０が対象の状態を把握し、スイープの変化のパターンと対応させて分析することにより、あるいは、サーバ側で分析することにより、自動的に適切な（あるいは最適な）電流値、電圧値又は周波数を検出することも可能になる。検出された適切な値は、その後のコントローラ１０の制御に利用されると共に、サーバを介して、他のコントローラ１０においても共有するようにすることも可能である。

　以下、実施形態１の液体制御装置について、血流改善の例について説明する。本実施形態の液体制御装置においては、例えば、床に置かれた方形の板状電極の上に、被験者が両足を載せた状態で、電極から電磁波を発生させることによって、被験者に作用させる電磁波を調整することによって、被験者の血流を改善するように制御する。電極は単極のものであっても、二極のものであってもよい。電極が二極の場合には正極と陰極とを有する。特に限定されるものではないが、陰極はアース電位とすることができる。正極と陰極は方形の電極の前後方向あるいは幅方向に分割されるような配置でもよい。

　特に限定されるものではないが、好ましい２極の配置として、各電極が櫛歯状であり、両電極の櫛歯が交互に配列されるように両電極を対向して配置したような電極配列とすることができる。櫛歯という表現を用いたが、櫛歯の形状は複数の縦長方形の形状に限定されるものではなく、その幾何学形状は任意であり、適宜の凹凸や空間を組み合わせたような多様な形状が採用可能である。電極の導電性と、両電極間の絶縁を確保できる限りにおいて、各櫛歯状電極の寸法は任意であるが、例えば両電極間のクリアランスは０．５ｍｍ～５０ｍｍ程度、導電部分の幅寸法は０．５ｍｍ～５０ｍｍ程度として設定することができる。

　図１５は、３０分後の血流改善の結果である。電極にコントローラから５０ｋＨｚ、１００Ｖを印加して被験者に３０分間、電磁波を作用させたときの手の指先の毛細血管における血流改善の結果を図１５に示す。左側が電磁波の印加なし、右側が電磁波を３０分間生かした後のデータである。（１）～（４）の各箇所の血流速度の平均値が、本実施形態の液体制御装置により、３０分間の電磁波印加後に改善されている。

　特に限定されるものではないが、本実施形態では血流速度の測定を画像解析により、血液の動きをとらえ、血流速度を算出した。

　図１６は、４週間にわたる血流改善の結果である。電極にコントローラから５０ｋＨｚ、１００Ｖを印加して被験者に３０分間、電磁波を作用させる処置を、毎日行った時に、血流が改善されることが図１６から確認できる。図１６の上からら４つの棒ブラフは、５秒間にわたる血流速度を表すもので、上から順に、３日目、１週間目、２週間目、４週間目のデータである。一番下のグラフは、血流速度の平均値の４週間にわたる変化を示すもものであり、本実施形態の液体制御装置により３０分間電磁波を被験者に作用させる処置を毎日続けることによって、日にちの経過とともに血流が改善されていくことが確認された。

　図１５、１６の血流改善の実験結果より、本実施形態の液体制御装置は、心臓拍動、若しくは脈拍を改善ないし向上する制御をすること、血圧を改善ないし正常化する制御をすること、透析機能の改善ないし向上する制御をすること、ドラッグデリバリーシステム，若しくはコスメの浸透性を改善する制御をすることができることが示された。さらに、血流改善による効果は、血液だけではなく、血しょうやリンパなどの体液の流動性の改善、体液代謝の改善、水分バランスの安定化に寄与するため、本実施形態の液体制御装置は、視力，動体視力を改善ないし向上する制御をすること、眼科疾患を改善ないし防止する制御をすること、内科疾患を改善ないし防止する制御をすること、免疫機能の改善ないし向上する制御をすることができることが示された。

　図１７は、ゴースト血管が復活した結果である。一人の被験者（４０歳代女性）は、本実施形態の液体制御装置により３０分間電磁波を作用させたところ、図１７の右上の写真のとおり、手の指先のゴースト血管が復活した。また、もう一人の被験者（７０歳代男性）は、本実施形態の液体制御装置により１０分間電磁波を作用させたところ、右下の写真のように、手の指先の毛細血管の血流が改善された。

　図１５～図１７においては、床に置かれた方形の板状電極の上に、被験者が両足を載せた状態で、電極から電磁波を発生させることによって、被験者に作用させる電磁波を調整することによって、被験者の血流を改善するように制御した。電極に印加した電圧は、５０ｋＨｚ、１００Ｖとしたが、被験者に作用させる電磁波を発生させるための電圧の条件はこれに限定されるものではなく、被験者毎に、あるいは、被験者の状態に応じて、この電極に印加する電圧の周波数及び電圧値を適宜調整することが可能である。また、周波数及び電圧値を時間的に変化させるように制御することも可能である。周波数の下限は心拍数と略同等の１Ｈｚ、上限は特に限定されない。例えば設定条件を１ＭＨｚまでとすることができるが、これに限定されるものではなく、周波数の上限はテラヘルツ波領域（０．１ＴＨｚ～１００ＴＨｚ）に設定することもできる。電圧値の範囲については、液体制御装置の電源部の制約を除けば特に限定されるものではなく、例えば下限を５Ｖ程度、上限を２０００Ｖ程度に設定することができる。

　図１８は、マウス下肢虚血モデルでの血流改善の結果である。マウスの下肢虚血モデル（Ｎ＝７）に対して、本実施形態の液体制御装置により電極に５０ＫＨｚ、１００Ｖの電圧を印加してマウスに対して電磁波を作用させたところ、１４日後に血流比が優位に向上した。

　図１５～１８の実験により、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりを改善ないし防止する制御をすること、　体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性を改善ないし向上する制御をすること、硬結，若しくは硬化を改善ないし防止する制御をすること、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止する制御をすること、活性酸素，若しくは乳酸を除去することが示された。さらに、脳における体液代謝の向上により、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、認知症，アルツハイマー，パーキンソン病を改善ないし防止する制御をすることができることが示され、さらに、体液代謝向上による免疫機能の向上により、転移の防止をする制御をすることも示された。

［実施形態２］
　図１９を参照して、実施態様２に係る液体制御装置について説明する。図１９は、造影剤の粘度が低下した結果である。図１９では、点滴によって投与される造影剤について、点滴を行う前の状態で、本実施形態の液体制御装置により、電極に５０ｋＨｚ、１００Ｖの電圧を印加して、造影剤に電磁波を作用させた場合、５分間にわたり造影剤に電磁波を印加させた結果、図１９に示すように、造影剤の粘土が低下していることが確認された。図１９は横軸がせん断速度であり、縦軸が粘度であり、せん断速度ごとに、右側の棒ブラフが本実施形態の液体制御装置により造影剤に５分間電磁波を作用させた後のデータ、左側の棒ブラフがコントロールのデータである。図１９より、本実施形態の液体制御装置により造影剤に５分間電磁波を作用させた後のデータの方が、造影剤の粘度が低下していることが分かる。

　図１９において、せん断速度が１００～１０００のあたりにおいても、本実施形態の方が、コントロールよりも造影剤の粘度が低くなっていることを表１に示す。表１は、図１９のデータを表形式で表したものであり、せん断速度が１００～１０００の範囲においても、本実施形態の方が、コントロールよりも造影剤の粘度が低くなっていることが分かる。

　本実施形態においては、コントローラから電極に印加する電圧を５０ｋＨｚ、１００Ｖとしたが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、造影剤の種類や状態に応じて、コントローラから電極に印加する電圧の周波数及び電圧値を調整することにより、造影剤に作用させる電磁波を制御することができる。

［実施形態３］
　実施態様３に係る液体制御装置について説明する。実施形態３では、神経細部の細胞浮腫の改善について説明する。本実施形態の液体制御装置は、対象部に電磁波を作用させることにより、細胞中の水分を微細化することができる。本実施形態の液体制御装置によりコントローラから電極に例えば５０ｋＨｚ、１００Ｖの電圧を印加することにより、対象部に電磁波を作用することにより、細胞中の水分の粒子を８μｍ以下に微細化すると、微細化された水分は、細胞膜を通過しやすくなる。神経細胞の細胞浮腫は、細胞膜を隔てたイオンバランスの乱れにより細胞内に水分が貯留するものことが原因であるが、本実施形態の制御装によって細胞中に水分子を微細化することにより、水分が細胞内から細胞膜を通して排出されやすくすることにより、細胞浮腫を改善することができる。以上のことより、本実施形態の液体制御装置により体液極小化制御をすることにより、浮腫，細胞浮腫，若しくは神経細胞浮腫を改善ないし防止する制御をすることができることが示された。さらに、本実施形態の液体制御装置により体液極小化制御をすることにより、浮腫の改善効果に加え、体液代謝の向上、体液流動性の向上、水分バラスンの安定化と共に、ホルモン，内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランスを制御すること、ミトコンドリア活性，オートファジー活性，卵子活性，若しくは精子活性を制御すること、熱傷，壊死，若しくは褥瘡を改善ないし防止する制御をすることができることが示された。

［実施形態４］
　実施態様４に係る液体制御装置について説明する。実施形態４では、本実施形態の液体制御装置がウィルス、細菌、カビ、又は癌細胞の増殖を抑制することについて説明する。身体の免疫力が高い状態では、体内電位が安定して細胞間質液同士が結合し、準結合液化が起きているため、ウィルス、細菌、カビ、又は癌細胞が増殖しにくい。これに対して、体内電位が乱れて、身体の免疫力が下がると、細胞間質液間の電位が乱れて単独な栄養豊富な水滴（これを「細胞外自由液」ということがある。）となり、ウィルス、細胞、カビ、又は癌細胞が細胞外自由液に結合することによって増殖する。したがって、本実施形態の液体制御装置によりコントローラから電極に例えば５０ｋＨｚ、１００Ｖの電圧を印加することにより対象部に電磁波を作用させることにより、細胞間質液を連珠構造化させる、これによって、ウィルス、細菌、カビ、又は癌細胞の増殖を抑えることができる。

［実施形態５］
　実施態様５に係る液体制御装置について説明する。実施形態５では、本実施形態の液体制御装置による細菌やウィルスに対する抗菌作用及び感染防止作用について説明する。

　まず、エンベロープ型ウィルス、例えばインフルエンザウィルス（Ｈ１Ｎ１）、コロナウィルスに対する抗菌作用について説明する。本実施形態の液体制御装置によりコントローラから電極に、例えば５０ｋＨｚ、１００Ｖの電圧を印加することにより、対象部に電磁波を作用させると、水分の界面張力が低下することによって、エンベロープ型ウィルスのエンベロープが破壊されることにより、本実施形態の液体制御装置はエンベロープ型ウィルスに対して抗菌作用を奏する。表２に示すようにＨ１Ｎ１ウイルスに対して、本実施形態の液体制御装置による抗菌活性は、1.12（抗菌活性率92.45％）との結果が得られた。

　次に、本実施形態の液体制御装置により身体の対処部に電磁波を作用させると、上述のように血流改善による免疫細胞の運搬性が改善されることにより、免疫機能が向上するので、感染防止に有効である。

　また、本実施形態の液体制御装置により対処部に電磁波を作用させると、細胞中の自由水同士が結合して連珠配列となり、結合水のような安定した状態となるため、細菌やウィルスに対する水分の供給が妨げられる。図２０に、本実施形態の液体制御装置による炭疽病菌に対する抗菌作用を示す。本実施形態の液体制御装置で１日間処理した場合、図２０の上のグラフで示すとおり、ＦＩ炭疽病菌に対する抗菌効果が明らかである。また、本実施形態の液体制御装置で２日間処理した場合、図２０の下のブラフで示すとおり、ＦＩ炭疽菌及ＦＫ炭疽菌の両方に対して、抗菌効果が明らかである。

［実施形態６］
　実施態様６に係る液体制御装置について説明する。実施形態６では、本実施形態の液体制御装置の用途について説明する。本実施形態では、各実験例において電極に印加する電圧及び周波数は、特に断りがない場合には、５０ＫＨｚ、１００Ｖとしているが、本実施形態はこの値に限定されるものではなく、対象物、対象部位、対象部位の状況、治療ないし処置内容に応じて、クラウドサーバ及びコントローラによって目標値が、例えば０～１ＭＨｚ、０～７０００Ｖの範囲内から適切に設定される。

　本実施形態の液体制御装置により電極から対象部位に電界を印加することにより、液体の界面分極が高まり、界面張力が低下することにより、液体の粒子が微粒子化すると共に、微粒子化した液体の粒子は連珠結合に配列するように制御される。さらに、微粒子化された液体のエマルション状態が改善するように制御される。つまり、二液を微粒子化すると共に、二液の混ぜ合わせ度合が向上することにより、例えば、水の中に油が、もしくは油の中に水が良好に分散している状態とすることが可能となる。また、３相以上の混合が良好となるように制御することができる。本実施形態の液体制御装置によれば、例えば、体液極小化制御により、体液の流動性の向上、体液の代謝を向上、水分バランスの安定化等により、体調が良好となるように制御することができる。また、液体の粒子を連珠配列させることにより、微生物、細菌、真菌、及びウィルスの増殖を防止する。さらに、エマルションの品質向上など混合を良好に行うことにより、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上する制御をすることができる。以下、本実施形態の液体制御装置の広範な適用範囲と、その機能、作用、効果をさまざまな実験例と共に説明する。

　本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、液体の界面張力が低下し、液体の粒子が微粒子化することにより次のような制御が可能となる。
・目詰まり、浮腫、鬱滞、むくみ、腫れ、つまり、梗塞の改善
・成長促進、発芽率、水揚げ向上
・鮮度維持、味、香り向上　
・酸化抑制、老化抑制　　
・品質維持、劣化防止、強度向上、流動性改善、目詰まり防止
・油分浸透減少、水蒸気爆発減少
・活性酸素除去、酸化還元向上

　また、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微粒子化された液体粒子は連珠配列するように制御されことにより、次のような制御が可能となる。
・乾燥肌、常にみずみずしい肌
・ウィルスや微生物の増殖抑制、腐敗抑制、壊死、床ずれ抑制　
・雑菌、カビ、藻、匂いの抑制、
・離水減少、香り、鮮度維持、品質、酸化抑制、賞味期限の延長
・強度向上、品質維持、劣化防止
・分離、離水抑制　

　さらに、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微粒子化された液体粒子のエマルション性が向上することにより、次のような制御が可能となる。
・品質向上、性能向上、効果向上
・品質維持、劣化防止、強度向上
・分離、離水抑制

　本実施形態の液体制御装置は、電界を印加することにより、液体の界面張力が低下し、液体の粒子が微粒子化する技術を利用した体液極小化制御を行う。体液極小化制御により、次のような症状を改善する制御が可能である。
・体内の水分の代謝が向上する
・血管と臓器の目詰まり・細胞浮腫が原因の一つ
・脳梗塞、心筋梗塞　血管が詰まる
・肺、膝に水が溜まる、腹水、乳酸が溜まる
・インスリン、尿、便が出ない
・細胞、神経細胞の浮腫、水脹れ、鬱滞
・捻挫や術後に腫れる
・床ずれ、褥瘡、壊死
・かゆみ、痛み、感じない、冷え、凝り
・顔がむくむ、シワ、乾燥肌
・不眠、無呼吸症

　本実施形態の液体制御装置によって体液を極小化するように制御することにより、次のような症状を改善する制御（体液を極小化することから、「体液極小化療法（BFM（ Body Fluids Micronization）療法）と呼ばれ。）が可能である。
・血管と臓器の目詰まり・細胞浮腫を改善すると
・循環障害の改善
・水の対流の抑制
・血糖値、尿、弁の改善
・初動期での病気の抑制
・腫れを早期に抑制
・床ずれ、褥瘡、壊死の抑制
・かゆみ、痛み、感じない、冷え、凝りの抑制
・むくみ、シワ、乾燥肌の抑制
・質の高い睡眠と無呼吸症の抑制

　本実施形態の液体制御装置による体液を極小化するような制御には、次の５つのアプローチでの症状改善制御を行うことができる。
（１）健康（Health Tech）健康維持のアプローチ
・メス、注射、薬に頼らず、体内の間質液、リンパ液、細胞液を極小化することで、血管と臓器の目詰まりを改善することを実現する。
・循環器系の障害改善
・健康維持
・老化防止、美肌
（２）睡眠（Sleep Tech）質の高い睡眠のアプローチ
・喉の筋肉弛緩と血流改善することで無呼吸症候群の改善と、脳内の水分を極小化し、血流改善することで質の高い睡眠を実現する。
・質の高い睡眠
・無呼吸症増進
・うつ改善
（３）PMS、生理痛（Fem Tech）PMS、生理痛の問題解決のアプローチ
・生理痛改善
・月経前の精神的安定
・生理日数の短縮
・ピルや痛み止めの削減
（４）アンチエイジング、若返り、ビューティー（Beauty Tech）のアプローチ
・顔の硬結や筋膜リリースを、電波振動で内部の水分を極小化することで、潤いのある細胞に変化し、短時間に筋肉弛緩を実現することでシワの改善、きめの細かな肌、毛穴改善の実現をする。
・小顔
・美肌、白肌
・若返り
・老化防止
（５）アスリート（Sport Tech）運動能力向上、疲労回復のアプローチ
・体内の間質液、リンパ液、細胞液を極小化することで、血管と臓器の目詰まりを改善。乳酸が貯まるのを防ぎ、体内の活性酸素の問題を改善する。筋肉を最高のコンディションに保つ。
・筋肉疲労改善
・最高のコンディション
・リハビリ時間短縮

　人間の体は60～70％が水分であり、例えば筋肉の７６％が水分でできている。この水分の循環、代謝、バランスを改善することにより、本実施形態の液体制御装置は健康を維持し、体調を改善するように制御する。体液極小化制御により、細胞、神経細胞の浮腫、鬱滞、血管、臓器の目詰まり、循環、ウィルスの増殖防止、粘性の低下等の症状を改善するように制御する。従来の治療では、次のような問題解決を目指しているところ、本実施形態の液体制御装置によれば体液極小化制御により、これらすべての問題を解決できる。
・悪玉菌の問題を解決する
・隅々まで酸素、栄養を細胞に届けられない問題を解決する
・二酸化炭素、老廃物を外に出せない問題を解決する
・老化、酸化の問題を解決する
・臓器、血管の目詰まりの問題を解決する
・無くなる、腐る、もとに戻らない問題を解決する
・体温、エネルギーの問題を解決する
・心、気、ストレス、ホルモンの問題を解決する

　本実施形態の液体制御装置による体液極小化制御によれば、次のような制御が可能となる。
・水分の連珠結合課により、コロナウィルスが、増殖しないようにする。
・血液が凝固せず極小化することで、血栓等の目詰まりを解消する。
・鮮度維持できる細胞とすることにより、臓器移植をしやすくする。
・体液、間質液、血液の流れを改善し、褥瘡や壊死を改善する。
・体液を極小化して循環しやすいし、体液の代謝を改善し、水分バランスを維持することで、老廃物を排出し、菌やウィルスが増殖せず、また、臓器や血管での目詰まりを解消することで、持続的に健康を維持、増進する。
・適用範囲は、外科全般、内科全般、歯科全般、美容・整形全般、皮膚全般、婦人科、保健、体育学、整体、マッサージ、エステ、基礎医学、東洋医学、獣医学。

　図２１は、水滴の粒径の測定結果である。画像Ａの電界OFFの状態から、本実施形態の液体制御装置により、画像Ｂの電界ONの状態とすると、電界印加により水分は小さな水滴粒子に分裂する。画面Ａにおいて白金電極に保持した水滴粒子の１滴の粒径は、直径約4.5mmであり、その体積は約0.05cm³である。画像Ｃの状態で、分裂した水滴粒子の平均粒径は直径8μmであり、この場合、白金電極に保持した１滴の水滴粒子は、約1億8千万個の水滴粒子に分かれる。さらに、画像Ｄにおいて、最小粒径となった水滴粒子グループの粒径は上記画像Ｃの併給粒径よりもさらに細かく、直径2.5μmであり、この場合、白金電極に保持した１滴の水滴粒子は、約61億個の水滴粒子に分かれる。

　従来、水滴を振動させる技術として、EMS、ラジオ波、超音波、美顔器、インディバ、電位治療器、磁石、鉱石、テラヘルツ波等を利用する技術が知られており、これらの技術により振動させる水滴の粒径は、4500μｍである。雨粒の粒径は、1000μｍである。霧雨の粒径は、100～300μｍである。もや（煙霧）の粒径は、10μｍである。スチームの粒径は8μｍである。本実施形態において電界印加により得られた水滴粒子の大きさは、2.5～8μｍである。生体の細胞間の間隔は12μｍ以下であるので、本実施形態で得られた粒径が12μｍ以下の水滴は、生体の細胞間に浸透しやすい性質を有する。本実施形態では電界印加によって微粒子化された水分粒子が動物や植物の生体の細胞間に浸透することにより、様々な効能を生じる。

　図２２は、グリーンリーフレタスの水耕栽培の改善結果である。特に7日目、11日目、13日目の比較写真から、本実施形態の液体制御装置が、グリーンリーフレタスの成長促進に寄与していることを示している。

　図２３は、しその保存における改善結果である。図２３では、同サイズ、同量のしそを2か月間常温で、水の供与量を等量とした条件で、一方を本実施形態の液体制御装置で電界を印加した状態で、他方については電界の印加が無い状態で保管した場合の、水の濁りと、しその成長度合いの比較が示されている。電界を印加した方がしその根の張りが良好であることが分かる。また、電界を印加した方が、水の濁りが少ないことが分かる。図２３より、本実施形態の液体制御装置が、しその保存と、水の濁りの改善に寄与していることが示される。

　図２２及び図２３から、本実施形態の液体制御装置が水分を改質、微粒子化することにより、動物だけでなく、植物の生長促進を制御することができることが分かる。本実施形態の液体制御装置は、あらゆる生体、細胞を向上する制御に適用される。

　図２４は、リウマチの浮腫率の改善結果である。本実施形態の液体制御装置の電波振動を慢性関節リウマチモデルマウスに電波振動を与えたところ、38日?49日目に浮腫率が約15?20%低下し、慢性関節リウマチを改善した。図２４から、抗リウマチ薬メトトレキサートの投与以上の浮腫改善効果が認められる。

　図２５は、下肢虚血モデルマウスの血流の改善効果である。本実施形態の液体制御装置により、下肢虚血モデルマウスに対して電波振動を与えたところ、14日目に血流量の改善が見られた。実験に用いた下肢虚血モデルマウス（exp.no.P180110、N=7）は、BALB/c オス、8週齢マウスから下肢虚血モデルマウスを作製した。血流の測定として、血流画像化装置moorFLPI(Moor Instruments Ltd.)を用いて両肢の血流量を測定した。本実施形態の液体制御装置により、細胞間質液の流れをスムーズにすることで、細胞の新陳代謝を促せ、細胞の活力が維持される。細胞間質液の流れの改善に伴い、血流改善効果がデータとして検出されるまでに、2週間程度の期間を要した。

　図２６は、高粘性剤の粘度低減効果である。イオメプロールなどのMRI・X線撮影造影剤は、粘性があり患者への注射が困難である場合があること、またその流動性の低さにより患者体内で刺激性が強く認められる場合があった。高粘性薬品の流動性を上げることは、医療従事者や患者の負担減に寄与する。本実施形態の液体制御装置により電界印加により、図２６のように粘性の変化を観察した。1分?30分の印加で粘性の低下が見られた。低下は5分印加時に大きく見られた。本実施形態の液体制御装置により電界印加することにより、イオメプロールの粘性が60%程度に低下、つまり、最大で40%程度、粘性が低下した。本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、流体抵抗が下がり、高速せん断状態の変化が観察された。本実施形態の液体制御装置の電極は非接触で電界印加が可能であるため、金属電極を薬液に直接接触させる必要がなく、衛生的である。

　図２７は、心臓移植マウスの血中CPKの改善効果である。本実施形態の液体制御装置により、電波振動を心臓移植マウスに照射すると筋肉などの組織細胞障害の指標になる血中CPKの改善が見られた。図２７の中央のグラフで、血中CPKが、電界印加なしの場合の平均値が1400であるのに対し、電界印加ありの場合の平均値は200に低減されている。CPKは筋肉細胞のエネルギー代謝に必要な酵素であり、骨格筋、心筋、平滑筋などの筋肉や脳に多量に存在する。筋肉に障害があると血中CPKが高まり、例えば急性心筋梗塞や筋ジストロフィーでは顕著に上昇する。図２７の上方のグラフは、血中LDHの測定結果であるが、電界印加なしの場合の平均が2200であるのに対し、電界印加ありの場合の平均が1400程度であり、本実施形態の液体制御装置により電界を印加した方が、血中LDHについても低下している。図２７の下方のグラフは、移植心臓の再拍動開始時間を計測したものであるが、本実施形態の液体制御装置による影響はないことが分かった。本実施形態の液体制御装置により、電波振動は、筋肉細胞のエネルギー代謝が高まり、筋肉組織の損傷修復に対して良い影響を及ぼす効果が認められ、心筋梗塞狭心症の処置にも応用可能である。

　図２６及び図２７の実験結果より、本実施形態の液体制御装置が心臓拍動、若しくは脈拍を改善ないし向上する制御をすること、心臓疾患を改善ないし予防することができることが示された。

　図２８は、電波振動による電気刺激による副反応の検証結果である。図２９は、図２８の実験条件である。電界印加ありの処置群は、電界印加なしのControl群から約２ｍ話して電界印加の影響がないようにして測定した。本実施形態の液体制御装置により電波振動を通常のマウスに照射した場合に、体調に当たる影響はなく、体重変化・摂餌量変化にも変化がなく、安全性が確認された。実験に用いたマウス（Scl:ddY）は、9週齢（入荷8週齢）、体重は対照群32.66±1.09g、刺激群33.16±1.02g、性別は雄、ブリーダーは日本エスエルシー、刺激時間は、8:30～15:30で、7日間連日実施した。図２８に示すとおり、体重変化・摂餌量変化にも変化がなく、本実施形態の液体制御装置が発生する電波振動による電気刺激は、マウスの体重・摂餌量に影響しないことが確認された。

　図３０は、魚の死後硬直、血液凝固改善結果である。図３１は、遺体の腐敗防止装置である。図３０に示すように一対の平板電極を死んだ魚を入れたケース上に水平となるようにセットし、本実形態の液体制御装置により、魚が死んだ後すぐに、魚に電波振動を与えたところ、死後硬直、血液凝固、死臭を防ぐことができた（検証場所：北海道古平町）。また、仕入れから２日後の魚に対して、本実形態の液体制御装置により5分間、電波振動印加することにより、生臭さの低減、食感として歯ごたえの改善、鮮度の回復を確認した。仕入れ直後の魚の尾の付け根にだけ切り込みを入れ、動脈を切断し、氷を斜めにしたプラケースに魚を立てかけるように配置し、本実形態の液体制御装置により電波振動を印加した。比較対象として同様に魚を配置しても、すでに血液は凝固しており、血を抜くことはできなかった。このため比較対象では、エラから内蔵を抜き水圧で血抜きをする必要がある。一方、本実形態の液体制御装置により電波振動を印加した場合には、魚の血の粘度が下がり、尾の付け根の切込みから血を抜くことができた。

　図３０の実験で確認した、魚の死後硬直、血液凝固、死臭の防止効果、鮮度の回復効果、血を抜く際の血の粘度の低減効果については、魚以外の肉類にも適用可能であることに加え、さらには、遺体の保管方法にも応用できる。図３１のように本願発明の液体制御装置の電極を設置し、遺体に電波振動をかけることにより、腐敗防止及び異臭防止の効果があり、遺体袋に対して菌増殖及び腐敗の進行を抑制することができ、さらに、火葬まで保管期間の延長も可能となる。

　図３２は、血液凝固抑制装置である。図３０の実験で確認した、魚の死後硬直、血液凝固、死臭の防止効果、鮮度の回復効果、血を抜く際の血の粘度の低減効果については、魚以外の肉類にも適用可能であることに加え、さらには、血液凝固防止装置に適用可能である。図３２のように体外式膜型人工肺（ECMO）の使用時に、本願発明の液体制御装置の電極を設置し、電波振動を与えることにより、血液の凝固を抑制し、血液凝固リスクを低下させるこができる。これにより、ECMO使用時の定期的な血液の凝固チェック等の医療従事者による監視負担を低減することができる。さらに人工透析機械において、本願発明の液体制御装置の電極を設置し、電波振動を与えることにより、透析機械における血液の凝固を抑制し、血液凝固リスクを低下させ、さらには、血流改善効果と相まって、透析時間の短縮と、透析時の安全性の改善にも寄与する。

　図３３は、イチゴのカビ抑制効果である。本願発明の液体制御装置の電極を設置し、１時間の間、電波振動を与え、その後、冷蔵庫において１か月間保管した。比較対象は、電波振動を与えることなく、そのまま冷蔵庫に１か月間保管した。図３３に示したとおり、本願発明の液体制御装置により電波振動を与えた方のイチゴ（図３３の右側のイチゴ）は、イチゴ内の自由水が電波振動により連珠結合の状態となるため、カビ、微生物、雑菌等が水分結合する自由水が存在しないため、イチゴ表面にカビ、微生物、雑菌が存在している状態であっても、カビ、微生物、雑菌が増殖することは無く、イチゴにカビが発生することは無く、また、腐食も生じていない。一方、比較例のイチゴ（図３３の左側のイチゴ）では、カビが増殖して、イチゴにカビが発生している。

　図３４は、炭疽菌の繁殖の抑制効果である。本願発明の液体制御装置の電極を設置し、電波振動を与えた状態で、炭疽菌を２日間培養した。比較例として、電波振動を与えない状態で、炭疽菌を２日間培養した。本願発明の液体制御装置により電波振動を与えた方が、比較例と比較して、炭疽病菌の繁殖を抑制した。

　図３０～図３４の実験結果から、本実施形態の液体制御装置は、電極から電界を印加することにより、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、又は、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善することが示された。

　また、図３３及び図３４より、本願発明の液体制御装置により電波振動を与えることにより、カビや炭疽菌の繁殖を抑制することができることが示され、カビ、微生物、細菌、雑菌、ウィルスが存在している状態であっても、カビ、微生物、細菌、雑菌、ウィルスが増殖することを抑制することができる効果が確認された。本願発明の液体制御装置により人体に電波振動を与えた場合には、体内、細胞内の自由水に電波振動が作用し、自由水を連珠結合状態とすることにより、体内での菌やウィルスの増殖を抑制する効果期待される。このため、菌やウィルスが存在する状態においても、それらの増殖することを抑制することによって、菌やウィルスの感染防止効果を得られる。

　従来のウィルスの感染防止対策としては、例えば、既存のコロナワクチンを利用して感染リスクを低減することを狙っているが、コロナウィルスが変異し続ける場合には、都度、変異種に有効なワクチンの開発が必要となる。これに対して、図３３、３４で示された本実施形態の液体制御装置により電波振動を与えることにより、カビや炭疽菌の繁殖を抑制する技術を利用すれば、様々な変異型コロナに感染した場合でも、肺などの体内でコロナウィルスが増殖しなければ、コロナウィルスによる初期症状の抑制や、症状の重篤防止に寄与することが期待される。

　図３５は、咀嚼筋の緊張緩和による咀嚼バランス改善効果である。本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋（咀嚼筋）に電界を5分印加することにより、EMG筋電気計（Electromyograph）の数値が減少し、筋弛緩が確認された。図３５より、頸椎（cervicate）及び胸髄上部（upper Thoracic）のいずれにおいても、EMG筋電気計の数値が減少している。

　図３６～４０は、体の左右のバランス改善効果を示す。体の各部の左側にEMG筋電気計のチャンネル１を、右側にチャンネル２を取り付けて、左右に筋力のバランスを測定した。図３６は、仙骨1番の計測結果であり、この場所のツボは、膀胱/卵巣or前立腺に関係している。図３６の左側の使用前のグラフでは、左右の筋力にバラツキがあるが、本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加した後には、蒲田氏の場合も、田中氏の場合も、右側のグラフのように、左右の筋力の差が減少しており、左右の筋力のバランスが改善されたことが示されている。特に、田中氏のグラフは、左側のグラフに比べ右側のグラフの数値が大きく低減されていることから、筋弛緩と共に、左右の筋力のバランスが改善されたことが示されている。また、蒲田氏の場合にも、電界印加後には、筋力は低い方の数値でバランスしている。

　図３７は、胸椎12番の計測結果であり、この場所のツボは腎臓に関係している。図３７の左側の使用前のグラフでは、左右の筋力にバラツキがあり、EMG筋電気計の数値は電界印加後の右側のグラフと比較すると、高い状態となっている。本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加した後には、蒲田氏の場合も、田中氏の場合も、右側のグラフのように、数値が減少していると共に、左右の筋力の差も減少しており、筋弛緩と共に、左右の筋力のバランスが改善されたことが示されている。

　図３８は、胸椎8番の計測結果であり、この場所のツボは肝臓に関係している。図３８の左側の使用前のグラフでは、特に田中氏の場合は、左右の筋力にバラツキがあり、EMG筋電気計の数値は電界印加後の右側のグラフと比較すると、両者とも数値が高い状態となっている。本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加した後には、蒲田氏の場合も、田中氏の場合も、右側のグラフのように、数値が減少していると共に、特に田中氏の場合には左右の筋力の差が減少しており、筋弛緩と共に、左右の筋力のバランスが改善されたことが示されている。

　図３９は、胸椎1番の計測結果であり、この場所のツボは心臓及び肺に関係している。図３９の左側の使用前のグラフでは、EMG筋電気計の数値は電界印加後の右側のグラフと比較すると、両者とも数値にバラツキが大きい状態となっている。本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加した後には、両者とも左右の筋力の差が減少しており、かつ、数値自体も低い値で安定している。

　図４０は、頚椎3番の計測結果であり、この場所のツボは喉及び副鼻腔に関係している。図４０の左側の使用前のグラフでは、EMG筋電気計の数値は電界印加後の右側のグラフと比較すると、特に田中氏の場合に、左右の数値にバラツキが大きい状態となっている。本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加した後には、両者とも左右の筋力の差は減少しており、かつ、数値自体も低い値で安定している。

　図３５～図４０のEMG筋電気計による測定結果から、本実施形態の液体制御装置により、顎の咬筋に5分間の間、電界を印加したことにより、咀嚼筋を通して筋肉全体の緊張が緩和されることにより、体全体の左右のバランスを整えることが示された。図３５～４０により、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、咀嚼バランス、筋肉バランス、骨格バランスを整えることにより、マッスルインバランスを改善ないし防止する制御をすること、ボディーバランス，筋膜バランス，咬合，整骨，整体を改善ないし向上する制御をすることが示された。

　本実施形態の液体制御装置により電極から電界を印加することによる制御について、被験者による評価コメントとして、次のものが挙げられた。評価コメントの中で「Bodystation」とは、本実施形態の液体制御装置のことである。
・深部の筋膜の可動域が上がり、筋肉の緊張を低下できた。
・インシュリンの皮下注射の場所が硬結していたが、その部分の皮膚が柔らかくなった。
・２０年間糖尿病、膵臓が三回で正常値。
・子宮癌で悪液質と思われる胸焼けがひどくて激痩せした。あらゆることを試したが改善できず。Bodystation１時間１回だけ乗ったら胸焼けが全くなくなり食事が美味しく食べられた。
・左の卵巣が痛い方が痛みが取れた。
・バセドー病でメルカゾールを1年内服する予定だったがBodystation１時間半１回だけ正常値になったので、医師が理解不能と言われた。
・パーキンソン病で不随意運動（足が勝手に跳ね上がる）が起きていたが、Bodystation１時間１回だけで無くなった。
・骨の痛みがある人が痛みが取れた。
・手足のむくみがとれる。
・一回脳梗塞の経験した人が頭がすごく軽くなった。
・メニエール病の人の三半規管の水はけがよくなった。
・長年リュウマチの人が痛みが取れて手が握りやすい。
・Bodystation１時間３回だけで、酸素持ち運びの機械が必要なくなった。
・右の足首をひどく捻挫し、カードサイズの内出血をし、２時間後にテーピングは処置したものの、その日の夜は激痛で眠れず、翌日はびっこだったが、二日後には普通に歩け、階段も普通に降りられた。さらにまったく腫れることがなかった。
・2年間糖尿病に悩んでいましたが、BodyStationに1時間乗っただけで血糖値が252から翌日113に大きく下がり、１ヶ月後102になった。
・脳梗塞で左半身不随だった人がBodyStationを枕の下に敷くだけで半年後には一人で旅行ができるまでに回復しました。
・リュウマチで右手中指を曲げることができませんでしたが、 BodyStationに一時間乗った後に直角までまげることができました。
・長年リュウマチに苦しみ階段は一段一段しか降りられませんでしたが、 BodyStationに初めて1時間乗った後には連続して階段を降りられて感激しました。
・10年間糖尿病を患い、インスリン注射、人工透析も行っていますが、 BodyStationのお陰で血糖値650が半年で150に劇的に下がりました。
・若年性パーキンソン病を患い薬が欠かせませんでしたが、 BodyStationに1時間乗るだけで痙攣が収まりました。
・BodyStationに1時間乗っただけで帯状疱疹の左下の内足の痛みが取れた。
・12年前、右太腿の静脈瘤の手術の後遺症で、足の内側から外側に圧がかかり痛みが出て象の足のようになる。 BodyStationに1時間乗っただけでむくむと痛みが取れ、足が軽くなった。
・BodyStationに1時間乗っただけで五十肩の稼働域が上がった。
・腰部脊柱管狭窄症の人に五つ全部狭窄している人に背骨の脇に鍼に入れて鍼に１時間通電したらジョギングができ、ゴルフ１ラウンド回れ、その翌日いつもと変わらない状態。
・左甲状腺腫、血液検査でバセドウと診断。左頸部わき、甲状腺、腫れ、リンパつまりをBodyStationを当てる。腫れが小さくなり、２日後の県立病院の検査時、担当医師が「あれ？」と驚いた。
・農作業のチェーンソー使用による、右腕の痛みがBodyStationに1時間当ててとれた。それまで半月くらい、ヒジが夜中も痛くて眠れなかった。
・草取りで右腕全体が痛く、ヒジの曲げ伸ばしも出来なかったのが無痛になる。
・身体全体が軽くなる。
・脚重くて、太く足首が分からなかったのが、細く軽くなった。
・肩こりからの首寝違え。肩こり、やや後頭部頭痛。
・夜１時～ BodyStationを肩と背中に当てたまま寝てしまう。朝、呼吸がしやすくて目が覚める。沢山の空気が入ってくる感じ。首肩やわらかく、ふかふか。痛み全くなくなる。
・BodyStationに乗り始めて、パーソナルトレーナーから太腿の筋膜のリリースができていることに驚かれた。
・BodyStationを１時間のっただけで、毎日一回の排尿が。１週間毎日３回以上でている。足のむくみとだるさがなくなり足が軽い。
・膝の水が定期的に溜まり、病院で毎回抜いてもらっていたが、また痛みを帯びて溜まってきたので病院に行くまでボディーステーションに乗っていたら医者に水がなくなっていると言われた。
・歯肉が年齢で下がっていて、手術で上顎の粘膜を移植する。
かインプラントの手術を控えていたが１ヶ月乗ったら歯肉が正常の位置まで戻った。これは今の医学では不可能。
・手術する予定で、曲げられなかった間接リューマチの膝が９０度曲がった。
・TGという血清脂質という数値が長年３８０（昨年の１１月が直近データ）だったが、２週間乗り続けて7/8に130になった。医者が通常ありえないことと言われたそうです。
・蜂巣炎（ほうそうえん）にかかり右足が像のように肥大化。その後腫れが２週間以内にひき、通常であれば１ヶ月以上かかるそうです。

　図４１は、ヒト培養細胞の生存率向上効果である。末梢血単核球は再生医療の重要な役割を担うことが期待されているが、活性を保った状態で48時間以上の保存が難しい。DMSO等の保存液を用いて凍結保存する場合もあるが、注入時に洗浄が必要となる。電界の印加により保存期間の延長が可能となる。電波振動印加により、CD206の生存率が改善するケースが見られた。左上のグラフは、目標値でありCD206の生存率は14.9％を目標としていている。これに対して、右上の電界印加のないものは8.0%、左下の30秒間電界を印加した場合には、CD206の生存率が11.1％まで改善した。さらに右下の1分間は電界を印加した場合には、CD206の生存率が13.3％まで改善した。CD206は、マクロファージの一種であり、組織再生時に重要となる血管新生に顕要な働きを果たす。図４１の(1)については、無印加サンプルに対して、1分電波振動印加を行なったサンプルはCD206細胞数が約1.7倍観察された。図４１の(2)について、調整前サンプル、すなわち保存前の新鮮なサンプルと1分電波振動印加を行なったサンプルを比較すると、細胞数低下を1.6%にとどめている。図４１により、本実施形態の液体制御装置による電界印加により、ヒト培養細胞の生存率を向上させる効果があることが確認された。これにより、本実施形態の液体制御装置により、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上する制御をすること、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、又は、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善することが示された。

　図４２は、末梢血単核球の観察結果である。電波振動を与えると細胞が培養皿上で凝集する現象が見られる。本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、細胞を連珠配列するように制御することができる。図４１のとおり、血管新生に重要となるマクロファージ CD206の生存率が高くなる場合がある。効果は被験者によって差があるものの、優位な効果を確認した。図４１と図４２のことから、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、細胞を連珠配列するように制御することにより、細胞を配列して臓器や組織を生成する機能が示された。

　図４３は、睡眠改善例１であり、図４４は睡眠改善例２であり、これらは無呼吸低呼吸指数の改善効果である。睡眠時にCPAP（シーパップ：持続陽圧呼吸療法）を装着することで無呼吸回数とＡＨＩ（無呼吸低呼吸指数で１時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数）に低下が見られた。しかし、CPAP使用終了後には再び無呼吸回数とAHIが上昇した。そこで、CPAPに代えて、本実施形態の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、無呼吸回数とＡＨＩを測定したところ、CPAP使用時に近い無呼吸回数とＡＨＩの低下が観測された。図４３の2021年9月以降に本実施形態の液体制御装置により電界の印加を開始したところ、無呼吸回数とＡＨＩが有意に減少した。さらに、本実施形態の液体制御装置により電極から電界を印加することに加え、CPAPを使用することで、CPAP単体使用時よりも無呼吸回数とＡＨIが抑制されることが観察された。図４４は、図４３の別の被験者についてのデータであり、2021年10月以降、本実施形態の液体制御装置により電界の印加を開始したところ、無呼吸回数とＡＨＩが有意に減少した。

　本実施形態において、無呼吸症症候群の改善を促す着眼点として、効果の機序は、本実施形態の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、頸動静脈、脊椎動静脈の血液の水分が極小化し、首周囲の血流が良くなり、気管周囲の筋肉の緊張がとれ、頚椎の位置が正常に戻る事で、下顎が上がりすぎるのを防ぎ、舌の沈下を抑制し、気管収縮が緩和されて、呼吸がスムーズになる。その結果、無呼吸症状が緩和される。本実施形態の電極をあてる部位としては、特に限定されるものではないが、例えば喉仏の一番飛び出ているセンターから左右両サイド５センチとすることができる。

　図４３及び図４４の実験結果より、本実施形態の液体制御装置は電極から電界を印加することにより、呼吸改善を行い、呼吸機能ないし肺機能を改善ないし向上する制御をすること、睡眠を改善する制御をすることができることが示された。

　図４５は、生理痛の改善実験を示す。図４５は、生理痛の改善効果である。生理痛で痛み止めを服用している14名の女性（25歳～53歳）に対し本実施形態の図４５の液体制御装置を使用し、デバイス使用前・後の生理の変化についてアンケートを実施し、その結果を図４６に示す。図４６に示すように、痛み止め服用頻度、お腹の張り、腰痛、むくみ、腹痛、頭痛、倦怠感、眠気、イライラ、情緒不安定、及び便秘・下痢の各項目について、本実施形態の液体制御装置により電極から電界を印加することにより、大幅な改善効果が得られた。

　痛みを和らげるための従来の方法では、体を温める、入浴、運動、局所的に冷やす、マッサージ、ストレッチをする、リラックス、カウンセリング、ツボを押す、骨盤ケア、鎮痛薬、麻酔を利用する、我慢する等の方法が取られてきたが、本実施形態の液体制御装置では、体液極小化制御により、水分の流動性の改善、体液代謝の改善により、月経、PMS、不妊・妊孕性、更年期・閉経、妊娠、産後ケア、女性の健康全般、ストレスや不安等の症状を改善するように制御することが可能である。また、本実施形態の液体制御装置による体液極小化制御により、女性の体調改善効果について、被験者から次のような評価が寄せられた。
・娘の生理痛が無くなった。
・左の卵巣が痛みが取れた。
・毎月の排卵痛が無くなった。
・冷え性が軽減したかも？
・試す前は半信半疑だったが、毎日１時間下腹部に当てたところ、20年以上悩まされた生理痛が全く無くなった。毎月鎮痛剤を飲んでいたが必要なくなり、６?７日間だった生理期間が４日に短縮した。
・１回だけではたまたまかと思い３ヶ月間試したが、効果は持続した。生理痛によるどんよりとした気分が改善した。
・毎月7日間の生理が4日で終了した。
・生理日数が5日から3日になった。
・生理開始の2日前から使用したところ、毎月服用している鎮痛剤が必要なくなった。
・わずか数日のテストで普段の痛みを100％とすると、WOW200使用後の痛みは30％くらいになった。
・今までは生理が終わりかけでもダラダラ続いていましたが、スパッと終わりました。
・化粧のノリが何か良いかも？
・脚と顔のむくみが減ったかも？
・毎日実行できなかったのですが、それでも十分な変化を感じました。1ヶ月目は3日で一旦終わり、5日目に再度出血しましたが3日で終わりました。計6日2ヶ月目は20日後に来ました。3日で綺麗に終わりました。いつもダラダラと1週間はナプキンが外せませんが、終わりが綺麗でびっくりしました。生理痛はなく（通常もほとんどありません）、1日目の経血の量が今までよりも多く、綺麗でした。生理前に便秘になりますが、2ヶ月目には快腸のまま生理となり、ありがたかったです。

　図４７は、造影剤の改善効果である。本実施形態の液体制御装置により電極から造影剤に対して２４時間、電界を印加した後に、マウス大槽からの造影剤を注入して、注入３０分後に大脳皮質への造影剤の染み込み具合を撮像により確認した。比較例として、電界を印加していない造影剤を用いた。３匹のマウスについて、平均輝度を計測したところ、本実施形態の液体制御装置により電界を印加した造影剤を注入した方の平均輝度が１９．７であるのに対し、電界を印加していない造影剤を注入した方の平均輝度が８．８であり、本実施形態の液体制御装置により造影剤に電界を印加したことにより、マウスの大脳皮質へ造影剤が染み込みやすくなる効果が確認された。この本実施形態による効果は、マウスの大脳皮質に限定されるものではなく、他の細胞、組織、臓器に対しても造影剤の浸透改善効果が見込まれる。

　図４８は、カビ、腐食の防止効果である。本実施形態の液体制御装置の電極から１時間電界を印加して、その後、冷蔵庫で３０日間保蔵したイチゴの写真を比較したものである。右側の写真が電界を印加したものであり、イチゴがみずみずしい状態で、腐食もなく、カビの発生もなる様子が分かる。一方、左側の写真の比較例は、電界を印加していない状態で、冷蔵庫で３０日間保蔵したイチゴである。比較例では、腐食が発生し、カビの発生も認められる。これにより、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、腐食防止及びカビ防止の効果があることが分かる。

　図４９は、魚の腐食防止効果である。本実施形態の液体制御装置の電極から１時間電界を印加して、その後、冷蔵庫で５日間保蔵した鯛の写真を比較したものである。右側の写真が電界を印加したものであり、鯛の身はみずみずしく、内臓に腐食はなく、新鮮な状態が保たれている。これに対し、左側の写真の比較例は、電界を印加していない状態で、冷蔵庫で５日間保蔵した鯛である。比較例では、身から水分が抜けた状態で、内臓には腐食が発生して、鮮度が落ちている。比較例において、鯛の内臓が腐敗するのは雑菌・ウィルス・活性酸素と自由水（水素結合）が結合して雑菌・ウィルスが増殖し、活性酸素が作用するためである。これに対して、本実施形態の液体制御装置により電界を印加したものは、鯛の内部の自由水同士が連珠配列となるように制御され、結合水になることにより、雑菌・ウィルス・活性酸素が自由水と切り離されて、雑菌・ウィルスの増殖が防止され、活性酸素も低減された。これにより、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微生物、細菌、真菌、ウィルスの増殖抑制効果、腐食防止効果、活性酸素低減効果があることが分かる。

　図５０は、鮮度維持効果である。図５０の一番左は、本実施形態の液体制御装置により電界を１時間印加した後に、冷蔵庫で３日間保蔵したイワシである。図５０の左から２番目は、本実施形態の液体制御装置により電界を１時間印加した後に、冷蔵庫で７日間保蔵したウニである。図５０の一番右及び右から２番は、本実施形態の液体制御装置により電界を１時間印加した後に、冷蔵庫で７日間保蔵したキンキである。図示していない比較例として、電界を印加しない状態で、同じ日数冷蔵庫で保蔵したものと比較したところ、本実施形態の液体制御装置により電界を印加した方が、身がみずみずしく、内臓に腐食がなく、より鮮度が保たれていることが示された。本実施形態の液体制御装置により電界を印加したものは、組織、細胞の内部の自由水同士が連珠配列となるように制御され、結合水になることにより、雑菌・ウィルス・活性酸素が自由水と切り離されて、雑菌・ウィルスの増殖が防止され、活性酸素も低減された。これにより、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微生物、細菌、真菌、ウィルスの増殖抑制効果、腐食防止効果、活性酸素低減効果があることが分かる。

　図５１は、パンのカビ防止効果である。図５１の右側は、本実施形態の液体制御装置により電界を１時間印加した後に、常温で１３日間保存したライ麦パンの写真である。右側の写真では、ライ麦パンにカビは発生していない。これに対し、左側の写真の比較例は、電界を印加していない状態で、常温で同じく１３日間保存したライ麦パンの写真である。比較例では、カビが発生している。比較例において、ライ麦パンにカビが発生するのは、カビがライ麦パン内の自由水（水素結合）と結合してカビが増殖したためである。本実施形態の液体制御装置により電界を印加したものは、ライ麦パン内の自由水同士が連珠配列となるように制御され、結合水になることにより、カビが自由水と切り離されて、カビの増殖が防止された。これにより、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微生物、細菌、真菌、ウィルスの増殖抑制効果、腐食防止効果、活性酸素低減効果があることが分かる。

　図４８～図５１の実験により、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖を防止する制御をすること、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善すること、活性酸素を除去する制御をすることが示された。

　図５２は、シミ、しわの改善装置である。図５３、図５４、及び図５５は、本実施形態の液体制御装置の電極で２０分間電界を印加した前後の比較写真である。図５２の左側の図が使用デバイスである。図５２の中央の図は、ほうれい線ケアの場合の電極の配置である。図５２の右側の図は、目尻を挙げる場合の電極の配置である。図５３、図５４、及び図５５の比較写真から、本実施形態の液体制御装置の電極で電界を印加した後の方が、しわが改善され、目尻を挙げる効果があることが分かる。また、しわの改善だけでなく、シミの除去にも効果がある。同時に、本実施形態の液体制御装置により体液の代謝が改善されるため、むくみの解消、血流改善による肌つやの改善にも効果的であるため、美容面での改善効果があることが示された。

　図５６は電極の構造例１、図５７は電極の構造例２、図５８は電極の構造例３、図５９は電極の構造例４、図６０は電極の構造例５、図６１は電極の構造例６、図６２は電極の構造例７、図６３は電極の構造例８である、図６４は電極の構造例９である。図５６の電極の構造例１では、左上は円筒状の電極であり、円筒状の液体容器、例えばボトル形状の容器に対する電界印加に適している。右上は一対の板状の電極であり、例えば電極の上に体の一部、例えば足を乗せたり、また、例えば電極の上に横たわることができる。左下は、２枚または４枚の板状又は柔軟なシート状電極である。板状電極を対象部位に乗せたり、貼り付けたりすることができるし、板状電極の上に体の一部を乗せることができる。また、柔軟なシート状電極の形状は、特に限定されるものではないが、手袋上にしたり、パッド状にしたりすることができるため、対象部位に応じた形状を選択することができる。右下は、２枚の板状電極の例であり、板状電極を対象部位に乗せたり、貼り付けたりすることができる。電極の治療部位への固定方法は特に限定されるものではなく、例えばバンド、包袋、ネット、サポーター等で固定することができる。図５７の電極の構造例２では、２枚の電極パネルを有しており、電極パネルは板状であり、電極パネルの設置向きは任意であり、例えば、電極面を垂直に立てて使うことも、電極面を水平になるようにして使うことも、電極面を任意の角度に傾けて使うこともできる。また、電極パネルを対象部位に乗せることも、対象部位を電極に乗せることもできる。図５８の電極の構造例３では、図５７の電極パネルのさらなる使用例を示している。右上の図では、ベッド上の頭に当たる部分に、枕のようにして、電極面が水平になるよう電極パネルを敷いて、その上に対象部位である頭を乗せることができる。左下の図では、ベッド上の腰、背中、足等に当たる部分に、電極面が水平になるよう電極パネルを敷いて、その上に対象部位である腰、背中、足などを乗せることができる。下中央の図では、床に電極面が水平になるよう電極パネルを敷いて、その上に対象部位である足を乗せて、電極面に足の裏が当たるようにして使用することができる。右下の図では、背中に沿うようにベッド上に１枚の電極パネルを電極面が水平になるように敷いて、その上に、対象部位である背中を乗せて、さらにお腹側には、別の電極パネルを電極面が水平になるように使用している。このように、電極パネルの設置位置や向き、対象部位への当て方は電極パネルから発生する電界が印加できる限りにおいては、任意であり、電極パネルの数も２枚に限らず、１枚でも、３枚でも、４枚以上であってもよい。図５９の電極の構造例４では、ベッドの上にシート状の電極を配置した例である。特に限定されるものではないが、シート状の電極は柔軟な素材でできており、例えば一対の櫛歯状の電極が互いの櫛歯に入り込むように対向した態様で近接配置された電極とすることができる。このため、１枚のシート状電極により、複数の電極を一体化することができる。図６０の電極の構造例５では、処理用ベッド、治療用ベッド、簡易ベッド等の上面に、シート状ないし板状の電極を配置したものである。
図６１の電極の構造例６では、自動車の運転席にシート状ないし板状の電極を配置した例であり、乗り物の座席に電極を配置して電界を印加することにより体液の流動性、及び体液の代謝を改善することは、エコノミー症候群を防止するために有効である。図６２の電極の構造例７では、図５７の電極パネルの別の使用例であり、２枚の電極を背中に沿って平行に、ベッド上に配置し、その上に、対象部位である背中を乗せて使用している。図６３の電極の構造例８では、粘着端子が２個備えられている。粘着端子は電極面が粘着性を有しているため、別途のバンド等を用いることなく、対象部位に電極を装着することができる。図６４の電極の構造例９では、針状の電極を用いている。電極が針状であり、針治療の要領で対象部位に穿刺した針に対して、電圧を印加することにより、針から対象部位に対して電界を印加する。このように、電極の態様は、例えば板状、棒状、シート状、針状、櫛歯状、又は、２以上の電極を互いに組み合わせた形状等とすることができる。

　図６５は緑茶の抽出を説明する図面である。本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加しながら３時間の間、緑茶を抽出した。左の図は電界印加がない場合、中央の図は１時間のみ電界を印加した場合、右の図は３時間電界を印加した場合である。図面から明らかなように、緑茶の抽出の度合が一番高く、濃度が最も高くなったのは、３時間電界を印加いたもの、２番目に抽出度が高いのは、１時間のみ電界を印加したもの、抽出度が最も低かったのは、電界を印加しないものであった。図６５より、本実施形態の液体制御装置により、電界を印加することにより、緑茶の抽出度合いを高めることができることが示された。

　図６６は昆布の抽出を説明する図面である。本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加しながら３時間の間、昆布を抽出した。左の図は電界印加がない場合、右の図は３時間電界を印加した場合である。図面から明らかなように、３時間電界を印加したものの方が昆布の抽出の度合が高く、昆布の膨張が大きく、水分の吸収量も多いことが分かる。図６６より、本実施形態の液体制御装置により、電界を印加することにより、昆布の抽出度合いを高めることができることが示された。

　図６７は出汁の抽出を説明する図面である。本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加しながら４時間の間、ラーメンスープの出汁を抽出した。左の図は電界印加がない場合、右の図は４時間電界を印加した場合である。図面から明らかなように、４時間電界を印加したものの方が出汁の抽出の度合が高く、出汁の濃度が濃いことが分かる。出汁の濃度を測定したところ、４時間電界を印加したものの方が、１５％濃度が濃かった。図６７では、豚骨ベースの出汁を用いた実験であるが、出汁の種類は特に限定されるものではなく、魚介系でも、野菜でも、いかなる出汁についても本実施形態の流体制御装置により出汁の抽出度合いを高めることができる。図６７により、本実施形態の液体制御装置により、電界を印加することにより、出汁の抽出度合いを高めることができることが示された。

　図６８は麺の熟成を説明する図面である。本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加しながら２日間麺を熟成し、ラーメンを調理し、麺の吸水性、食感、及び食味を調べた。左の図は２日間電界を印加しながら熟成した麺、中央が電界を１時間印加した仕込水を用いて調理したもの、右の図は電界印加がないものである。小麦粉に含まれているアミラーゼは、でんぷんを分解する酵素であり、また、プロテアーゼはタンパク質を分解酵素であり、これらの酵素は水分と適度な温度で活性化される結果、グルテンの形成が促進され、コシが出るとともに、甘み、うま味等の味覚を向上する。また、ラーメンの麺は適度な吸水性が求められるため、熟成度が足りない場合、水分を大量に吸収し、すぐに伸びてしまい、食感と食味が損なわれる。最も熟成度が適度で伸びにくいのは、左の図の２日間電界を印加しながら熟成した麺であり、麺が伸びにくいだけでなく、吸水度が適度であるため、食感も、食味も最も優れていた。通常、５～７日間の熟成が求められるにも関わらず、僅か２日の熟成期間でも、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、適切な熟成度合いを達成することができた。２番目に熟成度が適切で伸びにくかったのは、中央の電界を１時間印加した仕込水を用いて調理した麺であった。２日間の熟成期間であるため、熟成度合いは不足するものの、右の図の電界印加がないものに比較すると、図面からも麺の膨張度合いから、麺の伸びが抑えられていることが分かり、かつ、食感や食味も２日間の熟成であることを踏まえると、本実施形態の液体制御装置により電界処理された仕込水を用いることで麺の品質を向上するのに寄与したことが分かる。本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加しながらラーメンの麺を熟成すると、ラーメンの麺に含まれる水分の界面張力が低下し、水分が微粒子化すると共に、酵素を活性化させるため、グルテンの形成等の熟成を促進させる。

　図６５～図６８の実験から、本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加することにより抽出や熟成の度合いを高めることができることが示され、このことから、本実施形態の液体制御装置により電界を印加することにより、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出を改善ないし向上する制御をすること、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質を改善ないし向上する制御をすることが示される。また、エマルション性の向上と、液体の微粒子化、連珠配列化により、本実施形態の液体制御装置の電極を用いて電界を印加することにより、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上する制御をすることが示された。

　図６９～図７２は、水の波動の測定結果である。生体に限らず、全ての物質には生体の健康に寄与する微弱なエネルギーが存在している。水も人体の健康に寄与する波動エネルギーを有しており、水の持つ波動エネルギーを人体への寄与度の相対値（波動測定値）として測定することで、人体の健康状態の把握、及び、水の品質を把握することができる。水の波動エネルギーは、水の状態、水の持つエネルギー状態、水の品質などに応じて、人体の健康への寄与度として相対的に数値化されており、この数値が正に大きいほど、波動エネルギーが大きく、トータルスコアが大きい方が、品質の高い水であるといえる。負の値であると、人体の健康を妨げるおそれがあるため好ましくない。各スコアーは、その水を摂取した場合に、人体におよぼす効能を数値化し、総合、腎臓、肝臓、腸、免疫機能、アレルギー、血液循環、ホルモンバランスの項目についてそれぞれ、相対的に正負の数値により、定量化している。図６９～図７２において、それぞれ上側の表は、本発明の液体制御装置の電極により水に電界を印加した時間ごとの、波動測定値を示し、下側の表は、本発明の液体制御装置の電極により水に２４時間電界を印加した後、電界オフとして、その後の経過時間ごとの波動測定値を示したもので、２４時間電界印加時点のトータルスコアを１００％とした時の、保持率を併記している。図６９～図７２の測定結果から本実施形態の液体制御装置は、電極から電界を印加することにより、液体の波動エネルギーを向上する、すなわち液体による人体の健康への貢献度を高めるように制御をすることができることが示された。本実施形態の液体制御装置は、電極から電界を印加することにより、飲料用の液体だけでなく、体内の細胞、臓器、組織に存在する体液の品質を向上することができるため、上述の体液流動性の向上、体液代謝の向上、水分バランスの安定化に加え、体液自体の品質向上にも寄与する。また、本実施形態の液体制御装置が、水の波動エネルギーを向上するように制御することから、水の波動を含む自然界に存在するエネルギーについても、例えばエクトプラズム等のエネルギーを制御することができることが示された。

　以上説明した各実施形態は、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。また、各実施形態を適宜変更したり、各実施形態を適宜組み合わせたりすることもできる。

　実施形態１の界面張力低下制御の原理説明においては、水相と油相との界面張力について説明したが、本実施形態における界面張力は、水相と油相との界面張力に限定されるものではなく、液体を含む任意の２相間の界面張力、二種類の液体間の界面張力、液体と固体との間の界面張力、液体と気体との間の界面張力等も含み、本実施形態の液体制御装置は任意の界面張力を制御することができる。

　図１３において、筐体５０として示されている構成は、箱の形を特定するものではなく、任意の装置を意味するものである。このため、冷蔵庫や保存容器だけでなく、本実施形態の液体制御装置の電極が利用される多様な機器や装置、例えば治療台、処置台、簡易ベッド、電磁治療器、電位治療器、低周波治療器、ＥＭＳ、マッサージ機器、美顔機器、振動機器、キャビテーション機器、マイクロバブル機器、マイクロナノバブル機器、ナノバブル機器、ファインバルブ機器、テラヘルツ機器、高周波機器、量子治療器、育毛機器、セルライト機器、筋肉弛緩機器、超音波治療機器、オゾン発生機器、水素発生機器、ＬＥＤ機器、ビューティー機器、痩身機器、又は、保存容器等を備える器具、機器、装置、又は設備等が含まれる。

　上記実施態様の各実験例や各測定例においては、比較検討をしやすいように、電極に印加する電圧及び周波数を１００Ｖ及び５０ＫＨｚに設定したが、これは本実施形態の液体制御装置の目標値の一例であり、本実施形態の目標値を限定するものでなく、本実施形態の中で説明した例えば電圧値の範囲が０～７０００Ｖ、周波数の範囲が０～１００ＴＨｚの範囲の中で、上記実施形態１で説明したようにクラウドサーバ（管理サーバ４０）及びコントローラ１０により、機械学習等の各種演算、事前に記憶された制御パラメータ、事前に入力ないし設定された制御パラメータ等によって、適切に設定することができる。多様な制御目標と制御対象が存在する中で、最適な制御パラメータは多様であるが、実施形態１で示した手順で、対象物、対象部位、対象物及び対象部位の種類や状態、液体制御の目標、電極の態様等に応じて、適切な制御パラメータが設定される。特に限定されるものではないが、例えば脳波、神経、及び睡眠等の制御については、例えば１Ｈｚ～５０Ｈｚの周波数帯が利用されることもあるが、一方、テラヘルツ機器ではテラヘルツ領域の周波数が用いられる。電圧の範囲としては、安全面を考慮して電圧の範囲を７０００Ｖ以下として説明したが、絶縁等の安全対策を採用できるのであれば、目標値として７０００Ｖを超える特別高圧を採用してもよい。ただし、本実施形態の液体制御装置においては、実験例で示したとおり５０ＫＨｚ、１００Ｖ程度の電圧値及び周波数の範囲でも実用上十分な性能を発揮するため、電力区分の低圧の範囲、すなわち、交流６００Ｖ以下、直流７５０Ｖ以下の範囲での実施も可能である。

　　　１　　液体制御装置
　　　１０　コントローラ
　　　１１　電流電圧印加部
　　　１３～２９　電極
　　　３０　活性酸素
　　　３１　マンマシンインターフェイス（ＰＣ）
　　　３２　物質検出センサ
　　　３３　電流電圧制御部
　　　３５　通信部
　　　３６　制御部
　　　３７　記憶部
　　　３８　検出部
　　　４０　管理サーバ
　　　４１　連結具
　　　４３　データベース
　　　４５　通信ネットワーク
　　　５０　筐体

Claims

　少なくとも１つの電極と、
　前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、
を備え、
　前記コントローラが、
　前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、
　浮腫，細胞浮腫，若しくは神経細胞浮腫を改善ないし防止する制御をすること、
　ホルモン，内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランスを制御すること、又は、
　ミトコンドリア活性，オートファジー活性，卵子活性，若しくは精子活性を制御すること、を特徴とする液体制御装置。
　少なくとも１つの電極と、
　前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、
を備え、
　前記コントローラが、
　前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、
　体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりを改善ないし防止する制御をすること、
　体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性を改善ないし向上する制御をすること、
　硬結，若しくは硬化を改善ないし防止する制御をすること、
　細胞ないし組織の離水を改善ないし防止する制御をすること、
　活性酸素，若しくは乳酸を除去する制御をすること、
　マッスルインバランスを改善ないし防止する制御をすること、
　ボディーバランス，筋膜バランス，咬合，整骨，整体を改善ないし向上する制御をすること、
　骨折ないし関節疾患を改善ないし防止する制御をすること、
　心臓拍動、若しくは脈拍を改善ないし向上する制御をすること、
　血圧を改善ないし正常化する制御をすること、
　呼吸機能ないし肺機能を改善ないし向上する制御をすること、
　透析機能の改善ないし向上する制御をすること、
　視力，動体視力を改善ないし向上する制御をすること、
　眼科疾患を改善ないし防止する制御をすること、
　内科疾患を改善ないし防止する制御をすること、
　免疫機能の改善ないし向上する制御をすること、
　ドラッグデリバリーシステム，若しくはコスメの浸透性を改善する制御をすること、
　薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質を改善ないし向上する制御をすること、
　体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出を改善ないし向上する制御をすること、又は、
　液体の波動，若しくはエクトプラズムを制御すること、を特徴とする液体制御装置。
　少なくとも１つの電極と、
　前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、
を備え、
　前記コントローラが、
　前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、前記電極に対向した対象物における液体の状態を制御することにより、
　微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖を防止する制御をすること、
　熱傷，壊死，若しくは褥瘡を改善ないし防止する制御をすること、
　転移の防止をする制御をすること、
　認知症，アルツハイマー，パーキンソン病を改善ないし防止する制御をすること、
　睡眠改善，美容改善，ＰＭＳ，生理痛，疼痛，そう痒，健康増進，運動機能改善,もしくはアンチエイジングの制御をすること、
　歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上する制御をすること、
　臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックを改善する制御をすること、又は、
　臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子，薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器を改善すること、を特徴とする液体制御装置。
　前記電極に印加する電圧の電圧値が０Ｖ～７０００Ｖの範囲で制御され、または前記電圧の交流成分の周波数が０Ｈｚ～１ＭＨｚの範囲で制御されることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記電圧の電圧値及び／又は周波数は、所定の範囲で滑らかに、又は、ステップ状に経時的に変動することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
前記物質中の水分の連珠配列、配列方向、水分結合、若しくは水分活性を制御すること、
前記物質中の水相と他相との界面分極、界面張力、若しくは、エマルション状態を制御すること、又は、
前記物質中の活性酸素の状態を制御すること、
のいずれかの制御をすることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記電極から所定時間、電場、磁場、電磁場、又は電磁波を発生した後に、前記電場、磁場、電磁場、又は電磁波が解除された後にも、制御効果が所定時間にわたり持続されることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記電極に印加される電圧は、前記直流成分に加えて、前記交流成分を含んでいることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記電極が板状、棒状、シート状、針状、櫛歯状、又は、２以上の電極を互いに組み合わせた形状であることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記コントローラが、クラウド，サーバ，又はネットワークにより管理されることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　前記コントローラが機械学習により制御パラメータを設定することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　梗塞、壊死、褥瘡、熱傷、活性酸素除去、乳酸除去、血流改善、リンパ液流改善、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症、塞栓症、動脈硬化、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の目詰まりの改善ないし防止、体液，薬液，コスメ，若しくは液体の流動性改善、硬結，若しくは硬化の改善ないし防止、細胞ないし組織の離水を改善ないし防止、細胞浮腫、神経細胞浮腫、水腫、肺水腫、関節水腫、腹水腫、インスリン分泌障害、排泄障害、排泄困難、便秘、排尿障害、鬱滞、水疱、ドラッグデリバリー向上、薬液ないし体液の粘度低減、細胞培養、再生医療、再生医療における培養時間短縮，培養品質向上，若しくは培養効率向上、細胞組織再生、乳酸低減、腫脹、腫大、浮腫、体液滞留、細胞外液ないし細胞内液の脱水、皮膚疾患、色素沈着症、肝斑、雀卵斑、表皮性しわ、真皮性しわ、表情じわ、乾皮症、体調改善、硬結、筋硬結、筋膜リリース、筋膜電位改善、神経変形疾患、筋膜電磁治療、マッスルインバランス、筋膜電位バランス改善、ボディーバランス改善、筋膜バランス改善、咬合改善、整骨改善、整体改善、骨折ないし関節疾患を改善ないし防止、内分泌，リンパ，若しくは経絡のバランス改善、骨折、関節疾患、スキンケア、保湿、妊孕性改善、不妊症、精子運動率改善、精子活性、卵子活性、ミトコンドリア活性、オートファジー活性、ＰＭＳ、疼痛、そう痒、異常感覚、冷え性、不感症、痙攣、アンチエイジング、毛包ケア、更年期障害改善、洗浄性向上、脱毛症、ＡＧＡ、ＥＤ、脂肪分解促進、コンタクトレンズ装着感改善、ドライアイ、視力改善、動体視力改善、睡眠障害、睡眠改善、睡眠時無呼吸症候群、予防医学改善、神経細胞改善、細胞浮腫改善、ウィルス，細菌，若しくはカビ対策、癌、緑内障、白内障、加齢黄斑変性、眼科疾患、難聴、聴覚障害、視覚障害、認知症、アルツハイマー、パーキンソン病、睡眠改善、美容改善、健康増進、運動機能改善、水分出納、消化器内科疾患、呼吸器内科疾患、循環器内科疾患、神経内科疾患、血液内科疾患、腎臓内科疾患、内分泌内科疾患、内科疾患、血圧改善ないし正常化、脈拍，若しくは心臓拍動の改善ないし向上、呼吸機能ないし肺機能の改善ないし向上、透析機能の改善ないし向上、整骨療法、死後硬直改善、又は、リハビリテーション医療改善の治療のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックの改善、臓器，体液，血液，細胞，組織，皮膚，歯，骨，関節，毛髪，死体，ＤＮＡ，幹細胞，精子，卵子、薬品，コスメ，若しくは液体の保蔵，冷凍，解凍，培養，若しくはロジスティックのために用いる電極ないし容器の改善、薬品，コスメ，若しくは液体の効能ないし品質の改善ないし向上、体液，薬品，コスメ，若しくは液体の抽出の改善ないし向上、歯，骨，関節，血管，リンパ管，神経，細胞，皮膚，毛髪，若しくは臓器の生成の改善ないし向上、エマルション性の改善ないし向上、ドラックデリバリー性の改善ないし向上、薬品の効能ないし性能の改善ないし向上、微生物，細菌，真菌，若しくはウィルスの増殖防止ないし対策、転移の防止、薬液の粘性の低下、又は、液体の波動の制御、エクトプラズムの制御のいずれか少なくとも１つの効能を有するように制御することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　電磁治療器、電位治療器、低周波治療器、ＥＭＳ、マッサージ機器、美顔機器、振動機器、キャビテーション機器、マイクロバブル機器、マイクロナノバブル機器、ナノバブル機器、ファインバルブ機器、テラヘルツ機器、高周波機器、量子治療器、育毛機器、セルライト機器、筋肉弛緩機器、超音波治療機器、オゾン発生機器、水素発生機器、ＬＥＤ機器、ビューティー機器、痩身機器の少なくとも１つの機器の性能を向上するように制御することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の液体制御装置。
　少なくとも１つの電極と、
　前記電極に対して印加する電圧又は電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを制御するコントローラと、
を備え、
　前記コントローラが、
　前記電極を対象物に対向して配置した状態で、前記電極に対して印加する直流成分及び／又は交流成分を有する電圧ないし電流の電圧値、電流値、周波数又は位相の少なくとも１つを調整し、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の中の少なくともいずれか１つを制御し、
　前記電極に対向する対象物に応じて、前記電極に印加する周波数、電圧、及び、前記電極から発生させる電場、磁場、電磁場又は電磁波の出射方向の少なくとも１つを時間的に変化するように、又は、前記電極への電圧の印加時間を制御することを特徴とする液体制御装置。