WO2023281690A1 - 判定方法、情報処理装置、判定システム、及び判定プログラム - Google Patents
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Abstract
コンピュータは、第1取引情報と第2取引情報とを受け付け、第1取引情報がブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、第2取引情報が第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成する。コンピュータは、第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報を受け付け、第1判定情報と第2判定情報と第3判定情報とに基づいて、第2取引情報をブロックチェーンに記録するか否かを判定する。
Description
本発明は、判定技術に関する。
近年、金融分野及び決済分野向けのブロックチェーンが社会的に利用されている。ブロックチェーンは、暗号技術を使ってリンクされたブロックと呼ばれる情報のリストである。
分散システムにブロックチェーンを格納することで、単一の信頼できる第三者機関を設けることなく、通信ネットワーク上の複数の参加者の間で安全に情報を共有することができる。ブロックチェーンは、暗号通貨を発端として開発され、現在では、資産取引、身分証明、投票等を含む幅広い分野で応用が期待されている。
ブロックチェーンには大きく分けて2つのタイプがあり、それぞれのタイプの特徴に応じて利用分野が異なる。1つはパブリック型ブロックチェーンであり、もう1つはコンソーシアム型ブロックチェーンである。
パブリック型ブロックチェーンの場合、ブロックチェーンネットワークの管理者が存在せず、不特定多数の参加者がブロックチェーンネットワークに参加することが許容される。
この場合、参加者全員の間で特別な多数決を行うことで、ブロックチェーンネットワーク全体の合意が形成され、結果として、参加者間の正当な取引内容のみをブロックチェーンネットワーク全体で共有することができる。多数決アルゴリズムとしては、PoW(Proof of Work)、PoS(Proof of Stake)等が用いられる。多数決アルゴリズムは、コンセンサスアルゴリズムと呼ばれることもある。パブリック型ブロックチェーンは、主として、ビットコイン等の暗号通貨システムにおいて利用されている。
一方、コンソーシアム型ブロックチェーンの場合、ブロックチェーンネットワークの参加者のうち特定の複数の参加者が、ブロックチェーンネットワークの管理者として設定される。そして、管理者によって許可された者だけがブロックチェーンネットワークに参加することができる。
この場合、管理者全員の間で特別な多数決を行うことで、ブロックチェーンネットワーク全体の合意が形成され、結果として、参加者間の正当な取引内容のみをブロックチェーンネットワーク全体で共有することができる。多数決としては、PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)等のアルゴリズムが用いられる(例えば、非特許文献1を参照)。
コンソーシアム型ブロックチェーンは、主として、金融機関等の企業により利用されている。コンソーシアム型ブロックチェーンは、パーミッションド型ブロックチェーンと呼ばれることもある。
パブリック型ブロックチェーンの利点は、その公開性及び分散性にある。パブリック型ブロックチェーンのブロックチェーンネットワークには誰でも参加することができ、ブロックチェーンネットワーク上の取引内容はすべて公開されており、管理者は存在しない。
一方、コンソーシアム型ブロックチェーンの利点は、その信頼性及び高速性にある。参加者は管理者によって許可された者のみなので、そのブロックチェーンネットワーク上における取引相手は、ある程度信頼することができる。
また、多数決の合意形成は管理者間のみで行われるため、取引の承認及び共有が比較的高速に行われる。さらに、コンソーシアム型ブロックチェーンによれば、パブリック型ブロックチェーンでは得られないファイナリティが得られる。これらの利点から、金融分野及び決済分野では、コンソーシアム型ブロックチェーンが利用されることが多い。
コンソーシアム型ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムに関連して、PBFTを変形したHotStuffが知られている(例えば、非特許文献2を参照)。HotStuffは、LibraBFTと呼ばれることもある。
ブロックチェーンネットワークの計算量を増加させ、処理時間消費を増加させるという問題を軽減するためのコンセンサス方法も知られている(例えば、特許文献1を参照)。
M. Castro and B. Liskov, "Practical Byzantine Fault Tolerance and Proactive Recovery", ACM Transactions on Computer Systems, Vol. 20, No. 4, November 2002, pages 398-461.
M. Yin et al., "HotStuff: BFT Consensus in the Lens of Blockchain", arXiv.org, arXiv:1803.05069v6, July 2019, pages 1-23.
コンソーシアム型ブロックチェーンのブロックチェーンネットワークにおいて、管理者の人数が増加すると、参加者から申請された取引をブロックチェーンに記録する際、管理者間で合意を形成するための通信量が急激に増加する。
なお、かかる問題は、コンソーシアム型ブロックチェーンのブロックチェーンネットワークに限らず、取引を承認するか否かを判定する複数のノード装置の間で通信が発生する、様々なブロックチェーンネットワークにおいて生ずるものである。
1つの側面において、本発明は、ブロックチェーンネットワークにおいて、取引情報を記録する際の通信量を削減することを目的とする。
1つの案では、コンピュータは、第1取引情報と第2取引情報とを受け付け、第1取引情報がブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、第2取引情報が第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成する。コンピュータは、第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報を受け付け、第1判定情報と第2判定情報と第3判定情報とに基づいて、第2取引情報をブロックチェーンに記録するか否かを判定する。
1つの側面によれば、ブロックチェーンネットワークにおいて、取引情報を記録する際の通信量を削減することができる。
以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
図1は、コンソーシアム型ブロックチェーンのブロックチェーンネットワークにおける比較例の取引記録処理の例を示している。
ノード装置N1~ノード装置N4は、管理者のノード装置であり、Aliceは、ノード装置N1の管理者によって許可された参加者である。ノード装置N1は、Aliceの親ノード装置であり、Aliceを管理している。
Aliceは、取引情報であるトランザクションTx1をブロックチェーンに記録することで、取引履歴として、トランザクションTx1をブロックチェーンネットワーク上で共有することを希望している。この場合、例えば、以下のような手順で、トランザクションTx1がブロックチェーンに記録される。
(P1)Aliceは、親ノード装置であるノード装置N1へトランザクションTx1を送信することで、トランザクションTx1を申請する。
(P2)ノード装置N1は、ノード装置N2~ノード装置N4へトランザクションTx1を送信する。
(P3)ノード装置Ni(i=2~4)は、トランザクションTx1を承認するか否かを判定し、承認又は否認を示す判定結果を他のすべてのノード装置Niへ送信する。
(P4)ノード装置Ni(i=1~4)は、他のノード装置Niから受信した判定結果の多数決をとり、承認又は否認を示す多数決結果を、他のすべてのノード装置Niへ送信する。
(P5)ノード装置Ni(i=1~4)は、手順(P4)において送信した多数決結果と、他のすべてのノード装置Niから受信した多数決結果とが一致する場合、トランザクションTx1をノード装置Niのブロックチェーンに記録する。これにより、トランザクションTx1がノード装置N1~ノード装置N4の間で共有される。
図1の取引記録処理では、主として、手順(P4)において、各管理者は他の管理者の判定結果を共有し合う。手順(P4)を設けることで、一定数以上の管理者が結託して不正を行わない限り、Aliceが申請したトランザクションTx1は、公正な管理者の判定結果通りに承認又は否認される。したがって、取引が安全に実行される。
しかしながら、管理者の人数が増加すると、手順(P4)での合意形成に至るまでの通信量が急激に増加する。このため、10人~数百人の多数の管理者が存在するブロックチェーンネットワークの場合、図1の取引記録処理は実用的とは言えない。
図2は、実施形態の情報処理装置(コンピュータ)の機能的構成例を示している。図2の情報処理装置201は、受付部211及び判定部212を含む。
図3は、図2の情報処理装置201が行う判定処理の例を示すフローチャートである。まず、受付部211は、第1取引情報と第2取引情報とを受け付ける(ステップ301)。
次に、判定部212は、第1取引情報がブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、第2取引情報が第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成する(ステップ302)。
次に、受付部211は、第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報を受け付ける(ステップ303)。そして、判定部212は、第1判定情報と第2判定情報と第3判定情報とに基づいて、第2取引情報をブロックチェーンに記録するか否かを判定する(ステップ304)。
図2の情報処理装置201によれば、ブロックチェーンネットワークにおいて、取引情報を記録する際の通信量を削減することができる。
図4は、図2の情報処理装置201を含むブロックチェーンネットワークの構成例を示している。図4のブロックチェーンネットワークは、端末装置411-1~端末装置411-M(Mは2以上の整数)、ノード装置412-1~ノード装置412-K(Kは2以上の整数)、ルール記憶装置413、及び不正管理装置414を含む。
各端末装置411-j(j=1~M)は、通信ネットワーク415を介して、ノード装置412-i(i=1~K)及びルール記憶装置413と通信する。各ノード装置412-iは、通信ネットワーク415を介して、端末装置411-j、他のノード装置412-i、ルール記憶装置413、及び不正管理装置414と通信する。
図4のブロックチェーンネットワークは、例えば、コンソーシアム型ブロックチェーンのブロックチェーンネットワークであり、取引履歴を含むブロックチェーンを管理する。ブロックチェーンネットワークは、判定システムの一例である。
端末装置411-jは、管理者以外の参加者であるユーザUjの情報処理装置である。端末装置411-jは、デスクトップPC(Personal Computer)、タブレット型PC、ノート型PC、又はスマートフォンであってもよい。
ノード装置412-iは、管理者Aiの情報処理装置である。ノード装置412-iは、デスクトップPC、タブレット型PC、ノート型PC、スマートフォン、又はサーバであってもよい。ノード装置412-iは、図2の情報処理装置201に対応する。
ノード装置412-1~ノード装置412-Kのうち、ユーザUjの参加を許可した管理者Aiのノード装置412-iは、そのユーザUjの端末装置411-jの親ノード装置として動作し、ユーザUjを管理する。
金融分野及び決済分野においてブロックチェーンが利用される場合、あらかじめ決められて公開されているルールに従って、新たなトランザクションが生成されることが多い。また、新たなトランザクションの内容は、事前の取引を表すトランザクションの内容を基にして生成されることが多い。トランザクションは、取引情報に対応する。
事前の取引は、新たなトランザクションTxYが表す取引よりも前に行われた取引であり、既にトランザクションTxXとしてブロックチェーンに記録されている取引を指す。公開されているルールは、トランザクションTxXからトランザクションTxYを生成するための方法及び形式を指す。
例えば、外貨両替のブロックチェーンネットワークにおいて、顧客がユーザU1として参加し、銀行がユーザU2として参加している場合を想定する。一例として、ユーザU1は、50ドルをユーザU2へ送金する。その後、ユーザU2は、あらかじめ決められて公開されている為替レート“100円/ドル”に従って、ユーザU1へ送金する金額を5000円に決定し、5000円をユーザU1へ送金する。
この場合、トランザクションTxX、トランザクションTxY、及びトランザクションTxXからトランザクションTxYを生成するためのルールを、以下のように記述することができる。
TxX: From: U1, To: U2, Amount: $50
TxY: From: U2, To: U1, Amount: ¥5000
ルール: From of TxY = To of TxX, To of TxY = From of TxX, Amount of TxY = (Amount of TxX)×100
ルール記憶装置413は、既存のトランザクションTxXから新たなトランザクションTxYを生成するための所定のルールを記憶する。
端末装置411-jは、ルール記憶装置413からルールを取得し、取得されたルールに従って、既存のトランザクションTxXから新たなトランザクションTxYを生成する。そして、端末装置411-jは、トランザクションTxX及びトランザクションTxYを、親ノード装置であるノード装置412-iへ送信する。既存のトランザクションTxXは、第1取引情報に対応し、新たなトランザクションTxYは、第2取引情報に対応する。
親ノード装置であるノード装置412-iは、端末装置411-jから受信したトランザクションTxX及びトランザクションTxYを、他のすべてのノード装置412-iへ送信する。そして、各ノード装置412-i(i=1~K)は、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録するか否かを判定する。トランザクションTxYをブロックチェーンに記録すると判定した場合、ノード装置412-iは、トランザクションTxYをノード装置412-i内のブロックチェーンに記録する。
各ノード装置412-iは、他の何れかのノード装置412-iから受信した、トランザクションTxYに対する判定結果が不正であると判定した場合、そのノード装置412-iの不正を不正管理装置414に通告する。
不正管理装置414は、一定期間内に、ブロックチェーンネットワーク内の過半数以上のノード装置412-iから特定のノード装置412-iの不正が通告された場合、特定のノード装置412-iをブロックチェーンネットワークから除外する。
図5は、図4の端末装置411-jの機能的構成例を示している。図5の端末装置411-jは、通信部511、署名部512、及び生成部513を含む。通信部511は、通信ネットワーク415を介して、ノード装置412-i及びルール記憶装置413と通信する。
生成部513は、通信部511を介して、ルール記憶装置413からルールを取得し、取得されたルールに従って、既存のトランザクションTxXから新たなトランザクションTxYを生成する。そして、生成部513は、トランザクションTxX及びトランザクションTxYを含む申請情報を生成する。
署名部512は、生成された申請情報に電子署名を付加し、通信部511を介して、電子署名が付加された申請情報を、親ノード装置であるノード装置412-iへ送信する。
図6は、図4のノード装置412-iの機能的構成例を示している。図6のノード装置412-iは、通信部611、記憶部612、署名部613、受付部614、及び判定部615を含む。受付部614及び判定部615は、図2の受付部211及び判定部212にそれぞれ対応する。
通信部611は、通信ネットワーク415を介して、端末装置411-j、他のノード装置412-i、ルール記憶装置413、及び不正管理装置414と通信する。記憶部612は、管理者Ai間で合意が形成された正当なトランザクションのみを含むブロックチェーンを記憶する。ブロックチェーンは、暗号技術を使ってリンクされた複数のブロックを含み、各ブロックは、トランザクションを表す。
図7は、記憶部612が記憶するブロックチェーンの例を示している。図7(a)は、何れかのノード装置412-iの記憶部612が記憶するブロックチェーンの例を示している。図7(a)のブロックチェーンの各行は、トランザクションを表す。
例えば、“Tx1: a→b, ¥1000”は、ユーザaからユーザbへ1000円を送金するトランザクションを表す。“Tx3: d→a, $1000”は、ユーザdからユーザaへ1000ドルを送金するトランザクションを表す。
図7(b)は、別のノード装置412-iの記憶部612が記憶するブロックチェーンの例を示している。図7(b)のブロックチェーンは、図7(a)のブロックチェーンにおいて、トランザクションTx2を削除して、トランザクションTx5を追加した構成を有する。このように、ノード装置412-1~ノード装置412-Kのすべてが必ずしも同じブロックチェーンを記憶しているとは限らない。
署名部613は、端末装置411-j又は他のノード装置412-iへ送信する情報に、電子署名を付加する。また、署名部613は、端末装置411-j又は他のノード装置412-iから受信した情報に付加されている電子署名を検証する。
親ノード装置であるノード装置412-iにおいて、通信部611は、端末装置411-jから申請情報を受信し、受付部614は、受信した申請情報を受け付ける。判定部615は、通信部611を介して、受信した申請情報を他のすべてのノード装置412-iへ送信する。
親ノード装置であるノード装置412-iは、第3ノード装置の一例である。親ノード装置以外の他のノード装置412-iは、第1ノード装置及び第2ノード装置の一例である。
他のノード装置412-iにおいて、通信部611は、親ノード装置であるノード装置412-iから申請情報を受信し、受付部614は、受信した申請情報を受け付ける。
判定部615は、次の条件C1が満たされるか否かをチェックし、条件C1が満たされるか否かを示す判定情報D1を生成する。
C1:申請情報に含まれるトランザクションTxXが記憶部612内のブロックチェーンに記録されている。
ブロックチェーンに記録されているトランザクションは、管理者Ai間で合意が形成された正当なトランザクションである。したがって、トランザクションTxXがブロックチェーンに記録されているか否かをチェックすることで、トランザクションTxXが正当なトランザクションであるか否かを確認することができる。判定情報D1は、第1判定情報の一例である。
また、判定部615は、次の条件C2が満たされるか否かをチェックし、条件C2が満たされるか否かを示す判定情報D2を生成する。
C2:申請情報に含まれるトランザクションTxYがトランザクションTxXに対応する。
このとき、判定部615は、通信部611を介して、ルール記憶装置413からルールを取得し、トランザクションTxYが取得されたルールに従ってトランザクションTxXから生成されているか否かをチェックする。これにより、トランザクションTxYがあらかじめ決められて公開されている方法及び形式に従って生成されているか否かを確認することができる。判定情報D2は、第2判定情報及び第4判定情報の一例である。
トランザクションTxYが取得されたルールに従ってトランザクションTxXから生成されている場合、判定部615は、トランザクションTxYがトランザクションTxXに対応すると判定する。一方、トランザクションTxYが取得されたルールに従ってトランザクションTxXから生成されていない場合、判定部615は、トランザクションTxYがトランザクションTxXに対応しないと判定する。
一例として、トランザクションTxXと、トランザクションTxXからトランザクションTxYを生成するためのルールとが、以下のように記述されている場合を想定する。
TxX=Tx2: c→f, ¥3000
ルール: From of TxY = To of TxX, To of TxY = From of TxX, Amount of TxY = (Amount of TxX)/100
この場合、“To of TxX”は“f”であり、“From of TxX”は“c”であり、“Amount of TxX”は“¥3000”である。
図7(b)に示したブロックチェーンを記憶部612が記憶している場合、ブロックチェーンにはトランザクションTx2が記録されていないため、条件C1が満たされない。
一方、図7(a)に示したブロックチェーンを記憶部612が記憶している場合、ブロックチェーンにはトランザクションTx2が記録されているため、条件C1が満たされる。しかし、この場合であっても、トランザクションTxYが、以下のようなトランザクションTx6である場合、条件C2が満たされない。
TxY=Tx6: f→d, $30
この場合、“To of TxY”は“d”であり、ルールに記述されている“To of TxY = From of TxX”は“c”であるため、両者は一致していない。したがって、トランザクションTxYはルールに従ってトランザクションTxXから生成されておらず、トランザクションTxYはトランザクションTxXに対応しない。
判定部615は、判定情報D1及び判定情報D2に基づいて、トランザクションTxYを承認するか否かを判定し、トランザクションTxYを承認するか否かを示す判定情報D3を生成する。判定情報D3は、第5判定情報の一例である。
条件C1及び条件C2の両方が満たされている場合、判定部615は、トランザクションTxYを承認する。これにより、正当なトランザクションTxXから生成された正当なトランザクションTxYを承認することができる。
一方、条件C1又は条件C2のうち少なくとも一方が満たされていない場合、判定部615は、トランザクションTxYを否認する。これにより、正当なトランザクションTxX又は不審なトランザクションTxXから生成された不審なトランザクションTxYを否認することができる。
次に、判定部615は、通信部611を介して、親ノード装置であるノード装置412-iへ判定情報D3を送信する。
親ノード装置であるノード装置412-iにおいて、通信部611は、他のすべてのノード装置412-iから判定情報D3を受信し、受付部614は、受信した判定情報D3を受け付ける。これにより、親ノード装置であるノード装置412-iは、他のノード装置412-iがトランザクションTxYを承認したか否かを示す情報を取得することができる。
判定部615は、他のすべてのノード装置412-iから受信した判定情報D3の多数決をとり、多数決結果を示す判定情報D4を生成する。受信したすべての判定情報D3のうち、承認を示す判定情報D3の個数の方が否認を示す判定情報D3の個数よりも多い場合、判定情報D4は承認を示す。一方、受信したすべての判定情報D3のうち、否認を示す判定情報D3の個数の方が承認を示す判定情報D3の個数よりも多い場合、判定情報D4は否認を示す。判定情報D4は、第3判定情報の一例である。
他のすべてのノード装置412-iから受信した判定情報D3の多数決をとることで、親ノード装置以外のノード装置412-iが生成した判定情報D1及び判定情報D2を、判定情報D4に反映させることができる。
判定情報D4が承認を示す場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。一方、判定情報D4が否認を示す場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
次に、判定部615は、通信部611を介して、申請情報及び判定情報D4を他のすべてのノード装置412-iへ送信する。
他のノード装置412-iにおいて、通信部611は、親ノード装置であるノード装置412-iから申請情報及び判定情報D4を受信し、受付部614は、受信した申請情報及び判定情報D4を受け付ける。これにより、他のノード装置412-iは、親ノード装置以外のノード装置412-iが生成した判定情報D3の多数決結果を取得することができる。
判定部615は、判定情報D1及び判定情報D2に基づいて生成した判定情報D3と、親ノード装置であるノード装置412-iから受信した判定情報D4とに基づいて、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録するか否かを判定する。これにより、判定部615は、トランザクションTxYに対する判定部615自身の判定結果と、トランザクションTxYに対する多数決結果とを考慮して、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録するか否かを決定することができる。
判定情報D3及び判定情報D4の両方が承認を示している場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。これにより、判定部615自身がトランザクションTxYを承認し、かつ、多数決結果がトランザクションTxYを承認した場合に、トランザクションTxYがブロックチェーンに記録される。したがって、管理者Ai間で合意した正当なトランザクションTxYのみを、ブロックチェーンに記録することができる。
一方、判定情報D3又は判定情報D4のうち少なくとも一方が否認を示している場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。これにより、判定部615自身又は多数決結果がトランザクションTxYを否認した場合には、トランザクションTxYがブロックチェーンに記録されない。したがって、管理者Ai間で合意していない不審なトランザクションTxYがブロックチェーンに記録されることを防止できる。
判定情報D3と判定情報D4とが一致しない場合、判定部615は、判定情報D4が示す判定結果が不正であると判定し、親ノード装置であるノード装置412-iの不正を不正管理装置414に通告する。一方、判定情報D3と判定情報D4とが一致する場合、判定部615は、判定情報D4が示す判定結果が公正であると判定する。この場合、不正の通告は行われない。
図8は、図4のブロックチェーンネットワークにおける取引記録処理の例を示している。この例では、K=4であり、ブロックチェーンネットワークは、ノード装置412-1~ノード装置412-4を含む。ノード装置N1~ノード装置N4は、ノード装置412-1~ノード装置412-4にそれぞれ対応する。
管理者A1は、ユーザU1の参加を許可し、管理者A2は、ユーザU2の参加を許可する。したがって、ユーザU1の端末装置411-1の親ノード装置は、ノード装置N1であり、ユーザU2の端末装置411-2の親ノード装置は、ノード装置N2である。
ユーザU1が行った取引は、トランザクションTxXとして既に各ノード装置Ni(i=1~4)のブロックチェーンに記録されている。ユーザU2は、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録することで、取引履歴として、トランザクションTxYをブロックチェーンネットワーク上で共有することを希望している。この場合、例えば、以下のような手順で、トランザクションTxYが各ノード装置Niのブロックチェーンに記録される。
(P11)ユーザU2の端末装置411-2は、トランザクションTxX及びトランザクションTxYを含む申請情報を生成し、親ノード装置であるノード装置N2へ申請情報を送信する。
(P12)ノード装置N2は、端末装置411-2から受信した申請情報を、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4へ送信する。
(P13)各ノード装置Ni(i=1,3,4)は、条件C1及び条件C2が満たされるか否かをチェックし、条件C1が満たされるか否かを示す判定情報D1と、条件C2が満たされるか否かを示す判定情報D2とを生成する。
(P14)各ノード装置Niは、判定情報D1及び判定情報D2に基づいて、トランザクションTxYを承認するか否かを示す判定情報D3を生成し、生成された判定情報D3をノード装置N2へ送信する。
(P15)ノード装置N2は、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4から受信した判定情報D3の多数決をとり、多数決結果を示す判定情報D4を生成する。判定情報D4が承認を示す場合、ノード装置N2は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。一方、判定情報D4が否認を示す場合、ノード装置N2は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
そして、ノード装置N2は、申請情報及び判定情報D4を、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4へ送信する。
(P16)各ノード装置Ni(i=1,3,4)は、ノード装置N2へ送信した判定情報D3と、ノード装置N2から受信した判定情報D4とに基づいて、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録するか否かを判定する。判定情報D3及び判定情報D4の両方が承認を示している場合、各ノード装置Niは、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。
図4のブロックチェーンネットワークによれば、事前の取引で既に形成されている管理者Ai間の合意と、公開されているルールとを利用することで、新たな取引に対する合意形成のための通信を簡略化して、合意形成に伴う通信量を削減することができる。
例えば、K人の管理者Aiが存在する場合、PBFTでは約K^2回の通信が発生し、HotStuffであっても約5K回の通信が発生する。これに対して、図8に示した取引記録処理では約3K回の通信で合意を形成することができるため、合意形成に伴う通信量は、HotStuffよりも約40%削減される。
図8に示した取引記録処理では、図1に示した比較例の取引記録処理とは異なり、各管理者Aiは他の管理者Aiの判定結果を共有し合わない。しかし、過半数の管理者Aiが結託して不正を行わない限り、ユーザU2が申請したトランザクションTxYは、過半数の公正な管理者Aiの判定結果通りに、承認又は否認される。したがって、取引が安全に実行される。公正な管理者Aiとは、プロトコル通りに作業を行う管理者Aiを指す。
仮に、親ノード装置であるノード装置N2の管理者A2が不正を行った場合、その不正は、過半数の公正な管理者Aiのノード装置412-iであるノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4によって検出される。また、ユーザU2の端末装置411-2がルールに従わずにトランザクションTxYを生成する不正を行った場合、その不正もノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4によって検出される。
ノード装置N2の管理者A2が行う不正は、手順(P15)において、多数決結果とは異なる判定結果を示す判定情報D4を送信する行為である。具体的には、多数決結果が承認を示しているにもかかわらず否認を示す判定情報D4を送信する行為、又は、多数決結果が否認を示しているにもかかわらず承認を示す判定情報D4を送信する行為が、不正に該当する。
一例として、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4の管理者Aiが公正な管理者Aiであり、かつ、トランザクションTxYがトランザクションTxXからルールに従って生成されている場合を想定する。
この場合、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、トランザクションTxXを既に承認しているため、手順(P14)において、ルールに従って生成されたトランザクションTxYも承認する。そして、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、承認を示す判定情報D3をノード装置N2へ送信し、ノード装置N2は、過半数の承認を示す判定情報D3を受信する。
このとき、ノード装置N2が承認を示す判定情報D4を送信すると、手順(P16)において、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、ノード装置N2が公正であると判定する。そして、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。
一方、ノード装置N2が否認を示す判定情報D4を送信すると、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4から不正管理装置414に、ノード装置N2の不正が通告される。これにより、不正管理装置414は、ノード装置N2が不正を行ったことを認識することができる。
逆に、トランザクションTxYがトランザクションTxXからルールに従って生成されていない場合、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、手順(P14)において、トランザクションTxYを否認する。そして、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、否認を示す判定情報D3をノード装置N2へ送信し、ノード装置N2は、過半数の否認を示す判定情報D3を受信する。
このとき、ノード装置N2が否認を示す判定情報D4を送信すると、手順(P16)において、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、ノード装置N2が公正であると判定する。そして、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
一方、ノード装置N2が承認を示す判定情報D4を送信すると、ノード装置N1、ノード装置N3、及びノード装置N4から不正管理装置414に、ノード装置N2の不正が通告される。これにより、不正管理装置414は、ノード装置N2が不正を行ったことを認識することができる。
ただし、ノード装置N1、ノード装置N3、又はノード装置N4が行う以下のような不正は、必ずしも検出されるとは限らない。
E1:ノード装置N1、ノード装置N3、又はノード装置N4が、手順(P14)において、ルールに従って生成されたトランザクションTxYを否認することを示す判定情報D3を、ノード装置N2へ送信する。
E2:ノード装置N1、ノード装置N3、又はノード装置N4が、手順(P14)において、承認を示す判定情報D3をノード装置N2へ送信し、手順(P15)において、ノード装置N2から承認を示す判定情報D4を受信する。その後、同じノード装置Niが、手順(P16)において、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
図9は、図4のブロックチェーンネットワークにおける取引記録処理の例を示すフローチャートである。この例では、ノード装置412-1が親ノード装置として動作する。
まず、ノード装置412-1において、通信部611は、何れかの端末装置411-jから、トランザクションTxX及びトランザクションTxYを含む申請情報を受信し、受付部614は、受信した申請情報を受け付ける(ステップ901)。そして、判定部615は、通信部611を介して、受信した申請情報を他のノード装置412-i(i=2~K)へ送信する(ステップ902)。
他のノード装置412-i(i=2~K)において、通信部611は、ノード装置412-1から申請情報を受信し、受付部614は、受信した申請情報を受け付ける(ステップ903)。
次に、判定部615は、条件C1及び条件C2が満たされるか否かをチェックし、条件C1が満たされるか否かを示す判定情報D1と、条件C2が満たされるか否かを示す判定情報D2とを生成する(ステップ904)。
そして、判定部615は、判定情報D1及び判定情報D2に基づいて、トランザクションTxYを承認するか否かを示す判定情報D3を生成し、通信部611を介して、ノード装置412-1へ判定情報D3を送信する(ステップ905)。
ノード装置412-1において、通信部611は、他のノード装置412-iから判定情報D3を受信し、受付部614は、受信した判定情報D3を受け付ける(ステップ906)。
次に、判定部615は、他のノード装置412-iから受信した判定情報D3の多数決をとり、多数決結果を示す判定情報D4を生成する(ステップ907)。判定情報D4が承認を示す場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。一方、判定情報D4が否認を示す場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
そして、判定部615は、通信部611を介して、申請情報及び判定情報D4を他のノード装置412-iへ送信する(ステップ908)。
他のノード装置412-iにおいて、通信部611は、ノード装置412-1から申請情報及び判定情報D4を受信し、受付部614は、受信した申請情報及び判定情報D4を受け付ける(ステップ909)。
次に、判定部615は、ノード装置412-1へ送信した判定情報D3と、ノード装置412-1から受信した判定情報D4とに基づいて、トランザクションTxYをブロックチェーンに記録するか否かを判定する(ステップ910)。
判定情報D3及び判定情報D4の両方が承認を示している場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録する。一方、判定情報D3又は判定情報D4のうち少なくとも一方が否認を示している場合、判定部615は、記憶部612内のブロックチェーンにトランザクションTxYを記録しない。
図4のブロックチェーンネットワークでは、外貨両替に限らず、様々な分野における様々な取引を行うことができる。他の取引の例として、貸し部屋予約について説明する。
例えば、貸し部屋予約のブロックチェーンネットワークにおいて、顧客がユーザU1として参加し、貸し部屋業者がユーザU2として参加している場合を想定する。ユーザU1は、1時間当たり1000円の料金をユーザU2に支払うことで、ユーザU2が提供する貸し部屋を使用することができる。
一例として、ユーザU1は、5000円をユーザU2へ送金する。その後、ユーザU2は、あらかじめ決められて公開されているレンタルレート“1000円/時間”に従って、ユーザU1が貸し部屋を使用する時間を12時から17時までの5時間に決定し、予約内容をユーザU1へ送信する。
この場合、トランザクションTxX、トランザクションTxY、及びトランザクションTxXからトランザクションTxYを生成するためのルールを、以下のように記述することができる。
TxX: From: U1, To: U2, Amount: ¥5000
TxY: From: U2, To: U1, StartTime=12, EndTime=17
ルール: From of TxY = To of TxX, To of TxY = From of TxX, ((EndTime of TxY)-(StartTime of TxY))×1000=(Amount of TxX)
この場合、トランザクションTxYは、ルールに従ってトランザクションTxXから生成されているため、各ノード装置412-i内のブロックチェーンにトランザクションTxYが記録される。したがって、各ノード装置412-i内のブロックチェーンを参照することで、12時から17時までの間、ユーザU1がユーザU2の貸し部屋を使用する権利を有することを証明できる。
図2の情報処理装置201の構成は一例に過ぎず、情報処理装置201の用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
図4のブロックチェーンネットワークの構成は一例に過ぎず、ブロックチェーンネットワークの用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。図4のブロックチェーンネットワークは、コンソーシアム型ブロックチェーン以外のブロックチェーンネットワークであってもよい。
図5の端末装置411-j及び図6のノード装置412-iの構成は一例に過ぎず、ブロックチェーンネットワークの用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略又は変更してもよい。
図3及び図9のフローチャートは一例に過ぎず、情報処理装置201又はブロックチェーンネットワークの構成又は条件に応じて一部の処理を省略又は変更してもよい。
図1及び図8に示した取引記録処理は一例に過ぎず、取引記録処理は、ブロックチェーンネットワークの用途、取引の内容、及びノード装置の台数に応じて変化する。図7に示したブロックチェーンは一例に過ぎず、ブロックチェーンは、ブロックチェーンネットワークの用途及び取引の内容に応じて変化する。
図10は、図2の情報処理装置201、図5の端末装置411-j、及び図6のノード装置412-iとして用いられる情報処理装置のハードウェア構成例を示している。図10の情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)1001、メモリ1002、入力装置1003、出力装置1004、補助記憶装置1005、媒体駆動装置1006、及びネットワーク接続装置1007を含む。これらの構成要素はハードウェアであり、バス1008により互いに接続されている。
メモリ1002は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリであり、処理に用いられるプログラム及びデータを記憶する。メモリ1002は、図6の記憶部612として動作してもよい。
CPU1001(プロセッサ)は、例えば、メモリ1002を利用してプログラムを実行することにより、図2の受付部211及び判定部212として動作する。CPU1001は、メモリ1002を利用してプログラムを実行することにより、図5の署名部512及び生成部513としても動作する。CPU1001は、メモリ1002を利用してプログラムを実行することにより、図6の署名部613、受付部614、及び判定部615としても動作する。
入力装置1003は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、ユーザ又はオペレータからの指示又は情報の入力に用いられる。出力装置1004は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、ユーザ又はオペレータへの問い合わせ又は処理結果の出力に用いられる。
補助記憶装置1005は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。補助記憶装置1005は、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブであってもよい。情報処理装置は、補助記憶装置1005にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1002にロードして使用することができる。
媒体駆動装置1006は、可搬型記録媒体1009を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体1009は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等である。可搬型記録媒体1009は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等であってもよい。ユーザ又はオペレータは、可搬型記録媒体1009にプログラム及びデータを格納しておき、それらをメモリ1002にロードして使用することができる。媒体駆動装置1006は、図6の記憶部612として動作してもよい。
このように、処理に用いられるプログラム及びデータを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、メモリ1002、補助記憶装置1005、又は可搬型記録媒体1009のような、物理的な(非一時的な)記録媒体である。
ネットワーク接続装置1007は、通信ネットワーク415に接続され、通信に伴うデータ変換を行う通信インタフェース回路である。情報処理装置は、プログラム及びデータを外部の装置からネットワーク接続装置1007を介して受信し、それらをメモリ1002にロードして使用することができる。ネットワーク接続装置1007は、図5の通信部511又は図6の通信部611として動作してもよい。
図4のルール記憶装置413及び不正管理装置414としては、図10と同様の情報処理装置を用いることができる。
なお、情報処理装置が図10のすべての構成要素を含む必要はなく、用途又は条件に応じて一部の構成要素を省略することも可能である。例えば、ユーザ又はオペレータとのインタフェースが不要である場合は、入力装置1003及び出力装置1004を省略してもよい。情報処理装置が可搬型記録媒体1009を利用しない場合は、媒体駆動装置1006を省略してもよい。
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。
Claims (15)
- 第1取引情報と第2取引情報とを受け付け、
前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成し、
前記第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報を受け付け、
前記第1判定情報と前記第2判定情報と前記第3判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする判定方法。 - 前記コンピュータは、前記ブロックチェーンを管理するブロックチェーンネットワークに含まれる複数のノード装置のうち第1ノード装置であり、
前記第3判定情報は、前記複数のノード装置のうち第2ノード装置により生成された、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第4判定情報に基づいて、生成されることを特徴とする請求項1記載の判定方法。 - 前記コンピュータは、
前記第1判定情報と前記第2判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第5判定情報を生成し、
前記複数のノード装置のうち第3ノード装置へ前記第5判定情報を送信する、
処理をさらに実行し、
前記第3判定情報を受け付ける処理は、前記第3ノード装置から受信した前記第3判定情報を受け付ける処理を含み、
前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理は、前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理を含むことを特徴とする請求項2記載の判定方法。 - 前記第5判定情報を生成する処理は、前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されていることを前記第1判定情報が示しており、かつ、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応することを前記第2判定情報が示している場合、前記第2取引情報を承認することを示す前記第5判定情報を生成する処理を含み、
前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理は、前記第2取引情報を承認することを前記第3判定情報が示しており、かつ、前記第2取引情報を承認することを前記第5判定情報が示している場合、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録すると判定する処理を含むことを特徴とする請求項3記載の判定方法。 - 前記第5判定情報を生成する処理は、前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されていないことを前記第1判定情報が示している場合、又は、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応しないことを前記第2判定情報が示している場合、前記第2取引情報を否認することを示す前記第5判定情報を生成する処理を含み、
前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理は、前記第3判定情報又は前記第5判定情報のうち少なくとも一方が前記第2取引情報を否認することを示している場合、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録しないと判定する処理を含むことを特徴とする請求項3記載の判定方法。 - 前記第2判定情報を生成する処理は、前記第2取引情報が所定のルールに基づいて前記第1取引情報から生成されている場合、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応することを示す前記第2判定情報を生成する処理を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の判定方法。
- 第1取引情報と、第2取引情報と、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報とを受け付ける受付部と、
前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成し、前記第1判定情報と前記第2判定情報と前記第3判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記情報処理装置は、前記ブロックチェーンを管理するブロックチェーンネットワークに含まれる複数のノード装置のうち第1ノード装置であり、
前記第3判定情報は、前記複数のノード装置のうち第2ノード装置により生成された、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第4判定情報に基づいて、生成されることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。 - 前記判定部は、前記第1判定情報と前記第2判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第5判定情報を生成し、前記複数のノード装置のうち第3ノード装置へ前記第5判定情報を送信し、
前記受付部は、前記第3ノード装置から受信した前記第3判定情報を受け付け、
前記判定部は、前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定することを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。 - 複数のノード装置を備える判定システムであって、
前記複数のノード装置のうち第1ノード装置は、
第1取引情報と、第2取引情報と、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報とを受け付ける受付部と、
前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成し、前記第1判定情報と前記第2判定情報と前記第3判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する判定部と、
を含むことを特徴とする判定システム。 - 前記判定システムは、前記ブロックチェーンを管理するブロックチェーンネットワークであり、
前記第3判定情報は、前記複数のノード装置のうち第2ノード装置により生成された、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第4判定情報に基づいて、生成されることを特徴とする請求項10記載の判定システム。 - 前記判定部は、前記第1判定情報と前記第2判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第5判定情報を生成し、前記複数のノード装置のうち第3ノード装置へ前記第5判定情報を送信し、
前記受付部は、前記第3ノード装置から受信した前記第3判定情報を受け付け、
前記判定部は、前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定することを特徴とする請求項11記載の判定システム。 - 第1取引情報と第2取引情報とを受け付け、
前記第1取引情報が前記ブロックチェーンに記録されているか否かを示す第1判定情報と、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第2判定情報とを生成し、
前記第2取引情報を承認するか否かを示す第3判定情報を受け付け、
前記第1判定情報と前記第2判定情報と前記第3判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する、
処理をコンピュータに実行させるための判定プログラム。 - 前記コンピュータは、前記ブロックチェーンを管理するブロックチェーンネットワークに含まれる複数のノード装置のうち第1ノード装置であり、
前記第3判定情報は、前記複数のノード装置のうち第2ノード装置により生成された、前記第2取引情報が前記第1取引情報に対応するか否かを示す第4判定情報に基づいて、生成されることを特徴とする請求項13記載の判定プログラム。 - 前記判定プログラムは、
前記第1判定情報と前記第2判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を承認するか否かを示す第5判定情報を生成し、
前記複数のノード装置のうち第3ノード装置へ前記第5判定情報を送信する、
処理を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第3判定情報を受け付ける処理は、前記第3ノード装置から受信した前記第3判定情報を受け付ける処理を含み、
前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理は、前記第3判定情報と前記第5判定情報とに基づいて、前記第2取引情報を前記ブロックチェーンに記録するか否かを判定する処理を含むことを特徴とする請求項14記載の判定プログラム。
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JP2020039061A (ja) * | 2018-09-05 | 2020-03-12 | 株式会社日立製作所 | 電子取引装置、電子取引検証装置、及び電子取引方法 |
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