WO2023170788A1

WO2023170788A1 - 補助具、撮影装置、プログラム及び方法

Info

Publication number: WO2023170788A1
Application number: PCT/JP2022/010014
Authority: WO
Inventors: 秋穂佐久間; 卓志安見; 渉 ▲高▼橋
Original assignee: アイリス株式会社
Priority date: 2022-03-08
Filing date: 2022-03-08
Publication date: 2023-09-14

Abstract

【課題】対象者の口腔の撮影に適した、撮影を補助する補助具、当該補助具を用いて口腔内を撮影する撮影装置、プログラム及び方法を提供する。【解決手段】撮影装置による口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入される補助具であって、状の本体と、前記本体の内部に前記撮影装置が挿入可能に、前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記撮影装置によって検出される光を透過可能に、前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続し、前記開口から挿入された前記撮影装置によって撮影される画角内に少なくとも一部が写り込むように構成されたカバー枠と、を含む補助具が提供される。

Description

補助具、撮影装置、プログラム及び方法

　本開示は、対象者の口腔の撮影に適した、撮影を補助する補助具、当該補助具を用いて口腔内を撮影する撮影装置、プログラム及び方法に関する。

　従来より、医者によって、対象者の口腔の状態の変化を観察して、例えばウイルス性の風邪などの診断をすることが知られていた。非特許文献１は、口腔内に位置する咽頭の最深部に出現するリンパ濾胞にはインフルエンザに特有のパターンがあることを報告している。この特有のパターンを有するリンパ濾胞はインフルエンザ濾胞と呼ばれ、インフルエンザに特徴的なサインであって、発症後２時間程度で出現するとされる。しかし、このような咽頭部分は医師が直接視診することによって診断されており、画像を用いた診断がなされてこなかった。

宮本・渡辺著「咽頭の診察所見（インフルエンザ濾胞）の意味と価値の考察」日大医誌７２（１）：１１～１８（２０１３）

　そこで、上記のような技術を踏まえ、本開示では、様々な実施形態により、対象者の口腔の撮影に適した、撮影を補助する補助具、当該補助具を用いて口腔内を撮影する撮影装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。

　本開示の一態様によれば、「撮影装置による口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入される補助具であって、状の本体と、前記本体の内部に前記撮影装置が挿入可能に、前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記撮影装置によって検出される光を透過可能に、前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続し、前記開口から挿入された前記撮影装置によって撮影される画角内に少なくとも一部が写り込むように構成されたカバー枠と、を含む補助具」が提供される。

　本開示の一態様によれば、「口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、筒状の本体と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置であって、少なくとも一つのプロセッサを具備し、前記少なくとも一つのプロセッサは、用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始し、撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力するための処理をするように構成された、撮影装置」が提供される。

　本開示の一態様によれば、「口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、筒状の本体と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置を、使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始し、撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力するための処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させる、プログラム」が提供される。

　本開示の一態様によれば、「口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、筒状の本体と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置に含まれる少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法であって、使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始する段階と、撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力する段階とを含む方法」が提供される。

　本開示によれば、対象者の口腔の撮影に適した、撮影を補助する補助具、当該補助具を用いて口腔内を撮影する撮影装置、プログラム及び方法を提供することができる。

　なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。

図１は、本開示の一実施形態に係る処理システム１の使用状態を示す図である。図２は、本開示の一実施形態に係る処理システム１の使用状態を示す図である。図３Ａは、本開示の一実施形態に係る処理システム１の概略図である。図３Ｂは、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の構成を示す上面図である。図４は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の構成を示す斜視図である。図５は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の構成を示す側面図である。図６は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００と補助具３００の使用状態を示す概略図である。図７は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００と補助具３００の装着の様子を示す概略図である。図８Ａは、本開示の一実施形態に係る補助具３００の正面の構成を示す概略図である。図８Ｂは、本開示の一実施形態に係る補助具３００の先端３１４の一部断面の構成を示す概略図である。図９は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の正面の構成を示す概略図である。図１０は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の断面の構成を示す概略図である。図１１は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の上面の構成を示す概略図である。図１２は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の位置決め機構３２９の構成を示す概略図である。図１３は、本開示の一実施形態に係る補助具３００のプレート３３４の構成を示す概略図である。図１４は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の構成を示すブロック図である。図１５は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において実行される処理フローを示す図である。図１６は、本開示の一実施形態に係る学習済みモデルの生成に係る処理フローを示す図である。図１７は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において出力される画面の例を示す図である。図１８は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において出力される画面の例を示す図である。

　添付図面を参照して本開示の様々な実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。

＜第１実施形態＞
１．処理システム１の概要
　本開示に係る処理システム１は、主に対象者の口腔の内部が撮影された被写体画像を得るために用いられる。特に、当該処理システム１は、口腔の喉奥周辺、具体的には咽頭を撮影するために用いられる。したがって、以下においては、本開示に係る処理システム１を咽頭の撮影に用いた場合について主に説明する。ただし、咽頭は撮影部位の一例であって、当然に、口腔内であれば扁桃などの他の部位であっても、本開示に係る処理システム１を好適に用いることができる。

　本開示に係る処理システム１は、対象者の口腔の少なくとも咽頭領域が含まれた被写体を撮影して得られた被写体画像から、所定の疾患に対する罹患の可能性を判定し、所定の疾患に対する診断又はその補助をするために用いられる。処理システム１によって判定される疾患の一例としては、インフルエンザが挙げられる。通常、インフルエンザの罹患の可能性は、対象者の咽頭や扁桃領域を診察したり、咽頭領域に濾胞などの所見の有無を判断することによって診断される。しかし、処理システム１を用いてインフルエンザに対する罹患の可能性を判定しその結果を出力することで、その診断又は補助をすることが可能となる。なお、インフルエンザの罹患の可能性の判定は一例である。処理システム１は、罹患することによって口腔内の所見に差が現れる疾患の判定であれば、いずれであっても好適に用いることができる。なお、所見の差とは、医師等により発見されかつ医学的にその存在が既知となっているものに限らない。例えば、医師以外の者によって認識され得る差や、人工知能や画像認識技術によってその検出が可能な差であれば、処理システム１に対して好適に適用することが可能である。そのような疾患の一例としては、インフルエンザのほかに、溶連菌感染症、アデノウイルス感染症、ＥＢウイルス感染症、マイコプラズマ感染症、手足口病、ヘルパンギーナ、カンジダ症などの感染症、動脈硬化、糖尿病、高血圧症などの血管障害または粘膜障害を呈する疾病、口腔癌、舌癌、咽頭癌などの腫瘍などが挙げられる。

　なお、本開示において、疾患に対する「判定」や「診断」等の用語を用いるが、これらは医師による確定的な判定又は診断を必ずしも意味するものではない。例えば、本開示の処理システム１を対象者自らが使用したり、医師以外の使用者が使用したりして、処理システム１に含まれる処理装置１００によって判定又は診断されることも当然に含みうる。

　また、本開示において、撮影装置２００による撮影の対象となる対象者は、患者、被検者、診断使用者、健常者など、あらゆるヒトを含みうる。また、本開示において撮影装置２００を保持して撮影の操作を行う使用者は、医師、看護師、検査技師などの医療従事者に限らず、使用者自身などあらゆるヒトを含みうる。本開示に係る処理システム１は、典型的には医療機関で使用されることが想定される。しかし、この場合に限らず、例えば使用者の自宅や学校、職場など、その使用場所はいずれでもよい。

　また、本開示において、対象者と使用者は、それぞれ上記ヒトをそれぞれくべつするための呼称として用いているに過ぎず、両者がそれぞれ異なる者であってもよいし、同一の者であってもよい。すなわち、撮影装置を用いて自らの口腔内の画像を撮影するような場合には、その者が対象者でもあり使用者にもなりうる。

　また、本開示においては、上記のとおり、被写体としては対象者の口腔の少なくとも一部が含まれていればよい。また、判定される疾患も口腔内の所見に差が現れる疾患であればいずれでもよい。しかし、以下においては、被写体として咽頭又は咽頭周辺を含み、疾患としてインフルエンザに対する罹患の可能性を判定する場合について説明する。

　また、本開示においては、被写体画像や判定画像は、一又は複数の動画であってもよいし一又は複数の静止画であってもよい。動作の一例としては、電源ボタンが押下されると、カメラによるスルー画像の取り込みを行い、取り込まれたスルー画像がディスプレイ２０３に表示される。その後、使用者によって撮影ボタンが押下されると、一又は複数の静止画像がカメラによって撮影され、撮影された画像をディスプレイ２０３に表示する。又は、使用者によって撮影ボタンが押下されると、動画の撮影が開始され、その間カメラで撮影されている画像がディスプレイ２０３に表示される。そして、再度撮影ボタンが押下されると動画の撮影が終了される。このように、一連の動作において、スルー画像や静止画、動画など様々な画像がカメラによって撮影され、ディスプレイに表示される。さらに当該表示または本開示に係る処理のために被写体画像又は判定画像に対して様々な画像処理が施された処理済みの画像となることがある。しかし、被写体画像及び判定画像はこれらのうちの特定の画像のみを意味するのではなく、カメラで撮影されたこれら画像の全てを含みうる。また、このような被写体画像は、全てにおいて口腔の少なくとも一部が含まれている必要はなく、上記のようにスルー画像などにおいては当然口腔の少なくとも一部が含まれていないこともある。

　図１は、本開示の一実施形態に係る処理システム１の使用状態を示す図である。図１によれば、本開示に係る処理システム１は、処理装置１００と撮影装置２００とを含む。使用者は、撮影装置２００の先端に補助具３００を被覆するように装着し、補助具３００とともに撮影装置２００を対象者の口腔７１０に挿入する。具体的には、まず、使用者（対象者７００自らの場合もあれば対象者７００とは異なるものの場合もある）が撮影装置２００の先端に、補助具３００を被覆するように装着する。そして、使用者は、補助具３００が装着された撮影装置２００を、口腔７１０内に挿入する。このとき補助具３００の先端は、門歯７１１を通過して軟口蓋７１３近辺まで挿入される。つまり、撮影装置２００も同様に軟口蓋７１３近辺まで挿入される。このとき、補助具３００（舌圧子として機能する。）によって、舌７１４が下方へ押しやられ舌７１４の動きが制限される。これによって、使用者は、撮影装置２００の良好な視野を確保して、撮影装置２００の前方に位置する咽頭７１５の良好な撮影が可能となる。また、撮影装置２００による撮影において、撮影装置２００は対象者の口腔７１０の内部に挿入されることとなる。そのため、当該補助具３００によって撮影装置２００の先端を被覆することによって、撮影装置２００に口腔内の粘膜、唾液、体液等が直接接触するのを防止し、撮影装置２００の汚染を防止することが可能となる。なお、このような補助具３００を用いない場合には、撮影装置２００の少なくとも先端部分については使用の都度消毒や洗浄などの処理をする必要がある。したがって、使用者の手間を省くという観点からも補助具３００を使用することが望ましい。

　撮影された被写体画像（典型的には、咽頭７１５を含む画像）は、撮影装置２００から有線又は無線ネットワークで通信可能に接続された処理装置１００に送信される。被写体画像を受信した処理装置１００のプロセッサがメモリに記憶されたプログラムを処理することによって、被写体画像から判定に用いられる判定画像の選択が行われるとともに、当該判定画像を用いて所定の疾患に対する罹患の可能性が判定される。そして、結果がディスプレイなどに出力される。

　図２は、本開示の一実施形態に係る処理システム１の使用状態を示す図である。具体的には、図２は、処理システム１のうち撮影装置２００について、使用者６００が把持した状態を示す図である。図２によれば、撮影装置２００は、口腔内に挿入される側から、本体２０１、グリップ２０２及びディスプレイ２０３により構成される。本体２０１及びグリップ２０２は、口腔への挿入方向Ｈに沿って所定長の略柱状に形成される。また、ディスプレイ２０３は、グリップ２０２の本体２０１側とは反対側に配置される。そのため、撮影装置２００は、全体として略柱状に形成されており、鉛筆を把持するような持ち方をすることによって、使用者６００に把持される。つまり、使用状態においてディスプレイ２０３の表示パネルが使用者６００自身の方向を向くため、撮影装置２００によって撮影された被写体画像をリアルタイムで確認しながら撮影装置２００を容易に取り扱うことが可能である。

　また、ディスプレイ２０３に被写体画像が通常の向きに表示される向きで使用者６００がグリップ２０２を把持するとき、撮影ボタン２２０がグリップの上面側に配置されるように構成されている。そのため、使用者６００が把持したときに、使用者６００が撮影ボタン２２０を人差し指等で容易に押下可能になっている。

２．処理システム１の構成
　図３は、本開示の一実施形態に係る処理システム１の概略図である。図３によれば、処理システム１は、処理装置１００と、当該処理装置１００に有線又は無線ネットワークを介して通信可能に接続された撮影装置２００とを含む。処理装置１００は、使用者による操作入力を受け付けて、撮影装置２００による撮影を制御する。また、処理装置１００は、撮影装置２００によって撮影された被写体画像を処理して、対象者のインフルエンザへの罹患の可能性を判定する。さらに、処理装置１００は、判定された結果を出力して、対象者、使用者又は医師等に、その結果を通知する。

　撮影装置２００は、その先端が対象者の口腔内に挿入されて、口腔内、特に咽頭を撮影する。その具体的な処理については、後述する。撮影された被写体画像は、有線又は無線ネットワークを介して処理装置１００へ送信される。

　なお、処理システム１は、必要に応じてさらに載置台４００を含むことが可能である。載置台４００は、撮影装置２００を安定的に載置することが可能である。また、載置台４００は、有線ケーブルを介して電源に接続することで、載置台４００の給電端子から撮影装置２００の給電ポートを通じて撮影装置２００に給電することが可能である。

３．撮影装置２００の構成
　本開示に係る処理システム１は、処理装置１００で処理するための画像を撮影する撮影装置２００を含む。図３Ｂは、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の構成を示す上面図である。以下、図３Ｂによって、撮影装置２００の具体的な構成について説明する。

　図３Ｂによると、本体２０１は、基端２２５及び先端２２２を備え、光源２１２から光が照射される方向、すなわち口腔内に挿入される方向Ｈに略平行な方向に所定長の長さを有する柱状体によって構成されている。そして、本体２０１の少なくとも先端２２２が、口腔に挿入される。

　本体２０１は、その断面が真円となる中空の円筒形をした柱状に形成される。その壁部２２４は、その内部に光を導光可能な材料であればいずれでもよく、一例としては熱可塑性樹脂を用いて得ることができる。熱可塑性樹脂には、鎖状ポリオレフィン系樹脂（ポリプロピレン系樹脂等）、環状ポリオレフィン系樹脂（ノルボルネン系樹脂等）のようなポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、（メタ）アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はこれらの混合物、共重合物などが用いられる。すなわち、本体２０１の壁部２２４は、光源から照射された光を口腔内又は拡散板方向に導光するための導光体として機能する。

　本体２０１は、中空に形成されるため、壁部２２４によってその内面に収容空間２２３が形成される。この収容空間２２３には、カメラ２１１が収容される。なお、本体２０１は、収容空間２２３を有する柱状に形成されさえすればよい。したがって、収容空間２２３は、断面が真円の円筒形を有する必要はく、断面が楕円であったり多角形であってもよい。また、本体２０１は、必ずしも内部が中空に形成される必要もない。

　グリップ２０２は、その先端が本体２０１の基端２２５に接続される。使用者は当該グリップ２０２を把持して撮影装置２００の抜き差しなどの操作を行う。グリップ２０２は、口腔内に挿入される方向Ｈに略平行な方向に、すなわち本体２０１の長手方向に沿って、所定長の長さを有する柱状体によって構成され、本体２０１と方向Ｈにおいて同一直線上に配置されている。なお、本実施形態では、垂直方向の断面が略長円形になるように形成されているが、長円形である必要はなく、真円や楕円、多角形であってもよい。

　グリップ２０２は、本体２０１の基端２２５に最も近い位置に連結部２３０が形成され、当該連結部２３０を介して本体２０１に連結される。連結部２３０の外周には、補助具３００を位置決めするための係合突起２１７（２１７－１～２１７－４）と、位置決め突起２１８とを有する。係合突起２１７は、補助具３００に設けられた係合突起３１８（３１８－１～３１８－４）と互いに係合する。また、位置決め突起２１８は、補助具３００に設けられた挿入穴３３０に挿入されて、撮影装置２００と補助具３００とを互いに位置決めする。なお、本実施形態においては、本体２０１の係合突起２１７は、合計４個の係合突起（係合突起２１７－１～２１７－４）が、グリップ２０２の表面であって、本体２０１の基端２２５近傍の位置に、等間隔に配置される。また、位置決め突起２１８は、グリップ２０２の表面の係合突起２１７の間であって、本体２０１の基端２２５近傍の位置に、一つ配置される。しかし、これに限らず、係合突起２１７と位置決め突起２１８のいずれか一方を配置するだけであってもよい。また、その個数も、係合突起２１７及び位置決め突起２１８のいずれも、一又は複数の個数であれば、何個であってもよい。

　また、グリップ２０２は、その上面で本体２０１の基端２２５に近い位置、すなわちグリップ２０２の口腔内の挿入方向Ｈにおける先端付近に撮影ボタン２２０を含む。これにより、使用者６００が把持したときに、使用者６００が撮影ボタン２２０を人差し指等で容易に押下可能になっている。また、グリップ２０２は、その上面でディスプレイ２０３に近い位置、すなわちグリップ２０２の撮影ボタン２２０と反対側の位置に電源ボタン２２１が配置されている。これにより、使用者６００が把持して撮影しているときに、誤って電源ボタン２２１を押下してしまうのを防止することが可能となる。

　ディスプレイ２０３は、全体として略直方体形状をし、本体２０１と方向Ｈにおいて同一直線上に配置されている。また、ディスプレイ２０３は、口腔内に挿入される方向Ｈの反対方向（つまりは、使用者側の方向）の面に表示パネルを含む。したがって、ディスプレイ２０３は、口腔内に挿入される方向Ｈに略平行になるように形成された本体２０１及びグリップ２０２の長手方向に対して、表示パネルを含む面が略垂直になるように形成される。そして、表示パネルを含む面に相対する面において、グリップ２０２の口腔とは反対側でグリップ２０２と連結される。なお、ディスプレイの形状は、略直方体形状に限らず、円柱状などいかなる形状であってもよい。

　ここで、撮影装置２００は、表示パネルを含む面が載置面に接するように縦方向に載置することが可能である。そのため、ディスプレイ２０３の表示パネルを含む面は、すくなくともその外周が載置に適した略平面上に形成される。

　拡散板２１９は、本体２０１の先端２２２に配置され、光源２１２から照射され、本体２０１を通過した光を口腔内に向けて拡散する。拡散板２１９は、本体２０１の導光可能に構成された部分の断面形状に対応した形状を有する。本実施形態においては、本体２０１は、中空の円筒形に形成されている。したがって、拡散板２１９の断面も、その形状に対応して中空状に形成される。

　カメラ２１１は、拡散板２１９から拡散され口腔内に照射され、被写体に反射してきた反射光を検出して、被写体画像を生成するために用いられる。カメラ２１１は、本体２０１の壁部２２４の内面、すなわち本体２０１の内部に形成された収容空間２２３に、本体２０１と方向Ｈにおいて同一直線上になるように配置される。なお、本実施形態では、カメラ２１１は一個のみ記載しているが、撮影装置２００は複数のカメラを含んでもよい。複数のカメラを用いて被写体画像を生成することにより、立体形状に関する情報を被写体画像が含むことになる。また、本実施形態では、カメラ２１１は、本体２０１の収容空間２２３に配置されているが、本体２０１の先端２２２又は本体２０１（本体２０１の内部であっても本体２０１の外周上であってもよい）に配置されてもよい。

４．補助具３００の構成
　図４は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の構成を示す斜視図である。補助具３００は、対象者の口腔内の撮影を補助するための道具である。したがって、撮影装置２００で口腔内を撮影する場合に、必ず必要とするものではなく、使用者又は対象者の所望に応じて使用されなくてもよい。補助具３００には、撮影装置２００の少なくとも先端側の一部が挿入される。したがって、補助具３００は、撮影装置２００の邪魔にならず良好な視野を確保するという観点から、少なくとも一部が透光性を有することが好ましい。

　本実施形態においては、補助具３００は樹脂の一体成型によって製造される。しかし、紙や布、金属などの他の素材やそれらの組み合わせによって製造されてよい。また、補助具３００は、使い捨てタイプであることが望ましいが、再利用可能なタイプであってもよい。このような樹脂としては、一例としては熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂には、鎖状ポリオレフィン系樹脂（ポリプロピレン系樹脂等）、環状ポリオレフィン系樹脂（ノルボルネン系樹脂等）のようなポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、（メタ）アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、プリウレタン、フッ素系樹脂、又はこれらの混合物、共重合物などが用いられる。なお、本実施形態においては、材料の選択又は加工時の厚さに応じて容易に変形する補助具３００を構成するのが好ましい。このように構成することによって、上記のとおり補助具３００を使い捨てタイプとする場合など、容易に廃棄が可能である。

　図４によると、補助具３００は、筒状に形成された本体３１２と、本体３１２の基端３１６に配置され一対に構成される把持板３１１と、本体３１２の先端３１４の近傍に配置された舌圧子３１５とを含む。

　本体３１２は、その内部に撮影装置２００の本体２０１の先端２２２側の少なくとも一部を被覆するように構成されているため、本体２０１の長さに対応して、補助具３００が口腔内に挿入される方向である方向Ｈに沿って所定長の長さを有する円筒状に形成される。そして、基端３１６側には撮影装置２００を挿入するための開口３２０を、先端３１４側には撮影装置２００の光源２１２からの照射光と被写体からの反射光とを通過させるためのカバー３１３を有する。なお、本実施形態においては、補助具３００は、先端３１４から口腔内に挿入される。

　また、本実施形態においては、撮影装置２００の本体２０１は、基端２２５から先端２２２にかけて実質的に一定の内径及び外径を有する。したがって、補助具３００の本体３１２も、この形状に対応して、内径及び外径が長手方向にわたって実質的に一定に形成される。なお、本体３１２の断面形状は、撮影装置２００の本体２０１の断面形状に対応して形成されるのが好ましいが、挿入可能であればいずれの形状でもよく、真円、楕円、多角形などのいずれの形状であってもよい。

　一対に構成される把持板３１１は、本体３１２の基端３１６に沿って、補助具３００が口腔内に挿入される方向、すなわち方向Ｈに対して垂直又は略垂直な方向に、本体３１２の外側に向かって延伸するように構成される。すなわち、把持板３１１は、当該構成を有することによって、使用者が対象者の口腔内に補助具３００を挿入する際に、手で把持するために使用される。本実施形態においては、把持板３１１は、補助具３００が口腔内に挿入されたときに、先端側の面が対象者の唇などに当接することで、それ以上の補助具３００の挿入を規制するための規制部材としても機能するとともに誤嚥防止をすることが可能である。また、把持板３１１が外側に向かって延伸するように構成されているため、補助具３００そのものが床面等において転がるのを防止することが可能である。なお、本実施形態においては、把持板３１１は、本体３１２の基端３１６側に上下方向に対称となるように一対の把持板を配置したが、本体３１２の基端３１６に沿ってドーナツ状に形成してもよく、その形状はいかなる形状であってもよい。

　舌圧子３１５は本体３１２の下部（口腔内の舌方向の側）に配置され、舌方向に向かってブレード上に形成される。撮影装置２００で撮影する際に、対象者の舌が撮影装置２００の前方で動くことによって、口腔内の撮影が阻害される。舌圧子３１５は、舌を下方へ押しやって舌の口腔内における動きを制限し、舌が撮影装置２００の前方に位置するのを防止する。したがって、本実施形態においては舌圧子３１５をブレード状に形成しているが、この機能を実現可能であればいかなる形状であってもよい。

　図５は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の側面の構成の概略を示す側である。図５によると、上記のとおり、補助具３００は、本体３１２の先端３１４側近傍に舌圧子３１５と、基端３１６側に把持板３１１を備える。

　また、本体３１２の基端３１６側には、撮影装置２００が基端３１６側から挿入されたときに位置決めするための機構が備えられている。具体的には、本体３１２は、本体３１２の外周に対して垂直な方向に所定の長さで形成された一対の溝３１９と、これらによって形成された片３１７と、片３１７にそれぞれ配置され撮影装置２００のグリップ２０２の先端に配置された各係合突起２１７に係合するように構成された係合突起３１８と、グリップ２０２の位置決め突起２１８が挿入される挿入穴３３０とを有する。

　係合突起３１８は、撮影装置２００のグリップ２０２に配置された各係合突起２１７に対応する位置であって、本体３１２の内面に向かう方向に突出して設けられる。したがって、本実施形態においては、４個の係合突起２１７－１～２１７－４に対応する位置に、４個の係合突起３１８－１～３１８－４が配置される。また、挿入穴３３０は、撮影装置２００のグリップ２０２に配置された位置決め突起２１８に対応する位置に設けられる。したがって、本実施形態においては、１個の位置決め突起２１８に対応する位置に、１個の挿入穴３３０が配置される。

５．撮影装置２００及び補助具３００の使用状態
　図６は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００と補助具３００の使用状態を示す概略図である。以下、補助具３００に対して撮影装置２００が挿入された場合について、図６を参照しつつ説明する。まず、撮影装置２００が補助具３００の開口３２０を介して基端３１６に挿入され、先端３１４近傍まで達すると、撮影装置２００のグリップ２０２の外方向に突出して形成された係合突起２１７と、補助具３００の本体３１２の内面に向かって形成された係合突起３１８とが当接する。ここで、本実施形態においては、本体３１２の係合突起３１８－１～３１８－４は、一対の溝３１９－１ａ及び３１９－１ｂ～３１９－４ａ及び３１９－４ｂによって形成された片３１７－１～３１７－４に形成されている。したがって、撮影装置２００の係合突起２１７と補助具３００の係合突起３１８が当接した状態でさらに撮影装置２００を挿入する方向に力が加わると、一対の溝３１９で形成された片３１７が持ち上げられる。これによって、撮影装置２００の係合突起２１７が、補助具３００の係合突起３１８を越えてさらに挿入される。

　次いで、補助具３００の係合突起３１８を越えて撮影装置２００が挿入されると、撮影装置２００のグリップ２０２上に外方向に突出して設けられた位置決め突起２１８が、補助具３００の挿入穴３３０に挿入される。そして、先端３１４側に形成されている挿入穴３３０の壁面に撮影装置２００の位置決め突起２１８が当接する。これによって、撮影装置２００が補助具３００の先端３１４方向に、これ以上挿入されるのが規制される。

　すなわち、本実施形態においては、撮影装置２００が補助具３００に完全に挿入された状態においては、撮影装置２００が挿入される方向への撮影装置２００の移動は位置決め突起２１８と挿入穴３３０によって規制され、当該方向と反対方向、すなわち撮影装置２００が取り外される方向への撮影装置２００の移動は係合突起２１７と係合突起３１８によって規制される。このような位置決め突起２１８及び挿入穴３３０は、撮影装置２００及び補助具３００の周方向において好ましくは１カ所又は複数設置される場合は非対称に設置される。このように設置することで、撮影装置２００に対する補助具３００の周方向の位置、及び移動を規制することが可能となる。すなわち、撮影装置２００との上下方向の向きと補助具３００の上下方向の向きを常に一定にすることができ、例えば撮影装置２００のディスプレイ２０３の下方に常に舌圧子３１５が位置するように設置することが可能となる。

　ここで、図７は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００と補助具３００の装着の様子を示す概略図である。具体的には、図７は、補助具３００に対して撮影装置２００が挿入される場合の様子を、補助具３００の基端３１６付近及び撮影装置２００の連結部２３０付近を拡大して示す図である。図７によれば、撮影装置２００の連結部２３０の上面に通知体２２６（図６等において不図示）を含む。このような通知体２２６の一例としては、位置又は複数のＬＥＤなどの発光体が挙げられる。通知体２２６は、撮影装置２００の電源ボタン２２１の押下によって撮影装置２００の電源がオンになると発光され、再度の電源ボタン２２１の押下によって電源がオフになると発光が停止される。なお、図７の例では、通知体２２６を連結部２３０の上面に配置したが、当該通知体２２６の位置は補助具３００によって被覆される位置であればどこに配置されてもよい。

　また、通知体２２６を有する撮影装置２００が挿入される補助具３００において、基端３１６側の把持板３１１の近辺に通知窓３２２を含む。当該通知窓３２２は、一例としては補助具３００を厚さ方向に貫通する貫通孔として構成されていてもよいし、その周辺領域に対して通知体２２６から発光される光の透過率が高い材質により構成されてもよい。逆に言えば、補助具３００は、通知窓３２２及びカバー３１３（図４）を除く領域、すなわち少なくとも通知窓３２２の周囲の領域は、光を不透過の材質で構成するか、通知窓３２２よりも透過率が低い材質で構成されて、通知体２２６からの光の少なくとも一部の透過を阻害するようにしてもよい。

　さらに、撮影装置２００が補助具３００の開口から挿入されて、撮影装置２００の係合突起２１７及び補助具３００の係合突起３１８によって互いが位置決めされた状態において、通知体２２６と通知窓３２２は互いに上下に重なり合うように位置する。すなわち、補助具３００の通知窓３２２は、このような状態において、撮影装置２００の通知体２２６の配置位置と相対する位置に配置されることにより、通知窓３２２より通知体２２６から発光する光を視認することが可能となる。これによって、使用者は撮影装置２００に補助具が装着されていることを視覚的に確認することが可能となる。

　なお、図７の例では、通知体２２６をＬＥＤにより構成される場合について説明した。しかし、通知体２２６は通知窓３２２を介して補助具３００に撮影装置２００が挿入されたことを通知できれば良い。すなわち、通知体２２６として単に着色した着色部によって構成したり、文字やパターン等により構成することも可能である。

　図８Ａは、本開示の一実施形態に係る補助具３００の正面の構成を示す概略図である。具体的には、図８Ａは、補助具３００を正面から見た場合において、補助具３００の構造と、撮影装置２００の画角と補助具３００のカバー枠との関係について説明するための図である。

　図８Ａによると、補助具３００は、補助具３００が口腔内に挿入される方向とは反対方向の端部である基端３１６において、本体３１２から外側に当該方向に対して垂直又は略垂直な方向に伸延された一対の把持板３１１（把持板３１１ａ及び把持板３１１ｂ）を含む。当該把持板３１１は、その厚み方向、つまり補助具３００が口腔内に挿入される方向に対して貫通した貫通穴３２３（貫通穴３２３ａ及び貫通穴３２３ｂ）を含でもよい。このような貫通穴３２３は、一例としては、把持板３１１の外形に沿うような形状に形成されるが、当然このような形状のみには限らない。例えば、一又は複数の小孔により形成されてもよいし、他の形状により形成してもよい。このような貫通穴３２３を把持板３１１に設けることにより、例えば補助具３００が口内に全て挿入されてしまったとしても、当該貫通穴３２３があることによって対象者は呼吸を阻害することはない。

　また、補助具３００は、補助具３００が口腔内に挿入される方向の端部である先端３１４において、撮影装置２００によって検出される光が透過可能なカバー３１３を含む。このようなカバー３１３は、補助具３００が口腔内に挿入される方向に対して垂直な方向における本体３１２の断面形状に沿うように形成される。なお、当該形状は、当然に、本体３１２の断面形状に沿う形状には限らない。撮影装置２００による被写体画像の撮影を過剰に阻害しない形状であればいずれでもよい。

　補助具３００は、このようなカバー３１３を補助具３００が口腔内に挿入される方向の端部に配置するために、カバー３１３の周囲に配置され、本体３１２とカバー３１３とを接続するカバー枠３２１を含む。当該カバー枠は、本体３１２と接する側の形状は本体３１２の断面に沿う形状に形成され、カバー３１３と接する側の形状はカバー３１３の外形に沿う形状に形成される。このようなカバー枠３２１は、必ずしも本体３１２又はカバー３１３と明確に区別可能な構成部品として形成されている必要はなく、本体３１２の一部としてカバー３１３に接する領域、又はカバー３１３の一部として本体３１２に接する領域のことを意味してもよい。

　カバー枠３２１は、撮影装置２００を補助具３００に対して挿入し位置決めされた場合において、撮影装置２００によって撮影される画角内に写り込む写り込み領域を、その少なくとも一部に有する。図８Ａの例では、写り込み領域は、四角形の画角の四隅に対応するように、写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄの４つの写り込み領域が形成されている。なお、当該写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄは、図８Ａの例では４カ所形成されているが、当然これのみには限られず、１か所のみであってもよいし複数個所形成してもよい。

　ここで、図８Ｂは、本開示の一実施形態に係る補助具３００の先端３１４の一部断面の構成を示す概略図である。具体的には、図８Ｂは、図８Ａに示された写り込み領域３２１ａ付近の長手方向の断面を概略的に示した図である。図８Ｂによると、補助具３００は、その外形を形成する本体３１２と、本体３１２の形状に沿うように本体３１２の内部に形成されたカバー３１３と、本体３１２とカバー３１３とを接続するカバー枠３２１とを含む。ここで、カバー枠３２１は、一例としては、本体３１２の内面から内部に向かう方向Ｇに突出するように構成される。そのため、図８Ｂにおいて破線で示すように、本体３１２の内壁に沿って撮影装置２００が挿入されると、カバー枠３２１は撮影装置２００の短手方向（つまり、方向Ｇと平行な方向）の面と、少なくとも一部が相対する位置関係となる。そのため、撮影装置２００において被写体画像の撮影が行われると、カバー枠３２１の相対する領域が写り込み領域３２１ａとして画角内に写り込むこととなる。

　なお、図８Ｂに示すように、好適には、カバー枠３２１は、カバー３１３の内面に対して方向Ｇに垂直な方向に沿って突出するように構成されてもよい。このように構成することによって、撮影装置２００の先端が直接カバー３１３に接触するのを防止することが可能である。

　再び図８Ａに戻り、写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄは、（ａ）に示すように、当該領域以外のカバー枠３２１と同じ構造を有するように形成されていてもよい。また、写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄは、（ｂ）及び（ｃ）に示すように、補助具３００が口腔内に挿入される方向において、カバー枠３２１の内側表面又は外側表面の少なくとも一部に、所定のパターンから構成される構造体を含んでもよい。（ｂ）の例では、当該構造体は、所定間隔で複数形成された凹溝又は凸状紋から構成されている。また、（ｃ）の例では、当該構造体は、溝状に形成された所定の文字列から構成されている。なお、このような構造体は、凹状又は凸状のパターンや表面にプリントされたパターンなど、その形成方法はいずれであってもよい。

　なお、図８Ａ及び図８Ｂの例では、カバー枠３２１の相対する領域に写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが形成される場合について説明した。しかし、これらの例は一例であって当然この例のみには限らない。本実施形態において、写り込み領域は、撮影装置２００から照射された光等の撮影に用いられる光を反射してカメラ２１１のセンサで検出可能な反射光を生成できる領域であればよい。したがって、補助具３００のいずれかにおいて、このような領域を有しさえいれば良く、写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが他の領域と物理的に区分けされていたり、意図して加工や成型時にあらかじめ形成されておく必要はない。

　図９は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の正面の構成を示す概略図である。具体的には、図９は、補助具３００を正面から見た場合において、カバー３１３の表面構造を説明するための図である。

　図９によると、補助具３００が口腔内に挿入される方向の端部である先端３１４において、本体３１２の内側にカバー枠３２１を介して接するように形成されたカバー３１３を含む。当該カバー３１３は、撮影装置２００から口腔内に照射された光を透過させるとともに、被写体に反射した光を撮影装置２００の方向に透過させるため、これら光を透過可能な材料により形成されている。ここで、補助具３００は、撮影装置２００を被覆するようにして口腔内に挿入されるため、対象者による呼気の影響を常に受けることとなる。すなわち、カバー３１３は、対象者からの呼吸によりその表面に曇りが生じ、撮影装置２００により被写体の撮影にこの曇りが悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、必要に応じて、補助具３００が口腔内に挿入される方向において、カバー３１３の外表面又は内表面には防曇剤を積層してもよい。

　防曇剤は、当該防曇剤を積層することでカバー３１３の外表面又は内表面にコーティング層を形成してぬれ性向上させることで防曇性を付与する機能を有する。このような防曇剤には、特に以下に例示するものに限定されるわけではないが、ケイ素系材料の防曇剤や、界面活性剤に代表される高分子型又は低分子型親水性材料（例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド又はこれらの組み合わせを主成分として含むノニオン性防曇剤や、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン類、コカミドプロピルベタインなどの脂肪酸アミドプロピルベタイン類、２－アルキル－Ｎ－カルボキシメチル－Ｎ－ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾール類、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸類、ラウリルジメチルアミンＮ－オキシド、オレイルジメチルアミンＮ－オキシドなどのアミンオキシド類又はこれらの組み合わせを主成分として含む両性防曇剤など）、ＭＣＰポリマー系の防曇剤や、これらの組み合わせが適宜用いられる。

　このような防曇剤は、カバー３１３に対してあらかじめ塗布されていてもよいし、後から塗布されてもよい。また、液状の防曇剤を塗布する場合に限らずあらかじめ防曇剤が積層されたシート状のものを積層するようにしてもよい。

　ここで、防曇剤をカバー３１３に積層した場合であっても、又は防曇剤を積層することなくカバー３１３のみを用いた場合であっても、撮影装置２００から照射される光や、被写体に反射する光などの影響を受けて、虹色の干渉紋が生じ、撮影装置２００による撮影に悪影響を及ぼす場合がある。そのため、図９の（ａ）及び（ｂ）に示すように、カバー３１３を含む補助具３００は熱可塑性樹脂等を用いて構成された透光樹脂層３２７を基材として含む。このような透光樹脂層３２７には、熱可塑性樹脂の中でもとりわけ非晶性環状オレフィン樹脂や非晶性環状オレフィン樹脂などの環状オレフィン樹脂で構成するのが好ましい。

　また、カバー３１３は口腔に挿入されることで、上記のとおり、対象者の呼気の影響を受け、防曇剤又はカバー３１３の表面に滑らかな水膜が形成され、これにより虹紋等が発生し撮影に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、防曇剤又はカバーの境界面に所定間隔又はランダムな凹凸が存在するようにし、光が乱反射するように構成するのが望ましい。具体的には、防曇剤と呼気による水膜との境界面、防曇剤とカバー３１３との境界面、カバー３１３と呼気による水膜との境界面（防曇剤を設けない場合）、又はこれらの組み合わせにおいて、上記のとおり所定間隔又はランダムな凹凸を形成するのが望ましい。一例としては、カバー３１３に、透光樹脂層３２７の基材の表面に防曇剤を塗布することによって積層されたコーティング層３２６を形成し、当該コーティング層３２６の表面に所定間隔又はランダムに凹部３２５を設けるようにしてもよい。各凹部３２５の間隔は、平均で、撮影装置２００において検出する光の波長帯域（例えば、赤色光の波長帯域である８３０ｎｍ以上）よりも広い間隔、より好ましくは当該波長帯域の２倍より広い間隔である。このような間隔で凹部３２５を構成することにより、光の乱反射を起こして干渉紋の発生を抑制することが可能である。

　また、コーティング層３２６の厚さは、撮影装置２００において検出する光の波長帯域から算出されるコヒーレンス長に基づいて調整することが可能であり、一例としては１０μｍ以上有するのが好ましい。

　なお、図９の例では、透光樹脂層３２７の外表面にコーティング層３２６を形成する場合については説明したが、このようなコーティング層３２６は透光樹脂層３２７の内表面に形成されてもよい。また、図９の例では、凹部３２５がコーティング層３２６に形成される場合について説明したが、透光性樹脂層３２７の表面を酸処理やプラズマ処理をしたり、当該表面にパターンをプリントしたりする方法によって、当該凹部３２５が透光樹脂層３２７に直接形成されてもよい。また、図９の例では、カバー３１３がコーティング層３２６及び透光樹脂層３２７により形成される場合について説明したが、これら層以外の層をさらに含んでもよい。

　また、図８Ｂにおいて、本体３１２の内面から内部に向かう方向Ｇに垂直な方向Ｊにおいて、カバー３１３の外表面に対して本体３１２の先端部分の一部が突出するように構成されている。このように構成することによって、図９において防曇剤を塗布したり積層する場合において、突出した先端部分を超えて防曇剤が漏出するのを防止することが可能となる。

　ここで、図１０は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の断面の構成を示す概略図である。具体的には、図１０は、撮影装置２００において被写体画像が生成される過程を概略的に示すとともに、干渉紋の発生を抑制するための他の例を示す図である。図１０によると、光源２１２は、グリップ２０２の先端側に配置された基板２３１上に、合計４個の光源２１２－１～２１２－４が配置される。光源２１２は、一例としては、それぞれＬＥＤで構成され、各ＬＥＤから所定の周波数帯域を有する光が口腔の方向に向かって照射される。光源２１２から照射された光は、本体２０１の基端２２５に入光し、本体２０１の壁部２２４によって、拡散板２１９方向に導光される。拡散板２１９に達した光は、拡散板２１９によって口腔内に拡散される。そして、拡散板２１９によって拡散された光は、被写体である咽頭７１５等に反射する。この反射光がカメラ２１１に到達することで、被写体画像が生成される。

　このとき、本体２０１の壁部２２４は、上記のとおり光源２１２－１～２１２－４から照射された光を拡散板２１９に導光する機能を有するが、その一部又は端部に第１偏光板２３３を有するようにしてもよい。また、本体２０１の壁部２２４によって構成される収容空間２２３にはカメラ２１１のセンサが配置されるが、撮影装置２００は、当該センサよりも被写体側に第２偏光板２３４を有するようにしてもよい。このとき、第１偏光板２３３及び第２偏光板２３４は、その偏光軸を互いに９０°に直行させて配置する。これによって、第１偏光板２３３を介して被写体に入射した光が被写体で反射したときに生成される正反射光（直線偏光）による光源２１２－１～２１２－４の映り込みを抑制することが可能となり、より良好な被写体画像を得ることが可能である。

　図１１は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の上面の構成を示す概略図である。具体的には、図１１は、補助具３００の基端３１６付近を拡大して、補助具３００の他の構造の例を概略的に示した図である。図１１によると、補助具３００は、所定方向に荷重を加えることによって変形又は本体３１２から分離可能な位置決め機構３２９を含んでもよい。

　位置決め機構３２９は、補助具３００が口腔内に挿入される方向に対して垂直又は略垂直な方向に、本体３１２の外側に向かって延伸するように構成された把持板３１１と、撮影装置２００と補助具３００とを位置決めするための位置決め片３３１と、本体３１２と連結するための連結片３２８（連結片３２８ａ～連結片３２８ｄ）を含む。連結片３２８は、一端が位置決め機構３２９の本体部分に接続され、他端が本体３１２に接続されることによって、両者を連結する。ここで、連結片３２８は、図１１に示すように、長手方向の断面において、短手方向に沿って溝状に形成された切り欠き３３３ａ及び切り欠き３３３ｂと、厚さ方向において少なくとも一部が薄肉に形成された薄肉領域３３２を含む。そのため連結片３２８は、所定の方向に対して荷重が加えられた場合に、容易に変形するか容易に切断されるよう構成されている。

　ここで、図１２は、本開示の一実施形態に係る補助具３００の位置決め機構３２９の構成を示す概略図である。具体的には、図１２は、図１１に示す位置決め機構３２９の構造及び使用方法をより詳細に説明するための図である。図１２によると、位置決め機構３２９の位置決め片３３１は、端部からその内部方向に向かうように傾斜した傾斜面３３１ａ及び凹部３３１ｂを含む。すなわち、撮影装置２００が補助具３００に挿入されるとき、撮影装置２００の連結部２３０の上面に形成された凸部（図示しない）が傾斜面３３１ａに接しながら挿入されることで、位置決め機構３２９が上方にせり上がり、そのままさらに撮影装置２００を挿入することによって、最終的には位置決め片３３１の凹部３３１ｂに撮影装置２００の凸部が嵌合することによって、補助具３００と撮影装置２００が互いに位置決めされる。

　補助具３００に撮影装置２００が挿入されて位置決め片３３１によって位置決めされると、撮影装置２００側の凸部と位置決め片３３１の凹部３３１ｂとの嵌合により、撮影装置２００から補助具３００を取り外すことが困難となる。そのため、使用者は位置決め機構３２９の把持板３１１を方向Ｆの方向に押すことによって位置決め機構３２９に対して荷重を加える。そうすると、切り欠き３３３ａ及び切り欠き３３３ｂや薄肉領域３３２が形成された連結片３２８ａ～連結片３２８ｄが変形されるか切断されることによって、本体３１２に連結された位置決め機構３２９が上方にせり上がり、撮影装置２００側の凸部と位置決め片３３１の凹部３３１ｂとの嵌合状態を開放される。

　図１２には、位置決め機構３２９に対して荷重が加わることによって、各連結片３２８が切断され、位置決め機構３２９が本体３１２から分離された状態が示される。このような状態においては、補助具３００に対して撮影装置２００が再度挿入されたとしても、既に位置決め片３３１を含む位置決め機構３２９が分離されてしまっているため、補助具３００に対して撮影装置２００を位置決めすることができない。そのため、使用者は撮影装置２００に対して補助具３００を装着することができず、一度撮影装置２００が挿入された補助具３００に対して再度挿入されることを防止することが可能である。

　なお、図１２の例では位置決め機構３２９に対して所定の方向から荷重を加えることで連結片３２８を変形又は切断する場合について説明したが、例えばハサミやニッパーなどの道具を用いて変形又は切断してもよい。

　図１３は、本開示の一実施形態に係る補助具３００のプレート３３４の構成を示す概略図である。具体的には、図１３のうち（ａ）は補助具３００の正面図、及び（ｂ）は補助具３００の側面図を示す。図１３によると、補助具３００は、本体３１２の外周に沿うように、プレート３３４を含むことが可能である。当該プレート３３４を本体３１２の外周に設置することによって、必要以上に補助具３００及び撮影装置２００が挿入された場合に歯や唇に当該プレート３３４が当接し、喉奥に過剰に補助具３００や撮影装置２００が挿入されてしまうのを防止することが可能である。

　図１３によれば、プレート３３４は、本体３１２の外周に沿って、環状に形成される。当該プレート３００は、補助具３００の基端３１６側であって、舌圧子３１５の先端から対象者の唇又は門歯までの距離に対応する位置に設置される。また、プレート３３４は、補助具３００が口腔内に挿入される方向に対して垂直又は略垂直な方向に、本体３１２から外周方向に向かって突出するように配置される。このとき、プレート３３４は、本体３１２から、外周方向に対して対象者が口を開いた場合の口の大きさに対応する高さを有するのが望ましい。これらの距離及び高さで構成することによって補助具３００や撮影装置２００の過剰な挿入を効果的に防止することが可能である。なお、プレート３３４の形状は一例であって、少なくとも一部が本体３１２の外周に沿っていればよく、必ずしも環状に形成される必要はない。また、このような場合、またプレート３３４は、本体３１２の外周に沿って１個のみである必要はなく、複数個設置されてもよい。

　また、図１３によれば、プレート３３４は、１又は複数の貫通穴３３５ａ～３３５ｄを備えるようにしてもよい。一例としては、プレート３３４の外形に沿うように厚み方向に貫通して形成されるが、当然このような形状のみには限らない。例えば、一又は複数の小孔により形成されてもよいし、他の形状により形成してもよい。また、図１３の例では貫通穴として４個の貫通穴３３５ａ～３３５ｄを例示しているが、当然この数及び配置位置に限らない。例えば、小さな小孔を全体に配置してもよいし、一つの大きな孔を一カ所に設置してもよい。このような貫通穴３３５ａ～３３５ｄをプレート３３４に設けることにより、例えば補助具３００が口内に全て挿入されてしまったとしても、当該貫通穴３３５ａ～３３５ｄがあることによって対象者の呼吸を阻害することはない。

　なお、図１３の例では、補助具３００の製造時にあらかじめプレート３３４が一体的に成形される場合について説明した。しかし、これに限らず、プレート３３４を円環状（ドーナツ状）に形成し、補助具３００に対して着脱自在に構成してもよい。本実施形態においては、補助具３００は基端３１６から先端３１４に向かって徐々に直径が狭くなるように構成されている。そのため、内径Ｒが異なる複数のプレート３３４を用意することによって、対象者の口腔内の奥行の距離、対象者の年齢、対象者の口の大きさなどに応じた位置に当該プレート３３４を設置することが可能となる。

６．撮影装置２００における処理
　図１４は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００の構成を示すブロック図である。図１４によると、撮影装置２００は、カメラ２１１、光源２１２、プロセッサ２１３、メモリ２１４、表示パネル２１５、入力インターフェイス２１０及び通信インターフェイス２１６を含む。これらの各構成要素は、互いに、制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。なお、撮影装置２００は、図１４に示す構成要素のすべてを備える必要はなく、一部を省略して構成することも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。例えば、撮影装置２００は、各構成要素を駆動するためのバッテリ等を含むことが可能である。

　撮影装置２００のうち、カメラ２１１は、被写体である口腔に反射した反射光を検出して被写体画像を生成する撮影部として機能する。カメラ２１１は、その光を検出するために、一例としてＣＭＯＳイメージセンサと、所望の機能を実現するためのレンズ系と駆動系を備える。イメージセンサは、ＣＭＯＳイメージセンサに限らず、ＣＣＤイメージセンサ等の他のセンサを用いることも可能である。また、検出する反射光の帯域に応じて撮影素子を追加で用いることも可能である。例えば、イメージセンサ基板上に、可視光線帯域の波長から近赤外光線帯域の波長を検出する撮影素子であるＣＭＯＳイメージセンサと、赤外光線帯域の波長を検出する赤外光撮影素子であるセンサとを、隣接して配置してもよいカメラ２１１は、特に図示はしないが、オートフォーカス機能を有することができ、例えばレンズの正面に焦点が特定部位に合うように設定されていることが好ましい。また、カメラ２１１は、ズーム機能を有することができ、咽頭又はインフルエンザ濾胞のサイズに応じて適切な倍率で撮影するように設定されていることが好ましい。

　ここで、口腔内に位置する咽頭の最深部に出現するリンパ濾胞にはインフルエンザに特有のパターンがあることが知られている。この特有のパターンを有するリンパ濾胞はインフルエンザ濾胞と呼ばれ、インフルエンザに特徴的なサインであって、発症後２時間程度で出現されるとされる。上記のとおり、本実施形態の処理システム１は、例えば口腔の咽頭を撮影して、上記濾胞を検出することにより、対象者のインフルエンザへの罹患の可能性を判定するために用いられる。そのため、撮影装置２００が口腔へ挿入されると、カメラ２１１と被写体との距離が比較的近くなる。したがって、カメラ２１１は、［（カメラ２１１の先端部から咽頭後壁までの距離）＊ｔａｎθ］によって算出される値が垂直２０ｍｍ以上及び水平４０ｍｍ以上となる画角（２θ）を有するのが好ましい。このような画角を有するカメラを用いることによって、カメラ２１１と被写体とが近接していたとしても、より広範な範囲の撮影が可能となる。すなわち、カメラ２１１は、通常のカメラを用いることも可能であるが、いわゆる広角カメラや超広角カメラと呼ばれるカメラを用いることも可能である。

　光源２１２は、処理装置１００又は撮影装置２００からの指示によって駆動され、口腔内に光を照射するための光源部として機能する。光源２１２は、一又は複数の光源２１２を含む。本実施形態においては、光源２１２は、一又は複数のＬＥＤから構成され、各ＬＥＤから所定の周波数帯域を有する光が口腔方向に照射される。光源２１２には、紫外光帯域、可視光帯域、赤外光帯域の中から所望の帯域を有する光、又はそれらの組み合わせが用いられる。複数の帯域を照射する場合には、各帯域の光を照射するようにあらかじめ設定された複数のＬＥＤを切り換えて表示する。

　プロセッサ２１３は、メモリ２１４に記憶されたプログラムに基づいて撮影装置２００の他の構成要素の制御を行う制御部として機能する。プロセッサ２１３は、メモリ２１４に記憶されたプログラムに基づいて、カメラ２１１の駆動、光源２１２の駆動を制御するとともに、カメラ２１１によって撮影された被写体画像のメモリ２１４への記憶を制御する。具体的には、プロセッサ２１３は、使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始する処理、撮影された被写体画像に基づいて被写体画像中に補助具３００のカバー枠３２１の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する処理、判定の結果含まれていない場合には撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す情報を出力するための処理等を実行する。プロセッサ２１３は、主に一又は複数のＣＰＵにより構成されるが、他のプロセッサと適宜組み合わせてもよい。

　メモリ２１４は、ＲＡＭ、ＲＯＭ、不揮発性メモリ、ＨＤＤ等から構成され、記憶部として機能する。メモリ２１４は、撮影装置２００の様々な制御のための指示命令をプログラムとして記憶する。具体的には、メモリ２１４は、使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始する処理、撮影された被写体画像に基づいて被写体画像中に補助具３００のカバー枠３２１の少なくとも一部が含まれているか否かを判定する処理、判定の結果含まれていない場合には撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す情報を出力するための処理等をするためのプログラムを記憶する。

　表示パネル２１５は、ディスプレイ２０３に設けられ撮影装置２００によって撮影された被写体画像や撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す情報を表示するための表示部として機能する。表示パネル２１５は、液晶パネルによって構成されるが、液晶パネルに限らず、有機ＥＬディスプレイやプラズマディスプレイ等から構成されていてもよい。

　入力インターフェイス２１０は、処理装置１００及び撮影装置２００に対する対象者の指示入力を受け付ける入力部として機能する。入力インターフェイス２１０の一例としては、撮影装置２００による録画の開始・終了を指示するための「撮影ボタン」、撮影装置２００の電源のオンオフをするための「電源ボタン」、各種選択を行うための「確定ボタン」、前画面に戻ったり入力した確定操作をキャンセルするための「戻る／キャンセルボタン」、表示パネル２１５に表示されたアイコン等の移動をするための十字キーボタン等の物理キーボタンが挙げられる。なお、これらの各種ボタン・キーは、物理的に用意されたものであってもよいし、表示パネル２１５にアイコンとして表示され、表示パネル２１５に重畳して入力インターフェイス２１０として配置されたタッチパネル等を用いて選択可能にしたものであってもよい。タッチパネルによる対象者の指示入力の検出方式は、静電容量式、抵抗膜式などいかなる方式であってもよい。

　通信インターフェイス２１６は、処理装置１００及び／又は他の装置と情報の送受信を行うための通信部として機能する。通信インターフェイス２１６の一例としては、ＵＳＢ、ＳＣＳＩなどの有線通信用コネクタや、無線ＬＡＮ、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、赤外線などの無線通信用送受信デバイスや、プリント実装基板やフレキシブル実装基板用の各種接続端子など、様々なものが挙げられる。

　図１５は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主に撮影装置２００のプロセッサ２１３がメモリ２１４に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。

　図１５によると、プロセッサ２１３は、入力インターフェイス２１０（例えば、電源ボタン）を介して使用者による操作入力が受け付けられたか否かを判定する（Ｓ２１１）。なお、このとき、プロセッサ２１３が使用者による入力が受け付けられていないと判定すると、当該処理フローは終了する。

　他方、プロセッサ２１３は使用者による入力が受け付けられたと判定すると、表示パネル２１５にスタンバイ画面を出力する（Ｓ２１２）。当該スタンバイ画面（図示しない）には、カメラ２１１を介して撮影されたスルー画像が含まれる。そして、プロセッサ２１３は、入力インターフェイス２１０による使用者の操作入力を受け付けて、口腔内の撮影がされる対象者を特定する情報の選択を受け付ける（Ｓ２１３）。撮影の対象者が選択されると、プロセッサ２１３は、再度スタンバイ画面を表示パネル２１５に出力する（Ｓ２１４）

　次に、使用者が、撮影装置２００の先端を補助具３００で被覆し、対象者の口腔に撮影装置２００を所定の位置まで挿入する。すると、プロセッサ２１３は、カメラ２１１によって撮影された被写体画像（スルー画像）に基づいて撮影装置２００に補助具３００が装着されているか否かを判定する（Ｓ２１５）。当該判定は、一例としては、メモリ２１４に記憶された学習済み補助具装着判定モデルに対して、撮影された被写体画像を入力することによって行われる。なお、当該判定において学習済み補助具装着判定モデルを用いるのは一例にすぎず、ルールベースの画像解析処理によって被写体画像中にカバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かを判定し、補助具３００が撮影装置２００に装着されているか否かを判断してもよい。また、学習済み補助具装着判定モデルを用いる場合及びルールベースの画像解析処理を用いる場合のいずれであっても、撮影装置２００のプロセッサ２１３が当該処理を実行する必要はない。すなわち、当該判定に係る処理は、撮影装置２００で撮影された被写体画像をネットワークを介して接続されたサーバ装置に送信し、当該サーバ装置において学習済み補助具装着判定モデル又はルールベースの画像解析処理に被写体画像を適用することによって判定され、その結果を撮影装置２００がサーバ装置から受信するようにしてもよい。

　ここで、図１６は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において出力される画面の例を示す図である。具体的には、図１６は、図１５のＳ２１５で利用される学習済み補助具装着判定モデルの生成に係る処理フローを示す図である。当該処理フローは、撮影装置２００のプロセッサ２１３によって実行されてもよいし、通信で接続された他の処理装置のプロセッサによって実行されてもよい。

　図１６によると、プロセッサは、撮影装置２００のカメラ２１１によって被写体画像を学習用判定画像として取得する（Ｓ３１１）。次に、プロセッサは、当該学習用判定画像に対して、あらかじめ使用者等によって補助具３００のカバー枠３２１の少なくとも一部が写り込んだ画像であるか否かの判定結果に基づいて、正解ラベルを付与する処理ステップを実行する（Ｓ３１２）。そして、プロセッサは付与された正解ラベル情報を、その正解ラベルの付与に用いられた学習用判定画像に対応付けて記憶する（Ｓ３１３）。

　学習用判定画像とそれに対応付けられた正解ラベル情報がそれぞれ得られると、プロセッサは、それらを用いて補助具３００の装着判定パターンの機械学習を行うステップを実行する（Ｓ３１４）。当該機械学習は、一例として、ニューロンを組み合わせたニューラルネットワークに対して、これら情報の組を与え、ニューラルネットワークからの出力が正解ラベル情報と同じになるように、各ニューロンのパラメータを調整しながら学習を繰り返すことにより行われる。そして、学習済みの補助具装着判定モデルを取得するステップが実行される（Ｓ３１５）。取得された補助具装着判定モデルは、撮影装置２００のメモリ２１４や撮影装置２００と有線又は無線ネットワークを介して接続された他の処理装置内に記憶される。このように、当該学習済み補助具判定モデルを使用することによって、カメラ２１１によって撮影された被写体画像において、補助具３００のカバー枠３２１の少なくとも一部が写り込んだ画像であるか否かを判定することが可能となる。

　また、図１７は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において出力される画面の例を示す図である。具体的には、図１７は、図１５のＳ２１５において判定に用いられる被写体画像の一例を示す図である。図１７によれば、撮影装置２００のカメラ２１１によって撮影された被写体画像中には、被写体である口腔内の画像に加えて、その四隅に写り込んだカバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが含まれている。すなわち、撮影装置２００の光源２１２から照射された光がカバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄによって反射され、撮影装置２００のカメラ２１１によって検出される。これにより、当該被写体画像中に、これら領域が含まれることになる。このように、仮に撮影装置２００に補助具３００が正しく装着されている場合には、図１７に示すようにその四隅にカバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが写り込むことになる。したがって、撮影装置２００のカメラ２１１によって撮影された被写体画像において、カバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが写り込んでいるか否かを判定することによって、撮影装置２００に補助具３００が装着されているか否かを判定することが可能となる。

　なお、図８Ａで示したように、カバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄは、所定のパターンを有する構造体を必要に応じて含むことが可能となる。例えば、図８Ａの（ａ）に示すようにカバー枠３２１の他の領域と同じ構造を有する場合には、図１７の（ａ）で示すように撮影された画像中に所定のパターンが描画されない。他方、図８Ａの（ｂ）又は（ｃ）に示すようにカバー枠３２１に所定のパターンから構成される構造体を含むような場合には、図１７の（ｂ）又は（ｃ）で示すようにカバー枠３２１に加えて当該構造体も描画されることになる。このような構造体を用いることによって、カバー枠３２１の写り込みをより正確に判定することが可能となる。

　また、図１７の例では、説明の便宜のために、被写体画像中に含まれる写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄが他の領域に対して明確に区分けして表示されるように記載した。しかし、被写体である口腔とカバー枠３２１の写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄとは、当然にカメラ２１１からの距離が相違する。そのため、写り込み領域３２１ａ～写り込み領域３２１ｄは、撮影時の設定によっては、図１７に示すように明確に区分けして検出・出力されず、いわばぼやけた像として検出・出力される場合もある。

　再び図１５に戻り、学習済み補助具装着判定モデルよって被写体画像中にカバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かを判定し、補助具３００が撮影装置２００に装着されているか否かが判断された結果、補助具３００が装着されていないと判断された場合には、プロセッサ２１３は表示パネル２１５のディスプレイに撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す通知を出力する（Ｓ２１６）。

　ここで、図１８は、本開示の一実施形態に係る撮影装置２００において出力される画面の例を示す図である。具体的には、図１８は、図１５のＳ２１６において表示パネル２１５のディスプレイに出力される通知の一例を示す図である。図１８によると、スルー画像として撮影装置２００のカメラ２１１で撮影された被写体画像に加えて、「補助具が装着されていません。撮影装置の先端に補助具を装着してください。」という撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す通知を出力する。このような通知を出力することによって、使用者は補助具３００の未装着を確実に知ることが可能となり、より円滑な撮影が可能となる。

　なお、このような通知は、図１８の例ではディスプレイに出力する場合について説明したが、当然他の方法によって通知されてもよい。例えば、通信を介して接続された処理装置１００や他の装置に対して当該通知を出力し、これらの装置を介して表示するようにしてもよい。また、例えば撮影装置２００がスピーカーなどの出力部を有している場合は、当該出力部を介して音声で通知してもよい。また、例えば撮影装置２００がバイブレータやＬＥＤ等を有している場合には、振動や発光によって通知してもよい。さらに、「撮影装置２００が補助具３００に挿入されていないことを示す通知」であればいずれでもよく、このような通知は挿入されていることを示す通知であってもよいし、挿入を促すような通知であってもよい。

　再び図１５に戻り、補助具３００が撮影装置２００に装着されたと判定された場合には、プロセッサ２１３は、入力インターフェイス２１０（例えば、撮影ボタン）を介して使用者による撮影開始操作が受け付ける。これによって、プロセッサ２１３はカメラ２１１を制御して被写体の被写体画像の撮影を開始する（Ｓ２１７）。この被写体画像の撮影は、撮影ボタンが押下されることによって一定枚数（例えば、３０枚）をまとめて一定間隔で連写して撮影されることにより実施される。プロセッサ２１３は、被写体画像の撮影が終了すると、撮影された被写体画像をメモリ２１４に読み取られた対象者ＩＤ情報と対応付けて記憶する。そして、プロセッサ２１３は、メモリ２１４に記憶された被写体画像を表示パネル２１５に出力する（Ｓ２１８）。

　ここで、使用者は、撮影装置２００を補助具３００とともに口腔内から取り出して表示パネル２１５に出力された被写体画像を確認し、所望の画像が得られなかった場合には再撮影の指示入力を行うことが可能である。そのため、プロセッサ２１３は、入力インターフェイス２１０を介して使用者による再撮影指示の入力を受け付けたか否かを判定する（Ｓ２１９）。再撮影指示の入力を受け付けた場合には、プロセッサ２１３は再度Ｓ２１５のスタンバイ画面を表示し、被写体画像の撮影を可能にする。

　他方、再撮影指示の入力を受け付けておらず、使用者によって載置台４００に撮影装置２００が戻されて処理装置１００から撮影終了の指示を受信すると、プロセッサ２１３は、通信インターフェイス２１６を介してメモリ２１４に記憶された被写体画像及び当該被写体画像に対応付けられた対象者ＩＤ情報を処理装置１００に送信する（Ｓ２２０）。以上によって、当該処理フローを終了する。

　なお、特に図示はしないが、このように撮影された被写体画像は、処理装置１００に送信されると、処理装置１００のプロセッサによって、判定に用いられる判定画像の選択が行われるとともに、当該判定画像とを用いて所定の疾患に対する罹患の可能性が判定される。そして、その結果がディスプレイなどに出力される。また、この判定は、ルールベースの画像解析処理によって行ってもよいし、インフルエンザ等の疾患情報が正解ラベルとして対応付けられた学習用被写体画像を用いて機械学習することによって得られた学習済み判定モデルを用いて判定してもよい。

　このように、本実施形態においては、対象者の口腔の撮影に適した、撮影を補助する補助具、当該補助具を用いて口腔内を撮影する撮影装置、プログラム及び方法を提供することが可能となる。

７．変形例
　図１５の例では、撮影装置２００のプロセッサ２１３において撮影された被写体画像に基づいて補助具３００が撮影装置２００に装着されているか否かを判定する場合について説明した。しかし、これに限らず、当該判定は撮影装置２００と通信可能に接続された他の装置（例えば、処理装置１００やクラウド上のサーバ装置など）によって判定され、撮影装置２００はその判定の結果を受信して出力するようにしてもよい。

　なお、これら変形例は、上記で具体的に説明する点を除いて、図１～図１８で説明した一実施形態における構成、処理、手順と同様である。したがって、それらの事項の詳細な説明は省略する。また、各変形例や各実施形態で説明した各要素を適宜組み合わせるか、それらを置き換えてシステムを構成することも可能である。

　本明細書で説明される処理及び手順は、実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、処理装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。

　本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び／又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。

１　　　　　　：処理システム
１００　　　　：処理装置
２００　　　　：撮影装置
２０１　　　　：本体
２０２　　　　：グリップ
２０３　　　　：ディスプレイ
２１０　　　　：入力インターフェイス
２１１　　　　：カメラ
２１２　　　　：光源
２１２－１　　：光源
２１３　　　　：プロセッサ
２１４　　　　：メモリ
２１５　　　　：表示パネル
２１６　　　　：通信インターフェイス
２１７　　　　：係合突起
２１８　　　　：位置決め突起
２１９　　　　：拡散板
２２０　　　　：撮影ボタン
２２１　　　　：電源ボタン
２２２　　　　：先端
２２３　　　　：収容空間
２２４　　　　：壁部
２２５　　　　：基端
２２６　　　　：通知体
２３０　　　　：連結部
２３１　　　　：基板
２３３　　　　：第１偏光板
２３４　　　　：第２偏光板
３００　　　　：補助具
３１１　　　　：把持板
３１２　　　　：本体
３１３　　　　：カバー
３１４　　　　：先端
３１５　　　　：舌圧子
３１６　　　　：基端
３１７　　　　：片
３１８　　　　：係合突起
３１９　　　　：溝
３２０　　　　：開口
３２１　　　　：カバー枠
３２２　　　　：通知窓
３２３　　　　：貫通穴
３２５　　　　：凹部
３２６　　　　：コーティング層
３２７　　　　：透光樹脂層
３２８　　　　：連結片
３２９　　　　：位置決め機構
３３０　　　　：挿入穴
３３１　　　　：位置決め片
３３１ａ　　　：傾斜面
３３１ｂ　　　：凹部
３３２　　　　：薄肉領域
３３３ａ　　　：切り欠き
３３３ｂ　　　：切り欠き
４００　　　　：載置台
６００　　　　：使用者
７００　　　　：対象者

Claims

　撮影装置による口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入される補助具であって、
　筒状の本体と、
　前記本体の内部に前記撮影装置が挿入可能に、前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、
　前記撮影装置によって検出される光を透過可能に、前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、
　前記本体において前記補助具が前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続し、前記開口から挿入された前記撮影装置によって撮影される画角内に少なくとも一部が写り込むように構成されたカバー枠と、
　を含む補助具。
　前記カバー枠は、前記画角内に少なくとも一部が写り込むように構成された写り込み領域を含み、
　前記写り込み領域は所定パターンで形成された構造体を含む、
　請求項１に記載の補助具。
　前記撮影装置が前記補助具に装着されたことを通知するための通知体を有する前記撮影装置が前記開口から挿入された場合において、前記通知体を視認可能にするための通知窓をさらに含む、請求項１又は２に記載の補助具。
　前記通知窓は、前記撮影装置が前記開口から挿入された場合において前記通知体に相対する位置に配置され、
　前記通知体は、外部に光を発光する発光体により構成され、
　少なくとも前記発光窓の周囲は前記発光体から発光された光の少なくとも一部の透過を阻害する、
　請求項３に記載の補助具。
　前記本体の外周の少なくとも一部に沿うように、前記補助具が前記口腔内に挿入される方向に対して垂直又は略垂直な方向であって、前記本体から前記本体の外周方向に向かって突出するように配置されるプレートをさらに含む、請求項１～４のいずれか一項に記載の補助具。
　前記プレートは、厚み方向に貫通した貫通穴を含む、請求項５に記載の補助具。
　前記撮影装置が前記開口から挿入された場合に前記撮影装置と前記補助具との位置を決めるための位置決め機構をさらに含む、請求項１～６のいずれか一項に記載の補助具。
　前記位置決め機構は、所定方向に荷重を加えることによって変形又は切断可能に構成された連結片により、前記本体と連結される、請求項７に記載の補助具。
　前記連結片に対して所定方向に荷重を加えることによって前記連結片が変形又は切断されることによって、前記補助具に前記撮影装置が再度挿入されることを阻害する、請求項８に記載の補助具。
　口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、状の本体と、前記本体において口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置であって、
　少なくとも一つのプロセッサを具備し、
　前記少なくとも一つのプロセッサは、
　　使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始し、
　　撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力する、
　ための処理をするように構成された、撮影装置。
　前記判定は、被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かを分類した学習用被写体画像に基づいて学習することによって得られた学習済み補助具装着判定モデルに対して、撮影された前記被写体画像を入力することによって行われる、請求項１０に記載の撮影装置。
　口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、筒状の本体と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置を、
　使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始し、
　撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力する、
　ための処理を行うように構成されたプロセッサとして機能させる、プログラム。
　口腔内の撮影のために前記口腔内に挿入され、筒状の本体と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向とは逆の方向の端部に構成された開口と、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に構成されたカバーと、前記本体において前記口腔内に挿入される方向の端部に前記カバーが配置されるように前記本体と前記カバーとを接続するように構成されたカバー枠とを含む補助具に対して、前記開口から前記本体の内部に挿入される撮影装置に含まれる少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法であって、
　使用者による操作入力を受け付けることによって被写体画像の撮影を開始する段階と、
　撮影された前記被写体画像に基づいて、前記被写体画像中に前記カバー枠の少なくとも一部が含まれているか否かの判定の結果、前記少なくとも一部が含まれていない場合には前記撮影装置が前記補助具に挿入されていないことを示す情報を出力する段階と、
　を含む方法。