WO2023145077A1

WO2023145077A1 - 蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体

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Publication number: WO2023145077A1
Application number: PCT/JP2022/003614
Authority: WO
Inventors: 仁隆門脇; 博之中川; 拓也伊藤; 正人谷川
Original assignee: 三菱電機株式会社
Priority date: 2022-01-31
Filing date: 2022-01-31
Publication date: 2023-08-03
Also published as: JPWO2023145077A1

Abstract

本開示は、複数の需要家の電力需給を管理する電力制御指示機器からの電力需給情報に基づき蓄熱装置の運転スケジュールを変更することにより、全体の電力需給に合った蓄熱装置の電力受給調整を行う蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体を得ることを目的とする。本開示の蓄熱システム制御装置は、電力制御指示機器から電力需給情報を取得する受信部と、電力需給情報に基づいて蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部と、運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールを電力制御指示機器に送信する送信部と、運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールに基づいて蓄熱装置の運転を制御する蓄熱装置制御部と、を備える。

Description

蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体

　本開示は、例えば給湯機等の電力により蓄熱を行う蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体に関するものである。

　今日においてヴァーチャルパワープラント（ＶＰＰ）等により自然エネルギーの利用効率を最大化するための仕組みが議論されている。例えば、ＶＰＰは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備及び蓄電設備等の保有者又は第三者が、そのエネルギーリソースを制御することにより発電所と同等の機能を提供するものである。また、特に電力の利用については、デマンド契約（デマンド料金制）が知られており、各需要家の最大需要電力を減らすための仕組みが知られている。

　また、給湯機は、主として電力料金の比較的低い夜間に運転され貯湯タンクに温水を貯める。そのため、あるエリアにおける複数の需要家の給湯機についての運転時間が夜間の所定時刻に集中すると、総合的な消費電力のピーク値が増大し、電力の需給逼迫が生じ得る。これを防ぐ技術として、各需要家の給湯機の貯湯タンクの容量に応じて複数の需要家を複数のグループに分類して、各グループの給湯機の運転開始時刻をずらすように給湯機の運転を制御する技術が知られている。しかし、例えば各需要家では一律に毎日貯湯タンク容量分の沸き上げが行われるとは限らないため、適切に総合的な消費電力のピークを抑制できない場合がある。

　そこで、上記のような課題を解決するため、複数の需要家における給湯機の総合的な消費電力のピーク値を低下させる可能性を高めるように、各需要家の給湯機の運転時期を決定する管理装置が知られている（たとえば、特許文献１参照）。その管理装置は、「複数の需要家それぞれの給湯機の運転実績を示す給湯機情報を取得する取得部と、前記給湯機情報に基づいて前記複数の需要家それぞれの給湯機の運転時間の長さに関連する指標値を特定し、当該指標値に応じて前記複数の需要家を複数のグループに分類する分類部と、前記複数のグループそれぞれについて当該グループに係る給湯機の運転時期を決定する決定部と、前記決定部により決定された運転時期を示す時期情報を出力する出力部とを備える」ものである。

特許第６７３９０４０号公報

　特許文献１に開示されている管理装置によれば、複数の需要家それぞれの給湯機の運転時間の長さに関連して複数の需要家が複数のグループに分類される。給湯機の運転時間は消費電力に影響するので、運転時間と無関係に分類する場合に比べて、複数の需要家における給湯機の総合的な消費電力のピーク値を低下させる可能性が高められる。しかし、需要家の需要電力が増加した場合の回避手段としては有効であるが、供給側の電力が増大した場合の対応については考慮されていない。また、特許文献１に開示されている管理装置によれば、複数の需要家の総合的な消費電力のピーク値を低下させる可能性が高くなる。しかし、管理装置は、管理装置が管理している複数の需要家以外の全ての需要家を含めた需給情報を予め知ることができないため、管理装置が管理する複数の需要家の需給調整の結果が需要家全体の電力需給に合わない場合があるという課題があった。

　本開示は、上記のような課題を解決するため、複数の需要家の電力需給を管理する電力制御指示機器からの電力需給情報に基づき蓄熱装置の運転スケジュールを変更することにより、全体の電力需給に合った蓄熱装置の電力受給調整を行う蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体を得ることを目的とする。

　本開示の蓄熱システム制御装置は、電力制御指示機器から電力需給情報を取得する受信部と、前記電力需給情報に基づいて蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部と、前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールを前記電力制御指示機器に送信する送信部と、前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールに基づいて前記蓄熱装置の運転を制御する蓄熱装置制御部と、を備える。

　本開示の蓄熱システムは、電力需給情報に基づき蓄熱装置を制御する蓄熱システムであって、前記電力需給情報を作成する作成部と、前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部と、前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールに基づいて前記蓄熱装置の運転を制御する蓄熱装置制御部と、を備える。

　また、本開示の蓄熱システム制御方法は、電力需給情報に基づき蓄熱装置の運転制御を行う蓄熱システム制御方法であって、前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定し、前記運転スケジュールに基づき前記蓄熱装置を制御するものである。

　また、本開示の制御プログラムは、コンピュータを蓄熱装置の運転制御を行う蓄熱システム制御装置として作動させる制御プログラムであって、コンピュータを、電力制御指示機器から電力需給情報を受け取る受信部、前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部及び前記運転スケジュールを前記電力制御指示機器及び前記蓄熱装置に送信する送信部として機能させるためのものである。

　また、本開示の記録媒体は、制御プログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能なものである。

　本開示によれば、電力制御指示機器からの電力需給情報に基づき蓄熱装置の運転スケジュールを変更するため、蓄熱装置の運転による使用電力が全体の電力需給に合ったものに調整される。

実施の形態１に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示すハードウェア構成図である。実施の形態１に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態１に係る蓄熱システム１００において、蓄熱システム制御装置１０による蓄熱装置２０の制御及び電力制御指示機器３０への運転スケジュール送信についてのフローチャートである。蓄熱システム制御装置１０により処理される蓄熱装置２０の運転スケジュール及び電力制御指示機器３０から取得される電力需給情報の一例である。実施の形態２に係る蓄熱システム１００の機能ブロック図である。実施の形態２に係る蓄熱システム１００による蓄熱装置２０の制御及び電力制御指示機器３０への運転スケジュール送信についてのフローチャートである。実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示すハードウェア構成図である。実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態１に係る蓄熱システム１００における蓄熱装置２０の運転スケジュールの変更の一例である。

　以下、実施の形態に係る蓄熱システム制御装置、蓄熱システム、蓄熱システム制御方法、制御プログラム及び記録媒体について、添付図面などを参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態及びステップ（工程）は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、各構成要素及び各ステップ（工程）は、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することもできる。

　実施の形態１．
　図１は、実施の形態１に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示すハードウェア構成図である。図２は、実施の形態１に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態１に係る蓄熱システムは、蓄熱システム制御装置１０が外部の電力制御指示機器３０からの電力需給情報に基づき蓄熱装置２０の運転スケジュールを生成又は変更するものである。また、蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０の運転スケジュールに基づき蓄熱装置２０の電力の需要に関する情報を電力制御指示機器３０へ送信するものである。

（蓄熱システム制御装置１０）
　蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０と一体又は独立して設けられたものであり、外部の電力制御指示機器３０及び蓄熱装置２０と通信可能に接続されているものである。蓄熱システム制御装置１０、電力制御指示機器３０及び蓄熱装置２０は、無線又は有線による通信路を介して情報を送受信可能となっており、通信路は例えばインターネット又は電話回線等の広域ネットワークを含み得る。実施の形態１においては、一例として図１に示す様に、蓄熱システム制御装置１０が独立した装置として設けられた形態を用いて説明している。しかし、蓄熱システム制御装置１０は、例えばサーバ上に存在していても良いし、独立した装置としてネットワークに接続されていても良いし、ネットワークに接続された蓄熱装置２０又は電力制御指示機器３０と一体に設けられていても良い。また、蓄熱システム１００が実現する各機能は、ネットワークで接続された各機器、即ちサーバ、蓄熱装置２０及び電力制御指示機器３０などに分散して配置され、各機器間で必要な情報を送受信して蓄熱システム制御装置１０の各機能を実現しても良い。

　蓄熱システム制御装置１０は、例えばマイクロコンピュータで構成され、演算装置１２、記憶装置１３及び通信インターフェイス（Ｉ／Ｆ）１４を備える。蓄熱システム制御装置１０の機能、すなわち図２に示される各機能ブロックは、演算装置１２、記憶装置１３及び通信インターフェイス１４を用いて実現される。通信インターフェイス１４は、蓄熱装置２０及び外部の電力制御指示機器３０と接続され、情報の送受信を行うものである。

　記憶装置１３は、プログラム及びデータ等を予め保持しているＲＯＭ、プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するためのＲＡＭ等である。また、記憶装置１３として、フラッシュメモリ、ＥＰＲＯＭ（Ｅｒａｓａｂｌｅ　ａｎｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　ＲＯＭ）およびＥＥＰＲＯＭ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌｌｙ　Ｅｒａｓａｂｌｅ　ａｎｄ　Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ　ＲＯＭ）などの不揮発性または揮発性の半導体メモリなどが用いられる。また、記憶装置１３として、例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、ＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ　Ｄｉｓｃ）、ＭＤ（Ｍｉｎｉ　Ｄｉｓｃ）およびＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ　Ｄｉｓｃ）などの着脱可能な記録媒体が用いられてもよい。記憶装置１３は、蓄熱装置２０又は電力制御指示機器３０からの情報、演算装置１２において処理された情報を記憶する。

　演算装置１２は、蓄熱システム制御装置１０の機能を実行するための各種処理を行うものである。演算装置１２は、例えば記憶装置１３に保持された蓄熱装置２０の負荷予測結果と電力制御指示機器３０からの電力需給情報とを比較し、蓄熱装置２０の運転スケジュールを変更する処理を行う。つまり、記憶装置１３と共同して、図２に示される機能ブロックの各処理を実行するものである。

（蓄熱装置２０）
　蓄熱装置２０は、例えば各家庭に設置された給湯装置であり、ヒートポンプ部２５、ヒートポンプ部２５で沸かした湯を貯留する貯湯部２６、センサ２７及び制御装置２１を備える。

　ヒートポンプ部２５は、例えば空気熱交換器、圧縮機、水熱交換器及び減圧器を備える。ヒートポンプ部２５は、水熱交換器を用いて水を加熱し、貯湯部２６に送る。貯湯部２６は、タンク、配管、開閉弁及び断熱材等を備える。貯湯部２６の湯は適宜ヒートポンプ部２５との間を循環し、保温しても良い。

　センサ２７は、複数のセンサを含み、例えば貯湯部２６の湯の温度を検出するセンサ、蓄熱装置２０から外部へ流出する湯量を検出する流量センサ及びヒートポンプ部２５が備える圧縮機の消費電力を測定するセンサ等を含み得る。

　制御装置２１は、蓄熱装置２０の運転を制御するものであり、ハードウェア構成としては蓄熱システム制御装置１０と同様に構成される。制御装置２１は、例えばマイクロコンピュータで構成され、演算装置２２、記憶装置２３及び通信インターフェイス（Ｉ／Ｆ）２４を備える。制御装置２１の機能は、演算装置２２、記憶装置２３及び通信インターフェイス２４を用いて実行される。なお、蓄熱システム制御装置１０が蓄熱装置２０に内蔵される場合は、蓄熱装置２０内の制御装置２１は、ハードウェアとしては省略されていてもよく、蓄熱システム制御装置１０が制御装置２１の機能を兼ねても良い。

（電力制御指示機器３０）
　電力制御指示機器３０は、例えば地域の使用電力及び供給電力を管理する装置である。電力制御指示機器３０は、ある地域の使用電力及び供給電力の情報を有しており、蓄熱システム制御装置を含む地域の需要家に地域の使用電力及び供給電力の情報である電力需給情報を作成する作成部を備える。必要に応じて蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０が所属する地域の全体の使用電力、供給電力及び供給電力の予定などの情報を含む電力需給情報を電力制御指示機器３０から取得できる。実施の形態１においては、一例として図１に示す様に、電力制御指示機器３０が独立した装置として設けられた形態を用いて説明している。しかし、電力制御指示機器３０は、例えばサーバ上に存在していても良いし、独立した装置としてネットワークに接続されていても良いし、ネットワークに接続されたいずれかの機器内に設けられていても良い。また、電力制御指示機器３０が実現する各機能は、ネットワークで接続された各機器、即ちサーバなどに分散して配置され、各機器間で必要な情報を送受信して電力制御指示機器３０の各機能を実現しても良い。

（蓄熱システム１００の動作）
　図３は、実施の形態１に係る蓄熱システム１００において、蓄熱システム制御装置１０による蓄熱装置２０の制御及び電力制御指示機器３０への運転スケジュール送信についてのフローチャートである。図４は、蓄熱システム制御装置１０により処理される蓄熱装置２０の運転スケジュール及び電力制御指示機器３０から取得される電力需給情報の一例である。図４において、一番上に示されている表が蓄熱装置２０の運転スケジュールである。図４において上から２つ目に示されている表が電力制御指示機器３０から取得される電力需給情報であり、蓄熱装置２０が属する地域の情報を示したものである。

　図３に示すステップＳ０１において、蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０の負荷予測を行う。このステップＳ０１を負荷予測ステップと呼ぶ。負荷予測は、蓄熱装置２０から得た運転情報に基づいて行う。蓄熱システム制御装置１０の取得部４１は、蓄熱装置２０から蓄熱装置２０の運転情報を受け取り、負荷予測部４２において今後の運転スケジュールを予測する。その予測された運転スケジュールは、単に負荷予測とも称する。なお、蓄熱装置２０の運転情報は、蓄熱システム制御装置１０が既に取得し記憶部４８に保存された蓄熱装置２０の運転履歴情報であっても良い。例えば、蓄熱装置２０は、給湯機であるため、貯湯する時間帯、湯の利用が多い時間帯においては使用電力が多くなる。蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０の運転履歴情報、ユーザーが蓄熱装置２０に設定した運転設定情報等を基に運転スケジュールを予測する。運転スケジュールは、例えば図４の一番上に示されている各時間帯における蓄熱装置２０の使用電力量として表されるものである。また、運転スケジュールは、横軸を時間とし、縦軸を使用電力量として、時間と使用電力量との関係を示したグラフで表されるものであっても良い。

　上記の運転スケジュールの予測は、入力を外気温度、湿度、天気、各曜日の時間帯ごとの湯の使用量履歴及び蓄熱装置２０が使用されている業種とし、出力を蓄熱装置２０の各時間帯における使用電力量の履歴データとした教師データを用いて学習させた学習モデルを用いて行っても良い。つまり、この学習モデルに外気温度、湿度、天気、各曜日の時間帯ごとの湯の使用量履歴及び蓄熱装置２０が使用されている業種などを入力し、蓄熱装置２０の各時間帯における使用電力を予測する。

　次にステップＳ０２において、蓄熱システム制御装置１０は、ステップＳ０１で得られた蓄熱装置２０の運転スケジュールと電力制御指示機器３０から得られた電力需給情報との比較を行う。このステップＳ０２を比較ステップと呼ぶ。電力制御指示機器３０から得られた電力需給情報は、例えば図４の上から２番目に表示された表であり、電力制御指示機器３０が管理している地域の全体の使用電力の予測値と供給電力の予定値の時間帯ごとのデータである。または、電力制御指示機器３０から得られる電力需給情報は、時間帯ごとに電力が逼迫しているか否かのみの情報であっても良いし、時間帯ごとの電気料金の情報であっても良い。電力需給情報が時間帯ごとの電気料金の場合は、電力の供給が逼迫している時には高い電気料金が設定され、電力が余剰である場合には低い電気料金が設定されている。

　蓄熱システム制御装置１０は、比較部４３において蓄熱装置２０の運転スケジュールと電力需給情報とを比較する。比較部４３においては、例えば電力需給情報において電力の供給が逼迫している時間帯を所定の条件で検出するか又は電力の供給の逼迫度合いをランク付けしても良い。このとき、供給が逼迫していると判定された時間帯を逼迫時間帯と呼ぶ。さらに、電力需給情報の時間帯は、電力需給情報において特に電力供給の逼迫状況が強いとされている高逼迫度時間帯、電力需要の低い時間帯である閑散時間帯などに分類しても良い。

　また、比較部４３においては、蓄熱装置２０の運転スケジュールにおける各時間帯の電力使用量をランク付けしても良い。例えば、電力の供給の逼迫度合いランクがある閾値以上であり、かつ蓄熱装置２０の電力使用量のランクがある閾値以上である条件に合致する時間帯を検出する。例えば、電力制御指示機器３０からの電力需給情報において電力が逼迫している高逼迫度時間帯は、蓄熱装置２０の運転を停止する対象となり、電力に余剰がある閑散時間帯においては蓄熱装置２０を強制運転に変更する対象となる。蓄熱装置２０の運転スケジュールを変更するに当たっては、基本的に蓄熱装置２０による蓄熱量が今後足りているか否かに基づいて変更要否を判断する。なお、比較部４３における処理は、必ずしも運転スケジュールと電力需給情報とを比較するものに限定されず、例えば予め決められた条件と運転スケジュールとを比較するものであっても良い。また、比較部４３における処理は、電力需給情報についても予め決められた条件に該当するか否かを判定するものであっても良い。

　次にステップＳ０３においては、蓄熱システム制御装置１０は、比較部４３において得られた情報を基に蓄熱装置２０の運転スケジュールの決定又は変更を行う。このステップＳ０３を運転スケジュール決定ステップと呼ぶ。例えば、運転スケジュール決定部４５は、図４の一番上に示される表で示される運転スケジュールを図４の一番下に示される表のように変更する。なお、運転スケジュール決定部４５は、運転スケジュール変更部とも称する。

　運転スケジュール決定部４５においては、比較部４３において検出された時間帯又は条件に合致した時間帯の使用電力量を変更し、かつ蓄熱装置２０の所定の期間（例えば１日）における使用電力量の総和が変更前後で実質的に同等になるように変更する。運転スケジュール決定部４５は、変更した運転スケジュールを例えば図４の一番下に示される各時間帯における使用電力量のデータとして出力する。運転スケジュール決定部４５から出力された情報は、送信部４６及び蓄熱装置制御部４７へ送られる。

　また、運転スケジュールを変更するにあたっては、運転スケジュール決定部４５は、蓄熱装置２０がある所定の期間（例えば１日）に消費する電力による料金が小さくなるように、時間帯ごとの電気料金テーブルを参照しても良い。この場合、電気料金テーブルは、予め記憶部４８に記憶されている。電気料金テーブルは、電力制御指示機器３０から入手することができる。

　図１０は、実施の形態１に係る蓄熱システム１００における蓄熱装置２０の運転スケジュールの変更の一例である。電力料金は、例えば午前７時から午後１１時の時間帯は昼間料金として単位電力量である１ｋＷｈあたり３２．７４円に設定され、午後１１時から午前７時までの時間帯は、夜間料金として１ｋＷｈあたり２１．１６円が設定されている。このような電力料金プランの場合、通常図１０において実線で示すように午後１１時からの夜間の時間帯に蓄熱を行う。しかし、実施の形態１に係る蓄熱システム１００においては、図１０において破線で示すように夜間だけでなく昼間の時間帯にも蓄熱を行う。電力供給側は、電力が余剰となっている閑散時間帯の電力料金を安く設定することにより、蓄熱装置２０に閑散時間帯の蓄熱運転を促すことができる。つまり、電力制御指示機器３０が蓄熱システム制御装置１０に時間帯ごとの電力料金を電力需給情報として提供することにより、蓄熱システム制御装置１０は、閑散時間帯においても積極的に蓄熱運転をするよう運転スケジュールを変更する。蓄熱システム制御装置１０は、今後必要な蓄熱量を確保しつつ、電力料金も抑え、また全体の電力需給調整にも寄与できる運転スケジュールの設定が可能となる。

　次にステップＳ０４においては、蓄熱システム制御装置１０は、変更した運転スケジュールに基づく情報を電力制御指示機器３０及び蓄熱装置２０へ送信する。このステップＳ０４を、送信ステップと呼ぶ。送信部４６は、電力制御指示機器３０へ変更した運転スケジュールを送る。また、蓄熱装置制御部４７は、変更した運転スケジュール及び消費電力量を蓄熱装置２０へ制御情報として送る。蓄熱装置２０へ送信された制御情報は、蓄熱装置２０の制御装置２１で処理され、蓄熱装置２０の運転が制御される。

　なお、電力制御指示機器３０から電力需給情報を得る、送信部４６が電力制御指示機器３０に送信する、という電力制御指示機器３０と蓄熱システム制御装置１０との情報のやり取りのタイミングは、例えば朝、昼、夜など、または短くても３０分間程度の間隔で定期的に行う。例えば、朝の情報のやり取りは、朝から夕方までの蓄熱装置２０の運転スケジュールを決定し、昼の情報のやり取りは夕方から深夜までの運転スケジュールを決定し、夜の情報のやり取りは深夜から朝までの運転スケジュールを決定する。３０分程度の間隔で情報をやり取りする場合は、貯湯量が想定以上に過不足生じていないかを確認し、運転スケジュール変更可否を判断する。

　（実施の形態１の効果）
　以上に説明したように、実施の形態１に係る蓄熱システム１００は、蓄熱システム制御装置１０が電力制御指示機器３０から得た電力需給情報に基づいて蓄熱装置２０の運転スケジュールを変更するため、電力制御指示機器３０が管理する全ての機器の電力需給に対応した蓄熱装置２０の制御を行える。また、負荷予測により得た蓄熱システム制御装置１０の運転スケジュールと電力制御指示機器３０から得た電力需給情報とを比較することにより、電力の供給が逼迫した時間帯の蓄熱装置２０による蓄熱（例えば湯沸かし）を避けることができる。具体的には、蓄熱システム制御装置１０は、事前に得られた電力の供給が多い時間帯に、蓄熱装置２０を蓄熱運転させるように制御する。これにより、ユーザーは、湯の使用量が多い時間帯においても貯湯部２６の湯切れが発生することがない。

　また、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０において負荷予測及び生成（変更）される運転スケジュールは、例えば最低一日分のスケジュールである。このようにすることで、各地域において一日に発生する複数の電力逼迫時間帯の回避を実現できる。また、蓄熱システム制御装置１０により制御される蓄熱装置２０は、蓄熱運転が行われる時間帯をより細かに設定されるため、効率的な運転を実施可能となる。

　また、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０は、事前に電力制御指示機器３０からの情報を基に調整した運転スケジュールを外部に回答することにより、電力制御指示機器３０の対応手段を増加させることができる。従って、蓄熱システム制御装置１０が運転スケジュールを調整し、電力制御指示機器３０へ送ることにより、電力制御指示機器３０が管理する各機器に対する需給コントロール調整の柔軟性を高めることもできる。また、蓄熱システム制御装置１０により電力供給の逼迫状況が相当高い時間帯の蓄熱装置２０の運転が回避され、蓄熱装置２０が電力供給量の多い時間帯に蓄熱運転させることにより、電力制御指示機器３０による電力需給調整に寄与できる。

　（変形例）
　蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０は、単独の端末であっても良いし、特定の蓄熱装置２０内に内蔵された制御装置２１であっても良い。また、蓄熱システム制御装置１０は、クラウド上においてプログラムにより実行される仮想的な制御装置であっても良い。蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱システム制御装置１０が実現する各機能がネットワークで接続された各機器、即ちサーバ、蓄熱装置及び電力制御指示機器などに分散して配置された形態でも良く、各機器間で必要な情報を送受信して蓄熱システム制御装置１０の各機能を実現しても良い。

　実施の形態２．
　実施の形態２に係る蓄熱システム１００について説明する。実施の形態２においては、実施の形態１に係る運転スケジュールの生成又は変更後に、蓄熱システム制御装置１０が再度電力制御指示機器３０からの電力需給情報を取得して蓄熱装置２０の運転スケジュールを変更する処理について説明する。なお、実施の形態２において、実施の形態１と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。実施の形態２においては実施の形態１からの変更点を中心に説明する。

　図５は、実施の形態２に係る蓄熱システム１００の機能ブロック図である。図６は、実施の形態２に係る蓄熱システム１００による蓄熱装置２０の制御及び電力制御指示機器３０への運転スケジュール送信についてのフローチャートである。実施の形態２において、蓄熱システム制御装置１０は、一度電力需給情報に基づいて運転スケジュールを生成しており、蓄熱装置２０の運転スケジュールは電力需給に合わせたものになっている。ただし、結果として電力需給調整が不十分であった場合は、電力制御指示機器３０は、再度蓄熱システム制御装置１０に対し電力需給情報を提示する場合がある。蓄熱システム制御装置１０は、その再度提示された電力需給情報に合わせ、運転スケジュールを生成又は変更するものである。

　図６に示されるステップＳ１１において、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０の受信部４４は、電力制御指示機器３０からの電力需給情報を取得する。このステップＳ１１を再受信ステップと呼ぶ。また、受信部４４は、再受信部とも称する。この電力需給情報は、原則として実施の形態１において説明した、図３のステップＳ０３で決定した運転スケジュールを電力制御指示機器３０に送信した後に、電力制御指示機器３０から再度取得した再取得電力需給情報である。再取得電力需給情報は、図３のステップＳ０３で決定した運転スケジュールを電力制御指示機器３０が受信し、電力制御指示機器３０によって管理されている他の機器の電力の需給も含めて調整された後の電力需給情報である。

　受信部４４において電力制御指示機器３０から取得した情報は、例えば時間帯における電力供給の逼迫状況を強弱の２種類にランク付けして表したものである。ただし、受信部４４が取得する情報は、この情報の形態に限定されるものではなく、例えば実施の形態１において説明した時間帯ごとの電力の需要量及び供給量のデータであっても良い。

　次にステップＳ１２において、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０は、電力制御指示機器３０からの再取得電力需給情報と前回生成した蓄熱装置２０の運転スケジュールとを比較する。このステップＳ１２を比較ステップと呼ぶ。まず、比較部４３は、再取得電力需給情報のうち電力供給の逼迫度が高い高逼迫度時間帯を判定する。前回生成した運転スケジュールは、記憶部４８に保存されており、比較部４３において、受信部４４で取得した再取得電力需給情報と比較される。例えば、比較部４３においては、電力需給情報において電力供給の逼迫状況が強いとされている高逼迫時間帯において蓄熱装置２０の使用電力量が所定の閾値に対して高いか低いかを判定する。運転スケジュールのうち、高逼迫時間帯において、電力使用量が閾値よりも高い又は閾値以上である場合は、運転スケジュールの変更の対象になり得る。つまり、電力使用量を削減すべき対象であると判定される。

　また、比較部４３は、再取得電力需給情報のうち電力供給の逼迫度が低い閑散時間帯を判定しても良い。前回生成した運転スケジュールは、記憶部４８に保存されており、比較部４３において、受信部４４で取得した再取得電力需給情報と比較される。例えば、比較部４３においては、電力需給情報において電力供給の逼迫状況が低いとされている閑散時間帯において蓄熱装置２０の使用電力量が所定の閾値に対して高いか低いかを判定する。閑散時間帯において、電力使用量が閾値よりも低い又は閾値以下である場合は、運転スケジュールの変更の対象になり得る。つまり、電力使用量を増加しても差し支えない時間帯であると判定される。

　次にステップＳ１３において、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０は、比較部４３で比較した結果に基づいて運転スケジュールを決定又は変更する。このステップＳ１３を運転スケジュール変更ステップと呼ぶ。例えば、運転スケジュール決定部４５は、比較部４３で所定の条件に該当すると判定された時間帯の電力使用量を減少させるように変更する。なお、特定の時間帯の電力使用量を変更する場合は、所定の期間（例えば１日）における蓄熱量が変更前後で実質的に同等以上になるように変更するとよい。

　次にステップＳ１４において、蓄熱システム１００の蓄熱システム制御装置１０は、変更した運転スケジュールに基づく情報を電力制御指示機器３０及び蓄熱装置２０へ送信する。このステップＳ１４を送信ステップと呼ぶ。運転スケジュール決定部４５で決定又は変更された運転スケジュールは、送信部４６及び蓄熱装置制御部４７へ送られる。送信部４６は、電力制御指示機器３０へ変更した運転スケジュールを送る。また、蓄熱装置制御部４７は、変更した運転スケジュールを蓄熱装置２０へ制御情報として送る。蓄熱装置２０へ送信された制御情報は、蓄熱装置２０の制御装置２１で処理され、蓄熱装置２０の運転が制御される。

　（実施の形態２の効果）
　従来のように、電力制御指示機器３０からの電力需給情報に基づいて使用電力のピークカットを実施すると、電力制御指示機器３０に接続された他の制御装置も含めて一律でピークカットを行うことになる。その場合、電力制御指示機器３０における使用電力と供給電力との需給関係は、需給関係が成立するときは需要が過剰に供給を下回り、それ以外は需給関係が成立しないという２択の状況になってしまうという課題があった。しかし、実施の形態２に係る蓄熱システム１００は、例えば蓄熱システム制御装置１０が電力制御指示機器３０からの電力需給情報に基づき、蓄熱装置２０の運転スケジュールを変更することにより、電力制御指示機器３０における電力需給調整の成立又は不成立に合わせて蓄熱システム制御装置１０に接続された蓄熱装置２０の使用電力を調整できる。そのため、電力制御指示機器３０の電力需給調整に柔軟に対応でき、電力制御指示機器３０に接続された他の機器も含めた全体の需給調整に寄与できる。

　また、蓄熱装置２０以外の機器においては、電力カットが可能な時間帯又は電力が不可欠な時間帯が決まっているため、電力制御指示機器３０からの電力需給情報を受け取っても、電力使用量を変更することができない。しかし、実施の形態２に係る蓄熱システム制御装置１０は、電力制御指示機器３０が一度集めたデータから得られた再取得電力需給情報を取得し、その情報に基づき再度運転スケジュールを変更する。この変更された運転スケジュールによって制御される蓄熱装置２０は、必要な蓄熱量を確保しながら、供給が逼迫した時間帯を避けた効率的な運用を図られる。また、蓄熱システム制御装置１０は、蓄熱装置２０の運転を制御しつつ、電力制御指示機器３０に接続している機器全体についての電力の需給に対応して電力供給の逼迫状態の解消に貢献できる。

　実施の形態３．
　実施の形態３に係る蓄熱システム１００について説明する。実施の形態３に係る蓄熱システム１００は、実施の形態１及び実施の形態２に係る運転スケジュールの生成又は変更を行うが、制御する対象となる蓄熱装置２０が複数になっている。なお、実施の形態３において、実施の形態１又は２と共通する部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。実施の形態３においては実施の形態１又は２からの変更点を中心に説明する。

　図７は、実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示すハードウェア構成図である。実施の形態３に係る蓄熱システム１００は、蓄熱システム制御装置１０が複数の蓄熱装置２０が接続され、複数の蓄熱装置２０の運転情報を基に複数の蓄熱装置２０の全体としての負荷予測及び複数の蓄熱装置２０の運転制御を行う。

　図７においては、実施の形態３に係る蓄熱システム制御装置１０が複数の蓄熱装置２０に接続されている。ただし、蓄熱システム制御装置１０の下に複数の蓄熱装置２０が並列に接続されている形態に限定されるものではなく、例えば１つ又は複数の蓄熱装置２０を親機とし、その他の蓄熱装置２０を親機の下に接続するように構成されていても良い。この場合、蓄熱システム制御装置１０は、親機の内部に設置されていても良い。そして、親機の内部の蓄熱システム制御装置１０は、親機の運転を制御するとともに子機となる蓄熱装置２０の運転制御を行う。

　複数の蓄熱装置２０は、それぞれが制御装置２１を備えていても良いし、蓄熱システム制御装置１０により制御されている形態でも良い。

　実施の形態３に係る蓄熱システム制御装置１０は、複数の蓄熱装置２０から独立した特定の端末として設けられることにより、各蓄熱装置２０に関する情報、電力制御指示機器３０からの情報及び蓄積したデータの管理が容易になり、第三者への漏洩リスクを抑えることができる。これは、蓄熱システム制御装置１０が特定の蓄熱装置２０内に設置されている場合、クラウド上に設けられている場合であっても同様である。

　図８は、実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態３に係る蓄熱システム１００においても、図３に示されるフローチャートに従って蓄熱装置２０の運転スケジュールの作成又は変更が行われる。ただし、実施の形態３においては、蓄熱システム制御装置１０は、複数の蓄熱装置２０が接続されているため、運転スケジュールの作成又は変更は以下のように行われる。

　まず第１の方法は、蓄熱システム１００が、複数の蓄熱装置２０のそれぞれについて個別に負荷予測、電力需給情報との比較及び運転スケジュールの生成を行う方法である。この場合、複数の蓄熱装置２０のそれぞれの運転履歴などに基づき負荷予測が行われ、電力需給情報との比較を行った上で運転スケジュールの生成が行われる。そして、蓄熱システム制御装置１０は、生成した複数の蓄熱装置２０の運転スケジュールと各時間帯の消費電力について電力制御指示機器３０に回答する。そのため、蓄熱システム制御装置１０における処理の負荷が高いが、それぞれの蓄熱装置２０に応じた柔軟な運転制御が可能である。また、一つの蓄熱システム制御装置１０に接続された複数の蓄熱装置２０の使用電力の予測の結果は、蓄熱システム制御装置１０内に保持されているため、各時間帯における複数の蓄熱装置２０の使用電力の総和の値が突出しないようにしつつ、個別の蓄熱装置２０の運転制御の調整が可能となる。これにより、蓄熱システム制御装置１０に接続された複数の蓄熱装置２０のそれぞれが電力制御指示機器３０からの電力需給情報に最適に運転制御されるため、蓄熱システム制御装置１０は電力制御指示機器３０に接続されている全体の需給調整に貢献できる。

　第２の方法は、蓄熱システム１００が、複数の蓄熱装置２０のうち親機となる蓄熱装置２０について負荷予測、電力需給情報との比較及び運転スケジュールの生成を行い、子機となる蓄熱装置２０については、親機と同じ運転スケジュールとする方法である。そして、蓄熱システム制御装置１０は、生成した複数の蓄熱装置２０の運転スケジュールと各時間帯の消費電力について電力制御指示機器３０に回答する。この場合、例えば蓄熱システム制御装置１０は、複数の蓄熱装置２０を代表して親機のみの運転情報及び運転履歴等に基づいて負荷予測を行う。そして、負荷予測部４２で得られた予測結果と受信部４４で取得した電力需給情報とに基づいて親機の運転スケジュールを生成又は変更する。運転スケジュール決定部４５で生成された親機の運転スケジュールは、送信部４６から電力制御指示機器３０に送信される。また、親機の運転スケジュールは、蓄熱装置制御部４７において親機の運転制御信号として親機に送られる。子機については、親機から又は蓄熱装置制御部４７から直接制御信号が子機に送られ、親機と同じ制御で運転される。

　このように、代表して親機の負荷予測を行い運転スケジュールが生成される場合は、複数の蓄熱装置２０のそれぞれについて負荷予測を行うよりも蓄熱システム制御装置１０の負荷が軽減する。また、蓄熱システム制御装置１０は、複数台まとめて検討することで複数台の蓄熱装置２０について効率のよい運転を可能にできる。なお、代表して親機の負荷予測を行い運転スケジュールが生成される場合は、子機のうち全てを親機と同じ制御にする必要はなく、例えば電力制御指示機器３０からの電力需給情報に応じて、子機の運転台数の変更や親機と同じ制御にする台数を調整することにより、柔軟に使用電力の調整が可能となる。この場合は、子機のうち一部を親機と同じ運転制御とし、子機のうち他の一部は、親機とは異なる運転制御をすることになる。

　以上のように、蓄熱システム１００の動作としては、一例として上記の第１の方法及び第２の方法があるが、何れも複数の蓄熱装置２０の使用電力について蓄熱システム１００が一括して管理できるため、電力制御指示機器３０からの電力需給情報に応じた柔軟な電力の需要調整が可能となる。

　図９は、実施の形態３に係る蓄熱システム１００の構成の一例を示す機能ブロック図である。実施の形態３に係る蓄熱システム１００においても、図５に示されるフローチャートに従って電力制御指示機器３０から再度提示された電力需給情報に従って蓄熱装置２０の運転スケジュールの作成又は変更が行われる。

　図５に示されるフローチャートを実施する際にも、蓄熱システム１００は上記の第１の方法及び第２の方法の何れかで運転スケジュールの生成を行う。ただし、電力制御指示機器３０からの電力需給情報の再提示時に時間帯ごとの電力逼迫状態の強弱の情報を取得した場合は、蓄熱システム１００は、複数の蓄熱装置２０のうちの一部の運転を変更することにより需要調整が可能であり、より柔軟な需要調整が可能となる。

　例えば、電力需給情報において所定の電力値よりも多い電力需要がある時間帯においては、複数の蓄熱装置２０のうち一部の使用電力量を減らす。また、電力需給情報において所定の電力値よりも少ない電力需要がある時間帯においては、蓄熱装置２０の使用電力を増加させる。変更するにあたって、所定の期間におけるそれぞれの蓄熱装置２０の使用電力量の総和は、変更前後で同じになるように変更する。

　実施の形態１～３において説明した蓄熱システム１００及び蓄熱システム制御装置１０においては、以上に本開示を実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。例えば、各実施の形態を組み合わせて構成されていても良い。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本開示の要旨（技術的範囲）に含むことを念のため申し添える。また、実施の形態１～３において説明した内容を実行させるための制御プログラムをコンピュータにインストールすることによりコンピュータを蓄熱システム１００として各機能を実行させることができる。

　１０　蓄熱システム制御装置、１２　演算装置、１３　記憶装置、１４　通信インターフェイス、２０　蓄熱装置、２１　制御装置、２２　演算装置、２３　記憶装置、２４　通信インターフェイス、２５　ヒートポンプ部、２６　貯湯部、２７　センサ、３０　電力制御指示機器、４１　取得部、４２　負荷予測部、４３　比較部、４４　受信部、４５　運転スケジュール決定部、４６　送信部、４７　蓄熱装置制御部、４８　記憶部、１００　蓄熱システム。

Claims

　電力制御指示機器から電力需給情報を取得する受信部と、
　前記電力需給情報に基づいて蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部と、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールを前記電力制御指示機器に送信する送信部と、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールに基づいて前記蓄熱装置の運転を制御する蓄熱装置制御部と、を備える、蓄熱システム制御装置。
　前記送信部は、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールによる消費電力量を前記電力制御指示機器に送信する、請求項１に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記蓄熱装置の負荷予測と前記電力需給情報とを比較する比較部を更に備える、請求項１又は２に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記比較部は、
　前記電力需給情報において電力供給の逼迫している時間帯である逼迫時間帯を判定し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記逼迫時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量が閾値以下になるように運転スケジュールを決定する、請求項３に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記比較部は、
　前記電力需給情報において電力需要が少ない時間帯である閑散時間帯を判定し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記閑散時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量が閾値以上になるように運転スケジュールを決定する、請求項３又は４に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記蓄熱装置による蓄熱量の総和が変更前の運転スケジュールと同等以上になるように運転スケジュールを決定する、請求項４又は５に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記比較部は、
　前記送信部が運転スケジュールを前記電力制御指示機器に送信した後に前記受信部が前記電力制御指示機器から再度取得した再取得電力需給情報を、電力供給の逼迫度が高い高逼迫時間帯とそれ以外の時間帯とに分類し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記送信部が前記電力制御指示機器に送信した運転スケジュールのうち、前記高逼迫時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量を減少させ、それ以外の時間帯の使用電力量を増加させる、請求項３～６の何れか１項に記載の蓄熱システム制御装置。
　少なくとも前記蓄熱装置の運転履歴及びユーザーの運転設定情報から前記蓄熱装置の負荷予測を行う負荷予測部を更に備える、請求項３～７の何れか１項に記載の蓄熱システム制御装置。
　前記蓄熱装置の内部に設置される、請求項１～８の何れか１項に記載の蓄熱システム制御装置。
　電力需給情報に基づき蓄熱装置を制御する蓄熱システムであって、
　前記電力需給情報を作成する作成部と、
　前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部と、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールに基づいて前記蓄熱装置の運転を制御する蓄熱装置制御部と、を備える、蓄熱システム。
　前記蓄熱装置を制御する蓄熱システム制御装置と、前記電力需給情報を前記蓄熱システム制御装置に提供する電力制御指示機器と、を備え、
　前記蓄熱システム制御装置は、
　前記運転スケジュール決定部と、
　前記電力制御指示機器から前記電力需給情報を取得する受信部と、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールを前記電力制御指示機器に送信する送信部と、
　前記蓄熱装置を制御する前記蓄熱装置制御部と、を備える、請求項１０に記載の蓄熱システム。
　前記送信部は、
　前記運転スケジュール決定部において決定された運転スケジュールによる消費電力量を前記電力制御指示機器に送信する、請求項１１に記載の蓄熱システム。
　前記電力制御指示機器は、
　前記電力需給情報として時間帯ごとの単位電力量あたりの電力料金の情報を前記蓄熱装置制御部に送る、請求項１１又は１２に記載の蓄熱システム。
　前記電力制御指示機器は、
　電力の供給が逼迫している時間帯の電力料金を高く設定する、請求項１３に記載の蓄熱システム。
　前記蓄熱システム制御装置は、
　前記蓄熱装置の負荷予測と前記電力需給情報とを比較する比較部を更に備える、請求項１１～１４の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　前記比較部は、
　前記電力需給情報において電力供給の逼迫している時間帯である逼迫時間帯を判定し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記逼迫時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量が閾値以下になるように運転スケジュールを決定する、請求項１５に記載の蓄熱システム。
　前記比較部は、
　前記電力需給情報において電力需要が少ない時間帯である閑散時間帯を判定し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記閑散時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量が閾値以上になるように運転スケジュールを決定する、請求項１６に記載の蓄熱システム。
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記蓄熱装置の蓄熱量の総和が変更前の運転スケジュールと同等以上になるように運転スケジュールを決定する、請求項１５又は１６に記載の蓄熱システム。
　前記比較部は、
　前記送信部が運転スケジュールを前記電力制御指示機器に送信した後に、前記受信部が前記電力制御指示機器から再度取得した再取得電力需給情報を電力供給の逼迫度が高い高逼迫時間帯とそれ以外の時間帯とに分類し、
　前記運転スケジュール決定部は、
　前記送信部が前記電力制御指示機器に送信した運転スケジュールのうち、前記高逼迫時間帯における前記蓄熱装置の使用電力量を減少させ、それ以外の時間帯の使用電力量を増加させる、請求項１６～１８の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　前記蓄熱システム制御装置は、
　少なくとも前記蓄熱装置の運転履歴及びユーザーの運転設定情報から前記蓄熱装置の負荷予測を行う負荷予測部を更に備える、請求項１５～１９の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　前記蓄熱システム制御装置は、
　前記蓄熱装置の内部に設置される、請求項１１～２０の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　前記蓄熱装置は、
　複数の蓄熱装置を含み、
　前記複数の蓄熱装置のうち少なくとも一部は、
　異なる運転スケジュールで運転される、請求項１０～２１の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　前記蓄熱装置は、
　複数の蓄熱装置を含み、
　前記複数の蓄熱装置は、
　同一の運転スケジュールで運転される、請求項１０～２１の何れか１項に記載の蓄熱システム。
　電力需給情報に基づき蓄熱装置の運転制御を行う蓄熱システム制御方法であって、
　前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定し、
　前記運転スケジュールに基づき前記蓄熱装置を制御する、蓄熱システム制御方法。
　前記運転スケジュールを電力制御指示機器にも送信し、
　前記電力制御指示機器は、
　前記運転スケジュールを受信した後に需給調整を行い、再取得電力需給情報を作成する、請求項２４に記載の蓄熱システム制御方法。
　前記送信ステップ後に前記電力制御指示機器から前記再取得電力需給情報に基づいて前記運転スケジュールを変更する、請求項２５に記載の蓄熱システム制御方法。
　コンピュータを蓄熱装置の運転制御を行う蓄熱システム制御装置として作動させる制御プログラムであって、
　コンピュータを、
　電力制御指示機器から電力需給情報を受け取る受信部、前記電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを決定する運転スケジュール決定部及び前記運転スケジュールを前記電力制御指示機器及び前記蓄熱装置に送信する送信部として機能させるための制御プログラム。
　コンピュータを、さらに前記送信ステップ後に前記電力制御指示機器から需給調整後の電力需給情報である再取得電力需給情報を受け取る再受信部及び前記再取得電力需給情報に基づいて前記蓄熱装置の運転スケジュールを変更する運転スケジュール変更部として機能させるための請求項２７に記載の制御プログラム。
　請求項２７又は２８に記載の制御プログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な、記録媒体。