WO2022264900A1 - バイオフィルムの活性調整方法 - Google Patents

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Abstract

本発明のバイオフィルムの活性調整方法は、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンと水とを含む媒体と、細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体と、を接触させることと、上記導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V以下の電位である第1電位を印加して、上記バイオフィルムの活性を調整することと、を含む。本発明のバイオフィルムの活性調整方法によれば、バイオフィルムに対する優れた活性調整効果が得られる。

Description

バイオフィルムの活性調整方法
 本発明は、バイオフィルムの活性調整方法に関する。
 金属インプラントは、歯科、及び、整形外科領域をはじめ、多くの疾病の治療に使用されている。しかし、金属インプラントはその表面に細菌が増殖し、バイオフィルムを形成することがあり、これにより患者の感染リスクが高まり、感染症が生じた場合、金属インプラントを撤去する等の対処が必要な場合があった。
 このような金属インプラントの表面の細菌制御、特に、バイオフィルムの活性制御方法として、特許文献1には、「カソード電圧制御電気刺激を提供する方法であって、作用電極となる被処理物を提供すること、被処理物に偏光スキャンを行うこと、プロセッサを使用して、偏光スキャンから水素発生反応閾値を自律的に検出して、被処理物に印加すべきカソード電圧を決定すること、および決定されたカソード電圧を被処理物に印加することからなる、カソード電圧制御電気刺激を提供する方法。」が記載されている。
国際公開第2020/247422号
 特許文献1に記載の方法では、カソード電圧を被処理物に印加した際の応答電流の値が小さく、バイオフィルムの活性抑制の効果が不十分であるうえ、その活性抑制の進捗や程度を応答電流によって評価することも難しかった。
 そこで、本発明は、バイオフィルムに対する優れた活性調整効果を有するバイオフィルムの活性調整方法を提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
 [1] 2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンと水とを含む媒体と、細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体と、を接触させることと、上記導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V以下の電位である第1電位を印加して、上記バイオフィルムの活性を調整することと、を含む、バイオフィルムの活性調整方法。
 [2] 上記細菌が、グラム陰性桿菌である、[1]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [3] 上記グラム陰性桿菌が、腸内細菌科に属する細菌である、[2]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [4] 上記腸内細菌科に属する細菌が、クレブシエラ属菌、エンテロバクター属菌、エスケリキア属菌、サルモネラ属菌、セラチア属菌、赤痢属菌、及び、エルシニア属菌からなる群より選択される少なくとも1種の細菌である、[3]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  [5] 上記導体が、炭素材料からなる、[1]~[4]のいずれかに記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [6] 上記第1電位の印加の後の電流値を測定すること、及び、上記電流値を基準値と比較して、上記バイオフィルムの活性の変化を判断するための情報を提供することを含む、[1]~[4]のいずれかに記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [7] 上記電流値が上記第1電位の印加後、所定時間経過後の電流密度である、[6]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [8] 上記基準値が、上記第1電位を印加せずに、上記所定時間経過後に測定された電流密度である、[7]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [9] 上記情報が、上記第1電位の印加後、所定時間経過後の電流密度と、上記第1電位を印加せずに、所定時間経過後に測定された電流密度との差である、[8]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [10] 上記導体が、生体内に埋め込んで用いられる医療器具、及び、生体の粘膜を超えて、又は、直接接触させて用いられる医療器具である、[1]~[9]のいずれかに記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [11] 上記細菌と、上記導体と、上記媒体と、を接触させて、上記導体に銀/塩化銀電極基準で-0.4Vを超えて、上記電位窓の上限値未満の電位である第2電位を印加して、上記導体上に上記バイオフィルムを形成させることを含む、[1]~[9]のいずれかに記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [12] 上記導体が、電極である、[11]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [13] 上記第2電位が銀/塩化銀電極基準で0~0.8Vである、[12]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [14] 上記バイオフィルムの形成後に、上記媒体を除去し、上記細菌を含まない新たな液体媒体に交換することを含む、[11]~[13]のいずれかに記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 [15] 上記交換後に、上記導体に上記第2電位を印加し、電流生成が確認された場合、上記導体上にバイオフィルムが形成されていると判断するための情報を提供することを含む、[14]に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
 本発明によれば、バイオフィルムに対する優れた活性調整効果を有するバイオフィルムの活性調整方法が提供できる。
 本発明のバイオフィルムの活性調整方法は、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(以下「HNQ」ともいう。)と水とを含む媒体と、細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体と、を接触させることと、導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V未満の電位である第1電位を印加して、バイオフィルムの活性を調整することと、を含む。
 HNQは、電子メディエータとして電極への電子移動を効率化する。その結果として、細菌と電極との間の電子移動がスムーズになり、より優れたバイオフィルムの活性の調整機能が得られる。
 また、導体に形成されたバイオフィルムが、グラム陰性桿菌によるものであると、HNQによる電子移動がより効率化され、より優れたバイオフィルムの活性の調整機能が得られる。この傾向は、上記グラム陰性桿菌が腸内細菌科に属する細菌である場合、更には、クレブシエラ属菌、エンテロバクター属菌、エスケリキア属菌、サルモネラ属菌、セラチア属菌、赤痢属菌、及び、エルシニア属菌からなる群より選択される少なくとも1種の細菌である場合により顕著である。
 また、上記細菌は院内感染の原因菌と考えられている。本発明のバイオフィルム活性調整方法を用いると、抗菌剤を用いずに、又は、抗菌剤の使用量を低減した状態で、上記原因菌群に由来するバイオフィルムの活性を調整できる。典型的には、活性を低下させることができる。そのため、新たな薬剤耐性菌の発生の抑制に貢献できる。
 また、導体が炭素材料からなる場合、HNQによる電子移動が更に効率化され、より優れたバイオフィルムの活性の調整機能が得られる。
 本発明のバイオフィルムの活性調整方法が、第1電位の印加の後の電流値を測定すること、及び、電流値を基準値と比較して、バイオフィルムの活性の変化を判断するための情報を提供することを含む場合、バイオフィルムの活性の変化をオンサイトで、即時に判断できる。
 従来、バイオフィルムの活性の変化の判断には、電極表面のバイオフィルムの電子顕微鏡観察等が必要であった。しかし、本発明においては、HNQを含む液体媒体を用いたことで電子移動が効率化され、十分な応答電流が得られるため、より精度よく迅速かつ非破壊的にバイオフィルムの活性を評価できる。
 また、上記電流値が電流密度であると、より正確にバイオフィルムの活性を評価できる。
 また、上記基準値が、第1電位を印加せずに、所定時間経過後に測定された電流密度である場合、いわゆる対照実験としての意義を有し、バイオフィルムの活性調整効果を定量的に評価することができる。
 また、導体が、生体内に埋め込んで用いられる医療器具(例えば、歯科インプラント等の各種インプラント)、及び、生体の粘膜を超えて、又は、直接接触させて使用される医療器具(例えば、鉗子、及び、内視鏡等)であると、機械洗浄が行き届かない細部に発生したバイオフィルムであっても、その活性を調整(典型的には不活化)できる。
 また、本発明のバイオフィルムの活性調整方法が、細菌と、導体と、液体媒体と、を接触させて、導体に銀/塩化銀電極基準で-0.4V以上であって、電位窓の上限値未満の電位である第2電位を印加して、導体上にバイオフィルムを形成させることを含む場合、バイオフィルムの形成から不活化までの一連の過程を観察できる点で、バイオフィルムの研究等に好ましく応用できる。
 上記の場合、導体は電極であることが好ましい。典型的には3電極電気化学セルの作用電極等が挙げられる。
 また、第2電位が銀/塩化銀電極基準で0~0.8Vである場合、バイオフィルムがより形成されやすい。
 また、本発明のバイオフィルムの活性調整方法が、バイオフィルムの形成後に、媒体を除去し、細菌を含まない新たな媒体に交換することを含む場合、その後の工程で得られる電流生成に対する浮遊状態の細菌の影響をより小さくできるため、より正確にバイオフィルムの活性調整効果を評価することができる。
 また、本発明のバイオフィルムの活性調整方法が媒体の交換後に、導体に第2電位を印加し、電流生成が確認された場合、導体上にバイオフィルムが形成されていると判断するための情報を提供することを含む場合、バイオフィルムが形成されたことを確認したうえで、その後のバイオフィルムの不活化の工程に移れるため、より正確にバイオフィルムの活性調整効果を評価することができる。
本発明のバイオフィルム活性調整方法の第1実施形態に係るフロー図である。 本発明のバイオフィルム活性調整方法の第2実施形態に係るフロー図である。 本発明のバイオフィルム活性調整方法の第3実施形態に係るフロー図(前半)である。 複数の電子メディエータによる生成電流を比較した時間-電流曲線である。 電子メディエータとしてHNQの100μMを含む媒体中で、作用電極の電位を+0.2V(vs Ag/AgCl)とした場合の生成電流を表す、時間-電流曲線である。 媒体を破棄し、電極を洗浄した後、新たな媒体(Klebsiella pneumoniaeを含まないこと以外は、媒体の組成は同一)を添加し、作用電極の電位を+0.2V(vs Ag/AgCl)とした場合の時間-電流曲線である。 導体とバイオフィルムを構成する細菌の模式図である。 バイオフィルムを有する作用電極に負の電位を印加した場合の、生成電流の変化を示す時間-電流曲線である。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
 なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[バイオフィルムの活性調整方法の第1実施形態]
 図を用いて本発明のバイオフィルムの活性調整方法の第1実施形態(以下、「実施形態1」ともいう。)について説明する。図1は、実施形態1のフロー図である。
 まず、媒体と、細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体とを接触させる(ステップS10)。
 ここで、媒体は、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(HNQ)と、水とを含む。
 媒体中におけるHNQの含有量としては特に制限されないが、例えば、1~1000μmol/Lが好ましい。
 媒体は、HNQと水とを含んでいれば他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、電子源化合物、HNQ以外の電子メディエータ、緩衝化剤、及び、凝固剤等が挙げられる。
 電子源化合物は、細菌の代謝に用いられる化合物であり、特に制限されないが、例えば、有機化合物(アミノ酸、糖、及び、有機酸等)が挙げられる。
 HNQ以外の電子メディエータとしては、公知の化合物を用いることができ、1-ヒドロキシフェナジン、アントラキノン-1,5-ジスルホン酸(二ナトリウム塩)、アントラキノン-1-スルホン酸(ナトリウム塩)、フラビンモノヌクレオチド、及び、リボフラビン等が挙げられる。
 また、緩衝化剤としては、特に制限されないが、ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris-HCl、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、及び、酢酸塩等が挙げられる。
 また、凝固剤としては、寒天、ゼラチン、及び、アガー等が挙げられ、アガーが好ましい。
 媒体としては、上記各成分を含む液体培地、又は、固体培地を用いることもでき、規定の方法で作製した培地に、HNQを所定量添加したものを媒体として用いることもできる。
 導体はバイオフィルムとの間で電子を授受できるものであれば材質、形状、及び、大きさは特に制限されない。
 なかでも、HNQ、及び、腸内細菌科に属する細菌との組合せにおいて、より高感度に電流生成を検知できる観点では、炭素材料からなることが好ましい。導体が炭素材料からなるとは、少なくとも、バイオフィルムと接する面が炭素材料からなることを意味する。
 炭素材料としては特に制限されず、電気化学測定等に用いられる炭素電極であればよい。炭素材料としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイト、カーボンナノチューブ、及び、これらの混合物等が挙げられる。
 導体の一例としては、生体内に埋め込んで用いられる医療器具(医療用インプラント等)、生体の粘膜を超えて用いられる医療器具(鉗子等)、及び、生体の粘膜に直接接触さて用いられる医療器具(内視鏡等)が挙げられる。
 導体としてこのようなものを用いれば、実施形態1は、医療器具、及び、医療用インプラント等の清掃、洗浄方法としても活用できる。
 対象とする細菌は特に制限されないが、グラム陰性桿菌が好ましい。
 なかでも、グラム陰性桿菌が腸内細菌科に属する細菌であると、より優れた本発明の効果が得られる。
 腸内細菌科に属する細菌としては、例えば、クレブシエラ属菌、エンテロバクター属菌、エスケリキア属菌、サルモネラ属菌、セラチア属菌、赤痢属菌、及び、エルシニア属菌等が挙げられる。
 媒体とバイオフィルムが形成された導体とを接触させる方法としては特に制限されないが、例えば、媒体が液体である場合、導体を媒体に浸漬させる方法、及び、導体上に媒体を滴下する方法が使用できる。
 また、媒体が固体である場合、媒体を導体に加圧又は無加圧で直接接触させる方法が挙げられる。直接接触させる、とは、電極が平板である場合には、典型的には、バイオフィルムが形成されている側の面を媒体と接触させることを意味する。
 次に、導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V以下の電位である第1電位を印加して、バイオフィルムの活性を調整する(ステップS11)。なお、本ステップは嫌気雰囲気で行われることが好ましい。
 電位窓の下限値は、媒体の成分、媒体のpH、及び、電極の材質等によって定まる値であり、当業者にとっては明らかである。
 なお、本方法における電位の下限値としては、電位窓の下限値を超えれば特に制限されないが、銀/塩化銀電極基準で、-1.2V以上が好ましく、-1.1V以上がより好ましく、-1.0V以上が更に好ましい。
 導体に第1電位を印加する方法としては特に制限されないが、典型的には、媒体に対して、対電極と参照電極とを接触させて、すでに説明した導体を参照電極として、これらの電極セット(作用電極、対電極、及び、参照電極)をポテンショスタットに接続し、これらを制御して、作用電極に所定の電位を印加する方法が挙げられる。
 対電極、及び、参照電極の材質としては特に制限されず、電気化学測定用等として公知の対電極、参照電極を用いることができる。なお、参照電極は、銀/塩化銀電極が好ましい。
 すでに説明した媒体は、液体であっても、固体であってもよいが、液体である場合、対電極と参照電極とを媒体に浸漬させればよい。また、プリンテッドエレクトロニクス等によって作製された上記電極セット(導体:作用電極、対電極、及び、参照電極)に触れるように媒体を滴下する形態であってもよい。
 また、媒体が固体である場合には、上記導体と同様に、対電極と参照電極とを媒体に直接接触させればよい。
 後述する実施例に示されるとおり、導体(作用電極)に負の電位が印加されることで、細菌から導体への電子の流れが妨げられる。
 図7は、本方法に係る導体とバイオフィルムを構成する細菌の模式図である。細菌細胞1は、バイオフィルムを形成しており、導体2上に付着している。この細菌が有機物を分解してエネルギーを得る過程では(特に嫌気状態では)、有機物の分解に使われたNADからNADHが生じ、電子伝達系を介して、NADHから電子受容体である導体へと電子が渡され(矢印4)、NADに戻り、再度エネルギーの獲得に使われる。
 これに対し、導体2に第1電位を印加すると、細菌細胞1から導体2への電子の移動(矢印4)が制限される。これにより、細胞のエネルギー獲得が阻害され、活性が低下する。更に、導体2から細菌細胞1へと電子が移動する(矢印3)ことにより、更に、細菌細胞1の活性が低下する。
 本方法によれば、導体に所定の電位を印加するだけで、抗菌剤等を使用することなく、バイオフィルムの活性を調整する(低下させる)ことができる。
 本方法は、バイオフィルムの研究に使用できる他、導体が医療器具や医療用インプラント等である場合には、形状が複雑である等の理由で機械的清掃が難しくても、バイオフィルムを不活化することができ、細菌感染の予防効果が期待できる。
[バイオフィルムの活性調整方法の第2実施形態]
 図を用いて本発明のバイオフィルムの活性調整方法の第2実施形態(以下「実施形態2」ともいう。)について説明する。図2は、実施形態2のフロー図である。
 まず、媒体と、細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体とを接触させる(ステップS20)。
 次に、導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V以下の電位である第1電位を印加して、バイオフィルムの活性を調整する(ステップS21)。なお、本ステップは嫌気雰囲気で行われることが好ましい。
 上記各ステップは、実施形態1におけるステップS10、及び、ステップS11とそれぞれ同様であり、好適形態も同様であるため、説明を省略する。
 次に、電流値を測定する(ステップS22)。電流値の測定方法は特に制限されないが、典型的には、実施形態1で説明したとおり、導体に第1電位を印加する際に電極セットに接続されるポテンショスタットを用いて行うことができる。この際測定される電流は、電流密度であってもよい。
 また、典型的には、時間-電流(電流密度)曲線が測定される。
 次に、得られた電流値を基準値と比較して、バイオフィルムの活性の変化を判断するための情報を提供する(ステップS23)。
 後述する実施例から明らかなとおり、バイオフィルム(すなわち、内部に存在する細菌群)の活性が高まると、導体(作用電極)への電子の移動、すなわち、電流(密度)値として検出される。時間経過に伴って、電流値が増大していく。
 一方で、バイオフィルムの活性が低下すると、電流値は低下する。これは、導体(作用電極)への電子の移動が妨げられたり、少なくなったりすることにより引き起こされる。
 このようなバイオフィルムの活性の変化を判断するための情報として提供される。測定された電流値と基準値との差は、例えば、電位の印加から所定時間経過後の電流(密度)値と基準値との差、電位の印加から所定時間内における最大電流(密度)値と基準値との差、所定の時間内における電流値の増加量と基準値との差、及び、時間-電流(密度)曲線の所定時間内の積分値と基準値との差等が挙げられ、特に制限されない。
 なかでも、基準値が、第1電位を印加せずに測定された電流(密度)値である場合、より正確な情報を提供できる点で好ましい。第1電位を印加せずに測定された、とは、第1電位を印加しないこと以外は同様の条件にして測定されたことを意味する。
 なかでも、より簡便にバイオフィルムの活性の変化を判断するための情報を提供できる点では、測定される電流値が、第1電位の印加後、所定時間経過後の電流密度であり、基準値が、第1電位を印加せずに(その他の条件は同一として)測定された電流密度であることが好ましい。
[バイオフィルムの活性調整方法の第3実施形態]
 図を用いて本発明のバイオフィルムの活性調整方法の第3実施形態(以下「実施形態3」ともいう。)について説明する。図3は、実施形態3の前半のフロー図である。「前半」とは、図3のフローの後、バイオフィルムが形成された導体が得られるため、それを用いて、実施形態1、又は、実施形態2の手順によって、バイオフィルムの活性を調整できることを意味する。
 すなわち、図3のフロー以降の「後半」のフローは、実施形態1、又は、実施形態2のフローがそのまま採用され得るため、この部分の説明は省略する。
 図3に戻り、まず、細菌と導体と媒体とを接触させて、導体に銀/塩化銀電極基準で-0.4Vを超えて、電位窓の上限値未満の電位である第2電位を印加して、導体上にバイオフィルムを形成する(ステップS30)。
 なお、本ステップは嫌気雰囲気で行われることが好ましい。
 使用する細菌、導体、及び、媒体は実施形態1において説明したものと好適形態を含めて同様であるため、説明を省略する。また、電位の印加方法についても、実施形態1において、導体に第1電位を印加する方法として説明したのと同様の方法が適用できるため、説明を省略する。
 細菌を含む媒体と接触した状態で、導体に第2電位が印加されると、NADHから導体2への電子の移動(図7の矢印4)がスムーズに行われるようになり、バイオフィルムの形成が促進される。
 なお、この際の第2電位としては、-0.4V(vs Ag/AgCl)を超えて、電位窓の上限値未満であれば特に制限さなれないが、一般に、0~0.8V(vs Ag/AgCl)が好ましい。
 次に、媒体を、細菌を含まない新たな媒体と交換する(ステップS31)。
 本ステップによれば、媒体中に含まれる浮遊状態の細菌を除くことができるため、後段のステップにおける測定値がより正確なものになりやすい。特に、媒体が液体媒体である場合、浮遊状態の細菌を除く効果がより顕著となる。
 なお、本実施形態に係るバイオフィルムの活性調整方法は本ステップを含まなくてもよい。本ステップを含まない場合、以降のステップS32~S34は省略することが好ましい。
 次に、導体に第2電位を印加する(ステップS32)。そして、電流生成の有無が確認される(ステップS33)。
 これらのステップでは、ステップS31によって媒体中から浮遊状態の細菌が除かれているため、電流生成が確認できる(ステップS33:YES)の場合、その電流は、導体上に形成されたバイオフィルム由来である可能性が高く、導体上にバイオフィルムが形成されていると判断するための情報として提供される(ステップS34)。
 提供される情報としては、例えば、第2電流を印加したあと、一定時間経過後の電流(密度)値等が挙げられる。また、上記以外にも、所定時間内の電流(密度)値の増加量等であってもよい。
 本実施形態に係るバイオフィルムの活性調整方法によれば、導体上にバイオフィルムが形成される過程を生成電流によって観察することができ、以降のステップ(実施形態1、又は、実施形態2)における生成電流によって、より正確にバイオフィルムの活性を評価できるという優位性がある。
 本実施形態に係るバイオフィルムの活性調整方法によれば、バイオフィルムの形成~不活化までの一連の細菌の活動を生成電流によって観察することができるため、バイオフィルムを形成する細菌の働き等の研究に好ましく用いることができる。
 従来、このような方法は、生成電流が小さく、検出が難しいことから実用は難しかったが、HNQを用いると生成電流が十分に大きくなるという、本発明者らの新たな発見により、本発明は完成された。
 以下では、本発明の実施形態に係るバイオフィルムの活性調整方法を実験データをもとに説明する。なお、以下の実験データは、本方法の一形態の説明のためのものであり、本方法の実施条件等を限定的に説明するためのものでない。
 実験は、作用電極、対電極として炭素電極、参照電極として銀/塩化銀電極を有する3電極電気化学セルを用いて行った。
 まず、上記セル内に、電子源として、グルコースの10mMを含み、100μMの電子メディエータ(下記参照)を含む、液体培地(Defined media)を加え、Klebsiella pneumoniae(OD 0.1)を接種し、37℃で、作用電極の電位を+0.2V(vs Ag/AgCl)として、嫌気条件下で15時間培養した。
<使用した電子メディエータ>
HNQ:2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン
1-Phenazine:1-hydroxyphenazine
AQDS:anthraquinone-1,5-disulfonate
AQS:anthraquinone-1-sulfonate
FMN:flavin mono nucleotide
RF:ribobflavin
W/O mediator:電子メディエータ添加なし
 図4は時間-電流曲線である。図4の結果から、HNQを用いた場合に、大きな生成電流が得られることが明らかになった。
 図5は、上記と同様の条件で、電子メディエータとしてHNQの100μMを含む媒体中で、作用電極の電位を+0.2V(vs Ag/AgCl)とした場合の生成電流を表す、時間-電流曲線である。
 なお、実験は、96穴ウェルプレートの各ウェルの底部に上記3電極が印刷形成された電気化学測定用プレートを用いて嫌気環境下で実施した。
 図6は、図5の試験の後、媒体を破棄し、電極を洗浄した後、新たな媒体(Klebsiella pneumoniaeを含まないこと以外は、媒体の組成は同一)を添加し、作用電極の電位を+0.2V(vs Ag/AgCl)とした場合の時間-電流曲線である。
 図5、及び、図6の結果から、作用電極上にバイオフィルムが形成され所定の電位の印加によって活性化されたことがわかった。
 図8は、上記の様にして形成されたバイオフィルムを有する作用電極に負の電位を印加した場合の、生成電流の変化を示す時間-電流曲線である。
 図8のうち、「電位印加なし」とあるのは、バイオフィルムが形成された後、電位を印加しない場合の生成電流を表している。
 一方、「-0.4V」、「-0.6V」、「-0.8V」、「-1.0V」とあるのは、それぞれ上記電位を作用電極に印加した場合の生成電流を表している。
 図8の結果から、所定の電位を印加した場合には、生成電流が減少しており、バイオフィルムが不活化されていることが確認された。
 本発明のバイオフィルムの活性調整方法は、医療器具や医療用インプラントに起因する感染症予防のための洗浄・清掃に利用できる。また、バイオフィルムの研究にも利用できる。

 

Claims (15)

  1.  2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノンと水とを含む媒体と、
     細菌に由来するバイオフィルムが形成された導体と、を接触させることと、
     前記導体に電位窓の下限値を超えて、銀/塩化銀電極基準で-0.4V以下の電位である第1電位を印加して、前記バイオフィルムの活性を調整することと、を含む、バイオフィルムの活性調整方法。
  2.  前記細菌が、グラム陰性桿菌である、請求項1に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  3.  前記グラム陰性桿菌が、腸内細菌科に属する細菌である、請求項2に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  4.  前記腸内細菌科に属する細菌が、クレブシエラ属菌、エンテロバクター属菌、エスケリキア属菌、サルモネラ属菌、セラチア属菌、赤痢属菌、及び、エルシニア属菌からなる群より選択される少なくとも1種の細菌である、請求項3に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  5.  前記導体が、炭素材料からなる、請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  6.  前記第1電位の印加の後の電流値を測定すること、及び、
     前記電流値を基準値と比較して、前記バイオフィルムの活性の変化を判断するための情報を提供することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  7.  前記電流値が前記第1電位の印加後、所定時間経過後の電流密度である、請求項6に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  8.  前記基準値が、前記第1電位を印加せずに、前記所定時間経過後に測定された電流密度である、請求項7に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  9.  前記情報が、前記第1電位の印加後、所定時間経過後の電流密度と、前記第1電位を印加せずに、所定時間経過後に測定された電流密度との差である、請求項8に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  10.  前記導体が、生体内に埋め込んで用いられる医療器具、及び、生体の粘膜を超えて、又は、直接接触させて用いられる医療器具である、請求項1~9のいずれか1項に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  11.  前記細菌と、前記導体と、前記媒体と、を接触させて、
     前記導体に銀/塩化銀電極基準で-0.4Vを超えて、前記電位窓の上限値未満の電位である第2電位を印加して、前記導体上に前記バイオフィルムを形成させることを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  12.  前記導体が、電極である、請求項11に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  13.  前記第2電位が銀/塩化銀電極基準で0~0.8Vである、請求項12に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  14.  前記バイオフィルムの形成後に、前記媒体を除去し、前記細菌を含まない新たな液体媒体に交換することを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載のバイオフィルムの活性調整方法。
  15.  前記交換後に、前記導体に前記第2電位を印加し、電流生成が確認された場合、前記導体上にバイオフィルムが形成されていると判断するための情報を提供することを含む、請求項14に記載のバイオフィルムの活性調整方法。

     
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