WO2022195643A1 - ブロックチェーンシステム、記憶装置及び管理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ユーザ装置自らが公開データを含むブロックを生成するブロックチェーンシステム等を提供する。 【解決手段】複数のユーザ装置と複数の記憶装置がネットワークを介して接続されるブロックチェーンシステムであって、前記ユーザ装置は、公開データを含むブロックを生成し、前記生成したブロックを前記記憶装置に送信し、前記記憶装置は、一列に配列される複数のブロックを記憶し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶するブロックチェーンシステム。

Description

ブロックチェーンシステム、記憶装置及び管理装置

　本発明は、ブロックチェーンシステム、記憶装置及び管理装置に関する。

　ブロックチェーンシステムが知られている（非特許文献１参照）。

Ｗｉｋｉｐｅｄｉａ、Ｂｌｏｃｋｃｈａｉｎ、［２０２１年２月２２日検索］、インターネット＜ＵＲＬ：　ｈｔｔｐｓ：／／ｅｎ．ｗｉｋｉｐｅｄｉａ．ｏｒｇ／ｗｉｋｉ／Ｂｌｏｃｋｃｈａｉｎ＞

　本発明の一実施形態は、ユーザ装置自らが公開データを含むブロックを生成するブロックチェーンシステム、及びこのブロックチェーンシステムで用いられる記憶装置及び管理装置を提供することを目的とする。

　本発明の一実施形態は次の構成を有する。

　複数のユーザ装置と複数の記憶装置がネットワークを介して接続されるブロックチェーンシステムであって、
　前記ユーザ装置は、公開データを含むブロックを生成し、前記生成したブロックを前記記憶装置に送信し、
　前記記憶装置は、一列に配列される複数のブロックを記憶し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶するブロックチェーンシステム。

　複数のユーザ装置と複数の記憶装置がネットワークを介して接続されるブロックチェーンシステムが備える前記記憶装置であって、
　ユーザ装置から、公開データを含むブロックを受信し、
　一列に配列される複数のブロックを記憶し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する記憶装置。

　上記のブロックチェーンシステムが備えるユーザ装置にネットワークを介して接続される管理装置であって、ユーザＩＤに対応付けて、前記ユーザ装置のユーザに関する非公開データを記憶する管理装置。

　本発明の一実施形態によれば、ユーザがブロックチェーンシステムの運営に主体的に関与することができる。

実施形態に係るブロックチェーンシステムの構成例を説明する図である。 ユーザ装置により公開データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明する図である。 ユーザ装置により公開データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明するフローチャートである。 公開データを含むブロックの構成例を説明する図である。 複数の記憶装置の間でブロックチェーンを同期する方法の一例を説明する図である。 複数の記憶装置の間でブロックチェーンを同期する方法の一例を説明する図である。 複数の記憶装置の間でブロックチェーンを同期する方法の一例を説明するフローチャートである。 記憶装置に報酬を付与する方法の一例を説明する図である。 記憶装置に報酬を付与する方法の一例を説明するフローチャートである。 報酬データを含むブロックの構成例を説明する図である。 ユーザ装置により評価データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明する図である。 ユーザ装置により評価データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明するフローチャートである。 評価データを含むブロックの構成例を説明する図である。 ユーザに報酬を付与する方法の一例を説明する図である。 ユーザに報酬を付与する方法の一例を説明するフローチャートである。 報酬データを含むブロックの構成例を説明する図である。 ユーザの非公開データを管理装置に記憶する方法の一例を説明するフローチャートである。 非公開データの記憶例を説明する図である。

［実施形態に係るブロックチェーンシステムの構成例］
　図１は、実施形態に係るブロックチェーンシステムの構成例を説明する図である。図１に示すように、ブロックチェーンシステムは、複数の記憶装置を備えている。ブロックチェーンは、複数の記憶装置それぞれに記憶される。複数の記憶装置にはネットワークを介して複数のユーザ装置が接続されている。複数のユーザ装置には、ネットワーウを介して管理装置が接続されていてもよい。

（ネットワーク構成）
　複数のユーザ装置は、ネットワークを介して、複数の記憶装置の少なくとも一つにアクセスすることができる。複数の記憶装置に含まれる一の記憶装置は、ネットワークを介して、複数の記憶装置に含まれる少なくとも他の一つの記憶装置にネットワークを介してアクセスすることができる。ユーザ装置同士は、ネットワークを介して互いに接続されていてもよいし、接続されていなくてもよい。管理装置は、ネットワークを介してすべてのユーザ装置からアクセスすることが可能である。ネットワークの一例にはインターネットのほか、ＬＡＮなどのローカルネットワークや専用回線が含まれる。

（ユーザ、ユーザ装置）
　ユーザは、ブロックチェーンシステムの利用者である。ユーザ装置は、ユーザにより操作される装置である。ユーザ装置の一例には、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、またはスマートウォッチなどが含まれる。実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、一例として、複数のユーザ装置が、ユーザＡにより操作されるユーザ装置Ａと、ユーザＢにより操作されるユーザ装置Ｂからなるものとする。ただし、これは一例であり、ユーザ装置の数は２台以上であればよく、２台に限定されない。

（記憶装置）
　記憶装置は、ブロックチェーンを記憶する装置である。記憶装置の操作者は特に限定されない。ユーザも記憶装置の操作者になることができる。また、ユーザ装置が記憶装置の機能を有することも可能である。記憶装置の一例には、サーバコンピュータやクラウドシステムなどのほか、ラップトップコンピュータやスマートフォンが含まれる。記憶装置は、ストアラー（Ｓｔｏｒｅｒ）と呼ぶこともできる。実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、一例として、複数の記憶装置が、記憶装置Ａと、記憶装置Ｂからなるものとする。ただし、これは一例であり、記憶装置の数は２台以上であればよく、２台に限定されない。

（ブロックチェーン）
　記憶装置にはブロックチェーンが記憶されている。ブロックチェーンとは、一列に配列された複数のブロックであって、前後に配列されているブロックがチェーンで互いに接続されているものをいう。チェーンで互いに接続されているとは、例えば、一列に配列された複数のブロックに含まれるｎ＋１番目（ｎは０以上の整数）のブロックが、ｎ番目のブロックを所定の関数に入力して出力される値を含んでいることをいう。所定の関数の一例には、ハッシュ関数などの一方向性を有する関数が含まれる。また、ｎ番目のブロックを所定の関数に入力して出力される値の一例には、ｎ番目のブロックのハッシュ値などの、一方向性を有する関数から出力される値が含まれる。ブロックチェーンは複数の記憶装置の間で同期することが可能である。

（ハッシュ値、ハッシュ関数）
　ハッシュ値はハッシュ関数を用いて算出される値である。ハッシュ関数は、入力の値が同じであれば、必ず同じ値を出力する関数である。ハッシュ関数では、入力される値が少しでも異なればまったく異なる値が出力される。このようなハッシュ関数やハッシュ値の性質は一方向性と呼ばれることがある。ハッシュ関数は所定の関数の一例であり、ハッシュ値は所定の関数に入力して出力される値の一例である。本発明では、ハッシュ値に代えて、あるいはハッシュ値とともに、他の関数で算出された値を用いることもできる。ただし、ブロックチェーンの耐改ざん性を高めるため、そのような他の関数及び他の値は、ハッシュ関数やハッシュ値と同様の一方向性を有していることが好ましい。以下の説明では、所定の関数とこの関数で算出された値としてハッシュ関数とハッシュ値を用いることとするが、所定の関数とこの関数で算出された値はこれらに限定されるものではない。

（ブロック）
　ブロックとは、複数のデータを含むデータの集合体である。

［公開データを含むブロック］
　図２は、ユーザ装置により公開データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明する図である。図２に示すように、実施形態では、記憶装置Ａにブロック１、２があらかじめ記憶されており、ユーザ装置Ａにより生成された公開データを含むブロック３が、記憶装置Ａが記憶するブロックチェーンに追加されるケースを一例として説明する。以下、図３を参照しつつ、詳細に説明する。

（ステップＳ１０１）
　まず、ユーザ装置Ａは、公開データを含むブロック３を生成する。ブロック３には、例えば、公開データのほか、ブロックＩＤ、ユーザＩＤ、公開データのハッシュ値、ユーザ装置Ａの位置情報、及びその他の情報を含めることができる。

（ブロックＩＤ）
　ブロックＩＤは、ブロックを特定する情報である。ブロックＩＤの一例には、連番や規則的な文字列などのようにブロックの配列の順番を一意に定めることができる情報が含まれる。このようにすれば、ブロックＩＤにより各ブロックの配列の順番を特定できる。

（ユーザＩＤ）
　ユーザＩＤは、ユーザを特定する情報である。ユーザＩＤにより、ユーザＡであるのかユーザＢであるのかを識別することができる。
（公開データ）

　公開データには、例えば、テキストデータ、画像データ、動画データ、及びオーディオデータの少なくとも１つが含まれている。公開データの一例には、ＳＮＳ（ソーシャルネットワーキングサービス）に投稿されるデータ、音楽共有サービスに投稿される音楽データ、動画共有サービスに投稿される動画データ、レシピサイトに投稿されるレシピ情報、飲食店情報サイトに投稿される飲食店を評価する情報、ホテルや民泊の評価サイトに投稿されるデータが含まれる。また、公開データの一例には、履歴書の管理システムで用いられる職歴に関するデータや、給与計算システムで用いられる給与に関するデータが含まれる。

　公開データは、暗号化されていてもよいし、暗号化されていなくてもよい。暗号化に用いた秘密鍵は、例えば、ユーザＡ自身のほか、ユーザＡの家族や友人などが保有することができる。秘密鍵は、これらの者が操作するユーザ装置や、ユーザ装置に接続されるデジタル署名装置などに記憶しておくことができる。

（位置情報）
　本明細書における位置情報の一例には、ＧＰＳ（Ｇｌｏｂａｌ　Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ）を用いて算出される位置データ（緯度・経度）や基地局から配信される位置データ（例：Ｔｏｋｙｏ、Ｊａｐａｎ、またはＡｓｉａ、あるいはこれらを組み合わせたデータ）が含まれる。

（ステップＳ１０２）
　次に、ユーザ装置Ａが、記憶装置Ａにブロック３を送信する。ユーザ装置Ａは、ブロック３を記憶装置Ａに送信するか記憶装置Ｂに送信するかを、各記憶装置の位置情報とユーザ装置Ａの位置情報を用いて判断することができる。ユーザ装置Ａが、最も近い位置に配置されている記憶装置にブロック３を送信するものとすれば、ブロックチェーンシステム全体のデータ処理効率・処理速度を高めることができる。実施形態では、記憶装置Ａが、記憶装置Ｂよりもユーザ装置Ａに近い位置に配置されているものとし、ユーザ装置Ａが記憶装置Ａにブロック３を送信するものとする。各記憶装置は、例えば、ユーザ装置において記憶装置の位置情報が利用可能となるよう、自装置の位置情報をすべてのユーザ装置にブロードキャストすることが好ましい。

（ステップＳ１０３）
　次に、記憶装置Ａが、ブロック２のハッシュ値をブロック３に追加する。このように、ブロック３の一つ前のブロックであるブロック２のハッシュ値がブロック３に追加されることにより、ブロック２とブロック３がチェーンで繋がれることになる。

（ステップＳ１０４）
　次に、記憶装置Ａが、ブロック２のハッシュ値が追加されたブロック３をブロックチェーンの最後尾に追加して記憶する。

　図４は、公開データを含むブロックの構成例を説明する。図４に示すように、ブロック３には、ブロックＩＤ、ユーザＩＤ、公開データ、公開データのハッシュ値、ユーザ装置の位置情報、及びその他の情報に加えて、１つ前のブロックのハッシュ値が含まれている。ブロック３に含まれる公開データを改ざんしようとする者は、ブロック３に含まれる公開データのハッシュ値を再計算しなければならないことに加えて、ブロック３以降に追加されるブロックに含まれる「１つ前のブロックのハッシュ値」をすべて再計算しなければ改ざんが発見されてしまうため、実施形態のブロックチェーンでは、事実上、改ざんを行うことが困難である。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、複数のユーザ装置（ユーザ装置Ａ及びユーザ装置Ｂ）と複数の記憶装置（記憶装置Ａ及び記憶装置Ｂ）を備えたブロックチェーンシステムであって、ユーザ装置（ユーザ装置Ａ）は、公開データを含むブロック（ブロック３）を生成し、この生成したブロック（ブロック３）を記憶装置（記憶装置Ａ）に送信し、記憶装置（記憶装置Ａ）は、一列に配列される複数のブロック（ブロック１、２）を記憶し、複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値（ブロック２のハッシュ値）を、ユーザ装置から受信したブロック（ブロック３）に追加し、この値が追加されたブロック（ブロック２のハッシュ値が追加されたブロック３）を複数のブロック（ブロック１、２）の最後尾に追加して記憶するブロックチェーンシステムである。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ユーザ装置Ａ自らが公開データを含むブロック３を生成し、記憶装置Ａがユーザ装置Ａから受信したブロック３を記憶装置Ａに記憶されるブロックチェーンに追加する。このように、ユーザ装置Ａ自らが公開データを含むブロック３を生成することにより、ユーザがブロックチェーンシステムの運営に主体的に関与することができる。また、ブロックチェーンに対するユーザの関与を高めることができる。

［ブロックチェーンの同期］
　図５Ａ、図５Ｂは、複数の記憶装置の間でブロックチェーンを同期する方法の一例を説明する図である。図５Ａ、図５Ｂに示すように、実施形態では、記憶装置Ａにブロック１、２、３が記憶されており、記憶装置Ｂにブロック１が記憶されているものとする。記憶装置Ａに記憶されているブロックチェーンは、ブロック１、２、３から構成されており、記憶装置Ｂに記憶されているブロックチェーンはブロック１から構成されているということもできる。実施形態では、記憶装置Ｂが、記憶装置Ａに記憶されるブロック２、３を記憶装置Ｂのブロックチェーンに追加するケースを一例として説明する。なお、本明細書において、同期とは、上記のように、一の記憶装置には記憶されているが他の記憶装置には記憶されていないブロックを他の記憶装置に記憶されているブロックに追加することをいう。以下、図６を参照しつつ、詳細に説明する。

（ステップＳ２０１）
　まず、記憶装置Ｂは、記憶装置Ａに記憶されているブロックチェーンの長さを確認する。ブロックチェーンの長さは、ブロックチェーンを構成するブロックの数や、ブロックチェーンのデータサイズで確認することができる。データサイズとはビットやバイトなどの単位で表されるデータの容量のことをいう。確認の一例には、ブロックチェーンの長さを読み出すことが含まれる。

（ステップＳ２０２）
　次に、記憶装置Ｂは、記憶装置Ａに記憶されているブロックチェーンが記憶装置Ｂに記憶されるブロックチェーンよりも長いかどうかを判断する。長いかどうかは、ステップＳ２０１で確認したブロックチェーンの長さを比較することにより判断することができる。

（ステップＳ２０３）
　ステップＳ２０２で長いと判断される場合、記憶装置Ｂは、記憶装置Ａに記憶されるブロックチェーンのハッシュ値（Ｘ）を計算する。実施形態では、記憶装置Ａのブロックチェーンがブロック１、２、３で構成されているので、記憶装置Ａに記憶されるブロック１、２、３の全体をハッシュ関数に入力して出力されるハッシュ値を計算するものとする。

（ステップＳ２０４）
　次に、記憶装置Ｂは、記憶装置Ｂに記憶されているブロック１と記憶装置Ａに記憶されているブロック２、３とをハッシュ関数に入力して出力されるハッシュ値（Ｙ）を計算する。つまり、記憶装置Ｂは、実際にブロック１にブロック２、３を追加する前に、ブロック１にブロック２、３を追加したと仮定した場合に構成されるブロックチェーンのハッシュ値（Ｙ）を計算する。

（ステップＳ２０５、Ｓ２０６）
　次に、記憶装置Ｂは、ステップＳ２０３で計算したハッシュ値ＸとステップＳ２０４で計算したハッシュ値Ｙが一致するかどうかを判断し、一致する場合には、実際にブロック１にブロック２、３を追加する。一致しない場合、記憶装置Ｂは、ブロック１にブロック２、３を追加しない。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンでは、記憶装置（記憶装置Ｂ）は、他の記憶装置（記憶装置Ａ）に記憶されるブロックチェーンが自装置に記憶されるブロックチェーンよりも長い場合、他の記憶装置（記憶装置Ａ）に記憶されるブロックチェーンを所定の関数に入力して出力される値と、他の記憶装置（記憶装置Ａ）が記憶する自装置に記憶されていないブロック（ブロック２、３）と自装置に記憶されているブロック（ブロック１）を所定の関数に入力して出力される値が、一致するかどうかを判断し、一致する場合に限り、自装置に記憶されていないブロック（ブロック２、３）を自装置に記憶されているブロック（ブロック１）に追加する。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、記憶装置Ｂは、実際にブロック１にブロック２、３を追加する前に、ハッシュ値を用いてブロックチェーンの比較を行うため、ブロックチェーンの同期を行うタイミングで、ブロックチェーンの改ざんを発見することが可能である。また、改ざんされたブロックチェーンが複数の記憶装置間で同期されて広がってしまうことを防止することができる。

［報酬データを含むブロック］
　図７は、記憶装置Ａに報酬を付与する方法の一例を説明する図である。図７に示すように、実施形態に係るブロックチェーンでは、記憶装置Ｂが、記憶装置Ａから受信した記憶装置Ａの情報に基づいて報酬データを決定し、この決定した報酬データを含むブロック４を生成してこれを記憶装置Ｂのブロックチェーンに追加するケースを一例として説明する。以下、図８を参照しつつ、詳細に説明する。

（ステップＳ３０１）
　まず、記憶装置Ａが、記憶装置Ａの情報を記憶装置Ｂに送信する。記憶装置Ａの情報の一例には、記憶装置Ａに記憶されているブロックチェーンの長さ、記憶装置Ａがユーザ装置からブロックを受信して記憶装置Ａのブロックチェーンに追加したブロックの数や当該追加に要した時間の合計値、記憶装置Ａの位置情報が含まれる。

（ステップＳ３０２）
　次に、記憶装置Ｂが、記憶装置Ａから受信した情報に基づいて、記憶装置Ａに関する報酬データを決定する。報酬データには、少なくとも、報酬量と、報酬が付与される記憶装置の記憶装置ＩＤが、含まれる。実施形態では、記憶装置Ａの記憶装置ＩＤと、記憶装置Ａに付与する報酬量が、少なくとも報酬データに含まれるものとする。

（ステップＳ３０３）
　次に、記憶装置Ｂが、報酬データを含むブロック４を生成する。ブロック４には、例えば、報酬データのほか、ブロックＩＤ、記憶装置ＩＤ、報酬データのハッシュ値、記憶装置Ｂの位置情報、及びその他の情報を含めることができる。

（記憶装置ＩＤ）
　記憶装置ＩＤは、記憶装置を特定する情報である。記憶装置ＩＤにより、記憶装置Ａであるのか記憶装置Ｂであるのかを識別することができる。

（ステップＳ３０４）
　次に、記憶装置Ｂは、ブロック３のハッシュ値をブロック４に追加し、このハッシュ値が追加されたブロック４を記憶装置Ｂに記憶されている複数のブロック（ブロック１、２、３）の最後尾に追加して記憶する。これにより、ブロック３とブロック４がチェーンで繋がれる。

　図９は、報酬データを含むブロックの構成例を説明する図である。図９に示すように、ブロック４には、１つ前のブロック３のハッシュ値が含まれる。このため、実施形態のブロックチェーンでは、事実上、ブロックに含まれるデータの改ざんを行うことが困難である。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、記憶装置（記憶装置Ｂ）は、他の記憶装置（記憶装置Ａ）から他の記憶装置に関する情報（記憶装置Ａに関する情報）を受信し、この受信した情報に基づいて報酬データを決定し、この決定した報酬データを含むブロック（ブロック４）を生成し、複数のブロック（ブロック１、２、３）の最後尾に位置するブロック（ブロック３）を所定の関数に入力して出力される値（ブロック３のハッシュ値）を生成したブロック（ブロック４）に追加し、この値が追加されたブロック（ブロック３のハッシュ値が追加されたブロック４）を複数のブロック（ブロック１、２、３）の最後尾に追加して記憶する。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ある記憶装置に対して付与する報酬が、他の記憶装置により決定され、この決定された報酬データが、ブロックチェーンを構成するブロックの一部として記憶される。

［評価データを含むブロック］
　図１０は、ユーザ装置により評価データを含むブロックを生成してこれをブロックチェーンに追加する方法の一例を説明する図である。図１０に示すように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、ユーザ装置Ｂにより生成された評価データを含むブロック５が、記憶装置Ｂが記憶するブロックチェーンに追加されるケースを一例として説明する。以下、図１１を参照しつつ、詳細に説明する。

（ステップＳ４０１）
　まず、ユーザ装置Ｂは、評価データを含むブロック５を生成する。ブロック５には、例えば、評価データのほか、ブロックＩＤ、ユーザＩＤ、公開データのハッシュ値、ユーザ装置Ｂの位置情報、及びその他の情報を含めることができる。

（評価データ）
　評価データは、公開データを評価するデータである。実施形態では、ユーザ装置Ｂのユーザが、ブロック３に含まれる公開データをＷｅｂブラウザなどで閲覧して、当該公開データを評価するものとする。評価データには、評価を示す情報とユーザＩＤが少なくとも含まれる。評価を示す情報の一例には、「ＧＯＯＤ」や「ＢＡＤ」などのほか、「６０点」や「８０点」等の点数が含まれる。評価データに含まれるユーザＩＤは、評価の対象となる公開データをブロックに含めたユーザのユーザＩＤ（つまり、当該公開データと同じブロックに含まれているユーザＩＤ）である。

（ステップＳ４０２）
　次に、ユーザ装置Ｂが、記憶装置Ｂにブロック５を送信する。ユーザ装置Ｂが記憶装置の位置情報を用いてブロック５を送信する記憶装置を決定できることは、上記したユーザ装置Ａがブロック３を送信する場合と同じであるので、説明を省略する。

（ステップＳ４０３）
　次に、記憶装置Ｂが、ブロック４のハッシュ値をブロック５に追加する。これにより、ブロック５とブロック４がチェーンで繋がれることになる。

（ステップＳ４０４）
　次に、記憶装置Ｂが、ブロック４のハッシュ値が追加されたブロック５をブロックチェーンの最後尾に追加して記憶する。

　図１２は、評価データを含むブロックの構成例を説明する図である。図１２に示すように、ブロック５には、ブロックＩＤ、ユーザＩＤ、評価データ、評価データのハッシュ値、ユーザ装置の位置情報、及びその他の情報に加えて、ブロックチェーンの改ざんを行うことが困難となるよう、１つ前のブロック４のハッシュ値が含まれている。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、ユーザ装置（ユーザ装置Ｂ）は、評価データを含むブロック（ブロック５）を生成し、この生成したブロック（ブロック５）を記憶装置（記憶装置Ｂ）に送信し、記憶装置（記憶装置Ｂ）は、複数のブロック（ブロック１、２、３、４）の最後尾に位置するブロック（ブロック４）を所定の関数に入力して出力される値（ブロック４のハッシュ値）を、ユーザ装置（ユーザ装置Ｂ）から受信したブロック（ブロック５）に追加し、この値が追加されたブロック（ブロック４のハッシュ値が追加されたブロック５）を複数のブロック（ブロック１、２、３、４）の最後尾に追加して記憶する。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、評価データを含むブロックがユーザ装置により生成され、これが記憶装置によりブロックチェーンの一部として追加される。このため、ユーザがブロックチェーンシステムの運営に主体的に関与することができる。

［ユーザに付与する報酬データを含むブロック］
　図１３は、ユーザに報酬を付与する方法の一例を説明する図である。図１３に示すように、実施形態では、記憶装置ＢがユーザＡに付与する報酬データを決定し、この決定した報酬データを含むブロック６を生成してこれを記憶装置Ｂのブロックチェーンに追加するケースを一例として説明する。以下、図１４を参照しつつ、詳細に説明する。

（ステップＳ５０１）
　まず、記憶装置Ｂが、記憶装置Ｂのブロックチェーンに含まれる評価データに基づいて、ユーザＡに付与する報酬データを決定する。この報酬データには、報酬量とユーザＩＤが少なくとも含まれる。報酬量は評価データに基づいて決定される。評価データが含まれるブロックは、ブロックチェーンに含まれるすべてのブロックであってもよいし、所定のブロック（例えば所定の期間内に追加されたブロックや所定の位置情報を含むブロック）であってもよい。報酬データに含まれるユーザＩＤは、報酬が付与されるユーザのユーザＩＤであり、実施形態ではユーザＡのユーザＩＤである。

（ステップＳ５０２）
　次に、記憶装置Ｂが、ユーザＡに付与する報酬データを含むブロック６を生成する。ブロック６には、例えば、報酬データのほか、ブロックＩＤ、記憶装置ＩＤ、報酬データのハッシュ値、記憶装置Ｂの位置情報、及びその他の情報を含めることができる。

（ステップＳ５０３）
　次に、記憶装置Ｂが、ブロック５のハッシュ値をブロック６に追加する。このように、ブロック６の一つ前のブロックであるブロック５のハッシュ値がブロック６に追加されることにより、ブロック５とブロック６がチェーンで繋がれる。

（ステップＳ５０４）
　次に、記憶装置Ｂが、ブロック５のハッシュ値が追加されたブロック６をブロックチェーンの最後尾に追加して記憶する。

　図１５は、ユーザに対する報酬データを含むブロック６の構成例を説明する。図１５に示すように、ブロック６には、ブロックチェーンの改ざんが困難となるように、１つ前のブロック５のハッシュ値が含まれる。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、記憶装置（記憶装置Ｂ）は、評価データに基づいて報酬データを決定し、この決定した報酬データを含むブロック（ブロック６）を生成し、複数のブロック（ブロック１、２、３、４、５）の最後尾に位置するブロック（ブロック５）を所定の関数に入力して出力される値（ブロック５のハッシュ値）を生成したブロック（ブロック６）に追加し、この値が追加されたブロック（ブロック５のハッシュ値が追加されたブロック６）を複数のブロック（ブロック１、２、３、４、５）の最後尾に追加して記憶する。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、あるユーザに対して付与する報酬量が、記憶装置により決定され、この決定された報酬量を含む報酬データが、ブロックチェーンを構成するブロックの一部として記憶される。

［非公開データの管理］
　図１６は、ユーザの非公開データを管理装置に記憶する方法の一例を説明する図である。実施形態では、ユーザ装置ＡのユーザＡが非公開データを管理装置に記憶するケースを一例として説明する。以下、図１６を参照しつつ、説明する。

（ステップＳ６０１）
　まず、ユーザ装置Ａが、非公開データを管理装置に送信する。非公開データの一例には、ユーザＡの氏名、ニックネーム、住所、電話番号、及びその他の情報が含まれる。

（ステップＳ６０２）
　次に、管理装置は、ユーザ装置Ａから受信した公開データをユーザＡのユーザＩＤに対応付けて記憶する。管理装置は、例えば、図１７に示すように、テーブル形式で非公開データをユーザＩＤに対応付けて記憶することができる。

　以上説明したように、実施形態に係るブロックチェーンシステムでは、管理装置であって、ユーザＩＤに対応付けて、ユーザ装置のユーザに関する非公開データを記憶する。

　実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ユーザのプライバシーを確保しつつ、ユーザによる公開データをブロックチェーン上で公開することができる。また、ユーザの非公開データはブロックチェーン上には記憶されていないため、ユーザのプライバシーを確保しつつ、ブロックチェーン上の公開データなどを解析して統計的なデータを取得することもできる。

　以上説明した実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ユーザによる公開データを第三者や管理装置を介さずにネットワーク上に公開することができる。また、ユーザは、第三者や管理装置を介さずに、他のユーザによる公開データを評価し、この評価をネットワーク上に公開することができる。このため、実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ユーザがブロックチェーンシステムの運営に主体的に関与することができる。どのような公開データを公開し、また他のユーザによる公開データをどのように評価するかは、第三者や管理装置ではなく、複数のユーザにより民主的に決定される。公開データを公開したり評価したりする決定権は、第三者や管理装置ではなく、複数のユーザにある。実施形態に係るブロックチェーンシステムによれば、ユーザや記憶装置に対して、第三者や管理装置を介さずに、報酬を付与することができる。報酬の付与に第三者や管理装置を関与させないことにより、ブロックチェーンシステムのセキュリティを高めることができる。また、公開データやその評価、及び報酬が不正に操作されることを防止することができる。

　本明細書において、報酬の一例には、コインが含まれる。また、報酬量の一例はコインの枚数が含まれる。

　本明細書において、ブロックの配列の順番を決定する方法の一例には、ブロックＩＤを用いる方法のほか、ブロックが記憶される記憶手段のメモリアドレスなどのその他の情報を用いる方法が含まれる。あるブロックは、このような様々な情報を用いて、記憶装置においてブロックチェーンの最後尾に記憶することができる。例えば、ブロックＩＤを比較することにより複数のブロックの配列の順番を特定できる場合は、ブロックにブロックＩＤを含ませることにより、複数のブロックを配列させることができる。例えば、ブロックＩＤ＝１のブロック１とブロックＩＤ＝２のブロック２からなるブロックチェーンが存在する場合において、ブロックＩＤ＝３のブロック３を生成して記憶装置に記憶することにより、当該記憶装置において、ブロック３をブロックチェーンの最後尾に追加して記憶することができる。また、メモリアドレスを比較することにより複数のブロックの配列の順番を特定できる場合は、メモリアドレスを管理などすることにより、当該生成したブロックをブロックチェーンの最後尾に追加して記憶することができる。

　ユーザＩＤは、例えば、ユーザ装置により生成されてもよいし、例えば管理装置によって生成されてもよい。管理装置によってユーザ装置が生成される場合、ユーザ装置は、例えば、管理装置からユーザＩＤを受信や通知などされるものとする。

　以上、実施形態について説明したが、これらの説明は一例を示すものであり、これらの説明によって請求の範囲に記載された構成は何ら限定されるものではない。上記の説明と異なる形態であっても、請求の範囲に記載された構成を備える形態であれば、本発明の効果を奏するものであり、本発明に含まれる。

　実施形態に係るブロックチェーンシステム、記憶装置、及び管理装置は、様々なサービスで利用することができるが、特に、ＳＮＳなどのほか、音楽共有サービス、動画共有サービス、レシピサイト、飲食店情報サイト、その他ホテルや民泊の評価サイトなどのような、複数のユーザが主体的にネットワーク上に情報（公開データ）を共有するサービスでの利用に適している。このようなサービスに実施形態に係るブロックチェーンシステムを用いれば、公開データをブロックチェーン上で管理する一方で、ユーザの氏名などは非公開データとして管理装置で管理できるので、個人情報が保護された状態で、例えば、公開データを第三者や管理装置が解析などを行い、ユーザ等に対して有益な情報やサービスを提供することが可能となる。

　また、実施形態に係るブロックチェーンシステム、記憶装置、及び管理装置は、例えば、履歴書の管理システムや給与計算システムなどでの利用にも適している。このようなサービスに実施形態に係るブロックチェーンシステムを用いれば、職歴や給与を公開データとしてブロックチェーン上で管理する一方で、ユーザの氏名などは非公開データとして管理装置で管理できるので、個人情報の保護が保たれた状態で、例えば、職歴や給与などを社内で共有したり解析したりなどすることが可能となる。
 

Claims (11)

1. 　複数のユーザ装置と複数の記憶装置がネットワークを介して接続されるブロックチェーンシステムであって、
   　前記ユーザ装置は、公開データを含むブロックを生成し、前記生成したブロックを前記記憶装置に送信し、
   　前記記憶装置は、一列に配列される複数のブロックを記憶し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶するブロックチェーンシステム。
2. 　前記記憶装置は、他の前記記憶装置に記憶されるブロックチェーンが自装置に記憶されるブロックチェーンよりも長い場合、他の前記記憶装置に記憶されるブロックチェーンを所定の関数に入力して出力される値と、他の前記記憶装置が記憶する自装置に記憶されていないブロックと自装置に記憶されているブロックを所定の関数に入力して出力される値が、一致するかどうかを判断し、一致する場合に限り、前記自装置に記憶されていないブロックを前記自装置に記憶されているブロックに追加する請求項１に記載のブロックチェーンシステム。
3. 　前記記憶装置は、他の前記記憶装置から他の前記記憶装置に関する情報を受信し、前記受信した情報に基づいて報酬データを決定し、前記決定した報酬データを含むブロックを生成し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記生成したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項１または２に記載のブロックチェーンシステム。
4. 　前記ユーザ装置は、評価データを含むブロックを生成し、前記生成したブロックを前記記憶装置に送信し、
   　前記記憶装置は、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項１から３のいずれか一項に記載のブロックチェーンシステム。
5. 　前記記憶装置は、前記評価データに基づいて報酬データを決定し、前記決定した報酬データを含むブロックを生成し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記生成したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項４に記載のブロックチェーンシステム。
6. 　複数のユーザ装置と複数の記憶装置がネットワークを介して接続されるブロックチェーンシステムが備える前記記憶装置であって、
   　ユーザ装置から、公開データを含むブロックを受信し、
   　一列に配列される複数のブロックを記憶し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する記憶装置。
7. 　他の記憶装置に記憶されるブロックチェーンが自装置に記憶されるブロックチェーンよりも長い場合、他の記憶装置に記憶されるブロックチェーンを所定の関数に入力して出力される値と、他の記憶装置が記憶する自装置に記憶されていないブロックと自装置に記憶されているブロックを所定の関数に入力して出力される値が、一致するかどうかを判断し、一致する場合に限り、自装置に記憶されていないブロックを自装置に記憶されているブロックに追加する請求項６に記載の記憶装置。
8. 　他の前記記憶装置から他の前記記憶装置に関する情報を受信し、他の前記記憶装置から受信した情報に基づいて報酬データを決定し、前記決定した報酬データを含むブロックを生成し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記生成したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項６または７に記載の記憶装置。
9. 　ユーザ装置から、評価データを含むブロックを受信し、
   　前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記ユーザ装置から受信したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項６から７のいずれか一項に記載の記憶装置。
10. 　前記評価データに基づいて報酬データを決定し、前記決定した報酬データを含むブロックを生成し、前記複数のブロックの最後尾に位置するブロックを所定の関数に入力して出力される値を前記生成したブロックに追加し、前記値が追加されたブロックを前記複数のブロックの最後尾に追加して記憶する請求項９に記載の記憶装置。
11. 　請求項１から５のいずれか一項に記載のブロックチェーンシステムが備えるユーザ装置にネットワークを介して接続される管理装置であって、
    　ユーザＩＤに対応付けて、前記ユーザ装置のユーザに関する非公開データを記憶する管理装置。
     

Images