WO2022113553A1 - センサタグ、及び状態検出システム - Google Patents

センサタグ、及び状態検出システム Download PDF

Info

Publication number
WO2022113553A1
WO2022113553A1 PCT/JP2021/037938 JP2021037938W WO2022113553A1 WO 2022113553 A1 WO2022113553 A1 WO 2022113553A1 JP 2021037938 W JP2021037938 W JP 2021037938W WO 2022113553 A1 WO2022113553 A1 WO 2022113553A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
sensor
resonator
change
conversion unit
sensor tag
Prior art date
Application number
PCT/JP2021/037938
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
三郎 平岡
拓己 石渡
健 波木井
Original Assignee
コニカミノルタ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コニカミノルタ株式会社 filed Critical コニカミノルタ株式会社
Priority to JP2022565106A priority Critical patent/JPWO2022113553A1/ja
Publication of WO2022113553A1 publication Critical patent/WO2022113553A1/ja

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06KGRAPHICAL DATA READING; PRESENTATION OF DATA; RECORD CARRIERS; HANDLING RECORD CARRIERS
    • G06K19/00Record carriers for use with machines and with at least a part designed to carry digital markings
    • G06K19/06Record carriers for use with machines and with at least a part designed to carry digital markings characterised by the kind of the digital marking, e.g. shape, nature, code
    • G06K19/067Record carriers with conductive marks, printed circuits or semiconductor circuit elements, e.g. credit or identity cards also with resonating or responding marks without active components
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06KGRAPHICAL DATA READING; PRESENTATION OF DATA; RECORD CARRIERS; HANDLING RECORD CARRIERS
    • G06K7/00Methods or arrangements for sensing record carriers, e.g. for reading patterns
    • G06K7/08Methods or arrangements for sensing record carriers, e.g. for reading patterns by means detecting the change of an electrostatic or magnetic field, e.g. by detecting change of capacitance between electrodes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)

Abstract

電磁波読み取り式の状態検出システムに適用されるセンサタグであって、基材(11)と、基材(11)上に形成され、外部から照射される特定周波数の電磁波と共振して、電磁波を反射又は吸収する共振器(13Q)と、共振器(13Q)と接して配設され、周囲雰囲気中の特定の物理的変化に応じて物性変化する材料で構成されており、自身の物性変化により、共振器(13Q)の電磁波反射特性を変化させる変換部(14)と、を備える。

Description

センサタグ、及び状態検出システム
 本開示は、センサタグ、及び状態検出システムに関する。
 近年、センシングニーズは多様化し、種々の用途で状態検出が求められている。かような状態検出に対し、半導体センサが上市されているが、IoTセンサとして活用するにはバッテリ確保、耐久性、サイズ(大きさ)に課題を有し、広く活用されるに至っていない。
 かかる課題に対し、バッテリやICチップを含まず、印刷でも作製可能な電磁波読取式のセンサタグを用いた状態検出システムが提案されている。
 この種の状態検出システムは、一般に、共振器を有し、検出対象と同一空間内に載置されたセンサタグと、電磁波を送受信するリーダーと、によって構成される。そして、この種の状態検出システムでは、リーダーにて、センサタグに対して電磁波を送信した際の当該センサタグからの反射波を受信することによって、当該センサタグの電磁波反射特性の変化を取得し、これにより、当該センサタグの状態変化(即ち、検出対象の状態変化)を検出する手法が用いられる。
 例えば、特許文献1には、おむつや尿吸着パットにLC共振タグを装着して、おむつや尿吸着パットが排出物を吸収することによるLC共振タグの共振周波数の変化から物体の状態変化(汚れ)を検出する状態検出システムが開示されている。特許文献1では、定期的に、LC共振タグの共振周波数を特定することによって、LC共振タグの共振周波数の変化を捉え、これにより、物体の状態変化(汚れ)を検出する手法を採用している(ピークピック法とも称される)。
特開2001-134726号公報
 ところで、この種の状態検出システムを実用化するにあたって、センサタグの示すシグナル(ここでは、電磁波反射特性)から検出対象の状態を推定した際のその正確度の確保が喫緊の課題である。
 特に、近年、この種の状態検出システムを物品の機能や品質の状態検出に利用することも検討されており、かかる用途においては、種々の物理的変化が絡み合って物品の状態変化が誘起することもあって、従来技術に係る状態検出システムでは、正確度を確保することがより一層困難となっている。例えば、特許文献1の従来技術では、LC共振タグの共振器の共振周波数の変化を引き起こす要因は、尿吸着パットの水分含有量の変化のみであり、且つ、当該共振周波数の変化から、尿吸着パットの水分含有量を線形的に捉えられるという前提を有している。そのため、特許文献1の従来技術は、物品の品質状態の検出の用途のように、周囲雰囲気の温度や湿度等、種々の物理的変化が絡み合って状態変化が誘起する検出対象には使用することができない。
 又、正確な状態検出のためには、ノイズ要因の除去は、不可欠であり、共振器のみで構成された特許文献1の従来技術のLC共振タグは、その点でも改善の余地がある。
 本開示は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、電磁波読取式の状態検出システムに適用され、より正確な状態検出を可能とするセンサタグ、及び状態検出システムを提供することを目的とする。
 前述した課題を解決する主たる本開示は、
 電磁波読み取り式の状態検出システムに適用されるセンサタグであって、
 基材と、
 前記基材上に形成され、外部から照射される特定周波数の電磁波と共振して、前記電磁波を反射又は吸収する共振器と、
 前記共振器と接して配設され、周囲雰囲気中の特定の物理的変化に応じて物性変化する材料で構成されており、自身の物性変化により、前記共振器の電磁波反射特性を変化させる変換部と、
 を備えるセンサタグである。
 又、他の局面では、
 前記センサタグと、
 前記センサタグに対して、電磁波を照射して、前記センサタグの反射波スペクトル情報を取得するリーダーと、
 前記センサタグの前記反射波スペクトル情報に基づいて、検出対象の状態を推定する解析装置と、
 を備える状態検出システムである。
 本開示に係るセンサタグによれば、より正確な状態検出が可能となる。
状態検出システムの構成の一例を示す図 センサの構成の一例を示す図(斜視図) センサの構成の一例を示す図(平面図) センサの構成の一例を示す図(側面断面図) センサの反射波スペクトルの一例を示す図 状態検出システムにて、状態検出を行うメカニズムを説明する図 周囲環境の変化に応じた共振器の電磁波反射特性の変化の一例を示す図 周囲環境の変化に応じた共振器の電磁波反射特性の変化の一例を示す図 変換部の詳細構成及び機能について、説明する図 変換部の詳細構成及び機能について、説明する図 変形例1に係るセンサの構成を示す図(平面図) 変形例1に係るセンサの構成を示す図(側面断面図) 変形例2に係るセンサの構成を示す図(平面図) 変形例2に係るセンサの構成を示す図(側面断面図) 本願発明に係るセンサの反射波スペクトルの温度変化時の挙動を示す図(左図) 本願発明に係るセンサの反射波スペクトルの湿度変化時の挙動を示す図(左図) 検証実験の評価対象のセンサの構造、及び、評価対象のセンサの評価結果を示す図 検証実験で、学習モデルに対して機械学習を施した際の教師データの作成条件を示す図 検証実験で、機械学習を施した学習モデルを用いて、状態検出システムの性能評価を行った際のテストデータの作成条件を示す図
 以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[状態検出システムの基本構成]
 まず、図1~図2を参照して、一実施形態に係る状態検出システムの基本構成について説明する。
 図1は、状態検出システムUの構成の一例を示す図である。
 状態検出システムUは、センサタグ(以下、「センサ」と略称する)1、リーダー2、及び、解析装置3を備えている。
 ここで、センサ1は、周囲環境の状態変化に感応する状態で配された共振器13Qを有し、外部(ここでは、リーダー2)から照射された電磁波に対する反射特性(以下、「センサ1の電磁波反射特性」又は「センサ1の反射波スペクトル」とも称する)の変化として、検出対象の状態変化を検出する。リーダー2は、センサ1に対して電磁波を送信すると共にその反射波を受信して、センサ1の現時点の反射波スペクトルのデータを取得する。解析装置3は、センサ1の現時点の反射波スペクトルのデータ解析を行って、センサ1の検出対象の現時点の状態を推定する。
 尚、本実施形態では、状態検出システムUが、物品の劣化度合いを検出する用途に適用される態様について説明する。但し、本発明の状態検出システムUは、センサ1の周囲環境の特定の物理的変化そのものを検出対象としてもよい。
[センサの構成]
 まず、図2A~図6Bを参照して、センサ1の構成の一例について説明する。本実施形態に係るセンサ1は、例えば、物品の劣化度合いを検出するべく、当該物品と同一空間内に配設されている。そして、センサ1は、物品が存在する空間内の状態変化(例えば、温度や湿度)を検出し、かかる状態変化に係る情報を反射波スペクトルの変化として、リーダー2及び解析装置3に対して受け渡す。
 図2A~図2Cは、センサ1の構成の一例を示す図である。図2Aは、センサ1の斜視図を示し、図2Bは、センサ1の平面図を示し、図2Cは、センサ1の図2BのT1-T1’の位置における側面断面図を示す。
 図3は、図2A~図2Cに示すセンサ1の反射波スペクトル(反射波の周波数スペクトル)の一例を示す図である。尚、図3のプロットは、リーダー2に取得された各送信周波数における反射波強度のデータである。
 図4は、状態検出システムUにて、状態検出を行うメカニズムの一例を説明する図である。
 図5A、図5Bは、周囲環境の変化に応じた共振器13Qの電磁波反射特性の変化の一例を示す図である。
 センサ1は、例えば、基材11と、当該基材11上に配設された共振器13Qを構成する導体パターン層12と、共振器13Qに接して配設された変換部14と、を備えている。
 基材11は、例えば、紙材又は樹脂材等の誘電体材料である。基材11の形態は、板状のものに限らず、湾曲状又は筒状等のものであってよい。換言すると、共振器13Qは、包装材又は容器等の物品上に直接形成されてもよい。又、基材11は、センサ1にて検出される対象そのものであってもよい。
 導体パターン層12は、アルミ材や銅材等の導電材料で形成されている。導体パターン層12は、例えば、印刷法で形成された塗布層、又は箔転写法で形成された金属箔層である。
 導体パターン層12は、少なくとも一つの共振器13Qを有する。共振器13Qは、外部から所定の周波数の電磁波が照射された際に共振し、当該電磁波を吸収又は反射(本実施形態では、吸収)する。そして、センサ1は、共振器13Qの共振周波数に合致する周波数の電磁波を吸収し、それ以外の周波数の電磁波が照射された場合には反射する反射スペクトルを有する(図3を参照)。
 共振器13Qの共振周波数は、共振器13Qの形状で定まる。本実施形態に係る共振器13Qは、導体パターン層12に形成された長方形状のスロット13a~13bにより構成されている(スロットアンテナとも称される)。本実施形態に係るセンサ1は、互いに異なる共振周波数を有する2つの共振器13Qa~13Qb(以下、「第1共振器13Qa、及び、第2共振器13Qb」とも称する)を有している。具体的には、第1共振器13Qaは、第1周波数faに対応する波長の略λ/2程度の長さの長方形状のスロット13aにより構成され、第2共振器13Qbは、第2周波数fbに対応する波長の略λ/2程度の長さの長方形状のスロット13bにより構成されている。
 図3の反射波スペクトル中の周波数faにおける共振ピークは、第1共振器13Qaの共振による電力損失(吸収)を表し、周波数fbにおける共振ピークは、第2共振器13Qbの共振による電力損失(吸収)を表している。又、反射波スペクトル中のベースバンド領域は、第1共振器13Qa及び第2共振器13Qbがいずれも共振していないときの導体パターン層12からの電磁波の反射を表している。
 但し、共振器13Qの形態は、図2A~図2Cの態様に限定されない。共振器13Qは、例えば、リング状に形成されてもよいし、U字状に形成されてもよい。又、共振器13Qは、ストリップ導体により形成されてもよい。
 本実施形態においては、センサ1が示す検出対象の状態情報は、センサ1の反射波スペクトルのパターンにより表現され、例えば反射波スペクトル中に表れる共振ピークの表出態様(共振ピークの位置、共振ピークの数、又は、複数の共振ピークのピーク間の間隔等)により、表現される。
 変換部14は、周囲環境の特定の物理的変化に応じて物性変化する材料で形成されている。変換部14は、共振器13Qと接して配設され、自身の物性変化により、共振器13Qの電磁波反射特性を変化させる。即ち、センサ1は、変換部14の物性変化が、検出対象の状態の変化に連動するように構成される。そして、センサ1は、リーダー2から電磁波を照射された際の反射波スペクトルの変化によって、検出対象の状態の変化を、リーダー2に推定させる。
 変換部14としては、センサ1の検出対象の状態変化(本実施形態では、物品の劣化度合い)と相関を有する特定の物理的変化に感応する材料が用いられる。センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中の湿度と相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、吸湿材が用いられる。又、センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中の温度と相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、熱膨張特性を有する材料が用いられる。又、センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中のガス濃度と相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、化学物質吸着材を有する材料が用いられる。又、センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中の光量と相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、光応答性を有する材料が用いられる。又、センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中のpHと相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、化学物質吸着材が用いられる。又、センサ1の検出対象の状態が、周囲雰囲気中の磁気強度と相関を有する場合には、変換部14としては、例えば、磁性流体が用いられる。
 尚、本実施形態に係るセンサ1では、物品の劣化度合いを検出するべく、変換部14aとしては、周囲雰囲気中の湿度変化に起因して物性変化する材料が用いられ、変換部14bとしては、周囲雰囲気中の温度変化に起因して物性変化する材料が用いられている(後述)。但し、センサ1の検出対象が、特定の物理的変化そのものである場合には、変換部14としては、当該物理的変化そのものによって自身が物性変化する材料が用いられればよい。
 ここで、変換部14の材料は、自身が感応する特定の物理的変化に応じて、誘電率、誘電正接(tanδ)、又は導電率の少なくとも一つが変化する材料で構成される。そして、変換部14は、当該物理的変化が生じた際に、自身の誘電率、誘電正接、又は導電率の変化を通じて、共振器13Qの近接領域の誘電率、誘電正接、又は、導電率を変化させ、共振器13Qの電磁波反射特性変化を変化させる。例えば、共振器13Qの近接領域の誘電率及び誘電正接の変化により、共振器13Qの共振周波数の変化が誘起し(図5Aを参照)、共振器13Qの近接領域の導電率の変化により、共振器13Qが共振した際の共振ピークのピーク強度の変化が誘起する(図5Bを参照)。つまり、センサ1の周囲環境の変化は、センサ1の反射波スペクトルにおける、共振ピーク位置(即ち、共振周波数)の変化、又は、共振ピークのピーク強度の変化として、検出されることになる。
 変換部14の材料としては、例えば、液晶材料(例えば、ネマティック液晶、コレステリック液晶)、相転移材料(例えば、ワックス、マイクロカプセル、フェナントレン)、又は、熱や光に応答して重合、架橋、分解される刺激性不可逆反応性材料等が用いられてもよい。これらの材料は、周囲環境の状態変化から、変換部14の誘電率変化を効果的に引き起こすことが可能である。
 又、変換部14の材料としては、例えば、活性点(ガス分子を吸着する銅錯体のように、外部環境の変化を受けて半導体を導体に変換する物質)がドープされた半導体、異方導電体、又は、共振部を形成する導体に対しイオン化傾向の異なる金属がドープされた導電体等が用いられてもよい。これらの材料は、周囲環境の状態変化から、変換部14の導電率変化を効果的に引き起こすことが可能である。
 又、センサ1の検出対象が、物品の性能劣化の度合い等の場合には、変換部14の材料としては、自身が感応する物理的変化に応じて、不可逆的に物性変化する材料が用いられるのが好ましい。これは、物品の性能劣化は、一時的な大きな環境変化に起因する場合が多いためである。又、このような履歴記録の機能は、パッケージ内の物品などが品質変化していないかを未開封のまま検出できるスマートパッケージとして利用することができる。尚、不可逆的な化学変化を引き起こす種々の材料が、かかる性能を有し得るため、ここでの材料列挙は省略する。
 変換部14の配設位置は、変換部14の少なくとも一部が共振器13Qと接し、共振器13Qの電磁波反射特性の変化を誘起し得る位置であればよい。変換部14は、例えば、共振器13Qを構成するスロット13の内部に配設されてもよいし、スロット13全体を覆うように配設されてもよい。尚、本実施形態に係るセンサ1では、変換部14は、スロット13の内部及び縁領域に配設されている。変換部14を、スロット13を覆うように設ける場合、変換部14の材料としては、外部からの電磁波が、スロット13に到達するように電磁波透過特性を有する材料が用いられるのが好ましい。
 但し、変換部14の配設位置としては、変換部14の少なくとも一部が、共振器13Qが共振した際に共振電流が通流する領域となるのが好ましい。共振器13Qが共振した際に共振電流が通流する領域は、変換部14の誘電率、誘電正接、又は導電率の変化が生じた際に、共振器13Qの電磁波反射特性の変化を効果的に誘起することができるためである。尚、本実施形態のように、スロット型の共振器13Qであれば、共振器13Qの共振電流は、スロット13の縁部を周方向に沿って通流するため、変換部14は、スロット13の縁領域に形成されるのが好ましい。又、ストリップ型の共振器13Qであれば、共振器13Qの共振電流は、ストリップ導体内を通流するため、変換部14は、共振器13Qを形成するストリップ導体上に形成されるのが好ましい。
 このように、変換部14は、共振器13Qの電磁波反射特性の変化(即ち、反射波スペクトルの変化)から、センサ1の周囲環境の特定の物理的変化(例えば、温度又は湿度)を、選択的に捉えることを可能とする。これにより、センサ1の周囲環境の種々の物理的変化(例えば、温度、湿度、光刺激、及びガス濃度等)のすべてに影響を受けて、共振器13Qの電磁波反射特性の変化の要因を捉えられなくなる事態を抑制する。
 図6A、図6Bは、本実施形態に係る変換部14の詳細構成及び機能について、説明する図である。
 変換部14は、上記したように、センサ1の周囲環境の特定の物理的変化(例えば、温度又は湿度)を、選択的に捉えることを可能とするべく設けられている。但し、センサ1が一種類の物理的変化(例えば、周囲雰囲気の温度)のみを検出する構成である場合、物品の性能劣化等の状態を正確に捉えられないおそれがある。物品の性能劣化は、一般に、周辺環境のいくつかの物理的変化が複合的に絡み合って、その劣化速度が変化するためである。例えば、検出対象の状態が印刷機に使用されるインクトナーの凝集状態である場合、インクトナーの凝集が引き起こる速度は、周囲雰囲気の温度と周囲雰囲気の湿度の両方に左右される。
 かかる観点から、本実施形態に係るセンサ1では、複数の共振器13Q(ここでは、第1共振器13Qa、及び第2共振器13Qb)により、種々の周辺環境の物理的変化のうち、検出対象の状態変化に大きな影響を及ぼす2種類以上の物理的変化(例えば、周囲雰囲気の温度及び湿度)を選択して、選択した2種類以上の物理的変化を高精度に捉えることを可能としている。
 より詳細には、本実施形態では、変換部14は、第1共振器13Qaと接して配設された第1変換部14aと、第2共振器13Qbと接して配設された第2変換部14bとを有する。具体的には、第1変換部14aは、第1共振器13Qaが共振した際に共振電流が通流する位置(ここでは、導体パターン層12内のスリット13aの縁領域)に配設され、第2変換部14bは、第2共振器13Qbが共振した際に共振電流が通流する位置(ここでは、導体パターン層12内のスリット13bの縁領域)に配設されている。尚、第1変換部14aと第2変換部14bとは、相互干渉しないように、互いに分離して配設されている。
 第1変換部14aと第2変換部14bとは、互いに異なる種類の物理的変化に感応する材料によって構成されている。本実施形態では、第1変換部14aは、周囲雰囲気の温度に感応する材料によって構成され、第2変換部14bは、周囲雰囲気の湿度に感応する材料によって構成されている。つまり、本実施形態に係るセンサ1においては、周囲雰囲気の温度が変化した際には、第1共振器13Qaの電磁波反射特性が変化し(図6Aを参照)、周囲雰囲気の湿度が変化した際には、第2共振器13Qbの電磁波反射特性が変化する(図6Bを参照)。
 ここで、第1共振器13Qaと第2共振器13Qbとは、互いに異なる共振周波数を有する共振器であるため、センサ1の反射波スペクトル中には、第1共振器13Qaの電磁波反射特性の状態と、第2共振器13Qbの電磁波反射特性の状態とが、それぞれ、分離可能に観察されることになる。そして、センサ1は、第1共振器13Qaと第2共振器13Qbそれぞれの電磁波反射特性を含むセンサ1の反射波スペクトル情報により、1種類の検出対象の状態変化を判定するための情報を構成する。かかる構成によって、センサ1は、センサ1の周囲環境の種々の物理的変化を、観察したい要素ごと(ここでは、温度と湿度)に切り分けて、高分解能で捉えることを可能としている。換言すると、これにより、センサ1は、特定の数種類の物理的変化との相関により、検出対象の状態変化を検出することを可能とする。
[センサの変形例]
 図7A、図7Bは、変形例1に係るセンサ1の構成を示す図である。
 図7Aは、変形例1に係るセンサ1の平面図を示し、図7Bは、変形例1に係るセンサ1の図7AのT2-T2’の位置における側面断面図を示す。
 変形例1に係るセンサ1は、導体パターン層12内に、互いに共振周波数が異なる4つの共振器13Qa1、13Qa2、13Qa3、13Qbを有している。又、変形例1に係るセンサ1は、4つの共振器13Qa1、13Qa2、13Qa3、13Qbそれぞれに接するように、別個の変換部14a1、14a2、14a3、14bが配設されている。
 ここで、共振器13Qbは、周囲雰囲気の湿度を検出するために設けられており、共振器13Qbに接して設けられる変換部14bは、周囲雰囲気の湿度に感応する材料によって構成されている。
 又、共振器13Qa1、13Qa2、13Qa3は、周囲雰囲気の温度を検出するために設けられており、共振器13Qa1、13Qa2、13Qa3それぞれに接して設けられる変換部14a1、14a2、14a3は、周囲雰囲気の湿度に感応する材料によって構成されている。
 但し、変換部14a1、14a2、14a3は、それぞれ、周囲雰囲気の温度変化に応じて、物性変化(例えば、誘電率変化)が生ずる閾値が異なる材料によって構成されている。例えば、変換部14a1、14a2、14a3は、それぞれ、周囲雰囲気が閾値温度以上となったときに、溶融して、誘電率が変化する材料(例えば、パラフィンワックス)によって構成されている。そして、変換部14a1、14a2、14a3それぞれの含有物の配合の調整等によって、変換部14a1の融点温度と、変換部14a2の融点温度と、変換部14a3の融点温度とが、それぞれ、異なる温度となっている。例えば、変換部14a1の融点温度は、40℃に設定され、変換部14a2の融点温度は、50℃に設定され、変換部14a3の融点温度は、60℃に設定される。
 つまり、変形例1に係るセンサ1では、変換部14a1の融点温度(ここでは、40℃)付近の温度変化を、共振器13Qa1の電磁波反射特性の変化により捉え、変換部14a2の融点温度(ここでは、50℃)付近の温度変化を、共振器13Qa2の電磁波反射特性の変化により捉え、変換部14a3の融点温度(ここでは、60℃)付近の温度変化を、共振器13Qa3の電磁波反射特性の変化により捉える。
 このように、変形例1に係るセンサ1によれば、周囲雰囲気の温度変化に対して感応する帯域が互いに異なる変換部14a1、14a2、14a3を有する。これによって、周囲雰囲気の温度変化に対する検出分解能を向上することが可能である。
 図8A、図8Bは、変形例2に係るセンサ1の構成を示す図である。
 図8Aは、変形例2に係るセンサ1の平面図を示し、図8Bは変形例2に係るセンサ1の、図8AのT3-T3’の位置における側面断面図を示す。
 変形例2に係るセンサ1においては、導体パターン層12内に、1個の共振器13Qのみが形成され、当該1個の共振器13Qに接するように配設された変換部14aXが配設されている。ここで、仮に、変換部14Xが、一種類の物理的変化(例えば、周囲雰囲気の温度変化)のみに感応する材料で構成されている場合、センサ1は、他の種類の物理的変化を捉えることができないことになるため、複数種類の物理的変化が複合的に絡み合って状態変化が生ずる物品の性能劣化等の状態については、正確に捉えられないおそれがある。
 かかる観点から、変形例2に係るセンサ1においては、変換部14Xを、検出対象の状態変化と相関性が高い材料から選択され、且つ、互いに異なる種類の物理的変化に感応する複数種類の材料の混合材料又は複合材料によって構成する。上記のようなインクトナーの例では、インクトナーは、周囲雰囲気の温度と湿度の2種類の物理的変化が物品の品質劣化と高い相関を有するため、変形例2に係るセンサ1に用いられる変換部14Xとしては、周囲雰囲気の温度に感応する材料と周囲雰囲気の湿度に感応する材料の混合材料又は複合材料が用いられる。これによって、センサ1は、1個の共振器13Qの電磁波反射特性の変化から、周囲雰囲気の温度と湿度の2種類の物理的変化を捉えることが可能となる。
 但し、この場合、1個の共振器13Qの電磁波反射特性の変化が、周囲雰囲気の温度変化に起因するものか、或いは周囲雰囲気の湿度変化に起因するものかを判別することが困難となるおそれがあるため、より好ましくは、図2A~図2Cに示したセンサ1、又は図7A~図7Bに示したセンサ1のように、観察したい要素ごと(ここでは、温度と湿度)に、共振器及び変換部14を、別個に設ける構成とする。
[センサの挙動]
 ここで、図9、図10を参照して、本願発明に係るセンサ1の反射波スペクトルの温度変化時の挙動、及び湿度変化時の挙動の一例を示す。
 図9は、本願発明に係るセンサ1(ここでは、図7A、図7Bで説明した変形例1に係るセンサ1)の反射波スペクトルの温度変化時の挙動を示す図(左図)である。図10は、本願発明に係るセンサ1(ここでは、図7A、図7Bで説明した変形例1に係るセンサ1)の反射波スペクトルの湿度変化時の挙動を示す図(左図)である。尚、図9及び図10の右図には、本願発明に係るセンサ1の反射波スペクトルの挙動と比較するため、変換部14を有しない従来技術に係るセンサ1(例えば、後述する図11のタグNo.1の構造を参照)の反射波スペクトルの挙動を示している。
 図9(左図)及び図10(左図)中において、fa1の位置は、共振器13Qa1の共振ピーク位置を示し、fa2の位置は、共振器13Qa2の共振ピーク位置を示し、fa3の位置は、共振器13Qa3の共振ピーク位置を示し、fbの位置は、共振器13Qbの共振ピーク位置を示している。又、図9(右図)及び図10(右図)中において、f0の位置は、変換部14を有しない従来技術の共振器の共振ピーク位置を示している。
 図9では、上グラフから順に、周囲雰囲気の温度が25℃、40℃、50℃、60℃と変化した場合の反射波スペクトルの挙動を示している(湿度は30%で同一条件)。又、図10では、上グラフから順に、周囲雰囲気の湿度が30%、50%、80%と変化した場合の反射波スペクトルの挙動を示している(温度は25℃で同一条件)。尚、これらの反射波スペクトルは、電磁界解析シミュレーションによって、算出されたものである。
 図9から分かるように、本願発明に係るセンサ1では、温度上昇と共に、共振器13Qa1、13Qa2及び13Qa3それぞれの共振ピーク位置が、順次、高周波側にシフトしている。これは、変換部14a1、14a2及び14a3それぞれが温度上昇と共に物性変化することにより、共振器13Qa1、13Qa2及び13Qa3それぞれの形成された領域の誘電率を変化させ(ここでは、誘電率を上昇させ)、共振器13Qa1、13Qa2及び13Qa3それぞれの共振現象において、短波長効果が生じているためである。
 より詳細には、まず、40℃で、共振器13Qa1の変換部14a1が溶融して変換部14a1の誘電率が変化することにより、共振器13Qa1の共振ピーク位置が、高周波側にシフトしている。次に、50℃で、共振器13Qa2の変換部14a2が溶融して変換部14a2の誘電率が変化することにより、共振器13Qa2の共振ピーク位置が、高周波側にシフトしている。次に、60℃で、共振器13Qa3の変換部14a3が溶融して変換部14a2の誘電率が変化することにより、共振器13Qa3の共振ピーク位置が、高周波側にシフトしている。
 一方、図10から分かるように、本願発明に係るセンサ1では、湿度上昇と共に、共振器13Qbの共振ピーク位置が、順次、低周波側にシフトすると共に、共振器13Qbの共振ピーク強度が、次第に低下している。これは、変換部14bが湿度上昇と共に物性変化することにより、共振器13Qbの形成された領域の誘電率を変化させ(ここでは、誘電率を低下させ)、共振器13Qbの共振現象において、短波長効果(ここでは、長波長側にシフトさせる現象)が生じているためである。又、このとき、同様に、変換部14bが湿度上昇と共に物性変化することにより、共振器13Qbの形成された領域の導電率を変化させ(ここでは、導電率を低下させ)、共振器13Qbの共振電流が、次第に制限されることにより、共振ピークのピーク強度が低下している。
 尚、従来技術に係るセンサ1の反射波スペクトル(図9の右図及び図10の右図)では、変換部14を有しないため、周囲雰囲気の温度又は湿度が変化しても、反射波スペクトルの変化が見られない。
 このように、本願発明に係るセンサ1では、反射波スペクトルの挙動から、周囲雰囲気の温度変化及び湿度変化を高分解能に検出することが可能であることが分かる。
[リーダーの構成]
 リーダー2は、送信部21、受信部22、及び、制御部23を備えている。尚、リーダー2は、例えば、センサ1の上面と正対するように、センサ1から数cm~数mで離間した位置に、配設される。
 送信部21は、センサ1に対して所定の周波数の電磁波を送信する。送信部21は、例えば、送信アンテナ、及び発振器等を含んで構成される。
 送信部21は、例えば、単一の周波数にピーク強度を有する正弦波状の電磁波を送信する。そして、送信部21は、送信アンテナから送信させる電磁波の送信周波数を時間的に変化させ、予め設定した所定周波数帯域内の周波数スイープを行う。もしくは、送信部21は、所定周波数帯において特定の強度プロファイルを有する電磁波を一時的に一括して照射を行ってもよい(即ち、インパルス方式)。
 反射波スペクトルが取得される周波数帯域は、例えば、HF帯、UHF帯、UWB周波数帯域(3.1GHz~10.6GHz)、24GHz帯、ミリ波帯等である。そして、送信部21の送信周波数は、当該周波数帯域内で、少なくとも500MHz以下の帯域幅毎、好ましくは10MHzの帯域幅毎にステップ状に設定される。尚、送信部21が送信する電磁波の周波数帯域は、センサ1の共振器13Qの共振周波数が含まれるように設定される。
 受信部22は、送信部21が電磁波を送信した際に発生するセンサ1からの反射波を受信する。受信部22は、例えば、受信アンテナ、及び受信アンテナが取得した反射波の受信信号に基づいて、反射波の強度や位相を検出する受信信号処理回路等を含んで構成される。そして、受信部22は、例えば、電磁波の各送信周波数において検出される反射波の強度から、センサ1の反射波スペクトル情報(周波数スペクトルデータ)を生成する。尚、受信部22は、センサ1の反射波スペクトル情報を生成する際、反射波の強度そのものを用いてもよいし、送信波の強度と反射波の強度の強度比を用いてもよい。又、反射波スペクトル情報は、周波数毎の振幅特性の情報に加えて、位相特性の情報を含んでいてもよい。
 尚、送信部21及び受信部22の信号処理回路は、ベクトルネットワークアナライザによって、一体的に構成されてもよい。
 制御部23は、リーダー2を統括制御する。尚、制御部23は、例えば、検出対象の物体の状態を逐次監視するため、所定の時間間隔で、送信部21及び受信部22に上記した処理を実行させる。
 尚、リーダー2は、センサ1に内蔵される感応部料(例えば、変換部14)の感度を向上させるため、センサ1に対して、検出対象の状態変化とは異質な外部刺激(例えば、光、熱、又は超音波)を与えながら、センサ1の反射波スペクトル情報を採取してもよい。
[解析装置の構成]
 解析装置3は、リーダー2から、センサ1の現時点の反射波スペクトル情報を取得して、センサ1の現時点の反射波スペクトル情報に基づいて、センサ1の検出対象の現時点の状態を推定する。尚、解析装置3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、及び出力ポート等を含んで構成されるコンピュータであり、リーダー2と相互にデータ通信可能に構成されている。
 解析装置3は、教師データを用いて学習モデル30Dに対して学習処理を施す学習部31と、センサ1の現時点の反射波スペクトルの複数の周波数位置における反射波強度の情報を、学習モデル30Dに適用することでセンサ1の検出対象の現時点の状態を推定する推定部32と、を備えている。
 センサ1の反射波スペクトルからは、センサ1の共振周波数を正確に特定することが困難な場合も多く、特許文献1の従来技術のようにピークピック法では、検出対象の状態変化を正確に捉えられないおそれがある。そこで、本実施形態に係る解析装置3は、センサ1の反射波スペクトルから共振周波数を特定する処理を行うことなく、センサ1の反射波スペクトルのパターン全体から、センサ1の状態(即ち、検出対象の状態)を特定する。尚、ここで言う「センサ1の反射波スペクトルのパターン全体」とは、センサ1の反射波スペクトル中の複数の周波数位置における反射強度のことを意味する。
 解析装置3は、センサ1の反射波スペクトルのパターンからセンサ1の状態検出を行うべく、学習モデル30Dを用いる。ここで、解析装置3が用いる学習モデル30Dとしては、典型的には、機械学習により最適化されるモデルが用いられる。かかる学習モデル30Dとしては、例えば、SVM(Support Vector Machine)、k近傍法、ロジスティック回帰、ラッソ回帰、リッジ回帰、エラスティックネット回帰、サポートベクター回帰、又は、決定木等が用いられる。尚、学習モデル30Dの構成は、公知のものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
 この種の学習モデル30Dは、学習処理が施されることによって、識別対象のパターンの特徴を抽出し、ノイズ等が重畳するデータからも識別対象のパターンを正確に識別し得るように自律的に最適化される。この点、センサ1の反射波スペクトルは、検出対象の状態毎に、共振器13Qの共振ピーク位置を中心とした独特のパターンを描く。つまり、この種の学習モデル30Dは、検出対象の状態をラベルとする反射波スペクトル情報を教師データとして学習処理が施されることで、ある反射波スペクトル情報が入力された際に、教師データとして用いられた状態毎の反射波スペクトル情報のうち、最も類似する反射波スペクトル情報の状態を特定し得るようになる。特に、この際、リーダー2との位置関係等が異なる種々の状況変化を想定した種々の反射波スペクトル情報についても教師データを準備し、これらの種々の反射波スペクトル情報を用いて学習処理を施すことで、学習モデル30Dは、高い汎化能力を得ることになる。
 学習モデル30Dのハイパーパラメータは、公知の学習アルゴリズムにより、最適化されており、当該最適化の手法としては、例えば、グリッドサーチが用いられてもよい。又、学習モデル30Dの学習アルゴリズムには、例えば、SVM、k近傍法、ロジスティック回帰、ラッソ回帰、リッジ回帰、エラスティックネット回帰、サポートベクター回帰、又は、決定木のうちの少なくともいずれか一つを用いたアンサンブル学習が適用されてもよい。
 学習モデル30Dは、例えば、反射波スペクトルの複数の周波数位置における反射波強度(例えば、図3の各プロット)を入力とし、検出対象の状態を出力とする構成を有する。
 ここで、学習モデル30Dへの入力対象となる反射波強度の周波数位置としては、反射波スペクトル情報が取得される周波数帯域内における、少なくとも500MHzの帯域幅毎、好ましくは10MHzの帯域幅毎の周波数位置が設定される。当該周波数位置は、センサ1の共振器13Qの標準状態における共振周波数又はその近傍の周波数を含むのが好ましい。尚、学習モデル30Dに入力される反射波スペクトル情報は、周波数毎の振幅特性の情報に加えて、位相特性の情報を含んでいてもよい。
 本実施形態では、学習モデル30Dは、分類学習モデルで構成され、センサ1の反射波スペクトル情報から、物品の品質が「品質劣化なし」又は「品質劣化発生」の2分類のいずれの状態に該当するかを推定する。
 但し、学習モデル30Dは、分類学習モデルに代えて、検出対象の状態(例えば、水分含有量の値、又はガス濃度の値等)を定量的に数値で表す回帰学習モデルで構成されてもよい。又、学習モデル30Dとしては、機械学習により最適化されるモデルに代えて、重回帰分析により最適化されるモデルが用いられてもよい。
 学習部31は、例えば、実測又はシミュレーションにより得られたセンサ1の状態毎(即ち、検出対象の状態毎)の反射波スペクトル情報を教師データとして、学習モデル30Dに対して学習処理を施す。つまり、学習部31は、検出対象の状態に係るラベルが正解データとして付与された種々の状態におけるセンサ1の反射波スペクトル情報を教師データとして、学習モデル30Dに対して学習処理を施す。これにより、学習モデル30Dは、入力された反射波スペクトルに適合するパターンの反射波スペクトルが発生するときの検出対象の状態を、出力し得るように最適化される。
 尚、教師データとして用いるセンサ1の反射波スペクトル情報としては、例えば、学習モデル30Dが分類学習モデルであれば、分類候補の状態毎の反射波スペクトル情報が用いられる。一方、学習モデル30Dが回帰学習モデルであれば、任意の状態変化量のときの反射波スペクトル情報であってよい。
 推定部32は、学習部31により学習処理が施された学習モデル30Dに対して、センサ1の現時点の反射波スペクトル情報の複数の周波数位置における反射波強度の情報を入力し(図3のプロットを参照)、学習モデル30Dの出力結果から、センサ1の検出対象の現時点の状態を推定する。尚、推定部32が学習モデル30Dに対して入力するセンサ1の現時点の反射波スペクトルの複数の周波数位置における反射波強度は、典型的には、学習モデル30Dに学習処理を施す際に参照された周波数位置と同一の周波数位置における反射波強度である。
[検証実験]
 次に、本願発明に係る状態検出システムU(センサ1)の性能評価のために行った検証実験の結果を示す。
 本検証実験では、印刷機に使用されるトナーの凝集の有無を、状態検出の対象とした。トナーは、一般に、時間経過と共に凝集し、その凝集の程度は、周囲雰囲気が高温で且つ高湿度であるほど早く進行することが知られている。かかる観点から、本検証実験では、センサ1をトナーが載置された雰囲気と同じ雰囲気下に載置し、その際に状態検出システムUが示すトナーの凝集の有無の判別結果と、実際のトナーの凝集の有無と、を比較し、その正答率を、センサ1の性能評価の評価結果として算出した。
 図11は、本検証実験の評価対象のセンサ1の構造、及び、評価対象のセンサ1の評価結果を示す図である。
 図11に示すID1~ID8のセンサ1が、それぞれ、評価対象のセンサ1である。評価対象のセンサ1のうち、ID1のセンサ1を除く、ID2~ID8のセンサ1には、周囲雰囲気の温度又は湿度の少なくともいずれか一方に対して感応する変換部14が設けられている。
 ID1のセンサ1は、従来技術に係るセンサに相当する。ID1のセンサ1は、変換部14を有しておらず、導体パターン層12(共振器13Q)が外部に露出した構造となっている。尚、ID1のセンサ1の導体パターン層12は、厚み10μmのアルミ箔で形成され、共振器13Qは、当該導体パターン層12内に、共振器長が13mm、共振器幅が1mmのスロット型の共振器として形成されている。
 ID2~ID8のセンサ1は、それぞれ、ID1のセンサ1と同様の導体パターン層12の構造を有し、共振器13Qの数、変換部14の種類、及び、変換部14の配設位置等の点で、ID1のセンサ1と相違する。図11には、ID2~ID8のセンサ1の共振器13Qの数、変換部14の種類、及び、変換部14の配設位置を示している。
<検証実験の実験手法>
 図12Aは、本検証実験で、学習モデル30Dに対して機械学習を施した際の教師データの作成条件を示す図である。図12Bは、機械学習を施した学習モデル30Dを用いて、状態検出システムUの性能評価を行った際のテストデータの作成条件を示す図である。図12A、図12Bの「温度」及び「湿度」は、それぞれ、センサ1(トナー)の周囲雰囲気の温度及び湿度を示し、「トナー凝集有無」は、当該条件下に1時間載置されたときにトナーが凝集したか否かを示している。
 本検証実験では、図12Aに示す条件1~条件10それぞれの条件下で取得されたセンサ1の反射波スペクトルを読取り、解析点を7.25GHz~10.25GHzの0.1GHzおきの31点とし、条件1、2、3、4,6の反射波スペクトル情報を「凝集無し」の教師データとし、条件5、7、8、9、10における反射波スペクトル情報を「凝集有り」の教師データとしたSVMからなる学習モデル30Dを作成した。
 又、本検証実験では、図12Bに示す条件11~条件20それぞれの条件下で取得されたセンサ1の反射波スペクトルを読取り、解析点を7.25GHz~10.25GHzの0.1GHzおきの31点とし、条件11、12、13、15の反射波スペクトル情報を「凝集無し」の教師データとし、条件14、16、17、18、19、20における反射波スペクトル情報を「凝集あり」のテストデータとした。そして、学習済み学習モデル30Dを用いて、テストデータの反射波スペクトル情報を解析し、トナーの凝集判別を行った。
 図11に示す「正答率」は、テストデータの条件11~条件20のうち、何個の条件について、状態検出システムUが示すトナーの凝集の有無の判別結果と、実際のトナーの凝集の有無と、が一致したかを示している。例えば、テストデータの条件11~条件20のうち、条件14、16,18、20のときには、状態検出システムが示すトナーの凝集の有無の判別結果と、実際のトナーの凝集の有無と、が一致し、条件11、12、13、15,17、19のときには、状態検出システムが示すトナーの凝集の有無の判別結果と、実際のトナーの凝集の有無と、が不一致であった場合、正答率は、40%となる。ID1~ID8の構造のセンサ1それぞれの正答率は、同様の手法で算出されている。
 本検証実験で使用されたトナーは、従来公知の電子写真用トナーであり、非結晶性ポリエステル樹脂に対して、スチレンアクリル共重合体等を添加し、加熱溶解して作製されたものである。このトナー中には、平均粒径が6.5μm程度のトナー粒子が含まれている。尚、実際のトナーの凝集の有無は、トナーを20ccの容量のガラス容器に5gずつ採取し、ガラス容器を開封した状態で静置した後、取り出し、トナーが凝集を起こしているか否かを確認した。
<変換部14の材料>
 本検証実験では、変換部14の材料として、スチレンアクリル共重合体、非晶性ポリエステル樹脂、パラフィンワックス、及び、アルギン酸ナトリウム樹脂を用いた。
 スチレンアクリル共重合体は、トナー作製に使われた材料と同一の材料であり、主に、湿度に感応する材料である。湿度を変えて、スチレンアクリル共重合体の誘電率、tanδを計測したところ、湿度上昇と共に誘電率が上昇し、tanδが上昇することを確認できた。尚、スチレンアクリル共重合体は、温度にも微弱に感応性を示したが、その感度は弱く、温度変化に伴うスチレンアクリル共重合体の物性変化が、共振器に及ぼす影響は、小さいものであった。
 非晶性ポリエステル樹脂は、トナー作製に使われた材料と同一の材料であり、主に、温度に感応する材料である。温度を変えて、非晶性ポリエステル樹脂の誘電率を計測したところ、温度上昇と共に誘電率が低下することを確認できた。
 パラフィンワックスは、主に、温度に感応する材料である。各融点のパラフィンワックスは結晶性で、温度上昇と共に誘電率が微減少し、融点を超えると材料が流動すると共に急激に誘電率が減少することを確認できた。又、融点を超えた後、25℃まで放冷すると、パラフィンワックスの結晶性は、元の結晶状態に戻らず、パラフィンワックスの誘電率は低下した状態を維持した。このことから、パラフィンワックスが、履歴記録性を有することを確認できた。
 アルギン酸ナトリウム樹脂は、湿度に感応する材料である。湿度上昇と共に誘電率が上昇し、tanδが上昇していた。又、湿度が上昇すると、アルギン酸ナトリウム樹脂内に水分子が配位し、湿度を下げてもアルギン酸ナトリウム樹脂の誘電率、tanδの変化がほとんどなかった。このことから、アルギン酸ナトリウム樹脂が、履歴記録性を有することを確認できた。
<センサ1の構成>
 ID2のセンサ1は、1個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の全面を覆うように配された変換部14を有するセンサ1である。ID2のセンサ1では、スチレンアクリル共重合体からなる変換部14を用いた。尚、ID2のセンサ1へのスチレンアクリル共重合体の付与は、スチレンアクリル共重合体のメチルエチルケトン溶液を、センサ1と同サイズのスクリーンによって付与し(スクリーン印刷法)、乾燥することで達成した。
 ID3のセンサ1は、1個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の全面を覆うように配された変換部14を有するセンサ1である。ID3のセンサ1では、非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体の混合樹脂からなる変換部14を用いた。尚、ID3のセンサ1への非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体の混合樹脂の付与は、非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体を50重量部ずつ採取し、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒で溶解させて溶液を作成し、スクリーン印刷法で付与し、乾燥することで達成した。
 ID4のセンサ1は、互いに異なる共振器長で形成された2個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の全面を覆うように配された変換部14を有するセンサ1である。ID4のセンサ1では、非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体の混合樹脂からなる変換部14を用いた。尚、ID4のセンサ1への非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体の混合樹脂の付与は、非晶性ポリエステルとスチレンアクリル共重合体を50重量部ずつ採取し、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒で溶解させて溶液を作成し、スクリーン印刷法で導体パターン層12の全面に付与し、乾燥することで達成した。
 ID5のセンサ1は、互いに異なる共振器長で形成された2個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の各共振器13Qのスリット内部に別種の変換部14を有するセンサ1である。ID5のセンサ1では、一方の共振器13Qのスリット内部には、非晶性ポリエステルからなる変換部14を配置し、他方の共振器13Qのスリット内部には、スチレンアクリル共重合体からなる変換部14を配置した。尚、一方の共振器13Qのスリット内部への非晶性ポリエステルの付与は、非晶性ポリエステルのトルエン溶液にて一方の共振器13Qのスリットと同サイズのスクリーンを生成し、一方の共振器13Qのスリット内部にスクリーン印刷を行うことで達成されている。又、他方の共振器13Qのスリット内部へのスチレンアクリル共重合体の付与は、スチレンアクリル共重合体のメチルエチルケトン溶液にて他方の共振器13Qのスリットと同サイズのスクリーンを生成し、他方の共振器13Qのスリット内部にスクリーン印刷を行うことで達成されている。
 ID6のセンサ1は、互いに異なる共振器長で形成された2個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の各共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内に別種の変換部14を有するセンサ1である。ID6のセンサ1では、一方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内に、非晶性ポリエステルからなる変換部14を配置し、他方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部に、スチレンアクリル共重合体からなる変換部14を配置した。尚、一方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部への非晶性ポリエステルの付与は、非晶性ポリエステルのトルエン溶液を用いたスクリーン印刷によって行われている。又、他方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのスチレンアクリル共重合体の付与は、スチレンアクリル共重合体のメチルエチルケトン溶液を用いたスクリーン印刷によって行われている。
 ID7のセンサ1は、互いに異なる共振器長で形成された2個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の各共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内に別種の変換部14を有するセンサ1である。ID7のセンサ1では、一方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、融点40℃のパラフィンワックス、融点50℃のパラフィンワックス、及び融点60℃のパラフィンワックスの複合材料(ここでは、各融点のパラフィンワックスを1:1:1の重量比で混合したもの)からなる変換部14を配置し、他方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、アルギン酸ナトリウムからなる変換部14を配置した。尚、一方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのパラフィンワックスの複合材料の付与は、一方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのインクジェット噴射で達成されている。又、他方の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのアルギン酸ナトリウムの付与は、アルギン酸ナトリウムの3%水溶液を用いたスクリーン印刷によって行われている。
 ID8のセンサ1は、互いに異なる共振器長で形成された4個の共振器13Qを有し、且つ、導体パターン層12の4個の共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内それぞれに別種の変換部14を有するセンサ1である。ID8のセンサ1では、第1共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、融点40℃のパラフィンワックスからなる変換部14を配置し、第2共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、融点50℃のパラフィンワックスからなる変換部14を配置し、第3共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、融点60℃のパラフィンワックスからなる変換部14を配置し、第4共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部には、アルギン酸ナトリウムからなる変換部14を配置した。尚、第1乃至第3共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのパラフィンワックスの付与は、第1乃至第3共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部それぞれへのインクジェット噴射で達成されている。又、第4共振器13Qのスリット縁領域及びスリット内部へのアルギン酸ナトリウムの付与は、アルギン酸ナトリウムの3%水溶液を用いたススクリーン印刷によって行われている。
<評価結果>
 ID1~ID8のセンサ1を用いた場合のトナー凝集判別の正答率から、以下の事項を確認することができた。
 まず、センサ1に変換部14を設けることで、トナー凝集有無の判別正答率を向上させることができた。又、共振器13Qを複数にして、変換部14からの情報採取の機会を増やすことで、更に正答率を上昇させることができた。特に、複数の共振器13Qそれぞれに対して、別種の物理的変化(ここでは、周囲雰囲気の温度と湿度)に感応する変換部14を配置することで、更に正答率を上昇させることができた。他方、変換部14を同一の物理的変化に感応する材料によって構成した場合でも、その物理的変化に感応する帯域が互いに異なる変換部14を、複数の共振器13Qそれぞれに対して配置することで、正答率を上昇させることができた。
 又、変換部14を、共振器13Qの共振電流が通流する領域(ここでは、共振器13Qのスリット縁領域)に配置することによって、変換部14を、共振器13Qの共振電流が通流しない領域(ここでは、共振器13Qのスリット内部)に配置した場合よりも、正答率を上昇させることができた。
 又、変換部14の材料(ここでは、パラフィンワックスとアルギン酸ナトリウム)として、物理的変化(ここでは、温度又は湿度)に対して不逆変化する材料を選択することで、トナーが凝集する条件を履歴として記録することができた。
[効果]
 以上のように、本実施形態に係るセンサ1は、共振器13Qと接するように配設された変換部14を有している。これによって、共振器13Qの周波数特性の変化(即ち、反射波スペクトルの変化)から、センサ1の周囲環境の特定の物理的変化(例えば、温度又は湿度)を、選択的に捉えることが可能である。換言すると、これにより、センサ1の周囲環境の種々の物理的変化(例えば、温度、湿度、光刺激、及びガス濃度等)のすべてに影響を受けて、共振器13Qの周波数特性の変化の要因を捉えられなくなる事態を抑制することができる。これによって、より正確に、検出対象の状態を推定することが可能となる。
 又、本実施形態に係るセンサ1は、共振器13Qと変換部14とで構成されるセンシング部を複数有するため、センサ1の周囲環境の種々の物理的変化を、確認したい要素ごと(例えば、温度と湿度)に切り分けて、高分解能で捉えることが可能である。これにより、例えば、特定の数種類の物理的変化との相関により、検出対象の状態変化を推定することが可能となるため、より正確に、検出対象の状態を推定することが可能となる。
 以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
 2020年11月25日出願の特願2020-195240の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
 本開示に係るセンサタグによれば、より正確な状態検出が可能となる。
 U 状態検出システム 
 1 センサ
 11 基材
 12 導体パターン層
 13 スリット
 13Q 共振器
 14 変換部
 2 リーダー
 21 送信部
 22 受信部
 23 制御部
 3 解析装置
 31 学習部
 32 推定部
 30D 学習モデル

Claims (13)

  1.  電磁波読み取り式の状態検出システムに適用されるセンサタグであって、
     基材と、
     前記基材上に形成され、外部から照射される特定周波数の電磁波と共振して、前記電磁波を反射又は吸収する共振器と、
     前記共振器と接して配設され、周囲雰囲気中の特定の物理的変化に応じて物性変化する材料で構成されており、自身の物性変化により、前記共振器の電磁波反射特性を変化させる変換部と、
     を備えるセンサタグ。
  2.  前記変換部は、前記特定の物理的変化に応じて、誘電率、誘電正接、又は導電率の少なくとも一つが変化する材料で構成されている、
     請求項1に記載のセンサタグ。
  3.  前記特定の物理的変化は、温度変化、湿度変化、ガス濃度変化、光量変化、pH変化、又は、磁気強度変化のうちのいずれかである、
     請求項1又は2に記載のセンサタグ。
  4.  互いに異なる周波数特性を有する第1及び第2の前記共振器と、第1の前記共振器と接して配設された第1の前記変換部と、第2の前記共振器と接して配設された第2の前記変換部と、を備える、
     請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  5.  第1の前記変換部と第2の前記変換部とは、互いに異なる種類の前記特定の物理的変化に感応する材料によって構成されている、
     請求項4に記載のセンサタグ。
  6.  第1の前記変換部と第2の前記変換部とは、同一の種類の前記特定の物理的変化に感応する材料によって構成されており、且つ、前記特定の物理的変化に感応する帯域が互いに異なる、
     請求項4に記載のセンサタグ。
  7.  第1及び第2の前記共振器それぞれの前記電磁波反射特性を示す前記センサタグの反射波スペクトル情報により、1種類の検出対象の状態変化を判定するための情報を構成する、
     請求項4乃至6のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  8.  第1の前記変換部は、第1の前記共振器が前記電磁波と共振した際に共振電流が通流する位置に配設され、第2の前記変換部は、第2の前記共振器が前記電磁波と共振した際に共振電流が通流する位置に配設されている、
     請求項4乃至7のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  9.  前記変換部は、前記特定の物理的変化に応じて、不可逆的に物性変化する材料で構成されている、
     請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  10.  前記変換部は、互いに異なる種類の前記特定の物理的変化に感応する第1及び第2の材料の混合材料又は複合材料により形成されている、
     請求項1乃至9のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  11.  物品の品質に係る状態を検出する用途に適用された、
     請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  12.  前記共振器の前記電磁波反射特性を示す反射波スペクトルのパターンにより、検出対象の状態変化を判定するための情報を構成する、
     請求項1乃至11のいずれか一項に記載のセンサタグ。
  13.  請求項1乃至12のいずれか一項に記載のセンサタグと、
     前記センサタグに対して、電磁波を照射して、前記センサタグの反射波スペクトル情報を取得するリーダーと、
     前記センサタグの前記反射波スペクトル情報に基づいて、検出対象の状態を推定する解析装置と、
     を備える状態検出システム。
PCT/JP2021/037938 2020-11-25 2021-10-13 センサタグ、及び状態検出システム WO2022113553A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022565106A JPWO2022113553A1 (ja) 2020-11-25 2021-10-13

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020-195240 2020-11-25
JP2020195240 2020-11-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2022113553A1 true WO2022113553A1 (ja) 2022-06-02

Family

ID=81754255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2021/037938 WO2022113553A1 (ja) 2020-11-25 2021-10-13 センサタグ、及び状態検出システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2022113553A1 (ja)
WO (1) WO2022113553A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015061827A1 (en) * 2013-11-04 2015-05-07 Monash University Radio frequency transponder
CN106979830A (zh) * 2017-04-28 2017-07-25 徐艺玮 无芯片rfid温度阈值传感器、生产方法及温度报警装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015061827A1 (en) * 2013-11-04 2015-05-07 Monash University Radio frequency transponder
CN106979830A (zh) * 2017-04-28 2017-07-25 徐艺玮 无芯片rfid温度阈值传感器、生产方法及温度报警装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022113553A1 (ja) 2022-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fathi et al. Potential chipless RFID sensors for food packaging applications: A review
Bhattacharyya et al. RFID tag antenna based temperature sensing in the frequency domain
EP2666129B1 (en) Sensing the properties of a material loading a uhf rfid tag by analysis of the complex reflection backscatter at different frequencies and power levels
JP2005135132A (ja) 外的要因変化感知検出システム
US20140354414A1 (en) Rfid and apparatus and methods therefor
US20230147767A1 (en) State detection system
Genovesi et al. Enhanced chipless RFID tags for sensors design
Potyrailo et al. Position-independent chemical quantitation with passive 13.56-MHz radio frequency identification (RFID) sensors
EP4094058A1 (en) Hf rfid transponder with impedance response critical temperature indicator functionality and integrated manufacturing method
WO2022113553A1 (ja) センサタグ、及び状態検出システム
Yuan et al. Wireless biosensing using silver-enhancement based self-assembled antennas in passive radio frequency identification (RFID) tags
US7456752B2 (en) Radio frequency identification sensor for fluid level
Irene et al. Battery-less HF RFID sensor tag for humidity measurements based on TiO 2 nanoparticles
Perret et al. Chipless RFID tags for passive wireless sensor grids
Xu et al. A review of passive self-sensing tag
Gonçalves et al. Humidity passive sensors based on UHF RFID using cork dielectric slabs
Zannas et al. From identification to sensing: Augmented RFID tags
WO2021240996A1 (ja) 学習装置、リーダー、及び、学習プログラム
Amin et al. Towards an intelligent EM barcode
JP2023531157A (ja) 共振構造及び特性層を含む受動型識別タグ
KR102148027B1 (ko) 칩리스 rfid 유전율 센서 시스템
Hallil et al. Microwave chemical sensors
Bhattacharyya Low-cost, passive UHF RFID tag antenna-based sensors for pervasive sensing applications
EP4237837A1 (en) Systems for detecting moisture and methods
Cao et al. MmLiquid: Liquid Identification Using mmWave

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 21897531

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022565106

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 21897531

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1