WO2022113497A1

WO2022113497A1 - 電池パッケージ

Info

Publication number: WO2022113497A1
Application number: PCT/JP2021/034816
Authority: WO
Inventors: 卓朗伊東; 勲麦間; 大輔横尾
Original assignee: Fdk株式会社
Priority date: 2020-11-30
Filing date: 2021-09-22
Publication date: 2022-06-02
Also published as: EP4253267A1; US20230402696A1; CL2023001537A1; CN116507560A; JPWO2022113497A1; CO2023006518A2

Abstract

電池パッケージは、用紙から形成される台紙部と、前記用紙を折り曲げることによって形成された電池収納部と、を有する電池パッケージであって、前記電池収納部は、前記台紙部に結合される底部を有し、前記電池収納部の周囲の３面が糊代部により前記台紙部と接着され、前記糊代部は、前記電池パッケージの下側角部において、前記台紙部と重ならない形状を有する。

Description

電池パッケージ

　本発明は、電池パッケージに関する。より詳細には一枚の板紙を複数の所定箇所で折り曲げて、ベースとなる台紙部と電池を収納する凹部状の電池収納部とを折り畳んで一体に形成してある電池パッケージに関する。

　従来から、例えば、特許文献１の図１～図５に示すように、一枚の板紙を用いてその一部を背面部１６（台紙部）とし、残りの部分を折り畳んで凹部状の電池収納部２４とし、この電池収納部２４を背面部１６上に配置し、電池収納部２４の側縁から延在させた帯状の糊代部２３ａ、２３ａを背面部１６側の側縁部に接着して、電池パッケージとしたものが知られている。ここで、特許文献１の図１や図５に示されるように、従来にあっては、糊代部２３ａ、２３ａは電池パッケージの外形を規定している背面部１６の外周に丁度、重なる形状に形成してある。

特開２００１－２４００４９号公報

　ところで、引用文献１で開示されている電池パッケージには吊り穴２２が設けられている。この種の電池パッケージが販売店で販売されるときには、商品展示用のラックから略水平に延びている吊り下げ棒に前記吊り穴２２が引掛けられる。これにより、販売時の形態は、吊り下げ棒の下に複数の電池パッケージが立ち姿勢で並んだ状態となる。このように展示されている電池パッケージを購入するユーザは電池パッケージを吊り下げ棒から外すことになる。その際に、ユーザが手を滑らせて電池パッケージを床に落下させてしまうアクシデントが生じることは珍しいことではない。このように電池パッケージを落下させたとき、例えばその電池パッケージが単三電池４本を収納しているものであると１００～１２０ｇ程度の重さがあるので、床に当たったときの衝撃は大きい。そして、電池パッケージの下側角部が床に当たった場合には、糊代部にも衝撃が及び接着力が低下し、接着力低下が相当に大きいときには内部の電池が飛び出す場合もある。

　更に、一枚の板紙から製造される従来の電池パッケージでは、板紙を自動で折り畳む装置を備えた製造設備で生産される。板紙を順次に折り込んで行く過程で、板紙同士が干渉しないように注意する必要がある。しかし、折り畳み工程で板紙の折り目の状態が緩くなってしまう場合もある。例えば電池収納部を形成する折り曲げ過程で、側縁の糊代部の折り目が緩いために立った状態となり、その後の工程で電池収納部の上に台紙部を反転させて被せるようにしたときに、糊代部の角部と台紙部とが干渉して生産トラブルが発生してしまう。

　本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、落下時のダメージを緩和できると共に、生産性の向上も図ることができる電池パッケージを提供することにある。

　上記目的は、用紙から形成される台紙部と、前記用紙を折り曲げることによって形成された電池収納部と、を有する電池パッケージであって、前記電池収納部は、前記台紙部に結合される底部を有し、前記電池収納部の周囲の３面が糊代部により前記台紙部と接着され、前記糊代部は、前記電池パッケージの下側角部において、前記台紙部と重ならない形状を有する電池パッケージにより達成できる。

　また、前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状であってもよい。

　また、前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、前記台紙部は、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状であってもよい。

　また、前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の内側に折り曲げて形成されてもよい。

　また、前記下側角部に対応する部分の角度は４５度を中心にして前後１０度とするのが好ましい。

　また、前記角度は４５度であり、切り落される部分となる二等辺三角形の短辺の長さは５ｍｍ以上とするのが好ましい。

　本発明に係る電池パッケージによれば、落下時のダメージを緩和できると共に、生産性の向上も図ることができる。

　本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び／又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、１つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。

一実施形態に係る電池パッケージ１に用いる板紙１ａを展開して示した図である。折り畳み工程で、電池収納部２０に電池ＢＡを収納した状態の電池パッケージ１について示した図である。製品としての電池パッケージ１が販売されるときの様子を示した図である。電池パッケージ１が落下するときを説明するための図である。比較例に係る電池パッケージ１Ａの下側角部が床に衝突した状態を示す図である。製造設備において電池パッケージ１が折り畳まれる様子を示した図である。製造設備において電池パッケージ１Ａが折り畳まれる様子を示した図である。台紙部１０の外周部に対して糊代部の外周部が内側となる場合を示した図であり、直角形状加工と切り落し加工とにした場合の図である。台紙部１０の外周部に対して糊代部の外周部が内側となる場合を示した図であり、両方を切り落し加工とした場合について示した図である。糊代部の外周部となる角部での切り落し角度について示している図である。４本の単三電池を収納可能な板紙１ａの各部寸法の一例を示す図である。

　以下、特許請求の範囲に記載した発明の好適な実施形態について、図面を参照し説明する。

　（電池パッケージ１）
　図１は一実施形態に係る電池パッケージ１に用いる板紙１ａを展開して示した図である。図１には所定形状に設計してある平坦な一枚の板紙１ａが示され、板紙１ａの上側が後述する台紙部１０となる部分であり、板紙１ａの下側が後述する電池収納部２０となる部分である。なお、ここで採用する板紙１ａについては特に限定はなく、広く供給されている板紙１ａ（コートボール）を採用することができる。

　（板紙１ａ）
　板紙１ａは、コートボールから打ち抜かれた、所定形状に形成されている板状（平坦）な一枚の紙である。コートボールは、ボール紙などの厚紙を芯材として、その両面にポリプロピレンのコーティング（厚さ０.０２～０.０５ｍｍ程度）を施したコーティング素材である。

　コートボールを用いて板紙１ａが形成されることにより、弾力性が増し、折り曲げ工程を得て製造される電池パッケージ１が潰れにくくなると共に、水にも強くなり、電池パッケージ１の強度が向上する。また、電池パッケージ１の表面に汚れが付きにくくなり、電池パッケージ１に汚れが付いても容易に拭き取ることが可能となる。

　なお、板紙１ａの材料は、コートボールに限定されず、電池を収納可能な形状に折り曲げることが可能な靭性を有すると共に、接着剤を用いて接着が可能な材料であればよく、例えば板状のプラスチック、金属、アルミニウム、コートボールに類する紙などでもよい。

　板紙１ａがコートボール又はコートボールに類する紙の場合、接着剤には、引火の心配のある有機溶剤を含まない不燃性の接着剤、リサイクル性が優れている水溶性の接着剤などが利用される。

　コートボールに類する紙は、バルカナイズドファイバー素材、バルカナイズドファイバー素材を厚紙によって挟み込んだ３層構造のシート材料、これらに合成樹脂コーティング（ポリプロピレンなど）を施した材料などである。

　ただし板紙１ａとして、コートボール又はコートボールに類する紙を用いることにより、板紙１ａの焼却処理が容易化され、板紙１ａの加工性が向上し、また環境負荷を軽減することができる。

　収納する電池の大きさ、本数によって電池パッケージ１が保持すべき重量は異なる。具体的には、電池パッケージ１が保持すべき重量は、電池の種類、電池のサイズ、電池の本数などによって異なる。例えば、単三電池４本の総重量は１００～１２０ｇ程度であり、この重量を安定に保持するのに適した板紙としては坪量２００～５００ｇ/ｍ２のものを採用するのが好ましい。

　台紙部１０と電池収納部２０とは、第１の折り曲げ線ＢＬ－１を境界として接続されている。よって、第１の折り曲げ線ＢＬ－１を折り曲げ、台紙部１０あるいは電池収納部２０のいずれか一方を起こして反転させると、他方の上に重ねることができる。電池収納部２０は正面部２１、下側壁部２２、上側壁部２３、右側壁部２４及び左側壁部２５を備えて構成されている。

　正面部２１と下側壁部２２、上側壁部２３、右側壁部２４及び左側壁部２５のそれぞれの間には、第２の折り曲げ線ＢＬ－２、第３の折り曲げ線ＢＬ－３、第４の折り曲げ線ＢＬ－４、第５の折り曲げ線ＢＬ－５が設定してある。これらの折り曲げ線に従って折り曲げ、全ての壁部を立ち上げることで正面部２１を底面とした凹部状の空間を形成することができ、この凹部内に所定の電池（例えば、単三電池４本）を収納できる。なお、電池パッケージ１は最終的に折り畳まれて、電池を収容して製品となった時には、台紙部１０が立っている姿勢（立ち姿勢）で展示、販売される。よって、図１では上側に位置している側壁部２２が下側壁部となる。また、正面部２１の中央部には内部の電池を確認できるよう横長の窓部２１ｗが形成してある。

　板紙１ａは、第１領域と、第１領域の下側に隣接する第２領域と、第２領域の周囲に設けられている第３領域とを備えている。第１領域には、台紙部１０が設けられ、第２領域には電池収納部２０が設けられ、第３領域には接着部３０が設けられている。

　（台紙部１０）
　台紙部１０は、接着剤によって接着部３０へ接着されることにより、電池を収納する有底の凹部を覆う被覆部である。接着部３０の詳細は後述する。台紙部１０は、略四角形状に形成されている。

　台紙部１０の上端１０１寄りの領域ＵＡには、吊り穴１０ａが形成されている。吊り穴１０ａには、例えば、商品展示用のラックから略水平に延びている吊り下げ棒が挿入される。

　（非接着部１０２ａ）
　台紙部１０の下端１０２寄りの領域ＬＡには２つの非接着部１０２ａが設けられている。非接着部１０２ａは、領域ＬＡの内、台紙部１０の角部付近に設けられている。非接着部１０２ａは、台紙部１０に接着部３０が接着されたとき、接着剤が塗布（糊付け）されていない状態で接着部３０の周囲に設けられる。非接着部１０２ａは、接着部３０への衝撃を緩和することで、接着部３０と台紙部１０との接着箇所の剥離を抑制する。

　（湾曲部１０ｂ）
　台紙部１０は、円弧状に湾曲する湾曲部１０ｂを有する。具体的には、台紙部１０の下端１０２の両側のそれぞれに、湾曲部１０ｂが形成されている。湾曲部１０ｂは、台紙部１０の下端１０２の角部が円弧状に形成された部分であり、湾曲部１０ｂは接着部３０の一部でもある。

　（電池収納部２０）
　電池収納部２０は、台紙部１０に結合される底部を有し、電池を収納する部分である。台紙部１０に結合される底部は、下側壁部２２に相当する。電池収納部２０は、正面部２１、下側壁部２２、上側壁部２３、右側壁部２４、及び左側壁部２５を備えている。正面部２１に対して、下側壁部２２、上側壁部２３、右側壁部２４、及び左側壁部２５がそれぞれ９０度になるように折り曲げられることにより、有底の凹部が形成される。この凹部に電池を収納することができる。

　（正面部２１）
　正面部２１の縦方向Ｄ１の幅は、電池収納部２０に収納される電池の長さと略等しい寸法に設定されている。正面部２１の横方向Ｄ２の幅は、電池収納部２０に収納される複数の電池の配列方向における全体幅と略等しい寸法に設定されている。

　正面部２１には横長の窓部２１ｗが形成されている。窓部２１ｗにより、電池収納部２０に収納されている電池を確認できるため、電池収納部２０に電池が未収納の状態で電池パッケージ１が出荷されることを防止できる。

　（下側壁部２２）
　下側壁部２２は、正面部２１及び台紙部１０のそれぞれと一体に、正面部２１と台紙部１０との間に設けられている。

　下側壁部２２の縦方向Ｄ１の幅は、電池収納部２０に収納される電池の太さと略等しい寸法に設定されている。下側壁部２２の横方向Ｄ２の幅は、電池収納部２０に収納される複数の電池の配列方向における全体幅と略等しい寸法に設定されている。

　下側壁部２２は、第２の折り曲げ線ＢＬ－２を境界にして、台紙部１０と正面部２１との間に配置される電池の第１電極（例えば負極）と対向するように折り曲げられる。第２の折り曲げ線ＢＬ－２の詳細は後述する。

　（第１の折り曲げ線ＢＬ－１）
　下側壁部２２と台紙部１０との境界には第１の折り曲げ線ＢＬ－１が設けられている。第１の折り曲げ線ＢＬ－１は、下側壁部２２に対して台紙部１０を折り曲げるときに、台紙部１０を容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　（第２の折り曲げ線ＢＬ－２）
　下側壁部２２と正面部２１との境界には第２の折り曲げ線ＢＬ－２が設けられている。第２の折り曲げ線ＢＬ－２は、正面部２１に対して下側壁部２２を折り曲げるときに、下側壁部２２を容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　（上側壁部２３）
　上側壁部２３は、正面部２１と一体に、正面部２１の下側壁部２２側とは反対側に設けられている。上側壁部２３の縦方向Ｄ１及び横方向Ｄ２の幅は、下側壁部２２と同様の寸法に設定されている。上側壁部２３は、第３の折り曲げ線ＢＬ－３を境界にして、台紙部１０と正面部２１との間に配置される電池の第２電極（例えば正極）と対向するように折り曲げられる。

　（第３の折り曲げ線ＢＬ－３）
　上側壁部２３と正面部２１との境界には第３の折り曲げ線ＢＬ－３が設けられている。第３の折り曲げ線ＢＬ－３は、正面部２１に対して上側壁部２３を折り曲げるときに、上側壁部２３を容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　（右側壁部２４）
　右側壁部２４は、正面部２１と一体に、正面部２１の右側に設けられている。右側壁部２４の縦方向Ｄ１の幅は、電池収納部２０に収納される電池の長さと略等しい寸法に設定されている。右側壁部２４の横方向Ｄ２の幅は、電池収納部２０に収納される電池の太さと略等しい寸法に設定されている。右側壁部２４は、第４の折り曲げ線ＢＬ－４を境界にして、台紙部１０と正面部２１との間に配置される電池の円筒部（電池の側面）と対向するように折り曲げられる。

　（第４の折り曲げ線ＢＬ－４）
　右側壁部２４と正面部２１との境界には第４の折り曲げ線ＢＬ－４が設けられている。第４の折り曲げ線ＢＬ－４は、正面部２１に対して右側壁部２４を折り曲げるときに、右側壁部２４を容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　（左側壁部２５）
　左側壁部２５は、正面部２１と一体に、正面部２１の左側に設けられている。左側壁部２５の縦方向Ｄ１及び横方向Ｄ２の幅は、右側壁部２４と同様の寸法に設定されている。左側壁部２５は、第５の折り曲げ線ＢＬ－５を境界にして、台紙部１０と正面部２１との間に配置される電池の円筒部と対向するように折り曲げられる。

　（第５の折り曲げ線ＢＬ－５）
　左側壁部２５と正面部２１との境界には第５の折り曲げ線ＢＬ－５が設けられている。第５の折り曲げ線ＢＬ－５は、正面部２１に対して左側壁部２５を折り曲げるときに、左側壁部２５を容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　これらの折り曲げ線に従って、下側壁部２２、上側壁部２３、右側壁部２４及び左側壁部２５をそれぞれ折り曲げ、これら全ての壁部を正面部２１に対して立ち上げることで、正面部２１を底面とした凹部状の空間を形成することができる。この凹部内に所定の電池（例えば、単三電池）を４本収納できる。

　なお、凹部内に収納可能な電池の種類は、単三電池に限定されず、例えば単四電池でもよい。また、凹部内に収納可能な電池の本数は、４本に限定されず、板紙１ａの仕様、接着剤の仕様、各糊代部の接着面積などに応じて、任意の本数としてもよい。

　なお、電池パッケージ１は最終的に折り畳まれて、電池を収容して製品となった時には、台紙部１０が立っている姿勢（立ち姿勢）で展示、販売などされる。よって、図１では正面部２１の上側に位置している壁部が下側壁部２２となる。また、正面部２１の中央部には内部の電池を確認できるよう横長の窓部２１ｗが形成されている。

　上記した上側壁部２３、右側壁部２４及び左側壁部２５のそれぞれの外周部から延在させることによって、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが設けられている。よって、図２で示すように電池ＢＡを電池収納部２０に収容され、各糊代部（上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａ）に糊剤が塗布されて、台紙部１０側の対応位置に上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが貼り付けられる。これにより、図３で示す立ち姿勢で販売される製品としての電池パッケージ１を得ることができる。

　なお、上述した板紙を所定箇所で折り曲げることにより折り畳まれて形成される電池パッケージ１は、手作業で板紙１ａを折り畳むことで製造されてもよいし、所定の折り畳みの機能を備えた製造設備によって連続的に生産されてもよい。

　（接着部３０）
　接着部３０は、接着剤が塗布される糊代である。接着部３０は、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａを備えている。

　（上糊代部２３ａ）
　上糊代部２３ａは、上側壁部２３と一体に、上側壁部２３の正面部２１側とは反対側に設けられている。

　（第６の折り曲げ線ＢＬ－６）
　上側壁部２３と上糊代部２３ａとの境界には第６の折り曲げ線ＢＬ－６が設けられている。第６の折り曲げ線ＢＬ－６は、上側壁部２３に対して上糊代部２３ａを折り曲げるときに、上糊代部２３ａを容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　上糊代部２３ａは、第６の折り曲げ線ＢＬ－６を境界にして、正面部２１に対して上側壁部２３が折り曲げられる方向とは反対の方向に折り曲げられる。

　（右糊代部２４ａ）
　右糊代部２４ａは、右側壁部２４と一体に、右側壁部２４の正面部２１側とは反対側に設けられている。

　（第７の折り曲げ線ＢＬ－７）
　右側壁部２４と右糊代部２４ａとの境界には第７の折り曲げ線ＢＬ－７が設けられている。第７の折り曲げ線ＢＬ－７は、右側壁部２４に対して右糊代部２４ａを折り曲げるときに、右糊代部２４ａを容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　右糊代部２４ａは、第７の折り曲げ線ＢＬ－７を境界にして、正面部２１に対して右側壁部２４が折り曲げられる方向とは反対の方向に折り曲げられる。

　（傾斜部２４ａ１）
　右糊代部２４ａには傾斜部２４ａ１が形成されている。傾斜部２４ａ１は、右糊代部２４ａの台紙部１０側の端部に形成されており、第２の折り曲げ線ＢＬ－２の延長線に対して、所定の傾斜角度で傾斜している。傾斜角度の詳細は後述する。傾斜部２４ａ１は、板紙１ａを折り曲げることによって電池パッケージ１が形成されたとき、右糊代部２４ａの外周部の内、台紙部１０の下端１０２よりも、台紙部１０の中心側に後退（オフセット）している部分（後退部ＢＰ）でもある。後退部ＢＰの詳細は後述する。

　（左糊代部２５ａ）
　左糊代部２５ａは、左側壁部２５と一体に、左側壁部２５の正面部２１側とは反対側に設けられている。

　（第８の折り曲げ線ＢＬ－８）
　左側壁部２５と左糊代部２５ａとの境界には第８の折り曲げ線ＢＬ－８が設けられている。第８の折り曲げ線ＢＬ－８は、左側壁部２５に対して左糊代部２５ａを折り曲げるときに、左糊代部２５ａを容易に折り曲げることができるように形成されているリード罫、押し罫、切り罫、ミシン罫などである。

　左糊代部２５ａは、第８の折り曲げ線ＢＬ－８を境界にして、正面部２１に対して左側壁部２５が折り曲げられる方向とは反対の方向に折り曲げられる。

　（傾斜部２５ａ１）
　左糊代部２５ａには傾斜部２５ａ１が形成されている。傾斜部２５ａ１は、傾斜部２５ａ１の台紙部１０側の端部に形成されており、第２の折り曲げ線ＢＬ－２の延長線に対して、所定の傾斜角度で傾斜している。傾斜部２５ａ１は、板紙１ａを折り曲げることによって電池パッケージ１が形成されたとき、左糊代部２５ａの外周部の内、台紙部１０の下端１０２よりも、台紙部１０の中心側に後退（オフセット）している部分（後退部ＢＰ）でもある。

　図２に示すように、電池ＢＡが電池収納部２０に収容された後、上側壁部２３、右側壁部２４及び左側壁部２５がそれぞれ折り曲げられる方向とは反対方向に、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが折り曲げられる。

　その後、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれに糊剤（接着剤）が塗布される。接着剤が塗布された後、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれと対向するように、台紙部１０が折り曲げられる。すなわち、台紙部１０は、第１の折り曲げ線ＢＬ－１を境界にして、図１に示す正面部２１に対して、下側壁部２２が折り曲げられる方向と同じ方向に折り曲げられる。

　そして上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが、台紙部１０に貼り付けられる。これにより、図３で示すように、立ち姿勢で販売可能な電池パッケージ１を得ることができる。また、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが台紙部１０に接着されることにより、電池パッケージ１の運搬時、電池パッケージ１の陳列時などにおいて、電池収納部２０に収納された電池が電池パッケージ１の外部に飛び出すことを防止することができる。

　立ち姿勢は、例えば、商品展示用のラックから略水平に延びている吊り下げ棒に掛けられている電池パッケージ１が、吊り下げ棒から鉛直方向に垂れ下がっている状態である。

　また立ち姿勢は、板紙１ａの下端１０２が梱包用又は陳列用の受けトレイの底面、梱包用又は陳列用のボックス内の底面などと対向して、板紙１ａの鉛直方向に延伸するように、電池パッケージ１がトレイなどに収納されている状態でもよい。

　なお、上記のように立ち姿勢で販売される電池パッケージ１は、台紙部１０に吊り下げ用の穴（吊り穴１０ａ）を設けて、水平方向に延ばした横棒を吊り穴１０ａに通すことで、吊り下げる形態で販売に供されてもよいし、或いは、受けトレイ上やボックス内にて立ち姿勢で収納されている形態で販売に供されてもよい。すなわち電池パッケージ１は、前述した吊り下げ棒に吊り下げられた状態で販売に供されてもよいし、梱包用又は陳列用の受けトレイ、梱包用又は陳列用のボックスなどに収納された状態で販売に供されてもよい。

　ここで、前述したように、販売店でユーザが電池パッケージ１を手に取ろうとしたときに、電池パッケージ１を滑らせて床に落下させて電池パッケージ１の下側角部が床に衝突する場合がある。この場合でも、電池パッケージ１の右糊代部２４ａ、及び左糊代部２５ａの周囲にはダメージを緩和するための構成が設けられている。

　衝突のダメージを低減するため、例示している電池パッケージ１には、図１で示した右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａの下側（図１においては上側）に後退部ＢＰが設定されている。

　図３で、より明らかなように後退部ＢＰは、電池パッケージ１の台紙部１０の左右下側の角部に貼り付けされる部分に対応して設けられており、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａの外周部が台紙部１０の下側外周部よりも内側に後退（オフセット）させてある部分である。すなわち、後退部ＢＰは、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａの縁部（外周部）の内、台紙部１０の下端１０２よりも、台紙部１０の中心側に位置している。

　このように後退部ＢＰが形成されることにより、台紙部１０の表面の一部に非接着部１０２ａが形成される。非接着部１０２ａは、電池パッケージ１の落下時に生じる衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部として機能する。

　非接着部１０２ａが衝撃エネルギーを吸収する様子を、図４Ａ及び図４Ｂを参照して説明する。

　このような後退部ＢＰが設けてあると、図４Ａで示すように、電池パッケージ１が下側の角部を床に衝突させる状態で落下しても、台紙部１０の角部が変形することにより衝突エネルギーを吸収するので、糊代部（図示の場合は右糊代部２４ａ）の下端部ＤＡへのダメージを低減できる。

　すなわち、図４Ａで示すように、電池パッケージ１が下側の角部が床に衝突した場合、右糊代部２４ａと電池パッケージ１の縁部との間に設けられている非接着部１０２ａが床に衝突して変形する。これにより、右糊代部２４ａに伝達される衝突エネルギーが低減されて、右糊代部２４ａの接着箇所の剥離が抑制される。

　図４Ｂは比較例に係る電池パッケージ１Ａの下側角部が床に衝突した状態を示す図である。図４Ｂに示す比較例に係る電池パッケージ１Ａには、後退部ＢＰが設けられていない。このため、右糊代部２４ａの縁部（外周部）が台紙部１０の外周部に位置している。この場合には糊代部の下端部ＤＢが受けるダメージが大きくなる。

　すなわち、電池パッケージ１Ａが下側の角部が床に衝突した場合、右糊代部２４ａが床に衝突して変形する。これにより、右糊代部２４ａの接着箇所の全部又は一部が剥離する可能性がある。この場合、電池が電池パッケージ１Ａの外部に飛び出すことがある。

　なお、図４Ａに示すように、上記のような糊代部の外周部を台紙部１０の外周部を内側へ後退させた構成は、電池パッケージ１の落下時の衝撃の緩和の効果だけでなく、生産性の向上にも寄与する。すなわち、電池パッケージ１に後退部ＢＰを設けた場合、右糊代部２４ａなどの接着箇所の剥離を抑制できるだけでなく、電池パッケージ１の生産性を高めることもできる。この効果を、図５Ａ及び図５Ｂを参照して説明する。

　図５Ａは製造設備において電池パッケージ１が折り畳まれる様子を示した図である。ここでは、電池の図示は省略している。図５Ｂは製造設備において電池パッケージ１Ａが折り畳まれる様子を示した図である。

　同じ製造設備であっても、使用する板紙の状態や環境変化などによって、折り曲げた部分の折り目が不足する場合（折りの角度が予定よりも小さくなる場合）がある。

　例えば製造設備を利用して複数の電池パッケージ１を製造する場合、電池パッケージ１Ａに使用される材料の厚み、板紙１ａが抜き加工されるときの寸法公差、製造装置の周囲の気温、湿度などによって、接着部３０の折り目幅が不足する場合がある。また、接着部３０の折り曲げられた部分の折り曲げ角度が設定値よりも小さくなる場合がある。

　例えば直前の工程で糊代部が予定よりも立った状態となり、次の工程で台紙部１０を反転させ、電池収納部の上に被せるという場合には、折り畳みの途中で干渉してしまう（図５ＢのＦＲを参照）。図中の符号ＦＲで示す部分は、台紙部１０が右糊代部２４ａに干渉する部分である。

　具体的には、右側壁部２４の折り曲げ工程の後、右糊代部２４ａを折り曲げる工程において、右糊代部２４ａの折り目位置が設定位置からずれることで、右側壁部２４の高さが高くなる場合がある。この場合、台紙部１０を電池収納部２０に被せるときに、台紙部１０の折り畳みの途中で、台紙部１０が右糊代部２４ａに干渉する虞がある。

　また、右側壁部２４の折り曲げ工程の後、右糊代部２４ａを折り曲げる工程において、右糊代部２４ａの折り曲げ量が不足して、右側壁部２４の延伸方向に対する右糊代部２４ａの角度が４５度前後になる場合、すなわち、右糊代部２４が垂直に近い状態で折り曲がっている場合がある。この場合も上述したように、台紙部１０が右糊代部２４ａに干渉する虞がある。

　このように干渉が発生した場合に、台紙部１０が無理に畳み込まれると、皺や折れが発生して、電池パッケージ１Ａが不良品となってしまう。よって、製造設備の運転を止めて対処（不良品になった電池パッケージ１Ａを製造設備から取り除くなど）しなければならない。

　これに対して、図５Ａに示した本開示の実施の形態に係る電池パッケージ１では、右糊代部２４ａの外周部が、台紙部１０の下端よりも台紙部１０の中心側に後退しているため、台紙部１０が右糊代部２４ａに干渉することを回避でき、電池パッケージ１の生産を円滑に継続できる（図５ＡのＮＦを参照）。図中の符号ＮＦは、台紙部１０の右糊代部２４ａへの干渉が回避される部分である。

　このように、電池パッケージ１に後退部ＢＰを設けることによって、上述した電池パッケージ１では、電池パッケージ１の生産性を向上させることができる、という効果も期待できる。

　図１、図２及び図３で例示している電池パッケージ１における糊代部の形態は、台紙部１０の下側の左右の角部を丸め加工（Ｒ面取り加工と称する場合もある）されている場合に、糊代部の外周となる角部を切り落し加工（Ｃ面取り加工と称する場合もある）にすることにより、台紙部１０の外周よりも糊代部の外周を内側に後退さたせた一例を示したもので、後退させる形態例はこれに限定する必要はない。

　丸め加工は、台紙部１０の下端１０２の角部の外周部に湾曲部１０ｂを形成することである。切り落し加工は、右糊代部２４ａに傾斜部２４ａ１を形成することであり、左糊代部２５ａに傾斜部２５ａ１を形成することでもある。

　丸め加工と、切り落し加工には、例えば、板紙１ａの一部を切断する方法だけでなく、コートボールから板紙１ａを打ち抜く金型を所定形状に設定し、この金型を利用してコートボールを打ち抜く方法を含めてもよい。

　すなわち、図６Ａの円ＣＲＡ内で示すように直角形状に加工してある外周部を有する台紙部１０に対して、糊代部の外周部となる角部を切り落し加工して台紙部１０の外周部よりも糊代部の外周部が内側になるように後退させてもよい。

　図６Ａには、本開示の実施の形態に係る電池パッケージ１の第１変形例が示されている。第１変形例に係る電池パッケージ１－１では、図６Ａの円ＣＲＡで囲まれる部分に直角部１０ｃが形成されている。

　直角部１０ｃは、台紙部１０の下端１０２の角部の外周が直角になるように加工された部分である。そして、右糊代部２４ａには前述同様の傾斜部２４ａ１が形成され、左糊代部２５ａにも傾斜部２５ａ１が形成されている。これにより、右糊代部２４ａと左糊代部２５ａのそれぞれの外周部を、台紙部１０の下端１０２よりも後退させることができるため、電池パッケージ１－１に後退部ＢＰを設けることができる。

　また、図６Ｂの円ＣＲＢ内で示すように切り落し加工された外周部を有する台紙部１０に対して、糊代部の外周部となる角部をそれよりも深く切り落し加工して台紙部１０の外周よりも糊代部の外周を内側に後退させてもよい。

　図６Ｂには、本開示の実施の形態に係る電池パッケージ１の第２変形例が示されている。第２変形例に係る電池パッケージ１－２では、図６Ｂの円ＣＲＢで囲まれる部分に、傾斜部１０ｄが形成されている。

　傾斜部１０ｄは、台紙部１０の下端１０２の角部に形成されており、下端１０２に対して所定角度で傾斜している。そして、右糊代部２４ａには傾斜部２４ａ１が形成され、左糊代部２５ａには傾斜部２５ａ１が形成されている。

　この場合、傾斜部２４ａ１及び傾斜部２５ａ１の位置は、それぞれが台紙部１０の２つの傾斜部１０ｄよりも、台紙部１０の中心側に後退した位置に設定されている。これにより電池パッケージ１－２に後退部ＢＰを設けることができる。

　なお、糊代部（傾斜部２４ａ１及び傾斜部２５ａ１）の傾斜角度は、以下のように設定される。ここでは、傾斜部２５ａ１の傾斜角度に関して説明する。傾斜部２４ａ１の傾斜角度は、傾斜部２５ａ１の傾斜角度と同様に設定してもよいし、傾斜部２５ａ１の傾斜角度と異なる角度に設定してもよく、その説明を省略する。糊代部の外周となる角部を切り落し加工する際には、図７に示すように切り落し角度αは４５度を中心にしてその前後１０度とするのが好ましい。

　切り落し角度αが５５度より大きい場合は、左糊代部２５ａの面積が相対的に小さくなり、接着強度低下という不都合がある。

　切り落し角度αが３５度より小さい場合は、左糊代部２５ａの傾斜部２５ａ１の位置が台紙部１０の下端１０２の外周面の位置に近くなり、非接着部１０２ａの面積が小さくなる。このため、非接着部１０２ａによる衝撃エネルギーの吸収性が低下し、落下時の衝撃による剥離という不都合があるからである。

　一方、切り落し角度αが３５度未満の場合、左糊代部２５ａの傾斜部２５ａ１の位置が台紙部１０の下端１０２の外周面の位置に近くなり、非接着部１０２ａの面積が小さくなる。このため、非接着部１０２ａによる衝撃エネルギーの吸収性が低下し、左糊代部２５ａが剥離し得るからである。

　ここで、切り落し角度αを４５度に設定した場合、その際に左糊代部２５ａから切り落される部分の形状は、左糊代部２５ａの角部が直角の場合、二等辺三角形である。この二等辺三角形状の短辺の長さＣＬは、５ｍｍ以上とするのが好ましい。長さＣＬが５ｍｍ以上の場合、傾斜部２５ａ１の長さＣＬ１は７ｍｍ以上とするのが好ましい。例えば、短辺の長さＣＬが１１ｍｍの場合、傾斜部２５ａ１の長さＣＬ１は１６ｍｍである。

　図８は４本の単三電池を収納可能な板紙１ａの各部寸法の一例を示す図である。図８に示されているＬ～Ｌ１５までの寸法は以下の通り例示することができる。なお以下に示す括弧内の数値は、４本の単三電池に代えて、４本の単四電池を収納可能に形成されている板紙１ａの寸法を表す。
　Ｌ：１９９．０ｍｍ（１８６．１ｍｍ）
　Ｌ１：１０８．０ｍｍ
　Ｌ２：８５．５ｍｍ
　Ｌ３：５９．９ｍｍ（４４．４ｍｍ）
　Ｌ４：１４．８ｍｍ（１０．９ｍｍ）
　Ｌ５：５１．６ｍｍ（４５．６ｍｍ）
　Ｌ６：１４．５ｍｍ（１０．６ｍｍ）
　Ｌ７：１１．０ｍｍ
　Ｌ８：５９．８ｍｍ（４４．４ｍｍ）
　Ｌ９：５７．３ｍｍ
　Ｌ１０：１４．６ｍｍ
　Ｌ１１：１１．０ｍｍ
　Ｌ１２：１０．０ｍｍ（９．０ｍｍ）
　Ｌ１３：４２．５ｍｍ（３０．５ｍｍ）
　Ｌ１４：１０．０ｍｍ（９．０ｍｍ）
　Ｌ１５：７．０ｍｍ

　なお、前述した電池パッケージ１、１－１、１－２は、電池収納部２０の周囲の３面の外側に折り曲げて形成されると共に、下側角部に対応する部分が取り除かれた形状の糊代部を備えているが、以下のように構成されてもよい。電池収納部２０の周囲の３面には、上糊代部２３ａ、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａが含まれている。

　（第３変形例に係る電池パッケージ）
　第３変形例に係る電池パッケージは、電池収納部２０の周囲の３面の外側に折り曲げて形成されている糊代部と、下側角部に対応する部分が取り除かれた形状の台紙部１０とを備えている。

　具体的には、図１に示す右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれに後退部ＢＰが形成されない代わりに、図１に示す台紙部１０の両側の下側角部が、第２の折り曲げ線ＢＬ－２の延長線に対して、所定の傾斜角度で傾斜するように加工される。

　これにより、板紙１ａを折り曲げることによって電池パッケージが形成されたとき、台紙部１０に形成された傾斜部は、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれの下端よりも、台紙部１０の中心側に後退（オフセット）する。従って、右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれの一部に非接着部が形成される。

　この非接着部は、電池パッケージの落下時に生じる衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部として機能する。このため、図４Ａに示す電池パッケージ１と同様に、第３変形例に係る電池パッケージの下側の角部が床に衝突した場合、右糊代部２４ａ全体の領域の内、接着剤が塗布されていない部分が床に衝突して変形する。これにより、右糊代部２４ａ全体の内、接着剤が塗布されている部分（接着箇所）に伝達される衝突エネルギーが低減されて、当該接着箇所の剥離が抑制される。

　（第４変形例に係る電池パッケージ）
　第４変形例に係る電池パッケージは、電池収納部２０の周囲の３面の内側に折り曲げて形成されている糊代部と、下側角部に対応する部分が取り除かれていない形状の台紙部１０とを備えている。

　具体的には、台紙部１０の両側の下側角部は、切り落とされることなく、円弧状又は直角形状に形成されている。右糊代部２４ａ及び左糊代部２５ａのそれぞれには、図１に示す後退部ＢＰが形成されてもよいし、後退部ＢＰが形成されていなくてもよい。

　そして、板紙１ａを折り曲げることによって電池パッケージが形成されるとき、右糊代部２４ａは、第７の折り曲げ線ＢＬ－７を境界にして、正面部２１に対して右側壁部２４が折り曲げられる方向と同じ方向に折り曲げられる。左糊代部２５ａは、第８の折り曲げ線ＢＬ－８を境界にして、正面部２１に対して左側壁部２５が折り曲げられる方向と同じ方向に折り曲げられる。

　これにより、右側壁部２４及び左糊代部２５ａのそれぞれの下側端部は、台紙部１０の両側の下側角部よりも、台紙部１０の中心側に後退（オフセット）する。従って、台紙部１０の下側角部に、糊代部と重ならない部分が形成される。

　当該部分は、電池パッケージの落下時に生じる衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部として機能する。このため、図４Ａに示す電池パッケージ１と同様に、第４変形例に係る電池パッケージの下側の角部が床に衝突した場合、台紙部１０の下側角部が床に衝突して変形する。これにより、右糊代部２４ａ全体の内、接着剤が塗布されている部分（接着箇所）に伝達される衝突エネルギーが低減されて、当該接着箇所の剥離が抑制される。

　以下では、図１、図２及び図３で例示している電池パッケージ１を実際に製造して、電池パッケージ１に対して落下試験を実施した場合における接着強度と、実際の製造設備で電池パッケージ１の生産試験を実施した場合における折り畳み結果について説明する。

　＜落下試験＞
　電池パッケージ１を、７５ｃｍの高さからコンクリートの床に向けて、電池パッケージ１の角部が床に衝突する姿勢で自由落下させた場合の結果を確認した（図４参照）。

　（１）Ｃ面取り加工で切り落し角度αが４５度の場合：台紙部１０の外周部付近に形成されている非接着部１０２ａにおける落下時のダメージが大きく、これにより糊代部（例えば右糊代部２４ａ）へのダメージが緩和されていた。これにより、電池パッケージ１の落下に対する耐性が向上しているのが確認された。

　（２）Ｃ面取り加工で切り落し角度αが６０度の場合：切り落し角度αが４５度の場合に比べて、非接着部１０２ａにおける落下時のダメージが小さくなるが、この場合でも電池パッケージ１の落下に対する耐性が向上しているのが確認された。
　（３）Ｒ面取り加工：外形を成している台紙部１０の外周に対応して糊代部の外周も同様にＲ面取り加工した。落下時に糊代部が直接にダメージを受けて接着強度が大きく低下していることが確認された。

　＜生産試験＞
　製造設備の折り畳み工程において、糊代部の折り目の角度が小さく４５度以下（例えば、右側壁部２４に対する右糊代部２４ａの角度が４５度以下）である場合に、糊代部の角部を丸め加工（Ｒ面取り加工）にした場合には台紙部１０を反転させて糊代部に被せたときに、台紙部１０の糊代部への干渉が発生した。

　これに対して、糊代部の角部を切り落し加工（Ｃ面取り加工）した場合には、糊代部の折り目付け（糊代部の折り目の角度）が更に小さいな３０度程度であっても、台紙部１０が糊代部に干渉せず、台紙部１０を折り畳むことができた。

　なお、上記のように糊代部の外周部の角部を丸め加工した場合、当該角部を直角形状とした場合に比べて、糊代部の外周部を台紙部１０の外周部から後退させることができる。ただし、その場合の後退量（オフセット量）は小さくなるため、糊代部の外周部の角部は、切り落し加工によって、十分に後退させておくのが好ましい。

　以上に説明したように、本実施の形態に係る電池パッケージは、用紙から形成される台紙部と、用紙を折り曲げることによって形成された電池収納部と、を有する電池パッケージであって、電池収納部は、台紙部に結合される底部を有し、電池収納部の周囲の３面が糊代部により台紙部と接着され、糊代部は、電池パッケージの下側角部において、台紙部と重ならない形状を有する。

　この構成により、糊代部の周囲に設けられている部分が電池パッケージの落下時の衝撃エネルギーを吸収することで接着箇所の剥離が抑制される。これにより、台紙部から糊代部が剥がれることを防止できるため、収納部に収納されている電池が電池パッケージの外部に飛び出すことを防止できる。

　また、糊代部が電池パッケージの下側角部において、台紙部と重ならない形状を有することにより、電池パッケージの下側角部において、糊代部及び台紙部が重なっている場合に比べて、糊代部又は台紙部が変形し易くなり、衝撃吸収効果を高めることができる。

　なお、例えば、以下のような態様も本開示の技術的範囲に属するものと了解される。

　（１）本開示の実施の形態に係る電池パッケージは、用紙から形成される台紙部と、前記用紙を折り曲げることによって形成された電池収納部と、を有する電池パッケージであって、前記電池収納部は、前記台紙部に結合される底部を有し、前記電池収納部の周囲の３面が糊代部により前記台紙部と接着され、前記糊代部は、前記電池パッケージの下側角部において、前記台紙部と重ならない形状を有する。

　（２）前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状である。

　（３）前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、前記台紙部は、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状である。

　（４）前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の内側に折り曲げて形成される。

　（５）前記下側角部に対応する部分の角度は４５度を中心にして前後１０度である。

　（６）前記角度は４５度であり、切り落される部分となる二等辺三角形の短辺の長さは５ｍｍ以上である。

　以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様で種々変更して実施することができることは言うまでもない。

　２０２０年１１月３０日出願の特願２０２０－１９７８４１の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、全て本願に援用される。

　１　電池パッケージ
　１Ａ　電池パッケージ
　１－１　電池パッケージ
　１－２　電池パッケージ
　１ａ　板紙
　１０　台紙部
　１０ａ　吊り穴
　１０ｂ　湾曲部
　１０ｃ　直角部
　１０ｄ　傾斜部
　２０　電池収納部
　２１　正面部
　２１ｗ　窓部
　２２　下側壁部
　２３　上側壁部
　２３ａ　上糊代部
　２４　右側壁部
　２４ａ　右糊代部
　２４ａ１　傾斜部
　２５　電池収納部の左側壁部
　２５ａ　左糊代部
　２５ａ１　傾斜部
　３０　接着部
　１０１　上端
　１０２　下端
　１０２ａ　非接着部
　Ｄ１　縦方向
　Ｄ２　横方向
　ＵＡ　領域
　ＬＡ　領域
　ＢＡ　電池
　ＢＬ－１　第１の折り曲げ線
　ＢＬ－２　第２の折り曲げ線
　ＢＬ－３　第３の折り曲げ線
　ＢＬ－４　第４の折り曲げ線
　ＢＬ－５　第５の折り曲げ線
　ＢＬ－６　第６の折り曲げ線
　ＢＬ－７　第７の折り曲げ線
　ＢＬ－８　第８の折り曲げ線
　ＢＰ　後退部
　ＣＬ　長さ
　ＣＬ１　長さ
　α　切り落し角度

Claims

　用紙から形成される台紙部と、
　前記用紙を折り曲げることによって形成された電池収納部と、
を有する電池パッケージであって、
　前記電池収納部は、前記台紙部に結合される底部を有し、
　前記電池収納部の周囲の３面が糊代部により前記台紙部と接着され、
　前記糊代部は、前記電池パッケージの下側角部において、前記台紙部と重ならない形状を有する、電池パッケージ。
　前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状である、請求項１に記載の電池パッケージ。
　前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の外側に折り曲げて形成され、
　前記台紙部は、前記下側角部に対応する部分が取り除かれた形状である、請求項１に記載の電池パッケージ。
　前記糊代部は、前記電池収納部の周囲の３面の内側に折り曲げて形成される、請求項１に記載の電池パッケージ。
　前記下側角部に対応する部分の角度は４５度を中心にして前後１０度である請求項１に記載の電池パッケージ。
　前記角度は４５度であり、切り落される部分となる二等辺三角形の短辺の長さは５ｍｍ以上である請求項５に記載の電池パッケージ。