WO2021117312A1 - 弦楽器用音響回路装置 - Google Patents

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Abstract

(課題) ギターなどの弦楽器において、作曲者及び演奏者の意図に応じて各演奏曲の良さを強調できるレコーディングに適した弦楽器用音響回路装置を提供する。 (解決手段) この弦楽器用音響回路装置1は、弦楽器2の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部3と、音質を調整する音質調整部4と、音量を調整する音量調整部5と、少なくとも有している。また、音質調整部4は、異なる音質を表現する複数のコンデンサ6を有するコンデンサ部7と、前記コンデンサ部7から使用するコンデンサ6を選択する選択部8とを有している。

Description

弦楽器用音響回路装置
 本発明は弦楽器に採用される回路を備えた音響回路装置に関する。
 従来、弦楽器が発する音を拡大したり、効果を与える音響回路が知られている。
 上記音響回路の一例として下記特許文献1に示すものがある。
 下記特許文献1では、特殊効果のモードを選択するモード選択手段を備えた電気ギターの効果装置において、足で踏み込むことによって踏み込み量の変化が可能なペダルと、前記ペダルの踏み込み量を電気信号に変換する変換手段と、前記変換手段出力に応じて、特殊効果音を変化させる効果音変化手段を備えた電気ギターの効果装置が提案されている。
 この特許文献1に係る発明であれば、ペダルの踏み込み量に応じて特殊効果音が変化するため、ギター演奏などにおいては、演奏者はギターから手を離すことなく足の操作のみで特殊効果音を変化できる利点があると記載されている。
 また、エレキギターは多種多様な種類があり、ピックアップや木材や金属パーツなど様々な形状のものが存在する。それらを使い分けることで様々な音を出すことができるが、レコーディングなどのシビアな音質を追求する場面ではほんの微妙な差のために同種類のギターを複数用意して使用することも少なくない。
特開昭61-056697
 その中でもトーンコンデンサは種類によりサウンドの変化があることこそ一般的に知られてはいるが、その具体的な変化の傾向と応用方法を分かっておらず、エレキギターそのものを交換する形態が普通であった。
 例えばサステインの短いセラミックコンデンサとサステインの長いオイルコンデンサとを使い分けるためにはコンデンサを半田付けで交換するという手間が発生するため、黙殺されるか歯切れの良いギター(例としてセラミックコンデンサを搭載したテレキャスター)とサステインの長いギター(例としてオイルコンデンサのついたレスポール)を用意していた。
 場合によっては同じストラトキャスタータイプでも一方は歯切れが良く、一方は響きが豊かなどということで2本のギターが用意されることもよくあることである。
 これらのサウンドの差は多くの場合、ギタータイプやピックアップ、木材など様々な要素を含んでいるが、トーンコンデンサにおいては微妙な差ということで比較的軽視されていた。
 信号を歪ませることも多いエレキギターにおいて高音域の倍音の変化は非常に重要なものとなる。
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は上記課題を解決できる弦楽器用音響回路装置を提供することにある。
 具体的な目的の一例を示すと、以下の通りである。
(a)ギターなどの弦楽器において、作曲者及び演奏者の意図に応じて各演奏曲(各楽曲)の良さを強調できるレコーディングに適した弦楽器用音響回路装置を提供する。
(b)ギターなどの演奏曲の音楽的表現力を高めてライブ等において、音楽的な評価を高めることができる弦楽器用音響回路装置を提供する。
 なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
 本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。
 本発明は、弦楽器の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部と、音質を調整する音質調整部と、音量を調整する音量調整部とを少なくとも有する弦楽器用音響回路装置において、
 前記音質調整部は、異なる音質を表現する複数のコンデンサを有するコンデンサ部と、前記コンデンサ部から使用するコンデンサを選択する選択部を備えたことを特徴とする。
 「変換部」の例として、エレキギターであればピックアップが例示できる。
 「音質」は音色を含む概念である。
 「異なる音質」とは、ギターを例に取れば、高音域を強調できる音質、低音域を強調できる音質、メタルのリフ等を演奏する場合に適した音質などが例示できる。
 この構成であれば、選択部を備えたことで演奏に適した音質を表現できるコンデンサを選択すれば楽曲の種類等に応じて最適な音質を選んで演奏することを一つの弦楽器で行うことができる。
 本発明に係る他の実施形態は、複数種類の単一のコンデンサを並列に接続した前記コンデンサ部を備え、前記選択部は前記コンデンサ部のうち、単一のコンデンサのみを選択することを特徴とする。
 この構成であれば、複数種類のうち、単一のコンデンサに起因する音質を生成することができる。
 本発明に係る他の実施形態は、複数種類の単一のコンデンサを並列に接続した前記コンデンサ部を備え、前記選択部は前記コンデンサ部が有するコンデンサを複数組み合わせて選択する構成としたことを特徴とする。
 この構成であれば、単一のコンデンサに起因する音質ではなく、複数種類のコンデンサに起因する音質を組み合わせた音質を生成することができる。
 この場合、一つ一つのコンデンサをスイッチング手段によって、2個、3個、n個というように並列及び/又は直列に選択することもできる。直列回路が形成されることは少なく、通常は並列回路で構成される。
 また、上記構成において、複数のコンデンサの組の回路を予め作っておき、そのコンデンサの組をスイッチング手段で選択することも可能である。この場合も通常はコンデンサを複数並列につなげた回路で構成されることが多い。
 なお、複数のコンデンサの組は異なる種類のコンデンサでも同種のコンデンサでもよい。異種の組の方が音色の変化が大きい。同種の場合でも、一つのコンデンサの構成に比べると電気的な損失の度合いが異なるので、音色は変わることになる。
 また、スイッチング手段として、並列と直列を組み合わせる、即ち、並列と直列をともに有するようにスイッチングすることも必要に応じて採用できる。
 本発明に係る他の実施形態は、前記複数のコンデンサは、セラミックコンデンサ、マイカコンデンサの少なくとも2つを含んでいることを特徴とする。
 この構成であれば、セラミックコンデンサ、マイカコンデンサを選択できるようにすることで、特にエレキギターなどにおいて、音質のバリエーションを多様にすることができる。
 本発明に係る他の実施形態は、さらに前記複数のコンデンサはペーパーインオイルコンデンサを含んでいることを特徴とする。
 この構成であれば、さらにペーパーインオイルコンデンサを選択できるようにすることで、特にエレキギターなどにおいて、音質のバリエーションを多様にすることができる。
 本発明に係る他の実施形態は、前記コンデンサ部のコンデンサの選択に伴う少なくとも音量データ、音質データの変化を調整する複数の調整データを予め記憶した調整データ記憶部と前記調整データ記憶部に基づいて調整を行う調整手段とを有していることを特徴とする。
 この構成であれば、調整データ記憶部に基づいて少なくとも音量、音質を調整するので、コンデンサを切替えても違和感ないように音量レベル及び/又は音質レベルを調整することができる。
 本発明は、弦楽器の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部と、音質を調整する音質調整部と、音量を調整する音量調整部とを少なくとも有する弦楽器用音響回路装置において、
 前記音質調整部は、異なる音質又は同じ音質を表現する複数のコンデンサを並列又は/及び直列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えていることを特徴とする。
 そのような構成として、音質調整部が、異なる音質を表現する複数のコンデンサを並列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えている構成がある。
 また、音質調整部が、異なる音質を表現する複数のコンデンサを直列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えている構成がある。
 また、音質調整部が、同じ音質を表現する複数のコンデンサを並列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えている構成がある。
 また、音質調整部が、同じ音質を表現する複数のコンデンサを直列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えている構成がある。
 並列が一般的であるが、並列と直列を組み合わせることを除外するものではない。
 本発明に係る他の実施形態は、前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとマイカコンデンサを含んで構成されることを特徴とする。
 本発明に係る他の実施形態は、前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする。
 本発明に係る他の実施形態は、前記コンデンサの組が並列に接続されたマイカコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする。
 本発明に係る他の実施形態は、前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとマイカコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする。
 後述する図9に示すセラミックコンデンサ、図10に示すマイカコンデンサ、図11に示すペーパーインオイルコンデンサの特性を並列に組み合わせた組は、おおよそ個々のコンデンサの特性を重ね合わせた音響を生み出すと言える。
<本発明の一つの要点>
 まず、実施形態を説明する前に、本発明を生み出すことになった技術的着目点と、発明の効果などに係る内容を概略的に説明する。
 エレキギターにおいて音質調整回路(トーン回路など)に使用するコンデンサは、トーン機能を使わない場合においてもギターのサウンドに少なからず影響を与えることは既知の事実である。
 しかし、そのパーツ選定は各社が規定した数値や材質などを設計上あるいは経験上の判断で行われていることが多かった。そこで、本発明者は、様々な素材やコンデンサの容量で音質変化を確認した上で、それらのコンデンサの特質を活かすようにするために各種スイッチを用いた、エレキギターに内蔵するコンデンサセレクト回路装置を発明した。
 また、この回路装置を搭載したギターをギターアンプで鳴らして録音し、特性を計測した結果、コンデンサの違いによって明らかに出力信号が変化していることを発見した。
 さらに、本発明に係るギター回路であれば、コンデンサの容量を少ないものに切替えたり、コンデンサの材質を選択することで、本来のハッキリと高音域を減衰させるトーン回路としての機能のみならず、倍音を制御し、積極的にギターの音色を作る回路となる利点を有することを確認した。
 非常に小さな容量のコンデンサをトーン回路に用いるとほとんど高音域がカットされない状態になり本来の用途とは違ったものとなるが、セレクタ回路であれば本来のトーン回路用の容量を持ったコンデンサと音質調整用のコンデンサを切替えることができるため、本発明は楽器本来の機能を縮小することなく、楽器表現力の可能性を向上させるものである。
 コンデンサの種類、容量によって得られた特性の一例は、例えば図8~図11に示す通りであり、倍音構成やサステインにあきらかな変化を確認できた。
 これらの変化はレコーディングなどの厳密な環境下において同一の和音であっても、和音を鍵盤に置き換えた際に、鍵盤位置の構成が異なって聴こえるほどの変化として感じることができる性能の良いものであった。
 さらに、本発明について説明する。
 なお、わずかな変化であってもレコーディングにおいてはアンサンブルの中での聴こえ方が大きく異なり、弾き心地の変化により演奏内容も変化する。
 また、高域の減衰を主たる目的とせず、倍音の性質を変化させるという回路としてトーン回路とトーンセレクト回路を使用した音質調整が可能となる。
 この回路はデジタル技術などと異なり、エレキギター本来の回路と構造を利用した自然な音質変化であることが特徴である。
 信号はコンデンサを通過する際に、ESR(直列電気抵抗)とESL(寄生インダクタンス)により高域になるほど周波数特性は理想値に対して影響を受ける。
 材質、容量、実装方法によりESR、ESLは変化する。この際に変化する性質が高音域に影響を与える。
 電解コンデンサとタンタルコンデンサを比較した場合、10KHz近辺においてのESRは10Ωほどの差を示す。
 録音機器、再生機器共に理想とするものは原音の忠実な記録と再生である。
 しかしながら、予期せぬ歪みなどが倍音を生成し、ハーモニーとなって心地よい音に感じるという現象が起きた。
 この最たる例がギターアンプやエフェクターを使用した歪んだ音である。これらはクリッピングに使う素子などで基本的な音色が変化する。
 実際にはそれらを構成するパーツ全てのESRとESLの影響を受けており、パーツの材質や形状、実装の方法によって音色は微妙に変化する。
 しかし、この微妙な変化は演奏者や演奏を記録する際においては重要なものとなる。
 ESRとESLによる音響特性的変化は、計測上は信号の損失であるが、結果として音色に影響を与えている。
 ESRとESL)共に主に高域に作用し、高域の倍音にその影響は強く現れるため、音が柔らかい、音が硬いなど主に高域にまつわる音色の変化が現れる。
 ビンテージ機器が古い音や温かい音というように例えられる要素の1つはパーツの経年劣化によるESRとESL)の増大に起因する高音域の損失にある。
 この際の高音域の損失の周波数分布や信号に働きかける音声信号的バイアスはパーツの素材によって決定される。
 エレキギターのトーンコンデンサにおいては、ESL、ESRの影響を受けやすい微小な信号をハイインピーダンスで扱うということと、直接ギター本体の振動の影響を受けるギターキャビティ内にコンデンサを設置することでコンデンサの素材由来のインダクタンスによる音質の変化を顕著にしている。
 この性質を利用してESL、ESRを積極的に利用した音色調整回路が本発明の一特徴である。
 以上説明したように、本発明であれば、ギターなどの弦楽器において、作曲者及び演奏者の意図に応じて各演奏曲の良さを強調できるレコーディングに適した弦楽器用音響回路装置を提供できる。
 また、ギターなどの演奏曲の音楽的表現力を高めてライブ等において、音楽的な評価を高めることができる弦楽器用音響回路装置を提供できる。
図1は弦楽器用音響回路装置の基本構成を示す概略ブロック図である。 図2はエレキギター用音響回路装置において、音質調整部の構成を抜き出して描いた回路図である。 図3はエレキギター用音響回路装置において、音質調整部の構成を抜き出して描いた回路図である。 図4はエレキギター用音響回路装置において、音質調整部の構成を抜き出して描いた回路図である。 図5はエレキギター用音響回路装置において、音質調整部の構成を抜き出して描いた回路図である。 図6はエレキギター用音響回路装置の一例を示す回路図である。 図7はエレキギター用音響回路装置の一例を示す回路図である。 図8は、コンデンサ無しの倍音の分布を示す特性図であり、横軸は倍音の保持時間(サステイン)、縦軸は周波数を示している。 図9は、セラミックコンデンサの倍音の分布を示す特性図であり、横軸は倍音の保持時間(サステイン)、縦軸は周波数を示している。 図10は、マイカコンデンサの倍音の分布を示す特性図であり、横軸は倍音の保持時間(サステイン)、縦軸は周波数を示している。 図11は、ペーパーインオイルコンデンサの倍音の分布を示す特性図であり、横軸は倍音の保持時間(サステイン)、縦軸は周波数を示している。
<弦楽器用音響回路装置の説明>
 図1は本発明の一例としての弦楽器用音響回路装置の基本構成を示す概略ブロック図である。
 この弦楽器用音響回路装置1は、エレキギター、エレキベース等の弦楽器2に採用される回路装置である。
 この弦楽器用音響回路装置1は、弦楽器2の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部3と、音質を調整する音質調整部4と、音量を調整する音量調整部5とを少なくとも有している。また、音質調整部4は、異なる音質を表現する複数のコンデンサを有するコンデンサ部7と、前記コンデンサ部7から使用するコンデンサを選択する選択部8とを有している。
 変換部3の構成は実質的に弦の音を電圧や信号等に変換する機能があれば構成は特に限定されない。図1には図示していないが、変換部3を選択する変換部選択部を設けた構成が一般的である。
 出力部10としては、アンプやスピーカ等の各種音響機器が想定される。
 以下、本発明に係る弦楽器用音響回路装置をエレキギター用の音響回路装置を一例にとり、図面に基づき説明する。
 図1に示すようなエレキギター用音響回路装置1において、図2~図5はそれぞれ、主に音質調整部4の構成を抜き出して描いた回路図である。
 図2に示す構成は、エレキギターの音質用のコンデンサ6を、前記選択部8としてのロータリースイッチ8で切替える構成の回路の一例である。このロータリースイッチ8を用いて選択することで、複数のコンデンサ6を切替えることが可能になる。切替方法は一つ一つのコンデンサを個別に選択する方式を採用している。
 なお、図2には、コンデンサ部7に4つのコンデンサ6が設けられた実施形態が示してある。
 図3に示す構成は、エレキギターの音質用のコンデンサ6を、前記選択部8としてのトルグスイッチ8で切替える構成の回路の一例である。このトルグスイッチ8を用いて選択することで、複数のトーン用コンデンサ6を切替えることが可能になる。この切替方法も一つ一つのコンデンサを選択する方式である。
 図4に示す構成は、コンデンサ6を前記選択部8としてのDIPスイッチ8で切替える構成の回路の一例である。このDIPスイッチ8を用いて選択することで、複数のトーン用コンデンサ6を切替えることが可能になる。
 また、この回路装置では一つのコンデンサ6と他の1つ又は複数のコンデンサ6と組み合わせることが可能になる利点がある。つまり、一つのコンデンサに起因する音質と他の一つ又は複数のコンデンサに起因する音質とを組み合わせることができる。
 図5に示す構成は、コンデンサ6を前記選択部8としてのSLIDEスイッチ8によって切替える構成の回路の一例である。このSLIDEスイッチ8を用いて選択することで、複数のトーン用コンデンサ6を切替えることが可能になる。SLIDEスイッチ8はON-ON、ON-OFF-ONのいずれでも採用可能である。
 また、この回路装置では任意のコンデンサを組み合わせることも可能になる利点がある。
 図6~図7は、それぞれ音質調整部を組み込んだエレキギター回路の一例を示す図である。
 図6に示す実施形態は、一般的なストラトキャスタータイプのギター回路に音質調整部を搭載した場合の音響回路を示している。
 図6に示す音響回路は、ギターの弦の音又は振動を電気的信号に変化する複数のピックアップ3[例えばフロントピックアップ3(F、PU)、センターピックアップ3(C、PU)、リアピックアップ3(R、PU)]をそれぞれ選択する変換部選択部11としてのピックアップ選択部11と、音質調整用の複数のコンデンサ6の内、一つのコンデンサ6を選択する選択部8としてのコンデンサ選択スイッチ8と、音量調整部5とを備えている。
 図6に示す構成ではコンデンサ選択スイッチ8はロータリースイッチ8が採用された例が示してある。ロータリースイッチ8の極数は任意で変更可能である。
 ピックアップ選択部11は単一のピックアップを選択することも、又は複数のピックアップを選択することもできるように構成することが可能である。
 従来の音質調整用のコンデンサ6は通常1種類のみ搭載されているが、本実施形態では例えば4つ設けられている。
 これらの4つのコンデンサ6の内、一つを選択することで音特性を変化できる。
 図7は一般的なレスポールタイプのギター回路に本実施形態であるコンデンサセレクタ回路を搭載した場合の回路図である。この回路の場合はコンデンサ4種と、コンデンサがない場合とを選択できる。
<音質調整用のコンデンサによる特性>
 図8はコンデンサを有さない構成におけるギター回路の特性図である。倍音の分布はこれと言って特徴はなく、コンデンサ有りの場合に比べて音量が少し大きくなる。
 なお、この図8~図11のデータは、オーディオ技術開発メーカーであるiZotope社のRepair Assistant(リペア・アシスタント)という製品を使用して作成した。
 図9は、セラミックコンデンサの倍音の分布を示す特性図である。高音域のサステインの減衰が速く、測定可能な範囲を超えた超高音域に非常に短い倍音が発生するため、非常に明るく歯切れの良い音が得られる。このため、ファンクなどで多用されるカッティングフレーズの演奏時に音のキレが得られる。
 図10は、マイカコンデンサの倍音の分布を示す特性図である。高音域のサステインの減衰がコンデンサ無しより速く、奇数倍音が発生する。
 豊かな倍音により単音演奏時でも厚みのある心地良い音が得られる。バラードなどで美しい響きのクリーンやクランチサウンドが必要な場合に最適である。
 図11は、ペーパーインオイルコンデンサの倍音の分布を示す特性図である。高音域のサステインがコンデンサ無しより長くなっている。単音フレーズでも途切れて聞こえにくくなることなく、艶のある音が得られる。ミディアムテンポのロックはもちろんオールマイティーに使える。
 なお、他に本発明に使用可能なコンデンサとしては電解コンデンサとタンタルコンデンサなどの弦楽器に使用されるコンデンサがある。
 本発明は上記実施形態以外にも本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形を行うことが可能である。
(1)本発明に係る弦楽器用音響回路装置を各種の効果音などを付加する回路と一緒に組み合わせて構成することも可能である。
(2)本発明を、ギター回路を例にとって説明したが、前記したようにエレキギターだけでなく、三味線、琴などの弦楽器にも採用できる。これは、そのような弦楽器においても従来の伝統的な演奏形態から脱して多くの観衆を前に多種多様な演奏をする機会も増えているからである。したがって、前記したギター回路と同様の考え方に基づいて、各弦楽器用の変換部を取り付けることで、そのような弦楽器にも本発明を適用することができる。
 1…弦楽器用音響回路装置
 2…弦楽器
 3…変換部
 4…音質調整部
 5…音量調整部
 6…コンデンサ
 7…コンデンサ部
 8…選択部

Claims (11)

  1. 弦楽器の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部と、音質を調整する音質調整部と、音量を調整する音量調整部とを少なくとも有する弦楽器用音響回路装置において、
     前記音質調整部は、異なる音質を表現する複数のコンデンサを有するコンデンサ部と、前記コンデンサ部から使用するコンデンサを選択する選択部を備えたことを特徴とする弦楽器用音響回路装置。
  2. 複数種類の単一のコンデンサを並列に接続した前記コンデンサ部を備え、前記選択部は前記コンデンサ部のうち、単一のコンデンサのみを選択することを特徴とする請求項1に記載の弦楽器用音響回路装置。
  3. 複数種類の単一のコンデンサを並列に接続した前記コンデンサ部を備え、前記選択部は前記コンデンサ部が有するコンデンサを複数組み合わせて選択する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の弦楽器用音響回路装置。
  4. 前記複数のコンデンサは、セラミックコンデンサ、マイカコンデンサの少なくとも2つを含んでいることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の弦楽器用音響回路装置。
  5. さらに前記複数のコンデンサはペーパーインオイルコンデンサを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の弦楽器用音響回路装置。
  6. 前記コンデンサ部のコンデンサの選択に伴う少なくとも音量データ、音質データの変化を調整する複数の調整データを予め記憶した調整データ記憶部と前記調整データ記憶部に基づいて調整を行う調整手段とを有していることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の弦楽器用音響回路装置。
  7. 弦楽器の弦の音や振動を電気信号に変換する変換部と、音質を調整する音質調整部と、音量を調整する音量調整部とを少なくとも有する弦楽器用音響回路装置において、
     前記音質調整部は、異なる音質又は同じ音質を表現する複数のコンデンサを並列又は/及び直列に組み合わせたコンデンサの組を予め備えていることを特徴とする弦楽器用音響回路装置。
  8. 前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとマイカコンデンサを含んで構成されることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の弦楽器用音響回路装置。
  9. 前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の弦楽器用音響回路装置。
  10. 前記コンデンサの組が並列に接続されたマイカコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の弦楽器用音響回路装置。
  11. 前記コンデンサの組が並列に接続されたセラミックコンデンサとマイカコンデンサとペーパーインオイルコンデンサを含んで構成されることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の弦楽器用音響回路装置。
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