WO2020050088A1 - 遊技用代用貨幣の管理システム - Google Patents

Abstract

遊技用代用貨幣（Ｃ）の管理システムは、遊技用代用貨幣（Ｃ）の地模様（１）の画像をカメラ（１１）を介して取得する地模様取得装置（１２）と、遊技用代用貨幣（Ｃ）のユニークなＩＤ（２）を読み取るＩＤ読取装置（１３）と、地模様（１）の柄（４）とユニークなＩＤ（２）とをデータベース（１５）上で関連付けて記憶する管理制御装置（１４）と、を備え、管理制御装置（１４）は、地模様取得装置（１２）が取得した地模様（１）を画像分析して柄（４）を特定し、特定した判定対象となる遊技用代用貨幣（Ｃ）の地模様（１）の柄（４）が、ＩＤ読取装置（１３）から得た判定対象となる遊技用代用貨幣（Ｃ）のＩＤ情報に関連付けられた地模様（１）の柄（４）と一致するか否かをデータベース（１５）の検索により判定し、遊技用代用貨幣（Ｃ）の真偽判定を行う構成を有する。

Description

遊技用代用貨幣の管理システム 関連出願の相互参照

　本出願では、２０１８年９月６日に日本国に出願された特許出願番号２０１８－１８２８５７の利益を主張し、当該出願の内容は引用することによりここに組み込まれているものとする。

　本発明は、カジノや他の遊技用代用貨幣を使用するゲーム施設において使用される遊技用代用貨幣、及び遊技用代用貨幣の管理システムに関する。

　カジノやゲーム施設において行われる多くのライブテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。カジノやゲーム施設においては、こうしたゲームに使用するために遊技用代用貨幣が使われる。遊技用代用貨幣は、カジノやゲーム施設内の所定の交換所、あるいはゲームテーブル上で、両替担当員やゲームテーブルを担当しているディーラ等により、現金との交換が行われている。

　遊技用代用貨幣の偽物の使用はカジノで起こってはならない。カジノにおける遊技用代用貨幣の偽物の使用を防ぐため、国際出願公開第ＷＯ２０１７／１３５１０３号公報に記載の遊技用代用貨幣の管理システムでは、使用を想定する遊技用代用貨幣のＩＤをデータベースに予め登録しておき、データベースに存在しなかったＩＤが新たに存在する、もしくは２つ以上の同じＩＤが存在する、という状況があれば偽物の可能性があるとして判定する。

　本発明は、カジノやゲーム施設において使用される遊技用代用貨幣の偽物の使用を防ぐ管理システムあるいは遊技用代用貨幣を提供するものであり、カジノやゲーム施設における遊技用代用貨幣の偽物の使用や不正な交換を防ぐことを目的とするものである。従来技術では、遊技用代用貨幣に付された個別に識別可能なユニークなＩＤを予めデータベースに登録することにより、同じＩＤをもつ２つ以上の遊技用代用貨幣が発見された場合には、その内少なくとも１つは偽物であるということを判断することは可能であるが、本物の遊技用代用貨幣と偽物の遊技用代用貨幣を直接区別して把握することはできない。そのため、本物の遊技用代用貨幣の代わりに、偽物の遊技用代用貨幣だけが使用された場合に、それが偽物であるということは判定できず、偽物の遊技用代用貨幣が使用されることを防ぐという点においては直接的な解決策とはなっていない。

　上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣の管理システムは、
　遊技用代用貨幣は、製造工程または素材の製造工程で形成される地模様を備えるとともに、個別に識別可能なユニークなＩＤが付され、
　前記地模様は、一見すると互いの区別が困難であるが、完全には一致していない柄を有し、
　さらに前記遊技用代用貨幣は、複数のプラスチックの層を積層した多層構造を有し、
　前記地模様を有する層と、
　前記遊技用代用貨幣の金額等を表す表示が印刷された表示プラスチック層と、
　を備え、
　前記地模様を有する層は前記表示プラスチック層より内側に配置され、前記表示プラスチック層を通して、前記地模様が透けて視認可能な構成であり、
　前記管理システムは、
　前記地模様の画像をカメラを介して取得する地模様取得装置と、
　前記ユニークなＩＤを読み取るＩＤ読取装置と、
　前記地模様の前記柄と前記ユニークなＩＤとをデータベース上で関連付けて記憶する管理制御装置と、を備え、
　前記管理制御装置は、前記地模様取得装置が取得した地模様を画像分析して前記柄を特定し、
　特定した判定対象となる遊技用代用貨幣の地模様の前記柄が、前記ＩＤ読取装置から得た判定対象となる遊技用代用貨幣のＩＤ情報に関連付けられた地模様の柄と一致するか否かを前記データベースの検索により判定し、前記遊技用代用貨幣の真偽判定を行う構成を有する、ものである。

　またさらに、遊技用代用貨幣は、中間に不透明層を備えるとともに、前記不透明層を挟んで両側に前記地模様を有する層を備え、前記地模様を有する層は、表面と裏面に、一見すると互いの区別が困難であるが、それぞれ互いに完全には一致していない柄を有し、
　前記管理制御装置は、前記遊技用代用貨幣の表面の地模様の前記柄と、前記遊技用代用貨幣の裏面の地模様の前記柄と、前記ユニークなＩＤの少なくとも３つをデータベース上で関連付けて管理可能な構成である。

　さらに前記管理制御装置は、判定対象となる前記遊技用代用貨幣の表面の地模様の前記柄、及び／又は裏面の地模様の前記柄が、前記ＩＤ読取装置から得た判定対象となる遊技用代用貨幣のＩＤ情報に関連付けられた表面及び／又は裏面の地模様の柄と一致するか否かを前記データベースの検索により判定し、前記遊技用代用貨幣の真偽判定を行う構成である。

　さらには、前記管理制御装置は、前記地模様取得装置が取得した前記遊技用代用貨幣の地模様を画像分析して前記地模様の柄を特定するのに人工知能型装置が使用される構成であってもよい。

　さらに前記管理制御装置は、前記表示プラスチック層に印刷された表示との相対的な位置関係を利用して前記遊技用代用貨幣の地模様の柄を判別する機能を備えた、ものである。

　さらに前記地模様は、パール柄であってもよい。

　さらに前記地模様は、レースが前記表示プラスチック層により圧着されてできるレース柄であってもよい。

　さらに前記地模様は、前記遊技用代用貨幣の表示における印刷の網点パターンで形成されていてもよい。

　さらに前記ユニークなＩＤは、前記遊技用代用貨幣の表面に英数字で付されていてもよい。

　さらに前記ユニークなＩＤはＲＦＩＤであってもよい。

　さらに前記遊技用代用貨幣は、表面に英数字でユニークなＩＤが付され、かつＲＦＩＤが内蔵された構造であり、
　前記管理制御装置は、表面に付されたＩＤ情報と、ＲＦＩＤのＩＤ情報とを関連付けてデータベース上で管理可能な機能を備えた、ものである。

　また、さらに上記の従来の問題を解決するために、本発明の遊技用代用貨幣は、製造工程または素材の製造工程で形成される地模様を備えるとともに、個別に識別可能なユニークなＩＤが付され、前記地模様は一見して互いの区別が困難であるが、完全には一致していない柄を有し、前記柄を判定することにより、遊技用代用貨幣を個別に特定可能であるとともに、ＩＤを読み取ることにより、遊技用代用貨幣を個別に特定可能であり、地模様の画像の柄の情報とＩＤ情報とをデータベース上で関連付けて管理可能な構成を有する。

　上記の構成のように、特徴点を入れ込むのではなく、製造工程で自然と形成される、意図して形成することが難しいものを特徴点として利用することで、なにを特徴点にしているか悟られず、また悟られたとしてもコピー品を製造することが困難である。すなわち、まずなにを特徴にして登録を行っているのかが分からないため、どう偽造すればよいのかが分からない。また、もし特徴を無理やりコピーしようとして、パール柄を特徴としているものに対して、レース柄を特徴にしていると思い込んで偽造しても、他の特徴点をもってきてしまっているので、どのＩＤともマッチしない、又はほかのＩＤとマッチしてしまうので、偽造できない。

図１は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の斜視図である。 図２Ａは、本発明の実施の形態の地模様を備えたシート状部材の平面図である。 図２Ｂは、図２Ａのシート状部材とは柄の異なるシート状部材の平面図である。 図３Ａは、本実施の形態の遊技用代用貨幣の平面図である。 図３Ｂは、図３Ａの遊技用代用貨幣とは柄の異なる遊技用代用貨幣の平面図である。 図４は、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣の積層構造を説明する分解側面図である。 図５は、本発明の実施の形態の管理システムの構成を示すブロック図である。 図６は、本発明の実施の形態のデータベースに記憶される情報の内容の例を示す図である。 図７は、本発明の実施の形態の変形例の遊技用代用貨幣を示す斜視図である。 図８Ａは、本発明の実施の形態の別の変形例の遊技用代用貨幣の平面図である。 図８Ｂは、図８Ａの遊技用代用貨幣とは柄の異なる遊技用代用貨幣の平面図である。

　以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。

　なお、本実施例においては、一般に「プラーク」と呼ばれ、偽物の使用の防止がより求められる高額の遊技用代用貨幣（カジノにおいては主にＶＩＰルームで使われ、一般に略長方形形状である）を想定して説明するが、通常使用される円形の遊技用代用貨幣にも、本発明を当然に適用することができる。

　はじめに、本発明の管理システムで使用する遊技用代用貨幣Ｃの詳細を説明する。遊技用代用貨幣Ｃは、図１に示すように、製造工程または素材の製造工程で形成される地模様１を備えるとともに、個別に識別可能なユニークなＩＤ２が付されている。地模様１は素材となる多数の樹脂片を互いに重なりを持たせながら溶融させてプレスした後、所定の厚みになるようにスライスしてできるシート状部材３により形成されており、一般にパール柄Ｐとして知られている柄を備えている。パール柄Ｐは、製造工程で自然形成され、偶然に左右されてできる装飾模様であるため、同じ製造プロセスで作成しても、印刷等により作られる柄とは異なり、全く同じ柄にはならない。そのため、図２に示すように、柄としての統一感はあり、一見すると互いの区別が困難であるが、シート状部材３毎に異なる柄を備えている。例えば、図２Ａのシート状部材３と図２Ｂに示すシート状部材３とでは柄が異なる。また１枚のシート状部材３の中でも、切り出す場所ごとに異なる柄４を備えている。このシート状部材３から遊技用代用貨幣Ｃの形とサイズに従って所定数が切り出され、遊技用代用貨幣Ｃの地模様１の素材として使用されるため、結果として図３Ａ及び図３Ｂに示すように、遊技用代用貨幣Ｃの地模様１は、一見すると互いの区別が困難であるが、それぞれが完全には一致していない柄４を有する。

　さらに図４に示すように、遊技用代用貨幣Ｃは、複数のプラスチック層を積層した多層構造となっている。遊技用代用貨幣Ｃは、中間に不透明層５を備えている。不透明層５の間には、ＲＦＩＤ１０が配置されている。ＲＦＩＤ１０には、当該遊技用代用貨幣Ｃの価値（金額）情報に加えて、カジノやゲーム施設毎に設定された固有ＩＤ情報、製造ラインや製造日などの製造情報と関連する情報、遊技用代用貨幣Ｃ毎の個別ＩＤ情報、等が記憶されている。またＲＦＩＤ１０は、遊技用代用貨幣Ｃの表面に英数字で付された個別に識別可能なユニークＩＤ２の情報を、ユニークＩＤ２に代えて、あるいは同ＩＤ２と併せて、有している。また、ＲＦＩＤ１０は１枚の遊技用代用貨幣Ｃに２つ配置されていてもよい。特に長方形のプラークチップの場合には、長辺方向に２つ配置することで、読取りに有利になる。

　この中間の不透明層５を挟んで両側に地模様１を有する層６を備える。地模様１を有する層６は、シート状部材３をそのまま使用しても良いし、シート状部材３を別のプラスチック部材に貼り合わせたものであっても良い。上述した通り、地模様１は、一見すると互いの区別が困難であるが、完全には一致していない柄４を有しているため、地模様１を有する層６は、表面と裏面に、一見すると互いの区別が困難であるが、それぞれ互いに完全には一致していない柄４を備える。

　さらに地模様１を有する層６の各々の外側には、遊技用代用貨幣Ｃの金額等を表す表示８が印刷された表示プラスチック層７を備える。表示プラスチック層７は透明または着色透明であり、表示プラスチック層７より内側に配置された地模様１を有する層６は、表示プラスチック層７を通して、地模様１が透けて視認可能な構成になっている。また金額等を表す表示８は、当該遊技用代用貨幣Ｃの価値を示す金額情報の他、例えばローリングチップであるかキャッシュチップであるかを区別する情報、ジャンケットごとに異なり、ジャンケットを特定するためのジャンケット情報、カジノごとに異なり、カジノを特定するためのカジノ情報等をさらに備えていても良い。さらに表示プラスチック層７の各々の外側には、保護層となる透明層９が積層される。透明層９は着色透明であっても良い。

　このように多層構造とすることで、遊技用代用貨幣Ｃは、図１に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、不透明層５の色を変えることにより遊技用代用貨幣Ｃの種類を特定できるようすることも可能である。

　遊技用代用貨幣Ｃの製造時には、上記の各層に対応する複数の部材が積層された状態で熱圧着が行われる。この熱圧着によって、各隣り合う層どうしが圧着接合されて、全体として多層積層板が形成された後、プレス等により、略長方形あるいは円形等の所定の形状に打ち抜いて、個々の遊技用代用貨幣Ｃが形成される。プレスにより打ち抜く際に、打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の端にＲ加工（丸い角）が施される。

　次に、本発明の実施の形態の遊技用代用貨幣Ｃの管理システムを以下に説明する。図５は同システムの全体の構成を示すブロック図である。本管理システムは遊技用代用貨幣Ｃの地模様１の画像をカメラ１１を介して取得する地模様取得装置１２と、遊技用代用貨幣ＣのユニークなＩＤ２を読み取るＩＤ読取装置１３と、管理制御装置１４とを備えている。地模様取得装置１２、ＩＤ読取装置１３及び管理制御装置１４は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータ及びプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。

　地模様取得装置１２は、遊技用代用貨幣Ｃの表面の地模様１の柄４と、遊技用代用貨幣Ｃの裏面の地模様１の柄４を各々カメラを介して取得して、表柄情報４ｈと裏柄情報４ｔとしてデータベース１５に登録する。柄情報４ｈ、４ｔは数値化されたデータ、もしくは柄４の画像そのもののデータである。柄情報４ｈ、４ｔは、画像から抽出した特徴量であってもよい。

　ＩＤ読取装置１３は、遊技用代用貨幣Ｃの表面に英数字で付された個別に識別可能なユニークＩＤ２をカメラを介して取得する構成である。あるいはキーボード等を介して人がＩＤ２を直接入力することにより取得する構成であっても良い。またＩＤ２が、遊技用代用貨幣Ｃに内蔵されているＲＦＩＤ１０であり、ＩＤ読取装置１３は、ＲＦアンテナを介してＲＦＩＤ１０に記憶されている情報を取得するＲＦリーダーとしての機能を有していても良い。

　管理制御装置１４は、図６に示すように、遊技場で使用が想定される全ての遊技用代用貨幣Ｃの地模様１の柄４の情報４ｈ、４ｔと、ユニークなＩＤ２とをデータベース１５上で関連付けて予め保持している（遊技場では、使用が想定される全て遊技用代用貨幣ＣのＩＤ２を登録しておく）。データベース１５では、遊技用代用貨幣Ｃの片面の地模様１の柄４の情報４ｈ、４ｔだけでなく、両面（表面と裏面）の地模様１の柄４の情報４ｈ、４ｔを保持していることが望ましい。すなわち、管理制御装置１４は、遊技用代用貨幣Ｃの表面の地模様１の柄４と、遊技用代用貨幣Ｃの裏面の地模様１の柄４と、遊技用代用貨幣ＣのユニークなＩＤ２の少なくとも３つをデータベース１５上で関連付けて管理可能な構成であることが望ましい。

　管理制御装置１４は、地模様取得装置１２が取得した遊技用代用貨幣Ｃの地模様１を画像分析して柄情報４ｈ、４ｔを判別することにより柄４を特定する。柄４の特定は、予め設定した特徴点（光の反射率の違いや、模様の結節点の分布等）の抽出プログラム等により実施する。遊技用代用貨幣Ｃの柄４の特定は、基本的に、遊技用代用貨幣Ｃ全体の柄４を判定対象として柄４を特定するが、遊技用代用貨幣Ｃの一部分の柄４を判定対象とすることもできる。この場合には、遊技用代用貨幣Ｃの同じ部分を判定対象として予め決めておくことが求められる。またこの場合は特に、遊技用代用貨幣Ｃの表示プラスチック層７に印刷されている金額等を表す表示８との相対的な位置関係を利用することが有効である。すなわち、例えば図３Ａ及び図３Ｂにおいて、遊技用代用貨幣Ｃの価値（金額）を示している「１００」という表示８の右端の文字（０）に隣接している所定のエリアの地模様１を判定することを予め設定しておき、当該エリアの地模様１の柄４の情報４ｈ、４ｔをデータベース１５に登録しておくことにより、遊技用代用貨幣Ｃの表面全体を把握しなくても、当該エリアの柄４の情報４ｈ、４ｔを判別することで、遊技用代用貨幣Ｃの柄４の判定が可能となる。

　また管理制御装置１４は、柄４を特定するために人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する人工知能型装置が使用されてもよい。人工知能型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング（構造）技術においては、自己学習機能等を用いて、柄４どうしの違いを認識して、地模様取得装置１２が取得した遊技用代用貨幣Ｃの地模様１の柄４を一意に特定することが可能である。

　管理制御装置１４はさらに、ＩＤ読取装置１３から得た判定対象となる遊技用代用貨幣ＣのＩＤ情報をもとに、データベース１５を検索し、当該ＩＤ２とデータベース１５上で関連付けられている地模様１の柄４を特定することができる。

　以上により、管理制御装置１４は、地模様取得装置１２が取得した地模様１を画像分析して特定した遊技用代用貨幣Ｃの柄４が、ＩＤ読取装置１３から得た当該遊技用代用貨幣ＣのＩＤ情報に関連付けられた地模様１の柄４と一致するか否かをデータベース１５の検索により判定する機能を有し、一致しない場合には当該遊技用代用貨幣が偽物であると判定することにより、遊技用代用貨幣Ｃの真偽判定を行う構成を備えている。

　管理制御装置１４は、遊技用代用貨幣Ｃの片面の地模様１の柄４だけでなく、地模様取得装置１２が取得した両面（表面と裏面）の地模様１を画像分析して特定した遊技用代用貨幣Ｃの両面（表面と裏面）の柄４が、ＩＤ読取装置１３から得た当該遊技用代用貨幣ＣのＩＤ情報に関連付けられた地模様１の両面（表面と裏面）の柄４と各々一致するか否かをデータベース１５の検索により判定し、遊技用代用貨幣Ｃの真偽判定を行う構成であることが望ましい。

　以下に遊技用代用貨幣Ｃの変形例について説明する。図７に示す変形例では、遊技用代用貨幣Ｃの地模様１は、レースが圧着させてできるレース柄Ｌにより形成されている。レース柄Ｌは、図４において、地模様１を有する層６として、レース生地を配置し、当該レース生地が表示プラスチック層７に圧着されることにより網目状の特異な装飾模様が自然形成されてできる。圧着時のレース生地の微妙な配置の違いやレース柄自体の不均一性により、同じ製造プロセスで作成しても、パール柄Ｐと同様、全く同じ柄にはならない。結果として、本変形例においても、遊技用代用貨幣Ｃの地模様１は、一見すると互いの区別が困難であるが、それぞれが完全には一致していない柄４０を有する。

　本変形例に対応する管理システムとして、特に管理制御装置１４は、レース柄Ｌの網目の交点の位置を判定し、交点の分布パターンの形状から柄４０を特定する構成とすることができる。

　なお、遊技用代用貨幣Ｃはパール柄Ｐとレース柄Ｌの両方を備えた構成とすることも可能であり、管理システムもパール柄Ｐとレース柄Ｌの両方を遊技用代用貨幣Ｃの真偽判定に使用する構成とすることができる。

　図８Ａ及び図８Ｂは、さらに別の変形例を示している。本変形例では、遊技用代用貨幣Ｃの金額等を表す表示８の印刷の網点パターンが、遊技用代用貨幣Ｃの地模様１として形成されており、遊技用代用貨幣Ｃの真偽判定に利用される。一般に印刷は印刷毎に特異な網点パターンの柄４１を形成し、遠目では互いの区別が困難であるが、拡大すると、図８Ａ及び図８Ｂに示すように、それぞれが完全には一致していない網点模様が自然形成されることが知られており、上述のパール柄Ｐやレース柄Ｌと同様に利用することができる。

　本変形例に対応する管理システムとして、特に管理制御装置１４は、遊技用代用貨幣Ｃの金額等を表す表示８の所定の位置の網点パターンを予め判定位置として設定しておくことができる。

　本変形例においては、必ずしも、地模様２を有する層６は必須ではないが、カメラ１１とその画像分析では、印刷の細かな網点パターンの読み取りが困難な場合もあり、前に示す実施例のパール柄Ｐやレース柄Ｌと組合わせて使用することが、画像分析上は有利と考えられる。

　上記の実施例では、パール柄、レース柄、印刷の網点パターンを利用したが、他にも、印刷のずれ、遊技用代用貨幣Ｃのカッティング位置、カッティング位置のずれ、ゴミや汚れなどの欠陥など、製造上コントロールできず、自然に形成されてしまう個々の特徴をそれらの特徴同士や、他のユニークなＩＤと結びつけることができる。

　なお、上記の実施の形態では、遊技用代用貨幣Ｃがパール柄等の自然に形成される柄ないしパターンを有するとともに、ユニークなＩＤを有し、一方、データベース１５にも、柄ないしパターンとユニークなＩＤとが関連付けられて記憶される例を説明したが、本発明はこれに限られず、遊技用代用貨幣ＣにユニークなＩＤが付されていなくてもよい。この場合には、データベースには、登録された遊技用代用貨幣の柄ないしパターンの画像自体ないしは当該画像から抽出される特徴量が記憶される。

　そして、管理制御装置１４は、カジノにおいて使用される遊技用代用貨幣Ｃの柄ないしパターンの画像を得た際に、データベース１５を参照して、当該画像に現れている柄ないしパターンがデータベース１５に記憶されているか否かを判断することにより、当該遊技用代用貨幣Ｃが登録された真正の遊技用代用貨幣であるか否かを判断する。

　なお、この場合にも、データベース１５には、登録された遊技用代用貨幣Ｃの柄ないしパターンの情報に関連付けて、当該遊技用代用貨幣のユニークなＩＤ、価値（額）等の種々の識別情報や属性情報を記憶していてもよい。

　Ｃ　遊技用代用貨幣
　Ｐ　パール柄
　Ｌ　レース柄
　１　地模様
　２　ＩＤ
　３　シート状部材
　４、４０、４１　柄
　４ｈ、４ｔ　柄情報
　５　不透明層
　６　地模様を有する層
　７　表示プラスチック層
　８　金額等を表す表示
　９　透明層
　１０　ＲＦＩＤ
　１１　カメラ
　１２　地模様取得装置
　１３　ＩＤ読取装置
　１４　管理制御装置
　１５　データベース

 

Claims (13)

1. 　遊技用代用貨幣の管理システムであり、
   　前記遊技用代用貨幣は、製造工程または素材の製造工程で形成される地模様を備えるとともに、個別に識別可能なユニークなＩＤが付され、
   　前記地模様は、一見すると互いの区別が困難であるが、完全には一致していない柄を有し、
   　さらに前記遊技用代用貨幣は、複数のプラスチックの層を積層した多層構造を有し、
   　前記地模様を有する層と、
   　前記遊技用代用貨幣の金額等を表す表示が印刷された表示プラスチック層と、
   　を備え、
   　前記地模様を有する層は前記表示プラスチック層より内側に配置され、前記表示プラスチック層を通して、前記地模様が透けて視認可能な構成であり、
   　前記管理システムは、
   　前記地模様の画像をカメラを介して取得する地模様取得装置と、
   　前記ユニークなＩＤを読み取るＩＤ読取装置と、
   　前記地模様の前記柄と前記ユニークなＩＤとをデータベース上で関連付けて記憶する管理制御装置と、を備え、
   　前記管理制御装置は、前記地模様取得装置が取得した地模様を画像分析して前記柄を特定し、
   　特定した判定対象となる遊技用代用貨幣の地模様の前記柄が、前記ＩＤ読取装置から得た判定対象となる遊技用代用貨幣のＩＤ情報に関連付けられた地模様の柄と一致するか否かを前記データベースの検索により判定し、前記遊技用代用貨幣の真偽判定を行う構成である、
   　遊技用代用貨幣の管理システム。
2. 　前記遊技用代用貨幣は、中間に不透明層を備えるとともに、前記不透明層を挟んで両側に前記地模様を有する層を備え、前記地模様を有する層は、表面と裏面に、一見すると互いの区別が困難であるが、それぞれ互いに完全には一致していない柄を有し、
   　前記管理制御装置は、前記遊技用代用貨幣の表面の地模様の前記柄と、前記遊技用代用貨幣の裏面の地模様の前記柄と、前記ユニークなＩＤの少なくとも３つをデータベース上で関連付けて管理可能な構成である、
   　請求項１に記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
3. 　前記管理制御装置は、判定対象となる前記遊技用代用貨幣の表面の地模様の前記柄、及び／又は裏面の地模様の前記柄が、前記ＩＤ読取装置から得た判定対象となる遊技用代用貨幣のＩＤ情報に関連付けられた表面及び／又は裏面の地模様の柄と一致するか否かを前記データベースの検索により判定し、前記遊技用代用貨幣の真偽判定を行う構成である、
   　請求項２に記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
4. 　前記管理制御装置は、前記地模様取得装置が取得した前記遊技用代用貨幣の地模様を画像分析して前記地模様の柄を特定するのに、人工知能型装置が使用される構成である、
   　請求項１から３のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
5. 　前記管理制御装置は、前記表示プラスチック層に印刷された表示との相対的な位置関係を利用して前記遊技用代用貨幣の地模様の柄を判別する機能を備えた、
   　請求項２から４のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
6. 　前記地模様は、パール柄である、
   　請求項１から５のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
7. 　前記地模様は、レースが前記表示プラスチック層により圧着されてできるレース柄である、
   　請求項２から６のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
8. 　前記地模様は、前記遊技用代用貨幣の表示における印刷の網点パターンで形成されている、
   　請求項２から７のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
9. 　前記ユニークなＩＤは、前記遊技用代用貨幣の表面に英数字で付されている、
   請求項１から８のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
10. 　前記ユニークなＩＤはＲＦＩＤである、
    請求項１から９のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
11. 　前記遊技用代用貨幣は、表面に英数字でユニークなＩＤが付され、かつＲＦＩＤが内蔵された構造であり、
    　前記管理制御装置は、表面に付されたＩＤ情報と、ＲＦＩＤのＩＤ情報とを関連付けてデータベース上で管理可能な機能を備えた、
    請求項１から１０のいずれかに記載の遊技用代用貨幣の管理システム。
12. 　製造工程または素材の製造工程で形成される地模様を備えるとともに、個別に識別可能なユニークなＩＤが付され、前記地模様は一見して互いの区別が困難であるが、完全には一致していない柄を有し、前記柄を判定することにより、遊技用代用貨幣を個別に特定可能であるとともに、ＩＤを読み取ることにより、遊技用代用貨幣を個別に特定可能であり、地模様の画像の柄の情報とＩＤ情報とをデータベース上で関連付けて管理可能な構成を有する、遊技用代用貨幣。
13. 　統一感を有しつつも偶然に左右されて形成される柄を有する地模様を備えた遊技用代用貨幣を管理する管理システムであり、
    　前記地模様の画像をカメラを介して取得する地模様取得装置と、
    　真正な前記遊技用代用貨幣について、前記地模様の前記柄をデータベース上で記憶する管理制御装置と、を備え、
    　前記管理制御装置は、前記地模様取得装置が取得した前記地模様の画像を画像分析することで、当該地模様の前記柄が前記データベースに記憶されているかを判定し、当該判定に基づいて前記遊技用代用貨幣の真偽判定を行う構成である、
    　遊技用代用貨幣の管理システム。
    
     

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