WO2019030879A1 - 監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

Abstract

監視対象者に及ぶ危険の予測の精度を高めることが可能な監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体を提供する。監視システム１は、監視対象者９のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知する検知部１２１，１２２，１２３と、検知部１２１，１２２，１２３によって検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断する判断部１２４と、判断部１２４によって判断されたイベントを監視者に通知する通知部３４０と、通知部３４０によって通知されたイベントの正誤を監視者が判断部１２４に入力する入力部３３０とを備え、判断部１２４による監視対象者９のイベントの判断は、入力部３３０によって入力された正誤に基づいて更新されるように構成されている。

Description

監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体

　本発明は、監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体に関する。

　従来、病院や介護施設において、入院患者や施設入居者の行動を監視し、監視の結果に基づいて、入院患者や施設入居者の行動を予測する装置や方法がある。

　例えば、特開２０１４－１６６１９７号公報（特許文献１）には、カメラがベッドとベッド付近を撮影し、ベッドのような対象物と、動きが生じている動体領域との位置関係に応じて、見守り対象者の対象物に関する行動を推定する行動推定部を備える情報処理装置が記載されている。そして、見守り対象者について推定した行動が見守り対象者に危険の迫る予兆を示す行動である場合に、見守り対象者を見守る者に予兆を知らせるための通知を行うことが記載されている。

　また、特開２０１４－１７４６２７号公報（特許文献２）には、ベッド上及びベッド付近での見守り対象者の行動の動画を撮影し、動画内のオプティカルフローに基づいて動体を検出し、検出される動体の位置と移動方向とに基づいて、見守り対象者のベッド上又はベッド付近での行動を推定する行動推定部を備える情報処理装置が記載されている。

　特開２０１４－１８２４０９号公報（特許文献３）には、撮影部の設置位置に応じた画像の分析のために、撮影部の設置位置に応じて、撮影される監視対象者の置かれた環境を予め規定した監視環境データを記憶した監視装置が記載されている。

　特開２０１４－２３６８９６号公報（特許文献４）には、見守り対象者と見守り対象者の行動の基準となるベッドのような対象物とを撮影した撮影画像の各画素について深度を取得し、深度を利用して見守り対象者及び対象物を含む被写体の実空間での位置関係を推定し、見守り対象者の行動を推定する情報処理装置が記載されている。

特開２０１４－１６６１９７号公報 特開２０１４－１７４６２７号公報 特開２０１４－１８２４０９号公報 特開２０１４－２３６８９６号公報

　しかしながら、特開２０１４－１６６１９７号公報（特許文献１）情報処理装置では、例えばベッドのような、特定の１つの対象物に対する見守り対象者の行動しか推定することができない。また、見守り対象者の行動の推定は、対象者と動体との位置関係のみに基づいて、どのような見守り対象者に対しても画一的になされるので、見守り対象者の特性によっては正しく推定されない場合や、見守り対象者の特性や環境が変化した場合に正しく推定されなくなる場合がある。

　また、特開２０１４－１７４６２７号公報（特許文献２）の情報処理装置でも、ベッド上又はベッド付近といった限られた１つの範囲において、検出される動体の位置と移動方向とに基づいて、どのような見守り対象者に対しても画一的に見守り対象者の行動を推定するので、見守り対象者の特性によっては正しく推定されない場合や、見守り対象者の特性や環境が変化した場合に正しく推定されなくなる場合がある。

　特開２０１４－１８２４０９号公報（特許文献３）の監視装置では、撮影部の位置を変更することはできても、監視環境データに記憶されている環境は、監視する対象の基準はベッドのような特定の１か所のものであり、特定の場所における監視対象者の動作しか監視することができない。また、この監視装置では、監視対象者の行動の推定や危険の予測がされない。

　特開２０１４－２３６８９６号公報（特許文献４）の情報処理装置では、２次元の撮影画像に基づいて、２次元ではなく実空間での見守り対象者の行動を推定するが、撮影される対象はベッドのような特定の１か所である。また、この情報処理装置でも同様に、見守り対象者の特性によっては正しく推定されない場合や、見守り対象者の特性や環境が変化した場合に正しく推定されなくなる場合がある。

　見守り対象者について推定した行動が見守り対象者に危険の迫る予兆を示す行動である場合に、見守り対象者を見守る者に予兆を知らせるように構成されている監視システムでは、見守り対象者の行動が正しく検知され、正しく推定されなければ、見守り対象者に及び得る危険も正しく予測することができない。

　そこで、本発明の目的は、監視対象者に及ぶ危険の予測の精度を高めることが可能な監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体を提供することである。

　本発明に従った監視システムは、監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知する検知部と、検知部によって検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断する判断部と、判断部によって判断されたイベントを監視者に通知する通知部と、通知部によって通知されたイベントの正誤を監視者が判断部に入力する入力部とを備え、判断部による監視対象者のイベントの判断は、入力部によって入力された正誤に基づいて更新されるように構成されている。

　このようにすることにより、判断部による判断に監視者がフィードバックを与えることができるので、見守り対象者の特性や環境の変化に応じて、監視対象者の行動の推定と、監視対象者に及ぶ危険の予測の精度を高めることができる。

　本発明に従った監視システムにおいては、検知部は、イベントを特定するための要素として、監視対象者の存在するエリアと、監視対象者のステータスとを検知し、少なくとも監視対象者の存在するエリアとステータスの変化とを監視対象者のイベントと関連付けた組合せを記憶する記憶部を備え、判断部は、少なくとも検知部によって検知されたエリアとステータスの変化とを記憶部に記憶された組合せと照合して、監視対象者のイベントを判断するように構成されていることが好ましい。

　監視対象者のステータスが同じでも、そのステータスがとられるエリアによって、監視対象者に危険が及ぶか否かが異なる場合がある。そこで、監視対象者のステータスだけでなく、ステータスとエリアとに基づいて監視対象者のイベントを判断することによって、監視対象者に及ぶ危険の予測の精度を高めることができる。

　本発明に従った監視システムにおいては、検知部は、さらに監視対象者の呼吸の有無を検知するように構成され、記憶部に記憶される組合せは、監視対象者の呼吸の有無とさらに関連付けられ、判断部は、さらに検知部によって検知された監視対象者の呼吸の有無と関連付けられた組合せと照合して、監視対象者のイベントを判断するように構成されていることが好ましい。

　このようにすることにより、ベッド上に安静にしている監視対象者のように、大きな動きがない場合であっても、監視対象者の危険状態を見失うことを防ぐことができる。

　本発明に従った監視システムにおいては、検知部は、さらに時刻を検知するように構成され、記憶部に記憶される組合せは、時刻とさらに関連付けられ、判断部は、さらに検知部によって検知された時刻を組合せと照合して、監視対象者のイベントを判断するように構成されていることが好ましい。

　例えば、ベッド上のエリア内において、監視対象者のステータスが「ベッド上」から「起き上り」へと変化した場合、日中であれば問題ないが、深夜であれば、トイレの対処や徘徊への対処が必要となる場合がある。そこで、このように時刻に基づいてイベントを判断することによって、監視対象者に及ぶ危険の予測の精度をさらに高めることができる。

　本発明に従った監視装置においては、検知部によって検知されるエリアは、ベッド、居室、トイレ、出入口、居室外を含むことが好ましい。

　本発明に従った監視装置においては、監視対象者のステータスは、臥位、立位、起き上り、境界位、離床、入退室、転倒、うずくまり、横たわりを含むことが好ましい。

　本発明に従った監視方法は、情報処理装置が、監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断するステップと、判断されたイベントを監視者に通知するステップと、監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者のイベントの判断を更新するステップとを含む。

　本発明に従ったプログラムは、監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断するステップと、判断されたイベントを監視者に通知するステップと、監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者のイベントの判断を更新するステップとを情報処理装置に実行させるための監視プログラムである。

　本発明に従った記録媒体は、上記のプログラムを記録した記録媒体である。

　このようにすることにより、監視対象者の危険の予測の精度を高めることが可能な監視システム、監視方法、監視プログラムおよびその記録媒体を提供することができる。

本発明の監視装置と監視装置に接続される機器の制御関連の構成を示すブロック図である。 本発明の監視装置が設置される室内のマップの一例を模式的に示す図である。 予め定められたパターンの例として監視対象者がベッドエリア内で安静にしている場合の第１の領域の変位の時間変化を模式的に示す図（Ａ）と、第２の領域の変位の時間変化を模式的に示す図（Ｂ）である。 ステータス、エリア、生体検知結果をイベントと関連付けたマトリクスの一例を示す図である。

　以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。

　図１に示すように、この実施形態においては、監視システム１は、主に、監視装置１００とサーバ２００と監視者端末３００とから構成されている。

　監視装置１００は、例えば監視対象者の居室内に取り付けらる。監視システム１は、監視装置１００を、例えば監視対象の居室数のように、複数備えていてもよい。監視装置１００は、例えば、サーバ２００と監視装置１００とを接続する外部接続部１１０、制御部１２０、記憶部１３０、赤外線センサ１４０を備える情報処理装置である。監視装置１００の制御部１２０は、ＣＰＵ、ＲＡＭ，ＲＯＭ等によって構成される。監視装置１００は複数のプロセッサを含んでいてもよい。

　記憶部１３０は、この実施形態においては、プログラム１３１、マトリクス１３２、マップ１３３、パターン１３４を記憶する。プログラム１３１は、監視方法を監視装置１００に実行させるための監視プログラム１３１である。マトリクス１３２は、後に詳述するステータス、エリア、生体検知結果、時刻を、監視対象者のイベントと関連付けた組合せである。マップ１３３は、この実施形態においては、監視対象者の室内の画像撮影対象領域において、エリアとしてベッド、居室、トイレ、出入口の各領域が指定されたものである。パターン１３４は、監視対象者の安静時の身体の微動の時間変化である。なお、マトリクス１３２、マップ１３３、パターン１３４は更新されるので、記憶部１３０は、最新のマトリクス１３２、マップ１３３、パターン１３４のみを記憶するように構成されていてもよい。

　制御部１２０は、記憶部１３０に記憶されたプログラム１３１を実行し、各構成部材を制御する。制御部１２０が監視方法のプログラム１３１を実行することによって、監視装置１００は、エリア検知部１２１ａとステータス検知部１２１ｂとを含む人体検知部１２１、第１の測定部１２２ａと第２の測定部１２２ｂを含む生体検知部１２２、時計１２３、判断部１２４を備える監視装置１００として機能する。各部の機能は後に詳述する。制御部１２０の人体検知部１２１と生体検知部１２２と時計１２３を合わせて単に検知部ともいう。

　サーバ２００は、例えば、外部接続部２１０、時計２２０、ドライブ２３０、記憶部２４０を備える。外部接続部２１０は、サーバ２００と監視装置１００、サーバ２００と監視者端末３００を接続するためのものである。この実施形態において、サーバ２００の時計２２０は正確な時刻情報を取得することが可能であるように構成されている。ドライブ２３０は、監視方法のプログラム１３１が監視装置１００の記憶部１３０に記憶されていない場合に、監視方法のプログラム１３１が記録された記録媒体を読み取るためのものである。従って、プログラム１３１は監視装置１００の記憶部１３０ではなく、ドライブ２３０によって読み取られる記録媒体に記録されていてもよい。プログラム１３１を記録する記録媒体としては、ＣＤ、ＤＶＤ、半導体メモリ等、公知のものが用いられる。サーバ２００の記憶部２４０には、例えば、最新のプログラム１３１、マトリクス１３２、マップ１３３、パターン１３４だけでなく、マトリクス１３２、マップ１３３、パターン１３４の更新の履歴が記憶されてもよい。

　監視者端末３００は、監視者が手元で操作等するための端末である。監視システム１は、監視者端末３００を、例えば監視者の数のように複数備えていてもよい。監視者端末３００は、例えば、外部接続部３１０、時計３２０、入力部３００、通知部３４０、表示部３５０を備える。外部接続部３１０は、監視者端末３００とサーバ２００とを接続するためのものである。入力部３３０は、監視者が情報を監視装置１００の制御部１２０に入力するために用いるものであり、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルのような入力装置として構成されている。通知部３４０は、監視者に通知をするためのものであり、例えば、文字や画像を表示するディスプレイとして構成されてもよいし、光の点灯または消灯によって特定のイベントを通知するように構成されてもよいし、音の発生または停止によって特定のイベントを通知するように構成されていてもよいし、その他の構成であってもよい。また、通知部３４０は、イベントが危険の予兆である場合にのみ通知を行うように構成されていてもよい。通知部３４０は、監視者だけでなく、監視対象者にもイベントを通知するように構成されていてもよい。

　監視システム１の各構成要素の省略、置換、追加は任意である。また、監視システム１の監視装置１００、サーバ２００、監視者端末３００は、それぞれ、複数の装置群によって構成されていてもよい。

　次に、このように構成された監視システム１の動作を説明する。監視システム１は、主に、マップの設定、動体検知、生体検知、ステータス遷移判断、イベント判断、判断更新の動作を行う。なお、以下に説明する動作の処理手順は、可能な限り、適宜、入れ替え、省略、置換、追加されてもよい。また、複数の処理手順が同時に実行されてもよい。

　＜マップの設定＞
　図２に示すように、監視対象者９の居室４００は、監視装置１００の赤外線センサ１４０によって撮影され、画像として処理されてマップ１３３として監視装置１００の記憶部１３０に記憶される。

　マップの設定においては、まず、赤外センサ１４０は赤外線センサ１４０から対象物までの距離を測定し、制御部１２０にデータを送信する。赤外線センサ１４０は、この実施形態においては広角赤外線レーザーを用いたセンサであるが、赤外線センサ１４０に代えて、対象物までの距離を測定することが可能な公知の手段が用いられてもよい。

　制御部１２０は、赤外センサ１４０が検知した距離データを受信してを画像処理し、外部接続部１１０，２１０，３１０を通してサーバ２００を経由して、処理した画像を監視者端末３００の表示部３５０に表示させる。

　監視者は、表示部３５０に表示された画像を確認し、入力部３３０を操作して、表示された画像中にベッドエリア４０１、居室エリア４０２、トイレエリア４０３、出入口エリア４０４の各エリアを指定し、マップ１３３を設定する。

　監視者は、例えば、ベッド面とベッド面の上方１００ｃｍの範囲をベッドエリア４０１とする。また、ベッドエリア４０１の位置精度は±３ｃｍとすることができる。この実施形態においては、さらに、ベッドエリア４０１内の特定の領域が第１の領域４１１（生体検知領域）として指定される。また、トイレの出入り口付近をトイレエリア４０３、居室４００の出入り口付近を出入口エリア４０４として指定することができる。居室エリア４０２は、赤外線センサ１４０で検知される全対象領域からベッドエリア４０１、トイレエリア４０３、出入口エリア４０４を除いたものとして指定されてもよい。また、この実施形態において、居室外エリアはマップ上には指定されず、マップの外部の領域が居室外エリアとして設定される。設定されたマップ１３３は、外部接続部１１０，２１０，３１０を通して監視者端末３００からサーバ２００を経由して監視装置１００に送信され、監視装置１００の記憶部１３０とサーバ２００の記憶部２４０に記憶される。

　以上のようにしてマップが設定される。

　＜動体検知＞
　次に、監視装置１００は動体検知を行う。動体検知によって監視対象者のエリアとステータスが検知される。

　監視装置１００の人体検知部１２１は、赤外線センサ１４０によって撮影されて制御部１２０によって処理された画像に基づいて、移動体を捉える。人体検知部１２１は、さらに、捉えた移動体の中心を胴体と仮定し、移動体の最高点を頭部または肩部と仮定して、頭部と胴体部のそれぞれの特徴点を抽出する。頭部の特徴点は高さと曲面と体積であり、３６０°の実測によって決定される。胴体部の特徴点は、高さと肩、胸、腕と体積であり、３６０°の実測によって決定される。なお、特徴点は全てが抽出されなくてもよい。抽出された特徴点があれば、トラッキングによって移動体を追跡し、オプティカルフローを用いて移動方向（ベクトル）を推測する。移動体が停止した場合には、人体検知部１２１は、停止直前に検知された情報を維持しながら待機し、移動が再開されればトラッキングとオプティカルフローを再開する。

　人体検知部１２１のエリア検知部１２１ａは、移動体の特徴点とベクトルに基づいて、移動体が存在するエリアを検知する。移動体がベッドエリア４０１、居室エリア４０２、トイレエリア４０３、出入口エリア４０４のいずれにも検知されない場合には、エリア検知部１２１ａは、移動体はマップ１３３の外部である居室外エリアに移動体を検知するものとする。

　人体検知部１２１のステータス検知部１２１ｂは、移動体の特徴点とベクトルに基づいて、移動体のステータスを検知する。移動体のステータスとは、移動体の特定の状態を意味し、この実施形態においては、ステータス検知部１２１ｂが検知するステータスは、臥位、立位、起き上り、境界位、転倒、うずくまり、横たわり、居室４００への入室、居室４００からの退室、入（トイレ）、出（トイレ）である。なお、ステータスの種類とそれぞれのステータスの内容は、以下に限定されるものではなく、自由に規定されればよい。

　例えば、ベッドのエリア内において、移動体の最高点がベッドエリア４０１内において高さ３０ｃｍ未満の範囲内であれば、「臥位」のステータスが検知される。

　移動体の最高点がベッドエリア４０１内において高さ３０ｃｍ～１００ｃｍの範囲内であれば、「起き上り」のステータスが検知される。なお、この実施形態では、寝返りと起き上がりとを区別するために、高さ３０ｃｍ未満であれば「起き上り」のステータスを検知しない。

　境界位には、端坐位、柵超え、ずり落ちの３動作が含まれる。境界位のうち、端坐位は、座位状態でベッドサイドに下半身が出ている状態であり、上述のように、移動体の下半身がベッドエリア４０１外にあり、移動体の体積の３０％以上１００％未満がベッドエリア４０１外にあることが検知された場合には、「端坐位」のステータスが検知される。

　境界位のうち、柵超えは、座位状態でベッドサイドに上半身が出ている状態であり、移動体の上半身がベッドエリア４０１外にあり、移動体の体積の３０％以上１００％未満がベッドエリア４０１外にあることが検知された場合には、「柵超え」のステータスが検知される。

　境界位のうち、ずり落ちは、臥位状態でベッドサイドに上半身または下半身が出ている状態であり、移動体の３０％以上１００％未満の体積がベッド枠を超えていることが検知された場合には、「ずり落ち」のステータスが検知される。なお、人体検知にてトラッキングができておらず一定の体積の移動体がベッドエリア４０１外に検知される場合、布団がずり落ちていることが考えられる。そこで、このような場合にも「ずり落ち」のステータスが検知される。

　居室エリア４０２において、歩行または立位の状態から急激な体位変化、すなわち、頭部または肩部の下方向への変位量が規定値以上であった場合には、「転倒」のステータスが検知される。「転倒」ステータスをこのように定義した場合、実際には転倒していない場合にも「転倒」のステータスが検知されるが、転倒は実際に生じていれば危険度の高いステータスであるため、この実施形態においては、ヒヤリハットでも「転倒」のステータスを検知する。

　ステータス検知部１２１ｂは、検知された監視対象者のステータスが変化すると、最新のステータスを監視装置１００の記憶部１３０とサーバ２００の記憶部２４０に記憶させる。監視対象者のステータスが変化しない場合には、ステータス検知部１２１ｂは、記憶部２４０に記憶されるステータスを更新しなくてもよい。特定のステータスについては、検知される監視対象者のステータスが一定期間、変化しなくても、ステータス検知部１２１ｂが最新のステータスを記憶部１３０，２４０に再度、記憶させてもよい。

　ステータス検知部１２１ｂは、外部接続部１１０，２１０，３１０を介して、監視者端末３００の表示部３５０に最新のステータスを表示させてもよい。ステータスが表示部３５０に表示される場合、監視者がステータスを訂正することも可能である。例えば、監視対象者がトイレエリア４０３にいることをエリア検知部１２１ａが検知し、ステータス検知部１２１ｂが入（トイレ）のステータスを検知した場合、表示部３５０に「入（トイレ）」のステータスが表示される。しかし、そのステータスが誤検知の結果であり、実際には監視対象者はトイレエリア４０３から居室エリア４０２内に戻っていた場合、監視者は入力部３３０を操作して、外部接続部１１０，２１０，３１０を介して、制御部１２０に、実際のステータスを入力することができる。記憶部１３０，２４０は、監視者によって訂正されたステータスを反映させた最新のステータスを記憶する。

　＜生体検知＞
　監視対象者９の安静時などは、上述の動体検知ができない場合がある。そこで、監視対象者９がベッドエリア４０１内にいることが検知されている場合に、所定の期間、第１の領域４１１において所定の大きさ以上の変化が検知されない場合には、監視装置１は動体検知を終了し、より微小な動きを検知するための生体検知を開始する。生体検知は監視装置１００の生体検知部１２２によってなされる。

　監視対象者がベッド上で安静にしている時、監視対象者には微小な体動しか生じない。そのため、エリア検知部１２１ａやステータス検知部１２１ｂのように、移動体の比較的大きな動きをトラッキングしてエリアとステータスを検知する方法では、監視者がベッド上に安静にしている時には、監視者がベッド上に存在しているかどうかを検知することができない場合がある。一方、ベッド上の微小な動きを検知することが可能な検知方法では、ノイズも拾ってしまうために、ノイズの除去が問題となる。

　そこで、本発明者は、正常な呼吸をしている時には、人の身体が一定のパターンで微小に動くことを利用して、微小な動きの絶対値を検知しなくても、微小な動きのパターンを検知し、パターンを正常な呼吸をしている時の人の身体の動きのパターンと比較することによって、呼吸の有無を検知することができることを見出した。

　図３の（Ａ）に示すように、人が安静時に正常に呼吸している場合、呼吸の周期と同じ周期で、身体が微動する。一般的な呼吸の周期は約４秒であるが、個人によって、また、身体状態等によって、呼吸の周期は異なる。そこで、本発明の監視システム１の生体検知においては、まず監視対象者の呼吸の周期の平均（平均呼吸周期）を測定し、次に、その平均呼吸周期の４分の３の時間間隔で、監視対象者の特定の位置（第１の領域）の変位を測定する。平均呼吸周期の４分の３の時間間隔で測定することによって、比較的大きな変位を測定することができる。

　同時に、同じ測定間隔で、監視対象者が存在していない場所の位置（第２の領域）の変位も測定する。第２の領域の変位はノイズである。図３の（Ｂ）に示すように、第２の領域にはほとんど変位がない。そして、第１の領域の変位の時間変化と第２の領域の変位の時間変化を比較することによって、または、第１の領域の変位と第２の領域の変位の差の時間変化によって、ノイズの絶対値を測定したり、ノイズを除去したりする必要なく、監視対象者の呼吸による微動が検知されているかどうかを知ることができる。

　以上の知見に基づいて、生体検知は以下のように行われる。

　エリア検知部１２１ａによって、移動体がベッドエリア４０１内に存在することが検知されると、生体検知部１２２は、ベッドエリア内において変位が少なく、予め定められた第１の領域４１１よりも赤外線センサ１４０に近い位置にある領域４１２を第２の領域として記憶部１３０に記憶させる。また、生体検知部１２２の第１の測定部１２２ａは、予め定められた第１の領域４１１内の変位を検知し、この変位量が所定の大きさよりも小さくなれば、生体検知を開始する。この実施形態においては、第１の領域４１１と第２の領域４１２はベッドエリア４０１内に設定されるが、第１の領域４１１と第２の領域４１２は居室エリア４０２等、他の領域であってもよい。

　生体検知では、まず、監視対象者の呼吸の平均周期を測定する。第１の測定部１２２ａは、第１の領域４１１の高さが最高になる時点と、第１の領域４１１の高さが最低になる時点との間隔から、監視対象者の呼吸の平均周期を求める。

　次に、第１の測定部１２２ａは、求められた呼吸の平均周期の４分の３の時間間隔で第１の領域４１１の高さを測定し、第２の測定部１２２ｂは、求められた呼吸の平均周期の４分の３の時間間隔で第２の領域４１２の高さを測定する。なお、平均呼吸周期が検知できない場合には、一般的な呼吸の周期が４秒であることから、第１の測定部１２２ａと第２の測定部１２２ｂは３秒毎に測定してもよい。

　判断部１２４は、第１の測定部１２２ａによって測定された第１の領域４１１内の高さと、第２の測定部１２２ｂによって測定された第２の領域４１２内の高さの差の時間変化を取得するように構成されている。判断部１２４はさらに、この高さの差の時間変化が予め定められたパターン１３４または変化量であるか否かを判断するように構成されている。高さの差の時間変化が予め定められたパターン１３４または変化量であれば、判断部１２４は、第１の領域４１１内において呼吸が検知されている、すなわち、生体が検知されていると判断する。高さの差の時間変化が予め定められたパターン１３４または変化量でなければ、判断部１２４は、第１の領域４１１内において呼吸が異常であると判断する。動きの差の時間変化が予め定められた変化量未満であれば、判断部１２４は、呼吸が検知されない、すなわち、生体が検知されていないと判断する。呼吸が異常である、または、呼吸が検知されない場合、生体異常であると判断される。

　このように、監視対象者が存在するベッド上の第１の領域４１１内の動きの時間変化と、監視対象者が存在しないベッド上の第２の領域４１２内の動きの時間変化とを比較し、動きの時間変化どうしの差が特定の周期で変化しているかどうかを観察することによって、ノイズを除去しなくても、ベッド上に監視対象者が存在するかどうかをより正確に検知することができる。

　また、上述のように、この実施形態においては、第１の領域４１１内の動きと第２の領域４１２内の動きは、平均呼吸周期の４分の３の間隔で測定される。このようにすることにより、少ない測定数で呼吸の有無を捉えることができる。

　生体検知の途中で、人体検知部１２１によって検知される比較的大きな動きが検知された場合には、生体検知を停止し、動体検知を開始する。

　＜イベント判断＞
　判断部１２４は、ある検知時刻に検知されたエリア、ステータス、生体検知の結果（生体異常か否か）と、次に検知されたステータスとがマトリクス１３２と照合されて、監視対象者のイベントと、イベントが危険の予兆であるか否かが判断される。

　例えば、午前８時に監視対象者がベッドエリア４０１にいることをエリア検知部１２１ａが検知し、監視対象者のステータスが起き上りであることをステータス検知部１２１ｂが検知した場合、起き上りのステータスを第１のステータスとする。次にステータス検知部１２１ｂが別のステータスを検知した場合、新たなステータスを第２のステータスとする。例えば、起き上りのステータスの次に、ステータス検知部１２１ｂが境界位のステータスを検知した場合には、境界位のステータスを第２のステータスとする。また、所定の時間経過後に同一のステータスを検知した場合、所定の時間経過後のステータスを第２のステータスとしてもよい。例えば、第１のステータスが起き上りであり、所定の時間経過後にも監視対象者のステータスが起き上りのままであれば、第２のステータスを起き上りとしてもよい。

　イベントの判断は、この実施形態においては、２通りの方法で判断される。第１の方法は、特定のエリア、第１と第２のステータス、時刻、生体検知結果の組合せであれば、常に特定のイベントが発生すると判断する方法である。

　図４に示すように、例えば、午前８：００～９：００の間において、ある検知時刻に検知されたエリアがベッドであり、生体検知部１２２が生体を検知し、第１のステータスが「境界位」であって、第２のステータスが「離床」であれば、判断部１２４は、イベントとして「離床」が発生すると常に判断し、このイベントは危険の予兆であると判断する。

　第２の方法は、特定のエリア、第１と第２のステータス、時刻、呼吸および／または体動の組合せと、さらに、過去のイベントの発生の確率に基づいて、特定のイベントが発生するか否かを判断する方法である。

　図４に示すように、例えば、午前９：００～１０：００の間において、ある検知時刻に検知されたエリアがベッドであり、生体検知部１２２が生体を検知し、第１のステータスが「境界位」であって、第２のステータスが「離床」である場合、判断部１２４は、サーバ２００の記憶部２４０が記憶する過去のイベントの履歴に基づいて、この後に「トイレ」のイベントが発生する確率を計算する。確率が例えば６０％以上であれば、判断部１２４は「トイレ」のイベントが発生すると判断し、このイベントは危険の予兆であると判断する。一方、過去のイベントの履歴に基づいて、この後に「トイレ」のイベントが発生する確率が例えば６０％未満であれば、判断部１２４は、「トイレ」のイベントが発生するとは判断しない。

　第２の方法の他の例として、例えば、午前１０：００～１１：００の間において、ある検知時刻に検知されたエリアがベッドであり、生体検知部１２２が生体を検知し、検知された第１のステータスが「起き上り」であって、第２のステータスが「離床」である場合、判断部１２４は、サーバ２００の記憶部２４０が記憶する過去のイベントの履歴に基づいて、この後に「退室」のイベントが発生する確率を計算する。確率が例えば６０％以上であれば、判断部１２４は「退室」のイベントが発生すると判断し、このイベントは危険の予兆であると判断する。一方、過去のイベントの履歴に基づいて、この後に「退室」のイベントが発生する確率が例えば６０％未満であれば、判断部１２４は、「退室」のイベントが発生するとは判断しない。

　どのイベントを第１の方法で判断し、どのイベントを第２の方法で判断するかということは、任意である。

　このように、過去のイベントの発生確率に基づいて、次のイベントの発生を予測することによって、監視対象者の習慣等に合わせて、より正確なイベントの予測が可能になる。また、監視対象者の行動の習慣や状況が変化した場合にも、イベントの予測の精度を保つことができる。

　例えば、１２：００～２０：００の間に、生体検知部１２２によって呼吸が有ることが検知されており、ベッドエリア４０１において、第１のステータスとして「臥位」のステータスが検知された後、第２のステータスとして「入室」または「退室」のステータスが検知された場合には、判断部１２４は、「介護者または家族の入退室」のイベントが発生したと判断する。この場合は危険の予兆であるとは判断されない。また、監視者の最新のステータスを「臥位」に戻す。

　さらに、例えば、ベッドエリア４０１において「臥位」のステータスが検知され、生体検知部１２２よって呼吸および／または体動が検知されない状態が２分間継続した場合には、「生体異常」のイベントが発生していると判断し、通知する。

　イベントが危険の予兆であると判断された場合に、通知部３４０が監視者に通知を行うように、制御部１２０が通知部３４０を制御する。

　さらに、判断部１２４は、外部とネットワーク通信する通信部によって、監視者に電子メールやショートメッセージでイベントを通知してもよい。

　＜判断更新＞
　通知部３４０によって通知された監視者は、表示部３５０を通して、または、直接、監視対象者を視認して、イベントの正誤を確認する。通知されたイベントが発生することが正しければ、監視者はイベントに対処する。一方、実際には通知されたイベントが発生しなければ、監視者は、通知されたイベントが誤っていることを入力部３３０に入力する。

　判断部１２４は、エリア、ステータス、生体検知結果、および、時刻に基づいて判断したイベントの正誤の履歴をサーバ２００の記憶部２４０に記憶させ、イベントの発生の確率が更新される。このようにして、判断部１２４による判断に監視者がフィードバックを与えることができるので、見守り対象者の特性や、見守り対象者の特性や環境の変化に応じて、監視対象者の行動の推定と、監視対象者に及ぶ危険の予測の精度を高めることができる。

　また監視者は、例えば、「介護者または家族の入退室」のイベントが発生しても、特定の時間帯には通知がされないよう、入力部３３０を操作して制御部１２０に指示を与えてもよい。

　監視装置１００は、上述の処理を定期的に繰り返すことが好ましい。繰り返しの時間間隔は適宜設定される。また、監視装置１００は、上述の処理を定期的に繰り返さない場合には、監視者の入力によって監視の処理を開始するように構成されてもよい。

　以上のように、監視システム１は、判断部１２４による判断に監視者がフィードバックを与えることによって、監視対象者９の特性や、監視対象者９の特性や環境の変化に応じて、監視対象者９の行動の推定と、監視対象者９に及ぶ危険の予測の精度を高めることが可能な監視システムである。

　すなわち、監視システム１は、監視対象者９のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知する検知部と、検知部によって検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断する判断部１２４と、判断部１２４によって判断されたイベントを監視者に通知する通知部３４０と、通知部３４０によって通知されたイベントの正誤を監視者が判断部１２４に入力する入力部３３０とを備え、判断部１２４による監視対象者９のイベントの判断は、入力部３３０によって入力された正誤に基づいて更新されるように構成されている。

　監視システム１においては、検知部のエリア検知部１２１ａとステータス検知部１２１ｂは、イベントを特定するための要素として、監視対象者９の存在するエリアと、監視対象者９のステータスとを検知し、少なくとも監視対象者９の存在するエリアとステータスの変化とを監視対象者９のイベントと関連付けた組合せを記憶する記憶部１３０，２４０を備え、判断部１２４は、少なくとも検知部のエリア検知部１２１ａとステータス検知部１２１ｂによって検知されたエリアとステータスの変化とを記憶部１３０，２４０に記憶された組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部は、生体検知部１２２によってさらに監視対象者９の呼吸の有無を検知するように構成され、記憶部１３０，２４０に記憶される組合せは、監視対象者９の呼吸の有無とさらに関連付けられ、判断部１２４は、さらに検知部によって検知された呼吸の有無と関連付けられた組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部は、時計１２３によってさらに時刻を検知するように構成され、記憶部１３０，２４０に記憶される組合せは、時刻とさらに関連付けられ、判断部１２４は、さらに検知部の時計１２３によって検知された時刻を組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部のエリア検知部１２１ａによって検知されるエリアは、ベッドエリア４０１、居室エリア４０２、トイレエリア４０３、出入口エリア４０４、居室外を含む。

　監視システム１においては、監視対象者９のステータスは、臥位、立位、起き上り、境界位、離床、入退室、転倒、うずくまり、横たわりを含む。

　本実施形態の監視システム１において実行される監視方法は、監視装置１００が、監視対象者９のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断するステップと、判断されたイベントを監視者に通知するステップと、監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者９のイベントの判断を更新するステップとを含む。

　本実施形態の監視システム１において実行される監視プログラムは、監視対象者９のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断するステップと、判断されたイベントを監視者に通知するステップと、監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者９のイベントの判断を更新するステップとを監視装置１００に実行させるための監視プログラムである。

　本実施形態の記録媒体は、上述のプログラムを記録した記録媒体である。

　また、監視システム１は、監視対象者９のステータスだけでなく、ステータスとエリアとに基づいて監視対象者９のイベントを判断することによって、監視対象者９に及ぶ危険の予測の精度を高めることが可能な監視システムである。

　すなわち、監視システム１は、監視対象者９のイベントを特定するための要素として、監視対象者９の存在するエリアと、監視対象者９のステータスとを検知するエリア検知部１２１ａとステータス検知部１２１ｂとを含む検知部と、検知部によって検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断する判断部１２４と、少なくとも監視対象者９の存在するエリアとステータスとを監視対象者９のイベントと関連付けた組合せを記憶する記憶部１３０，２４０を備え、判断部１２４は、少なくとも検知部によって検知されたエリアとステータスの変化とを記憶部１３０，２４０に記憶された組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部は、生体検知部１２２によって、さらに監視対象者９の呼吸の有無を検知するように構成され、記憶部１３０，２４０に記憶される組合せは、監視対象者９の呼吸の有無とさらに関連付けられ、判断部１２４は、さらに検知部によって検知された呼吸の有無と関連付けられた組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部は、時計１２３によってさらに時刻を検知するように構成され、記憶部１３０，２４０に記憶される組合せは、時刻とさらに関連付けられ、判断部１２４は、さらに検知部によって検知された時刻を組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するように構成されている。

　監視システム１においては、検知部によって検知されるエリアは、ベッドエリア４０１、居室エリア４０２、トイレエリア４０３、出入口エリア４０４、居室外を含む。

　監視システム１においては、監視対象者９のステータスは、臥位、立位、起き上り、境界位、離床、入退室、転倒、うずくまり、横たわりを含む。

　また、監視システム１は、判断部１２４によって判断されたイベントを監視者に通知する通知部３４０を備える。

　監視システム１は、通知部３４０によって通知されたイベントの正誤を監視者が判断部１２４に入力する入力部３３０を備え、判断部１２４による監視対象者９のイベントの判断は、入力部３３０によって入力された正誤に基づいて更新されるように構成されている。

　本実施形態の監視システム１において実行される監視方法は、監視装置１００が、監視対象者９のイベントを特定するための要素として、監視対象者９の存在するエリアと、監視対象者９のステータスとを検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断するステップと、少なくとも監視対象者９の存在するエリアとステータスとを監視対象者９のイベントと関連付けた組合せを記憶するステップと、少なくとも検知されたエリアとステータスとを記憶された組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するステップとを含む。

　本実施形態の監視システム１において実行される監視プログラムは、監視対象者９のイベントを特定するための要素として、監視対象者９の存在するエリアと、監視対象者９のステータスとを検知するステップと、検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者９のイベントを判断するステップと、少なくとも監視対象者９の存在するエリアとステータスとを監視対象者９のイベントと関連付けた組合せを記憶するステップと、少なくとも検知されたエリアとステータスとを記憶された組合せと照合して、監視対象者９のイベントを判断するステップとを監視装置１００に実行させるための監視プログラムである。

　本実施形態の記録媒体は、上述のプログラムを記録した記録媒体である。

　また、監視システム１は、監視対象者９が安静状態にある場合など、ほとんど動きがない場合に、微小な動きの絶対値を検知しなくても、呼吸の有無を検知することが可能な監視システムである。

　すなわち、監視システム１は、監視対象者９が存在する第１の領域４１１内の動きを測定する第１の測定部１２２ａと、第１の領域４１１とは異なる、監視対象者９が存在しない第２の領域４１２内の動きを測定する第２の測定部１２２ｂと、第１の測定部１２２ａによって測定された第１の領域４１１内の動きと第２の測定部１２２ｂによって測定された第２の領域４１２内の動きとの差の時間変化を取得するように構成される制御部１２０とを備え、制御部１２０はさらに、動きの差の時間変化が予め定められたパターンまたは変化量であるか否かを判断するように構成されている。

　また、監視システム１においては、第１の領域４１１内の動きと第２の領域４１２内の動きは、平均呼吸周期の４分の３の時間間隔で測定されるように構成されている。

　また、監視システム１においては、第１の測定部１２２ａと第２の測定部１２２ｂは、赤外線レーザーを用いて非接触状態で微動な動きを測定するように構成されている。

　また、監視システム１は、予め定められた時間の間、動きの差が予め定められた値以下である場合に監視者に通知をする通知部３４０を備える。

　また、監視システム１においては、第１の領域４１１はベッドエリア４０１上の領域である。

　また、本実施形態の監視システム１において実行される監視方法は、監視対象者９が存在する第１の領域４１１内の動きを監視装置１００が測定するステップと、第１の領域４１１とは異なる、監視対象者９が存在しない第２の領域４１２内の動きを監視装置１００が測定するステップと、第１の領域４１１内の動きと第２の領域４１２内の動きとの差の時間変化を監視装置１００が取得するステップと、動きの差の時間変化が予め定められたパターンまたは変化量であるか否かを監視装置１００が判断するステップとを含む。

　また、本実施形態の監視システム１において実行される監視プログラムは、監視対象者９が存在する第１の領域４１１内の動きを測定するステップと、第１の領域４１１とは異なる、監視対象者９が存在しない第２の領域４１２内の動きを測定するステップと、第１の領域４１１内の動きと第２の領域４１２内の動きとの差の時間変化を取得するステップと、動きの差の時間変化が予め定められたパターンまたは変化量であるか否かを判断するステップとを監視装置１００に実行させるための監視プログラムである。

　また、本実施形態の記録媒体は、上述のプログラムを記録した記録媒体である。

　以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。

　１：監視システム、１００：監視装置、１２０：制御部、１２１：人体検知部、１２１ａ：エリア検知部、１２１ｂ：ステータス検知部、１２２：生体検知部、１２２ａ：第１の測定部、１２２ｂ：第２の測定部、１２３：時計、１２４：判断部、１３０：記憶部、１３１：プログラム、１３２：マトリクス、１３４：パターン、１４０：赤外線センサ、２４０：記憶部、３３０：入力部、３４０：通知部、３５０：表示部、４０１：ベッドエリア、４０２：居室エリア、４０３：トイレエリア、４０４：出入口エリア、４１１：第１の領域、４１２：第２の領域。

Claims (9)

1. 　監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知する検知部と、
   　前記検知部によって検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断する判断部と、
   　前記判断部によって判断されたイベントを監視者に通知する通知部と、
   　前記通知部によって通知されたイベントの正誤を監視者が前記判断部に入力する入力部とを備え、
   　前記判断部による監視対象者のイベントの判断は、前記入力部によって入力された正誤に基づいて更新されるように構成されている、監視システム。
2. 　前記検知部は、イベントを特定するための要素として、監視対象者の存在するエリアと、監視対象者のステータスとを検知し、
   　少なくとも監視対象者の存在するエリアとステータスの変化とを監視対象者のイベントと関連付けた組合せを記憶する記憶部を備え、
   　前記判断部は、少なくとも前記検知部によって検知されたエリアとステータスの変化とを前記記憶部に記憶された前記組合せと照合して、前記監視対象者のイベントを判断するように構成されている、請求項１に記載の監視システム。
3. 　前記検知部は、さらに監視対象者の呼吸の有無を検知するように構成され、
   　前記記憶部に記憶される組合せは、監視対象者の呼吸の有無とさらに関連付けられ、
   　前記判断部は、さらに前記検知部によって検知された呼吸の有無と関連付けられた前記組合せと照合して、前記監視対象者のイベントを判断するように構成されている、請求項２に記載の監視システム。
4. 　前記検知部は、さらに時刻を検知するように構成され、
   　前記記憶部に記憶される組合せは、時刻とさらに関連付けられ、
   　前記判断部は、さらに前記検知部によって検知された時刻を前記組合せと照合して、前記監視対象者のイベントを判断するように構成されている、請求項２または請求項３に記載の監視システム。
5. 　前記検知部によって検知されるエリアは、ベッド、居室、トイレ、出入口、居室外を含む、請求項１から請求項４までのいずれか１項に記載の監視システム。
6. 　前記監視対象者のステータスは、臥位、立位、起き上り、境界位、離床、入退室、転倒、うずくまり、横たわりを含む、請求項２から請求項５までのいずれか１項に記載の監視システム。
7. 　情報処理装置が、
   　監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、
   　検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断するステップと、
   　判断されたイベントを監視者に通知するステップと、
   　監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者のイベントの判断を更新するステップとを含む、監視方法。
8. 　監視対象者のイベントを特定するための複数の要素のうちの少なくとも１つの要素を検知するステップと、
   　検知されたイベントの要素に基づいて監視対象者のイベントを判断するステップと、
   　判断されたイベントを監視者に通知するステップと、
   　監視者によって入力された、監視者に通知されたイベントの正誤に基づいて監視対象者のイベントの判断を更新するステップとを情報処理装置に実行させるための監視プログラム。
9. 　請求項８に記載のプログラムを記録した記録媒体。

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