WO2018181830A1 - 電動式ドラムブレーキ - Google Patents

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浩二 森
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善隆 石丸
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豊生ブレーキ工業株式会社
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Abstract

電動アクチュエータの操作によってパーキングブレーキを作動させる構造に、パーキングブレーキを作動させる毎にシュー間隙の自動調節するシュー間隙自動調節装置を設けて、適切なシュー間隙を保つことができる電動式ドラムブレーキを提供する。 電動アクチュエータ68によってパーキングブレーキレバー62が往動させられることにより、一対のブレーキシュー20、22が拡開されて制動力を発生する車両用ドラムブレーキ10であって、パーキングブレーキレバー62が複動させられた場合には、パーキングブレーキレバー62に連れ回されてアジャストレバー64の係合部がアジャストホイール76aに係合させられることで、ストラット70によって一対のブレーキシュー20、22の回転ドラム14の内周面に対する間隙すなわちシュー間隙が調節される。

Description

電動式ドラムブレーキ
 本発明は、車両用ドラムブレーキに関し、特に電動アクチュエータを用いた電動式ドラムブレーキであって、シュー間隙自動調節装置を備えた電動式ドラムブレーキに関するものである。
 車両用ドラムブレーキは、バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューを有し、その一対のブレーキシューが拡開されることにより一対のブレーキシューが回転ドラムにそれぞれ当接させられて制動力が得られる。一対のブレーキシューは、たとえばサービスブレーキの作動時いわゆる常用ブレーキの作動時に一対のブレーキシューの間に配置されたホイールシリンダが作動させられることによってそれぞれ拡開される構造が提案されている。このような構造を備える車両用ドラムブレーキには、一対のブレーキシューと回転ドラムとの間隙すなわちシュー間隙をサービスブレーキが作動する毎に調節するサービス式のシュー間隙自動調節装置が備えられている。他方、たとえば一対のブレーキシューの一方に連結されたパーキングブレーキレバーを所定の回転軸まわりに往復回動させることによって、一対のブレーキシューがそれぞれ拡開される構造いわゆるパーキングブレーキ構造が提案されている。このような構造を備える車両用ドラムブレーキには、パーキングブレーキを作動させる毎にシュー間隙を調節するパーキング式のシュー間隙自動調節装置が備えられている。
特開平11-013799号公報 特開2013-072482号公報
 上記特許文献1に記載の車両用ドラムブレーキでは、サービスブレーキの作動時に、ホイールシリンダが作動されて一対のブレーキシューが拡開されることにより制動力が得られるとともに、一対のブレーキシューの拡開に伴って連れ回るアジャストレバーがシュー間隙自動調節装置に備えられたアジャストホイールを回動させることによりシュー間隙が調節されている。これにより、サービスブレーキが作動される毎にシュー間隙が調節されるため、シュー間隙が調節される機会が多くなり適切なシュー間隙が保たれやすくなるので、たとえばドライバビリティを向上させることができる。しかしながら、車両用ドラムブレーキの高負荷制動時では、ブレーキシューと回転ドラムとの摩擦熱によって回転ドラムの温度が上昇して回転ドラムの内径が一時的に拡径することがある。そのため、上記特許文献1の車両用ドラムブレーキでは、回転ドラムの温度上昇による回転ドラムの拡径によって大きくなったブレーキシューと回転ドラムとの間隙をシュー間隙自動調節装置で調節することになる。この場合において、回転ドラムの内径が拡径した際にシュー間隙自動調節装置によってシュー間隙が調節されると、常温に戻るとシュー間隙が過少となるオーバアジャストが発生するので、そのオーバアジャストに基づくブレーキシューと回転ドラムとの引き摺りが発生する可能性がある。これに対して、上記特許文献2の車両用ドラムブレーキは、回転ドラムの温度上昇に伴ってシュー間隙自動調節装置に備えられたストラットを一対のブレーキシューの一方から他方へ押圧させるように変形する感温変形部材を有している。これにより、車両用ドラムブレーキの高負荷制動時では、感温変形部材によってストラットが一対のブレーキシューの一方から他方へ押圧させられているので、一対のブレーキシューが拡開しても、ストラットの移動が抑制されてシュー間隙の自動調節が抑制されてオーバアジャストの発生を抑制することができる。しかしながら、上記特許文献2のドラムブレーキは、高価な感温変形部材が必要になるためコストアップに繋がってしまう。
 他方、回転ドラムの温度上昇に伴う回転ドラムの拡径が大きい大型車の車両用ドラムブレーキなどでは、パーキングブレーキケーブルが連結されたパーキングレバーを人的操作により作動させることにより、パーキングブレーキケーブルを介してパーキングブレーキレバーを拡開させて一対のブレーキシューを拡開させることによって制動力を得るパーキングブレーキ構造が用いられている。このようなパーキングブレーキ構造を有する車両用ドラムブレーキでは、パーキングブレーキが作動される毎に、シュー間隙を自動調節するパーキング式のシュー間隙自動調節装置を備えている。しかしながら、パーキング式のシュー間隙自動調節装置では、サービスブレーキが作動している状態ではホイールシリンダの作動によりストラットに軸力がかからないため、アジャストレバーとアジャストレバーが係合するアジャストホイールとの間で空回りが発生してアジャストしない状態となる場合がある。そのため、サービス式のシュー間隙自動調節装置に比べてシュー間隙の調節の機会は少なくなり、適切なシュー間隙が保てない可能性があった。
 本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電動アクチュエータの操作によってパーキングブレーキを作動させる構造に、パーキングブレーキを作動させる毎にシュー間隙の自動調節するシュー間隙自動調節装置を設けて、適切なシュー間隙を保つことができる電動式ドラムブレーキを提供することにある。
 第1発明の要旨とするところは、(a)バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、(b)前記一対のブレーキシューの一方の前記バッキングプレート側に重なる状態で、その一方のブレーキシューの一端部に位置する所定の取付軸まわりに往復回動可能に配設されたパーキングブレーキレバーと、(c)前記パーキングブレーキレバーを前記取付軸まわりに回動させるべく引っ張る電動アクチュエータと、を備え、(d)前記電動アクチュエータによって前記パーキングブレーキレバーが往動させられると、前記一対のブレーキシューが拡開させられて制動力を発生する電動式ドラムブレーキであって、(e)前記パーキングブレーキレバーに係合された第1ストラット部材と、前記一対のブレーキシューの他方の一端部に係合された第2ストラット部材と、アジャストホイールを備えて前記第1ストラット部材および前記第2ストラット部材の間に配設されて少なくとも一方のストラット部材に螺合する調節軸とを有するストラットと、(f)前記パーキングブレーキレバーに当接する当接面および前記アジャストホイールに係合する係合部を有し、前記取付軸まわりに回動可能に配設されたアジャストレバーと、を備え、(g)前記パーキングブレーキレバーが複動させられた場合には、前記パーキングブレーキレバーに連れ回されて前記係合部が前記アジャストホイールに係合させられることで、前記ストラットによって前記一対のブレーキシューの回転ドラムの内周面に対する間隙が調節されることにある。
 第2発明の要旨とするところは、(a)前記一方のブレーキシューの略中央部には、ブレーキシュー側スプリング掛止穴が形成され、(b)前記アジャストレバーの先端部には、アジャストレバー側スプリング掛止穴が形成され且つ前記パーキングブレーキレバーの前記電動アクチュエータによる引っ張り方向側の端面と当接する前記当接面が形成され、(c)前記スプリング掛止穴および前記アジャストレバー側スプリング掛止穴には、アジャストリターンスプリングの端部がそれぞれ掛止されることにある。
 第1発明によれば、電動式ドラムブレーキには、前記パーキングブレーキレバーに係合された第1ストラット部材と、前記一対のブレーキシューの他方の一端部に係合された第2ストラット部材と、アジャストホイールを備えて前記第1ストラット部材および前記第2ストラット部材の間に配設されて少なくとも一方のストラット部材に螺合する調節軸とを有するストラットが備えられている。また、前記電動式ドラムブレーキには、前記パーキングブレーキレバーに当接する当接面および前記アジャストホイールに係合する係合部を有し、前記取付軸まわりに回動可能に配設されたアジャストレバーが備えられている。前記パーキングブレーキレバーが複動させられた場合には、前記パーキングブレーキレバーに連れ回されて前記係合部が前記アジャストホイールに係合させられることで、前記ストラットによって前記一対のブレーキシューの回転ドラムの内周面に対する間隙が調節される。これにより、電動アクチュエータにより前記パーキングブレーキレバーを往動させることによって前記一対のブレーキシューが拡開させられて制動力が発生させられるので、たとえば前記パーキングブレーキレバーを人的操作により往動させる従来の車両用ドラムブレーキと比べて、ヒルホールド時、信号待ち停車時、緊急時等に前記パーキングブレーキレバーを往動させて制動力を発生させるいわゆるパーキングブレーキの作動の機会を増やすことができる。そのため、パーキングブレーキの作動の機会が増えることによって、前記パーキングブレーキレバーが複動させられた場合に前記一対のブレーキシューの前記回転ドラムの内周面に対する間隙が調節される機会が増えるので、従来の前記パーキングブレーキレバーを人的操作により往動させる場合と比べて前記ブレーキシューと前記回転ドラムとの適切な間隙を保つことができる。
 第2発明によれば、前記一方のブレーキシューの略中央部には、ブレーキシュー側スプリング掛止穴が形成され、前記アジャストレバーの先端部には、アジャストレバー側スプリング掛止穴が形成され且つ前記パーキングブレーキレバーの前記電動アクチュエータによる引っ張り方向側の端面と当接する前記当接面が形成され、前記スプリング掛止穴および前記アジャストレバー側スプリング掛止穴には、レバーリターンスプリングの端部がそれぞれ掛止されている。これにより、前記電動アクチュエータによって前記パーキングブレーキレバーが往動されないパーキングブレーキの非作動時には、前記レバーリターンスプリングによる付勢力によって、前記アジャストレバーと前記パーキングブレーキレバーとが前記一方のブレーキシュー側へ複動させられる。そのため、たとえば前記パーキングブレーキレバーの複動に必要なリターンスプリングが不要となって車両用ドラムブレーキを構成する部品の点数を減ることにより、車両用ドラムブレーキのコストを低減することができる。
本発明の一実施例である車両用ドラムブレーキを示す正面図である。 本発明が適用される一実施例のシュー間隙自動調節装置の要部を拡大して示す図であり、図1に示すII-II視断面図である。 図1の実施例のアジャストホイールを拡大して示す図であり、図2のIII-III視断面図に対応するものである。 図1の実施例の連結ピンを拡大して示す図であり、図1のIV-IV視断面図に対応するものである。 図1の実施例の一対のブレーキシューのうちの一方のブレーキシューにパーキングブレーキレバーおよびアジャストレバーが組付けられた状態を拡大して示す図である。 図1の実施例の一方のブレーキシューを拡大して示す図である。 図1の実施例のパーキングブレーキレバーを拡大して示す図である。 図1の実施例のアジャストレバーを拡大して示す図である。 本発明の一実施例である車両用ドラムブレーキに設けられたブレーキケーブルに連結されている電動アクチュエータを拡大して示す断面図である。
 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
 図1は、本発明の一実施例である車両用ドラムブレーキ(電動式ドラムブレーキ)10を示す正面図であり、リーディングトレーリング型の車両用ドラムブレーキ10を示す。この車両用ドラムブレーキ10は、たとえば図示しない車両の車軸管、アクスルハウジング、サスペンション装置等の非回転部材に一体的に固設された円板形状のバッキングプレート16を備えている。また、そのバッキングプレート16には、そのバッキングプレート16の左右の外周部に円弧形状の凸側が外側になる姿勢で互いに接近離間可能にバッキングプレート16の中心線C1に対して略対照的に配設され、バッキングプレート16に拡開可能に設けられた一対のブレーキシュー20、22が備えられている。また、バッキングプレート16には、その一対のブレーキシュー20、22の一端部間すなわち図1の上端部間にホイールシリンダ24が配設されている。また、バッキングプレート16には、一対のブレーキシュー20、22の前記一端部間に介在させられて、全長を変化させることによりシュー間隙すなわち回転ドラム14と一対のブレーキシュー20、22との間隙の大きさを自動的に調節するシュー間隙自動調節装置26がホイールシリンダ24に隣接して配設されている。さらに、一対のブレーキシュー20、22の他端部すなわち図1の下端部間には、リベットにより位置固定に設けられたアンカー28と、一対のブレーキシュー20、22の前記他端部間に張設されてそれら前記他端部をアンカー28に常時当接させるスプリング30とが備えられている。上記中心線C1は、図1の正面視において、ホイールシリンダ24の長手方向の中央、アンカー28の長手方向の中央およびバッキングプレート16の中心を通る線である。
 一対のブレーキシュー20、22は、何れもバッキングプレート16の板面と略平行な平板状を成し、かつ図1に示す正面図において全体が円弧形状に湾曲したシューウェブ36、38と、それら円弧形状を成す外周側端縁に沿ってブレーキシュー20、22の断面が略T字状を成すように一体的に固設された円形形状のシューリム40、42と、それらシューリム40、42の外周面に接着剤などで一体的に固着された摩擦材から成るライニング44、46とを備えてそれぞれ構成されている。
 一対のブレーキシュー20、22は、シューウェブ36、38の長手方向の中央付近に配設されたシューホールドダウン装置48、50によってバッキングプレート16側に向かって押圧されていて、拡開可能にバッキングプレート16に配設されている。
 一対のブレーキシュー20、22の一方のブレーキシュー20の前記一端部側には、バッキングプレート16に対して略平行に取付軸すなわち連結ピン60が立設されている。図1に示すように、一方のブレーキシュー20の前記一端部には、バッキングプレート16とは反対側に正面視で一部が重なる状態で、連結ピン60まわりに往復回動可能に略平板状のパーキングブレーキレバー62の基端部62m(後述の図7を参照)が連結されている。さらに、一方のブレーキシュー20の前記一端部には、パーキングブレーキレバー62のブレーキシュー20とは反対側すなわちパーキングブレーキレバー62のバッキングプレート16とは反対側に正面視で一部が重なる状態で、連結ピン60まわりに回動可能に略平板状のアジャストレバー64の基端部64m(後述の図8を参照)が連結されている。
 図1に示すように、パーキングブレーキレバー62の先端部62nには、パーキングブレーキケーブル66の一端部66aに固設された掛止部材66cによってパーキングブレーキケーブル66が掛け止められている。パーキングブレーキケーブル66の他端部66bは、電動アクチュエータ68に連結されている。電動アクチュエータ68によりパーキングブレーキケーブル66が巻き取られることによってパーキングブレーキレバー62の先端部62nがバッキングプレート16の中心線C1側へ向かう方向に引っ張られて、パーキングブレーキレバー62は連結ピン60まわりに往動方向に回動させられる。パーキングブレーキレバー62が連結ピン60まわりに往動方向に回動させられると、ブレーキシュー22がシュー間隙自動調節装置26に備えられた後述するストラット70に押されて外周側へ移動させられるとともにブレーキシュー20が連結ピン60に押されて外周側へ移動させられるので、一対のブレーキシュー20、22が拡開されて制動力が発生させられるようになっている。パーキングブレーキケーブル66は、電動アクチュエータ68で巻き取られる際に、リベットにてアンカー28に一体に固設されたパーキングブレーキケーブルガイド90によってガイドされる。具体的には、パーキングブレーキケーブル66は、パーキングブレーキケーブルガイド90によって、バッキングプレート16に形成されたケーブル挿通穴16bに向かってガイドされており、ケーブル挿通穴16bを挿通して電動アクチュエータ68に他端部66bが連結されている。ここで、本実施例では、電動アクチュエータ68は車両用ドラムブレーキ10とは離された別部品たとえば車両用ドラムブレーキ10を備える車両の図示しない本体部に固設される。
 図2は、図1のII-II視断面の要部を示す図である。図1および図2に示すように、シュー間隙自動調節装置26には、一対のブレーキシュー20、22の一端部間に掛け渡され、車両用ドラムブレーキ10の非制動時すなわち一対のブレーキシュー20、22が拡開されずに車両用ドラムブレーキ10に制動力が発生していない時における一対のブレーキシュー20、22の接近を阻止してそれらの待機位置を規定するストラット70が備えられている。具体的には、ストラット70は、コイル状に巻回されたリターンスプリング71の内側を挿通するように備えられており、車両用ドラムブレーキ10の非制動時には、リターンスプリング71の付勢力によって一対のブレーキシュー20、22の待機位置が定められている。リターンスプリング71は、図1に示すように、一対のブレーキシュー20、22のシューウェブ36、38にそれぞれ形成された第1スプリング掛止穴36a、38aに掛け止められており、一対のブレーキシュー20、22の間に張設されている。つまり、シュー間隙調節装置26は、リターンスプリング71によって相互に接近する方向に付勢された一対のブレーキシュー20、22の前記他端部がそれぞれ当接させられ、一対のブレーキシュー20、22の前記他端部により挟持された状態で、バッキングプレート16に対して相対移動可能に配置されている。
 ストラット70は、ブレーキシュー20に備えられたシューウェブ36の一端部およびパーキングレバー62の基端部62mに係合する第1係合部72aを有する長手形状の第1ストラット部材72と、ブレーキシュー22のブレーキシュー38の一端部に係合する第2係合部74aを有する長手形状の第2ストラット部材74とを備えている。また、ストラット70には、第1ストラット部材72と第2ストラット部材74との間に配設され、回転中心線C2まわりに回転させられることによって第1ストラット部材72と第2ストラット部材74との間の距離を伸長させる長手形状の調節軸76とが備えられている。なお、ストラット70において、第1ストラット部材72および第2ストラット部材74は、調整軸76の回転中心線C2と同心に配設されている。
 調節軸76には、外周歯が形成された略円板形状のアジャストホイール76aと、そのアジャストホイール76aの回転中心部からブレーキシュー20のシューウェブ36に接近する方向に略円柱形状に突き出す嵌合軸部76bと、アジャストホイール76aの回転中心部から嵌合軸部76bとは反対方向に略円柱形状に突設するとともにその外周面に螺刻された雄ねじ部76cを有するねじ軸部76dとが備えられている。調節軸76において、ねじ軸部76dは、第2ストラット部材74に形成された雌ねじ穴74bに螺合し、嵌合軸部76bは第1ストラット部材72に形成された略円柱形状の嵌合穴72bに相対回転可能に嵌め入れられている。
 このため、ストラット70は、アジャストレバー64によってアジャストホイール76aが所定方向たとえば調節軸76のねじ軸部76dが右ねじであれば左回りの方向に回動させられると、調節軸76のねじ軸部76dに形成された雄ねじと第2ストラット部材74の雌ねじ穴74bの内周部に形成された雌ねじとのねじの作用によって、第2ストラット部材74が第1ストラット部材72から離間する方向に移動させられ、第1ストラット部材72の第1係合部72aと第2ストラット部材74の第2係合部74aとの間の距離すなわちストラット70の長手方向の距離が伸長する。
 アジャストホイール76aは、図3で示すようにアジャストレバー64に形成された後述する係合部64bによって所定の方向、たとえば調節軸76のねじ軸部76dが左ねじであれば右回りのR方向に回動させられる。一対のブレーキシュー20、22が開いた状態からその一対のブレーキシュー20、22が閉じた状態に変化した際に、アジャストレバー64の後述する係合部64bがアジャストホイール76aの複数の外周歯76eを滑らかに乗り越えるように、アジャストホイール76aの外周歯76eの先端が図3の右回りとは反対方向に突き出すように形成されている。アジャストレバー64は、回転中心線C2に向かう方向の弾性力が付与されており、その弾性力によって外周歯76eに当接させられている。
 図4は、図1のIV-IV視断面の要部を拡大して示す断面図である。図1および図4に示すように、パーキングブレーキレバー62は、シューウェブ36に重なる状態でシューウェブ36に対してバッキングプレート16側とは反対側に配設され、パーキングブレーキレバー62の基端部62mは一方のブレーキシュー20に立設された連結ピン60に挿通されている。具体的には、連結ピン60には、図1および図4に示すように車両用ドラムブレーキ10に組み付けられた状態で、バッキングプレート16側の端部である基端部から他方の端部である先端部に向かって、ブレーキシュー36に形成された後述する連結ピン圧入穴36bに圧入される圧入部60a、パーキングブレーキレバー62の基端部62mに形成された後述する挿通穴62aを貫通する第1円筒部60bおよび止め輪部材が装着される第1溝部60cが形成されている。さらに、連結ピン60には、第1溝部60cから先端部に向かって、第1溝部60cから所定の間隔を隔ててアジャストレバー64の基端部64mに形成された後述する挿通穴64aを貫通する第2円筒部60dが形成されて、さらに止め輪部材が装着される第2溝部60eが形成されている。
 パーキングブレーキレバー62は、第1溝部60cに装着された止め輪部材たとえばCリング80によって連結ピン60の軸心C3方向への移動が防止されている。具体的には、パーキングブレーキレバー62は、連結ピン60の第1円筒部60bに貫通されて、シューウェブ36とCリング80との間に配設されることにより軸心C3方向の移動が防止されている。アジャストレバー64は、第1嵌合部60bよりも連結ピン60の先端部側に形成された第2円筒部60dに貫通されている。アジャストレバー64は、第2溝部60eに装着された止め輪部材たとえばEリング82によって所定の位置よりもシューウェブ36から離れる方向への移動が防止されている。ここで、第2円筒部60dの軸心C3方向の長さ寸法は、アジャストレバー64の厚さ寸法よりも大きくなるように形成されている。そのため、アジャストレバー64は、第2円筒部60dの軸心C3方向の長さ寸法の範囲で軸心C3方向に移動可能に配設されている。
 図5は、図1の実施例の一対のブレーキシュー20、22のうちの一方のブレーキシュー20にパーキングブレーキレバー62およびアジャストレバー64が組付けられた状態を拡大して示す図である。図6は一方のブレーキシュー20を拡大して示す図であり、図7はパーキングブレーキレバー62を拡大して示す図であり、図8はアジャストレバー64を拡大して示す図である。一方のブレーキシュー20には、連結ピン60を介してパーキングブレーキレバー62およびアジャストレバー64が連結されている。図6に示すように、一方のブレーキシュー20に備えられたシューウェブ36の一端部には連結ピン60が圧入される連結ピン圧入穴36bが形成されている。パーキングブレーキレバー62は長手平板状に形成されており、パーキングブレーキレバー62の基端部62mには連結ピン60が挿通する挿通穴62aが形成されている。
 パーキングブレーキレバー62の先端部62nには、U字断面状に折り曲げられたブレーキケーブル連結部62bが形成されており、パーキングブレーキケーブル66の一端部66aに固設された掛止部材66cがブレーキケーブル連結部62b掛け止められる。これによって、パーキングブレーキケーブル66は、ブレーキケーブル連結部62bを介してパーキングブレーキレバー62に連結される。さらに、パーキングブレーキレバー62の先端部62nには、シューリム40の内周面に接近する方向に突き出され、パーキングブレーキの非作動時にはシューリム40の内周面に当接させられる突部62cが形成されている。パーキングブレーキレバー62には、図5および図7に示すように、長手方向の略中央よりも基端部62m側に補強のためのリブ62eが形成されている。リブ62eは、パーキングブレーキレバー62の長手方向の略中央よりも基端部62m側であってパーキングブレーキレバー62の幅方向に沿って略直線状に形成される第1リブ62gと、第1リブ62gの一部から基端部62m側へ向かって形成され、車両用ドラムブレーキ10に組付けられた状態でシューリム40側の第1側端面62hまで延伸されている第2リブ62jとで構成されており、第1リブ62gと第2リブ62jとは一体的に形成されている。
 図5および図8に示すように、アジャストレバー64は長手平板状に形成されており、アジャストレバー64の基端部64mには連結ピン60が挿通させられる挿通穴64aが形成されている。アジャストレバー64には、アジャストレバー64の長手方向の略中央部と挿通穴64aとの間の一部からシューリム40の内周面から離れる方向に突き出されて、アジャストホイール76aの外周歯76eに係合される係合部64bが形成されている。また、アジャストレバー64には、アジャストレバー64の長手方向の略中央部と挿通穴64aとの間の一部からシューリム40の内周面から離れる方向に突き出され且つ係合部64bよりもアジャストレバー64の先端部64n側に位置して、たとえばメンテナンス時に図示しない工具によって押圧される押圧部64cが形成されている。車両用ドラムブレーキ10が高負荷制動されると、回転ドラム14が摩擦熱による熱膨張によって内径が拡径させられることに基づきオーバアジャスト状態になる場合がある。メンテナンスなどによってオーバアジャスト状態で回転ドラム14を外す場合には、熱膨張による拡径によって回転ドラム14は外し辛くなっているため、アジャストホイール76aを逆回転すなわち図3に示すR方向とは逆方向に回転させて回転ドラム14を外し易くする必要がある。しかしながら、このとき、アジャストレバー64がアジャストホイール76aに引っ掛かってアジャストホイール76aが回転しない場合がある。その際に、図1に示すバッキングプレート16に形成された工具挿通穴16aから図示しない工具を挿通してアジャストレバー64の押圧部64cを工具によりバッキングプレート16側から押圧して、アジャストレバー64をアジャストホイール76aから離間させてアジャストホイール76aを逆回転させる。
 アジャストレバー64の先端部64nには、パーキングブレーキレバー62と当接するレバー当接面64dが形成されている。具体的には、アジャストレバー64の先端部64nには、電動アクチュエータ68によってパーキングブレーキレバー62が巻き取られて、パーキングブレーキレバー62がバッキングプレート16の中心線C1に向かって往動方向すなわち電動アクチュエータ68による引っ張り方向に回動させられた場合に、パーキングブレーキレバー62の側端面であってバッキングプレート16の中心線C1側に位置する第2側端面62fと当接するレバー当接面64dが形成されている。レバー当接面64dは、アジャストレバー64の板面に対して直交して形成されている。したがって、パーキングブレーキレバー62の第2側端面62fと当接するレバー当接面64dが形成されていることにより、アジャストレバー64はパーキングブレーキレバー62の往動方向の回動に連れ回りバッキングプレート16の中心線C1に向かって往動方向に回動させられる。パーキングブレーキの作動により制動力を得る場合に、たとえばライニング44、46の摩耗などにより一対のブレーキシュー20、22と回転ドラム14との間隙いわゆるシュー間隙が大きくなると、電動アクチュエータ68によるパーキングブレーキレバー62の往動方向に回動させられる距離が大きくなるため、アジャストレバー64が往動方向に回動させられる距離も大きくなる。アジャストレバー64の往動方向に回動させられる距離が大きくなると係合部64bの往動方向に回動させられる距離も大きくなるため、係合部64bは、一対のブレーキシュー20、22が開いた状態から一対のブレーキシュー20、22が閉じた状態に変化させられた場合には、アジャストホイール76aの複数の外周歯76eを乗り越えることになる。これにより、アジャストホイール76aが係合部64bによって回動させられてストラット70の長手方向の距離が伸長し、シュー間隙が自動調節される。
 また、アジャストレバー64の先端部64nには、レバー当接面64dに対して鈍角を為してレバー当接面64dから突き出される長手状のスプリング掛止部64fが形成されている。スプリング掛止部64fは、バッキングプレート16の中心線C1から離れるにつれてレバー当接面64dに対する角度が大きくなるように形成されている。スプリング掛止部64f先端にはアジャストレバー側スプリング掛止穴64gが形成されている。
 図1および図5に示すように、アジャストレバー側スプリング掛止穴64gにはパーキングブレーキ用のレバーリターンスプリング88の一方の端部が掛け止められている。レバーリターンスプリング88の他方の端部は、一対のブレーキシュー20、22のうちの一方のブレーキシュー20の長手方向の略中央付近すなわちシューウェブ36の長手方向の略中央付近に形成されたブレーキシュー側スプリング掛止穴36cに掛け止められている。すなわち、レバーリターンスプリング88は、ブレーキシュー20とアジャストレバー64との間で張設されている。レバーリターンスプリング88は、図1に示すように、組み付けられた状態において、バッキングプレート16の中心Coを通り中心線C1と直交する中心線C4よりもアンカー28側に位置するように配設されている。車両用ドラムブレーキ10が非制動状態であるときには、レバーリターンスプリング88の付勢力によってアジャストレバー64はバッキングプレート16の中心線C1から離れる方向に回動すなわち複動させられ、アジャストレバー64の複動に連れ回されてパーキングブレーキレバー62が複動させられる。
 図8に戻り、アジャストレバー64には、基端部64mから先端部64nまで長手方向に伸びるリブ64eが形成されている。リブ64eは、挿通穴64aの近傍からアジャストレバー64のシューリム40の内周面側の第1側端面64hへ向かって延伸される。さらにリブ64eは、第1側端面64hから所定の間隔を有して第1側端面64hの湾曲形状に沿うように延伸されて、レバー当接面64d近傍の第1側端面64hとは反対側の第2側端面64jまで延伸されて形成されている。
 図9は、本実施例の車両用ドラムブレーキ10に設けられたパーキングブレーキケーブル66に連結されている電動アクチュエータ68を拡大して示す断面図である。図9に示すように、電動アクチュエータ68には、図示しない電子制御装置から供給される入力信号に基づいて出力軸100aが回転駆動する電動モータ100が備えられている。また、電動アクチュエータ68には、出力軸100aの回転が伝達される第1歯車102および第1歯車102に噛み合う第2歯車104を有する減速歯車装置106が備えられている。また、電動アクチュエータ68には、減速歯車装置106の第2歯車104において、第2歯車104の第1回転軸線(回転軸線)Cm1に沿って穿設された円柱形状の雌ねじ穴104aと、第2歯車104の雌ねじ穴104aの内周面に形成された雌ねじ104bと螺合する雄ねじ108aを外周面に形成しパーキングブレーキケーブル66の他端部が直接的に先端部108bに連結された軸状のねじ軸部材108とが備えられている。ねじ軸部材108、減速歯車装置106および電動モータ100は、収容ケース(ケース部材)110に収容されている。
 第1歯車102には、電動モータ100の出力軸100aに固定された歯車112と噛み合う噛合歯102aが外周面に形成された円板状の第1歯車部102bと、第1歯車部102bに隣接して外周面に外周スプライン歯102cが形成された円柱状の第2歯車部102dとが備えられている。また、第1歯車102には、第2回転軸線(回転軸線)Cm2の軸方向に、第2歯車部102dの電動モータ100側の端面および第1歯車部102bの電動モータ100側とは反対側の端面からそれぞれ円柱状に突き出された一対の支持部102g、102hが一体に備えられている。第1歯車102は、一対の支持部102g、102hが収容ケース110に設けられた一対の軸受114、114を介して収容ケース110に支持されることにより、第2回転軸線Cm2まわりに回転可能に収容ケース110に支持されている。なお、第1歯車102の第2回転軸線Cm2は、第2歯車104の第1回転軸線Cm1と平行である。
 第2歯車104には、第1歯車102の外周スプライン歯102cに相対回転不能且つ第1回転軸線Cm1方向に移動可能に噛み合う第2噛合歯104cが外周面に形成された円板状の歯車部104dと、歯車部104dの両側面から第1回転軸線Cm1方向に円筒状に突き出された一対の支持部104g、104hとが一対に備えられている。第2歯車104は、一対の支持部104g、104hが収容ケース110に設けられた一対のスラスト軸受116、118を介して収容ケース110に支持されることにより、第1回転軸線Cm1まわりに回転可能に収容ケース110に支持されている。
 収容ケース110には、図9に示すように、たとえばねじ軸部材108、減速歯車装置106および電動モータ100などを収容する収容部110aと、パーキングブレーキケーブル66をバッキングプレート16の内側から収容ケース110内に挿通させる挿通穴110bが形成されたケーブル挿通部110cとが備えられている。
 収容ケース110の収容部110aには、図9に示すように、挿通穴110bに連通し、例えばパーキングブレーキケーブル66の他端部66b、ねじ軸部材108の一部、後述するコイル状のスプリング(弾性部材)120等を収容する円柱状の第1空間A1と、第1空間A1に隣接し、たとえば減速歯車装置106等を収容する第2空間A2と、第2空間A2に隣接し、たとえば電動モータ100等を収容する第3空間A3とが形成されている。
 収容ケース110内の第1空間A1は、挿通穴110bのねじ軸部材108側の開口110eの周辺に形成された第1壁部110fと、挿通穴110bに挿通されたパーキングブレーキケーブル66と、ねじ軸部材108の外周側に円筒状に形成された円筒部110gと、円筒部110gの第2歯車104側の開口に嵌め入れられたスラスト軸受116とによって囲まれた空間である。上記第1空間A1内において、コイル状のスプリング120は、第1壁部110fとスラスト軸受116すなわちスラスト軸受116に隣接する第2歯車104との間に予圧された状態(圧縮された状態)で配設されている。上記コイル状のスプリング120は、例えば角バネであり、収容ケース110の第1壁部110fと第2歯車104との間においてパーキングブレーキケーブル66の他端部66bとねじ軸部材108との外周側に配設されている。
 図9に示すように、第2歯車104のスラスト軸受116に隣接する円筒状の支持部104gは、その支持部104gの外径が収容ケース110の円筒部110gの第2歯車104側の開口の内径より小さくなっている。第2歯車104の支持部104gに隣接するスラスト軸受116は、収容部110aの円筒部110g内に第1回転軸線Cm1方向の移動可能に嵌め入れられている。また、第2歯車104のスラスト軸受118側の支持部104hは、スラスト軸受118に第1回転軸線Cm1方向に移動可能に嵌め入れられている。すなわち、第2歯車104は、コイル状のスプリング120の付勢力に抗して第1回転軸線Cm1方向の第1壁部110f側に移動可能に収容ケース110の収容部110a内に配設されている。
 また、図9に示すように、収容ケース110の収容部110aには、第2歯車104の歯車部104dの外周部の一部においてパーキングブレーキケーブル66の他端部66b側の側面に対向する第2壁部110hが形成されている。上記第2壁部110hは、円筒部110gの第2歯車104側の開口の周辺部から第1回転軸線Cm1の径方向に一体に突き出されたものであり、第2歯車104がコイル状のスプリング120の付勢力に抗して第1壁部110f側へ移動させられると、第2歯車104の歯車部104dの外周部の一部が第2壁部110hに当接する。
 本実施例の車両用ドラムブレーキ10が設けられた車両には図示しない電子制御装置が備えられている。電子制御装置はたとえば図示しない車両用駆動装置に設けられる。電子制御装置は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。電子制御装置には、図示しない車速センサにより検出される車両の車速Vを示す信号が入力される。電子制御装置からは、電動アクチュエータ68に備えられた電動モータ100に作動指令が独立して出力されるように構成されている。
 以上のように構成された車両用ドラムブレーキ10は、電子制御装置による電子制御により電動アクチュエータ68に備えられた電動モータ100が回転駆動させられてパーキングブレーキレバー62が作動されている。たとえば、図示しない車速センサによって車両が停車状態であると判断されると、電子制御装置によって電動アクチュエータ68の電動モータ100が回転駆動して、パーキングブレーキケーブル66が巻き取られる。このため、パーキングブレーキケーブル66を介してパーキングブレーキレバー62の先端部62nがバッキングプレート16の中心線C1側へ引っ張られて、連結ピン60まわりにパーキングブレーキレバー62が往動させられることにより、一対のブレーキシュー20、22が拡開してパーキングロック状態すなわちパーキングブレーキによる制動状態となる。また、電子制御装置による電子制御により連結ピン60まわりにパーキングブレーキレバー62が往動させられることによって、パーキングブレーキレバー62の第2側端面62fはアジャストレバー64のレバー当接面64dに当接させられる。これにより、アジャストレバー64は、パーキングブレーキレバー62の往動に連れ回されて連結ピン60まわりに回動させられ、係合部64bとアジャストホイール76aとが離間させられる。レバーリターンスプリング88の付勢力によりパーキングブレーキレバー62が複動させられた場合には、パーキングブレーキレバー62に連れ回されてアジャストレバー64に形成された係合部64bがアジャストホイール76aに係合させられて、ストラット70によって一対のブレーキシュー20、22の回転ドラム14の内周面に対するシュー間隙が調節される。
 また、図示しない車速センサで検出される車両の車速Vに基づく車両状態により、図示しない電子制御装置による電子制御で電動モータ100が回転駆動されてパーキングブレーキが作動されるので、たとえば、登坂路を走行中に減速しその後車両を停止させた場合に車両がずり落ちることを防止するヒルホールド制御時にパーキングブレーキが作動される。また、たとえば信号待ちでの車両の停車状態を保持する場合や緊急車両停車時における自動パーキングブレーキなどにおいてパーキングブレーキが作動される。さらに、たとえば、登坂路を走行中に減速しその後車両を停止させた後にアクセルペダルの踏み込みなどによって車両がずり落ちるようなサービスブレーキが作動していない状況下で、人的操作すなわちパーキングレバーなどのパーキングブレーキ駆動装置の操作をすることなくパーキングブレーキを作動させることが可能になる。
 このように、本実施例の車両用ドラムブレーキ(電動式ドラムブレーキ)10は、パーキングブレーキレバー62に係合された第1ストラット部材72と、一対のブレーキシュー20、22の他方の一端部に係合された第2ストラット部材74と、アジャストホイール76aを備えて第1ストラット部材72および第2ストラット部材74の間に配設されて少なくとも一方のストラット部材に螺合する調節軸76とを有するストラット70が備えられている。また、車両用ドラムブレーキ10には、パーキングブレーキレバー62に当接するレバー当接面64dおよびアジャストホイール76aに係合する係合部64bを有し、連結ピン60まわりに回動可能に配設されたアジャストレバー64が備えられている。パーキングブレーキレバー62が複動させられた場合には、パーキングブレーキレバー62に連れ回されて係合部64bがアジャストホイール76aに係合させられることで、ストラット70によって一対のブレーキシュー20、22の回転ドラム14の内周面に対する間隙すなわちシュー間隙が調節される。これにより、電動アクチュエータ68によりパーキングブレーキレバー62を往動させることによって一対のブレーキシュー20、22が拡開させられて制動力が発生させられるので、たとえばパーキングブレーキレバー62を人的操作により往動させる従来の車両用ドラムブレーキと比べて、ヒルホールド時、信号待ち停車時、緊急時等にパーキングブレーキレバー62を往動させて制動力を発生させるいわゆるパーキングブレーキの作動の機会を増やすことができる。そのため、パーキングブレーキの作動の機会が増えることによって、パーキングブレーキレバー62が複動させられた場合に一対のブレーキシュー20、22の回転ドラム14の内周面に対する間隙が調節される機会が増えるので、従来のパーキングブレーキレバーを人的操作により往動させる場合と比べて一対のブレーキシュー20、22と回転ドラム14との適切な間隙を保つことができる。さらに、パーキングブレーキを作動させる毎にシュー間隙が調節されるので、たとえばサービスブレーキの作動時にシュー間隙を調節する従来の車両用ドラムブレーキと比べて高負荷制動による回転ドラム14の温度変化の影響が少なく適切なシュー間隙を調節することができる。したがって、シュー間隙を適切に保つことができることによって、たとえばシュー間隙が小さい場合に発生する一対のブレーキシュー20、22と回転ドラム14との引き摺りや、シュー間隙が大きい場合に発生する制動力不足を抑制することができる。
 また、本実施例の車両用ドラムブレーキ10によれば、一方のブレーキシュー20の略中央部には、ブレーキシュー側スプリング掛止穴36cが形成され、アジャストレバー64の先端部64nには、アジャストレバー側スプリング掛止穴64gが形成され且つパーキングブレーキレバー62の電動アクチュエータ68による引っ張り方向側の第2側端面62fと当接する当節面64dが形成され、ブレーキシュー側スプリング掛止穴36cおよびアジャストレバー側スプリング掛止穴64gには、レバーリターンスプリング88の端部がそれぞれ掛止されている。これにより、電動アクチュエータ68によってパーキングブレーキレバー62が往動されない場合すなわちパーキングブレーキが作動されない場合には、レバーリターンスプリング88による付勢力によって、アジャストレバー64とパーキングブレーキレバー62とが一方のブレーキシュー20側へ複動させられる。そのため、たとえばパーキングブレーキレバー62の複動に必要なリターンスプリングが不要となって車両用ドラムブレーキ10を構成する部品の点数を減ることにより、車両用ドラムブレーキ10のコストを低減することができる。
 以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
 例えば、前述の実施例においては、電動アクチュエータ68は、車両用ドラムブレーキ10とは離れた別部品たとえば車両の図示しない本体部に固設されているが、必ずしもこれに限らず、たとえば電動アクチュエータ68は車両用ドラムブレーキ10に固設されていてもよい。具体的には、電動アクチュエータ68は、車両用ドラムブレーキ10に備えられるバッキングプレート16に固設されていてもよい。
 なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用ドラムブレーキ(電動式ドラムブレーキ)
14:回転ドラム
16:バッキングプレート
20、22:ブレーキシュー
36c:ブレーキシュー側スプリング掛止穴
60:連結ピン(取付軸)
62:パーキングブレーキレバー
62f:第2側端面(端面)
64:アジャストレバー
64b:係合部
64d:レバー当接面(当接面)
64g:アジャストレバー側スプリング掛止穴
64n:先端部
68:電動アクチュエータ
70:ストラット
71:リターンスプリング
72:第1ストラット部材
74:第2ストラット部材
76:調節軸
76a:アジャストホイール
88:レバーリターンスプリング

Claims (2)

  1.  バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、
     前記一対のブレーキシューの一方の前記バッキングプレート側に重なる状態で、その一方のブレーキシューの一端部に位置する所定の取付軸まわりに往復回動可能に配設されたパーキングブレーキレバーと、
     前記パーキングブレーキレバーを前記取付軸まわりに回動させるべく引っ張る電動アクチュエータと、を備え、
     前記電動アクチュエータによって前記パーキングブレーキレバーが往動させられると、前記一対のブレーキシューが拡開させられて制動力を発生する電動式ドラムブレーキであって、
     前記パーキングブレーキレバーに係合された第1ストラット部材と、前記一対のブレーキシューの他方の一端部に係合された第2ストラット部材と、アジャストホイールを備えて前記第1ストラット部材および前記第2ストラット部材の間に配設されて少なくとも一方のストラット部材に螺合する調節軸とを有するストラットと、
     前記パーキングブレーキレバーに当接する当接面および前記アジャストホイールに係合する係合部を有し、前記取付軸まわりに回動可能に配設されたアジャストレバーと、を備え、
     前記パーキングブレーキレバーが複動させられた場合には、前記パーキングブレーキレバーに連れ回されて前記係合部が前記アジャストホイールに係合させられることで、前記ストラットによって前記一対のブレーキシューの回転ドラムの内周面に対する間隙が調節されることを特徴とする電動式ドラムブレーキ。
  2.  前記一方のブレーキシューの略中央部には、ブレーキシュー側スプリング掛止穴が形成され、
     前記アジャストレバーの先端部には、アジャストレバー側スプリング掛止穴が形成され且つ前記パーキングブレーキレバーの前記電動アクチュエータによる引っ張り方向側の端面と当接する前記当接面が形成され、
     前記ブレーキシュー側スプリング掛止穴および前記アジャストレバー側スプリング掛止穴には、レバーリターンスプリングの端部がそれぞれ掛止されることを特徴とする請求項1に記載の電動式ドラムブレーキ。
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