WO2016024422A1 - 超音波画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

 抽出期間特定部は、Mモード画像において抽出期間(抽出部分)を特定する。モデル伸縮部は、特定された抽出期間に適合するよう輪郭モデルを時間軸方向に伸縮させつつ、当該抽出期間に対して輪郭モデルを設置する(初期設定)。ノード位置変更部は、設置された輪郭モデルに含まれる複数のノード列を構成するノード毎に、ノード位置を順次変更しながらエッジ(輪郭)探索を行う。その結果、エッジ検出位置にある複数のノードからなる修正輪郭モデルが形成される。トレース部は、修正輪郭モデルに含まれる複数のノード列に対して補間処理を行うことにより、複数の輪郭ラインを模擬した複数のトレースラインを生成する。

Description

超音波画像処理装置
 本発明は、超音波画像処理装置に関し、特に、被検体内の組織運動を表すMモード画像を処理する超音波画像処理装置に関する。
 超音波診断装置は、被検体に対して超音波を送受波し、これにより得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波診断装置により形成される超音波画像には様々な種類の画像があり、その中のひとつにMモード画像がある。Mモード画像は、被検体内の組織運動が表現される画像である。Mモード画像においては、例えば、縦軸が深度軸、横軸が時間軸となっており、時間軸方向に延びる高輝度(または低輝度)のライン(輪郭ライン)によって組織の深度方向への動きの様子が示される。なお、Bモード断層画像上に任意に設定された観測線上の組織運動を表したMモード画像も知られている。
 Mモード画像は、例えばLA/AO比計測のために用いられる。LA/AO比は、心臓の形態を評価する指標であり、心臓の収縮末期における左房径(LA)と拡張末期における大動脈径(AO)との比である。従来のLA/AO比計測においては、大動脈壁および左房壁の位置の動きが表現された輪郭ラインを含むMモード画像上において、検査者が手動にてカーソルを動かすなどして心臓の収縮末期における両左房壁の位置および拡張末期における両大動脈壁の位置を指定していた。
 従来ではMモード画像において検査者が手動で計測点を指定しなければならなかったため、計測に手間がかかるなどの問題が生じていた。そこで、計測点を自動的に設定するために、Mモード画像に含まれる輪郭ラインの自動トレースを行う技術が提案されている。
 例えば、特許文献1には、Mモード画像上において組織境界の位置1点を決定し、当該点の輝度値と、当該点から時間軸方向1画素移動した位置(次の時点)での5近傍の画素の輝度値とを比較し、当該5近傍の画素のうち輝度値の差が最小となる画素を次の時刻における組織境界とすることが記載されている。この処理を繰り返すことで組織境界の動きを示すラインをトレースしている。Mモード画像上において、輪郭ラインは通常、時間軸方向に流れる周期性を有する比較的滑らかな曲線となる。特許文献1に開示された手法はそのような性質を利用して、時間軸方向に組織境界の位置を順次探索するものである。
特許第4656392号明細書
 超音波診断装置または超音波画像を処理する情報処理装置上において、Mモード画像に対して輪郭ラインの抽出を行う場合、抽出精度の向上あるいは抽出時間の短縮化が求められている。一方、Mモード画像の掃引速度は区々であり、また心拍レートは一定ではないので、それらによらない輪郭ライン抽出法の実現が要望されている。なお、特許文献1に開示された手法では、長い距離に亘って輪郭ラインの抽出を行う場合、ノイズなどの影響を受けやすくなるという問題を指摘できる。
 本発明の目的は、Mモード画像上において輪郭ラインの抽出を高精度に行うことにある。あるいは、本発明の目的は、Mモード画像上における輪郭ラインの抽出処理時間を低減させることにある。あるいは、本発明の目的は、Mモード画像上において、心拍に同期して周期的に運動する複数の輪郭ラインを心拍単位で同時に抽出することにある。
 本発明に係る超音波画像処理装置は、運動曲線としての輪郭ラインを含むMモード画像において、前記輪郭ライン中の抽出部分を含む画像部分を特定する特定手段と、前記抽出部分を含む画像部分に対してノード列を含む輪郭モデルを適用することで前記輪郭ライン中の抽出部分を抽出する抽出手段と、を備え、前記抽出手段は、前記画像部分に対する前記輪郭モデルの初期設定を行う初期設定手段と、前記Mモード画像上において前記初期設定後のノード列に含まれるノード毎に輪郭探索を行うことにより、前記ノード列を前記抽出部分にフィッティングさせて修正輪郭モデルを形成するモデル変形手段と、を含む、ことを特徴とする。
 上記構成によれば、ノード列を含む輪郭モデルをMモード画像中の部分画像に適用することで、当該部分画像に含まれる抽出部分が抽出される。詳しくは、輪郭モデルは、少なくとも1つのノード列(望ましくは複数のノード列)を含んだ輪郭探索用モデルであり、各ノード列は時間軸方向に並んだ複数のノードからなる。各ノードは輪郭探索点として機能し、部分画像上に対する各ノードの初期設定位置が探索開始位置を規定する。部分画像上において、各ノードの位置が順次変えられながら各ノードによって輪郭の有無が探索される。輪郭検出方法としては各種の公知手法を利用できる。いずれにしても、抽出部分上の複数の位置(輪郭点)が複数のノードによって個別的に抽出される。そのような処理を経て、抽出部分にフィッティングされたノード列を含む修正輪郭モデルが得られる。
 上記構成において、複数のノードによって並列的に輪郭探索を行うならば、輪郭ラインの一端から他端側へ逐次的に探索を行う場合に比べ、探索時間を削減できる。その場合、各ノードが独立的に輪郭探索を行うならば、つまり他のノードの探索結果に影響されずに探索を行うならば、ノイズなどによる輪郭誤検出の連鎖という問題を回避できる。もっとも、探索範囲などを定めるのに際して他のノード位置その他を参照するようにしてもよい。輪郭モデルの採用により、抽出対象となる抽出部分の標準的形態あるいは標準的構造に合わせてノード列の初期形態あるいは複数のノード列の初期配列を定めておくことが可能である。これによれば、個々のノードによる輪郭探索を効率的に行うことができるという利点が得られる。また、探索範囲の効果的な絞り込みが可能となるから、ノイズに強い信頼性の高い処理を実現できる。
 望ましくは、前記初期設定手段は、前記抽出部分の時間軸方向の長さに応じて、前記輪郭モデルの時間軸方向のサイズを調整するサイズ調整手段と、前記画像部分上に前記サイズ調整後の輪郭モデルを配置するモデル配置手段と、を含む。
 掃引速度および心拍レートに応じて抽出部分の時間軸方向の長さが変化する。そのため、上記構成では、サイズ調整手段が、輪郭モデルの初期設定に際して、輪郭モデルの時間軸方向のサイズを抽出部分の時間軸方向の長さに応じて調整している。その上で、モデル配置手段がサイズ調整後の輪郭モデルを部分画像上に配置している。サイズ調整によれば、時間長の異なる複数の輪郭モデルを予め生成してそれらを格納しておく必要がなくなる。サイズ調整は、元になるモデルの伸縮、サイズ調整済みモデルの演算、などによって実現されうる。輪郭モデルは、時間軸方向に伸縮されても各ノードの時間軸方向における相対的位置関係が維持されるよう、例えば、各ノードの時間軸方向の位置を輪郭モデルの全体期間に対する相対的な位置として定義しておくのが望ましい。なお、望ましくは、輪郭モデルの距離軸方向のサイズも距離軸スケールに合わせられる。
 望ましくは、前記モデル変形手段は、前記配置後のノード列に含まれるノード毎に、時間軸方向と垂直な距離方向に前記輪郭探索を行う。Mモード画像上で、ノードごとに広く二次元的に輪郭探索を行ってもよいが、輪郭探索を主として距離方向に制限すればあるいは距離方向だけに限定すれば、探索効率を高められる。その場合でも、既に輪郭モデルのサイズ調整が行われているので、つまり複数のノードの配列が抽出部分の時間長に合わせられているので、当該抽出部分それ全体を複数のノードによって的確に探索することが可能である。例えば、複数のノードが時間軸方向に等間隔で配置されている場合、その等間隔を維持することで、時間軸方向の探索分解能を均等に保てる。
 望ましくは、前記モデル変形手段は、前記配置後のノード列に含まれるノード毎に、当該ノードの初期設定位置の近傍範囲において前記輪郭探索を行う。この構成によれば、ノード毎に、探索範囲が距離方向における近傍範囲内に制限される。これにより不必要に探索範囲が増大してしまう問題を回避でき、探索時間を削減できる。近傍範囲は、基本的に、距離方向において初期設定位置の両側に広がる範囲であり、個々のノードごとに近傍範囲のサイズを個別的に設定できるように構成してもよいし、複数のノードにわたって一律の近傍範囲を設定してもよい。
 望ましくは、前記初期設定手段は、更に、過去に形成された複数の修正輪郭モデルに基づいて、原輪郭モデルを生成するモデル生成手段、を含み、前記サイズ調整手段は、前記原輪郭モデルの時間軸方向のサイズを調整する。この構成によれば、複数の修正輪郭モデルを通じて、過去にフィッティング対象となった複数の抽出部分(実際の輪郭形態)を反映した原輪郭モデルを生成することが可能である。よって、原輪郭モデルに基づくサイズ調整後の輪郭モデルを部分画像に適用すれば、複数のノードの初期設定位置を実際の抽出部分に近付けられる可能性が高まる。
 望ましくは、前記モデル変形手段は、過去に形成された複数の修正輪郭モデルに基づいて、前記輪郭探索を行う近傍範囲のサイズを決定する。例えば、過去に形成された複数の修正輪郭モデルにおいてあるノードの位置が狭い範囲に集中していれば、今回抽出対象のMモード画像においても当該ノードに対応する輪郭位置は当該範囲内にある可能性が高いといえる。したがって、過去の修正輪郭モデルに基づいて輪郭探索範囲を決定することで、輪郭探索範囲をより狭めることが可能になる。これにより、より探索効率を向上させる。
 望ましくは、前記Mモード画像は複数の輪郭ラインを含み、前記輪郭モデルは、前記複数の輪郭ラインにおける複数の抽出部分を抽出するための複数のノード列を含み、前記モデル変形手段は、前記複数のノード列に含まれるノード毎に輪郭探索を行い、前記複数のノード列を前記複数の抽出部分にそれぞれフィッティングさせる。
 上記構成によれば、複数のノード列を有する輪郭モデルを用いることで、画像部分に含まれる複数の抽出部分を同時にあるいは一括して抽出することが可能となる。複数の抽出部分はそれ全体として時間軸空間軸に広がる二次元パターンを呈しており、それに対して複数のノード列からなる輪郭パターン(二次元ノードアレイ)を設置できる。そのため、仮に複数の抽出部分の一部が不鮮明であっても、あるいは、複数の抽出部分に近接や接触が生じていても、それらに対して輪郭モデルを設置することが容易となる。
 望ましくは、前記抽出部分にフィッティングされた前記ノード列に基づく補間処理により、前記抽出部分を模擬したトレースラインを生成するトレース手段、をさらに備える。
 望ましくは、前記特定手段は、前記被検体の心拍情報に基づいて、前記画像部分を特定する。これにより、注目する1または複数の心拍が心拍情報によって特定される。Mモード画像と並行に表示された心電波形を観察したユーザの入力に基づいて特定手段が画像部分あるいは処理対象区間を特定するようにしてもよい。
 本発明によれば、Mモード画像上において輪郭ラインの抽出を高精度に行うことができる。あるいは、Mモード画像上における輪郭ラインの抽出処理時間を低減させることができる。あるいは、Mモード画像上において、心拍に同期して周期的に運動する複数の輪郭ラインを心拍単位で同時に抽出することができる。
本実施形態に係る超音波診断装置の構成概略図である。 本実施形態における観測経路を示す図である。 本実施形態におけるMモード画像の例を示す図である。 輪郭モデルの概念図である。 輪郭モデルが時間軸方向に伸張される様子を示す概念図である。 輪郭モデルのノードの深さ情報が変更される様子を示す概念図である。 エッジ探索位置の範囲の例を示す図である。 エッジ探索位置の範囲の他の例を示す図である。 修正輪郭モデルの各ノード列に含まれるノード間の補間処理の例を示す図である。 本実施形態に係る超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。
 以下、本発明の実施形態について説明する。
 図1は、本実施形態に係る超音波画像処理装置としての超音波診断装置10の構成概略図である。超音波診断装置10は、一般に病院などの医療機関に設置され、被検体に対して超音波診断を実行する医療上の機器である。超音波診断装置10は、被検体内の組織境界の動きを示すMモード画像を形成する機能を備えている。本実施形態では、超音波診断装置10によりMモード画像を形成し、当該Mモード画像を用いて上述のLA/AO比計測を行う。
 プローブ12は、被検体に対して超音波の送受波を行う超音波探触子である。プローブ12は複数の振動子からなる振動子アレイを有している。振動子アレイに含まれる各振動子は、送受信部14からの各振動子に対応する複数の送信信号によって振動して超音波ビームを発生する。また、振動子アレイは送受波領域からの反射エコーを受信し、音響信号を電気信号である受信信号に変換して送受信部14へ出力する。本実施形態では、プローブ10は被検体の心臓に向けて超音波を送受波する。
 送受信部14は、プローブ12が有する複数の振動子を励振する複数の送信信号をプローブ12へ送ることで、プローブ12において超音波を発生させる。また、送受信部14は、反射エコーを受信した複数の振動子から得られる複数の受信信号を整相加算処理して、超音波ビームの走査方向に並ぶビームデータを形成する。ビームデータは、深度方向に並ぶ複数の反射エコー信号により構成される。このように、送受信部14は、送信ビームフォーマと受信ビームフォーマの機能を備えている。
 本実施形態では、後述の画像形成部18がMモード画像を形成する。Mモード画像の形成に先立ちBモード画像が形成され、当該Bモード画像上においてMモード画像の対象となる観測経路が設定される。観測経路が設定された後は、当該観測経路に対して超音波が送受波される。
 シネメモリ16は、送受信部14からの複数のビームデータを記憶する。シネメモリ16は、例えばリングバッファのような構造を有しており、時系列順で入力される各ビームデータを順次格納する。シネメモリ16には、最新から過去一定期間にわたるビームデータを記憶する。
 画像形成部18は、例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)などであり、シネメモリ16に記憶されたビームデータに基づいて生体イメージとしての超音波画像を形成する。画像形成部18において形成される超音波画像としては、Mモード画像の他、被検体内の組織の断層画像であるBモード画像などが含まれる。
 Mモード画像は、観測経路からの受信信号に基づくビームデータが反射エコー強度に応じた輝度値に変換され、それらが時系列順に並べられることで形成される。例えば、血管壁や心壁などの組織境界においては反射エコーの強度が大きくなるため、これらの位置が高輝度で表現されることになる。そして、観測経路上で順次得られたビームデータ列に対して同様に処理が行われ表示部40上において掃引されることで、Mモード画像上において時間軸方向に延びる高輝度ラインが形成される。当該高輝度ラインが、被検体内の組織運動を示す輪郭ラインとなる。
 Mモード画像は、ユーザにより設定される掃引速度によってその時間軸方向の縮尺が異なって形成される。掃引速度が大きければ、1つのMモード画像に表示される期間は比較的短い期間となり、掃引速度が小さければ1つのMモード画像に表示される期間は比較的長い期間となる。したがって、Mモード画像に含まれる輪郭ラインも掃引速度に応じて時間軸方向の伸縮率が異なる。
 本実施形態では、画像形成部18は、被検体の心臓の大動脈弁および左心房を通るビームデータに基づいてMモード画像を形成する。したがって、本実施形態で形成されるMモード画像では大動脈壁、大動脈弁、および左房壁の位置の経時的な変化が時間軸方向に延びる輪郭ラインで表現される。各輪郭ラインは、実際の組織の二次元輪郭などとは異なり、掃引によって構成された人工的な輪郭である。各輪郭ラインは、掃引速度および心拍レートに従う周期的な形態を有する。つまり、同じような波形パターンが複数心拍にわたって連なったものである。
 心電計20は、被検体の心臓の拍動の様子を示す心電データを出力する。心電計20は電極を有しており、当該電極を被検体に取り付けることで被検体の心起電力を計測する。計測された起電力を示すデータが心電データとして出力される。
 記憶部22は例えばハードディスク、ROM、あるいはRAMなどにより構成され、超音波装置10において実行されるプログラムあるいは超音波診断装置10において処理されるデータなどが記憶される。また、記憶部22には輪郭モデル24が記憶される。
 輪郭モデル24は、Mモード画像上における輪郭構造を抽出するためのモデルである。輪郭モデル24は、所定期間内における当該輪郭構造(すなわち輪郭構造の一部)に対応するものであり、本実施形態では1心拍期間における輪郭構造に対応するものである。すなわち、Mモード画像は深度方向に並ぶ多数の輪郭ラインの集合体のような態様を有しており、本実施形態では、その中における特定の複数の輪郭ライン(注目輪郭ライン)が抽出処理の対象である。より具体的には、複数の注目輪郭ラインの内で、ユーザによって指定された特定の心拍周期内に属する複数の線分(注目線分)が抽出処理の対象である。一方、輪郭モデルは、複数の注目線分に対応する複数のノード列からなり、その配列は複数の注目線分についての標準的な配列として定められている。実際には、計測の種別ごとに、当該計測を実現するための輪郭モデルが用意されている。輪郭モデル24は予め用意され記憶部22に記憶される。
 本実施形態では、上述の通りMモード画像として大動脈壁、大動脈弁、および左房壁の運動を示す複数の輪郭ラインを注目ラインとし、各注目ラインの一部である複数の注目線分に対応する複数のノード列を含んだ輪郭モデル24が用意される。各ノード列は複数のノードを含んでいる。輪郭モデル24においては、後述するように、複数のノード列は深度方向(距離方向)に並んでいる。したがって、輪郭モデル24は、時間軸方向と深度方向において2次元配列された複数のノードを有することになる。
 なお、本実施形態では、輪郭モデル24に複数のノード列が含まれているが、輪郭モデル24が1つのノード列のみを含む態様も採用し得る。また、輪郭モデル24は、計測の種別毎に、あるいは被検体の特性(年齢や性別など)に応じて複数設けられるのが好適である。輪郭モデル24については、図4を用いて後に詳述する。
 モデル適用部26は、画像形成部18が形成したMモード画像に輪郭モデル24を適用し、Mモード画像に含まれる複数の注目線分に輪郭モデル24をフィッティングさせて輪郭モデル24を変形させる。これによりMモード画像から複数の注目線分を抽出する。なお、モデル適用部26が扱うMモード画像は、ユーザにより所定のタイミングでフリーズされ掃引が停止した状態のMモード画像である。
 モデル適用部26に含まれる抽出期間特定部28は、Mモード画像において注目線分を抽出する期間である抽出期間を特定する。本実施形態では、抽出期間は、Mモード画像上において、複数の注目ラインを含むある一定の領域をもった画像部分として特定される。本実施形態では心電計20からの信号に基づいて、心電波形のR波のピーク間の期間、すなわち1心拍期間を抽出期間とする。抽出期間は1心拍期間以外の期間であってもよく、例えば2心拍期間などあってもよい。用意されたモデルの時間超に合う期間とするのが好ましい。
 モデル適用部26に含まれるモデル伸縮部30は、特定された抽出期間に応じて輪郭モデル24を時間軸方向に伸縮させる。上述のように、Mモード画像は掃引速度によって時間軸方向の縮尺が異なるため、例えば同じ1心拍期間であっても掃引速度によって時間軸方向の長さが異なることになる。モデル伸縮部30が輪郭モデル24を時間軸方向に伸縮させることで、掃引速度の設定に関わらず、Mモード画像に適切に輪郭モデル24を適用させることができる。これにより、時間長の異なる複数のモデルを用意する必要がなくなる。
 モデル適用部26に含まれるノード位置変更部32は、Mモード画像に適用され伸縮処理された(すなわち初期設定された)輪郭モデル24に含まれる各ノードについてエッジ探索を行い、各ノードの位置が形成部18により形成されたMモード画像に含まれる複数の注目線分上へ移動させる。詳しくは、輪郭モデル24に含まれる複数のノード列をMモード画像中の複数の注目線分にフィッティングするよう各ノード列に含まれる各ノードの位置を変更する。
 モデル適用部26の詳細な処理内容については、図5-8を用いて後に詳述する。
 トレース部34は、モデル適用部26によりMモード画像に適用されフィッティングされた修正輪郭モデルを構成する複数のノード列に基づいて、Mモード画像における注目線分のトレースを行う。具体的には、修正輪郭モデルの個々のノード列に含まれる各隣接ノード間に補間点を加える処理を行うことでトレースを行う。トレース部34がトレース処理を行うことで、Mモード画像に含まれる各注目線分に近似した複数のトレースラインが形成される。
 計測部36は、トレース部34が形成したトレースラインに基づいて計測を行う。本実施形態では、LA/AO比計測を行う。例えば、計測部36は、心電波形に基づいて、複数のトレースライン上において、被検体の心臓の収縮末期および拡張末期の位置を特定する。そして、計測部36は、複数のトレースラインに基づいて、収縮末期における大動脈径および拡張末期における左房径を計測する。トレース部34および計測部36の処理については、図9を用いて後に詳述する。
 表示制御部38は、画像形成部18が形成したMモード画像を含む各種画像、および計測部36の計測結果を示す数値などの表示処理を行い、表示部40に表示させる。制御部42は、例えばCPUであり、超音波診断装置10全体の制御を行う。
 本実施形態では、超音波診断装置10が超音波画像処理装置として用いられているが、超音波診断装置からパーソナルコンピュータ(PC)に対して受信信号を転送し、M画像データの形成、Mモード画像への輪郭モデルの適用、輪郭モデルの変形、および計測処理をPCにおいて行うようにしてもよい。この場合においてはPCが超音波画像処理装置に相当する。
 なお、図1に示す各構成(符号を付した各部)のうち、画像形成部18、モデル適用部26、トレース部34、計測部36の各部は、例えば電気電子回路やプロセッサ等のハードウェアを利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、上記各部に対応した機能が、CPUやプロセッサやメモリなどのハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現されてもよい。表示部40の好適な具体例は液晶ディスプレイなどである。制御部42は、例えば、CPUやプロセッサやメモリ等のハードウェアと、CPUやプロセッサの動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により実現することができる。
 図2は、本実施形態における観測経路64を示す図である。図2は心臓の断面図であり、大動脈50、左心房52、および左心室66が示されている。本実施形態では、大動脈50の経および左心房52の径を計測するものであるから、前側大動脈壁54、前側大動脈弁56、後側大動脈弁58、後側大動脈壁(前側左心房壁を兼ねる)60、および後側左心房壁62を通るよう観測経路64が設定される。観測経路64に沿ったビームデータに基づいて、Mモード画像が形成される。
 図3は、本実施形態において形成されるMモード画像70を示す図である。図1および2を参照しながら図3を説明する。Mモード画像70は横軸が時間軸、縦軸が深度軸となっている。高輝度で示される輪郭ライン72、74、76、78、および80は、被検体の各組織の動きを示すものである。すなわち、輪郭ライン72は前側大動脈壁54の動きを、輪郭ライン74は前側大動脈弁56の動きを、輪郭ライン76は後側大動脈弁58の動きを、輪郭ライン78は後側大動脈壁60の動きを、輪郭ライン80は後側左心房壁62の動きをそれぞれ示している。なお、大動脈弁は心拍に応じて開閉を繰り返す。収縮初期において大動脈弁が開くため、収縮初期においては輪郭ライン74と76が2本に分岐するが、その他の時相においては大動脈弁が閉じているため、輪郭ライン74と76はほぼ一体となっている。
 また、Mモード画像70には心電計20が取得した心電データに基づいて形成される心電波形82が含まれる。本実施形態では、1心拍期間における輪郭ラインの抽出を行うため、抽出期間特定部28は、心電波形82からR波84のピークを検出し、当該R波84のピーク間の期間を抽出期間T1として特定する。
 図4は、輪郭モデルの一例を示す概念図である。図4は、モデル伸縮部30などによる処理が行われる前の原輪郭モデルを示す図である。図4においては、横軸が時間軸、縦軸が深度軸となっている。輪郭モデル90は、1心拍期間T2における大動脈壁、大動脈弁、および左心房壁の輪郭ラインを抽出するための複数のノード列が含まれている。例えば、三角形で示された複数のノード92を含むノード列102は、前側大動脈壁54の輪郭ラインに対応し、複数のノード92は当該輪郭ラインを抽出するための探索点である。ノード列102に含まれる複数のノード92は、前側大動脈壁54の輪郭ラインの平均的な形状に沿ってプロットされている。同様に、白丸で示された複数のノード94は前側大動脈弁56に対応し、xマークで示された複数のノード96は後側大動脈弁58に対応し、黒丸で示された複数のノード98は後側大動脈壁60に対応し、四角で示された複数のノード100は後側左心房壁62に対応する。図4に示されるように、輪郭モデル90に含まれる複数のノードは、それ全体として、時間軸方向と深度方向の2次元配列を構成している。
 輪郭モデル90に含まれる各ノード列に含まれるノード数は任意であってよい。ノードの個数が多い程輪郭ラインの形状を詳細に表現可能だが輪郭ラインの抽出処理に時間がかかる。一方、ノードの個数が少なければ、モデルにより抽出される輪郭ラインの形状が粗いものとなるが、処理にかかる時間を低減可能となる。
 輪郭モデル90に含まれる各ノードは、1心拍期間T2に対する相対的な時点を示す時刻情報と、当該時点における組織の深度を示す深さ情報とを有している。輪郭モデル90においては、本実施形態では、個々のノード列に含まれる各ノードの時間軸方向の間隔tが一定であり、つまり等間隔となっている。間隔tは、1心拍期間T2を等分(輪郭モデル90においては10等分)した場合における1単位である。輪郭モデル90においては、1心拍期間T2を10等分した間隔tにおいて複数のノードをプロットし、ノード列102内における時間軸方向の順序を示す順序情報を設定することで、各ノードに1心拍期間T2に対する相対的な時点を示す時刻情報を与えている。
 輪郭モデル90は、ユーザなどにより構成されるようにしてもよいが、過去において検出されたエッジ位置に基づいて形成されるのが好ましい。例えば、モデル適用部26のフィッティング処理により得られる修正輪郭モデルに含まれる各ノードの深さ情報を記憶部22に記憶し、蓄積された複数の深さ情報に基づいて、輪郭モデル90の各ノードの深さ(深度方向の初期位置)を決定するようにしてもよい。例えば、修正輪郭モデルに含まれるノード毎に区別して深さ情報を蓄積しておき、ノード毎に深さの平均値を算出し、当該平均値の輪郭モデル90の各ノードの初期深さ位置とするようにしてもよい。過去の検出エッジ位置に基づいてノードの位置を決定することにより、輪郭モデル90のノード列に含まれる各ノードの初期位置を抽出対象となる輪郭ラインにより近い位置にすることができ、ノードを開始点とするエッジ探索における探索距離を短縮させることができる。これにより、エッジ探索の効率を向上させる。
 以下、図1を参照しながら図5-9を用いて、モデル適用部26の処理を説明する。図5は、輪郭モデル90が時間軸方向に伸張される様子を示す概念図である。なお、Mモード画像70上に輪郭モデル90が重畳される例において本実施形態を説明する。
 まず、モデル適用部26により輪郭モデルの初期設定が行われる。初期設定は、Mモード画像に対する輪郭モデルの適用およびモデル伸縮部30による伸縮処理が含まれる。過去の計測結果などに基づいて輪郭モデルが形成される場合は、当該輪郭モデルの形成も含めるようにしてもよい。図5(a)に示されるように、モデル適用部26は、Mモード画像70上に輪郭モデル90を重畳させる。上述の通り、Mモード画像70は、ユーザにより設定される掃引速度によって時間軸方向の縮尺が変化するため、Mモード画像70に単に輪郭モデル90を重畳させただけでは、Mモード画像70の1心拍期間T1と輪郭モデル90の1心拍期間T2とが一致しないのが一般的である。しかし、後述のように輪郭モデル90は時間軸方向に伸縮させられるため、時間軸方向への位置合わせは厳密に行う必要はない。
 一方、深度方向の位置については、ある程度の位置精度をもって輪郭モデル90を重畳させるのが好ましい。例えば、Mモード画像の深度方向の中央値と輪郭モデル90の深度方向の中央値を合わせるなどの処理により位置合わせを行う。あるいは、Mモード画像の深度方向のスケールと輪郭モデル90の深度方向のスケールとを合わせるように輪郭モデル90を深度方向へ伸縮させるようにしてもよい。
 モデル伸縮部30は、輪郭モデル90の1心拍期間T2がMモード画像70の1心拍期間T1と一致するよう、輪郭モデル90を時間軸方向に伸張させる。上述のように、輪郭モデル90に含まれる各ノードは、1心拍期間T2に対する相対的な時点を示す時刻情報を有しているため、当該伸張処理に伴って、1心拍期間T2の伸張分に応じて各ノードも時間軸方向にそれぞれ移動させられることになる。なお、本例では、モデル伸縮部30による処理前(すなわち図5(a)に示す段階において)輪郭モデル90の1心拍期間T2がMモード画像70の1心拍期間T1よりも短いため、輪郭モデル90の伸張処理を行っている。輪郭モデル90の1心拍期間T2がMモード画像70の1心拍期間T1よりも長い場合は、モデル伸縮部30は、輪郭モデル90の1心拍期間T2がMモード画像70の1心拍期間T1と一致するよう、輪郭モデル90を時間軸方向に収縮させる。
 図5(b)に示されるように、伸張された輪郭モデル102に含まれる各ノードの位置はMモード画像70に含まれる複数の注目線分に近い位置となる。しかし、輪郭モデル102はあくまで過去の計測データなどに基づいて形成されたモデルであるため、図5(b)に示す段階においては、輪郭モデル102に含まれる各ノードの位置は、完全にMモード画像70に含まれる複数の注目線分上となっていない。
 図6は、伸張された輪郭モデル102のノードの深さ情報が変更される様子を示す概念図である。図6においては、伸張された輪郭モデル102に含まれるノードのうち、前側大動脈壁54の輪郭ライン72に対応するノード列104以外のノードは図示省略されている。ノード列104に含まれる各ノードの深さ情報を変更する例において、モデル変形手段としてのノード位置変更部32の処理を説明する。
 ノード位置変更部32は、Mモード画像70について画像処理を行い、Mモード画像70に含まれる複数の注目線分を検出するためのエッジ探索を行う。エッジ探索とはMモード画像において急激に輝度が変化する位置を抽出する処理であり、例えば微分フィルタを用いるなどして行う。上述のとおり輪郭ラインの一部である注目線分は高輝度あるいは低輝度ラインであるから、エッジ探索により輪郭ライン72が抽出できる。
 ノード位置変更部32は、ノード毎にエッジ探索を行う。すなわち、各ノードをエッジ探索の開始点とし各ノード近傍についてエッジ探索を行う。例えば、図6において、ノード92aについて、ノード92aの位置からエッジ検出を開始し、その近傍においてエッジの探索を行い、エッジ106が検出されたときエッジ探索を終了する。これによりノード92aの位置がエッジ106の位置となる。この処理により、ノード92aが有する深さ情報は、検出されたエッジ106の深さを示す情報に変更される。当該処理を全てのノードについて行うことで、ノード列104に含まれる複数のノードの位置は、今回取得されたMモード画像70における前側大動脈壁54の輪郭ライン72の一部である注目線分上に位置することになる。輪郭モデル102に含まれる他のノード列についても、上記同様の処理を行うことで、Mモード画像70に含まれる各注目線分上に位置した複数のノードを含む修正輪郭モデルが形成される。
 上述の通り、本実施形態では、輪郭モデル90を用いてMモード画像に含まれる複数の注目線分の抽出を行っている。輪郭モデル90に含まれる複数のノードは、Mモード画像に含まれる複数の注目線分の近傍に位置していることから、当該複数のノードをエッジ探索点とすることで、注目線分の位置の探索に係る処理時間を低減させることができる。
 また、各ノード近傍の所定範囲内のみをエッジ探索範囲としてもよい。上述のように、複数の注目線分は各ノードの近傍にあると考えられることから、探索範囲をノード92近傍に限っても輪郭ライン72が検出される可能性が高い。また、探索範囲を限定することで、例えばノードから見て注目線分とは逆方向に探索開始してしまった場合などに、より早期に輪郭ラインを検出することが可能になる。最初に設定された所定範囲内にエッジが発見されなかった場合は、探索エリアを広げて再度エッジ探索をかけるなどの処理を行うようにしてもよい。
 ノード近傍の所定範囲内においてのみエッジ探索が行われるため、エッジ探索にあたりMモード画像70に含まれるノイズの影響をうけにくくなる。第1に、エッジ探索範囲内にノイズがない限り、エッジ探索にあたりノイズの影響を受けることがない。第2に、たとえ1つのノード近傍においてエッジ探索を行った結果ノイズの影響により誤った位置を輪郭位置と判定してしまったとしても、その他の各ノードについては、個別にエッジ探索をそれぞれ行うため、当該1つのノードの誤検出の影響を受けることがない。これにより全体としてノイズの影響をより排除して注目線分の抽出を行うことができる。
 また、本実施形態では、複数のノード列を含む輪郭モデル90を利用しているので、複数の注目線分を同時に抽出することができる。この場合、輪郭モデル90は、時間軸方向と深度方向に2次元配列されたエッジ探索開始点(すなわちノード)を有しており、各エッジ探索開始点からのエッジ探索が並行して行われる。これにより、心拍単位における複数の注目線分の抽出をより効率的に行うことを可能にしている。
 図7は、エッジ探索位置の範囲の例を示す図である。本実施形態では、ノード位置変更部32は、エッジ探索をMモード画像の深度軸に平行な方向(すなわち時間軸に垂直な方向)において行う。深度軸に平行な方向においてエッジ探索を行うことで、エッジ探索に要する処理時間を短縮させるとともに、輪郭モデル内における各ノード間の時間軸方向の間隔を維持している。すなわち、ノード位置変更部32の処理によって輪郭モデルが有する各ノードの時刻情報は変更されない。図7に示されるように、ノード92bについてのエッジ探索範囲110は、ノード92bから深度軸に平行な方向に延びている。エッジ探索範囲110の幅はユーザにより任意に決定されてよい。エッジ探索範囲110をノード92bを中心とした範囲とするのが好適であるが、必ずしもこれに限られない。
 図8は、エッジ探索位置の範囲の他の例を示す図である。エッジ探索範囲は、過去において形成された修正輪郭モデルの各ノードの深さ情報に基づいて決定されてもよい。図8には、ノード位置変更部32によって深さ情報が変更される前のノード92bと、過去に形成された修正輪郭モデルにおけるノード92bの位置が黒三角114で示されている。複数の黒三角114が示す位置は、複数の修正輪郭モデルにおけるノード92bの位置であり、すなわちノード92bの深さ情報の履歴データである。過去におけるノード92bの深さ情報は、過去に形成されたMモード画像において前側大動脈壁の輪郭ラインが実際に検出された深さを示すため、ノード92bの深さ情報の履歴データの分布に基づいてエッジ探索範囲を決定すれば、当該探索範囲内においてエッジが検出される可能性は高いと考えられる。これにより、エッジ探索範囲を適切に、すなわちできるだけ狭い範囲に設定することが可能になり、より処理時間を低減させることができる。
 また、図8に示されるように、各ノードについてエッジ探索範囲の長さが異なっていてもよい。例えば、ノード92bの深さ情報の履歴データの分布幅と、ノード92cの深さ情報の履歴データの分布幅とが異なる場合は、それぞれの分布幅に基づいてエッジ探索範囲が確定されてよく、その結果ノード92bに対応するエッジ探索範囲112とノード92cに対応するエッジ探索範囲118の長さが異なることになる。
 図9は、修正輪郭モデルの各ノード列に含まれるノード間の補間処理の例を示す図である。ノード位置変更部32による処理が終了し、修正輪郭モデルが形成されると、トレース部34によりトレース処理が行われる。トレース処理は、修正輪郭モデルの各ノード列に含まれるノード間の補間処理により行われる。例えば、ノード列104に含まれる各ノードの間を曲線補間することにより、前側大動脈壁の輪郭ラインの一部である注目線分をトレースしたトレースライン130が形成される。同様に、他のノード列に対しても補間処理を行うことで、各注目線分をトレースしたトレースラインが形成される。なお、修正輪郭モデルに含まれる各ノードおよび形成されたトレースラインをMモード画像と共に表示部に表示するようにしてもよい。
 トレース部34によりトレースラインが形成されると、計測部36は、修正輪郭モデルに含まれる各ノードあるいは形成されたトレースラインに基づいて大動脈径および左房径を計測する。計測部36は、心電データなどに基づいて、修正輪郭モデルにおいて心臓の拡張末期t1および収縮末期t2を特定する。そして、拡張末期t1における前側大動脈壁のトレースライン130と後側大動脈壁のトレースライン132との間隔を計測し、これをAODs(拡張末期大動脈径)とする。また、収縮末期t2における後側大動脈壁のトレースライン132と後側左心房壁のトレースライン134との間隔を計測し、これをLADs(収縮末期左房径)とする。計測されたAODsおよびLADsの値、およびその比であるLA/AO比は、Mモード画像とともに表示部に表示される。本実施形態ではAODsおよびLADsを計測したが、修正輪郭モデルに含まれる各ノードあるいは形成されたトレースラインに基づいて他の項目を計測するようにしてもよい。
 図10は、本実施形態に係る超音波診断装置の動作の流れを示すフローチャートである。図1を参照しながら図10を説明する。
 ステップS10において、画像形成部18は、被検体に対して超音波を送受波したプローブ12からの受信信号に基づいてMモード画像を形成する。
 ステップS12において、抽出期間特定部28は、心電計20により取得される心電データから形成される心電波形に基づいて、形成されたMモード画像において注目線分を抽出する期間である抽出期間を特定する。本実施形態では1心拍期間を抽出期間として特定する。
 ステップS14において、モデル伸縮部30は、Mモード画像に輪郭モデル24を重畳させ、形成されたMモード画像の1心拍期間と輪郭モデル24の1心拍期間を一致させるよう輪郭モデル24を収縮させる。
 ステップS16において、ノード位置変更部32は、Mモード画像においてエッジ探索を行い、注目線分を抽出する。本実施形態では、伸縮された輪郭モデル24に含まれる各ノードについてエッジ探索を行い、各ノードから深度方向に対してエッジ探索を行う。輪郭モデル24に含まれる各ノードの位置がエッジ探索により抽出されたエッジ位置となるよう、輪郭モデル24を変形させる。これにより、今回形成されたMモード画像に含まれる注目線分を示す修正輪郭モデルが形成される。
 ステップS18において、トレース部34は、修正輪郭モデルのノード列に対して補間処理を行うことでMモード画像に含まれる注目線分をトレースしたトレースラインが形成される。
 ステップS20において、計測部36は、修正輪郭モデルに含まれる各ノードあるいは形成されたトレースラインに基づいて、所望の計測を行う。
 10 超音波診断装置、12 プローブ、14 送受信部、16 シネメモリ、18 画像形成部、20 心電計、22 記憶部、24 輪郭モデル、26 モデル適用部、28 抽出期間特定部、30 モデル伸縮部、32 ノード位置変更部、34 トレース部、36 計測部、38 表示制御部、40 表示部、42 制御部。

Claims (9)

  1.  運動曲線としての輪郭ラインを含むMモード画像において、前記輪郭ライン中の抽出部分を含む画像部分を特定する特定手段と、
     前記抽出部分を含む画像部分に対してノード列を含む輪郭モデルを適用することで前記輪郭ライン中の抽出部分を抽出する抽出手段と、
     を備え、
     前記抽出手段は、
     前記画像部分に対する前記輪郭モデルの初期設定を行う初期設定手段と、
     前記Mモード画像上において前記初期設定後のノード列に含まれるノード毎に輪郭探索を行うことにより、前記ノード列を前記抽出部分にフィッティングさせて修正輪郭モデルを形成するモデル変形手段と、
     を含む、
     ことを特徴とする、超音波画像処理装置。
  2.  前記初期設定手段は、
     前記抽出部分の時間軸方向の長さに応じて、前記輪郭モデルの時間軸方向のサイズを調整するサイズ調整手段と、
     前記画像部分上に前記サイズ調整後の輪郭モデルを配置するモデル配置手段と、
     を含む、
     ことを特徴とする、請求項1に記載の超音波画像処理装置。
  3.  前記モデル変形手段は、前記配置後のノード列に含まれるノード毎に、時間軸方向と垂直な距離方向に前記輪郭探索を行う、
     ことを特徴とする、請求項2に記載の超音波画像処理装置。
  4.  前記モデル変形手段は、前記配置後のノード列に含まれるノード毎に、当該ノードの初期設定位置の近傍範囲において前記輪郭探索を行う、
     ことを特徴とする、請求項3に記載の超音波画像処理装置。
  5.  前記初期設定手段は、更に、過去に形成された複数の修正輪郭モデルに基づいて、原輪郭モデルを生成するモデル生成手段、
     を含み、
     前記サイズ調整手段は、前記原輪郭モデルの時間軸方向のサイズを調整する、
     ことを特徴とする、請求項2に記載の超音波画像処理装置。
  6.  前記モデル変形手段は、過去に形成された複数の修正輪郭モデルに基づいて、前記輪郭探索を行う近傍範囲のサイズを決定する、
     ことを特徴とする、請求項4に記載の超音波画像処理装置。
  7.  前記Mモード画像は複数の輪郭ラインを含み、
     前記輪郭モデルは、前記複数の輪郭ラインにおける複数の抽出部分を抽出するための複数のノード列を含み、
     前記モデル変形手段は、前記複数のノード列に含まれるノード毎に輪郭探索を行い、前記複数のノード列を前記複数の抽出部分にそれぞれフィッティングさせる、
     ことを特徴とする、請求項1に記載の超音波画像処理装置。
  8.  前記抽出部分にフィッティングされた前記ノード列に基づく補間処理により、前記抽出部分を模擬したトレースラインを生成するトレース手段、
     をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の超音波画像処理装置。
  9.  前記特定手段は、被検体の心拍情報に基づいて、前記画像部分を特定する、
     ことを特徴とする、請求項1に記載の超音波画像処理装置。
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