WO2014156226A1 - 低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法 - Google Patents

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Abstract

 脱気され密封された袋内に置かれたたばこ原料を、袋の外側から液圧をかけることにより加圧処理することを含む、低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法。

Description

低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法
 本発明は、低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法に関する。
 直径約5mm程度の細巻シガレットが知られている(例えば特許文献1を参照)。ところで、シガレットの直径を細くすると、通常の直径(約8mm)のものと比較して、巻紙の質量に対するたばこ充填材の充填量の比率が下がるため、燃焼速度が増大し、パフ回数が減少することが知られている。
 パフ回数を増大するためには、種々の方法がある。例えば、助燃材や坪量等の巻紙仕様を調整することが考えられるが、香喫味品質等の他の品質への影響がある。また、シガレットのたばこ充填材の充填量を増加することともが考えられるが、この場合は、巻硬さ、香喫味への影響が懸念される。
 そこで、たばこ充填材の膨嵩性を低くして、充填量を多くすることが考えられるが、このような試みはあまりなされていない。
 膨嵩性とは、その値が高いほど、一定の巻き硬さのシガレットを少ない充填量で巻き上げることが可能であり、その値が低いほど、一定の巻き硬さのシガレットを作製するために多くの充填量を必要とする。
特表2008―528013号公報
 上記事情のため、本発明は、パフ回数の増加を達成するための新たな手段を提供すること、具体的には、低い膨嵩性を有するたばこ充填材を簡便な操作で調製する方法を提供することを目的とする。
 本発明者らは、たばこ原料を、ガス圧により加圧処理しても、たばこ充填材の膨嵩性を低下させることができないのに対し、たばこ原料を、脱気され密封された袋内に置き、袋の外側から液圧をかけることにより加圧処理すると、たばこ充填材の膨嵩性を低下させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
 本発明によれば、脱気され密封された袋内に置かれたたばこ原料を、袋の外側から液圧をかけることにより加圧処理することを含む、低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法が提供される。
 本発明の方法によれば、低い膨嵩性を有するたばこ充填材を簡便な操作で調製することができる。
たばこ原料を液圧により加圧処理する方法の一例を模式的に示す図。 液圧による加圧処理をしたたばこ刻(例1~7)、未処理のたばこ刻(例7)、およびガス圧による加圧処理をしたたばこ刻(例8)の膨嵩性を示すグラフ。 液圧による加圧処理をしたたばこ刻(例1)、未処理のたばこ刻(例7)、またはガス圧による加圧処理をしたたばこ刻(例8)を含むシガレットの自然燃焼速度を示すグラフ。 液圧による加圧処理をしたたばこ刻(例1)、未処理のたばこ刻(例7)、またはガス圧による加圧処理をしたたばこ刻(例8)を含むシガレットのパフ回数を示すグラフ。 未処理のたばこ刻(例7)、エタノールの存在下で加圧処理をしたたばこ刻(例9)、およびエタノールの存在下で加圧処理をしないで放置したたばこ刻(例10)におけるエステルの生成量を示すグラフ。
 以下、本発明を説明するが、以下の説明は、本発明を詳説することを目的とし、本発明を限定することを意図しない。
 本発明のたばこ充填材の調製方法は、脱気され密封された袋内に置かれたたばこ原料を、袋の外側から液圧をかけることにより加圧処理することを含む。これにより、低い膨嵩性を有するたばこ充填材を調製することができ、たばこ製品へのたばこ充填材の充填量を増やすことができる。本明細書において「充填量」は、質量により表される量をいう。
 本発明において、加圧処理される「たばこ原料」は、葉たばこ生産農家から買い入れた葉たばこから、たばこ製品に組み込まれるように加工されたたばこ充填材までの、任意の段階の葉たばこを使用することができる。たばこ業界において、葉たばこ生産農家から買い入れた葉たばこは、調和、裁刻および乾燥などの工程を経てたばこ充填材へ加工される。したがって、本発明において、「たばこ原料」は、葉たばこ生産農家から買い入れた葉たばこであってもよいし、調和、裁刻または乾燥工程を終えた葉たばこであってもよいし、たばこ製品に組み込まれるように加工されたたばこ充填材(たとえば、たばこ刻)であってもよい。
 本発明において、たばこ原料は、脱気された条件下に置かれる。 
 まず、本発明の方法では、たばこ原料を脱気され密封された袋内に置く。この操作は、たとえば、たばこ原料を、密封のためのファスナー部を備えた袋内に入れ、真空包装機により袋内の空気を脱気し、ファスナー部で袋を密封することにより行うことができる。本発明において、脱気の程度については、袋の外側から圧力をかけたときに、袋内のたばこ原料に直接圧力が伝わる程度に袋内の空気が除去されていればよい。すなわち、袋内の空気は完全に除去されていなくてもよいが、袋の外側からの圧力がたばこ原料に効率よく伝わるためには、ほぼ完全に脱気しておくことが望ましい。すなわち、たばこ原料は、真空パックされた袋内に置かれていることが望ましい。
 次いで、脱気され密封された袋内に置かれたたばこ原料を、袋の外側から液圧により加圧処理する。
 たばこ原料を液圧により加圧処理する方法の一例を模式的に図1に示す。図1に示されるように、たばこ原料1を、脱気され密封された袋2(すなわち真空パック)内に置き、これを耐圧容器3に入れて密閉し、耐圧容器3内に、ポンプ4で液体(たとえば水5)を送りこむことで加圧処理を行うことができる。このような加圧装置として、株式会社東洋高圧製の高圧処理装置「まるごとエキス」を使用することができる。
 加圧処理は、5~75℃で、たとえば5MPa以上、より具体的には5~100MPaの圧力下で行うことができる。好ましい態様において、加圧処理は、20~70℃で、たとえば50MPa以上、より具体的には50~100MPaの圧力下で行うことができる。好ましい態様に従って、たばこ原料を、20~70℃で50MPa以上の圧力下で加圧処理し、得られたたばこ充填材をたばこ製品に適用すると、たばこ充填材の膨嵩性低下の効果に加えて、たばこ製品の香喫味をより顕著に向上させることができる。
 加圧処理は、加熱することなく常温で行ってもよいし、図1に示されるような温度調節機構6により5~75℃に調節して行ってもよい。加圧処理を加熱しながら行うと、たばこ充填材の膨嵩性低下の効果に加えて、たばこ製品の喫味をより顕著に向上させることができる。
 加圧処理は、適切な時間、たとえば6~24時間かけて行うことができる。
 好ましい態様において、加圧処理は、たばこ原料とアルコールを袋内に入れた状態で行われる。好ましい態様に従って、たばこ原料をアルコールの存在下で加圧処理し、得られたたばこ充填材をたばこ製品に適用すると、たばこ充填材の膨嵩性低下の効果に加えて、たばこ製品の香喫味をより顕著に向上させることができる。
 アルコールとして、エタノール、メンソール、イソブチルアルコール、n-ブタノール、イソアミルアルコール、n-ヘキサノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等を使用することができる。アルコールは、1種類添加されてもよいし、複数種類を組み合わせて添加されてもよい。アルコールは、たばこ原料に対して、0.1~5質量%の量で添加することができる。
 添加したアルコールの種類に応じて、種々のエステル香気成分を増やすことができ、たとえばエタノールを添加した場合、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、イソ吉草酸エチルなどのエステル類を増強することができ、メンソールを添加した場合、ギ酸メンチル、酢酸メンチル、イソ吉草酸メンチル、酸メチル吉草酸エチルなどのエステル類を増強することができる。
 更に好ましい態様において、上述の2つの好ましい態様を組み合わせることができる。すなわち、加圧処理を、たとえば50MPa以上、より具体的には50~100MPaの圧力下で、アルコールの存在下で行うことができる。これにより、たばこ製品の香喫味をとりわけ顕著に向上させることができる。
 本発明の方法に従って加圧処理されたたばこ原料は、必要に応じて、通常の処理工程(調和、裁刻、乾燥)を経て、たばこ充填材へ加工される。
 本発明の方法は、液圧により加圧処理を行うため、簡便かつ安全な手法であるという利点を有する。ただし、たばこ原料を、脱気され密封された袋内に置き、外部からガス圧や機械による圧力などにより圧力をかけても、本発明の効果を得ることができ、低い膨嵩性を有するたばこ充填材を得ることができる。
 本発明の方法に従って調製されたたばこ充填材は、たとえば、2.0~3.5cm3/gの低い膨嵩性を有する。本発明のたばこ充填材は、低い膨嵩性を有するため、たばこ製品への充填量を増やすことができる。
 本発明のたばこ充填材は、シガレットなどの任意のたばこ製品に使用することができる。本発明のたばこ充填材を含むたばこ製品は、たばこ充填材の充填量が多いため、喫煙者に、パフ回数の増加による充分な喫煙時間を提供することができる。また、上述の好ましい態様に従って、加圧処理を、50MPa以上の圧力下および/またはアルコールの存在下で行った場合、本発明のたばこ充填材を含むシガレットは、喫煙者に、パフ回数の増加による充分な喫煙期間を提供するとともに、とりわけ顕著に優れた香喫味を提供することができる。
 試験1.膨嵩性
 <たばこ刻の調製>
 水分含量11質量%程度まで乾燥させたたばこラミナ(黄色種)100gをレトルト袋に入れ、真空包装機(東静電機株式会社製「TOSPACK」V-854G)にて脱気しパックした。レトルト袋として、株式会社メイワパックス社製、品名:Rタイプ、構成:NY25/ハイレトCP70、材質(外側):ナイロン0.025mm、材質(内側):レトルトタイプCPP(無延伸ポリプロピレン)0.07mmを使用した。
 得られた真空パックを加圧装置(東洋高圧社製、品名:まるごとエキス TFS-500改)に入れ、水圧にて所定の圧力まで加圧した。この様子を模式的に図1に示す。具体的には、耐圧容器である水槽に真空パックを漬け、水槽を密閉した後にポンプで液体(水)を槽内に送りこむことで加圧した。図1に示すとおり、耐圧容器の周囲には温度調節機がとりつけられており、任意の温度に調整できる。また、耐圧容器内の圧力および温度は、容器内に設けられた圧力計および温度計によりモニターし、制御できる。
 本試験の加圧処理条件を、表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すとおり、圧力を5~100MPaの間で変化させた。
 処理後に圧力を開放し、真空パックを取り出した。その後、一般的な処理工程(調和・裁刻・乾燥)を経てたばこ刻(例1~6)を調製した。
 また、比較対象として、加圧処理を施していないたばこラミナからたばこ刻(例7)を調製した。例7のたばこ刻は、たばこラミナに加圧処理を施さなかった以外は、例1~6と同様の手法に従って調製した。
 更に、比較対象として、ガス加圧処理を施したたばこラミナからたばこ刻(例8)を調製した。例8のたばこ刻は、たばこラミナにガス加圧処理を施した以外は、例1~6と同様の手法に従って調製した。
 ガス加圧処理の詳細は、以下の通りである。
 1)500mL容オートクレーブ(東洋高圧社製、品名:オートクレーブ装置LC-5)に、水分11%程度まで乾燥させたたばこラミナ(黄色種)100gを入れ、密閉する。 
 2)窒素ガスを使い加圧する。この時、40℃加温時に5MPaとなるよう窒素量を調整する。 
 3)オートクレーブ容器を恒温槽に投入し、40℃まで加温する。 
 4)24時間保持後、圧力を開放し原料を取り出す。 
 5)調和・裁刻・乾燥処理により、たばこ刻を調製する。
 ガス加圧処理において、たばこラミナは、液圧処理の場合とは異なって袋内に置かれておらず、窒素ガスと直接接触するようにオートクレーブ内に置かれた。
 <膨嵩性の測定>
 例1~8のたばこ刻の膨嵩性を測定した。測定は、膨嵩性測定器(Borgwaldt社製、型番DD60A)により行った。それぞれの例のサンプルを、5セット用意し、膨嵩性の平均値を計算した。その結果を図2に示す。
 未処理のたばこ刻(例7)は、4.25cc/gの膨嵩性を示したのに対し、本発明の方法に従って液圧により加圧処理されたたばこ刻(例1~6)は、2.6~2.9cc/gの膨嵩性を示した。また、ガス圧により加圧処理されたたばこ刻(例8)は、4.22cc/gの膨嵩性を示した。
 これら結果から、ガス圧力により加圧処理されたたばこ原料では、たばこ刻の膨嵩性を低下させることができないのに対し、本発明の方法に従って、たばこ原料を液圧により加圧処理すると、たばこ刻の膨嵩性を有意に低下させることができることが分かる。
 試験2.燃焼試験
 <シガレットの調製>
 試験1で調製された例1、7、8のたばこ刻を用いて、手巻きシガレットを作製した。
 填充は、シガレットの巻き硬さが一定になるよう設定した。なお、当該技術分野では、巻き硬さが一定となるよう填充を設定するのが普通である。
 以下に、シガレットスペックを示す
 <シガレットスペック>
 -巻紙:4P35NP(坪量26gsm、通気度 35CU)
 -フィルター:なし
 -たばこロッド長:57mm
 -填充:表2のとおり
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 本発明のたばこ刻(例1)を、シガレットの巻き硬さが一定になるように充填した場合、その充填量は850mgであり、これは、未処理のたばこ刻(例7)やガス圧処理されたたばこ刻(例8)の充填量より約200mgも多かった。
 <燃焼性の測定>
 作製された手巻きシガレットの自然燃焼速度およびパフ回数をISO標準条件(たばこロッド)で測定した。
 以下に、燃焼条件(ISO標準条件)を示す。
 <燃焼条件>
 -フィルタープラグなし
 -Vf(フィルターベンチレーション)は閉じる
 -吸煙容量:35mL
 -吸煙時間:2sec
 -吸煙間隔:58sec
 図3および4に、自然燃焼速度およびパフ回数の測定結果を示す。
 上記結果から、本発明のたばこ刻を含むシガレット(例1)では、未処理のたばこ刻を含むシガレット(例7)やガス圧処理されたたばこ刻を含むシガレット(例8)と比べて、自然燃焼速度の低下およびパフ回数の増加が認められた。
 自然燃焼速度の低下およびパフ回数の増加は、いずれも、たばこ刻の膨嵩性の低下により充填量が増加したことに起因する。よって、例2~6のたばこ刻は、例1のたばこ刻と同様に膨嵩性が低下しているため、これらを用いてシガレットを作製すると、自然燃焼速度の低下およびパフ回数の増加の両効果を達成することができる。
 試験3.官能評価
 例1~8のたばこ刻を用いて作製した手巻きシガレットに対して官能評価を実施した。それぞれの手巻きシガレットを、例1~8のシガレットという。
 評価は10人のパネルに対してブラインドで行い、下記の質問1~4のそれぞれについて「はい」と答えた人数をカウントした。
 <質問1>例7のシガレット(対照シガレット)に比してたばこ香味が濃くなった
 <質問2>例7のシガレット(対照シガレット)に比して生地臭みが減少した
 <質問3>例7のシガレット(対照シガレット)に比して刺激が低減した
 <質問4>例7のシガレット(対照シガレット)に比してフルーティさが増した
 官能評価の結果を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 例1~3のシガレットは、例7のシガレット(対照シガレット)と比べて、数人のパネルが喫味の向上を感じたのに対し、例4~6のシガレットは、対照シガレットと比べて、大多数のパネルが喫味の向上を感じた。一方、例8のシガレットは、対照シガレットと比べて、ほとんどのパネルが喫味の向上を感じることができなかった。
 上記結果から、例4~6のシガレットは、対照シガレットと比較して、顕著に優れた喫味を喫煙者に提供できることが分かる。この結果は、本発明の方法に従ってたばこ原料を50MPa以上の液圧で処理すると、自然燃焼速度の低下効果およびパフ回数の増加効果に加えて、喫味向上効果も得られることを示す。
 試験4.エステル香気成分の増強
 <たばこ刻の調製>
 本試験では、たばこ原料を、エタノールの存在下で液圧により加圧処理した。
 試験1と同様、水分含量11質量%程度まで乾燥させたたばこラミナ(黄色種)100gをレトルト袋に入れ、エタノール(和光純薬社製 特級)を1g添加した上で真空パックにした。その後、例6と同様の条件(100MPa、40℃、24時間)で加圧処理を施し、たばこ刻を調製した(例9)。
 また、同様にたばこラミナにエタノールを添加して真空パックにした後、加圧処理をせずにたばこ刻を調製した(例10)。
 例9および10のたばこ刻、並びに試験1で調製した例7のたばこ刻(エタノール添加も加圧処理もなし)に対して、たばこ刻中の各種エステルの量を測定した。
 <測定方法>
 エステル香気成分および香喫味に寄与する成分を簡易的に分析する手法を構築した。刻み内容成分全体のプロファイルを簡易的に取得する目的で、ジクロロメタン抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィー法(DCM-GCMS)を採用した。また、この方法では検出が困難な低極性・低質量あるいは量が少なく濃縮が必要な成分の分析に対して、固相マイクロ抽出-質量分析計付きガスクロマトグラフィ一法(SPME-GCMS)を採用した。
 ジクロロメタン抽出ー質量分析計付きガスクロマトグラフィ一法(DCM-GCMS)
 たばこ刻み0.5gをガラス製スクリューバイアル(20mL容量)に精確にはかりとり、p-ブロモフェネチルアルコールのアセ卜ニトリル溶液(1mg/mL)25μLを内部標準物質として、抽出溶媒としてジクロロメタン10mLを加えて蓋をし、室温で60分間、200rpmで振とう抽出した。この上澄みを0.45μmメンブランフィルターでろ過後GCバイアルに移し、オートサンプラー付きGCMSにより分析した。得られたGCクロマトグラムから、分析対象成分のピーク面積とp-ブ口モフェネチルアルコールのピーク面積の比を求め、求めた値で各刻サンプル中に含まれる分析対象成分の量を比較した。
 <分析条件>
装置: アジレント社製ガスク口マトグラフ分析装置(6890N)
アジレント社製質量検出器(5973N)
注入量: 1μL (パルスドスプリットレスモードで注入)
カラム: アジレン卜社製HP-INNOWAX (30m×0.25mm(膜厚0.25μm))
オーブン:40℃→260℃(5℃/min)
質量検出器:TICモード(質量数29~550)。
 <分析対象成分>
エステル類: パルミチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、
      ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、
      リノレン酸エチル、酢酸(モノ・ジ・トリ)グリセリド、その他
酸化生成物: メン卜ン、イソメントン、ベンズアルデヒド、安息香酸、
      パルミチン酸等長鎖脂肪酸、その他
アミノカルボニル反応生成物: アセ卜ール、アセトイン、アセチルピロール、
      5-ヒドロキシメチル-2-フルフラール(5-HMF)、その他
その他:  フィトール、デュバ卜リエンジオール、グリセリン、
      プロピレングリコール等。
 測定された各種エステル類のピーク面積を図5に示す。図5は、左から順に、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチルの相対的な量を表す。
 図5に示されるとおり、例7のたばこ刻では、各種エステル類が全く検出されなかったのに対し、例9および例10のたばこ刻では、エタノールの添加に由来して、各種エステル類の生成を確認することができた。例9と例10のたばこ刻を比較すると、例9のたばこ刻の方が、有意に高いエステル量を有することが確認できた。これは、液体による加圧処理により、分子密度が高まり、エステル化反応が促進されたためと考えられる。
 これらの結果から、本発明の方法に従って、たばこ原料にアルコールの存在下で加圧処理を行い、低い膨嵩性を有するたばこ刻を調製すると、自然燃焼速度の低下およびパフ回数の増加の両効果に加えて、エステル類の生成速度を増加させることができることが分かった。上記に記載のエステル類は、フルーティな香りを持つことが知られている。したがって、本方法に従ってエステル香気成分をたばこ刻中に増加させれば、かかるたばこ刻を含むシガレットの香喫味を改善することができる。また、上記の結果は、エタノールを添加した際に限定されるものではなく、その他アルコール、たとえばメンソールなどを添加した場合にも同様の効果を確認することができる。

Claims (6)

  1.  脱気され密封された袋内に置かれたたばこ原料を、袋の外側から液圧をかけることにより加圧処理することを含む、低い膨嵩性を有するたばこ充填材の調製方法。
  2.  前記加圧処理が、50MPa~100MPaの圧力で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3.  前記加圧処理が、アルコールの存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4.  請求項1~3の何れか1項に記載の方法により調製されたたばこ充填材。
  5.  請求項1~3の何れか1項に記載の方法により調製された、2.0~3.5cm3/gの膨嵩性を有するたばこ充填材。
  6.  請求項4または5に記載のたばこ充填材を含むたばこ製品。
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