WO2013175625A1

WO2013175625A1 - データベースの管理方法、データベース管理装置及び記憶媒体

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Publication number: WO2013175625A1
Application number: PCT/JP2012/063479
Authority: WO
Inventors: ヴァンザンドー; 功一大坪; 憲治串; 彰人脇坂
Original assignee: 株式会社日立製作所
Priority date: 2012-05-25
Filing date: 2012-05-25
Publication date: 2013-11-28

Abstract

　プロセッサとメモリとストレージ装置を備えた計算機が、前記メモリ上に設けたバッファへストレージ装置に格納されたデータの一部を格納するデータベースを制御するデータベースの管理方法であって、前記計算機がデータアクセス要求を受け付け、前記データアクセス要求を解析して先読み処理を抽出し、前記先読み処理の対象として前記データベースにおける先読み対象のデータの位置を特定し、前記バッファに前記先読み対象のデータを格納するための置換対象データを設定し、前記置換対象データがアクセスされるか否かを推定し、前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる。

Description

データベースの管理方法、データベース管理装置及び記憶媒体

　本発明は、主記憶上にデータベースバッファ（またはＤＢキャッシュ）を備えてデータベースを提供するデータベース管理システムの改良に関する。

　大量のデータを処理するデータベース管理システムでは、ストレージ装置にデータベースを格納し、主記憶上にはデータベースの一部を格納するデータベースバッファを設定しておき、データアクセス要求のあったデータを主記憶上のデータベースバッファに読み込んでから処理を行うものが知られている。データベース管理システムでは、データアクセス要求を受け付けてから、対象のデータを取得して応答するまでの時間（レスポンスタイム）を短縮することで性能を向上させることができる。データベースバッファに格納されたデータのレスポンスタイムは、ストレージ装置に格納されたデータに比して短時間である。このため、繰り返してアクセスされることが予想されるデータでは、データアクセス要求を受信する以前にデータベース管理システムが、アクセス対象のデータを予めデータベースバッファに読み込んでおく先読み（プリフェッチ）技術が知られている。（例えば、特許文献１、２、３）。

　上記先読み処理では、データベースバッファに空き領域が存在する場合には、データベース管理システムが、先読みするデータを空き領域に格納しておく。一方、データベースバッファに空き領域が存在しない場合では、データベース管理システムがＬＲＵ（Least Recently Used）等の周知のアルゴリズムで、データベースバッファからストレージ装置に書き戻すデータを選択して、当該データをストレージ装置に書き戻す。

　そして、データベース管理システムは、ストレージ装置へ書き戻したデータベースバッファの領域に、アクセス要求が予測されるデータを予め読み込んでおく。なお、データベースバッファからストレージ装置に追い出されるデータは、アクセスされてから最も長い時間が経過したデータや、参照される頻度が最も低いデータが選択される。

特開２００５－２５８７３５号公報特開２００３－１５０４１９号公報特開２００４－２９５４５８号公報

　上記従来例を複数の業務または複数のユーザからのデータアクセス要求を受け付けるデータベース管理システムに適用した場合、複数の先読み処理が発生して、先読みを実行する際に先読みしておいたデータがデータベースバッファから追い出されてしまう場合があった。すなわち、先読み処理を行う際に、データベースバッファに空き領域が存在しない場合には、先読みするデータに置き換えるデータベースバッファ上の置換対象データを上記ＬＲＵなどを用いてデータベース管理システムが決定する。

　置換対象データの選択基準が「参照される頻度が最も低いデータ」を含む場合、先読み処理でデータベースバッファに読み込まれてから一度も読み込まれていないデータは、「参照される頻度が最も低いデータ」と判定されてデータベースバッファから追い出される場合がある。この場合、データベース管理システムが実際に先読みしたデータに対するアクセス要求を受信したときには、先読み処理で読み込んでおいたデータはデータベースバッファ上に存在しないため、データベース管理システムは、ストレージ装置から当該データを再度取得することになる。

　このため、データベース管理システムでは、ストレージ装置から再び同じデータを読み込むためのＩ／Ｏ時間が発生し、データベース処理のレスポンスタイムが増大して、処理能力が低下するという問題があった。

　そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、先読み処理で読み込まれたデータがアクセスされる以前にデータベースバッファから追い出されるのを防いで、データベース管理システムの性能を向上させることを目的とする。

　本発明は、プロセッサとメモリとストレージ装置とを備えた計算機で、前記メモリ上に設けたバッファへストレージ装置に格納されたデータの一部を格納するデータベースを制御するデータベースの管理方法であって、前記計算機が、データアクセス要求を受け付ける第１のステップと、前記計算機が、データアクセス要求を解析して先読み処理を抽出し、前記先読み処理の対象として前記データベースにおける先読み対象のデータの位置を特定する第２のステップと、前記計算機が、前記バッファに前記先読み対象のデータを格納するための置換対象データを設定する第３のステップと、前記計算機が、前記置換対象データがアクセスされるか否かを推定する第４のステップと、前記計算機が、前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる第５のステップと、を含む。

　本発明によれば、先読み処理でバッファ（データベースバッファ）に読み込まれたデータが、アクセスされる以前にデータベースバッファから追い出されるのを防ぐことが可能となって、複数のデータアクセス要求を受け付けてデータを取得するデータベース管理システムの性能を向上させることができる。

本発明の第１の実施例を示し、データベース管理システムの一例を示すブロック図である。本発明の第１の実施例を示し、データベース管理部の実行管理部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、データベース管理部の先読み処理部で行われる全体的な処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、先読み処理部の先読み実行制御部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、先読み処理部の先読み時間決定部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、先読み実行時に先読み統計情報更新部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、データ取得処理の際に先読み統計情報更新部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、問合せ情報テーブルの一例を示す図である。本発明の第１の実施例を示し、先読みページ情報テーブルの一例を示す図である。本発明の第１の実施例を示し、バッファ早期解放部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、データ取得時間とデータ取得確率密度の関係を示すグラフである。本発明の第１の実施例を示し、ページＡ、Ｂのデータ取得時間とデータ取得確率密度の関係を示すグラフである。３シグマ法を示し、データの取得確率と時刻の関係を示すグラフである。本発明の第２の実施例を示し、先読み実行制御部で行われる処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第２の実施例を示し、先読み実行制御部で行われる置換対象の選択処理の一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施例を示し、データ取得の確率分布関数を示す数式である。本発明の第１の実施例を示し、バッファヒット率を示す数式である。本発明の第１の実施例を示し、バッファヒット率が最大になる先読み時刻を示す数式である。

　以下、本発明の一実施形態について添付図面を用いて説明する。

　図１は、本発明の第１の実施例を示し、データベース管理システムの一例を示すブロック図である。クライアント装置７とデータベース管理装置１は、ネットワーク８を介して接続される。クライアント装置７が発行した問合せ（データアクセス要求）を受信したデータベース管理装置１は、データベース格納領域に格納されたデータベースにアクセスし、要求されたデータをクライアント装置７に応答する。

　データベース管理装置１は、演算処理を行うＣＰＵ２と、データやプログラムを格納する主記憶３と、ネットワーク８に接続されるネットワークインターフェース（以下、Ｉ／Ｆ）４と、外部記憶装置（ストレージ装置）６に接続される外部記憶装置Ｉ／Ｆ５とを備えた計算機で構成される。

　外部記憶装置６は、データベースを格納するデータベース格納領域６０を有する。また、外部記憶装置６はデータベース管理装置１で実行するプログラムの記憶媒体としても機能する。

　主記憶３には、データベース格納領域６０のデータベースにアクセするデータベース管理部１０が格納され、ＣＰＵ２によって実行される。データベース管理部１０は、クライアント装置７から受け付けたデータアクセス要求を解析し、データベース格納領域６０にアクセスする実行管理部１１と、データベース格納領域６０に格納されたデータベースの一部を格納するデータベースバッファ１２と、データアクセス要求に先読み要求が含まれるときに、データベース格納領域６０からデータベースバッファ１２へデータを転送する先読み処理部２０と、先読み処理で使用するデータを保持する先読み統計情報５０と、から構成される。なお、各部の詳細については後述する。

　先読み処理部２０は、先読みの対象となるデータとタイミングを設定する先読み実行制御部３０と、データベース格納領域６０から先読み対象のデータを読み込んでデータベースバッファ１２へ格納する先読み実行部４０とを含む。なお、以下の説明では、先読み処理部２０は、先読み対象のデータをページ単位で読み書きする例を示すが、データの単位がページに限定されるものではなく、ブロックやレコードなど予め設定した単位であればよい。

　先読み実行制御部３０は、先読みのタイミング決定を決定する先読み待ち時間決定部３１０と、先読み統計情報５０を更新する先読み統計情報更新部３３０と、データベースバッファ１２で不要となったページを解放するバッファ早期解放部３４０と、を備える。

　データベース管理装置１のＣＰＵ２は、各機能部のプログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、ＣＰＵ２は、データベース管理プログラムに従って動作することでデータベース管理部１０として機能する。他のプログラムについても同様である。さらに、ＣＰＵ２は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。

　データベース管理部１０の上記各機能部を実現するプログラム、テーブル等の情報は、外部記憶装置６や不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）等の記憶デバイス、または、ＩＣカード、ＳＤカード、ＤＶＤ等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。

　クライアント装置７は、ネットワークＩ／Ｆ７３を介してネットワーク８に接続される計算機である。クライアント装置７は、図示しないＣＰＵとメモリと外部記憶装置を備えて、問合せ発行部７１とデータ取得部７２を実行する。

　問合せ発行部７１は、ネットワーク８を介してデータベース管理装置１にデータアクセス要求を発行する。データアクセス要求は、例えば、ＳＱＬで記述されたクエリであり、図示しないアプリケーションや図示しない入力装置から入力される。データ取得部７２は、データベース管理装置１からの応答からデータを取得し、図示しない出力装置に出力する。なお、ネットワーク８には、複数のクライアント装置７が接続され、データベース管理装置１は複数のクライアント装置７から複数のデータアクセス要求を受け付ける。

　先読み統計情報５０は、クライアント装置７から受け付けたデータアクセス要求の種類毎にアクセス頻度等を管理する問合せ情報テーブル５１０と、データベースバッファ１２に先読み行うデータベースのページと、置換対象ページを管理する先読みページ情報テーブル５２０と、を含む。

　図８は、問合せ情報テーブル５１０の一例を示す図である。問合せ情報テーブル５１０は、データアクセス要求の内容を格納する問合せ５１１と、当該問合せでデータベースの情報を取得する時間間隔の平均値を格納するデータ取得間隔の平均値５１２と、後述する正規分布から求めたデータ取得間隔の分散（標準偏差σ²）を格納する５１３と、当該問合せによるデータの取得回数を格納する取得回数５１４と、前回のアクセス時刻を格納する最終アクセス時刻５１５とからひとつのエントリが構成される。この問合せ情報テーブル５１０は、後述するように、先読み処理部２０によって管理される。

　また、問合せ５１１には、データアクセス要求に含まれるコマンド列（またはコマンド）が格納され、コマンド列の種類毎にひとつのエントリが構成される。

　図９は、先読みページ情報テーブル５２０の一例を示す図である。先読みページ情報テーブル５２０は、データベースバッファ１２に格納されたページの識別子を格納するバッファ中のページ５２１と、データを取得する予定の問合せの有無を格納する取得予定問合せ有無５２２と、データを取得する予定の問合せの数を格納する取得予定問合せ数５２３と、データの取得予定を格納する取得予定問合せリスト５２４とからひとつのエントリが構成される。ここで、取得予定問合せリスト５２４は、当該ページからデータを取得する予定の問合せが、取得予定時刻の順序で連鎖的に格納される。具体的には、取得予定問合せリスト５２４には、主記憶上のアドレスが格納される。このアドレスは、一連の問合せの先頭のデータを示す。取得予定問合せリスト５２４は、問合せの識別子５２４１と、当該問合せで当該ページのデータを取得する予定の時刻を格納する取得予定時刻５２４２と、次の取得予定問合せへのポインタ５２４３とを含む。ポインタ５２４３によって、当該ページを読み込む複数の問合せが時刻の順序で格納される。

　図２は、データベース管理装置１で実行されるデータベース管理部１０の実行管理部１１で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、データベース管理装置１のデータベース管理部１０が、クライアント装置７からデータアクセス要求（図中、要求とする）を受け付けたときに実行される。

　実行管理部１１は、ステップＳ１で、受け付けたデータアクセス要求が問合せの前処理要求であるか否かを判定する。ここで、問合せの前処理要求は、データベースのデータ（ページ）に対する先読み要求またはプリフェッチ要求である。実行管理部１１は、受け付けたデータアクセス要求が問合せの前処理要求であればステップＳ２へ進み、問合せの前処理要求でない場合にはステップＳ４へ進む。

　ステップＳ２では、実行管理部１１が問合せの前処理要求を実行し、データの取得予定のデータの位置（ページ）と先読み要求を取得する。ステップＳ３では、実行管理部１１が、取得予定のページに対する先読みの実行を先読み処理部２０に要求する。先読み処理部２０で行われる処理については、図３で後述する。データを取得する予定のページは、実行管理部１１が、データアクセス要求を解析することでデータのアクセス順序を決定し、このアクセス順序から先読みを行うページを決定することができる。

　一方、ステップＳ１の判定で、問合せの前処理要求でなかった場合のステップＳ４では、実行管理部１１はデータアクセス要求がデータ取得要求であるか否かを判定する。データアクセス要求がデータ取得要求であればステップＳ５へ進み、データ取得要求でない場合にはステップＳ７へ進む。

　ステップＳ５では、実行管理部１１がデータ取得要求で指定されたページをデータベースバッファ１２またはデータベース格納領域６０から読み込んで、クライアント装置７へ応答する。

　ステップＳ６では、実行管理部１１は、データ取得要求の内容と、アクセスした時刻を先読み統計情報５０へ記録するため、先読み処理部２０に先読み統計情報５０の更新を要求する。

　一方、ステップＳ７では、データアクセス要求がデータ取得要求でない場合で、書き込み要求や更新要求などのその他の処理である。実行管理部１１はデータアクセス要求を実行して処理を終了する。処理の内容はデータベースに対する公知または周知の処理であるので説明は省略する。

　以上の処理によって、データベース管理部１０の実行管理部１１は、受信したデータアクセス要求が問合せの前処理要求である場合には、先読み処理部２０に先読みの実行を要求する。一方、受信したデータアクセス要求がデータ取得要求である場合には、実行管理部１１は、データ取得要求に対応するページを読み込んでクライアント装置７へ応答し、データ取得要求（問合せ）の内容と、アクセスした時刻を先読み統計情報５０に記録する。

　図３は、図２のステップＳ３で行われる先読み処理部２０の処理の一例を示すフローチャートである。

　先読み処理部２０は、実行管理部１１から受け付けた実行要求が、先読みの実行であるか否かを判定し、先読みの実行であればステップＳ１２へ進み、先読みの実行でなければステップＳ１４に進む。

　ステップＳ１２では、先読み処理部２０が先読み統計情報５０を参照して、問合せの内容ごとに記録した統計情報から、後述の図４で示すように、先読みを実行するタイミングを決定する。このタイミングは、先読みを実施する時刻または現時点からの時間である。そして、先読み処理部２０は、上記決定したタイミングで先読みを実行し、データアクセス要求に対応するページを外部記憶装置６から読み込んでデータベースバッファ１２へ格納する。

　次に、ステップＳ１３で、先読み処理部２０は、先読みを実施した問合せについて、先読み統計情報５０のデータを更新または登録して処理を終了する。

　一方、ステップＳ１１の判定で実行要求が先読みではないステップＳ１４では、図２のステップＳ８のデータ取得後の更新で呼び出された場合である。この場合、先読み処理部２０は、データを取得した問合せの内容と、データの取得回数や時刻等の先読み統計情報５０のデータを更新または登録して処理を終了する。

　以上の処理により、各先読みの実行要求では、先読みを実施するタイミングが先読み統計情報５０から算出されて、当該タイミングになると先読み処理部２０で先読み処理が実行される。そして、先読み処理またはデータ取得が完了すると、先読み処理部２０は先読みや問合せの内容で先読み統計情報５０を更新する。

　図４は、図３のステップＳ１２で行われる先読み実行制御部３０の処理の一例を示すフローチャートである。

　先読み実行制御部３０は、ステップＳ２１で実行管理部１１から先読みを実行するページ（以下、先読み対象ページ）や置換対象ページ等の先読みに関する情報を取得する。ここで、先読みに関する情報としては、先読み対象ページを読み込む取得予定の問合せと、取得予定の順序など、先読みページ情報テーブル５２０の情報と、先読み対象ページを格納するためにデータベースバッファ１２から追い出す予定の置換対象ページ（または置換対象データの位置）を含む置換対象データの情報と、を含む。なお、置換対象の情報は、データベースバッファ１２に空き領域がない場合には、前記従来例に示したＬＲＵ等の周知の手法によって実行管理部１１が置換対象ページを決定する。また、取得予定の順序は、当該問合せの複数回のデータ取得処理中に、何番目の取得処理でアクセスするかを示す。

　ステップＳ２２では、先読み実行制御部３０がデータベースバッファ１２に先読み対象ページが存在するか否かを判定する。データベースバッファ１２に先読み対象ページが存在する場合には、先読みを行う必要が無いので、そのまま処理を終了する。一方、データベースバッファ１２に先読み対象ページが存在しない場合には、ステップＳ２３へ進む。

　ステップＳ２３では、先読み実行制御部３０が先読みページ情報テーブル５２０を参照して、置換対象ページが登録済み、かつデータの取得予定の問合せが登録済みであるか否かを判定する。置換対象ページが先読みページ情報テーブル５２０に登録済み、かつデータの取得予定の問合せが先読みページ情報テーブル５２０に登録済みの場合にはステップＳ２４へ進む。一方、先読みページ情報テーブル５２０に置換対象ページまたは取得予定の問合せが登録されていない場合にはステップＳ２８へ進んで先読みを実行する。

　置換対象ページが先読みページ情報テーブル５２０に未登録の場合は、取得予定の問合せが未登録であることと同様であり、データの取得予定がないことを示す。また、置換対象ページが存在しないことは、データベースバッファ１２に空き領域が存在することを示している。これらの場合は、ステップＳ２８で先読み実行制御部３０が先読み実行部４０に指令して、先読みページを外部記憶装置６のデータベース格納領域６０からデータベースバッファ１２に読み込んでおく。

　一方、置換対象ページが登録済みで、当該置換対象ページからデータを取得する問合せが登録されている場合には、データベースバッファ１２に空き領域がなく、即座に先読みを実行すると既にデータベースバッファ１２に読み込んでおいたページを追い出すことになるため、先読みの実行タイミングを調整する必要がある。

　ステップＳ２４では、先読み実行制御部３０が先読み対象ページからデータアクセス要求によってデータを取得する予定時刻（置換ページの取得予定時刻）を算出する。ここで、置換ページの取得予定時刻は、後述するように、当該先読みページの取得予定の順番と、取得予定問合せのデータ取得間隔から、データベースバッファ１２のヒット率（バッファヒット率）が最大となるタイミングを算出する。詳細については後述する。なお、バッファヒット率は、アクセス回数を分母とし、ヒット回数を分子とする比率であり、データベース管理部１０が管理する。

　ステップＳ２５では、先読み実行制御部３０が、先読みページを実際にデータベースバッファ１２に読み込むまでの待ち時間（遅延時間）を、後述する図５のように算出する。次に、ステップＳ２６では、待ち時間が０または負の値になって待ち時間を経過したか否かを先読み実行制御部３０が判定する。待ち時間を経過し、かつ置換ページの取得予定時間を経過した場合にはステップＳ２８へ進んで、先読みを実行する。このとき、先読み実行制御部３０は、先読み実行部４０に指令して、置換対象ページをデータベース格納領域６０に格納した後、先読み対象ページを書き込む。なお、先読み実行制御部３０は、置換対象ページにデータの取得予定がない場合には、先読み実行部４０に指令して、置換対象ページを先読み対象ページで上書きしてもよい。

　一方、待ち時間を経過していない場合には、ステップＳ２７で待ち時間の減算などの待ち状態設定処理を実施する。なお、待ち時間の減算は、予め設定した値を待ち時間から減算する。

　以上の処理により、置換対象ページが存在し、かつ、当該ページに対するデータ取得予定が存在する場合には、先読みページの待ち時間を算出して先読みの実施を遅延させることで、データベースバッファ１２に読み込まれた置換対象ページがデータ取得要求で読み込まれる以前に、先読みの実行によってデータベースバッファ１２から追い出されるのを防ぐ。

　図５は、図４のステップＳ２５で行われる先読み待ち時間決定部３１０で行われる処理の一例を示すフローチャートである。

　先読み待ち時間決定部３１０は、ステップＳ３１で、先読み統計情報５０の先読みページ情報テーブル５２０と問合せ情報テーブル５１０から先読みページと置換対象ページの情報を取得する。ここで、先読みページの情報としては、ページ毎にデータ取得間隔の平均値５１２と、データ取得間隔の分散５１３と、を取得する。そして、置換対象ページの情報としては、ページ毎に最終の取得予定時刻５２４２と、データ取得間隔の平均値５１２と、データ取得間隔の分散５１３と、を取得する。つまり、先読み待ち時間決定部３１０は、ページ毎に取得予定問合せリスト５２４を参照して、当該ページを取得する問合せ５２４１を取得する。そして、この問合せ５２４１に対応する問合せ情報テーブル５１０のデータ取得間隔の平均値５１２、分散５１３などを取得する。

　次に、先読み待ち時間決定部３１０は、ステップＳ３２で、上位機置換対象ページは最終の取得予定時刻５２４２を経過した置換対象ページがあるか否かを判定する。最終の取得予定時刻５２４２を経過した置換対象ページであればステップＳ３３へ進み、そうでない場合にはステップ３５へ進む。

　ステップ３３では、先読み待ち時間決定部３１０が、取得予定時刻５２４２を経過した置換対象ページと、今回先読みを行う先読み対象ページのバッファヒット率の合計が最大となる先読み時刻ｔ_read0を算出する。先読み時刻ｔ_read0の算出については後述する。

　そして、ステップ３４では、先読み待ち時間決定部３１０が、現在時刻と先読み時刻ｔ_read0から、待ち時間を次式で演算する。
待ち時間　＝　先読み時刻ｔ_read0　－　現在時刻　　………（１）
　一方、ステップＳ３２の判定で、最終の取得予定時刻５２４２を経過した置換対象ページがない場合のステップＳ３５では、先読み待ち時間決定部３１０が、ステップＳ２４で算出した置換ページの取得予定時刻と現在時刻から待ち時間を次式で演算する。
待ち時間　＝　置換ページの取得予定時刻　－　現在時刻　　………（２）
　先読み時刻ｔ_read0の算出について、以下に説明する。

　クライアント装置７からのデータアクセス要求によるデータの取得間隔は、同じ処理を繰り返して実行するため、データの取得には周期性がある。そして、クライアント装置７からのデータアクセス要求によるデータの取得間隔は、平均値の近傍に集積される傾向があり、このため図１１に示すような正規分布に従うと考えられる。

　図１１は、データ取得時間とデータ取得確率密度の関係を示すグラフである。

　クライアント装置７からのデータアクセス要求によるデータの取得間隔の平均値をＥとし、次回のデータ取得予定時刻をｔ_Eとし、データ取得間隔の標準偏差をσとするとき、データ取得の確率分布関数をｆ（ｔ）とすると、図１６に示す（３）式で表される。

　図１１において、現在時刻をｔ_nowとし、前回のデータ取得時刻（＝最終アクセス時刻５１５）をｔ_lastとすると、データ取得間隔の平均値Ｅによる次回のデータ取得予定時刻ｔ_Eは、
ｔ_E　＝　ｔ_last＋　Ｅ　　………（４）
で表される。

　次に、最終の取得予定時刻５２４２を経過した置換対象ページＢを、新たに受け付けた先読み対象ページＡに置き換える例を図１２に示す。図１２は、先読み対象ページＡ、置換対象ページＢのデータ取得時刻とデータ取得確率密度の関係を示すグラフである。

　図１２において、時刻ｔ_readでページＡの先読みを実行して、置換対象ページＢをデータベースバッファ１２から追い出す場合に、先読み対象ページＡと置換対象ページＢが共にアクセスされる際のバッファヒット率Ｐ（ｔ_read）は、図１７に示す（５）式で表される。

　ここで、図中斜線部分のＰ_Aは先読み対象ページＡがアクセスされる確率を示し、図中斜線部分のＰ_Bは置換対象ページＢがアクセスされる確率を示す。また、ｆ_B（ｔ）は、置換対象ページＢのデータ取得の確率分布関数を示し、上記（３）式と同様である。ｆ_A（ｔ）は、先読み対象ページＡのデータ取得の確率分布関数を示し、上記（３）式と同様である。また、ｔ₀は、外部記憶装置６からデータベースバッファ１２へデータを読み込むＩ／Ｏ時間を示し、データベース管理装置１のハードウェアに応じて予め設定された値を用いることができる。

　そして、先読み対象ページＡと置換対象ページＢが共にアクセスされる際に、バッファヒット率Ｐ（ｔ_read）が最大になる先読み時刻ｔ_read0を、先読み実行制御部３０が図１８に示す（６）式により演算する。

　なお、上記σ₁は先読み対象ページＡのデータ取得間隔の平均値Ｅ₁に関する標準偏差であり、上記σ₂は置換対象ページＢのデータ取得間隔の平均値Ｅ₂に関する標準偏差であり、ｔ₀は図１２に示したＩ／Ｏ時間である。

　また、図１２において、ｔ_waitは先読み実行までの待ち時間を示し、上記ステップＳ３４、Ｓ３５で演算された待ち時間である。

　また、上記図４のステップＳ２４で算出される先読み予定時刻は、上記（４）式の次回のデータ取得予定時刻ｔ_Eから、図１２に示したＩ／Ｏ時間ｔ₀を差し引いた時刻とすればよい。

　以上のように、取得予定時刻５２５２を経過してもデータ取得が行われていないページを置換対象ページとし、先読み対象ページと置換対象ページが共にアクセスされて、バッファヒット率Ｐ（ｔ_read）が最大になる先読み時刻ｔ_read0を演算し、先読み対象ページＡを実際にデータベースバッファ１２に読み込む時期を遅延させることで、置換対象ページＢが読み込まれる確率を増大させることができる。これにより、先読みによりデータベースバッファ１２に保持されたページがアクセスされる以前に、他の先読みによってデータベースバッファ１２から追い出されるのを抑制できるのである。

　次に、図６は、先読み実行時に先読み統計情報更新部３３０で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図３のステップＳ１３で行われる処理である。

　ステップＳ４１では、先読み統計情報更新部３３０が、先読みページ情報テーブル５２０に、現在先読みを実行する先読み対象ページが登録済みであるか否かを判定する。先読み対象ページが登録済みであればステップＳ４３へ進み、未登録であればステップＳ４２へ進む。

　ステップＳ４２では、先読み統計情報更新部３３０が、先読み対象ページのエントリを先読みページ情報テーブル５２０に追加する。

　そして、ステップＳ４３では、先読み統計情報更新部３３０が、上記追加した先読み対象ページについて、データを取得予定の問合せと、データの取得予定時刻ｔ_Eとを、先読みページ情報テーブル５２０の取得予定問合せリスト５２４に設定する。なお、既に先読み対象ページのエントリが存在する場合は、取得予定問合せリスト５２４に新たな問合せが付加される。すなわち、図９で示したように、直前の問合せリストのポインタ５２４３に新たな問合せ５２４１のアドレスが格納される。

　以上の処理により、先読みを実行する際には、新たな先読み対象ページが先読みページ情報テーブル５２０に加えられ、既存の先読み対象ページには問合せリスト５２４が加えられる。

　次に、図７は、データの取得時に先読み統計情報更新部３３０で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図３のステップＳ１４で行われる処理である。

　ステップＳ５１では、先読み統計情報更新部３３０が、問合せ情報テーブル５１０を参照して、現在データの取得を行った問合せが、第１回目のデータ取得であるか否かを判定する。問合せ情報テーブル５１０において、当該問合せの最終アクセス時刻がブランクまたはＮＵＬＬであれば、先読み統計情報更新部３３０は初回のデータ取得である、と判定してステップＳ５２へ進む。一方、２回目以降のデータ取得であればステップＳ５３へ進む。

　ステップＳ５２では、先読み統計情報更新部３３０が、問合せ情報テーブル５１０の当該問合せのエントリについて初期化を行う。初期化の内容は、先読み統計情報更新部３３０が、取得回数５１４を１にセットし、データ取得間隔の平均値５１２とデータ取得間隔の分散５１３を０にリセットする。そして、最終アクセス時刻５１５に現在の時刻を設定する。

　一方、２回目以降のデータ取得となるステップＳ５３では、先読み統計情報更新部３３０が、取得回数５１４に１を加算し、データ取得間隔の平均値５１２とデータ取得間隔の分散５１３を現在の値に更新する。そして、最終アクセス時刻５１５に現在の時刻を設定する。

　次に、ステップＳ５４では、先読み統計情報更新部３３０が、先読みページ情報テーブル５２０から現在データを取得したページのエントリで、取得予定問合せリスト５２４を祝する。そして、先読み統計情報更新部３３０は、取得予定問合せリスト５２４の問合せ５２４１が当該問合せと一致するリストを削除する。このとき、削除する問合せリストのポインタ５２４３に次の問合せリストのアドレスが設定されている場合、先読み統計情報更新部３３０は、取得予定問合せリスト５２４または直前の問合せリストのポインタ５２４３を、上記次の問合せリストのアドレスで更新する。また、先読み統計情報更新部３３０は、問合せ情報テーブル５１０の取得予定問合せ数５２３から１を減じて、取得予定問合せ数５２３が０になった場合には、取得予定問合せ有無５２２を「無し」に更新する。

　以上の処理により、データの取得時では先読み統計情報更新部３３０が、問合せ情報テーブル５１０と先読みページ情報テーブル５２０を更新する。

　次に、図１０は、バッファ早期解放部３４０で行われる処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、先読み実行制御部３０が、新たな先読み対象ページを受け付けたときに実行することができる。好ましくは、図４の処理が終了した後に図１０の処理を実行する。

　ステップＳ６１で、バッファ早期解放部３４０は、先読みページ情報テーブル５２０を参照して、データの取得予定がないページが存在するか否かを判定する。バッファ早期解放部３４０は、先読みページ情報テーブル５２０のデータの取得予定の問合せの有無５２２が「無し」のエントリがあれば、データの取得予定がないページが存在する、と判定してステップＳ６２へ進む。ステップＳ６２では、バッファ早期解放部３４０が、データの取得予定がないページをデータベースバッファ１２から削除して記憶領域を解放する。そして、バッファ早期解放部３４０は、データの取得予定がないページのエントリを先読みページ情報テーブル５２０から削除して処理を終了する。

　一方、ステップＳ６１の判定で、バッファ早期解放部３４０が、先読みページ情報テーブル５２０のデータの取得予定の問合せの有無５２２が「無し」のエントリがない場合には、データの取得予定がないページは存在しないと判定してステップＳ６３へ進む。

　ステップＳ６３では、バッファ早期解放部３４０が、先読みページ情報テーブル５２０を参照して、取得予定問合せリスト５２４の取得予定時刻５２４２が所定の条件を満たす問合せリストを抽出する。所定の条件としては、３シグマ法を用いることができ、取得予定時刻ｔ_Eから現在時刻までの経過時間ｄＴが、データの取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページが存在するか否かを判定する。バッファ早期解放部３４０は、時間ｄＴが取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページが存在すれば、当該ページを抽出する。そして、ステップＳ３４で、抽出したページをデータベースバッファ１２から削除して記憶領域を解放する。そして、バッファ早期解放部３４０は、削除したページのエントリを先読みページ情報テーブル５２０から削除して処理を終了する。

　ここで、正規分布によるデータの取得確率と３シグマ法は、図１３で示すようになる。図１３は、３シグマ法を示し、データの取得確率と時刻の関係を示すグラフである。

　図１３において、データ取得確率の分布関数ｆ（ｔ）は図１１と同様であり、Ｅはデータの取得間隔の平均値、σはデータの取得間隔の標準偏差を示す。３シグマ法では、平均値Ｅから３σを超えた時刻を経過すると、当該ページのデータを取得することはないと推定することができる。

　以上のように、バッファ早期解放部３４０は、データの取得予定のないページをデータベースバッファ１２から解放し、または、データの取得間隔の平均値Ｅから３σを超える時刻を経過したページを、データ取得予定がないページと推定してデータベースバッファ１２から解放することができる。

　なお、上記図１０に示したバッファ早期解放部３４０の処理は、所定の周期で実行するようにしてもよい。

　以上のように、本発明では、先読み処理部２０は、先読みが要求されると、データベースバッファ１２上で選択した置換対象ページに対する今後のアクセスを予測して、今後アクセスされると予測した場合には、先読み対象ページの先読みを遅延させる。これにより、置換対象ページがデータベースバッファ１２から削除される前にアクセスされる確率を向上させることができ、アクセスされずにデータベースバッファ１２から削除された後に、再度外部記憶装置６からデータベースバッファ１２に読み込まれることを抑制できる。

　一方、先読み処理部２０は、３シグマ法によって、アクセスされないと予測されるページをデータベースバッファ１２から解放することで、先読み対象ページを読み込む領域を確保することができる。

　以上により、先読み処理で読み込まれたページがアクセスされる以前にデータベースバッファ１２から追い出されるのを防いで、複数のデータアクセス要求を受け付けてデータを取得するデータベース管理部１０の性能を向上させることができる。

　図１４、図１５は第２の実施例を示す。前記第１の実施例では、先読み対象ページを格納する記憶領域として置換対象ページの選択は上位機能で決まる。本第２の実施例では、データベースバッファ１２に空き領域がない場合、データの取得予定の有無と上記３シグマ法によって置換対象ページを選択する例を示す。なお、データベース管理システムの構成は前記第１の実施例と同様であり、同一のものに同一の符号を付して重複する説明を省略する。

　図１４は、先読み実行制御部３０で行われる処理の一例を示すフローチャートである。ステップＳ２１～Ｓ２６は、前記実施例１の図４のステップＳ２１～Ｓ２６と同様の処理であり、先読みページ情報テーブル５２０に置換対象ページが登録されており、かつ、データの取得予定がある場合には、先読みページのデータを取得する予定時刻ｔ_Eを算出し、先読みの待ち時間を算出して、先読み実行制御部３０は待ち時間が経過したか否かを判定する（Ｓ２１～Ｓ２６）。

　待ち時間が経過していない場合には、ステップＳ７１へ進んで、図１５に示すように、先読み実行制御部３０は、別の置換対象ページを選定する処理を実行する。ステップＳ７２では、先読み実行制御部３０が、既に先読みページ情報テーブル５２０に登録された置換対象ページとは別の置換対象ページが存在するか否かを判定する。

　別の置換対象ページが存在する場合は、ステップＳ７３へ進んで、先読み実行制御部３０は、別の置換対象ページを現在先読み対象ページを読み込む予定の置換対象ページとして設定する。そして、先読み実行制御部３０は、ステップＳ７５で新たな置換対象ページに先読み対象ページを書き込んで、先読みを実行する。

　一方、別の置換対象ページが存在しない場合は、ステップＳ７４へ進んで、待ち時間の減算処理を行ってからステップＳ２６の処理へ戻り、待ち時間が経過した時点で現在の置換対象ページに先読み対象ページを書き込んで先読みを実行する。

　図１５は、先読み実行制御部３０で行われる置換対象の選択処理の一例を示すフローチャートである。ステップＳ８１では、先読み実行制御部３０が、データベースバッファ１２に空き領域があるか否かを判定し、空き領域があればステップＳ８２へ進み、空き領域がなければステップＳ８３へ進む。

　ステップＳ８２では先読み実行制御部３０が空き領域を置換対象ページとおして選定し、図１４の処理へ戻る。

　ステップＳ８３では、先読み実行制御部３０が、先読みページ情報テーブル５２０にデータの取得予定が存在しないページがあるか否かを判定する。

　先読み実行制御部３０は、図９の先読みページ情報テーブル５２０で、取得予定問合せ有無５２２が「無し」となったページをデータの取得予定がなくなったページと判定し、ステップＳ８４へ進む。ステップＳ８４では、データの取得予定がなくなったページを新たな置換対象ページとして選定し、先読みページ情報テーブル５２０に追加してから、図１４の処理へ戻る。

　先読みページ情報テーブル５２０にデータの取得予定が存在しないページがない場合には、ステップＳ８５へ進み、先読み実行制御部３０は３シグマ法により置換対象ページを選択する。

　ステップＳ８５では、前記第１の実施例の図１３で示した３シグマ法を用いて、データの取得予定時刻ｔ_Eから現在時刻までの経過時間ｄＴが、データの取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページが存在するか否かを判定する。

　データの取得予定時刻ｔ_Eからの経過時間ｄＴが、データの取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページが存在する場合、先読み実行制御部３０は、当該ページを新たな置換対象ページとして選定し、先読みページ情報テーブル５２０に追加する。その後、先読み実行制御部３０は、図１４の処理へ戻る。

　一方、経過時間ｄＴが取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページが存在しない場合には、ステップＳ８７へ進む。ステップＳ８７では、先読み実行制御部３０が別の置換対象ページが存在しないと判定して図１４の処理へ戻る。

　上記処理により、先読み実行制御部３０は、先読みページ情報テーブル５２０のページのうち、まず、データの取得予定がなくなったページを置換対象ページとして選定する。次に、先読み実行制御部３０は、データの取得予定時刻ｔ_Eからの経過時間ｄＴが、データの取得間隔の平均値Ｅからデータ取得間隔の標準偏差σの３倍を超えたページを置換対象ページとして選定する。先読み実行制御部３０は、新たな置換対象ページが存在する場合は、待ち時間が経過するのを待たずに先読みを実行して、置換対象ページに先読み対象ページを書き込む。

　以上のように、前記第１の実施例に示したように、先読みページのうち、最終アクセス時刻５１５が最も古い問合せ５１１がデータの取得対象とするページを、置換対象ページとしてもよいし、本第２の実施例に示したように、データの取得予定がなくなったページを置換対象ページとしたり、３シグマ法によってアクセスされないと予測されるページを置換対象ページとすることができる。

Claims

　プロセッサとメモリとストレージ装置とを備えた計算機で、前記メモリ上に設けたバッファへストレージ装置に格納されたデータの一部を格納するデータベースを制御するデータベースの管理方法であって、
　前記計算機が、データアクセス要求を受け付ける第１のステップと、
　前記計算機が、データアクセス要求を解析して先読み処理を抽出し、前記先読み処理の対象として前記データベースにおける先読み対象のデータの位置を特定する第２のステップと、
　前記計算機が、前記バッファに前記先読み対象のデータを格納するための置換対象データを設定する第３のステップと、
　前記計算機が、前記置換対象データがアクセスされるか否かを推定する第４のステップと、
　前記計算機が、前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる第５のステップと、
を含むことを特徴とするデータベースの管理方法。
　請求項１に記載のデータベースの管理方法であって、
　前記計算機が、前記ストレージ装置から先読み対象のデータを取得して、前記置換対象データに前記先読み対象のデータを書き込む第６のステップをさらに含み、
　前記第５のステップは、
　前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる待機時間を算出し、
　前記第６のステップは、
　前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データに前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするデータベースの管理方法。
　請求項２に記載のデータベースの管理方法であって、
　前記第６のステップは、
　前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データを前記ストレージ装置に格納した後に前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするデータベースの管理方法。
　請求項１に記載のデータベースの管理方法であって、
　前記第３のステップは、
　前記バッファのデータのうちデータの取得予定がないデータを前記置換対象データとして選択することを特徴とするデータベースの管理方法。
　請求項２に記載のデータベースの管理方法であって、
　前記第５のステップは、
　前記先読み処理の実行を遅延させる待機時間は、前記置換対象データを読み込むデータの取得要求のデータ取得間隔の正規分布から演算することを特徴とするデータベースの管理方法。
　請求項５に記載のデータベースの管理方法であって、
　前記第５のステップは、
　前記置換対象データを読み込むデータの取得要求のデータ取得間隔の正規分布から、前記置換対象データのデータが読み込まれる取得予定時刻を算出し、前記取得予定時刻から所定時間を経過したときに前記置換対象データを前記バッファから解放することを特徴とするデータベースの管理方法。
　プロセッサとメモリとストレージ装置とを備えたデータベース管理装置であって、
　前記ストレージ装置に格納されるデータベースと、
　前記メモリに設定されて前記データベースの一部を格納するバッファと、
　前記データベースと前記バッファを制御するデータベース管理部と、を備え、
　前記データベース管理部は、
　データアクセス要求を受け付けて、当該データアクセス要求を解析して先読み処理を抽出する実行管理部と、
　前記先読み処理の対象として前記データベースにおける先読み対象のデータの位置を特定し、前記バッファに空き領域が無いときには、前記先読み対象のデータを書き込む置換対象データを選択する先読み処理部と、を有し、
　前記先読み処理部は、
　前記置換対象データがアクセスされるか否かを推定して、前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させることを特徴とするデータベース管理装置。
　請求項７に記載のデータベース管理装置であって、
　前記先読み処理部は、
　前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる待機時間を算出し、前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データに前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするデータベース管理装置。
　請求項８に記載のデータベース管理装置であって、
　前記先読み処理部は、
　前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データを前記ストレージ装置に格納した後に前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするデータベース管理装置。
　請求項７に記載のデータベース管理装置であって、
　前記先読み処理部は、
　前記バッファのデータのうちデータの取得予定がないデータを前記置換対象データとして選択することを特徴とするデータベース管理装置。
　請求項８に記載のデータベース管理装置であって、
　前記先読み処理部は、
　前記先読み処理の実行を遅延させる待機時間は、前記置換対象データを読み込むデータの取得要求のデータ取得間隔の正規分布から演算することを特徴とするデータベース管理装置。
　請求項１１に記載のデータベース管理装置であって、
　前記先読み処理部は、
　前記置換対象データを読み込むデータの取得要求のデータ取得間隔の正規分布から、前記置換対象データのデータが読み込まれる取得予定時刻を算出し、前記取得予定時刻から所定時間を経過したときに前記置換対象データを前記バッファから解放することを特徴とするデータベース管理装置。
　プロセッサとメモリとストレージ装置とを備えた計算機で、前記メモリ上に設けたバッファへストレージ装置に格納されたデータの一部を格納するデータベースを制御するプログラムであって、
　データアクセス要求を受け付ける第１の手順と、
　前記データアクセス要求を解析して先読み処理を抽出し、前記先読み処理の対象として前記データベースにおける先読み対象のデータの位置を特定する第２の手順と、
　前記バッファに前記先読み対象のデータを格納するための置換対象データを設定する第３の手順と、
　前記置換対象データがアクセスされるか否かを推定する第４の手順と、
　前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる第５の手順と、
を前記計算機に実行させることを特徴とするプログラム。
　請求項１３に記載のプログラムであって、
　前記ストレージ装置から先読み対象のデータを取得して、前記置換対象データに前記先読み対象のデータを書き込む第６の手順をさらに含み、
　前記第５の手順は、
　前記置換対象データがアクセスされると推定した場合には、前記先読み処理の実行を遅延させる待機時間を算出し、
　前記第６の手順は、
　前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データに前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするプログラム。
　請求項１４に記載のプログラムであって、
　前記第６の手順は、
　前記待ち時間を経過したときに、前記置換対象データを前記ストレージ装置に格納した後に前記先読み対象のデータを書き込むことを特徴とするプログラム。