WO2013084523A1

WO2013084523A1 - 表示制御装置、情報端末装置、集積回路、表示制御方法、プログラム、および記録媒体

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Publication number: WO2013084523A1
Application number: PCT/JP2012/063664
Authority: WO
Inventors: 山田　英明
Original assignee: シャープ株式会社
Priority date: 2011-12-05
Filing date: 2012-05-28
Publication date: 2013-06-13
Also published as: JP2013117934A

Abstract

　表示制御回路（１１４）は、変更後の表示設定に応じて、テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更部（２１０）を備える。表示レイアウト変更部（２１０）は、表示レイアウトの変更時に、ユーザ操作に応じた基準情報が決定されている場合、当該基準情報が予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更する。

Description

表示制御装置、情報端末装置、集積回路、表示制御方法、プログラム、および記録媒体

　本発明は、表示装置に対するデータの表示を制御することが可能な表示制御装置、情報端末装置、集積回路、表示制御方法、プログラム、および記録媒体に関する。

　近年、書籍の内容を電子データ化することによって書籍データを生成し、この書籍データを電子書籍アプリケーションで再生することにより、この書籍データをパーソナルコンピュータや携帯電話機等のディスプレイに表示させて読む、いわゆる電子書籍の利用が普及している。これに伴い、市場には、電子書籍への利用を主とする電子書籍端末が多く出回っている。

　ディスプレイを伴う電子機器によってテキストデータを読むことは、電子書籍に限らず、パーソナルコンピュータや携帯電話機等による、Ｅメール、ＷＥＢブラウジング等でも、日常的に行われている。ディスプレイ上で文字を読むことの利点の一つは、フォントサイズ（文字の大きさ）を変更できることである。

　そこで、殆どの電子書籍端末は、このようなフォントサイズを変更する機能を備えており、これにより、文字が小さくて見づらいといった問題を改善できるようになっている。このため、電子書籍端末は、様々なユーザによって利用されるようになってきている。

　一般的な電子書籍アプリケーションにおいては、再生された書籍データは、その表示領域となる表示ウインドウ内に表示されるようになっている。

　多くの場合、ユーザは、表示ウインドウのサイズや、表示ウインドウ内に表示されるフォントサイズを変更することにより、好みの表示スタイルで、書籍データを読むことが可能となっている。

　このような電子書籍で使用される書籍データの表示形式には、大きく分けて、「レイアウト固定型（ノンリフロー型とも呼ばれる）」と「リフロー型」とがある。

　「レイアウト固定型」は、書籍データの表示レイアウト（表示される情報の配置）が固定されており、表示ウインドウサイズの変更や拡大／縮小といった表示設定の変更を行った場合でも、表示レイアウトが固定されたまま拡大／縮小されるだけであり、表示ウインドウ内における各文字同士の相対的な位置が、表示上変化しない表示フォーマットである。

　この「レイアウト固定型」を採用したデータ形式としては、ＰＤＦが代表的なものとして挙げられる。

　一方、「リフロー型」は、表示ウインドウサイズの変更や拡大／縮小といった表示設定の変更を行った場合、表示ウインドウ内に文字がうまく収まるように、表示ウインドウ内における各文字の相対的な配置が、表示上変化する表示フォーマットである。

　具体例を挙げると、ＨＴＭＬによって作成されたＷｅｂページを表示する際、表示ウインドウのサイズや、テキストデータのフォントサイズの変更に応じて、表示ウインドウ内におけるテキストデータの配置が変化する、といった具合である。

　また、下記特許文献１には、端末装置において、コンテンツの表示倍率の変更に応じて、各要素のレイアウトを決定する技術が開示されている。

　この「リフロー型」を採用したデータ形式としては、電子書籍コンテンツのフォーマットであるＸＭＤＦ、ＥＰＵＢや、ＷＥＢブラウザによって表示および閲覧されるＸＭＬ、ＨＴＭＬが代表的なものとして挙げられる。

　ここで、「レイアウト固定型」と「リフロー型」との表示の違いを、図面を参照して、具体的に説明する。

　図３３は、従来の電子書籍アプリケーションによる、表示設定の変更前の書籍データの表示例を示す。この図３３に示す例では、表示ウインドウ２０内に、４行１２列分の書籍データが表示されている。例えば、このように書籍データが表示されている状態から、表示ウインドウ２０内のウインドウサイズを変えずに、フォントサイズを大きくしたとする。

　図３４は、レイアウト固定型を採用した従来の電子書籍アプリケーションにおける、表示設定の変更後の書籍データの表示例を示す。図３５は、リフロー型を採用した従来の電子書籍アプリケーションにおける、表示設定の変更後の書籍データの表示例を示す。

　図３４および図３５に示すように、レイアウト固定型およびリフロー型のいずれも、上記フォントサイズの変更に応じて、表示ウインドウ２０内には、２行６列分の書籍データが表示されている。

　しかしながら、レイアウト固定型では、書籍データの表示レイアウトが変更されずに、書籍データが全体的に拡大され、その一部が表示ウインドウ内に表示されるように構成されている。

　例えば、図３４に示す例では、１行目に続く文字列「散りぬるを」と、２行目に続く文字列「常ならん」とが欠落した形で、書籍データが表示されている。このため、表示ウインドウ２０内において１行目に表示されている文字列「色は匂へど」と、２行目に表示されている文字列「我が世誰ぞ」とは、読み順に従って連続するものとはなっていない。すなわち、レイアウト固定型では、表示ウインドウ内に表示される文字列は、読み順に従った連続するものとならない。

　このように、レイアウト固定型では、テキストデータの表示上の連続性が担保されないというデメリットがある。また、多方向のスクロール操作やページめくり操作が必要なため、書籍データを読み続けるには手間がかかるというデメリットもある。

　これに対して、リフロー型では、表示ウインドウ内に収まる文字数に応じて、この文字数の文字列が書籍データから抽出されて、この文字列が、表示ウインドウ内において適切な表示レイアウトで表示されるように構成されている。

　このため、図３５に示すように、表示ウインドウ内には、１行目に「色は匂へど」が表示され、２行目に「散りぬるを」が表示されており、これら文字列は、読み順に従った連続するものとなっている。

　このように、リフロー型では、テキストデータの表示上の連続性が担保されるというメリットがある。また、スクロール操作やページめくり操作が１方向ですむため、簡単な操作で書籍データを読み続けることができるというメリットもある。

日本国公開特許公報「特開２０１０－０４４６２８号公報（２０１０年２月２５日公開）」

　リフロー型の表示形式は、このようなメリットを有するが、上記したように表示設定の変更に応じて表示レイアウトが変更される。このため、ユーザは、表示設定の変更前に注目していた情報（以下、「注目情報」と示す。）が、表示レイアウトの変更後、どこに表示されているかを容易に把握することができない。

　例えば、表示設定の変更前に表示領域に中央に表示されていた注目情報が、表示設定の変更後、表示領域の端部に表示されたり、表示領域外に追いやられてしまい、表示対象外となってしまったりする場合もある。

　その結果、ユーザは、表示レイアウトが変化する度に、その表示位置が移動されてしまった注目情報を捜す必要があり、結果的に注目情報を見つけ出すことができない場合もある。このため、ユーザは、違和感や不快感を覚えることなく、書籍データを読み続けることができない。

　図３６は、従来の情報端末装置に対するピンチアウト操作による拡大操作と、従来の情報端末装置による表示内容の変化を示すイメージ図である。

　図３６（ａ）示す例では、ユーザが、情報端末装置に対して、ディスプレイに表示されている文字列「友達からぜひ来い」のうちの文字「ら」の表示位置を中心として、２つの指で、ピンチアウト操作による拡大操作を行っている。

　その結果、従来の情報端末装置においては、図３６（ｂ）に示すように、フォントサイズが拡大され、これに伴い表示レイアウトが変更されているが、上記表示位置には、上記文字「ら」とは異なる文字が表示されている。それだけでなく、上記文字「ら」は、表示領域から追いやられてしまい、表示領域に表示されなくなっている。

　このため、ユーザは、引き続き書籍データを読むためには、上記文字「ら」を探すためにスクロール操作を行わなければならず、違和感や不快感を覚えていた。

　このように従来の表示方法では、電子書籍端末や電子書籍アプリケーションの使い勝手を悪化させる要因ともいえる問題を抱えていた。

　本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、テキストデータの表示レイアウトが変更された後も、注目情報をユーザが容易に認識できるようにすることにある。

　上記した課題を解決するため、本発明に係る表示制御装置は、ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定手段と、前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更手段と、前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更手段とを備え、前記表示レイアウト変更手段は、前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更することを特徴とする。

　本表示制御装置によれば、指定された基準情報（すなわち、注目情報）が、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置に表示されることとなる。これにより、レイアウト変更後も、ユーザは、注目情報を容易に認識することができる。また、ユーザ操作に基づいて基準情報が決定されるため、ユーザが注目していた注目情報としてより適切な文字または文字列を基準情報として決定することができる。

　また、本発明に係る情報端末装置は、上記表示制御装置を備えることを特徴とする。

　本情報端末装置によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する情報端末装置を提供することができる。

　また、本発明に係る集積回路は、上記表示制御装置を備えることを特徴とする。

　本集積回路によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する集積回路を提供することができる。

　また、本発明に係る表示制御方法は、ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定工程と、前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更工程と、前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更工程とを含み、前記表示レイアウト変更工程では、前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更することを特徴とする。特に、当該表示制御方法において、前記基準情報の表示形態を、他のデータと異なるように変更する表示形態変更工程をさらに含むことが好ましい。

　本表示制御方法によれば、何らかの装置が当該表示制御方法を実行することにより、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。

　また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを上記表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記表示制御装置が備える上記各手段として機能させるプログラムである。

　本プログラムによれば、コンピュータが当該プログラムを実行することにより、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。

　また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

　本記録媒体によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる上記プログラムを当該記録媒体により提供することができる。

　本発明に係る表示制御装置、情報端末装置、集積回路、表示制御方法、プログラム、および記録媒体によれば、ユーザ操作によって指定された基準情報（すなわち、注目情報）が、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置に表示されることとなる。これにより、表示レイアウトの変更後も、ユーザは、注目情報を容易に認識することができる。

実施形態に係る情報端末装置の外観を示す図である。実施形態に係る情報端末装置の構成を示すブロック図である。実施形態に係る情報端末装置が備える表示制御機能の構成を示すブロック図である。実施形態に係る情報端末装置による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。実施形態に係る情報端末装置によるレイアウト変更処理の手順を示すフローチャートである。ディスプレイの表示領域と、表示ウインドウとの関係を示す図である。複数のピクセルによる各セルのサイズの定義の概念を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の具体例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の他の具体例を示す図である。書籍データの一例および基準情報の単位の一例を示す図である。基準情報を指定する操作の一例を示す図である。基準情報を指定する操作の一例を示す図である。基準情報を指定する操作の一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置による書籍データの表示例を示す。実施形態に係る情報端末装置による拡大処理の手順を示すフローチャートである。ピンチアウト操作の始点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。ピンチアウト操作の終点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。フォントサイズの拡大に伴い、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。実施形態に係る情報端末装置によるレイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置によるレイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置１００に対するピンチアウト操作による拡大操作と、実施形態に係る情報端末装置１００による表示内容の変化を示すイメージ図である。ピンチイン操作の始点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。ピンチイン操作の終点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。フォントサイズの縮小に伴い、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。実施形態に係る情報端末装置による縮小処理に伴う、文字表示情報管理テーブルの変化の具体例を示す図である。実施形態に係る情報端末装置による縮小処理に伴う、文字表示情報管理テーブルの変化の具体例を示す図である。拡大処理に伴う表示レイアウトの変更後、さらに禁則処理が行われた後の、書籍データの表示例を示す。フォントサイズの拡大操作および縮小操作の変形例を示す。フォントサイズの拡大操作および縮小操作の変形例を示す。従来の電子書籍アプリケーションによる、表示設定の変更前の書籍データの表示例を示す。レイアウト固定型を採用した従来の電子書籍アプリケーションにおける、表示設定の変更後の書籍データの表示例を示す。リフロー型を採用した従来の電子書籍アプリケーションにおける、表示設定の変更後の書籍データの表示例を示す。従来の情報端末装置に対するピンチアウト操作による拡大操作と、従来の情報端末装置による表示内容の変化を示すイメージ図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。

　（実施形態）
　（情報端末装置１００の概要）
　まず、図１を参照して、実施形態に係る情報端末装置１００の概要について説明する。図１は、実施形態に係る情報端末装置１００の外観を示す図である。

　図１に示す情報端末装置１００は、各種アプリケーションを利用することが可能な情報端末装置である。特に、情報端末装置１００は、比較的小型で持ち運びが容易なうえに、リチウムイオン二次電池等のバッテリーを内蔵している。このため、情報端末装置１００は、外部電源（ＡＣ電源）の供給を受けなくとも、このバッテリーの駆動により、外出先等での使用が可能となっている。

　情報端末装置１００は、電子書籍アプリケーションがインストールされており、電子書籍端末として機能する。これにより、情報端末装置１００は、書籍データを表示対象データとしてディスプレイ１１０に表示して、この書籍データをユーザに読ませることができる。書籍データには、主に本文に相当するテキストデータを含んでいるが、画像データ等の他のデータを含んでいる場合もある。ユーザは、情報端末装置１００に設けられているタッチパネル１０６および操作ボタン１０７により、ページめくり、フォントサイズの変更等の各種操作を行うことができる。

　情報端末装置１００は、さらに無線通信モジュールを備えており、これにより、インターネットやＬＡＮ等の通信ネットワークにアクセスして、書籍データをダウンロードする等の、データ通信を行うことが可能となっている。

　本実施形態の情報端末装置１００は、電子書籍の表示形式として、リフロー型を採用している。既に説明したとおり、リフロー型とは、フォントサイズや表示ウインドウのサイズの変更に応じて、表示対象データの表示レイアウトが変更される表示形式である。

　但し、書籍データの内容によっては、表示レイアウトが変更されないレイアウト固定型で表示するほうが好ましい場合がある。そこで、情報端末装置１００は、書籍データのファイル形式や設定に応じて、レイアウト固定型で書籍データを表示することも可能となっている。

　（情報端末装置１００の構成）
　次に、図２を参照して、実施形態に係る情報端末装置１００の構成について説明する。図２は、実施形態に係る情報端末装置１００の構成を示すブロック図である。

　図２に示すように、情報端末装置１００は、処理回路１０２、記憶装置１０４、タッチパネル１０６、操作ボタン１０７、トラックボール１０５、ディスプレイ駆動回路１０８、ディスプレイ１１０、無線通信モジュール１１２、および表示制御回路１１４を備えている。

　（記憶装置１０４）
　記憶装置１０４は、ＯＳ（Operating System）プログラムや、各種アプリケーションプログラム、各種制御プログラム、各種データ等を記憶する。記憶装置１０４に記憶されているデータの中には、当該情報端末装置１００を電子書籍端末として機能させるための電子書籍アプリケーションプログラムや、書籍データが含まれている。ここでいう記憶装置１０４には、ＨＤＤ（Hard disk drive）、ＳＳＤ（Solid State Drive）等、情報端末装置１００に内蔵されているものに限らず、メモリカード等の着脱可能なものを含む。

　（処理回路１０２）
　処理回路１０２は、ＣＰＵ等のプロセッサや、ＲＯＭ、ＲＡＭ等のメモリを備えて構成されており、メモリおよび記憶装置１０４に記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより、各種アプリケーションを実行したり、情報端末装置１００の各部を制御したりする。

　（各種入力デバイス）
　トラックボール１０５、タッチパネル１０６、および操作ボタン１０７は、ユーザが、情報端末装置１００に対する各種情報の入力操作や選択操作を行うための、いわゆる入力デバイスである。タッチパネル１０６は、ディスプレイ１１０が備える表示パネルの表面上に重ねて設けられている。操作ボタン１０７およびトラックボール１０５は、情報端末装置１００の本体の表面に設けられている。入力デバイスとしては、これらの他にも、キー、マウス等が採用され得る。これら入力デバイスは、後述する基準情報を指定する指定手段として機能する。

　（ディスプレイ駆動回路１０８およびディスプレイ１１０）
　ディスプレイ駆動回路１０８は、処理回路１０２から供給された映像信号に応じてディスプレイ１１０を駆動する。これにより、ディスプレイ１１０は、処理回路１０２によって実行されたプログラムの実行結果に応じた映像を表示する。ディスプレイ１１０は、書籍データを表示する表示手段として機能する。本実施形態の情報端末装置１００は、ディスプレイ１１０として、液晶ディスプレイを採用しているが、これ以外にも、有機ＥＬディスプレイ等が採用され得る。

　（無線通信モジュール１１２）
　無線通信モジュール１１２は、ＬＡＮやインターネット等の通信ネットワークへの無線アクセスを制御する。例えば、情報端末装置１００は、無線通信によって通信ネットワークに接続することにより、通信ネットワーク上のサーバや他の端末装置とのデータ通信を行うことができる。その際、通信ネットワークへのアクセスは、無線通信モジュール１１２によって制御されることとなる。

　（表示制御回路１１４）
　表示制御回路１１４は、ディスプレイ１１０に対するデータの表示（表示内容、表示位置、表示サイズ、表示色、フォント等）を制御する。

　例えば、表示制御回路１１４は、書籍データが表示されている表示ウインドウのサイズを変更する操作が行われた場合、この操作に応じて表示ウインドウのサイズを変更し、この変更後の表示ウインドウを、ディスプレイ１１０に表示させる。

　また、表示制御回路１１４は、書籍データのフォントサイズを変更する操作が行われた場合、この操作に応じて書籍データのフォントサイズを変更し、この変更後のフォントサイズの書籍データを、ディスプレイ１１０に表示させる。

　このような、表示ウインドウのサイズの変更や、フォントサイズの変更等、書籍データの表示レイアウトに影響する表示設定の変更がなされた場合、表示制御回路１１４は、この変更に応じて、さらに、書籍データの表示レイアウトを変更することができる。

　特に、本実施形態の表示制御回路１１４は、ディスプレイ１１０の表示領域に表示されているテキストデータのうちの任意の文字または文字列が基準情報として指定されている状態で、書籍データの表示レイアウトに影響する表示設定が変更された場合、この基準情報が、予め定められた位置（以下、「規定表示位置」と示す）に表示されるように、書籍データの表示レイアウトを変更することができる。

　これにより、本実施形態の情報端末装置１００は、ユーザが注目していたデータ（すなわち、注目情報）を、表示レイアウトの変更後も、容易にユーザに把握させることが実現可能となっている。

　以下、表示制御回路１１４が有する表示制御機能について、具体的に説明する。なお、本実施形態では、表示制御回路１１４は、集積回路（ＩＣ）によって実現されているが、これ以外の手段によって実現されてもよい。

　（表示制御機能の構成）
　まず、図３を参照して、情報端末装置１００が備える表示制御機能の構成について説明する。図３は、実施形態に係る情報端末装置１００が備える表示制御機能の構成を示すブロック図である。

　図３に示すように、表示制御回路１１４は、データ表示部２０２、ページ変更部２０４、表示形態変更部２０６、表示設定変更部２０８、表示レイアウト変更部２１０、基準情報決定部２１２、および記憶部２１４を備えている。

　（データ表示部２０２）
　データ表示部２０２は、書籍データをディスプレイ１１０に表示させる。例えば、データ表示部２０２は、書籍データを記憶装置１０４から取得する。記憶装置１０４には、複数の書籍データが記憶されている場合がある。データ表示部２０２は、これら複数の書籍データのリストを表示して、任意の書籍データをユーザに選択させ、選択された書籍データを記憶装置１０４から取得することができる。

　そして、データ表示部２０２は、取得した書籍データをディスプレイ１１０に表示させる。具体的には、データ表示部２０２は、取得した書籍データをディスプレイ１１０に表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。このとき、データ表示部２０２は、初期設定の表示レイアウトも合わせて指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、書籍データが初期設定の表示レイアウトで表示されることとなる。

　ディスプレイ１１０に表示可能な文字数は、表示ウインドウのサイズやフォントサイズに応じた数に制限されるため、大概、ディスプレイ１１０には、取得した書籍データの一部（一ページ分）が表示されることとなる。

　なお、初期設定の表示レイアウトとしては、書籍データが予め定められたフォントサイズで表示され、かつその一部の文字または文字列（例えば、本文の先頭文字、タイトル）が予め定められた位置に配置されるような表示レイアウトが適用される。

　（ページ変更部２０４）
　ページ変更部２０４は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データに対し、ページ変更操作が行われると、このページ変更操作に応じたページ変更処理を行う。

　例えば、ページ変更処理には、ページを１つ進める処理、ページを複数進める処理、ページを１つ戻す処理、ページを複数戻す処理等が含まれる。

　具体的には、ページ変更部２０４は、ページ変更操作が行われると、このページ変更操作に応じて、書籍データ全体から、新たな１ページ分の書籍データを抽出し、これをディスプレイ１１０に表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、新たな１ページ分の書籍データが表示され、結果的にページが変更されたこととなる。

　（表示形態変更部２０６）
　表示形態変更部２０６は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データのうち、指定された基準情報の表示形態を変更する。

　例えば、表示形態変更部２０６は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データのうちの任意の文字または文字列を基準情報として指定する基準情報指定操作が行われた場合、この基準情報指定操作によって指定された基準情報の表示形態を変更する。具体的には、表示形態変更部２０６は、基準情報の表示形態を、他の文字列とは異なる表示形態に変更するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、基準情報が他の文字列とは異なる表示形態で表示されることとなる。

　変更対象文字列等の表示形態を異ならせる方法としては、文字色、文字太さ、背景色、フォントを異ならせたり、下線を付与したり、点滅させたりする等の方法が挙げられる。これに限らず、少なくとも変更対象文字列等を他の文字列と識別することが可能となるのでれば、どのような方法であってもよい。

　例えば、変更対象文字列等そのものの表示形態を異ならせるのではなく、変更対象文字列等が識別できるように、アイコンや図形等の識別画像を、変更対象文字列等に対して、重ねたり、指し示したり、または取り囲んだりするように表示してもよい。

　また、変更対象文字列等そのものの表示形態を変更するのではなく、変更対象文字列等以外の文字列の表示形態を変更するようにしてもよい。

　（表示設定変更部２０８）
　表示設定変更部２０８は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データに対し、表示設定変更操作が行われると、この表示設定変更操作に応じて、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データの表示設定を変更する。具体的には、表示設定変更部２０８は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データを、変更後の書式設定で表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、書籍データが変更後の表示設定で表示されることとなる。

　（表示レイアウト変更部２１０）
　表示レイアウト変更部２１０は、表示設定変更部２０８による表示設定の変更が、書籍データの表示レイアウトに影響するものであれば、表示レイアウト変更部２１０は、書籍データの表示レイアウトを変更する。具体的には、表示レイアウト変更部２１０は、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データを、変更後の表示レイアウトで表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、書籍データが変更後の表示レイアウトで表示されることとなる。

　特に、表示レイアウト変更部２１０は、基準情報が指定されている状態で、書籍データの表示レイアウトに影響する表示設定が変更された場合、この基準情報が、規定表示位置に表示されるように、書籍データの表示レイアウトを変更することができる。

　本実施形態において、書籍データの表示レイアウトに影響する表示設定の変更には、書籍データのフォントサイズの拡大／縮小、および、表示領域のサイズの拡大／縮小が含まれる。書籍データに含まれる各文字の表示領域における配置（配置可能な文字数や配置位置）は、書籍データのフォントサイズや表示領域のサイズに応じたものとなる。したがって、書籍データのフォントサイズまたは表示領域のサイズが変更されると、各文字の配置が変更されるため、表示レイアウトの変更が必要となる。

　なお、表示設定の中には、単なるフォントの変更や文字色の変更等、表示レイアウトに影響しないものもある。このような表示設定の変更が行われた場合、表示レイアウト変更部２１０は、書籍データの表示レイアウトの変更を行わない場合がある。以降では、表示設定の変更が、表示レイアウトに影響するもの（すなわち、表示領域のサイズの変更またはフォントサイズの変更）であることを前提として、説明する。

　（基準情報決定部２１２）
　基準情報決定部２１２は、ユーザ操作に応じて、基準情報を決定する。ユーザ操作に応じた基準情報の決定方法は様々であるが、一例を挙げると、フォントサイズの拡大または縮小のための、ピンチアウト操作またはピンチイン操作によって、タッチパネル１０６上の２点が同時に指定された場合、基準情報決定部２１２は、当該２点を結ぶ線分の中点を、基準位置として決定する。

　このように、情報端末装置１００では、基準位置の指定操作を行わなくとも、表示設定変更操作を行うことにより、１アクションで基準位置の指定と、表示設定の変更（フォントサイズの拡大または縮小）とを行うことが可能となっている。

　（記憶部２１４）
　記憶部２１４は、表示制御回路１１４の各部が処理に使用するための各種条件や各種設定値を記憶している。

　例えば、記憶部２１４は、基準情報として指定された文字または文字列に対して適用すべき表示形態を記憶している。

　また、記憶部２１４は、表示レイアウトの変更後に基準情報が配置されるべき規定表示位置を記憶している。

　記憶部２１４は、表示制御回路１１４が備えるメモリによって実現されてもよく、表示制御回路１１４の外部に設けられた記憶手段（例えば、図１に示した記憶装置１０４）によって実現されてもよい。

　（表示制御処理の手順）
　次に、図４を参照して、情報端末装置１００による表示制御処理の手順について説明する。図４は、実施形態に係る情報端末装置１００による表示制御処理の手順を示すフローチャートである。

　（書籍データ表示処理）
　まず、データ表示部２０２が、表示対象の書籍データを記憶装置１０４から取得すると（ステップＳ４０２）、データ表示部２０２の制御により、ステップＳ４０２で取得した書籍データがディスプレイ１１０に表示される（ステップＳ４０４）。その後、情報端末装置１００は、書籍データの表示中に、各入力デバイスによる各種操作を待機する。以下に説明するとおり、情報端末装置１００は、ある操作が行われたことを検知すると、その操作に応じた表示制御処理を行う。

　（ページ変更処理）
　ユーザによってページ変更操作が行われ、ページ変更部２０４によってこのページ変更操作が検出されると（ステップＳ４０６：Ｙｅｓ）、ページ変更部２０４は、検出されたページ変更操作に応じたページ変更処理を行う（ステップＳ４０８）。そして、情報端末装置１００は、処理をステップＳ４０６へ戻す。一方、ページ変更操作が検出されない場合（ステップＳ４０６：Ｎｏ）、情報端末装置１００は、処理をステップＳ４１２へ進める。

　（表示形態変更処理）
　ユーザによって基準情報指定操作が行われ、表示形態変更部２０６によってこの基準情報指定操作が検出されると（ステップＳ４１２：Ｙｅｓ）、表示形態変更部２０６は、この基準情報指定操作によって特定される基準情報の表示形態を変更する（ステップＳ４１４）。そして、情報端末装置１００は、処理をステップＳ４１６へ進める。一方、基準情報指定操作が検出されない場合（ステップＳ４１２：Ｎｏ）、情報端末装置１００は、処理をステップＳ４１６へ進める。

　（表示設定変更処理およびレイアウト変更処理）
　ユーザによって表示設定変更操作が行われ、表示設定変更部２０８によってこの表示設定変更操作が検出されると（ステップＳ４１６：Ｙｅｓ）、表示設定変更部２０８は、検出された表示設定変更操作に応じて、書籍データの表示設定を変更する（ステップＳ４１８）。そして、表示レイアウト変更部２１０が、ステップＳ４１８による変更後の表示設定に応じて、レイアウト変更処理（図５以降で説明する）を行う（ステップＳ４２０）。そして、情報端末装置１００は、処理をステップＳ４０６へ戻す。

　（レイアウト変更処理の具体的な手順）
　次に、図５を参照して、情報端末装置１００によるレイアウト変更処理の手順について、具体的に説明する。図５は、実施形態に係る情報端末装置１００によるレイアウト変更処理の手順を示すフローチャートである。すなわち、図５は、図４に示したステップＳ４２０の処理を具体的に説明するものである。特に、以下では、フォントサイズの拡大縮小処理に伴う、レイアウト変更処理の手順について説明する。したがって、以下の説明は、基準情報および変更後のフォントサイズが既に決定していることを前提とする。

　（１．セルマトリクスの定義）
　まず、表示レイアウト変更部２１０は、変更後の表示設定（表示領域のサイズおよびフォントサイズ）に応じたセルマトリクスを定義する（ステップＳ５０２）。

　セルマトリクスとは、表示レイアウトを構成する表示レイアウト枠であり、表示領域におけるテキストデータの配置位置を定義するものである。セルマトリクスは、例えば図８に示されているように、複数のセルがＨ行×Ｗ列の格子状に組み合わされて構成されている。基本的に、１つのセルには１つの文字が割り当てられることとなる。これに応じて、表示領域には、Ｈ行×Ｗ列の格子状に複数の文字が配置されることとなる。

　セルマトリクスの行数および列数は、フォントサイズ（文字のサイズ）および表示領域のサイズ（縦および横の各々の長さ）によって決定される。具体的には、フォントサイズおよび表示領域のサイズが決定されると、表示領域の列方向および行方向の各々について、この表示領域に収めることが可能なセル数（すなわち、文字数）が決定される。これによって決定された文字数が、セルマトリクスの行数および列数となる。

　したがって、フォントサイズまたは表示領域のサイズのいずれか一方が変更されると、表示レイアウト変更部２１０は、その都度、セルマトリクスの定義を変更することとなる。

　（２．基準情報の配置位置を決定）
　次に、表示レイアウト変更部２１０は、ステップＳ５０２で定義されたセルマトリクス上における、基準情報の配置位置を決定する（ステップＳ５０４）。

　規定表示位置は、基準情報の配置規則として予め定められている。この配置規則は、図３に示した記憶部２１４に記憶されている。表示レイアウト変更部２１０は、この配置規則に示されている規定表示位置にしたがって、基準情報の配置位置を決定する。

　規定表示位置は、実際にテキストデータが表示されている表示領域の位置を示すものである。したがって、テキストデータが表示ウインドウ内に表示されるのであれば、規定表示位置は、その表示ウインドウの位置を示すものとなり、テキストデータがディスプレイの表示領域に直接表示されるのであれば、規定表示位置は、その表示領域の位置を示すものとなる。

　例えば、規定表示位置としては、「左上隅」、「中央」、「右上隅」等が用いられる。または、規定表示位置としては、表示領域上の座標で示されている場合もある。

　配置規則には、アプリケーションの種類や、表示形態（縦書き、横書き）毎に、規定表示位置を設定することも可能である。すなわち、アプリケーションの種類や、表示形態毎に、規定表示位置が異なる場合がある。

　本実施形態では、各文字はセルマトリクスに従って表示されるため、ここでは、表示レイアウト変更部２１０は、ステップＳ５０２で定義されたセルマトリクスにおいて、基準情報の配置位置となるセルを決定する。例えば、表示レイアウト変更部２１０は、配置規則に定められている規定表示位置（ピクセル）を包含するセルを、基準情報の配置位置となるセルとして決定する。

　（３．他の情報の配置位置を決定）
　次に、表示レイアウト変更部２１０は、ステップＳ５０２で定義されたセルマトリクス上における、基準情報以外の他の情報の配置位置（セル）を決定する（ステップＳ５０６）。

　具体的には、表示レイアウト変更部２１０は、基準情報の配置位置として決定されたセルよりも後方のセルには、基準情報の後方に続く文字を１セルにつき１文字づつ割り当てていく。また、基準情報の配置位置として決定されたセルよりも前方のセルには、基準情報の前方に続く文字を１セルにつき１文字づつ割り当てていく。これにより、セルマトリクスの全てのセルに対して、文字を割り当てる。

　（４．文字表示情報管理テーブルを作成）
　次に、表示レイアウト変更部２１０は、ステップＳ５０２で定義されたセルマトリクスのセル毎の文字の割り当てが示された文字表示情報管理テーブルを作成する（ステップＳ５０８）。文字表示情報管理テーブルとは、書籍データ中の各文字と、ディスプレイ１１０の表示領域上における配置位置との対応付けを示すものである。例えば、文字表示情報管理テーブルは、記憶部２１４に格納されている。

　文字表示情報管理テーブルの一例は、図９～１１に示されている。ステップＳ５０４，Ｓ５０６で決定された各情報の配置位置は、この文字表示情報管理テーブルによって管理されることとなる。

　本実施形態では、処理の効率化を図るために、このような文字表示情報管理テーブルを作成することとしているが、この文字表示情報管理テーブルを必ずしも作成する必要はない。例えば、情報端末装置１００は、この文字表示情報管理テーブルを一旦作成してしまえば、後の表示レイアウト変更処理等を、比較的簡素な手順で行うことができる。

　（５．書籍データを表示）
　そして、表示レイアウト変更部２１０は、ステップＳ５０８で生成された文字表示情報管理テーブルに従って、変更後の表示レイアウトで書籍データを表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、書籍データの各々の文字が、ステップＳ５０４，５０６で決定された配置位置に配置された状態で表示される（ステップＳ５１０）。特に、指定された基準情報は、予め定められた規定表示位置に表示されることとなる。このとき、当然、表示される書籍データは、変更後の表示設定（フォントサイズ）が適用されたものとなっている。

　（セルマトリクスの定義方法の具体例）
　次に、図６および図７を参照して、セルマトリクスの定義方法の具体例を説明する。図６は、ディスプレイ１１０（表示パネル）の表示領域と、表示ウインドウとの関係を示す図である。図７は、複数のピクセルによる各セルのサイズの定義の概念を示す図である。

　既に説明したとおり、情報端末装置１００は、書籍データを表示する際、まず、セルマトリクスを定義し、このセルマトリクスの各セルに書籍データの各文字を割り当てることにより各文字の配置位置を決定し、この決定に従い、書籍データを表示する。

　図６において、ディスプレイ１１０の表示領域６００には、表示ウインドウ６１０が表示されている。表示ウインドウ６１０は、ソフトウェア的に定義されて、表示領域６００に表示される表示領域であり、ユーザが任意にそのサイズを変更することが可能となっている。

　一般的なアプリケーションは、この表示ウインドウ６１０内に書籍データを表示するように構成されている。情報端末装置１００にインストールされている電子書籍アプリケーションも同様に、この表示ウインドウ６１０内に書籍データを表示するように構成されている。本実施形態の説明においても、この表示ウインドウ６１０を、書籍データが表示される「表示領域」としている。

　但し、全画面表示の場合は、表示パネル６００の表示領域と、表示ウインドウ６１０とが略等しくなる場合がある。また、表示ウインドウという概念なく、表示パネル６００の表示領域に書籍データが表示される場合もある。この場合は、表示パネル６００の表示領域が、実質的に、書籍データが表示される「表示領域」となる場合もある。

　表示領域６００は、Ｙ軸方向（図中横方向）にｍ個（ｍは、１以上の自然数）のピクセル（画素）を備えており、Ｘ軸方向（図中縦方向）にｎ個（ｎは、１以上の自然数）のピクセル（画素）を備えて構成されている。すなわち、表示領域６００は、ｍ列×ｎ行のマトリクス状に配置された複数個（ｍ×ｎ個）のピクセルを備えている。

　例えば、ディスプレイ１１０としてＶＧＡディスプレイを採用した場合、表示領域６００は、６４０列×４８０行のマトリクス状に配置された複数個のピクセルを備えることとなる。

　一方、表示ウインドウ６１０は、Ｙ軸方向（図中横方向）にｍ´個（ｍ´は、１以上の自然数）のピクセル（画素）を備えており、Ｘ軸方向（図中縦方向）にｎ´個（ｎ´は、１以上の自然数）のピクセル（画素）を備えて構成されている。すなわち、表示ウインドウ６１０は、ｍ´列×ｎ´行のマトリクス状に配置された複数個（ｍ´×ｎ´個）のピクセルを備えている。当然、ｍ´およびｎ´は、表示ウインドウ６１０のサイズの変更に応じて変化する。

　ここで、表示領域６００の左上隅のピクセルを原点Ｏとして、このピクセル（１，１）をＡ、左下隅のピクセル（１，ｎ）をＢ、右下隅のピクセル（ｍ，ｎ）をＣ、右上隅のピクセル（ｍ，１）をＤと定義する。

　また、表示ウインドウ６１０の左上隅のピクセル（ｘ´，ｙ´）をＡ´、左下隅のピクセル（ｘ´＋ｍ´－１，ｙ´＋ｎ´－１）をＢ´、右下隅のピクセル（ｘ´＋ｍ´－１，ｙ´＋ｎ´－１）をＣ´、右上隅のピクセル（ｍ，ｙ´）をＤ´と定義する。

　上記ｘ´は、１≦ｘ´≦（ｘ´＋ｍ´）≦ｍの自然数であり、上記ｙ´は、１≦ｙ´≦（ｙ´＋ｎ´）≦ｎの自然数である。

　このように、情報端末装置１００において、表示ウインドウ６１０のサイズはピクセル数によって表すことができる。したがって、情報端末装置１００は、さらに表示ウインドウ６１０内において１つの文字の表示に必要なサイズ（すなわち、セルサイズ）をフォントサイズ毎にピクセル数で表すことにより、表示ウインドウ内に表示する文字数（すなわち、セルマトリクスのセル数）を容易に求めることができる。

　例えば、表示ウインドウが、ｍ´ピクセル×ｎ´ピクセルで構成され、１つの文字を表示するために必要なセルのサイズが、図７に示すように、Ｆｈピクセル×Ｆｗピクセル（Ｆｈ、Ｆｗは、自然数。）であり、セルマトリクスにおいて各セルが隙間無く配置される構成となっている場合、セルマトリクスのＹ軸方向（図中横方向）のセル数（すなわち列数）Ｗ、および、セルマトリクスの、Ｘ軸方向（図中縦方向）のセル数（すなわち行数）Ｈは、以下数式（１）および（２）によって求められる。

　但し、Ｈ≦ｎ´／Ｆｈ＜Ｈ＋１であり、Ｈは、自然数である。

　但し、Ｗ≦ｍ´／Ｆｗ＜Ｗ＋１であり、Ｗは、自然数である。

　ここで、上記ＲＯＵＮＤＤＯＷＮは関数であり、ＲＯＵＮＤＤＯＷＮ（ａ／ｂ）は、整数ａを整数ｂで割った値において、余りを切り捨て、整数に丸めることを意味する。

　そして、表示ウインドウに表示できる文字数Ｌは、Ｌ＝Ｈ×Ｗによって求められる。

　なお、以上の説明では、セルマトリクスのセルの数は、セルマトリクスにおいてセルが隙間無く構成されていることを前提として説明したが、セル間に隙間が有る場合にはセルのサイズに、隙間分のピクセルを上乗せすることで、セル数Ｈおよびセル数Ｗを算出できる。

　また、セルのサイズの代わりに、隣接するセルの中心点間の距離（ピクセルの大きさを基準とした）を使っても、同様に、セルマトリクスと、表示ウインドウに表示できる文字数Ｌを算出できる。

　（表示内容の変化の具体例）
　次に、図８を参照して、情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の具体例について説明する。図８は、実施形態に係る情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の具体例を示す図である。

　この例では、前提として、基準情報の配置規則において、「左上隅のセル」（セルアドレス（１，１））が規定表示位置として設定されているものとする。また、基準情報の表示規則として、「下線表示」および「着色表示」が設定されているものとする。

　このような前提の下、以下では、書籍データ（和文）中の一文字が基準情報として指定された状態で、フォントサイズの拡大操作が行われ、これに応じて、書籍データの表示レイアウトが４列×１２行から２列×６行に変更された場合の表示例を説明する。

　図８ａは、表示レイアウトが変更される前の、書籍データの表示例を示す。図８ａに示す例では、表示領域８００のサイズおよびフォントサイズに応じて、書籍データが４列×１２行に配置された状態で表示されている。

　図８ｂは、図８ａに示した書籍データに対して基準情報が指定された後の、書籍データの表示例を示す。図８ｂに示す例では、書籍データのうちの文字「我」が基準情報として指定されている。特に、図８ｂに示す例では、この指定された文字「我」は、上記表示規則に従い、着色表示および下線表示されており、これにより、他の文字と表示形態が異なっている。これにより、ユーザは、この指定された文字を容易に把握することが可能となっている。

　図８ｃ，ｄ，ｅは、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。

　図８ｃ，ｄ，ｅでは、図８ｂに示した書籍データに対して、フォントサイズが拡大された結果、書籍データの配置が、２列×６行に変更された状態を示している。特に、図８ｃは、変更後の表示レイアウトにおいて、基準情報が規定表示位置に配置された状態を示す。図８ｄは、変更後の表示レイアウトにおいて、基準情報に続く文字が配置された状態を示す。図８ｅは、変更後の表示レイアウトにおいて、さらに次の列の文字が配置された状態を示す。

　このように、表示レイアウトの変更に応じて、セルマトリクスが新たに定義されると、セルマトリクス上には、まず、基準情報が規定表示位置に配置される。続いて、基準情報に続く文字が、規定表示位置に続く位置に配置される。

　例えば、図８ｃに示す例では、基準情報である一文字「我」が、上記配置規則に従い、規定表示位置である「左上隅のセル」（セルアドレス（１，１））に配置されている。その後、図８ｄに示すように、セルマトリクスの１行目の残りのセルには、「我」に続く文字列「が世誰ぞ□」が配置される。（“□”は空白を意味している。）さらに、図８ｅに示すように、セルマトリクスの２行目のセルには、文字列「常ならん□□」が配置される。すなわち、図８ｅは、表示すべき全ての情報の表示が完了している状態であり、レイアウト変更による再表示が完了した状態を示す。

　図８ｅに示すように、本実施形態の情報端末装置１００は、リフロー型を採用しているため、１行目の文字列と２行目の文字列とは、読み順が原文と同様に連続するものとなっている。

　この図８ｅに示す状態では、未だ、基準情報である一文字「我」の表示形態が他の情報と異なっている。これにより、ユーザは、レイアウト変更に伴う書籍データの再表示後も、注目していたデータである基準情報を容易に認識することができる。

　なお、図８ａ～ｅに示した表示例は、あくまでも説明を分かり易くするためのものであり、必ずしもこのような順序で表示が成されるということを示すものではない。例えば、表示上、図８ｃ，ｄが省略され、図８ｂの状態から、図８ｅの状態に表示が遷移する場合もあり得る。

　なお、情報端末装置１００は、レイアウト変更に伴う再表示後、基準情報の表示形態を期限なく他の情報と異ならせたままとしておいてもよいが、予め定められた期間が経過したのち、元の表示形態に変更するようにしてもよい。

　（文字表示情報管理テーブルの一例）
　次に、図９～１１を参照して、情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例について説明する。図９～１１は、実施形態に係る情報端末装置１００によるイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。

　図９に示す文字表示情報管理テーブルは、図８ａに示した書籍データの各文字がセルマトリクスに割り当てられていないときの状態を示す。この図９に示すように、書籍データの各文字（テキストコード）には、固有のＩＤ（固有アドレス）が割り当てられている。また、空白（図中“□”で表示）にも固有のＩＤが割り当てられており、この他にも改行等の制御文字にも、固有のＩＤが割り当てられる。

　上記テキストコードとしては、文字セットに応じた文字コードが用いられる。文字セットとしては、ＩＳＯ－２０２２－ＪＰ、ＥＵＣ－ＪＰ、Ｓｈｉｆｔ＿ＪＩＳ、ＵＴＦ－８、ＵＴＦ－１６等が挙げられるが、いずれを用いることもできる。

　また、上記固有アドレスとしては、先頭文字からの連番を用いているが、少なくとも文字の表示順序が特定できる形式であれば、どのようなものを用いてもよい。

　図１０に示す文字表示情報管理テーブルは、図８ａに示した書籍データの各文字が図８ａに示すように４行×１２列のセルマトリクスに割り当てられたときの状態を示す。

　この図１０に示すように、セルが割り当てられている文字には、それぞれ、セルのアドレス（セルアドレス）が割り当てられている。この例では、セルアドレスは（ｘ，ｙ）形式で示されており、ｘはセルの行番号を示し、ｙはセルの列番号を示す。特に、最上行が１行目と定義され、最左列が１列目と定義されている。例えば、図１７に示すように、文字「に」が割り当てられている左上隅のセルのセルアドレスは、図２２に示す文字表示情報管理テーブルにおいて（１，１）となっている。

　図１１に示す文字表示情報管理テーブルは、図８ａに示した書籍データの各文字が、図８ｅに示すように２行×６列のセルマトリクス（レイアウト変更後のセルマトリクス）に新たに割り当てられたときの状態を示す。

　この図１１に示すように、図８ａに示した書籍データのうち、表示レイアウトの変更後の表示対象となった各文字には、新たなセルマトリクスのセルアドレスが割り当てられている。

　一方、表示レイアウトの変更後の表示対象とならなかった各文字には、セルアドレスが割り当てられてなく、このため、図１１に示す例では、そのセルアドレス欄に「＊＊＊」が設定されている。

　図８ｅに示すとおり、基準情報として「我」が指定されたことにより、表示レイアウトの変更後、「左上隅のセル」には、文字「我」が配置されている。これに応じて、図１１に示す文字表示情報管理テーブルにおいては、文字「我」に対して、セルアドレス（１，１）が設定されている。

　このように、表示レイアウトが変更されるにつれ、文字表示情報管理テーブルは、刻々と変化することとなる。

　なお、上記例では、文字表示情報管理テーブルは、各文字の表示位置をセルアドレスで示すこととしているが、これに限らず、例えば、各文字の表示位置の中心座標（実質的に、セルの中心座標と同一である）等、各文字の表示位置をディスプレイ１１０の座標系で示すようにしてもよい。

　（表示内容の変化の他の具体例）
　次に、図１２を参照して、情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の他の具体例について説明する。図１２は、実施形態に係る情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に伴う、表示内容の変化の他の具体例を示す図である。

　このような前提の下、以下では、書籍データ（英文）中の一英単語が基準情報として指定された状態で、フォントサイズの拡大操作が行われ、これに応じて、書籍データの表示レイアウトが変更される例を説明する。

　図１２ａは、表示レイアウトが変更される前の、書籍データの表示例を示す。図１２ａに示す例では、表示領域１２００のサイズおよびフォントサイズに応じて、書籍データが４行に配置された状態で表示されている。

　図１２ｂは、図１２ａに示した書籍データに対して基準情報が指定された後の、書籍データの表示例を示す。図１２ｂに示す例では、書籍データのうちの一英単語「Ｗｈｉｔｅ」が基準情報として指定されている。特に、図１２ｂに示す例では、この指定された一英単語「Ｗｈｉｔｅ」は、上記表示規則に従い、着色表示および下線表示されており、これにより、他の文字と表示形態が異なっている。これにより、ユーザは、この指定された文字列を容易に認識することが可能となっている。

　図１２ｃは、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。図１２ｃでは、図１２ｂに示した書籍データに対して、フォントサイズが拡大された結果、書籍データの配置が、２行に変更された状態を示している。

　この例でも、表示レイアウトの変更に応じて、基準情報である一英単語「Ｗｈｉｔｅ」の先頭文字「Ｗ」が、上記配置規則に従い、規定表示位置である「左上隅のセル」（セルアドレス（１，１））に配置されている。そして、規定表示位置以降には、先頭文字「Ｗ」に続く文字列「ｈｉｔｅ」が、続けて配置され、さらに文字列「Ｒａｂｂｉｔ　ｗａｓ　・・・」が、続けて配置されている。

　この図１２ｃに示す状態では、未だ、基準情報である一英単語「Ｗｈｉｔｅ」の表示形態が他の情報と異なっている。これにより、ユーザは、レイアウト変更に伴う再表示後も、注目していたデータ（すなわち基準情報）を容易に把握することができる。

　（基準情報の単位の一例）
　次に、図１３を参照して、書籍データの一例および基準情報の単位の一例について説明する。図１３は、書籍データの一例および基準情報の単位の一例を示す図である。

　図１３に示す例では、書籍データの一例として、中文が用いられており、基準情報の単位の一例として、１フレーズが用いられている。

　図１３ａは、基準情報が指定される前の書籍データ（中文）の表示状態を示しており、図１３ｂは、基準情報が指定された後の書籍データ（中文）の表示状態を示している。

　図１３ｂに示す例では、書籍データのうちの１フレーズ「有朋自遠方來，」が基準情報として指定されている。特に、図１３ｂに示す例では、この指定された１フレーズ「有朋自遠方來，」は、基準情報の表示規則に従い、着色表示および下線表示されている。これにより、ユーザは、この指定された１フレーズ全体を容易に把握することが可能となっている。

　図示は省略するが、図１３ｂに示す状態から、表示レイアウトが変更された場合、この１フレーズ単位の基準情報は、規定表示位置に表示されるとともに、さらに点滅表示されることとなり、これにより、ユーザがより認識し易いようになる。

　このように、情報端末装置１００は、和文、英文、中文等、様々なテキストデータに対応することができる。また、着色表示、下線表示、点滅表示等、様々な表示形態を基準情報に適用することができる。さらに、文字単位、単語単位、フレーズ単位等、様々な単位を基準情報に適用することができる。

　（基準情報を指定する操作の一例）
　次に、基準情報を指定する操作の一例を示す。図１４～１６は、基準情報を指定する操作の一例を示す図である。以下に例示するように、ユーザが基準情報を指定する方法は様々である。

　例えば、図１４では、入力デバイスを操作して、任意の文字列上でカーソルを移動させることによって、この文字列が基準情報として指定される例を示している。

　また、図１５では、タッチパネルにおける任意の文字列上をユーザが指でなぞることによって、その文字列が基準情報として指定される例を示している。この例では、単語「Ｗｈｉｔｅ」が基準情報として指定されているが、例えば、「Ｗｈｉ」だけを基準情報として指定する等、単語等の単位に捉われることなく、基準情報を指定することもできる。

　また、図１６では、基準情報を単語単位とすることが予め設定されており、タッチパネルにおける任意の単語上をユーザが指でタッチすることにより、その単語が基準情報として指定される例を示している。

　このように、情報端末装置１００は、基準情報の指定方法についても、様々なものを適用することができる。いずれの方法によっても、任意の文字または文字列を基準情報として指定され、この基準情報の表示形態が変更されるので、ユーザは、ディスプレイ１１０に表示されているデータの中から、この基準情報を容易に認識できるようになる。

　なお、図１５および図１６では、ユーザが指でタッチパネルを操作する例を示したが、この代わりに、スタイラスペン等を用いて、タッチパネルを操作することもできる。

　（拡大操作の一例）
　次に、書籍データに対する拡大操作の一例について説明する。

　情報端末装置１００は、タッチパネル１０６を備えている。ユーザは、このタッチパネル１０６に対して、いわゆるピンチイン・ピンチアウト操作を手指で行うことにより、書籍データに対する拡大操作および縮小操作を行うことができる。以下、その具体例について説明する。

　なお、タッチパネル１０６は、ディスプレイ１１０と物理的に重なり合っている。これに応じて、以降の説明では、平面方向（ｘ－ｙ方向）の各位置において、タッチパネル１０６の座標と、ディスプレイのピクセル単位の座標とが一致するものとする。

　また、タッチパネル１０６は、手指による複数のポイントへの同時の接触（マルチタッチ）を検出し、検出した複数のポイントのピクセルの座標（アドレス）を表示制御回路１１４へ伝えることが可能となっている。これにより、表示制御回路１１４は、ピンチイン・ピンチアウト操作を検知することができる。

　図１７は、実施形態に係る情報端末装置１００による書籍データの表示例を示す。図１７は、ディスプレイ１１０に書籍データが表示されている様子を示している。具体的には、文字表示情報管理テーブルに従って、１７行２６列のセルマトリクスが定義され、このセルマトリクスに従って、書籍データが１７行２６列に配置された状態で、表示されている。実際には、セルマトリクスの枠（罫線）は表示されないが、図１７以降の図面では、説明（特に、各文字の表示位置）を分かり易くするために、この枠を図示する場合がある。以下、図１７に示すように書籍データが表示されている状態から、ピンチアウト操作により拡大操作が行われ、書籍データの表示レイアウトが変更されるまでの処理（以下、「拡大処理」と示す。）の手順について、具体的に説明する。

　図１８は、実施形態に係る情報端末装置１００による拡大処理の手順を示すフローチャートである。以下、図１８に示すフローチャートの各ステップについて具体的に説明する。

　（ステップＳ１８０２：ピンチアウト操作の始点を指定）
　図１９は、ピンチアウト操作の始点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。まず、図１９に示すように、ユーザは、２本の指をタッチパネル１０６に接触させることにより、その２本の指の接触位置を、ピンチアウトの始点（始点１および始点２）を指定する。各始点は、タッチパネル１０６によって検出され、そのアドレス、始点１（ＴＸ_１，ＴＹ_１）、始点２（ＴＸ_２，ＴＹ_２）が特定される。

　（ステップＳ１８０４：２つの始点の中心点を特定）
　表示制御回路１１４の基準情報決定部２１２は、始点１（ＴＸ_１，ＴＹ_１）、始点２（ＴＸ_２，ＴＹ_２）を結ぶ線分の中点に該当する座標のアドレスを、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）として算出して、この中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）に表示されている文字を基準情報として決定する。すなわち、この例では、書籍データ中の１文字を基準情報として決定することとなっている。

　例えば、基準情報決定部２１２は、以下数式（３）および数式（４）によって２つの始点の座標の平均値を求め、この平均値を、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）として算出する。

　なお、この例では、ピクセル単位で各始点のアドレスを示し、これら各始点のアドレスを用いて、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）を決定しているが、セルアドレス単位で各始点のアドレスを示し、これら各始点のアドレスを用いて、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）を決定するようにしてもよい。

　（ステップＳ１８０６：基準情報の自動決定）
　基準情報決定部２１２は、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）を算出すると、文字表示情報管理テーブルを参照する等により、この中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）に表示されていた文字を特定し、特定された文字を基準情報として決定する。

　例えば、基準情報決定部２１２は、各セルの中心のピクセルの座標を（Ｘ_ｉ，Ｙ_ｉ）とすると、この座標（Ｘ_ｉ，Ｙ_ｉ）が最も中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）に近いセルに表示されている文字を、基準情報として特定することができる。

　例えば、アドレス（Ｘ_ｉ，Ｙ_ｉ）と中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）との距離ｌは、以下数式（５）で表すことができる。

　図１９に示す例では、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）は、セルアドレス（９，１４）を有するセルと重なっている。したがって、このセルアドレス（９，１４）を有するセルが最も中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）に近いセルであるといえる。よって、基準情報決定部２１２は、このセルアドレス（９，１４）を有するセルに表示されている文字「ら」（固有アドレス＝「２１３」）が、基準情報として決定する。

　なお、基準点に最も近い文字を選択する方法としては、上記数式（５）に限定されるものではない。

　この例では、基準情報決定部２１２が基準情報を自動的に決定することとしたが、ユーザは、拡大操作を行う前に入力デバイスを操作することによって、基準情報を指定しておいてもよい。この場合、当該自動決定処理を省略してもよいし、当該自動決定処理によって、基準情報を改めて決定してもよい。

　（ステップＳ１８０８：表示形態の変更）
　表示形態変更部２０６により、基準情報として決定された文字の表示形態を変更する。図１９では、表示形態の変更例として、基準情報に対して、下線が付与されるとともに、文字色が予め設定された色に変更される例を示している。

　（ステップＳ１８１０：ピンチアウト操作の終点を指定）
　図２０は、ピンチアウト操作の終点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。図２０に示すように、ユーザは、図１９の状態（２本の指をタッチパネル１０６に接触させた状態）から、２本の指の間隔を広げ、その後の２本の指の接触位置を、ピンチアウトの終点（終点１および終点２）として指定する。各終点は、タッチパネル１０６によって検出され、そのアドレス、終点１（ＴＸ_３，ＴＹ_３）、終点２（ＴＸ_４，ＴＹ_４）が特定される。

　（ステップＳ１８１２：拡大率の決定）
　表示設定変更部２０８は、２つの始点（ＴＸ_１，ＴＹ_１）、（ＴＸ_２，ＴＹ_２）と、２つの終点（ＴＸ_３，ＴＹ_３）、（ＴＸ_４，ＴＹ_４）に基づいて、拡大率を求める。

　例えば、２つの始点間の距離をＤ１とし、２つの終点間の距離をＤ２とした場合、表示設定変更部２０８は、拡大操作による拡大率Ｓを、以下数式（６）によって求めることができる。

　Ｓ＞１ならば拡大となり、Ｓ＝１なら等倍となり、Ｓ＜１なら縮小となる。なお、Ｓ＝１で等倍となった場合には、以下で説明する拡大処理を行わなくてよい。

　（ステップＳ１８１４：フォントサイズの変更）
　表示設定変更部２０８は、求められた拡大率Ｓに基づき、フォントサイズを変更する。例えば、拡大前のフォントサイズをｆとし、拡大後のフォントサイズをＦとし、フォントサイズが連続的に変化できると仮定した場合、表示設定変更部２０８は、拡大後のフォントサイズＦを、以下数式（７）によって求めることができる。

　上記数式７において、ｋは正の任意の定数とする。

　なお、上記数式（７）によって求められたフォントサイズＦが存在しない場合、表示レイアウト変更部２１０は、存在するフォントサイズのうち、求められたフォントサイズＦに最も近いフォントサイズを、以降の処理におて、フォントサイズＦとして扱う。

　（ステップＳ１８１６：セルマトリクスの再定義）
　フォントサイズが大きくなるのに伴い、必然とセルマトリクスのセルのサイズが大きくなるので、表示レイアウト変更部２１０は、セルマトリクスの再定義と、表示可能な文字数を算出する。

　セルマトリクスの行数Ｈは、既に説明した数式（１）によって求められる。また、セルマトリクスの列数Ｗは、既に説明した数式（２）によって求められる。そして、表示可能な文字数は、行数Ｈに列数Ｗを乗じることによって求められる。

　すなわち、表示可能な文字数Ｌは、以下数式（８）によって求めることができる。

　上記数式８において、●は乗算を示す。また、Ｗ，Ｈ，Ｆはいずれも整数である。

　図２１に示す例では、再定義されたセルマトリクスの一例として、フォントサイズが大きくなるのに伴い、セルマトリクスが、１７行２６列から、８行１３列へと変化したものを示している。

　（ステップＳ１８１８：基準情報の配置位置決定）
　表示レイアウト変更部２１０は、再定義されたセルマトリクスにおける、基準情報の配置位置を決定する。すでに説明したとおり、情報端末装置１００では、基準情報の配置規則として、基準情報を規定表示位置に配置することが予め定められている。表示レイアウト変更部２１０は、この配置規則に従い、ステップＳ１８０６で決定された基準情報の配置位置を決定する。

　ここで、規定表示位置（すなわち、中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ））が、再定義されたセルマトリクスのセルの中心と一致しない場合がある。

　この場合、例えば、表示レイアウト変更部２１０は、は、再定義されたセルマトリクスにおける各セルの中心のピクセルの座標を（Ｘ_ｉ，Ｙ_ｉ）とすると、この座標（Ｘ_ｉ，Ｙ_ｉ）が最も中心点（Ｘ_ｃ，Ｙ_ｃ）に近いセルを、基準情報の配置位置として決定する。

　例えば、図１２に示す例では、規定表示位置は、セルアドレス（５，７）を有するセルの中心のピクセルと同じ位置ではないが、セルアドレス（５，７）を有するセル領域内に包含されている。したがって、セルアドレス（５，７）を有するセルは、その中心のピクセルが、規定表示位置に最も近いセルであるといえる。よって、表示レイアウト変更部２１０は、は、このセルアドレス（５，７）を有するセルを、基準情報の配置位置として決定する。

　（ステップＳ１８２０：文字表示情報管理テーブルの再生成）
　表示レイアウト変更部２１０は、文字表示情報管理テーブル表を再生成する。

　例えば、表示レイアウト変更部２１０は、まず、再定義されたセルマトリクスのうち、上記のとおり決定された基準情報の配置位置のセルアドレス（５，７）には、基準情報として決定された文字「ら」（固有アドレス＝「２１３」）を割り当てる。

　そして、その他のセルアドレスには、８行１３列のセルマトリクスが埋まるまで、基準情報の前後に連続する文字を、１セルにつき１文字づつ、順次割り当てていく。

　具体的には、セルアドレス（５，７）よりも前方のセル群には、基準情報よりも前方に続く文字を、１セルにつき１文字づつ順次割り当てていき、セルアドレス（５，７）よりも後方のセル群には、基準情報よりも後方に続く文字を、１セルにつき１文字づつ順次割り当てていく。

　このとき、文字を割り当てるセルの順序は、どのような順序であってもよく、例えば、アドレス（５，７）に近いセルから順に、文字を順次割り当てていってもよく、先頭文字が表示されるセル（例えば、横書きの場合は、左上角のセル、縦書きの場合は、右上角のセル）から順に、文字を順次割り当てていってもよい。

　これにより、例えば、図２２に示すように、１７行２６列のセルマトリクスの各セルに文字が割り当てられた状態となっていた文字表示情報管理テーブルは、図２３に示すように、８行１３列のセルマトリクスの各セルに文字が割り当てられた状態となる。

　なお、句読点「。」を先頭に置かないなどの、禁則処理を考えなければ、文字表示情報管理テーブルを用いなくとも、セルマトリクスの列数および行数、規定表示位置に対応するセル（本例では、セルマトリクスの中心のセル）のアドレス（上記例では、セルアドレス（５，７））、および規定表示位置に配置される基準情報（１文字）が決まれば、セルマトリクスを構成する個々のセルに対して、書籍データのどの文字が配置されるかは、容易に求められる。

　例えば、セルマトリクスの各セルに対して文字を割り当てる際、その順序として、先頭文字が表示されるセル（例えば、横書きの場合は、左上角のセル、縦書きの場合は、右上角のセル）から順に、文字を順次割り当てる方法を採用したとする。この場合、先頭文字が表示されるセルにどの文字が表示されるかを特定する必要がある。

　ここで、先頭文字が表示されるセルのアドレスを（１，１）とし、規定表示位置に対応するセルのセルアドレスを（ｘｓ，ｙｓ）とし、基準情報が配置されるセルを先頭文字が表示されるセルからＡｄｒ番目のセルであるとし、セルマトリクスの行数をＨ１とし、セルマトリクスの列数をＷ１とした場合、上記Ａｄｒは、左上角のセルを先頭文字が表示されるセルとする横書きの場合は、以下数式（９）によって求めることができ、右上角のセルを先頭文字が表示されるセルとする縦書きの場合は、以下数式（１０）によって求めることができる。

　例えば、図２１に示す例のように、右上角のセルを先頭文字が表示されるセルとする縦書きであり、基準情報が配置されるセルのセルアドレスが（５，７）の場合、ｘｓ＝５，Ｈ１＝８，ｙｓ＝７を上記数式（１０）に代入すると、Ａｄｒ＝５３が求められる。すなわち、セルアドレス（５，７）のセルは、先頭文字が表示されるセルから５３番目のセルであることが分かる。よって、先頭文字が表示されるセルには、セルアドレス（５，７）のセルに表示される文字よりも、５２個前の文字が表示されることが分かる。セルアドレス（５，７）のセルに表示される文字は、固有アドレスが２１３の文字「ら」であるから、２１３－５２＝１６１であるから、先頭文字が表示されるセルには、固有アドレスが１６１である文字「り」であることが分かる。これにより、先頭文字が表示されるセルに、文字「り」を割り当て、以降のセルにこれに続く文字を１セルにつき１文字づつ割り当てていけばよいことが分かる。

　（ステップＳ１８２２：書籍データの再表示）
　図２１は、フォントサイズの拡大に伴い、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。

　表示レイアウト変更部２１０は、文字表示情報管理テーブルに従い、変更後の表示レイアウト（各文字が、対応するセルの位置に配置された状態）で書籍データを表示するように、ディスプレイ駆動回路１０８に対して指示する。これにより、ディスプレイ１１０には、変更後の表示レイアウトで書籍データが表示されることとなる。

　図２１に示す例では、フォントサイズが拡大されたことによって再定義された８行１３列のセルマトリクスに応じて、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データは、その表示レイアウトが、１７行２６列から、８行１３列へ変更されている。そして、各文字の配置は、再生成された文字表示情報管理テーブル（図２３参照）に従ったものとなっている。

　図２１からも明らかなように、表示レイアウトの変更前にセルアドレス（９，１４）に表示されていた文字「ら」は、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置であるディスプレイ１１０の中央に対応するセルアドレス（５，７）に表示されている。すなわち、変更後の表示レイアウトは、あたかも文字「ら」の表示位置がディスプレイ１１０の中央に移動された後、全体が拡大されたかのような表示レイアウトとなっている。これにより、ユーザは、表示レイアウトの変更後も、違和感を覚えることなく、注目していた文字「ら」から、引き続き書籍データを読み続けることができる。

　（文字表示情報管理テーブルの具体例）
　次に、図２２および図２３を参照して、情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの具体例について説明する。図２２および図２３は、実施形態に係る情報端末装置１００によるレイアウト変更処理に用いられる、文字表示情報管理テーブルの一例を示す図である。

　図２２に示す文字表示情報管理テーブルは、図１７に示したように、書籍データの各文字が、１７行×２６列に配置された状態で表示されているときの、文字表示情報管理テーブルの状態を示す。

　一方、図２３に示す文字表示情報管理テーブルは、図２１に示したように、図１７に示した書籍データが、フォントサイズの拡大に伴い、新たに８行×２２列に配置された状態で表示されたときの、文字表示情報管理テーブルの状態を示す。

　図２２と図２３を比較すれば分かるように、表示レイアウトの変更前に表示されていた文字のうち、表示レイアウトの変更後の表示対象となった各文字には、新たなセルマトリクスのセルアドレスが割り当てられている。

　特に、表示レイアウトの変更前において、セルアドレス（９，１４）が割り当てられていた文字「ら」は、基準情報として指定されたことにより、表示レイアウトの変更後において、予め定められた位置であるディスプレイ１１０の中央に対応するセルのセルアドレス（５，７）が割り当てられている。

　なお、表示レイアウトの変更後の表示対象とならなかった各文字には、セルアドレスが割り当てられてなく、このため、図２３に示す例では、そのセルアドレス欄に「＊＊＊」が設定されている。

　このように、フォントサイズの拡大に伴い表示レイアウトが変更されるにつれ、文字表示情報管理テーブルは、刻々と変化することとなる。

　図２４は、実施形態に係る情報端末装置１００に対するピンチアウト操作による拡大操作と、実施形態に係る情報端末装置１００による表示内容の変化を示すイメージ図である。

　図２４（ａ）示す例では、ユーザが、情報端末装置１００に対して、ディスプレイ１１０に表示されている文字列「友達からぜひ来い」のうちの文字「ら」の表示位置を中心として、２つの指で、ピンチアウト操作による拡大操作を行っている。

　これによって、情報端末装置１００においては、上記文字「ら」が基準情報として自動的に決定されている。さらに、情報端末装置１００においては、上記拡大操作に伴う２本の指の間隔の変化量に応じて、上記拡大操作による拡大率が決定されている。

　その結果、情報端末装置１００においては、図２４（ｂ）に示すように、決定された拡大率によってフォントサイズが拡大され、これに伴い表示レイアウトが変更されており、さらに、上記文字「ら」の表示位置が、予め定められた位置であるディスプレイ１１０の中央に移動されている。

　これにより、ユーザは、拡大操作を行った後も、違和感を覚えることなく、注目していた文字「ら」から、引き続き書籍データを読み続けることができる。

　このように、本実施形態に係る情報端末装置１００は、フォントサイズの拡大に伴ってテキストデータの表示レイアウトを変更する際、表示レイアウトの変更後には基準情報が予め定められた規定表示位置に表示されるように、表示レイアウトを変更することとした。これにより、上記基準情報は、表示レイアウトの変更後、この規定表示位置に表示されることとなる。このため、表示レイアウトの変更後も、ユーザは、上記基準情報を容易に認識することができる。

　（縮小操作の一例）
　次に、書籍データに対する縮小操作の一例について説明する。

　縮小処理の場合も、図１８に示した拡大処理の手順と同様の手順で行われる。縮小処理の場合は、図１８に示したフローチャートの各ステップの処理内容は、以下のとおりとなる。

　（ステップＳ１８０２：ピンチイン操作の始点を指定）
　図２５は、ピンチイン操作の始点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。まず、図２５に示すように、ユーザは、２本の指をタッチパネル１０６に接触させることにより、その２本の指の接触位置を、ピンチインの始点（始点１および始点２）を指定する。各始点は、タッチパネル１０６によって検出され、そのアドレスとして、始点１（ＴＸ_１，ＴＹ_１）、始点２（ＴＸ_２，ＴＹ_２）が特定される。

　（ステップＳ１８０４～ステップＳ１８０８）
　ステップＳ１８０４（２つの始点の中心点を特定）、ステップＳ１８０６（基準情報の自動決定）、およびステップＳ１８０８（表示形態の変更）については、拡大処理と同様のため、説明を省略する。

　（ステップＳ１８１０：ピンチイン操作の終点を指定）
　図２６は、ピンチイン操作の終点が指定された状態の、書籍データの表示例を示す。図２６に示すように、ユーザは、図２５の状態（２本の指をタッチパネル１０６に接触させた状態）から、２本の指の間隔を狭め、その後の２本の指の接触位置を、ピンチインの終点（終点１および終点２）として指定する。各終点は、タッチパネル１０６によって検出され、そのアドレス、終点１（ＴＸ_３，ＴＹ_３）、終点２（ＴＸ_４，ＴＹ_４）が特定される。

　（ステップＳ１８１２～ステップＳ１８２０）
　ステップＳ１８１２（拡大率の決定）、ステップＳ１８１４（フォントサイズの変更）、ステップＳ１８１６（セルマトリクスの再定義、ステップＳ１８１８（基準情報の配置位置決定）、およびステップＳ１８２０（文字表示情報管理テーブルの再生成）については、拡大処理と同様のため、説明を省略する。

　（ステップＳ１８２２：書籍データの再表示）
　図２７は、フォントサイズの縮小に伴い、表示レイアウトが変更された後の、書籍データの表示例を示す。

　図２７に示す例では、フォントサイズが縮小されたことによって再定義された１７行２６列のセルマトリクスに応じて、ディスプレイ１１０に表示されている書籍データは、その表示レイアウトが、８行１３列から、１７行２６列へ変更されている。そして、各文字の配置は、再生成された文字表示情報管理テーブル（図２９参照）に従ったものとなっている。

　図２７からも明らかなように、表示レイアウトの変更前にセルアドレス（５，７）に表示されていた文字「ら」は、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置であるディスプレイ１１０の中央に対応するセルアドレス（９，１４）に表示されている。すなわち、変更後の表示レイアウトは、あたかも文字「ら」の表示位置がディスプレイ１１０の中央に移動された後、全体が拡大されたかのような表示レイアウトとなっている。これにより、ユーザは、表示レイアウトの変更後も、違和感を覚えることなく、注目していた文字「ら」から、引き続き書籍データを読み続けることができる。

　（文字表示情報管理テーブルの変化の具体例）
　次に、図２８および図２９を参照して、情報端末装置１００による縮小処理に伴う、文字表示情報管理テーブルの変化の具体例について説明する。図２８および図２９は、実施形態に係る情報端末装置１００による縮小処理に伴う、文字表示情報管理テーブルの変化の具体例を示す図である。

　図２８に示す文字表示情報管理テーブルは、図２５に示したように、書籍データの各文字が、８行×１３列に配置された状態で表示されているときの、文字表示情報管理テーブルの状態を示す。

　一方、図２９に示す文字表示情報管理テーブルは、図２７に示したように、図１６に示した書籍データが、フォントサイズの縮小に伴い、新たに１７行×２６列に配置された状態で表示されたときの、文字表示情報管理テーブルの状態を示す。

　図２８と図２９を比較すれば分かるように、表示レイアウトの変更前に表示されていた文字を含む、表示レイアウトの変更後の表示対象となった各文字には、新たなセルマトリクスのセルアドレスが割り当てられている。

　特に、表示レイアウトの変更前において、セルアドレス（５，７）が割り当てられていた文字「ら」は、基準情報として指定されたことにより、表示レイアウトの変更後において、予め定められた位置であるディスプレイ１１０の中央に対応するセルのセルアドレス（９，１４）が割り当てられている。

　このように、フォントサイズの縮小に伴い表示レイアウトが変更されるにつれ、文字表示情報管理テーブルは、刻々と変化することとなる。

　このように、本実施形態に係る情報端末装置１００は、フォントサイズの縮小に伴ってテキストデータの表示レイアウトを変更する際、表示レイアウトの変更後には基準情報が予め定められた規定表示位置に表示されるように、表示レイアウトを変更することとした。これにより、上記基準情報は、表示レイアウトの変更後、この規定表示位置に表示されることとなる。このため、表示レイアウトの変更後も、ユーザは、上記基準情報を容易に認識することができる。

　（変形例）
　以下、本実施形態の変形例を説明する。

　（変形例１）
　実施形態で説明したとおり、文字表示情報管理テーブルは、基準情報および規定表示位置を基準として、単に１セル＝１文字のルールに従い、セルマトリクスの各セルに文字を順次割り当てるものとなっており、一般的な文書ソフトウェアに用いられているような、表示位置の自動調整処理までは考慮されていない。

　そこで、実施形態の情報端末装置１００において、以下（１）～（３）のような表示位置調整処理を行って、各文字の表示位置を調整するようにしてもよい。この場合、文字表示情報管理テーブルに設定された表示位置を変更することによって表示位置を調整してもよく、文字表示情報管理テーブルに設定された表示位置を変更せずに、実際に文字を表示する際に表示位置を調整してもよい。
（１）改行記号に伴う改行。
（２）句読点「。」、「ゃ」、「ゅ」、「ょ」などの拗音、促音「っ」などの小さい字と他の文字の大きさなどを考慮して、小さい文字は字間を詰めるなどの調整に代表される文字の大きさによる調節。
（３）句読点（“、”および“。”）や、閉じ括弧（例えば、“）”や、“』”）等が行頭・行末などにあってはならないという禁止事項、または、それを回避するために、字詰めや文の長さを調整に代表される禁則処理。

　なお、上記表示位置調整処理を行う場合には、基準情報が、当初設定していた規定表示位置から僅かにズレたセルに配置される場合も発生するが、この程度のズレは本発明の規定表示位置の範囲内として許容するものとする。

　図３０は、拡大処理に伴う表示レイアウトの変更後、さらに禁則処理が行われた後の、書籍データの表示例を示す。例えば、文字表示情報管理テーブルにおいて、単に１セル＝１文字のルールに従い、各セルに文字を配置した場合、図２１に示した例では、９列目の先頭のセルに配置される文字が、読点「。」となっている。

　この場合、表示レイアウト変更部２１０は、禁則処理を行い、図３０に示すように、この読点「。」を、１０列目の末尾のセルに配置される文字「た」とともに、この１０列目の末尾のセル内に配置してもよい。

　この場合、この読点「。」に続く文字列の各文字は、図３０に示すように、その配置位置となるセルが１つづつ繰り上がり、文字表示情報管理テーブルにおいて、繰り上がり後のセルアドレスが割り当てられ、これに応じて表示されることとなる。

　このとき、基準情報「ら」も、規定表示位置とされたセルアドレス（５，７）から、１つ繰り上がり、セルアドレス（４，７）に再配置されることとなる。すなわち、基準情報「ら」の表示位置が規定表示位置からズレることになるが、この程度の僅かなズレは許容範囲内とみなすべきである。

　但し、この僅かなズレも生じさせたくない場合、例えば、基準情報「ら」以前の文字列の文字間隔を調整する等により、基準情報「ら」が、セルアドレス（５，７）に配置されたままとなるようにしてもよい。例えば、９列目の文字数を７文字とし、好ましくはさらに９列目の文字列の文字間隔を広げることにより、１～８列目については繰り上げを行う必要がなくなり、これにより、基準情報「ら」を、セルアドレス（５，７）に配置されたままとすることができる。

　なお、縮小処理の場合も、拡大処理と同様に、禁則処理等を行い、必要に応じて、文字表示情報管理テーブルのセルに対するテキストデータの割り宛てを変更してもよい。

　（変形例２）
　図３１および図３２は、フォントサイズの拡大操作および縮小操作の変形例を示す。実施形態では、タッチパネル１０６によるピンチイン・ピンチアウト操作を行うことにより、フォントサイズの拡大操作および縮小操作を行う例を説明した。これに限らず、フォントサイズの拡大操作および縮小操作としては、様々な方法が採用され得る。

　例えば、図３２に示すように、ディスプレイ１１０に表示されたスライドバー３０の操作や、図３１に示すように、ディスプレイに表示されたダイアログ３１からのフォントサイズの選択操作により、書籍データに対する拡大操作および縮小操作を行うように構成することもできる。これ以外にも、フォントサイズの拡大操作および縮小操作としては、タッチパネル１０６によるタップ操作、マウスによるクリック操作、拡大縮小率を示す数値の入力操作等、様々な方法が採用され得る。

　なお、上記例では、スライドバー３０およびダイアログ３１をそれぞれ単独で図示したが、テキストデータに重ねて表示したり、並べて表示したりしてもよい。
（プログラム、記憶媒体）
　実施形態で説明した情報端末装置１００の各機能は、集積回路（ＩＣチップ）上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、ＣＰＵ（Central Processing Unit）を用いてソフトウェア的に実現してもよい。

　例えば、情報端末装置１００は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するＣＰＵ、上記プログラムを格納したＲＯＭ（Read Only Memory）、上記プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の各種記憶装置（記録媒体）を備えている。そして、上記ＣＰＵが、上記各種記憶装置に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することによって、情報端末装置１００の各機能を実現することができる。

　上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー（登録商標）ディスク／ハードディスク等の磁気ディスクやＣＤ－ＲＯＭ／ＭＯ／ＭＤ／ＤＶＤ／ＣＤ－Ｒ等の光ディスクを含むディスク類、ＩＣカード（メモリカードを含む）／光カード等のカード類、マスクＲＯＭ／ＥＰＲＯＭ／ＥＥＰＲＯＭ／フラッシュＲＯＭ等の半導体メモリ類、あるいはＰＬＤ（Programmable logic device）やＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等の論理回路類等を用いることができる。

　なお、上記プログラムは、通信ネットワークを介して情報端末装置１００に供給されてもよい。この通信ネットワークは、少なくとも上記プログラムを情報端末装置１００に伝送可能であればよく、その種類はどのようなものであっても良い。例えば、通信ネットワークとしては、インターネット、イントラネット、エキストラネット、ＬＡＮ、ＩＳＤＮ、ＶＡＮ、ＣＡＴＶ通信網、仮想専用網（Virtual Private Network）、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。

　また、上記プログラムを情報端末装置１００に供給するための伝送媒体としても、どのような種類のものを利用しても良い。例えば、伝送媒体として、ＩＥＥＥ１３９４、ＵＳＢ、電力線搬送、ケーブルＴＶ回線、電話線、ＡＤＳＬ（Asymmetric Digital Subscriber Line）回線等の有線によるものを利用しても良い。また、伝送媒体として、ＩｒＤＡやリモコンのような赤外線、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＩＥＥＥ８０２１１無線、ＨＤＲ（High Data Rate）、ＮＦＣ（Near Field Communication）、ＤＬＮＡ、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線によるものを利用しても良い。

　（補足説明）
　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

　（本発明の適用対象）
　実施形態では、入力デバイスおよびディスプレイを備えている装置に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、ディスプレイが別体となっている装置や、入力デバイスが別体となっている装置にも、適用することができる。

　また、実施形態では、本発明を情報端末装置に適用した例を説明したが、少なくともディスプレイによる情報の表示を制御することが可能な装置であれば、これ以外の装置にも、本発明を適用することができる。例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、電子書籍端末、ＰＤＡ、テレビジョン受像機、カーナビゲーション装置等にも、本発明を適用することができる。

　また、実施形態では、テキストデータの一例として書籍データを用いたが、これに限らず、Ｅメールや、ＷＥＢページなど、少なくともテキストデータを含むものであれば、どのようなデータにも、本発明を適用することができる。

　（基準位置の決定方法）
　実施形態ではピンチイン操作／ピンチアウト操作の２つの始点位置を結ぶ線分の中点を基準位置として決定する例を説明したが、これに限らず、ピンチイン操作／ピンチアウト操作の２つの終点位置を結ぶ線分の中点を基準位置として決定するようにしてもよい。

　（基準情報の表示形態を変更するタイミング）
　実施形態では、表示レイアウトが変更される前に、基準情報の表示形態を変更することとしたが、これに限らず、例えば、表示レイアウトが変更される前には、基準情報の表示形態を変更せず、表示レイアウトの変更後に、基準情報の表示形態を変更するようにしてもよい。また、表示レイアウトが変更される前と、表示レイアウトの変更後とで、基準情報の表示形態を異ならせてもよい。要するに、表示レイアウトの変更後に、基準情報を容易に識別することが可能となっていれば、表示形態の変更タイミングや変更内容は如何なるものであってもよい。

　（規定表示位置）
　実施形態では、規定表示位置を表示領域の中央とする例を説明したが、これに限らず、左上角や、右上角等、どのような位置であってもよい。また、ユーザが自分の好みの位置を規定表示位置として予め設定しておくことができるようにしても良い。また、アプリケーションや、表示データ、表示方向（縦書き、横書き等）等に応じて、異なる規定表示位置が採用されてもよい。例えば、表示レイアウトの変更後、基準情報がテキストデータの先頭位置となるようにするには、縦書きの場合は、規定表示位置を右上角にするのが好ましく、横書きの場合、規定表示位置を左上角にするのが好ましい。

　（規定表示位置）
　実施形態では、規定表示位置をピクセル単位とする例を示したが、これに限らず、例えば、規定表示位置は、ある程度の範囲を有していてもよい。この場合、基準情報は、少なくとも一部が、この範囲内に表示されればよい。この場合も、この基準情報は、予め定められた位置に配置されたといえる。

　（規定表示位置への基準情報の配置）
　実施形態では、基準情報として文字列が指定された場合、その先頭文字を規定表示位置に対応するセルに配置する例を示したが、これに限らず、例えば、基準情報の中央に位置する文字や、末尾に位置する文字等、少なくともいずれか一文字が規定表示位置に対応するセルに配置されればよい。この場合も、この基準情報は、予め定められた位置に配置されたといえる。

　（基準情報の表示形態を異ならせる機能の省略）
　実施形態では、情報端末装置１００（表示制御回路１１４）が備える表示制御機能に、指定された基準情報の表示形態（色、下線、点滅等）を異ならせる機能を含めているが、この機能を含まない構成としてもよい。このような表示形態の変更を行わない場合でも、表示レイアウトの変更後、基準情報が予め定められた位置に配置されるので、ユーザは、注目していた情報を容易に把握することができる。

　（表示レイアウト変更後の書籍データの表示方法について）
　実施形態の情報端末装置１００において、表示レイアウト変更後の書籍データの表示方法は、結果的に表示レイアウト変更後の書籍データが表示されるのであれば、どのような方法を用いてもよい。

　例えば、セルマトリクスの全てのセルに文字を割り当ててから、この割り当てに従って、書籍データを表示してもよい。また、文字の割り当てが済んだセルから、順次このセルに割り当てられた文字を表示していくようにしてもよい。

　また、先頭文字の表示位置から、後方（末尾文字の表示位置の方向）に向かって、順次１文字ずつ文字を表示していくようにしてもよい。また、はじめに基準位置に対応するセルに基準情報を表示した後、基準位置よりも前方（先頭文字の表示位置の方向）に向かって、この基準位置から順次１文字ずつ文字を表示していくとともに、基準位置よりも後方（末尾文字の表示位置の方向）に向かって、この基準位置から順次１文字ずつ文字を表示していくようにしてもよい。

　また、複数の文字をまとめて表示するようにしてもよい。例えば、全ての文字をまとめて表示するようにしてもよい。全ての文字をまとめて表示する方法を採用した場合、ちらつきを軽減することができる。

　複数の文字をまとめて表示する方法としては、いわゆるダブルバッファリングが採用され得る。ダブルバッファリングとは、オフスクリーン領域に対して、１文字づつ文字を書き込んでいき、全ての文字の書き込みが終了した後、オフスクリーン領域をオンスクリーン領域に反映することで、複数の文字をまとめてする方法である。このように表示することで、ちらつきを軽減することができる。

　また、禁則処理等の表示調整処理を行う場合は、先に１度全ての文字を表示してから、後に表示調整処理を行ってもよく、先に表示調整処理を行ってから、後に文字を表示してもよい。先に表示調整処理を行う方法を採用した場合、表示上の文字列の移動を軽減することができるので、ちらつきを軽減することができる。

　また、１文字づつ表示していく場合は、１文字毎に表示調整処理の必要性を判断し、必要であればその都度表示調整処理を行うようにしてもよい。例えば、１文字づつ表示している途中で、改行文字が割り当てられている場合、この改行文字の適用ルールに従って、必要であれば（すなわち改行を適用するのであれば）、次の文字を改行後の位置に表示するといった具合である。

　（まとめ）
　以上のように、本実施形態に係る表示制御装置は、ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定手段と、前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更手段と、前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更手段とを備え、前記表示レイアウト変更手段は、前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更することを特徴とする。

　本実施形態によれば、指定された基準情報（すなわち、注目情報）が、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置に表示されることとなる。これにより、レイアウト変更後も、ユーザは、注目情報を容易に認識することができる。また、ユーザ操作に基づいて基準情報が決定されるため、ユーザが注目していた注目情報としてより適切な文字または文字列を基準情報として決定することができる。

　上記表示制御装置において、前記基準情報の表示形態を、他のデータの表示形態と異なるように変更する表示形態変更手段をさらに備えることが好ましい。

　この構成によれば、指定された基準情報（すなわち、注目情報）が、表示レイアウトの変更後、予め定められた位置に表示されるうえ、さらに、その表示形態が他のデータと異なるものとなる。これにより、レイアウト変更後も、ユーザは、注目情報をより容易に認識することができる。

　上記表示制御装置において、前記表示形態変更手段は、前記基準情報の文字色を、他のデータの文字色と異なるように変更することが好ましい。

　色の違いはユーザによって直感的かつ容易に認識されやすいものである。したがって、この構成によれば、ユーザは、注目情報をより直感的かつ容易に認識することができる。

　上記表示制御装置において、前記表示形態変更手段は、前記基準情報の背景色を、他のデータの背景色と異なるように変更することが好ましい。

　上記表示制御装置において、前記表示形態変更手段は、前記基準情報の点滅表示設定を、他のデータの点滅表示設定と異なるように変更することが好ましい。

　点滅表示設定の違い（すなわち、一方が点滅され、他方が点滅されていないこと）はユーザによって直感的かつ容易に認識されやすいものである。したがって、この構成によれば、ユーザは、注目情報をより直感的かつ容易に認識することができる。

　上記表示制御装置において、前記レイアウト変更手段は、前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の中心に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更することが好ましい。

　表示領域の中心は、ユーザによって目に付き易い位置であるといえる。したがって、この構成によれば、ユーザは、注目情報をより直感的かつ容易に認識することができる。

　上記表示制御装置において、前記レイアウト変更手段は、前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の右上隅に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更することが好ましい。

　表示領域の右上隅は、ユーザによって目に付き易い位置であるといえる。したがって、この構成によれば、ユーザは、注目情報をより直感的かつ容易に認識することができる。特に、この構成は、テキストデータが縦書き表示される場合に、有効である。

　上記表示制御装置において、前記レイアウト変更手段は、前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の左上隅に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更することが好ましい。

　表示領域の左上隅は、ユーザによって目に付き易い位置であるといえる。したがって、この構成によれば、ユーザは、注目情報をより直感的かつ容易に認識することができる。特に、この構成は、テキストデータが横書き表示される場合に、有効である。

　上記表示制御装置において、前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１文字であることが好ましい。

　文字は、テキストデータの最小表示単位である。したがって、この構成によれば、よりきめ細かく、基準情報をユーザに指定させることができる。このため、表示レイアウトの変更後、注目情報としてより適切な情報を予め定められた位置に表示することができる。

　上記表示制御装置において、前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１単語であることが好ましい。

　この構成によれば、ユーザがその意味を理解し易い１単語単位で基準情報が決定され、表示レイアウトの変更後、この基準情報が予め定められた位置に表示される。これにより、ユーザは、表示レイアウトの変更後、違和感を覚えることなく、テキストデータの閲覧を再開することができる。

　上記表示制御装置において、前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１語句または１文であることが好ましい。

　この構成によれば、ユーザがその意味を理解し易い１語句または１文単位で基準情報が決定され、表示レイアウトの変更後、この基準情報が予め定められた位置に表示される。これにより、ユーザは、表示レイアウトの変更後、違和感を覚えることなく、テキストデータの閲覧を再開することができる。

　上記表示制御装置において、前記基準情報決定手段は、前記表示設定を変更するためのユーザ操作として、タッチパネル上の２点を同時に指定するユーザ操作がなされた場合、当該２点を結ぶ線分の中点に表示されている文字または文字列を、前記基準情報として決定することが好ましい。

　この構成によれば、ユーザは、表示設定の変更と、基準情報の指定とを、１アクションで行うことができる。換言すれば、ユーザは、基準情報を指定することを意識することなく、表示設定の変更操作を行うことで、表示設定の変更のみならず、基準位置の指定までも行うことができる。したがって、この構成によれば、ユーザがテキストデータを閲覧する際の、ユーザ操作性を向上することができる。

　上記表示制御装置において、前記表示レイアウト変更手段は、前記表示レイアウトを変更する際、前記表示領域のサイズに応じて、複数のセルが組み合わされた表示レイアウト枠を生成し、前記複数のセルの各々に対して、前記テキストデータの文字の割り当てを行い、前記割り当てに従って、前記テキストデータの文字の各々を、前記表示領域における対応する位置に表示させることが好ましい。

　この構成によれば、セル単位で、表示位置の定義や管理がなされるため、より効率的に、表示レイアウトの変更を行うことができる。

　また、本実施形態に係る情報端末装置は、上記表示制御装置を備えることを特徴とする。

　本実施形態によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する情報端末装置を提供することができる。

　また、本実施形態に係る集積回路は、上記表示制御装置を備えることを特徴とする。

　本実施形態によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する集積回路を提供することができる。

　また、本実施形態に係る表示制御方法は、ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定工程と、前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更工程と、前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更工程とを含み、前記表示レイアウト変更工程では、前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更することを特徴とする。特に、当該表示制御方法において、前記基準情報の表示形態を、他のデータと異なるように変更する表示形態変更工程をさらに含むことが好ましい。

　本実施形態によれば、何らかの装置が当該表示制御方法を実行することにより、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。

　また、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータを上記表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記表示制御装置が備える上記各手段として機能させるプログラムである。

　本実施形態によれば、コンピュータが当該プログラムを実行することにより、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる。

　また、本実施形態に係る記録媒体は、上記プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。

　本実施形態によれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏することができる上記プログラムを当該記録媒体により提供することができる。

　本発明は、表示対象データの表示を制御することが可能な、各種表示制御装置、各種情報端末装置、各種集積回路、各種コンピュータ等に利用可能である。

１００　情報端末装置
１０２　処理回路
１０４　記憶装置
１０５　トラックボール
１０６　タッチパネル
１０７　操作ボタン
１０８　ディスプレイ駆動回路
１１０　ディスプレイ（表示装置）
１１２　無線通信モジュール
１１４　表示制御回路（表示制御装置）
２０２　データ表示部
２０４　ページ変更部
２０６　表示形態変更部（表示形態変更手段）
２０８　表示設定変更部（表示設定変更手段）
２１０　表示レイアウト変更部（表示レイアウト変更手段）
２１２　基準情報決定部（基準情報決定手段）
２１４　記憶部

Claims

　ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定手段と、
　前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更手段と、
　前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更手段と
　を備え、
　前記表示レイアウト変更手段は、
　前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更する
　ことを特徴とする表示制御装置。
　前記基準情報の表示形態を、他のデータの表示形態と異なるように変更する表示形態変更手段
　をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の表示制御装置。
　前記表示形態変更手段は、
　前記基準情報の文字色を、他のデータの文字色と異なるように変更する
　ことを特徴とする請求項２に記載の表示制御装置。
　前記表示形態変更手段は、
　前記基準情報の背景色を、他のデータの背景色と異なるように変更する
　ことを特徴とする請求項２または３に記載の表示制御装置。
　前記表示形態変更手段は、
　前記基準情報の点滅表示設定を、他のデータの点滅表示設定と異なるように変更する
　ことを特徴とする請求項２から４のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記レイアウト変更手段は、
　前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の中心に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する
　ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記レイアウト変更手段は、
　前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の右上隅に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する
　ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記レイアウト変更手段は、
　前記基準情報が、前記テキストデータの表示領域の左上隅に配置されるように、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する
　ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１文字である
　ことを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１単語である
　ことを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記基準情報は、前記テキストデータのうちのいずれか１語句または１文である
　ことを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記基準情報決定手段は、
　前記表示設定を変更するためのユーザ操作として、タッチパネル上の２点を同時に指定するユーザ操作がなされた場合、当該２点を結ぶ線分の中点に表示されている文字または文字列を、前記基準情報として決定する
　ことを特徴とする請求項１から１１のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　前記表示レイアウト変更手段は、前記表示レイアウトを変更する際、
　前記表示領域のサイズに応じて、複数のセルが組み合わされた表示レイアウト枠を生成し、
　前記複数のセルの各々に対して、前記テキストデータの文字の割り当てを行い、
　前記割り当てに従って、前記テキストデータの文字の各々を、前記表示領域における対応する位置に表示させる
　ことを特徴とする請求項１から１２のいずれか一項に記載の表示制御装置。
　請求項１から１３のいずれか一項に記載の表示制御装置を備える
　ことを特徴とする情報端末装置。
　請求項１から１３のいずれか一項に記載の表示制御装置を備える
　ことを特徴とする集積回路。
　ユーザ操作に応じて、表示領域に表示されているテキストデータのうちの一部の文字または文字列を基準情報として決定する基準情報決定工程と、
　前記表示領域に表示されているテキストデータの表示設定を変更する表示設定変更工程と、
　前記表示設定の変更に応じて、前記テキストデータの表示レイアウトを変更する表示レイアウト変更工程と
　を含み、
　前記表示レイアウト変更工程では、
　前記表示レイアウトの変更時に前記基準情報が決定されている場合、当該基準情報が前記表示領域の予め定められた位置に表示されるように、前記表示レイアウトを変更する
　ことを特徴とする表示制御方法。
　前記基準情報の表示形態を、他のデータと異なるように変更する表示形態変更工程
　をさらに含むことを特徴とする請求項１６に記載の表示制御方法。
　コンピュータを請求項１から１３のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記表示制御装置が備える前記各手段として機能させるプログラム。
　請求項１８に記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。