WO2012067009A1 - 発光素子および調光素子 - Google Patents

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豪 鎌田
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    • F21Y2115/00Light-generating elements of semiconductor light sources
    • F21Y2115/10Light-emitting diodes [LED]

Abstract

 発光素子は、一つの焦点を有する曲線形状を少なくとも含む断面形状を有する凹面ミラーと、前記凹面ミラーに光を照射する第1の光源であって、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記凹面ミラーで反射された光が、前記曲線形状の頂点と前記一つの焦点とを通る中心軸と交差する方向に指向性を有する位置に配置される第1の光源を少なくとも含む。

Description

発光素子および調光素子
 本発明は、発光素子および調光素子に関する。
 本願は、2010年11月18日に、日本に出願された特願2010-257871号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 指向性を有する光を射出可能な発光ダイオード(Light Emitting Diode, 以下、LEDと略記する)が提案されている。例えば、下記の特許文献1には、内部に凹面形状の反射面を有する凹状ケースと、凹状ケースの上部に設けられたリード構造と、リード構造上に搭載された発光素子と、を備えた反射型LEDが開示されている。下記の特許文献2には、内部に凹面形状の反射面を有する凹状ケースと、素子マウント部に搭載された複数個の発光素子と、を備えた反射型LEDが開示されている。下記の特許文献3には、複数の半導体発光素子が基板上に一列に配列された光源と、複数の半導体発光素子からの光を反射させる配向制御部材と、を備えた照明装置が開示されている。
特許第3982635号公報 特開2009-290008号公報 特開2007-287686号公報
 上記の特許文献1および特許文献2に記載の反射型LEDは、指向性を有する光が得られるものの、光の射出方向は一定であり、光の射出方向を切り換えることができない。そのため、これらの反射型LEDでは、例えばLED本体から斜め方向に光を射出させたいという要求に応えることができない。これに対して、上記の特許文献3に記載の照明装置は、LEDの光射出面の法線方向から傾いた方向に光を射出させることができる。しかしながら、この照明装置は、複雑な形状の配向制御部材を用いており、光の射出方向が配向制御部材の形状に依存するため、光の射出方向を精度良く制御するのが難しい。また、この照明装置も光の射出方向を切り換えることができない。
 本発明の一態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光の射出方向を容易に切り換えることが可能な発光素子の提供を目的の一つとする。また、この種の発光素子を用いることで、光の点灯、消灯、あるいは光量を領域毎に制御することが可能な調光素子の提供を目的の一つとする。
 本発明の一態様における発光素子は、一つの焦点を有する曲線形状を少なくとも含む断面形状を有する凹面ミラーと、 前記凹面ミラーに光を照射する第1の光源であって、前記一つの焦点からシフトさせた位置に配置であって、前記凹面ミラーで反射された光が、前記曲線形状の頂点と前記一つの焦点とを通る中心軸と交差する方向に指向性を有する位置に配置される第1の光源と、を少なくとも含む。
 本発明の一態様における発光素子は、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向が、前記中心軸と直交する成分を含んでいてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向が、前記中心軸と平行な成分を含んでいてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記第1の光源の光射出端面が前記中心軸と直交する平面に対して傾いていてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記前記第1の光源を含む複数の光源が設けられ、前記複数の光源は、点灯、消灯が個々の光源毎に制御されてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記複数の光源が、第2の光源を含み、前記第2の光源は前記焦点上に配置されていてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、さらに前記第1の光源を駆動するための配線を備え、前記配線が、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向と交差する方向に延在していてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記凹面ミラーに光を照射し、前記第1の光源含む第1の複数の光源が配列された第1の光源部と、前記凹面ミラーに光を照射し、第2の光源を含む第2の複数の光源が配列された第2の光源部を備え、前記第1の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、前記第2の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、前記第1及び第2の光源部が前記第1および第2の複数の光源の配列方向と異なる方向に配列されていてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記第1の複数の光源が、前記一つの焦点からのシフト量が互いに異なる位置に配置され、前記第1の複数の光源は、前記凹面ミラーで反射された光が、それぞれ異なる方向に指向性を有する位置に配置されていてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記第2の光源が、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記第2の光源から射出された光が、前記第1の光源から射出された光とは異なる方向に指向性を有する位置に配置されていてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記第1の複数の光源が直線状に配列され、前記第1および第2の光源部が前記第1の複数の光源の配列方向と直交する方向に直線状に配列され、前記第1の複数の光源間の配列ピッチが前記第1及び第2の光源部間の配列ピッチよりも小さくてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記第1の複数の光源が、赤色光を射出する光源と、緑色光を射出する光源と、青色光を射出する光源とを有してもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記焦点を有する曲線形状が円錐曲線であってもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記ミラーの曲線形状における中心領域の断面形状が放物面であり、前記ミラーの周縁部の断面形状が前記放物面を延長した仮想曲面の断面形状よりも急峻な勾配を有していてもよい。
 本発明の一態様における発光素子は、前記ミラーの径方向の座標をρ、前記中心軸方向の座標をz、コーニック係数をkとし、前記円錐曲線を下記の(1)式および(2)式で表したとき、
 ρ-2rz+(k-1)z=0 ……(1)
 z=(ρ/r)/(1+√(1-(1+k)(ρ/r))) ……(2)
 であって、前記コーニック係数kが、-0.5≦k≦-1を満たしてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、射出する光の量を制御可能な照明部と、前記照明部から射出された光が入射され、前記光を内部で全反射させつつ伝播させる導光体とを備え、前記導光体は、前記照明部から射出された光が導光体内部で全反射しつつ伝播される間に前記光を外部に取り出す複数の光取出領域を有し、前記複数の光取出領域のうちの少なくとも2つの光取出領域は、前記照明部から射出された光を外部に取り出し可能な入射角範囲が互いに異なり、前記導光体は、前記照明部から射出された光を、前記導光体の内部に複数の異なる伝播角度で伝播させるよう構成され、前記照明部は、発光素子を少なくとも一つ備え、 前記発光素子は、一つの焦点を有する曲線形状を少なくとも含む断面形状を有する凹面ミラーと、前記凹面ミラーに光を照射する第1の光源であって、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記凹面ミラーで反射された光が、前記曲線形状の頂点と前記一つの焦点とを通る中心軸と交差する方向に指向性を有する位置に配置される第1の光源を少なくとも含む。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記発光素子が、さらに前記第1の光源を駆動するための配線を備え、前記配線が、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向と交差する方向に延在していてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記発光素子が、前記凹面ミラーに光を照射し、前記第1の光源含む第1の複数の光源が配列された第1の光源部と、前記凹面ミラーに光を照射し、第2の光源を含む第2の複数の光源が配列された第2の光源部を備え、前記第1の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、前記第2の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、前記第1及び第2の光源部が前記第1および第2の複数の光源の配列方向と異なる方向に配列されていてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記第1の複数の光源が、それぞれ前記一つの焦点からのシフト量が異なる位置に配置され、前記第1の複数の光源は、前記凹面ミラーで反射された光が、それぞれ異なる方向に指向性を有する位置に配置されていてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記第2の光源は、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記第2の光源から射出された光が、前記第1の光源から射出された光とは異なる方向に指向性を有する位置に配置されてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記第1の複数の光源が直線状に配列され、前記第1および第2の光源部が前記第1の複数の光源の配列方向と直交する方向に配列され、前記第1の複数の光源間の配列ピッチが前記第1及び第2の光源部間の配列ピッチよりも小さくてもよい。
 本発明の他の態様における調光素子は、前記ミラーの曲線形状における中心領域の断面形状が放物面であり、前記ミラーの周縁部の断面形状が前記放物面を延長した仮想曲面の断面形状よりも急峻な勾配を有していてもよい。
 本発明の態様によれば、光の射出方向を容易に切り換えることが可能な発光素子を実現できる。また、本発明の態様によれば、光の点灯、消灯、あるいは光量を領域毎に制御することが可能な調光素子を実現できる。
第1実施形態のLED(発光素子)を示す斜視図である。 図1のA-A’線に沿う断面図である。 第1実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。 比較例1のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。 第1実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第2実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。 第2実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第2実施形態の第3実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。 第3実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第4実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第3実施形態の第5実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。 第5実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第4実施形態のLEDを示す斜視図である。 図12のA-A’線に沿う断面図である。 第4実施形態の第6実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。 第5実施形態のLEDを示す斜視図である。 第6実施形態のLEDにおいて凹面ミラーの断面形状について説明するための図である。 コーニック係数と光の射出角度および半値幅との関係を示すグラフである。 コーニック係数と光の射出角度および半値幅との関係を示すグラフである。 コーニック係数を変化させたときの凹面ミラーの断面形状について説明するための図である。 第7実施形態のバックライト(調光素子)を示す斜視図である。 第7実施形態のバックライトの動作を説明するための図である。 第7実施形態のバックライトに用いるLEDを示す断面図である。 第7実施形態のバックライトに用いるLEDを示す断面図である。 第7実施形態のバックライトに用いるLEDを示す断面図である。 第8実施形態のバックライトの動作を説明するための図である。 第8実施形態のバックライトに用いるLEDを示す断面図である。 上記実施形態のLEDを用いた照明装置の例を示す斜視図である。 上記実施形態のLEDを用いた照明装置の例を示す斜視図である。
[第1実施形態]
 以下、本発明の第1実施形態について、図1~図6を用いて説明する。
 本実施形態のLED(発光素子)は、1個のLEDチップを備えたLED、いわゆるシングルチップLEDの一例である。
 図1は、本実施形態のLED(発光素子)を示す斜視図である。図2は、図1のA-A’線に沿う断面図である。図3Aは、本実施形態のLEDの一具体例であって第1実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。図3Bは、比較例1のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。図4は、第1実施例のLEDにおいてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。図5は、本実施形態のLEDの一具体例であって第2実施例のLEDから射出された光の光路のシミュレーション結果を示す図である。図6は、第2実施例においてLEDチップのシフト量と光の射出方向および半値幅との関係を示すグラフである。
 なお、以下の全ての図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
 本実施形態のLED1(発光素子、LEDパッケージとも呼ぶ)は、図1および図2に示すように、パッケージ2と、放物面ミラー3(凹面ミラー)と、LEDチップ4(光源)と、封止材5と、を備えている。略直方体状のパッケージ2の上面に、内壁面が放物面となった凹部6が形成されている。パッケージ2を光射出側から見ると、パッケージ2の外形形状は正方形であり、凹部6の形状は円である。凹部6の内壁面に沿って光反射率の高い金属膜、誘電体多層膜等が形成されている。これら金属膜、誘電体多層膜等は、放物面ミラー3を構成している。パッケージ2は、例えばセラミックス、金属等の無機材料もしくは有機材料で構成されている。
 LEDチップ4は、基板7上に実装されている。基板7上に実装されたLEDチップ4は、光射出端面が放物面ミラー3に対向するように、パッケージ2の凹部6内に配置されている。本実施形態では、LEDチップ4の平面形状は正方形である。LEDチップ4は、白色光を射出するものであっても良いし、赤色光、緑色光、青色光等の単色光を射出するものであっても良い。パッケージ2の凹部6内には、LEDチップ4および基板7を埋め込むように封止材5が充填されている。封止材5には光透過率が高い材料を用いることが望ましく、例えばエポキシ樹脂、ガラス等が用いられる。その他、図示を省略するが、LED1には、LEDチップ4を駆動するための配線等が備えられている。
 放物面ミラー3の形状は、図2に示す中心軸Cを中心とした回転対称形である。放物面ミラー3の形状は、中心軸C上の符号Fで示す位置に放物面の焦点を有している。以下の説明では、図2の紙面の縦方向に延びる中心軸Cをx軸と定義し、x軸に対して垂直であって、かつパッケージの一辺(図2の紙面の横方向に延びる辺)に平行に延びる軸をy軸、x軸およびy軸に垂直な軸をz軸、と定義する。
 放物面ミラー3の表面(反射面)と中心軸Cとが交差する点を放物面ミラーの頂点Tと称する。本実施形態では、LEDチップ4は、焦点Fから+y軸方向に距離Sだけシフトした位置に配置されている。LEDチップ4は、光射出端面が中心軸Cに垂直(yz平面に対して平行)になるよう配置されている。詳細には、LEDチップ4は、発光層や電極等が積層されてなる発光部が半導体基板上に形成された構成である。
 LEDチップ4を放物面ミラー3の焦点F上に配置した場合、指向性が最も高い光が得られる。このとき、光の射出方向はx軸(中心軸Cに平行な方向)に一致する。ここで、本明細書においては、「光の射出方向」とは、LEDチップから射出した光が放物面ミラーで反射後、LEDパッケージ前面の射出面から出射する際の光の方向であって、LEDパッケージが射出する光の射出方向に対する光の輝度分布において、ピーク輝度における光の射出方向を意味する。
 これに対して、本実施形態のLEDでは、LEDチップ4の位置が焦点Fから+y軸方向にシフトしているが、この構成においても、高い指向性を維持することができる。また、光の射出方向Lは、中心軸Cと交差する方向であって、LEDチップ4のシフト方向と反対側である-y軸方向に斜めに傾いた方向となる。LEDチップ4のシフト量Sを変えることにより、光の射出方向と指向性とを制御することができる。これについては、次の実施例1,2で説明する。
 具体的に、「光の射出方向」をLEDチップが射出する光の射出方向に対する光の輝度分布との関係で説明すると以下のようになる。後述するように、LEDチップが射出する光は、一方向に指向性を有するのではなく、射出角度に分布を有する。従って、LEDチップが射出する光の射出方向に対して、光の輝度分布が生じる。ここで、本実施形態のLEDチップはある一定の指向性を有することから、光の輝度分布はピーク輝度を有する。このピーク輝度における光の射出方向を本明細書においては「光の射出方向」とする。
 このように、本実施形態によれば、光の射出方向を制御するための部材を新たに用いることなく、光の射出方向を容易に変更可能なLEDを実現できる。
[実施例1]
 本発明者らは、本実施形態のLED1を基本として、光の射出方向を±10度で制御するための設計をシミュレーションにより行った。その結果について説明する。
 実施例1のLED1では、パッケージ2の一辺の長さを4mm、LEDチップ4を構成する基板の一辺の長さを1mm、発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を4mm、とし、LEDチップ4の位置を焦点Fの位置から+y軸方向に0.5mmシフトさせた。同じサイズのLED1を用い、LEDチップ4を焦点F上に配置したものを比較例1とした。
 図3Aに、実施例1のLED1における射出光のシミュレーション結果を示す。図3Bに、比較例1のLEDにおける射出光のシミュレーション結果を示す。ともに、LEDチップ4から放物面ミラー3を経て放物面ミラー3と反対側に延在する実線が、LEDチップ4の各所から射出された光束を表している。図3Aおよび図3Bから判るように、比較例1のLEDでは光の射出方向はx軸と平行であるが、実施例1のLED1では光の射出方向はx軸に対して約15度傾いている。このとき、実施例1のLED1でも、十分に高い指向性を維持できている。
 さらに、実施例1のLED1において、LEDチップ4のシフト量を種々変化させ、LEDチップ4のシフト量と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図4のグラフに示す。指向性を示す指標としては射出光の輝度分布の半値幅を用いた。すなわち、指向性が高いことは半値幅が小さいことに対応する。図4における横軸はLEDチップ4のシフト量[mm]、縦軸はx軸を基準とした射出角度[度]および半値幅[度]である。LEDチップ4からの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。図4から判るように、LEDチップ4のシフト量を±0.5mm程度とすると、光の射出角度を±15度程度変化させることができ、半値幅を±10度以下に抑えることができた。LEDチップ4のシフト量を±0.5mmよりも大きくすると、光の射出方向は更に大きく変化させることができたが、半値幅が±10度より大きくなり、指向性が若干低下した。
[実施例2]
 実施例2のLED1では、パッケージの一辺の長さ、放物面ミラーの曲率半径、およびLEDチップ4のシフト量を実施例1と変えた。具体的には、実施例2においては、パッケージ2の一辺の長さを8mm、LEDチップ4を構成する基板の一辺の長さを1mm、発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を5.4mm、とし、LEDチップ4の位置を焦点Fの位置から+y軸方向に0.7mmシフトさせた。
 図5に、実施例2のLED1における射出光のシミュレーション結果を示す。図5から判るように、実施例2のLED1では光の射出方向はx軸に対して約10度傾いている。また、実施例1と同様、十分に高い指向性を維持できている。
 さらに、実施例2のLED1において、LEDチップ4のシフト量を種々変化させ、LEDチップ4のシフト量と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図6のグラフに示す。LEDチップ4からの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。図6から判るように、LEDチップ4のシフト量を±0.7mm程度とすると、射出方向を±10度程度変化させることができ、半値幅を±5度以下に抑えることができる。LEDチップ4のシフト量を±0.5mmよりも大きくすると、光の射出方向を更に大きく変化させることができた。実施例1の結果と実施例2の結果とを比較すると、実施例2のようにパッケージのサイズを大きくした場合の方が指向性の変化量が少なくなり、半値幅は±5度以下を実現できた。
[第2実施形態]
 以下、本発明の第2実施形態について、図7~図9を用いて説明する。
 本実施形態のLED1の基本構成は第1実施形態と同様であり、LEDチップ4の配置が第1実施形態と異なる。よって、本実施形態ではLED1の基本構成の説明は省略し、LEDチップ4の配置のみについて説明する。
 第1実施形態では、LEDチップ4の位置が、焦点Fから+Y軸方向にシフトし、X軸方向にはシフトしていなかった。これに対して、本実施形態では、図7に示すように、LEDチップ4が、焦点Fから+y軸方向にシフトし、かつ、-x軸方向にもシフトした位置に配置されている。
 本実施形態においても、光の射出方向を制御するための部材を新たに用いることなく、光の射出方向を容易に変更可能なLED1を実現できる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
[実施例3]
 本発明者らは、本実施形態のLED1を基本として、光の射出方向を±10度で制御するための設計をシミュレーションにより行った。その結果について説明する。
 実施例3のLED1では、パッケージ2の一辺の長さを8mm、LEDチップ4を構成する基板の一辺の長さを1mm、発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を5.4mm、とし、LEDチップ4の位置を焦点の位置から+y軸方向に0.7mmシフトさせ、かつ、-x軸方向(すなわち放物面ミラー3に近付く方向)に-1.0mmシフトさせた。
 図7に、実施例3のLED1における射出光のシミュレーション結果を示す。図7から判るように、実施例3のLED1では光の射出方向はx軸に対して約10~15度傾いている。このとき、十分に高い指向性を維持できている。
 さらに、実施例3のLED1において、LEDチップ4のx軸方向のシフト量を種々変化させ、LEDチップ4のシフト量と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図8のグラフに示す。図8のグラフの横軸はLEDチップ4のx軸方向のシフト量[mm]、縦軸はx軸を基準とした射出角度[度]および半値幅[度]である。LEDチップ4からの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。図8から判るように、LEDチップ4のy軸方向のシフト量を±0.7mmとした上で、LEDチップ4をx軸方向にもシフトさせると、x軸方向のシフト量が変化しても光の射出角度は12~13度の範囲であまり変化しなかった。これに対して、指向性については、LEDチップ4をx軸方向にシフトさせると、x軸方向のシフト量に応じて半値幅が約±5~±10度の範囲で変化した。この結果から、半値幅が±10度以内で変化しても構わない場合には、LEDチップ4をx軸方向に±1mm程度シフトさせても良いことが判った。
[実施例4]
 実施例4のLED1では、パッケージ2の一辺の長さ、およびLEDチップ4のシフト量を実施例3と変えた。具体的には、実施例4においては、パッケージ2の一辺の長さを6mm、LEDチップ4を構成する基板の一辺の長さを1mm、発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を5.4mm、とし、LEDチップ4の位置を焦点の位置から+y軸方向に0.6mmシフトさせ、かつ、-x軸方向(すなわち放物面ミラーに近付く方向)に-1.0mmシフトさせた。
 実施例4のLED1において、LEDチップ4のX軸方向のシフト量を種々変化させ、LEDチップ4のシフト量と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図9のグラフに示す。LEDチップ4からの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。図8および図9から判るように、実施例3の結果と実施例4の結果を比較すると、パッケージ2のサイズが変わっても、LEDチップ4のx軸方向のシフト量に対する光の射出角度の関係は殆ど変わらなかった。ところが、実施例4のようにパッケージ2のサイズが小さい場合、指向性の変化量が実施例3と比べて大きくなることが判った。
[第3実施形態]
 以下、本発明の第3実施形態について、図10、図11を用いて説明する。
 本実施形態のLED1の基本構成は第1実施形態と同様であり、LEDチップ4の配置が第1実施形態と異なる。よって、本実施形態ではLED1の基本構成の説明は省略し、LEDチップ4の配置のみについて説明する。
 第1実施形態では、LEDチップ4の光射出端面がyz平面に対して平行に設置されていた。これに対して、本実施形態では、図10に示すように、LEDチップ4は、焦点Fから+y軸方向にシフトした上で光射出端面がyz平面に対して非平行になるよう配置されている。すなわち、LEDチップ4は、LEDチップ4の中心を通り、z軸方向に平行な回転軸を中心として反時計回りに回転させて配置されている。
 本実施形態においても、光の射出方向を制御するための部材を新たに用いることなく、光の射出方向を容易に変更可能なLEDを実現できる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
[実施例5]
 本発明者らは、本実施形態のLED1を基本として、光の射出方向を±10度で制御するための設計をシミュレーションにより行った。その結果について説明する。
 実施例5のLED1では、パッケージ2の一辺の長さtを8mm、LEDチップ4を構成する基板の一辺の長さを1mm、発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を5.4mm、とし、LEDチップ4の位置を焦点の位置から+y軸方向に0.7mmシフトさせ、かつ、LEDチップ4の光射出端面を+y軸方向を基準として反時計回りに30度回転させた。
 図10に、実施例5のLED1における射出光のシミュレーション結果を示す。図10から判るように、実施例5のLED1では光の射出方向はx軸に対して約10度傾いている。
 また、十分に高い指向性を維持できている。
 さらに、実施例5のLED1において、LEDチップ4の回転角を種々変化させ、LEDチップ4の回転角と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図11のグラフに示す。図11のグラフの横軸は+y軸方向を基準としたLEDチップ4の回転角[度]、縦軸は+x軸を基準とした射出角度[度]および半値幅[度]である。LEDチップ4からの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。図11から判るように、LEDチップ4の回転角、すなわちLEDチップ4の設置角度を変化させても、光の射出方向および半値幅は殆ど変化しないことが判った。したがって、LEDチップ4は、光射出端面が必ずしもパッケージ2の中心軸Cに垂直になる姿勢で設置しなくても良いことが判った。
[第4実施形態]
 以下、本発明の第4実施形態について、図12~図14を用いて説明する。
 本実施形態のLED10の基本構成は第1実施形態と同様である。ただし、第1実施形態のLED1は1個のLEDチップを備えたシングルチップLEDであったのに対し、本実施形態のLED10は複数個のLEDチップ11、12、13を備えたマルチチップLEDである点が異なる。したがって、第1実施形態のLED1と共通な部分の説明は省略し、LEDチップ11、12、13周辺のみについて説明する。
 図12~図14において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
 本実施形態のLED10は、図12に示すように、3個のLEDチップ11,12,13が直線状に配列された形態でパッケージ2の凹部6内に配置されている。3個のLEDチップ11,12,13は、図13に示すように、中心軸Cと直交するy軸方向に配列されている。中央に位置するLEDチップ12は、焦点F上に配置されている。左側に位置するLEDチップ11は、焦点Fから+y軸方向にシフトした位置に配置されている。右側に位置するLEDチップ13は、焦点Fから-y軸方向にシフトした位置に配置されている。中央のLEDチップ12に対する左右のLEDチップ11,13のシフト量は、例えば±0.7~0.8mm程度である。
 3個のLEDチップ11,12,13は、点灯、消灯が個々のLEDチップ毎に独立して制御できる構成となっている。よって、LEDチップ11を点灯させると、光L11は図13の右斜め上方に射出される。LEDチップ12を点灯させると、光L12は図13の上方に射出される。LEDチップ13を点灯させると、光L13は図13の左斜め上方に射出される。各LEDチップ11,12,13には駆動用の配線14が接続されている。これらの配線14は、中心軸Cと直交する平面(yz平面)内においてLEDチップ11,12,13のシフト方向(y軸方向)と直交する方向(z軸方向)に延在している。
 本実施形態においても、光の射出方向を制御するための部材を新たに用いることなく、光の射出方向を容易に変更可能なLED10を実現できる、という第1~第3実施形態と同様の効果が得られる。特に本実施形態の場合、3個のLEDチップ11,12,13を搭載しているため、個々のLEDチップ11,12,13の点灯、消灯を切り換えることで、光の射出方向を3段階に切り換えることができる。また、駆動用の配線14がLEDチップ11,12,13のシフト方向と直交する方向に延在しているため、光の射出方向を振ったときに配線の影が生じにくい。
[実施例6]
 本発明者らは、本実施形態のマルチチップLEDであるLED10を基本として、光の射出方向を±10度で制御するための設計をシミュレーションにより行った。その結果について説明する。
 実施例6のLED10では、パッケージ2の一辺の長さを8mm、各LEDチップ11,12,13を構成する基板の寸法を2mm×0.8mm、各発光部の一辺の長さを250μm、放物面ミラー3の曲率半径を5.4mm、とした。
 実施例6のLED10において、中央のLEDチップ12に対する左右のLEDチップ11および13のシフト量を種々変化させ、LEDチップ11および13のシフト量と光の射出方向および指向性との関係を調べた。その結果を図14のグラフに示す。図14から判るように、実施例6においては、LEDチップ11および13のシフト量を±0.7mm~±0.8mmに設定すれば、光の射出方向を±10度振ることができることが判った。またこのとき、半値幅10°以下を維持できることが判った。
[第5実施形態]
 以下、本発明の第5実施形態について、図15を用いて説明する。
 本実施形態のLED17は、第4実施形態と同様、マルチチップLEDである。ただし、第4実施形態のLED10は白色光もしくは赤、緑、青のいずれかの単色光を射出するLEDチップ11、12、13を備えていたのに対し、本実施形態のLED17は赤、緑、青の単色光を射出するLEDチップ18R、18G、18Bを全て備えている点が異なる。第1実施形態のLED1と共通な部分の説明は省略し、LEDチップ18R、18G、18B周辺の構成について説明する。
 図15において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明は省略する。
 本実施形態のLED17(発光素子)は、図15に示すように、互いに異なる波長域の単色光を射出する3個のLEDチップ18R,18G,18B(光源)が直線状に配列された光源部19L,19C,19Rが3組備えられている。すなわち、本実施形態のLED17は、合計9個のLEDチップ18R,18G,18Bを備えている。1組の光源部19L,19C,19Rを構成する3個のLEDチップ18R,18G,18Bは、それぞれ、赤色光を射出する赤色LEDチップ18R、緑色光を射出する緑色LEDチップ18G、青色光を射出する青色LEDチップ18Bである。LEDチップ18R,18G,18Bは、z軸方向に直線状に配列されている。したがって、1組の光源部19L,19C,19Rにおいては、各LEDチップ18R,18G,18Bから射出される赤色光、緑色光、青色光が合成されて白色光が射出される。
 3組の光源部19L,19C,19Rは、3個のLEDチップ18R,18G,18Bの配列方向と直交するy軸方向に配列されている。本実施形態の場合、3組の光源部19L,19C,19Rのうち、中央の光源部19Cの中央に位置する緑色LEDチップ18Gが放物面ミラー3の焦点F上に配置されている。したがって、中央の光源部19Cにおいて、赤色LEDチップ18Rおよび青色LEDチップ18Bの位置は焦点Fからシフトしている。
 中央の光源部19Cを中心として両側方の光源部19R,19Lは、それぞれ焦点Fに対して+y軸方向、-y軸方向にシフトした位置に配置されている。3個のLEDチップ18R,18G,18B間の配列ピッチは、例えば0.2mm以下に設定されている。3組の光源部19L,19C,19R間の配列ピッチは、例えば0.7mm~0.8mm程度に設定されている。すなわち、3個のLEDチップ18R,18G,18B間の配列ピッチは、3組の光源部19L,19C,19R間の配列ピッチよりも小さい。
 9個のLEDチップ18R,18G,18Bは、点灯、消灯が個々のLEDチップ毎に独立して制御できる構成となっている。同じ組の赤色LEDチップ18R、緑色LEDチップ18G、および青色LEDチップ18Bを同時に点灯することにより白色光を得ることができる。あるいは、赤色LEDチップ18R、緑色LEDチップ18G、青色LEDチップ18Bのいずれか一つを点灯することにより赤色光、緑色光、青色光のいずれかの単色光を得ることもできる。その他、3個のLEDチップ18R,18G,18Bのうちの2個のLEDチップを点灯させたり、各LEDチップの光量を調整したりすれば、様々な色の光を得ることができる。そして、いずれの組の光源部19L,19C,19Rを点灯させるかにより、白色光もしくは種々の色光の射出方向を3段階に切り換えることができる。
 本実施形態においても、光の射出方向を制御するための部材を新たに用いることなく、光の射出方向を容易に変更可能なLED17を実現できる、という第1~第4実施形態と同様の効果が得られる。特に本実施形態の場合、光の射出方向を3段階に切り換えることができることに加えて、発光色を制御することもできる。
 白色光を射出する場合、3個のLEDチップ18R,18G,18B間の配列ピッチが例えば0.2mm以下程度に設定されているため、同じ組の中の赤色光、緑色光、青色光が確実に合成され、色ずれのない白色光が得られる。同時に、3組の光源部19L,19C,19R間の配列ピッチが例えば0.7mm~0.8mm程度に設定されているため、光の射出方向を±10度程度の範囲で確実に分離することができる。
[第6実施形態]
 以下、本発明の第6実施形態について、図16~図18を用いて説明する。
 本実施形態のLEDの基本構成は第1実施形態のLED1と同様である。ただし、第1実施形態のLEDが放物面ミラーを備えていたのに対し、本実施形態のLEDは凹面ミラーの形状が第1実施形態と異なっている。
 第1~第4実施形態においては、凹面ミラーの形状は放物面であると説明した。これに対し、本実施形態で用いることが可能な凹面ミラーの形状は、放物面を含む概念として円錐曲面ということができる。円錐曲面の頂点を通る断面の形状を示す曲線は二次曲線と呼ばれ、円錐を任意の平面で切り取った断面から得られる曲線である。二次曲線はミラーの径方向の座標をρ、前記中心軸方向の座標をz、コーニック係数をkとすると、下記の(1)式、(2)式で表すことができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 (1)式、(2)式におけるコーニック係数kの値によって二次曲線は形を変える。二次曲線は、例えばk=0のときに円となり、k=-0.25のときに楕円曲線となり、k=-1のときに放物線となり、k=-2のときに双曲線となる。二次曲線の形状の例を図16に示す。図16において、1点鎖線が楕円曲線を示し、破線が双曲線を示し、実線が放物線を示している。本実施形態では、これらの二次曲線を断面形状とする凹面ミラーを用いることができる。
 例えば第4実施形態の図14に示したように、LEDチップ11および13の焦点Fからのシフト量を大きくすると、光の射出角度を大きくできる一方、指向性が若干低下する。その場合、次に説明するように、凹面ミラーを放物面形状から他の形状に変えることにより指向性を高めることができる。
 図17Aおよび図17Bはコーニック係数と光の射出方向および指向性との関係を示すグラフである。図17Aおよび図17Bの横軸はコーニック係数であり、縦軸は光の射出角度[度]および半値幅[度]、である。図17Aは、LEDチップのシフト量が0mmの場合のコーニック係数と光の射出方向および指向性との関係を示している。図17Bは、LEDチップのシフト量がy軸方向に-0.8mmの場合のコーニック係数と光の射出方向および指向性との関係を示している。LEDチップからの光の射出角度を実線で示し、射出光の輝度分布の半値幅を破線で示す。
 図17Aに示すように、LEDチップのシフト量が0mmの場合、コーニック係数kが-1のときに半値幅が極小値を示し、指向性が最も高くなることが判る。また、極小値近辺では半値幅が緩やかに変化しており、指向性が高い領域のマージンが比較的大きいことが判る。一方、図17Bに示すように、LEDチップのシフト量がy軸方向に-0.8mmの場合、コーニック係数kが-0.875のときに半値幅が極小値を示し、指向性が最も高くなることが判る。コーニック係数kが-0.5≦k≦-1の範囲では半値幅が比較的緩やかに変化しており、指向性が高い領域であることが判る。また、LEDチップを焦点からシフトさせると、コーニック係数kの変化に伴い、光の射出角度も若干変化することが判る。
 図18は、コーニック係数kが-1のときの曲線形状と-0.875のときの曲線形状、すなわち、上記2つのコーニック係数kにおける凹面ミラーの断面形状を示している。
 図18において、実線がk=-1である放物面ミラーの断面形状を示し、破線がk=-0.875である凹面ミラーの断面形状を示している。k=-0.875の凹面ミラーの断面形状を示す曲線は、中心領域では放物面ミラーの断面形状を示す曲線と一致しているが、周縁部では放物面ミラーの断面形状を示す曲線よりも急峻な勾配を有している。簡単に言えば、凹面ミラーの形状を、放物面ミラーの中心領域の曲率を変えることなく、周縁部の勾配をより急峻に立ち上げた形状とすることによって、凹面ミラーから射出される光の指向性を高めることができる。
 ここで、中心領域とは、放物面(円錐曲面)の全幅に対して、頂部を中心として50%の幅の範囲を指す。例えば、図18においては、-10≦ρ≦10の放物面(円錐曲面)であるから、中心領域は-5≦ρ≦5となる。
 表1および表2は、シフト量が0mmの場合とシフト量がy軸方向に-0.8mmの場合とにおけるコーニック係数と光の射出方向および指向性との関係を具体的な数値で示している。表1はシフト量が0mmの場合を示し、表2はシフト量がy軸方向に-0.8mmの場合を示している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表1に示すように、シフト量が0mmの場合の半値幅は、コーニック係数kが-1のときに1.41、コーニック係数kが-0.875のときに1.50であり、あまり変化しないことが判る。これに対して、シフト量がy軸方向に-0.8mmの場合の半値幅は、コーニック係数kが-1のときに4.05、コーニック係数kが-0.875のときに3.53である。すなわち、コーニック係数kが-1のときに比べて-0.875としたときに半値幅が小さくなっていることが判る。このように、コーニック係数を最適化することによって、光の射出方向を所望の方向に維持しつつ、指向性を高められることが実証された。
[第7実施形態]
 以下、本発明の第7実施形態について、図19、図20A~20Dを用いて説明する。
 本実施形態では、上記実施形態のLEDを透過型液晶表示装置のバックライトに用いた応用例について説明する。
 図19は、本実施形態の液晶表示装置を示す斜視図である。図20Aは、図19のB-B’線に沿う断面図であり、図20B~図20Dは、バックライトに備えられた3個のLEDをそれぞれ示す断面図である。
 本実施形態の液晶表示装置21(表示装置)は、図19に示すように、液晶パネル22(表示素子)と、液晶パネル22の背面側に配置されたバックライト23(調光素子)と、を有している。液晶パネル22は、バックライト23から射出された光を利用して表示を行う透過型の液晶パネルである。使用者は、バックライト23の反対側、すなわち、図19における液晶パネル22の上側から表示を視認する。
 本実施形態において、液晶パネル22の構成は特に限定されるものではなく、スイッチング用薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor,以下、TFTと略記する)を画素毎に備えたアクティブマトリクス方式の液晶パネルであっても良いし、TFTを備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであっても良い。また、透過型の液晶パネルに限らず、半透過型(透過・反射兼用型)の液晶パネルであっても良い。表示モードについても、特に限定されることはなく、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード等、種々の表示モードの液晶パネルを用いることができる。
 本実施形態のバックライト23は、後述する導光体の全面から光が均一に射出される訳ではなく、全面を複数個(本実施形態では9個)に分割した光取出領域毎に、射出する光の量を制御できるようになっている。すなわち、本実施形態のバックライト23は複数の光取出領域の各々が調光機能を有しており、バックライト23全体として、特定の光取出領域だけ光を射出させたり、射出させなかったりすることができる。あるいは、特定の光取出領域から射出される光の量を他の光取出領域から射出される光の量に対して変化させることができる。
 次に、本実施形態のバックライト23の構成について詳細に説明する。
 本実施形態のバックライト23は、図19に示すように、寸法、形状、構成が全て同一の3個のバックライトユニット24から構成されている。3個のバックライトユニット24は、後述する導光体25の長手方向と直交する方向、すなわち、導光体25の3つの光取出領域RA,RB,RCが並ぶ方向と直交する方向(図19のy軸方向)に互いに隣接して配置されている。したがって、バックライト23は、液晶表示装置21の画面における水平方向および垂直方向に沿って3個ずつ、合計9個の光取出領域RA,RB,RCを有している。
 各バックライトユニット24は3個のLED27a,27b,27c(発光素子)と導光体25とから構成されている。導光体25は、例えばアクリル樹脂等の光透過性を有する樹脂からなる平行平板で構成されている。ここでは、バックライト23が、導光体が別体の3個のバックライトユニット24から構成されている例を示すが、合計9個の光取出領域RA,RB,RCを有する導光体が一体の構造であっても良い。この構造であっても、指向性の高いLEDを用いることで、光を射出させる光取出領域RA,RB,RCを選択することが可能である。
 導光体25の1つの端面に、3個のLED27a,27b,27cが光射出側を導光体25側に向けて設置されている。導光体25は、各LED27a,27b,27cから射出された光が入射され、その光を内部で全反射させつつ、LED27a,27b,27cが設置された端面側から反対側の端面(図19の-x方向から+x方向)に向けて伝播させ、その間に外部空間に取り出す機能を有している。LED27a,27b,27cが設置された導光体25の端面は、液晶パネル22に対向する側の主面25aに対して傾斜している。
 3個のLED27a,27b,27cは、個々に独立して点灯、消灯が制御でき、さらに射出光量が制御できる構成となっている。図19では図示を省略したが、バックライト23には、LED27a,27b,27cが実装されるプリント配線板、LED27a,27b,27cの駆動および制御を担う駆動用ICを含む制御部などが備えられている。
 本実施形態には、高い指向性を有するLED27a,27b,27cを用いることが好ましく、例えば導光体25内部を光が導光する間の射出光の広がり角に対する強度分布の半値幅が10度程度のものを用いることができる。
 導光体25の2つの主面のうち、液晶パネル22に対向する側の主面25aには、複数(本実施形態では3つ)の光取出領域RA,RB,RCが導光体25の長手方向(図19のx軸方向)に沿って設けられている。各光取出領域RA,RB,RCには、導光体25の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率体28a,28bおよび導光体25の屈折率と等しい屈折率を有する屈折率体29と、各低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29から射出された光を内部で反射させて外部空間に射出させる複数の光散乱体30と、がこの順に積層されている。
 以下の説明では、便宜上、各光取出領域を、LED27a,7b,7cに近い側から遠い側に向けて、第1光取出領域RA、第2光取出領域RB、第3光取出領域RC、と称する。また、第1、第2および第3光取出領域RA,RB,RCが設けられた導光体25の主面を第1主面25aと称する。第1主面25aの反対側の主面を第2主面25bと称する。LED27a,27b,27cが設けられた導光体25の端面を第1端面25cと称する。第1端面25cの反対側の端面を第2端面25d、と称する。
 上述したように、低屈折率体28a,28bは、いずれも導光体25の屈折率よりも低い屈折率を有し、屈折率体29は、導光体25の屈折率と等しい屈折率を有している。低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29はそれぞれ異なる屈折率を有している。また、低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29は、各LED27a,27b,27cから射出されて各光取出領域RA,RB,RCに入射される光の伝播方向に沿って(図19の-x方向から+x方向に向けて)、屈折率が相対的に低いものから屈折率が相対的に高いものの順に配列されている。本実施形態の一例として、導光体25の屈折率nWGが1.5であるのに対し、第1光取出領域RAに設けられた第1低屈折率体28aの屈折率nAが1.3、第2光取出領域RBに設けられた第2低屈折率体28bの屈折率nBが1.4、第3光取出領域RCに設けられた屈折率体29の屈折率nCが1.5に設定されている。
 低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29上には、光散乱体30が形成されている。光散乱体30は、低屈折率体28a,28bもしくは屈折率体29から入射された光を散乱させてバックライト23の外部空間に取り出す機能を有している。具体的には、光散乱体30として、ベースフィルム上に散乱ビーズ等がコーティングされた市販の光散乱フィルムを使用することができる。低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29上に光散乱フィルムを貼付することで、光散乱体30を形成することができる。
  図20Aに示すように、各バックライトユニット24において、導光体25の第1端面25cは導光体25の第1主面25aに対して所定の角度で傾斜した傾斜面となっている。本実施形態では、導光体25の第1端面25cと第1主面25aとのなす角度βは65度である。導光体25の第1端面25cに、3個のLED27a,27b,27cが所定の間隔をおいて光学接着剤を介して固定されている。したがって、3個のLED27a,27b,27cが導光体25の短手方向に並べられている。以下の説明では、これらLEDを順に第1LED27a、第2LED27b、第3LED27cと称する。
  図20Bは第1LED27aの断面図、図20Cは第2LED27bの断面図、図20Dは第3LED27cの断面図、をそれぞれ示している。本実施形態の場合、第1LED27aは、図20Bに示すように、LEDチップ4が焦点Fから例えば-y’方向に0.7mmシフトした位置に配置されている。第2LED27bは、図20Cに示すように、LEDチップ4が焦点F上に配置されている。第3LED27cは、図20Dに示すように、LEDチップ4が焦点Fから例えば+y’方向に0.7mmシフトした位置に配置されている。これにより、第1LED27aは、光射出端面の法線方向に対して+10度方向(反時計回り)に光を射出する。第2LED27bは、光射出端面の法線方向に光を射出する。第3LED27cは、光射出端面の法線方向に対して-10度方向(時計回り)に光を射出する。
  ここで、図20Aに示すように、導光体25の厚さ方向の中心を通る仮想水平面に対する光軸のなす角度を伝播角度φと定義する。導光体25の第1端面25cと第1主面25aとのなす角度βが65度であり、第2LED27bからの光はLED27bの法線方向に射出されるため、第2LED27bからの光Lbの伝播角度φBは25度となる。第1LED27aからの光Laおよび第3LED27cからの光Lcは、第2LED27bからの光Lbに対して±10度の角度をなす。従って、図20Aに示すように、第1LED27aからの光Laの伝播角度φAは35度、第2LED27bからの光Lbの伝播角度φBは25度、第3LED27cからの光Lcの伝播角度φCは15度となる。
 各LED27a,27b,27cから射出された光La,Lb,Lcは、導光体25の第1主面25aと第2主面25bとの間で全反射を繰り返しつつ、第1端面25c側から第2端面25d側に向けて伝播される。各光La,Lb,Lcは、第1端面25c側から第2端面25d側に向けて伝播される間、第1光取出領域RA、第2光取出領域RB、第3光取出領域RCの順に、各光取出領域RA,RB,RCに入射する。
 すなわち、本実施形態の照明部26は、3個のLED27a,27b,27cを備えており、各LED27a,27b,27cから光La,Lb,Lcを射出する。上述のように、各光La,Lb,Lcは、伝播角度φが異なるため、取出領域RA,RB,RCへの入射角度が異なる。光La,Lb,Lcは、各光取出領域RA,RB,RCから光La,Lb,Lcを取り出し可能な入射角で各光取出領域RA,RB,RCに入射する。また、後述するが、照明部26は、1つの光取出領域RA,RB,RCに対して3種類の異なる入射角θ(θA=55度、θB=65度、θC=75度)で入射させるように、いずれのLED27a,27b,27cを点灯させるかを切り換えることにより、導光体25の内部における光の伝播角度φ(φA=35度、φB=25度、φC=15度)を切り換える機能を有している。
  ここで、各LED27a,27b,27cからの光La,Lb,Lcが、各光取出領域RA,RB,RCにおける導光体25と各低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29との界面に入射する際の臨界角を考慮する。
  第1光取出領域RAでの導光体25と第1低屈折率体28aとの界面は、屈折率nWG=1.5の導光体と屈折率nA=1.3の第1低屈折率体28aとの界面となるので、Snellの法則より、臨界角γAは60.1度となる。したがって、第1光取出領域RAでは、入射角が60.1°未満で入射した光は界面を透過し、入射角が60.1度以上で入射した光は界面で全反射する。
 同様に、第2光取出領域RBでの導光体25と第2低屈折率体28bとの界面は、屈折率nWG=1.5の導光体25と屈折率nB=1.4の第2低屈折率体28bとの界面となるので、臨界角γBは69.0度となる。したがって、第2光取出領域RBでは、入射角が69.0度未満で入射した光は界面を透過し、入射角が69.0度以上で入射した光は界面で全反射する。これに対して、第3光取出領域RCでの導光体25と屈折率体29との界面は、屈折率nWG=1.5の導光体25と屈折率nC=1.5の屈折率体29との界面となるので、全ての入射角において光は界面を透過する。
  すなわち、第1光取出領域RA、第2光取出領域RB、第3光取出領域RCを単独で見た場合には、第1光取出領域RAで光を外部に取り出し可能な入射角範囲は60.1度未満、第2光取出領域RBで光を外部に取り出し可能な入射角範囲は69.0度未満、第3光取出領域RCで光を外部に取り出し可能な入射角範囲は全ての角度範囲となる。
  このように、本実施形態の3つの光取出領域RA,RB,RCに設けられた2つの低屈折率体28a,28bおよび屈折率体29は、光取出領域RA,RB,RCに入射される光の伝播方向に沿って、屈折率が相対的に低いものから屈折率が相対的に高いものの順に配列されている。このような屈折率の違いに基づき、3つの光取出領域RA,RB,RCは、光を外部に取り出し可能な入射角範囲が異なっている。さらに、3つの光取出領域RA,RB,RCは、入射される光の伝播方向に沿って、取り出し可能な入射角範囲が相対的に狭い光取出領域から取り出し可能な入射角範囲が相対的に広い光取出領域の順に配列されている。本実施形態の一例として、第1光取出領域RAでの取出可能な入射角範囲は60.1度未満、第2光取出領域RBでの取出可能な入射角範囲は69.0度未満、第3光取出領域RCでの取出可能な入射角範囲は全角度範囲である。
  このとき、第1LED27aを点灯させたとする。第1LED27aからの光Laの伝播角度φAは35度であるから、第1LED27aからの光Laの第1主面25aに対する入射角θAは55度となる。本実施形態の導光体25は平行平板で構成されているため、第1LED27aからの光Laが何回全反射を繰り返しても、第1主面25aに対する入射角θAは常に55度である。第1LED27aからの光Laが第1光取出領域RAに到達し、導光体25と第1低屈折率体28aとの界面に対して入射角θA=55度で入射する。ここでの臨界角γAは60.1度であるから、光Laは導光体25と第1低屈折率体28aとの界面を透過して第1低屈折率体28aに入射される。その後、光散乱体30で散乱して外部に取り出される。このようにして、第1LED27aから射出された光Laの略全量を第1光取出領域RAから取り出すことができる。
  次に、第1LED27aを消灯させ、第2LED27bを点灯させたとする。第2LED27bからの光Lbの伝播角度φBは25度であるから、第2LED27bからの光Lbの第1主面25aに対する入射角θBは65度となる。第2LED27bからの光Lbが第1光取出領域RAに到達し、導光体25と第1低屈折率体28aとの界面に対して入射角θB=65度で入射する。ここでの臨界角γAは60.1度であるから、光Lbは導光体25と第1低屈折率体28aとの界面を透過できず、全反射する。次に、第2LED27bからの光Lbが第2光取出領域RBに到達し、導光体25と第2低屈折率体28bとの界面に対して入射角θB=65度で入射する。ここでの臨界角γBは69.0度であるから、光Lbは導光体25と第2低屈折率体28bとの界面を透過して第2低屈折率体28bに入射される。その後、光散乱体30で散乱して外部に取り出される。このようにして、第2LED27bから射出された光Lbの略全量を第2光取出領域RBから取り出すことができる。
  仮に第1LED27aから射出された光Laが第2光取出領域RBに入射したとする。この場合も入射角が臨界角よりも小さいという条件を満たすため、この光Laを第2光取出領域RBから取り出すことができる。しかしながら、第1LED27aから射出された光Laは第2光取出領域RBに到達する前に第1光取出領域RAで略全量が取り出されてしまうため、ほとんど第2光取出領域RBに到達することがない。したがって、実際には第1LED27aから射出された光Laが第2光取出領域RBから取り出されることはなく、第2LED27bから射出された光Lbが第2光取出領域RBから取り出されることになる。本実施形態のバックライト23は、このような原理に基づいて所定のLEDから射出された光を所定の光取出領域のみから取り出すことができる。
  次に、第2LED27bを消灯させ、第3LED27cを点灯させたとする。第3LED27cからの光Lcの伝播角度φBは15度であるから、第3LED27cからの光Lcの第1主面25aに対する入射角θCは75°となる。第2LED27cからの光Lcが第1光取出領域RAもしくは第2光取出領域RBに到達し、導光体25と第1低屈折率体28aもしくは第2低屈折率体28bとの界面に対して入射角θC=75度で入射する。この入射角θCは臨界角γAおよび臨界角γBよりも大きいため、光Lcは各界面を透過できず、全反射する。その後、第3LED27cからの光Lcが第3光取出領域RCに到達すると、光Lcは導光体25と屈折率体29との界面を透過して屈折率体29に入射される。その後、光散乱体30で散乱して外部に取り出される。このようにして、第3LED27cから射出された光Lcの略全量を第3光取出領域RCから取り出すことができる。
 上述したように、本実施形態のバックライト23によれば、各バックライトユニット24の3個のLED27a,27b,27cのうちのいずれのLEDを点灯させるかによって、3つの光取出領域RA,RB,RCのうちのいずれの光取出領域から光を取り出すか、すなわち、いずれの光取出領域RA,RB,RCを発光させるかを適宜選択することができる。また、各LED27a,27b,27cから射出される光の量を制御することにより、選択された光取出領域RA,RB,RCから取り出す光の量、すなわち、選択された光取出領域の明るさを調整することができる。
 従来のバックライトでは、高分子分散液晶の光散乱度を電気的に切り替えることにより、各領域から光を射出するか否かを制御していた。そのため、高分子分散液晶の光散乱特性が少しでも劣ると、光を十分に取り出せなかったり、もしくは所望の領域以外から光が漏れてコントラストが低下したりしていた。これに対して、本実施形態のバックライト23は、高分子分散液晶を用いることなく、点灯させるLED27a,27b,27cを切り替えるだけで各光取出領域RA,RB,RCから光を射出するか否かを制御できる。そのため、照明部26から射出された光を導光体25から効率良く取り出すことで、光量が十分に得られ、コントラストの高いバックライトを実現できる。さらに、構造が簡単で薄型化が図れ、安価なバックライト23を実現できる。また、本実施形態によれば、上記のバックライト23を用いることで、明るく、コントラストの高い表示が可能な液晶表示装置21を実現できる。
[第8実施形態]
 以下、本発明の第8実施形態について、図21Aおよび21Bを用いて説明する。
 本実施形態のバックライト31の基本構成は第7実施形態のバックライト23と同様であり、LED32の構成が異なる。したがって、LED32に関係する部分のみを説明し、他の説明は省略する。
 図21Aは、本実施形態のバックライトの断面図である。図21Bは、バックライトに備えられたLEDの断面図である。
 図21Aおよび図21Bにおいて、第7実施形態の図20A~図20Dと共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
 第7実施形態のバックライト23は、異なる3つの射出方向を持つ光を得るために、光の射出方向がそれぞれ異なる3個のLEDを用いていた。これに対し、本実施形態のバックライト31に用いるLED32(発光素子)は、図21Bに示すように、1個のパッケージ2の内部に3個のLEDチップ11,12,13が設置されている。すなわち、本実施形態のバックライト31は、第4実施形態で例示したマルチチップLEDを有している。3個のLEDチップ11,12,13のうち、中央に位置するLEDチップ12は焦点F上に配置されている。上側に位置するLEDチップ11は焦点Fから+y’軸方向にシフトした位置に配置されている。下側に位置するLEDチップ13は焦点Fから-y’軸方向にシフトした位置に配置されている。中央のLEDチップ12に対する上下のLEDチップ11,13のシフト量は、例えば±0.7~0.8mm程度である。
 パッケージ2に内蔵された3個のLEDチップ11,12,13は、点灯、消灯が個々のLEDチップ毎に独立して制御できる構成となっている。したがって、3個のLEDチップ11,12,13のうち、いずれのLEDを点灯させるかによって、光の射出方向を3段階に切り換えることができる。これにより、伝播角度φA=35度の光、伝播角度φB=25度の光、伝播角度φC=15度の光のいずれを射出させるかを1個のLED32で切り換えることができる。
 本実施形態においても、光量が十分に得られ、コントラストが高く、構造が簡単で薄型かつ安価なバックライトが得られる、という第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
[照明装置]
 以下、上記実施形態で示したLEDを利用した照明装置の応用例を説明する。
 図22Aおよび図22Bは、照明装置40および45の2つの例を示す斜視図である。
 図22Aに示す照明装置40は、筐体41と、凹面ミラー42と、LEDチップ43を有する。棒状の筐体41に、断面形状が円錐曲線状の凹面ミラー42が設けられている。凹面ミラー42の焦点からシフトした位置にLEDチップ43が配置されている。LEDチップ43は、筐体41の長手方向に所定の間隔を空けて複数個配置されている。この照明装置40では、LEDチップ43をシフトさせた方向と反対側に向けて斜めに光が射出される。
 図22Bに示す照明装置45は、4個の照明ユニット46を組み合わせたものである。各照明ユニット46は、筐体47と、凹面ミラー48と、LEDチップ49を有する。平面形状が正方形の筐体47に、断面形状が円錐曲線状の凹面ミラー48が設けられている。凹面ミラー48の焦点からシフトした位置にLEDチップ49が配置されている。このように、複数個の照明ユニット46を適宜組み合わせることにより、照明装置45の直下以外の種々の方向に光を射出させることができる。
 なお、本発明の態様における技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の態様における趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施形態では、凹面ミラーの断面形状の全体が例えば放物線のような円錐曲線である例を示した。この構成に代えて、凹面ミラーの断面形状が例えば放物線のような円錐曲線を含み、円錐曲線の周縁部は直線であっても良い。この場合でも凹面ミラーの断面形状が円錐曲線を有していれば、凹面ミラーの焦点は存在するので、焦点からシフトした位置にLEDチップを配置すれば良い。また、光源としてLEDチップを用いた例を挙げたが、例えば有機EL素子等の他の光源を用いても良い。その他、上記実施形態で例示したLED、バックライトおよび液晶表示装置における各構成要素の材料、寸法、数等の具体的な構成は、適宜変更が可能である。
 本発明の態様におけるは、発光素子を用いる調光素子、もしくは照明装置等に利用可能である。
 1,10,17,32…LED(発光素子)、3…放物面ミラー(凹面ミラー)、4,11,12,13,18R,18G,18B…LEDチップ(光源)、14…配線、19L,19C,19R…光源部、23,31…バックライト(調光素子)、27a…第1LED(発光素子)、27b…第2LED(発光素子)、27c…第3LED(発光素子)。

Claims (22)

  1.  一つの焦点を有する曲線形状を少なくとも含む断面形状を有する凹面ミラーと、
     前記凹面ミラーに光を照射する第1の光源であって、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記凹面ミラーで反射された光が、前記曲線形状の頂点と前記一つの焦点とを通る中心軸と交差する方向に指向性を有する位置に配置される第1の光源と、を少なくとも含む発光素子。
  2.  前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向が、前記中心軸と直交する成分を含む請求項1に記載の発光素子。
  3.  前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向が、前記中心軸と平行な成分を含む請求項2に記載の発光素子。
  4.  前記第1の光源の光射出端面が前記中心軸と直交する平面に対して傾いている請求項1に記載の発光素子。
  5.  前記第1の光源を含む複数の光源が設けられ、前記複数の光源は、点灯、消灯が個々の光源毎に制御されるよう構成されている請求項1に記載の発光素子。
  6.  前記複数の光源は、第2の光源を含み、前記第2の光源は前記焦点上に配置されている請求項5に記載の発光素子。
  7.  さらに、前記第1の光源を駆動するための配線を備え、
     前記配線が、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向と交差する方向に延在している請求項1に記載の発光素子。
  8.  前記凹面ミラーに光を照射し、前記第1の光源含む第1の複数の光源が配列された第1の光源部と、
     前記凹面ミラーに光を照射し、第2の光源を含む第2の複数の光源が配列された第2の光源部を備え、
     前記第1の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、
     前記第2の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、
     前記第1及び第2の光源部が前記第1および第2の複数の光源の配列方向と異なる方向に配列されている請求項1に記載の発光素子。
  9.  前記第1の複数の光源は、それぞれ前記一つの焦点からのシフト量が異なる位置に配置され、
     前記第1の複数の光源は、前記凹面ミラーで反射された光が、それぞれ異なる方向に指向性を有する位置に配置される請求項8に記載の発光素子。
  10.  前記第2の光源は、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記第2の光源から射出された光が、前記第1の光源から射出された光とは異なる方向に指向性を有する位置に配置される請求項8に記載の発光素子。
  11.  前記第1の複数の光源が直線状に配列され、前記第1および第2の光源部が前記第1の複数の光源の配列方向と直交する方向に配列され、前記第1の複数の光源間の配列ピッチが前記第1及び第2の光源部間の配列ピッチよりも小さい請求項8に記載の発光素子。
  12.  前記第1の複数の光源が、赤色光を射出する光源と、緑色光を射出する光源と、青色光を射出する光源と、を有する請求項8に記載の発光素子。
  13.  前記焦点を有する曲線形状が円錐曲線である請求項1に記載の発光素子。
  14.  前記ミラーの曲線形状における中心領域の断面形状が放物面であり、前記ミラーの周縁部の断面形状が前記放物面を延長した仮想曲面の断面形状よりも急峻な勾配を有している請求項13に記載の発光素子。
  15.  前記ミラーの径方向の座標をρ、前記中心軸方向の座標をz、コーニック係数をkとし、前記円錐曲線を下記の(1)式および(2)式で表したとき、
     ρ-2rz+(k-1)z=0 ……(1)
     z=(ρ/r)/(1+√(1-(1+k)(ρ/r))) ……(2)
     であって、前記コーニック係数kが、-0.5≦k≦-1を満たす請求項14に記載の発光素子。
  16.  射出する光の量を制御可能な照明部と、
     前記照明部から射出された光が入射され、前記光を内部で全反射させつつ伝播させる導光体とを備え、
     前記導光体は、前記照明部から射出された光が導光体内部で全反射しつつ伝播される間に前記照明部から射出された光を外部に取り出す複数の光取出領域を有し、
     前記複数の光取出領域のうちの少なくとも2つの光取出領域は、前記照明部から射出された光を外部に取り出し可能な入射角範囲が互いに異なり、
     前記導光体は、前記照明部から射出された光を、前記導光体の内部に複数の異なる伝播角度で伝播させるよう構成され、
     前記照明部は、発光素子を少なくとも一つ備え、
     前記発光素子は、一つの焦点を有する曲線形状を少なくとも含む断面形状を有する凹面ミラーと、前記凹面ミラーに光を照射する第1の光源であって、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記凹面ミラーで反射された光が、前記曲線形状の頂点と前記一つの焦点とを通る中心軸と交差する方向に指向性を有する位置に配置される第1の光源を少なくとも含む調光素子。
  17.  前記発光素子は、さらに前記第1の光源を駆動するための配線を備え、
     前記配線が、前記焦点からの前記第1の光源のシフトの方向と交差する方向に延在している請求項16に記載の調光素子。
  18.  前記発光素子は、前記凹面ミラーに光を照射し、前記第1の光源含む第1の複数の光源が配列された第1の光源部と、
     前記凹面ミラーに光を照射し、第2の光源を含む第2の複数の光源が配列された第2の光源部を備え、
     前記第1の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、
     前記第2の複数の光源は、互いに異なる波長域の単色光を射出し、
     前記第1及び第2の光源部が前記第1および第2の複数の光源の配列方向と異なる方向に配列されている請求項16に記載の調光素子。
  19.  前記第1の複数の光源は、それぞれ前記一つの焦点からのシフト量が異なる位置に配置され、
     前記第1の複数の光源は、前記凹面ミラーで反射された光が、それぞれ異なる方向に指向性を有する位置に配置される請求項18に記載の調光素子。
  20.  前記第2の光源は、前記一つの焦点からシフトさせた位置であって、前記第2の光源から射出された光が、前記第1の光源から射出された光とは異なる方向に指向性を有する位置に配置される請求項18に記載の調光素子。
  21.  前記第1の複数の光源が直線状に配列され、前記第1および第2の光源部が前記第1の複数の光源の配列方向と直交する方向に配列され、前記第1の複数の光源間の配列ピッチが前記第1及び第2の光源部間の配列ピッチよりも小さい請求項18に記載の調光素子。
  22.  前記ミラーの曲線形状における中心領域の断面形状が放物面であり、前記ミラーの周縁部の断面形状が前記放物面を延長した仮想曲面の断面形状よりも急峻な勾配を有している請求項18に記載の調光素子。
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