WO2011058600A1 - Pgc-1の発現制御装置、並びに虚血性疾患の治療装置及び治療方法 - Google Patents

Pgc-1の発現制御装置、並びに虚血性疾患の治療装置及び治療方法 Download PDF

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Abstract

 本発明に係るPGC-1の発現制御装置(1)は、対象としての生体に超音波を照射する超音波送信部(14)を備えている。これにより、生体内におけるPGC-1の発現を制御し、VEGFが関与する血管新生を促す。その結果、患者に過度の負担をかけることなく生体内の血管新生を促し、虚血性疾患を治療する。

Description

PGC-1の発現制御装置、並びに虚血性疾患の治療装置及び治療方法
 本発明は、PGC-1の発現制御装置、並びにこれを備えた虚血性疾患の治療装置及び治療方法に関する。
 血流の低下により生じる虚血性疾患として、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性動脈硬化症、ビュルガー病等が挙げられる。慢性閉塞性動脈硬化症(ASO:Arteriosclerosis obliterans)は、主に下肢において、主に大血管が慢性的に閉塞する疾患である。ASOの症状は、軽症時には冷感、重症時には下肢の壊死にまで至ることがある。ビュルガー病(TAO:Thromboangiitis obliterans)は、閉塞性血栓血管炎と称する場合もあり、四肢の主幹動脈に閉塞性の血管全層炎をきたす疾患である。
 ASO及びTAOの治療は病状の進行に応じて行われ、軽症の場合には抗血小板剤、魚油、プロスタサイクリン等の内服による治療を行い、さらにプロスタグランジンE1製剤、抗トロンビン剤等の点滴による治療が行われる。さらに病状が進行した場合、外科的手術による血管バイパス、バルーン拡張、ステント留置等によって血管内治療が行われる。
 これらの治療方法以外にも、細胞、生理活性物質、足場材料等を患部に移植することによって、欠失又は機能不全に陥った血管を新生し、血流の改善を図る血管再生治療がある。血管新生を促す細胞治療においては、骨髄細胞、末梢幹細胞(PBSCT:Peripheral blood stem cell transplantation)、末梢血単核球を患部に数十カ所に分けて注入することよって治療を行う。また、血管新生を促すホルモンを発現させる遺伝子(HGF、VEGF等)を筋肉注射することによって血管新生の誘導を図る遺伝子治療も行われている。
 また、他の血管新生治療方法として、特許文献1には、患部に超音波を照射することによって、患部組織内での血管新生を促進する技術が記載されている。超音波治療は、温熱効果を利用した血流促進による治療効果を目的として、多くの疾患の治療に古くから利用されている。例えば、特許文献2には、骨折治療における修復促進を目的として、超音波パルスを利用する技術が記載されている。
日本国公表特許公報「特表2005-523132号公報(2005年8月4日公開)」 米国特許第4530360号明細書(1985年7月23日)
Zoltan Arany et al., nature, Vol 451(21), p1008-1012, February 2008 Jiandie Lin et al., nature, Vol 418(15), p797-801, August 2002
 虚血性疾患の病状が進行した場合、上述した治療方法により治療されるが、これらの治療方法には、以下のような問題がある。外科的手術により治療する場合、観血的治療により感染症等のリスクがあり、患者の身体的負担が大きい。また、患部への細胞移植により治療する場合、大量の骨髄及び血液を採取する必要があり、患者の身体的負担が大きい。さらに、生理活性物質又は足場材料の移植は、移植材料の作製費用が高額であり経済的負担が大きい上に、安全性や安定性に疑問がある。また、遺伝子治療においても、安全性や安定性に疑問があることや、適用が重症患者に限られる等の問題がある。
 また、特許文献1に記載のように超音波を利用した治療は、血管新生を促すメカニズムが解明されていないため、患者や病状に応じて条件を最適化することができず、適切な治療を行うことが困難である上に、治療の有効性も明らかではない。
 本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、患者に過度の負担をかけることなく生体内の血管新生を促し、虚血性疾患の治療が可能な、PGC-1の発現制御装置、並びに治療装置及び治療方法を提供することにある。
 血管新生のメカニズムについては、これまでに種々研究されており、上述した遺伝子治療に用いられる血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular endothelial growth gactor)が、血管新生に関与していることが知られている。そして、VEGFの転写は、転写因子であるHIF(Hypoxia inducible factor)、又は転写因子コアクチベータであるPGC-1(Peroxisome proliferator activated receptor γ coactivator)によって調節される。
 非特許文献1には、PGC-1αが、HIFに依存することなく、VEGF及びVEGFによる血管新生を調節すること、及びPGC-1αの転写が運動により促されることが記載されている。PGC-1は、褐色脂肪や骨格筋等の様々な組織に存在し、ミトコンドリア生発生及び酸化代謝を活性化することが知られている(非特許文献2)。
 本発明者らは、独自の観点から鋭意検討を重ねた結果、生体に超音波照射による物理的及び機械的刺激を与えることによってPGC-1の発現が促されることを見出し、PGC-1-VEGFカスケードを介した血管新生を促すことによる治療を実現し、本発明を完成させるに至った。
 すなわち、本発明に係るPGC-1の発現制御装置は、対象に超音波を照射する超音波照射手段を備えたことを特徴としている。また、本発明に係る虚血性疾患の治療装置は、当該PGC-1の発現制御装置を備えたことを特徴としている。さらに、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、生体に超音波を照射してPGC-1の発現を促進する発現促進工程を包含することを特徴としている。
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置によれば、対象としての生体に超音波を照射する超音波照射手段を備えているので、生体内におけるPGC-1の発現を制御することが可能である。これにより、PGC-1が関与する生体反応を制御することが可能であり、VEGFのような、PGC-1のより下流の因子の制御が可能である。したがって、本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法によれば、生体に超音波を照射してPGC-1の発現を制御することによってVEGFの発現を制御し、VEGFが関与する血管新生を促すことが可能である。
 このように、本発明に係るPGC-1の発現制御装置、これを備えた虚血性疾患の治療装置及び治療方法によれば、治療経費が安価である上に、安全性が確立されており、かつ安定性が高いので、適用患者が限定されない。
 また、本発明に係るPGC-1の発現制御装置は、周波数が0.5~3MHz±10%の範囲内の超音波を上記生体に照射するように上記超音波照射手段を制御する制御手段をさらに備えていることが好ましい。さらに、本発明に係るPGC-1の発現制御装置において、上記制御手段は、上記生体に超音波を1日あたり20分~40分間±10%の範囲内で照射するように上記超音波照射手段を制御することが好ましい。上記の構成によればより効果的にPGC-1の発現を促進させることができる。
 さらに、本発明に係るPGC-1の発現制御装置において、上記超音波照射手段は、上記生体に対して媒体を介して非侵襲的に接触し、上記生体に照射する超音波を放出する少なくとも1つの超音波放出端子をさらに備えていることが好ましい。これにより、非侵襲的にPGC-1の発現を制御して血管新生を促すことが可能である。
 また、本発明に係るPGC-1の発現制御装置は、複数の上記超音波放出端子のそれぞれを時分割で順次駆動して超音波を放出させるように上記超音波照射手段を制御する制御手段を備えていることが好ましい。なお、これにより、特定箇所に超音波のエネルギーが集中することなく、生体に効率よく超音波を照射することができる。
 さらに、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、周波数が0.5~3MHz±10%の範囲内の超音波を上記生体に照射する超音波照射工程をさらに包含することが好ましい。また、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、上記超音波照射工程において、上記生体に超音波を1日あたり20~40分間±10%の範囲内で照射することが好ましい。これにより、より効果的に生体におけるPGC-1の発現を促進させ、虚血性疾患を効率よく治療することができる。
 また、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、上記超音波照射工程において、複数の超音波放出端子のそれぞれから時分割で順次放出された超音波を、上記生体に照射することが好ましい。これにより、生体の特性箇所に照射される超音波のエネルギーが集中することなく、生体に効率よく超音波を照射することができる。
 さらに、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、上記超音波照射工程において、上記生体の患部に超音波を照射することが好ましい。このように、治療の対象となる生体の患部に超音波を照射することによって、虚血性疾患を効率よく治療することができる。
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置は、対象としての生体に超音波を照射する超音波照射手段を備えているので、生体内におけるPGC-1の発現を制御することが可能であり、これによりVEGFが関与する血管新生を促すという効果を奏する。
本発明に係るPGC-1の発現制御装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係るPGC-1の発現制御装置の他の実施形態を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1の探触子の構成例を示す模式図である。 超音波照射によるPGC-1αの発現量の変化を調査した実験結果を示すグラフである。 超音波照射によるVEGFAの発現量の変化を調査した実験結果を示すグラフである。 超音波照射によるVEGFBの発現量の変化を調査した実験結果を示すグラフである。 超音波照射によるVEGFCの発現量の変化を調査した実験結果を示すグラフである。 超音波照射によるHIF-1αの発現量の変化を調査した実験結果を示すグラフである。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血流回復に及ぼす超音波照射の影響を調査したレーザードップラー撮影写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す顕微鏡写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す顕微鏡写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したヘマトキシリン・エオジン染色の結果を示す顕微鏡写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したアルカリ性ホスファターゼ染色の結果を示す顕微鏡写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したアルカリ性ホスファターゼ染色の結果を示す顕微鏡写真である。 血管新生に及ぼす超音波照射の影響を調査したアルカリ性ホスファターゼ染色の結果を示す顕微鏡写真である。 毛細血管密度比に及ぼす超音波照射の影響を調査したアルカリ性ホスファターゼ染色の結果を示すグラフである。 PGC-1αの発現に及ぼす超音波照射の影響を調査した免疫組織化学染色の実験結果を示す顕微鏡写真である。 VEGDAの発現に及ぼす超音波照射の影響を調査した免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 VEGFBの発現に及ぼす超音波照射の影響を調査した免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 VEGFCの発現に及ぼす超音波照射の影響を調査した免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 ウサギネガティブコントロール抗体を用いた免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 ヤギネガティブコントロール抗体を用いた免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 CD31抗体を用いた免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 CD31抗体を用いた免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 CD31抗体を用いた免疫組織化学染色の結果を示す顕微鏡写真である。 毛細血管密度比に及ぼす超音波照射の影響を調査したCD31抗体を用いた免疫組織染色の結果を示すグラフである。
 〔PGC-1の発現制御装置〕
 (第1の実施形態)
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置の一実施形態について、図1を参照して以下に説明する。図1は、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1の一実施形態を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1は、本体部10及びプローブ20により構成されている。本体部10には、ユーザインターフェース(UI)11、コントローラ(制御手段)12、電源部13及び1つ以上の超音波送信部14(超音波照射手段)が備えられている。プローブ20には、1つ以上の探触子(超音波放出端子)21が備えられている。プローブ20は、本体部10とは独立したハウジング内に設けられていてもよく、本体部10と同一ハウジング内に、本体部10とは独立して設けられていてもよい。また、プローブ20を本体部10にケーブル等により接続し、プローブ20が本体部20から離れた位置で動作し得るように構成していてもよい。
 図1に示すように、本体部10には、超音波送信部がn個(超音波送信部14~超音波送信部14n)備えられている。そして、各超音波送信部に対応するように、プローブ20には、探触子がn個(探触子21~探触子21n)備えられている。ここで、nは任意に設定される1以上の整数を示している。探触子21~21nはそれぞれ、超音波送信部14~14nに接続されている。
 超音波送信部14~14nから送信された超音波は、それぞれに接続された探触子21~21nから放出され、照射対象としての生体に照射される。なお、超音波送信部14~14nはそれぞれ同様に構成されており、探触子21~21nもそれぞれ同様に構成されているため、以下では主に超音波送信部14及び探触子21について説明する。
 ユーザインターフェース11は、PGC-1の発現制御装置1の状態等を表示する表示部と、ユーザからの入力を受け付ける入力部とを備えていてもよい。ユーザインターフェース11がユーザからの入力を受け付けたとき、当該入力を表す入力信号をコントローラ12に送信し、コントローラ12は受信した入力信号に基づいて各構成要素を制御する。
 また、ユーザインターフェース11は、コントローラ12から送信されたPGC-1の発現制御装置1の状態を表す信号を受信し、受信した信号に基づいてPGC-1の発現制御装置1の状態を表示部に表示する。ユーザインターフェース11の入力部は、例えば、照射する超音波の周波数や照射時間等をユーザが入力できるようになっていてもよい。
 コントローラ12は、PGC-1の発現制御装置1の各構成要素を制御する。コントローラ12は、超音波送信部14からプローブ20の探触子21に超音波を送信し、探触子21から生体に対して超音波を放出させる。具体的には、コントローラ12は、超音波送信部14の送信用発振部142から超音波を出力させ、送信器141から探触子21に送信させる。また、コントローラ12は、ユーザインターフェース11からのユーザの入力に基づいて、超音波送信部14からの超音波の送信を制御し、かつユーザインターフェース11にPGC-1の発現制御装置1の状態等を表示させるように制御する。さらに、コントローラ12は、電源部13からの電力を送信用電源部140に供給する。
 また、コントローラ12は、探触子21から規定の値の超音波を出力するために、送信用発振部142からの超音波の出力を制御する。探触子21からの超音波の出力は、所望の効果を得るために適切な値に設定され、設定された値の超音波を出力するようにコントローラ12が制御する。また、コントローラ12は、探触子21の感度ばらつきを補正するために超音波出力を制御するようになっていてもよい。超音波出力の制御は、送信用発振部142の発振周波数を制御する、又は送信器143から探触子21に超音波を送信するときの送信電圧を制御すること等によって行うことができる。
 電源部13は、PGC-1の発現制御装置1の各構成要素に電力を供給する。電源部13は、商用電源又は電池等からの電力をコントローラ12及び超音波送信部14の送信用電源部140に供給する。
 超音波送信部14は、送信用電源部140、送信器141及び送信用発振部142を備えている。送信用電源部140は、コントローラ12又は電源部13からの電力を送信器141に供給する。送信器141は、送信用発振部142から出力された超音波を探触子21に送信する。送信用発振部142は、コントローラ12からの指示に基づいて超音波を発振して送信器141に出力する。送信用電源部140、送信器141及び送信用発振部142としては、従来公知の電源部、送信器及び超音波発振部等を使用することができる。
 探触子21は、超音波送信部14の送信器141から送信された超音波を生体に対して放出する。PGC-1の発現制御装置1を、例えばASOの治療装置に用いる場合、ASOの患部は通常広範囲に及ぶため、広範囲に超音波照射することが好ましい。図1に示すPGC-1の発現制御装置1は、プローブ20に複数の探触子21~21nを備えているので、より広範囲に超音波を照射することができる。
 このとき、複数の探触子21~21nを、例えばシリコン材のような可撓性を有する材料に接着等により取り付け、患部を覆うことが可能なように構成する。探触子21は、生体に対して媒体を介して非侵襲的に接触して、生体に照射する超音波を出力し得るように、プローブ20のハウジング内に設けられている。探触子21の構成の詳細については後述する。
 PGC-1の発現制御装置1は、規定の値の超音波を出力するため、超音波探触子の感度のばらつきを補正するために、及び超音波出力を一定に保つために、送信器141からの超音波の送信をモニタリングするフィードバック機構を備えていてもよい。これにより、送信器141から超音波の送信状態がコントローラ12にフィードバックされ、これに基づいてコントローラ12は送信用発振部142及び送信器141による超音波の出力を制御する。
 また、探触子21と患部とのカップリング不良を検出するために、探触子21からの超音波の出力をモニタリングするフィードバック機構も備えていてもよい。これにより、探触子21から患部とのカップリング状態がコントローラ12又は送信器141にフィードバックされ、これに基づいてコントローラ12は送信用発振部142及び送信器141による超音波の出力を制御する。
 このように、PGC-1の発現制御装置1は、生体に対して超音波を照射する超音波送信部14を備えているので、生体において超音波が照射される患部におけるPGC-1の発現を制御することができる。PGC-1は、代謝を制御するシグナル伝達経路を統括する転写因子コアクチベータである。PGC-1は、ミトコンドリア酸化的代謝の調節や、糖、脂肪及びエネルギー恒常性を維持する役割を担っており、そのファミリーメンバーとして、互いにホモロジーがあるPGC-1α及びPGC-1βが知られている。
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置1によりPGC-1の発現を促進したとき、PGC-1の発現促進によりVEGFの転写が促進する。VEGFは、血管新生に関与する因子であり、本発明によればそのファミリーメンバーである、VEGFA、VEGFB、VEGFC等の転写を促進する。
 PGC-1αの転写が虚血や運動によって促進し、これによりVEGFの転写が促進して血管新生が促されることが知られていたが(非特許文献1)、本発明者らは新たに、超音波照射によりPGC-1の転写が促進することを見出した。本発明に係るPGC-1の発現制御装置1によれば、PGC-1の発現を制御することによってVEGFの発現を制御することができるので、VEGFが関与する血管新生を制御することが可能である。したがって、虚血性疾患の治療に好適に使用することができる。
 ここで、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1によるPGC-1の発現制御、及びこれによるVEGFの発現制御は、従来公知の方法により、超音波照射部位のPGC-1又はVEGFの発現量を測定することにより確認することができる。そして、測定した発現量をコントローラ12にフィードバックし、これに基づいてコントローラ12が送信用発振部142及び送信器141による超音波の出力を制御するようになっていてもよい。
 ここで、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1による超音波の照射の対象となる生体には、生細胞、生体組織、動物個体等が含まれる。本発明に係るPGC-1の発現制御装置1による超音波の照射の対象を生細胞としたとき、当該生細胞の例としてヒト間葉系幹細胞(MSC)が挙げられ、さらにヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)、ヒト大動脈由来欠陥平滑筋細胞(AoSMC)、マウス筋芽細胞株(C2C12)等を対象とすることもできる。
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置1を動物個体に使用する場合、患部を覆う皮膚の表面に、水、ゲル、カップリング剤等の媒体を介して、非侵襲的にプローブ20が接するように、生体に取り付けて使用することができる。プローブ20が生体に取り付けられた後、超音波送信部14から探触子21に送信された超音波を、探触子21から生体に対して出力する。
 ここで、PGC-1の発現制御装置1により生体に照射される超音波の周波数は0.5~3MHzの±10%の範囲内であることが好ましく、1~2MHzの±10%の範囲内であることがさらに好ましく、2MHz±10%であることが最も好ましい。ここで、「±10%」は誤差範囲を意図しており、すなわち「0.5~3MHz±10%の範囲内」とは、0.5~3MHzの範囲とその誤差範囲±10%とを含むことを意図している。つまり「0.5~3MHz±10%」とは、「0.45~3.3MHz」と表現することもできる。以下、他の数値範囲の記載においても、「±10%」なる表現を同様の意図で使用する。
 また、その照射時間は、1日あたり20分~40分間の±10%の範囲内であることが好ましく、1日あたり20分間±10%であることが最も好ましい。これにより、より効果的にPGC-1の発現を促進させることができる。また、PGC-1の発現制御装置1により生体に照射される超音波の出力は30mW/cm±10%であり、duty比は10%±10%又は20%±10%であり、PRFは1kHz±10%又は100kHz±10%であることが好ましいが、これに限定されない。コントローラ12は、上述した周波数、照射時間、出力、duty比、及びPRFで、生体に超音波を照射するように超音波送信部14を制御する。
 また、コントローラ12は、複数の探触子21~21nのそれぞれを、時分割で順次駆動して同一の周波数で超音波を放出させるように超音波送信部14を制御してもよい。例えば、4つの探触子21を用いて、PRF1kHz及びduty比20%で超音波を照射する場合、1つの探触子21を200μsec駆動し、50μsec休止した後、他の1つの探触子21を200μsec駆動し、これを4つの探触子21の全てについて順次繰り返し、総照射時間及び総出力が上述した範囲内になるように制御する。探触子21の駆動順については特に限定されない。このように超音波照射することによって、特定箇所に超音波の照射エネルギーが集中することなく、生体に効率よく超音波を照射することができる。
 (第2の実施形態)
 本発明に係るPGC-1の発現制御装置の他の実施形態について、図2を参照して以下に説明する。図2は、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1aの他の実施形態を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係るPGC-1の発現制御装置1aは、超音波送信部14が1つである点と、切り替えスイッチ15を備えている点とにおいて第1の実施形態のPGC-1の発現制御装置1と異なっている。本実施形態においては、第1の実施形態と異なる点についてのみ詳細に説明し、他の説明は省略する。
 PGC-1の発現制御装置1aにおいては、本体部10aの1つの超音波送信部14によって、プローブ20aの複数の探触子21~21nに対して所定の超音波を送信する。超音波送信部14の送信用発振部142から発振されて送信器141に出力された超音波は、切り替えスイッチ15において複数の探触子21~21nに対して所定の超音波を送信するように切り替えられ、各探触子21に送信される。このように、探触子21を複数備えることによって、広範囲の超音波照射を実現しつつ、超音波送信部14の数を減らすことができるので、本体部10aの小型化及び低コストな超音波照射を実現できる。
 (探触子21)
 次に、PGC-1の発現制御装置1及び1aのプローブ20又は20aに備えられた探触子21の構成について、図3(a)及び(b)を参照して説明する。図3(a)及び(b)は、本発明に係るPGC-1の発現制御装置の1及び1aの探触子21の構成例を示す模式図である。図3中(a)は、探触子21の上面図を示しており、図3中(b)は探触子21の断面図を示している。
 図3(a)及び(b)に示すように、探触子21は、探触子ハウジング210内に、複数の振動子211と感度データ格納素子212とを備え、これらがコネクタ213により接続されている。振動子211は、ハウジング210内に2行3列に配列して設けられている。なお、本実施形態において振動子211を6素子用いて2行3列に配列して設けたが、本発明はこれに限定されない。ハウジング210はシリコン等によって形成される。探触子21は、図3(a)及び(b)に示すように、生体への接触面積を増大させ、超音波の照射面積を増大させるために、矩形状であることが好ましい。プローブ20aにおいては、矩形状の探触子21を複数設け、隣接する探触子21を互いに接続させて構成する。
 複数の振動子211はそれぞれ、超音波送信部14から送信される超音波を受信して振動し、生体に対して超音波を照射する。感度データ格納素子212は、探触子21の感度データを格納して記憶する。各探触子21毎に記憶された感度データは、コントローラ12又は送信器141にフィードバックされ、これに基づいて探触子の感度ばらつきが補正される。また、探触子21は、探触子の感度分類を示すデータを格納する素子を備えていてもよく、当該データをコントローラ12等にフィードバックして、感度ばらつきを補正するようになっていてもよい。
 〔虚血性疾患の治療装置及び治療方法〕
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置は、上述した本発明に係るPGC-1の発現制御装置1を備えている。本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、生体に超音波を照射してPGC-1の発現を促進する発現促進工程を包含している。また、本発明に係る虚血性疾患の治療方法は、生体に超音波を照射する超音波照射工程をさらに包含していてもよい。本発明に係る虚血性疾患の治療方法において、発現制御工程及び超音波照射工程は本発明に係るPGC-1の発現制御装置1によって行うことができる。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法の治療の対象となる疾患は、血流の低下により生じる虚血性疾患であり、PGC-1の発現を制御することによって治療効果を発揮することができる疾患であれば特に限定されない。例えば、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)、ビュルガー病(TAO)等が挙げられ、特にASO、TAO等の重症虚血性末梢血管疾患の治療に好適に使用可能である。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法においては、治療の対象となる生体の虚血性疾患部位(患部)に超音波を照射してPGC-1の発現を制御することによって、VEGFが関与する血管新生を促進し、上述したような虚血性疾患を治療する。本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法によるPGC-1の発現の制御は、本発明に係るPGC-1の発現制御装置1の超音波送信部14から生体の患部に超音波を照射することによって行うことができる。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法において、生体に照射される超音波の周波数は0.5~3MHzの±10%の範囲内であることが好ましく、1~2MHzの±10%の範囲内であることがさらに好ましく、2MHz±10%であることが最も好ましい。また、その照射時間は、1日あたり20分~40分間の±10%の範囲内であることが好ましく、1日あたり20分間±10%であることが最も好ましい。また、本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法において、生体に照射される超音波の出力は30mW/cm±10%であり、duty比は10%±10%又は20%±10%であり、PRFは1kHz±10%又は100kHz±10%であることが好ましいが、これに限定されない。
 また本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法においては、複数の探触子のそれぞれから時分割で順次放出された超音波を、生体に照射してもよい。これにより、特定箇所に超音波の照射エネルギーが集中することなく、生体に効率よく超音波を照射することができる。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置は、患部を覆う皮膚の表面に、PGC-1の発現制御装置1のプローブ20が接するように、生体に取り付けて使用することができる。プローブ20が生体に取り付けられた後、超音波送信部14から探触子21に送信された超音波を、探触子21から生体に対して出力する。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法においては、生体の患部全体に超音波を照射することが好ましい。したがって、治療の対象となる患部が広範囲に及ぶ場合、一度の照射では患部全体に超音波を照射できないため、一度目の超音波照射の後にプローブ20を取り外し、他の箇所にプローブを取り付けて二度目の超音波照射を行い、患部全体に超音波を照射するまでこれを繰り返せばよい。本明細書中において、「患部」とは、疾患が生じている部分(病状が観察される部分)を意図しており、「患部全体」とは、一定範囲内において疾患が生じている部分の全てを意図している。
 本発明に係る虚血性疾患の治療方法においては、治療効果を確認する工程をさらに包含していてもよい。当該工程において、超音波照射部位のPGC-1又はVEGFの発現量を測定することにより治療効果を確認してもよい。
 本発明に係る虚血性疾患の治療装置及び治療方法によれば、非侵襲的に超音波を患部に照射し、PGC-1の発現を制御することによって、VEGFが関与する血管新生を促すので、患者に過度の負担を与えることなく治療することが可能である。また、治療経費が安価である上に、安全性が確立されており、かつ安定性が高いので、適用患者が限定されない。
 〔実施例〕
 (実施例1)
 ヒト間葉系幹細胞(MSC)を用いて、超音波照射によるPGC-1及びVEGFの発現量の変化について調査した。
 ヒト間葉系幹細胞(R17、R22、R37、R44)(患者腸骨髄より採取)を、6穴プレート上でサブコンフルエント(subconfluent)になるように48時間培養した。その後、細胞を15時間血清飢餓状態(0.1%BSA)においた。
 次に細胞を、10cmディシュ2枚にそれぞれ播種し、10%FBS(Biowest社製)含有低グルコースDMEM培地(SIGMA社製;D6046)で培養して継代後、5ディッシュに分けた。95%コンフルエントに達したときに、培地を除去してPBSにおいて細胞を洗浄し、2mLの0.05%トリプシン/0.02%EDTAを加えて3分間放置した。その後、10%FBS(Biowest社製)含有低グルコースDMEM培地(SIGMA社製;D6046)を8mL加え、細胞懸濁液50mLをチューブに移した。
 この細胞懸濁液を含むチューブを遠心分離(1100rpmで5分間)した後上清を除去し、50%コンフルエントとなるように適量の10%FBS(Biowest社製)を含む低グルコースDMEM培地(SIGMA社製;D6046)に再懸濁させた。この再懸濁液を2mLずつ6ウエルプレートに播種し、COインキュベーターで培養した。培養2日後に、培地を除去してPBSで2回洗浄した後、0.1%BSA含有低グルコースDMEM培地を2mL添加して血清飢餓状態においた。
 血清飢餓状態においてから16時間後、超音波照射群の細胞に周波数(1MHz、1.5MHz、2MHz及び3MHz)、出力(30mW/cm)、duty比(20%)、PRF(1kHz)の条件で20分間、4つの探触子21を備えた図1に示す装置を用いて超音波照射を行った。超音波の照射は、1つ目の探触子21を200μsec駆動し、50μsec休止した後、2つ目の探触子21を200μsec駆動し、これを4つの探触子21の全てについて順次繰り返し、総照射時間及び総出力が上述した値になるように行った。具体的には、バット上に図1に示す装置を載置してバット内に水を張り、当該バット内の水上に細胞懸濁液を播種した6ウエルプレートを浮かべ、水でカップリングして当該装置から超音波を細胞に照射した。超音波照射開始から1、3、6、9、及び12時間後にそれぞれ培地を除去し、PBSで細胞を2回洗浄した。
 洗浄後、Solution I(Roche RNA Isolation Kit、Roche社製)を0.6mL添加してピペットで混合した。その後細胞を回収してRNA抽出まで-80℃でサンプルを凍結保存した。超音波を照射しないコントロール細胞についても同様に準備した。
 凍結保存したサンプルから、High Pure RNA Isolation Kitを用いて、Roche RNA Isolation Kitマニュアルに従ってTotalRNAを抽出した。
 抽出したRNA 500μgを反応プレートに入れ、液量が10μLとなるように、Rnase/Dnaseフリー水を加えた。1μLのOLIGO dT20を(2pmol/μL)さらに加え、65度で5分間RNAを変性させた。RNA変性後、プレートを急速に常温に戻した後、1分間遠心分離した。さらに、表1に示すRT-PCR反応液を9μL加えて攪拌し、遠心分離した。42度で20分間、99度で5分間反応させ、RT-PCRを行った。逆転写酵素としてReverTraAce(登録商標)(TOYOBO社製)を用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 RT-PCRステップ後の反応液を遠心分離し、80μLのRnase/Dnaseフリー水を加えて攪拌した。得られた2μLのcDNAを、表2に示すリアルタイムPCR反応液 8μLを加えたプレートの各ウエルに入れて攪拌した後、4000rpmで10分間遠心分離した。遠心分離後の反応液を95度で10分間反応させた後、最大45サイクルまで95度で10秒間、60度で25秒間反応させ、リアルタイムPCRを行った。リアルタイムPCRは、LightCycler480IIを用いて行った。リアルタイムPCRにより増幅したcDNAに対して、HPRT1遺伝子を内部標準としてPGC-1α、VEGF-A、VEGF-B、及びVEGF-CのRNA発現量を定量した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 結果を図4~7に示す。図4~7においては、超音波照射後の細胞における遺伝子の転写量を、超音波照射していないコントロール細胞における遺伝子の転写量に対する相対比として表している。
 図4に示すように、コントロール細胞のPGC-1αのRNA発現量(HRPT1比)を1としたときの、超音波照射細胞のPGC-1αのRNA発現量の相対比は、超音波の周波数1MHz~3MHzのいずれにおいても、超音波照射6時間後まで増加した。また、図5~7に示すように、VEGF-A、VEGF-B、及びVEGF-CそれぞれのRNA発現量も、超音波照射により増加した。
 (比較例1)
 実施例1と同様に調製したヒト間葉系幹細胞において、超音波照射によるHIF-1αの発現量の変化を実施例1と同様に調査した。結果を図8に示す。図8に示すように、HIF-1αのRNA発現量は、超音波照射によって変化しなかった。
 (実施例2)
 血管新生モデルマウスを用いて、超音波照射によるPGC-1及びVEGFの発現量の変化について調査した。
 抗ウサギPGC-1抗体(sc-13067)、抗ウサギVEGF抗体(sc-152)、抗ヤギVEGF-B抗体(sc-1876)、及び抗ヤギVEGF-C抗体(sc-1881)を、Santa Cruz Biotechnology社より購入した。抗CD31抗体を、BD Pharmingen社より購入した。ヒストファインシンプルステインマウスMAX-PO(R)、ヒストファインシンプルステインマウスMAX-PO(Goat)、シンプルステインDAB溶液を、株式会社ニチレイバイオサイエンス社より購入した。アルカリ性ホスファターゼ染色キットを、シグマアルドリッチ社から購入した。
 マウス(C57B6/6J、♂、8週齢)を日本チャールズ・リバー株式会社より購入した。血管新生モデルマウスの作製を、定法に従って行った(参考文献1:Am J Pathol 1998. 152:1667-1679)。血管新生モデルマウスの虚血処理を施した足(患足)にカップリング剤を塗布し、当該カップリング剤を介して図1に示す装置から患足に超音波を照射した。照射する超音波の周波数を1MHz及び2MHzとした以外は、実施例1と同様の照射条件で超音波照射を行った。超音波照射の前日、並びに超音波照射開始日の1日後、4日後、7日後、11日後、14日後、18日後、21日後、25日後、及び28日後に、レーザードップラー血流解析(Moor LDI; Moor Instruments, Axminster, UK)により血流回復を評価した。
 結果を図9~14に示す。図9は、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID10の結果を示しており、図10は、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID15の結果を示している。図11は、周波数2MHzで超音波を照射した個体ID20の結果を示しており、図12は、周波数2MHzで超音波を照射した個体ID21の結果を示している。図13は、超音波を照射していないコントロール個体ID26の結果を示しており、図14は、超音波を照射していないコントロール個体ID7の結果を示している。
 図9~12の各レーザードップラー撮影写真に示すように、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID10及びID15、並びに周波数2MHzで超音波を照射した個体ID20及びID21については、28日目までに十分な血流回復が確認された。一方、図13及び14の各レーザードップラー撮影写真に示すように、超音波を照射していないコントロール個体ID26及びID7については、28日目までに十分な血流回復が確認できなかった。
 マウスを取り扱う際は、実験動物用ガス麻酔システム(DSファーマ社製)を用いて、イソフルラン(アボットジャパン株式会社製)吸入麻酔下で行った。28日目のレーザードップラー血流解析後、ペントバルビタール(25mg/kg)麻酔下で頚動脈切断並びに脱血させることで、マウスを死に至らしめた。その後、速やかに両足の大腿筋を摘出し、6%トラガントゴムを盛り付けた5mmコルク(φ21mm)の上に乗せ、液体窒素で冷却したイソペンタン中で急速冷凍した。凍結組織をプラスチック瓶内に保存し、薄切するまで-80℃で保管した。
 <ヘマトキシリン・エオジン染色>
 -80℃で保存していた凍結組織を、クリオスタット(LEICA CM1950)内で-25℃に戻し、5μmの厚みになるように薄切した。薄切組織切片をAPSコートスライドガラス(S8441;松浪硝子工業株式会社製)に接着させた。室温で30分間風乾させ、10%中性緩衝ホルマリン液中(062-01661;和光純薬工業株式会社製)で10分間固定した。固定した組織切片をマイヤーヘマトキシリン(サクラファインテックジャパン株式会社製)で12分間染色後、温水発色し、さらにエオジン(サクラファインテックジャパン株式会社製)で10分間染色後、流水水洗した。染色後の組織切片の脱水及び透徹処理を行い、封入した。封入した組織切片について、倒立式光学顕微鏡(OLYMPUS IX81)により顕微鏡写真を撮影した。結果を図15~17に示す。
 図15~17に示すように、各標本において筋線維の断面が表示され、血管組織も確認された。したがって、これらの個体の標本を用いて、以下に示すアルカリ性ホスファターゼ染色及び免疫組織染色を行い、血管新生を観察した。また、血管数の増加を確認するために、血管内皮のマーカーであるCD31の増加を免疫組織染色により観察した。
 <アルカリ性ホスファターゼ染色>
 -80℃で保存していた凍結組織を、クリオスタット(LEICA CM1950)内で-25℃に戻し、5μmの厚みになるように薄切した。薄切組織切片をAPSコートスライドガラス(S8441;松浪硝子工業株式会社製)に接着させた。室温で30分間風乾させ、アルカリ性ホスファターゼ染色キットを用い、定法に従ってアルカリ性ホスファターゼ染色を行った。染色した組織切片を、倒立式光学顕微鏡(OLYMPUS IX81)により顕微鏡写真を撮影した(図18~20)。
 図18~20に示すように、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID15、ID10、及びID16、並びに周波数2MHzで超音波を照射した個体ID21、ID20、及びID19については、血管新生が観察された一方で、超音波を照射していないコントロール個体ID7、ID26及びID4については、血管新生が観察されなかった。
 また、得られた写真像からALPase陽性反応を得たスポット数を計数して、同写真像に含まれる筋線維数で除し、片足あたり5視野ずつ計数して、その平均値を求めた。患足から得た平均値を、もう片方の虚血処理を施していない足(健足)から得た平均値で除することによって、標準化処理を行った。結果を図21に示す。
 図21は、健足に対する患足の毛細血管密度比をグラフ化したものである。図21に示すように、超音波照射群では多数の血管新生が確認された一方で、超音波を照射していないコントロール個体ID7、ID26及びID4については、確認された血管新生は少ないものであった。
 <免疫組織化学染色>
 -80℃で保存していた凍結組織(虚血側下肢)を、クリオスタット(LEICA CM1950)内で-25℃に戻し、5μmの厚みになるように薄切した。薄切組織切片をAPSコートスライドガラス(S8441;松浪硝子工業株式会社製)に接着させた。室温で30分間風乾させ、10%中性緩衝ホルマリン液中で10分間固定した。TBSTで十分に洗浄し、1.5%過酸化水素水加メタノール処理により内在性ペルオキシダーゼを失活させた。TBSTで十分に洗浄した後、TBST中に溶解させた0.5%blocking reagent(1096176;ロシュダイアグノスティックス株式会社)を用いて、ブロッキング処理を室温で1時間行った。
 0.5%blocking reagent/TBSTで適当に希釈した各種一次抗体を組織切片上に滴下し、4℃で一晩、抗原-抗体反応を行った。組織切片をTBSTで十分に洗浄した後、各種ヒストファインシンプルステインを用いて、定法に従って処理した。TBSTで十分に洗浄した組織切片上にシンプルステインDAB溶液を滴下し、室温で5~20分間反応させた後、流水洗浄により反応を停止させた。組織切片を精製水によりよく洗浄した後、5倍希釈したマイヤーヘマトキシリンで30秒間反応させ、温水発色させた。組織切片の脱水・透徹処理を行い、封入した。封入した組織切片について、倒立式光学顕微鏡(OLYMPUS IX81)により顕微鏡写真を撮影した。結果を図22~27に示す。
 図22は、抗ウサギPGC-1抗体を用いてPGC-1αの発現を確認した結果を示す写真図であり、図23は、抗ウサギVEGFA抗体を用いてVEGFAの発現を確認した結果を示す写真図である。これらのネガティブコントロールとして、図26に、ウサギネガティブコントロール抗体を用いた結果を示す。また、図24は、抗ヤギVEGF-B抗体を用いてVEGFBの発現を確認した結果を示す写真図であり、図25は、抗ヤギVEGF-C抗体を用いてVEGFCの発現を確認した結果を示す写真図である。これらのネガティブコントロールとして、図27に、ヤギネガティブコントロール抗体を用いた結果を示す。
 図22~25に示すように、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID15、ID10、及びID16、並びに周波数2MHzで超音波を照射した個体ID21、ID20、及びID19については、それぞれPGC-1α、VEGFA、VEGFB、及びVEGFCの発現が確認された。一方、超音波を照射していないコントロール個体ID7、ID26及びID4については、PGC-1α及びVEGFAの発現が超音波照射個体よりも少なく、また、VEGFB及びVEGFCの発現が超音波照射個体と同等であった。
 また、CD31抗体を用いて、同様に免疫組織化学染色を行った組織切片について、立式光学顕微鏡(OLYMPUS IX81)により撮影した顕微鏡写真を、図28~30に示した。また、上述したアルカリ性ホスファターゼ染色で得られた切片と同様に、CD31陽性反応を得たスポット数を計数し、健足に対する患足の毛細血管密度比をグラフ化した(図31)。
 図28~30に示すように、周波数1MHzで超音波を照射した個体ID15、ID10、及びID16、並びに周波数2MHzで超音波を照射した個体ID21、ID20、及びID19については、患足においてCD31陽性反応が多数確認された。一方、超音波を照射していないコントロール個体ID7、ID26及びID4の患足におけるCD31陽性反応の数は少なかった。図31に示すように、CD31陽性反応を得たスポット数に基づく毛細血管密度比は、超音波を照射していないコントロール群に対して、超音波照射群の方が高かった。
 本発明に係るPGC-1αの発現制御装置は、生体内におけるPGC-1αの発現を制御することによってVEGFの発現量を制御し、血管新生を促進することができるので、慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)やビュルガー病のような虚血性疾患の治療装置に利用することができる。
 1、1a   PGC-1の発現制御装置
 10、10a 本体部
 11     ユーザインターフェース
 12     コントローラ(制御手段)
 13     電源部
 14     超音波送信部(超音波照射手段)
 15     切り替えスイッチ
 20、20a プローブ
 21     探触子(超音波放出端子)

Claims (11)

  1.  対象に超音波を照射する超音波照射手段を備えたことを特徴とするPGC-1の発現制御装置。
  2.  周波数が0.5~3MHz±10%の範囲内の超音波を上記対象に照射するように上記超音波照射手段を制御する制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のPGC-1の発現制御装置。
  3.  上記制御手段は、上記対象に超音波を1日あたり20~40分間±10%の範囲内で照射するように上記超音波照射手段を制御することを特徴とする請求項2に記載のPGC-1の発現制御装置。
  4.  上記超音波照射手段は、上記対象に対して媒体を介して非侵襲的に接触し、上記対象に照射する超音波を放出する少なくとも1つの超音波放出端子をさらに備えていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のPGC-1の発現制御装置。
  5.  複数の上記超音波放出端子のそれぞれを時分割で順次駆動して超音波を放出させるように上記超音波照射手段を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項4に記載のPGC-1の発現制御装置。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載のPGC-1の発現制御装置を備えたことを特徴とする虚血性疾患の治療装置。
  7.  生体に超音波を照射してPGC-1の発現を促進する発現促進工程を包含することを特徴とする虚血性疾患の治療方法。
  8.  周波数が0.5~3MHz±10%の範囲内の超音波を上記生体に照射する超音波照射工程をさらに包含することを特徴とする請求項7に記載の虚血性疾患の治療方法。
  9.  上記超音波照射工程において、上記生体に超音波を1日あたり20~40分間±10%の範囲内で照射することを特徴とする請求項8に記載の虚血性疾患の治療方法。
  10.  上記超音波照射工程において、複数の超音波放出端子のそれぞれから時分割で順次放出された超音波を、上記生体に照射することを特徴とする請求項8又は9に記載の虚血性疾患の治療方法。
  11.  上記超音波照射工程において、上記生体の患部に超音波を照射することを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の虚血性疾患の治療方法。
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