WO2008072297A1

WO2008072297A1 - 電熱式ガラスハンガー

Info

Publication number: WO2008072297A1
Application number: PCT/JP2006/324639
Authority: WO
Inventors: Takao Suzuki
Original assignee: Devicestyle Holdings Corporation
Priority date: 2006-12-11
Filing date: 2006-12-11
Publication date: 2008-06-19

Abstract

　本発明は、長期間の使用に耐え、消費電力を低減でき、環境にも良い電熱式ガラスハンガーを提供することを目的とする。　加温可能なハンガーであって、透明導電膜７を有するガラス１と、当該透明導電膜７に接触し、当該透明導電膜７に電流を流すための電極２とを備える電熱式ガラスハンガー１０とする。

Description

明細書

電熱式ガラスハンガー

技術分野

[0001] 本発明は、加温可能なハンガーに関する。

背景技術

[0002] 寒い時期などに衣服を前もって温めておくために、従来より、家庭においては、衣服をコタツの中に入れておくなどの方法がとられてきた。しかし、力かる方法には、しわがよる、埃が付着する、乱雑になるなどの問題がある。

[0003] この改善策として、衣服をかけるハンガー表面および内部に発熱手段を設ける保温ハンガーが提案され、当該発熱手段として、電気ヒータ、あるいは化学反応を熱に変換するカイロなどが提案されている。（例えば特許文献 1および特許文献 2参照。 ) 特許文献 1：実開昭 63— 73083公報

特許文献 2 :特開 2005— 253517公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] しかし、上述した保温ハンガーでは、以下のような各種の問題がある。すなわち、既に提案されてヽる保温ハンガーの加熱方法にぉ、て、電気ヒータによる加熱では、発熱面積が狭ぐ電気ヒーターの周辺の空気や固体を媒体して熱を伝えるため、消費電力が多くなるという問題がある。力 tlえて、電気ヒータを使用する場合、加熱部の断線が多ぐ加熱部の寿命が短、と、う問題もある。

[0005] さらに、ハンガー自体を金属材料または榭脂材料にて構成すると、腐食したり、傷がっきやすぐ特に榭脂材料を使うと熱でゆがみやすぐ長期間使用できないという問題もある。

[0006] また、化学反応を熱に変換するカイロなどを用いる方法があるが、カイロは使い捨てで、カイロ交換の必要があり、煩雑で、かつ廃棄物がでるという問題がある。

[0007] そこで、本発明は、長期間の使用に耐え、消費電力を低減でき、環境にも良い電熱式ガラスハンガーを提供することを目的とする。課題を解決するための手段

[0008] かかる目的を達成するため、本発明は、加温可能なハンガーであって、透明導電膜を有するガラスと、当該透明導電膜に接触し、当該透明導電膜に電流を流すための電極を備える電熱式ガラスハンガーとして、る。このような構成の電熱式ガラスハンガーにより、加温する際には、透明導電膜全体が加熱するため、温度ムラがなぐェネルギーロスも少ない。また、透明導電膜より多量の遠赤外線を放射することにより効率よく加熱できるため、消費電力を少なくすることが可能となる。さらに、電気ヒータのように発熱部が電熱線ではなぐ膜であるため、断線せず、過熱による破損も低減できるので、長期間の使用が可能となる。

[0009] また、別の本発明は、上述の発明において透明導電膜を有するガラスを複数枚有し、当該ガラス同士の対向面に電極を有する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、誤って電極に触れて感電する危険性がない。

[0010] また、別の本発明は、透明導電膜を有するガラス同士の間に隙間を有する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、ガラス同士の間で通気がよくなるため、衣服が早く乾燥する。

[0011] また、別の本発明は、透明導電膜を有するガラスの表裏方向に貫通する穴を有する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、穴を使用して複数の衣服をかけることが可能となる。また、穴によって通気がよくなるため、衣服が早く乾燥する。

[0012] また、別の本発明は、ガラスの面内の一方に偏るように前記貫通する穴を配置する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、穴周辺の空気は、穴のない位置の空気と比較して、温度が低いことから、温度の高低差によって空気の対流が発生し、衣服が早く乾燥する。よって、送風機がなくても空気の対流が発生するため、送風機を駆動するための電力を削減することが可能となる。

[0013] また、別の本発明は、除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用の少なくとも一つを生ずる物質を有する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、電熱式ガラスハンガーに除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用を加えることが可能となる。また、除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用の少なくとも一つを生ずる物質は、空気の対流がない場所に各作用を生じる物質を置いても効果がほとんどないことが問題である。しかし、空気の対流がある場所では広範囲に効果がある。つまり、空気の対流を発生させる他の発明と組み合わせることで効果をアップできる。

[0014] また、別の本発明は、送風機を有する電熱式ガラスハンガーとしている。このため、衣服を早く乾燥させることが可能となる。

発明の効果

[0015] 本発明によれば、長期間の使用に耐え、消費電力を低減でき、環境にも良い電熱式ガラスハンガーを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]本発明に係る電熱式ノ、ンガーの実施の形態の斜視図である。

[図 2]本発明に係る電熱式ノ、ンガーの実施の形態を図 1に示す矢印 Aの方向から見た側面図である。

[図 3]図 1に示す電熱式ノ、ンガーの穴の偏在による発熱部内の温度差を説明するための図である。

[図 4]図 1に示す電熱式ノ、ンガーの台座内にある電気制御装置を示すブロック図である。

[図 5]本発明に係る電熱式ノ、ンガーの実施の形態の使用例を示す斜視図である。

[図 6]本発明に係る電熱式ノ、ンガーの他の実施の形態を示す側面図である。

符号の説明

[0017] 1 ガラス

2 電極

4 穴

7 透明導電膜

10 電熱式ガラスハンガー

40 送風機

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、本発明に係る電熱式ハンガーの好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

[0019] 図 1は、本発明の実施の形態に係る電熱式ノヽンガーの斜視図である。図 2は、図 1 に示す矢印 Aの方向力も見た電熱式ノ、ンガーの側面図である。

[0020] 本実施の形態に係る電熱式ノヽンガー 10は、透明導電膜 7 (図 1では、カツコ書きにて符号を表示している）をその表面に有するガラス 1を備える発熱部 11と、台座 12とから、主に構成される。台座 12は、その上方にガラス 1を立設させ、台座 12の内部には、主として、透明導電膜 7への通電を制御するための電気制御装置が格納されている。電気制御装置には、外部電源（図示省略）に接続して、その外部電源カゝら電力を供給するための電源コード 3が接続されている。

[0021] 本実施の形態では、発熱部 11は、対向して立設される 2枚のガラス 1から主に構成されている。発熱部 11は、衣服をかける必要から、横幅よりも高さ方向に長い形状を有している。 2枚のガラス 1は、同一の形状および寸法を有し、台座 12の近傍まで長さ方向に同幅で、当該近傍において、下方に向力うにつれて徐々に幅が狭くなる形状いわゆるホームベースの形状を有する。 2枚のガラス 1の間には、隙間がある。 2枚のガラス 1は、台座 12に固定される部分以外の角にビス 8を貫通させて、固定されている。

[0022] 各ガラス 1の互いに対向する面の両端には、各 2本の電極 2が配置されて!、る。各電極 2は、ガラス 1の長手方向に伸びるように形成されている。各ガラス 1において、一方の電極 2は正極、他方の電極 2は負極となっている。電流は、電源コード 3を通じて外部電源から供給され、台座 12内部の電気制御装置による制御の下、 2つの電極 2の間にある透明導電膜 7内を流れる。

[0023] 透明導電膜 7とは、可視光の透過率が高ぐかつ電気伝導度の比較的大きな薄膜である。透明導電膜 7の材料は、主として、金属酸化物（例えば SnO、 Ln O、 Zn

2 2 3

Oあるいはこれらに他の金属元素をカ卩えたィ匕合物）である。ただし、透明導電膜 7の材料はこれらの材料に限定されず、可視光の透過率が高ぐかつ電気伝導度の比較的大きな薄膜となる材料のあらゆる材料を意味する。

[0024] 本実施の形態では、熱的にも化学的にも安定であり、原材料費が安価である SnO

2 を主成分とする透明導電膜 7を用いてヽる。 [0025] 透明導電膜 7を有するガラス 1は、例えば、次のような工程を経て作成される。まず SnOを主成分とする溶液に 1または 2以上の金属を添加する (ステップ 1)。次に、高

2

温炉の中にガラス 1を入れて、その高温炉内にて、ステップ 1にて作製された金属酸化物の溶液をガラス 1の表面にスプレー蒸着する (ステップ 2)。次に、図 1に示す形状に、透明導電膜 7付きのガラス 1をカットする (ステップ 3)。次に、電極 2を透明導電膜 7に接触するように、ガラス 1に取り付ける (ステップ 4)。

[0026] ステップ 4において、電極 2を取り付ける方法は、特に限定されないが、薄膜状に電極 2を形成する方法 (例えば、スパッタリング）が好ましい。ステップ 4の後、透明導電膜 7と電極 2を付けたガラス 1を炉に入れて、圧縮応力を生じるような条件にて加熱、および冷却を行う（ステップ 5)。最後に、炉カもガラス 1を取り出し、電極 2にリード線を取り付ける (ステップ 6)。

[0027] 透明導電膜 7は、 2つの電極 2と接触している限り、ガラス 1の表面の一部分に形成されていても、あるいはガラス 1の表面全体に形成されていても良い。ただし、洋服を全体的に温める為には、透明伝導膜 7を形成する面積が大きい方が好ましい。また、ガラス 1の表面全体に透明導電膜 7を形成することにより、洋服が透明導電膜 7と接し、乾燥の際に発生する静電気の除電作用も期待できる。

[0028] 本実施の形態では、透明伝導膜 7を有するガラス 1に、その表裏方向に貫通する穴 4を 3つ備えている。穴 4は、水平方向に長いスリット形状であり、ガラス 1の高さ方向に 3段に配置されている。穴 4の数、大きさ、および形状は特に限定されないが、本実施の形態のように、地面と水平方向に長い穴 4を設けると、ズボン、タオル、小物などを、穴 4に通して、上着と一緒に掛けておくことができる。

[0029] 図 3は、穴 4の偏在による発熱部 11内の温度差を説明するための図である。図 3において、一方の電極 2から他方の電極 2へ延びている矢印付きの二点鎖線は、電流の流れる方向を示す。図 3に示すように、穴 4の形成位置は、台座 12から離れたガラス 1の上半分の位置に偏っている。穴 4では、放熱することにカ卩え、穴 4の位置は発熱しないため穴 4の周辺よりも、穴 4の開いていない台座 12側が暖められる。そのため、図 4における一点鎖線の楕円にて囲ってある領域の空気は、穴 4の開いている上方側へ移動する。 [0030] 特に、比較的高温の領域を床方向に設けることで、高温の空気を上昇させ、自然対流を生じやすくできる。

[0031] 図 4は、電熱式ハンガー 10の台座 12内にある電気制御装置を示すブロック図である。

[0032] 台座 12は、楕円柱形状で、その内部に電気制御装置 20を有する。また、発熱部 1 1と台座 12の接続部 5には、脱臭'消臭などの効果が得られるマイナスイオン発生物質となるセラミックが設置されている。また、セラミック力ものマイナスイオンを放出させるために、セラミックと接するように、セラミック加熱用ヒータ 30が設置されている。さらに、脱臭'消臭効果を高めるために、送風機 40が設けられている、送風機 40は、台座 12の内部に設置され、その風の吹き出し口を発熱部 11と台座 12の接続部 5であつて、 2枚のガラス 1の間に設けられている。接続部 5に設置したマイナスイオン発生物質からのマイナスイオンは、前述の空気の流れを利用して全体に効率よくいきわたる。電気制御装置 20は、発熱部 11の温度を制御するための温度制御装置 21と、送風機 40のモータを制御するモータ制御装置 22と、セラミック加熱用ヒータ 30を制御するヒータ用制御装置 23とを備えて、る。

[0033] なお、上述の実施の形態は、本発明に係る電熱式ガラスハンガーの例である力本発明はこれに限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、マイナスイオン発生物質としてセラミックを設置している力セラミック〖こ限らず、どのようなマイナスイオン発生物質や発生機構を採用しても良い。他の物質や機構を用いる際には、本実施の形態で用いられるセラミック加熱用ヒータ 30を必ずしも備えなくともよい。

[0034] また、マイナスイオンに限らず、除菌作用、消臭作用、抗菌作用等を付与する物質であれば、発熱部 11と台座 12の接続部 5に設置もしくは内蔵する力接続部 5でない場所、たとえばビス 8に塗布するようにしても良い。なお、台座 12自体を、除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用機能のある物質で構成してもよい

[0035] 図 5は、電熱式ガラスハンガー 10の使用例を示す斜視図である。

[0036] 図 5に示すように、発熱部 11には上着 50を力 4ナ、穴 4の一つにズボン 51を通し、上着 50とズボン 51を加温すると共に保持することができる。

[0037] また、透明伝導膜 7を有するガラス 1を 3枚以上用いても良い。

[0038] 図 6は、電熱式ガラスハンガー 10の別の実施の形態を示す側面図であり、（A)は、ガラス 1を 1枚のみ用いる発熱部 11を備えた例であり、（B)は、 2枚のガラス 1を用い、それらの間に隙間のな!、発熱部 11を備えた例である。

[0039] また、図 6(A)に示すように、透明伝導膜 7を有するガラス 1を 1枚のみ用いる形態を採用すると、軽量ィ匕を図ることができる。図 6 (B)に示す例のように、対向するガラス 1 の間に隙間を形成することなく電極 2を配置してもよい。

[0040] また、本実施の形態は、床置き式の電熱ガラスハンガー 1であるが、吊り下げ式であつても、壁掛け式であってもよい。その際には、台座があってもなくてもよい。また、除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用や送風機能を付与する装置は、電熱式ガラスハンガー 10のどの位置に設置されてもよい。

産業上の利用可能性

[0041] 本発明は、電熱式のハンガーを製造又は使用する産業に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 加温可能なハンガーであって、透明導電膜を有するガラスと、

当該透明導電膜に接触し、当該透明導電膜に電流を流すための電極と、を備えることを特徴とする電熱式ガラスハンガー。

[2] 前記透明導電膜を有するガラスを複数枚有し、当該ガラス同士の対向面に前記電極を有することを特徴とする請求項 1に記載の電熱式ガラスハンガー。

[3] 前記透明導電膜を有するガラス同士の間に隙間を有することを特徴とする請求項 2 に記載の電熱式ガラスハンガー。

[4] 前記透明導電膜を有するガラスの表裏方向に貫通する穴を有することを特徴とする請求項 1から請求項 3のいずれか 1項に記載の電熱式ガラスハンガー。

[5] 前記ガラスの面内の一方に偏るように前記貫通する穴を配置することを特徴とする請求項 4に記載の電熱式ガラスハンガー。

[6] 除菌作用、消臭作用、抗菌作用あるいはマイナスイオン作用の少なくとも一つを生ずる物質を有することを特徴とする請求項 1から請求項 5のいずれか 1項に記載の電熱式ガラスハンガー。

[7] さらに、送風機を有することを特徴とする請求項 1から請求項 6のいずれか 1項に記載の電熱式ガラスハンガー。