WO2007139003A1

WO2007139003A1 - 車両判別装置、車両判別方法、車両判別プログラム、および車両判別プログラムを格納したプログラム記録媒体

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Publication number: WO2007139003A1
Application number: PCT/JP2007/060679
Authority: WO
Inventors: Sahoko Hata; Atsuyoshi Ando; Kenji Kodama; Takako Shinjo; Kunikazu Takahashi
Original assignee: Fujitsu Limited
Priority date: 2006-05-26
Filing date: 2007-05-25
Publication date: 2007-12-06
Also published as: US20090060279A1; EP2023309A4; US8433099B2; JP4973008B2; JP2007317025A; CN101454815B; EP2023309A1; CN101454815A; DE602007010454D1; EP2023309B1

Abstract

【課題】大量の車両静止画像データを車種ごとに判別させる際に、高速処理にて判別できる車両判別装置を提供する。【解決手段】撮像画像の等間隔の位置の画素を明度成分に変換し、微分フィルターをかけ、求めた変化量の中で一定以上大きいものが何個存在するかをカウントし、そのカウント値に基づいて対象画像に撮像されている車両を判別するので、撮像画像中で撮像される対象物の大きさに従いカウント値も変化し、占有領域の大きいものはカウント値も大きく、占有領域の小さいものはカウント値も小さく、それによって車両を正しく判別することができる。

Description

明細書

車両判別装置、車両判別方法、車両判別プログラム、および車両判別プログラムを格納したプログラム記録媒体

技術分野

[0001] 本発明は車両の撮像画像力情報処理技術を用いて車両を判別する装置に関する。

背景技術

[0002] 本発明の第 1の背景技術として、特開 2000— 149181号公報に開示されるものがある。

[0003] この第 1の背景技術は、路面及び路面上の設定領域を通過する車両を連続して撮影することにより連続画像を得るためのカメラと、前記連続画像についてそれぞれに輝度ヒストグラムを計算により求めるための輝度ヒストグラム計算手段と、前記輝度ヒストグラムの時系列差分を計算するための差分計算手段と、設定時間中に変化がなヽ前記輝度ヒストグラムを路面データとして保存するための保存手段と、前記設定時間中に前記輝度ヒストグラムに変化があるときに、前後の 2つの輝度ヒストグラムの差分を計算するための差分計算手段と、前記差分と予め設定したしきい値とを比較して車両の存在の判別を行うための車両検知手段とからなる交通流計測システムである。

[0004] この第 1の背景技術によれば、車両存在を高精度に数値化することができる。

本発明の第 2の背景技術として、特開 2002— 8186号公報に開示されるものがある。

[0005] この第 2の背景技術は、識別対象となる車両の画像データを微分処理することにより、当該車両の輪郭線を抽出する輪郭線抽出手段と、上記輪郭線抽出手段にて抽出された輪郭線の所定領域内における所定抽出方向成分の頻度を算出することにより、当該輪郭線の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、予め取得された、識別基準となる車両の基準特徴量と当該車両の車種を示す情報とを、相互に関連付けて記憶する記憶手段と、上記特徴量抽出手段にて抽出された特徴量と、上記記憶手段にて記憶された基準特徴量とを相互にマッチングすることにより、上記識別対象となる車両の車種を識別する特徴量マッチング手段とを備えた車種識別装置である。

[0006] このように第 2の背景技術によれば、輪郭線抽出手段にて車両の輪郭線が抽出され、特徴量抽出手段にて輪郭線の特徴量が抽出される。そして、特徴量マッチング手段にて、この特徴量と、予め取得された基準特徴量とのマッチングが行なわれ、車両の車種が識別される。したがって、従来のように単なる見かけ上の大きさでなぐ車両各部の輪郭線の特徴量に基づ、て車種の識別が行なわれるので、車両と背景部分との輝度の差を問題にすることなく車種を識別でき、車種識別の精度を向上させることができる。

[0007] 本発明の第 3の背景技術として、特許第 3453952号公報に記述されるものがある

[0008] この第 3の背景技術は、入力されたテレビカメラ力ゝら撮像された道路上の画像を保持する画像入力手段と、前記道路上の画像の輝度分布を解析する画像解析手段と、順次入力された道路上の画像力切り出されたテンプレートに対してパターンマツチングし、車両を追跡する車両追跡手段と、前記パターンマッチング結果力車両の追跡距離を計算し、計算結果の値が所定値より大きい場合、通過車両と判定する車両判定手段と、前記通過車両と判定された場合、予め定めた車種判定領域の画像を垂直方向に微分し、微分した画像を水平方向に投影して加算された波形を得て、前記波形のピークで最も離れた 2つを選択し、選択された 2つのピークの各々の垂直方向の座標に基づいて 2つのテンプレートを登録し、前記 2つのテンプレートの中心座標の差力車両前面部を道路上に投影した投影長を算出し、算出された複数地点の投影長の変化率力前記車両の高さを判定し、判定された高さに基づいて前記車両の車種を判定する車種判定手段とを有する交通流計測装置である。

[0009] このように第 3の背景技術によれば、車両の影をテンプレートで切り出すことがなぐ又 2台の車両を 1つのテンプレートで切り出すことがないため、車両の影に影響されることなぐ並行する車両が重なっている場合でも精度良く車両を認識することができる。また、背景画像を必要としないため、混雑時でも精度良く車両を追跡することができる。

特許文献 1 :特開 2000— 149181号公報特許文献 2 :特開 2002— 8186号公報

特許文献 3：特許第 3453952号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] 前記第 1の背景技術は動画を対象とし、動画 (連続画像内)であれば、差分法を用いて、動体のみを抽出し、そのパターンマッチングを行うことで、二輪車か否かを判定できる力もしれない。し力しながら、静止画の場合は動画のように複数枚の静止画から構成されておらず静止画同士を比較して動体のみを抽出することができないため、二輪車がどこにあるかを判定する必要があり、その判定手段がなく車両の有無を判定することができな、と、う課題を有する。

[0011] また、前記第 2の背景技術は、一枚のカラー静止画像力四輪車の抽出を行う場合、ある程度の面積を占めているため、画像内のエッジを抽出し、そのエッジ間距離や特性など力車両位置を推定できる。し力しながら、二輪車は、四輪車に比べて、静止画像内に占める面積が小さいため、エッジのみを利用した方法は有効ではなく

、正確に判定することができな、と、う課題を有する。

[0012] さらに、前記第 3の背景技術も、前記第 1の背景技術と同様に、動画を前提としており、動画でなければ、車両追跡手段が機能せず、以降の処理を実行できないため、車両を認識することができな、と、う課題を有する。

[0013] 本発明は、大量の車両静止画像データを車種ごとに判別させる際に、高速処理にて判別できる車両判別装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0014] 通常画像認識にて微分フィルターを使用する際、輪郭線抽出等に使用される。そのとき画像内のすべての画素に対して微分フィルターはかけられる。

[0015] ところで、四輪車には、数多くの複雑な形状をした部品から構成されているため複雑なエッジ群を構成する。一方二輪車は画像に占める面積の割合も小さぐ四輪車に比べエッジ群は限られて、る。

[0016] よって、四輪車および二輪車画像におけるエッジ群の特徴抽出は画像内全てに微分フィルターをかけなくても得ることができる。 [0017] 本発明では、画像中の HSI (色相 (Hue)'彩度 (Saturation).明度 (Intensity))の I成分に対して微分フィルターを格子の頂点（水平方向へ n本、垂直方向へ n本）にかけ、それから得られた画像中の輝度の算出値を使用することで二輪車画像とそれ以外の画像との判別を行いその処理の高速ィ匕を実現することができる。

[0018] (1)車両が撮影されたカラー静止画像の RGBヒストグラムを取り出し、その RGBから HSIの I成分 (輝度)を計算し求める。

[0019] (2)求めた I成分に微分フィルターをかけ画像内での濃度変化を求める。このとき微分フィルタ一は画像上に指定した格子の頂点、つまり、格子を構成する格子線の交点だけにかけられる。

[0020] (3) 1枚の画像につき、画像を左端'中央'右端の 3つにわけ、各領域の全変化量が全領域の全変化量に対して占めて、る変化量の割合を求める。

[0021] (4)変化量が第 1の閾値よりも大きい変化量数が第 2の閾値より少ない、また上記の変化量割合が所定条件に該当していれば二輪車、それ以外なら二輪車以外の車両と判別する。

[0022] さらに、（2)で求めた濃度 (輝度)変化に平滑ィ匕を施すことで変化量を滑らかにし、ノイズを除去することもできる。

[0023] [1] 本発明に係る車両判別装置は、車両の画像に基づいて車両の判別を行うための車両判別装置であって、画像中のあらかじめ設定された格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出するための特徴抽出手段と、特徴抽出手段によって抽出された明度成分の値に基づいて微分処理を行い、格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求めるための微分手段と、微分手段によって求められた変化量のうち、あら力じめ定められた第 1の閾値以上の値となる変化量の個数を求めるための特定変化量数算出手段と、特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数に基づいて車両の判別を行うための車両判別手段とを含むことを特徴とする。

[0024] このように本発明によれば、撮像画像の等間隔の位置の画素およびその周辺の画素を明度成分に変換し、等間隔の位置の画素に微分フィルターをかけて変化量を求め、求めた変化量の中で一定以上大きいものが何個存在するかをカウントし、その力ゥント値に基づ、て対象画像に撮像されて、る車両の判別を行うので、撮像画像中で撮像される対象物の大きさに従いカウント値も変化し、占有領域の大きいものは力ゥント値も大きぐ占有領域の小さいものはカウント値も小さぐそれによつて車両を正しく判別することができるという効果を奏する。大まかに四輪車とそれ以外とを判別することができるが、四輪車の中でも、大型車、中型車、小型車等を判別することもでき、四輪車以外であっても、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、歩行者、動物等を判別することもできる。

[0025] 「その周辺の画素」とは、対象画像上の水平方向及び垂直方向のそれぞれに等間隔の位置の画素の周辺の画素であり、必要最小限としては、次工程の微分手段で必要となる明度成分の値の画素である。たとえば、微分フィルターが 3行 3列の行列式で示されるならば、対象画像上の水平方向及び垂直方向のそれぞれに等間隔の位置の画素を中心として垂直方向に 3つ、水平方向に 3つの画素の明度成分の値が次工程の微分手段で必要となる明度成分の値であり、「その周辺の画素」は対象画像上の水平方向及び垂直方向のそれぞれに等間隔の位置の画素を除いた、 4つである。

[0026] 「第 1の閾値」は、通常、対象画像の対象物が撮像されていない位置で求まる変化量の値と、対象画像の対象物が撮像されている位置の変化量の値との間に設定する。撮像環境により変化量の値が異なるので、装置構築時に設定することが望ましい。

[0027] 勿論、特徴抽出手段は、全画素の明度成分の値を求めてもよい。

[2] 本発明に係る車両判別装置の車両判別手段は、特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数があら力じめ定められた第 2の閾値以上である場合に、車両が四輪車であると判別するようにすることが望まし、。

[0028] このように本発明によれば、撮像装置が撮像する対象物は多種あるが、撮像画像を占有する領域の観点からすると、変化量数は四輪車かそれ以外かで大きく異なり、四輪車の中でも最も小さ、軽自動車であっても、四輪車以外の中でもっとも大き、であろう自動二輪車と比べると大きぐつまり、四輪車とそれ以外との間に変化量数について大きく値が離隔しており、その判別は容易であって、正確に行うことができるという効果を有する。 [0029] したがって、「第 2の閾値」は、通常、対象画像中の対象物が四輪車である場合の変化量数と、対象画像中の対象物が四輪車以外である場合の変化量数との間に設定する。撮像環境により変化量数の値が異なるので、装置構築時に設定することが望ましい。

[0030] [3] 本発明に係る車両判別装置は、車両の画像に基づいて車両の判別を行うための車両判別装置であって、画像中のあら力じめ設定された垂直格子線および水平格子線の交点となる格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出するための特徴抽出手段と、特徴抽出手段によって抽出された明度成分の値に基づいて微分処理を行い、格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求めるための微分手段と、微分手段によって求められた変化量を垂直格子線に沿って積算して垂直投影値を求め、垂直投影値を値が大きい順にあらかじめ定められた個数だけ抽出し、抽出された垂直投影値のうち隣接する垂直格子線に沿って積算された垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求め、全格子点に対応する画素の明度成分の変化量の積算値に対する特定垂直投影値の比率を求めるための特定垂直投影値比率算出手段と、特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率に基づ、て車両の判別を行うための車両判別手段とを含むようにしてもょ、。

[0031] このように本発明によれば、撮像画像の等間隔の位置の画素を明度成分に変換し、微分フィルターをかけ、求めた変化量を垂直格子線に沿って積算して垂直投影値を求め、垂直格子線同士が隣接関係にあり、且つ、求めた垂直投影値の中で値が大きヽ複数個の垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求め、全変化量で除法することで特定垂直投影値の比率を求めるので、幅方向が細、対象物の特定垂直投影値の比率は大きぐ一方、幅方向が太い対象物の特定垂直投影値の比率は小さぐそれによつて車両を正しく判別することができるという効果を奏する。大まかに二輪車とそれ以外とを判別することができるが、二輪車の中でも、自動二輪車、原動機付自転車、自転車、歩行者、動物を判別することもでき、四輪車の中でも、大型車、中型車、小型車を判別することもできる。

[0032] [4] 本発明に係る車両判別装置の車両判別手段は、特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率があら力じめ定められた第 3の閾値以上である場合に、車両が二輪車であると判別するようにすることが望まし、。

[0033] このように本発明によれば、撮像装置が撮像する対象物は多種あるが、縦方向に一定の長さを有する幅方向の長さの観点力すると、特定垂直投影値の比率は二輪車かそれ以外かで大きく異なり、二輪車の中でも最も大きい自動二輪車であっても、四輪車の中でもっとも小さいであろう軽自動車と比べると幅がなぐ並びに、二輪車の中でも小さい自転車であっても、歩行者と比べると縦方向の長さがあり、つまり、二輪車とそれ以外の間に特定垂直投影値の比率について大きく値が離隔しており、その判別は容易であって、正確に行うことができるという効果を有する。

[0034] さらに、二輪車と判別するための条件として、特定変化量数が第 4の閾値以下である条件をカ卩えることもできる。このときの、第 4の閾値は、 [2]の第 2の閾値以下であることが望ましい。

[0035] したがって、「第 3の閾値」は、通常、対象画像中の対象物が二輪車である場合の特定垂直投影値の比率と、対象画像中の対象物が二輪車以外である場合の特定垂直投影値の比率との間に設定する。撮像環境により特定垂直投影値の比率の値が異なるので、装置構築時に設定することが望ましい。

[0036] 前記 [1]及び [3]を適用して 1つの装置とすることで、より正確に車両の判別を実行することができる。つまり、 [1]で判別された結果と [3]で判別された結果とを照合し、同じ結果である場合にはその判別結果が正しいものとして出力することができる。異なる結果であれば、一方の判別結果が誤っている可能性が高いので、判別未確定として別途出力することもできる。さらに、ある車両の種別について [1]の判別結果の正答率が高ぐ他の車両の種別について [3]の判別結果の正答率が高いといった、車両の種別によって [1]と [3]の判別結果の正答率が異なることもあり、判別結果の正答率の高い判別結果を出した方を優先的に出力する構成にすることもできる。たとえば、 [1]の判別結果が軽自動車であり、軽自動車について [1]のこれまでの正答率は 95 [%]であり、一方、 [3]の判別結果が普通乗用車であり、普通乗用車について [ 3]のこれまでの正答率は 60[%]であるときは、 [1]の判別結果を優先して出力する。さらに、同じ撮像環境の条件値でも時間によって変化するものもパラメータとして用いることもできる。たとえば、各天候条件での正答率も記録しておき、対象とする撮像画像の撮像時の天候条件に合致する天候条件の正答率を読み出す構成とすることちでさる。

[0037] 前記の発明は、装置として説示してきたが、当業者であれば明らかな通り、プロダラム、方法、システムとしても把握することができる。

[0038] これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなぐこれら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。

発明の効果

[0039] 大量の車両静止画像データが車両判別装置に入力された際、二輪車が撮像されている撮像画像を高速に判別することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0040] ここで、本発明は多くの異なる形態で実施可能である。したがって、下記の実施形態の記載内容のみで解釈すべきではない。また、実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。

[0041] 実施形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はコンピュータで使用可能なプログラム、システム、方法としても実施できる。また、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、または、ソフトウェア及びハードウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、 CD-ROM, DVD-R OM、光記憶装置または磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる図面の簡単な説明

[0042] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係る撮像環境の説明図である。

[図 2]本発明の第 1の実施形態に係るシステム構成図及び車両判別装置のハードウエア構成図である。

[図 3]本発明の第 1の実施形態に係る車両判別装置のブロック構成図である。

圆 4]本発明の第 1の実施形態に係る撮像装置で撮像された撮像画像に輪車が撮像された場合)である。

[図 5]本発明の第 1の実施形態に係る撮像装置で撮像された撮像画像 (四輪車が撮像された場合)である。

[図 6]本発明の第 1の実施形態に係る車両判別装置の動作フローチャートである。

[図 7]本発明の第 1の実施形態に係る車両判別装置の特定変化量数算出処理の詳細フローチャートである。

[図 8]本発明の第 1の実施形態に係る車両判別装置の特定垂直投影値比率算出処理の詳細フローチャートである。

[図 9]その他の実施形態に係る格子線の全水平画素の変化量を各水平位置で垂直投影して算出した値をグラフ化した図である。

[図 10]その他の実施形態に係る格子線の全水平画素の変化量を各水平位置で垂直投影して算出した値をグラフ化した図である。

符号の説明

10 撮像装置

30 管理コンピュータ

200 車両判別装置

210 CPU (プロセッサ）

211 入力部

212 特徴抽出部

213 微分フィルタ一部

214 特定変化量数算出部

215 特定垂直投影値比率算出部

216 車両判別部

217 出力部

220 DRAM

230 ハードディスク

240 ディスプレイ

250 キーボード

260 マウス

270 LANカード 280 CD— ROMドライブ

(本発明の第 1の実施形態）

[1.システム構成]

図 1は本実施形態に係る撮像環境の説明図である。本実施形態では撮像装置 10 を工場敷地内に敷設された道路脇に配置し、工場母屋内に車両判別装置 200を配置している。撮像装置 10で撮像された撮像画像は、撮像装置 10と車両判別装置 20 0を結ぶ通信路を介して車両判別装置 200に送信され、車両判別装置 200は受信した撮像画像に情報処理を施して車両判別結果を出力する。車両判別結果は管理者が操作する管理コンピュータ 30で集計され、敷地内に入場している車両数を四輪車と二輪車毎に表示する。これらの情報は、例えば、警備上用いることができる他、ェ場施設増設の設計時に用いることができる。

[0044] 図 2は本実施形態に係るシステム構成図及び車両判別装置のハードウェア構成図である。車両判別装置 200のハードウェアの構成は、一般のコンピュータの構成であり、 CPU(Central Processing Unit)210、 DRAM(Dynamic Random Access Memory) 等のメインメモリ 220、外部記憶装置であるハードディスク 230、表示装置であるディスプレイ 240、入力装置であるキーボード 250及びマウス 260、ネットワークに接続するための拡張カードである LANカード 270、 CD—ROMドライブ 280等からなる。つまり、 CD—ROM等の記憶媒体に格納された車両判別プログラム、または、ネットヮークを介して他のコンピュータ力も送信される車両判別プログラムを、コンピュータのハードディスク 230に複製しメインメモリ 220に適切に読み出し可能な状態にするインストールが実行され、一般のコンピュータが車両判別装置を構成している。なお、一般のコンピュータではなく車両判別装置に特ィ匕したノヽードウエアを用いて車両判別装置を構成することもできる。具体的には、車両判別装置上のロジックを ASIC (Appli cation Specific IC)で実装し、メモリ等の複数の LSIと共にシステム LSIで車両判別装置を構成することもできる。

[0045] 管理コンピュータ 30もハードウェアの構成は、車両判別装置 200と同様に、一般のコンピュータの構成である。ここで、車両判別装置 200と管理コンピュータ 30とを同一のコンピュータ上に構築することもできる。 [0046] 図 3は本実施形態に係る車両判別装置のブロック構成図である。車両判別装置 20 0は、撮像装置 10からの撮像画像を取り込む入力部 211と、 RGB形式の撮像画像を HSI変換して I成分を抽出する特徴抽出部 212と、抽出された HSI形式の I成分のみの抽出データに対して特定点のみに微分フィルターをあてる微分フィルタ一部 213と、フィルターデータを構成する変化量が第 1の閾値以上ある変化量数を算出する特定変化量数算出部 214と、撮像画像データ上の水平位置が同じフィルターデータを構成する変化量を積算して積算した値の中で特定の条件を満たす値をさらに積算して特定垂直投影値を求め、この特定垂直投影値を全変化量の積算値で除算して特定垂直投影値の比率を求める特定垂直投影値比率算出部 215と、求めた特定変化量数及び特定垂直投影値比率が所定条件を満たすか否かで、現在対象となってヽる撮像画像データに撮像されてヽる車両が四輪車か二輪車かを判別する車両判別部 216と、車両判別データを出力する出力部 217とを備える構成である。ここでのブロック構成図は一例であり、所謂当業者であれば適宜設計変更を実施して発明の本質的部分を変更しな、範囲でブロック構成を変えることができるのは勿論である。つまり、機能ブロックの捉え方は実装者、実装環境及び仕様によって異なるからである

[0047] 撮像装置 10は 2台あり、 1台は入場する車両を撮像すべく入場方向の所定範囲を撮像し、残り 1台は退場する車両を撮像すべく退場方向の所定範囲を撮像する。図 4 は本実施形態に係る撮像装置で撮像された撮像画像に輪車が撮像された場合)である。図 5は本実施形態に係る撮像装置で撮像された撮像画像（四輪車が撮像された場合)である。撮像装置は例えば CCDカメラが該当する。図 4では撮像画像上に水平格子線 110および垂直格子線 120が記載されてヽる。水平格子線 110および垂直格子線 120の交点が格子点 130であり、隣接する 4つの格子点 130によって格子 140が構成される。図 5も同様である。

[2.特徴抽出の処理]

特徴抽出部 212が使用する RGB形式の撮像画像を HSI形式に変換する技術は周知'慣用技術であり、ここで、詳説しない。

[0048] 特徴抽出部 212が求める必要があるのは、 HSI形式の H成分、 S成分、 I成分のうち、 I成分のみであるので、 H成分、 S成分は求める必要がない。これらの成分を求めな!、ことで、不必要な演算処理を回避することができる。

[0049] また、撮像画像データの全ての画素について、 I成分を求める必要もなぐ最小限、微分フィルターを適用するにあたって必要となる画素の I成分のみを求めるだけでよい。この最小限の I成分は、微分フィルターの大きさにも依存し、 3行 3列の微分フィルターの場合には、対象点毎に、対象点も含めて上下 3個、左右 3個の計 5個の画素の I成分が必要となる。一般的には、 n行 n列の微分フィルターの場合には（2n— 1) [個 ]の I成分が必要となる。勿論、必要となる I成分が重複する場合には、重複して I成分を求める必要はない。

[0050] 本実施形態では、対象点は、図 4又は図 5に示す垂直格子線と水平格子線で形成される複数格子の頂点である。そうすることで、撮像画像中に等間隔に対象点を配置することができる。図 4及び図 5では、垂直格子線及び水平格子線それぞれ 5本ずつであるが、本発明はこれに限定されない。それぞれ、 n本ずつであってもよいし、それぞれ n本、 m本であってもよい。

[0051] 格子線数が減れば演算処理数が減るため高速になるが、最低限必要となる格子線数が存在する。この格子線数は各撮像環境で異なり、運用中に最適化が図られる。運用者が手動で判別結果の正答率を参照しながら設定することもできるが、初期状態の格子線数から目標となる判別結果の正答率に基づき格子線数を増カロさせたり減少させたりする制御部を備えることが望ま、。

[0052] 撮像環境は撮像装置 10の配設周辺環境 (路面、時刻 (朝、昼、夜等)、天候 (晴天、雨天、曇天等)、季節等)、撮像装置 10の撮像領域、撮像装置 10自体の撮像性能等である。これらパラメータを入力データとし、出力データを垂直格子線及び水平格子線の数とする-ユールネットワーク、 SOM(Self- Organizing Map)等を構築して用いることが望ましい。

[3.微分フィルターの処理]

微分値に差があるところは画像内の濃度が変化して、る点である。（濃度値の傾きが大きいほど微分値は大きく変化する。 )

差が大きければ大き、ほど急激に濃度が変わって、る点であるから、その差がある点付近に路面以外のものが映っていると推測できる。

[0053] 二輪車の場合路面情報が多いため、四輪車に比べて濃度変化が起きている点が少ない。よって、この濃度変化が起きている点に着目し、これらの点がある一定値よりも多ければ四輪車少なければ二輪車、と判別できる。

[0054] 微分フィルタ一は、画像データの各点での微係数を新し、画素値とするフィルターである。実際には、ディジタル画像であるから差分を考えることになる。フィルター係数には水平方向成分と垂直方向成分がある。

[0055] 水平方向のフィルター係数は次の通り。

[0056] [数 1]

[0057] 垂直方向のフィルター係数は次の通り。

[0058] [数 2]

[0059] 本実施形態は微係数の大きさを用いる。水平方向成分 gh(i,j)、垂直方向成分 gv(i,j) を求めた後、

[0060] [数 3]

8(i ) = s_h ²(i,j) + g_v ²(i · · ( 3 )

[0061] によって、 g(i,j)を求める。

前記微分フィルタ一は、一般的に、 Sobelフィルターと呼ばれる (参考文献:高木幹雄、下田陽久、「新編画像解析ハンドブック」（pl231)、東京大学出版会)。

[4.特定変化量数算出処理]

撮像画像上の垂直格子線と水平格子線から形成される格子の頂点である格子点の画素の変化量のうち、所定閾値以上の値を有する変化量をカウントする。撮像画像中で一定値以上の変化量を有する点は、前記格子点の中でも撮像画像に写り込んでいる二輪車、四輪車に位置するものと推定することができる。そして、二輪車に位置する格子点と四輪車に位置する格子点を比較した場合、四輪車の方が二輪車に比べ撮像画像中に占める面積が大きいため、位置する格子点の数も多くなる。したがって、この位置する格子点の数力撮像画像中に写りこむ対象物が四輪車かそれ以外かを判別することができる。

[5.特定垂直投影値比率算出処理]

撮像画像上の各垂直格子線上の格子点の画素の変化量を積算したものが、垂直投影値である。この垂直投影値の中で大きい値から予め定められている個数の垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求める。そして、全ての垂直投影値を積算した全垂直投影値、つまり、全変化量で特定垂直投影値を除法して特定垂直投影値比率を求める。なお、特定垂直投影値を構成する垂直投影値の画素を通過する線分は連続している必要がある。つまり、たとえば、第 3の垂直格子線と第 4の垂直格子線は横方向に連続しており第 3の垂直格子線と第 4の垂直格子線の垂直投影値を積算することはできるが、第 1の垂直格子線と第 3の垂直格子線は横方向に連続しておらず第 1の垂直格子線と第 3の垂直格子線の垂直投影値を積算することは第 2の垂直格子線も含めて連続して、ない限りはできな、と、うことである。

[0062] 撮像画像に撮像されている二輪車を見ると、全垂直格子線のうち数本の垂直格子線と重なる (第 1の特性)。一方、撮像画像に撮像されている四輪車を見ると、全垂直格子線のうちほとんどの垂直格子線と重なる。ところで、 [4.特定変化量数算出処理 ]で前説したように、四輪車に位置する格子点が二輪車に位置する格子点よりも多い。そして、二輪車、四輪車に位置する画素の変化量は、対象物に位置しない路面と比べその値が大きい。また、撮像画像上の格子点の全変化量のうち所定以上は撮像画像に写り込んでいる対象物に位置する格子点の変化量の積算値である。そうすると、二輪車が撮像される撮像画像においても格子点の全変化量のうち所定以上を占めるのは二輪車に位置する格子点の変化量の積算値となる（第 2の特性)。

[0063] したがって、第 1の特性及び第 2の特性から、全垂直格子線のうち数本の垂直格子線上の格子点の変化量の積算値が、格子点の全変化量のうち所定以上占めるという条件を満たせば、二輪車等であると推定することができる。逆に、二輪車等の対象物以外が撮像されているとすれば、四輪車であると推定することができる。ここで、撮像画像には対象物が撮像されていることを前提に説明したが、対象物が撮像されていな、撮像画像の場合には、前記条件を満たさな、ので四輪車との推定結果に含まれることになる。四輪車との推定結果に含ませたくない場合には、格子点の全変化量の値を閾値判断することで、取り除くことができる。つまり、対象物が撮像されていないほとんど路面のみ力もなる撮像画像は各格子点での変化量も少なく積算した全変化量の値も少ないからである。同様に、変化量数が所定以下か否かで路面のみからなる撮像画像カゝ否かを判断することもできる。

[6.車両判別]

車両判別部 216による判定において特定変化量数及び特定垂直投影値比率が満たすべき所定条件も、詳細には撮像環境で異なるが、以下説示する所定条件を基準にして設定することができる。

[0064] この所定条件は、第 1の条件が特定変化量数が第 2の閾値以上であり、第 2の条件が特定垂直投影値比率が第 3の閾値以上である。この所定条件は [4.特定変化量数算出処理]及び [ 5.特定垂直投影値比率算出処理]での説示事項に記載した理論に基づく。第 1の条件を満たせば四輪車であり、第 1の条件を満たさなければ二輪車、路面のみである。第 2の条件を満たせば二輪車であり、第 2の条件を満たさなければ四輪車、路面のみである。路面のみで対象物が撮像されていない撮像画像は前記した方法で取り除くことができるので、二輪車と四輪車とを判別することができる。より正確には第 1の条件で四輪車を判別でき、第 2の条件で二輪車を判別でき、第 1の条件及び第 2の条件で、四輪車及び二輪車を判別することができる。

[0065] ここで、四輪車以外とは、二輪車（自動二輪車、原動機付自転車、自転車)、二輪車以外に歩行者、動物、路面のみが含まれる。なお、本発明における四輪車とは、セダン等の普通自動車、バスや大型トラック等の大型自動車を含む。当然ながらタイヤが四個配設された車両だけでなぐ四個以上のタイヤが配設された車両、四個以下のタイヤが配設された車両を含むものである。タイヤが四個以上配設された車両とは大型トラックが一例であり、タイヤが四個以下配設された車両とは三輪車が一例である。すなわち、対象画像に写り込んだ車両が所定領域以上の占有スペースを有する車両か否かを本発明は判別することができるものであり、この本発明の要旨を逸脱しな!、範囲で四輪車を解釈することができる。

[0066] また、特定変化量数が第 2の閾値以下という条件に該当する場合には、二輪車以外に歩行者、動物、路面のみが含まれるが、特定垂直投影値比率が第 3の閾値以上であれば、路面のみは含まれない。第 3の閾値の調整次第によつては、二輪車をさらに詳細に判別することもできる。

[7.フローチャートによる動作説明]

図 6は本実施形態に係る車両判別装置の動作フローチャート、図 7は本実施形態に係る車両判別装置の特定変化量数算出処理の詳細フローチャート及び図 8は本実施形態に係る車両判別装置の特定垂直投影値比率算出処理の詳細フローチヤートである。

[0067] CPU210が入力部 211として撮像装置 10から撮像画像を受信して取り込む (ステップ S 100)。撮像装置 10は撮像画像を撮像直後にリアルタイムに車両判別装置 20 0に送信することもできるし、所定回数の撮像回数又は所定時間後に送信してもよい

[0068] CPU210が特徴抽出部 212として撮像画像中格子の頂点及び微分フィルターで必要となる格子の頂点の周辺について RGB成分から I成分に変換する (ステップ S2 00)。

[0069] CPU210が平滑化処理を実行する（ステップ S300)。平滑化処理は、様々な公知 •慣用技術があり、当業者であれば適宜実装することができるので、ここでの詳説は省略する。例えば、平滑ィ匕用のフィルタ一として、次の式 (4)のフィルターがある。 nは 1より大きい。この他、加重平均フィルター、メディアンフィルターがある。なお、ステツプ S200では、微分フィルターで必要となる格子の頂点の周辺の画素の I成分も求めており、平滑ィ匕用のフィルターを適用することができる。ただし、微分フィルターが n行 n列、平滑化用のフィルターが m行 m列のとき、 n≥mである。 n<mのときは、ステツプ S200で、平滑化フィルター用に I成分を求める必要がある。

[0070] [数 4]

[0071] また、ステップ S 300で平滑化処理を施した力ステップ S100とステップ S200の間に平滑化処理を施してもょヽ。撮像画像の全画素に対して平滑化処理を実行してもよいが、微分フィルターで使用する画素についてのみ平滑ィ匕処理を施し、平滑化処理を施した画素についてのみステップ S200を実行する構成であってもよい。

[0072] CPU210が微分フィルタ一部 213として平滑ィ匕処理を施した I成分の抽出データに対して微分フィルターをかける（ステップ S400)。そうすることで、各格子の頂点での変化量がフィルターデータとして求まる。

[0073] 次に、 CPU210がステップ S500の定義済み特定変化量数算出処理及びステップ S600の定義済み特定垂直投影値比率算出処理を実行する。それぞれの処理の詳細については後説する。

[0074] CPU210が車両判別部 216として特定変化量数及び特定垂直投影値比率力も撮像されている車両が二輪車か四輪車かを判別し、車両判別データを作成する (ステツプ S700)。具体的には、特定変化量数が第 2の閾値以下であれば四輪車以外と判断し、特定変化量数が第 4の閾値以下かつ特定垂直投影値比率が第 3の閾値 [%] 以上であれば二輪車であると判断する。車両判別データは、二輪車、四輪車の種別を示すフラグ力なる。

[0075] CPU210が出力部 217として車両判別データを、撮影画像、撮影時刻及び撮影場所識別情報と共に集計装置である管理コンピュータ 30に出力する (ステップ S800

) o

[0076] 管理コンピュータ 30は、撮像装置 10毎に二輪車と四輪車の数を積算する。そして、入場する車両を撮像する撮像装置 10の積算結果から退場する車両を撮像する撮像装置 10の積算結果を減算することで、現在工場内に入場している車両数を二輪車と四輪車を区別して管理コンピュータ 30のディスプレイ 240に表示する。

(特定変化量数算出処理） CPU210が特定変化量数算出部 214として微分フィルタ一部 213で求まったフィルターデータの中力も変化量を取り出し (ステップ S501)、取り出した変化量力以上か否かを判断する (ステップ S502)。 n以上であれば特定変化量数をカウントアツプし (ステップ S503)、 n以上でなければ次に進む。次に、取り出した変化量が最後の変化量力否かを判断する (ステップ S504)。最後の変化量であれば終了し、そうでなければステップ S501に戻る。

(特定垂直投影値比率算出処理）

CPU210が特定垂直投影値比率算出部 215として第 nの水平位置にある変化量を積算する。つまり、第 nの垂直格子線上の画素の変化量を積算する (ステップ S60 D o nの初期値は 1である。 CPU210が nが Nと等しいか否かを判断する（ステップ S6 02)。等しくない場合には、 nを 1インクリメントしてステップ S601に戻る。等しい場合には次の処理に進む。

[0077] CPU210が求めた積算値を積算値の大きさで降順に整列させる (ステップ S611)

[0078] CPU210が 1番目力 T番目の積算値を取り出す (ステップ S612)。 Tは任意に設定することができる。図 4であれば Tは例えば 2である。

[0079] CPU210力 S取り出した積算値の垂直格子線の中で連続して、な、垂直格子線の積算値を除外して、積算値を積算して特定垂直投影値を求める (ステップ S613)。四輪車であれ二輪車であれ対象物が撮像画像中に存在する場合には、ある領域を連続して占めることになり、撮像画像中に離散して存在することはないため、連続していない格子線の積算値を加算しないことでノイズを除去することができる。たとえば、図 4では、第 3の垂直格子線と第 4の垂直格子線上の格子点が二輪車及び二輪車の運転者に重なり、通常であれば、第 3の垂直格子線の積算値若しくは第 4の垂直格子線の積算値が、 1番及び 2番目に積算値が大きな値となるが、ノイズによって、第 1の垂直格子線が 2番目に積算値が大きい垂直格子線となったとしても、ステップ S613 によって加算されない。ここで、 T個の積算値にするために、 T番目以降の隣接関係にある積算値を取り出す構成にすることもできる。そうすることで、先程の図 4の例で言えば、第 3の垂直格子線の積算値若しくは第 4の垂直格子線の積算値が積算されて特定垂直投影値となる。他に、もっとも高い積算値の垂直格子線を中心としてこの垂直格子線を含んで横方向に連続した T本の垂直格子線の積算値を積算して特定垂直投影値とすることもできる。

[0080] CPU210が特定垂直投影値を全ての積算値を積算した値で除算して特定垂直投影値の比率を求める (ステップ S621)。

[8.本実施形態の効果]

このように本実施形態に係る車両判別装置によれば、撮像装置 10から取り込んだ撮像画像力特定の点の I成分を抽出し、抽出した I成分に対して微分フィルターをかけ、特定変化量数及び特定垂直投影値比率を求め、この求めた特定変化量数及び特定垂直投影値比率が所定条件を満たす力否かで撮像画像に写り込んでいる車両が二輪車か四輪車かを判別することができる。特に、撮像画像中で画像処理する画素が特定の画素に限られ、高速に車両を判別することができる。

[9.具体例]

実際に、図 4の二輪車が撮像されている撮像画像と、図 5の四輪車が撮像されている撮像画像に対して、格子点の濃度変化量を求め、全濃度変化量での割合を求めたものが、表 1 (四輪車)、表 2 (二輪車)となる。なお、図 4及び図 5は線画であるが、実際は RGB画像であり、その RGB画像を用いて実験した。表の n行 m列の値は、第 n水平格子線と第 m垂直格子線の交点の画素の濃度変化量の割合である。

[0081] [表 1]

[0082] [表 2]

[0083] [表 3] 2.891278

43.64986

46.79046

2.365718

4.516278

[0084] [表 4]

11.19418

24.83159

50.4443

5.298608

8.808046

[0085] 表 3と表 4はそれぞれ表 1と表 2の各行の合計である。

表 1と表 2のそれぞれにおいて、濃度変化量の割合値の最大値を求め、最大値を含む行のみで最大値の比率を求めると、四輪車が 45.19382であるのに対し、二輪車が 70.46907であり、十分に判別できる程値が離隔している。

(その他の実施形態）

[グループ化による特定垂直投影値の算出方法]

図 9および図 10は格子線の全水平画素の変化量を各水平位置で垂直投影して算出した値をグラフ化した図例である。図 9が二輪車についてであり、図 10が四輪車についてである。

[0086] 前記第 1の実施形態では、水平格子線の飛び飛びの画素の変化量を用いて車両を判別してきた。つまり、水平格子線と垂直格子線の交点に相当する画素の変化量を用いてきた。図 9および図 10は水平格子線上の全ての画素の変化量を求めて垂直投影したものである。言い換えれば、垂直格子線を横側の画素数分だけ設けた場合に相当する。この図 9および図 10を参照するとわ力るように、二輪車の場合には大きな山が一つ形成され、変化量が一定の幅方向に集中しているのに対し、四輪車の場合には複数の山が形成され、変化量が分散している。このことは特定垂直投影値比率について前記第 1の実施形態で説明した本発明の理論を裏付けるものでもある

[0087] ところで、前記第 1の実施形態では、特定垂直投影値比率算出処理で、垂直投影値の中で大き!/、値から予め定められて、る個数の連続関係にある垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求めたが、図 9および図 10に示すように Y軸方向に平行する直線を複数本引いて、その直線によって画定される領域同士で変化量を積算し、最も大きな積算値を特定垂直投影値とし、全変化量で除法して特定垂直投影値の比率を求める構成にすることもできる。

[0088] すなわち、同じ垂直投影値の画素を通過する線分が連続であるように垂直投影値を所定個数にグループィ匕し、グループの中で垂直投影値を積算してその積算値が最も大きいグループの垂直投影値の積算値である特定垂直投影値の全変化量での比率を求め、その比率に基づき車両を判別することもできる。

[微分フィルターの代替技術]

前記第 1の実施形態においては、微分フィルターを用いて微分値を求めた力フーリエ変換を用いて微分値を求めてもよい。たとえば、撮像画像に対してフーリエ変換を施し、低周波成分を取り除き高周波成分のみとして逆フーリエ変換をしても求めることちでさる。

[所定距離以上離隔した特定変化量点の無視]

特定変化量点は、二輪車、四輪車等が存在していると推定される箇所である。ところで、二輪車、四輪車等は撮像画像中で特定領域を連続して占有しており、離散して存在することはない。よって、ある集合を形成している特定変化量点から所定距離以上離隔した特定変化量点は、二輪車、四輪車等が存在している点を示しているのではなぐノイズの可能性が非常に高い。すなわち、このような所定距離以上離隔した特定変化量点を無視して、車両判別を実施することで、より精度の高い車両判別を実現することができる。これは、ステップ S400とステップ S 500の間に実施することが望ましい。ここで、「ある集合を形成している特定変化量点から所定距離以上離隔した特定変化量点」としたが、最も近、特定変化量点が所定距離以上である特定変化量点とすることもできる。

[0089] ここでは、特定変化量点同士の距離を求めて所定距離以上力否かを判断して離散して位置する特定変化量を特定したが、クラスタリング手法を用いることもできる。クラスタリング手法としては、公知技術であるクラスタリング手法を使用することができるが、例えば、 K-means法 (参考文献:高木幹雄、下田陽久、「新編画像解析ハンドブック」（pl577— pl579)、東京大学出版会)を使用することができる。つまり、クラスタリング手法を用いて形成されたクラスタの中で、要素が 1つ等の少なヽクラスタを特定してこのクラスタの要素を離散した特定変化量点として無視する構成にすることもできる。以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、力うな変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、請求の範囲及び課題を解決する手段力も明らかなことである。

Claims

請求の範囲

[1] 車両の画像に基づ!、て該車両の判別を行うための車両判別装置であって、

前記画像中のあら力じめ設定された格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出するための特徴抽出手段と、

前記特徴抽出手段によって抽出された明度成分の値に基づいて微分処理を行い、前記格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求めるための微分手段と、前記微分手段によって求められた変化量のうち、あら力じめ定められた第 1の閾値以上の値となる変化量の個数を求めるための特定変化量数算出手段と、

前記特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段と

を含むことを特徴とする車両判別装置。

[2] 請求項 1に記載された車両判別装置であって、

前記車両判別手段は、前記特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数があら力じめ定められた第 2の閾値以上である場合に、前記車両が四輪車であると判別することを特徴とする車両判別装置。

[3] 車両の画像に基づ!/、て該車両の判別を行うための車両判別装置であって、

前記画像中のあら力じめ設定された垂直格子線および水平格子線の交点となる格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出するための特徴抽出手段と、

前記特徴抽出手段によって抽出された明度成分の値に基づいて微分処理を行い、前記格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求めるための微分手段と、前記微分手段によって求められた変化量を前記垂直格子線に沿って積算して垂直投影値を求め、該垂直投影値を値が大きい順にあらかじめ定められた個数だけ抽出し、抽出された垂直投影値のうち隣接する垂直格子線に沿って積算された垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求め、全格子点に対応する画素の明度成分の変化量の積算値に対する該特定垂直投影値の比率を求めるための特定垂直投影値比率算出手段と、

前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段と

を含むことを特徴とする車両判別装置。

[4] 請求項 3に記載された車両判別装置であって、

前記車両判別手段は、前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率があらかじめ定められた第 3の閾値以上である場合に、前記車両が二輪車であると判別することを特徴とする車両判別装置。

[5] 車両の画像に基づ!/、て該車両の判別を行うための車両判別装置であって、

前記微分手段によって求められた変化量を前記垂直格子線に沿って積算して垂直投影値を求め、該垂直投影値を値が大きい順にあらかじめ定められた個数だけ抽出し、抽出された垂直投影値のうち隣接する垂直格子線に沿って積算された垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求め、全格子点に対応する画素の明度成分の変化量の積算値に対する該特定垂直投影値の比率を求めるための特定垂直投影値比率算出手段と、

前記特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数および前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段と

を含むことを特徴とする車両判別装置。

[6] 請求項 5に記載された車両判別装置であって、

前記車両判別手段は、前記特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数があら力じめ定められた第 2の閾値以上である場合に、前記車両が四輪車であると判別し、前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率があら力じめ定められた第 3の閾値以上である場合に、前記車両が二輪車であると判別することを特徴とする車両判別装置。

[7] コンピュータに車両の画像に基づく該車両の判別を実行させるための車両判別プログラムであって、該コンピュータを、

前記特定変化量数算出手段によって求められた変化量の個数に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段

として機能させることを特徴とする車両判別プログラム。

[8] コンピュータに車両の画像に基づく該車両の判別を実行させるための車両判別プログラムであって、該コンピュータを、

前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段として機能させることを特徴とする車両判別プログラム。

[9] 車両の画像に基づ!/、て該車両の判別を行うための車両判別装置が実行する車両判別方法であって、

前記画像中のあら力じめ設定された格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出する特徴抽出ステップと、

前記特徴抽出ステップにお、て抽出された明度成分の値に基づ、て微分処理を行い、前記格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求める微分ステップと、前記微分ステップにお、て求められた変化量のうち、あら力じめ定められた第 1の閾値以上の値となる変化量の個数を求める特定変化量数算出ステップと、

前記特定変化量数算出ステップにおいて求められた変化量の個数に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別ステップと

を含むことを特徴とする車両判別方法。

[10] 車両の画像に基づ!/、て該車両の判別を行うための車両判別装置が実行する車両判別方法であって、

前記画像中のあら力じめ設定された垂直格子線および水平格子線の交点となる格子点に対応する画素及びその周辺の画素の明度成分を抽出する特徴抽出ステツプと、

前記特徴抽出ステップにお、て抽出された明度成分の値に基づ、て微分処理を行い、前記格子点に対応する画素の明度成分の変化量を求める微分ステップと、前記微分ステップにおいて求められた変化量を前記垂直格子線に沿って積算して垂直投影値を求め、該垂直投影値を値が大きい順にあらかじめ定められた個数だけ抽出し、抽出された垂直投影値のうち隣接する垂直格子線に沿って積算された垂直投影値を積算して特定垂直投影値を求め、全格子点に対応する画素の明度成分の変化量の積算値に対する該特定垂直投影値の比率を求める特定垂直投影値比率算出ステップと、

前記特定垂直投影値比率算出ステップにおいて求められた特定垂直投影値の比率に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別ステップと

を含むことを特徴とする車両判別方法。

[11] コンピュータに車両の画像に基づく該車両の判別を実行させるための車両判別プログラムを格納し、該コンピュータによって読み取り可能なプログラム記録媒体であって、該車両判別プログラムは該コンピュータを、

として機能させることを特徴とするプログラム記録媒体。

[12] コンピュータに車両の画像に基づく該車両の判別を実行させるための車両判別プログラムを格納し、該コンピュータによって読み取り可能なプログラム記録媒体であって、該車両判別プログラムは該コンピュータを、

前記特定垂直投影値比率算出手段によって求められた特定垂直投影値の比率に基づいて前記車両の判別を行うための車両判別手段として機能させることを特徴とするプログラム記録媒体。