明 細 書
階層化システム及びその管理方法と、プログラム
技術分野
[0001] 本発明は階層化システム及びその管理方法と、プログラムに関し、特に、システム 構造体がツリー構造に構成された階層化システムの資源管理を行う階層化システム 及びその管理方法と、プログラムに関する。
背景技術
[0002] 従来のコンピュータやネットワークシステムは、ディスクリートなコンピュータ機器や、 ネットワーク機器に対し、必要なソフトウェアをインストールし、ハードウェアに対し、機 能が決定されていた。そして、それらのハードウェア 'ソフトウェア資源を組み合わせ た図 1に記載のレ、わゆるサイロ型システムを構成してレ、た。
[0003] しかし、この方法では、あるアプリケーションを実行する一部の資源の負荷は高レ、一 方で、非常に使用率の低い資源も多数存在し、資源投資総量に対し、全体での資源 利用効率は悪いことが問題となっていった。そのため、資源を論理的に仮想化し、あ たかも所有する資源をプールに入れ、必要なシステムが必要なだけ資源を用いること 力できるようにする仮想化技術が提案された。
[0004] 仮想化技術の一例として非文献特許 1に記載の Xenや、非文献特許 2に記載の UM レ非文献特許 3に記載の VMware、非文献特許 4に記載の Bochs、非文献特許 5に 記載の virtual PCなどが挙げられ、システムに必要なコンピュータを仮想ネットワーク で接続された論理的コンピュータ機器として提供することで、ディスクリートなコンビュ ータ機器をネットワーク機器で接続した場合と同じ動作環境を作り出している。
[0005] これらの従来システムは、いずれもひとつのハードウェア資源を、それぞれのユー ザプロセスから見ると、あた力 複数の独立した装置があるように見せる技術である。 典型例として非特許文献 1に記載の Xenのアーキテクチャを例にとると、図 2に記載の ハードウェア資源 11と、仮想化手段 12と、仮想装置 13と仮想ネットワーク 14とゲスト オペレーティングシステム 15とアプリケーション 16とで構成される。
[0006] このような構成を有する従来のコンピュータシステムは次のように動作する。
[0007] 仮想化手段 12は、古くはメインフレームなどの大型コンピュータを複数のユーザが 別々に使用することを目的に開発された技術である VMM (Virtual Machine Monitor) に属し、近年の汎用コンピュータの性能向上に伴い、汎用コンピュータへの適用が進 んでいるものである。従来ひとつのコンピュータ資源に対し、ひとつの〇Sが動作し、 各種デバイスを管理する方式が主であり、複数の〇Sを同時に動作させることは困難 であった。
[0008] それに対し仮想化手段 12は、オペレーティングシステム 15とハードウェア資源 11と の間のレイヤに位置し、ハードウェア資源を仮想化し、論理資源としてオペレーティン グシステム 15に見せることにより、複数のオペレーティングシステム 15ひとつのハード ウェア資源上で動作させることが可能な仮想化技術である。仮想化手段 12の上で動 作するオペレーティングシステム 15の搭載された論理的なコンピュータマシンを仮想 装置 13と呼び、仮想化手段 12はそれぞれの仮想装置 13からの資源の利用要求に 対し、実際のハードウェア資源 11の利用を仲介する機能を持つ。このため、ひとつの ハードウェア資源を複数のオペレーティングシステム 15が共有することが可能となり、 資源利用効率を向上することができる。資源の割当比率なども指定することが可能で あるため、実効的に各仮想装置に対し、設定量の資源を割り当てることができる。ま た、それらの仮想装置 13は仮想化手段 12の提供する仮想ネットワーク 14により、仮 想化手段 12を通して相互に接続することも可能である。
[0009] 仮想装置 13の中では、アプリケーション 16がオペレーティングシステム 15の上で 動作しており、計算などの資源を利用する要求をオペレーティングシステム 15に出す 、これは通常のハードウェア資源 11の上で直接オペレーティングシステム 15が動 作する場合と変わらない。オペレーティングシステム 15は自分の管理する資源 (論理 資源)を複数のアプリケーション 16の間で共有するように動作する。
[0010] 一般にオペレーティングシステムは資源管理をする特権モードをもつ力 オペレー ティングシステム 15の管理できる資源は自分に与えられた論理資源である。ハードウ エア資源の制御権限は仮想化手段 12が行っている。このため、たとえばある仮想装 置 13内でセキュリティに問題のあるコードが実行されたとしても、その影響はその仮 想装置 13の中で閉じており、他の仮想装置に及ばなレ、ため、仮想装置間のプロテク
シヨンを確保できる利点がある。このため、資源を共有しながらプロテクションレベルを 保つことが可能である。
[0011] この仮想化技術を用いれば、複数の仮想装置を一台の物理装置の上に構成し、そ れぞれを複数のシステムに割り当てることで、例えば、ひとつの組織の中で、さまざま な部門が資源を共有しながら、プロテクションレベルを確保することができる。
特午文献 1: P. Barham et ai. Xen and the art of virtualization. In Pro SOSP 200 3. Bolton Landing, New York, U.S.A. Oct 19-22, 2003
特許文献 2 : User Mode Linux http://user-mode_linux.sourceforge.net/ 特許文献 3 : VMware社ホームページ、 http://www.vmware.com/
^^特許 fflk4: Bochs、 http://bochs.sourceforge.net/
^^特許乂献 5: virtualPC、 http://www.microsoft.com/japan/windows/virtualpc/ defau It.mspx
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0012] 第 1の問題点は、システム全体のスケーラビリティが制限される点である。その理由 は、従来の手法では図 2に示す仮想装置 13に対するハードウェア資源 11の割り当て が仮想化手段 12の権限でしか行えないためであり、仮想装置 13の処理負荷の変動 に対して、資源割り当ての最適化を行う必要があるが、その際に、システムが肥大化 すると、指数関数的にそのコストがかかるためである。
[0013] 第 2の問題点は、システムが複数存在する場合、それぞれのシステムにおける管理 の独立性の確保が困難な点である。その理由は、それぞれのシステム管理者の性能 管理と資源管理の権限の最適なバランスが取れておらず、個々のシステム管理者は 自分の管理範囲の仮想装置の性能を向上させるために行う資源管理を自分の判断 で行なうことができないためである。一般に、あるひとつの組織では、各種アプリケー シヨンを提供する複数の仮想装置があり、さらにそれらをまとめてひとつのサービスを 提供するシステムを作り、また、場合によってはそれらのサービス同士をまとめて、さら に上位のサービスを提供するシステムを構築されてレ、る。各仮想装置やシステムの 管理者は規模によっては必ずしも同一人物ではなぐむしろそれぞれの権限、管理
範囲が決められた独立の管理体系にある場合が多ぐその場合には、互いにシステ ムの細部を把握する必要がない。しかし、従来システムでは、それぞれの管理者には 自分の管理化の仮想装置や管理システム間での資源割り当てなどの権限がなぐ全 体システム管理者にその要求を出さねばならいからである。
[0014] 第 3の問題点は、資源割当の再計算が効率的に行えない点である。その理由は、 それぞれの仮想装置やシステムは必要資源量の変動のタイムスケールが異なるが、 その違レ、が資源割当計算に取り入れられてなレ、ためである。
[0015] そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、階層的 に存在する複数のコンピュータやネットワークシステムにおレ、て、それぞれの管理業 務の独立性を保ちながら、資源を有効に再配分して資源効率を上げ、またその再配 分のためのコストを低減することが可能なシステム及びその技術を提供することにあ る。
課題を解決するための手段
[0016] 上記課題を解決する第 1の発明は、階層化システムであって、システム構造体がッ リー構造に構成され、下位のシステム構造体は、上位のシステム構造体に自システム 構造体の性能情報を通知する性能情報通知手段を有し、上位のシステム構造体は、 前記下位のシステム構造体から通知される性能情報と、管理するシステム構造体の 資源の管理情報とに基づいて、管理するシステム構造体の資源の最適化処理を行う 資源最適化処理手段を有することを特徴とする。
[0017] 上記課題を解決する第 2の発明は、上記第 1の発明において、前記上位のシステ ム構造体の資源最適化処理手段による資源の最適化処理では、システム構造体の 性能が改善されなレ、場合、前記上位のシステム構造体より上位のシステム構造体に 、性能情報を通知し、通知された上位のシステム構造体の資源最適化処理手段によ り、その上位のシステム構造体が管理するシステム構造体の資源の最適化処理を行 うことを特徴とする。
上記課題を解決する第 3の発明は、上記第 1又は第 2の発明において、前記資源 最適化処理手段は、下位のシステム構造体の性能情報を用いて、システム構造体の 代表的性能指標を作成することによって、上位のシステム構造体から下位のシステム
構造体の性能を参照する手段を有することを特徴とする。
[0018] 上記課題を解決する第 4の発明は、上記第 1から第 3のいずれかの発明において、 前記資源最適化処理手段は、下位のシステム構造体の管理情報を、外部から隠蔽 し、システム全体の各システム構造体は独立的に資源の最適化処理を行うことを特 徴とする。
[0019] 上記課題を解決する第 5の発明は、階層化システムであって、管理単位となるシス テム構造体がツリー構造に構成され、各システム構造体は、親システム構造体との通 信をおこなう資源管理情報インターフェース手段と、性能指標インターフェース手段 と、資源と、資源割当の最適化及び性能管理を行う運用管理手段と、資源の割当を 行う資源割当手段と、管理する子システム構造体とを有し、親システム構造体と子シ ステム構造体とは、前記資源管理情報インターフェース手段及び前記性能指標イン ターフェース手段とを介して、資源情報及び性能情報を通信することを特徴とする。
[0020] 上記課題を解決する第 6の発明は、上記第 5の発明において、前記運用管理手段 は、資源の管理を行う資源管理手段と、資源の割り当てを制御する資源割当制御手 段と、システム構造体の性能を監視する性能監視手段と、前記資源管理手段からの 資源に関する資源管理情報及び前記性能監視手段からの性能情報に基づいて、資 源割り当て方法の最適化演算を行う最適化手段とを有し、管理する子システム構造 体の性能情報及び資源管理情報に基づいて、資源割当の最適化を行うことを特徴と する。
[0021] 上記課題を解決する第 7の発明は、上記第 5又は第 6の発明において、前記性能 監視手段は、取得した子システム構造体の性能情報を用いて、前記運用管理手段 の属するシステム構造体の代表的性能指標を作成し、性能指標インターフェース手 段を介して、前記代表的性能指標を参照するように構成されていることを特徴とする
[0022] 上記課題を解決する第 8の発明は、上記第 5から第 7のいずれかの発明において、 前記システム構造体は、内部の子システム構造体の詳細管理情報を、外部から隠蔽 し、システム全体の各システム構造体は独立的に資源割当管理を行うことを特徴とす る。
[0023] 上記課題を解決する第 9の発明は、上記第 5から第 8のいずれかの発明において、 前記資源管理手段は、前記資源管理情報インターフェース手段を用いて、親システ ム構造体と資源の設定を更新するように構成されてレ、ることを特徴とする。
[0024] 上記課題を解決する第 10の発明は、システム構造体をツリー構造に構成し、下位 のシステム構造体は、上位のシステム構造体に自システム構造体の性能情報を通知 し、前記上位のシステム構造体が、前記下位のシステム構造体から通知される性能 情報と、管理する下位のシステム構造体の資源の管理情報とに基づいて、管理する システム構造体の資源の最適化処理を行うことを特徴とする。
[0025] 上記課題を解決する第 11の発明は、上記第 10の発明において、上位のシステム 構造体による資源の最適化処理では、システム構造体の性能が改善されなレ、場合、 前記上位のシステム構造体から更に上位のシステム構造体に、性能情報を通知し、 通知された上位のシステム構造体により、その上位のシステム構造体が管理するシス テム構造体の資源の最適化処理を行うことを特徴とする >
上記課題を解決する第 12の発明は、上記第 10又は第 11の発明において、通知さ れた性能情報を用いて、管理するシステム構造体の代表的性能指標を作成し、上位 のシステム構造体から下位のシステム構造体の性能を参照することを特徴とする。
[0026] 上記課題を解決する第 13の発明は、上記第 10から第 12のいずれかの発明にお いて、上位のシステム構造体は、管理する下位のシステム構造体の管理情報を、外 部から隠蔽し、各システム構造体は独立的に資源の最適化処理を行うことを特徴と する。
[0027] 上記課題を解決する第 14の発明は、システム構造体がツリー構造に構成された階 層化システムの資源管理を実行させるプログラムであって、前記プログラムは、下位 のシステム構造体から上位のシステム構造体に、 自システム構造体の性能情報を通 知する処理と、前記上位のシステム構造体が、前記下位のシステム構造体から通知 される性能情報と、管理する下位のシステム構造体の資源の管理情報とに基づいて 、管理するシステム構造体の資源の最適化処理を行う処理とを情報処理装置に実行 させることを特徴とする。
[0028] 上記課題を解決する第 15の発明は、上記第 14の発明において、前記プログラム
は、上位のシステム構造体による資源の最適化処理では、システム構造体の性能が 改善されない場合、前記上位のシステム構造体から更に上位のシステム構造体に、 性能情報を通知する処理と、通知された上位のシステム構造体により、その上位のシ ステム構造体が管理するシステム構造体の資源の最適化処理を行う処理とを情報処 理装置に実行させることを特徴とする。
[0029] 上記課題を解決する第 16の発明は、上記第 14又は第 15の発明において、前記プ ログラムは、通知された性能情報を用いて、管理するシステム構造体の代表的性能 指標を作成する処理と、上位のシステム構造体からの要求に応答して、前記代表的 性能指標を参照させる処理とを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
発明の効果
[0030] 本発明の第 1の効果は、システム全体のスケーラビリティの向上が可能なことである 。その理由は、本発明が、各仮想装置、システムの負荷変動に対する、資源再割当 のための最適化演算のコストを低減するからである。
[0031] 本発明の第 2の効果は、複数存在するシステム内の管理の独立性の確保が可能な 点である。その理由は、本発明が、それぞれの管理者に、自分の管理システム範囲 内での資源割りあて制御権限を付与する構成になっているためである。また、他の管 理者の管理するシステムの細部を隠蔽しながら運用管理が可能であるためである。
[0032] 本発明の第 3の効果は、資源割当の効率化が図れることにある。その理由は、最適 化演算が階層化された各システムの管理者毎に独立に行え、またその変動のタイム スケールを考慮に入れた手法であるためである。
図面の簡単な説明
[0033] [図 1]図 1は従来技^ 1を説明するための図である。
[図 2]図 2は従来技^ 1を説明するための図である。
[図 3]図 3は第 1の実施の形態を説明するための図である。
[図 4]図 4は第 1の実施の形態のブロック図である。
[図 5]図 5は第 1の実施の形態を説明するための図である。
[図 6]図 6は第 1の実施の形態を説明するための図である。
[図 7]図 7は実施例 1を説明するための図である。
園 8]図 8は本発明の階層化システムを説明する為の図である。
[図 9]図 9は本発明の階層化システムの動作を説明する為の図である。
[図 10]図 10は各システム構造体の一部をインプリメントした情報処理システムの一般 的ブロック構成図である。
符号の説明
200 システム構造体
201 性能指標インターフェース手段
202 資源管理情報インターフェース手段
211 システム構造体群
220 資源空間
221 資源割当手段
222 資源割当制御手段
223 資源管理手段
224 性能監視手段
225 性能管理手段
226 最適化演算手段
230 資源
発明を実施するための最良の形態
[0035] 本発明の階層化システムについて説明する。
[0036] 図 8は本発明の階層化システムを説明する為の図である。
[0037] 図 8を参照すると、複数のシステム構造体がツリー構造に構成されている。ここで、 ツリー構造とは階層構造をなしているシステムであり、上位のシステム構造体 (親シス テム構造体)が下位のシステム構造体 (子システム構造体)を管理する構成である。 例えば、システム構造体 1001 は下位のシステム構造体 1000〜1000を管理し、ま
1 1 1
た、システム構造体 1002は下位のシステム構造体 1001 〜: 1000を管理する。
[0038] 各システム構造体は、自己の性能に関する性能情報を、上位のシステム構造体に 通知する機能を有する。また、下位のシステム構造体から通知された性能情報に基 づいて、システム構造体の性能の劣化を検出する機能を有し、この性能の劣化を検
出すると、管理するシステム構造体 (管理する下位のシステム構造体と自システム構 造体)の資源の再配分の最適化処理を行う機能とを有する。但し、最下層に位置す るシステム構造体 (例えば、図 8ではシステム構造体 1000〜1000 )は、性能情報 を上位のシステム構造体に通知する機能のみ有すれば良い。
[0039] このような構成における動作を、図 9のフローチャートを用いて説明する。
[0040] まず、下位のシステム構造体は性能情報を上位のシステム構造体に通知する(Ste
P 100)。
[0041] 上位のシステム構造体は、通知された性能情報に基づいて、システム構造体の性 能の劣化を検出する(Step 101)。システム構造体の性能の劣化を検出すると(Ste p 102)、上位のシステム構造体は、通知された性能情報に基づいて、管理するシス テム構造体の資源再配分の最適化処理を行う (Step 103)。
[0042] 管理するシステム構造体内の最適化処理で、性能が改善される場合(Step 104) 、最適化結果を下位のシステム構造体の資源制御に適用する(Step 105)。下位 のシステム構造体は、上位のシステム構造体の資源制御に基づいて、資源の再分配 を行う(Step 106)。
[0043] 一方、管理するシステム構造体内の最適化処理で性能が改善されない場合 (Step
104)、 Step 100に戻り、更に上位のシステム構造体に性能情報を通知する(Ste P 100)。通知された上位のシステム構造体は、上述した Step 101力ら Step 105 の動作を行う。
[0044] 上述した動作の具体例を、図 8を参照して説明すると、システム構造体 1000の性 能情報を上位のシステム構造体 1001が受信し(図 8中(1) )、上位のシステム構造
1
体 1001がシステム構造体 1000 の性能劣化を検出すると、システム構造体 1001 が管理するシステム構造体 1000〜システム構造体 1000におけるリソース配分の
1 1
最適化処理を行う(図 8中(2) )。
[0045] システム構造体 1001 の最適化によりシステム構造体 1000の性能が改善しない
1 1
場合には、システム構造体 1001 の性能が劣化している。従って、システム構造体 1
1
001 は、システム構造体 1001 の性能情報を上位のシステム構造体 1002に送信
1 1 1 する(図 8中(3) )。
[0046] 上位のシステム構造体 1002では、上述したシステム構造体 1001 と同様に、シス
1 1
テム構造体 1002が管理するシステム構造体 1001 〜システム構造体 1001 のリソ ース配分の最適化処理を行う(図 8中(4) )。そして、システム構造体 1002の最適化 処理により性能が改善する場合には、その最適化結果をシステム構造体 1001〜シ
1 ステム構造体 1001 に適用する(図 8中(5) )。
[0047] システム構造体 1001 〜システム構造体 1001 は、資源制御を受けて再度資源配
1 n
分の最適化処理を行レ、(図 8中(6) )、最適化結果をシステム構造体 1000〜システ
1 ム構造体 1000に適用する(図 8中(7) )。
[0048] 次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明 する。
[0049] まず、ツリー構造について説明する。
[0050] 図 3を参照すると、本発明の第 1の実施の形態は、図 4に示すシステム構造体 200 が階層構造をなしているシステムであり、ルートである階層 1=0のシステム構造体 100 はその内部に複数のシステム構造体 110を管理し(階層 1=1)、さらにその内部に複数 のシステム構造体 120を管理し(階層 1=2)、 · · ·と、それ以上内部に管理するシステム 構造体をもたない最後のシステム構造体 130の階層までツリー構造をなしている。こ のシステム構造体 130は、以後 PE(Processing Entity)と呼ぶ。
[0051] 次に、パスについて説明する。
[0052] このツリー構造の中に存在する各システム構造体を管理システム全体でユニークに 決定できるように名前付けの手法として、階層 1に属するシステム構造体を S(1)=/s /s
1 2 I
… のように、ツリー構造のルートである階層 1=0のシステム構造体に属する階層 1=1 の s番目のシステム構造体、階層 1=1の s番目のシステム構造体に属する階層 1=2の s
1 1 2 番目のシステム構造体に属する、 · "のように、ルートからインデックス番号を/で区切 つて並べたパスで指定する。また、親システム構造体参照演算子として"/.."を定義 する。例えば、 SQ)/..=/S /sん ' · /3 ん. =/S /sん ' · /3 となる。
1 2 1-1 1 1 2 1-1
[0053] 図 4を参照すると、階層 1(1=0, 1,■·■)に属するシステム構造体 200 (パス S(1)=/s /s /…
1 2 )と、性能指標インターフェース手段 201と、資源管理情報インターフェース手段 2 02と、システム構造体 200に含まれる階層 1+1に属し、システム構造体 200が管理す
る、システム構造体 200と同様の構造をもつ複数のシステム構造体 210を有するシス テム構造体群 211と、資源割当手段 221と、資源空間 220と、資源空間 220に含ま れる複数の資源 230と、資源割当制御手段 222と、資源管理手段 223と、性能監視 手段 224と、性能管理手段 225と最適化演算手段 226とで構成される。上述の PE 関しては、同様に性能指標インターフェース手段 201と資源管理情報インターフエ一 ス手段 202とを有するとする。
[0054] これらの手段はそれぞれが次のように動作する。
[0055] システム構造体 200やシステム構造体 210は全て同様の構造をもち、ひとつの管 理システムをあらわす。各システム構造体はその内部に含むシステム構造体を管理 する。このシステム構造体は外部とのインターフェースとして性能指標インターフエ一 ス手段 201と資源管理情報インターフェース手段 202を有する。システム構造体内で は、管理下にあるシステム構造体 210の上記の資源管理情報インターフェース手段 を通してその資源空間に属する資源情報を入力し、当該性能指標インターフェース 手段を通してそのシステム構造体の性能指標を受け取ることで、システム構造体群 2 11に属するシステム構造体 210の管理を行う。
[0056] 性能指標インターフェース手段 201は当該性能出力指標が付属するシステム構造 体の性能指標を外部に出力するインターフェースであり、システム構造体 200は性能 管理手段 225によって管理されるシステム構造体 200の性能指標を外部に出力する こと力 Sできる。
[0057] 資源管理情報インターフェース手段 202は当該資源管理情報インターフェース手 段が付属するシステム構造体 200と外部のシステム構造体との資源管理情報のやり 取りを行うインターフェースである。このインターフェースを通して資源の追力 Π ·削除' 変更などが可能である。
[0058] システム構造体群 211は、システム構造体 200において管理されるシステム構造体 200の階層はりひとつ上の階層 1+1に属するシステム構造体 210の集合であり、シス テム構造体 sa)に属するシステム構造体群を Η のように表記し、その要素数(管理す
s(l)
るシステム構造体 210の数)を n で表記するとする。
s(l)
[0059] 資源 230はシステム構造体 200の有する資源をさし、 rと表記するものとする。その
値は、例えばその資源が CPUである場合はクロック周波数である 1GHzなど、その資 源の代表的性能値を表すとする。一般に複数の種類を表すには例えばベクトル rで 表現し、各成分はさまざまな同種の性能の加算が可能な資源を表現するとする (第 一成分は CPU、第二成分はメモリ、など)。
[0060] 資源空間 220は、システム構造体 200の有する資源 230の集合であり、 R と表記
s(l) し、その要素数は資源 230の個数であり、 m とする。
s(l)
[0061] 性能監視手段 224は、システム構造体 210の性能指標インターフェース手段を通 してシステム構造体 210S(1)/i (i=l, 2, ·■· , n )の性能指標 Q を監視する手段であ
s(l) S(l)/i
る。また、それらの性能指標をまとめて、性能指標群 { Q }のように表記する。
S(l)/i
[0062] 資源管理手段 223は当該システム構造体 200に入力される資源管理情報から、上 述の資源空間 220を管理し、資源 230を指示に従って追カロ'削除 ·変更などを行う手 段である。なお追加した資源 230は資源管理情報インターフェース手段 202を通し て追加支持をだしたシステム構造体の資源空間から追加された資源であり、逆に削 除とは資源 230の削除指示を出した管理されるシステム構造体の資源空間に追加す ることである。
[0063] 最適化演算手段 226は、性能監視手段 224および資源管理手段 223からそれぞ れ管理システム構造体群 211の性能指標情報と割り当て資源情報をもとに、資源割 り当て方法の最適化演算を行う。ここでいう最適化とは、システム構造体群の性能指 標群の値が、管理ポリシーによってあら力じめ決めておいた値になるベく近くなるよう に、各システム構造体への割当資源を調節することである。
[0064] 資源割当制御手段 222は、最適化演算手段 226の指示をうけ、当該資源空間 220 の資源 230を上述のシステム構造体 210に割り当て方の指示を出す制御手段である 。また資源の割当が終了したら、資源管理手段 223に割当終了通知を出し、新しレ、 設定を反映するよう指示をだす。
[0065] 資源割当手段 221は資源割当制御手段 222の指示を受け、資源空間 220の資源
230をシステム構造体群 211に属するシステム構造体 210に割り当てる手段である。 資源割当とは、システム構造体 210の資源管理情報インターフェースに資源管理情 報を送り、追カロ'削除命令に対し、資源空間 220の指定された資源 230を追カロ/シス
テム構造体 210への割当解除を行う。
[0066] 性能管理手段 225は、性能監視手段 224で管理されたシステム構造体 210の性能 指標群の情報を基に、管理ポリシーに従ってシステム構造体 200全体での性能を決 定し、性能指標インターフェース手段 201を通して外部へ出力する手段である。
[0067] PEは階層構造の末端に位置するシステム構造体であり、同様に性能指標インター フェース手段 201と資源管理情報インターフェース手段 202とを有し、当該資源管理 情報インターフェース手段を通して設定された資源を用いて計算などのなんらかの 処理を行い、上述の性能指標インターフェース手段を通してその計算に必要な資源 量と設定された資源量とから決定する性能指標を外部に出力する。 PEは内部にそれ 以上の階層構造を持たない。 PEは実システムにおいて例えばサーバなどのコンビュ ータなどや、またコンピュータ内のプロセスなどの最低管理単位などに対応する。
[0068] 次に、図 5を参照して本実施の形態の全体の動作について詳細に説明する。
[0069] まず、現在のルートであるシステム構造体 S
(Q)の資源空間を
)
= )keG
s{0 ) ( <¾。) = {l,2, ' · ·, n
s{0) } )
のように表記する。ただし、 G はシステム構造体 S(°)の資源インデックス空間であり、 s(l)
資源空間 R に属する資源のインデックス番号の集合である。
s(l)
[0070] 今、簡単のために、資源割当には、システム構造体間での同じ一つの資源の共有 を許さず、また、各資源 rはそれ以上分割できない最低単位であるとする。すると、シ
K
ステム構造体 S(Dの資源空間 R の資源を、システム構造体 SQ)/i (i=l, 2, · · ·,η )に割
S(l) s(l) り当てるということは、システム構造体 S(Dの資源インデックス空間 G(1)を、システム構造 体群 H ={ S(D/i }の各々のシステム構造体 S。)/i (i=l, 2,…, n )に属する資源インデ s(l) s(l)
ックス空間 G およびリザーブ資源インデックス空間 G に部分集合分割することで s(l)/i s(l)/0
ある(リザーブ資源インデックス空間とはどのシステム構造体にも割り当てられずストツ クしておく資源とする)。
GSw = Gsリ、" ≡ Gs(')/o Gs、'、nリ…り G S (り/„s(,>
G Gs、'、り = Φ, (f°r 1≠ J) . . . (数式丄) so that maximize({Qsil)/. = f(Gsil}/. ^management policy)
ここで、 φとは空集合を現し、関数 Q= G)は集合 Gによって決まるある性能指標関 数とし、 maximize ( { Q }|management policy )は性能指標群 { Q }を管理ポリシー
S(l)/i S(l)/i
management policyの下に琨大ィ匕すること 、味する。
[0071] つまり、システム管理者の目指すところは、 自分の管理するシステム(システム構造 体 S(1) )の資源 (資源空間 R の資源)を、 自分の管理するシステム内に存在するサブ
s(i)
システム(システム構造体 S(1)/i (i= l, 2, · · · , n )が最高性能をだせるように分配する手
s(l)
法 (数式 1 )を探索しながら運用管理することと定式化する。
[0072] 以下、図 6の状態遷移図を用いて、本発明の動作を説明する。
[0073] 図 6はあるシステム構造体 S(1)の状態遷移である。状態は大きく初期化 401、監視 40
2、最適化演算 403、資源設定更新 404の 4つがある。
[0074] 初期化 401はシステムの運用開始であり、システム構造体の運用プロセスが開始す ると状態は最適化演算 403に遷移する。
[0075] 監視 402は、管理しているシステム構造体群からの性能指標群を読み込む、資源 管理情報インターフェースを監視する、システム構造体 S(1)の性能指標 Q を生成して
S(l)
出力する、などの動作を行う。
[0076] 最適化演算 403はシステム構造体群 H の性能指標をなるベくよくするように資源
S(l)
割当の最適化演算を行う。ここで最適化演算とは、上述のように現在の資源管理情 報および性能指標群を参照し、資源空間 R の資源の、システム構造体群 H に属
S(l) S(l) するシステム構造体 S(1)/i (i=l , 2, · · · , n )への資源割当方法が、あらかじめ決めてお
s(l)
レ、た管理ポリシーに規定のシステム構造体 S(1)/i (i= l, 2, · · · , n )の性能指標条件を
s(l)
満たすような設定 (数式 1 )を探索する演算である。
[0077] 資源設定更新 404とは、最適化演算で指定された資源割当指示に従って、実際に システム構造体 S(1)/i (i= l , 2, · · · , n )に資源割当を行う、資源管理情報インターフエ
ースからの入力を資源管理情報に反映する、などを行う。
[0078] 以下、運用開始から実際の運用までのシーケンスを詳細に説明する。
[0079] まず、初期化 401からシステムの運用が開始され、図 4に記載の各種手段が全て実 行状態になり、おのおのの手段の状態を最新の状態に更新する。また、初期設定さ れた資源割当が反映される。
[0080] 資源割当は、まずルートであるシステム構造体 S
(Q)は、システム全体で保持する資源 全体である資源空間
から、システム構造体 S
(Q)/i (i=l, 2,…, n )に対して , )= し ∑
{for i • · · (数式 2 ) なる資源割当を行う。
ただし、
はリザーブ資源であり μ はシステム構造体 S(Q)/i (i=l, 2, ·■·, n )の初期総資源使
S(0)/i s(l)
用量である。以下、同様に一般にシステム構造体 S
(1)はシステム構造体 S
(D/i (i=l, 2, ■· -, n )に対して
. . (数式 3 )
なる資源割当を最後の PEまで順次行う。
[0081] 初期化 401が終了すると、すぐに最適化演算 402状態へと遷移し、システムの最適 化演算を開始する。最適化演算手段 225は、その時点での最新の資源情報を資源 管理手段 222から取得し、各システム構造体 SQ)/i (i=l, 2,…, n )の性能指標を性能
s(l)
監視手段 224から取得し、最適資源配分の探索を行う。最適化の手法としては、例え ば、まずはリザーブ資源から、性能指標の悪いシステム構造体 S(1)/i (i=l, 2,…, n ) s(l) へ資源を割り当て、その後、より性能指標のよいシステム構造体 S(1)/i (i=l, 2,…, n ) s(l) の資源を、より性能指標の悪い S(1)/i (i=l, 2,…, n )に割り当てることで最適化を行う
s(l)
などの手法がある。ここで、あらかじめ管理ポリシーを定めるにより、すべてのシステム 構造体 S(D/i (i=l, 2,…, n )が同じ性能指標レベルになるように資源の再配分を行う
s(l)
ことも、重みをつけて優先度を設定することも可能である。
[0082] 最適割当を見つけるには、上述の fの形がわかっている場合は、それに合わせれば よいが、多くの場合未知なため、たとえば、単純には可能な限りの資源割当の組み合 わせを探索してもよいし、制御理論的アプローチでフィードバック制御してもよいし、 システム構造体同士であるルールに従って資源を奪い合い、 自律的に均衡点に達 するように制御する手法など、さまざまな手段がある。
[0083] 最適化演算が終了すると、状態は資源設定更新 404に遷移し、設定の反映を行う 。設定の反映には、資源割当制御手段 222が最適化演算手段 225からの設定指示 を受け、その指示通りに資源割当手段 221をコントロールすることで資源空間 220R so 力も資源を割り当てる。資源割当が成功したところで、資源割当制御手段 222は資
)/i
源管理手段 223に設定した資源割当情報を送り、資源管理手段 223は情報を更新 する。
[0084] 資源設定の更新が終了すると、状態は資源設定更新 404から監視 404に遷移する 。監視 404では、性能監視手段 224が性能指標群を監視し、性能管理手段 225は 性能監視手段 224が保持する性能指標群からシステム構造体 S®の性能指標 Q を
s(i) 作成、更新し、性能指標インターフェース手段 201を通して外部に出力する。
ここで性能指標群からシステム構造体 S(1)の性能指標 Q を作成のために、管理して
S(l)
レ、るすべてのシステム構造体 S(1)/i (i=l, 2, ·■· , n )の性能指標の管理において、あら
力じめ規定した管理ポリシーに従ってアラーム発信管理を行う。
[0085] ここでの管理ポリシーとは、たとえば、管理しているすべてのシステム構造体 S(D/i (i= 1, 2, · · · , n )の性能指標のうち、ひとつでもあら力じめ管理ポリシーによって決めて
s(l)
おいた閾値性能指標を下回る状態がある管理時間続いた場合に性能管理アラーム をあげる(アラーム管理ポリシー 1とする)、などである。
[0086] 性能管理アラームがあがったらシステム構造体 S(1)の性能指標 Q を作成、更新する
S(l)
[0087] 監視 404から最適化演算 402への状態遷移も同様に最適化アラームが挙がったと ころで遷移するとする。最適化アラームも同様にたとえば上述のアラーム管理ポリシ 一 1に従う、などとあらかじめ決めておく。最適化アラームが挙がると、最適化演算 40 2に遷移し、システム構造体 の最適化処理を開始する。
[0088] また、例えば、システム構造体 S(1)/i (i=l, 2, ·■· , n )の性能指標が著しく劣化し、最
s(l)
適化を行っても改善が見込まれそうになレ、状態が続レ、た場合 (管理ポリシーで記述し ておく)は、資源追加待ち用状態として、最適化演算 402への遷移を禁止し、その状 態が改善するか、資源追加などによる資源管理情報インターフェース手段 202を通 して資源管理手段 223に新たな情報入力があった場合にもとの監視 404状態に復 帰する、などの指定も可能である。
[0089] また、資源管理手段 223は、資源管理情報インターフェース手段 202からの新規 入力がないかを常に監視し、資源の追加、削除'変更入力があれば、資源管理手段 223は資源情報を更新し、資源空間 220R を更新する。更新が終了すると、監視 4
S(l)/i
04に状態が遷移する。
[0090] 次に、資源利用量変動による最適化処理について詳細に説明する。
[0091] 今、あるシステム構造体 S(1)が監視 404状態にあるとする。そして、その管理するシス テム構造体群 H ={ S(0/i }において、例えば上述のアラーム管理ポリシー 1で規定さ
S(l)
れた管理ポリシーに従って最適化アラームが挙がったとする。
[0092] この時、状態は監視 404から最適化 402に遷移し、システム構造体 S(1)は最適化処 理を行う。その後も品質劣化状態が続けば、上述の性能管理アラームが挙がり、さら に劣化したシステム構造体 S(1)の性能指標 Q を作成、更新し、性能指標インターフエ
ース手段 201を通して外部に出力するが、システム構造体 S(1)/iの性能指標が最適化 演算によって改善されれば、最適化アラームが取り消され、通常通りの監視状態にも どる。このため、あるシステム構造体内のみでの最適化で改善が可能な場合はよりノレ ートに近い階層での最適化処理は行われない。
[0093] 次、に資源管理情報インターフェースの更新があった場合について詳細に説明す る。
[0094] 今、あるシステム構造体 S(1)が監視 404状態にあるとする。そして、資源管理情報ィ ンターフェース手段 202を通して、資源情報の更新があつたとする。更新の種類は追 カロ'削除の二種類を考える。資源情報の更新があった場合、上述の通り、資源設定 更新 403に状態が遷移する。
[0095] (資源追加の場合)
資源管理にぉレ、て、どのシステム構造体 S(1)/iにも割り当てなレ、リザーブ資源の中に 、新規に追加された資源を登録し、監視 404に状態遷移する。
[0096] (資源削除の場合)
指定された資源を削除する。このとき、リザーブ資源に資源が存在すれば、リザー ブ資源がある限り、資源が削除されたシステム構造体 S(1)/iに新たに割当設定を行う。 資源設定更新が終了すると、監視 404に状態遷移する。ここで、運用中のシステム構 造体 S(1)/iから資源を削除することは運用を止めることもありうるため、なるべくリザーブ 資源から削除することが望ましい。
[0097] システム構造体 S(1)/..からみると、システム構造体 S(1)/iにどんな資源が割り当てられ ているかは関知しない場合が多いため、単に資源量のみが問題であれば、なるべくリ ザーブ資源から削除するように、リザーブ資源として登録されている資源をあらかじめ システム構造体 S(1)/..に通知しておくことにより、なるべくそこから選ぶようにすることも 可能である。
[0098] 以上が各システム構造体 S(Dの動作である。これらのシステム構造体は、図 3に示し たようにツリー構造になってレ、るため、ツリーの各枝の一番ルートから遠レ、階層にある PE (S(Dとする)が運用開始とともに割り当てられた資源を用いて計算処理を行い、そ の性能指標を管理されている親システム構造体 S(1)/..に出力し、そのシステム構造体
S(1)/..は上述の状態遷移図に従ってシステム構造体群 H の性能指標を管理し、そ
s(i)ん.
のシステム構造体 S(1)/..における性能指標 Q を、そのシステム構造体 S(1)/..のさら
S(l)ん.
に低階層のシステム構造体 S(D/..ん.に出力する。この階層的管理構造がルートであ る S(Q)まで続く。
[0099] 次に、上述した実施の形態に基づく本発明の効果について説明する。
[0100] 本発明を用いれば、 PEの資源利用量の変動に対して、本発明を用いなかった場合 に対して、スケーラビリティメリット、管理の独立性メリット、資源割当最適化の効率化 力あることを以下に示す。
[0101] まず、ある時亥 ijtにおける PEである、 S(U=/S /S /' /Sの資源利用量を X (t)と定義
1 2 L S(L) し、各 PEには
同様に一般のシステム構造体 s(1)
だけ資源が割り当てられているとする。ここで、 S(Uの性能指標 Q (t)として、資源利用
S(L)
量を X (t)と割当資源量
によって決まると仮定でき、その差の絶対値がある一定以上になった場合に資源過 剰もしくは資源不足状態であり、最適化が必要と判断する値
になるとする。
特に、簡単のため以下
はへピサイトのステップ関数 μ (X)を用いた、
Q 、 (4 fl 11) = -u(Xs(L) (t)- - Χ )
• · · (数式 4 ) とレ、う関数系で記述するように、
になった時に資源不足エラーとし、 Q (t)= -1を出力し、
S(L)
時は正常であるとする。
[0103] 以下、システム構造体 S(U=/S /S /- - -/S (PE)がどのような頻度で資源不足による最
1 2 し
適化が必要な状態になるか見積もる。
[0104] まず、資源利用量 X (t)のある単位管理時間あたりの変動は正規分布
(数式 5 )
によって、 Z は N(0, 1)に正規化できる
c
S(L) 二で
ム 5(,) ― ― "
σ '。 c ) び sw • · (数式 6) となる。ただし、
の α %超過とした。
-1)
一方、この ΡΕの属 奪造体 s (L
/S /S /- - -/S は n 個の PEを有して
* ~ L-l S(L-l)
おり、これらの ΡΕの性能指標群は { Q (t) }となる c 二の PEの資源利用量変動 X (t) s(U は全て独立で同一分布に従うと仮定する。ここで、このシステム構造体 S(W)の性能管 理の管理ポリシーとして例えば、「性能指標群は { Q (t) }のうち、ひとつでも、 Q (t)
S(U S(L)
= -1と性能劣化したら、再度資源割当の最適化処理を行い、
:'ートし、システム構造体群 H での
S(L-l)
の標準偏差が最小になるように制御する」とする c
すべての iに対して、 Q (t)= 0となれば、 Q (t)= 0とし、ひとつ以上 Q
S(L-l)/i S(L-l)/i
があった場合にはシステム構造体 S(w)内での改善はできないとして、 Q (t)=
S(L-l)
する。
(数式 7 ) すると、システム構造体 S —
ϋで最適化処理が行われる確率 po は
また、システム構造体 S _1)の性能指標が Q (t)= _1となる確率 p は、最適化に
S(L-l) S(l-l)
よる再割当によってもシステム構造体群 H の中のどれかのシステム構造体 (この場
S(L-l)
合は PE) S — ϋ/ίで、 Q (t)= _1となる確率であり、システム構造体 S(L— ϋ/ίの資源利用
S(L-l)
量のシステム構造体群 H での和
以上超過する確率である。
独立仮定より、 X (t)は正規分布
S(L-l)
(数式 9) となる c
σ び 数式 10)
であるから、確率 P は p p となり、システム構造体 S —"の性能指標が Q (t)=
S(L-l) S(L-l) < S(L) S(L)
-1となる確率は、特に、 n が大きい場合に、システム構造体 S(Uのそれよりもかなり
s(i-i)
小さくなる。また、システム構造体 s(L— 1〉が管理されるシステム構造体 s(L— = s(L— 2)に おいて最適化処理が行われる確率は同様に
pc 、 =卜 (卜 (数式 1 1 ) となる。
以下一般の階層 1に属するシステム構造体めについても、同様にその性能指標が Q (t)= -lとなる確率の間に
P S 、 、
· · · (数式 1 2 ) の関係が成り立つため、ルートに近いより低階層のシステム構造体のほうが劣化する 確率が低ぐまた、一般に
· · · (数式 1 3 ) であることから、単位管理時間あたりに最適化処理が行われる確率 (頻度)はより低階 層のシステム構造体のほうが小さいことが示された。
[0108] 次に、一回の最適化演算に力かるコストをそのスケールに対する関数として見積も る。
[0109] 上述のように、今、あるシステム構造体 S(1)における資源割当の最適化とは、 S(1)に属 する資源空間 R の資源をシステム構造体群 H の n 個のシステム構造体 S(1)/i,(i=
S(l) S(l) S(l)
1, 2, · · · , n )とリザーブ資源空間としてみなす S
(1)/0へ割り当てるのに、
の標準偏差が最小となるような資源インデックス空間 G の n 個の部分空間 G (i=
S(l) S(l) S(l)/i,
1, 2, ···, n )への分割方法
Θ :GS(,)→ (¾,),,, <¾,',, nGs )/. = φ, (i≠ j)sothat m.{std{XsW -μι°1))
• · · (数式 1 4 ) ただし、 Std(W)は Wの標準偏差とする。
一般に、 X は明にはわからず、性能指標 Q の値力 推測することになる。この
S(l)/i S(l)/i
探索数 Λ は資源インデックス空間の m =#(G )個の元から(ここで、 #(A)は集合 A
S(l) S(l) SO)
の元の数とする)、 i=0, 1, 2, ···, n に対するそれぞれ m = #(G )個の元をもつ、
SO) S(l)/i S(l)/i
n +1個の資源インデックス部分空間へ割り当てる可能な分割
の数になるため、最大ですベての可能性を探索すると、
(数式 1 5)
[condition ζ] : msリ、" = ms('»
(=0 となる。 ただし定式の和は
[condition ζ]: > m s(')〃 一 W 5C) をみたす全ての
)/0,"V)/o Sl)l
(証明)
展開定理より、
となる。
[xi "X
(数式 1 6)
こで、 一 一 ···一 =1とおくと
(数式 1 7)
(証明終わり) もし、 X S、'、 がわかっていれば探索数 Λ )は、
Λ s7(、/') =
mcil))/l0!maU) '-m (数式 1 8) となる c 実際の場合は、すべての資源を探索しなおす必要はなぐ例えば、資源不足のも のと資源過剰のもののみの間で最適化し直す、など探索数を減らすことは可能であ る力 ここでは比較のためワーストケースに統一して評価するとする。
[0111] 一般に探索数に比例してコストがかかるとしてよぐこの探索数 Λを最適化演算一 回あたりのコストと定義する。
[0112] 以上より、システム構造体 S(Dにおける単位管理時間あたりの探索コスト C は
そのため、システム全体での探索コスト C は概算値として、
(数式 20)
となる。ここで、和はすべてのシステム構造体 s
(1)でとるとする。
[0113] 関数の形から明らかなように、 C は m 、n の増加に対して、爆発的に大きくなる。
s(i) s(i) s(i)
[0114] 一般に階層を多くとり、システム構造体 S(Dを増やすと、システム全体での探索コスト C の計算式の和の数は増える力 S、 m 、n は減るため、 C の減少の速度はそれに all S(l) S(l) S(l)
比べて圧倒的に速ぐ C は減少する。
all
[0115] 上述のように、図 4に記載のシステム構造体 S(1)のように、システムを階層化、細分化 し、それぞれの S(Dに閉じた形で資源管理および制御による資源割当や、その結果の 管理している一つ上の階層のシステム構造体群の性能監視、およびその結果から自 分の性能指標管理を行うことで、管理の細部を隠蔽し実際に資源を消費する PEを直 接見ることなぐ各システム構造体で自律的な最適化を繰り返すことで効率的な全体 最適を行うことが可能である。例えば、ある資源群を複数の PEが消費する構成は、本 発明では、ルートのシステム構造体 S¾)が管理するシステム構造体群 H の中のシス
S(0)
テム構造体 S(Q)Aが全て PEである場合と同じ単位管理時間あたりの最適化コストをもち
(数式 2 1 )
となる。これは一般に本発明のように複数の階層に分けた場合に比べ、非常に大き なコストと言える。そのため、本発明は資源を多くの組織で共有して使う環境で特に 効果を発揮する。
[0116] 以下、以上の議論をもとにスケーラビリティメリット、独立性、資源割当最適化の効率 化について詳細に説明する。
[0117] 簡単のため、全体システムの中に、 M個の資源があり、 a個の部門があり、各部門に b個の課があり、それぞれの課が c個のコンピュータ(PE)によってある業務アプリケー シヨンを稼動しているとする。それぞれに管理者が存在し、全体システム管理者は部 門毎に提供するサービスを組み合わせて提供するサービス(例えば、ある会社の全
社員向け、もしくは一般向けポータルサイトなど)を管理し、各部門の管理者はそれ ぞれのサービス(たとえば人事部では人事サービスなど)を提供し、そのサービスが 正常に稼動するように管理し、各課では、やはりそれぞれのサービス(例えば、勤務 管理サービスなど)を管理し、各コンピュータの管理者はそれぞれのサービス(例え ば、データベースサーバなど)が正常に稼動するよう管理しているとする。
すると、この全体システムにおけるコンピュータ数は全部で N=aXbXcだけのコンビ ユータが存在する。もし、従来の仮想化技術により、 N=aXbXcだけの仮想装置を構 成し、それぞれの部門、課、 PEの管理者に、必要なだけ仮想装置を与えたとする。あ る時間が経過し、初期と比べて負荷が変動し、資源再割当が必要になった時、資源 割当を管理しているのは全体管理者であるため、全体管理者は、それぞれの管理者 力 の性能情報から、再割り当て計算を行わなければならないが、この最適化 zコスト は管理時間当たり平均で
(数式 22)
これに対し本発明によれば、最適化コストは
=∑ !!- '
i- n — 。'" " !-nf1-^) (+ι广 ^ΓΚ1— 。' (c+i广
(数式 23) である。ただし、概算のため、資源を均等量だけ配分するとした。
両者を比べると、 N, Mが大きい場合、明らかに C »Cであることがわかる。 二のため、 c n
本発明によるスケーラビリティメリットが示された。
次に、独立性について説明する。
[0120] 上述のように、資源割当権限は結局のところ全体システム管理者が有しており、こ れは単に権限を区切って各管理者に与えるだけでは十分ではない。本発明のような 、複数に入り組んだ階層構造に対して、細部を隠蔽した管理システム全体の性能指 標を管理することが重要であり、また、 自システム内の配下の管理システムへの自由 な資源割当権限とそれに対応するそれらの性能監視および、そこから自システムの アブストラクトされた性能管理手段によって、初めて階層の上下の細部を気にすること ない独立した管理が可能となる。本発明により、従来構造ではできない独立性を保ち ながらの性能管理が各システム構造体で自由に行うことで全体最適点に達すること が可能である。
[0121] 次に、最適化の効率化について説明する。
[0122] 本来、最適化コストは規模とともに指数関数的に増大する。そのため、従来の方法 では一部の性能劣化を改善するために、非常に大きな最適化コストを払う必要があ つに。
[0123] しかし、現実的には負荷変動のタイムスケールは規模により異なる。本発明はこのこ とを積極的に最適化に活用しており、各レベルでの管理者は全体の構造を意識する ことなぐ必要な規模の構成変更を、変動のタイムスケールに適応した形で行うことが できる。このため、全体で見たときに必要な部分のみを必要なタイミングで構成変更し ていくことが可能である。これは、(数式 12、 13)で示したように、システム構造体の階 層がルートに近いほど最適化が必要な頻度が少なくなることから証明される力 サブ システム内の資源やりくりで解決できるものを解決し、サブシステム単位で資源配分 が設定値よりずれたときにサブシステム間での資源配分をやり直す、というものであり 、変化のタイムスケールの違いという観点において現実の利用環境に適合した手法 である。
[0124] 第 2の実施の形態について説明する。
[0125] 本発明による各システム構造体は、以上の説明力 も明らかなように、ハードウェア で構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能であ る。
[0126] 図 10は、各システム構造体の一部をインプリメントした情報処理システムの一般的
ブロック構成図である。
[0127] 図 10に示す情報処理システムは、プロセッサ 2000、プログラムメモリ 2001、記憶 媒体 2002からなる。記憶媒体 2002は、別個の記憶媒体であってもよいし、同一の 記憶媒体からなる記憶領域であってもよい。記憶媒体としては、 RAMや、ハードディ スク等の磁気記憶媒体を用いることができる。
[0128] プログラムメモリ 2001には、上述した資源割当手段 221と、資源割当制御手段 22 2と、資源管理手段 223と、性能監視手段 224と、性能管理手段 225と、最適化演算 手段 226と、性能指標インターフェース手段 201と、資源管理情報インターフェース 手段 202との各部の処理を、プロセッサ 2000に行わせるプログラムが格納されてお り、このプログラムによってプロセッサ 2000は動作する。
[0129] このように、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。
[0130] 尚、資源割当手段 221と、資源割当制御手段 222と、資源管理手段 223と、性能 監視手段 224と、性能管理手段 225と、最適化演算手段 226と、性能指標インターフ エース手段 201と、資源管理情報インターフェース手段 202との各部の処理の全てを プログラムで動作させる必要はなく、一部をハードウェアで構成しても力まわなレ、。 実施例 1
[0131] 実施例 1として、図 7に示すように、全体システム 500の中に、複数のサブシステム 5 04力 S存在し、各サブシステム 504の中に複数の仮想装置 514 (コンピュータサーバ) が存在し、各仮想装置 514の中に複数のコンピュータプロセス 524が存在する例を 考える。
[0132] 全体システム 500は、資源 501とその資源 501の集合である資源空間 502と、ハー ドウエア接続分離手段 503と運用管理手段 505が存在する。資源 501は、本例のシ ステムの全ての資源であり、モジュラーサービスカードが共通化された筐体上に複数 存在するコンピュータ資源がスィッチなどのハードウェア接続分離手段によって接続 されているとする。
[0133] ハードウェア接続分離手段 503は、外部からの命令により、資源 501を任意のサー ビスカード間で接続することでグループィヒしたり、グノレープ間で排他的に分離したり することが可能である。一例としては、 L2スィッチにおける VLAN機能によってこれを
実現可能である。
[0134] 全体システム 500には、全体システム管理者が存在し、運用管理手段 505によって 、全体システム 500を管理する。運用管理手段 505の中には、性能指標監視手段、 資源管理手段、資源割当制御手段、性能管理手段などの、上述の本発明で必要な 各管理手段を有するとする。運用管理手段 505はサブシステム 504の性能指標を監 視し、資源管理情報を収集し、資源 501の各サブシステムへの割り当て方の最適化 を行い、全体システム 500の性能指標を作成し、性能が劣化した場合に、アラームを あげることで、資源追加などの通知が可能である。
[0135] 各サブシステム 504内では、全体システム 500によって割り当てられた資源空間 51 1に属する資源 512のみが可視であり、 自由な資源管理 ·割当設定が可能である。サ ブシステム 504は全体システムと同様の構造をもち、内部に複数の仮想装置 514を 有し、運用管理手段 515は、資源 511を仮想化手段 513によって割当て、仮想装置 514の性能指標を収集する。
[0136] 仮想化手段 513は、運用管理手段 515からの命令を受け、資源 512を仮想装置 5 14に割り当て実行を行う手段である。一例として Xenなどの仮想マシンモニター(VM M)などが挙げられる。仮想装置 514は、実態は物理的な実態を持たないソフトウェア プロセスであり、論理的装置であるが、実際のコンピュータハードウェア資源と同様に OS (オペレーティングシステム)やソフトウェアアプリケーションをインストール '稼動す ることが可能である。
[0137] サブシステム管理者は、運用管理手段 515を通してサブシステム 504を管理する。
運用管理手段 515の内部には、同様に、性能指標監視手段、資源管理手段、資源 割当制御手段、性能管理手段などの、上述の本発明で必要な各管理手段を有する 。これらにより、仮想装置 514の性能指標を監視し、資源空間 511に属する資源 512 を管理し、それらの情報から、必要に応じて、最適化処理を行い、その結果を仮想化 手段へ送り、資源割当制御を行う。また、サブシステム 504の性能指標を作成し、性 能指標インターフェース手段 507を通して、全体システム 500の運用管理手段 505 へ出力する。さらに、資源管理情報インターフェース手段 506を通して入力された情 報を基に、資源空間 511の更新を行う。
[0138] 仮想装置 514の内部では、サブシステム 504によって割り当てられた仮想資源空 間 521に属する仮想資源 522のみが可視であり、 自由な資源管理 ·割当設定が可能 である。仮想装置 514は全体システム 500やサブシステム 504と同様の構造をもち、 内部に複数のコンピュータプロセス 524を有し、運用管理手段 525は、資源 522を資 源割当手段 523によって割り当て、コンピュータプロセス 524の性能指標を収集する
[0139] 資源割当手段 523は運用管理手段 525からの命令を受け、仮想資源 522をコンビ ユータプロセス 524に割り当て実行を行う手段である。一例として資源割当手段 523 はオペレーティングシステムの機能として実装が可能である。
[0140] コンピュータプロセス 524は、ソフトウェアプロセスであり、本システムでの PEであり、 例えば Webサービスを提供するアプリケーションのプロセスなどとなる。
[0141] 仮想装置の管理者は、運用管理手段 525を通して仮想装置 514を管理する。運用 管理手段 525の内部には、同様に、性能指標監視手段、資源管理手段、資源割当 制御手段、性能管理手段などの、上述の本発明で必要な各管理手段を有する。これ らにより、コンピュータプロセス 524の性能指標を監視し、仮想資源空間 521に属す る仮想資源 522を管理し、それらの情報から、必要に応じて、最適化処理を行い、そ の結果を仮想化手段へ送り、資源割当制御を行う。また、仮想装置 514の性能指標 を作成し、性能指標インターフェース手段 517を通して、サブシステム 504の運用管 理手段 515へ出力する。さらに、資源管理情報インターフェース手段 516を通して入 力された情報を基に、仮想資源空間 521の更新を行う。
[0142] 全体システム 500、サブシステム 504、仮想装置 514の状態は上述の状態遷移図 に従って動き、必要に応じて資源割当の最適化処理を行う。本発明により、例えば、 全体システムがある組織全体、サブシステムが各部門、仮想装置がコンピュータ装置 、コンピュータプロセスがアプリケーションプロセスとし、組織全体で、ある Webポータ ルサービスを運営し、各サブシステムがそれぞれの業務サービス(たとえば人事部な ら勤務管理サービス)を運営し、仮想装置がそれぞれのサーバ(たとえば勤務管理デ ータベースサーバや Webサーバなど)を運営し、各コンピュータプロセスが必要なァ プリケーシヨンプロセス(例えばネットワーク機能を提供するための xinetdや ftpなどの V
Sftpdなどのデーモンなど)とする。それぞれの管理者がそれぞれの管理システム内の システム構造体に対する性能管理指標と資源割当権限を有し、かつ管理システム全 体の抽象化された性能指標を非管理システム構造体へ出力することで、高い独立性 を保ちながら、効率的な資源割当の最適化によるシステム運営が可能となる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、複数のコンピュータ装置からなる、 IT/NWシステム構成 ·管理や、 特に資源の共有による、資源利用効率のよい仮想化環境での IT/NWシステム構成 · 管理といった用途に適用できる。