WO2006088030A1 - 核酸抽出方法、核酸抽出剤、および核酸抽出用キット - Google Patents
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- the concentration of the magnesium salt is preferably 0.5 to 1. OmolZL.
- “about 0.5 mol ZL” means a concentration that becomes 0.5 mol ZL by rounding off.
- about 1. Omol / L means the concentration of 1. OmolZL by rounding off.
- humus refers to organic matter present in soil, particularly organic matter exhibiting a dark brown color.
- the English name is “Humic substances”.
- the substances that make up humus are humic acid, fulvic acid, and hyumin, and these compounds are mixed to form humus.
- Each of these compounds is a degradation product of living organisms present in the soil and a resynthesis product of microorganisms present in the soil, that is, proteins, carbohydrates, derivatives thereof, lipids, lignin and degradation products thereof. It comes from.
- RNA Extraction Buffer was prepared.
- the manufacturing method is as follows.
- (3-7) Divide the solution described in (3-6) in half (each in 775 units) and transfer to a 2 ml centrifuge tube.
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Abstract
本発明は、土壌などの試料中から安価かつ効率的に腐植を除去することによって核酸を抽出する方法を提供することを目的としている。本発明の核酸抽出方法は、腐植と核酸とを少なくとも含む試料から核酸を抽出する核酸抽出方法である。この核酸抽出方法は、腐植と核酸とを少なくとも含む試料を、マグネシウム塩を含む水溶液と混合する混合工程と、上記混合工程によって生じた腐植を含む沈殿を除去して核酸を抽出する除去工程とを含んでいる。
Description
明 細 書
核酸抽出方法、核酸抽出剤、および核酸抽出用キット
技術分野
[0001] 本発明は、土壌などの腐植を含む試料カゝら腐植を取り除いて、試料中に存在する DNA、 RNAなどの核酸を抽出する方法、および、上記試料から核酸を抽出するた めに用いられる核酸抽出剤、並びに核酸抽出用キットに関するものである。
背景技術
[0002] 土壌中には主に微生物に由来する核酸 (DNA、RNA)が存在している。土壌中の 微生物の動態を解析するためには、土壌から直接核酸を抽出し精製を行う必要があ るものの、多くの土壌には植物の糸且織に由来する有機成分である腐植が存在して ヽ る。この腐植は単一の化合物ではなぐ種々の高分子弱酸 (フミン酸、フルボ酸)を含 んだ不均一な混合物である。
[0003] この腐植は核酸と強固に結合しているため、抽出操作で完全に除去することが困 難である。残存する腐植は、これらの核酸を用いたその後の解析において、酵素反 応、ノ、イブリダィゼーシヨン反応などに悪影響を与えるなどして、解析の妨害物質とし て働く。そこで、この土壌中から核酸を抽出する際には、土壌中に含まれる腐植を取 り除くことが多くの研究者の課題となっている。
[0004] この腐植を除く技術としては、例えば、特許文献 1、特許文献 2、非特許文献 1、お よび非特許文献 2に開示されているものが挙げられる。
[0005] 特許文献 1に記載の DNA調製物の精製方法は、腐植を含む DNA調製物をジチ 才力ルバミン酸塩と水性液相で接触させて不溶物を除去するという方法である。
[0006] 特許文献 2に記載の DNAの抽出方法は、腐植酸を含む環境中に存在する微生物 由来の DNAの抽出方法である。この方法では、水溶液中で微生物を破壊する場合 に、水溶性の腐植酸吸着剤を添加することを特徴としている。そして、上記水溶性の 腐植酸吸着剤は、好ましくは、ポリビュルピロリドン(Polyvinyl pyrollidone,以下「PVP P」と表記する)である。
[0007] 非特許文献 1には、 CTAB (hexadodecvltrimethylammonium bromide)を主体とする
抽出バッファーを用いて、土壌からビードビーター(bead beater: Bio 101/Savant, Fa rmingdale, N.Y. )を用いて微生物の核酸を抽出する手法が記載されている。
[0008] 非特許文献 2には、土壌カゝら DNAおよび RNAを抽出する方法であって、抽出を行 う前に RNA安定化剤として Guanidine thiocyanateを主体とする溶液を加え、その後、 凍結融解法によって菌体を破壊して、 CTABと SDSとを主体とする抽出溶液で核酸 を抽出すると!/ヽぅ方法が記載されて ヽる。
[0009] 〔特許文献 1〕
特開平 7— 241193号公報 (公開日:平成 7年(1995年) 9月 19日)
〔特許文献 2〕
特開 2001— 17168号公報 (公開日:平成 13年(2001年) 1月 23日)
〔非特許文献 1〕
Burgmann, et al, Apr. 2003, Appl. Env. Microbiol. 69, 1928-1935, "mRNA extrac tion and reverse transcription— PC R protocol for detection of nifH gene expression b y Azotobacter vinelandii in soil"
〔非特許文献 2〕
Hurt, et al" Oct. 2001, Appl. Env. Microbiol. 67, 4495 - 4503, "Simultaneous Reco very of RNA and DNA from Soils and Sediments
以上のように、核酸を含む土壌などの試料力も腐植を取り除く方法に関しては、こ れまでに多くの研究者によって研究されてきているが、簡便に効率よく腐植を除去す る手法は 、まだ開発されて ヽな 、のが現状である。
[0010] 特に、本願発明者らが、上記非特許文献 1および 2に記載の手順に従って実験を 行ったところ、手順が煩雑である上、腐植が多い土壌の場合には腐植を充分に除去 することができず、核酸をうまく抽出できな 、と 、う問題点が生じた。
[0011] また、これまでに提案されているその他の手法として、 PVPPをゲル中に混在させて これに吸着させて、電気泳動を行った後に核酸のバンドのみ切り出す手法、および 既存の土壌核酸精製キット(例えば、 BiolOl Soil RNA Extraction Kit (Q- BlOgene社 製)、 BiolOl Soil DNA Extraction Kit (Q— BlOgene社製)、 SoilMaster DNA Extractio n Kit (EPICENTRE社製)など)を用いて精製する手法などが存在する。しかし、前者
は操作が煩雑であり、精製度も低いという問題点を有しており、後者は高価であると いう問題点を有している。
[0012] 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、土壌などの 試料中から安価かつ効率的に腐植を除去することによって核酸を抽出する方法を提 供することにある。
発明の開示
[0013] 本願発明者らは、上記の課題にっ 、て鋭意検討した結果、塩化マグネシウム、硫 酸マグネシウムなどのマグネシウム塩の水溶液を、精製対象となる核酸を含む試料に 添加すると、核酸は水溶液中に溶解させた状態で、夾雑物として試料中に混入して いる腐植を効率的よく沈殿させることができることを見出し、本発明を完成させるに至 つた o
[0014] すなわち、本発明にかかる核酸抽出方法は、腐植と核酸とを少なくとも含む試料か ら核酸を抽出する核酸抽出方法であって、上記試料を、マグネシウム塩を含む水溶 液と混合する混合工程と、上記混合工程によって生じた腐植を含む沈殿を除去して 核酸を抽出する除去工程と、を含んでなることを特徴としている。
[0015] 上記の核酸抽出方法によれば、腐植と核酸とを含む試料を、マグネシウム塩を含む 水溶液と混合することによって、抽出した 、核酸にっ ヽては水溶液中に溶解させた 状態とし、除去したい腐植については効率よく沈殿させることができる。したがって、 上記の方法によれば、煩雑な操作を必要とせず、安価かつ効率的に腐植を除去して 核酸を精製することができる。
[0016] 本発明の核酸抽出方法にお!、て、上記マグネシウム塩は、塩化マグネシウム、また は硫酸マグネシウムの何れかであることが好ましい。
[0017] 上記マグネシウム塩力 塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムの何れかであれば、 混合工程にぉ ヽて、除去した!/、腐植を効率よく沈殿させることができる。
[0018] 本発明の核酸抽出方法において、上記水溶液におけるマグネシウム塩の濃度は、 約 0. 5〜約 1. OmolZLであることが好ましい。
[0019] マグネシウム塩の濃度が、 0. 5molZLより低いと腐植の除去効率が低下する。一 方、マグネシウム塩の濃度が、 1. OmolZLより高いと核酸の回収率が低下する。し
たがって、マグネシウム塩の濃度は、 0. 5〜1. OmolZLであることが好ましい。なお 、「約 0. 5molZL」とは、四捨五入によって 0. 5molZLとなる濃度のことを意味する 。また「約 1. Omol/L」についても同様に、四捨五入によって 1. OmolZLとなる濃 度のことを意味する。
[0020] 本発明の核酸抽出方法は、上記混合工程の前に、上記試料に PEGZNaCl溶液 を添加して試料中に含まれる核酸を沈殿させる沈殿工程をさらに含んでもょ 、。
[0021] 上記のように、マグネシウム塩を含む水溶液を用いて腐植を沈殿させる前段階で、 試料に PEG/NaCl溶液を添加することによって、腐植は溶液中に溶解した状態で 核酸を効率よく沈殿させることができる。それゆえ、上記沈殿工程によって、試料中の 核酸を沈殿させ、この沈殿を取得した後、再度この核酸を含む沈殿を溶液中に溶解 させ、マグネシウム塩と混合する混合工程を実施することによって、より効率的に試料 中から腐植を除去することができる。
[0022] ここで、上記「PEG」とは、ポリエチレングリコールのことを意味する。また、 PEGZN aClとは、より具体的には、 20% (w/v) polyethylene Glycole 6000, 2.5 M NaClのこ とを意味する。
[0023] 本発明の核酸抽出方法は、上記沈殿工程の前に、上記試料に CTABを添加する CTAB添加工程をさらに含んでもよ!、。
[0024] ここで、「CTAB」とは、 hexadodecyltnmethylammonium bromideある ヽは cetyltnmet hylammonium bromidのことを意味する。 CTABは、陽イオン変性剤であり、低イオン 溶液中で核酸と酸性の多糖を沈殿させ、タンパク質と中性多糖を溶液中に残す。そ の一方で、 CTABは、高イオン濃度下では、タンパク質と大部分の酸性多糖とともに 複合体を形成し、核酸を溶液中に残す。このような性質を有することから、 CTABは 多糖類などの夾雑物を多く含む組織力 核酸を抽出するために利用される。
[0025] そのため、上記のように、核酸抽出の最初の段階で、 CTABを添加することによつ て、試料中から効率的に核酸を抽出することができるという効果が得られる。
[0026] 本発明の核酸抽出方法は、上記除去工程の後に、塩化リチウム溶液を上記試料に 添加する添カ卩工程をさらに含むことが好ましい。
[0027] 上記のように、除去工程後の核酸を含む試料に塩化リチウム溶液を添加することに
よって、上記除去工程の後にさらに核酸中に混在する腐植を上澄み液に残し、核酸 のみを効率よく沈殿させることができる。そして、この沈殿を従来公知の手法を用いて 採取すれば、核酸の精製度をより高めることができる。
[0028] また、本発明にかかる核酸抽出剤は、上記課題を解決するために、腐植と核酸とを 少なくとも含む試料力も核酸を抽出するために用いられる核酸抽出剤であって、マグ ネシゥム塩を少なくとも含むことを特徴として!/、る。
[0029] 本発明の核酸抽出剤を水溶液の状態にし、この水溶液を腐植と核酸とを含む試料 に混合させることによって、抽出した 、核酸につ!、ては水溶液中に溶解させた状態と し、除去したい腐植については効率よく沈殿させることができる。そして、この沈殿を 除去することによって、精製度の高い核酸を得ることができる。
[0030] また、本発明にかかる核酸抽出用キットは、上記課題を解決するために、腐植と核 酸とを少なくとも含む試料から核酸を抽出するために用いられる核酸抽出用キットで あって、マグネシウム塩および CTABを少なくとも含むことを特徴として ヽる。
[0031] 本発明にカゝかる核酸抽出用キットは、マグネシウム塩および CTABを少なくとも含 むものであればよい。その他の具体的な構成については特に限定されるものではな ぐ必要な試薬や器具等を適宜選択してキットの構成とすればよい。当該核酸抽出 用キットを用いることにより、簡便かつ効率的に試料力 腐植を除去して核酸を抽出 することができる。
[0032] 本発明にカゝかる核酸抽出方法は、以上のように、試料を、マグネシウム塩を含む水 溶液と混合する混合工程と、上記混合工程によって生じた腐植を含む沈殿を除去し て核酸を抽出する除去工程と、を含んでなるものである。
[0033] それゆえ、本発明の核酸抽出方法によれば、腐植と核酸とを含む試料を、マグネシ ゥム塩を含む水溶液と混合することによって、抽出したい核酸については水溶液中 に溶解させた状態とし、除去した!/、腐植につ ヽては効率よく沈殿させることができる。 したがって、上記の方法によれば、煩雑な操作を必要とせず、安価かつ効率的に腐 植を除去して核酸を精製することができるという効果を奏する。
[0034] 本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十 分わ力るであろう。また、本発明の利益は、次の説明で明白になるであろう。
図面の簡単な説明
[0035] [図 1]本実施例において、土壌カゝら核酸の抽出操作を行って得られた試料について 、電気泳動を行った結果を示すァガロースゲルの模式図である。
[図 2]本実施例において、土壌カゝら核酸の抽出操作を行って得られた試料について ァガロースゲル電気泳動を行った後に、当該ァガロースゲルを SYBR Green Iで染 色した結果を示す模式図である。
[図 3]本実施例にぉ 、てマグネシウム塩を試薬として核酸抽出を行った結果と、比較 のために他の金属塩溶液を試薬として用いて核酸抽出を行った場合の結果とを示す 表である。
[図 4]本実施例において、土壌から取得された RNAを用いて、 RT-PCR-DGGEを行 つた結果を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0036] 以下、本発明についてより具体的に説明する力 本発明はこの記載に限定されるも のではない。
[0037] 本発明にかかる核酸抽出方法は、腐植と核酸とを少なくとも含む土壌などの試料か ら核酸を抽出する核酸抽出方法であって、上記試料を、マグネシウム塩を含む水溶 液に添加して混合する混合工程と、この混合工程によって生じた沈殿を除去して核 酸を抽出する除去工程とを、少なくとも含んでいる。
[0038] このように、本発明では、マグネシウム塩を含む水溶液中に核酸と腐植とを含む試 料を添加し、混合することによって、抽出目的となる核酸については水溶液中に溶解 させた状態とし、除去したい腐植については効率よく沈殿させることができる。したが つて、腐植を多量に含んでいる土壌、河川沈殿物、汚泥、胃腸内内容物、糞便など を試料として、当該試料力も核酸を効率よく抽出することができる。上記試料から、腐 植を除去することによって、その後に行われる核酸 (DNA、 RNA)の解析を円滑に 行うことができる。
[0039] ここで、「腐植」とは、土壌中に存在する有機物、特に、暗褐色を呈する有機物のこ とを指す。英名は、 "Humic substances"である。腐植を構成する物質は、腐植酸、フ ルポ酸、ヒユーミンなどであり、これら各化合物が混合して腐植を構成している。これら
の各化合物は、土壌中に存在する生物遺体の分解物、および、土壌中に存在する 微生物の再合成産物、すなわち、タンパク質、炭水化物、これらの誘導体、脂質、リ グニンおよびこれらの分解生成物に由来するものである。
[0040] そして本発明の核酸抽出方法では、上記マグネシウム塩としては、塩化マグネシゥ ム(MgCl )、または硫酸マグネシウム(MgSO )の何れかを使用することが好ましい
2 4
。これによれば、後述の実施例にも示すように、土壌などの試料力も腐植を効率よく 除去することができる。また、上記マグネシウム塩として、塩ィ匕マグネシウム(MgCl )
2
、または硫酸マグネシウム(MgSO )の何れかを使用すれば、特に腐植の含有割合
4
の多い試料の場合でも、核酸の精製度を高めることができるため、その後に行われる 核酸の解析に支障をきたすことがない。さらに、塩ィ匕マグネシウム (MgCl )、および
2 硫酸マグネシウム (MgSO )は、抽出された核酸のその後の酵素反応、ハイブリダィ
4
ゼーシヨン反応などに悪影響を与えな 、と 、う利点も有して 、る。
[0041] なお、本発明では、上記マグネシウム塩として、塩化マグネシウム(MgCl )、硫酸
2 マグネシウム (MgSO )の何れかを使用することが好ましいが、必ずしもこれに限定さ
4
れることはなぐ他のマグネシウム塩を用いることもできる。また、マグネシウム塩の範 疇に含まれる複数の化合物を混合して用いてもょ 、。
[0042] また、本発明の核酸抽出方法において、マグネシウム塩の濃度は、約 0. 5〜約 1.
0M (換言すれば、約 0. 5〜約 1. OmolZL)であることが好ましい。塩化マグネシゥ ムの濃度は、 0. 5Mよりも低濃度であると腐植の除去効率が低下し、 1. 0Mよりも高 濃度であると核酸の回収率が低下する。なお本明細書において「〜」は「以上、以下 」を意味し、例えば「★★〜☆☆」は「★★以上、☆☆以下」を意味する。
[0043] また上記マグネシウム塩の添カ卩量は、試料溶液 1に対して体積比で 0. 1〜2. Ovol umeであることが好ましぐ lvolumeであることが最も好ましい。上記好ましい範囲未満 であると腐植の除去効率が低下し、上記好ま 、範囲を超えると核酸の回収率が低 下する。なお、以下、適宜「volume」を「vol」と表記する。
[0044] また、本発明の核酸抽出工程において、上記混合工程の前に、上記試料に PEG ZNaCl溶液を添加して試料中に含まれる核酸を沈殿させる沈殿工程をさらに含ん でもよい。このように、マグネシウム塩を含む水溶液を用いて腐植を沈殿させる前段
階で、試料に PEG/NaCl溶液を添加することによって、腐植は溶液中に溶解した 状態で核酸を効率よく沈殿させることができる。上記 PEGZNaCl溶液の添カ卩は、上 記の効果を得ることができる添加量および添加方法であれば特に限定されるもので はないが、例えば、 20Mの PEGZNaCl溶液を添加する場合、試料溶液 1に対して 体積比で 0. 9〜1. 2volを添加することが好ましぐ 1. 0625volを添加することが最も 好ましい。上記好ましい範囲未満であると腐植の除去効率が低下し、上記好ましい 範囲を超えると核酸の回収率が低下する。
[0045] さらに、上記沈殿工程の前に、上記試料に CTABを添加する CTAB添加工程をさ らに含んでもよい。核酸抽出の最初の段階で、 CTABを添加することによって、試料 中に含まれる多糖類などの夾雑物の除去を促進するという効果が得られる。上記 CT ABの添カ卩は、上記の効果を得ることができる添カ卩量および添加方法であれば特に 限定されるものではないが、例えば 0. 02% (w/v)の CTAB溶液を添加する場合、 試料 0. 5gに対して比重を 1とした場合に 0. 25-2. 5volを添加することが好ましぐ 0. 5から 2volを添加することがさらに好ましぐ 1. 25volを添加することが最も好まし V、。上記好ま U、範囲未満であると試料中に含まれる多糖類などの夾雑物の除去効 率が低下し、上記好ましい範囲を超えると核酸の回収率が低下する。
[0046] また、本発明の核酸抽出方法において、上記除去工程の後に、塩化リチウム溶液 を上記試料に添加する添カ卩工程をさらに含むことが好ましい。上記のように、除去ェ 程後の核酸を含む試料に塩化リチウム溶液を添加することによって、上記除去工程 の後にさらに核酸中に混在する腐植を上澄み液に残し、核酸のみを効率よく沈殿さ せることができる。上記塩化リチウムの添カ卩は、上記の効果を得ることができる添加量 および添加方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、 10Mの塩化リチ ゥムを添加する場合、試料溶液 1に対して体積比で lvolを添加することが最も好まし V、。上記好ま U、範囲未満であると試料中に含まれる多糖類などの夾雑物の除去効 率が低下し、上記好ましい範囲を超えると核酸の回収率が低下する。
[0047] なお、本発明に力かる核酸抽出方法にぉ 、て、マグネシウム塩を含む水溶液を用 いて試料中の腐植を沈殿させるという手法以外の核酸抽出の手順については、従来 公知の核酸抽出の手順に準じて行うこともできる。この従来公知の方法としては、例
えば、非特許文献 1、非特許文献 2に記載の手順を用いることができる。また、これら 2つの文献に記載の手法を組み合わせて実施することもできる。
[0048] 本発明に力かる核酸抽出方法では、例えば、その他の試薬として RNase inhibit orを添加する事によって、核酸 (RNA)の精製度を高めることもできる。この RNase i nhibitorを添加するタイミングは、 PEGZNaCl溶液を添加することによって生じた沈 殿を溶解した後である。
[0049] また、本発明の核酸抽出方法にお!ヽて、精製対象となる核酸 (DNAある ヽは RNA )は、土壌などの腐植物質中に存在する微生物のみならず、他の生物、例えば植物 、動物由来の DNA、 RNAであってもよい。
[0050] また、上記試料としては、腐植と核酸とが少なくとも含まれて 、る可能性があるもの であれば特に限定されることはなぐ環境中に存在する種々の液状物'固形物を試 料とすることができる。上記試料としては、例えば、土壌、河川沈殿物、汚泥、胃腸内 内容物、糞便などが挙げられる。
[0051] また、本発明にかかる核酸抽出剤は、腐植と核酸とを少なくとも含む試料カゝら核酸 を抽出するために用いられる核酸抽出剤であって、マグネシウム塩を少なくとも含む ものである。上記核酸抽出剤は、既述した本発明の核酸抽出法の実施に利用される
[0052] この核酸抽出剤は、例えば、 MgCl、 MgSOなどのマグネシウム塩を含む水溶液
2 4
であってもよい。そして、上記水溶液中におけるマグネシウム塩の濃度は、約 0. 5〜 約 1. 0Mであることが好ましい。
[0053] また、本発明に力かる核酸抽出用キットは、マグネシウム塩および CTABを少なくと も含み、核酸抽出の手順ごとに上記各試薬が計量されて小分けされるなどしてキット ィ匕されたものである。上記核酸抽出用キットに含まれるマグネシウム塩は、特に MgCl
2溶液であることが好ましい。
[0054] また、本発明にかかる核酸抽出用キットに含まれる具体的な試薬としては、例えば、 Extraction Buffer (DTT、 CTAB, NaO Ac含有)、 PEGZNaCl溶液、 MgCl溶液、
2
DNase溶液などが挙げられる。本発明の核酸抽出用キットを用いることにより、簡便 かつ効率的に試料力も腐植を除去して核酸を抽出することができる。上記核酸抽出
キットは、既述した本発明の核酸抽出法の実施に利用される。
[0055] 本発明によれば、土壌などカゝら微生物由来の核酸 (DNA、 RNAなど)を抽出し、こ れらを解析することができる。ここで「解析」とは、 DNAの場合は PCR、 PCR-DGG E、制限酵素処理、クローンライブラリーの作製などのことである。また、 RNAの場合 は RT— PCR、 RT— PCR— DGGE、クローンライブラリーの作製、マイクロアレイを 用いた試験に利用が可能である。また、腐植を核酸力も除去する手法を利用して、 土壌由来の DNA、 RNAの FISH解析への応用も可能である。
[0056] また、本発明の核酸抽出剤を実際に利用する場合には、後述の実施例に記載の 通り、土壌からの核酸抽出方法における一連の操作の中で当該核酸抽出剤を使用 することが望ましい。また上記核酸抽出剤は、核酸抽出キットを構成する 1つのアイテ ムとして利用される。
[0057] また、本発明の核酸抽出方法を利用した腐植の除去方法は、土壌中の様々なィ匕 合物を分析する場合にも有効であり、例えば土壌中に含まれるタンパク質 (あるいは これに準じたペプチド)の分析にも応用が可能である。
[0058] 本発明は上述した実施形態に限定されるものではなぐ請求項に示した範囲で種 々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段 を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。 実施例
[0059] 以下に、本発明の実施例について説明する。
[0060] 〔実施例 1〕
実施例 1では、下記の試薬を用いて、下記の手順によって土壌試料中カゝら DNA、
RNAの抽出を行った。なお、この実施例で用いた操作手順は、非特許文献 1に準じ たものである。
[0061] まず、以下に示す試薬を用意した。なお、上記核酸抽出用キットあるいは上記土壌 核酸精製キットには、これらの試薬が含まれて 、ることが好ま U、。
[0062] <用意する試薬 >
• 10%(w/v) CTAB (H O 17ml + 2g CTAB, mess up 20 ml、すなわち 10%(w/v) CT
2
ABは、 2g CTABを 17ml MilliQ grade RNase Free H O (あるいは、 DEPC処理済
み RNase Free H O)に溶解し 20mlにメスアップして調製された。なお本実施例で使
2
用した CTABの製造元は、 Sigma- Aldrich社である。 )
•A solution : 0. 2M Na HPO · 12Η 0 (71. 63g/L)
2 4 2
•Β solution : 0. 2Μ NaH PO · 2Η 0 (31. 21g/L)
2 4 2
• 1M 1,4- dithio- DL- threitol (以下「DTT」と表記する)
• 5M NaCl
•0. 5M EDTA
•20% (w/v) PEG/2. 5M NaCl (20g PEG 6000 in 2.5M NaCl 100ml,すなわち 2 0% PEG/2. 5M NaClは、 20gPEG 6000を 2. 5M NaCl溶液 100mlに溶解し て調製された。以下「PEG/NaCl溶液」と表記する)
• RNase free DNasel
•3M NaOAc (pH 4.5) (81.62g NaOAc- 3H O, 100ml H O, adjust pH with acetic aci
2 2
d, mess up 200ml by H 0.、すなわち 3M NaOAc (pH 4.5)は、 81. 62g NaOAc - 3H
2 2
Oを 100mlの H Oに溶解し、酢酸(acetic acid)で pHを 4. 5に調整し、 200mlに H
2 2 oでメスアップして調製された)
•Phenol (pH 4.5) (500g Phenolを H O 300mlに溶解して調製された)
2
•PhenoKpH 4.5)/TE(pH 8.0)
• Cnl/iso(Chloroform: Isoamyl alcohol = 24 v: lv)
•1. OM MgCl
2
• Glycogen lOmg/ml
続いて、 Extraction Buffer 1を作製した。作製方法は以下の通りである。
(1) A solution 47.35 ml
(2) B solution 2.65 ml
(3) 1M DTT 100 ^ 1
(4) 5M NaCl 2ml
(5) 10% (w/v) CTAB 200 μ 1
上記(1)〜(5)の試薬を混合し、 MilliQ grade RNase Free H 0 (あるいは、 DEPC処
2
理済み RNase Free H O)で 100mlにメスアップした。なお、 MilliQ grade RNase Free
H Oは、 MilliQ (Water社製の純水製造装置)で作製された高精度純水のことを意味
2
する。また、 DEPC処理済み RNase Free H 0は、脱塩水に 0. 1% (v/v)になるよう
2
に Diethyl Pyrocarbonateをカ卩え、室温で 12時間以上放置し、オートクレーブ(121°C 、 30分以上)処理することによって作製されたものである。
[0063] 続!、て、 RNA Extraction Bufferを作製した。作製方法は以下の通りである。
(i) 1M DTT 100 μ 1
(ii) 10% (w/v) CTAB 600 μ 1
(iii) 3M NaOAC (pH 4.5) 1667 μ 1
上記(i)〜(iii)の試薬を混合し、 MilliQ grade RNase Free H O (あるいは、 DEPC処
2
理済み RNase Free H O)で 100mlにメスアップした。
2
[0064] 次に、下記の(1— 1)〜(: L— 17)の手順で操作を行った。
(1-1) : Silica beads (0.1 mm直径) 0.75gを 2ml容 遠心チューブに入れる。
(1-2) :0.5g Soilを 2ml容 遠心チューブに入れる。
(1-3) : bead beater (QIAGEN MM 300)のプレートを 37°Cであらかじめ温めておく (1-4) : 1.25ml Extraction Buffer 1を(1— 2)記載の 2ml容 遠心チューブに加える (1-5) : bead beaterの設定を 45sec, 25 s— 1とする。
(1-6) : (1 4)記載の試料を bead beaterで処理後、 17,400 X gで 5分間遠心分 離を行う。
(1-7) : (1 6)記載の遠心分離により得られた上澄み液を 750 1取り、別の 2ml容 遠心チューブに移す。
(1-8) : (1 7)記載の遠心チューブに、 656 1 phenol/TEと 656 1 Chl/isoとをカロ え、よく転倒混和する。
(1-9) : (1 8)の処理後の遠心チューブを、 17,400 X g 5分間で遠心分離を行
(1-10): (1 9)記載の遠心分離により得られた上澄み液 750 1を、別の 2ml容 遠 心チューブに移す。
(1-11): (1 10)記載の遠心チューブへ、 1312/zl Chl/isoをカ卩え、よく転倒混和 する。
(1-12): (1 11)記載の遠心チューブを、 17,400 X g 3分間遠心分離を行う。 (1-13): (1 12)記載の遠心分離により得られた上澄み液 750 1を別の遠心チュ ーブに移す。
(1-14): (1-13)記載の上澄み液に、 PEG/NaCl溶液 797 μ 1を加えてピベッティ ングを行って、よく混合する。
(1-15): (1— 14)記載の溶液を、 37°Cの恒温槽内で一時間静置する。
(1-16): (1— 15)後の溶液を、 17,400 X g 30分間(室温)で遠心分離を行う。 (1-17): (1 16)記載の遠心分離により得られた上澄み液を捨て、沈殿を 70% ( v/v)エタノール (「EtOH」と表記する)で洗浄した後、当該沈殿を乾燥させる。
[0065] 次に、下記の(2— 1)〜(2— 8)の手順で操作を行った。
(2-1) :(1-17)で得られた沈殿を H 0400 μ 1で完全に溶解する。
2
(2-2) :(2— 1)記載の溶液に l.OMMgCl 400 1を加えてよく混ぜる。
2
(2-3) :(2— 2)記載の溶液を 17,400 X g 10分間 遠心分離を行う。この時遠心 分離の停止は緩やかに行う (soft brake)。
(2-4) :(2— 3)記載の遠心分離後の上澄み液を別の 2ml容 遠心チューブに移 す。ここで、沈殿の沈降度が緩い場合は再度遠心分離を行う。
(2-5) :ここで、溶液の腐植の除去がまだ完全でない場合は、(2— 5)の上澄み液 に 850 μ 1の PEG/NaCl溶液をカ卩えてピペッティングする。
(2-6): (2— 4)または(2— 5)により得られた上澄み液を、 37°Cで一時間静置する
(2-7): (2— 6)後の上澄み液を、 17,400 X g 30分間、遠心分離を行う。
(2-8):沈殿を 70% (v/v) EtOHで洗浄した後、当該沈殿を乾燥させる。
[0066] 続いて、上記(2— 8)で乾燥された沈殿を、 TE 100 μほたは MilliQ grade RNase Fr ee H O (あるいは、 DEPC処理済み RNase Free H O) 100 μ 1に溶解させることによつ
2 2
て DN Αの抽出を行った。
[0067] 一方、 RNAの抽出にっ 、ては下記(3— 1)〜(3— 16)の手順に従って実施した。
(3-1) : DNasel Buffer300 1で上記(2— 8)で得られた沈殿を溶解する。
(3-2) : (3— 1)記載の溶液に、 5U DNaselをカ卩える。
(3-3) : (3— 2)記載の溶液を、 25°Cで 30分間静置する。
(3-4) : (3— 3)記載の溶液を、 17,400 X g 10分間 遠心分離を行う。この時、遠 心分離の停止は緩やかに行う (soft brake)。
(3-5) :(3— 4)記載の遠心分離後の上澄み液を、別の 2ml容 遠心チューブに移 す。ここで、沈殿の沈降度が緩い場合は再度遠心分離を行う。
(3-6) : (3— 5)記載の上澄み液に、 RNA Extraction Bufferを 1250 μ 1加え、よく混 ぜる。
(3-7) :(3— 6)記載の溶液を、半分に(775 1ずつに)分け、 2ml容 遠心チュー ブに移す。
(3-8) : (3-7)の工程で半分に分けたそれぞれの溶液に、 625 μ 1 Phenol/TEお よび 625 μ 1 Chl/isoをカ卩える。
(3-9) : (3— 8)記載の溶液を遠心分離し、遠心分離により得られた上澄み液に 12 50 μ 1 Chl/isoを加える。
(3-10): (3— 9)記載の溶液を遠心分離し、遠心分離により得られた上澄み液に 1 μ 1 Glycogenをカ卩える。
(3-11): (3— 10)記載の溶液に、 1000/zl 2—プロパノール(「2PrOH」と表記する) をカロえて混ぜる。
(3-12): (3— 11)記載の溶液を室温で 3分間放置する。
(3-13): (3— 12)記載の処理後の溶液を氷上で 3分間放置する。
(3-14): (3— 13)記載の処理後の溶液を、 17,400 X g 10分間、 0°Cで遠心分離 を行う。
(3-15): (3— 14)記載の遠心分離により得られた沈殿を 70% (v/v) EtOH (約 lml) で洗った後に乾燥させる。
(3-16): (3— 15)記載の工程により得られた沈殿を、 MilliQ grade RNase Free H
2
Oあるいは TE 10〜20 1に溶解する。
図 1には、上記の(2— 8)の手順において得られた沈殿を溶解した試料について、
0. 2%PVPPを含有する 1%ァガロースゲル電気泳動を行った結果を示す。なお、図
1において、レーン 1, 2が MgClを用いて上記の手順で核酸抽出操作を行った場合
2
に得られた試料であり、レーン 3, 4が同じ土壌試料について MgClを用いないで上
2
記の手順で核酸抽出操作を行った場合に得られた試料である。
[0069] 図 1に示すように、 MgClを用いたレーン 1, 2の試料には、矢印で示す部分に腐植
2
に由来するバンドが確認されず、腐植が完全に除去できたことが確認された。一方、 MgClを用いな力つたレーン 3, 4の試料には、矢印で示す部分に腐植に由来する
2
バンドが確認された。このことから、 MgClを用いなければ、腐植を完全に除去するこ
2
とができな ヽと 、うことがわかった。
[0070] 図 2には、上記の(2— 8)の手順において得られた沈殿を溶解した試料について、 0. 2%PVPPを含有する 1%ァガロースゲル電気泳動を行った後に、ゲルを SYBR Green Iで染色した結果を示す。図 2にお!/、て、レーン M:マーカー( λ Hindlll dig est)、レーン 1〜3:褐色森林土由来の土壌試料、レーン 4〜6:泥炭土由来の土壌 試料である。また、レーン 1, 4は、 MgClを用いないで核酸抽出操作を行ったもので
2
あり、レーン 2, 3, 5, 6は、 MgClを用いて核酸抽出操作を行ったものである。なお、
2
レーン 2と 3、および、レーン 5と 6は、それぞれ同じ試料である。
[0071] 図 2に示すように、 MgClを用いないで核酸抽出操作を行ったもの(レーン 1, 4)で
2
は、腐植が依然として混入していることが確認された(同図中矢印で示す)。一方、 M gClを用いて核酸抽出操作を行ったもの(レーン 2, 3, 5, 6)では、腐植がほぼ完全
2
に除去されたことがわ力つた。
[0072] また図 4に、上記(3— 16)の手順において得られた土壌由来の RNAを用いて、 RT - PCR-DGGEを行った結果を示す。 RT-PCR-DGGEによれば試料中に RNAが存在 しない場合は増幅されないことから、増幅産物が確認されれば、それは RNA由来の 増幅産物であることがわかる。すなわち、 RT-PCR-DGGEの結果、増幅産物が確認さ れれば、試料中に RNAが存在して!/、ることが確認できる。
[0073] 図 4は、得られた試料の一部を RT反応 (reverse transcriptase)によって 16S rDNA 配列に関して増幅した後に、わずかに異なる塩基配列 (異なる微生物種に由来する) を検出するために、その一部の領域を PCRによって再度増幅し、 DGGE法 (変成剤ゲ
ル密度勾配法)によって 10%アクリルアミドゲルで分離した結果である。図 4のレーン Mは、既知の微生物を铸型として増幅したものを流したものであり、レーン 1〜3はル 一ピンの根圏土壌を用い(3— 16)の手順において得られた試料を铸型とした場合の 結果であり、レーン 4〜6はトウモロコシの根圏土壌を用い(3— 16)の手順にお 、て 得られた試料を铸型とした場合の結果であり、レーン 7〜9はナタネの根圏土壌を用 い(3— 16)の手順において得られた試料を铸型とした場合の結果であり、レーン 10 〜12はビートの根圏土壌を用い(3— 16)の手順において得られた試料を铸型とした 場合の結果である。図 4のレーン 1〜12のそれぞれにおいて、明確な複数のバンド が検出されており、本実施例の手法によって複数の微生物由来の RNAが土壌から 効率的に抽出され、腐植による増幅の阻害も認められないということが明ら力となった
[0074] 〔実施例 2〕
実施例 2では、下記の手順によって土壌試料中から RNAの抽出を行った。なお、こ の実施例で用いた操作手順は、非特許文献 2に記載の方法に準じたものである。
[0075] まず、非特許文献 2に記載の方法に準じて RNA安定化剤を土壌に添加し、磨砕し 、抽出液を添加して核酸 (DNA、 RNA)溶液を回収した。等量のクロ口ホルムで脂溶 性の化合物を除去した後に、 0.6 volの 2PrOH (2- Propanol)で沈殿を得た。ここまで の手順については、非特許文献 2に記載の方法に従って行った。
[0076] 続、て、下記の (4— 1)〜 (4— 12)の手順で操作を行った。
(4—1) : 0.75ml MilliQ grade RNase Free H O (あるいは、 DEPC処理済み RNase
2
Free H O)で、上記沈殿をまず溶解する。
2
(4- 2) : (4- 1)記載の溶液 750 μ 1に、 797 μ 1の比率で 20% (w/v) PEG/NaCl溶 液をカ卩える。
(4- 3) : (4— 2)記載の溶液を、 37°Cで一時間静置する。
(4-4) : (4 3)記載の溶液を、 17,400 X g 30分間遠心分離を行う。
(4- 5) : (4 4)記載の遠心分離により得られた沈殿を 70% (v/v) EtOHで洗浄し た後、乾燥させて沈殿を回収する。
(4-6) : (4 5)で得られた沈殿を 0.5ml MilliQ grade RNase Free H O (あるいは
、 DEPC処理済み RNase Free H O)で溶解した後に、 0.5ml 1M MgClを加え、よく混
2 2
ぜる。
(4- 7) : (4 6)記載の溶液を、 17,400 X gで 10分間遠心分離 (温度は 4°C)を行 つた後、上澄み液を回収する。
(4-8) : (4 7)記載の上澄み液を、 17,400 X gで 10分間遠心分離 (温度は 4°C) を行った後、上澄み液を回収する。
(4- 9) : (4 8)記載の上澄み液を、 2PrOHで沈殿させる(上澄み液に対して 0. 6 vol 2PrOHを上澄み液に添カ卩し、 0°Cで 10分間静置後、 17,400 X g、 0°Cの条件で、 20分間遠心分離を行う)
(4- 10): (4 9)で得られた沈殿を 0.5ml TEに溶解する。
(4- 11): (4— 10)で得られた溶液に、 10M LiCl 0.5mlをカ卩える。—80°Cで上記溶 液を 1時間放置した後、 17,400 X g、 0°Cの条件で 10分間遠心分離を行った後、沈 殿を回収する。
(4- 12) : (4— 11)で得られた沈殿を、水あるいは TEに溶解する。さらに RN Aの純 度を高める場合には DNasel処理を行う。
[0077] 続ヽて、下記の手順で核酸抽出を行った。なお、本実施例では、下記の試験試薬 としてマグネシウム塩を含む溶液として、 0. 5M塩ィ匕マグネシウム溶液、または、 0. 5 M硫酸マグネシウム溶液を使用した。また、比較のためにマグネシウム塩以外の金属 塩 (図 3参照)を含む水溶液を濃度 0. 5Mに調製して試験試薬として使用した。
[0078] 以下に、手順を示す。
(5- 1) :一 80°Cに保存しておいた 2PrOH (Iso- propanol)沈殿後の核酸ペレット(上 記(4 11)で得られた沈殿)を 22 μ 1の MilliQ grade RNase Free H O (あるいは、 D
2
EPC処理済み RNase Free H O)に溶解させる。
2
(5- 2) : (5— 1)記載の溶液の 2 μ 1を、 10倍希釈して吸光度を測定する。
(5- 3) : (5— 1)記載の溶液のうち、残りの 20 1を、 10 1ずつ新しい 2 ml容 遠 心チューブに移す。
(5-4) : (5— 3)記載の遠心チューブに、 800 μ 1の試験試薬を加え良く混合する
(5- 5) : (5— 4)記載の溶液を、 4°C、 17,400 X g、の条件で、 10分間、遠心分離を 行う。この時、遠心分離の停止は緩やかに行う (soft brake) o
(5-6) :上澄み液を新しい 2 ml容 遠心チューブに移し、 PEG/NaCl溶液を 850 1 加え、よく混合する。
(5- 7) : (5— 6)記載の溶液を 37°Cで 1時間保温する。
(5-8) : (5— 7)記載の溶液を、 17,400 X g, 30分間(室温)で遠心分離を行う。 (5- 9) : (5— 8)記載の遠心分離後、上澄み液を捨て、沈殿 (ペレット)を 70% (V Zv) EtOHでリンスする。
(5- 10): (5— 9)で得られた沈殿を減圧遠心乾燥機で乾燥させる。
(5- 11): (5— 10)で得られた沈殿を、 10 μ 1の MilliQ grade RNase Free H O (ある
2 いは、 DEPC処理済み RNase Free H O)に溶かして吸光度を測定する。
2
[0079] 図 3には、上記試験試薬に用いた各化合物、各試験試薬の調製方法、および、実 験結果を示す。図 3の 1, 2は、マグネシウム塩を用いた試験試薬であり、図 3の 3〜2 1は、マグネシウム塩以外の金属塩を用いた試験試薬である。なお、図 3に示す「ろ 過滅菌」の項目は、実施例において作製した各溶液の除菌方法を示すものであり、「 オートクレーブ」は、通常の方法でオートクレーブを行ったもの、「ろ過滅菌」は、作製 した溶液をポアサイズ 0. 22 mのフィルターを用いてろ過して除菌したものを、それ ぞれ示す。
[0080] 本実施例の結果において、図 3の「6 :Na CO」および「9 :K CO」については、 P
2 3 2 3
EG沈後のペレットは「なし」と示して!/、るが、(5— 9)の工程にお!、て 70% (v/v) EtO H (エタノール)でリンスした後に少量の沈殿 (ペレット)が確認された。
[0081] 試験試薬を添加した後に腐植が溶けないもの(すなわち、図 3の「遠心後のペレット 」の項目において「あり」のもの)は、 Be塩、 Ca塩、 Mn塩、 Cu塩、 A1塩であった。この 沈殿には、腐植が含まれていると考えられる。なお、 Mg塩を溶液に加えた場合には 、溶液が茶色に着色し、フロック状の塊は確認されな力つた。しかし、その後の遠心 分離操作によって腐植の沈殿が発生し、当該沈殿を除去することができた。
[0082] 図 3に示す「試薬添加後の腐植」の項目において、「可溶」とはフロック状の塊がな いもののことを指し、「不溶」とはフロック状の塊があるもののことを指している。そのた
め、 Mg塩(MgCl · 6Η 0、 MgSO · 7Η O)の結果については、図 3の「試薬添カロ
2 2 4 2
後の腐植」の欄は「可溶」と記載している。つまり、図 3において、「遠心後のペレットあ り」のものが、試験試薬を加えたことによって腐植が沈殿したものを指す。また、 ΓΡΕ G沈後のペレットあり」のもの力 腐植を除去した上澄み液について PEGを添カ卩した ことによって核酸が沈殿したものを指す。
[0083] したがって、図 3において、「遠心後のペレットあり」であり、かつ「PEG沈後のペレツ トあり」に該当する化合物が、土壌試料力も腐植を除去することができ、かつ核酸を抽 出することができたものに相当する。つまり、上記の結果から、試料中から腐植をうま く除去することができたのは、 Mg塩(MgCl · 6Η 0、 MgSO · 7Η O)のみであるこ
2 2 4 2
とが確認された。ただし、 MgSOは、 MgClよりも腐植を除去する効果が小さ力つた
4 2
産業上の利用可能性
[0084] 本発明によれば、土壌、河川沈殿物、汚泥、胃腸内内容物、糞便などといった腐植 を多量に含んでいる試料中から、安価かつ簡便に腐植を除去して核酸を精製するこ とができる。そのため、本発明を利用すれば、腐植を含む試料中から核酸 (DNA、 R NA)を抽出し、これらを解析することができる。具体的には、 DNAを抽出した場合に は、この DNAを、 PCR、 PCR— DGGE、制限酵素処理、クローンライブラリーの作 製などに利用することができる。また、 RNAを抽出した場合には、この RNAを、 RT — PCR、 RT— PCR— DGGE、クローンライブラリーの作製、マイクロアレイを用いた 試験などに利用することができる。さらに、本発明の核酸抽出方法は、土壌中の DN A、 RNAの FISH解析への応用に利用することもできる。
Claims
[1] 腐植と核酸とを少なくとも含む試料から核酸を抽出する核酸抽出方法であって、 上記試料を、マグネシウム塩を含む水溶液と混合する混合工程と、
上記混合工程によって生じた腐植を含む沈殿を除去して核酸を抽出する除去工程 と、を含んでなることを特徴とする核酸抽出方法。
[2] 上記マグネシウム塩は、塩化マグネシウム、または硫酸マグネシウムの何れかであ ることを特徴とする請求項 1に記載の核酸抽出方法。
[3] 上記水溶液におけるマグネシウム塩の濃度は、約 0. 5〜約 1. OmolZLであること を特徴とする請求項 1に記載の核酸抽出方法。
[4] 上記除去工程の後に、塩化リチウム溶液を上記試料に添加する添カ卩工程をさら〖こ 含むことを特徴とする請求項 1に記載の核酸抽出方法。
[5] 腐植と核酸とを少なくとも含む試料から核酸を抽出するために用いられる核酸抽出 剤であって、
マグネシウム塩を少なくとも含むことを特徴とする核酸抽出剤。
[6] 腐植と核酸とを少なくとも含む試料から核酸を抽出するために用いられる核酸抽出 用キットであって、
マグネシウム塩および CTABを少なくとも含むことを特徴とする核酸抽出用キット。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2007503666A JPWO2006088030A1 (ja) | 2005-02-16 | 2006-02-14 | 核酸抽出方法、核酸抽出剤、および核酸抽出用キット |
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Cited By (1)
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|---|---|---|---|---|
| JP2009082066A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Japan Science & Technology Agency | 土壌から抽出したrnaの精製法 |
-
2006
- 2006-02-14 JP JP2007503666A patent/JPWO2006088030A1/ja active Pending
- 2006-02-14 WO PCT/JP2006/302562 patent/WO2006088030A1/ja not_active Ceased
Non-Patent Citations (3)
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| 121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application | ||
| WWE | Wipo information: entry into national phase |
Ref document number: 2007503666 Country of ref document: JP |
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| NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
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| 122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 06713703 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |