明 細 書
骨疾患の予防および治療剤
技術分野
[0001] 本発明は、間葉系細胞を骨芽細胞に分化させ、さらに該骨芽細胞の分化'成熟を 促進することにより、骨量減少を伴い、骨形成促進が必要な骨粗しょう症や関節リウ マチ或いは骨折などの骨疾患を予防および治療することに関する。
背景技術
[0002] 骨は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を一生涯繰り返している動的 な組織である。高齢ィ匕社会における大きな社会問題の一つは、骨粗しょう症などの骨 疾患による寝たきり老人の増加であり、その治療薬の開発が望まれている。骨粗しょう 症や慢性関節リウマチにおける関節破壊などの多くの骨疾患は破骨細胞による骨吸 収と骨芽細胞による骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ることによって 発症する。したがって、これら骨疾患の治療薬として骨吸収を抑制する薬剤、例えば カルシトニンゃビスホスフォネート系化合物が用いられており、また最近、破骨細胞の 形成および活性ィ匕を抑制する新規なキーフアクターとして破骨細胞形成抑制因子 (OCIF/OPG) (Tsuda E. et al: Biochem. Biophys. Res. Commun., 234: 13—142, 1997; Yasuda H., et al.: Endocrinology 139: 1329 - 1337, 1998; Simonet WS., et al: Cell 89: 309-319, 1997)が発見され、その新薬への開発が進められている。しかしな がら、骨吸収が亢進して発症する骨疾患における骨量減少は、骨吸収抑制剤で治 療しても元のレベルに回復しない (約 10%程度の回復に留まる)ことが大きな問題であ る。したがって、骨吸収抑制剤のみによる治療では充分ではなぐ積極的に骨形成を 促進する治療薬の開発が望まれている。
[0003] 骨形成を担う骨芽細胞の分化'成熟を促進する骨形成誘導因子として bone
morphogenetic protein (BMP)がよく知られている。 BMPは骨の中に存在する骨开成 を誘導する活性因子として約 40年前に見出され (Urist MR.: Science 150: 893-899, 1965)、 Wozneyらによってその cDNAがクロー-ングされた (Wozney JM., et al.: Science 242: 1528-1534, 1988)。その後の多くの精力的な研究により、現在 BMPは骨
形成を促進する因子として発見当時よりもその重要性が高まっている。また、最近の 研究により Smadと呼ばれる転写因子群が関与する BMPの情報伝達系が明らかにさ れ、さらに BMPを直接ある ヽは間接的に修飾する分子が同定されて!/、る。
[0004] BMP活性を直接修飾する因子として、 BMPの活性を阻害するアンタゴニストの存在 が知られている。例えば、 Noggin, Chordin, Follistatin, DANファミリーなど、数多くの BMPアンタゴ-ストが見出されている(Brunet LJ., et al: Science 280: 1455-1457, 1998、 Francis-West PH., et al.: Cell Tissue Res. 296: 111—119, 1999、 Merino R., et al.: Development 126: 2161-2170, 1999、 Stanley E., et al.: Mech. Dev. 77: 173-184, 1998) o一方、最近 BMP-2のプロモーター活性を高め、間接的に BMP活性 を増強する化合物として、 HMG-CoA還元酵素を阻害する Lovastatinが見出された (Mundy G., et al.: Science 286: 1946-1949, 1999)。 Lovastatinの類縁ィ匕合物である Simvastatin, Mevastatin, Fluvastatinなども BMP-2のプロモーター活性を促進するこ と、またこれらの化合物は器官培養系や in vivoにおいて骨形成を促進することが明ら かにされている(Mundy G" et al.: Science 286: 1946-1949, 1999)。しかし、高脂血 症治療剤としてすでに開発されている Statin類投与患者における有意な骨形成促進 に関する報告は見当たらない。さらに、最近 Statin類と同様に BMP-2プロモーター活 性を促進する化合物として種々のプロテアソーム阻害剤が見出されている(Garret IR., et al.: J. Clin. Invest. I l l: 1771 - 1782, 2003)。
[0005] BMPは発見されて力 約 40年経過し、これまで骨疾患治療薬として大きな期待の下 で開発が進められてきたが、未だに骨疾患治療薬として上市されるに至っていない。 その医薬品化に向けての大きな障害の一つは in vivoでの薬効投与量が非常に多い ことにあり、コスト面からも開発が困難視されている。 BMP活性を直接増強する因子は 、低投与量の BMPによる骨形成の促進が期待され、 BMPの医薬品化を可能にするも のと考えられる。し力しながら、前述したように BMP活性を直接阻害する BMPアンタゴ 二ストが数多く見出されているものの、 BMP活性を直接増強するようなペプチド性因 子、すなわちタンパク性の BMP活性増強因子の存在はこれまでに報告されて 、なか つた o
[0006] BMPは最も基本的な骨形成誘導因子である力 in vivoでの薬効発現が弱く未だに
骨疾患治療薬として開発されておらず、 BMP活性を直接増強する安全なペプチド性 因子が望まれていた。
非特許文献 l : Tsuda E. et al: Biochem. Biophys. Res. Commun., 234: 13-142, 1997
非特許文献 2 :Yasuda H., et al.: Endocrinology 139: 1329-1337, 1998
非特許文献 3 : Simonet WS" et al.: Cell 89: 309-319, 1997
非特許文献 4 : Urist MR.: Science 150: 893-899, 1965
非特許文献 5 :Wozney JM., et al.: Science 242: 1528-1534, 1988
非特許文献 6 : Brunet LJ., et al.: Science 280: 1455-1457, 1998
非特許文献 7 : Francis- West PH., et al.: Cell Tissue Res. 296: 111-119, 1999 非特許文献 8 : Merino R., et al.: Development 126: 2161-2170, 1999
非特許文献 9 : Stanley E" et al.: Mech. Dev. 77: 173-184, 1998
非特許文献 10 : Mundy G., et al.: Science 286: 1946-1949, 1999
非特許文献 11 : Garret IR., et al.: J. Clin. Invest. I l l: 1771 - 1782, 2003
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、 BMP活性を直接増強するようなペプチド性因子を見出し、当該因子によ つて、 BMPによる間葉系細胞の骨芽細胞への分化、さらには該骨芽細胞の分化'成 熟を促進することにより、骨量減少を伴い、骨形成促進が必要な骨粗しょう症や関節 リウマチ或いは骨折などの骨疾患の予防および治療のための薬剤を提供することを 目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者らは、後述の実施例に示したように、ゥシ血清 (calf serum, CS)中の BMP様 因子の精製過程において、微量(10— 20 ng/ml)の BMP-4存在下で、筋芽細胞およ び骨芽細胞に分ィ匕し得る間葉系細胞株 C2C12細胞の骨芽細胞への分ィ匕を強力に 促進するペプチド性因子 (以下において本因子ということもある)を見出し、当該因子 が血小板第 4因子(Platelet factor 4; PF4)であることを同定した。
[0009] 後述の実施例に示したように、本因子は、 BMP非存在下では C2C12細胞には何の
効果も示さなかった。この C2C12細胞は、 100 ng/ml以下の BMP-2存在下ではほと んどアルカリホスファターゼ活性を発現しない(すなわち、骨芽細胞への分化が起こ らない)が、 100 ng/mlを超える BMP-2存在下で急激にアルカリホスファターゼ活性を 発現し骨芽細胞への分化が始まり、 300 ng/ml以上の BMP-2存在下でほぼ 100%骨 芽細胞に分化する細胞である (Katagiri T., et al.: J Cell Biol. 127: 1755-1766, 1994) ことが知られている。これらのことから、本因子は、骨形成誘導因子自体ではなぐ BMPの活性を増強する因子であると推測された。
[0010] 同様に脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨細胞に分ィ匕し得る間葉系細胞株 C3H/10T1/2 細胞においても、 C3H/10T1/2細胞から骨芽細胞への分化には、大量の BMPの存在 が必要であることが知られている (Wang E.A.et al.:Growth Factors 9:57-71, 1993)が 、本因子はこの C3H/10T1/2細胞の骨芽細胞への分化においても、 C2C12細胞の場 合と同様に微量 (20— 50 ng/ml)の BMP-2または BMP-4存在下で、骨芽細胞への分 化を促進した。
[0011] 一方、骨芽細胞様細胞株 ST2は、数 ng/mlの BMP-2または BMP-4存在下でアルカリ ホスファターゼ活性を発現することが知られて 、るが、本因子は BMPによる ST2細胞 のアルカリホスファターゼ活性誘導を促進した。しかしながら、本因子は BMP非存在 下では ST2細胞に対して何の効果も発揮しな力つた。
[0012] 以上のように、本発明者らは、本因子が間葉系細胞を微量の BMP存在下で骨芽細 胞に分ィ匕し得ることを初めて見出した。さらには、本因子は微量の BMP存在下で骨 芽細胞を分化 '成熟させ得ることから、 BMPと血小板第 4因子を組み合わせて使用す ることによって、間葉系細胞を骨芽細胞に分化させ、さらに該骨芽細胞の分化'成熟 を促進させることによって、骨形成促進が必要な骨粗しょう症や関節リウマチ或いは 骨折などの骨疾患を予防および治療することが可能であることが判明した。
[0013] 血小板第 4因子が、骨肉腫由来骨芽細胞様細胞株においてアルカリホスファタ一 ゼ活性を示すことが知られている(特開平 7-126181)。し力しながら、血小板第 4因 子が BMP活性を増強させる作用を有すること、特に、間葉系細胞においてそれ単独 ではアルカリホスファターゼ活性を示さな 、ような低濃度の BMP存在下で、 BMP活性 を増強させ、骨芽細胞への分化を促進する作用を有することについては何ら記載さ
れていないことから、間葉系細胞を骨芽細胞に分化させ、さらに該骨芽細胞の分化' 成熟を促進することにより、骨量減少を伴い、骨形成促進が必要な骨粗しょう症や関 節リウマチ或いは骨折を伴う骨疾患の予防および治療に関する本発明を示唆するも のではない。
[0014] すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)骨形成誘導因子の存在下に、間葉系細胞に血小板第 4因子を作用させて、該細 胞を骨芽細胞に分化させる方法;
(2)骨形成誘導因子の存在下に、間葉系細胞に血小板第 4因子を作用させて該細 胞を骨芽細胞に分化させ、さらに血小板第 4因子を作用させて該骨芽細胞の分化' 成熟を促進する方法;
(3)骨量減少を伴う骨疾患の予防および治療剤であって、該治療剤が、骨形成誘導 因子および血小板第 4因子との組み合わせ力 なる前記骨疾患の予防および治療 剤;
(4)間葉系細胞に、骨形成誘導因子及び血小板第 4因子を作用させて、該細胞を培 養して得られる骨芽細胞を含む、骨量減少を伴う骨疾患の予防および治療剤;
(5)間葉系細胞に、骨形成誘導因子及び血小板第 4因子を作用させて、該細胞を培 養して得られる、骨量減少を伴う骨疾患の予防および治療用骨芽細胞。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]陽イオン交換カラム(HiTrap-SP)クロマトグラフィーにおける本因子の溶出パタ ーン及び各画分のアルカリホスファターゼ活性(ALP activity)を示す。
[図 2]へパリンカラム(HiTrap- Heparin)クロマトグラフィーにおける本因子の溶出パタ ーン及び各画分のアルカリホスファターゼ活性を示す。
[図 3]逆相液体クロマトグラフィーにおける本因子の溶出パターン及び各画分のアル カリホスファターゼ活性を示す。
[図 4]高速液体クロマトグラフィーによりペプチドマッピングした結果を示す。
[図 5]PF4の BMP活性増強活性における BMPの種類 (BMP-2, BMP-4)の影響を示す グラフである。
[図 6]PF4の BMP活性増強におよぼす PF4存在時期の影響を示すグラフである。
[図 7]間葉系細胞株 C2C12の骨芽細胞への分ィ匕に及ぼす PF4の効果を示すグラフで ある。
[図 8]間葉系細胞株 C3H10T1/2の骨芽細胞への分ィ匕に及ぼす PF4の効果を示すグ ラフである。
[図 9]骨芽細胞様細胞株 ST2の分化'成熟におよぼす PF4の効果を示すグラフである 発明を実施するための最良の形態
[0016] 本発明の骨形成誘導因子としては、公知の種々の bone morphogenetic protein
(BMP)を使用することができる。 BMPは、どのような BMPでも用いることができる力 好 ましくは高度に精製された BMPであり、より具体的には、哺乳動物 BMP、特にヒト BMP と実質的に同じ生物学的活性を有するものである。ヒト由来の BMPが好ましい。 BMP の由来は特に限定されず、天然由来の BMP、遺伝子組換え法により得られた BMPな どを用いることができる力 好ましくは遺伝子組換え法により得られた BMPである。遺 伝子組換え法により得られる BMPには、天然由来の BMPとアミノ酸配列が同じである もの、あるいは該アミノ酸配列中の 1または複数のアミノ酸を欠失、置換、付加等した もので、天然由来の BMPと同様の生物学的活性を有するもの等であってもよい。具 体的 BMPには、 BMP-2、 BMP-4、 BMP-7などが挙げられる。なお、 BMP- 2、 BMP-4の 配列は前記 Wozney JM., et al: Science 242: 1528-1534, 1988に記載されており、ま た BMP- 7の配列は、 Anthony JC. et al.: Proc. Natl. Acid. Sci. USA 87: 9843-9847, 1990に記載されている。
[0017] 本発明の血小板第 4因子 (PF4)としては、公知の種々のものを使用することができ る。血小板第 4因子は、巨核球や血小板の α -顆粒に存在する因子であることから、 天然原料である血小板力 精製することにより得ることができる。また、公知の PF4遺 伝子(Poncz M., et al.: Blood 69: 219-223, 1987)をクローユングし、遺伝子工学を利 用して遺伝子組み換え PF4を生産することができる。具体的には、ヒト血小板第 4因子 (Ilermodson M., et al.: J. Biol. Chem. 252: 6276-6278, 1977)、ゥシ血小板第 4因子 (Ciaglowski RE., et al.: Arch. Biochem. Biophys. 250: 249—256, 1986)、マウス血小 板第 4因子(Watanabe 0., et al.: J. Hum. Genet. 44: 173-176, 1999)などが挙げら
れる。あるいは、その活性を保持している限り、その一部のアミノ酸を欠失、置換、付 加等の改変を行ったものであってもよ 、。ヒト血小板第 4因子が好まし 、。
[0018] 間葉系細胞は、間葉系幹細胞とも呼ばれ、軟骨細胞、筋肉、骨芽細胞、骨髄間質 細胞、脂肪細胞、線維芽細胞などへ分化し得る未分化の細胞を意味する。
[0019] 本発明においては、骨形成誘導因子の存在下、間葉系細胞に血小板第 4因子を 作用させて、該細胞を骨芽細胞に分化させる。あるいは、骨形成誘導因子の存在下 、間葉系細胞に血小板第 4因子を作用させて該細胞を骨芽細胞に分化させ、さらに 血小板第 4因子を作用させて該骨芽細胞の分化'成熟を促進する。
[0020] 間葉系細胞を in vitroで分化させる場合、間葉系細胞を適当な濃度のゥシ胎児血 清(FBS)を含む DMEMや α MEMなどの水溶液に懸濁し、コンフルェントになるまで 培養後、通常、 100 ng/ml以下、好ましくは、 1一 50 ng/ml、特に好ましくは、 10— 20 ng/mlの濃度範囲の骨形成誘導因子存在下、通常、 5— 20 g/mlの範囲の血小板 第 4因子を添加し、 37°C、 5%CO
2、 2-3日間の条件で反応させ、骨芽細胞に分化さ せる。さらに、該骨芽細胞を分化 '成熟させる場合、新たに骨形成誘導因子や血小 板第 4因子を追加してもよいが、そのまま反応を継続してもよい。通常、 2— 3日間培 養を継続することによって該骨芽細胞を分化'成熟させることができる。
[0021] 力べして得られるこれら骨芽細胞を、骨折個所等の患部に移植して骨を形成させる ことによって骨疾患を治療することが考えられる。
[0022] また本発明にお 、ては、骨形成誘導因子と血小板第 4因子とを組み合わせて使用 することにより、骨形成を促進し、骨量減少を伴う骨疾患を予防および治療することが できる。
[0023] 骨形成を促進するには、骨組織における (1)骨芽細胞の分化'成熟だけでなぐ (2) 骨芽細胞に分化し得る間葉系細胞からの多数の骨芽細胞前駆細胞の分化動員(リク ルートメント)が必要と考えられる。前述したように、骨芽細胞は BMPに感受性であり、 少量の BMPでアルカリホスファターゼを発現し分化'成熟する力 未分ィ匕間葉系細胞 力 の骨芽細胞への分化の過程は BMPに極めて非感受性であり、 BMPによる骨芽細 胞の分ィ匕動員が容易に進まないことを示唆している。これに対し、血小板第 4因子自 身は、 BMP非存在下では間葉系細胞力 の骨芽細胞への分ィ匕および骨芽細胞の分
ィ匕 '成熟には何の効果も発現しないが、微量の BMP存在下で BMPによる間葉系細胞 力 骨芽細胞への分ィ匕を強力に促進し、さらに BMPによる骨芽細胞のアルカリホスフ ァターゼ活性誘導を促進する。
[0024] 例えば、骨折治療には、骨形成誘導因子はコラーゲン、ヒアルロン酸スポンジ、ポリ 乳酸、ポリ乳酸 ポリエチレングリコール共重合体などのゲル状の担体に担持して、 患部に塗布あるいは注入などによって投与する。
[0025] 血小板第 4因子は、骨形成誘導因子と混合して上記担体に担持して投与してもよ い。また、血小板第 4因子を単独で上記担体に担持したもの、或いは、水溶性注射剤 としたものを、上記担体に担持された骨形成誘導因子と同時に、あるいは、逐次的に 患部に投与してもよい。
[0026] 本発明の治療剤は、局所投与するのが好ましぐその場合、投与量は、骨形成誘 導因子は 1一 10 mgZ投与部位 Z人 Z日の範囲、また、血小板第 4因子は 0.1— 10 mgZ投与部位 Z人 Z日の範囲力 選ばれる。
[0027] 本発明に従 、、骨形成誘導因子と血小板第 4因子を組み合わせて使用すれば、間 葉系細胞を骨芽細胞に分化させ、さらに該骨芽細胞の分化'成熟を促進することに より、骨量減少を伴い、骨形成促進が必要な骨粗しょう症や関節リウマチ或いは骨折 などの骨疾患の予防および治療を行うことができる。
実施例
[0028] 実施例 1:ゥシ血清力 の本因子の精製
1)へパリンカラム(HeparinCL- 6B)クロマトグラフィーによる精製
ゥシ血清(Hyclone社より購入) 10リットルについて、蛋白量および粘度が高いため 、 1リットルずつ 0.1% CHAPSを含む 20 mMトリス塩酸緩衝液、 pH 7.0で 4倍に希釈し 、同緩衝液で平衡化した Heparin CL- 6Bカラム(径 2.5 cm x 20 cm,ゲル容量 100 ml) に流速 4 ml/分で負荷した。カラムを 0.1% CHAPSを含む 20 mMトリス塩酸緩衝液、 pH 7.0で充分に洗浄した後、カラムに吸着した蛋白質を流速 7 ml/分、 60分間で 0から 2 M NaClの直線濃度勾配(食塩は 0.1% CHAPSを含む 20 mMトリス塩酸緩衝液、 pH 7.0に溶解)で溶出した。溶出液中の蛋白質を 280應の吸光度によりモニターしなが ら、溶出液を 7mlずつ分画した。本因子の溶出画分を同定するため、各画分につい
て C2C12細胞を用いて BMPによる筋芽細胞力 骨芽細胞への分ィ匕誘導を促進する 活性、即ち BMPによるアルカリホスファターゼ活性誘導を促進する活性を下記の測定 法で測定した。
本闵子の活件沏 I定法
1- C2C12細胞を付着細胞用 75T-フラスコ(住友ベークライト)を用い、 15%ゥシ胎児 血清(FBS)を含む DMEMで約 90%コンフルェントになるまで培養した。 1 mM EDTAを 含む 0.25%トリプシン溶液で細胞を剥がし、 1% FBSを含む DMEMで細胞数が 4 x 105 /mlになるように懸濁した。
1-2)得られた細胞懸濁液を、タイプ 1コラーゲンをコートした 96ゥエルプレート(IWAKI )の各ゥエルに 50 μ Lずつ添加し、 37°Cの COインキュベーターで一夜培養した。
2
1-3)カラムクロマトグラフィーで得られた各溶出画分を 1% FBSを含む DMEMで適当に 希釈し、滅菌濾過後、 50 Lずつ上記の C2C12細胞を培養した 96ゥエルプレートの 各ゥエルに加え、次いで 60 ng/ml BMP- 4および 1% FBSを含む DMEMを各ゥエルに 50 Lずつ添加した(BMP-4の最終濃度は 20 ng/ml) 0また、 BMP-4無添加群は 1% FBSを含む DMEMを 50 Lずつ各ゥエルに添カ卩した。このようにして調製した 96-ゥェ ルプレートをさらに COインキュベータ一中で、 5— 6日間培養した。
2
1-4)培養後、培養液を除き、細胞を PBS (―) (タカラバイオ社より購入)で洗浄後、ェ タノール ·アセトン溶液(エタノール:アセトン = 1: 1) 100 Lずつ各ゥエルに添力卩し室 温で 1分間放置後直ちに除去した。風乾後 1 mg/mlの ρ-ニトロフエノールフォスフエ一 ト (p- nitrophenyl phosphate)を含む溶液(0.1 Mジエタノールァミン、 1 mM MgCl
2、 pHIO) 100 μ Lを各ゥエルに添カ卩し室温で 20分間反応させた。 50 μ Lの 3Ν NaOHを各 ゥエルに添カ卩し反応を止めた後、各ゥエルの 405nmの吸光度を測定することによりァ ルカリホスファターゼ活性を測定した。
[0029] 上記のような測定法により、 BMP非存在下では何の効果も示さないが、少量 (20 ng/ml)の BMP共存下で C2C12細胞の筋芽細胞力 骨芽細胞への分ィ匕を強力に促 進する画分、すなわちアルカリホスファターゼ活性を強力に誘導する活性画分を約 90 ml (血清 1リットル当り)採取した。
[0030] 2)陽イオン交換カラム (HiTrap- SP)クロマトグラフィーによる精製
Heparin CL-6Bカラムからの本因子活性画分 180 ml (ゥシ血清 2リットル中の活性画 分に相当)を 0.1% CHAPSを含む 20 mMトリス塩酸緩衝液、 pH 7.5で 10倍希釈し、同 緩衝液で平衡ィ匕した HiTrap-SP陽イオン交換カラム (5 mlゲル、充填カラム)に 4 ml/ 分で負荷した。カラムを同緩衝液で充分洗浄後、カラムに吸着した蛋白質を流速 2 ml/分、 50分間で 0.2力ら 0.6 M NaCl (食塩は同緩衝液に溶解した)の直線濃度勾配 で溶出した。溶出液の蛋白質を 280應の吸光度でモニターし、 2 mlずつ分画した。 各画分について、 1)記載の測定法により少量の BMP存在下でのみ C2C12細胞の筋 芽細胞から骨芽細胞への分化を強力に促進する活性画分約 32 ml採取した。本因子 の溶出パターンを図 1に示す。
[0031] 3)へパリンカラム(HiTrap- Heparin)クロマトグラフィーによる精製
HiTrap-SPカラムクロマトグラフィーからの本因子活性画分約 15 ml (ゥシ血清 1リット ルからの本因子活性画分に相当)を 0.1% CHAPSを含む 20mMトリス塩酸緩衝液、 pH 7.5で 5倍に希釈した後、同緩衝液で平衡化した HiTrap- Heparinカラム(1 mlゲル、 充填カラム)に流速 1 ml/分で負荷した。カラムを充分洗浄後、カラムに吸着した蛋白 質を流速 0.5 ml/分、 50分間で食塩濃度 (食塩は同緩衝液に溶解した)が 0から 1.4 M になるような直線濃度勾配で溶出した。溶出液中の蛋白質を 280 nmの吸光度でモニ ターし、溶出液を 0.5 mlずつ分画した。各画分について同様に活性を測定し、本因 子活性画分として約 3.5mlを採取した。本因子の溶出パターンを図 2に示す。
[0032] 4)逆相液体クロマトグラフィーによる精製
HiTrap- Heparinカラムクロマトグラフィーからの本因子活性画分約 50 μ L (ゥシ血清 約 0.2リットルからの本因子活性画分に相当)を 10.8%ァセトニトリルおよび 0.1%トリフ ルォロ酢酸を含む水溶液で平衡化したバイダック社製 C4-カラム(径 1 mm x 15 cm) に流速 50 μ L/分で負荷し、カラムに吸着した蛋白質を流速 50 L/分、 50分間でァ セトニトリル濃度が 10.8から 54.8%になるような直線濃度勾配により溶出した。溶出液 中の蛋白質を 280應の吸光度でモニターし、溶出液を 50 μ Lずつ分画した。各画分 の一部を直ちに 1%のゥシ胎児血清を含む活性測定培地 (DMEM)で中和後、同培地 で適当に希釈し、本因子の活性を測定した。本因子の C4カラムからの溶出パターン を図 3に示す。
[0033] 実施例 2 :本因子の物理化学的性質の測定
1)アミノ酸配列分析による同定
実施例 1の 4)の逆相液体クロマトグラフィーで活性が確認された画分 (図 3)の蛋白質 の N末端配列をプロテインシークェンサ一、モデル 491 cLC (アプライドバイオシステム ズ社)により決定を試みたところ、 N末アミノ酸配列は検出されなかった。このことから 本因子の N末端はブロックされていることが示唆された。そこで、図 3の活性画分を SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS- PAGE)に供し、銀染色法により蛋白バン ドを染色した。ゲル上のメインバンドを切り出し、 10 mMジチオスレィトールで還元後、 55 mMョードアセトアミド処理して還元カルボキシメチルアミド化した。得られたゲル片 を 10 μ g/mlのトリプシンを含む 25 mM重炭酸アンモ-ゥム溶液中で 37°C16時間処理 することによりトリプシンによる in-gel digestionを行った。遊離したペプチド断片を 5 % トリフルォロ酢酸を含む 50%ァセトニトリル溶液で抽出して得られたペプチド抽出液を 遠心濃縮機で濃縮後、バイダック社製 C18カラムに負荷し、高速液体クロマトグラフィ 一によりペプチドマッピングをおこなった。ペプチドマッピングの結果を図 4に示す。図 4のペプチド画分について、それぞれプロテインシークェンサ一によりアミノ酸配列を 決定した。図 4の *印のペプチド画分のアミノ酸配列が決定された。このアミノ酸配列 を用いて蛋白質データベースによりホモロジ一検索を実施したところ、ゥシ PF4である ことが確認された。得られたアミノ酸配列を配列番号 1及び 2に示す。
[0034] 2)ゲル濾過および SDS-PAGEによる分子量の測定
図 3の活性画分を遠心濃縮機で濃縮乾固後、 0.1% CHAPSと 0.2 M NaClを含む 50 mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.5) 50 Lに溶解し、 SMARTシステムに装備した Superdex 200カラム (径 0.32cm x 30 cm)に負荷した。カラムを同緩衝液で展開した結果、見かけ の分子量が約 50— 60 kDaの蛋白ピークに活性が検出された。さらに図 3の活性画分 を同様に濃縮乾固後、 10 /z Lの SDS-PAGE用緩衝液 (50mMトリス塩酸緩衝液 pH6.8、 2%SDS、 6% j8メルカプトエタノール、 10%グリセロール、 0.002%BPB)に溶解し、 12%のポ リアクリルアミドゲルを用いて非還元下で SDS-PAGEを実施した。ゲルを銀染色するこ とにより蛋白バンドを検出した。見かけ上の分子量約 14 kDaの蛋白質が検出された。 この分子量は報告されているゥシ PF4の分子量と一致した(Ciaglowski RE. , et al:
Arch. Biochem. Biophys. 250: 249-256, 1986)。ゲル濾過での分子量と SDS- PAGE の分子量の比較から明らかなように、 PF4は約 14 kDaの蛋白質の単量体が会合して 4 量体を形成していることが確認された。ゲル中の過剰の SDSを 0.01% Triton Χ-100で 抽出除去し、 14 kDaの蛋白質を含むゲルスライスを細カゝく砕いて蛋白質を抽出し、そ の抽出液の活性を測定したところ、活性は検出されな力つた。このことから、 PF4の分 子量 14 kDaの単量体には活性がなぐ分子量約 50— 60 kDaの 4量体に活性があるこ とが明らかになった。
[0035] 実施例 3 : PF4の BMP活性増強活性における BMPの種類 (BMP-2, BMP-4)の影響 実施例 1で得られた PF4を、 BCA Protein Assay Reagent Kit (PIERCE社)用いて定 量し、 1%FBSを含む DMEMで 150 /z g/mlになるように希釈した後、濾過滅菌した。実 施例 1で示した活性測定法と同様に C2C12細胞を 1夜培養した 96ゥエルプレートのゥ エルに、 90, 75, 60, 45, 30, 15, 6, 3 g/ml (最終濃度は 30, 25, 20, 15, 10, 5, 2, 1 μ g/ml)になるように 1%FBSを含む DMEMで希釈した PF4と 60ng/ml (最終濃度は 20 ng/ml)の BMP- 2または BMP- 4を 50 μ 1ずつ添カ卩し、 COインキュベータ一中で 5— 6日
2
間培養した。培養後、実施例 1と同様の方法でアルカリホスファターゼ活性を測定し た。結果を図 5に示す。図 5に示すように、 PF4は BMP-4だけでなく BMP-2による C2C12細胞のアルカリホスファターゼ活性も濃度依存的に増強した。
[0036] 実施例 4: PF4の BMP活性増強におよぼす PF4存在時期の影響
実施例 3で得られた、 1°/(^83を含む0\15\1で150 §/½1になるょぅに希釈した滅菌 PF4を、 60, 30, 15 μ g/ml (最終濃度は 20, 10, 5 μ g/ml)〖こなるように 1%FBSを含む DMEMで希釈した PF4溶液を作製した。 C2C12細胞を、実施例 1で示した方法と同様 にして 1夜培養した 96ゥエルプレートのゥエルを 2グループ (A B)〖こ分け、グループ A には上記のように調製した PF4溶液 50 1と 60 ng/ml (最終濃度は 20 ng/ml)の BMP-4 を 50 1ずつ添カ卩した。グループ Bには 1%FBSを含む DMEMと 60 ng/ml (最終濃度 は 20 ng/ml)の BMP-4を 50 1ずつ添カ卩した。以上のようにした 96ゥエルプレートを CO インキュベータ一中で 3日間培養した。培養後、培養液を廃棄し、 100 1の PBSで洗
2
浄後 50 1の 1%FBSを含む DMEMを添カ卩した。さらに、グループ Bには作製した PF4 溶液 50 μ 1と 60 ng/ml (最終濃度は 20 ng/ml)の BMP- 4を 50 μ 1ずつ添カ卩した。グルー
プ Aには 1%FBSを含む DMEMと 60 ng/ml (最終濃度は 20 ng/ml)の BMP- 4を 50 1 ずつ添加した。さらに、 COインキュベータ一中で 3日間培養した。培養後、実施例 1
2
と同様の方法でアルカリホスファターゼ活性を測定した。結果を図 6に示す。 PF4の添 加時期が前半であるグループ Aの方が後半であるグループ Bより BMP活性増強活性 が強いことから、 PF4は骨形成因子による間葉系細胞力 骨芽細胞への分ィ匕を増強 することを示唆している。
[0037] 実施例 5 : BMPによる各種間葉系細胞株の骨芽細胞への分化および骨芽細胞株の 分化 ·成熟に及ぼす PF4の促進効果
1)間葉系細胞株 C2C12の骨芽細胞への分ィ匕に及ぼす PF4の効果
C2C12細胞を付着細胞用 75T-フラスコ(住友ベークライト)を用い、 15%ゥシ胎児血 清(FBS)を含む DMEMで約 90%コンフルェントになるまで培養した。 1 mM EDTAを含 む 0.25%トリプシン溶液で細胞を剥がし、 1% FBSを含む DMEMで細胞数が 4 x 105 /mlになるように懸濁した。タイプ 1コラーゲンをコートした 96ゥエルプレート(IWAKI) の各ゥエルに 50 μ Lずつ添加し、 37°Cの COインキュベーターで 1日間培養した。培
2
養後培養液を除き、 1% FBSを含む DMEMで 30 /z g/mlになるように希釈した PF4 (最 終濃度 15 μ g/ml)または 1% FBSを含む DMEMを 50 μ Lずつ添カ卩した。さらに、 1% FBSを含む DMEMで 200 ng/mlから 2分の 1ずつ 9段階に希釈した BMP-4を 96ゥエル プレートの各ゥエルに 50 μ Lずつ添カ卩した。 BMP- 4無添力卩群は 1% FBSを含む DMEM を 50 Lずつ各ゥエルに添カ卩した。このように調製した 96-ゥエルプレートをさらに CO
2 インキュベータ一中で、 4一 6日間培養した。培養後、培養液を除き、 0.6 mM MgCl
2、
0.1%TritonX- 100、 5.4 mM 4-ァミノアンチピリン、 5.4mMフエ-ルリン酸を含む 600 mMジエタノールァミン溶液を各ゥエルに 50 Lずつ添カ卩した。 5分後、 36 mMのフエ リシアンィ匕カリウム溶液を 50 Lずつ添カ卩し、各ゥエルの 495 nmの吸光度を測定する ことによりアルカリホスファターゼ活性を測定した。結果を図 7に示す。 PF4は BMP-4 による C2C12細胞のアルカリホスファターゼ誘導活性を 4倍以上増強し、 BMP-4によ る C2C12細胞の骨芽細胞への分ィ匕を強力に促進することを示して 、る。
[0038] 2)間葉系細胞株 C3H10T1/2の骨芽細胞への分ィ匕に及ぼす PF4の効果
C3H10T1/2細胞を付着細胞用 75T-フラスコ(住友ベークライト)を用い、 10%ゥシ胎
児血清(FBS)を含む a MEMで約 90%コンフルェントになるまで培養した。 ImM EDTA を含む 0.25%トリプシン溶液で細胞を剥がし、 10% FBSを含む α ΜΕΜで細胞数が 1 χ 104/mlになるように懸濁した。タイプ 1コラーゲンをコートした 96ゥエルプレート( IWAKI)の各ゥエルに 50 μ Lずつ添加し、 37°Cの COインキュベーターで 2日間培養し
2
た。培養後培養液を除き、 1% FBSを含む Opti-MEMで 30 g/mlになるように希釈し た PF4 (最終濃度 15 μ g/ml)または 1% FBSを含む Optト MEMを 50 μ Lずつ添カ卩した。 さらに、 1% FBSを含む Opti-MEMで 200 ng/mlから 2分の 1ずつ 9段階に希釈した
BMP- 4を 96ゥエルプレートの各ゥエルに 50 Lずつ添カ卩した。 BMP- 4無添力卩群は 1% FBSを含む Opti- MEMを 50 Lずつ各ゥエルに添カ卩した。このように調製した 96-ゥェ ルプレートをさらに COインキュベータ一中で、 4一 6日間培養した。培養後、培養液
2
を除き、実施例 5の 1)と同様にアルカリホスファターゼ活性を測定した。結果を図 8に 示す。 PF4は最も未分ィ匕段階にある C3H10T1/2の BMP-4による骨芽細胞への分ィ匕 を促進した。
3)骨芽細胞様細胞株 ST2の分化'成熟におよぼす PF4の効果
ST2細胞を付着細胞用 75T-フラスコ(住友ベークライト)を用い、 10 %ゥシ胎児血清 (FBS)を含む α MEMで約 90%コンフルェントになるまで培養した。 1 mM EDTAを含む 0.25%トリプシン溶液で細胞を剥がし、 10% FBSを含む α ΜΕΜで細胞数が 1 χ 10* /mlになるように懸濁した。 96ゥエルプレート(NUNC)の各ゥエルに 50 μ Lずつ添加し 、 37°Cの COインキュベーターで 2日間培養した。培養後培養液を除き、 1% FBSを含
2
む Opti- MEMで 26 μ g/mlになるように希釈した PF4 (最終濃度 13 μ g/ml)または 1% FBSを含む Opti- MEMを 50 Lずつ添カ卩した。さらに、 1% FBSを含む Opti- MEMで 200 ng/mlから 2分の 1ずつ 9段階に希釈した BMP-4を 96ゥエルプレートの各ゥエルに 50 μ Lずつ添カ卩した。 BMP- 4無添力卩群は 1% FBSを含む Optト MEMを 50 μ Lずつ各ゥェ ルに添加した。このように調製した 96-ゥエルプレートをさらに COインキュベータ一中
2
で、 4一 6日間培養した。培養後、培養液を除き、実施例 5の 1)と同様にアルカリホスフ ァターゼ活性を測定した。結果を図 9に示す。 PF4は BMP-4による ST2細胞のアルカリ ホスファターゼ誘導活性を 2倍以上に増強し、骨芽細胞葉細胞に対しても、 BMP-4に よる分化'成熟を促進することが明らかになった。