WO2004044860A1 - 浸水警報装置 - Google Patents

Description

明細書

浸水警報装置 発明の詳細な説明

技術分野

本発明は、静電容量式レベルセンサ等によってバルクキヤリャの貨物室等の船倉 への浸水を検出、 報知するための浸水警報装置に関する。 背景技術

I A C S (国際船級協会連合） によりパルクキヤリヤーセーフティ新規則 規定 され、 浸水検知器を全船倉に設置することが義務づけられた。 そのため、 これに最 適に対応する浸水警報装置が希求されているが、 本願発明者等の知るところでは、 既に提案されているセンサあるいはセンシングシステムでは、船倉設置時の突出量 が大きくて積荷の移動、積載の邪魔になったり、積荷が当たって壊れたりしゃすく、 実際に採用するには問題があった。 また簡単な構造で、安価に、 しかも確実に船倉 の浸水を検出、 報知できるものも存在していなかった。

そこで本願発明は、センサの検出端を隔壁であるバルタへッドからわずかに突出 させるだけで設置でき、力パーで保護することで、荷役作業時の機器や貨物の衝突 によって損傷を受ける懸念のない構造が簡単で安価な浸水警報装置を提供するこ とを目的とする。 発明の開示

上記目的を達成するために、本発明の浸水警報装置は、水等の液体を検出するセ ンサの検出端を、船倉等船体内の浸水を検知すべき箇所へ、該検知すべき箇所を画 成する壁等を貫通させて臨ませ、 該検出端の周囲を箱状のカバー体で覆ってなり、 該カバー体は、上記検出端より上側及び下側に、水等の液体の浸入を許す開口を備 える。

また本発明の浸水警報装置は、静電容量式レベル警報センサのセンサ端を、浸水 を検知すべき船倉と該船倉に隣り合う空所の間を仕切るパルクへッドを貫通させ て上記船倉内へ臨ませ、該センサ端の周囲を箱状のカバー体で覆ってなり、該カバ 一体は、上記センサ端より上側及び下側に、水等の液体の浸入を許す開口を備える。 また本発明の浸水警報装置は、浸水を検知すべき同一の箇所に、上記センサ端の 高さ位置を異ならせて少なくとも 2以上のセンサを配設する構成とすることがで きる。

また本発明の浸水警報装置は、導通試験等を行うために、カバーの下側の開口を 塞ぐ塞止体を着脱可能にするとよい。

また本発明の浸水警報装置は、センサの増幅部等の本体部分は空所内に設置して 浸水による故障が生じないようにするとよい。

また本発明の浸水警報装置は、センサとブリツジ及び浸水制御場所までセンサか らの信号を伝達する電気的配線を含む構成とすることができる。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明に係る浸水警報装置の一実施形態を示す断面図 （A)、 要部を拡 大した断面図 （B )、 同正面図 （C) である。

図 2は、 センサの拡大側面図である。

図 3はカバーの変形例を示す断面図である。 発明を実施するための最良の形態 以下本発明を実施するために本願発明者が最良の形態と考えるものを図面を参 照して説明する。

本発明は、パルクキヤリャの貨物室の船倉への浸水を検出、報知するためのもの で、 図中 1は上甲板、 2、 2はパルクへッド （隔壁）、 3、 3はバルタへッド 2の ロアースツール、 4は下甲板であり、これらによって船倉 5が区画形成されている。 図中 6はレベルセンサであり、空所（ポィドスペース） であるロアースツール 3内 に本体を取付け、収納し、センサ端 7をロアースツール 3からその外側の _B、倉 5内 へ突出させてある。突出寸法は、例えば 1 5 mm程度とする。 なお図中 FWDは船 首側を、 A F Tは船尾側を示す矢印である。

レベルセンサ 6は、静電容量式センサであり、 口アースツール 3の斜面部分を構 成するバルクへッド 2に対して図示のように高さを異ならせて 2個ずつ取付けて ある。 下甲板 4からレベルセンサ 6までの高さは、例えば 2 mと 0 . 5 mとすると よい。

またレベルセンサ 6は、図 2に示すようにセンサ端 7をなす検出電極を絶縁物 8 や二トリルゴム接続部 9等を介してケース 1 0に取付けてある。ケース 1 0内には 増幅器等のセンサ本体が収納してあり、その出力信号は、ケース 1 0に設けた導線 取出し口 1 1に接続した導線 1 2により外部へ取り出せるようになつている。なお 図示の例ではパルクへッド 2に導線パイプ 1 3を取付けて導線 1 2を図示しない プリッジ及び浸水制御場所まで導いている。

レベルセンサ 6を取付けたパルクへッド 2のロアースツール 3をなす斜面部分 には、 、倉 5内へ突出するレべ < /レセンサ 6のセンサ端 7を覆うカバー 1 4が固着し てある。 このカバー 1 4は、 図 1 (B ) で詳細に示すように、 センサ端 7の上方側 を完全に覆っているが、側面部にはセンサ端 7よりも上方に小孔 1 5を設け、セン サ端 7よりも下方に位置する底面部には塞止板 1 6をポルト等で着脱できるよう になっている。もちろんカバー 1 4をレベルセンサ 6のケースなどと一体に形成し た構成であってもよい。 なお図示の状態では塞止板 1 6を取り付けてあるが、 この 塞止板 1 6はテスト時等に用いるもので、 通常使用時には取付けない。

次に本実施形態の動作を説明する。

船体外部からであれ、 内部からであれ、船倉 5内への浸水が生じると、船倉 5内 に水や液体が溜まってゆく。 その水位が上昇し、 下甲板 4から 0 . 5 m程度になつ てくると、下側に位置するレベルセンサ 6がこれを検出する。すなわち、船倉 5に 対して開いているカバー 1 4の下端から水等が入り、センサ端 7に水が掛かり、 あ るいはセンサ端 7が水に浸ると静電容量の変化により、浸水を検出する。下側のレ ベルセンサ 6が浸水を検出したことにより、船倉 5内に浸水が生じ、 しかも 0 . 5 m程度のレベルにあることを検出できる。またこれに続いて上側のレベルセンサ 6 が浸水を検出すれば、浸水が継続しており、 2 m程度のレベルにあることが検出で きる。この情報はケース 1 0に設けた導線取出し口 1 1に接続した導線 1 2により を介してプリッジ及び浸水制御場所まで伝えられ、乗組員はこの浸水検出情報に応 じた作業を行うことになる。

またテストとしてレベルセンサ 6が正常に作動し得るか否かをチェックする必 要がある。 このテストを、カバー 1 4の下端から水を掛けることで行うことも可能 ではあるが、 作業が面倒になる。 そこで、上部に設けた小孔 1 5から注水して動作 テストを行う。 このとき、 カバー 1 4の底面部を塞止板 1 6で塞いでおくと、 カバ —1 4内に水を貯められるので、テストが容易に行える。 もちろんテスト終了後は 塞止板 1 6を取り外して、 カバー 1 4内部から水を抜く。

本発明は、以上説明してきたように、センサ端 7がパルクへッド 2から 1 5 mm 程度突出するのみで、またカバー 1 4で保護してある、荷役作業や貨物で損傷を受 ける懸念はない。 またレベルセンサ 6の増幅部等、センサとしての本体部分はボイ ドスペースであるロアースツール 3内にあり、外力による損傷は皆無で、設置、点 検が容易、安全性は最大になる。 静電容量式センサは安価なものであるので、費用 も最小化できる。

図 3はカバー 1 4の変形例を示す断面図である。 この例は、塞止板 1 6に孔を設 け、その孔にポルト 1 7をキャップとして着脱できるようにしたものである。 この 例では、塞止板 1 6を取付けない場合、ポルト 1 7を使わずに塞止板 1 6を取付け た場合、塞止板 1 6を取り付けかつポルト 1 7を使用した場合、 さらにはポルト 1 7を塞止板 1 6へ捩じ込む度合いによって、カバー 1 4内へのその下側からの水の 浸入度合いを制御できる。

Claims

請求の範囲

1 . 水等の液体を検出するセンサの検出端を、船倉等船体内の浸水を検知すべき箇 所へ、該検知すべき箇所を画成する壁等を貫通させて臨ませ、該検出端の周囲を箱 状の力パー体で覆ってなり、該カバー体は、上記検出端より上側及び下側に、水等 の液体の浸入を許す開口を備えることを特徴とする浸水警報装置。

2 .静電容量式レベル警報センサのセンサ端を、浸水を検知すべき船倉と該船倉に 隣り合う空所の間を仕切るパルクへッドを貫通させて上記船倉内へ臨ませ、該セン サ端の周囲を箱状の力パー体で覆ってなり、該カバー体は、上記センサ端より上側 及び下側に、水等の液体の浸入を許す開口を備えることを特徴とする浸水警報装置。

3 . 請求項 1または 2の浸水警報装置において、 浸水を検知すべき同一の箇所に、 上記センサ端の高さ位置を異ならせて少なくとも 2以上のセンサを配設してなる ことを特徴とする浸水警報装置。

4 .請求項 1ないし 3のいずれかの浸水警報装置において、上記力パーの下側の開 口を塞ぐ塞止体を着脱可能に含むことを特徴とする浸水警報装置。

5 . 請求項 1ないし 4のいずれかの浸水警報装置において、上記センサの増幅部等 の本体部分を上記空所内に設置してなることを特徴とする浸水警報装置。

6 . 請求項 1ないし 5のいずれかの浸水警報装置において、上記センサとプリッジ 及び浸水制御場所まで上記センサからの信号を伝達する電気的配線を含むことを 特徴とする浸水警報装置。