JPWO2020090821A1 - 解析装置、機械学習装置、解析システム、解析方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、シミュレーションの複数の試行の中から分析対象の試行を抽出するための抽出方法が記載されている。この抽出方法では、店舗のレジの待ち時間を短縮したい等の主題(検討課題)に対し、レジの台数およびレイアウト等の施策(主題に対する対策)、および、来店客の行動等の不確実性を有する要素に基づく環境要素を変えてシミュレーションを複数回実行する。特許文献1では、個々のシミュレーションの実行を試行と呼んでいる。特許文献1に記載の抽出方法では、他の試行と評価値が乖離している試行を分析対象の試行として抽出する。
図1は、第1実施形態に係る解析システム1の装置構成の例を示す概略構成図である。図1に示す構成で、解析システム1は、機械学習装置100と、解析装置200とを備える。
解析システム1は、パラメータを用いて表されている解析対象(例えば、設計対象)と、パラメータ値に応じて定まる評価対象値との関係を機械学習し、評価対象値が所定の条件を満たすためのパラメータ値を探索する。ここでいう評価対象値は、解析装置200が探索にて取得するパラメータ値を、探索の解として評価するために用いられる値である。言い換えると、評価対象値は、解析対象に関して生じる事象のうち、注目している事象(注目事象)が定量的に評価された値を表す。また、パラメータは、例えば、解析対象に関する状態、または、解析対象における状態を表す情報である。解析対象は、例えば、図2に示すような流速問題である。注目している事象は、例えば、領域A12における流速である。図2の例の詳細については、後述する。
解析装置200は、機械学習にて得られた解析対象のパラメータ値と評価対象値との関係を用いて、評価対象値が所定の条件を満たすためのパラメータ値を探索する。所定の条件は、例えば、解析対象(例えば、設計対象)に関する所望の条件を定量的に表した数値である。解析装置200を設計に適用する場合、所定の条件は、設計対象に関して所望の設計を行う場合に、注目している事象が定量的に評価された指標が満たしている条件を表す。
機械学習装置100及び解析装置200は、いずれも、例えばパソコン(Personal Computer;PC)またはワークステーション(Workstation)等のコンピュータ(情報処理装置)を用いて構成される。機械学習装置100と解析装置200とが同一の装置として構成されていてもよいし、別々の装置として構成されていてもよい。
図2に示す設計問題では、領域A11内に所定数(例えば、6個)の円柱C11を配置する。この設計問題では、矢印B11で示すように流体が流れており、領域A11の背後の領域A12における流体の平均流速が最大となるような円柱C11の配置を決定する。すなわち、この例では、所望の設計は、領域A12における流体の平均流速が最大となる場合における円柱の配置を求める設計である。
この場合、設計問題を解く方法の1つとして、円柱C11の全ての配置それぞれについて、領域A12における流体の平均流速をシミュレータで算出して、平均流速が最大となる配置を求める、いわば全解探索法が考えられる。しかしながらこの方法では、格子点の数が増えるにつれて、いわゆる組み合わせ爆発が生じてシミュレーションの実行回数が膨大になり、現実的な時間内に設計問題を解けないことが考えられる。
解析システム1は、パラメータで表現可能、かつ、シミュレーションの実行を機械学習可能ないろいろな問題を扱うことができ、この点で、解析システム1の処理対象が広い。上記の設計問題のように、解析システム1を設計に用いることができるが、これに限定されない。
上記のように所定の個数の円柱C11を格子点に配置した状態で、円柱C11の配置変更の1ステップでは、1つの円柱C11の配置を変更する。この変更は、図4において、矢印B12によって表されている。この1ステップは、格子点毎のパラメータのうち、円柱C11が配置されていた格子点のパラメータ値を「1」から「0」に変更し、円柱C11が新たに配置される格子点のパラメータ値を「0」から「1」に変更することで示される。
図5における丸の各々は、パラメータ値によって示される解析対象の状態を示している。パラメータ値によって示される解析対象の状態を、単に状態と称する。パラメータ値と状態とは一対一に対応付けられる。図5では、状態s1〜s13が示されている。
解析装置200は、初期設定において、所定の個数の円柱C11を格子点に例えばランダムに配置する。図5では、この初期設定における状態を状態s1で示している。
図5では、解析装置200が更新後の状態の候補を3つずつ生成する場合の例を示している。解析装置200は、状態s1からの更新の候補として、状態s2、s3、s4の3つの状態を生成している。
第1実施形態では、解析装置200は、生成した候補のうち選択指標値での評価が最も高い候補を選択する。上記の設計問題の場合、領域A12における流体の平均流速が評価対象値となっている。この例では、選択指標値が評価対象値であるため、解析装置200は、この平均流速が最も速い候補を選択する。
図5の例では、状態s11において終了条件が成立しており、解析装置200は、状態s11におけるパラメータ値を処理結果として取得している。
学習側記憶部180は、各種データを記憶する。学習側記憶部180は、機械学習装置100が備える記憶デバイスを用いて構成される。
学習側制御部190は、機械学習装置100の各部を制御して各種処理を行う。学習側制御部190の機能は、機械学習装置100が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、学習側記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実行可能になる。
パラメータ値取得部191が、パラメータ値設定の条件に従って更新対象パラメータ値をランダムに設定するようにしてもよい。また、パラメータ値取得部191が、パラメータ値更新の条件に従って、更新対象パラメータ値をランダムに更新して更新後パラメータ値を生成するようにしてもよい。
相違算出部193は、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の場合の評価対象値の相違(差異)の程度を算出する。具体的には、相違算出部193は、例えば、更新後パラメータ値の場合の評価対象値から更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を減算した差分を算出する。さらに、相違算出部193は、算出した差分を、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値で除算することで正規化(normalization、規格化)を行う。正規化後の値を、評価対象値の差分の割合と称する。
機械学習処理部194が用いる機械学習手法は、特定の手法に限定されない。例えば、機械学習処理部194が、いわゆる深層学習(Deep Learning)等の手法によって機械学習を行うようにしてもよいが、これに限定されない。
解析側記憶部280は、各種データを記憶する。解析側記憶部280は、解析装置200が備える記憶デバイスを用いて構成される。
解析側制御部290の機能は、解析装置200の各部を制御して各種処理を行う。解析側制御部290は、解析装置200が備えるCPUが、解析側記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実行可能になる。
解析装置200が、これら複数の更新対象パラメータ値の各々について、その更新対象パラメータ値をパラメータの初期値としてパラメータ値の探索を行うことで、一部の探索で局所解に陥った場合でも、他の探索で、評価対象値による評価がより高い解(パラメータ値)を得られると期待される。
相違情報取得部293は、更新後パラメータ値の候補毎に、更新対象パラメータ値とその更新後パラメータ値の候補とを機械学習装置100による機械学習結果に適用して、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を取得する。具体的には、相違情報取得部293は、例えば、評価対象値の差分の割合を取得する。但し、ここでの評価対象値の相違の程度は、評価対象値の差分の割合に限定されない。例えば、相違情報取得部293が、評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値から、更新対象パラメータ値の候補の場合の評価値を減算した差分を示す情報を取得するようにしてもよい。あるいは、相違情報取得部293が、評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を、更新対象パラメータ値の候補の場合の評価値で除算した比を示す情報を取得するようにしてもよい。
更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を、相違情報と称する。
更新後パラメータ値選択部295は、更新後パラメータ値の候補のうち、評価対象値が目標に最も合致する候補を選択し、更新対象パラメータ値、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、選択した候補、選択した候補の場合の評価対象値に更新する。言い換えると、更新後パラメータ値選択部295は、候補に関して算出した評価対象値を比較し、比較結果に基づき候補を選択し、更新対象パラメータ値、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、選択した候補、選択した候補の場合の評価対象値に更新する。
解析側制御部290は、繰り返し制御部の例に該当し、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値が所定の終了条件を満たさないと終了条件判定部296が判定した場合、更新後候補設定部292の処理およびそれ以降の処理を繰り返し行わせる。
(1A)更新後候補設定部292が、更新後パラメータ値の候補を複数設定する。
(2A)相違情報取得部293が、更新後パラメータ値の候補毎に、更新対象パラメータ値と、その更新後パラメータ値の候補とを機械学習結果に適用して、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を取得する。
(3A)評価対象値算出部294が、更新後パラメータ値の候補毎に、評価対象値の相違の程度と、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値とに基づいて、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する。
(4A)更新後パラメータ値選択部295が、更新後パラメータ値の候補のうち、選択指標値(この例では、評価対象値)が目標に最も合致する候補を選択し、更新対象パラメータ値、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、選択した更新後パラメータ値の候補、選択した更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値に更新する。
(5A)終了条件判定部296が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値が所定の終了条件を満たすか否かを判定する。
(6A)解析側制御部290が、上記(5A)で終了条件判定部296が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値が所定の終了条件を満たすと判定するまで(1A)〜(6A)の処理を繰り返し行わせる。
解析対象が有するパラメータの値をXで示す。パラメータ値Xは複数のパラメータ値の組み合わせであってもよく、ベクトルで示される。パラメータ値Xの要素、すなわち、個々のパラメータ値をb1、b2、・・・、bn(nは、パラメータの個数を示す正の整数)と表記する。パラメータ値Xは、式(1)のようにベクトルで示される。
パラメータ値Xを更新したパラメータ値をパラメータ値X’と表記する。パラメータ値Xは、更新対象パラメータ値に該当する。パラメータ値X’は、更新後パラメータ値に該当する。パラメータ値X’は、パラメータ値の更新について予め定められている更新の条件(制約条件)に従って、パラメータ値Xを更新して得られる。
パラメータ値X’は、パラメータ値Xの場合と同様、ベクトルで示される。パラメータ値X’の要素、すなわち、個々のパラメータ値をb’1、b’2、・・・、b’n(nは、パラメータの個数を示す正の整数)と表記する。パラメータ値X’は、式(3)のようにベクトルで示される。
この差分をYsimで除算することで正規化した値を、評価対象値の差分の割合Yと表記する。評価対象値の差分の割合Yは、式(5)のように示される。
上記のように、この場合のパラメータ値Xの要素(個々のパラメータ値bi)としてバイナリを用いる。「1≦i≦n(nはパラメータの個数を示す正の整数)」として、個々のパラメータ値biは、式(7)のように示される。
「i」で示される位置を、iの位置と表記する。
円筒の個数が一定であるとの制約条件は、式(8)のように示される。
ここでは、パラメータ値を更新する際の制約条件は、円筒のうちいずれか1つを移動させることである。iの位置の円筒をjの位置に移動させた場合、更新後のパラメータ値X’は、式(9)のように示される。
次に、図8〜図10を参照して、解析システム1の動作について説明する。
図8は、機械学習装置100が更新前後のパラメータ値と評価対象値の差分の割合Yとの関係を学習する処理手順の例を示すフローチャートである。
図8の処理で、学習側制御部190は、予め定められている訓練データの個数の分だけ処理を繰り返すループL11を開始する(ステップS111)。
ステップS112の後、学習側制御部190は、ループL11の終端処理を行う(ステップS113)。具体的には、学習側制御部190は、ループL11の処理の繰り返し回数が、予め定められている訓練データの個数分に到達したか否かを判定する。繰り返し回数が訓練データの個数分に到達していないと判定した場合、学習側制御部190は、引き続きループL11の処理を繰り返す。一方、繰り返し回数が訓練データの個数分に到達したと判定した場合、学習側制御部190は、ループL11を終了する。
ループL12の処理で、機械学習処理部194は、得られた訓練データを用いて機械学習を行う(ステップS115)。
ステップS115の後、学習側制御部190は、ループL12の終端処理を行う(ステップS116)。具体的には、学習側制御部190は、ループL12の処理の繰り返し回数が、予め定められている訓練データの個数分に到達したか否かを判定する。繰り返し回数が訓練データの個数分に到達していないと判定した場合、学習側制御部190は、引き続きループL12の処理を繰り返す。一方、繰り返し回数が訓練データの個数分に到達したと判定した場合、学習側制御部190は、ループL12を終了する。
ループL12の処理の終了後、機械学習装置100は、図8の処理を終了する。
図9の処理で、パラメータ値取得部191は、パラメータ値Xを取得する(ステップS211)。パラメータ値取得部191が、パラメータ値Xをランダムに設定するなど、パラメータ値Xを自動生成するようにしてもよい。あるいは、パラメータ値Xを入力するユーザ操作に基づいて、パラメータ値取得部191がパラメータ値Xを生成するようにしてもよい。あるいは、パラメータ値取得部191が、学習側通信部110を介して他の装置からパラメータ値Xを取得するようにしてもよい。
さらに、シミュレーション実行部192は、パラメータ値X’を用いてシミュレーションを実行する(ステップS214)。具体的には、シミュレーション実行部192は、シミュレーション実行部192自らが有するシミュレータにパラメータ値X’を入力してシミュレーションを実行し、パラメータ値X’の場合のシミュレーション出力Y’simを算出する。
そして、学習側制御部190は、パラメータ値X、パラメータ値X’、及び評価対象値の差分の割合Yを1つに纏めた訓練データを生成する(ステップS216)。
ステップS216の後、機械学習装置100は、図9の処理を終了し、図8の処理へ戻る。
図10の処理で、初期値取得部291は、パラメータの初期値を設定する(ステップS311)。初期値取得部291は、例えばパラメータの初期値をランダムに設定するなど、パラメータの初期値を自動設定する。あるいは、パラメータの初期値を入力するユーザ操作に基づいて、初期値取得部291がパラメータの初期値を設定するようにしてもよい。あるいは、初期値取得部291が、解析側通信部210を介して他の装置からパラメータの初期値を取得するようにしてもよい。
パラメータの初期値は、更新対象パラメータ値として用いられる。
次に、解析側制御部290は、更新後パラメータ値の候補毎に処理を行うループL31を開始する(ステップS313)。
さらに評価対象値算出部294は、得られた評価対象値の差分の割合と、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値とに基づいて、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する(ステップS315)。
パラメータ値の探索の終了条件が成立していないと終了条件判定部296が判定した場合(ステップS318:NO)、処理がステップS312へ遷移する。
解析装置200が処理結果を出力する方法は、特定の方法に限定されない。例えば、解析装置200が表示装置を備えて、処理結果を表示するようにしてもよい。あるいは解析側通信部210が、処理結果を他の装置へ送信するようにしてもよい。
ステップS319の後、解析装置200は、図10の処理を終了する。
また、解析装置200は、パラメータ値の更新前後における評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果から取得する。解析装置200は、パラメータを有するいろいろな解析対象に対して解析を行うことができ、汎用性が比較的高い。また、解析装置200が、評価対象値の相違の程度という相対的な値を機械学習結果から取得する点で、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する際に、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を反映させることができる。パラメータ値の更新前後の評価対象値の相違の程度には比較的強い関係性(例えば、相関性)があると考えられ、解析装置200によれば、この点で、評価対象値をより高精度に算出することができ、解析をより高精度に行うことができる。
解析装置200が、正規化された評価対象値の差分を用いて更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出することで、正規化されていないデータを用いる場合よりも、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値の大きさを、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の大きさに、より強く反映させることができる。パラメータ値の更新前後の評価対象値には比較的強い関係性(例えば、相関性)があると考えられ、解析装置200によれば、この点で、評価対象値をより高精度に算出することができる。
例えば、解析システム1が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値との比を用いるようにしてもよい。
あるいは、解析システム1が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値との差分を用いるようにしてもよい。
このように機械学習装置100が、評価対象値の相違の程度について機械学習を行うことで、評価対象値の相違の程度を出力する機械学習結果を解析装置200に提供できる。
解析装置200は、この機械学習結果を用いて、上記のように解析を行うことができる。
第2実施形態における解析システム1、機械学習装置100、解析装置200の各々の構成は第1実施形態の場合と同様である。
第2実施形態では、解析装置200の更新後パラメータ値選択部295が、更新後パラメータ値の候補のうち何れか1つを選択する方法が第1実施形態の場合と異なる。第2実施形態に係る更新後パラメータ値選択部295は、更新後パラメータ値の候補毎に評価対象値のばらつきを算出し、得られたばらつきを用いて選択指標値を算出して候補の選択を行う。以下では、更新後パラメータ値選択部295が、評価対象値のばらつきとして分散を用いる場合を例に説明するが、これに限定されない。例えば、更新後パラメータ値選択部295が、評価対象値のばらつきとして標準偏差を用いるようにしてもよい。
ここでいう学習モデルは、機械学習の結果である。機械学習装置100が生成する学習モデルの各々が、更新前のパラメータ値および更新後パラメータ値の入力を受けて、評価対象値の差分の割合を出力する。
また、更新後パラメータ値選択部295による候補の選択方法を実現するために、相違情報取得部293は、機械学習装置100が生成した学習モデル毎に評価対象値の差分の割合を取得する。
それ以外の点では、第2実施形態に係る解析システム1は、第1実施形態の場合と同様である。
訓練データセットに含まれる個々の訓練データは、訓練データセット毎に異なる。これにより、機械学習装置100が生成する複数の学習モデルは、同じ値の入力を受けて学習モデル毎に異なる値を出力する。これにより学習モデルの出力の分散を算出することができ、この分散を更新後パラメータ値の候補から何れかを選択するために用いることができる。
機械学習装置100が生成する訓練データの数は、学習モデル毎に異なっていてもよい。あるいは、機械学習装置100が、全ての学習モデル用に同数の訓練データを生成するようにしてもよい。
図11において、iは、パラメータ値の更新回数にて探索の進行を示す。パラメータの更新回数をL()で示す。例えば、i回目のパラメータ値の更新を「L(i)」と表記する。
図11において、jは、同じパラメータ値の更新回数における状態を識別するためのインデックスである。上述したように状態の各々は、パラメータ値が設定された状態であり、パラメータ値と対応付けられる。
また、図11は、パラメータ値の更新の先読みを行って、L(i)における状態の選択を、L(i+2)における状態の情報に基づいて行う場合の例を示している。
以下では、状態選択対象となるパラメータ値の更新回数を深さL(i)と表記する。従って、パラメータ値の更新前における更新回数は深さL(i−1)と示される。また、先読みの対象となるパラメータ値の更新回数を深さL(N)で表す。図11の例では、「L(N)=L(i+2)」である。
評価対象値算出部294は、相違情報取得部293が算出する評価対象値の差分の割合毎に、評価対象値を算出する。評価対象値算出部294は、評価対象値の差分の割合に、親ノードに相当する状態における評価対象値を乗算することで、差分の割合を差分に換算する。そして、評価対象値算出部294は、得られた差分を親ノードに相当する状態における評価対象値に加算することで、評価対象値を算出する。ここでいう親ノードに相当する状態は、深さ方向(iの方向)における直前の状態である。
相違情報取得部293が差分の割合を算出する場合に、評価対象値算出部294が評価対象値を算出する処理は、式(10)のように示される。
μsur(si−1,L,Si,j)は、評価対象値の差分の割合を示す。
評価対象値算出部294が評価対象値を算出する処理は、相違情報取得部293における処理に依存して決定される。例えば、相違情報取得部293が差分によって相違情報を作成する場合、評価対象値算出部294は、その相違情報と、親ノードに相当する状態における評価対象値との和を算出する。例えば、相違情報取得部293が比によって相違情報を作成する場合、評価対象値算出部294は、その相違情報と、親ノードに相当する状態における評価対象値との積を算出する。
更新後パラメータ値選択部295は、式(11)を用いて更新後パラメータ値の候補の各々の選択指標値を算出し、選択指標値が最も大きい候補を1つ選択する。
δi,j 2は、深さL(N)における状態のうち、状態si,jの子孫に相当する状態における評価対象値の分散を示す。
kは、更新後パラメータ値の候補の数を示す。従って、kは、深さL(i)における状態の数を示す。図11の例では、「k=2」である。
式(11)の値(式(11)の演算の結果得られる値)が、選択指標値の例に該当する。
更新後パラメータ値の候補の子孫に相当する状態の数nN i,jが少ないほど(値が小さいほど)、式(11)の値が大きくなる。更新後パラメータ値の候補の子孫に相当する状態の数nN i,jが少ない場合、この候補からの先読みが十分に行われていない可能性があり、さらに探索を行えば、好適な状態(評価対象値による評価が高い状態)に到達できる可能性があると考えらえる。式(11)によれば、この場合の更新後パラメータ値の候補が比較的選ばれ易くなる。
εTk(t−1),tは、式(11)のΣj=1,k(nN i,j)と同様、先読み対象の深さであるL(N)における状態の数を示す。
Tk(t−1)は、式(11)のnN i,jと同様、更新後パラメータ値の候補の子孫に相当する状態の数を示す。
cは、第3項に対する重み付けを行うハイパーパラメータを示す。
bは、予測幅を示す。ここでいう予測幅は、評価対象値の平均値μi,jの値域の大きさである。
解析装置200が、これら複数の更新対象パラメータ値の各々について、その更新対象パラメータ値をパラメータの初期値としてパラメータ値の探索を行うことで、一部の探索で局所解に陥った場合でも、他の探索で、評価対象値による評価がより高い解を得られると期待される。
図12は、機械学習装置100が更新前後のパラメータ値と評価対象値の差分の割合との関係を学習する処理手順の例を示すフローチャートである。
図12の処理で、学習側制御部190は、生成する学習モデルの個数分だけ処理を繰り返すループL41を開始する(ステップS411)。
ステップS412〜ステップS414で、機械学習装置100は、学習モデル毎の訓練データを生成する。すなわち、第2実施形態に係る機械学習装置100が学習モデル毎の訓練データを生成する処理手順は、第1実施形態に係る機械学習装置100が訓練データを生成する処理手順と同様である。
ループL43を終了した場合、機械学習装置100は、図12の処理を終了する。
ステップS511〜S513は、図10のステップS311〜S313と同様である。
ステップS513で開始するループL51の処理で、解析側制御部290は、学習モデル毎に処理を行うループL52を開始する(ステップS514)。
ループL52の処理で、相違情報取得部293は、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を取得する(ステップS515)。
さらに評価対象値算出部294は、得られた評価対象値の差分の割合と、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値とに基づいて、更新後パラメータ値の候補の評価対象値を算出する(ステップS516)。
ステップS515およびS516は、図10のステップS314およびS315と同様である。すなわち、第2実施形態に係る相違情報取得部293および評価対象値算出部294が、個々の学習モデルについて評価対象値を求める処理は、第1実施形態に係る相違情報取得部293および評価対象値算出部294が評価対象値を求める処理と同様である。
なお、先読み先の状態が複数ある場合、ステップS515で相違情報取得部293は、先読み先の状態毎に、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、先読み先の状態における更新後パラメータ値の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を取得する。そして、ステップS516で評価対象値算出部294は、先読み先の状態毎に評価対象値を算出する。
次に、解析側制御部290は、ループL51の終端処理を行う(ステップS519)。具体的には、解析側制御部290は、更新後パラメータ値の候補全てに対してループL51の処理を行ったか否かを判定する。未処理の候補があると判定した場合、解析側制御部290は、引き続きループL51の処理を繰り返す。一方、全ての候補に対してループL51の処理を実行済であると判定した場合、解析側制御部290は、ループL51を終了する。ステップS519は、図10のステップS316と同様である。
パラメータ値の探索の終了条件が成立していないと終了条件判定部296が判定した場合(ステップS521:NO)、処理がステップS512へ遷移する。一方、パラメータ値の探索の終了条件が成立していると終了条件判定部296が判定した場合(ステップS521:YES)、解析装置200は、処理結果を出力する(ステップS522)。ステップS522は、図10のステップS319と同様である。
ステップS522の後、解析装置200は、図13の処理を終了する。
上記のように、解析システム1が評価対象値のばらつきを示す指標として用いる値は、評価対象値の分散に限定されない。例えば、解析システム1が評価対象値のばらつきを示す指標として標準偏差を用いるなど、分散以外の値を用いるようにしてもよい。
(1B)更新後候補設定部292が、更新後パラメータ値の候補を複数設定する。
(2B)相違情報取得部293が、更新後パラメータ値の候補毎に、更新対象パラメータ値と、その更新後パラメータ値の候補とを複数の機械学習結果に適用して、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得する。
(3B)評価対象値算出部294が、更新後パラメータ値の候補毎、かつ、機械学習結果毎に、評価対象値の相違の程度と、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値とに基づいて、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する。
(4B)更新後パラメータ値選択部295が、更新後パラメータ値の候補の各々に対する、評価対象値の平均値および分散(選択指標値の一例)を用いた評価にて、評価が最も良い候補を選択し、更新対象パラメータ値、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、選択した候補、選択した候補の場合の評価対象値に更新する。
(5B)終了条件判定部296が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値が所定の終了条件を満たすか否かを判定する。
(6B)解析側制御部290が、上記(5B)で終了条件判定部296が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値が所定の終了条件を満たすと判定するまで(1B)〜(6B)の処理を繰り返し行わせる。
評価対象値のばらつきが大きい場合、先読み先の状態毎に評価対象値が大きく異なっているか、あるいは、機械学習結果による評価対象値の誤差が比較的大きいことが考えられる。何れの場合も、さらに探索を行えば、好適な状態に到達できる可能性があると考えらえる。解析装置200によれば、この場合の更新後パラメータ値の候補が比較的選ばれ易くなる。
更新後パラメータ値選択部295が、評価対象値の平均値に基づく選択指標値を用いることで、評価対象値の平均値を候補の選択に反映させることができる。更新後パラメータ値選択部295が、この選択指標値を用いて評価対象値の平均値が大きい候補を優先的に選択することで、選択された候補について得られる評価対象値が大きくなる(評価が高くなる)ことが期待される。
先読みされたパラメータ値が少ない候補については、先読みによる評価が十分に行われていない可能性があり、さらに探索を行えば、好適な状態に到達できる可能性があると考えらえる。解析装置200によれば、この場合の更新後パラメータ値の候補が比較的選ばれ易くなる。
解析装置200が、正規化された評価対象値の差分を用いて更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出することで、正規化されていないデータを用いる場合よりも、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値の大きさを、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の大きさに、より強く反映させることができる。パラメータ値の更新前後の評価対象値には比較的強い関係性(例えば、相関性)があると考えられ、解析装置200によれば、この点で、評価対象値をより高精度に算出することができる。
例えば、解析システム1が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値との比を用いるようにしてもよい。
あるいは、解析システム1が、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報として、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値との差分を用いるようにしてもよい。
解析装置200は、この機械学習結果を用いて、上記のように解析を行うことができる。
さらに、機械学習装置100複数の機械学習結果を取得することで、解析装置200は、これら複数の機械学習結果を用いて評価対象値を複数取得することができ、評価対象値の分散など、評価対象値のばらつきの大きさを示す指標を取得できる。解析装置200は、評価対象値のばらつきの大きさを示す指標を用いてパラメータ値の評価を行うことができ、評価対象値が大きい(評価が高い)探索領域を検知できると期待される。
訓練データの数をM個(Mは、正の整数)とし、個々の訓練データをξi(iは、1≦i≦Mの整数)として、訓練データセットを式(13)のように表す。
k番目の訓練データξkは、式(14)のように示される。
xkにおける特徴量(feature)の数(要素の数)をn個として、個々の特徴量をxi k(iは、1≦i≦nの整数)と表記すると、xkは式(15)のように示される。
新たな予測(学習データ以外の予測)を、入力値xM+1から出力値yM+1の予測と表記して、ベイズの定理より、式(18)のように示される。
p(yM+1|xM+1,θ)をニューラルネットワークモデルとして扱う。ハイパーパラメータθは、式(19)に従うものとする。
ベイズの定理より、式(20)のように示される。
メトロポリスヘイスティングス法(Metropolis-Hastings Algorithm)を用いて得られるパラメータ集合θ(i)=(β(i),σ2(i))から、事後分布π(θ|ξ1,・・・,ξM)を近似する。上付きの「(i)」は、サンプリングタイムを示すインデックスである。
つまり、(メトロポリスヘイスティングス法の収束仮定の部分を除き)θ(i)=(β(i),σ2(i))を得て離散近似する。
また、p(yM+1|xM+1,θ)についても同様に、θ(i)により離散近似する。
式(16)に戻り、上記のようにp(yM+1|xM+1,θ)をニューラルネットワークモデルとして扱うことで、予測値の確率分布(の近似)を得られる。
Ndataは、機械学習装置100が機械学習のための、シミュレータへの入力データ数(従って、シミュレーションの実行回数)を示す。
データ生成に要する時間は、Tsim×Ndataとなる。
TLrnは、機械学習装置100が機械学習を行うのに要する時間を示す。機械学習装置100が機械学習を行うのに要する時間は、データ生成に要する時間に比例する。TLrn∝Tsim×Ndataである。
Dは、解析装置200が行う先読みの深さを示す。
Tsurは、状態1つあたり、かつ、学習モデル1つあたりの計算時間を示す。
Nmodelは、解析装置200が用いる学習モデルの数を示す。
Nplayは、先読みの最大深さに達した時点での子孫に相当する状態の数(プレイアウト数)を示す。
Lは、最終的な深さを示す。
例えば、Tsim=2.0[秒]、Ndata=3000、Nnode D=390、Tsim×Ndata=6112.5[秒]、TLrn=20.0[秒]、Nmodel=10、Tsur=0.0037[秒]、D=3、Nplay=3900、L=15とする。この場合、それぞれの場合に要する計算時間は、
(a)第2実施形態に係る解析システム1の場合(式(21)):約209.5分(b)機械学習を行わずにシミュレーションの実行にて同様の処理を行う場合(式(22)):約5959.7分((a)の場合の約28.5倍)(c)同じように先読みし、機械学習を行わずにシミュレーションの実行にて同様の処理を行い、かつ探索する場合(式(23)):約20983.1日((a)の約144256倍)
となる。
(b)の場合の処理では、解析装置200は、(a)の場合と同様の処理によって複数の候補のうち何れか1つに絞り込みながら探索を進めていく。これに対し、(c)の場合の処理では、解析装置200は、1つの候補までの絞り込みは行わず、Nnode Dまでの数の候補を残す。
これら(a)〜(c)の計算時間を比較すると、第2実施形態に係る解析システム1の場合、計算時間が短くて済む。
第3実施形態では、解析装置の構成の例について説明する。
図14は、第3実施形態に係る解析装置の構成の例を示す図である。図14に示す解析装置310は、相違情報取得部311と、評価対象値算出部312と、更新後パラメータ値選択部313と、を備える。
かかる構成にて、相違情報取得部311は、更新パラメータ値に応じて設定される複数の更新後パラメータ値の候補の各々について、更新対象パラメータ値とその更新後パラメータ値の候補とを複数の機械学習結果に適用して、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得する。評価対象値算出部312は、更新後パラメータ値の候補毎、かつ、機械学習結果毎に、評価対象値の相違の程度と、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値とに基づいて、その候補の場合の評価対象値を算出する。更新後パラメータ値選択部313は、更新後パラメータ値の候補毎に複数の評価対象値のばらつきを用いて算出される選択指標値を比較し、比較結果に基づき候補を選択し、更新対象パラメータ値、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、選択した候補、選択した候補の場合の評価対象値に更新する。
また、解析装置310は、パラメータ値の更新時における評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果から取得する。解析装置310が、評価対象値の相違の程度という相対的な値を機械学習結果から取得する点で、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する際に、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を反映させることができる。パラメータ値の更新前後の評価対象値には比較的強い関係性(例えば、相関性)があると考えられ、解析装置310によれば、この点で、評価対象値をより高精度に算出することができる。
第4実施形態では、機械学習装置の構成の例について説明する。
図15は、第4実施形態に係る機械学習装置の構成の例を示す図である。図15に示す機械学習装置320は、パラメータ値取得部321と、シミュレーション実行部322と、相違算出部323と、機械学習処理部324と、を備える。
かかる構成にて、パラメータ値取得部321は、更新対象パラメータ値および更新後パラメータ値を取得する。シミュレーション実行部322は、更新対象パラメータ値、更新後パラメータ値それぞれの場合の評価対象値をシミュレーションで算出する。相違算出部323は、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、更新後パラメータ値の場合の評価対象値の相違の程度を算出する。機械学習処理部324は、更新対象パラメータ値および更新後パラメータ値と、評価対象値の相違の程度との関係を機械学習する。
このように機械学習装置320が、評価対象値の相違の程度について機械学習を行うことで、評価対象値の相違の程度を出力する機械学習結果を解析装置に提供できる。解析装置は、この機械学習結果を用いて解析を行うことができる。
第5実施形態では、解析システムの構成の例について説明する。
図16は、第5実施形態に係る解析システムの構成の例を示す図である。図16に示す解析システム330は、機械学習装置340と、解析装置350とを備える。機械学習装置340は、パラメータ値取得部341と、シミュレーション実行部342と、相違算出部343と、機械学習処理部344と、を備える。解析装置350は、相違情報取得部351と、評価対象値算出部352と、更新後パラメータ値選択部353と、を備える。
解析装置350は、この機械学習結果を用いて解析を行うことができる。さらに、機械学習装置340が複数の機械学習結果を取得することで、解析装置350は、これら複数の機械学習結果を用いて評価対象値を複数取得することができ、評価対象値の分散など、評価対象値のばらつきの大きさを示す指標を取得できる。解析装置350は、評価対象値のばらつきの大きさを示す指標を用いてパラメータ値の評価を行うことができ、評価対象値が大きい(評価が高い)探索領域を検知できると期待される。
解析装置350は、複数の機械学習結果を用いて機械学習結果毎に、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する。これにより、解析装置350は、1つの更新後パラメータ値の候補について複数の評価対象値を得ることができ、評価対象値のばらつきを示す指標(例えば、分散)を用いた評価が可能になる。
また、解析装置350は、パラメータ値の更新時における評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果から取得する。解析装置350が、評価対象値の相違の程度という相対的な値を機械学習結果から取得する点で、更新後パラメータ値の候補の場合の評価対象値を算出する際に、更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を反映させることができる。パラメータ値の更新前後の評価対象値には比較的強い関係性(例えば、相関性)があると考えられ、解析装置350によれば、この点で、評価対象値をより高精度に算出することができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
100、320、340 機械学習装置
110 学習側通信部
180 学習側記憶部
190 学習側制御部
191、321、341 パラメータ値取得部
192、322、342 シミュレーション実行部
193、323、343 相違算出部
194、324、344 機械学習処理部
200、310、350 解析装置
210 解析側通信部
280 解析側記憶部
290 解析側制御部
291 初期値取得部
292 更新後候補設定部
293、311、351 相違情報取得部
294、312、352 評価対象値算出部
295、313、353 更新後パラメータ値選択部
296 終了条件判定部
Claims (9)
- 更新パラメータ値に応じて設定される更新後パラメータ値の複数の候補の各々について、前記更新対象パラメータ値とその候補とを複数の機械学習結果に適用して、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得する相違情報取得手段と、
前記候補毎、かつ、前記機械学習結果毎に、前記評価対象値の相違の程度と、前記更新対象パラメータ値の場合の前記評価対象値とに基づいて、その候補の場合の評価対象値を算出する評価対象値算出手段と、
前記候補毎に、前記機械学習結果毎の前記評価対象値のばらつきを用いて選択指標値を算出し、前記複数の候補各々の前記選択指標値を比較し、前記比較の結果に基づき前記複数の候補から候補を選択し、前記更新対象パラメータ値、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、前記選択した候補、前記選択した候補の場合の評価対象値に更新する、更新後パラメータ値選択手段と、
を備える解析装置。 - 前記更新後パラメータ値選択手段は、前記ばらつきが大きいほど前記選択指標値をより高い値とし、前記複数の候補から、前記選択指標値が最も高い値の候補を選択する
請求項1に記載の解析装置。 - 前記更新後パラメータ値選択手段は、前記候補毎に、前記機械学習結果毎の前記ばらつきと前記複数の候補各々の前記評価対象値の平均値とを用いて、選択指標値を算出する、
請求項1または請求項2に記載の解析装置。 - 前記更新後パラメータ値選択手段は、前記パラメータ値の更新について先読みを行い、先読みされたパラメータ値が数が少ない候補ほど選択指標値をより高い値とし、前記複数の候補から、前記選択指標値が最も高い値の候補を選択する
請求項1から3の何れか一項に記載の解析装置。 - 前記相違情報取得手段は、前記評価対象値の相違の程度を示す情報として、前記複数の候補の各々について、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する前記候補の場合の評価対象値の差分を、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値で除算する正規化を行った値を取得する、
請求項1から4の何れか一項に記載の解析装置。 - 更新対象パラメータ値および更新後パラメータ値とのセットを複数取得するパラメータ値取得手段と、
前記複数のセット毎に、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、前記更新後パラメータ値の場合の評価対象値とをシミュレーションで算出するシミュレーション実行手段と、
前記複数のセット毎に、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、前記更新後パラメータ値の場合の評価対象値の相違の程度を算出する相違算出手段と、
前記複数のセットの前記更新対象パラメータ値、前記更新後パラメータ値、および、前記評価対象値の相違の程度を用いて、前記更新対象パラメータ値および前記更新後パラメータ値と、前記評価対象値の相違の程度との関係の機械学習結果を複数取得する機械学習処理手段と、
を備える機械学習装置。 - 機械学習装置と解析装置とを備え、
前記機械学習装置は、
更新対象パラメータ値および更新後パラメータ値とのセットを複数取得するパラメータ値取得手段と、
前記複数のセット毎に、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値と、前記更新後パラメータ値の場合の評価対象値とをシミュレーションで算出するシミュレーション実行手段と、
前記複数のセット毎に、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、前記更新後パラメータ値の場合の評価対象値の相違の程度を算出する相違算出手段と、
前記複数のセットの前記更新対象パラメータ値、前記更新後パラメータ値、および、前記評価対象値の相違の程度を用いて、前記更新対象パラメータ値および前記更新後パラメータ値と、前記評価対象値の相違の程度との関係の機械学習結果を複数取得する機械学習処理手段と、
を備え、
前記解析装置は、
更新パラメータ値に応じて設定される更新後パラメータ値の複数の候補の各々について、前記更新対象パラメータ値とその候補とを複数の機械学習結果に適用して、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得する相違情報取得手段と、
前記候補毎、かつ、前記機械学習結果毎に、前記評価対象値の相違の程度と、前記更新対象パラメータ値の場合の前記評価対象値とに基づいて、その候補の場合の評価対象値を算出する評価対象値算出手段と、
前記候補毎に、前記機械学習結果毎の前記評価対象値のばらつきを用いて選択指標値を算出し、前記複数の候補各々の前記選択指標値を比較し、前記比較の結果に基づき前記複数の候補から候補を選択し、前記更新対象パラメータ値、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、前記選択した候補、前記選択した候補の場合の評価対象値に更新する、更新後パラメータ値選択手段と、
を備える、
解析システム。 - コンピュータによって実施される解析方法であって、
更新パラメータ値に応じて設定される更新後パラメータ値の複数の候補の各々について、前記更新対象パラメータ値とその候補とを複数の機械学習結果に適用して、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得し、
前記候補毎、かつ、前記機械学習結果毎に、前記評価対象値の相違の程度と、前記更新対象パラメータ値の場合の前記評価対象値とに基づいて、その候補の場合の評価対象値を算出し、
前記候補毎に、前記機械学習結果毎の前記評価対象値のばらつきを用いて選択指標値を算出し、前記複数の候補各々の前記選択指標値を比較し、
前記比較の結果に基づき前記複数の候補から候補を選択し、
前記更新対象パラメータ値、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、前記選択した候補、前記選択した候補の場合の評価対象値に更新する、
ことを含む解析方法。 - コンピュータに、
更新パラメータ値に応じて設定される更新後パラメータ値の複数の候補の各々について、前記更新対象パラメータ値とその候補とを複数の機械学習結果に適用して、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値に対する、その候補の場合の評価対象値の相違の程度を示す情報を機械学習結果毎に取得し、
前記候補毎、かつ、前記機械学習結果毎に、前記評価対象値の相違の程度と、前記更新対象パラメータ値の場合の前記評価対象値とに基づいて、その候補の場合の評価対象値を算出し、
前記候補毎に、前記機械学習結果毎の前記評価対象値のばらつきを用いて選択指標値を算出し、前記複数の候補各々の前記選択指標値を比較し、
前記比較の結果に基づき前記複数の候補から候補を選択し、
前記更新対象パラメータ値、前記更新対象パラメータ値の場合の評価対象値を、それぞれ、前記選択した候補、前記選択した候補の場合の評価対象値に更新する、
ことを実行させるためのプログラムを記憶した記録媒体。
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