JPWO2019083019A1 - 医療画像処理装置、及び、内視鏡装置 - Google Patents

医療画像処理装置、及び、内視鏡装置 Download PDF

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Abstract

従来よりも精度良く異常領域を判別できる医療画像処理装置、及び、内視鏡装置を提供する。医療画像処理装置(10)は、被写体を含む医療画像を取得する医療画像取得部(11)と、複数の医療画像を用いて、医療画像ごとに異常領域を判別する第1異常領域判別部(52)と、医療画像ごとの異常領域の判別結果を用いて、異常領域の特性を判別する特性判別部(53)と、異常領域の特性にしたがって制御された特定のスペクトルを有する照明光を使用して撮影した医療画像を用いて、異常領域を判別する第2異常領域判別部(54)と、を備える。

Description

本発明は、医療画像の解析結果を用いる医療画像処理装置、及び、内視鏡装置に関する。
従来、医療に係る装置(以下、医療装置という)のうち、被写体を含む画像(以下、医療画像という)を取得するものは、取得した医療画像を医師に提示する。そして、医師は、医療装置から得る医療画像を判断材料の1つとして使用して診断等をする。当然ながら、診断の際に医療画像を用いてする被写体の状態等の鑑別は、医師の技量及び経験等に基づく。
近年においては、画像解析技術が進歩したので、医療画像を解析することで、医療画像から客観的な情報または定量的な情報を得ることができる。このため、医療画像の解析結果を医師等に提示することにより、鑑別及び診断等を支援する医療装置が増えてきている。例えば、特許文献1に記載の内視鏡装置は、蛍光を用いて撮影した蛍光画像または特定の狭い波長帯域を有する光(いわゆる狭帯域光)を用いて撮影した狭帯域光画像を用いて異常がある領域の位置を特定する。そして、異常がある領域の位置を、表示用の内視鏡画像において表示する。
特開2006−198106号公報
従来の医療装置においては、医療画像を解析することにより病変等の異常が認められる部分(病変部分または病変の可能性がある部分)を1または複数含む注目すべき領域(いわゆる注目領域、関心領域、または、異常領域等と称する領域である。以下、異常領域という。)を検出し、その位置等を提示して診断等を支援する。そして、異常領域の検出においては、検出対象とする病変の種類等を検出しやすい特定の撮影条件のもとで撮影した医療画像を使用するのが通常である。すなわち、従来の医療装置においては、ある特定の撮影条件において、特定の病変等が検出しやすいという事実を前提として異常領域の検出を行っている。しかし、病変等の種類もしくは性状(進行度等)、または、病変等がある器官の種類等によっては、良く観察し得る撮影条件が異なるので、病変等を正確に判別できない場合がある。
本発明は、従来よりも精度良く異常領域を判別できる医療画像処理装置、及び、内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の医療画像処理装置は、被写体を含む医療画像を取得する医療画像取得部と、複数の医療画像を用いて、医療画像ごとに異常領域を判別する第1異常領域判別部と、医療画像ごとの異常領域の判別結果を用いて、異常領域の特性を判別する特性判別部と、異常領域の特性にしたがって制御された特定のスペクトルを有する照明光を使用して被写体を撮影した医療画像を用いて、異常領域を判別する第2異常領域判別部と、を備える。
第1異常領域判別部は、白色光とは異なるスペクトルを有する特殊光を使用して撮影した医療画像を、異常領域の判別に用いることが好ましい。
特性判別部は、異常領域の特性として、異常領域にある異常の対象の表面からの深さを判別することが好ましい。
特性判別部は、第1異常領域判別部による判別結果の確度を用いて、異常領域の特性を判別することが好ましい。
第2異常領域判別部は、異常領域の特性と、特定のスペクトルと、の予め定めた対応関係を用いて、異常領域の判別に使用する医療画像を決定することが好ましい。
第2異常領域判別部は、異常領域の特性を用いて、特定のスペクトルを算出することが好ましい。
特定のスペクトルを有する照明光は、紫色光及び青色光を含み、かつ、紫色光の光量が青色光の光量よりも大きいことが好ましい。
特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、青色光の光量は緑色光の光量よりも大きく、かつ、緑色光の光量は赤色光の光量よりも大きいことが好ましい。
特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、緑色光の光量は青色光の光量よりも大きく、かつ、青色光の光量は赤色光の光量よりも大きいことが好ましい。
第1異常領域判別部で使用する医療画像、第2異常領域判別部で使用する医療画像、または、第1異常領域判別部で使用する医療画像及び第2異常領域判別部で使用する医療画像の他に取得した医療画像、のうち少なくともいずれかを表示用の医療画像として表示する表示部を備えることが好ましい。
第1異常領域判別部及び第2異常領域判別部は、表示用の医療画像を表示している間に、各々の異常領域の判別を行うことが好ましい。
第2異常領域判別部が判別した異常領域を表示用の医療画像に重畳して表示し、または、表示用の医療画像とともに第2異常領域判別部が異常領域を判別した旨を表示する表示制御部を備えることが好ましい。
本発明の内視鏡装置は、スペクトルが異なる複数種類の照明光を発光する光源部と、照明光を使用して被写体を撮影することにより、被写体を含む内視鏡画像を取得する内視鏡画像取得部と、複数の内視鏡画像を用いて、内視鏡画像ごとに異常領域を判別する第1異常領域判別部と、内視鏡画像ごとの異常領域の判別結果を用いて、異常領域の特性を判別する特性判別部と、異常領域の特性にしたがって、照明光を、特定のスペクトルを有する照明光に切り替える光源制御部と、特定のスペクトルを有する照明光を使用して被写体を撮影した内視鏡画像を用いて、異常領域を判別する第2異常領域判別部と、を備える。
本発明の医療画像処理装置及び内視鏡装置は、従来よりも精度良く異常領域を判別できる。
医療画像処理装置のブロック図である。 内視鏡装置のブロック図である。 医療画像解析処理部のブロック図である。 医療画像処理装置の作用を示すフローチャートである。 表示用の医療画像である。 第1異常領域判別処理用の内視鏡画像である。 第2異常領域判別処理用の内視鏡画像である。 判別結果を示した表示用の内視鏡画像である。 動き判別部を備える医療画像解析処理部のブロック図である。 医療画像処理装置を含む内視鏡装置のブロック図である。 内視鏡装置においてリアルタイムに異常領域の判別処理を行う場合のフローチャートである。 医療画像処理装置を含む診断支援装置の説明図である。 医療画像処理装置を含む医療業務支援装置の説明図である。
[第1実施形態]
図1に示すように、医療画像処理装置10は、医療画像取得部11、医療画像解析処理部12、表示部13、表示制御部15、入力受信部16、統括制御部17、及び、保存部18を備える。
医療画像取得部11は、医療装置である内視鏡装置21等から直接に、または、PACS(Picture Archiving and Communication System)22等の管理システムもしくはその他情報システムを介して、被写体を含む医療画像を取得する。医療画像は、静止画像または動画(いわゆる検査動画)である。医療画像が動画である場合、医療画像取得部11は、検査後に、動画を構成するフレーム画像を静止画像として取得することができる。また、医療画像が動画である場合、医療画像の表示には、動画を構成する1つの代表フレームの静止画像を表示することのほか、動画を1または複数回、再生することを含む。また、医療画像取得部11が取得する医療画像には、内視鏡装置21等の医療装置を用いて医師が撮影した画像の他、内視鏡装置21等の医療装置が医師の撮影指示に依らず自動的に撮影した画像を含む。
医療画像取得部11は、複数の医療画像を取得し得る場合、これらの医療画像のうち1または複数の医療画像を選択的に取得できる。また、医療画像取得部11は、複数の互いに異なる検査において取得した複数の医療画像を取得できる。例えば、過去に行った検査で取得した医療画像と、最新の検査で取得した医療画像と、の一方または両方を取得できる。すなわち、医療画像取得部11は、任意に医療画像を取得できる。
本実施形態においては、医療画像処理装置10は、内視鏡装置21と接続し、内視鏡装置21から医療画像を取得する。すなわち、本実施形態において医療画像は、内視鏡画像である。
また、異常領域の判別を行う場合には、医療画像取得部11は、少なくとも1または複数の撮影条件が異なる内視鏡画像(医療画像)を取得する。具体的には、本実施形態においては、医療画像取得部11は、異常領域を判別するために第1内視鏡画像111、第2内視鏡画像112、第3内視鏡画像113、及び、第4内視鏡画像114(いずれも図6参照)の4種類の内視鏡画像を取得する。さらに、医療画像取得部11は、より異常領域の判別に適した内視鏡画像121(図7参照)を取得する。なお、第1内視鏡画像111、第2内視鏡画像112、第3内視鏡画像113、及び、第4内視鏡画像114は特殊光を用いて撮影した内視鏡画像である。特殊光とは、白色光とは異なるスペクトルを有する光をいい、特定のごく狭い波長帯域を有する、いわゆる狭帯域光を含む。
撮影条件とは、医療画像の撮影に係る条件であって、例えば、照明光のスペクトル、または、医療画像を生成する際の画像処理の有無もしくは強度、等である。照明光のスペクトルとは、波長ごとの強度分布であり、波長帯域及び中心波長の概念を含む。医療画像を生成する際の画像処理とは、例えば、特定の組織または病変等を強調する色彩等の調節に係る処理等である。上記の他、本実施形態においては、医療画像取得部11は、異常領域の判別を行う部分、及び、異常領域の判別を行わない部分の両方について、観察のために表示部13に表示する表示用の内視鏡画像101を取得する(図5参照)。表示用の内視鏡画像101は、多くの場合、異常領域の判別に用いる内視鏡画像とは撮影条件が異なる。但し、異常領域を判別する際に、表示にも適した内視鏡画像を使用する場合、異常領域の判別に用いる内視鏡画像を、表示用の内視鏡画像101にも使用できる。本実施形態においては、表示用の内視鏡画像101は、白色光を用いて撮影した内視鏡画像である。
なお、本実施形態において医療画像取得部11が取得する医療画像は、1回の特定の検査において撮影した医療画像である。また、異常領域の判別を行う部分について取得する医療画像は、原則として、画角または被写体の形状等が大きく変化しない時間的範囲内(画像処理において相互に部分の対応付けができる程度の時間的範囲内)において撮影した一連の医療画像である。
図2に示すように、本実施形態において医療画像処理装置10が接続する内視鏡装置21は、白色の波長帯域の光もしくは特定の波長帯域の光の少なくともいずれかを照射して被写体を撮影する内視鏡31、内視鏡31を介して被写体内に照明光を照射する光源装置32、プロセッサ装置33、及び、内視鏡31を用いて撮影した内視鏡画像等を表示するモニタ34を有する。
内視鏡31は、被写体が反射または散乱した照明光、または、被写体もしくは被写体に投与した薬剤等が発光する蛍光、等を用いて被写体を撮影するイメージセンサ41を備える。イメージセンサ41は、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)のカラーセンサ(カラーフィルタを有するセンサ)である。
光源装置32は、光源部42と、光源制御部47と、を含む。光源部42は、スペクトルが異なる複数種類の照明光を発光する。光源部42は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、またはキセノンランプ等の発光デバイスを備える。また、光源部42は、プリズム、ミラー、光ファイバ、または、波長帯域もしくは光量等を調節する光学フィルタ等、を必要に応じて備える。本実施形態においては、光源部42は、中心波長が約405nmの紫色光を発光するV−LED43と、中心波長が約450nmの青色光を発光するB−LED44と、中心波長が約540nmの緑色光を発光するG−LED45と、中心波長が約630nmのR−LED46と、を備える。
光源制御部47は、光源部42が含む発光源を制御し、内視鏡31が被写体の撮影に使用する照明光を発生する。また、光源制御部47は、光源部42が複数の発光デバイスを含む場合、各発光デバイスの発光のタイミング及び発光量をそれぞれに制御することができる。したがって、光源装置32は、スペクトルが異なる複数種類の照明光を、任意のタイミング及び任意の強度で内視鏡31に供給できる。例えば、本実施形態においては、光源装置32は、光源制御部47が行う制御により、白色光の他、紫色光、青色光、緑色光、赤色光、または、これら各色の光のうち2以上を任意の強度比で混合した光等を、任意のタイミング及び任意の強度で照明光として発光できる。この他、光源装置32は、発光デバイスの特性により、または、光学フィルタの使用により、特定の狭い波長帯域を有する光(いわゆる狭帯域光)を照明光として発光できる。例えば、緑色波長帯域よりも短波長帯域の光、特に可視域の青色帯域または紫色帯域の光を発光できる。
プロセッサ装置33は、イメージセンサ41から内視鏡画像を取得し、または、イメージセンサ41から取得した内視鏡画像に画像処理を施した内視鏡画像を生成する内視鏡画像生成部48を備える。イメージセンサ41及び内視鏡画像生成部48は、内視鏡装置21において「内視鏡画像取得部」を構成する。内視鏡画像取得部は、照明光を使用して被写体を撮影することにより、被写体を含む内視鏡画像を取得する。医療画像処理装置10は上記プロセッサ装置33と接続する。そして、医療画像取得部11は、内視鏡装置21の内視鏡画像生成部48から直接に内視鏡画像を取得する。
医療画像解析処理部12は、医療画像取得部11が取得した医療画像である内視鏡画像(以下、単に内視鏡画像という)を用いて解析処理をする。具体的には、図3に示すように、第1異常領域判別部52と、特性判別部53と、第2異常領域判別部54と、を含む。
第1異常領域判別部52は、医療画像取得部11が取得した複数の医療画像を用いて、医療画像ごとに異常領域119(図6参照)を判別する(以下、第1異常領域判別処理という)。医療画像取得部11が内視鏡画像を取得する場合、異常領域とは、1または複数の病変、周辺の組織等と相違する色もしくは形状の特徴を有する領域、薬剤を散布等した領域、または、処置(生検、内視鏡的粘膜切除術(EMR(Endoscopic Mucosal Resection))、または、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD(Endoscopic Submucosal Dissection))等)を実施した領域、等の対象を含む領域である。医療画像が内視鏡画像である場合、病変等とは、例えば、ポリープ(隆起性病変)であり、より具体的には、過形成ポリープ(HP:hyperplastic polyp)、SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)、腺腫、癌、等である。また、周辺の組織等と相違する色もしくは形状の特徴を有する領域とは、被写体の発赤、萎縮、憩室、または、治療痕、等である。
第1異常領域判別部52は、医療画像の一部または全部について、異常領域119であるか否かを判別する。すなわち、第1異常領域判別部52は、異常領域119の判別を、画素ごとに、内視鏡画像を小領域に分ける場合にはその小領域ごとに、または、内視鏡画像の全体に対して、行うことができる。本実施形態においては、第1異常領域判別部52は、所定数の画素からなる小領域ごとに、異常領域119であるか否かを判別する。
また、第1異常領域判別部52は、各医療画像の1箇所または複数箇所を異常領域119と判別する場合がある。また、第1異常領域判別部52は、白色光とは異なるスペクトルを有する特殊光を使用して撮影した医療画像を、異常領域119の判別に用いる。この他、第1異常領域判別部52は、少なくとも異常領域119の有無と、判別の確からしさを表す「確度」と、を判別結果に含める。
特性判別部53は、第1異常領域判別部52の判別結果、すなわち、医療画像ごとの異常領域119の判別結果を用いて、異常領域119の特性を判別する(以下、特性判別処理という)。異常領域119の特性とは、異常領域119にある異常の対象の位置、大きさ、範囲(面積等)、形状、太さ、長さ、粘膜等の表面からの深さ、異常領域を構成する組織等の密度、または、その他の特徴をいう。本実施形態においては、特性判別部53は、異常領域119にある異常の対象がある深さ(粘膜表面を基準とした深さ)によって、異常領域119の特性を、「表層型」、「中層型」、または、「深層型」の3種類の区分のいずれかに判別する。
また、特性判別部53は、第1異常領域判別部52による判別結果の確度を用いて、異常領域119の特性を判別する。例えば、粘膜表面または粘膜表面からの比較的浅い位置にある異常がよく写る内視鏡画像において、第1異常領域判別部52の判別結果の確度が最も高ければ「表層型」であると判別する。逆に、粘膜下の比較的深い位置にある異常がよく写る内視鏡画像において、第1異常領域判別部52の判別結果の確度が最も高ければ「深層型」であると判別する。
第2異常領域判別部54は、異常領域の特性にしたがって制御された特定のスペクトルを有する照明光を使用して撮影した医療画像を用いて、異常領域を判別する(以下、第2異常領域判別処理という)。第1異常領域判別処理が異常領域を判別するための、ある程度汎用な判別処理であるのに対し、第2異常領域判別処理は、異常領域がある前提でその異常領域の特性に合わせることで、第1異常領域判別処理よりも正確に異常領域を判別する判別処理である。「特定のスペクトル」とは、異常領域119の特性にしたがって制御されたスペクトルである。このため、上記「特定のスペクトル」は、多くの場合、表示用の医療画像(表示用の内視鏡画像101)の撮影に使用する白色光、及び、第1異常領域判別処理で用いる医療画像(第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,第3内視鏡画像113,及び第4内視鏡画像114)の撮影に使用する特殊光のスペクトルとは異なる。但し、異常領域の特性によっては、表示用の医療画像または第1異常領域判別処理に使用する医療画像の撮影に使用する照明光のスペクトルと同じになる場合がある。
本実施形態においては、異常領域119の特性が「表層型」である場合、特定のスペクトルを有する照明光は、紫色光及び青色光を含み、かつ、紫色光の光量が青色光の光量よりも大きい。異常領域119の特性が「中層型」である場合、特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、青色光の光量は緑色光の光量よりも大きく、かつ、緑色光の光量は赤色光の光量よりも大きい。異常領域119の特性が「深層型」である場合、特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、緑色光の光量は青色光の光量よりも大きく、かつ、青色光の光量は赤色光の光量よりも大きい。
第2異常領域判別部54は、特性判別部53が判別する異常領域119の特性と、上記「特定のスペクトル」と、の予め定めた対応関係を用いて、異常領域の判別に使用する医療画像を決定することができる。この場合、上記対応関係は、第2異常領域判別部54が予め保有する。但し、第2異常領域判別部54は、例えば、所定のメモリ等で構成する記憶部(図示しない)に記憶しておくことができる。
第2異常領域判別部54は、特性判別部53が判別した異常領域119の特性にしたがって、第2異常領域判別処理に使用する医療画像を決定し、医療画像取得部11からその医療画像を取得する。医療画像取得部11は、第2異常領域判別部54が要求する可能性がある医療画像を予め取得する。また、医療画像取得部11は、第2異常領域判別部54が要求した医療画像を未取得である場合、第2異常領域判別部54の要求にしたがって、第2異常領域判別処理に使用する医療画像を取得する。
なお、第1異常領域判別部52及び第2異常領域判別部54は、表示制御部15が表示用の医療画像である表示用の内視鏡画像101を表示部13に表示している間に、各々の異常領域の判別を行う。特性判別部53が行う特性判別処理も同様である。但し、表示制御部15は、第1異常領域判別処理、特性判別処理、または、第2異常領域判別処理を行っている途中で、表示部13に表示する表示用の内視鏡画像101を更新する場合がある。すなわち、「表示制御部15が表示用の医療画像である表示用の内視鏡画像101を表示部13に表示している間に、各々の異常領域の判別を行う」とは、表示用の内視鏡画像101を表示部13に表示する表示制御のバックグラウンドで、第1異常領域判別処理、特性判別処理、及び、第2異常領域判別処理を実行することを意味する。
表示部13は、医療画像取得部11が取得した医療画像、及び、異常領域の判別結果等を表示するディスプレイである。すなわち、表示部13は、第1異常領域判別部で使用する医療画像、第2異常領域判別部で使用する医療画像、または、第1異常領域判別部で使用する医療画像及び第2異常領域判別部で使用する医療画像の他に取得した医療画像、のうち少なくともいずれかを表示用の医療画像として表示する。医療画像処理装置10が接続するデバイス等が含むモニタまたはディスプレイを共用し、医療画像処理装置10の表示部13として使用できる。
表示制御部15は、表示部13における医療画像及び解析結果の表示態様を制御する。具体的には、第2異常領域判別部54が判別した異常領域131を表示用の医療画像である表示用の内視鏡画像101に重畳して表示し、または、表示用の医療画像である表示用の内視鏡画像101とともに第2異常領域判別部54が異常領域を判別した旨(メッセージ等)を表示する。例えば、本実施形態においては、表示制御部15は、表示用の内視鏡画像101を表示部13に表示する。また、表示制御部15は、表示用の内視鏡画像101において、第2異常領域判別処理の判別結果である異常領域131(図8参照)の輪郭を強調する等して、表示用の内視鏡画像101において異常領域131の所在を示す。表示制御部15は、設定によっては、異常領域131または異常領域131以外の領域の色を調節して異常領域131の所在を示すことができる。また、表示制御部15は、設定によっては、音(音声を含む)、光(表示用の内視鏡画像101の部分的な点滅等)、座標の表示等、その他の任意の方法で異常領域131の有無または異常領域131の所在を示すことができる。
入力受信部16は、医療画像処理装置10に接続するマウス、キーボード、その他操作デバイスからの入力を受け付ける。医療画像処理装置10の各部の動作はこれらの操作デバイスを用いて制御できる。
統括制御部17は、医療画像処理装置10の各部の動作を統括的に制御する。入力受信部16が操作デバイスを用いた操作入力を受信した場合には、統括制御部17は、その操作入力にしたがって医療画像処理装置10の各部を制御する。
保存部18は、医療画像処理装置10が含むメモリ等の記憶デバイス(図示しない)、または、内視鏡装置21等の医療装置もしくはPACS22が含む記憶デバイス(図示しない)に、必要に応じて異常領域の判別結果等を保存する。
以下、医療画像処理装置10の動作の流れを説明する。図4に示すように、医療画像取得部11は、自動的に、または、手動選択により、複数の表示用の内視鏡画像101を取得し(ステップS110)、表示制御部15は、医療画像取得部11が取得した表示用の内視鏡画像101を表示部13に順次表示する(ステップS111)。本実施形態においては、例えば、図5に示す表示用の内視鏡画像101を取得及び表示する。
一方、バックグランドでは、第1異常領域判別処理用の内視鏡画像を取得する(ステップS112)。具体的には、図6に示すように、紫色の特殊光を用いて撮影した第1内視鏡画像111と、青色の特殊光を用いて撮影した第2内視鏡画像112と、緑色の特殊光を用いて撮影した第3内視鏡画像113と、赤色の特殊光を用いて撮影した第4内視鏡画像114と、を取得する。
医療画像取得部11が第1異常領域判別処理用の第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,第3内視鏡画像113,及び第4内視鏡画像114を取得すると、第1異常領域判別部52はこれらを用いて第1異常領域判別処理をする(ステップS113)。具体的には、第1異常領域判別部52は、第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,及び第3内視鏡画像113を、それぞれ第4内視鏡画像114を用いて規格化する。これにより、第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,及び第3内視鏡画像113の照度の影響を除去する。そして、第1異常領域判別部52は、規格化した第1内視鏡画像111と、規格化した第2内視鏡画像112と、規格化した第3内視鏡画像113と、からそれぞれ異常領域119の有無を判別する。例えば、第1異常領域判別部52は、規格化した各内視鏡画像111,112,113のそれぞれにおいて、局所的な低信号値領域(画素値が小さい領域)を異常領域119として判別する。
第1異常領域判別部52が、規格化した各内視鏡画像111,112,113についてそれぞれ異常領域119の有無及び判別の確度を出力すると、特性判別部53は、これを用いて異常領域119の特性を判別する(ステップS114)。
具体的には、異常領域119があり、かつ、規格化した第1内視鏡画像111の判別結果の確度が最も高い場合、特性判別部53は、異常領域119の特性が「表層型」であると判別する。第1内視鏡画像111は、青色の特殊光を用いて撮影した内視鏡画像なので粘膜表面または粘膜下の比較的浅い位置(いわゆる表層)にある病変等が写りやすい。このため、病変等が表層付近にある場合には、第2内視鏡画像112及び第3内視鏡画像113よりも、第1内視鏡画像111において正確に病変等を判別でき、その結果として、第1異常領域判別処理の確度が高くなるからである。また、異常領域119があり、かつ、規格化した第2内視鏡画像112の判別結果の確度が最も高い場合、特性判別部53は、異常領域の特性が「中層型」であると判別する。同様に、異常領域119があり、かつ、規格化した第3内視鏡画像113の判別結果の確度が最も高い場合、特性判別部53は、異常領域の特性が「深層型」であると判別する。このように、特性判別部53は、異常領域119にある異常の対象の表面からの深さを異常領域の特性として判別する。
特性判別部53が異常領域119の特性を判別すると、第2異常領域判別部54は、異常領域119の特性にしたがって、例えば図7に示す第2異常領域判別処理に用いる1または複数の内視鏡画像121を決定する。第2異常領域判別処理用の内視鏡画像121は、異常領域119の特性にしたがって制御された特定のスペクトを有する照明光を使用して撮影した内視鏡画像であり、異常領域119の特性が「表層型」である場合、内視鏡画像121は、粘膜の表層付近にある病変等の特徴が写りやすい照明光を用いて撮影した内視鏡画像である。異常領域119の特性が「中層型」である場合、内視鏡画像121は、粘膜の中層付近にある病変等の特徴が写りやすい照明光を用いて撮影した内視鏡画像である。また、異常領域119の特性が「深層型」である場合、内視鏡画像121は、粘膜の深層付近にある病変等の特徴が写りやすい照明光を用いて撮影した内視鏡画像である。
第2異常領域判別部54は、医療画像取得部11からこの第2異常領域判別処理用の内視鏡画像121を取得し(ステップS115)、内視鏡画像121を用いて、改めて異常領域131を判別する(ステップS116)。その結果、図8に示すように、表示制御部15は、第2異常領域判別部54が内視鏡画像121を用いて判別した異常領域131を、表示部13に表示した表示用の内視鏡画像101において表示し、その所在を医師等に示す。これにより、医療画像処理装置10は診断等を支援する。
上記のように、医療画像処理装置10は、第1異常領域判別処理を行ってひとまず異常領域を判別し、かつ、判別した異常の特性を判別する。その後、異常領域の特性に合わせて、異常領域にある異常の特徴が写りやすい医療画像を用いて改めて異常領域を判別する。このため、医療画像処理装置10が行う異常領域の判別は、病変等の種類もしくは性状、または、病変等がある器官の種類等に対する依存性が従来よりも低い。その結果、医療画像処理装置10は、従来よりも安定して精度良く異常領域を判別できる。
第1実施形態においては、第2異常領域判別部54は、異常領域の特性と「特定のスペクトル」と対応関係を用いて、異常領域の判別に使用する医療画像を決定するが、第2異常領域判別部54は、上記対応関係を用いる代わりに、特性判別部53が判別した異常領域の特性を用いて、上記「特定のスペクトル」を算出することができる。例えば、第2異常領域判別部54は、規格化した第1内視鏡画像111の第1異常領域判別処理の確度に比例する光量で紫色光を含み、規格化した第2内視鏡画像112の第1異常領域判別処理の確度に比例する光量で青色光を含み、かつ、規格化した第3内視鏡画像113の第1異常領域判別処理の確度に比例する光量で緑色光を含む「特定のスペクトル」を算出することができる。この比率で紫色光、青色光、及び、緑色光を含む照明光を用いれば、結果として異常領域が含む病変等の特徴が写りやすくなるので、第2異常領域判別処理に適した内視鏡画像121になる。したがって、第2異常領域判別部54は、上記のように算出した特定のスペクトルを有する照明光を用いて撮影した内視鏡画像121を用いれば、第1実施形態と同様に、従来よりも精度良く異常領域131を判別できる。
第1実施形態における第1異常領域判別部52、特性判別部53、及び、第2異常領域判別部54等の医療画像解析処理部12を構成する各部は、機械学習またはディープラーニング等により学習した、いわゆるAI(Artificial Intelligence)プログラムを用いて構成することができる。
第1実施形態においては、第2異常領域判別部54は、1枚の内視鏡画像121を用いて第2異常領域判別処理をしているが、第2異常領域判別部54は、複数の医療画像を用いて第2異常領域判別処理をすることができる。
なお、図9に示すように、医療画像解析処理部12は、第1異常領域判別部52と、特性判別部53と、第2異常領域判別部54と、に加えて、動き判別部151を含むことができる。動き判別部151は、異常領域の判別に複数の内視鏡画像を使用する場合に、これら複数の内視鏡画像に写る被写体像の動き(被写体と内視鏡31の相対的な動き)を判別する。例えば、連続する2フレーム分の内視鏡画像の動きを判別する場合、動き判別部151は、画素値の相関に基づいて被写体像の動きの程度を判別する。より具体的には、連続する2フレーム分のG画像(緑色光を使用して撮影した内視鏡画像)を、G1画像及びG2画像とする場合、G1画像とG2画像のそれぞれにおいて、各画像内に複数個(例えば20箇所程度)の小正方形領域を設定し、各小正方形領域内の画素値の平均値を算出し、かつ、G1画像及びG2画像との間でこれらの小正方形領域の平均画素値の相関係数を求める。そして、相関係数が所定の閾値以上である場合には、被写体像の動きがないと判別し、かつ、相関係数が所定の閾値未満である場合には、被写体像の動きがあると判別する。
医療画像解析処理部12が動き判別部151を備える場合、第1異常領域判別処理を行う際、または、第2異常領域判別処理において複数の内視鏡画像を使用する際には、これら複数の内視鏡画像は動き判別部151において被写体像の動きがないと判別した組み合わせの内視鏡画像を使用できる。この結果、これら各判別処理を精度良く行うことができる。
[第2実施形態]
上記各実施形態においては、医療画像処理装置10と内視鏡装置21は別個の装置であるが、内視鏡装置21は、医療画像処理装置10を含むことができる。この場合、図10に示す内視鏡装置510のように、医療画像処理装置10を構成する各部520は、プロセッサ装置33に設ける。但し、表示部13は、内視鏡装置21のモニタ34を共用できる。また、医療画像取得部11は、イメージセンサ41及び内視鏡画像生成部48が形成する「内視鏡画像取得部」に相当する。このため、プロセッサ装置33には医療画像取得部11及び表示部13以外の各部を設ければ足りる。その他の各部の構成は、第1実施形態と同様である。また、上記各実施形態及びその他変形例の医療画像処理装置10と、図2の内視鏡装置21と、の全体で新たな内視鏡装置を構成できる。
医療画像処理装置10を含む内視鏡装置510は、基本的にリアルタイムに被写体を観察する装置である。このため、内視鏡装置510は、医療画像である内視鏡画像の取得、第1異常領域判別処理、特性判別処理、第2異常領域判別処理、及び、判別結果の表示処理等は、内視鏡画像を撮影しながらリアルタイムで、または、各種操作部等の操作に起因した任意のタイミングで実行できる。
以下、医療画像処理装置10を含む内視鏡装置21がリアルタイムに異常領域の判別処理をする場合の動作の流れを説明する。図11に示すように、内視鏡装置510は、例えば、白色光を用いて被写体を逐次撮影し、表示用の内視鏡画像101を取得し(ステップS210)、取得した表示用の内視鏡画像101をモニタ34に表示する(ステップS211)。内視鏡装置510は、これらのステップを、例えば、所定のフレームレートで常時繰り返し実行する。このため、医師等は、被写体をリアルタイムに観察できる。
上記のように、表示用の内視鏡画像101を表示している間に、バックグラウンドでは、統括制御部17は、一連の表示用の内視鏡画像101の撮影の間に、表示用の内視鏡画像101の連続した表示に支障がない所定のタイミングで、間欠的に、第1異常領域判別用の撮影を割り込ませる。すなわち、光源制御部47は、照明光を、白色光から、紫色の特殊光、青色の特殊光、緑色の特殊光、または、赤色の特殊光に、間欠的に切り替える。そして、白色光を用いた撮影の合間に、イメージセンサ41がこれら各色の特殊光で被写体を撮影することで、第1実施形態と同様の第1異常領域判別処理用の内視鏡画像、すなわち、第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,第3内視鏡画像113,及び第4内視鏡画像114を取得する(ステップS212)。
第1異常領域判別部52は、上記のようにリアルタイムに取得した第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,第3内視鏡画像113,及び第4内視鏡画像114を用いて、第1異常領域判別処理をし(ステップS213)、かつ、特性判別部53は、第1異常領域判別処理で判別した異常領域119の特性を判別する(ステップS214)。これらは、第1実施形態と同様である。
その後、第2異常領域判別部54は、異常領域119の特性にしたがって特定のスペクトルを決定すると、統括制御部17は、一連の表示用の内視鏡画像101の撮影の間に、表示用の内視鏡画像101の連続した表示に支障がない所定のタイミングで、間欠的に、第1異常領域判別用の撮影を割り込ませる。このとき、光源制御部47は、異常領域の特性にしたがって、照明光を、第2異常領域判別処理に適した特定のスペクトルを有する照明光に切り替える。具体的には、光源制御部47は、照明光を、白色光から、第2異常領域判別部54が決定した特定のスペクトルを有する照明光に切り替え(ステップS215)、イメージセンサ41は、これら各色の特殊光で被写体を撮影することで、第1実施形態と同様の第2異常領域判別処理用の内視鏡画像121を取得する(ステップS216)。そして、第2異常領域判別部54は、上記のようにリアルタイムに取得した内視鏡画像121を用いて第2異常領域判別処理を行い(ステップS217)、表示制御部15は、第2異常領域判別部54が内視鏡画像121を用いて判別した異常領域131を、表示部13に表示した表示用の内視鏡画像101において表示し、その所在を医師等に示す。
上記のように、医療画像処理装置10を含む内視鏡装置510は、リアルタイムに第1異常領域判別処理、特性判別処理、及び、第2異常領域判別処理、等を行って、リアルタイムに診断等を支援することができる。
上記第2実施形態においては、第1異常領域判別用の撮影をする際に、照明光を白色光から紫色の特殊光、青色の特殊光、緑色の特殊光、または、赤色の特殊光に切り替え、第1内視鏡画像111,第2内視鏡画像112,第3内視鏡画像113,及び第4内視鏡画像114をそれぞれ1枚ずつ取得しているが、これらのうち2以上を同時に(1フレームで)取得することができる。例えば、イメージセンサ41がカラーセンサである場合には、光源制御部47が、第1異常領域判別用の撮影をする際に、紫色の特殊光または青色の特殊光と、同じ撮影フレームにおいて赤色の特殊光を発光することで、第1内視鏡画像111または第2内視鏡画像112と、第4内視鏡画像114と、を1フレームで取得することができる。紫色の特殊光または青色の特殊光と、赤色の特殊光と、は同時に発光しても混色がない(または少ない)からである。このように、例えば、第1内視鏡画像111または第2内視鏡画像112と、第4内視鏡画像114と、を1フレームで取得すると、合計3フレームで第1異常領域判別処理に必要な内視鏡画像を取得できるので効率的であり、かつ、表示用の内視鏡画像101の取得及び表示に与える影響もさらに低減できる。
上記第2実施形態においては、第2異常領域判別部54は、第1実施形態と同様に、予め定めた対応関係を用いて異常領域119の特性から特定のスペクトルを決定するが、上記第2実施形態のようにリアルタイムかつ柔軟に照明光のスペクトルを変更し得る場合には、第2異常領域判別部54は、予め定めた対応関係を用いる代わりに、特性判別部53が判別した異常領域119の特性を用いて、第2異常領域判別処理に適した内視鏡画像121を撮影するための照明光が有する特定のスペクトル(具体的には特定のスペクトルを実現するための各発光源の発光比率等)を算出することが好ましい。対応関係に定めたスペクトルよりも、より精度良く、用いるべき照明光のスペクトル(特定のスペクトル)を決定でき、その結果、第2異常領域判別処理の精度がさらに向上するからである。
なお、上記第2実施形態においては、内視鏡装置510が医療画像処理装置10を含んでいるが、図12に示すように、内視鏡装置21その他モダリティと組み合わせて使用する診断支援装置610は、上記実施形態及びその他変形例の医療画像処理装置10を含むことができる。また、図13に示すように、例えば内視鏡装置21を含む、第1検査装置621、第2検査装置622、…、第N検査装置623等の各種検査装置と任意のネットワーク626を介して接続する医療業務支援装置630は、上記実施形態及びその他変形例の医療画像処理装置10を含むことができる。
この他、医療画像処理装置10、及び、医療画像処理装置10を含む各種装置、及び、医療画像処理装置10の機能を内包する各種装置またはシステムは、以下の種々の変更等をして使用できる。
医療画像としては、白色帯域の光、または白色帯域の光として複数の波長帯域の光を照射して得る通常光画像を用いることができる。
医療画像としては、特定の波長帯域の光を照射して得た画像を使用する場合、特定の波長帯域は、白色の波長帯域よりも狭い帯域を用いることができる。
特定の波長帯域は、例えば、可視域の青色帯域または緑色帯域である。
特定の波長帯域が可視域の青色帯域または緑色帯域である場合、特定の波長帯域は、390nm以上450nm以下または530nm以上550nm以下の波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、390nm以上450nm以下または530nm以上550nm以下の波長帯域内にピーク波長を有することが好ましい。
特定の波長帯域は、例えば、可視域の赤色帯域である。
特定の波長帯域が可視域の赤色帯域である場合、特定の波長帯域は、585nm以上615nmまたは610nm以上730nm以下の波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、585nm以上615nm以下または610nm以上730nm以下の波長帯域内にピーク波長を有することが好ましい。
特定の波長帯域は、例えば、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域にピーク波長を有することができる。
特定の波長帯域が、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域にピーク波長を有する場合、特定の波長帯域は、400±10nm、440±10nm、470±10nm、または、600nm以上750nm以下の波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、400±10nm、440±10nm、470±10nm、または、600nm以上750nm以下の波長帯域にピーク波長を有することが好ましい。
医療画像が生体内を写した生体内画像である場合、この生体内画像は、生体内の蛍光物質が発する蛍光の情報を有することができる。
また、蛍光は、ピーク波長が390nm以上470nm以下である励起光を生体内に照射して得る蛍光を利用できる。
医療画像が生体内を写した生体内画像である場合、前述の特定の波長帯域は、赤外光の波長帯域を利用することができる。
医療画像が生体内を写した生体内画像であり、前述の特定の波長帯域として、赤外光の波長帯域を利用する場合、特定の波長帯域は、790nm以上820nmまたは905nm以上970nm以下の波長帯域を含み、かつ、特定の波長帯域の光は、790nm以上820nm以下または905nm以上970nm以下の波長帯域にピーク波長を有することが好ましい。
医療画像取得部11は、白色帯域の光、または白色帯域の光として複数の波長帯域の光を照射して得る通常光画像に基づいて、特定の波長帯域の信号を有する特殊光画像を取得する特殊光画像取得部を有することができる。この場合、医療画像として特殊光画像を利用できる。
特定の波長帯域の信号は、通常光画像に含むRGBまたはCMYの色情報に基づく演算により得ることができる。
白色帯域の光、または白色帯域の光として複数の波長帯域の光を照射して得る通常光画像と、特定の波長帯域の光を照射して得る特殊光画像との少なくとも一方に基づく演算によって、特徴量画像を生成する特徴量画像生成部を備えることができる。この場合、医療画像として特徴量画像を利用できる。
内視鏡装置21については、内視鏡31としてカプセル内視鏡を使用できる。この場合、光源装置32と、プロセッサ装置33の一部と、はカプセル内視鏡に搭載できる。
上記各実施形態及び変形例において、医療画像取得部11、医療画像解析処理部12(医療画像解析処理部12を構成する各部)、表示制御部15、入力受信部16、統括制御部17、並びに、内視鏡装置21の内視鏡画像生成部48等といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA (Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。
10 医療画像処理装置
11 医療画像取得部
12 医療画像解析処理部
13 表示部
15 表示制御部
16 入力受信部
17 統括制御部
18 保存部
21,510 内視鏡装置
22 PACS
31 内視鏡
32 光源装置
33 プロセッサ装置
34 モニタ
41 イメージセンサ
42 光源部
43 V−LED
44 B−LED
45 G−LED
46 R−LED
47 光源制御部
48 内視鏡画像生成部
52 第1異常領域判別部
53 特性判定部
54 第2異常領域判別部
101 表示用の内視鏡画像
111 第1内視鏡画像
112 第2内視鏡画像
113 第3内視鏡画像
114 第4内視鏡画像
119,131 異常領域
121 第2異常領域判別用の内視鏡画像
151 動き判別部
520 医療画像処理装置を構成する各部
610 診断支援装置
621 第1検査装置
622 第2検査装置
623 第N検査装置
626 ネットワーク
630 医療業務支援装置
S110〜S217 動作のステップ

Claims (13)

  1. 被写体を含む医療画像を取得する医療画像取得部と、
    複数の前記医療画像を用いて、前記医療画像ごとに異常領域を判別する第1異常領域判別部と、
    前記医療画像ごとの前記異常領域の判別結果を用いて、前記異常領域の特性を判別する特性判別部と、
    前記異常領域の特性にしたがって制御された特定のスペクトルを有する照明光を使用して前記被写体を撮影した前記医療画像を用いて、前記異常領域を判別する第2異常領域判別部と、
    を備える医療画像処理装置。
  2. 前記第1異常領域判別部は、白色光とは異なるスペクトルを有する特殊光を使用して撮影した前記医療画像を、前記異常領域の判別に用いる請求項1に記載の医療画像処理装置。
  3. 前記特性判別部は、前記異常領域の特性として、前記異常領域にある異常の対象の表面からの深さを判別する請求項1または2に記載の医療画像処理装置。
  4. 前記特性判別部は、前記第1異常領域判別部による判別結果の確度を用いて、前記異常領域の特性を判別する請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療画像処理装置。
  5. 前記第2異常領域判別部は、前記異常領域の特性と、前記特定のスペクトルと、の予め定めた対応関係を用いて、前記異常領域の判別に使用する前記医療画像を決定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療画像処理装置。
  6. 前記第2異常領域判別部は、前記異常領域の特性を用いて、前記特定のスペクトルを算出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療画像処理装置。
  7. 前記特定のスペクトルを有する照明光は、紫色光及び青色光を含み、かつ、紫色光の光量が青色光の光量よりも大きい請求項5または6に記載の医療画像処理装置。
  8. 前記特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、青色光の光量は緑色光の光量よりも大きく、かつ、緑色光の光量は赤色光の光量よりも大きい請求項5または6に記載の医療画像処理装置。
  9. 前記特定のスペクトルを有する照明光は、青色光、緑色光、及び、赤色光を含み、緑色光の光量は青色光の光量よりも大きく、かつ、青色光の光量は赤色光の光量よりも大きい請求項5または6に記載の医療画像処理装置。
  10. 前記第1異常領域判別部で使用する前記医療画像、前記第2異常領域判別部で使用する前記医療画像、または、前記第1異常領域判別部で使用する前記医療画像及び前記第2異常領域判別部で使用する前記医療画像の他に取得した前記医療画像、のうち少なくともいずれかを表示用の前記医療画像として表示する表示部を備える請求項1〜9のいずれか1項に記載の医療画像処理装置。
  11. 前記第1異常領域判別部及び前記第2異常領域判別部は、表示用の前記医療画像を表示している間に、各々の前記異常領域の判別を行う請求項10に記載の医療画像処理装置。
  12. 前記第2異常領域判別部が判別した前記異常領域を表示用の前記医療画像に重畳して表示し、または、表示用の前記医療画像とともに前記第2異常領域判別部が前記異常領域を判別した旨を表示する表示制御部を備える請求項10または11に記載の医療画像処理装置。
  13. スペクトルが異なる複数種類の照明光を発光する光源部と、
    前記照明光を使用して被写体を撮影することにより、被写体を含む内視鏡画像を取得する内視鏡画像取得部と、
    複数の前記内視鏡画像を用いて、前記内視鏡画像ごとに異常領域を判別する第1異常領域判別部と、
    前記内視鏡画像ごとの前記異常領域の判別結果を用いて、前記異常領域の特性を判別する特性判別部と、
    前記異常領域の特性にしたがって、前記照明光を、特定のスペクトルを有する照明光に切り替える光源制御部と、
    前記特定のスペクトルを有する照明光を使用して前記被写体を撮影した前記内視鏡画像を用いて、前記異常領域を判別する第2異常領域判別部と、
    を備える内視鏡装置。
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WO2017130325A1 (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 オリンパス株式会社 内視鏡観察方法及び内視鏡装置

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