JPWO2018226597A5 - - Google Patents
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Description
本発明のこの態様の実施は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。フォノンを生成するデバイスは、応力誘導転位運動を介してフォノンを生成する。フォノンを生成するデバイスは、凝縮物質媒体に応力を印加するように構成されている。フォノンを生成するデバイスは、凝縮物質媒体に熱を印加するように更に構成されている。フォノンを生成するデバイスは、細長プレートと、細長プレートの第1の端部及び第2の端部にそれぞれ取り付けられた第1のクランプ及び第2のクランプとを備え、第1のクランプ及び第2のクランプは、細長プレートの第1の端部及び第2の端部に応力を印加し、細長プレート内に転位の運動を引き起こすように構成されている。凝縮物質媒体は放射性物質を含む。凝縮物質媒体は、細長プレートの中心に結合された蒸着された57CoCl2のリング状基材(「基材」と呼ばれる)を備える。リング状基材は、エポキシ樹脂で更に被覆されている。細長プレートは、108/cm2~1016/cm2の転位密度を有するスチールを含む。第1のクランプ及び第2のクランプは、細長プレートの第1の端部及び第2の端部に約2000 lbsの圧縮応力を印加する。各クランプは、第1のプレート及び第2のプレートを備え、第1のプレート及び第2のプレートは、細長プレートの上面コーナー及び底面コーナーを覆い、2つのプレートによって覆われた細長プレートの各エリアが、二等辺三角形を形成するようになっている。生成された光子放出は単一エネルギーである。生成された光子放出は異方的である。生成された光子放出はコリメートされている。エネルギーは、アップコンバージョンを介して核に移動される。エネルギーは、アップ励起移動を介して核に移動される。エネルギーは、サブディビジョンを介して核に移動される。フォノンを生成するデバイスはレーザーを備える。フォノンを生成するデバイスはトランスデューサーを備える。細長プレートは、金属、半導体物質、非金属物質、グラフェン、セラミクス、及びそれらの組み合わせのうちの1つを含む。
本発明は、フォノン媒介エネルギー交換を通じて原子核を励起することによって、光子線源等の有用な放射線源を、特定のエネルギー準位において特定の角度方向(例えば、コリメートされている)に生成するシステム及び方法に関する。また、本発明は、放射性線源及び励起原子核から熱等の有用なエネルギーを生成するシステム及び方法にも関する。具体的には、本発明は、フォノン相互作用を介して励起核状態内及び励起核状態外にエネルギーを移動させる新規な方法を教示する。
巨視的効果:角度異方性
フォノン核カップリングに基づくメカニズムを再現可能に用いて、巨視的に可観測な効果を引き起こす別の方法は、フォノン媒介共鳴励起移動から得られる角度異方性を通じたものである。換言すれば、作用中のフォノン核カップリングメカニズムは、通常の脱励起(放射崩壊)から放出される光子の角度分布の変化をもたらす。この効果は、共鳴励起移動の場合のように、共通のフォノンモードを通じて励起されるとき、励起核の位相が一致していることに起因して予想される。したがって、励起核は、その場合、同一の核整列にあり、光子が通常の脱励起(放射崩壊)を通じて放出されるとき、同一角度の光子放出をもたらす。その結果、フォノン媒介共鳴励起移動によって引き起こされる核励起からの光子放出は、多くの場合にコリメートされている。特に単一エネルギー準位にあるコリメート光子放出は、X線リソグラフィー及びマイクロマシニング等の複数の産業上の利用を有する。
フォノン核カップリングに基づくメカニズムを再現可能に用いて、巨視的に可観測な効果を引き起こす別の方法は、フォノン媒介共鳴励起移動から得られる角度異方性を通じたものである。換言すれば、作用中のフォノン核カップリングメカニズムは、通常の脱励起(放射崩壊)から放出される光子の角度分布の変化をもたらす。この効果は、共鳴励起移動の場合のように、共通のフォノンモードを通じて励起されるとき、励起核の位相が一致していることに起因して予想される。したがって、励起核は、その場合、同一の核整列にあり、光子が通常の脱励起(放射崩壊)を通じて放出されるとき、同一角度の光子放出をもたらす。その結果、フォノン媒介共鳴励起移動によって引き起こされる核励起からの光子放出は、多くの場合にコリメートされている。特に単一エネルギー準位にあるコリメート光子放出は、X線リソグラフィー及びマイクロマシニング等の複数の産業上の利用を有する。
特殊な取り扱いが行われない場合、励起状態核の通常の脱励起からの光子放出は、等方的である、すなわち、その角度分布が一定であると予想される。その理由は、放出核の核整列がランダムであり、放出核が多数ある場合、統計は、所与の立体角にわたって一定の放出分布になるからである。コリメーション及びビーム形成の巨視的な観測結果は、多数の光子放出核がフォノン媒介共鳴励起移動を介して励起されているときに発生することができる。このように励起されている光子放出核のサブセットが小さい場合、そのようなメカニズムは、光子放出の角度分布の変化として巨視的に現れる。具体的には、所与の立体角にわたって観測される放出は、その場合、依然としてランダムな方位を有するとともに一定の角度分布で光子を放出する幾つかの核からの放出と、フォノン媒介エネルギー交換を通じて整列されているとともに光子をコリメートな態様で放出する他の核からの放出との重ね合わせである。その結果、励起フォノンモードが存在する場合、光子放出の角度分布の変化は、フォノン核カップリングに続いて起こる効果であり、原子核のフォノン媒介励起及びフォノン媒介脱励起を観測、診断、及び使用するのに用いることができる。本発明では、これが該当する。
アップコンバージョンの結果として、核位相コヒーレンス及び光子放出の対応するコリメーションを達成するには、凝縮物質媒体内に共鳴励起移動も発生することができる領域を有することが必要である。アップコンバージョンは、自動的かつ必然的にコリメートされた放出をもたらすものではない。アップコンバージョンが起こる凝縮物質媒体内のロケーションと比較して、共鳴励起移動ロケーションは、共鳴励起移動を支配的にするために、比較的弱いフォノン核カップリング強度を有する必要がある。より低いフォノン核カップリング強度は、上記で論述したフォノン核カップリング強度を決定する変量を調整することによって達成することができる。このことから、アップコンバージョンからのコリメート光子放出のための産業用デバイスは、各領域において異なるフォノン核カップリングに基づくメカニズムが支配する少なくとも2つの領域(初期励起移動のためのアップコンバージョン及びコリメーションのための共鳴励起移動等)を必要とする。双方を組み合わせると、その場合、既に励起された状態なしで核状態のフォノン媒介励起からコリメート光子放出を得ることができる。
更に別の実施形態では、サンプルは、図24に示すように、回転ステージ316上に配置され、Ortec社の高純度Geガンマ線分光計344等のガンマ線分光計の前方において回転される。回転は、手動で行うこともできるし、コンピューターによって制御されて行うこともできる。回転ステージ316は、サンプルを検出器304に対して種々の角度に配置する。1つの例では、ステージ316は、サンプルを、検出器に対して180度の角度をカバーする等距離の18個の異なる角度に配置する。スキャンが、固定レベルの機械的応力を用いて着手され、スペクトルが各角度において記録される。次に、上述したように、機械的応力を増加させる(すなわち、より多くのフォノンが生成される)ことによって動作が開始し、スキャンが繰り返される。異なる光子エネルギー帯における光子放出の角度分布を比較することによって、フォノン核カップリングメカニズムに起因した異方性効果及びコリメーション効果が実証される。
フォノンは、Hg-201等の水銀核を励起するのに用いられる。結果として生じる低エネルギー光子は、特にコリメートされると、X線リソグラフィー及びマイクロマシニング等の用途に用いることができる。フォノンは、100keV未満の核状態を有する他の核を励起するのに用いられる。結果として生じる低エネルギー光子は、特にコリメートされると、X線リソグラフィー及びマイクロマシニング等の用途に用いることができる。フォノンは、核が種々の崩壊系列を通して崩壊することを可能にするために、それらの核を他の状態に励起又は脱励起するのに用いられる。フォノンは、エネルギーを蓄積するために長寿命の準安定状態を励起するのに用いられる。フォノンは、蓄積されたエネルギーを取り出すために長寿命の準安定状態を脱励起するのに用いられる。フォノンは、核を核分裂に導くより高い不安定な状態にこれらの核を励起する(excite)のに用いられる。このプロセスは、コヒーレント分裂(coherent fission)、フォノン媒介核分裂(phonon-mediatednuclear fission)、又はショートフォノフィッション(short phonofission)と呼ばれる。放射線反応のフォノン媒介変化は、検知/センサーの用途、並びに、フォノン核カップリングに基づく用途において用いられる凝縮物質環境の設計、開発及び最適化に用いられるような凝縮物質材料内のフォノン関連特性を測定するのに用いられる。
Claims (22)
- フォノンを生成するデバイスと、
原子核を含む凝縮物質媒体と、
を備え、
前記フォノンは、前記原子核と相互作用し、前記核にエネルギーを移動させて前記核に光子を放出させることによって前記原子核のうちの幾つかの核状態に影響を及ぼし、かつ
前記フォノンを生成するデバイスは、細長プレートと、該細長プレートの第1の端部及び第2の端部にそれぞれ取り付けられた第1のクランプ及び第2のクランプとを備え、該第1のクランプ及び該第2のクランプは、前記細長プレートの前記第1の端部及び前記第2の端部に応力を印加し、前記細長プレート内に転位の運動を引き起こすように構成されている、原子核からの光子放出を生成するシステム。 - 前記フォノンを生成するデバイスは、応力誘導転位運動を介してフォノンを生成する、請求項1に記載のシステム。
- 前記フォノンを生成するデバイスは、前記凝縮物質媒体に応力を印加するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
- 前記フォノンを生成するデバイスは、前記凝縮物質媒体に熱を印加するように更に構成されている、請求項3に記載のシステム。
- フォノンを生成するデバイスと、
原子核を含む凝縮物質媒体と、
を備え、
前記フォノンは、前記原子核と相互作用し、前記核にエネルギーを移動させて前記核に光子を放出させることによって前記原子核のうちの幾つかの核状態に影響を及ぼし、かつ
前記凝縮物質媒体は放射性物質を含む、原子核からの光子放出を生成するシステム。 - フォノンを生成するデバイスと、
原子核を含む凝縮物質媒体と、
を備え、
前記フォノンは、前記原子核と相互作用し、前記核にエネルギーを移動させて前記核に光子を放出させることによって前記原子核のうちの幾つかの核状態に影響を及ぼし、かつ
前記凝縮物質媒体は、前記細長プレートの中心に結合された蒸着された57CoCl2のリング状基材を備える、原子核からの光子放出を生成するシステム。 - 前記リング状基材は、エポキシ樹脂で更に被覆されている、請求項6に記載のシステム。
- 前記細長プレートは、108/cm2~1016/cm2の転位密度を有するスチールを含む、請求項1に記載のシステム。
- 前記第1のクランプ及び前記第2のクランプは、前記細長プレートの前記第1の端部及び前記第2の端部に約2000 lbsの圧縮応力を印加する、請求項1に記載のシステム。
- 各クランプは、第1のプレート及び第2のプレートを備え、該第1のプレート及び該第2のプレートは、前記細長プレートの上面コーナー及び底面コーナーを覆い、前記2つのプレートによって覆われた前記細長プレートの各エリアが、二等辺三角形を形成するようになっている、請求項1に記載のシステム。
- 前記生成された光子放出は単一エネルギーである、請求項1に記載のシステム。
- 前記生成された光子放出は異方的である、請求項1に記載のシステム。
- 前記生成された光子放出はコリメートされている、請求項1に記載のシステム。
- エネルギーは、アップコンバージョンを介して前記核に移動される、請求項1に記載のシステム。
- エネルギーは、アップ励起移動を介して前記核に移動される、請求項1に記載のシステム。
- エネルギーは、サブディビジョンを介して前記核に移動される、請求項1に記載のシステム。
- 前記フォノンを生成するデバイスはレーザーを備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記フォノンを生成するデバイスはトランスデューサーを備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記細長プレートは、金属、半導体物質、非金属物質、グラフェン、セラミクス、及びそれらの組み合わせのうちの1つを含む、請求項5に記載のシステム。
- フォノンを生成することと、
原子核を含む凝縮物質媒体を準備することと、
前記フォノンを前記原子核と相互作用させ、前記核にエネルギーを移動させて前記核に光子を放出させることによって前記原子核のうちの幾つかの核状態に影響を及ぼすことと、
を含み、
前記フォノンは、細長プレートと、該細長プレートの第1の端部及び第2の端部にそれぞれ取り付けられた第1のクランプ及び第2のクランプとを備えたデバイスを介して生成され、該第1のクランプ及び該第2のクランプは、前記細長プレートの前記第1の端部及び前記第2の端部に応力を印加し、前記細長プレート内に転位の運動を引き起こすように構成されている、原子核からの光子放出を生成する方法。 - フォノンを生成するデバイスと、
原子核を含む凝縮物質媒体と、を備え、
前記フォノンは、前記原子核と相互作用し、前記原子核からエネルギーを除去して移動させ、除去移動しない場合に予想される前記原子核からの光子放出の抑制を行うことによって前記原子核のうちの幾つかの核状態に影響を及ぼす、原子核からの光子放出を抑制するシステム。 - フォノンを生成するデバイスと、
第1の原子核グループ及び第2の原子核グループを含む凝縮物質媒体と、
を備え、
前記フォノンは、前記第1の原子核グループと相互作用し、前記第1の原子核グループにエネルギーを移動させて前記第1の原子核グループに第1のロケーションにおいて光子を放出させることによって前記第1の原子核グループの核状態に影響を及ぼし、
前記フォノンは、前記第2の原子核グループと相互作用し、前記第2の原子核グループからエネルギーを除去して移動させ、除去移動しない場合に第2のロケーションにおいて予想される前記第2の原子核グループからの光子放出の抑制を行うことによって前記第2の原子核グループの核状態に影響を及ぼす、特定のロケーションにおける原子核からの光子放出を生成するシステム。
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