JPWO2018159237A1 - 探索方法、探索装置および探索システム - Google Patents
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Abstract
Description
(構成1)
記憶装置に保持されるデータベースとグラフ生成工程とグラフ探索工程と優先度決定工程とを備えて物性間の関係性を探索する探索方法であって、
前記データベースは、互いの関係性を有する物性パラメータの複数の対を記憶し、
前記グラフ生成工程は、前記データベースに記憶された複数の物性パラメータをノードとし、関係性を有するとして記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索工程は、与えられる探索条件に基づいてグラフを探索し、関連する物性あるいは物性間の関連を示す物性間関連性経路を複数提示し、
前記優先度決定工程は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、優先度の高い順に結果を出力する、探索方法。
(構成2)
構成1において、前記グラフは有向グラフであり、
前記グラフ生成工程では、物性パラメータ対の関係性が双方向であるときには、対応するエッジは双方向のエッジを生成し、物性パラメータ対の一方の物性パラメータの値が決まると他方の物性パラメータの値が決まるが逆は決まらないときには、対応するエッジとして、前記一方の物性パラメータに対応するノードから前記他方の物性パラメータに対応するノードへの一方向のエッジを生成する、探索方法。
(構成3)
構成1または2において、前記探索方法は、条件抽出工程と経路評価工程とをさらに備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件をさらに記憶可能であり、
前記条件抽出工程では、前記データベースから前記条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジを条件付きエッジとして、前記条件と対応付けて抽出し、
前記グラフ探索工程では、前記探索結果として、1または複数の経路を前記グラフから抽出して出力し、
前記経路評価工程では、前記1または複数の経路について、前記条件付きエッジが含まれるか否かを判定し、前記条件付きエッジが含まれる経路については、当該条件付きエッジに対応する条件が満足されない場合には、前記1または複数の経路から除外して優先度決定工程用の探索結果とし、
前記優先度決定工程用の探索結果も含めて優先度決定工程にて優先度の高い順に結果を出力する、探索方法。
(構成4)
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、当該関係性が厳密に理論的に確立された関係性か、経験的に相関が認められた関係性であって理論的には未確立の関係性か、半定量的か、定性的かの何れであるかの関係性の信頼性情報をさらに記憶可能であり、
前記グラフ探索工程では、前記信頼性情報も用いて前記グラフを探索して優先度決定工程用の探索結果を求め、
前記優先度決定工程用の探索結果も含めて優先度決定工程にて優先度の高い順に結果を出力する、構成1から3の何れか1記載の探索方法。
(構成5)
前記優先度決定工程では、前記信頼性情報に基づく信頼度、当該物性に出入りするエッジ数、当該物性値の測定可能性、当該物性値のデータベースデータ量、当該物性の値、および経路を構成するノードの数の少なくとも何れかを用いて優先度を求める、構成1から4の何れか1記載の探索方法。
(構成6)
前記優先度決定工程は、
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかをスコア化するスコア化工程と、
前記スコア化工程によって求められた前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかのスコアに重みをつけて前記物性間関連性経路毎にスコアを加算するスコア加算工程と、
前記スコアの加算工程によって求められた加算スコアの順に前記物性間関連性経路を並べる物性間関連性経路順位付け工程からなる、構成1から5の何れか1記載の探索方法。
(構成7)
前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の何れかの項目に対して前記加算スコアを求め、加算スコアの高い順を優先度として結果を出力する、構成5または6記載の探索方法。
(構成8)
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れか項目の複数に対して、項目毎のスコア重みをつけて加算した項目加算スコアを求め、前記項目加算スコアの順を優先度の順位として出力する探索方法であって、
前記項目に対する重みにより、
前記信頼度の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした信頼度重視優先度、
前記物性に出入りするエッジ数の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした制御重視優先度、
前記物性値の測定可能性の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした実測値重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値のデータベースデータ量の前記重みを他の前記項目の重みより大きくしたデータ量重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした物性限定優先度、
前記項目の重みを全て均等にしたユニバーサル優先度とする、構成5または6記載の探索方法。
(構成9)
物理パラメータが格納された外部のデータベースへのデータアクセス手段とグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段とユーザーインターフェース手段とを備え、
前記グラフ生成手段は、前記外部のデータベースから前記データアクセス手段を通じて複数の物性パラメータを取得し、前記取得された物性パラメータをノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、前記ユーザーインターフェース手段を使ってユーザーによって与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、前記ユーザーインターフェース手段により優先順位づけされた探索結果を出力する、探索装置。
(構成10)
構成9記載の探索装置において構成2から8の何れか1記載の探索方法を用いた、探索装置。
(構成11)
構成9または10記載の探索装置において、データ記憶手段をさらに備え、前記データ記憶手段は、前記外部のデータベースから前記データアクセス手段を通じて取得した複数の物性パラメータを記憶し、前記データ記憶手段に記憶された物性パラメータを用いてノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成する、探索装置。
(構成12)
物理パラメータが格納されたデータベースとグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段とユーザーインターフェース手段とを備え、
前記グラフ生成手段は、前記データベースに格納されている物性パラメータを基に、ノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、前記ユーザーインターフェース手段を使ってユーザーによって与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、前記ユーザーインターフェース手段により優先順位づけされた探索結果を出力する、探索装置。
(構成13)
構成12記載の探索装置において構成2から8の何れか1記載の探索方法を用いた、探索装置。
(構成14)
データベースとグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段を備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対を記憶し、
前記グラフ生成手段は、前記データベースに記憶された複数の物性パラメータをノードとし、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、優先度の高い順に結果を出力する、探索システム。
(構成15)
構成14において、前記グラフは有向グラフであり、前記グラフ生成手段では、物性パラメータ対の関係性が双方向であるときには、対応するエッジは双方向のエッジを生成し、物性パラメータ対の一方の物性パラメータの値が決まると他方の物性パラメータの値が決まるが逆は決まらないときには、対応するエッジとして、前記一方の物性パラメータに対応するノードから前記他方の物性パラメータに対応するノードへの一方向のエッジを生成する、探索システム。
(構成16)
構成14または15において、前記探索システムは、条件抽出手段と経路評価手段とをさらに備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件をさらに記憶可能であり、
前記条件抽出手段では、前記データベースから前記条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジを条件付きエッジとして、前記条件と対応付けて抽出し、
前記グラフ探索手段では、前記探索結果として、1または複数の経路を前記グラフから抽出して出力し、
前記経路評価手段では、前記1または複数の経路について、前記条件付きエッジが含まれるか否かを判定し、前記条件付きエッジが含まれる経路については、当該条件付きエッジに対応する条件が満足されない場合には、前記1または複数の経路から除外して優先度決定手段用の探索結果とし、
前記優先度決定手段用の探索結果も含めて優先度決定手段にて優先度の高い順に結果を出力する、探索システム。
(構成17)
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、当該関係性が厳密に理論的に確立された関係性か、経験的に相関が認められた関係性であって理論的には未確立の関係性か、半定量的か、定性的かの何れであるかの関係性の信頼性情報をさらに記憶可能であり、
前記グラフ探索手段では、前記信頼性情報も用いて前記グラフを探索して優先度決定手段用の探索結果を求め、
前記優先度決定手段用の探索結果も含めて優先度決定手段にて優先度の高い順に結果を出力する、構成14から16の何れか1記載の探索システム。
(構成18)
前記優先度決定手段では、前記信頼度、当該物性に出入りするエッジ数、当該物性値の測定可能性、当該物性値のデータベースデータ量、当該物性の値、および経路を構成するノードの数の少なくとも何れかを用いて優先度を求める、構成14から17の何れか1記載の探索システム。
(構成19)
前記優先度決定手段は、
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかをスコア化するスコア化手段と、
前記スコア化手段によって求められた前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかのスコアに重みをつけて前記物性間関連性経路毎にスコアを加算するスコア加算手段と、
前記スコアの加算手段によって求められた加算スコアの順に前記物性間関連性経路を並べる物性間関連性経路順位付け手段からなる、構成14から18の何れか1記載の探索システム。
(構成20)
前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の何れかの項目に対して前記加算スコアを求め、加算スコアの高い順を優先度として結果を出力する、
構成18または19記載の探索システム。
(構成21)
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れか項目の複数に対して、項目毎のスコアに重みをつけて加算した項目加算スコアをつけ、前記項目加算スコアの順を優先度の順として出力する探索システムであって、
前記項目に対する重みにより、
前記信頼度の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした信頼度重視優先度、
前記物性に出入りするエッジ数の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした制御重視優先度、
前記物性値の測定可能性の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした実測値重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値のデータベースデータ量の前記重みを他の前記項目の重みより大きくしたデータ量重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした物性限定優先度、
前記項目の重みを全て均等にしたユニバーサル優先度とする、構成18または19記載の探索システム。
<探索方法および探索システムの概要>
本発明での物性間の相互関係は経路で示されるが、その分析にはノードとエッジという概念を用いる。この概念はSNS等での検索などの分野で用いられている概念で、グラフ理論に基づいている。グラフ理論については、例えば、非特許文献1および非特許文献2に開示がある。
本発明はグラフ理論を利用するものであるが、一般的なグラフ理論はノードとして「物」が対象であるのに対し本発明は「概念」が対象となっている点と、一般的なグラフ理論の適用事象が「一過的」であるのに対し、本発明では「恒久的(非一過的)」である点が異なっている。本発明は、適用事象が非一過的であるため、新規データが追加された場合でも、既存の物性間の関連性にその新規データによる関連性が追加されたものとなる。したがって、本発明はグラフ理論を利用するものであるが、これまでのグラフ理論の利用概念からは趣を異にした利用になっている。
例えば、データベースに別の知見に基づく関係性を有する物性パラメータ対を新たに追加する場合を考えると、これに伴って生成されるグラフも拡張される。その結果、互いに関係性を持たないとされ別々のグラフとされていた複数のグラフを1つのグラフに統合することができる。これにより、新たな経路が生まれ、物性パラメータ間に新たな関係性の存在を見出すことができる可能性が生まれる。
これにより、複数の物性パラメータの任意の組合せのうち、既に知られている関係性に基づいて、有意な関係性を有する物性パラメータの組合せを優先度をつけて探索することができる探索方法や探索システム101を提供することができる。そして、この探索により、有意な関係性を有する物性パラメータの組合せの優先度が示される。この情報は、未知の関係性が優先度を伴って提示される可能性をもった極めて有用な情報である。
本発明は物性間の関連性を優先順位をつけて提供することを特徴としている。ここでは本発明での物性間の相互関係の分析の仕方についてまず説明し、その後、優先順位の付け方について説明する。
データベース1には、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対が記憶される。このときの互いに関係性を有する物性パラメータの対は、科学的根拠に基づいた関係性、即ち、理論的に説明された関係性に基づくものだけではなく、理論的な説明が未だなされておらず、また、定式化もされていない段階であっても、実験データから明確な相関が認められることによって、関係性の存在が知られている物性パラメータの対を含めることができる。なお、「理論的に説明された関係性」には、定理や公式のように定式化された関係性の他、相関の有無や相関係数の正負(一方が増加するときに他方も増加するか減少するかなど)が説明されている半定量的、あるいは、定性的な関係性までもが広く含まれていてよい。このとき、如何なる分野で知られている関係性であっても特に排除される必要はなく、あらゆる分野で関係性が知られている物性パラメータ対を含めることができる。
互いに異なる技術分野においてのみ知られていた関係性を、グラフに統合して表すことによって、すべての関係性がどの技術分野で知られていたかに関わらず、グラフ全体を対象とした経路探索をすることができるため、知られていなかった物性パラメータ間の関係性を新たに発見する可能性がある。
グラフ生成手段S1は、図4に示すように、物性パラメータ対の関係性が双方向であるときには、対応するエッジは双方向のエッジを生成し、物性パラメータ対の一方の物性パラメータの値が決まると他方の物性パラメータの値が決まるが逆は決まらないときには、対応するエッジとして、前記一方の物性パラメータに対応するノードから前記他方の物性パラメータに対応するノードへの一方向のエッジを生成する。
これにより、因果関係を有するような、一方向の関係性を適切に扱うことができ、経路探索の精度を向上させることができる。
図3に示すように、物性間の条件を規定したより高度な探索を行うために、探索工程は、条件抽出工程S11と経路評価工程S12とをさらに備えることもできる。条件抽出工程S11と経路評価工程S12は広義のグラフ探索工程に位置づけることもできる。
ここで、データベース1は、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件をさらに記憶可能とされる。
条件抽出工程S11は、データベース1から条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジを条件付きエッジとし、合せてその条件と対応付けて抽出する。
これにより、その関係性に対応する物性パラメータの値、あるいは、別の物性パラメータの値によって関係性の有無が変化するような複雑な関係性をも探索の対象に含めることができる。上述のように、関係性の有無を決める条件はデータベース1から予め抽出しておき、探索結果として出力される複数の経路のそれぞれに条件付きエッジが含まれているかどうか判断する。条件付きエッジが含まれていればその条件が満足されているかどうかを判定することによって、条件を満たさないエッジを経由する経路を探索結果から除外して出力することができる。これにより、条件付きエッジが含まれる場合にも、より精度の高い経路探索を行なうことができる。
データベース1は、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対のうち、当該関係性が理論的に確立された関係性か、半定量的な関係性か、定性的な関係性か、経験的に相関が認められた関係性であって理論的には未確立の関係性かを示す、関係性の信頼性情報をさらに記憶可能とされる。
グラフ探索工程S3は、前記探索条件に前記信頼性情報についての条件が含まれたときには、当該条件を含む探索条件に基づいてグラフを探索し、その結果を出力する。
これにより、信頼性の高い関係性を優先して探索するなどの探索条件を、ユーザーが適宜指定することができ、より精度の高い経路探索を行なうことができる。
これにより、信頼性の高い関係性を優先して探索するなどの探索条件をユーザーが適宜指定することができ、より精度の高い経路探索を行なうことができる。
<<優先度付けの対象>>
優先度をつけた出力結果は、大別すると、以下の2つである。
その1つは、対象とする物性間の関連を示した経路である。
図5に示すグラフで「固体内部の電子のエネルギー分布」と「熱電性能」の関連性を例に挙げると、その物性間経路としては、
(i)固体内部の電子のエネルギー分布→熱起電力→熱電性能
(ii)固体内部の電子のエネルギー分布→電気伝導率→熱電性能
(iii)固体内部の電子のエネルギー分布→電気伝導率→→熱伝導率(電子)→熱伝導率→熱電性能、
が挙げられるが、そこに優先度をつけるというものである。
もう1つは、関連性の高い物性の提示である。グラフでいうと優先度の高いノードを提示するものである。このとき、探索経路のパス数を限定してもよい。
図5の「固体内部の電子のエネルギー分布」を例に挙げると、関連物性としては、「電気伝導率」、「熱起電力」、「熱電性能」、「熱伝導率」を挙げることができるが、そこに物性関連性が高い順に優先度を付与して提示するというものである。
また、探索経路のパス数限定によるノード提示の例として、各物性をA,B,C等で抽象化した図6に示すグラフを挙げると、例えば、物性Mに対してエッジ1個で接続しているD,E,K,N、エッジ2個で接続しているA,B,F,G,H,K,L、エッジ2個以内で接続しているA,B,D,E,F,G,H,K,L,Nを提示するというものである。
<<<評価項目>>>
優先度決定のための評価項目は、信頼度、エッジ数、物性値の測定可能性、物性値のデータベースのデータ量、および物性の値の少なくとも何れか1以上である。ここで、各項目の内容を以下に示す。
(a)信頼度:関係性が厳密に理論的か、半定量的か、定性的か、経験的かを示す。
(b)エッジ数:関係する物性の数およびそれに対して重みをつけた量を示す。ここで、関連する物性の数は当該ノードに入出するエッジの矢印の数(出は+、入は−とする)であり、重みづけをする量はそのエッジの矢印の長さや太さに関する属性を定量化したものである。
(c)物性値の測定可能性:原理的に当該物性値を測定可能で測定方法もある、原理的には測定可能であるが測定方法が知られていない、および原理的に測定不能の何れかを示す。
(d)物性値のデータベースのデータ量:データベースに格納されている当該データベースの量を示す。
(e)物性の値:当該物性の物性値そのものを示す。
このうち、(a)はエッジの属性であり、残りの(b)から(e)はノードの属性である。
優先度決定のための評価方法は、ノード関連属性である上記項目の(b)から(e)を各々単独に評価する項目別評価方法と、上記項目の(a)から(e)のうちの少なくとも複数を組み合わせて評価する複合評価方法の2つに大別される。ここで、複合評価方法は、その方法により下記に示す6つの優先度(コース)に分けられる。
(i)信頼度重視優先度(信頼度重視コース)
(ii)制御重視優先度(制御重視コース)
(iii)実測値重視優先度(実測値重視コース)
(iv)データ量重視優先度(データ量重視コース)
(v)物性(材料)限定優先度(物性限定コース)
(vi)ユニバーサル優先度(ユニバーサルコース)
そして、個々の評価項目にスコアをつけ、そのスコア順に優先度をつける。また、上記各コースの場合は、各コースを構成する項目毎に重みをつけたスコアを加算した項目加算スコアを求め、その項目加算スコア順に優先度をつける。重みの付けの方法については、以下の実施の形態の詳細のところで述べる。
実施の形態について更に詳述する。
実施形態1に係る探索方法を図面を引用しながら説明する。
探索システム101は、物性パラメータの関係性を記憶するデータベース1とグラフ生成手段2とグラフ探索手段3と優先度決定手段4とを備える(図2参照)。データベース1には、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対が記憶されている。どのような物性パラメータの対が互いに関係性を有するかは、理論的に確立され教科書等に記載されて広く知られている関係に限らず、理論的に十分に説明されるには至っていなくても経験的に知られている関係性が含まれてもよいし、半定量的でも、定性的でもよい。
グラフ生成手段2は、データベース1に記憶された複数の物性パラメータをノードとし、関係性を有する物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成する。
グラフ探索手段3は、与えられる探索条件に基づいてグラフを探索する。
優先度決定手段4は、探索された経路あるいは関連物性に対してスコアに基づく優先度をつけ、優先度付けされた探索結果を出力する。
物性パラメータの関係性を記憶するデータベース1に記憶する互いに関係性を有する物性パラメータ対は、できる限り多くの技術分野から収集するのがよい。これを1つのグラフに集約して表現し、グラフを対象とした経路探索を可能としている。ここで「1つのグラフ」とは、複数のノードとそれらを接続する複数のエッジ、即ち、辺または枝を有し、全てのノードがエッジによって直接または間接に接続されている範囲を意味し、複数のグラフ(部分グラフと呼ばれる場合もある)の集合であってもよい。
グラフを用いて表現することによって、そのエッジに対応する関係性がどのような技術分野で知られていたかに関わらず、単純にエッジの有無のみに基づく経路を探索することができるため、多くの分野を横断的に探索することができる。その結果、有意な関係性を有する物性パラメータの未知の組合せをも発見することが可能になる。
グラフ探索手段3には、数学的なアルゴリズムに基づく種々の経路探索手法を適用することができる。優先度決定手段4については後で詳述する。
図7は、データベース1の構成例を示す説明図である。一例としてデータベース1の入力フォーム31を示す。入力フォーム31は、エッジの表現形式、即ち、互いに関係性を有する物性パラメータの対を各行とする表形式である。第1列は原因側物性パラメータ、第2列は結果側物性パラメータである。必ずしも原因側と結果側に分ける必要はないが、因果関係に方向性がある関係性についても表現することができるメリットがある。一方、双方向に関係性がある場合には、原因側と結果側の物性パラメータを入れ替えた2行を使って、その関係性が記述される。
例えば、探索の対象とするグラフが無向グラフの場合には、物性パラメータ対について原因側と結果側の区別をする必要がないので、1行に2つの互いに関連する物性パラメータを順不同で列記する様式とすることができる。これにより、データベース1及びグラフを記憶するための記憶装置の記憶容量は有向グラフの場合よりも小さく抑えることができる。
また、有向グラフであっても、入力フォーム31は、2つのパラメータの記載に続けて、その関係性として、双方向、順方向、または逆方向を示す情報を記載する様式としてもよい。
一般に「データベース」とは、複数のユーザーによる利用を可能とするためにまとめられたデータの集合体である。データベースは階層型、ネットワーク型、リレーショナル型などいくつかの形式に分類することができるが、本発明で言うところのデータベース1は、どのような形式であってもよい。本発明のデータベース1は、少なくとも、グラフを構成するデータ、即ち、各ノードに対応する物性パラメータとエッジに対応する物性パラメータ対の間の関係性をデータの集合体として含んでいればよく、グラフを構成するデータの集合体のみで構成されてもよい。
前述のように、優先度評価の個別項目としては、信頼度、エッジ数、物性値の測定可能性、物性値のデータベースのデータ量、および物性値の値がある。そして、それらにスコアをつけて優先度を決定する。
複数のノードを経由した経路の場合の各経路毎のスコアは、その経路を構成する当該ノードおよびエッジのスコアを加算した後、出発点を除いた経路を構成するノードの数で割った値とする。優先度はスコアの高い順とするが、同じスコアのときは経由するノードの数が少ない方または経路が短い方を優先する。
一方で、複数のノードを経由した経路の場合のスコアをその経路を構成する当該ノードおよびエッジのスコアの加算とし、その加算されたスコアの大きい順を優先度とすることもできる。この方法は、比較的長い経路の優先度が上がりやすい方法で、その結果、物性間の関係性が知られていない物性間情報を抽出するのに好適な方法となる。
なお、各評価項目の何れか1を使って優先度を決定する場合は、選択した項目のみのスコアによって優先度を決定する。
ここで、各個別項目のスコアの付け方は下記のようにする。
エッジ数=出るエッジ数−入るエッジ数
出るエッジ数=Σ(重みの付いた出るエッジ)
入るエッジ数=Σ(重みの付いた入るエッジ)
当該物性に入ってくるエッジが多いということは、その物性が他要因による影響を受けやすく、関係性という観点からは安定性が低いので減算とする。
スコアは、エッジ数を変数とする0以上1以下の値をとるS字曲線で与えられる数とする。このS字曲線は、図11に示すように、エッジ数が0のときスコアは0となり、エッジ数が大きくなるに従い始めはスコアが緩やかに上昇し、その後急激に上昇する領域を経て、1に飽和する曲線を描く。数式的には、この曲線はシグモイド関数を用いて近似的に表すことが可能である。
ST=αa・Sa+αb・Sb+αc・Sc+αd・Sd+αe・Se (式1)
そして、各重視優先度(各重視コース)に応じて、重み付け係数の値を調整する。
ここで、重み付け係数の調整の指針は下記のとおりとする。
(ii)制御重視コース:αb>αc〜αd>αa〜αe
(iii)実測値重視コース:αc>αd>αa〜αb〜αe
(iv)データ量重視コース:αc・αd>>αa〜αb〜αe
(v)物性限定コース:αc・(αe>>αa>αb〜αd)
(vi)ユニバーサルコース:αa〜αb〜αc〜αd〜αe
ここからわかるように、各重視コースは、その重視する項目に対して重点的に重みをつけている。そして、物性限定コースでは、実測を重視しているのでαcを掛け、測定不能の場合は総合スコアが0になるように設定されている。ユニバーサルコースは各項目の重みをほぼ均等にしている。
物性パラメータ対の関係性には、その有無や内容が条件によって変化するものがある。例えば、引っ張り強さとビッカース硬度は、遷移金属炭化物であることを条件として比例関係となる。引っ張り強度がせん断強度で決まる場合に、引っ張り強さとビッカース硬度は比例関係となるが、遷移金属炭化物の引っ張り強度がせん断強度で決まるからである。また、超塑性を示さない物質であることを条件として、引っ張り強さと結合ポテンシャルの深さには関係性が存在する。したがって、物性パラメータの関係性を探索する上では、このような条件を勘案して経路の有無や距離を判断する必要がある。
データベース1には、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件がさらに記憶される。
条件抽出工程S11では、データベース1からその条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジ(条件付きエッジ)と対応付けて抽出される。
グラフ探索工程S2はグラフの経路探索を行って探索結果を出力するが、このとき、条件付きエッジの有無は考慮されない。
経路評価工程S12は、抽出された経路に条件付きエッジが含まれるか否かを判定し、条件付きエッジが含まれる経路についてはその条件が満足されるか否かを判定する。条件が満足されない場合には、グラフ探索工程S2で出力した結果からそれを除外して、優先度付け前の探索結果とする。
なお、本実施形態では、有向グラフを例にとって条件付きエッジについて説明したが、無向グラフにおいても同様に条件付きエッジを含めた実施形態が可能である。
そして、この高度化された関係性を基に、実施の形態1に示した方法によって優先度付けを行うことができる。
実施の形態3では、図13を用いて、検索装置102について説明する。この検索装置102は、グラフ生成手段2、グラフ探索手段3、優先度決定手段4、ユーザーインターフェース手段5、及びデータアクセス手段6よりなる。
検索装置102では、ユーザーからの指示はユーザーインターフェース手段5で受ける。そして、ユーザーインターフェース手段5は、外部に設置されたデータベース16にアクセスして必要な物性に関するデータを得るようにデータアクセス手段6に指示を出す。データアクセス手段6は、データベース16から必要なデータを取得して、そのデータをグラフ生成手段2に送る。前記の工程に従って、グラフ探索手段3によりグラフを探索し、優先度決定手段4によって優先度付けされた探索結果は、ユーザーインターフェース手段5を通してユーザーに提供される。
なお、データアクセス手段による物性データの取得方法は、ネットを介する方法、ディスクなどのメディアによる方法等があるが、その方法は問わない。
データ記憶手段(図示なし)をさらに備えてもよい。このデータ記憶手段は、外部のデータベース16からデータアクセス手段6を通じて取得した複数の物性パラメータを記憶する。この方法では、本目的の探索に関連する物性データを一括して格納することができるので、外部とのアクセス回数が減り、データアクセス対する効率が上がるという特徴がある。
実施例1では、図14に示したグラフにおけるAからJへの経路の場合について、エッジ数を優先度判断項目としたときの優先度決定方法の例を示す。
ここでは、重み付けを全て1とする。
その場合の各ノードにおけるエッジ数は下記のようになる。
B:3−2=1、C:2−2=0、D:3−2=1、E:2−3=−1、F:2−2=0、G:4−2=2、H:2−0=2、I:1−2=−1、K:2−2=0、L:1−2=−1、M:2−1=1、N:1−2=−1
A→B→C→F→J:1+0+0=1
A→B→C→F→N→L→J:1+0+0−1−1=−1
A→B→M→G→E→N→L→J:1+1+2−1−1−1=1
A→B→M→G→I→J:1+1+2−1=3
A→B→M→G→L→J:1+1+2−1=3
A→B→M→G→D→E→N→L→J:1+1+2+1−1−1−1=2
A→B→M→I→J:1+1−1=1
A→B→D→G→E→N→L→J:1+1+2−1−1−1=1
A→B→D→G→I→J:1+1+2−1=3
A→B→D→G→L→J:1+1+2−1=3
A→B→D→E→N→L→J:1+1−1−1−1=−1
A→E→N→L→J:−1−1−1=−3
A→B→C→F→J:1/4=0.25
A→B→C→F→N→L→J:−1/6=−0.167
A→B→M→G→E→N→L→J:1/7=0.143
A→B→M→G→I→J:3/5=0.6
A→B→M→G→L→J:3/5=0.6
A→B→M→G→D→E→N→L→J:2/8=0.25
A→B→M→I→J:1/4=0.25
A→B→D→G→E→N→L→J:1/7=0.143
A→B→D→G→I→J:3/5=0.6
A→B→D→G→L→J:3/5=0.6
A→B→D→E→N→L→J:−1/6=−0.167
A→E→N→L→J:−3/4=−0.75
[1]A→B→M→G→I→J:スコア=0.6
[1]A→B→M→G→L→J:スコア=0.6
[1]A→B→D→G→I→J:スコア=0.6
[1]A→B→D→G→L→J:スコア=0.6
[5]A→B→C→F→J:スコア=0.25
[5]A→B→M→I→J:スコア=0.25
[7]A→B→M→G→D→E→N→L→J:スコア=0.25
[8]A→B→M→G→E→N→L→J:スコア=0.143
[8]A→B→D→G→E→N→L→J:スコア=0.143
[10]A→B→C→F→N→L→J:スコア=−0.167
[10]A→B→D→E→N→L→J:スコア=−0.167
[12]A→E→N→L→J:スコア=−0.75
以上のようにして、エッジ数を優先度判断項目としたときの優先度が提供された。
以上の実施例1では、物性パラメータをA,B,C等で抽象化して説明したが、実施例2では、具体的な物性パラメータに適用した例について説明する。
図15は、より具体的なデータベース1のエッジ情報に関する入力フォーム31の例を示す説明図である。この例では「関係性分類1」の項目に、信頼度が数値で入力されている。関係性がない場合は信頼度0、理論的に確立した関係性があるときはその信頼度に応じて0.4または0.7、理論的な演繹または実験によって得られた相関関係に基づく関係性は信頼度1として示した。
そして、図15に示されたエッジ情報に関する入力フォーム34と、図16に示されたノード情報に関する入力フォーム35を基に生成したグラフを図17に示す。
図17は、原因側物性パラメータを始点とし、結果側物性パラメータを終点とする有向グラフである。信頼度0.4および0.7のエッジを破線で示し、信頼度1のエッジを実線で示す。信頼度0は関係性がないので対応するエッジはない。条件1及び条件2はグラフのノードとエッジのいずれにも属していないので、関係性が規定される対象のエッジに対応付けて示される。なお、実測が可能な物性パラメータは二重枠線で示されている。
まず、パスとしては下記の11の経路が挙げられる。
(a)組成→表面偏析の有無
(b)組成→表面偏析の有無→表面組成
(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成
(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布
(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ
(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール
(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ
(h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項
(i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項
(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数
(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ
上記(a)から(k)の各信頼度のスコアSaは、入力フォーム34のデータを用いて下記のようになる。ここで、スコアは、小数点以下3桁目で四捨五入した値とした。
(a)0.7
(b)(0.7+0.4)/2=0.55
(c)(0.7+0.4)/2=0.55
(d)(0.7+0.4+0.4)/3=0.5
(e)(0.7+0.4+0.7)/3=0.6
(f)(0.7+0.4+0.4+1)/4=0.625
(g)(0.7+0.4+0.7+0.7)/4=0.625
(h)(0.7+0.4+0.7+1)/4=0.7
(i)(0.7+0.4+0.4+1+1)/5=0.7
(j)(0.7+0.4+0.7+1+1)/5=0.76
(k)(0.7+0.4+0.7+0.7+1)/5=0.7
(a)(0+0)/2=0
(b)(0+0+0)/3=0
(c)(0+0+0)/3=0
(d)(0+0+0+0)/4=0
(e)(0+0+0+0)/4=0
(f)(0+0+0+0+0)/5=0
(g)(0+0+0+0+0)/5=0
(h)(0+0+0+0+0)/5=0
(i)(0+0+0+0+0+0)/6=0
(j)(0+0+0+0+0−2)/6=−0.333
(k)(0+0+0+0+0+0)/6=0
(a)(1+1)/2=1
(b)(1+1+1)/3=1
(c)(1+1+1)/3=1
(d)(1+1+1+0.4)/4=0.85
(e)(1+1+1+0.4)/4=0.85
(f)(1+1+1+0.4+0.4)/5=0.76
(g)(1+1+1+0.4+0.4)/5=0.76
(h)(1+1+1+0.4+0.4)/5=0.76
(i)(1+1+1+0.4+0.4+0.4)/6=0.7
(j)(1+1+1+0.4+0.4+1)/6=0.8
(k)(1+1+1+0.4+0.4+1)/6=0.8
(a)(0.9+0.5)/2=0.7
(b)(0.9+0.5+0.5)/3=0.633
(c)(0.9+0.5+0.9)/3=0.767
(d)(0.9+0.5+0.5+0.1)/4=0.5
(e)(0.9+0.5+0.9+0.1)/4=0.6
(f)(0.9+0.5+0.5+0.1+0.1)/5=0.42
(g)(0.9+0.5+0.9+0.1+0.1)/5=0.5
(h)(0.9+0.5+0.9+0.1+0.1)/5=0.5
(i)(0.9+0.5+0.5+0.1+0.1+0.1)/6=0.367
(j)(0.9+0.5+0.9+0.1+0.1+0.2)/6=0.45
(k)(0.9+0.5+0.9+0.1+0.1+0.9)/6=0.567
[1]:(a)組成→表面偏析の有無:総合スコアST―Reliability=1.207
[2]:(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数:総合スコアST―Reliability=1.161
[3]:(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ:総合スコアST―Reliability=1.106
[4]:(h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項:総合スコアST―Reliability=1.085
[5]:(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成:総合スコアST―Reliability=1.058
[6]:(b)組成→表面偏析の有無→表面組成:総合スコアST―Reliability=1.056
[7]:(i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項:総合スコアST―Reliability=1.054
[8]:(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ:総合スコアST―Reliability=1.031
[9]:(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ:総合スコアST―Reliability=1.01
[10]:(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール:総合スコアST―Reliability=1.009
[11]:(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布:総合スコアST―Reliability=0.93
以上のようにして、信頼度重視コースでの優先度が提供された。
実施例3では、実施例2のデータ、即ち、入力データフォーム34および35を用いて制御重視コースの優先度を求めた。
ここでの制御重視コースでは、信頼度の重みαaを0.3、エッジ数の重みαbを1、測定可能性の重みαcを0.5、物性値のデータベースのデータ量の重みαdを0.5、物性の値の重みαeを0.3として、前記の式1を用いて総合スコアST―Controlを求めた。なお、物性の値のスコアSeは入力データフォーム35に記載がないため全て0とした。
[1]:(a)組成→表面偏析の有無:総合スコアST―Control=1.06
[2]:(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成:総合スコアST―Control=1.048
[3]:(b)組成→表面偏析の有無→表面組成:総合スコアST―Control=0.98
[4]:(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ:総合スコアST―Control=0.905
[5]:(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ:総合スコアST―Control=0.893
[6]: (h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項:総合スコアST―Control=0.84
[7]:(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布:総合スコアST―Control=0.825
[8]:(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ:総合スコアST―Control=0.818
[9]:(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール:総合スコアST―Control=0.778
[10]:(i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項:総合スコアST―Control=0.743
[11]:(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数:総合スコアST―Control=0.43
以上のようにして、制御重視コースでの優先度が提供された。
実施例4では、実施例2のデータ、即ち、入力データフォーム34および35を用いて実測値重視コースの優先度を求めた。
ここでの実測値重視コースでは、信頼度の重みαaを0.3、エッジ数の重みαbを0.3、測定可能性の重みαcを1、物性値のデータベースのデータ量の重みαdを0.5、物性の値の重みαeを0.3として、前記の式1を用いて総合スコアST―Measureを求めた。なお、物性の値のスコアSeは入力データフォーム35に記載がないため全て0とした。
[1]:(a)組成→表面偏析の有無:総合スコアST―Measure=1.56
[2]:(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成:総合スコアST―Measure=1.548
[3]:(b)組成→表面偏析の有無→表面組成:総合スコアST―Measure=1.482
[4]:(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ:総合スコアST―Measure=1.33
[5]:(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ:総合スコアST―Measure=1.293
[6]:(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布:総合スコアST―Measure=1.25
[7]:(h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項:総合スコアST―Measure=1.22
[8]:(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ:総合スコアST―Measure=1.198
[9]:(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール:総合スコアST―Measure=1.158
[10]:(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数:総合スコアST―Measure=1.153
[11]: (i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項:総合スコアST―Measure=1.093
以上のようにして、実測値重視コースでの優先度が提供された。
実施例5では、実施例2のデータ、即ち、入力データフォーム34および35を用いてデータ量重視コースの優先度を求めた。
ここでのデータ量重視コースでは、信頼度の重みαaを0.1、エッジ数の重みαbを0.1、測定可能性の重みαcを1、物性値のデータベースのデータ量の重みαdを1、物性の値の重みαeを0.1として、前記の式1を用いて総合スコアST―Dataを求めた。なお、物性の値のスコアSeは入力データフォーム35に記載がないため全て0とした。
[1]:(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成:総合スコアST―Data=1.822
[2]:(a)組成→表面偏析の有無:総合スコアST―Data=1.77
[3]:(b)組成→表面偏析の有無→表面組成:総合スコアST―Data=1.689
[4]:(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ:総合スコアST―Data=1.51
[5]:(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ:総合スコアST―Data=1.437
[6]:(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布:総合スコアST―Data=1.4
[7]:(h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項:総合スコアST―Data=1.33
[8]:(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ:総合スコアST―Data=1.323
[9]:(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数:総合スコアST―Data=1.293
[10]:(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール:総合スコアST―Data=1.243
[11]:(i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項:総合スコアST―Data=1.137
以上のようにして、データ量重視コースでの優先度が提供された。
実施例6では、実施例2のデータ、即ち、入力データフォーム34および35を用いてユニバーサルコースの優先度を求めた。
ここでのユニバーサルコースでは、信頼度の重みαaを0.5、エッジ数の重みαbを0.5、測定可能性の重みαcを0.5、物性値のデータベースのデータ量の重みαdを0.5、物性の値の重みαeを0.5として、前記の式1を用いて総合スコアST―Univを求めた。なお、物性の値のスコアSeは入力データフォーム35に記載がないため全て0とした。
[1]:(a)組成→表面偏析の有無:総合スコアST―Univ=1.2
[2]:(c)組成→表面偏析の有無→バルク組成:総合スコアST―Univ=1.158
[3]:(b)組成→表面偏析の有無→表面組成:総合スコアST―Univ=1.092
[4]:(k)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ→引張り強さ:総合スコアST―Univ=1.033
[5]:(e)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ:総合スコアST―Univ=1.025
[6]:(h)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項:総合スコアST―Univ=0.98
[7]:(g)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→結合ポテンシャルの深さ:総合スコアST―Univ=0.943
[8]:(d)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布:総合スコアST―Univ=0.925
[9]:(f)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール:総合スコアST―Univ=0.903
[10]:(i)組成→表面偏析の有無→表面組成→表面電荷分布→表面ダイポール→表面項:総合スコアST―Univ=0.883
[11]:(j)組成→表面偏析の有無→バルク組成→フェルミレベルの深さ→バルク項→仕事関数:総合スコアST―Univ=0.839
以上のようにして、ユニバーサルコースでの優先度が提供された。
実施例7では、図18に示したグラフにおけるAからJへの経路の場合について、物性値の測定可能性を優先度判断項目としたときの優先度決定方法の例を示す。
ここでは、原理的に測定可能で測定方法もある場合を1、原理的に測定化のであるが測定方法が見当たらない場合を0.4、原理的に測定不可能の場合を0という重みづけにした。
図18では、原理的に測定可能で測定方法もある場合であるA,E,F,I,M,Jを2重丸、原理的に測定化のであるが測定方法が見当たらない場合であるB,C,G,Kを1重丸、そして原理的に測定不可能の場合であるD,H,L,Nを破線の丸で表している。
A→B→C→F→J:0.4+0.4+1=1.8
A→B→C→F→N→L→J:0.4+0.4+1+0+0=1.8
A→B→M→G→E→N→L→J:0.4+1+0.4+1+0+0=2.8
A→B→M→G→I→J:0.4+1+0.4+1=2.8
A→B→M→G→L→J:0.4+1+0.4+0=1.8
A→B→M→G→D→E→N→L→J:0.4+1+0.4+0+1+9+0=2.8
A→B→M→I→J:0.4+1+1=2.4
A→B→D→G→E→N→L→J:0.4+0+0.4+1+0+0=1.8
A→B→D→G→I→J:0.4+0+0.4+1=1.8
A→B→D→G→L→J:0.4+0+0.4+0=0.8
A→B→D→E→N→L→J:0.4+0+1+0+0=1.4
A→E→N→L→J:1+0+0=1
A→B→C→F→J:1.8/4=0.45
A→B→C→F→N→L→J:1.8/6=0.3
A→B→M→G→E→N→L→J:2.8/7=0.4
A→B→M→G→I→J:2.8/5=0.56
A→B→M→G→L→J:1.8/5=0.36
A→B→M→G→D→E→N→L→J:2.8/8=0.35
A→B→M→I→J:2.4/4=0.6
A→B→D→G→E→N→L→J:1.8/7=0.257
A→B→D→G→I→J:1.8/5=0.36
A→B→D→G→L→J:0.8/5=0.16
A→B→D→E→N→L→J:1.4/6=0.233
A→E→N→L→J:1/4=0.25
[1]A→B→M→I→J:スコア=0.6
[2]A→B→M→G→I→J:スコア=0.56
[3]A→B→C→F→J:スコア=0.45
[4]A→B→M→G→E→N→L→J:スコア=0.4
[5]A→B→M→G→L→J:スコア=0.36
[5]A→B→D→G→I→J:スコア=0.36
[7]A→B→M→G→D→E→N→L→J:スコア=0.35
[8]A→B→C→F→N→L→J:スコア=0.3
[9]A→B→D→G→E→N→L→J:スコア=0.257
[10]A→E→N→L→J:スコア=0.25
[11]A→B→D→E→N→L→J:スコア=0.233
[12]A→B→D→G→L→J:スコア=0.16
以上のようにして、物性値の測定可能性を優先度判断項目としたときの優先度が提供された。
実施例8では、図19に示したグラフにおけるAからJへの経路の場合について、物性値のデータベースのデータ量を優先度判断項目としたときの優先度決定方法の例を示す。
ここでは、シグモイド関数からなるS字曲線を適用した後のデータ量が多い場合を0.9、少ない場合を0.1、そしてその中間に位置する場合を0.5とした重みづけを行った。
図19では、データ量が多い場合であるA,C,D,H,Jを2重丸、データ量が中間の場合であるB,F,I,L,Nを1重丸、そしてデータ量が少ない場合であるE,K,Mを破線の丸で表している。
A→B→C→F→J:0.5+0.9+0.5=1.9
A→B→C→F→N→L→J:0.5+0.9+0.5+0.5+0.5=2.9
A→B→M→G→E→N→L→J:0.5+0.1+0.5+0.1+0.5+0.5=2.2
A→B→M→G→I→J:0.5+0.1+0.5+0.5=1.6
A→B→M→G→L→J:0.5+0.1+0.5+0.5=1.6
A→B→M→G→D→E→N→L→J:0.5+0.1+0.5+0.9+0.1+0.5+0.5=3.1
A→B→M→I→J:0.5+0.1+0.5=1.1
A→B→D→G→E→N→L→J:0.5+0.9+0.5+0.1+0.5+0.5=3
A→B→D→G→I→J:0.5+0.9+0.5+0.5=2.4
A→B→D→G→L→J:0.5+0.9+0.5+0.5=2.4
A→B→D→E→N→L→J:0.5+0.9+0.1+0.5+0.5=2.5
A→E→N→L→J:0.1+0.5+0.5=1.1
A→B→C→F→J:1.9/4=0.475
A→B→C→F→N→L→J:2.9/6=0.483
A→B→M→G→E→N→L→J:2.2/7=0.314
A→B→M→G→I→J:1.6/5=0.32
A→B→M→G→L→J:1.6/5=0.32
A→B→M→G→D→E→N→L→J:3.1/8=0.388
A→B→M→I→J:1.1/4=0.275
A→B→D→G→E→N→L→J:3/7=0.429
A→B→D→G→I→J:2.4/5=0.48
A→B→D→G→L→J:2.4/5=0.48
A→B→D→E→N→L→J:2.5/6=0.417
A→E→N→L→J:1.1/4=0.275
[1]A→B→C→F→N→L→J:2.9/6=0.483
[2]A→B→D→G→I→J:2.4/5=0.48
[2]A→B→D→G→L→J:2.4/5=0.48
[4]A→B→C→F→J:1.9/4=0.475
[5]A→B→D→G→E→N→L→J:3/7=0.429
[6]A→B→D→E→N→L→J:2.5/6=0.417
[7]A→B→M→G→D→E→N→L→J:3.1/8=0.388
[8]A→B→M→G→I→J:1.6/5=0.32
[8]A→B→M→G→L→J:1.6/5=0.32
[10]A→B→M→G→E→N→L→J:2.2/7=0.314
[11]A→B→M→I→J:1.1/4=0.275
[11]A→E→N→L→J:1.1/4=0.275
以上のようにして、物性値のデータベースのデータ量を優先度判断項目としたときの優先度が提供された。
実施例9では、図20に示したグラフにおけるAからJへの経路の場合について、物性の値を優先度判断項目としたときの優先度決定方法の例を示す。
ここでは、ユーザーが指定した数値範囲が、データベースに格納された当該物性の値の標準偏差σに対してσ未満である場合に対して1、σ以上3σ未満である場合に対して0.7、そして3σ以上である場合に対して0.3の重みづけを行った。図20では、σ未満の場合であるA,E,I,Jを2重丸、σ以上3σ未満の場合であるB,C,D,G、H,K,Mを1重丸、そして3σ以上の場合であるF,Lを破線の丸で表している。
A→B→C→F→J:0.7+0.7+0.3=1.7
A→B→C→F→N→L→J:0.7+0.7+0.3+0.7+0.3=2.7
A→B→M→G→E→N→L→J:0.7+0.7+0.7+1+0.7+0.3=4.1
A→B→M→G→I→J:0.7+0.7+0.7+1=3.1
A→B→M→G→L→J:0.7+0.7+0.7+0.3=2.4
A→B→M→G→D→E→N→L→J:0.7+0.7+0.7+0.7+1+0.7+0.3=4.8
A→B→M→I→J:0.7+0.7+1=2.4
A→B→D→G→E→N→L→J:0.7+0.7+0.7+1+0.7+0.3=4.1
A→B→D→G→I→J:0.7+0.7+0.7+1=3.1
A→B→D→G→L→J:0.7+0.7+0.7+0.3=2.4
A→B→D→E→N→L→J:0.7+0.7+1+0.7+0.3=3.4
A→E→N→L→J:1+0.7+0.3=2
A→B→C→F→J:1.7/4=0.425
A→B→C→F→N→L→J:2.7/6=0.45
A→B→M→G→E→N→L→J:4.1/7=0.586
A→B→M→G→I→J:3.1/5=0.62
A→B→M→G→L→J:2.4/5=0.48
A→B→M→G→D→E→N→L→J:4.8/8=0.6
A→B→M→I→J:2.4/4=0.6
A→B→D→G→E→N→L→J:4.1/7=0.586
A→B→D→G→I→J:3.1/5=0.62
A→B→D→G→L→J:2.4/5=0.48
A→B→D→E→N→L→J:3.4/6=0.567
A→E→N→L→J:2/4=0.5
[1]A→B→M→G→I→J:3.1/5=0.62
[1]A→B→D→G→I→J:3.1/5=0.62
[3]A→B→M→I→J:2.4/4=0.6
[4]A→B→M→G→D→E→N→L→J:4.8/8=0.6
[5]A→B→M→G→E→N→L→J:4.1/7=0.586
[5]A→B→D→G→E→N→L→J:4.1/7=0.586
[7]A→B→D→E→N→L→J:3.4/6=0.567
[8]A→E→N→L→J:2/4=0.5
[9]A→B→M→G→L→J:2.4/5=0.48
[9]A→B→D→G→L→J:2.4/5=0.48
[11]A→B→C→F→N→L→J:2.7/6=0.45
[12]A→B→C→F→J:1.7/4=0.425
以上のようにして、物性の値を優先度判断項目としたときの優先度が提供された。
本発明は、ビッグデータを用いて、物性パラメータの任意の組合せのうち有意な関係性を有する物性パラメータの組合せを優先度をつけて提示するものである。このため、本発明は、効率的に未知の物性間の関係性を提示して、材料技術の発展に大いに貢献するものと期待される。
2 グラフ生成手段
3 グラフ探索手段
4 優先度決定手段
5 ユーザーインターフェース手段
6 データアクセス手段
16 データベース
21 データベース(物性パラメータ関係性データベース)
22 グラフ生成手段
23 グラフ
31,32,33,34,35 入力データフォーム
101 検索システム
102 検索装置
Claims (21)
- 記憶装置に保持されるデータベースとグラフ生成工程とグラフ探索工程と優先度決定工程とを備えて物性間の関係性を探索する探索方法であって、
前記データベースは、互いの関係性を有する物性パラメータの複数の対を記憶し、
前記グラフ生成工程は、前記データベースに記憶された複数の物性パラメータをノードとし、関係性を有するとして記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索工程は、与えられる探索条件に基づいてグラフを探索し、関連する物性あるいは物性間の関連を示す物性間関連性経路を複数提示し、
前記優先度決定工程は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、優先度の高い順に結果を出力する、探索方法。 - 請求項1において、前記グラフは有向グラフであり、
前記グラフ生成工程では、物性パラメータ対の関係性が双方向であるときには、対応するエッジは双方向のエッジを生成し、物性パラメータ対の一方の物性パラメータの値が決まると他方の物性パラメータの値が決まるが逆は決まらないときには、対応するエッジとして、前記一方の物性パラメータに対応するノードから前記他方の物性パラメータに対応するノードへの一方向のエッジを生成する、探索方法。 - 請求項1または2において、前記探索方法は、条件抽出工程と経路評価工程とをさらに備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件をさらに記憶可能であり、
前記条件抽出工程では、前記データベースから前記条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジを条件付きエッジとして、前記条件と対応付けて抽出し、
前記グラフ探索工程では、前記探索結果として、1または複数の経路を前記グラフから抽出して出力し、
前記経路評価工程では、前記1または複数の経路について、前記条件付きエッジが含まれるか否かを判定し、前記条件付きエッジが含まれる経路については、当該条件付きエッジに対応する条件が満足されない場合には、前記1または複数の経路から除外して優先度決定工程用の探索結果とし、
前記優先度決定工程用の探索結果も含めて優先度決定工程にて優先度の高い順に結果を出力する、探索方法。 - 前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、当該関係性が厳密に理論的に確立された関係性か、経験的に相関が認められた関係性であって理論的には未確立の関係性か、半定量的か、定性的かの何れであるかの関係性の信頼性情報をさらに記憶可能であり、
前記グラフ探索工程では、前記信頼性情報も用いて前記グラフを探索して優先度決定工程用の探索結果を求め、
前記優先度決定工程用の探索結果も含めて優先度決定工程にて優先度の高い順に結果を出力する、請求項1から3の何れか1記載の探索方法。 - 前記優先度決定工程では、前記信頼性情報に基づく信頼度、当該物性に出入りするエッジ数、当該物性値の測定可能性、当該物性値のデータベースデータ量、当該物性の値、および経路を構成するノードの数の少なくとも何れかを用いて優先度を求める、請求項1から4の何れか1記載の探索方法。
- 前記優先度決定工程は、
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかをスコア化するスコア化工程と、
前記スコア化工程によって求められた前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかのスコアに重みをつけて前記物性間関連性経路毎にスコアを加算するスコア加算工程と、
前記スコアの加算工程によって求められた加算スコアの順に前記物性間関連性経路を並べる物性間関連性経路順位付け工程からなる、請求項1から5の何れか1記載の探索方法。 - 前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の何れかの項目に対して前記加算スコアを求め、加算スコアの高い順を優先度として結果を出力する、請求項5または6記載の探索方法。
- 前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れか項目の複数に対して、項目毎のスコア重みをつけて加算した項目加算スコアを求め、前記項目加算スコアの順を優先度の順位として出力する探索方法であって、
前記項目に対する重みにより、
前記信頼度の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした信頼度重視優先度、
前記物性に出入りするエッジ数の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした制御重視優先度、
前記物性値の測定可能性の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした実測値重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値のデータベースデータ量の前記重みを他の前記項目の重みより大きくしたデータ量重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした物性限定優先度、
前記項目の重みを全て均等にしたユニバーサル優先度とする、請求項5または6記載の探索方法。 - 物理パラメータが格納された外部のデータベースへのデータアクセス手段とグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段とユーザーインターフェース手段とを備え、
前記グラフ生成手段は、前記外部のデータベースから前記データアクセス手段を通じて複数の物性パラメータを取得し、前記取得された物性パラメータをノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、前記ユーザーインターフェース手段を使ってユーザーによって与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、前記ユーザーインターフェース手段により優先順位づけされた探索結果を出力する、探索装置。 - 前記探索装置において請求項2から8の何れか1記載の探索方法を用いた、探索装置。
- 請求項9または10記載の探索装置において、データ記憶手段をさらに備え、前記データ記憶手段は、前記外部のデータベースから前記データアクセス手段を通じて取得した複数の物性パラメータを記憶し、前記データ記憶手段に記憶された物性パラメータを用いてノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成する、探索装置。
- 物理パラメータが格納されたデータベースとグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段とユーザーインターフェース手段とを備え、
前記グラフ生成手段は、前記データベースに格納されている物性パラメータを基に、ノード、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、前記ユーザーインターフェース手段を使ってユーザーによって与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、前記ユーザーインターフェース手段により優先順位づけされた探索結果を出力する、探索装置。 - 請求項12記載の探索装置において請求項2から8の何れか1記載の探索方法を用いた、探索装置。
- データベースとグラフ生成手段とグラフ探索手段と優先度決定手段を備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの複数の対を記憶し、
前記グラフ生成手段は、前記データベースに記憶された複数の物性パラメータをノードとし、関係性を有すると記憶された物性パラメータ対に対応するノード間をエッジとするグラフを生成し、
前記グラフ探索手段は、与えられる探索条件に基づいて前記グラフを探索してグラフ探索結果を求め、
前記優先度決定手段は、前記複数提示された関連する物性あるいは物性間関連性経路の中から、前記ノードまたはエッジの少なくとも何れかの情報を用いて優先度を求め、優先度の高い順に結果を出力する、探索システム。 - 請求項14において、前記グラフは有向グラフであり、前記グラフ生成手段では、物性パラメータ対の関係性が双方向であるときには、対応するエッジは双方向のエッジを生成し、物性パラメータ対の一方の物性パラメータの値が決まると他方の物性パラメータの値が決まるが逆は決まらないときには、対応するエッジとして、前記一方の物性パラメータに対応するノードから前記他方の物性パラメータに対応するノードへの一方向のエッジを生成する、探索システム。
- 請求項14または15において、前記探索システムは、条件抽出手段と経路評価手段とをさらに備え、
前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、関係性の有無を規定する条件が存在する対についてはその条件をさらに記憶可能であり、
前記条件抽出手段では、前記データベースから前記条件を当該条件によって関係性の有無が規定される対に対応するエッジを条件付きエッジとして、前記条件と対応付けて抽出し、
前記グラフ探索手段では、前記探索結果として、1または複数の経路を前記グラフから抽出して出力し、
前記経路評価手段では、前記1または複数の経路について、前記条件付きエッジが含まれるか否かを判定し、前記条件付きエッジが含まれる経路については、当該条件付きエッジに対応する条件が満足されない場合には、前記1または複数の経路から除外して優先度決定手段用の探索結果とし、
前記優先度決定手段用の探索結果も含めて優先度決定手段にて優先度の高い順に結果を出力する、探索システム。 - 前記データベースは、互いに関係性を有する物性パラメータの前記複数の対のうち、当該関係性が厳密に理論的に確立された関係性か、経験的に相関が認められた関係性であって理論的には未確立の関係性か、半定量的か、定性的かの何れであるかの関係性の信頼性情報をさらに記憶可能であり、
前記グラフ探索手段では、前記信頼性情報も用いて前記グラフを探索して優先度決定手段用の探索結果を求め、
前記優先度決定手段用の探索結果も含めて優先度決定手段にて優先度の高い順に結果を出力する、請求項14から16の何れか1記載の探索システム。 - 前記優先度決定手段では、前記信頼度、当該物性に出入りするエッジ数、当該物性値の測定可能性、当該物性値のデータベースデータ量、当該物性の値、および経路を構成するノードの数の少なくとも何れかを用いて優先度を求める、請求項14から17の何れか1記載の探索システム。
- 前記優先度決定手段は、
前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかをスコア化するスコア化手段と、
前記スコア化手段によって求められた前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れかのスコアに重みをつけて前記物性間関連性経路毎にスコアを加算するスコア加算手段と、
前記スコアの加算手段によって求められた加算スコアの順に前記物性間関連性経路を並べる物性間関連性経路順位付け手段からなる、請求項14から18の何れか1記載の探索システム。 - 前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の何れかの項目に対して前記加算スコアを求め、加算スコアの高い順を優先度として結果を出力する、
請求項18または19記載の探索システム。 - 前記信頼度、前記物性に出入りするエッジ数、前記物性値の測定可能性、前記物性値のデータベースデータ量、および前記物性の値の少なくとも何れか項目の複数に対して、項目毎のスコアに重みをつけて加算した項目加算スコアをつけ、前記項目加算スコアの順を優先度の順として出力する探索システムであって、
前記項目に対する重みにより、
前記信頼度の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした信頼度重視優先度、
前記物性に出入りするエッジ数の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした制御重視優先度、
前記物性値の測定可能性の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした実測値重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値のデータベースデータ量の前記重みを他の前記項目の重みより大きくしたデータ量重視優先度、
実測可能であるものの中から前記物性値の前記重みを他の前記項目の重みより大きくした物性限定優先度、
前記項目の重みを全て均等にしたユニバーサル優先度とする、請求項18または19記載の探索システム。
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