JPWO2018083848A1 - 画像処理装置、キャリブレーション用チャート、及びキャリブレーションシステム - Google Patents

画像処理装置、キャリブレーション用チャート、及びキャリブレーションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】遠赤外カメラのキャリブレーションの精度を向上させる。【解決手段】遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、前記遠赤外画像から第1温度を有する複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2温度を有する複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、を備える、画像処理装置を提供する。【選択図】図8

Description

本開示は、画像処理装置、キャリブレーション用チャート、及びキャリブレーションシステムに関する。
近年、暗視等の目的で、遠赤外カメラにより撮像される遠赤外画像が利用されている。遠赤外画像は、物体からの黒体放射によって発せられる遠赤外線を撮像素子により捕捉することによって生成される。このような遠赤外画像を利用することによって、例えば、夜間又は悪天候時のような劣悪な条件下であっても被写体を検出することが可能となる。このような遠赤外カメラでは、可視光カメラ等の他のカメラと同様に、所望の画像を得るためにキャリブレーションを行う必要がある。
カメラのキャリブレーションは、複数のマーカが配設されたキャリブレーション用のチャートを利用することによって実現され得る。具体的には、カメラによってチャートを映した画像を撮像し、当該画像を用いて当該カメラのキャリブレーションが実行される。例えば、特許文献1では、互いに異なる放射率を有する物体が格子状に交互に配設されたチャートを利用することによって、遠赤外カメラのキャリブレーションを実現する技術が開示されている。当該文献に係るチャートでは、例えば、上記物体の各々が上記マーカに相当し得る。
米国特許出願公開第2012/0069193号明細書
ところで、遠赤外カメラに関する分野において、遠赤外カメラのキャリブレーションの精度を向上させることが望ましいと考えられる。具体的には、遠赤外カメラのキャリブレーションは、チャートを映した遠赤外画像における各マーカの位置に基づいて実行される。ここで、チャートを映した遠赤外画像において一部のマーカが映っていない場合には、遠赤外画像上のマーカと実空間におけるマーカとの対応関係を取得することが困難となり得る。それにより、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することが困難となり得る。ゆえに、全てのマーカが遠赤外画像に映るように撮像を行う必要が生じるので、端部にマーカが映る遠赤外画像を取得することが困難となり得る。それにより、キャリブレーションに用いられる情報が十分に確保されない場合があるので、キャリブレーションの精度が低下し得る。
そこで、本開示では、遠赤外カメラのキャリブレーションの精度を向上させることが可能な、新規かつ改良された画像処理装置、キャリブレーション用チャート、及びキャリブレーションシステムを提案する。
本開示によれば、遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、前記遠赤外画像から第1温度を有する複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2温度を有する複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、を備える、画像処理装置が提供される。
また、本開示によれば、第1温度を有する複数の第1マーカと、第2温度を有する複数の第2マーカと、第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、を備え、前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である、キャリブレーション用チャートが提供される。
また、本開示によれば、第1温度を有する複数の第1マーカと、第2温度を有する複数の第2マーカと、第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、を備えるキャリブレーション用チャートと、前記キャリブレーション用チャートを映した遠赤外画像を用いて、前記遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する画像処理装置と、を含み、前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能であり、前記画像処理装置は、前記遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、前記遠赤外画像から前記複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する遠赤外キャリブレーション部と、を備える、キャリブレーションシステムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、遠赤外カメラのキャリブレーションの精度を向上させることが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
波長に依存する赤外線画像の多様な用途について説明するための説明図である。 本開示の実施形態に係るキャリブレーションシステムの概略構成の一例を示す模式図である。 同実施形態に係るチャートの一例を示す正面図である。 同実施形態に係るチャートの一例を示す断面模式図である。 同実施形態に係るチャートの他の例を示す正面図である。 同実施形態に係るチャートの他の例を示す正面図である。 同実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 同実施形態に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 遠赤外取得部により取得される遠赤外画像の一例を示す説明図である。 第1マーカの抽出処理において得られる2値化画像の一例を示す説明図である。 第2マーカ候補の抽出処理において得られる2値化画像の一例を示す説明図である。 生成される候補情報の一例を示す説明図である。 第2マーカ候補と複数の第2マーカの各々との対応関係の推定処理について説明するための説明図である。 第2マーカ候補と複数の第2マーカの各々との対応関係の推定処理について説明するための説明図である。 中心特定処理について説明するための説明図である。 同実施形態に係る画像処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る画像処理装置が行う位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の応用例に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1の応用例に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 第1の応用例に係る画像処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1の応用例に係る画像処理装置が行う可視光画像についての位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の応用例に係る画像処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第2の応用例に係る画像処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 第2の応用例に係る画像処理装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の応用例に係る画像処理装置が行う近赤外画像についての位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.導入
2.キャリブレーションシステム
3.画像処理装置
3−1.ハードウェア構成
3−2.機能構成
3−3.動作
4.応用例
4−1.第1の応用例
4−2.第2の応用例
5.まとめ
<1.導入>
図1は、波長に依存する赤外線画像の多様な用途について説明するための説明図である。図1の水平方向は赤外線の波長に対応し、左から右へと波長は長くなる。0.7μm以下の波長を有する光線は可視光線であり、人間の視覚はこの可視光線を感知する。可視光領域に隣接する波長領域は近赤外(NIR)領域であり、NIR領域に属する赤外線を近赤外線という。NIR領域の波長の上限は、定義に依存して異なるものの、2.5μmから4.0μmの間にあるとされることが多い。NIR領域のうち相対的に波長の長い部分は、短波長赤外(SWIR)領域と呼ばれることもある。近赤外線は、例えば、暗視(night vision)、透視、光通信、及び測距のために利用され得る。近赤外画像を撮像するカメラは、通常、まず近傍に赤外線を照射し、その反射光を捕捉する。NIR領域に長波長側で隣接する波長領域は遠赤外(FIR)領域であり、FIR領域に属する赤外線を遠赤外線という。FIR領域のうち相対的に波長の短い部分は、中波長赤外(MWIR)領域と呼ばれることもある。中波長赤外線の波長範囲では物質固有の吸収スペクトルが現れることから、中波長赤外線は、物質の同定のために利用され得る。遠赤外線は、暗視、サーモグラフィ、及び加熱のために利用され得る。物体からの黒体放射によって発せられる赤外線は、遠赤外線に相当する。そのため、遠赤外線を用いた暗視装置は、赤外線を照射せずとも、物体からの黒体放射を捕捉することにより遠赤外画像を生成することができる。なお、図1に示した波長の範囲の境界値は例に過ぎない。赤外線の分類の境界値には様々な定義が存在しており、本開示に係る技術の後述する利点は、いかなる定義の下でも享受され得る。
物体から放射される遠赤外線のエネルギと当該物体の温度とは相関関係を有するので、当該遠赤外線を受光することによって生成された遠赤外画像から、当該遠赤外画像に映る複数の物体の温度差を検出することができる。それにより、遠赤外画像から特定の物体が映る領域を、他の領域と区別して抽出することができる。ゆえに、他の部分と異なる温度を有する複数のマーカが配設されたチャートを映した遠赤外画像において各マーカが映る領域を、他の領域と区別して抽出することができる。よって、このようなチャートを利用することによって、遠赤外カメラのキャリブレーションを実現することができる。
チャートを映した遠赤外画像において一部のマーカが映っていない場合には、上述したように、遠赤外画像上のマーカと実空間におけるマーカとの対応関係を取得することが困難となり得る。それにより、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することが困難となり得る。ゆえに、全てのマーカが遠赤外画像に映るように撮像を行う必要が生じるので、端部にマーカが映る遠赤外画像を取得することが困難となり得る。それにより、キャリブレーションに用いられる情報が十分に確保されない場合がある。
ここで、チャートに配設される各マーカの形状を互いに異ならせることにより、チャートを映した遠赤外画像において一部のマーカが映っていない場合であっても、当該遠赤外画像上の各マーカの形状を識別することによって上記対応関係の取得を図ることが考えられる。しかしながら、遠赤外画像の解像度は可視光画像と比較して低いことに起因して、各マーカの形状を識別することが困難となり得る。
このように、遠赤外カメラのキャリブレーションに用いられる情報が十分に確保されない場合があるので、キャリブレーションの精度が低下し得る。そこで、本明細書では、遠赤外カメラのキャリブレーションの精度を向上させることができる仕組みを提案する。
<2.キャリブレーションシステム>
まず、図2〜図6を参照して、本開示の実施形態に係るキャリブレーションシステム10の概要について説明する。
図2は、本実施形態に係るキャリブレーションシステム10の概略構成の一例を示す模式図である。キャリブレーションシステム10は、例えば、図2に示したように、画像処理装置1と、チャート9と、を含む。キャリブレーションシステム10では、チャート9を映した遠赤外画像が遠赤外カメラ102により撮像され、画像処理装置1は当該遠赤外画像を用いて遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。なお、以下では、遠赤外カメラ102が画像処理装置1に含まれる例について説明するが、遠赤外カメラ102は画像処理装置1に含まれなくてもよい。その場合、画像処理装置1は遠赤外カメラ102と別体の装置によって実現される。
以下、図3〜図6を参照して、チャート9について説明する。図3は、本実施形態に係るチャート9の一例を示す正面図である。図4は、本実施形態に係るチャート9の一例を示す断面模式図である。具体的には、図4は、図3に示した第1マーカ910及び第2マーカ920を通るA−A断面における断面模式図である。図5及び図6は、本実施形態に係るチャート9の他の例を示す正面図である。
チャート9は、本開示に係るキャリブレーション用チャートに相当する。図3に示したように、チャート9は、複数の第1マーカ910と、複数の第2マーカ920と、ベース930と、を備える。なお、以下では、第1マーカ910及び第2マーカ920を、特に区別しない場合には、単にマーカとも称する。また、複数の第1マーカ910のうちの特定の第1マーカ910を他と区別する場合には、符号の末尾にアルファベットを付与して称する。また、複数の第2マーカ920のうちの特定の第2マーカ920を他と区別する場合には、符号の末尾にアルファベットを付与して称する。
第1マーカ910は、第1の温度を有する。第1マーカ910は、図3に示したように、ベース930に配設される。図3では、第1マーカ910は、略円形状のハッチングが付された部分によって示されている。なお、第1マーカ910の形状は特に限定されず、略円形状、略楕円状、略多角形状等の形状であってもよい。
第2マーカ920は、第2の温度を有する。第2マーカ920は、図3に示したように、ベース930に配設される。図3では、第2マーカ920は、略円形状のハッチングが付されていない部分によって示されている。なお、第2マーカ920の形状は特に限定されず、略円形状、略楕円状、略多角形状等の形状であってもよい。
ベース930において、第1マーカ910及び第2マーカ920は互いに間隔を空けて配設される。第1マーカ910及び第2マーカ920は、例えば、格子状に配設される。具体的には、第1マーカ910及び第2マーカ920は、図3に示したように、互いに直交する方向にそれぞれ6個及び10個配設され、合計で60個設けられてもよい。第2マーカ920は、第1マーカ910を囲むように第1マーカ910より外側に配設されてもよい。また、第1マーカ910は、矩形状に配設されてもよい。例えば、第1マーカ910は、互いに直交する方向にそれぞれ2個配設され合計で4個設けられ、第2マーカ920は、合計で56個設けられてもよい。
ベース930は第3温度を有する。第1マーカ910及び第2マーカ920は、上述したように、ベース930に配設される。例えば、ベース930は、略矩形状であってもよい。なお、ベース930の形状は特に限定されず、略円形状、略楕円状、略多角形状等の形状であってもよい。ベース930は、例えば、平板形状を有する。
第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、上述したように、互いに異なる温度を有する。それにより、遠赤外カメラ102による撮像によって得られるチャート9を映した遠赤外画像において、第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を他の領域と区別して抽出することができる。第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の間の温度差は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の各温度を調整可能な温調機構H9によって実現される。
温調機構H9は、例えば、図4に示したように、バッテリ950と、第1抵抗体941と、第2抵抗体942と、を含む。具体的には、第1抵抗体941及び第2抵抗体942は、バッテリ950に対して互いに並列に接続される。また、第1抵抗体941及び第2抵抗体942は、それぞれ第1マーカ910及び第2マーカ920と近接して設けられる。第1抵抗体941及び第2抵抗体942は、バッテリ950から電力が供給されることにより、抵抗加熱を利用して発熱する。それにより、第1抵抗体941及び第2抵抗体942の近傍にそれぞれ位置する第1マーカ910及び第2マーカ920が加熱される。
第1抵抗体941の抵抗は、第2抵抗体942と比較して低い。ここで、第1抵抗体941及び第2抵抗体942に印加される電圧は略一致するので、バッテリ950と接続される抵抗体の抵抗が低いほど、当該抵抗体による発熱量は大きい。ゆえに、第1抵抗体941による発熱量は、第2抵抗体942と比較して大きい。よって、第1マーカ910の温度である第1温度は、第2マーカ920の温度である第2温度と比較して高くなる。また、ベース930の近傍には抵抗体が設けられないので、ベース930の温度である第3温度は、第1温度及び第2温度と比較して低くなる。
なお、温調機構H9は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の各温度を調整可能であればよく、上述した例に限定されない。また、温調機構H9は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の各温度の検出値が目標温度としての第1温度、第2温度及び第3温度に近づくように当該各温度を調整可能であってもよい。
本実施形態に係るチャート9では、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である。上記幾何学的関係は、換言すると、複数の第1マーカ910の各々の間の相対的な位置関係である。例えば、チャート9では、ある第1マーカ910に対する他の第1マーカ910の各々についての相対的な位置に基づいて、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置が決定可能である。
具体的には、ベース930において、複数の第1マーカ910は3個以上配設される。それにより、ある第1マーカ910に対する他の第1マーカ910の各々についての相対的な位置を示すベクトルが互いに1次独立となり得る。ゆえに、各マーカが含まれる平面上の位置を、互いに1次独立の上記のベクトルのペアによって表現することができる。よって、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置を、互いに1次独立の上記のベクトルのペアによって表現することができる。それにより、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置を、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて精度良く決定することができる。
なお、チャート9における第1マーカ910及び第2マーカ920の個数及び配置は、図3に示した例に限定されない。
図5では、図3に示した例と異なる他の例に係るチャート9aが示されている。チャート9aでは、図5に示したように、第1マーカ910及び第2マーカ920は、格子状に配設されている。具体的には、第1マーカ910及び第2マーカ920は、互いに直交する方向にそれぞれ7個及び11個配設され、合計で77個設けられている。第2マーカ920は、第1マーカ910を囲むように第1マーカ910より外側に配設されている。また、第1マーカ910は、図5に示したように、十字状に配設されてもよい。例えば、第1マーカ910は、互いに直交する方向にそれぞれ3個配設され合計で5個設けられ、第2マーカ920は、合計で72個設けられてもよい。
また図6では、図3及び図5に示した例と異なる他の例に係るチャート9bが示されている。チャート9bでは、図6に示したように、第1マーカ910及び第2マーカ920は、格子状に配設されている。具体的には、第1マーカ910及び第2マーカ920は、互いに直交する方向にそれぞれ7個及び11個配設され、合計で77個設けられている。第2マーカ920は、第1マーカ910を囲むように第1マーカ910より外側に配設されている。また、第1マーカ910は、図6に示したように、L字状に配設されてもよい。例えば、第1マーカ910は、互いに直交する方向にそれぞれ2個配設され合計で3個設けられ、第2マーカ920は、合計で74個設けられてもよい。
なお、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、可視光域において互いに異なる分光反射特性を有してもよい。それにより、後述するように、可視光カメラによる撮像によって得られるチャート9を映した可視光画像において第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を、他の領域と区別して抽出することができる。ゆえに、可視光カメラを利用することによって、遠赤外カメラ102と可視光カメラとの間でのキャリブレーションを同一のチャート9を用いて行うことができる。このような遠赤外カメラ102と可視光カメラとの間でのキャリブレーションについては、後述する第1の応用例において詳細に説明する。
また、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、近赤外域において互いに異なる分光反射特性を有してもよい。それにより、後述するように、近赤外カメラによる撮像によって得られるチャート9を映した近赤外画像において第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を、他の領域と区別して抽出することができる。ゆえに、近赤外カメラを利用することによって、遠赤外カメラ102と近赤外カメラとの間でのキャリブレーションを同一のチャート9を用いて行うことができる。このような遠赤外カメラ102と近赤外カメラとの間でのキャリブレーションについては、後述する第2の応用例において詳細に説明する。
画像処理装置1は、上述したように、チャート9を映した遠赤外画像を用いて遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。具体的には、画像処理装置1は、チャート9上の各マーカの当該遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。換言すると、画像処理装置1は、チャート9上の各マーカの当該遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のカメラパラメータを決定する。カメラパラメータは、具体的には、内部パラメータA及び外部パラメータ[R|T]を含む。
ここで、カメラのキャリブレーションの概要について説明する。まず、画像上の二次元座標(x,y)と実空間上の三次元座標(X,Y,Z)との関係性は、以下の式(1)によって表される。
式(1)において、Aは内部パラメータであり、焦点距離、画像中心、及びレンズ歪の程度を示す。内部パラメータAは、例えば、以下の式(2)によって表される。
式(2)において、fx及びfyはピクセル単位で表される焦点距離であり、cx及びcyは画像中心であり、sはレンズ歪の程度に相当するスキュー比である。
また、式(1)において、[R|T]は外部パラメータであり、カメラの姿勢及び位置を示す。外部パラメータ[R|T]は、例えば、以下の式(3)によって表される。
式(3)に示すように、Rは3×3行列であり、カメラの姿勢を表す回転成分である。また、Tは3×1行列であり、カメラの位置を表す並進成分である。
キャリブレーションシステム10では、具体的には、チャート9の姿勢及び位置を変更させつつ、遠赤外カメラ102によって複数回撮像を行い、得られた遠赤外画像の各々における各マーカの位置に基づいて、内部パラメータA又は外部パラメータ[R|T]を決定する。より具体的には、複数回の撮像によって得られた複数の遠赤外画像の各々について、遠赤外画像における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入することによって、複数の方程式が得られる。画像処理装置1は、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、内部パラメータA又は外部パラメータ[R|T]を決定することができる。
このように、遠赤外カメラ102のキャリブレーションでは、遠赤外画像における各マーカの位置を特定する必要がある。ここで、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、チャート9を映した遠赤外画像において一部のマーカが映っていない場合であっても、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができるので、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることができる。このような画像処理装置1の詳細については、後述する。
<3.画像処理装置>
続いて、図7〜図17を参照して、本実施形態に係る画像処理装置1について説明する。
[3−1.ハードウェア構成]
まず、図7〜図15を参照して、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウェア構成について説明する。
図7は、本実施形態に係る画像処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置1は、例えば、図7に示したように、遠赤外カメラ102と、入力インタフェース104と、メモリ106と、ディスプレイ108と、通信インタフェース110と、ストレージ112と、プロセッサ114と、バス116と、を備える。
(遠赤外カメラ)
遠赤外カメラ102は、遠赤外線を利用した撮像を行い、遠赤外画像を得る撮像モジュールである。遠赤外カメラ102は、具体的には、FIR領域に属する波長を有する遠赤外線を感知する撮像素子の配列を有する。遠赤外カメラ102は、例えば、一定の時間間隔で遠赤外画像を撮像する。また、遠赤外カメラ102により得られる一連の遠赤外画像は、映像を構成してもよい。
(入力インタフェース)
入力インタフェース104は、ユーザが画像処理装置1を操作し又は画像処理装置1へ情報を入力するために使用される。例えば、入力インタフェース104は、タッチセンサ、キーボード、キーパッド、ボタン、又はスイッチなどの入力デバイスを含んでもよい。また、入力インタフェース104は、音声入力用のマイクロフォン及び音声認識モジュールを含んでもよい。また、入力インタフェース104は、ユーザにより選択される命令をリモートデバイスから受信する遠隔制御モジュールを含んでもよい。
(メモリ)
メモリ106は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み得る記憶媒体である。メモリ106は、プロセッサ114に連結され、プロセッサ114により実行される処理のためのプログラム及びデータを記憶する。
(ディスプレイ)
ディスプレイ108は、画像を表示する画面を有する表示モジュールである。例えば、ディスプレイ108は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic light−Emitting Diode)、又はCRT(Cathode Ray Tube)などであってもよい。
(通信インタフェース)
通信インタフェース110は、画像処理装置1と他の装置との間の通信を仲介するモジュールである。通信インタフェース110は、任意の無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルに従って、通信接続を確立する。
(ストレージ)
ストレージ112は、画像データを蓄積し又は画像処理において利用されるデータベースを記憶する記憶デバイスである。ストレージ112は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を内蔵する。なお、本明細書で説明するプログラム及びデータは、画像処理装置1の外部のデータソース(例えば、データサーバ、ネットワークストレージ、又は外付けメモリなど)から取得されてもよい。
(プロセッサ)
プロセッサ114は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)などの処理モジュールである。プロセッサ114は、メモリ106又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることを可能とするための機能を動作させる。
(バス)
バス116は、遠赤外カメラ102、入力インタフェース104、メモリ106、ディスプレイ108、通信インタフェース110、ストレージ112、及びプロセッサ114を相互に接続する。
[3−2.機能構成]
続いて、図8を参照して、本実施形態に係る画像処理装置1の機能構成について説明する。
図8は、図7に示した画像処理装置1の構成要素が互いに連係することにより実現される機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置1は、例えば、図8に示したように、遠赤外取得部120と、遠赤外抽出部130と、遠赤外特定部140と、遠赤外キャリブレーション部150と、遠赤外記憶部160と、を備える。
(遠赤外記憶部)
遠赤外記憶部160は、画像処理装置1が行う各処理において参照されるデータを記憶する。例えば、遠赤外記憶部160は、第1抽出部131及び第2抽出部133の各々が行う二値化処理において用いられる閾値を示す情報を記憶する。また、遠赤外記憶部160は、各機能部が行う各処理によって得られる処理結果を記憶してもよい。各機能部は、遠赤外記憶部160から各処理についての処理結果を取得し得る。また、遠赤外記憶部160は、遠赤外カメラ102によって撮像された遠赤外画像を記憶してもよい。各機能部は、遠赤外記憶部160から遠赤外カメラ102によって撮像された遠赤外画像を取得し得る。
(遠赤外取得部)
遠赤外取得部120は、遠赤外画像を取得する。具体的には、遠赤外取得部120は、遠赤外カメラ102により撮像されチャート9を映した遠赤外画像を取得する。また、遠赤外取得部120は、取得した遠赤外画像を遠赤外抽出部130及び遠赤外特定部140へ出力する。例えば、遠赤外取得部120は、遠赤外カメラ102から直接的に遠赤外画像を取得してもよい。また、遠赤外取得部120は、遠赤外カメラ102そのものであってもよい。また、遠赤外取得部120は、遠赤外記憶部160に記憶されている遠赤外画像を取得してもよい。遠赤外取得部120により取得される遠赤外画像は、信号の増幅及びノイズ除去などの予備的な処理を経た画像であってもよい。
図9は、遠赤外取得部120により取得される遠赤外画像の一例を示す説明図である。図9に示したように、当該遠赤外画像には、チャート9が映っている。当該遠赤外画像では、全ての第1マーカ910が映っている一方で、一部の第2マーカ920は映っていない。また、当該遠赤外画像には、チャート9の背景として、人801及び物体802が映っている。ここで、図9〜図15に示した画像において、ハッチングの濃淡は画素値の異同を示す。当該ハッチングが濃い区域ほど、画素値が低い区域である。
(遠赤外抽出部)
遠赤外抽出部130は、遠赤外取得部120により取得された遠赤外画像から特定の物体が映る領域を、他の領域と区別して抽出する。また、遠赤外抽出部130は、抽出結果を遠赤外特定部140へ出力する。遠赤外抽出部130は、例えば、図8に示したように、第1抽出部131と、第2抽出部133と、を含む。
第1抽出部131は、遠赤外画像から第1温度を有する複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第1抽出部131は、遠赤外取得部120により取得された遠赤外画像から複数の第1マーカ910を抽出し、抽出結果を遠赤外特定部140へ出力する。第1抽出部131は、例えば、遠赤外画像に対して2値化処理を施すことによって、複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第1抽出部131は、遠赤外画像において第1閾値より低い画素値を有する画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当て、遠赤外画像において第1閾値以上の画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当てる。ここで、第1閾値は、第1マーカ910が有する第1温度より低く、かつ、第2マーカ920が有する第2温度より高い温度に対応する画素値に設定される。それにより、各第1マーカ910が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、複数の第1マーカ910の抽出が実現され得る。
図10は、第1マーカ910の抽出処理において得られる2値化画像の一例を示す説明図である。第1抽出部131は、例えば、図9に示した遠赤外画像に対して2値化処理を施す。図9に示したように、当該遠赤外画像において、第1マーカ910が映る領域を除く領域は、第2温度以下の温度に対応する画素値を有する。ゆえに、第1マーカ910が映る領域を除く領域の各画素は第1閾値より低い画素値を有するので、第1抽出部131は、当該領域の各画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。一方、第1マーカ910が映る領域の各画素は第1閾値以上の画素値を有するので、第1抽出部131は、当該領域の各画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当てる。それにより、複数の第1マーカ910の抽出が実現され、図10に示した2値化画像が抽出結果として出力される。
第2抽出部133は、遠赤外画像から複数の第2マーカ920の各々の候補である第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第2抽出部133は、遠赤外取得部120により取得された遠赤外画像から第2マーカ候補を抽出し、抽出結果を遠赤外特定部140へ出力する。第2抽出部133は、例えば、遠赤外画像に対して2値化処理を施すことによって、第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第2抽出部133は、遠赤外画像において第2閾値より低い画素値を有する画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当て、遠赤外画像において第2閾値以上の画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当てる。ここで、第2閾値は、第2マーカ920が有する第2温度より低く、かつ、ベース930が有する第3温度より高い温度に対応する画素値に設定される。それにより、遠赤外画像において少なくとも第2マーカ920が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、第2マーカ候補の抽出が実現され得る。
図11は、第2マーカ候補820の抽出処理において得られる2値化画像の一例を示す説明図である。第2抽出部133は、例えば、図9に示した遠赤外画像に対して2値化処理を施す。図9に示したように、当該遠赤外画像において、第1マーカ910、第2マーカ920、及び物体802の高温部802pが映る領域を除く領域は、第3温度以下の温度に対応する画素値を有する。ゆえに、第1マーカ910、第2マーカ920、及び物体802の高温部802pが映る領域を除く領域の各画素は第2閾値より低い画素値を有するので、第2抽出部133は、当該領域の各画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。一方、第1マーカ910、第2マーカ920、及び物体802の高温部802pが映る領域の各画素は第2閾値以上の画素値を有するので、第2抽出部133は、当該領域の各画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当てる。それにより、第2マーカ候補820の抽出が実現され、図11に示した2値化画像が抽出結果として出力される。
(遠赤外特定部)
遠赤外特定部140は、各マーカの遠赤外画像における位置を特定する。また、遠赤外特定部140は、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。本実施形態では、遠赤外特定部140は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を特定する。遠赤外特定部140は、例えば、図8に示したように、第1生成部141と、第1推定部143と、第1中心特定部145と、を含む。なお、第1生成部141、第1推定部143、及び第1中心特定部145は、本開示に係る生成部、推定部、及び中心特定部にそれぞれ相当する。
第1生成部141は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、遠赤外画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成する。また、第1生成部141は、生成した候補情報を第1推定部143へ出力する。
図12は、生成された候補情報の一例を示す説明図である。第1生成部141は、例えば、図10に示した2値化画像を用いて、候補情報を生成する。第1生成部141は、実空間において第2マーカ920を通る直線と対応する遠赤外画像における直線を、候補情報として生成してもよい。具体的には、第1生成部141は、互いに隣接する第1マーカ910を通る遠赤外画像における直線を、候補情報として生成する。ここで、チャート9では、上述したように、第1マーカ910及び第2マーカ920が格子状に配設されている。ゆえに、実空間では、互いに隣接する第1マーカ910を通る直線上に第2マーカ920が位置する。よって、遠赤外画像において、第1生成部141によって生成される直線上に第2マーカ920が位置し得る。
具体的には、第1生成部141は、互いに隣接する第1マーカ910a,910bを通る遠赤外画像における直線811aを、候補情報として生成する。また、第1生成部141は、互いに隣接する第1マーカ910c,910dを通る遠赤外画像における直線811bを、候補情報として生成する。また、第1生成部141は、互いに隣接する第1マーカ910a,910cを通る遠赤外画像における直線812aを、候補情報として生成する。また、第1生成部141は、互いに隣接する第1マーカ910b,910dを通る遠赤外画像における直線812bを、候補情報として生成する。直線811aと直線811bとは、実空間において互いに平行であり、直線811cと直線811dとは、実空間において互いに平行である。また、直線811a及び直線811bと直線812c及び直線812dとは、実空間において互いに直交する。
なお、第1生成部141によって生成される候補情報は、図12に示した例に限定されない。例えば、第1生成部141は、互いに対角線方向に並設される第1マーカ910a,910dを通る遠赤外画像における直線を、候補情報として生成してもよい。また、候補情報は、直線でなくともよく、幅を有する領域であってもよい。
第1推定部143は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2抽出部133により抽出された第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定する。換言すると、第1推定部143は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2マーカ候補820がいずれの第2マーカ920であるかを推定する。また、第1推定部143は、推定した上記対応関係を示す情報を第1中心特定部145へ出力する。
このように、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、上記対応関係を推定することによって、上記対応関係を精度良く推定することができる。それにより、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を精度良く特定することができる。
第1推定部143は、具体的には、第1生成部141により生成された候補情報に基づいて、上記対応関係を推定する。より具体的には、第1推定部143は、第2マーカ候補820の各々が第2マーカ920のいずれかに該当するか否かを、候補情報に基づいて判定する。そして、第1推定部143は、第2マーカ920のいずれかに該当すると判定した第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を、候補情報に基づいて推定する。
図13及び図14は、第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係の推定処理について説明するための説明図である。第1推定部143は、例えば、図11に示した2値化画像を用いて、上記対応関係を推定する。
第1推定部143は、例えば、図13に示したように、図11に示した2値化画像において第1生成部141によって生成された直線811a,811b,812a,812bの各直線上に位置する第2マーカ候補820は第2マーカ920のいずれかに該当すると判定する。ここで、第1推定部143は、第1抽出部131により抽出された第1マーカ910と対応する第2マーカ候補820は第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。第1推定部143は、例えば、第2マーカ候補820及び第1マーカ910のそれぞれの遠赤外画像における位置及び寸法を示す情報に基づいて、各第2マーカ候補820が第1マーカ910のいずれかと対応するか否かを判定し得る。
そして、第1推定部143は、例えば、第1生成部141によって生成された各直線上に位置する第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を、当該第2マーカ候補820が位置する直線及び当該直線上における複数の第1マーカ910との位置関係に基づいて、推定する。例えば、第1推定部143は、直線812b上において第1マーカ910bに対して隣接する第2マーカ候補820aが実空間において第1マーカ910bに対して第1マーカ910dと逆側に隣接する第2マーカ920であると推定する。また、第1推定部143は、直線812b上において第2マーカ候補820aに対して隣接する第2マーカ候補820bが実空間において第2マーカ候補820aと対応する第2マーカ920に対して第1マーカ910bと逆側に隣接する第2マーカ920であると推定する。
また、第1推定部143は、例えば、第2マーカ920のいずれかに該当すると判定された互いに隣接する第2マーカ候補820を通る直線を、追加的な候補情報として生成する。チャート9では、上述したように、第1マーカ910及び第2マーカ920が格子状に配設されている。ゆえに、実空間では、互いに隣接する第2マーカ920を通る直線上に他の第2マーカ920が位置する。よって、遠赤外画像において、第1推定部143によって追加的に生成される直線上に第2マーカ920が位置し得る。例えば、第1推定部143は、図14に示したように、直線812a上の第2マーカ候補820及び当該第2マーカ候補820と隣接する直線812b上の第2マーカ候補820を通る直線811c〜811iを追加的に生成する。また、第1推定部143は、直線811a上の第2マーカ候補820及び当該第2マーカ候補820と隣接する直線811b上の第2マーカ候補820を通る直線812c〜812fを追加的に生成する。
また、第1推定部143は、例えば、追加的に生成した各直線上に位置する第2マーカ候補820は第2マーカ920のいずれかに該当すると判定する。そして、第1推定部143は、追加的に生成した各直線上に位置する第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を、例えば、当該第2マーカ候補820が位置する直線及び当該直線上における他の第2マーカ候補820との位置関係に基づいて、推定する。例えば、図14に示したように、第2マーカ候補820dが、第1マーカ910bと隣接する第2マーカ候補820a及び第1マーカ910aと隣接する第2マーカ候補820cを通る直線811f上に位置し、第2マーカ候補820aに対して第2マーカ候補820cと逆側に隣接する場合について考える。この場合、第1推定部143は、第2マーカ候補820dが実空間において第2マーカ候補820aと対応する第2マーカ920に対して第2マーカ候補820cと対応する第2マーカ920と逆側に隣接する第2マーカ920であると推定する。
このように、第1推定部143は、第2マーカ920のいずれかに該当すると判定した第2マーカ候補820がいずれの第2マーカ920であるかを推定する。なお、第1推定部143は、第1生成部141又は第1推定部143によって生成された各直線上に位置しない第2マーカ候補820は第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。例えば、図14に示したように、図9に示した物体802の高温部802pに対応する第2マーカ候補820pは、直線811a〜811i及び直線812a〜812fのいずれの直線上にも位置しない。このような場合に、第1推定部143は、第2マーカ候補820pは第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。また、第1推定部143は、抽出された第2マーカ候補820の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2マーカ候補820pが第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。具体的には、第1推定部143は、第2マーカ候補820pの他の第2マーカ候補820に対する位置関係が、遠赤外画像における各第2マーカ920の他の第2マーカ920に対する位置関係として想定され得る関係と対応しない場合に、第2マーカ候補820pが第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。また、第1推定部143は、第2マーカ候補820pの寸法又は形状に基づいて、第2マーカ候補820pが第2マーカ920のいずれにも該当しないと判定してもよい。
第1中心特定部145は、第2マーカ候補820の中心位置を、第1推定部143により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の遠赤外画像における位置として特定する。また、第1中心特定部145は、第1抽出部131によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の遠赤外画像における位置として特定する。第1中心特定部145は、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。
このように、第2マーカ候補820の中心位置を、第1推定部143により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の遠赤外画像における位置として特定することによって、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置をより精度良く特定することができる。また、第1抽出部131によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の遠赤外画像における位置として特定することによって、複数の第1マーカ910の各々の遠赤外画像における位置をより精度良く特定することができる。
図15は、中心特定処理について説明するための説明図である。第1中心特定部145は、例えば、図9に示した遠赤外画像を用いて、各マーカの中心位置を特定する。具体的には、第1中心特定部145は、第2マーカ920のいずれかに該当すると判定された第2マーカ候補820に相当する第2マーカ920が遠赤外画像において映る領域の中心921の位置を、当該第2マーカ920の遠赤外画像における位置として特定する。第1中心特定部145は、当該領域について楕円フィッティング等の画像処理を施すことによって、当該領域の中心921の位置を特定し得る。また、第1中心特定部145は、抽出された第1マーカ910が遠赤外画像において映る領域の中心911の位置を、当該第1マーカ910の遠赤外画像における位置として特定する。第1中心特定部145は、当該領域について楕円フィッティング等の画像処理を施すことによって、当該領域の中心911の位置を特定し得る。
なお、第1中心特定部145は、図10及び図11に示した2値化画像を用いて、各マーカの中心位置を特定してもよい。具体的には、第1中心特定部145は、第2抽出部133により出力される2値化画像において第2マーカ候補820が映る領域の中心の位置を、第1推定部143により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の遠赤外画像における位置として特定してもよい。また、第1中心特定部145は、第1抽出部131により出力される2値化画像において第1マーカ910が映る領域の中心の位置を、当該第1マーカ910の遠赤外画像における位置として特定してもよい。
(遠赤外キャリブレーション部)
遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。より具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第1マーカ910の各々及び複数の第2マーカ920の各々の双方の遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行してもよい。
具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、上述したように、遠赤外画像における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入し、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、遠赤外カメラ102のカメラパラメータを決定する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102の内部パラメータAを決定する。
遠赤外キャリブレーション部150は、決定した遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報が入力される外部の装置は、当該情報に基づいて、各種画像処理を行う。例えば、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる遠赤外画像におけるカメラ歪を低減する処理を行うことができる。なお、遠赤外キャリブレーション部150は、決定した遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を遠赤外記憶部160へ記憶させてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る画像処理装置1によれば、遠赤外特定部140は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を特定する。それにより、チャート9を映した遠赤外画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。ゆえに、端部にマーカが映る遠赤外画像についても、当該遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。よって、遠赤外カメラ102のキャリブレーションに用いられる情報を十分に確保することができる。従って、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る画像処理装置1は、上述したように、遠赤外特定部140によって特定された複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。それにより、遠赤外カメラ102のキャリブレーションとして精度良いキャリブレーションを実行することが実現される。
また、本実施形態に係るチャート9によれば、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である。それにより、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を特定することが可能となる。ゆえに、チャート9を映した遠赤外画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができるので、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることができる。
[3−3.動作]
続いて、図16及び図17を参照して、本実施形態に係る画像処理装置1が行う処理の流れについて説明する。
図16は、本実施形態に係る画像処理装置1が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示したように、まず、遠赤外取得部120は、チャート9を映した遠赤外画像を取得し(ステップS501)、取得した遠赤外画像を遠赤外抽出部130及び遠赤外特定部140へ出力する。そして、第1抽出部131は、取得された遠赤外画像から複数の第1マーカ910を抽出し(ステップS503)、抽出結果を遠赤外特定部140へ出力する。そして、第2抽出部133は、取得された遠赤外画像から第2マーカ候補820を抽出し(ステップS505)、抽出結果を遠赤外特定部140へ出力する。
次に、遠赤外特定部140は、各マーカの遠赤外画像における位置を特定し(ステップS550)、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置に基づいて、遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行し(ステップS507)、決定した遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。そして、図16に示した処理は終了する。
図17は、本実施形態に係る画像処理装置1が行う位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。当該位置特定処理は、図16に示したフローチャートにおけるステップS550の処理に相当する。
図17に示したように、ステップS550において、まず、第1生成部141は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、遠赤外画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成し(ステップS551)、生成した候補情報を第1推定部143へ出力する。そして、第1推定部143は、生成された候補情報に基づいて、第2抽出部133により抽出された第2マーカ候補820と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定し(ステップS553)、推定した当該対応関係を示す情報を第1中心特定部145へ出力する。そして、第1中心特定部145は、第1マーカ910及び第2マーカ候補820の中心位置を、各マーカの遠赤外画像における位置として特定し(ステップS555)、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、図17に示した処理は終了する。
<4.応用例>
続いて、図18〜図25を参照して、各種応用例について説明する。
[4−1.第1の応用例]
まず、図18〜図21を参照して、第1の応用例に係る画像処理装置2について説明する。第1の応用例では、図2〜図17を参照して説明した実施形態と比較して、主に画像処理装置2の構成が異なる。ゆえに、以下では、第1の応用例に係る画像処理装置2について、主に説明する。
図18は、第1の応用例に係る画像処理装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図18に示したように、第1の応用例に係る画像処理装置2は、上述した画像処理装置1と異なり、可視光カメラ202をさらに備える。
可視光カメラ202は、可視光線を利用した撮像を行い、可視光画像を得る撮像モジュールである。可視光カメラ202は、具体的には、互いに異なる波長の可視光線を感知する撮像素子の配列を有する。例えば、可視光カメラ202は、赤色域、緑色域及び青色域にそれぞれ感度域を持つ撮像素子の配列を有してもよい。可視光カメラ202は例えば、一定の時間間隔で可視光画像を撮像する。また、可視光カメラ202により得られる一連の可視光画像は、映像を構成してもよい。
チャート9では、上述したように、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、可視光域において互いに異なる分光反射特性を有し得る。例えば、第1マーカ910は第1色を有し、第2マーカ920は第2色を有しベース930は第3色を有する。なお、第1色、第2色、第3色は、互いに分光分布が異なればよい。例えば、第1色、第2色、第3色は、色相、彩度、又は明度の少なくとも1つについて互いに異なればよい。それにより、可視光カメラ202による撮像によって得られるチャート9を映した可視光画像において第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を、他の領域と区別して抽出することができる。
なお、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、互いに異なる形状を有してもよい。その場合には、テンプレートマッチング等の画像処理を利用することにより、チャート9を映した可視光画像において第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を、他の領域と区別して抽出することができる。
図19は、図18に示した画像処理装置2の構成要素が互いに連係することにより実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図19に示したように、第1の応用例に係る画像処理装置2は、上述した画像処理装置1と異なり可視光取得部220と、可視光抽出部230と、可視光特定部240と、可視光キャリブレーション部250と、可視光記憶部260と、をさらに備える。
可視光記憶部260は、画像処理装置2が行う各処理において参照されるデータを記憶する。具体的には、可視光記憶部260は、可視光取得部220、可視光抽出部230、可視光特定部240、及び可視光キャリブレーション部250の各機能部が行う各処理において用いられる情報を記憶する。また、可視光記憶部260は、当該各機能部が行う各処理によって得られる処理結果を記憶してもよい。各機能部は、可視光記憶部260から各処理についての処理結果を取得し得る。また、可視光記憶部260は、可視光カメラ202によって撮像された可視光画像を記憶してもよい。各機能部は、可視光記憶部260から可視光カメラ202によって撮像された可視光画像を取得し得る。
可視光取得部220は、可視光画像を取得する。具体的には、可視光取得部220は、可視光カメラ202により撮像されチャート9を映した可視光画像を取得する。また、可視光取得部220は、取得した可視光画像を可視光抽出部230及び可視光特定部240へ出力する。例えば、可視光取得部220は、可視光カメラ202から直接的に可視光画像を取得してもよい。また、可視光取得部220は、可視光カメラ202そのものであってもよい。また、可視光取得部220は、可視光記憶部260に記憶されている可視光画像を取得してもよい。可視光取得部220により取得される可視光画像は、信号の増幅及びノイズ除去などの予備的な処理を経た画像であってもよい。
可視光抽出部230は、可視光取得部220により取得された可視光画像から特定の物体が映る領域を、他の領域と区別して抽出する。また、可視光抽出部230は、抽出結果を可視光特定部240へ出力する。可視光抽出部230は、例えば、図19に示したように、第3抽出部231と、第4抽出部233と、を含む。
第3抽出部231は、可視光画像から複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第3抽出部231は、可視光取得部220により取得された可視光画像から複数の第1マーカ910を抽出し、抽出結果を可視光特定部240へ出力する。第3抽出部231は、例えば、可視光画像に対して2値化処理を施すことによって、複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第3抽出部231は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の分光反射特性の関係性に基づいて、可視光画像において第1色と対応する画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当て、他の画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。それにより、各第1マーカ910が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、複数の第1マーカ910の抽出が実現され得る。
第4抽出部233は、可視光画像から複数の第2マーカ920の各々の候補である第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第4抽出部233は、可視光取得部220により取得された可視光画像から第2マーカ候補を抽出し、抽出結果を可視光特定部240へ出力する。第4抽出部233は、例えば、可視光画像に対して2値化処理を施すことによって、第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第4抽出部233は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の分光反射特性の関係性に基づいて、可視光画像において第1色又は第2色と対応する画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当て、他の画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。それにより、可視光画像において少なくとも第2マーカ920が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、第2マーカ候補の抽出が実現され得る。
可視光特定部240は、各マーカの可視光画像における位置を特定する。また、可視光特定部240は、特定した各マーカの可視光画像における位置を示す情報を可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。第1の応用例では、可視光特定部240は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置を特定する。可視光特定部240は、例えば、図19に示したように、第2生成部241と、第2推定部243と、第2中心特定部245と、を含む。
第2生成部241は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、可視光画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成する。また、第2生成部241は、生成した候補情報を第2推定部243へ出力する。第2生成部241は、例えば、実空間において第2マーカ920を通る直線と対応する可視光画像における直線を、候補情報として生成してもよい。
第2推定部243は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第4抽出部233により抽出された第2マーカ候補と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定する。換言すると、第2推定部243は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2マーカ候補がいずれの第2マーカ920であるかを推定する。また、第2推定部243は、推定した上記対応関係を示す情報を第2中心特定部245へ出力する。第2推定部243は、具体的には、第2生成部241により生成された候補情報に基づいて、上記対応関係を推定する。
このように、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、上記対応関係を推定することによって、上記対応関係を精度良く推定することができる。それにより、複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置を精度良く特定することができる。
第2中心特定部245は、第4抽出部233により抽出された第2マーカ候補の中心位置を、第2推定部243により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の可視光画像における位置として特定する。また、第2中心特定部245は、第3抽出部231によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の可視光画像における位置として特定する。第2中心特定部245は、特定した各マーカの可視光画像における位置を示す情報を可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。第2中心特定部245は、例えば、楕円フィッティング等の画像処理を利用することによって、第1マーカ910及び第2マーカ候補の中心位置を特定し得る。
このように、第2マーカ候補の中心位置を、第2推定部243により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の可視光画像における位置として特定することによって、複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置をより精度良く特定することができる。また、第3抽出部231によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の可視光画像における位置として特定することによって、複数の第1マーカ910の各々の可視光画像における位置をより精度良く特定することができる。
第1の応用例では、遠赤外特定部140は、各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を可視光キャリブレーション部250に対しても出力する。具体的には、第1中心特定部145は、各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150及び可視光キャリブレーション部250へ出力する。
可視光キャリブレーション部250は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの可視光画像における位置に基づいて、可視光画像を撮像する可視光カメラ202のキャリブレーションを実行する。具体的には、可視光キャリブレーション部250は、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置に基づいて、可視光カメラ202のキャリブレーションを実行する。より具体的には、可視光キャリブレーション部250は、複数の第1マーカ910の各々及び複数の第2マーカ920の各々の双方の遠赤外画像及び可視光画像における位置に基づいて、可視光カメラ202のキャリブレーションを実行してもよい。
可視光キャリブレーション部250は、上述したように、遠赤外画像及び可視光画像の各々における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入し、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、可視光カメラ202のカメラパラメータを決定する。具体的には、可視光キャリブレーション部250は、各マーカの遠赤外画像及び可視光画像の各々における位置に基づいて、可視光カメラ202の内部パラメータA及び外部パラメータ[R|T]を決定する。当該外部パラメータ[R|T]は、具体的には、可視光カメラ202の遠赤外カメラ102に対する相対的な姿勢及び位置を示すパラメータである。
また、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの可視光画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。より具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第1マーカ910の各々及び複数の第2マーカ920の各々の双方の遠赤外画像及び可視光画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行してもよい。
遠赤外キャリブレーション部150は、上述したように、遠赤外画像及び可視光画像の各々における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入し、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、遠赤外カメラ102のカメラパラメータを決定する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像及び可視光画像の各々における位置に基づいて、遠赤外カメラ102の内部パラメータA及び外部パラメータ[R|T]を決定する。当該外部パラメータ[R|T]は、具体的には、遠赤外カメラ102の可視光カメラ202に対する相対的な姿勢及び位置を示すパラメータである。
このように、第1の応用例に係る画像処理装置2は、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションを実行する。また、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930が可視光域において互いに異なる分光反射特性を有することによって、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションを同一のチャート9を用いて行うことができる。それにより、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションをより容易に行うことができる。
可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150は、決定した可視光カメラ202及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へそれぞれ出力する。可視光カメラ202及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報が入力される外部の装置は、当該情報に基づいて、各種画像処理を行う。例えば、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる可視光画像及び遠赤外画像の各々におけるカメラ歪を低減する処理を行うことができる。また、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる可視光画像及び遠赤外画像を平行化する処理であるレクティフィケーション処理を行うことができる。また、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる可視光画像及び遠赤外画像に映る同一の対象物の縮尺を略一致させる処理を行うことができる。なお、可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150は、決定した可視光カメラ202及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を可視光記憶部260及び遠赤外記憶部160へそれぞれ記憶させてもよい。
以上説明したように、第1の応用例に係る画像処理装置2によれば、可視光特定部240は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置を特定する。それにより、チャート9を映した可視光画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、可視光画像における各マーカの位置を特定することができる。ゆえに、端部にマーカが映る可視光画像についても、当該可視光画像における各マーカの位置を特定することができる。よって、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションに用いられる情報を十分に確保することができる。従って、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションの精度を向上させることができる。
また、第1の応用例に係る画像処理装置2は、上述したように、遠赤外特定部140によって特定された複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び可視光特定部240によって特定された複数の第2マーカ920の各々の可視光画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102及び可視光カメラ202のキャリブレーションを実行する。それにより、遠赤外カメラ102と可視光カメラ202との間でのキャリブレーションとして精度良いキャリブレーションを実行することが実現される。
続いて、図20及び図21を参照して、第1の応用例に係る画像処理装置2が行う処理の流れについて説明する。
図20は、第1の応用例に係る画像処理装置2が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の応用例に係る処理の流れでは、図16及び図17を参照して説明した画像処理装置1が行う処理の流れと比較して、遠赤外特定部140が行う位置特定処理(ステップS550)以降の処理が異なる。なお、第1の応用例では、ステップS550の処理において、遠赤外特定部140は、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150及び可視光キャリブレーション部250へ出力する。
図20に示したように、第1の応用例では、遠赤外特定部140が行う位置特定処理(ステップS550)の後、可視光取得部220は、チャート9を映した可視光画像を取得し(ステップS601)、取得した可視光画像を可視光抽出部230及び可視光特定部240へ出力する。そして、第3抽出部231は、取得された可視光画像から複数の第1マーカ910を抽出し(ステップS603)、抽出結果を可視光特定部240へ出力する。そして、第4抽出部233は、取得された可視光画像から第2マーカ候補を抽出し(ステップS605)、抽出結果を可視光特定部240へ出力する。
次に、可視光特定部240は、各マーカの可視光画像における位置を特定し(ステップS650)、特定した各マーカの可視光画像における位置を示す情報を可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの可視光画像における位置に基づいて、遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行し(ステップS607)、決定した遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。そして、可視光キャリブレーション部250は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの可視光画像における位置に基づいて、可視光画像を撮像する可視光カメラ202のキャリブレーションを実行し(ステップS609)、決定した可視光カメラ202のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。そして、図20に示した処理は終了する。
図21は、第1の応用例に係る画像処理装置2が行う位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。当該位置特定処理は、図20に示したフローチャートにおけるステップS650の処理に相当する。
図21に示したように、ステップS650において、まず、第2生成部241は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、可視光画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成し(ステップS651)、生成した候補情報を第2推定部243へ出力する。そして、第2推定部243は、生成された候補情報に基づいて、第4抽出部233により抽出された第2マーカ候補と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定し(ステップS653)、推定した当該対応関係を示す情報を第2中心特定部245へ出力する。そして、第2中心特定部245は、第1マーカ910及び第2マーカ候補の中心位置を、各マーカの可視光画像における位置として特定し(ステップS655)、特定した各マーカの可視光画像における位置を示す情報を可視光キャリブレーション部250及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、図21に示した処理は終了する。
[4−2.第2の応用例]
続いて、図22〜図25を参照して、第2の応用例に係る画像処理装置3について説明する。第2の応用例では、図2〜図17を参照して説明した実施形態と比較して、主に画像処理装置3の構成が異なる。ゆえに、以下では、第2の応用例に係る画像処理装置3について、主に説明する。
図22は、第2の応用例に係る画像処理装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図22に示したように、第2の応用例に係る画像処理装置3は、上述した画像処理装置1と異なり、近赤外カメラ302をさらに備える。
近赤外カメラ302は、近赤外線を利用した撮像を行い、近赤外画像を得る撮像モジュールである。近赤外カメラ302は、具体的には、NIR領域に属する波長を有する近赤外線を感知する撮像素子の配列を有する。また、近赤外カメラ302は、NIR領域に属する波長を有する近赤外線を装置の近傍に照射する発光素子をも有する。例えば、近赤外カメラ302は、ユーザ入力などのトリガに応じて又は周期的に発光素子から近赤外線を照射し、被写体又はその背景において反射した近赤外線を捕捉することにより、近赤外画像を得る。近赤外カメラ302は、例えば、一定の時間間隔で近赤外画像を撮像する。また、近赤外カメラ302により得られる一連の近赤外画像は、映像を構成してもよい。
チャート9では、上述したように、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930は、近赤外域において互いに異なる分光反射特性を有し得る。例えば、第1マーカ910は第1特性を有し、第2マーカ920は第2特性を有しベース930は第3特性を有する。それにより、近赤外カメラ302による撮像によって得られるチャート9を映した近赤外画像において第1マーカ910及び第2マーカ920が映るそれぞれの領域を、他の領域と区別して抽出することができる。
図23は、図22に示した画像処理装置3の構成要素が互いに連係することにより実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図23に示したように、第2の応用例に係る画像処理装置3は、上述した画像処理装置1と異なり近赤外取得部320と、近赤外抽出部330と、近赤外特定部340と、近赤外キャリブレーション部350と、近赤外記憶部360と、をさらに備える。
近赤外記憶部360は、画像処理装置3が行う各処理において参照されるデータを記憶する。具体的には、近赤外記憶部360は、近赤外取得部320、近赤外抽出部330、近赤外特定部340、及び近赤外キャリブレーション部350の各機能部が行う各処理において用いられる情報を記憶する。また、近赤外記憶部360は、当該各機能部が行う各処理によって得られる処理結果を記憶してもよい。各機能部は、近赤外記憶部360から各処理についての処理結果を取得し得る。また、近赤外記憶部360は、近赤外カメラ302によって撮像された近赤外画像を記憶してもよい。各機能部は、近赤外記憶部360から近赤外カメラ302によって撮像された近赤外画像を取得し得る。
近赤外取得部320は、近赤外画像を取得する。具体的には、近赤外取得部320は、近赤外カメラ302により撮像されチャート9を映した近赤外画像を取得する。また、近赤外取得部320は、取得した近赤外画像を近赤外抽出部330及び近赤外特定部340へ出力する。例えば、近赤外取得部320は、近赤外カメラ302から直接的に近赤外画像を取得してもよい。また、近赤外取得部320は、近赤外カメラ302そのものであってもよい。また、近赤外取得部320は、近赤外記憶部360に記憶されている近赤外画像を取得してもよい。近赤外取得部320により取得される近赤外画像は、信号の増幅及びノイズ除去などの予備的な処理を経た画像であってもよい。
近赤外抽出部330は、近赤外取得部320により取得された近赤外画像から特定の物体が映る領域を、他の領域と区別して抽出する。また、近赤外抽出部330は、抽出結果を近赤外特定部340へ出力する。近赤外抽出部330は、例えば、図23に示したように、第5抽出部331と、第6抽出部333と、を含む。
第5抽出部331は、近赤外画像から複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第5抽出部331は、近赤外取得部320により取得された近赤外画像から複数の第1マーカ910を抽出し、抽出結果を近赤外特定部340へ出力する。第5抽出部331は、例えば、近赤外画像に対して2値化処理を施すことによって、複数の第1マーカ910を抽出する。具体的には、第5抽出部331は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の分光反射特性の関係性に基づいて、近赤外画像において第1特性と対応する画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当て、他の画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。それにより、各第1マーカ910が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、複数の第1マーカ910の抽出が実現され得る。
第6抽出部333は、近赤外画像から複数の第2マーカ920の各々の候補である第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第6抽出部333は、近赤外取得部320により取得された近赤外画像から第2マーカ候補を抽出し、抽出結果を近赤外特定部340へ出力する。第6抽出部333は、例えば、近赤外画像に対して2値化処理を施すことによって、第2マーカ候補を抽出する。具体的には、第6抽出部333は、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930の分光反射特性の関係性に基づいて、近赤外画像において第1特性又は第2特性と対応する画素値を有する画素に対して比較的高い値の第2画素値を割り当て、他の画素に対して比較的低い値の第1画素値を割り当てる。それにより、近赤外画像において少なくとも第2マーカ920が映る領域に第2画素値が割り当てられることによって、第2マーカ候補の抽出が実現され得る。
近赤外特定部340は、各マーカの近赤外画像における位置を特定する。また、近赤外特定部340は、特定した各マーカの近赤外画像における位置を示す情報を近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。第2の応用例では、近赤外特定部340は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置を特定する。近赤外特定部340は、例えば、図23に示したように、第3生成部341と、第3推定部343と、第3中心特定部345と、を含む。
第3生成部341は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、近赤外画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成する。また、第3生成部341は、生成した候補情報を第3推定部343へ出力する。第3生成部341は、例えば、実空間において第2マーカ920を通る直線と対応する近赤外画像における直線を、候補情報として生成してもよい。
第3推定部343は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第6抽出部333により抽出された第2マーカ候補と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定する。換言すると、第3推定部343は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2マーカ候補がいずれの第2マーカ920であるかを推定する。また、第3推定部343は、推定した当該対応関係を示す情報を第3中心特定部345へ出力する。第3推定部343は、具体的には、第3生成部341により生成された候補情報に基づいて、当該対応関係を推定する。
このように、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、上記対応関係を推定することによって、上記対応関係を精度良く推定することができる。それにより、複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置を精度良く特定することができる。
第3中心特定部345は、第6抽出部333により抽出された第2マーカ候補の中心位置を、第3推定部343により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の近赤外画像における位置として特定する。また、第3中心特定部345は、第5抽出部331によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の近赤外画像における位置として特定する。第3中心特定部345は、特定した各マーカの近赤外画像における位置を示す情報を近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。第3中心特定部345は、例えば、楕円フィッティング等の画像処理を利用することによって、第1マーカ910及び第2マーカ候補の中心位置を特定し得る。
このように、第2マーカ候補の中心位置を、第3推定部343により推定された対応関係によって対応付けられる第2マーカ920の近赤外画像における位置として特定することによって、複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置をより精度良く特定することができる。また、第5抽出部331によって抽出された第1マーカ910の中心位置を、第1マーカ910の近赤外画像における位置として特定することによって、複数の第1マーカ910の各々の近赤外画像における位置をより精度良く特定することができる。
第2の応用例では、遠赤外特定部140は、各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を近赤外キャリブレーション部350に対しても出力する。具体的には、第1中心特定部145は、各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150及び近赤外キャリブレーション部350へ出力する。
近赤外キャリブレーション部350は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの近赤外画像における位置に基づいて、近赤外画像を撮像する近赤外カメラ302のキャリブレーションを実行する。具体的には、近赤外キャリブレーション部350は、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置に基づいて、近赤外カメラ302のキャリブレーションを実行する。より具体的には、近赤外キャリブレーション部350は、複数の第1マーカ910の各々及び複数の第2マーカ920の各々の双方の遠赤外画像及び近赤外画像における位置に基づいて、近赤外カメラ302のキャリブレーションを実行してもよい。
近赤外キャリブレーション部350は、上述したように、遠赤外画像及び近赤外画像の各々における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入し、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、近赤外カメラ302のカメラパラメータを決定する。具体的には、近赤外キャリブレーション部350は、各マーカの遠赤外画像及び近赤外画像の各々における位置に基づいて、近赤外カメラ302の内部パラメータA及び外部パラメータ[R|T]を決定する。当該外部パラメータ[R|T]は、具体的には、近赤外カメラ302の遠赤外カメラ102に対する相対的な姿勢及び位置を示すパラメータである。
また、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの近赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行する。より具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、複数の第1マーカ910の各々及び複数の第2マーカ920の各々の双方の遠赤外画像及び近赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行してもよい。
遠赤外キャリブレーション部150は、上述したように、遠赤外画像及び近赤外画像の各々における各マーカの位置を式(1)中の二次元座標(x,y)に代入し、得られた複数の方程式を最適化問題として解くことによって、遠赤外カメラ102のカメラパラメータを決定する。具体的には、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像及び近赤外画像の各々における位置に基づいて、遠赤外カメラ102の内部パラメータA及び外部パラメータ[R|T]を決定する。当該外部パラメータ[R|T]は、具体的には、遠赤外カメラ102の近赤外カメラ302に対する相対的な姿勢及び位置を示すパラメータである。
このように、第2の応用例に係る画像処理装置3は、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションを実行する。また、第1マーカ910、第2マーカ920、及びベース930が近赤外域において互いに異なる分光反射特性を有することによって、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションを同一のチャート9を用いて行うことができる。それにより、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションをより容易に行うことができる。
近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150は、決定した近赤外カメラ302及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へそれぞれ出力する。近赤外カメラ302及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報が入力される外部の装置は、当該情報に基づいて、各種画像処理を行う。例えば、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる近赤外画像及び遠赤外画像の各々におけるカメラ歪を低減する処理を行うことができる。また、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる近赤外画像及び遠赤外画像を平行化する処理であるレクティフィケーション処理を行うことができる。また、当該外部の装置は、当該情報に基づいて、得られる近赤外画像及び遠赤外画像に映る同一の対象物の縮尺を略一致させる処理を行うことができる。なお、近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150は、決定した近赤外カメラ302及び遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を近赤外記憶部360及び遠赤外記憶部160へそれぞれ記憶させてもよい。
以上説明したように、第2の応用例に係る画像処理装置3によれば、近赤外特定部340は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置を特定する。それにより、チャート9を映した近赤外画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、近赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。ゆえに、端部にマーカが映る近赤外画像についても、当該近赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。よって、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションに用いられる情報を十分に確保することができる。従って、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションの精度を向上させることができる。
また、第2の応用例に係る画像処理装置3は、上述したように、遠赤外特定部140によって特定された複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置及び近赤外特定部340によって特定された複数の第2マーカ920の各々の近赤外画像における位置に基づいて、遠赤外カメラ102及び近赤外カメラ302のキャリブレーションを実行する。それにより、遠赤外カメラ102と近赤外カメラ302との間でのキャリブレーションとして精度良いキャリブレーションを実行することが実現される。
続いて、図24及び図25を参照して、第2の応用例に係る画像処理装置3が行う処理の流れについて説明する。
図24は、第2の応用例に係る画像処理装置3が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の応用例に係る処理の流れでは、図16及び図17を参照して説明した画像処理装置1が行う処理の流れと比較して、遠赤外特定部140が行う位置特定処理(ステップS550)以降の処理が異なる。なお、第2の応用例では、ステップS550の処理において、遠赤外特定部140は、特定した各マーカの遠赤外画像における位置を示す情報を遠赤外キャリブレーション部150及び近赤外キャリブレーション部350へ出力する。
図24に示したように、第2の応用例では、遠赤外特定部140が行う位置特定処理(ステップS550)の後、近赤外取得部320は、チャート9を映した近赤外画像を取得し(ステップS701)、取得した近赤外画像を近赤外抽出部330及び近赤外特定部340へ出力する。そして、第5抽出部331は、取得された近赤外画像から複数の第1マーカ910を抽出し(ステップS703)、抽出結果を近赤外特定部340へ出力する。そして、第6抽出部333は、取得された近赤外画像から第2マーカ候補を抽出し(ステップS705)、抽出結果を近赤外特定部340へ出力する。
次に、近赤外特定部340は、各マーカの近赤外画像における位置を特定し(ステップS750)、特定した各マーカの近赤外画像における位置を示す情報を近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、遠赤外キャリブレーション部150は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの近赤外画像における位置に基づいて、遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラ102のキャリブレーションを実行し(ステップS707)、決定した遠赤外カメラ102のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。そして、近赤外キャリブレーション部350は、各マーカの遠赤外画像における位置及び各マーカの近赤外画像における位置に基づいて、近赤外画像を撮像する近赤外カメラ302のキャリブレーションを実行し(ステップS709)、決定した近赤外カメラ302のカメラパラメータを示す情報を外部の装置へ出力する。そして、図24に示した処理は終了する。
図25は、第2の応用例に係る画像処理装置3が行う位置特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。当該位置特定処理は、図24に示したフローチャートにおけるステップS750の処理に相当する。
図25に示したように、ステップS750において、まず、第3生成部341は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、近赤外画像において第2マーカ920の位置の候補を示す情報である候補情報を生成し(ステップS751)、生成した候補情報を第3推定部343へ出力する。そして、第3推定部343は、生成された候補情報に基づいて、第6抽出部333により抽出された第2マーカ候補と複数の第2マーカ920の各々との対応関係を推定し(ステップS753)、推定した当該対応関係を示す情報を第3中心特定部345へ出力する。そして、第3中心特定部345は、第1マーカ910及び第2マーカ候補の中心位置を、各マーカの近赤外画像における位置として特定し(ステップS755)、特定した各マーカの近赤外画像における位置を示す情報を近赤外キャリブレーション部350及び遠赤外キャリブレーション部150へ出力する。そして、図25に示した処理は終了する。
<5.まとめ>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、遠赤外特定部140は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を特定する。それにより、チャート9を映した遠赤外画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。ゆえに、端部にマーカが映る遠赤外画像についても、当該遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができる。よって、遠赤外カメラ102のキャリブレーションに用いられる情報を十分に確保することができる。従って、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係るチャート9によれば、複数の第1マーカ910に対する複数の第2マーカ920の各々の実空間における相対的な位置は、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である。それにより、複数の第1マーカ910の各々の間の幾何学的関係に基づいて、複数の第2マーカ920の各々の遠赤外画像における位置を特定することが可能となる。ゆえに、チャート9を映した遠赤外画像において第2マーカ920の一部が映っていない場合であっても、遠赤外画像における各マーカの位置を特定することができるので、遠赤外カメラ102のキャリブレーションの精度を向上させることができる。
なお、本明細書において説明した各装置による一連の制御処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non−transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。各プログラムを実行するプロセッサは、単数であっても複数であってもよい。
具体的には、上述のような本実施形態に係る画像処理装置1又は各応用例に係る画像処理装置2,3の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。本実施形態に係る画像処理装置1又は各応用例に係る画像処理装置2,3は、コンピュータに相当し得る。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、本実施形態に係る画像処理装置1又は各応用例に係る画像処理装置2,3の各機能は複数のコンピュータにより分割されてもよく、その場合、当該複数のコンピュータが有する各機能は、上記のコンピュータプログラムにより実現され得る。
また、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。例えば、図16に示したフローチャートについて、ステップS505の処理はステップS503の処理より前に実行されてもよく、ステップS503の処理と並列的に実行されてもよい。また、図20に示したフローチャートについて、ステップS605(S609)の処理はステップS603(S607)の処理より前に実行されてもよく、ステップS603(S607)の処理と並列的に実行されてもよい。また、図24に示したフローチャートについて、ステップS705(S709)の処理はステップS703(S707)の処理より前に実行されてもよく、ステップS703(S707)の処理と並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲は係る例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、
前記遠赤外画像から第1温度を有する複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、
前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2温度を有する複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、
を備える、
画像処理装置。
(2)
前記遠赤外画像から前記複数の第2マーカの各々の候補である第2マーカ候補を抽出する第2抽出部を備え、
前記遠赤外特定部は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記第2抽出部により抽出された前記第2マーカ候補と前記複数の第2マーカの各々との対応関係を推定する推定部を含む、
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記遠赤外特定部は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記遠赤外画像において前記第2マーカの位置の候補を示す情報である候補情報を生成する生成部を含み、
前記推定部は、前記候補情報に基づいて、前記対応関係を推定する、
前記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記遠赤外特定部は、前記第2マーカ候補の中心位置を、前記推定部により推定された前記対応関係によって対応付けられる前記第2マーカの前記遠赤外画像における位置として特定する中心特定部を含む、前記(2)又は(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する遠赤外キャリブレーション部を備える、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(6)
前記遠赤外カメラを備える、前記(5)に記載の画像処理装置。
(7)
可視光画像を取得する可視光取得部と、
前記可視光画像から前記複数の第1マーカを抽出する第3抽出部と、
前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置を特定する可視光特定部と、
を備える、前記(5)又は(6)に記載の画像処理装置。
(8)
前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置に基づいて、前記可視光画像を撮像する可視光カメラのキャリブレーションを実行する可視光キャリブレーション部を備え、
前記遠赤外キャリブレーション部は、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する、
前記(7)に記載の画像処理装置。
(9)
前記可視光カメラを備える、前記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
近赤外画像を取得する近赤外取得部と、
前記近赤外画像から前記複数の第1マーカを抽出する第5抽出部と、
前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置を特定する近赤外特定部と、
を備える、前記(5)又は(6)に記載の画像処理装置。
(11)
前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置に基づいて、前記近赤外画像を撮像する近赤外カメラのキャリブレーションを実行する近赤外キャリブレーション部を備え、
前記遠赤外キャリブレーション部は、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する、
前記(10)に記載の画像処理装置。
(12)
前記近赤外カメラを備える、前記(11)に記載の画像処理装置。
(13)
第1温度を有する複数の第1マーカと、
第2温度を有する複数の第2マーカと、
第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、
を備え、
前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である、
キャリブレーション用チャート。
(14)
前記ベースにおいて、前記複数の第1マーカは3個以上配設される、前記(13)に記載のキャリブレーション用チャート。
(15)
前記複数の第1マーカ、前記複数の第2マーカ、及び前記ベースは、可視光域において互いに異なる分光反射特性を有する、前記(13)又は(14)に記載のキャリブレーション用チャート。
(16)
前記複数の第1マーカ、前記複数の第2マーカ、及び前記ベースは、近赤外域において互いに異なる分光反射特性を有する、前記(13)〜(15)のいずれか一項に記載のキャリブレーション用チャート。
(17)
第1温度を有する複数の第1マーカと、第2温度を有する複数の第2マーカと、第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、を備えるキャリブレーション用チャートと、
前記キャリブレーション用チャートを映した遠赤外画像を用いて、前記遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する画像処理装置と、
を含み、
前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能であり、
前記画像処理装置は、
前記遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、
前記遠赤外画像から前記複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、
前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、
前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する遠赤外キャリブレーション部と、
を備える、
キャリブレーションシステム。
1,2,3 画像処理装置
9 チャート
10 キャリブレーションシステム
102 遠赤外カメラ
104 入力インタフェース
106 メモリ
108 ディスプレイ
110 通信インタフェース
112 ストレージ
114 プロセッサ
116 バス
120 遠赤外取得部
130 遠赤外抽出部
131 第1抽出部
133 第2抽出部
140 遠赤外特定部
141 第1生成部
143 第1推定部
145 第1中心特定部
150 遠赤外キャリブレーション部
160 遠赤外記憶部
202 可視光カメラ
220 可視光取得部
230 可視光抽出部
231 第3抽出部
233 第4抽出部
240 可視光特定部
241 第2生成部
243 第2推定部
245 第2中心特定部
250 可視光キャリブレーション部
260 可視光記憶部
302 近赤外カメラ
320 近赤外取得部
330 近赤外抽出部
331 第5抽出部
333 第6抽出部
340 近赤外特定部
341 第3生成部
343 第3推定部
345 第3中心特定部
350 近赤外キャリブレーション部
360 近赤外記憶部
820 第2マーカ候補
910 第1マーカ
920 第2マーカ
930 ベース
941 第1抵抗体
942 第2抵抗体
950 バッテリ

Claims (17)

  1. 遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、
    前記遠赤外画像から第1温度を有する複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、
    前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、第2温度を有する複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、
    を備える、
    画像処理装置。
  2. 前記遠赤外画像から前記複数の第2マーカの各々の候補である第2マーカ候補を抽出する第2抽出部を備え、
    前記遠赤外特定部は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記第2抽出部により抽出された前記第2マーカ候補と前記複数の第2マーカの各々との対応関係を推定する推定部を含む、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記遠赤外特定部は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記遠赤外画像において前記第2マーカの位置の候補を示す情報である候補情報を生成する生成部を含み、
    前記推定部は、前記候補情報に基づいて、前記対応関係を推定する、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記遠赤外特定部は、前記第2マーカ候補の中心位置を、前記推定部により推定された前記対応関係によって対応付けられる前記第2マーカの前記遠赤外画像における位置として特定する中心特定部を含む、請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する遠赤外キャリブレーション部を備える、請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記遠赤外カメラを備える、請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 可視光画像を取得する可視光取得部と、
    前記可視光画像から前記複数の第1マーカを抽出する第3抽出部と、
    前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置を特定する可視光特定部と、
    を備える、請求項5に記載の画像処理装置。
  8. 前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置に基づいて、前記可視光画像を撮像する可視光カメラのキャリブレーションを実行する可視光キャリブレーション部を備え、
    前記遠赤外キャリブレーション部は、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記可視光画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する、
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記可視光カメラを備える、請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 近赤外画像を取得する近赤外取得部と、
    前記近赤外画像から前記複数の第1マーカを抽出する第5抽出部と、
    前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置を特定する近赤外特定部と、
    を備える、請求項5に記載の画像処理装置。
  11. 前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置に基づいて、前記近赤外画像を撮像する近赤外カメラのキャリブレーションを実行する近赤外キャリブレーション部を備え、
    前記遠赤外キャリブレーション部は、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置及び前記複数の第2マーカの各々の前記近赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する、
    請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記近赤外カメラを備える、請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 第1温度を有する複数の第1マーカと、
    第2温度を有する複数の第2マーカと、
    第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、
    を備え、
    前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能である、
    キャリブレーション用チャート。
  14. 前記ベースにおいて、前記複数の第1マーカは3個以上配設される、請求項13に記載のキャリブレーション用チャート。
  15. 前記複数の第1マーカ、前記複数の第2マーカ、及び前記ベースは、可視光域において互いに異なる分光反射特性を有する、請求項13に記載のキャリブレーション用チャート。
  16. 前記複数の第1マーカ、前記複数の第2マーカ、及び前記ベースは、近赤外域において互いに異なる分光反射特性を有する、請求項13に記載のキャリブレーション用チャート。
  17. 第1温度を有する複数の第1マーカと、第2温度を有する複数の第2マーカと、第3温度を有し、前記複数の第1マーカ及び前記複数の第2マーカが配設されるベースと、を備えるキャリブレーション用チャートと、
    前記キャリブレーション用チャートを映した遠赤外画像を用いて、前記遠赤外画像を撮像する遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する画像処理装置と、
    を含み、
    前記複数の第1マーカに対する前記複数の第2マーカの各々の実空間における相対的な位置は、前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて決定可能であり、
    前記画像処理装置は、
    前記遠赤外画像を取得する遠赤外取得部と、
    前記遠赤外画像から前記複数の第1マーカを抽出する第1抽出部と、
    前記複数の第1マーカの各々の間の幾何学的関係に基づいて、前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置を特定する遠赤外特定部と、
    前記複数の第2マーカの各々の前記遠赤外画像における位置に基づいて、前記遠赤外カメラのキャリブレーションを実行する遠赤外キャリブレーション部と、
    を備える、
    キャリブレーションシステム。
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