JPWO2018070316A1 - 摩擦撹拌接合方法および装置 - Google Patents

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Abstract

接合方向へ移動する回転ツールの前方に設けた加熱手段により、被加工材となる鋼板を加熱する予熱処理プロセスを行い、当該予熱処理プロセスにおける加熱領域の表面温度や面積、位置などを厳密に制御する摩擦撹拌接合方法を提供する。構造用鋼の摩擦撹拌接合に際し、鋼板との動摩擦係数が0.6以下となる素材を有する回転ツールを用い、回転ツールの前方に設けた加熱手段により加熱される加熱領域の面積の65%以上が、鋼板の表面における回転ツールの回転軸を通り接合方向に平行な直線である接合中央線と、接合中央線に平行であってリトリーティングサイドへ回転ツールのピン部の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線と、の間に位置する。

Description

本発明は、回転ツールを被加工材間の未接合部に挿入し回転させながら移動させ、この回転ツールとの摩擦熱による被加工材の軟化と、その軟化部を回転ツールが撹拌することにより生じる塑性流動と、を利用して、溶加材を添加することなく接合を行う摩擦撹拌接合方法および当該摩擦撹拌接合方法を実現する装置に関する。
摩擦溶接法として、特許文献1には、一対の金属材料の両方または片方を回転することにより、金属材料に摩擦熱を生じさせて軟化させながら、その軟化した部位を撹拌して塑性流動を起こすことによって、金属材料を接合する技術が開示されている。
しかしながら、この技術は、接合対象とする金属材料を回転させるものであるから、接合する金属材料の形状や寸法に限界がある。
特許文献2には、被加工材よりも実質的に硬い材質からなるツールを被加工材の未接合部に挿入し、このツールを回転させながら移動させることにより、ツールと被加工材との間に生じる熱と塑性流動によって、被加工材を長手方向に連続的に接合する方法が開示されている。
特許文献1に記載された摩擦溶接法は、被加工材同士を回転させ、被加工材同士の摩擦熱によって溶接する方法である。特許文献2に開示された摩擦撹拌接合法は、接合部材を固定した状態で、ツールを回転させながら移動することにより接合する方法である。このように、摩擦撹拌接合法ではツールを移動させて接合するので溶接方向に対して実質的に無限に長い部材であっても、その長手方向に連続的に固相接合できる利点がある。また、ツールと接合部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合であるので、接合部を溶融することなく接合できる。さらに、加熱温度が低いので接合後の変形が少なく、接合部は溶融されないので欠陥が少なく、加えて溶加材を必要としないなど多くの利点がある。
摩擦撹拌接合法は、アルミニウム合金やマグネシウム合金に代表される低融点金属材料の接合法として、航空機、船舶、鉄道車輌および自動車等の分野で利用が広がってきている。この理由としては、これらの低融点金属材料は、従来のアーク溶接法では接合部の満足な特性を得ることが難しく、摩擦撹拌接合法を適用することにより生産性が向上すると共に、品質の高い接合部を得ることができるからである。
一方、建築物や船舶、重機、パイプライン、自動車といった構造物の素材として主に適用されている構造用鋼に対する摩擦撹拌接合法の適用は、従来の溶融溶接で課題となる凝固割れや水素割れを回避できるとともに、鋼材の組織変化をも抑制できるので、継手性能に優れることが期待できる。また、摩擦撹拌接合法では、回転ツールにより接合界面を撹拌することで清浄面を創出して清浄面同士を接触させるので、拡散接合のような前準備工程は不要であるという利点も期待できる。このように、構造用鋼に対する摩擦撹拌接合法の適用は、多くの利点が期待される。しかし、接合時における欠陥発生の抑制や接合速度の高速度化といった接合施工性に問題があることから、低融点金属材料と比較して構造用鋼では摩擦撹拌接合法の普及が進んでいない。
構造用鋼の摩擦撹拌接合においては、特許文献3および特許文献4に記載されているように、回転ツールとして多結晶硼素窒化物(PCBN)や窒化珪素(Si)などの高耐磨耗性材料を用いている。これらのセラミックスは脆いので、回転ツールの破損を防止するために、接合する鋼板の板厚やその施工条件が著しく制限される。
特許文献5および特許文献6には、接合施工性の向上を目的として、加熱手段を付加した接合方法が開示されている。
例えば、特許文献5には、誘導加熱装置を用いた加熱手段を有し、接合前後に被加工材の加熱を行うことで、接合速度の高速度化や接合部の割れの解消を図った摩擦撹拌接合法が開示されている。
特許文献6には、レーザ装置を用いた加熱手段を有し、接合直前に被加工材を部分的に加熱することで、予熱による加熱領域周辺のミクロ組織変化を抑制しつつ接合速度の高速度化を図った摩擦撹拌接合装置が開示されている。
しかしながら、特許文献5および特許文献6の技術では、接合前の加熱による被加工材の加熱領域の表面温度や深さ等について考慮されておらず、そのため、十分な接合施工性が得られない。さらに、過剰加熱により加熱領域周辺のミクロ組織が変化し、接合継手特性、特に、接合継手強度に悪影響を及ぼす場合があった。
特許文献7には、接合直前に被加工材を部分的に加熱することに関して、加熱領域の位置、表面温度や深さ等について限定されており、十分な強度を得るとともに、接合施工性を向上させた摩擦撹拌接合方法が開示されている。しかしながら、被加工材の部分的な加熱の位置と、回転ツールの素材もしくは回転ツールの表面に被覆した素材と被接合材の間の動摩擦係数に支配される摩擦発熱との関係が接合施工性に及ぼす影響については何ら考慮されていない。
特開昭62−183979号公報 特表平7−505090号公報 特表2003−532542号公報 特表2003−532543号公報 特開2003−94175号公報 特開2005−288474号公報 国際公開第2015/045299号
本発明は、上記現状を鑑みてなされたもので、摩擦撹拌接合に際し、被加工材の加熱不足による塑性流動不良を解消して、十分な強度とともに、接合施工性の向上を図ることを目的とする。特に、被加工材の部分的な加熱の位置と、回転ツールの素材もしくは回転ツールの表面に被覆した素材と被接合材の間の動摩擦係数による摩擦発熱との関係が接合施工性に及ぼす影響を考慮し、予熱処理プロセス条件を厳密に精査した摩擦撹拌接合方法と当該摩擦撹拌接合方法を実現する装置を提供することを課題とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記知見を得た。
a)通常の摩擦撹拌接合では、接合のために必要な熱源が、回転ツールと被加工材との間で発生する摩擦熱のみである。そのため、構造用鋼を摩擦撹拌接合法により接合する場合には、被加工材である構造用鋼を軟化させるために必要な熱量を十分に確保できない。その結果、接合部において十分な塑性流動が得られず、接合速度の低下や接合欠陥の発生などの接合施工性の劣化が懸念される。
上記技術を工業化する上で非常に重要となる接合施工性の劣化を回避するには、摩擦撹拌接合前の予熱処理プロセスが有効であると考えられる。
b)しかしながら、摩擦撹拌接合前の予熱処理プロセスを行う際に、予熱熱量が過剰になると、加熱領域周辺のミクロ組織が変化する問題が生じる。特に、マルテンサイト組織により強化された高張力鋼板の場合は、加熱領域周辺が、フェライト−オーステナイト変態温度以下での加熱であっても、マルテンサイトが焼き戻されることで軟化が生じ、接合継手強度を著しく低下させる。
そこで、発明者らは、摩擦撹拌接合前の予熱処理プロセス条件について種々検討した。
その結果、
c)レーザなどのエネルギー密度の高い熱源を用いることで、予熱処理プロセスでの加熱領域の表面温度、面積、位置を厳密に制御し、また必要に応じて加熱領域の厚さ方向における温度についても適正に制御する。それにより、接合継手強度等の接合継手特性の劣化を招くことなく、接合施工性を向上できるとの知見を得た。
d)特に、上記の被加工材の部分的な加熱の位置に関しては、回転ツールの素材もしくは回転ツールの表面に被覆した素材と被接合材の間の動摩擦係数に支配される摩擦発熱との関係により、接合施工性を向上する効果が生じる領域が変化するとの知見を得た。
e)通常の摩擦撹拌接合では、接合完了後、接合部が自然放冷状態となるので、鋼材製造時の圧延プロセスで行われているような熱履歴管理によるミクロ組織制御を適用できないという問題があった。しかし、接合完了直後に、接合部に対し、加熱処理や冷却処理を組み合わせたプロセスを実施することで、接合継手特性をさらに向上できるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に立脚するものであり、特に、摩擦撹拌接合方法を構造用鋼の接合に適用した場合に懸念される、被加工材の加熱不足による塑性流動不良を解消して、十分な強度と共に、接合施工性の向上を図るものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]肩部と、該肩部に配され、該肩部と回転軸を共有するピン部と、を含み、前記肩部および前記ピン部が被加工材である鋼板よりも硬い材質からなる回転ツールを、鋼板間の未接合部に挿入して回転させながら接合方向に移動させ、前記回転ツールと前記鋼板との摩擦熱により前記鋼板を軟化させつつ、その軟化した部位を前記回転ツールで撹拌することにより塑性流動を生じさせて鋼板同士を接合する摩擦撹拌接合方法であって、前記回転ツールの素材、もしくは前記回転ツールの表面に被覆された素材と前記鋼板との動摩擦係数がは0.6以下であり、前記回転ツールの接合方向前方に設けられた加熱手段により加熱された前記鋼板の表面の温度T(℃)が下記式(1)を満足する領域を加熱領域としたとき、前記加熱領域と前記回転ツールとの最小距離は、前記回転ツールの肩部の直径以下であり、前記加熱領域の面積は、前記回転ツールのピン部の最大径部の面積以下であり、前記加熱領域の面積の65%以上は、前記鋼板の表面における前記回転ツールの回転軸を通り接合方向に平行な直線である接合中央線と、該接合中央線に平行で、かつリトリーティングサイドへ前記回転ツールのピン部の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線と、の間に位置する摩擦撹拌接合方法。
≧0.8×TA1・・・(1)
A1は、下記式(2)で示される温度である。
A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
上記[%M]は、被加工材である鋼板におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
[2]前記加熱領域の厚さ方向の温度T(℃)が下記式(3)を満足する領域における前記鋼板の表面からの最大深さを加熱領域の深さDとしたとき、前記加熱領域の深さDは、前記鋼板の厚さの30%以上である請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
≧0.8×TA1・・・(3)
[3]前記加熱手段は、レーザ加熱装置である[1]または[2]に記載の摩擦撹拌接合方法。
[4]前記回転ツールの接合方向後方には後方加熱手段が設けられており、該後方加熱手段は、前記鋼板の接合部を加熱する[1]から[3]のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合方法。
[5]前記後方加熱手段の接合方向後方には冷却手段が設けられており、該冷却手段は、前記後方加熱手段により加熱された前記接合部を冷却する[4]に記載の摩擦撹拌接合方法。
[6]前記回転ツールの接合方向後方には冷却手段が設けられており、該冷却手段は、前記鋼板の接合部を冷却する[1]から[3]のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合方法。
[7]前記冷却手段の接合方向後方には後方加熱手段が設けられており、該後方加熱手段は、前記冷却手段により冷却された前記接合部を加熱する[6]に記載の摩擦撹拌接合方法。
[8]被加工材である鋼板間の未接合部を接合する摩擦撹拌接合装置であって、肩部と、該肩部に配され、該肩部と回転軸を共有するピン部と、を含み、前記肩部および前記ピン部は、前記鋼板よりも硬い材質からなり、前記鋼板間の未接合部に挿入された状態で回転しながら接合方向に移動することで、摩擦熱により前記鋼板を軟化させつつ、その軟化した部位を撹拌することにより塑性流動を生じさせる回転ツールと、該回転ツールの接合方向前方に設けられ、前記鋼板を加熱する加熱手段と、下記状態1を実現するように前記回転ツール及び前記加熱手段を制御する制御手段と、を有し、前記回転ツールの素材、もしくは前記回転ツールの表面に被覆した素材と前記鋼板との動摩擦係数は0.6以下である摩擦撹拌接合装置。
(状態1)
前記加熱手段により加熱された前記鋼板の表面の温度T(℃)が下記式(1)を満足する領域を加熱領域としたとき、前記加熱領域と前記回転ツールとの最小距離は、前記回転ツールの肩部の直径以下であり、前記加熱領域の面積は、前記回転ツールのピン部の最大径部の面積以下であり、前記加熱領域の面積の65%以上は、前記鋼板の表面における前記回転ツールの回転軸を通り接合方向に平行な直線である接合中央線と、該接合中央線に平行で、かつリトリーティングサイドへ前記回転ツールのピン部の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線と、の間に位置する。
≧0.8×TA1・・・(1)
A1は、下記式(2)で示される温度である。
A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
上記[%M]は、被加工材である鋼板におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
[9]前記制御手段は、以下の状態2を実現するように前記回転ツール及び前記加熱手段を制御する[8]に記載の摩擦撹拌接合装置。
(状態2)
前記加熱領域の厚さ方向の温度T(℃)が下記式(3)を満足する領域における前記鋼板の表面からの最大深さを加熱領域の深さDとしたとき、前記加熱領域の深さDがは、前記鋼板の厚さの30%以上である。
≧0.8×TA1・・・(3)
[10]前記加熱手段は、レーザ加熱装置である[8]または[9]に記載の摩擦撹拌接合装置。
[11]前記鋼板の接合部を加熱する後方加熱手段をさらに有し、該後方加熱手段は、前記回転ツールの接合方向後方に設けられる[8]から[10]のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
[12]前記接合部を冷却する冷却手段をさらに有し、該冷却手段は、前記後方加熱手段の接合方向後方に設けられる[11]に記載の摩擦撹拌接合装置。
[13]前記鋼板の接合部を冷却する冷却手段をさらに有し、該冷却手段は、前記回転ツールの接合方向後方に設けられる[8]から[10]のいずれか1つに記載の摩擦撹拌接合装置。
[14]前記接合部を加熱する後方加熱手段をさらに有し、該後方加熱手段は、前記冷却手段の接合方向後方に設けられる[13]に記載の摩擦撹拌接合装置。
本発明によれば、被加工材の加熱不足による塑性流動不良を解消して、摩擦撹拌接合の接合施工性の向上を図ることができる。さらには、加熱領域周辺のミクロ組織の変化も抑制して、接合部において高い継手強度を得ることができる。
図1は、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法を説明する概略図である。 図2は、予熱プロセスにおける加熱領域、接合後に行ったプロセスにおける冷却領域および再加熱領域の一例を示す図(上面図およびA−A断面図)である。 図3は、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法で接合する鋼板の温度と引張強さの関係を示す図である。 図4は、回転ツールの断面寸法を示す図である。
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて具体的に説明する。図1は、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法および摩擦撹拌接合装置を説明する概略図である。本実施形態に係る破擦撹拌接合方法では、図1に示すように、回転ツールを、鋼板間の未接合部に挿入して回転させながら接合方向に移動させ、回転ツールと鋼板との摩擦熱により該鋼板を軟化させつつ、その軟化した部位を回転ツールで撹拌することにより塑性流動を生じさせて、鋼板同士を接合する。ここで、回転ツールは、肩部と、この肩部に配され、この肩部と回転軸を共有するピン部と、を含み、少なくとも肩部およびピン部は被加工材である鋼板よりも硬い材質により形成される。
図1中、符号1は回転ツールであり、2は回転軸であり、3は鋼板であり、4は接合部であり、5は加熱手段であり、6は冷却手段であり、7は後方加熱手段であり、8は回転ツールの肩部であり、9は回転ツールのピン部であり、15は制御手段である。αは回転ツールの傾斜角度を示す。「AS」は、アドバンシングサイドを示し、「RS」は、リトリーティングサイドを示す。ここで、アドバンシングサイドとは、ツール回転方向と接合方向が一致する側であり、リトリーティングサイドとは、ツール回転方向と接合方向が反対となる側であるとそれぞれ定義する。
本実施形態では、鋼板3を突き合わせただけで未だ接合されていない状態にある突き合わせ部分を「未接合部」と記載し、塑性流動により接合されて一体化された部分を「接合部」と記載する。
本実施形態の摩擦撹拌接合方法では、接合方向へ移動する回転ツール1の前方に設けた加熱手段5により鋼板3を加熱する予熱処理プロセスが重要である。以下、この予熱処理プロセスの条件を、図2を参照しながら説明する。
図2は、予熱プロセスにおける加熱領域、接合後に行ったプロセスにおける冷却領域および再加熱領域の一例を示す図(上面図およびA−A断面図)である。図2中、接合中央線10は、鋼板3の表面における回転ツール1の回転軸2を通り接合方向に平行な直線を示す。RS線11は、接合中央線10に平行で、かつリトリーティングサイドへ回転ツールのピン部9の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線であり、12は加熱領域であり、13は冷却領域であり、14は再加熱領域である。aは回転ツールの肩部8の直径を示し、bは回転ツールのピン部9の最大径を示し、Xは加熱領域12と回転ツール1との最小距離を示し、Dは加熱領域12の深さを示し、tは鋼板3の厚さを示す。
加熱領域における鋼板の表面温度T:T≧0.8×TA1
図3は、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法で接合する鋼板の温度と引張強さの関係を示す図である。本実施形態の摩擦撹拌接合方法で接合する鋼板3は、図3に示すように、通常、鋼の変態温度であるTA1の80%程度の温度では、常温時の強度の30%程度の強度となる。また、この温度より高くなると、銅板3の強度はさらに低下する。よって、鋼板3の表面温度Tが0.8×TA1℃以上を満足するように鋼板3を予め軟化させ、当該鋼板3を撹拌し、塑性流動を促進する。これにより、回転ツール1にかかる負荷が低減され、接合速度を高速度化できる。このため、本実施形態における摩擦撹拌接合方法では、鋼板3の表面温度Tが下記式(1)を満足する領域を加熱領域12とする。
≧0.8×TA1・・・(1)
鋼の変態温度TA1(℃)は、下記式(2)により求めることができる。
A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
上記[%M]は、被加工材である鋼板3におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
0.8×TA1℃超では温度の上昇と共に鋼板3の強度が低下する傾向があるので、加熱領域12における鋼板3の表面温度Tが上昇し過ぎないように調節することが好ましい。具体的に、厚さ方向へ加熱領域12を確保するには加熱領域12の表面に温度勾配(表面における温度のばらつき)が存在しても良いが、その場合、加熱領域12において鋼板3の最も高い表面温度は1.5×T℃以下であることが好ましい。さらに、加熱領域12における鋼板3の表面温度を、加熱領域12を通過する回転ツール1と接触するまでにT℃未満にすることが好ましい。これにより、接合部4の温度が過度に上昇することによる回転ツール1の損傷や、加熱領域12の周辺のミクロ組織の変質を避けることができる。TM(℃)は被加工材である鋼板3の融点である。
鋼板の表面における加熱領域と回転ツールとの最小距離X:回転ツールの肩部の直径以下
鋼板3の表面における加熱領域12と回転ツール1との最小距離Xが大きくなり過ぎると、接合前に加熱領域12における温度が低下し、予熱による効果が十分に得られない。このため、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法において、鋼板3の表面における加熱領域12と接合方向へ移動する回転ツール1との最小距離Xは、回転ツールの肩部8の直径以下である。
ただし、加熱領域12と回転ツール1との最小距離Xが小さくなり過ぎると、回転ツール1が加熱手段5による熱で損傷する恐れがあるので、鋼板3の表面における加熱領域12と接合方向へ移動する回転ツール1との最小距離Xは、回転ツールの肩部8の直径の0.1倍以上であることが好ましい。本実施形態における回転ツールの肩部8の直径は、例えば、8〜60mm程度である。予熱による効果を十分に得るために、回転ツール1の移動速度は、200mm/min以上3000mm/min以下であることが好ましい。
鋼板の表面における加熱領域の面積:回転ツールのピン部の最大径部の面積以下
加熱領域12が大きくなり過ぎると加熱領域12およびその周辺領域のミクロ組織が変化する。特に、マルテンサイト組織により強化された高張力鋼板の場合は、フェライト−オーステナイト変態温度以下での加熱であっても、マルテンサイトが焼き戻されることで軟化を生じ、接合継手強度を大幅に低下させる。このため、本実施形態に係る摩擦撹拌接合方法において、鋼板3の表面における加熱領域12の面積は、回転ツールのピン部9の最大径部の面積以下である。
一方、加熱領域12の面積が小さくなりすぎると、予熱による効果が十分に得られなくなる。よって、鋼板3の表面における加熱領域12の面積は、回転ツールのピン部9における最大径部の面積の0.1倍以上であることが好ましい。
本実施形態における回転ツールのピン部9の最大径は、例えば、2〜50mm程度である。回転ツールのピン部9の最大径は、1つのピン部を軸線方向と垂直な断面で切断した際の切断面で得られる直径のうち最大のものである。
図4は、回転ツールの断面寸法を示す図である。図4に示すように、回転ツールのピン部9の直径が軸線方向に沿って変わらない場合には、回転ツールのピン部9の上面の直径(図では4mm)を回転ツールのピン部9の最大径としてよい。回転ツールのピン部9がテーパ形状等を有し、軸線方向の位置によってピン径が異なる場合には、最も大きい直径を回転ツールのピン部9の最大径としてよい。図4の符号cは、プローブ長さを示し、プローブ長さとは、回転ツールのピン部9の先端部と、回転ツールの肩部8の最も高い位置との間の高さの差で算出される長さである。
加熱領域12の形状は、円形、楕円形、矩形など任意の形状であってよい。回転ツールのピン部9の最大径部の形状は、通常、円形又は楕円形である。
鋼板の表面において、接合中央線とRS線との間に位置する加熱領域の面積:鋼板の表面における加熱領域の面積の65%以上
鋼板3の摩擦撹拌接合において、塑性流動はアドバンシングサイドを始点として、回転ツール1の回転方向に沿って、接合方向前方、リトリーティングサイド、接合方向後方を通り、アドバンシングサイドが終点となる。アドバンシングサイドは、塑性流動の始点となるので、被加工材である鋼板3の加熱不足が生じ易い。このため、塑性流動が不十分で欠陥が発生する場合には、その殆どがアドバンシングサイドで発生する。従って、鋼板3の表面において、アドバンシングサイドを優先的に加熱し、鋼板を軟化させることで塑性流動を促進し、欠陥の発生を抑え、接合速度の高速度化を図ることができる。
しかしながら、回転ツール1の素材、もしくは回転ツール1の表面に被覆した素材と被接合材である鋼板3との動摩擦係数が0.6以下である場合は、回転ツール1と鋼板3との間に生じる摩擦熱、塑性流動が小さくなる。アドバンシングサイドは、回転ツール1の前方において塑性流動の始点となる部位であり回転ツール1と鋼板3との間の摩擦熱が大きく発生する領域である。しかしながら、高温状態では動摩擦係数は減少する傾向があるので、この部位を予熱により高温とすると、回転ツール1と鋼板3との動摩擦係数が小さい場合、十分な摩擦発熱が得られない。一方、リトリーティングサイドは、塑性流動の中間に位置するので、この位置での塑性流動が不十分となると、塑性流動の終点となるアドバンシングサイドでの欠陥の発生に大きな影響を及ぼす。特に回転ツール1と鋼板3との動摩擦係数が小さい場合には、十分な塑性流動が得られない。
従って、回転ツール1の素材、もしくは回転ツール1の表面に被覆した素材と鋼板3との動摩擦係数が0.6以下である場合には、鋼板3の表面において、加熱領域12の面積の65%以上を、接合中央線10と、接合中央線10に平行なRS線11との間に位置させ、リトリーティングサイドを優先的に加熱する。これにより、塑性流動の始点となるアドバンシングサイドでの摩擦発熱を確保しながら、塑性流動の中間となるリトリーティングサイドでの塑性流動を促進し、欠陥の発生を抑え、接合速度の高速化を図ることができる。接合中央線10とRS線11との間に位置する加熱領域12の面積の範囲は、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、100%であってもよい。
また、リトリーティングサイドを優先的に加熱するという観点からは、加熱領域12の中心を、接合中央線10とRS線11の中間点を通る直線と、RS線11との間に位置させる。換言すれば、加熱領域12の中心を接合中央線10よりもリトリーティングサイドに位置させ、さらに加熱領域12の中心から接合中央線10までの距離を、回転ツールのピン部9における最大半径の0.5倍以上1倍以下とすることが好ましい。
加熱領域の厚さ方向の領域における温度T:T≧0.8×TA1
前述したように、本実施形態の摩擦撹拌接合方法で接合する鋼板3は、鋼の変態温度であるTA1の80%程度の温度では、常温時の強度の30%程度の強度となる。また、この温度より高くなると、鋼板3の強度は、さらに低下する。よって、加熱領域12の厚さ方向の領域においても、温度を0.8×TA1℃以上として鋼板3を予め軟化させることが好ましい。これにより、回転ツール1にかかる負荷がさらに低減され、接合速度をさらに高速度化できる。従って、加熱領域12の厚さ方向の領域における温度Tが下記式(3)を満足する領域における鋼板3の表面からの深さを加熱領域12の深さDとした。
≧0.8×TA1・・・(3)
A1(℃)は下記式(2)により求めることができる。
A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
上記[%M]は、被加工材である鋼板3におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
ただし、0.8×TA1℃超では温度の上昇と共に鋼板3の強度は低下する傾向があるので、加熱領域12における鋼板3の温度が上昇し過ぎないように調節することが好ましい。具体的に、厚さ方向へ加熱領域12を確保するには加熱領域12の厚さ方向に温度勾配(厚さ方向に沿った温度のばらつき)が存在してもよいが、その場合、加熱領域12における鋼板3の厚さ方向の最も高い温度は1.5×T℃以下であることが好ましい。さらに、接合部4の温度が過度に上昇することによる回転ツール1の損傷や、加熱領域12の周辺のミクロ組織の変質を避けるために、加熱領域12における鋼板3の厚さ方向の温度を、加熱領域12を通過する回転ツール1と接触するまでにT℃未満とすることが好ましい。T(℃)は、被加工材である鋼板3の融点である。
加熱領域の深さD:鋼板の厚さtの30%以上
加熱領域12の深さDは、加熱領域12の厚さ方向の温度Tが0.8×TA1℃以上となる領域の鋼板3の表面からの最大深さで規定される。この加熱領域12の深さDは、鋼板3の厚さtの30%以上であることが好ましい。加熱領域12の深さDを鋼板3の厚さtの30%以上とすることで、塑性流動がさらに促進され、回転ツール1にかかる負荷低減および接合速度の高速度化に有利となる。加熱領域12の深さDは、鋼板3の厚さの50%以上であることがより好ましい。
しかしながら、加熱領域12の深さDが、鋼板3の厚さtの90%を超えると、加熱が過多となり、加熱領域12の周辺のミクロ組織の変化が懸念されるので、加熱領域12の深さDは、鋼板3の厚さtの90%以下であることが好ましい。
上述した条件を実現するために、本実施形態に係る摩擦撹拌接合装置は、制御手段15を備える。制御手段15は、回転ツール1及び加熱手段5の動作を制御する。制御手段15は、後方加熱手段7や冷却手段6等の動作を制御してもよい。
また、予熱処理プロセスで使用する加熱手段5は、特に限定されるものではないが、レーザ加熱装置であることが好ましい。エネルギー密度の高いレーザを熱源に用いることで、予熱処理プロセス条件の制御をより正確に行うことができ、接合継手特性を損なうことなく接合施工性の向上を図ることができる。
上記以外の接合条件については特に限定されず、例えば、予熱処理プロセスで使用する加熱手段5の移動速度は、接合速度と同程度としてよい。また、この加熱手段5にレーザ加熱装置を用いる場合、そのレーザ出力やビーム径は、接合条件に応じて適宜設定してよい。
以上、本実施形態の摩擦撹拌接合方法および装置における予熱処理プロセスについて説明したが、本実施形態の摩擦撹拌接合方法および装置では、接合方向へ移動する回転ツール1の接合方向後方に冷却手段6を設け、その冷却手段6により接合継手強度を改善させてもよい。
通常、接合完了後、接合部4は自然放冷状態となるので、被加工材である鋼板3の焼入れ性が低い場合は、接合継手の強度が十分に得られない。これに対して、接合方向へ移動する回転ツール1の接合方向後方に冷却手段6を設け、冷却手段6で鋼板3の接合部4を冷却し、冷却速度を適切に制御することで、焼入れによる強度向上を図ることができる。冷却手段6としては、例えば、不活性ガスを噴出する冷却装置を用いることが好ましい。この場合の冷却速度は、例えば、800℃から500℃の範囲において30〜300℃/sであることが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を用いることができる。
被加工材である鋼板3の焼入れ性が高い場合は、過度に硬化する可能性があり接合継手の靭性を低下させる。これに対して、回転ツール1に近接する後方部分を加熱する後方加熱手段7を回転ツール1の接合方向後方に設け、冷却速度を適切に制御しながら徐冷することで、過度な硬化を抑制できる。後方加熱手段7としては、例えば、高周波誘導加熱、レーザを熱源とした加熱装置を用いることが好ましい。この場合の徐冷速度は、例えば、800℃から500℃の範囲において10〜30℃/sであることが好ましい。
接合方向へ移動する回転ツールの接合方向後方で、かつ冷却手段6の接合方向後方に後方加熱手段7を設け、後方加熱手段7により鋼板3の接合部4を再加熱してもよい。これにより、接合部4が冷却手段6による冷却で焼入れされ、過度に硬化した場合に、後方加熱手段7で焼き戻しすることにより硬度を抑え、強度と靭性を併せ持つ継手特性が得られる。この場合の冷却速度は、例えば、800℃から500℃の範囲において30〜300℃/sであることが好ましく、再加熱温度として、例えば、550〜650℃であることが好ましい。
さらに、接合方向へ移動する回転ツール1の接合方向後方で、かつ後方加熱手段7の接合方向後方に、冷却手段6を設け、冷却手段6により鋼板3の接合部4を冷却してもよい。
この場合には、接合直後において、後方加熱手段7で徐冷を行い、その後、冷却手段6で急冷を行うことで、組織を複合化でき、強度と延性を併せ持つ継手特性が得られる。この場合の冷却速度は、例えば、800℃から600℃の範囲(徐冷の範囲)において10〜30℃/s程度であり、その後、600℃から400℃の範囲(急冷の範囲)において30〜300℃/s程度であることが好ましい。
上記以外の接合条件については、常法に従えばよいが、回転ツール1のトルクが大きいほど鋼板3の塑性流動性は低いので、欠陥などが生じ易くなる。
従って、本実施形態の摩擦撹拌接合方法および装置では、回転ツール1の回転数を100〜1000rpmの範囲とし、回転ツール1のトルクを抑え、接合速度を1000mm/min以上に高速化することを目標とする。接合速度を500mm/min超1000mm/min以下に高速化する場合には、回転ツール1のトルクを90N・m以下に抑えることが好ましい。これにより、回転ツール1が接合中に破損する、もしくは未接合部分が残る状態を回避できる。また、接合速度を500mm/min以下にする場合には、回転ツール1のトルクを75N・m未満に抑えることが好ましい。これにより、塑性流動性を確保しつつ回転ツール1の負荷を緩和できる。
また、本実施形態の摩擦撹拌接合方法の対象鋼種としては、一般的な構造用鋼や炭素鋼、例えば、JIS(日本工業規格) G 3106の溶接構造用圧延鋼材、JIS G 4051の機械構造用炭素鋼などを用いることができる。引張強度が800MPa以上の高強度構造用鋼にも適用でき、接合部4において、鋼板(母材)の引張強度の85%以上の強度、さらには90%以上の強度が得られる。
(実施例1)
板厚が1.6mmであって、下記表1に示す化学組成、引張強さの鋼板を用いて、摩擦撹拌接合を実施した。継手突合せ面は、角度をつけない、いわゆるI型開先でフライス加工程度の表面状態により片面1パスで接合を行った。摩擦撹拌接合の接合条件を表2に示す。実施例1では、図4に示した断面寸法形状(肩部直径a:12mm、ピン部の最大径b:4mm、プローブ長さc:1.4mm)の回転ツールを用いた。実施例1で用いた回転ツールは、炭化タングステン(WC)を素材とし、物理蒸着(PVD)により窒化チタン(TiN)の被覆処理が表面に施された回転ツールである。接合時にはアルゴンガスにより接合部をシールドし、表面の酸化を防止した。TiNの被覆処理を表面に施したWCの回転ツールの表面と鋼板との動摩擦係数は、0.6以下であった。
ツール素材表面と鋼板との動摩擦係数は、以下の測定方法で測定した。ボールオンディスク摩擦摩耗試験機を用いて、対象素材からなるディスクを回転させながら固定された直径6mmの鋼球に荷重5Nで押し付け、回転速度100mm/sで滑り距離300mで試験を行った。試験は室温、無潤滑で行った。試験に用いた鋼球は、JIS G 4805で規定されるSUJ2の化学成分を有する素材から成り、軸受け用鋼球として加工処理された鋼球である。
Figure 2018070316
Figure 2018070316
また、接合に先立ち、レーザを熱源に用いた予熱による加熱領域を確認するため、表1の鋼板Iに対して、表3に示す各照射条件(レーザ移動速度、レーザ出力およびビーム径)でレーザ光を照射して、表面温度をサーモグラフィにより測定した。さらに、レーザ照射部の断面を観察し、ナイタール腐食液によるミクロ組織観察を行った。
Figure 2018070316
ここで、変態点(TA1℃)以上となった領域は最も濃く、その外側に存在する変態点(TA1℃)未満であるが母材中のマルテンサイトなどの高硬度組織が焼き戻される領域は比較的薄くエッチングされるので、変態点(TA1℃)以上となった領域と、変態点(TA1℃)未満での焼き戻し領域と、母材の領域とは、それぞれ識別可能である。さらに、鉄鋼の熱処理の知見より、変態点(TA1℃)未満での焼き戻し領域は、0.8×TA1℃以上かつTA1℃未満の領域と一致することが知られている。このようなナイタール腐食液によるミクロ組織観察より、変態点(TA1℃)以上となった領域の深さD、および0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)を測定した。
これらの測定結果を表4に示す。
Figure 2018070316
表4に示すように、サーモグラフィによる表面温度測定結果から、照射条件Aにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域は、直径3.5mmの円形状であった。ここで用いた回転ツールのピン部の最大直径は4.0mmであるので、照射条件Aにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積以下となる。
照射条件Bにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域は、直径2.0mmの円形状であった。従って、上記と同様に、照射条件Bにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積以下となる。
照射条件Cにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域は、直径4.5mmの円形状であった。ここで用いた回転ツールのピン部の最大直径は4.0mmであるので、照射条件Cにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積を超えることとなる。
照射条件Dにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域は、レーザ移動方向が長径、レーザ移動方向と直角方向が短径となる楕円形となり、長径は3.8mm、短径は3.2mmであった。ここで用いた回転ツールのピン部の最大直径は4.0mmであるので、照射条件Dにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積以下となる。
照射条件Eにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域は、レーザ移動方向が長径、レーザ移動方向と直角方向が短径となる楕円形となり、長径は2.2mm、短径は1.8mmであった。従って、上記と同様に、照射条件Eにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積以下となる。
照射条件Fにおいて、0.8×TA1℃以上となる領域はレーザ移動方向が長径、レーザ移動方向と直角方向が短径となる楕円形となり、長径は4.9mm、短径は4.1mmであった。ここで用いた回転ツールのピン部の最大直径は4.0mmであるので、照射条件Fにおける加熱領域の面積は、回転ツールのピン部の最大径部の面積を超えることとなる。
また、表4に示すように、レーザ照射部の断面観察から、照射条件Aにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.28mm、0.30mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、0.8×TA1℃以上となった領域の深さである加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約18.8%となる。
照射条件Bにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.47mm、0.50mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約31.3%となる。
照射条件Cにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.09mm、0.10mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約6.3%となる。
照射条件Dにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.30mm、0.32mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、0.8×TA1℃以上となった領域の深さである加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約20.0%となる。
照射条件Eにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.51mm、0.54mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約33.8%となる。
照射条件Fにおいて、TA1℃以上となった領域の深さDおよび0.8×TA1℃以上となった領域の深さ(加熱領域の深さD)は、それぞれ0.10mm、0.11mmであった。被加工材である鋼板の厚さtは1.6mmであるので、加熱領域の深さDは、鋼板の厚さtの約6.9%となる。
被加工材の接合前に行ったレーザ照射による予熱プロセス条件を表5に示し、接合後に行ったプロセス条件を表6に示す。ここで、接合後に行ったプロセスにおける冷却ではガス噴出による冷却を、加熱(および再加熱)では誘導加熱をそれぞれ行った。
表5、表6中、予熱プロセス条件および接合後に行ったプロセス条件における「−」は、それぞれ予熱プロセスおよび冷却や加熱といった接合後のプロセスを行わなかった場合を示す。また、接合中央線から加熱領域中心までの距離における「(AS)」、「(RS)」との記載は、加熱領域の中心が、接合中央線からそれぞれアドバンシングサイド、リトリーティングサイドにあることを示す。
Figure 2018070316
Figure 2018070316
また、表7に、接合を実施した際の回転ツールのトルクの測定値と、得られた接合継手の引張強さの測定値を示す。接合継手の引張強さは、JIS Z 3121で規定する1号試験片の寸法の引張試験片を採取し、引張試験を行った結果である。回転ツールのトルクが大きいほど塑性流動性が低く、欠陥などが生じ易くなる。
Figure 2018070316
表7より、発明例1〜10では、接合速度を400mm/minとした場合であっても、母材となる鋼板の引張強さの90%以上の接合継手強度が得られた。発明例1〜10の回転ツールのトルクは72N・m以下であり、塑性流動性も良好であった。特に、接合後に冷却・再加熱または冷却のみを行った発明例6、7、および8では、母材の引張強さと同等の接合継手強度が得られた。接合後に加熱・冷却または加熱のみを行った発明例9、10では、母材の引張強さの93%以上の接合継手強度が得られた。
一方、比較例1〜6では、回転ツールのトルクが75N・m以上となり、塑性流動性に劣っていた。
発明例11〜20では、接合速度を1000mm/minに高速度化した場合であっても、母材の引張強さの85%以上の接合継手強度が得られ、回転ツールのトルクも90N・m以下であった。特に、接合後に冷却・再加熱または冷却のみを行った発明例16、17および18では、母材の引張強さの99%以上の接合継手強度が得られた。接合後に再加熱・冷却または再加熱のみを行った発明例19、20では、母材の引張強さの95%以上の接合継手強度が得られた。
一方、比較例7では回転ツールが接合中に破損し、接合できなかった。比較例8〜12は、未接合部分が残る状態となって接合ができず、健全な継手は得られなかった。このため、比較例7〜12では、回転ツールトルク等の測定は行っていない。
(実施例2)
板厚が1.6mmであって、上記表1に示す化学組成、引張強さの鋼板を用いて、摩擦撹拌接合を実施した。継手突合せ面は、角度をつけない、いわゆるI型開先でフライス加工程度の表面状態により片面1パスで接合を行った。摩擦撹拌接合の接合条件を上記表2に示す。実施例2では、図4に示した断面寸法形状(肩部直径a:12mm、ピン部の最大径b:4mm、プローブ長さc:1.4mm)の回転ツールを用いた。実施例2で用いた回転ツールは、炭化タングステン(WC)を素材とし、被覆処理を施していないもの、炭化タングステン(WC)を素材とし、物理蒸着(PVD)により窒化チタン(TiN)の被覆処理を表面に施したもの、炭化タングステン(WC)を素材とし、表面に窒化アルミクロム(AlCrN)の被覆処理を表面に施したもの、または、立方晶窒化ホウ素(CBN)を素材としたものである。
接合時にはアルゴンガスにより接合部をシールドし、表面の酸化を防止した。回転ツールの表面と鋼板との動摩擦係数は、炭化タングステン(WC)を素材として被覆処理を施していないものの場合は0.7、炭化タングステン(WC)を素材として物理蒸着(PVD)により窒化チタン(TiN)の被覆処理を施したものの場合は0.5、炭化タングステン(WC)を素材として窒化アルミクロム(AlCrN)の被覆処理を施したものの場合は0.4、立方晶窒化ホウ素(CBN)を素材としたものの場合は0.3であった。
ツール素材表面と鋼板との動摩擦係数は、実施例1と同じ測定方法で測定した。
被加工材の接合前に行ったレーザ照射による予熱プロセス条件を表8に示す。
Figure 2018070316
表8中、炭化タングステン(WC)を素材として皮膜処理を施していない回転ツールを「WC」、炭化タングステン(WC)を素材として物理蒸着(PVD)により窒化チタン(TiN)の被覆処理を施した回転ツールを「WC+TiN」、炭化タングステン(WC)を素材として窒化アルミクロム(AlCrN)の被覆処理を施した回転ツールを「WC+AlCrN」、立方晶窒化ホウ素(CBN)を素材とした回転ツールを「CBN」と示す。予熱プロセス条件におけるレーザ照射条件は表3に示す通りであり、また、各レーザ照射条件により形成される加熱領域の表面形状、深さは表4に示す通りである。
実施例2では、接合後のプロセスを行わなかった。接合中央線から加熱領域中心までの距離における「(AS)」、「(RS)」は、加熱領域の中心が、接合中央線からそれぞれアドバンシングサイド、リトリーティングサイドにあることを示す。
表9に、接合を実施した際の回転ツールのトルクの測定値と、得られた接合継手の引張強さの測定値を示す。接合継手の引張強さは、JIS Z 3121で規定する1号試験片の寸法の引張試験片を採取し、引張試験を行った結果である。回転ツールのトルクが大きいほど塑性流動性が低く、欠陥などが生じ易くなる。
Figure 2018070316
表9より、発明例21〜26では、接合速度を400mm/minとした場合であっても、母材となる鋼板の引張強さの90%以上の接合継手強度が得られた。発明例21〜26の回転ツールのトルクは65N・m以下であり、塑性流動性も良好であった。
一方、比較例13、14では、回転ツールのトルクが75N・m以上となり、塑性流動性に劣っていた。
表9より、発明例27〜32では、接合速度を1000mm/minに高速度化した場合であっても、母材の引張強さの85%以上の接合継手強度が得られ、回転ツールのトルクも81N・m以下であった。
一方、比較例15、16では未接合部分が残る状態となって接合ができなかった。このため、比較例15、16では、回転ツールのトルク等の測定は行っていない。
1 回転ツール
2 回転軸
3 鋼板
4 接合部
5 加熱手段
6 冷却手段
7 後方加熱手段
8 回転ツールの肩部
9 回転ツールのピン部
10 接合中央線
11 RS線
12 加熱領域
13 冷却領域
14 再加熱領域
15 制御手段
a 回転ツールの肩部直径
b 回転ツールのピン部の最大径
c 回転ツールのプローブ長さ
X 加熱領域と回転ツールとの最小距離
D 加熱領域の深さ
t 鋼板の厚さ
α 回転ツールの傾斜角度

Claims (14)

  1. 肩部と、該肩部に配され、該肩部と回転軸を共有するピン部と、を含み、前記肩部とおよび前記ピン部が被加工材である鋼板よりも硬い材質からなる回転ツールを、鋼板間の未接合部に挿入して回転させながら接合方向に移動させ、前記回転ツールと前記鋼板との摩擦熱により前記鋼板を軟化させつつ、その軟化した部位を前記回転ツールで撹拌することにより塑性流動を生じさせて鋼板同士を接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    前記回転ツールの素材、もしくは前記回転ツールの表面に被覆された素材と前記鋼板との動摩擦係数は0.6以下であり、
    前記回転ツールの接合方向前方に設けられた加熱手段により加熱された前記鋼板の表面の温度T(℃)が下記式(1)を満足する領域を加熱領域としたとき、前記加熱領域と前記回転ツールとの最小距離は、前記回転ツールの肩部の直径以下であり、
    前記加熱領域の面積は、前記回転ツールのピン部の最大径部の面積以下であり、
    前記加熱領域の面積の65%以上は、前記鋼板の表面における前記回転ツールの回転軸を通り接合方向に平行な直線である接合中央線と、該接合中央線に平行で、かつリトリーティングサイドへ前記回転ツールのピン部の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線と、の間に位置する摩擦撹拌接合方法。
    ≧0.8×TA1・・・(1)
    A1は、下記式(2)で示される温度である。
    A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
    上記[%M]は、被加工材である鋼板におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
  2. 前記加熱領域の厚さ方向の温度T(℃)が下記式(3)を満足する領域における前記鋼板の表面からの最大深さを加熱領域の深さDとしたとき、前記加熱領域の深さDは、前記鋼板の厚さの30%以上である請求項1に記載の摩擦撹拌接合方法。
    ≧0.8×TA1・・・(3)
  3. 前記加熱手段は、レーザ加熱装置である請求項1または請求項2に記載の摩擦撹拌接合方法。
  4. 前記回転ツールの接合方向後方には後方加熱手段が設けられており、該後方加熱手段は、前記鋼板の接合部を加熱する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の摩擦撹拌接合方法。
  5. 前記後方加熱手段の接合方向後方には冷却手段が設けられており、該冷却手段は、前記後方加熱手段により加熱された前記接合部を冷却する請求項4に記載の摩擦撹拌接合方法。
  6. 前記回転ツールの接合方向後方には冷却手段が設けられており、該冷却手段は、前記鋼板の接合部を冷却する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の摩擦撹拌接合方法。
  7. 前記冷却手段の接合方向後方には後方加熱手段が設けられており、該後方加熱手段は、前記冷却手段により冷却された前記接合部を加熱する請求項6に記載の摩擦撹拌接合方法。
  8. 被加工材である鋼板間の未接合部を接合する摩擦撹拌接合装置であって、
    肩部と、該肩部に配され、該肩部と回転軸を共有するピン部と、を含み、前記肩部および前記ピン部は、前記鋼板よりも硬い材質からなり、前記鋼板間の未接合部に挿入された状態で回転しながら接合方向に移動することで、摩擦熱により前記鋼板を軟化させつつ、その軟化した部位を撹拌することにより塑性流動を生じさせる回転ツールと、
    該回転ツールの接合方向前方に設けられ、前記鋼板を加熱する加熱手段と、
    下記状態1を実現するように前記回転ツール及び前記加熱手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記回転ツールの素材、もしくは前記回転ツールの表面に被覆した素材と前記鋼板との動摩擦係数は0.6以下である摩擦撹拌接合装置。
    (状態1)
    前記加熱手段により加熱された前記鋼板の表面の温度T(℃)が下記式(1)を満足する領域を加熱領域としたとき、前記加熱領域と前記回転ツールとの最小距離は、前記回転ツールの肩部の直径以下であり、
    前記加熱領域の面積は、前記回転ツールのピン部の最大径部の面積以下であり、
    前記加熱領域の面積の65%以上は、前記鋼板の表面における前記回転ツールの回転軸を通り接合方向に平行な直線である接合中央線と、該接合中央線に平行で、かつリトリーティングサイドへ前記回転ツールのピン部の最大半径と同じ距離だけ隔てた直線と、の間に位置する。
    ≧0.8×TA1・・・(1)
    A1は、下記式(2)で示される温度である。
    A1(℃)=723−10.7[%Mn]−16.9[%Ni]+29.1[%Si]+16.9[%Cr]+290[%As]+6.38[%W]・・・(2)
    上記[%M]は、被加工材である鋼板におけるM元素の含有量(質量%)であり、含有しない場合は0とする。
  9. 前記制御手段は、以下の状態2を実現するように前記回転ツール及び前記加熱手段を制御する請求項8に記載の摩擦撹拌接合装置。
    (状態2)
    前記加熱領域の厚さ方向の温度T(℃)が下記式(3)を満足する領域における前記鋼板の表面からの最大深さを加熱領域の深さDとしたとき、前記加熱領域の深さDは、前記鋼板の厚さの30%以上である。
    ≧0.8×TA1・・・(3)
  10. 前記加熱手段は、レーザ加熱装置である請求項8または請求項9に記載の摩擦撹拌接合装置。
  11. 前記鋼板の接合部を加熱する後方加熱手段をさらに有し、
    該後方加熱手段は、前記回転ツールの接合方向後方に設けられる請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の摩擦撹拌接合装置。
  12. 前記接合部を冷却する冷却手段をさらに有し、
    該冷却手段は、前記後方加熱手段の接合方向後方に設けられる請求項11に記載の摩擦撹拌接合装置。
  13. 前記鋼板の接合部を冷却する冷却手段をさらに有し、
    該冷却手段は、前記回転ツールの接合方向後方に設けられる請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の摩擦撹拌接合装置。
  14. 前記接合部を加熱する後方加熱手段をさらに有し、
    該後方加熱手段は、前記冷却手段の接合方向後方に設けられる請求項13に記載の摩擦撹拌接合装置。
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