JPWO2016194051A1 - 確率的システムの注目指標の統計量を最小化するパラメータセットを探索するシステム - Google Patents

確率的システムの注目指標の統計量を最小化するパラメータセットを探索するシステム Download PDF

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Abstract

システムは、評価済みパラメータセットと、評価済みパラメータセットそれぞれの注目指標の評価値と、を含む評価情報を保持し、第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、評価情報から第1評価済みパラメータセット集合及び対応する注目指標の評価値を選択し、第1評価済みパラメータセット集合の評価済みパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの注目指標の評価値に対応する第1重みを算出し、選択した注目指標の評価値と、前記第1重みとに基づいて、第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの注目指標の統計量の推定値を算出する。

Description

本発明は、確率的システムの注目指標の統計量を最小化するパラメータセットを探索するシステムに関する。
興味の対象であるシステム(系)が与えられたとき、計算機がモデル化された当該システムの振る舞いをシミュレーションすることにより、将来の振る舞いを予測する。例えば、ある種の物理現象や、多数の要素が絡み合う社会現象などは、単純な決定論的なモデルでは記述されることができず、複雑かつ確率的なモデルとして記述される。決定論的なシステムは、与えられた初期条件のもとでシステムの将来の振る舞いが一つに定まる。これに対して、確率的なシステムは、システムの将来の振る舞いはある確率分布にしたがって分布する。
確率的なシステムにおいては、ある注目する指標に関する何らかの統計量、例えば、期待値や最頻値あるいはバリュー・アット・リスク等に興味がある場合が多い。このような確率的なシステムの統計的な振る舞いを、計算機が予測、シミュレーションする方法として、モンテカルロ・シミュレーション法が知られている。モンテカルロ・シミュレーション法は、対象システムに存在する確率的な振る舞いを乱数によって模擬したシミュレーションを多数回繰り返し行うことで、注目指標に関する統計量を推定する方法である。このとき、シミュレーションの回数を増やすことで、大数の法則により、注目指標に関する統計量が真の値に近づくと考えられる。
本技術分野の背景技術として、特開2004−117228号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、「気象物理量を対象とした気象庁発表の長期予報を取得するデータ取得ステップ0201、気象物理量の従う時系列モデルを作成する気象時系列モデル作成ステップ0202、推定期間における推定地点の気象物理量をシミュレーション回数だけシミュレートする気象物理量シミュレーションステップ0203、気象物理量のシミュレーション結果を気象物理量推定結果として出力する気象物理量推定結果出力ステップ0204を有する。さらに、気象時系列モデル作成ステップ0202を、気象時系列モデルのパラメータ推定ステップ02021および気象時系列モデルのパラメータ補正ステップ02022から構成する。」と記載されている(要約参照)。
例えば、特許文献1に記載のシミュレーション技術における「気象時系列モデルのパラメータ」のように、一般に、モンテカルロ・シミュレーションの対象である確率的なモデルには、複数のパラメータが存在する。これ以降、考察の対象であるシステムに存在する複数のパラメータの組をパラメータセットと呼ぶ。このとき、しばしば、システムに存在する複数のパラメータの最適化を行う、すなわち、許容されるパラメータセットの範囲の中で、ある与えられた注目指標、例えば、特許文献1に記載のシミュレーション技術における推定期間における推定地点の気象物理量、に関する何らかの統計量、例えば期待値や最頻値あるいはバリュー・アット・リスク等、を最小化あるいは最大化するパラメータセットを探索したい場合がある。
特開2004−117228号公報
決定論的なシステムにおいてパラメータ最適化を行う手法として、山登り法や準ニュートン法、あるいは、差分進化法(Differential Evolution)や粒子群最適化法(Particle Swarm Optimization)といった公知の手法がある。計算機が、確率的なシステムにおけるパラメータ最適化、すなわち、注目指標に関する何らかの統計量を最小化あるいは最大化するパラメータセットを探索する問題に、上述した公知の最適化手法をそのまま適用する例を説明する。
計算機は、最初に最適なパラメータセットの候補の初期値を何らかの手段、例えば、許容されるパラメータセットの範囲の中でランダムに選択する等によって定める。その後、計算機は、現在のパラメータセットの候補における最適化の目的関数の値を実験あるいはシミュレーション等により評価する処理と、評価した目的関数の値に基づいて最適なパラメータセットの候補を更新する処理と、を繰り返す。計算機は、当該処理を繰り返すことにより、逐次的に最適なパラメータセットの候補を真のパラメータセットに近づける、最適化を行う。
ここで、最適化の目的関数は、注目指標そのものではなくて、注目指標に関する統計量である。計算機は、現在のパラメータセット候補における注目指標に関する統計量を十分な精度で評価するには、現在のパラメータセット候補において注目指標を評価する処理、すなわち注目指標の評価値の算出を多数回行う。計算機は、算出された多数の評価値から統計量を推定する。
したがって、計算機は、上述した公知の最適化手法をそのまま適用して最適化処理を行う場合、パラメータセットの候補を更新するたびに、そのパラメータセットにおいて注目指標を評価する処理を多数回行う必要があるため、処理量が膨大になる。
なお、以上で述べた、確率的なシステムの注目指標の評価値の算出は、必ずしも、モンテカルロ・シミュレーション等の計算機上の処理によって行われるものではない。例えば、何らかの物理的な確率的システム、あるいは、現実世界の確率的システムを考察対象とする場合、計算機上でのシミュレーションではなく、例えば実験又は観測等による評価処理が行われる。一般に、実験および観測には多大な時間や費用がかかることを考えると、最適なパラメータセットを探索するまでに行われる実験および観測の合計回数を可能な限り減らす必要がある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、例えば、以下のような構成を採用する。パラメータセットから注目指標の評価値を出力する確率的システムの前記注目指標の統計量、を最小化するパラメータセットを探索する、システムであって、プロセッサと、メモリと、を含み、前記メモリは、評価済みパラメータセットと、前記評価済みパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、を含む評価情報を保持し、前記プロセッサは、探索処理を繰り返し、前記探索処理において、1以上のパラメータセットからなる第1パラメータセット集合を取得し、前記第1パラメータセット集合が所定の精度で収束していないと判定した場合、前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、前記評価情報から第1評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第1重みを算出し、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、前記第1重みとに基づいて、前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの前記注目指標の統計量の推定値を算出し、前記第1パラメータセット集合から、1以上のパラメータセットからなり、前記第1パラメータセット集合と異なる新パラメータセット集合候補、を所定のアルゴリズムを用いて、生成し、前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、前記評価情報から第2評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第2重みを算出し、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの注目指標の評価値と前記第2重みとに基づいて、前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットの注目指標の統計量の推定値を算出し、前記第1パラメータセット集合及び前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の統計量の推定値の大きさ、に基づいて、前記第1パラメータセット集合と前記新パラメータセット集合候補から、1以上のパラメータセットからなる新パラメータセット集合に含めるパラメータセットを選択し、前記新パラメータセット集合を、次回の探索処理における第1パラメータセット集合として採用する、システム。
本発明の一態様によれば、パラメータセット最適化の精度を維持しつつ、処理量を削減することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1において、パラメータセット最適化システムの全体構成の一例を表すブロック図である。 実施例1において、パラメータセット最適化システムの全体処理の一例を表すフローチャートである。 実施例1において、統計量の推定処理の一例を表すフローチャートである。 実施例1において、統計量の推定処理の一例におけるパラメータセット間の距離の概念を説明する図である。 実施例1において、統計量の推定処理のおける重み関数の一例を表す図である。 実施例1において、統計量の推定処理の別の一例を表すフローチャートである。 実施例1において、統計量の推定処理の別の一例における平均半径の概念を説明する図である。 実施例1において、統計量の推定処理の別の一例における重み関数の一例を表す図である。 実施例1において、統計量の推定処理の別の一例を表すフローチャートである。 実施例1において、統計量の推定処理における経験分布関数の推定の一例を表す図である。 実施例1において、公知の最適化手法を確率的なシステムのパラメータセット最適化処理に適応した場合のログ出力の一例を表す図である。 実施例1において、本発明におけるパラメータセット最適化システムのログ出力の一例を表す図である。 実施例1において、本発明におけるパラメータセット最適化システムの設定画面の一例を表す図である。 実施例2において、6個のトランジスタで構成されるSRAMセルの回路の一例を表す回路図である。 実施例3において、銀行の収支計画表の一例を表す図である。 実施例3において、銀行の収益の確率分布の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について述べる。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。本実施形態においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通の構成には原則として同一の参照符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
本実施例は、確率的なシステムにおけるパラメータセット最適化システムについて説明する。まず、本実施例のパラメータセット最適化システムがパラメータセットの最適化を実行するための理論的側面について説明する。
本実施例のパラメータセット最適化システムがパラメータセットの最適化の対象としている確率的なシステムにおいて、最適化の対象となる注目指標を確率変数Xで表す。以下、確率的なシステムを、単にシステムとも呼ぶ。つまり、考察対象である確率的なシステムの注目指標は確率変数Xでモデル化される。また、xはXの実現値を表す。注目指標Xの分布は、システムのパラメータセットzに依存し、さらにXの確率密度関数が、f(x,z)という形で表記されるとする。
以下、システムのパラメータセットzを単にパラメータセットzと表記する。また、確率変数Xがパラメータセットzに依存していることを強調したい場合にはXあるいはxいう表記を用いる。パラメータセットzは、N次元のベクトル(すなわち、システムの挙動はN個のパラメータに依存している)であり、zの成分は、z=(z)(ただし、i=1,…,N)であるとする。
さて、注目指標Xに関する何らかの統計量A(z)を考える。A(z)は、例えば、Xの確率密度関数f(x,z)をxの関数と考えた場合における、1つの実数を返す汎関数である。ここで、A(z)は、パラメータセットzの関数となることに注意する。
の期待値A(z)=E[X]、xの最頻値A(z)=argmax[f(x,z)]、及び以下の数式で定まるA(z)で定義されるバリュー・アット・リスク等は、いずれもA(z)の一例である。ただし、下記数式におけるαは、許容可能なリスクの閾値を示し、たとえば、95%(α=0.95)、99%(α=0.99)等の値をとる。
Figure 2016194051
実際に興味あるシステムについてA(z)を検討する場合、しばしば、Xの確率密度関数f(x,z)が未知であることが問題となる。しかしながら、Xの確率密度関数f(x,z)自体は未知であっても、しばしば、Xの分布を生み出す挙動自体は既知(又はモデル化可能)である。
この場合、たとえば、パラメータセット最適化装置はモンテカルロ・シミュレーションによって、システムの挙動の実現値xを多数生成して、Xの分布、すなわち累積分布関数F(x,z)を経験分布によって模擬する。パラメータセット最適化装置は、F(x,z)から注目指標に関する統計量A(z)の値を近似的に算出できる。
あるいは、Xの分布を生み出す挙動自体が未知であっても、繰り返し同一のパラメータセットzの下での注目指標の実現値xを実験によって観測できれば、パラメータセット最適化装置がF(x,z)を経験分布によって模擬することで、注目指標に関する統計量A(z)の値を近似的に算出できる。以下、注目指標の実現値xを算出することを注目指標の評価とも呼び、xを注目指標の評価値とも呼ぶ。
実際の応用においては、しばしば、許容されるパラメータセットの範囲内で、注目指標に関する統計量A(z)を最小化あるいは最大化するようなパラメータセットzを探索したい、すなわち、パラメータセットの最適化を行いたい場合がある。なお、A(z)を最大化することは、−A(z)を最小化することと同値であるため、以下では、最小化について述べる。金融分野において、それぞれ異なるリスクおよび収益を持つ複数の資産を最適に組み合わせてポートフォリオを構成することで、期待利益あるいは95%バリュー・アット・リスクを最大化するパラメータセットを探索することは、上記したパラメータセット最適化の一例である。
また、農業分野における施設園芸、たとえばビニールハウスを用いた栽培において、天気予報等によって予想された未来の天候の確率分布と燃料費との兼ね合いを考えて、期待利益を最大化するパラメータセットを探索することは上記したパラメータセット最適化の一例である。例えば、管理者は、探索したパラメータセットに従って、空調制御を行う。
上述した山登り法等の既存手法をそのままパラメータセット最適化に適用した場合の問題の本質は、パラメータセット最適化の処理過程で、任意に与えられたパラメータセットzにおける注目指標Xの分布関数F(x,z)を十分な精度で求める必要があること、である。上記の既存手法においては、パラメータセットzにおいて多数回の評価を行ってF(x,z)を経験分布で近似することにより求めていた。
ところで、確率的なシステムにおいて、分布関数F(x,z)は、zに関して、連続あるいは少なくとも区分的に連続である場合が多い。すなわち、あるパラメータセットzと、異なるパラメータセットz’との違い(例えばユークリッド距離等)が微小であるなら、それぞれの分布関数F(x,z)とF(x,z’)の違い(例えば任意の点にxにおけるF(x,z)とF(x,z’)との間のユークリッド距離等)は微小であると考えてよい。したがって、F(x,z)の汎関数である統計量A(z)とA(z’)の違い(例えばユークリッド距離等)も微小であると考えられる。
本実施例のパラメータセット最適化システムは、例えば、与えられたパラメータセットzにおける、最適化の目的変数すなわち注目指標に関する統計量A(z)を、最適化の過程で過去に計算した異なるパラメータセットz’での実現値xz’を用いて推定する。パラメータセット最適化システムは、上述した処理により、各パラメータセットzにおける評価、すなわち、実験あるいはシミュレーション、の回数を大幅に減らすことができる。
ところで、「現在のパラメータセット」は、必ずしも1つのパラメータセットである必要はない。例えば、差分進化法や粒子群最適化法といった広義の進化的アルゴリズムでは、世代毎に、複数のパラメータセットからなるパラメータセット集合を評価および更新することで、パラメータセットの最適化を行う。煩雑さを避けるため、以下では、特に断らない限り、「現在のパラメータセット」には、複数のパラメータセットにより構成されるパラメータセット集合が含まれるものとする。
以下、本実施例のパラメータセット最適化システムの構成について説明する。図1は、本実施例のパラメータセット最適化システム100の構成例を示す。パラメータセット最適化システム100は、例えば、CPU101、メモリ102、通信インタフェース103、二次記憶装置104、入力装置105、及び出力装置106を含む計算機上に構成される。また、図2において、パラメータセット最適化システム100は1つの計算機から構成されているが、複数の計算機から構成されてもよい。
CPU101は、プログラムに従って動作するプロセッサ及び/又は論理回路を含み、データの入力/出力、読み込み/書き込みを行い、さらに、後述する各プログラムを実行する。メモリ102は、CPU101が実行するプログラム及びデータを一時的にロードして記憶し、さらに各プログラム及び各データを保持する。通信インタフェース103は、外部装置等からデータ等の入力、及び外部装置等に対してデータ等の出力を行うインタフェースである。
二次記憶装置104は、例えばHDD等の不揮発性の記憶装置であり、プログラム及びデータを保持する。メモリ102が保持するプログラムやデータの一部又は全部が二次記憶装置104に格納されてもよい。入力装置105は、例えば、マウスやキーボード等のデバイスを含み、ユーザ等からの入力を受け付ける。出力装置106は、プリンタやディスプレイ等のデバイスを含み、処理結果等を出力する。
プログラムはCPU101によって実行されることで、定められた処理をメモリ102及び通信インタフェース103等を用いながら行う。従って、本実施例及び他の実施例においてプログラムを主語とする説明は、CPU101を主語とした説明でもよい。若しくは、プログラムが実行する処理は、そのプログラムが動作する計算機及び計算機システムが行う処理である。
CPU101は、プログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、CPU101は、後述する初期パラメータセット選択部201に従って動作することで初期パラメータセット選択の機能を果たし、後述する指標評価部202に従って動作することで指標評価の機能を果たす。さらに、CPU101は、各プログラムが実行する複数の処理のそれぞれを実現する機能部としても動作する。計算機及び計算機システムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
以下、CPU101が、メモリ102、通信インタフェース103、二次記憶装置104等と協調して実行する各機能について説明する。メモリ102は、それぞれプログラムである、初期パラメータセット選択部201、指標評価部202、現在統計量推定部204、新規パラメータセット候補選択部205、新規統計量推定部206、パラメータセット選択部207、終了条件判定部208、及び最適化処理全体制御部209を含む。また、メモリ102はデータ等を記憶する領域である評価値記憶部203を含む。
最適化処理全体制御部209は、パラメータセット最適化システム100全体の制御を行う。また、最適化処理全体制御部209は、後述するパラメータセット最適化処理全体を制御する。最適化処理全体制御部209は、例えば、ユーザ等が指定した注目指標および何らかの統計量についてパラメータセットの最適化処理を行う。
また、最適化処理全体制御部209は、終了条件判定部208が必要な精度で最適なパラメータセットが探索できたと判定した場合、例えば、最適化処理を終了させて処理結果を出力装置106に出力通知する。また、最適化処理全体制御部209は、パラメータセット最適化の処理途中で何らかの理由により処理が継続できなくなった場合には、処理を中断し、エラーメッセージを例えば出力装置106に出力する処理を行う。
初期パラメータセット選択部201は、予め定められた範囲から、現在のパラメータセットの初期値を、所定の手段で選択して出力する。当該所定の手段については後述する。指標評価部202は、現在のパラメータセットzの入力を、初期パラメータセット選択部201又はパラメータセット選択部207から受け付け、例えば注目指標をシミュレーション等の手段によって評価して、評価結果を出力する。また、指標評価部202は、シミュレーション等によって当該評価を行う代わりに、評価処理の指示を外部システム又は出力装置106に出力してもよい。このとき、例えば、外部システム又は実験者が、当該指示に従って評価処理を行い、評価結果を指標評価部202に入力する。
評価値記憶部203は、例えば、初期パラメータセット選択部201又はパラメータセット選択部207によって入力された現在のパラメータzと、指標評価部202によって入力された評価結果と、の組を記憶する。現在統計量推定部204は、例えば、指標評価部202が評価した現在のパラメータセットzの下での評価結果と、評価値記憶部203が保持するzと異なる過去のパラメータセットの下での評価結果と、から現在のパラメータセットzにおける統計量A(z)の推定値A(z)を算出して出力する。具体的な算出方法は後述する。
終了条件判定部208は、現在統計量推定部204が算出したA(z)、および、必要であれば、zと異なる過去のパラメータセットにおける統計量の推定値と、からパラメータセットの最適化が、例えばユーザが指定した精度で収束しているかを判定する。終了条件判定部208は、判定結果を最適化処理全体制御部209に通知する。
新規パラメータセット候補選択部205は、現在のパラメータセットz、および統計量推定部204が算出したA(z)をもとに、新たなパラメータセットの候補zNを、予め定められた範囲から選択して出力する。
新規統計量推定部206は、現在および過去のパラメータセットと、現在および過去のパラメータセットにおける評価結果と、から、新規パラメータセット候補選択部205が出力した新たなパラメータセットの候補zNにおける統計量の推定値A(zN)を算出して出力する。A(zN)の具体的な算出方法は、例えば、現在統計量推定部204における推定方法と同様であり、詳細は後述する。
パラメータセット選択部207は、例えば、現在のパラメータセットzと現在統計量推定部204が出力したA(z)との組、および、新規パラメータセット候補選択部205が出力した新たなパラメータセットの候補zNと新規統計量推定部206が出力したA(zN)との組、を比較する。パラメータセット選択部207は、当該比較によって、新たなパラメータセット候補zNを採用するか棄却するかを判定する。パラメータセット選択部207は、判定結果にもとづいて、新たな現在のパラメータセットzを出力する。パラメータセット選択部207が出力した新たな現在のパラメータセットzは、再び指標評価部202で評価されることになる。
図2は、本実施例における最適化方法の全体処理の一例を示す。初期パラメータセット選択部201は、予め定められた範囲から、現在のパラメータセットの初期値を何らかの手段で選択する(S211)。例えば、パラメータセット最適化システム100が、あらかじめ最適なパラメータセットについての事前知識を保持していれば、初期パラメータセット選択部201は、当該事前知識にしたがって当該初期値を選択する。パラメータセット最適化システム100が当該事前知識を保持していなければ、初期パラメータセット選択部201は、例えば、均等に又はランダムに、当該範囲から当該初期値を選択すればよい。
次に、指標評価部202は、現在のパラメータセットzのもとで注目指標を評価する(S212)。現在のパラメータセットが集合である場合には、指標評価部202は各パラメータセットについて注目指標を評価する。確率的なシステムを想定しているため、指標評価部202が、同じパラメータセットzのもとで評価するたびに評価値、すなわち注目指標Xの実現値xは毎回異なる値になることに注意する。
指標評価部202は、例えば、乱数を用いて確率的な挙動を模擬するモンテカルロ・シミュレーション等の手法によって、注目指標の評価を行えばよい。なお、指標評価部202は、現在のパラメータセットにおける指標の評価を1回のみ行ってよいし、複数回行ってもよい。指標評価部202は、複数回の評価を行うことで、後述するステップS213で算出される、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)の精度を高めることができる。
しかし、指標評価部202が現在のパラメータセットzを用いて複数回の評価を行う場合、その分、最適化処理全体の評価回数が増えてしまう。一般的には、パラメータセットの最適化処理全体の評価回数を一定に保った上で、最適化の精度を高めることためには、各パラメータセットにおける評価は1回のみとするのが最良であることが多い。ここで精度とは、例えば、推定値A(z)の確率95%における信頼区間の幅を意味し、信頼区間が狭いほど精度は高い。
また、指標評価部202は、後述するステップS213で算出される統計量の推定値A(z)の精度をもとに、ステップS212における評価回数を適応的に変えてもよい。具体的には、例えば、ステップS213で算出されたA(z)の精度が所定の精度に達していなければ、再びステップS212に戻って指標評価部202は注目指標の評価を行い、A(z)の精度が必要な精度に達するまで繰り返してもよい。
評価値記憶部203は、現在のパラメータセットと注目指標の評価結果との組み合わせを記憶する。また、外部システムがシミュレーション等により、又は実験者が実験によりステップS212における評価処理を行ってもよい。
次に、現在統計量推定部204は、ステップS212で算出された現在のパラメータセットzの下での評価結果、すなわちXの実現現値xと、zと異なる過去のパラメータセットの下での評価結果と、の一部又は全部に基づいて、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)を算出する(S213)。
なお、現在統計量推定部204は、A(z)の算出において、現在のパラメータセットzの下での評価結果を用いなくてもよい。また、現在統計量推定部204は、A(z)の算出において、例えば、過去のパラメータセットのうち、採用された順番が新しい順に所定個数のパラメータセットを選択して用いてもよい。
なお、現在統計量推定部204は、パラメータセットの初期値zにおけるA(z)を算出する際には、過去の評価結果が評価値記憶部203に蓄積されていないため、Xの実現現値xからA(z)を算出する。
なお、現在統計量推定部204は、ステップS213において、A(z)そのものではなく、A(z)を導出可能な別の量あるいは関数を推定してもよい。具体的には、現在統計量推定部204は、例えば、統計量A(z)ではなく、注目指標Xの分布関数F(x,z)を推定してもよい。この場合、現在統計量推定部204は、推定分布関数F(x,z)からA(z)を計算することができる。
以下、特に言及しない限り、A(z)を算出するという言葉を使う場合に、A(z)を導出可能な別の量あるいは関数を算出する場合を含むものとする。A(z)の具体的な算出方法については、図3等を用いて後述する。なお、評価値記憶部203は、現在のパラメータセットとA(z)との組み合わせを、記憶する。
次に、終了条件判定部208は、現在のパラメータセットおよびステップS213で算出されたA(z)、および、必要であれば、過去の異なるパラメータセットにおける統計量の推定値、を用いてパラメータセットの最適化が、例えばユーザが指定した精度で収束しているかを判定する(S214)。
現在のパラメータセットが集合である場合には、終了条件判定部208は、例えば、以下に述べる方法を用いて収束判定を行う。終了条件判定部208は、例えば、集合内のパラメータセット間の距離を、2乗平均平方根あるいはマハラノビス距離等で定義して、現在のパラメータセット集合のパラメータセットのばらつきの大きさを計算する。終了条件判定部208は、例えば、計算したばらつきが例えばユーザが指定した閾値以下である場合には、パラメータセットが収束したと判定し、ばらつきが当該閾値を超える場合には、収束していないと判定する。
また、終了条件判定部208は、最適化の過程でのばらつきの減少が飽和した場合に、具体的には例えば、前回のパラメータセットのばらつきと現在のパラメータセットのばらつきとの差が所定の閾値以下である場合に、収束したと判定し、当該減少が飽和していない場合に収束していないと判定してもよい。
また、終了条件判定部208は、各パラメータセットにおける統計量の推定値A(z)を勘案したパラメータセット間の距離を用いて収束判定を行ってもよい。終了条件判定部208は、当該距離を用いることによって、最適化の目的関数である統計量A(z)が最適値の周りでzに対して急激に変化している場合であっても、高精度に収束判定ができる。なお、ステップS214における判定にA(z)が用いられない場合、ステップS213とステップS214の順序を入れ替えてもよい。
また、現在のパラメータセットが1個のパラメータセットのみである場合、終了条件判定部208は、例えば、現在のパラメータセットzと、zと異なる過去のパラメータセットのうち直近に採用されたパラメータセットと、の距離を計算する。終了条件判定部208は、例えば、計算した距離が所定の閾値以下であればパラメータセットが収束したと判定し、計算した距離が当該所定の閾値を超えていれば収束していないと判定する。
パラメータセットの最適化が収束している場合(S214:No)、最適化処理全体制御部209は最適化処理を終了し、例えば、現在のパラメータセットzを示す情報を出力装置106に出力する。現在のパラメータセットが集合である場合は、最適化処理全体制御部209は、例えば、当該集合を示す情報を出力装置106に出力してもよいし、当該集合のパラメータセットの重心を含む所定サイズの領域を示す情報を出力装置106に出力してもよい。パラメータセットの最適化が収束していない場合(S214:Yes)、ステップS215に進む。
次に、新規パラメータセット候補選択部205は、現在のパラメータセットzおよびステップS213で算出されたA(z)をもとに、新たなパラメータセットの候補zNを、所定の範囲から選択する(S215)。新規パラメータセット候補選択部205は、例えば、山登り法や準ニュートン法、あるいは、差分進化法や粒子群最適化法といった手法を用いてzNを選択する。
最適化の目的関数、すなわち、注目指標に関する統計量A(z)が、zに対して滑らかで単峰的であれば、新規パラメータセット候補選択部205は、例えば、山登り法や準ニュートン法などの手法を用いるのが望ましい。また、zに対して急激に変化する場所がある場合や多峰的である場合には、新規パラメータセット候補選択部205は、差分進化法や粒子群最適化法といった広義の進化的最適化法、あるいは、焼きなまし法やタブーサーチなどの手法を用いるのが望ましい。
次に、新規統計量推定部206は、例えば、現在および過去のパラメータセットとその評価結果との組の一部又は全部に基づいて、ステップS215で選択された新たなパラメータセットの候補zNにおける統計量の推定値A(zN)を算出する(S216)。新規統計量推定部206は、例えば、ステップS213と同様の方法を用いてA(zN)を算出すればよく、その具体的な算出方法は、図3等を用いて後述する。
次に、パラメータセット選択部207は、ステップS213で算出されたA(z)と、ステップS216で算出されたA(zN)と、を比較して、新たなパラメータセット候補zNを採用するか棄却するかを判定する(S217)。パラメータセット選択部207は、判定結果にもとづいて、現在のパラメータセットを更新する。
以下、ステップS217の判定方法について述べる。パラメータセット選択部207は、例えば、A(zN)が、A(z)よりも小さい場合には、新たなパラメータセットzNを採用し、A(zN)が、A(z)よりも大きい場合には、zNを棄却し現在のパラメータセットzを再び採用する。また、パラメータセット選択部207は、0以上の実数aに対して、A(zN)がA(z)のa倍より小さい場合に、zNを採用し、A(zN)がA(z)のa倍より大きい場合に、zNを棄却しzを再び採用してもよい。この場合、aが1未満であるなら新たなパラメータセットzNが採用されにくくなり、aが1より大きければ新たなパラメータセットzNが採用されやすくなるため、最適化の効率が変化する。
また、パラメータセット選択部207は、例えば、A(zN)とA(z)との比が、計算機内で発生させた乱数よりも小さい場合に、zNを採用し、大きい場合にzNを棄却しzを再び採用する、乱択アルゴリズムを用いて判定を行ってもよい。パラメータセット選択部207において乱数を用いた判定を行うことにより、最適化処理の初期値による影響が排除されやすくなるため、パラメータ最適化が初期値によらず安定的に行える。
パラメータセットが集合である場合のステップS217における判定方法の一例を説明する。パラメータセット選択部207は、例えば、現在のパラメータセット集合及び新たなパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれに対応する統計量の推定値を小さい順に所定個数選択する。パラメータセット選択部207は、例えば、当該選択した推定値に対応するパラメータセットからなる集合を新パラメータセット集合とする。
また、パラメータセット選択部207は、例えば、当該推定値それぞれに乱数を割り当て、割り当てられた乱数が所定値以上の推定値から、小さい順に所定個数の推定値を選択し、当該選択した推定値に対応するパラメータセットからなる集合を新パラメータセット集合としてもよい。
ステップS217における判定の結果、新たなパラメータセットzNが採用される場合には、パラメータセット選択部207は、現在のパラメータセットzを、新たなパラメータセットzNに変更し(S218)、ステップS212に戻る。一方、ステップS217における判定の結果、新たなパラメータセットzNが採用されなかった場合には、パラメータセット選択部207は現在のパラメータセットzを変更せずに、ステップS212に戻る。その後、パラメータセット最適化システム100は、ステップS213による最適化処理が終了するまで、ステップS212からステップS213を繰り返し実行する。
なお、ステップS213におけるA(z)の算出方法と、ステップS216におけるA(zN)の算出方法は、互いに異なってもよい。また、これらの算出方法は、本フローにおけるループの度に異なってもよい。
図3は、現在統計量推定部204が行うステップS213の処理の一例を示す。図3の例において、評価値記憶部203は、L個のパラメータセットz1からz、及び当該L個のパラメータセットそれぞれにおける評価結果x1からxを保持している。当該L個のパラメータセットは、現在のパラメータセットzを含んでいてもよい。図3は、現在統計量推定部204が、z1からz、及びx1からxを用いて、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)を算出する処理の一例を示す。なお、図3は統計量が平均値である例を示す。
現在統計量推定部204は、重み計算処理を行う(S301)。現在統計量推定部204は、重み計算処理において、現在のパラメータセットzと、評価値記憶部203が保持するL個のパラメータセットz1からzそれぞれと、の間の、所定の距離関数r=d(z,z)で定まる距離を計算する(ただし、kは1以上L以下の自然数)。現在統計量推定部204は、計算したrそれぞれから、距離によって定まる関数w=w(r)によって重みそれぞれを計算する。なお、現在統計量推定部204は、距離関数d(z,z)として、例えば、ユークリッド距離、マンハッタン距離、又はチェビシェフ距離などを用いればよい。
図4は、現在統計量推定部204が距離rを計算する処理の概念を説明する図である。図4では、現在統計量推定部204が、評価値記憶部203が保持する6個のパラメータセットz1からzそれぞれと、現在のパラメータセットzと、の距離r1からrを計算する例を示す。また、距離rで定まる重み関数w(r)は、例えば、rについての減少関数であり、rが無限大でw(r)が0に収束するような関数であるとする。
図5は、重み関数w(r)として1/r^α(ただしαは1より大きな実数)が用いられる例を示す。w(r)=1/r^αは、自己相似な関数であり、特徴的な大きさを持たない。従って、現在統計量推定部204は、上述した関数を用いて重みを算出することにより、図6で後述する関数を使う場合のように、zの平均半径を計算する操作を行う必要がないため、処理量を低下させることができる。
図3の説明に戻る。現在統計量推定部204は、A(z)を計算する推定値計算処理を行う(S302)。具体的には、現在統計量推定部204は、推定値計算処理において、L個の重みw1からwの総和Wを計算する。続いて、現在統計量推定部204は、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)を、xそれぞれに対応する相対重みw/Wをかけて総和することにより算出する。
現在統計量推定部204は、以上の処理により、つまりパラメータセットzにおける評価値xに重みを付与した値を用いて、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)を算出することができる。なお、図3は、統計量が平均値である例を示しているが、他の統計量の推定値を算出する場合には、ステップS302の数式を重み付きの当該統計量を算出する数式に変更すればよい。
図6は、現在統計量推定部204が行うステップS213の統計量推定処理の別の一例を示す。図6の例において、評価値記憶部203が保持する情報等の前提条件は図3の例と同様である。なお、図6は統計量が平均値である例を示す。
現在統計量推定部204は、L個のパラメータセットzからzの平均半径rを計算する(S601)。具体的には、現在統計量推定部204は、例えば、L個のパラメータセットの重心zを計算する。続いて、現在統計量推定部204は、zと各パラメータセットz(kは1以上L以下の自然数)との距離の2乗平均を計算することで、平均半径rを計算する。
図7は、複数のパラメータセットの重心zおよび平均半径rの概念を説明する図である。図7の白色の各点は、L個のパラメータセットそれぞれを示し、黒色の点は重心zを示す。
図6の説明に戻る。続いて、現在統計量推定部204は、図3と同様の方法で距離rそれぞれを算出する。さらに現在統計量推定部204は重みwそれぞれを計算する(S602)。図6の例における重みwは、rだけでなく、平均半径rにも依存している、即ち重みを算出する関数はw(r;r)の形をしている。続いて、現在統計量推定部204は、ステップS302と同様の方法で、A(z)を計算する推定値計算処理を行う(S603)。
図8は、重み関数w(r)=w(r;r)として、ガウス関数exp(−r^2/2r^2)が用いられる例を示す。ガウス関数は、自己相似ではない。また、ガウス関数は、関数の大きさ(スケール)を特徴づけるパラメータ(図8の例では平均半径r)を含む。また、ガウス関数は、図5の関数w(r)=1/r^αと異なって、r=0でもw(r)が無限大に発散しない。
従って、現在統計量推定部204はガウス関数を用いて重みを算出することにより、zからzに、与えられたパラメータセットzと全く同じ、あるいは非常に近いパラメータセットが含まれている場合、即ちrが0、あるいは0に非常に近い場合であっても、統計量推定処理を安定して行うことができる。
図9は、現在統計量推定部204が行うステップS213の統計量推定処理の別の一例を示す。図9の例において、評価値記憶部203が保持する情報等の前提条件は図3の例と同様である。
図9の例において、現在統計量推定部204は、L個のパラメータセットにおける評価結果x1からxから、現在のパラメータセットzにおける統計量の推定値A(z)を直接算出するのではなく、まず、zにおける注目指標Xの推定分布関数F(x,z)を算出する。現在統計量推定部204は、算出したF(x,z)を用いてA(z)を計算する。
現在統計量推定部204は、まず、例えば、ステップS301と同様の方法で、与えられたパラメータセットzと、評価値記憶部203が保持するL個の各パラメータセットzと、の距離rを算出し、距離rから重みwそれぞれを計算する(S901)。
次に、現在統計量推定部204は、各重みwの総和Wを計算し、相対重みw/Wを用いてF(x,z)を算出する(S902)。具体的には、現在統計量推定部204は、評価値xを閾値とするステップ関数U(x−x)の重み付き総和として、F(x,z)を算出する。ただし、U(x)は単位ステップ関数である。
図10は、分布関数推定処理の概念を説明する図である。図10の例では、評価値記憶部203が6個のパラメータセットz1からz及び各パラメータセットの注目指標の評価値x1からxを保持している。図10は、x1からxの大小関係がx<x1<x<x<x<xであった場合における推定分布関数F(x;z)の例を示す。
(x,z)は、各xにおいて高さw/Wのステップを有している。なお、ここで説明した分布関数の推定処理は、経験分布関数の推定において、重みw/Wを用いた重み付けの処理を付加したものとなっている。また、現在統計量推定部204は、図3に示した重みではなく、例えば、図6で説明したガウス関数などの特徴的なスケール(大きさ)を持つ関数を重み関数として用いて分布関数を推定してもよい。この場合、現在統計量推定部204は、例えば、図6で説明したように、当該スケールとして平均半径rを用いればよい。
図9の説明に戻る。現在統計量推定部204は、分布関数推定処理において推定されたパラメータzにおける推定分布関数F(x,z)から、統計量の推定値A(z)を計算する(S903)。現在統計量推定部204は、真の分布関数F(x,z)から統計量A(z)を算出する計算において、例えば、真の分布関数F(x,z)のかわりに推定された分布関数F(x,z)を用いることによりA(z)を計算すればよい。
現在統計量推定部204は、図9で説明した方法において、与えられたパラメータセットzにおける推定分布関数F(x,z)を求め、F(x,z)からA(z)を算出している。従って、重み付き評価値から統計量を直接的に推定する具体的な実現方法(例えばステップS302に示した平均を直接推定する数式)がわからない場合であっても、現在統計量推定部204はA(z)を算出することができる。また、現在統計量推定部204が分布関数の近似関数F(x,z)を用いてA(z)を算出する方法は、例えば、統計量A(z)が注目指標xの最頻値(モード)である場合などにおいて、A(z)を直接推定する方法よりも精度が高い。
なお、図3から図9を、ステップS213における現在統計量推定処理の説明として記載したが、例えば、下記の読み替えを行うことにより、当該説明をステップS216の新規統計量推定処理の説明として読み替えることができる。例えば、現在統計量推定部204を新規統計量推定部206と、現在のパラメータセットzを新たなパラメータセットの候補zNと、それぞれ読み替えればよい。
図11は、従来の最適化方法、すなわち、山登り法や準ニュートン法あるいは差分進化法や粒子群最適化法といった公知の最適化手法をそのまま確率的なシステムにおけるパラメータセットの最適化に適用した場合の指標評価の履歴の一例を示す。履歴内のCountは指標評価処理の延べ回数を、PointCountは同一パラメータセットにおける評価回数を、z1およびz2はパラメータセットzの要素の値を、EvaluatedValは注目指標の評価値xの値を示す。
前述したように、計算機は、確率的なシステムにおけるパラメータ最適化に従来の最適化方法をそのまま適用する場合、注目指標に関する統計量A(z)を十分な精度で算出するために、各パラメータセットについて評価処理を多数回繰り返して行うて、必要がある。履歴は、同一のパラメータセットについて100回ずつ評価した評価値を含む。さらに、履歴は100回の評価結果から算出された平均値を含み、当該算出された平均値が当該パラメータセットにおける統計量の推定値A(z)として用いられる。
図12は、本実施例の最適化手法を用いた場合の指標評価の履歴の一例を示す。当該履歴は例えば、出力装置106に出力される。図12の履歴は、Count、z1、z2、EvaluatedVal、及び注目指標の評価値xにおける統計量の推定値A(z)を示すEstimatedValを含む。Count、z1、z2、及びEvaluatedValが示す情報は図11と同様である。
本実施例のパラメータセット最適化システム100は、各パラメータセットにおける評価を1回(又は従来の最適化方法をそのまま適用した場合に比べて少ない回数)行う。図12の履歴の例は、各パラメータセットにおける評価値1つに対して、1つのA(z)が表示されている点、及びCountの度にパラメータセットが変わっている点において、図11の履歴と異なる。
図13は、本実施例におけるパラメータセット最適化処理システムのユーザインタフェースの一例である。ユーザインタフェース1300は、例えば出力装置106に表示され、最適化の対象を指定するための最適化対象設定セクション1310と、最適化の処理条件を表示するための最適化条件設定セクション1320と、を含む。ユーザは、例えば、入力装置105を介して、各セクションに最適化の対象および条件を入力する。
最適化対象設定セクション1310は、例えば、最適化対象モデル指定セクション1311、注目指標指定セクション1312、チェックボックス1313、パラメータセット指定セクション1314、および統計量指定セクション1315を含む。最適化対象モデル指定セクション1311は、最適化の対象であるシミュレーションモデルの指定を受け付ける。注目指標指定セクション1312は、シミュレーション結果から最適化の注目指標Xの実現値xを計算する方法の指定を受け付ける。
パラメータセット指定セクション1314は、最適化の対象である1または複数のパラメータであるパラメータセットzの指定を受け付ける。チェックボックス1313は、最適化対象モデルに含まれるすべてのパラメータを最適化対象に指定するためのチェックボックスである。
統計量指定セクション1315は、注目指標Xの分布から算出される統計量A(z)の種類の指定を受け付ける。期待値、最頻値、あるいは、バリュー・アット・リスク等は、統計量指定セクション1315において指定される統計量の種類の一例である。また、統計量指定セクション1315は、例えば、注目指標Xの分布から統計量指標を算出する数式の入力を受け付けてもよい。
最適化条件設定セクション1320は、例えば、最適化手法指定セクション1321、モデル評価回数指定セクション1322、計算時間指定セクション1323、信頼度指定セクション1324、及び信頼区間半径指定セクション1325を含む。最適化手法指定セクション1321は、例えば、山登り法や準ニュートン法、差分進化法や粒子群最適化法、等の手法の指定を受け付ける。また、最適化手法指定セクション1321は、最適化手法が記述されたプログラム等の指定を受け付けてもよい。
モデル評価回数指定セクション1322は、最適化処理全体におけるモデルの評価すなわちシミュレーションの延べ回数の指定を受け付ける。計算時間指定セクション1323は、最適化処理にかける最大時間の指定を受け付ける。なお、モデル評価回数と計算時間は比例関係にあるため、どちらか一方を指定すると他方は自動的に定まる。したがって、ユーザはモデル評価回数指定セクション1322あるいは計算時間指定セクション1323の一方の値のみを指定することが可能であり、他方のセクションはパラメータセット最適化システム100が算出した値を表示してもよい。
信頼度指定セクション1324及び信頼区間半径指定セクション1325は、最適化の目標精度を決定するための情報の指定を受け付ける。図13の例では、本システムによる最適化処理の結果得られた最適パラメータセットを中心として、信頼区間半径指定セクション1325において指定された信頼区間半径すなわち10−5、の球の中に、真に最適なパラメータセットが存在する確率が、信頼度指定セクション1324において指定された信頼度すなわち95%以上という条件を示す。
なお、モデル評価回数と計算時間からなる組と、信頼度と信頼区間半径からなる組と、の間において、一方を定めると他方は自動的に定まるという関係にある。したがって、ユーザは、この2つの組のどちらか一方のみを指定することができる。このとき、他方のセクションの組はパラメータセット最適化システム100が自動的に算出した目安の値を表示してもよい。
以上、本実施例のパラメータセット最適化システム100は、最適化処理の過程で必要なパラメータセットzにおける最適化の対象である注目指標の統計量A(z)を、過去に評価した異なるパラメータセットにおける注目指標の評価値、を使って推定することで、それぞれのパラメータセット候補における注目指標の評価回数は1回のみで十分となる。この結果、本実施例のパラメータセット最適化システム100は、最適化処理における精度を維持しつつ、最適化処理全体における注目指標の評価回数の合計回数を大幅に削減し、高速な最適化処理を実現することが可能となる。
本実施例は、多数のパラメータが存在する確率的なモデルにおいて、パラメータセットの最適化を行う手段を、半導体集積回路の電子回路における製造ばらつきを考慮した設計に応用する例を説明する。
近年、半導体集積回路の微細化が進むにしたがって、集積回路を構成する個々のトランジスタの特性のばらつきが大きくなっている。集積回路を構成するトランジスタの特性ばらつきは、例えば、集積回路の製造時において、形成される回路要素の物理的なサイズ、基板に注入される不純物イオンの数、又は格子欠陥の数等の製造時に不可避的に生じる確率的な現象に起因する。つまり、当該回路は、個々のトランジスタの特性が確率的にばらつくことを想定して設計される必要がある。
したがって、トランジスタの特性のばらつきを確率分布でモデル化した上で、例えば、回路全体の特性の期待値やばらつき(分散)の大きさ、又は集積回路の歩留まり、すなわち集積回路を構成する回路全体の特性が望ましい範囲におさまる確率、等をモンテカルロ・シミュレーションによって推定することが行われる。回路設計者は、例えば、設計した回路のばらつきを考慮した特性を最適にするように設計パラメータを最適化する必要がある。
個々のトランジスタにおける設計パラメータは、例えば、ゲート幅W、ゲート長L、拡散層幅LOD、トランジスタ間距離PDXといった、ばらつき・電力・レイアウト面積等に関係するものを10程度含む。したがって、一般に、回路ブロックの設計パラメータの数は、回路を構成するトランジスタ数の10倍程度になる。多数のトランジスタで構成される複雑な回路ブロックにおける設計パラメータは膨大な数となりえるため、個々の設計パラメータの最適化を人手で行うことは困難である。本実施例では、回路のばらつきを考慮した特性、たとえば、性能期待値や歩留まり、あるいは消費電力といった値を最適にするような設計パラメータを自動的に求めることで、設計の効率を大幅に向上できる。
図14は、6個のトランジスタで構成されるSRAMセルの回路の例を示す。SRAMセルは、通常時にはSRAMセルに記憶された値が失われないことと、記憶の書き換え時にはSRAMセルの記憶値が意図した値にきちんと書き変わること、という互いに相反する特性を満たす必要がある。
製造された集積回路における個々のトランジスタの実際のパラメータ値は、集積回路の製造時のばらつきによって設計時に指定された値にはならず、例えば、ある確率分布にしたがって分布する。その結果、例えば、通常にSRAMセルに記憶していた値が失われる、又は、記憶の書き換え時にはSRAMセルの記憶値が意図した値にきちんと書き変わらない、等の不良が起こりえる。
そこで、回路設計者は、例えば、設計パラメータ値をいろいろな値に変えてモンテカルロ・シミュレーションを行い、実際に製造されるSRAMセル回路の不良率を最小にするように設計パラメータを最適化する必要がある。以下、実施例1の確率的なシステムにおけるパラメータセット最適化の手法を当該最適化の適用する例を説明する。
本実施例におけるパラメータベクトルzは、トランジスタの設計パラメータからなる。例えば、個々のトランジスタに10の設計パラメータがある場合、6個のトランジスタで構成されるSRAMセル回路におけるパラメータベクトルzは、60次元のベクトルである。
ところで、前述のように、SRAM回路の特性ばらつきは、トランジスタの実際のパラメータ値が製造時にばらつくことに起因する。すなわち、トランジスタの特性を決める60次元の設計パラメータzに対して、実際には製造時のばらつきにより、例えば、60次元のパラメータyが生成される。
これを模擬するために、指標評価部202は、評価を行う毎に、内部で新たな乱数を発生させ、60次元のベクトルである現在のパラメータセットzと乱数の値wとから製造後の実際のパラメータ値yを関数y=y(w,z)によって定める。このとき、製造後の実際のパラメータ値yの確率分布が、設計パラメータセットがzであるときの、製造ばらつきを表すように、乱数ベクトルwが従う確率密度関数g(w)と、関数y(w,z)と、が定められているものとする。
指標評価部202は、製造後の実際のパラメータyを定めれば、SRAMセル回路の挙動x(t)を、通常の回路シミュレーションによって決定論的に定めることができる。したがって、指標評価部202は、パラメータyのもとで、SRAM回路が良品であるか不良品であるかを定めることができる。指標評価部202は、SRAM回路が良品であれば0を、不良品であれば1を評価結果として出力する。このとき、評価結果の統計量A(z)をxの期待値E[x]とすれば、A(z)は、SRAMセルの不良率を示す。
現在統計量推定部204および新規統計量推定部206は、指標評価部202が出力した、あるいは、指標評価部202が過去に出力して評価値記憶部203に記憶されているSRAM回路の良品または不良品の判定結果より、与えられたパラメータセットzにおける判定結果の期待値、すなわち、不良率を推定する。以上により、前述の実施例1におけるパラメータセット最適化システム100を用いて、SRAM回路の不良率を最小とする設計パラメータの最適化を行うことが可能である。
以上のように、本実施例のパラメータセット最適化システム100は、多数のトランジスタで構成される半導体集積回路の電子回路における、製造ばらつきを考慮した設計パラメータ値の最適値を効率的に求めることができる。
本実施例は、確率的なシステムにおけるパラメータセットの最適化手段を、金融分野、とくに、銀行の収益最適化に適用した例を説明する。
金融機関においては、通常四半期毎に、取り扱っている金融商品の将来の取扱高の目標について事業計画を立案する。金融機関に限らず営利企業の目的は限られた資産あるいはその他のリソースをもとにできるだけ多くの収益をあげることであり、事業計画の立案は、すなわち、最大の収益をあげるように、保有する資産あるいその他のリソースをどこに配分するかを決めるという最適化問題である。
図15は、銀行における収支計画表の例を示す。収支計画表の最左列は、当該銀行における取扱金融商品の科目を示す。取扱金融商品の科目は、例えば、企業向けの事業融資、個人向けの住宅ローン貸付、カードローン貸付、および銀行が自ら保有している有価証券配当について、それぞれAからCまでの3区分の科目を含む。
実際の銀行においては、数千程度の金融商品の科目を保有することがある。表の各行は、最上行に示される期間における、金融商品の科目それぞれについての取扱高を示す。例えば、現時点が2014年2Q終了時とすれば、‘14/1Qおよび‘14/2Qの取扱高は実績値を示し、‘14/3Q以降の取扱高は現時点(2014年2Q終了時点)における計画値を示す。図15の例では四半期単位で計8期間についての計画の例を示しているが、実際の銀行においては、例えば、月単位又は週単位で5年程度の計画を立てることもあり、このとき、収支計画表は数百程度の期間を含む。
各科目における取扱高と収益との関係は、例えば、主に銀行の資金調達金利、すなわちスポットレートに依存する。スポットレートと収益の関係については、科目毎にある程度の確度をもったモデル化が可能であるのに対して、将来のスポットレートは不確定であり確率的な予測しかできない。
そこで、銀行の経営においては、例えば、モンテカルロ・シミュレーションによって収益の期待値やばらつきをシミュレーションし、事業計画の妥当性を判断する。具体的には、例えば、乱数を用いて将来のスポットレートの実現パスを生成し、各科目の計画取扱高をもとに収益値を計算し、全科目の収益を合計することで銀行全体の収益値を計算する、という処理を多数回行う。当該多数回の処理によって、与えられた事業計画の下での銀行全体の収益の期待値やばらつきを推定する。
以下、実施例1の確率的なシステムにおけるパラメータセット最適化手法を銀行の収益予測シミュレーションに適用する例を説明する。
本実施例におけるパラメータベクトルzは、例えば、全ての科目それぞれについて未来の各期間における取扱高の計画値である。例えば、科目数は数千程度、期間は数百期間である場合、パラメータベクトルzは十万次元程度のベクトルである。
指標評価部202は、評価を行う毎に、内部で新たな乱数を発生させて、将来のスポットレートの実現パスを1本生成する。指標評価部202は、例えば、Hull−Whiteモデル、CIRモデル、又はBDTモデルなどの確率的なモデルを用いて、当該実現パスを生成する。これらのモデルは、時刻t+1でのスポットレートを、時刻tでのスポットレートと、(時刻tで新たに生成する)乱数と、に基づいて定める。その後、生成した将来のスポットレートの実現パスと、現在のパラメータセットz、すなわち、合計十万項目程度の取扱高の計画値と、から、銀行全体の収益を計算して出力する。
現在統計量推定部204および新規統計量推定部206は、指標評価部202が出力した、あるいは、指標評価部202が過去に出力して評価値記憶部203に記憶されている収益値より、与えられたパラメータセットzにおける収益値の期待値あるいはバリュー・アット・リスクを推定する。以上の構成により、前述の実施例1におけるパラメータセット最適化システム100を用いて、銀行全体の収益の期待値あるいはバリュー・アット・リスクを最大化するような事業計画の立案が可能となる。
図16は、銀行の収益の確率分布の一例を示す。バリュー・アット・リスク(VaR)は、ある期間における資産価値の損失リスクを推定した値を示す。図16の例では、最大損失がVaR以下となる確率が95%であることを示す。
以上のように、本実施例のパラメータセット最適化システム100は、金融分野、とくに銀行の事業計画立案のプロセスを効率化することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

Claims (15)

  1. パラメータセットから注目指標の評価値を出力する確率的システムの前記注目指標の統計量、を最小化するパラメータセットを探索する、システムであって、
    プロセッサと、メモリと、を含み、
    前記メモリは、評価済みパラメータセットと、前記評価済みパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、を含む評価情報を保持し、
    前記プロセッサは、探索処理を繰り返し、
    前記探索処理において、
    1以上のパラメータセットからなる第1パラメータセット集合を取得し、
    前記第1パラメータセット集合が所定の精度で収束していないと判定した場合、
    前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、
    前記評価情報から第1評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、
    前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第1重みを算出し、
    前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、前記第1重みとに基づいて、前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの前記注目指標の統計量の推定値を算出し、
    前記第1パラメータセット集合から、1以上のパラメータセットからなり、前記第1パラメータセット集合と異なる新パラメータセット集合候補、を所定のアルゴリズムを用いて、生成し、
    前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、
    前記評価情報から第2評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、
    前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第2重みを算出し、
    前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの注目指標の評価値と前記第2重みとに基づいて、前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットの注目指標の統計量の推定値を算出し、
    前記第1パラメータセット集合及び前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の統計量の推定値の大きさ、に基づいて、前記第1パラメータセット集合と前記新パラメータセット集合候補から、1以上のパラメータセットからなる新パラメータセット集合に含めるパラメータセットを選択し、
    前記新パラメータセット集合を、次回の探索処理における第1パラメータセット集合として採用する、システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、
    前記第1パラメータセット集合のパラメータセットのばらつき、又は前記第1パラメータセット集合と、前記第1パラメータセット集合と異なる、過去の探索処理における第1パラメータセット集合と、の距離に基づいて、前記第1パラメータセット集合が前記所定の精度で収束しているか否かを判定する、システム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離の逆数に基づいて、前記第1重みを算出する、システム。
  4. 請求項3に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、前記第1重みを下記数式で表される関数で算出し、
    Figure 2016194051
    上記数式における、rは前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットと前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットとの距離、αは1より大きい実数である、システム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、
    前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離を、ガウス関数に代入した値に基づいて、前記第1重みを算出し、
    前記ガウス関数は、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれと、前記第1評価済みパラメータセット集合の重心と、の距離の平均値に基づくスケールを有する、システム。
  6. 請求項5に記載のシステムであって、
    前記ガウス関数は、下記数式で表され、
    Figure 2016194051
    上記数式における、rは前記第1パラメータセットの当該パラメータセットと前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットとの距離、rは前記平均値である、システム。
  7. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、
    前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、
    前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値それぞれに基づくステップ関数と、前記第1重みと、に基づいて、前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの前記注目指標が従う推定分布関数を生成し、
    前記推定分布関数から、前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの前記注目指標の統計量の推定値を算出する、システム。
  8. 請求項7に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、下記数式を用いて前記推定分布関数を算出し、
    Figure 2016194051
    上記数式における、zは前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセット、Lは前記第1評価済みパラメータセット集合の要素数、x乃至xそれぞれは前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値、w乃至wそれぞれは前記x乃至前記xそれぞれに対応する重み、Uは単位ステップ関数である、システム。
  9. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離の逆数に基づいて、前記第2重みを算出する、システム。
  10. 請求項9に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、前記第2重みを下記数式で表される関数で算出し、
    Figure 2016194051
    上記数式における、rは前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットと前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットとの距離、αは1より大きい実数である、システム。
  11. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、
    前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離を、ガウス関数に代入した値に基づいて、前記第2重みを算出し、
    前記ガウス関数は、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれと、前記第2評価済みパラメータセット集合の重心と、の距離の平均値に基づくスケールを有する、システム。
  12. 請求項11に記載のシステムであって、
    前記ガウス関数は、下記数式で表され、
    Figure 2016194051
    上記数式における、rは前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットと前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットとの距離、rは前記平均値である、システム。
  13. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、
    前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、
    前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値それぞれに基づくステップ関数と、前記第1重みと、に基づいて、前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットの前記注目指標が従う推定分布関数を生成し、
    前記推定分布関数から、前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットの前記注目指標の統計量の推定値を算出する、システム。
  14. 請求項13に記載のシステムであって、
    前記プロセッサは、下記数式を用いて前記推定分布関数を算出し、
    Figure 2016194051
    上記数式における、zは前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセット、Lは前記第2評価済みパラメータセット集合の要素数、x乃至xそれぞれは前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値、w乃至wそれぞれは前記x乃至前記xそれぞれに対応する重み、Uは単位ステップ関数である、システム。
  15. システムが、パラメータセットから注目指標の評価値を出力する確率的システムの前記注目指標の統計量、を最小化するパラメータセットを探索する、方法であって、
    前記システムは、評価済みパラメータセットと、前記評価済みパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、を含む評価情報を保持し、
    前記方法は、前記システムが探索処理を繰り返し、
    前記探索処理において、前記システムが、
    1以上のパラメータセットからなる第1パラメータセット集合を取得し、
    前記第1パラメータセット集合が所定の精度で収束していないと判定した場合、
    前記第1パラメータセット集合のパラメータセットそれぞれについて、
    前記評価情報から第1評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、
    前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第1重みを算出し、
    前記第1評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値と、前記第1重みとに基づいて、前記第1パラメータセット集合の当該パラメータセットの前記注目指標の統計量の推定値を算出し、
    前記第1パラメータセット集合から、1以上のパラメータセットからなり、前記第1パラメータセット集合と異なる新パラメータセット集合候補、を所定のアルゴリズムを用いて、生成し、
    前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれについて、
    前記評価情報から第2評価済みパラメータセット集合及び対応する前記注目指標の評価値を選択し、
    前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれとの距離に基づいて、前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の評価値に対応する第2重みを算出し、
    前記第2評価済みパラメータセット集合のパラメータセットそれぞれの注目指標の評価値と前記第2重みとに基づいて、前記新パラメータセット集合候補の当該パラメータセットの注目指標の統計量の推定値を算出し、
    前記第1パラメータセット集合及び前記新パラメータセット集合候補のパラメータセットそれぞれの前記注目指標の統計量の推定値の大きさ、に基づいて、前記第1パラメータセット集合と前記新パラメータセット集合候補から、1以上のパラメータセットからなる新パラメータセット集合に含めるパラメータセットを選択し、
    前記新パラメータセット集合を、次回の探索処理における第1パラメータセット集合として採用する、方法。
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