以下、添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態において、「測距」とは、計測対象となる被写体までの距離を計測することを指す。また、本実施形態において、「略垂直」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの垂直を指し、「略平行」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。
[第1実施形態]
本第1実施形態に係る測距装置10A(図1参照)は、測距用のレーザ光を射出して測距を行う測距系機能と撮像を行う撮像系機能とを備えている。
測距装置10Aは、測距系機能を働かせる測距系の動作モードとして、ノーマルモードとスキャンモードとを有する。ノーマルモードは、1回の指示に応じて1回の計測シーケンス(図2参照)を行う動作モードである。スキャンモードは、走査測距機能を働かせる動作モードである。走査測距機能とは、ユーザが測距装置10Aを移動させることによりレーザ光を走査させて継続的に複数回の計測シーケンスを行う機能を指す。ノーマルモード及びスキャンモードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。
測距装置10Aは、撮像系の動作モードとして、静止画撮像モードと動画撮像モードとを有する。静止画撮像モードは、静止画像を撮像する動作モードであり、動画撮像モードは、動画像を撮像する動作モードである。静止画撮像モード及び動画撮像モードは、ユーザの指示に応じて選択的に設定される。
一例として図1に示すように、測距装置10Aは、測距ユニット12、撮像ユニット14(被写体像を得る側の構造の一例)、処理装置16、角速度センサ18、受付デバイス20、電子ビューファインダ22、メモリカード24、及びビームスプリッタ160を含む。なお、ビームスプリッタ160は、本開示の技術に係る光路形成部の一例である。
測距ユニット12は、射出部26(レーザ光を射出する側の構造の一例)及び受光部28を有する。射出部26は、本開示の技術に係る発光素子の一例であるLD(レーザダイオード:Laser Diode)30、射出光学系32、及び本開示の技術に係る第2抑制部及び第2防振レンズ機構の一例であるレーザ振れ抑制部33を有する。
LD30は、本開示の技術に係る指向性光の一例である測距用のレーザ光を発光する。なお、以下では、説明の便宜上、LD30により発光されるレーザ光の波長が900ナノメートルであることを前提として説明するが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、レーザ光の波長が900ナノメートル以外の波長であってもよいことは言うまでもない。
射出光学系32は、共通光路162及びレーザ光用光路164を有する。共通光路162は、撮像ユニット14の結像光学系62の光軸PとLD30により発光されたレーザ光の光軸L1とが共通する光路である。なお、以下では、説明の便宜上、共通光路162での光軸P及び光軸L1を区別して説明する必要がない場合、「共通光軸」と称する。
結像光学系62は、共通光路162及び被写体光用光路163を有する。共通光路162、被写体光用光路163、及びレーザ光用光路164は、ビームスプリッタ160によって形成される。
被写体光用光路163は、ビームスプリッタ160を介して共通光路162から分流して被写体からの反射光である被写体光を撮像素子60(後述)に導く光路である。レーザ光用光路164は、ビームスプリッタ160を介して共通光路162に合流して、LD30により発光されたレーザ光を共通光路162に導く光路である。
共通光路162には、固定レンズ36が配置されており、被写体光は、固定レンズ36に入射される。固定レンズ36は、被写体光を通過させ、ビームスプリッタ160に導く。また、固定レンズ36は、レーザ光用光路164からビームスプリッタ160によって導かれたレーザ光を被写体に対して射出する。
レーザ光用光路164には、集光レンズ(図示省略)及び射出系防振レンズ34が設けられている。集光レンズ及び射出系防振レンズ34は、レーザ光の光軸L1に沿って設けられており、LD30からビームスプリッタ160にかけて光軸L1に沿って集光レンズ及び射出系防振レンズ34の順に配置されている。
集光レンズは、LD30により発光されたレーザ光を集光する。射出系防振レンズ34は、集光レンズにより集光されたレーザ光を通過させてビームスプリッタ160へ導き、かつ、射出系防振レンズ34の光軸に対して略垂直方向に変動する。
レーザ振れ抑制部33は、レーザ振れを抑制する機構であり、本開示の技術に係る第2防振レンズの一例である射出系防振レンズ34、及び本開示の技術に係る第2レンズ変動機構の一例である防振レンズ変動機構38を有する。なお、レーザ振れは、例えば、手振れに伴って生じる。
ここで、本第1実施形態において、「手振れ」とは、ユーザの手の振動が伝達されることにより測距装置10Aが振動する現象を指す。また、本第1実施形態において、「レーザ振れ」とは、被写体に対して光軸L1が変動する現象を指す。また、本第1実施形態において、「レーザ振れの抑制」には、レーザ振れを無くすという意味の他に、レーザ振れを低減するという意味も含まれる。
なお、レーザ振れ抑制部33によるレーザ振れの抑制結果は、本開示の技術に係る第2抑制部による抑制結果の一例である。レーザ振れ抑制部33によるレーザ振れの抑制結果とは、例えば、レーザ振れ抑制部33が動作することによってレーザ振れが抑制された場合における射出系防振レンズ34の現在位置を指す。
防振レンズ変動機構38は、動力源38A及び第1動力伝達機構(図示省略)を備えている。動力源38Aは、動力を生成する。第1動力伝達機構は、動力源38Aにより生成された動力を受け、受けた動力を射出系防振レンズ34に伝達することにより、射出系二次元平面に沿って射出系防振レンズ34を変動させる。ここで、射出系二次元平面とは、例えば、射出系防振レンズ34の光軸に対して略垂直な二次元平面を指す。
なお、本第1実施形態では、動力源38Aの一例として、射出系二次元平面に沿って伸縮するピエゾ素子が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ボイスコイルモータ又はステッピングモータ等であってもよい。
射出部26は、位置検出センサ40を有する。位置検出センサ40は、射出系防振レンズ34の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置信号を出力する。ここで、射出系防振レンズ34の現在位置とは、射出系二次元平面内の現在位置を指す。
なお、本第1実施形態では、位置検出センサ40の一例として、ホール素子が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ホール素子以外の磁気センサ、又はフォトセンサなどであってもよい。
受光部28は、PD(フォトダイオード:Photo Diode)50及び対物レンズ54を有する。対物レンズ54は、PD50の受光面側に配置されており、射出部26により射出されたレーザ光が被写体に当たって反射したレーザ光である反射レーザ光は対物レンズ54に入射される。対物レンズ54は、反射レーザ光を通過させ、PD50の受光面に導く。PD50は、対物レンズ54を通過した反射レーザ光を受光し、受光量に応じたアナログ信号を受光信号として出力する。
なお、反射レーザ光の光軸L2及び共通光軸は、互いに異なる光路に略平行に配置されており、光軸間の間隔は数ミリ程度である。
撮像ユニット14は、本開示の技術に係る受光部の一例である撮像素子60、結像光学系62、及び本開示の技術に係る第1抑制部及び第1防振レンズ機構の一例である像振れ抑制部63を有する。撮像素子60は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondutor)型のイメージセンサであり、カラーフィルタ(図示省略)を備えている。カラーフィルタは、輝度信号を得るために最も寄与するG(Green:緑)に対応するGフィルタ、R(Red:赤)に対応するRフィルタ、及びB(Blue:青)に対応するBフィルタを含む。撮像素子60は、マトリクス状に配置された複数の画素(図示省略)を有しており、各画素には、カラーフィルタに含まれるRフィルタ、Gフィルタ、及びBフィルタの何れかのフィルタが割り当てられている。
結像光学系62の被写体光用光路163には、フィルタ64及び撮像系防振レンズ66が設けられている。フィルタ64及び撮像系防振レンズ66は、光軸Pに沿って設けられており、撮像素子60からビームスプリッタ160にかけて光軸Pに沿ってフィルタ64及び撮像系防振レンズ66の順に配置されている。
撮像系防振レンズ66は、ビームスプリッタ160によって共通光路162から被写体光用光路163に導かれた被写体光を通過させてフィルタ64へ導き、かつ、撮像系防振レンズ66の光軸に対して略垂直方向に変動する。
フィルタ64は、反射レーザ光を吸収し、撮像素子60が感度を有する有効波長の光を通過させる。例えば、有効波長が500ナノメートル以上、かつ、750ナノメートル以下の場合、フィルタ64は、800ナノメートル以上の波長の光を吸収するフィルタであればよい。なお、本第1実施形態では、フィルタ64として、反射レーザ光を吸収するフィルタを例示しているが、これに限らず、反射レーザ光を反射するフィルタであってもよい。
フィルタ64を通過した被写体光は、撮像素子60の受光面に結像され、被写体光の受光量に応じた電荷が撮像素子60の画素に蓄積される。撮像素子60は、各画素に蓄積された電荷を、被写体光が受光面で結像されて得られた被写体像に相当する画像を示す画像信号として出力する。
像振れ抑制部63は、撮像素子60の受光面に結像されて得られた被写体像に対して光軸Pの変動が与える影響を抑制する機構、すなわち、像振れを抑制する機構であり、撮像系防振レンズ66及び防振レンズ変動機構70による単一の機構である。なお、撮像系防振レンズ66は、本開示の技術に係る第1防振レンズの一例であり、防振レンズ変動機構70は、本開示の技術に係る第1レンズ変動機構の一例である。
ここで、本第1実施形態において、「像振れ」とは、被写体像が基準位置からずれる現象を指し、例えば、撮像素子60の受光面に結像されて得られた被写体像が、光軸Pの被写体に対する相対的な移動に伴って基準位置からずれる現象を指す。また、「基準位置」とは、例えば、手振れがない状態で撮像素子60の受光面に結像されて得られる被写体像の位置を指す。また、本第1実施形態において、「像振れの抑制」には、像振れを無くすという意味の他に、像振れを低減するという意味も含まれる。
なお、像振れ抑制部63による像振れの抑制結果は、本開示の技術に係る第1抑制部による抑制結果の一例である。像振れ抑制部63による像振れの抑制結果とは、例えば、像振れ抑制部63が動作することによって像振れが抑制された場合における撮像系防振レンズ66の現在位置を指す。
防振レンズ変動機構70は、動力源70A及び第2動力伝達機構(図示省略)を備えている。動力源70Aは、動力を生成する。第2動力伝達機構は、動力源70Aにより生成された動力を受け、受けた動力を撮像系防振レンズ66に伝達することにより撮像系二次元平面に沿って撮像系防振レンズ66を変動させる。ここで、撮像系二次元平面とは、例えば、撮像系防振レンズ66の光軸に対して略垂直な二次元平面を指す。
なお、本第1実施形態では、動力源70Aの一例として、撮像系二次元平面に沿って伸縮するピエゾ素子が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ボイスコイルモータ又はステッピングモータ等であってもよい。
撮像ユニット14は、位置検出センサ72を有する。位置検出センサ72は、撮像系防振レンズ66の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置信号を出力する。ここで、撮像系防振レンズ66の現在位置とは、撮像系二次元平面内の現在位置を指す。本第1実施形態では、位置検出センサ72の一例として、ホール素子が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ホール素子以外の磁気センサ、又はフォトセンサなどであってもよい。
なお、以下では、説明の便宜上、位置検出センサ40により出力される位置信号を「射出系位置信号」と称する。また、以下では、説明の便宜上、位置検出センサ72により出力される位置信号を「撮像系位置信号」と称する。また、以下では、説明の便宜上、射出系位置信号及び撮像系位置信号を区別して説明する必要がない場合、「位置信号」と称する。
処理装置16は、主制御部80を有しており、主制御部80は、測距装置10Aの全体を制御する。また、処理装置16は、本開示の技術に係る被写体像加工部の一例である画像処理部82、画像メモリ84、測距制御部86、及び表示制御部88を有する。また、処理装置16は、LDドライバ92、位置信号処理回路94,96、変動機構ドライバ98,100、受光信号処理回路102、撮像素子ドライバ104、及び画像信号処理回路106を有する。更に、処理装置16は、メディアI/F(Interface:インタフェース)108、センサI/F110、及び受付I/F112を有する。
主制御部80、画像処理部82、画像メモリ84、測距制御部86、及び表示制御部88は、バスライン114に接続されている。また、LDドライバ92、位置信号処理回路94,96、変動機構ドライバ98,100、受光信号処理回路102、撮像素子ドライバ104、及び画像信号処理回路106もバスライン114に接続されている。更に、メディアI/F108、センサI/F110、及び受付I/F112もバスライン114に接続されている。
角速度センサ18は、センサI/F110に接続されており、ヨー方向の角速度及びピッチ方向の角速度を検出し、検出した角速度を示す角速度信号をセンサI/F110に出力する。センサI/F110は、主制御部80の指示に従って角速度センサ18を作動させ、角速度センサ18から入力された角速度信号を主制御部80に出力する。
受付デバイス20は、測距指示ボタン20A、レリーズボタン20B、測距系動作モード切替ボタン20C、及び撮像系動作モード切替ボタン20D等を有しており、ユーザによる各種指示を受け付ける。
測距指示ボタン20Aは、測距の開始の指示を受け付ける。レリーズボタン20Bは、静止画像の撮像の開始の指示、動画像の撮像の開始の指示、及び動画像の撮像の終了の指示を受け付ける。測距系動作モード切替ボタン20Cは、ノーマルモードとスキャンモードとを切り替える指示を受け付ける。撮像系動作モード切替ボタン20Dは、静止画撮像モードと動画撮像モードとを切り替える指示を受け付ける。
受付デバイス20は、受付I/F112に接続されており、受け付けた指示の内容を示す指示内容信号を受付I/F112に出力する。受付I/F112は、主制御部80の指示に従って受付デバイス20を作動させ、受付デバイス20から入力された指示内容信号を主制御部80に出力する。主制御部80は、受付I/F112から入力された指示内容信号に応じて処理を実行する。
なお、本第1実施形態に係る測距装置10Aでは、マニュアルフォーカスモードとオートフォーカスモードとが受付デバイス20を介したユーザの指示に応じて選択的に設定される。レリーズボタン20Bは、撮像準備指示状態と撮像指示状態との2段階の押圧操作を受け付ける。撮像準備指示状態とは、例えば、待機位置から中間位置(半押し位置)まで押下される状態を指し、撮像指示状態とは、中間位置を超えた最終押下位置(全押し位置)まで押下される状態を指す。なお、以下では、説明の便宜上、「待機位置から半押し位置まで押下された状態」を「半押し状態」といい、「待機位置から全押し位置まで押下される状態」を「全押し状態」という。
オートフォーカスモードでは、レリーズボタン20Bが半押し状態にされることで撮像条件の調整が行われ、その後、引き続き全押し状態にすると露光が行われる。つまり、レリーズボタン20Bが半押し状態にされることでAE(Automatic Exposure)機能が働いて露出調整が行われた後、AF(Auto−Focus)機能が働いて合焦制御され、レリーズボタン20Bが全押し状態にされると露光が行われる。
LDドライバ92は、LD30に接続されており、測距制御部86の指示に従って、LD30を駆動させてレーザ光を発光させる。
位置信号処理回路94は、位置検出センサ40に接続されており、位置検出センサ40から入力された射出系位置信号を増幅し、増幅した射出系位置信号に対してA/D(Analog/Digital:アナログ/デジタル)変換を行う。そして、位置信号処理回路94は、A/D変換によりデジタル化された射出系位置信号を主制御部80に出力する。
変動機構ドライバ98は、動力源38Aに接続されており、主制御部80の指示に従って、動力源38Aを駆動させる。
受光信号処理回路102は、PD50に接続されており、PD50から入力された受光信号を増幅器(図示省略)で増幅し、増幅した受光信号に対してA/D変換を行う。そして、受光信号処理回路102は、A/D変換によってデジタル化された受光信号を測距制御部86に出力する。
測距制御部86は、主制御部80の制御下で、測距ユニット12を制御する。なお、本第1実施形態において、測距制御部86は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距制御部86は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現されてもよい。また、測距制御部86は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、測距制御部86は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
測距制御部86は、主制御部80の制御下で、LDドライバ92を制御することで、LD30によるレーザ光の発光を制御し、受光信号処理回路102から受光信号を取得する。測距制御部86は、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離を導出し、導出した距離を示す距離情報を主制御部80に出力する。
ここで、測距制御部86による被写体までの距離の計測について更に詳細に説明する。
一例として図2に示すように、測距装置10Aによる1回の計測シーケンスは、電圧調整期間、実計測期間、及び休止期間で規定される。
電圧調整期間は、LD30及びPD50の駆動電圧を調整する期間である。実計測期間は、被写体までの距離を実際に計測する期間であり、本開示の技術に係る測距動作期間の一例である。実計測期間では、LD30にレーザ光を発光させ、PD50に反射レーザ光を受光させる動作が数百回繰り返され、レーザ光を発光させたタイミングと受光信号を取得したタイミングとを基に、被写体までの距離が導出される。休止期間は、LD30及びPD50の駆動を休止させるための期間である。よって、1回の計測シーケンスでは、被写体までの距離の計測が数百回行われることになる。
なお、本第1実施形態では、電圧調整期間を数百ミリ秒とし、実計測期間を数百ミリ秒とし、休止期間を数百ミリ秒としている。
一例として図3に示すように、測距制御部86には、測距制御部86がレーザ光の発光の指示を与えるタイミング、及び受光信号を取得するタイミングを規定するカウント信号が供給される。本第1実施形態では、カウント信号は、主制御部80によって生成されて測距制御部86に供給されるが、これに限らず、バスライン114に接続されたタイムカウンタ等の専用回路によって生成されて測距制御部86に供給されるようにしてもよい。
測距制御部86は、カウント信号に応じて、レーザ光を発光させるためのレーザトリガをLDドライバ92に出力する。LDドライバ92は、レーザトリガに応じて、LD30を駆動してレーザ光を発光させる。
図3に示す例では、レーザ光の発光時間が数十ナノ秒とされている。この場合、射出部26により数キロメートル先の被写体に向けて射出されたレーザ光が反射レーザ光としてPD50で受光されるまでの時間は、“数キロメートル×2/光速”≒数マイクロ秒となる。従って、数キロメートル先の被写体までの距離を計測するためには、一例として図2に示すように、最低必要時間として、数マイクロ秒の時間を要する。
なお、本第1実施形態では、レーザ光の往復時間等を考慮して、一例として図2に示すように、1回の計測時間を数ミリ秒としているが、被写体までの距離によりレーザ光の往復時間は異なるので、想定する距離に応じて1回あたりの計測時間を異ならせてもよい。
測距制御部86は、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得た計測値を基に、被写体までの距離を導出する場合、例えば、数百回の計測から得た計測値のヒストグラムを解析して被写体までの距離を導出する。
一例として図4に示すように、1回の計測シーケンスにおける数百回の計測から得られた計測値のヒストグラムでは、横軸が被写体までの距離であり、縦軸が計測回数であり、計測回数の最大値に対応する距離が測距結果として測距制御部86によって導出される。なお、図4に示すヒストグラムはあくまでも一例であり、被写体までの距離に代えて、レーザ光の往復時間(発光から受光までの経過時間)や、レーザ光の往復時間の1/2等に基づいてヒストグラムが生成されてもよい。
撮像素子ドライバ104は、撮像素子60に接続されており、主制御部80の制御下で、撮像素子60に駆動パルスを供給する。撮像素子60の各画素は、撮像素子ドライバ104によって供給された駆動パルスに従って駆動する。
画像信号処理回路106は、主制御部80の制御下で、撮像素子60から1フレーム分の画像信号を画素毎に読み出す。画像信号処理回路106は、読み出した画像信号に対して、相関二重サンプリング処理、自動利得調整、A/D変換等の各種処理を行う。画像信号処理回路106は、画像信号に対して各種処理を行うことでデジタル化した画像信号を、主制御部80から供給されるクロック信号で規定される特定のフレームレート(例えば、数十フレーム/秒)で1フレーム毎に画像メモリ84に出力する。
画像メモリ84は、画像信号処理回路106から入力された画像信号を一時的に保持する。
画像処理部82は、画像メモリ84から特定のフレームレートで1フレーム毎に画像信号を取得し、取得した画像信号に対して、ガンマ補正、輝度・色差変換、及び圧縮処理等の各種処理を行う。
また、画像処理部82は、画像メモリ84から取得した画像信号に対して電子式の画像振れ抑制処理を行う。なお、以下では、説明の便宜上、電子式の画像振れ抑制処理を「電子式抑制処理」と称する。
電子式抑制処理は、撮像素子60により撮像されて得られた画像に対して光軸Pの変動が与える影響を抑制する画像処理、すなわち、画像信号を加工することで画像振れを抑制する処理である。ここで、「画像振れ」とは、例えば、手振れ等により、光軸Pの被写体に対する相対的な移動に伴って、撮像されて得られた画像が基準位置からずれる現象を指す。また、本第1実施形態において、「画像振れの抑制」には、画像振れを無くすという意味の他に、画像振れを低減するという意味も含まれる。
電子式抑制処理では、先ず、画像処理部82は、画像メモリ84から取得した時系列的に前後する画像信号を比較する。次に、画像処理部82は、画像信号を比較した結果を基に、先行の画像信号により示される画像に対する後続の画像信号により示される画像のずれ量及びずれ方向(本開示の技術に係る検出結果の一例)を算出する。そして、画像処理部82は、後続の画像信号を、算出したずれ量及びずれ方向が打ち消された画像を示す画像信号に加工する。
画像処理部82は、各種処理を行って得た画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部88に出力する。また、画像処理部82は、各種処理を行って得た画像信号を、主制御部80の要求に応じて、主制御部80に出力する。
表示制御部88は、電子ビューファインダ22に接続されており、主制御部80の制御下で、電子ビューファインダ22を制御する。また、表示制御部88は、画像処理部82から入力された画像信号を1フレーム毎に特定のフレームレートで電子ビューファインダ22に出力する。
電子ビューファインダ22は、画像及び文字情報等を表示する。電子ビューファインダ22は、表示制御部88から特定のフレームレートで入力された画像信号により示される画像をライブビュー画像として表示する。ライブビュー画像は、連続フレームで撮像されて得られた連続フレーム画像であり、スルー画像とも称される。また、電子ビューファインダ22は、単一フレームで撮像されて得られた単一フレーム画像である静止画像も表示する。更に、電子ビューファインダ22は、ライブビュー画像の他に、再生画像やメニュー画面等も表示する。
なお、本第1実施形態では、画像処理部82及び表示制御部88は、ASICによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、画像処理部82及び表示制御部88は、FPGAによって実現されてもよい。また、画像処理部82及び表示制御部88は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよい。更に、画像処理部82及び表示制御部88は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
主制御部80は、静止画撮像モード下でレリーズボタン20Bによって静止画像の撮像の指示が受け付けられた場合、撮像素子ドライバ104を制御することで、撮像素子60に1フレーム分の露光を行わせる。主制御部80は、1フレーム分の露光が行われることによって得られた画像信号を画像処理部82から取得し、取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の静止画像用フォーマットの静止画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の静止画像用フォーマットとは、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)を指す。
主制御部80は、動画撮像モード下でレリーズボタン20Bによって動画像の撮像の指示が受け付けられた場合、画像処理部82によりライブビュー画像用として表示制御部88に出力される画像信号を特定のフレームレートで1フレーム毎に取得する。そして、主制御部80は、画像処理部82から取得した画像信号に対して圧縮処理を施して特定の動画像用フォーマットの動画像ファイルを生成する。なお、ここで、特定の動画像用フォーマットとは、例えば、MPEG(Movie Picture Experts Group)を指す。なお、以下では、説明の便宜上、静止画像ファイル及び動画像ファイルを区別して説明する必要がない場合、画像ファイルと称する。
メディアI/F108は、メモリカード24に接続されており、主制御部80の制御下で、メモリカード24に対する画像ファイルの記録及び読み出しを行う。なお、メディアI/F108によってメモリカード24から読み出された画像ファイルは、主制御部80によって伸長処理が施されて電子ビューファインダ22に再生画像として表示される。
なお、主制御部80は、測距制御部86から入力された距離情報を画像ファイルに関連付けて、メディアI/F108を介してメモリカード24に保存する。そして、距離情報は、メモリカード24からメディアI/F108を介して主制御部80によって画像ファイルと共に読み出され、読み出された距離情報により示される距離は、関連する画像ファイルによる再生画像と共に電子ビューファインダ22に表示される。
位置信号処理回路96は、位置検出センサ72に接続されており、位置検出センサ72から入力された撮像系位置信号を増幅し、増幅した撮像系位置信号に対してA/D変換を行う。そして、位置信号処理回路96は、A/D変換によりデジタル化した撮像系位置信号を主制御部80に出力する。
変動機構ドライバ100は、動力源70Aに接続されており、主制御部80の指示に従って、動力源70Aを駆動させる。
一例として図5に示すように、主制御部80は、CPU120、RAM122、及びROM124を備えている。CPU120は、測距装置10Aの全体を制御する。RAM122は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM124は、測距装置10Aの作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリである。CPU120、RAM122、及びROM124は、バスライン114を介して相互に接続されている。
一例として図6に示すように、ROM124は、静止画撮像プログラム126及び動画撮像プログラム128を記憶している。CPU120は、静止画撮像モードが設定された場合に、ROM124から静止画撮像プログラム126を読み出してRAM122に展開し、静止画撮像プログラム126を実行する。また、CPU120は、動画撮像モードが設定された場合に、ROM124から動画撮像プログラム128を読み出してRAM122に展開し、動画撮像プログラム128を実行する。
ところで、測距装置10Aでは、像振れ抑制部63が動作されると、像振れが抑制され、電子式抑制処理が実行されると、電子ビューファインダ22に表示されるライブビュー画像の画像振れが抑制される。ここで、像振れ抑制部63の動作中、又は電子式抑制処理の実行中に測距を行う場合、ユーザは、ライブビュー画像の中心140(図7参照)に測距対象の被写体を位置させることで測距対象の被写体に照準を合わせ、測距指示ボタン20Aを押下する。これにより、射出部26によりレーザ光が射出されるが、一例として図7に示すように、ライブビュー画像内では、レーザ光の照射位置142が変動する現象である位置変動現象が発生する。また、位置変動現象が生じている状態で、静止画撮像モードで静止画像が撮像されたり、動画撮像モードで動画像が撮像されたりすると、結果的に、照射位置142が中心140からずれた状態の静止画像や動画像が得られてしまう。
なお、射出部26により射出されるレーザ光の波長は、撮像素子60が感度を有する有効波長ではないため、照射位置142は、ユーザによって画像から視覚的に認識されない。よって、位置変動現象が発生したことにより中心140から照射位置142がどの程度ずれたかをユーザが認識することは困難である。
そこで、測距装置10Aでは、一例として図6に示すように、ROM124が、位置変動現象を抑制するための位置変動抑制プログラム130Aを記憶している。ここで、「位置変動現象の抑制」には、位置変動現象を無くすという意味の他に、位置変動現象を低減するという意味も含まれる。なお、位置変動抑制プログラム130Aは、本開示の技術に係る測距用制御プログラムの一例である。
CPU120は、ROM124から位置変動抑制プログラム130Aを読み出してRAM122に展開し、位置変動抑制プログラム130Aを実行することで、一例として図8に示す制御部150Aとして動作する。
制御部150Aは、像振れ抑制部63の動作と電子式抑制処理の実行とレーザ振れ抑制部33の動作とを同時に行わせる場合、位置変動現象を抑制する制御を像振れ抑制部63、画像処理部82、及びレーザ振れ抑制部33に対して行う。
一例として図8に示すように、制御部150Aは、変位算出部152、目標位置算出部153A,153B、位置信号取得部154A1,154B1、位置誤差算出部155A1,155B1、及び移動量算出部156A1,156B1を有する。
変位算出部152は、角速度センサ18からセンサI/F110を介して角速度信号を取得し、取得した角速度信号を基に、測距装置10Aの変位方向及び変位量(本開示の技術に係る検出結果の一例)を算出する。このように、角速度センサ18及び変位算出部152は、本開示の技術に係る検出部の一例であり、測距装置10A全体の変動を検出する。
目標位置算出部153Aは、変位算出部152により算出された変位方向及び変位量を基に、撮像系防振レンズ66の目標位置を算出する。ここで、撮像系防振レンズ66の目標位置とは、像振れを抑制するために必要な目標位置を意味する。
なお、撮像系防振レンズ66の目標位置は、撮像系防振レンズ66用の目標位置演算式によって算出される。撮像系防振レンズ66用の目標位置演算式は、測距装置10Aの変位方向及び変位量を独立変数とし、撮像系防振レンズ66の目標位置を従属変数とする演算式である。また、撮像系防振レンズ66用の目標位置演算式を用いずに、測距装置10Aの変位方向及び変位量と撮像系防振レンズ66の目標位置とが対応付けられた導出テーブルから撮像系防振レンズ66の目標位置が導出されるようにしてもよい。
目標位置算出部153Bは、変位算出部152から入力された変位信号により示される変位方向及び変位量を基に、射出系防振レンズ34の目標位置を算出する。ここで、射出系防振レンズ34の目標位置とは、レーザ振れを抑制するために必要な目標位置を意味する。
なお、射出系防振レンズ34の目標位置は、射出系防振レンズ34用の目標位置演算式によって算出される。射出系防振レンズ34用の目標位置演算式は、測距装置10Aの変位方向及び変位量を独立変数とし、射出系防振レンズ34の目標位置を従属変数とする演算式である。また、射出系防振レンズ34用の目標位置演算式を用いずに、測距装置10Aの変位方向及び変位量と射出系防振レンズ34の目標位置とが対応付けられた導出テーブルから射出系防振レンズ34の目標位置が導出されるようにしてもよい。
位置信号取得部154A1は、位置信号処理回路96から撮像系位置信号を取得する。位置信号取得部154B1は、位置信号処理回路94から射出系位置信号を取得する。
位置誤差算出部155A1は、位置信号取得部154A1により取得された撮像系位置信号により示される撮像系防振レンズ66の現在位置と目標位置算出部153Aにより算出された撮像系防振レンズ66の目標位置との差である撮像系位置誤差を算出する。
位置誤差算出部155B1は、位置信号取得部154B1により取得された射出系位置信号により示される射出系防振レンズ34の現在位置と目標位置算出部153Bにより算出された射出系防振レンズ34の目標位置との差である射出系位置誤差を算出する。
移動量算出部156A1は、位置誤差算出部155A1により算出された撮像系位置誤差から、撮像系光軸移動量演算式を用いて、像振れを抑制するのに必要な撮像系光軸移動量(本開示の技術に係る第1抑制量の一例)を算出する。なお、撮像系光軸移動量とは、被写体光用光路163での光軸Pの現時点の位置からの移動量を指す。
撮像系光軸移動量演算式は、撮像系位置誤差を独立変数とし、撮像系光軸移動量を従属変数とする演算式である。なお、ここでは、撮像系光軸移動量演算式を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、移動量算出部156A1は、撮像系位置誤差と撮像系光軸移動量とが対応付けられた撮像系光軸移動量テーブルを用いて、撮像系光軸移動量を導出するようにしてもよい。
変動機構ドライバ100は、移動量算出部156A1から入力された撮像系光軸移動量に対応する駆動パルスを動力源70Aに出力する。なお、撮像系防振レンズ66の移動距離は、変動機構ドライバ100から動力源70Aに入力される駆動パルスの個数に応じて定まり、撮像系防振レンズ66の移動方向は、変動機構ドライバ100から動力源70Aに入力される駆動パルスの波形に応じて定まる。
また、ここでは、変動機構ドライバ100は、撮像系光軸移動量と駆動パルスとが対応付けられた撮像系駆動パルステーブルを用いて駆動パルスを導出しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、変動機構ドライバ100は、撮像系光軸移動量を独立変数とし、駆動パルスを従属変数とする撮像系駆動パルス演算式を用いて駆動パルスを算出するようにしてもよい。
移動量算出部156B1は、位置誤差算出部155B1により算出された射出系位置誤差から、射出系光軸移動量演算式を用いて、レーザ振れを抑制するのに必要な射出系光軸移動量(本開示の技術に係る第2抑制量の一例)を算出する。なお、射出系光軸移動量とは、レーザ光用光路164での光軸L1の現時点の位置からの移動量を指す。
射出系光軸移動量演算式は、射出系位置誤差を独立変数とし、射出系光軸移動量を従属変数とする演算式である。なお、ここでは、射出系光軸移動量演算式を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、移動量算出部156B1は、射出系位置誤差と射出系光軸移動量とが対応付けられた射出系光軸移動量テーブルを用いて、射出系光軸移動量を導出するようにしてもよい。
移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値と撮像系光軸移動量の絶対値とを比較する。そして、移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が撮像系光軸移動量の絶対値以下の場合、算出した射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力する。移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が撮像系光軸移動量の絶対値を超えた場合、“射出系光軸移動量の絶対値=撮像系光軸移動量の絶対値”の関係が成立するように射出系光軸移動量を調整する。そして、移動量算出部156B1は、調整して得た射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力する。
変動機構ドライバ98は、移動量算出部156B1から入力された射出系光軸移動量に対応する駆動パルスを動力源38Aに出力する。なお、射出系防振レンズ34の移動距離は、変動機構ドライバ98から動力源38Aに入力される駆動パルスの個数に応じて定まり、射出系防振レンズ34の移動方向は、変動機構ドライバ98から動力源38Aに入力される駆動パルスの波形に応じて定まる。
また、ここでは、変動機構ドライバ98は、射出系光軸移動量と駆動パルスとが対応付けられた射出系駆動パルステーブルを用いて駆動パルスを導出しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、変動機構ドライバ98は、射出系光軸移動量を独立変数とし、駆動パルスを従属変数とする射出系駆動パルス演算式を用いて駆動パルスを算出するようにしてもよい。
次に、測距装置10Aの作用について説明する。
先ず、測距装置10Aの電源がオン(投入)された場合に主制御部80の制御下で測距制御部86によって実行される測距処理について図9を参照して説明する。
図9に示す測距処理では、先ず、ステップ200で、測距制御部86は、測距指示ボタン20Aを介して測距の開始の指示があったか否かを判定する。ステップ200において、測距指示ボタン20Aを介して測距の開始の指示がない場合は、判定が否定されて、ステップ210へ移行する。ステップ200において、測距指示ボタン20Aを介して測距の開始の指示があった場合は、判定が肯定されて、ステップ202へ移行する。
ステップ202で、測距制御部86は、LDドライバ92を制御することでLD30にレーザ光を発光させる。LD30によりレーザ光が発光されることで、レーザ光が射出部26により被写体に向けて射出され、PD50により反射レーザ光が受光される。ここで、測距制御部86は、レーザ光の発光から反射レーザ光の受光までの経過時間を計測し、計測した経過時間を保持することで、実計測期間における1回の計測を終了する。
次のステップ204で、測距制御部86は、予め定められた回数の計測を終了したか否か判定する。ステップ204において、予め定められた回数の計測を終了していない場合は、判定が否定されて、ステップ202へ移行する。ステップ204において、予め定められた回数の計測を終了した場合は、判定が肯定されて、ステップ206へ移行する。
ステップ206で、測距制御部86は、予め定められた回数の計測を行って得た経過時間に基づいて、被写体までの距離を導出する。すなわち、測距制御部86は、一例として図4に示すように、被写体までの距離に関するヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムから、計測回数の最大値に対応する被写体までの距離を計測結果として導出する。
なお、レーザ光の往復時間等の時間に関するヒストグラムを生成した場合は、先ず、計測回数の最大値に対応する時間を導出し、導出した時間に基づいて被写体までの距離を導出すればよい。例えば、レーザ光の往復時間に関するヒストグラムの場合は、計測回数の最大値に対応するレーザ光の往復時間の1/2に光速を乗じて得た値を被写体までの距離として導出すればよい。
ステップ208で、測距制御部86は、ステップ206で導出した距離を示す距離情報を主制御部80に出力し、その後、ステップ210へ移行する。
ステップ210で、測距制御部86は、測距処理を終了する条件を満たしたか否かを判定する。測距処理を終了する条件とは、例えば、測距処理を終了する指示が受付デバイス20によって受け付けられたとの条件や、測距処理の実行が開始されてから予め定められた時間(例えば、10分)が経過しても測距の開始の指示がないとの条件を指す。
ステップ210において、測距処理を終了する条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ200へ移行する。ステップ210において、測距処理を終了する条件を満たした場合は、判定が肯定されて、測距処理を終了する。
次に、測距装置10Aの電源がオンされた場合に主制御部80の制御下で画像処理部82によって実行されるライブビュー処理について図10を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、測距装置10Aの電源がオンされると、主制御部80の指示に従って周期的に撮像素子60により撮像されて得られた画像信号が特定のフレームレートで1フレーム毎に画像メモリ84に入力されることを前提として説明する。
図10に示すライブビュー処理では、先ず、ステップ220で、画像処理部82は、画像メモリ84に1フレーム分の画像信号が入力されたか否かを判定する。ステップ220において、画像メモリ84に1フレーム分の画像信号が入力されていない場合は、判定が否定されて、ステップ228へ移行する。ステップ220において、画像メモリ84に1フレーム分の画像信号が入力された場合は、判定が肯定されて、ステップ222へ移行する。
ステップ222で、画像処理部82は、画像メモリ84から1フレーム分の画像信号を取得し、その後、ステップ224へ移行する。
ステップ224で、画像処理部82は、ステップ222の処理で取得した画像信号に対して行うべき全ての信号処理を実行したか否かを判定する。ステップ224において、ステップ222の処理で取得した画像信号に対して行うべき全ての信号処理を実行していな場合は、判定が否定されて、ステップ224の判定が再び行われる。ステップ224において、ステップ222の処理で取得した画像信号に対して行うべき全ての信号処理を実行した場合は、判定が肯定されて、ステップ226へ移行する。
ステップ226で、画像処理部82は、信号処理を施して得た画像信号を表示制御部88に出力し、その後、ステップ228へ移行する。
ステップ228で、画像処理部82は、測距装置10Aの電源がオフされたか否かを判定する。ステップ228において、測距装置10Aの電源がオフされていない場合は、判定が否定されて、ステップ220へ移行する。ステップ228において、測距装置10Aの電源がオフされた場合は、判定が肯定されて、ライブビュー処理を終了する。
このようにライブビュー処理が実行されると、ステップ226の処理が特定のフレームレートで定められた周期毎に実行される。そして、表示制御部88は、ステップ226の処理が実行されることによって画像処理部82から1フレーム毎に入力された画像信号を特定のフレームレートで電子ビューファインダ22に出力する。電子ビューファインダ22は、表示制御部88から特定のフレームレートで入力された画像信号に示される画像をライブビュー画像として表示する。
次に、静止画撮像モードが設定された場合にCPU120によって静止画撮像プログラム126が実行されることで実現される静止画撮像処理について図11を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、静止画撮像処理に並行して画像処理部82によりライブビュー処理が実行されていることを前提として説明する。
図11に示す静止画撮像処理では、先ず、ステップ250で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bが半押し状態か否かを判定する。ステップ250において、レリーズボタン20Bが半押し状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ266へ移行する。ステップ250において、レリーズボタン20Bが半押し状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ252へ移行する。
ステップ252で、制御部150Aは、AE機能を働かせて露出調整を行い、かつ、AF機能を働かせて合焦制御を行った後、ステップ254へ移行する。
ステップ254で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bが全押し状態か否かを判定する。ステップ254において、レリーズボタン20Bが全押し状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ256へ移行する。ステップ254において、レリーズボタン20Bが全押し状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ258へ移行する。
ステップ256で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除されたか否かを判定する。ステップ256において、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除されていない場合は、判定が否定されて、ステップ252へ移行する。ステップ256において、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除された場合は、判定が肯定されて、ステップ266へ移行する。
ステップ258で、制御部150Aは、画像信号取得タイミングが到来したか否かを判定する。ここで言う「画像信号取得タイミング」とは、ステップ254の処理で判定が肯定されてから撮像素子60により露光が行われて得られた1フレーム分の画像信号に対して各種の信号処理が画像処理部82によって行われた場合を指す。
ステップ258において、画像信号取得タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ258の判定が再び行われる。ステップ258において、画像信号取得タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ260へ移行する。
ステップ260で、制御部150Aは、画像処理部82により各種の信号処理が行われた1フレーム分の画像信号を画像処理部82から取得し、その後、ステップ262へ移行する。
ステップ262で、制御部150Aは、ステップ260の処理で取得した画像信号から静止画像ファイルを生成し、その後、ステップ264へ移行する。
ステップ264で、制御部150Aは、ステップ262の処理で生成した静止画像ファイルをメモリカード24に記録し、その後、ステップ266へ移行する。
ステップ266で、制御部150Aは、静止画撮像モードを終了する条件を満たしたか否かを判定する。静止画撮像モードを終了する条件とは、例えば、動画撮像モードが設定されたとの条件、又は再生画像を電子ビューファインダ22に表示させる指示が受付デバイス20によって受け付けられたとの条件等を指す。
ステップ266において、静止画撮像モードを終了する条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ250へ移行する。ステップ266において、静止画撮像モードを終了する条件を満たした場合は、判定が肯定されて、静止画撮像処理を終了する。
次に、動画撮像モードが設定された場合にCPU120によって動画撮像プログラム128が実行されることで実現される動画撮像処理について図12を参照して説明する。なお、以下では、説明の便宜上、動画撮像処理に並行して画像処理部82によりライブビュー処理が実行されていることを前提として説明する。
図12に示す動画撮像処理では、先ず、ステップ300で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bが半押し状態か否かを判定する。ステップ300において、レリーズボタン20Bが半押し状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ318へ移行する。ステップ300において、レリーズボタン20Bが半押し状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ302へ移行する。
ステップ302で、制御部150Aは、AE機能を働かせて露出調整を行い、かつ、AF機能を働かせて合焦制御を行った後、ステップ304へ移行する。
ステップ304で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bが全押し状態か否かを判定する。ステップ304において、レリーズボタン20Bが全押し状態でない場合は、判定が否定されて、ステップ306へ移行する。ステップ304において、レリーズボタン20Bが全押し状態の場合は、判定が肯定されて、ステップ308へ移行する。
ステップ306で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除されたか否かを判定する。ステップ306において、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除されていない場合は、判定が否定されて、ステップ302へ移行する。ステップ306において、レリーズボタン20Bへの押圧操作が解除された場合は、判定が肯定されて、ステップ318へ移行する。
ステップ308で、制御部150Aは、画像信号取得タイミングが到来したか否かを判定する。ここで言う「画像信号取得タイミング」とは、ステップ304の処理で判定が肯定されてから撮像素子60により露光が行われて得られた1フレーム分の画像信号に対して各種の信号処理が画像処理部82によって行われた場合を指す。
ステップ308において、画像信号取得タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ316へ移行する。ステップ308において、画像信号取得タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ310へ移行する。
ステップ310で、制御部150Aは、画像処理部82により各種の信号処理が行われた1フレーム分の画像信号を画像処理部82から取得し、その後、ステップ312へ移行する。
ステップ312で、制御部150Aは、ステップ310の処理で取得した画像信号から動画像ファイルを生成し、その後、ステップ314へ移行する。
ステップ314で、制御部150Aは、ステップ312の処理で生成した動画像ファイルをメモリカード24に記録し、その後、ステップ316へ移行する。
ステップ316で、制御部150Aは、レリーズボタン20Bが再びオンされたか否かを判定する。ここで、レリーズボタン20Bが再びオンされるとは、例えば、レリーズボタン20Bへの押圧状態が解除されて再びレリーズボタン20Bが押圧されて半押し状態又は全押し状態になることを意味する。
ステップ316において、レリーズボタン20Bが再びオンされていない場合は、判定が否定されて、ステップ308へ移行する。ステップ316において、レリーズボタン20Bが再びオンされた場合は、判定が肯定されて、ステップ318へ移行する。
ステップ318で、制御部150Aは、動画撮像モードを終了する条件を満たしたか否かを判定する。動画撮像モードを終了する条件とは、例えば、静止画撮像モードが設定されたとの条件、又は再生画像を電子ビューファインダ22に表示させる指示が受付デバイス20によって受け付けられたとの条件等を指す。
ステップ318において、動画撮像モードを終了する条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ300へ移行する。ステップ318において、動画撮像モードを終了する条件を満たした場合は、判定が肯定されて、動画撮像処理を終了する。
次に、ライブビュー処理が実行されている場合に並行してCPU120によって位置変動抑制プログラム130Aが実行されることで実現される位置変動抑制処理について図13を参照して説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、ノーマルモード及びスキャンモードの何れかが設定されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、静止画撮像モード及び動画撮像モードの何れかが設定されていることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、角速度信号のサンプリング周期が1.0ミリ秒であり、位置信号のサンプリング周期が0.1ミリ秒であることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、目標位置算出部153A,153Bが同期して動作していることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、位置信号取得部154A1,154B1が同期して動作していることを前提として説明する。また、以下では、説明の便宜上、位置誤差算出部155A1,155B1が同期して動作していることを前提として説明する。
図13に示す位置変動抑制処理では、先ず、ステップ400で、制御部150Aは、実計測期間内か否かを判定する。ステップ400において、実計測期間外の場合は、判定が否定されて、図14に示すステップ414へ移行する。ステップ400において、実計測期間内の場合は、判定が肯定されて、ステップ402へ移行する。
なお、一例として図26に示すように、電子ビューファインダ22は、制御部150Aの制御下で、実計測期間内に測距制御部86により算出された距離を、表示終了条件を満たすまでライブビュー画像に重ねて表示する。図26に示す例では、測距結果である“500m(メートル)”がライブビュー画像上に表示された状態が示されている。ここで、表示終了条件とは、例えば、測距指示ボタン20Aが押下されたとの条件や、距離の表示が開始されてから測距指示ボタン20Aが押下されることなく予め定められた時間(例えば、3秒)が経過したとの条件等を指す。
ステップ402で、制御部150Aは、ノーマルモードが設定されているか否かを判定する。ステップ402において、ノーマルモードが設定されていない場合(スキャンモードが設定されている場合)は、判定が否定されて、図14に示すステップ414へ移行する。ステップ402において、ノーマルモードが設定されている場合は、判定が肯定されて、ステップ404へ移行する。
ステップ404で、制御部150Aは、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されているか否かを判定する。ステップ404において、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ406へ移行する。ステップ404において、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されている場合は、判定が肯定されて、ステップ408へ移行する。
ステップ406で、制御部150Aは、画像処理部82に対して、電子式抑制処理の実行を指示する電子式抑制実行信号を出力し、その後、ステップ408へ移行する。本ステップ406の処理が実行されることによって画像処理部82に電子式抑制実行信号が入力されると、画像処理部82は、電子式抑制処理の実行を開始する。
ステップ408で、制御部150Aは、画像処理部82が表示制御部88に画像信号を出力するタイミングとして特定のフレームレートにより規定される画像信号出力タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ408において、画像信号出力タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ408の判定が再び行われる。ステップ408において、画像信号出力タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ410へ移行する。
ステップ410で、制御部150Aは、一例として図15に示す第1光学式抑制処理を実行し、その後、ステップ412へ移行する。
図15に示す第1光学式抑制処理では、先ず、ステップ500Aで、変位算出部152は、測距装置10Aの変位方向及び変位量を算出するタイミングとして角速度信号のサンプリング周期で規定される変位算出タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ500Aにおいて、変位算出タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ500Aの判定が再び行われる。ステップ500Aにおいて、変位算出タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ502Aへ移行する。
ステップ502Aで、変位算出部152は、角速度信号を取得し、取得した角速度信号を基に、測距装置10Aの変位方向及び変位量を算出する。
次のステップ504Aで、目標位置算出部153Aは、ステップ502Aの処理で算出された変位方向及び変位量を基に、撮像系防振レンズ66の目標位置を算出する。また、ステップ504Aで、目標位置算出部153Bは、ステップ502Aの処理で算出された変位方向及び変位量を基に、射出系防振レンズ34の目標位置を算出する。
次のステップ506Aで、位置信号取得部154A1は、位置信号を取得するタイミングとして位置信号のサンプリング周期で規定される位置信号取得タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ506Aにおいて、位置信号取得タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ506Aの判定が再び行われる。ステップ506Aにおいて、位置信号取得タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ508Aへ移行する。
ステップ508Aで、位置信号取得部154A1は、位置信号処理回路96から撮像系位置信号を取得する。また、ステップ508Aで、位置信号取得部154B1は、位置信号処理回路94から射出系位置信号を取得する。
次のステップ510Aで、位置誤差算出部155A1は、ステップ508Aで取得された撮像系位置信号により示される撮像系防振レンズ66の現在位置、及びステップ504Aで算出された撮像系防振レンズ66の目標位置から撮像系位置誤差を算出する。
また、ステップ510Aで、位置誤差算出部155B1は、ステップ508Aで取得された射出系位置信号により示される射出系防振レンズ34の現在位置、及びステップ504Aで算出された射出系防振レンズ34の目標位置から射出系位置誤差を算出する。
次のステップ512Aで、移動量算出部156A1は、ステップ510Aの処理で算出された撮像系位置誤差から撮像系光軸移動量演算式を用いて撮像系光軸移動量を算出し、算出した撮像系光軸移動量を変動機構ドライバ100に出力する。
変動機構ドライバ100は、移動量算出部156A1から入力された撮像系光軸移動量に対応する駆動パルスを動力源70Aに出力する。防振レンズ変動機構70の動力伝達機構は、入力された駆動パルスに従って動力源70Aによって生成された動力を撮像系防振レンズ66に伝達することで、駆動パルスに対応する移動方向に、駆動パルスに対応する移動距離だけ撮像系防振レンズ66を移動させる。
また、ステップ512Aで、移動量算出部156B1は、ステップ510Aの処理で算出された射出系位置誤差から射出系光軸移動量演算式を用いて射出系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156B1は必要に応じて射出系光軸移動量を調整する。
ここで、射出系光軸移動量を調整する場合とは、算出した射出系光軸移動量の絶対値が現時点の撮像系光軸移動量の絶対値を超えた場合を指す。ここで、「現時点の撮像系光軸移動量」とは、移動量算出部156A1により算出された最新の撮像系光軸移動量を指す。
移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が現時点の撮像系光軸移動量の絶対値以下の場合、算出した射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力する。移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が現時点の撮像系光軸移動量の絶対値を超えた場合、“射出系光軸移動量の絶対値=現時点の撮像系光軸移動量の絶対値”の関係が成立するように射出系光軸移動量を調整する。そして、移動量算出部156B1は、調整して得た射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力し、その後、第1光学式抑制処理を終了する。
変動機構ドライバ98は、移動量算出部156B1から入力された射出系光軸移動量に対応する駆動パルスを動力源38Aに出力する。防振レンズ変動機構38の動力伝達機構は、入力された駆動パルスに従って動力源38Aによって生成された動力を射出系防振レンズ34に伝達することで、駆動パルスに対応する移動方向に、駆動パルスに対応する移動距離だけ射出系防振レンズ34を移動させる。
一方、図14に示すステップ414で、制御部150Aは、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されているか否かを判定する。ステップ414において、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されていない場合は、判定が否定されて、ステップ416へ移行する。ステップ414において、画像処理部82によって電子式抑制処理が実行されている場合は、判定が肯定されて、ステップ418へ移行する。
ステップ416で、制御部150Aは、画像処理部82に対して、電子式抑制処理の実行を指示する電子式抑制実行信号を出力し、その後、ステップ418へ移行する。本ステップ416の処理が実行されることによって画像処理部82に電子式抑制実行信号が入力されると、画像処理部82は、電子式抑制処理の実行を開始する。
ステップ418で、制御部150Aは、画像信号出力タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ418において、画像信号出力タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ418の判定が再び行われる。ステップ418において、画像信号出力タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ420へ移行する。
ステップ420で、制御部150Aは、一例として図15に示す第2光学式抑制処理を実行し、その後、ステップ412へ移行する。
図15に示す第2光学式抑制処理では、先ず、ステップ500Bで、変位算出部152は、変位算出タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ500Bにおいて、変位算出タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ500Bの判定が再び行われる。ステップ500Bにおいて、変位算出タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ502Bへ移行する。
ステップ502Bで、変位算出部152は、角速度信号を取得し、取得した角速度信号を基に、測距装置10Aの変位方向及び変位量を算出する。
次のステップ504Bで、目標位置算出部153Aは、ステップ502Bの処理で算出された変位方向及び変位量を基に、撮像系防振レンズ66の目標位置を算出する。
次のステップ506Bで、位置信号取得部154A1は、位置信号取得タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ506Bにおいて、位置信号取得タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ506Bの判定が再び行われる。ステップ506Bにおいて、位置信号取得タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ508Bへ移行する。
ステップ508Bで、位置信号取得部154A1は、位置信号処理回路96から撮像系位置信号を取得する。
次のステップ510Bで、位置誤差算出部155A1は、ステップ508Bで取得された撮像系位置信号により示される撮像系防振レンズ66の現在位置、及びステップ504Bで算出された撮像系防振レンズ66の目標位置から撮像系位置誤差を算出する。
次のステップ512Bで、移動量算出部156A1は、ステップ510Bの処理で算出された撮像系位置誤差から撮像系光軸移動量演算式を用いて撮像系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156A1は、算出した撮像系光軸移動量を変動機構ドライバ100に出力し、その後、第2光学式抑制処理を終了する。これにより、変動機構ドライバ100及び防振レンズ変動機構70は、第1光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。
一方、図14に示すステップ412で、制御部150Aは、位置変動抑制処理を終了する条件を満たしたか否かを判定する。位置変動抑制処理を終了する条件の一例としては、位置変動抑制処理を終了させる指示が受付デバイス20によって受け付けられたとの条件、又は位置変動抑制処理の実行が開始されてから予め定められた時間(例えば、30分)が経過したとの条件が挙げられる。
ステップ412において、位置変動抑制処理を終了する条件を満たしていない場合は、判定が否定されて、ステップ400へ移行する。ステップ412において、位置変動抑制処理を終了する条件を満たした場合は、判定が肯定されて、位置変動抑制処理を終了する。
以上説明したように、測距装置10Aでは、制御部150Aにより、像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33を同時に動作させる場合、位置変動現象を抑制する制御が像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33に対して行われる。
従って、測距装置10Aは、像振れを抑制する動作とレーザ振れを抑制する動作とを無関係に行う場合に比べ、像振れ抑制部63の動作に伴って画像内における照射位置142が中心140からずれる現象(以下、「ずれ現象」と称する)を抑制することができる。
ここで、測距装置10Aに対して、例えば、手振れによる変動が与えられた場合、その構造上の差異に起因して、像振れの抑制とレーザ振れの抑制との間で振れの抑制精度に差(以下、「抑制精度差」と称する)が生じる。このように、抑制精度差が生じると、測距装置10A全体としての振れの抑制精度、すなわち、制御部150Aの制御下で像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33が同時に動作することによってずれ現象が抑制された抑制結果の精度が低下する虞がある。
そこで、測距装置10Aでは、像振れ抑制部63の動作、電子式抑制処理の実行、及びレーザ振れ抑制部33の動作を同時に行わせる場合、位置変動抑制処理が実行されることで振れ抑制部63、画像処理部82、及びレーザ振れ抑制部33が制御される。
従って、測距装置10Aは、共通光路162を有しない構造の測距装置の場合に比べ、ずれ現象を抑制した抑制結果の精度が抑制精度差に起因して低下することの抑制を小型の構造内で得ることができる。
また、測距装置10Aでは、目標位置算出部153Aにより、変位算出部152の算出結果を基に撮像系防振レンズ66の目標位置が算出される。また、移動量算出部156A1により、撮像系防振レンズ66の目標位置及び位置信号取得部154A1により取得された撮像系位置信号に応じて、撮像系光軸移動量が算出され、撮像系光軸移動量を基に防振レンズ変動機構70が制御される。また、目標位置算出部153Bにより、変位算出部152の算出結果を基に射出系防振レンズ34の目標位置が算出される。
ここで、像振れ抑制部63の動作、電子式抑制処理の実行、及びレーザ振れ抑制部33の動作を同時に行わせる場合、移動量算出部156B1により、射出系防振レンズ34の目標位置及び射出系位置信号に応じて射出系移動量が算出される。そして、算出された射出系移動量を基に防振レンズ変動機構38が制御される。
従って、測距装置10Aは、射出系防振レンズ34の目標位置を用いずに防振レンズ変動機構38を制御する場合に比べ、ずれ現象を高精度に抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、像振れを抑制する機構として像振れ抑制部63が用いられる。従って、測距装置10Aは、結像光学系62で像振れを抑制する機構として像振れ抑制部63と異なる機構を用いる場合に比べ、像振れを簡易な構成で抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、画像処理部82により電子式抑制処理が実行される。従って、測距装置10Aは、画像処理部82により電子式抑制処理が実行されない場合に比べ、画像振れを容易に抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、防振レンズ変動機構38が光軸L1の変動に応じて射出系防振レンズ34を変動させている。従って、測距装置10Aは、防振レンズ変動機構38を用いない場合に比べ、簡素な構成で、レーザ振れを抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、像振れ抑制部63の動作中に、移動量算出部156B1により、絶対値が撮像系光軸移動量の絶対値以下の射出系光軸移動量が算出されて変動機構ドライバ98に出力される。また、測距装置10Aでは、電子式抑制処理の実行中に、移動量算出部156B1により、絶対値が撮像系光軸移動量の絶対値以下の射出系光軸移動量が算出されて変動機構ドライバ98に出力される。これにより、射出系防振レンズ34は、撮像系光軸移動量の範囲内で、光軸L1の変動に応じて変動することになる。
従って、測距装置10Aは、絶対値が撮像系光軸移動量の絶対値を上回る射出系光軸移動量が算出されて変動機構ドライバ98に出力される場合に比べ、ずれ現象を抑制する精度を高めることができる。
また、測距装置10Aでは、像振れ抑制部63の動作中又は電子式抑制処理の実行中に、実計測期間外(ステップ400:N)にレーザ振れ抑制部33を動作させず、実計測期間内(ステップ400:Y)にレーザ振れ抑制部33を動作させている。従って、測距装置10Aは、像振れ抑制部63の動作中又は電子式抑制処理の実行中に常にレーザ振れ抑制部33を動作させる場合に比べ、消費電力を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、像振れ抑制部63の動作中に、スキャンモードが設定されている場合(ステップ402:N)、制御部150Aにより、レーザ振れ抑制部33を動作させない制御が行われる。従って、測距装置10Aは、像振れ抑制部63の動作中にスキャンモードが設定されている状態でレーザ振れ抑制部33を動作させる場合に比べ、レーザ光の実際の走査範囲がユーザの意図する走査範囲よりも狭くなるという事態の発生を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、電子式抑制処理の実行中に、スキャンモードが設定されている場合(ステップ402:N)、制御部150Aにより、レーザ振れ抑制部33を動作させない制御が行われる。従って、測距装置10Aは、電子式抑制処理の実行中にスキャンモードが設定されている状態でレーザ振れ抑制部33を動作させる場合に比べ、レーザ光の実際の走査範囲がユーザの意図する走査範囲よりも狭くなるという事態の発生を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、撮像素子60が採用されている。従って、測距装置10Aは、撮像素子60が採用されていない場合に比べ、ずれ現象が抑制された画像を得ることができる。
また、測距装置10Aでは、防振レンズ変動機構70の動作中又は電子式抑制処理の実行中に、特定のフレームレートに応じて定められた間隔毎に(ステップ408,418:Y)、レーザ振れ抑制部33を動作させている。従って、測距装置10Aは、特定のフレームレートとは無関係なタイミングでレーザ振れ抑制部33を動作させる場合に比べ、簡易な制御で、ずれ現象を抑制することができる。
また、測距装置10Aでは、実計測期間内に測距制御部86により算出された距離がライブビュー画像の表示領域内に表示される。従って、測距装置10Aは、測距制御部86で算出された距離がライブビュー画像の表示領域内に表示されない場合に比べ、ずれ現象が抑制された状況下で得られた測距結果である距離を、対応するライブビュー画像と併せてユーザに容易に認識させることができる。
なお、上記第1実施形態では、移動量算出部156B1により、“射出系光軸移動量の絶対値=現時点の撮像系光軸移動量の絶対値”の関係が成立するように射出系光軸移動量が調整される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、“0<射出系光軸移動量の絶対値<現時点の撮像系光軸移動量の絶対値”の関係が成立するように射出系光軸移動量が調整されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、像振れ抑制部63の動作中又は電子式抑制処理の実行中に、スキャンモードが設定されている場合、レーザ振れ抑制部33を動作させないようにしているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、像振れ抑制部63の動作中又は電子式抑制処理の実行中に、スキャンモードが設定されている場合、レーザ振れ抑制部33の動作を停止させずに動作レベルを低減させてもよい。
また、上記第1実施形態では、中心140を基準位置とする前提で、ずれ現象が抑制される場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ライブビュー画像の中心140以外の固定化された特定の位置を基準位置(照射位置142が本来あるべき位置)とし、位置変動抑制処理が実行されることにより、照射位置142が基準位置からずれることが抑制されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、時系列的に前後する2つの画像信号を比較して画像振れを抑制する電子式抑制処理を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、第1及び第3光学式抑制処理と同様に、既に得られた画像信号と変位算出部152の算出結果とに応じて定められた撮像系光軸移動量を基に画像振れを抑制する電子式抑制処理を採用してもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、目標位置算出部153A,153Bを併用する場合を例示したが、本第2実施形態では、目標位置算出部153Bを用いない場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
一例として図6に示すように、本第2実施形態に係る測距装置10B(図1参照)は、上記第1実施形態に係る測距装置10Aに比べ、ROM124が位置変動抑制プログラム130Aに代えて位置変動抑制プログラム130Bを記憶している点が異なる。
CPU120は、ROM124から位置変動抑制プログラム130Bを読み出してRAM122に展開し、位置変動抑制プログラム130Bを実行することで、一例として図16に示す制御部150Bとして動作する。
一例として図16に示すように、制御部150Bは、図8に示す制御部150Aに比べ、目標位置算出部153Bを有しない点が異なる。また、制御部150Bは、図8に示す制御部150Aに比べ、位置信号取得部154A1に代えて位置信号取得部154A2を有する点、及び位置誤差算出部155B1に代えて位置誤差算出部155B2を有する点が異なる。
位置信号取得部154A2は、図8に示す位置信号取得部154A1に比べ、位置誤差算出部155B2にも撮像系位置信号を出力する点が異なる。
位置誤差算出部155B2は、現在位置差を算出する。現在位置差とは、位置信号取得部154A2から入力された撮像系位置信号により示される撮像系防振レンズ66の現在位置と位置信号取得部154B1から入力された射出系位置信号により示される射出系防振レンズ34の現在位置との差を指す。
そして、位置誤差算出部155B2は、算出した現在位置差を用いて射出系位置誤差演算式から、上記第1実施形態で説明した射出系位置誤差を算出する。
ここで、射出系位置誤差演算式とは、例えば、現在位置差を独立変数とし、射出系位置誤差を従属変数とする演算式を指す。
なお、位置誤差算出部155B2は、射出系位置誤差演算式を用いずに、現在位置差と射出系位置誤差とが対応付けられた射出系位置誤差導出テーブルから射出系位置誤差を導出するようにしてもよい。
次に、測距装置10Bの作用について、上記第1実施形態で説明した内容と異なる点を説明する。
本第2実施形態に係る第1光学式抑制処理について図15を参照して説明する。
本第2実施形態に係る第1光学式抑制処理では、ステップ500Cで、変位算出部152は、測距装置10Bの変位方向及び変位量を算出するタイミングとして角速度信号のサンプリング周期で規定される変位算出タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ500Cにおいて、変位算出タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ500Cの判定が再び行われる。ステップ500Cにおいて、変位算出タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ502Cへ移行する。
ステップ502Cで、変位算出部152は、角速度信号を取得し、取得した角速度信号を基に、測距装置10Aの変位方向及び変位量を算出する。
次のステップ504Cで、目標位置算出部153Aは、ステップ502Cの処理で算出された変位方向及び変位量を基に、撮像系防振レンズ66の目標位置を算出する。
次のステップ506Cで、位置信号取得部154A2は、位置信号取得タイミングが到来したか否かを判定する。ステップ506Cにおいて、位置信号取得タイミングが到来していない場合は、判定が否定されて、ステップ506Cの判定が再び行われる。ステップ506Cにおいて、位置信号取得タイミングが到来した場合は、判定が肯定されて、ステップ508Cへ移行する。
ステップ508Cで、位置信号取得部154A2は、位置信号処理回路96から撮像系位置信号を取得する。また、ステップ508Cで、位置信号取得部154B1は、位置信号処理回路94から射出系位置信号を取得する。
次のステップ510Cで、位置誤差算出部155A1は、ステップ508Cで取得された撮像系位置信号により示される撮像系防振レンズ66の現在位置、及びステップ504Cで算出された撮像系防振レンズ66の目標位置から撮像系位置誤差を算出する。
また、ステップ510Cで、位置誤差算出部155B2は、ステップ508Cの処理で取得された撮像系位置信号及び射出系位置信号から現在位置差を算出する。そして、位置誤差算出部155B2は、現在位置差を用いて射出系位置誤差演算式から、上記第1実施形態で説明した射出系位置誤差を算出する。
次のステップ512Cで、移動量算出部156A1は、ステップ510Cの処理で算出された撮像系位置誤差から撮像系光軸移動量演算式を用いて撮像系光軸移動量を算出し、算出した撮像系光軸移動量を変動機構ドライバ100に出力する。これにより、変動機構ドライバ100及び防振レンズ変動機構70は、上記第1実施形態に係る第1光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。
また、ステップ512Cで、移動量算出部156B1は、ステップ510Cの処理で算出された射出系位置誤差から射出系光軸移動量演算式を用いて射出系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156B1は必要に応じて射出系光軸移動量を調整する。
ステップ512Cで、移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が現時点の撮像系光軸移動量の絶対値以下の場合、算出した射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力する。
ステップ512Cで、移動量算出部156B1は、算出した射出系光軸移動量の絶対値が現時点の撮像系光軸移動量の絶対値を超えた場合、上記ステップ512Aと同様に、射出系光軸移動量を調整する。そして、移動量算出部156B1は、調整して得た射出系光軸移動量を変動機構ドライバ98に出力し、その後、第1光学式抑制処理を終了する。
このように、ステップ512Cの処理が実行されることによって射出系光軸移動量が変動機構ドライバ98に出力されると、変動機構ドライバ98及び防振レンズ変動機構38は、上記第1実施形態に係る第1光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。
以上説明したように、測距装置10Bでは、目標位置算出部153Aにより、変位算出部152の算出結果を基に撮像系防振レンズ66の目標位置が算出される。また、移動量算出部156A1により、撮像系防振レンズ66の目標位置及び位置信号取得部154A2により取得された撮像系位置信号に応じて、撮像系光軸移動量が算出され、撮像系光軸移動量を基に防振レンズ変動機構70が制御される。
ここで、像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33を同時に動作させる場合、移動量算出部156B1により、撮像系位置信号及び位置信号取得部154B1により取得された射出系位置信号に応じて射出系移動量が算出される。そして、算出された射出系移動量を基に防振レンズ変動機構38が制御される。
従って、測距装置10Bは、変位算出部152の算出結果を基に射出系防振レンズ34の目標位置が算出される場合に比べ、ずれ現象を簡易な構成で抑制することができる。
また、上記第2実施形態では、位置誤差算出部155B2が撮像系位置信号及び射出系位置信号に基づいて射出系位置誤差を算出したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、位置誤差算出部155B2は、予め定められたテーブル又は演算式を用いて、撮像系位置誤差及び射出系位置信号から射出系位置誤差を算出してもよいし、撮像系位置誤差及び撮像系位置信号から射出系位置誤差を算出してもよい。
[第3実施形態]
上記第1及び第2実施形態では、光学ズーム機能を有しない測距装置10Aについて説明したが、本第3実施形態では、光学ズーム機能を有する測距装置10C(図17参照)について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、以下では、説明の便宜上、撮像系光軸移動量と射出系光軸移動量とを区別して説明する必要がない場合、「光軸移動量」と称する。また、以下では、説明の便宜上、変動機構ドライバ98,100を区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「変動機構ドライバ」と称する。
一例として図17に示すように、本第3実施形態に係る測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、撮像ユニット14に代えて撮像ユニット604を有する点が異なる。また、測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、処理装置16に代えて処理装置606を有する点が異なる。更に、測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、受付デバイス20に代えて受付デバイス608を有する点が異なる。
撮像ユニット604は、撮像ユニット14に比べ、結像光学系62に代えて結像光学系626を有する点、及びズームレンズ移動機構628を有する点が異なる。結像光学系626は、結像光学系62に比べ、被写体光用光路163に代えて被写体光用光路627を有する点が異なる。被写体光用光路627は、被写体光用光路163に比べ、撮像系防振レンズ66とビームスプリッタ160との間にズームレンズ630が配置されている点が異なる。
ズームレンズ移動機構628は、動力源(図示省略)を備えており、動力源により生成された動力に従ってズームレンズ630を光軸Pに沿って移動させる。よって、画角は、ズームレンズ630を光軸Pに沿って移動させることで、変更される。なお、ズームレンズ移動機構628に含まれる動力源の一例としては、ステッピングモータ等が挙げられるが、これに限らず、他種類のモータであってもよい。
処理装置606は、処理装置16に比べ、移動機構ドライバ642を有する点が異なる。移動機構ドライバ642は、バスライン114に接続されており、主制御部80の指示に従ってズームレンズ移動機構628の動力源を制御する。
受付デバイス608は、受付デバイス20に比べ、広角指示ボタン20E及び望遠指示ボタン20Fを有する点が異なる。広角指示ボタン20Eは、広角にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、広角側への画角の変更量は、許容される範囲内で、広角指示ボタン20Eへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。望遠指示ボタン20Fは、望遠にする指示を受け付ける押圧式のボタンであり、望遠側への画角の変更量は、許容される範囲内で、望遠指示ボタン20Fへの押圧が継続して行われる押圧時間に応じて定まる。なお、以下では、説明の便宜上、広角指示ボタン20E及び望遠指示ボタン20Fを区別して説明する必要がない場合、「画角指示ボタン」と称する。
また、一例として図6に示すように、測距装置10Cは、測距装置10Aに比べ、ROM124が位置変動抑制プログラム130Aに代えて位置変動抑制プログラム130Cを記憶している点が異なる。
CPU120は、ROM124から位置変動抑制プログラム130Cを読み出してRAM122に展開し、位置変動抑制プログラム130Cを実行することで、一例として図18に示す画角変更部650及び制御部150Cとして動作する。
画角変更部650は、画角指示ボタンの押圧時間に応じて移動機構ドライバ642を制御してズームレンズ移動機構628を駆動させることでズームレンズ630を移動させ、被写体像の画角を変更する。
制御部150Cは、制御部150Aに比べ、移動量算出部156A1に代えて移動量算出部156A2を有する点が異なる。また、制御部150Cは、制御部150Aに比べ、移動量算出部156B1に代えて移動量算出部156B2を有する点が異なる。更に、制御部150Aに比べ、移動量決定部158を有する点が異なる。
移動量算出部156A2は、第1実施形態で説明した移動量算出部156A1と同様に撮像系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156A2は、算出した撮像系光軸移動量を、撮像系光軸移動量換算式を用いて、画角変更部650による画角の変更量に対応する撮像系光軸移動量に換算する。
撮像系光軸移動量換算式は、撮像系光軸移動量を独立変数とし、画角変更部650による画角の変更量に対応する撮像系光軸移動量を従属変数とする演算式である。また、撮像系光軸移動量換算式は、例えば、画角が広角側へ向けて変更されるのに対応して従属変数が小さくなり、画角が望遠側へ向けて変更されるのに対応して従属変数が大きくなる特性を有する演算式である。従って、移動量算出部156A2により撮像系光軸移動量換算式から換算されて得られる撮像系光軸移動量は、画角が広角側へ向けて変更されるのに伴って少なくなり、画角が望遠側へ向けて変更されるのに伴って多くなる。
移動量算出部156B2は、第1実施形態で説明した移動量算出部156B1と同様に、射出系光軸移動量を算出し、算出した射出系光軸移動量を必要に応じて調整する。
ところで、撮像ユニット604にはズームレンズ630による光学ズーム機能が搭載されているため、光学ズーム機能を働かせることで撮像範囲が変更される。例えば、図19に示すように、望遠寄りの撮像範囲αは、広角寄りの撮像範囲βよりも狭い。そのため、撮像範囲βの一端に光軸Pが達したことに起因して生じる像振れを抑制するための応答性は、撮像範囲αの一端に光軸Pが達したことに起因して生じる像振れを抑制するための応答性よりも良くなる。
ここで、「像振れを抑制するための応答性が良い」とは、例えば、像振れを抑制するのに要する撮像系防振レンズ66の移動量が少ないことを意味する。逆に、「像振れを抑制するための応答性が悪い」とは、例えば、像振れを抑制するのに要する撮像系防振レンズ66の移動量が多いことを意味する。なお、以下では、説明の便宜上、「像振れを抑制するための応答性」を「撮像系応答性」と称する。
一方、射出部26には光学ズーム機能が搭載されていないため、射出部26では、レーザ光の照射範囲が固定化されている。そのため、撮像範囲の広さ次第で、像振れを抑制するための応答性とレーザ振れを抑制するための応答性との間で差異が生じることがある。なお、「レーザ振れの抑制に対する応答性が良い」とは、例えば、レーザ振れを抑制するのに要する射出系防振レンズ34の移動量が少ないことを意味する。逆に、「レーザ振れの抑制に対する応答性が悪い」とは、例えば、レーザ振れを抑制するのに要する射出系防振レンズ34の移動量が多いことを意味する。なお、以下では、説明の便宜上、「レーザ振れを抑制するための応答性」を「レーザ系応答性」と称する。また、撮像系応答性とレーザ応答性と区別して説明する必要がない場合は、「応答性」と称する。
上述したように撮像系応答性とレーザ系応答性との間に差異が生じると、場合によっては、像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33を動作させると、像振れの抑制の度合いとレーザ振れの抑制の度合いとが釣り合わなくなる可能性がある。例えば、望遠側への画角の変更量が多くなるに従って撮像系応答性がレーザ系応答性よりも相対的に良くなると、射出系防振レンズ34が可動範囲を超えて移動しない限り撮像系防振レンズ66の動作に追従することができなくなる場合がある。また、広角側への画角の変更量が多くなるに従って撮像系応答性が悪くなっていくと、算出された撮像系光軸移動量が撮像系防振レンズ66の可動範囲に対応できず、撮像系防振レンズ66が射出系防振レンズ34の動作に追従することができなくなる場合がある。
そこで、移動量決定部158は、第1〜第4条件を満足したか否かを判定し、判定結果に基づいて変動機構ドライバ98に出力すべき光軸移動量を決定し、決定した光軸移動量を変動機構ドライバに出力する。
第1条件とは、算出された撮像系光軸移動量が許容範囲内にあると判定されたとの条件を指す。第2条件とは、算出された射出系光軸移動量が許容範囲内にあると判定されたとの条件を指す。第3条件とは、算出された撮像系光軸移動量での光軸Pの移動を実現するための撮像系防振レンズ66の移動が撮像系防振レンズ66の可動範囲内で足りると判定されたとの条件を指す。第4条件とは、算出された射出系光軸移動量での光軸L1の移動を実現するための射出系防振レンズ34の移動が射出系防振レンズ34の可動範囲内での移動で足りると判定されたとの条件を指す。
ここで、撮像系光軸移動量の許容範囲とは、最終的に採用される撮像系光軸移動量の許容範囲として事前の実験やシミュレーション等により知得された許容範囲を指す。撮像系光軸移動量の許容範囲は、撮像ユニット604の構造及び画角変更部650の特性によって一意に定まる。また、射出系光軸移動量の許容範囲とは、最終的に採用される射出系光軸移動量の許容範囲として事前の実験やシミュレーション等により知得された許容範囲を指す。射出系光軸移動量の許容範囲は、測距ユニット12の構造、特に、射出部26の構造によって一意に定まる。
また、撮像系防振レンズ66の可動範囲とは、撮像系防振レンズ66が上記第1実施形態で説明した撮像系二次元平面において移動可能な範囲を指す。撮像系防振レンズ66の可動範囲は、本開示の技術に係る「第1抑制部が動作可能な範囲」の一例であり、像振れ抑制部63の構造によって一意に定まる。射出系防振レンズ34の可動範囲とは、射出系防振レンズ34が上記第1実施形態で説明した射出系二次元平面において移動可能な範囲を指す。射出系防振レンズ34の可動範囲は、本開示の技術に係る「第2抑制部が動作可能な範囲」の一例であり、レーザ振れ抑制部33の構造によって一意に定まる。
次に、測距装置10Cの作用について、上記第1実施形態で説明した内容と異なる点を説明する。
先ず、本第3実施形態に係る第1光学式抑制処理について図20を参照して説明する。
本第3実施形態に係る第1光学式抑制処理は、上記第1実施形態に係る第1光学式抑制処理(図15参照)に比べ、ステップ512Aの処理に代えてステップ650A,652Aの処理を有する点が異なる。
本第3実施形態に係る第1光学式抑制処理では、ステップ650Aで、移動量算出部156A2は、ステップ510Aの処理で算出された撮像系位置誤差から撮像系光軸移動量演算式を用いて撮像系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156A2は、算出した撮像系光軸移動量を、撮像系光軸移動量換算式を用いて、画角変更部650による画角の変更量に対応する撮像系光軸移動量に換算する。
また、ステップ650Aで、移動量算出部156B2は、ステップ510Aの処理で算出された射出系位置誤差から射出系光軸移動量演算式を用いて射出系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156B2は、上記第1実施形態で説明したステップ512Aの処理と同様に、必要に応じて射出系光軸移動量を調整する。
次のステップ652Aで、移動量決定部158は、第1〜第4条件を満足したか否かを判定し、判定結果に基づいて第1〜第3出力処理の何れかを実行し、その後、第1光学式抑制処理を終了する。
移動量決定部158は、第1条件及び第2条件のうちの少なくとも一方の条件が満足せず、かつ、第3条件及び第4条件を満足した場合に、第1出力処理を実行する。
移動量決定部158によって第1出力処理が実行されると、撮像系応答性及びレーザ系応答性のうちの悪い方の応答性に対応する光軸移動量が変動機構ドライバに出力される。すなわち、悪い方の応答性が撮像系応答性である場合、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ98,100に出力される。また、悪い方の応答性がレーザ系応答性である場合、移動量算出部156B2により算出された射出系光軸移動量が変動機構ドライバ98,100に出力される。
移動量決定部158は、第1条件及び第2条件を満足したか否かに拘わらず、第3条件及び第4条件の少なくとも一方を満足していない場合に、第2出力処理を実行する。
移動量決定部158によって第2出力処理が実行されると、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量の許容範囲の上限値が変動機構ドライバ100に出力される。また、移動量算出部156B2により算出された射出系光軸移動量の許容範囲の上限値が変動機構ドライバ98に出力される。
移動量決定部158は、第1〜第4条件の全てを満足した場合に、第3出力処理を実行する。移動量決定部158によって第3出力処理が実行されると、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ100に出力される。また、移動量算出部156B2により算出された射出系光軸移動量が変動機構ドライバ98に出力される。
このように、ステップ652Aの処理が実行されることにより撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ100に出力されると、変動機構ドライバ100及び防振レンズ変動機構70は、上記第1実施形態に係る第1光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。また、ステップ652Aの処理が実行されることにより射出系光軸移動量が変動機構ドライバ98に出力されると、変動機構ドライバ98及び防振レンズ変動機構38は、上記第1実施形態に係る第1光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。
次に、本第3実施形態に係る第2光学式抑制処理について図20を参照して説明する。
本第3実施形態に係る第2光学式抑制処理は、上記第1実施形態に係る第2光学式抑制処理(図15参照)に比べ、ステップ512Bの処理に代えてステップ650B,652Bの処理を有する点が異なる。
次に、本第3実施形態に係る第2光学式抑制処理について図20を参照して説明する。
本第3実施形態に係る第2光学式抑制処理は、上記第1実施形態に係る第2光学式抑制処理(図15参照)に比べ、ステップ512Bの処理に代えてステップ650B,652Bの処理を有する点が異なる。
本第3実施形態に係る第2光学式抑制処理では、ステップ650Bで、移動量算出部156A2は、ステップ510Bの処理で算出された撮像系位置誤差から撮像系光軸移動量演算式を用いて撮像系光軸移動量を算出する。そして、移動量算出部156A2は、算出した撮像系光軸移動量を、撮像系光軸移動量換算式を用いて、画角変更部650による画角の変更量に対応する撮像系光軸移動量に換算する。
次のステップ652Bで、移動量決定部158は、第1〜第4条件を満足したか否かを判定し、判定結果に基づいて第4〜第6出力処理の何れかを実行し、その後、第3光学式抑制処理を終了する。
移動量決定部158は、第1条件及び第2条件のうちの少なくとも一方の条件が満足せず、かつ、第3条件及び第4条件を満足した場合に、第4出力処理を実行する。
移動量決定部158によって第4出力処理が実行されると、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ100に出力される。
移動量決定部158は、第1条件及び第2条件を満足したか否かに拘わらず、第3条件及び第4条件の少なくとも一方を満足していない場合に、第5出力処理を実行する。
移動量決定部158によって第5出力処理が実行されると、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量の許容範囲の上限値が変動機構ドライバ100に出力される。
移動量決定部158は、第1〜第4条件の全てを満足した場合に、第6出力処理を実行する。移動量決定部158によって第6出力処理が実行されると、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ100に出力される。
このように、ステップ652Bの処理が実行されることにより撮像系光軸移動量が変動機構ドライバ100に出力されると、変動機構ドライバ100及び防振レンズ変動機構70は、上記第1実施形態に係る第2光学式抑制処理が実行された場合と同様に動作する。
以上説明したように、測距装置10Cでは、目標位置算出部153Aにより、変位算出部152の算出結果を基に撮像系防振レンズ66の目標位置が算出される。移動量算出部156A2により、撮像系防振レンズ66の目標位置、位置信号取得部154A1により取得された撮像系位置信号、及び画角変更部650による画角の変更量に応じて、撮像系光軸移動量が算出される。そして、移動量算出部156A2により算出された撮像系光軸移動量を基に防振レンズ変動機構70が制御される。
従って、測距装置10Cは、画角の変更量が考慮されることなく撮像系光軸移動量が算出される場合に比べ、画角が変更されたとしても、ずれ現象を高精度に抑制することができる。
また、測距装置10Cでは、移動量決定部158により、第1〜第4条件が満足しているか否かの判定が行われ、判定結果に基づいて決定された光軸移動量が変動機構ドライバに出力される。
従って、測距装置10Cは、光軸移動量、許容範囲、及び可動範囲が考慮されることなく像振れ及びレーザ振れの抑制が行われる場合に比べ、像振れの抑制の度合いとレーザ振れの抑制の度合いとの乖離を抑制することができる。
なお、上記第3実施形態では、光学ズーム機能を例に挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、デジタルズーム機能であっても本開示の技術は成立する。
また、上記第3実施形態では、目標位置算出部153A,153Bを併用する場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、上記第2実施形態で説明したように、目標位置算出部153Bを用いなくても本開示の技術は成立する。
この場合、ROM124は、位置変動抑制プログラム130Cに代えて位置変動抑制プログラム130Dを記憶している。そして、CPU120は、ROM124から位置変動抑制プログラム130Dを読み出してRAM122に展開し、位置変動抑制プログラム130Dを実行することで、一例として図21に示す制御部150Dとして動作する。
一例として図21に示すように、制御部150Dは、図18に示す制御部150Cに比べ、目標位置算出部153Bを有しない点が異なる。また、制御部150Dは、図18に示す制御部150Cに比べ、位置信号取得部154A1に代えて、上記第2実施形態で説明した位置信号取得部154A2を有する点が異なる。また、制御部150Dは、図18に示す制御部150Cに比べ、位置誤差算出部155B1に代えて、上記第2実施形態で説明した位置誤差算出部155B2を有する点が異なる。よって、測距装置10Cは、CPU120を制御部150Dとして動作させることで、上記第2実施形態に係る測距装置10Bと同様の効果を得ることができる。
また、上記第3実施形態では、説明の便宜上、画角の変更に伴って画像内でのレーザ光の位置がずれる現象である画角変更時ずれ現象が発生しないことを前提として説明したが、画角変更時ずれ現象を抑制すべく測距装置10Dを採用してもよい。
一例として図22に示すように、測距装置10Dは、測距装置10C(図17参照)に比べ、撮像ユニット604に代えて撮像ユニット700を有する点、及び処理装置606に代えて処理装置702を有する点が異なる。
撮像ユニット700は、撮像ユニット604に比べ、ズームレンズ傾斜機構704を有する点が異なる。処理装置702は、処理装置606に比べ、傾斜機構ドライバ706を有する点が異なる。
ズームレンズ傾斜機構704は、動力源(図示省略)を備えており、動力源により生成された動力に従ってズームレンズ630を基準軸に対して傾斜させる。ここで、基準軸とは、例えば、手振れがない状態の光軸Pを指す。なお、ズームレンズ傾斜機構704に含まれる動力源の一例としては、ステッピングモータ等が挙げられるが、これに限らず、他種類のモータであってもよいし、ピエゾ素子であってもよい。
傾斜機構ドライバ706は、バスライン114に接続されており、主制御部80の指示に従ってズームレンズ傾斜機構704の動力源を制御してズームレンズ傾斜機構704を駆動させることで、ズームレンズ630を基準軸に対して傾斜させる。
CPU120は、ズームレンズ630を移動させて画角を変更した場合に、画角の変更量から傾斜角度導出テーブル(図示省略)を用いて、ズームレンズ630を基準軸に対して傾斜させる角度である傾斜角度を導出する。傾斜角度導出テーブルは、画角の変更量と傾斜角度とが対応付けられたテーブルである。傾斜角度導出テーブルが有する傾斜角度は、画像内でのレーザ光の照射位置が画角の変更の前後で保持される傾斜角度として事前に実験やシミュレーション等によって知得された傾斜角度である。
なお、CPU120は、傾斜角度導出テーブルに代えて、画角の変更量を独立変数とし、傾斜角度を従属変数とする傾斜角度算出演算式を用いて傾斜角度を算出してもよい。
CPU120は、傾斜角度導出テーブルを用いて導出した傾斜角度でズームレンズ630を傾斜させるように傾斜機構ドライバ706を制御することでズームレンズ傾斜機構704を駆動させる。この結果、ズームレンズ630は、傾斜角度導出テーブルから導出された傾斜角度で傾斜し、画像内でのレーザ光の照射位置が画角の変更の前後で保持される。
従って、測距装置10Dは、ズームレンズ630の移動に拘らず光軸Pとズームレンズ630との相対的な位置関係が固定化されている場合に比べ、画角変更時ずれ現象を抑制することができる。
なお、図22に示す例では、ズームレンズ630の傾きを変更することで画角変更時ずれ現象を抑制する例を挙げたが、これに限らず、画像処理部82が主制御部80の制御下で画像信号を加工することにより画角変更時ずれ現象を抑制するようにしてもよい。
また、図22には、像振れ抑制部63及びレーザ振れ抑制部33を有する測距装置10Dが例示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、図23に示すように、測距装置10Dに代えて測距装置10Eを採用してもよい。
一例として図23に示すように、測距装置10Eは、測距装置10Dに比べ、撮像ユニット700に代えて撮像ユニット750を有する点が異なる。また、測距装置10Eは、測距装置10Dに比べ、測距ユニット12に代えて測距ユニット752を有する点が異なる。また、測距装置10Eは、測距装置10Dに比べ、処理装置702に代えて処理装置754を有する点が異なる。
撮像ユニット750は、撮像ユニット700に比べ、結像光学系626に代えて結像光学系755を有する点、像振れ抑制部63に代えて撮像素子変動機構756を有する点、及び位置検出センサ72に代えて位置検出センサ758を有する点が異なる。
結像光学系755は、結像光学系626に比べ、撮像系防振レンズ66を有しない点が異なる。
撮像素子変動機構756は、動力源756A及び第3動力伝達機構(図示省略)を備えている。動力源756Aは、動力を生成する。第3動力伝達機構は、動力源756Aにより生成された動力を受け、受けた動力を撮像素子60に伝達することにより撮像素子二次元平面に沿って撮像素子60を変動させる。撮像素子二次元平面とは、例えば、撮像素子60の受光面に対して略平行な二次元平面を指す。
なお、動力源756Aの一例としては、撮像素子二次元平面に沿って伸縮するピエゾ素子が挙げられるが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ボイスコイルモータ又はステッピングモータ等であってもよい。
位置検出センサ758は、撮像素子60の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す撮像素子位置信号を出力する。ここで、撮像素子60の現在位置とは、撮像素子二次元平面内の現在位置を指す。また、撮像素子位置信号は、上記第1実施形態で説明した撮像系位置信号に対応する信号である。
測距ユニット752は、測距ユニット12に比べ、射出部26に代えて射出部760を有する点が異なる。射出部760は、射出部26に比べ、射出光学系32に代えて射出光学系761を有する点、レーザ振れ抑制部33に代えてLD変動機構762を有する点、及び位置検出センサ40に代えて位置検出センサ764を有する点が異なる。なお、LD変動機構762は、本開示の技術に係る発光素子変動機構の一例である。
射出光学系761は、射出光学系32に比べ、射出系防振レンズ34を有しない点が異なる。
LD変動機構762は、動力源762A及び第4動力伝達機構(図示省略)を備えている。動力源762Aは、動力を生成する。第4動力伝達機構は、動力源762Aにより生成された動力を受け、受けた動力をLD30に伝達することによりLD二次元平面に沿ってLD30を変動させる。なお、LD二次元平面とは、例えば、LD30のレーザ光の射出面に対して略平行な二次元平面を指す。
なお、動力源762Aの一例としては、LD二次元平面に沿って伸縮するピエゾ素子が挙げられるが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、ボイスコイルモータ又はステッピングモータ等であってもよい。
位置検出センサ764は、LD30の現在位置を検出し、検出した現在位置を示すLD位置信号を出力する。ここで、LD30の現在位置とは、LD二次元平面内の現在位置を指す。また、LD位置信号は、上記第1実施形態で説明した射出系位置信号に対応する信号である。
処理装置754は、処理装置702に比べ、位置信号処理回路96に代えて位置信号処理回路770を有する点、及び変動機構ドライバ100に代えて変動機構ドライバ772を有する点が異なる。処理装置754は、処理装置702に比べ、位置信号処理回路94に代えて位置信号処理回路774を有する点、及び変動機構ドライバ98に代えて変動機構ドライバ776を有する点が異なる。
位置信号処理回路770,774及び変動機構ドライバ772,776は、バスライン114に接続されている。
位置信号処理回路770は、位置検出センサ758に接続されており、位置検出センサ758から入力された撮像素子位置信号を増幅し、増幅した撮像素子位置信号に対してA/D変換を行う。そして、位置信号処理回路770は、A/D変換によりデジタル化されたLD位置信号を主制御部80に出力する。
変動機構ドライバ772は、動力源756Aに接続されており、主制御部80の指示に従って、動力源756Aを駆動させる。すなわち、変動機構ドライバ772は、主制御部80から入力された撮像系光軸移動量を基に変動機構ドライバ772を制御して動力源756Aを駆動させることにより、撮像素子60を撮像素子二次元平面に沿って変動させる。
位置信号処理回路774は、位置検出センサ764に接続されており、位置検出センサ764から入力されたLD位置信号を増幅し、増幅したLD位置信号に対してA/D変換を行う。そして、位置信号処理回路774は、A/D変換によりデジタル化されたLD位置信号を主制御部80に出力する。
変動機構ドライバ776は、動力源762Aに接続されており、主制御部80の指示に従って、動力源762Aを駆動させる。すなわち、変動機構ドライバ776は、主制御部80から入力された射出系光軸移動量を基に変動機構ドライバ776を制御して動力源762Aを駆動させることにより、LD30をLD二次元平面に沿って変動させる。
従って、測距装置10Eは、像振れ抑制部63を用いる場合に比べ、結像光学系755の設計の自由度に制限を加えることなく、ずれ現象を抑制することができる。また、測距装置10Eは、レーザ振れ抑制部33を用いる場合に比べ、射出光学系761の設計の自由度に制限を加えることなく、ずれ現象を抑制することができる。
また、図23に示す例では、射出部760がレーザ振れ抑制部33を有していないが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、射出部760にレーザ振れ抑制部33を設け、LD変動機構762を補助的に設けるようにしてもよい。
また、図23に示す例では、撮像素子変動機構756を動作させるのみならず、上記各実施形態で説明したように、撮像素子変動機構756の動作と並行して電子式抑制処理の実行も行われる。よって、測距装置10Eでも、上記各実施形態と同様に、光軸Pの変動が画像に対して与える影響を像振れ抑制部63のみで抑制する場合に比べ、ずれ現象を抑制した抑制結果の精度が抑制精度差に起因して低下することを抑制することができる。
また、図22には、電子ビューファインダ22を有する測距装置10Dが例示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、図24に示すように、測距装置10Dに代えて測距装置10Fを採用してもよい。
一例として図24に示すように、測距装置10Fは、測距装置10Dに比べ、電子ビューファインダ22及びメモリカード24を有しない点が異なる。また、測距装置10Fは、測距装置10Dに比べ、処理装置702に代えて処理装置800を有する点が異なる。また、測距装置10Fは、測距装置10Dに比べ、受付デバイス608に代えて受付デバイス802を有する点が異なる。また、測距装置10Fは、測距装置10Dに比べ、撮像ユニット700に代えてファインダユニット804を有する点が異なる。
処理装置800は、処理装置702に比べ、画像処理部82、画像メモリ84、表示制御部88、撮像素子ドライバ104、画像信号処理回路106、及びメディアI/F108を有しない点が異なる。処理装置800は、処理装置702に比べ、位置信号処理回路814及び変動機構ドライバ816を有する点が異なる。位置信号処理回路814及び変動機構ドライバ816はバスライン114に接続されており、主制御部80によって制御される。なお、図24には、説明の便宜上、傾斜機構ドライバ706及び変動機構ドライバ772が図示されていないが、例えば、処理装置800は、傾斜機構ドライバ706及び変動機構ドライバ772を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
受付デバイス802は、受付デバイス608に比べ、レリーズボタン20B及び撮像系動作モード切替ボタン20Dを有しない点が異なる。
ファインダユニット804は、撮像ユニット700に比べ、撮像素子60に代えて観察光学系806を有する点が異なる。また、ファインダユニット804は、撮像ユニット700に比べ、結像光学系626に代えて結像光学系813を有する点が異なる。
結像光学系813は、結像光学系626に比べ、像振れ抑制部807を有する点が異なる。なお、図24には、説明の便宜上、ズームレンズ630、ズームレンズ移動機構628、及びズームレンズ傾斜機構704が図示されていない。しかし、結像光学系813は、ズームレンズ630、ズームレンズ移動機構628、及びズームレンズ傾斜機構704を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
像振れ抑制部807の基本構成は、像振れ抑制部63と同様であり、像振れ抑制部807は、防振レンズ808及び防振レンズ変動機構810を有する。また、防振レンズ変動機構810は、動力源810Aを有する。動力源810Aは、変動機構ドライバ816に接続されており、主制御部80の制御下で、変動機構ドライバ816の指示に従って駆動する。防振レンズ変動機構810には位置検出センサ812が設けられており、防振レンズ808の現在位置を示す位置信号を位置信号処理回路814に出力する。主制御部80は、位置信号処理回路814を介して防振レンズ808の現在位置を把握する。そして、主制御部80は、像振れ抑制部63に対して行う制御と同様に、防振レンズ808の現在位置に基づいて変動機構ドライバ816を介して像振れ抑制部807を制御する。
観察光学系806は、ユーザに被写体像を光学像として視認させる光学式ファインダ機能を実現する光学系である。観察光学系806は、接眼レンズ806Aを有しており、接眼レンズ806Aは、結像光学系626を通過した被写体光を被写体像として受光する。接眼レンズ806Aにより受光された被写体光が示す被写体像は、接眼レンズ806Aを介してユーザによって視認される。
従って、測距装置10Fは、像振れ抑制部63,807を用いない場合に比べ、撮像素子60に代えて観察光学系806が採用されたとしても、ずれ現象を抑制することができる。また、測距装置10Fは、ファインダユニット804を用いない場合に比べ、簡易な構成で、ずれ現象が抑制された被写体像をユーザに視認させることができる。
また、図24に示す例では、観察光学系806のみを通して被写体像がユーザによって視認される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、電子ビューファインダ22による電子式ファインダ機能と観察光学系806による光学式ファインダ機能とが切替スイッチ(図示省略)の操作に応じて選択的に使用されるようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザによる切替スイッチの操作に応じて液晶シャッタ(図示省略)が遮光状態と非遮光状態とに切り替えられることにより、電子式ファインダ機能による電子像と光学式ファインダ機能による光学像とがユーザによって交互に視認される。
また、図23に示す例では、像振れ抑制部63を有しない測距装置10Eが示されているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、一例として図25に示す測距装置10Gであってもよい。
一例として図25に示すように、測距装置10Gは、測距装置10Eに比べ、撮像ユニット750に代えて撮像ユニット900を有する点、及び処理装置754に代えて処理装置902を有する点が異なる。
撮像ユニット900は、撮像ユニット750に比べ、像振れ抑制部63を有する点が異なる。また、処理装置902は、処理装置754に比べ、位置信号処理回路96及び変動機構ドライバ100を有する点が異なる。
主制御部80は、静止画撮像モード下で、像振れ抑制部63及び撮像素子変動機構756を同時に動作させ、かつ、画像処理部82に対して電子式抑制処理を実行させない制御を、像振れ抑制部63、撮像素子変動機構756、及び画像処理部82に対して行う。また、主制御部80は、動画撮像モード下で、像振れ抑制部63の動作、撮像素子変動機構756の動作、及び電子式抑制処理の実行を同時に行わせる制御を像振れ抑制部63、撮像素子変動機構756、及び画像処理部82に対して行う。
従って、測距装置10Gは、撮像系の動作モードが如何なる動作モードであっても常に像振れ抑制部63を動作させる場合に比べ、消費電力を抑制することができる。
また、上記各実施形態では、ターゲットマークが表示されない場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、ライブビュー画像上で特定の被写体を追従するターゲットマークがライブビュー画像に重ねて表示されるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、電子ビューファインダ22に画像が表示される場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、測距装置10Aに接続して使用される外部装置の表示部に画像が表示されるようにしてもよい。測距装置10Aに接続して使用される外部装置の表示部の一例としては、スマートデバイスの表示部、PC(Personal Computer:パーソナル・コンピュータ)の表示部、又は眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置の表示部が挙げられる。
また、上記各実施形態では、実計測期間内に測距制御部86により算出された距離がライブビュー画像に重ねて表示される場合を例示したが(図26参照)、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、実計測期間内に測距制御部86により算出された距離が電子ビューファインダ22とは異なる表示部(例えば、液晶ディスプレイ)に表示されるようにしてもよい。表示部は、測距装置10Aに設けられている必要はなく、例えば、測距装置10Aに接続して使用される外部装置の表示部であってもよい。測距装置10Aに接続して使用される外部装置の一例としては、スマートデバイスの表示部、PCの表示部、又は、眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置の表示部が挙げられる。
また、実計測期間内に測距制御部86により算出された距離は、観察光学系806に重ねて設けられた透光性のディスプレイ(図示省略)に表示されるようにしてもよい。この場合、ユーザは、被写体像を視認しながら測距結果である距離を視覚的に認識することができる。
また、距離を表示する表示態様は、可視表示に限定されるものではなく、音声再生装置により出力される音声による可聴表示であってもよいし、印刷物による永久可視表示であってもよいし、可視表示と可聴表示と永久可視表示とを2つ以上組み合わせてもよい。
また、上記各実施形態では、受付デバイス20が測距指示ボタン20Aとレリーズボタン20Bを有する場合について説明したが、測距の開始の指示及び撮像の開始の指示が1つのボタンによって受け付けられるようにしてもよい。また、測距の開始の指示及び撮像の開始の指示は、測距装置10Aに接続して使用される外部装置の受付デバイスによって受け付けられるようにしてもよい。測距装置10Aに接続して使用される外部装置の一例としては、スマートデバイスの受付デバイス、PCの受付デバイス、又は、眼鏡型若しくは腕時計型のウェアラブル端末装置の受付デバイスが挙げられる。
また、上記各実施形態では、レリーズボタン20Bが押下されることにより静止画像の撮像の指示及び動画像の撮像の指示が測距装置10Aに対して与えられる場合を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、接眼検出部(図示省略)により電子ビューファインダ22にユーザの眼部が近接したことが検知された場合に静止画像の撮像の指示及び動画像の撮像の指示が測距装置10Aに対して与えられるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、手振れが原因で共通光軸が変動する場合を例示したが、共通光軸の変動の原因は、手振れに限定されるものではない。例えば、車両に測距装置10Aが搭載されている場合には、車両の振動が伝達されることにより共通光軸が変動することもある。また、測距装置10Aに接続して使用される外部装置(図示省略)から測距装置10Aに振動が伝達されることに起因して共通光軸が変動することもある。更に、測距装置10Aに搭載されている内部装置(例えば、モータ)が振動することに起因して共通光軸が変動することもある。
また、上記各実施形態では、測距用の光としてレーザ光を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、指向性のある光である指向性光であればよい。例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)により得られる指向性光であってもよい。指向性光が有する指向性は、レーザ光が有する指向性と同程度の指向性であることが好ましく、例えば、数メートルから数キロメートルの範囲内における測距で使用可能な指向性であることが好ましい。
また、上記各実施形態では、各種プログラムをROM124から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初からROM124に記憶させておく必要はない。例えば、図27に示すように、測距装置10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G(以下、「測距装置10A等」という)に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、又は光磁気ディスクなどの任意の可搬型の記憶媒体950に先ずは静止画撮像プログラム126、動画撮像プログラム128、及び位置変動抑制プログラム130A(130B,130C,130D)(以下、「プログラム」という)を記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体950に記憶されているプログラムが測距装置10A等にインストールされ、インストールされたプログラムが、CPU120によって実行されるようにしてもよい。また、通信網(図示省略)を介して測距装置10Aに接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラムを記憶させておき、プログラムが測距装置10A等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされたプログラムがCPU120によって実行される。
また、上記各実施形態で説明した静止画撮像処理(図11参照)、動画撮像処理(図12参照)、及び位置変動抑制処理(図13参照)はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、静止画撮像処理、動画撮像処理、及び位置変動抑制処理に含まれる各処理は、ASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。
なお、2015年3月20日に出願された日本国特許出願2015−057910号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
被写体からの反射光を結像光学系を通して被写体像として受光する受光部と、
測距用の指向性光を発光する発光素子を有する射出部であって、指向性光を被写体に向けて射出する射出部と、
測距装置に与えられた変動を検出する検出部と、
結像光学系の光軸と指向性光の光軸とが共通する共通光路、共通光路から分流して反射光を受光部に導く反射光用光路、及び共通光路と合流して指向性光を共通光路に導く指向性光用光路を形成する光路形成部と、
共通光路と異なる箇所に設けられた複数の機構、及び被写体像加工部のうちの少なくとも2つ以上であり、受光部が受光した被写体像に対して結像光学系の光軸の変動が与える影響を検出部による検出結果に基づいて抑制する第1抑制部と、
共通光路と異なる箇所に設けられ、被写体に対する指向性光の光軸の変動を検出部による検出結果に基づいて抑制する第2抑制部と、
第1抑制部と第2抑制部とを同時に動作させる場合、受光部が受光した被写体像内における指向性光の照射位置の変動を抑制する制御を第1抑制部及び第2抑制部に対して行う制御部と、を含み、
第1抑制部は、反射光用光路に設けられた第1防振レンズと結像光学系の光軸の変動に応じて第1防振レンズを変動させる第1レンズ変動機構とによる第1防振レンズ機構、結像光学系の光軸の変動に応じて撮像素子を変動させる撮像素子変動機構、及び被写体像加工部から選択された2つ以上であり、
制御部は、撮像素子により静止画像が撮像される場合に、第1防振レンズ機構及び撮像素子変動機構が第1抑制部として動作し、撮像素子により動画像が撮像される場合に、第1防振レンズ変動機構及び撮像素子変動機構のうちの少なくとも1つと被写体像加工部とが第1抑制部として動作する制御を第1防振レンズ機構、撮像素子変動機構、及び被写体像加工部に対して行う測距装置。