JPWO2016111077A1 - 位置検出装置 - Google Patents

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Abstract

スタイラスペンからの付帯情報を、ノイズの影響を除去しつつ、スタイラスペンが高速に移動しても、安定して正確に入手することができる位置検出装置を提供する。+側端子と−側端子を有し、両端子に生じる信号の差分を増幅して出力する差動増幅回路と、センサーに設けた複数の電極の中から第1の電極又は、第1の電極を含めた複数の電極からなる第1の電極群を選択して、差動増幅回路の+側端子に接続すると共に、第2の電極又は、第2の電極を含めた複数の電極からなる第2の電極群を選択して差動増幅回路の−側端子に接続する選択回路とを備える。選択回路は、スタイラスペンの指示位置を検出する期間においては、第1の電極と第2の電極として所定の間隔だけ隔てた電極を選択し、データ検出用信号を検出する期間においては、第1の電極と第2の電極として所定の間隔よりも狭い間隔だけ隔てた電極を選択する。

Description

この発明は、表示装置の前面に配置して、指とペン型の位置指示器(以下、ペン型の位置指示器をスタイラスペンという)の両方による操作を行うことができる透明なセンサーを備える位置検出装置に関するものである。
近年、コンピュータの入力に関して、手書き文字入力や絵やイラストなどの描画を容易に行うため、スタイラスペンによる入力ができるようにしたものがある。このためのペン入力技術としては、特許文献1(特開昭63−70326公報)に開示された方法が広く用いられている。
上記の特許文献1の方法によれば、スタイラスペンである位置指示器に共振回路を設けて、位置検出装置としてのタブレットのセンサーとの電磁誘導によって指示位置を検出する。この方式では、位置検出装置のセンサー側のコイル(センサーコイル=ループコイル)と、スタイラスペンに組み込まれたコイルとコンデンサとからなる共振回路との間での共振動作によって、信号の送受信が行われている。
位置検出装置では、スタイラスペンの位置の近傍のセンサーコイルが選択されて、そのセンサーコイルから信号が発信され、スタイラスペンは、共振回路のコイルでそれを受信し、センサーコイルに向かって信号を返信していた。返信した信号には、複数の情報が含まれる場合がある。スタイラスペンからの情報としては、位置検出用信号や筆圧情報等がある。位置検出装置においては、スタイラスペンが移動している場合であっても、追従して、スタイラスペンの近傍のセンサーコイルから信号を送信し、位置指示器と情報の交換が行われていた。
近年、タッチパネルを搭載したタブレット型情報端末が多く用いられるようになってきた。上記特許文献1に開示されているタブレットでは、タブレットを構成するセンサーを表示装置の背面に設ける必要があった。これは、センサーコイルに設けられているループコイルに、ある程度の電流を流す必要があるため、センサーを透明化することができないことによる。
このため、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を用いて、センサーを透明化した静電容量方式のセンサーが近年主流となってきている。しかし、この透明のセンサーには問題がある。1つは、表示装置の表示画面上にセンサーを重畳して配置するため、表示装置、例えば液晶などが発するノイズの影響を受けてしまい、座標位置を正確に求めることが難しくなるという問題である。また、従来の銅線による導体に対して、ITOからなる電極は、高抵抗値を有する。そのため、タブレットのセンサーから信号を送信し、その信号をスタイラスペンで受信をし、センサーに返信するような信号の送受信が困難である。
この問題を解決する静電容量方式のスタイラスペンと位置検出装置の一つとして、スタイラスペンが電源を持ち、スタイラスペン側から一方的に信号を位置検出装置のセンサー側に送り出す方式があり、この方式を持つ位置検出装置が増えてきた(特許文献2(特開2014‐63249号公報)参照)。
特開昭63‐70326公報 特開2014‐63249号公報
上記の特許文献2に記載の位置検出装置のセンサーは、互いに直交する方向のそれぞれに複数の透明電極を配設したものとされている。この特許文献2の位置検出装置で、指示体としての指の位置を検出する際には、直交する方向の内の一方の方向に配置されている複数の電極に順次信号を流し、他方の方向に配置されている複数の電極で信号の変化を検出する。また、特許文献2の位置検出装置は、スタイラスペンによる指示位置を検出する際には、一方及び他方の方向の複数の電極を順次切り替えて検出を行う。
この特許文献2で用いられるスタイラスペンは、電源を含み、センサー側に信号を一方的に送信することを特徴としている。また、位置検出装置では、センサーの透明電極で受信したスタイラスペンからの受信信号を差動増幅回路を用いて増幅することで、受信信号に含まれる外来ノイズを相殺している。この場合に、スタイラスペンから発信する信号には、スタイラスペンにより指示される位置を検出する為の位置検出用信号と、スタイラスペンにペン先に印加される筆圧値の情報等の情報とが含まれる。スタイラスペンは、筆圧値の情報等を、ASK(Amplitude Shift Keying)変調されたデータ(付帯情報)としてセンサーに送信している。
そして、位置検出装置におけるスタイラスペンによって指示された位置の検出は、スタイラスペンからの位置検出用信号についてセンサー上の電極すべてを走査し、その走査で取得される信号分布に基づき行う。この位置検出の際、センサー上の全電極を走査(全体スキャン)してある程度、スタイラスペンの指示位置を絞り込んだ後、更に詳細な位置を決定するような処理を行う(部分スキャン)。
そして、位置検出装置では、筆圧値の情報等の付帯情報については、位置検出用信号により特定したスタイラスペンの指示位置に最も近傍の電極で信号を受信することで、付帯情報を得ている。
特許文献2に記載の位置検出装置において、差動増幅回路を用いるのは、スタイラスペンから受信する信号に混入するノイズをキャンセルする為である。特許文献2に記載の位置検出装置では、位置検出用信号に基づいた位置検出処理時の部分スキャンおいて差動増幅回路の+端に接続するセンサーの電極と−端に接続するセンサーの電極とは、所定距離だけ離したそれぞれ1本の電極としている。所定距離だけ離した電極を選択するようにする理由は、位置検出用信号を検出する場合は、信号の強度が重要になるが、差動増幅回路の+端及び−端に接続する電極が隣接していると、その隣接する電極ではスタイラスペンからの位置検出用信号が同様に受信されてしまい、差動増幅により本来検出すべき位置検出用信号が打ち消されてしまい、その信号強度が小さくなってしまうからである。
しかしながら、その一方で、差動増幅回路の+端及び−端に接続する電極の距離を離せば離すほど差動増幅によるノイズ低減の効果が下がり、ノイズの影響を受けてしまうこととなる。
この位置検出装置におけるデータ検出用信号の受信時においては、差動増幅回路の+端及び−端に接続する電極は、位置検出用信号に基づいた位置検出処理の部分スキャンで検出された、スタイラスペンによる指示位置に最も近いセンサーの1本ずつの電極に固定している。
位置検出時の部分スキャンにおいては、前述した所定距離だけ離した電極を差動増幅回路の+端及び−端に接続して、スタイラスペンによる指示位置を検出するよういするため、スタイラスペンによる指示位置に最も近いセンサーの電極として検出されるのは、それら所定距離だけ離した1本ずつの電極である。そのため、位置検出装置におけるデータ検出用信号の受信時においては、差動増幅回路の+端及び−端に接続する電極は、位置検出時と同様に所定距離だけ離れた電極となる。そのため、特許文献2の場合、位置検出装置では、検出される付帯情報を含む信号は、ノイズの影響を大きく受けるものとなっていた。
更に、近年、筆圧値の情報の他に、スタイラスペンの識別情報(ID(Identification))等の付帯情報もセンサー側に送信する場合が増えてきた。そして、識別情報も徐々にデータ量が大きくなり、位置検出用信号の送信後の長時間に亘って、付帯情報を送る場合が増えてきている。具体的には、従来、筆圧値のデータは8ビット程度であったが、筆圧データの詳細化により例えば12ビットとしたり、スタイラスペン固有の30ビット程度の識別情報を送信したりする必要が出てきた。
スタイラスペンから、付帯情報送信期間にデータ検出用信号として送信されてくる付帯情報は、差動増幅回路の+端及び−端の一方に接続された1本の電極から受信する。しかし、スライラスペンが使用者によりセンサー上を高速で移動させられる場合など、スタイラスペンから送信された付帯情報を完全に受信できる前に、スライラスペンが、前記1本の受信電極から離れてしまう場合もある。このように場合、位置検出装置では、スタイラスペンからの付帯情報を正確に受信できなくなり、筆圧データの正確性が失われたり、識別情報が間違って検出されてしまったりする恐れがあった。
この発明は、以上の問題点に鑑み、スタイラスペンからの付帯情報を、ノイズの影響を除去しつつ、スタイラスペンが高速に移動したとしても、安定して正確に入手することができるようにした位置検出装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、
透明の導電材より構成される電極を互いに交差する第1の方向と第2の方向とにそれぞれ複数配列し、表示装置上に配置される透明なセンサーを備え、スタイラスペンからの、前記センサー上の位置を検出させるための位置検出用信号と所定のデジタルデータに応じて生成したデータ検出用信号とを受信する位置検出装置であって、
+側端子と−側端子を有し、前記+側端子と前記−側端子に生じる信号の差分を増幅して出力する差動増幅回路と、
前記センサーに設けた複数の前記電極の中から第1の電極又は、前記第1の電極を含めた複数の電極からなる第1の電極群を選択して前記+側端子に接続すると共に、第2の電極又は、前記第2の電極を含めた複数の電極からなる第2の電極群を選択して前記−側端子に接続する選択回路と、
を備え、
前記選択回路は、前記位置検出用信号に基づいて前記スタイラスペンによる指示位置を検出する期間においては、前記第1の電極と前記第2の電極として所定の間隔だけ隔てた電極を選択し、前記データ検出用信号を検出する期間においては、前記第1の電極と前記第2の電極として前記所定の間隔よりも狭い間隔だけ隔てた電極を選択する
ことを特徴とする位置検出装置を提供する。
上述の構成のこの発明による位置検出装置によれば、差動増幅回路は、データ検出用信号を検出する期間においては、+端に接続される電極と、−端に接続される電極との間隔は、スタイラスペンによる指示位置を検出する期間における電極の間隔よりも狭い間隔とされる。したがって、差動増幅によるノイズ低減効果が大きくなり、データ検出用信号から、より正確な付帯情報を検出することができるようになる。
また、この発明による位置検出装置によれば、差動増幅回路の+端と−端とには、第1の電極を含めた複数の電極からなる第1の電極群と、第2の電極を含めた複数の電極からなる第2の電極群とが接続されるので、スタイラスペンが高速に移動したとしても、それら複数の電極からデータ検出用信号を取得することが可能であるので、付帯情報を完全に取得することが可能になる。したがって、スタイラスペンが高速に移動したとしても、安定して正確に入手することができる。
また、この発明は、前記データ検出用信号を検出する期間において、前記選択回路は、前記第1の電極群と前記第2の電極群として、互いに隣接する電極又は電極群を選択するようにし、さらに、前記第1の電極群と前記第2の電極群の一方は、互いに隣接する複数の電極からなり、前記第1の電極群と前記第2の電極群の他方の複数の電極は、前記互いに隣接する複数の電極からなる電極群の両脇に分散されている電極からなるようにすると、更によい。
この場合には、スタイラスペンからの筆圧等のデータを受信する際に、スタイラスペンの指示位置を中心とする連続した所定本数の電極が、差動増幅回路の+端(または−端)として選択され、その選択された電極の両脇に分散するように同一本数の電極が−端(または+端)として選択される。このため、スタイラスペンが高速に移動しても前記+端(または−端)として選択した領域からペンの指示位置が外れることがなく、筆圧等のデータを確実に受信することができる。よって、素早い筆記や描画を行なっても線が途切れることなく、操作性の良い入力を行なうことができる。
また、+端(または−端)として選択された電極群の領域の両脇に分散するように同一本数の電極を−端(または+端)として選択するようにしたため、差動増幅回路の+端と−側とで、それぞれ複数本の電極を選択したとしてもノイズを確実にキャンセルすることができ、安定に動作する。
この発明によれば、スタイラスペンからの付帯情報を、ノイズの影響を除去しつつ、スタイラスペンが高速に移動したとしても、安定して正確に入手することができるようにした位置検出装置を提供することができる。
この発明による位置検出装置の実施形態における透明センサーの構成を示す図である。 図1の例の透明センサーの断面図である。 この発明による位置検出装置の実施形態の構成図である。 この発明による位置検出装置の実施形態で用いるスタイラスペンの内部構造例を示した図である。 図4の例のスタイラスペンの回路例を示した図である。 図5のスタイラスペンの回路例における信号波形図である。 この発明による位置検出装置の実施形態におけるX軸全面スキャン動作を示した図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における部分スキャンへの移行動作を示した図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における部分スキャン動作について示した図である。 位置検出装置における付帯情報の検出処理の際の電極の選択方法の従来の例を説明するための図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における付帯情報の検出処理の際の電極の選択方法の例を説明するための図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における付帯情報の検出処理の際の電極の選択方法の例を説明するための図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における付帯情報の検出処理の際の電極の選択方法の例を説明するための図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における部分スキャン動作について示した図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における付帯情報の検出処理の際の電極の選択方法の例を説明するための図である。 この発明による位置検出装置の実施形態における部分スキャン動作について示した図である。
図1は、この発明による位置検出装置の実施形態において、表示部と一体に組み合わせる透明センサーの構成を示した図である。図1において、11はLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)パネル、12はITO(Indium Tin Oxide)により形成した電極を有する透明センサーである。12aはITO電極のラインからなるX電極12dが、互いに直交するX方向及びY方向のうちの、X方向に複数配列してなるITOガラスである。12bはITO電極のラインからなるY電極12eがY方向に複数配列してなるITOガラスである。12cは厚みが均一な透明絶縁シートであり、例えばPET(Polyethylene terephthalate)フィルムからなる。
透明センサー12は、ITOガラス12aとITOガラス12bとを各ITO面を向かい合わせるとともに、間に透明絶縁シート12cを挟んで接着することにより作られている。透明センサー12は、位置検出領域がLCDパネル11の表示領域とちょうど重なるように、LCDパネル11と重ねて配置されている。なおITOガラス12a上のX電極12dおよびITOガラス12b上のY電極12eはACF(Anisotropic conductive film)接続により図示しないフレキシブル基板を経由して図示しないプリント基板に接続されている。
図2は透明センサー12をY電極12e上で切断した断面図である。この実施形態では、ITOガラス12a側が操作面側となり、このITOガラス12aの外部への露呈面が、タッチ面12fとなる。
図3はこの発明による位置検出装置の実施形態の構成図である。図3において、12は透明センサー、13は透明センサー12のX電極12dに接続されてX電極12dの中から2組の電極を+端および−端として選択するX選択回路、14は透明センサー12のY電極12eに接続されてY電極12eの中から2組の電極を+端および−端として選択するY選択回路である。本実施例ではX電極12dが40本(X1〜X40)、Y電極12eが30本(Y1〜Y30)として説明する。
なお、図3では、X選択回路13及びY選択回路14は、透明センサー12の複数のX電極12d及び複数のY電極12eの内の1本ずつの電極を+端および−端として選択するように示したが、これらX選択回路13及びY選択回路14は、透明センサー12の複数のX電極12d及び複数のY電極12eの内の複数本ずつの電極を同時に+端および−端として選択することが可能に構成されている。
15はスタイラスで、一定周波数の信号が先端部の電極およびそれを取り囲む外周電極との間に供給されている。
16は切替回路で、X選択回路13により選択された+端および−端またはY選択回路14により選択された+端および−端、のどちらかを選択して差動増幅回路17に接続する。即ち、スタイラスペン15による指示位置のX軸座標を求めるときは、コントロール回路18からの制御信号aをロウレベル「0」として、X選択回路13側を選択する。また、スタイラスペン15による指示位置のY軸座標を求めるときは、制御信号aをハイレベル「1」として、Y選択回路14側を選択する。この場合に、X選択回路13またはY選択回路14の+端側は、差動増幅回路17の非反転入力端子(+側端子)に接続され、X選択回路13またはY選択回路14の−端側は、差動増幅回路17の反転入力端子(−側端子)に接続される。
19はスタイラスペン15が出力する信号周波数を中心とした所定の帯域幅を有するバンドパスフィルター回路で、スイッチ20を介して差動増幅回路17からの出力信号が供給される。スイッチ20はコントロール回路18からの制御信号bによってオン状態またはオフ状態に制御される。即ち、制御信号bがハイレベル「1」のときにはスイッチ20はオン状態とされ、差動増幅回路17からの出力信号はバンドパスフィルター回路19に供給され、制御信号bがロウレベル「0」のときには、スイッチ20はオフ状態とされ、差動増幅回路17からの出力信号はバンドパスフィルター回路19に供給されない。
バンドパスフィルター回路19の出力信号は検波回路21によって検波され、コントロール回路18からの制御信号cに基づきアナログ−デジタル変換回路(以下、AD変換回路と略称する)22によってデジタル値に変換される。このAD変換回路22からのデジタルデータdはマイクロプロセッサ(MCU)23によって読み取られ処理される。ここで、スイッチ20がオン状態である期間は、AD変換回路22でサンプリングを行ってデジタル信号に変換する受信期間であり、スイッチ20がオフ状態である期間は、AD変換回路22でサンプリングをしない受信停止期間となり、スイッチ20のオン状態とオフ状態とで、受信期間と受信停止期間とが交互になる。
コントロール回路18は制御信号eをX選択回路13に供給することにより、X選択回路13は2組のX電極を+端および−端として選択する。また、コントロール回路18は制御信号fをY選択回路14に供給することにより、Y選択回路14は2組のY電極を+端および−端として選択する。
マイクロプロセッサ23は、内部にROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えるとともにROMに格納されたプログラムによって動作する。
マイクロプロセッサ23は、コントロール回路18が所定のタイミングに制御信号a〜fを出力するように、ROMに格納されたプログラムに基づき制御信号gを出力してコントロール回路18を制御する。コントロール回路18は、水平同期パルスhに同期して信号受信とAD変換を行なうように、制御信号a〜fを生成する。
[スタイラスペン15の構成例]
図4は、本実施形態で用いるスタイラスペン15の内部構造例を示したものである。図4において、先端部には芯30が設けられ、芯30の内部には電極31が埋め込まれている。芯30の先端部を除いた外周にはシールド電極32が芯30を取り囲むように設けられている。シールド電極32は、回路において最も電位が安定した部分(GND;接地電極)に接続する。このシールド電極32は、スタイラスが透明センサー12上に傾けて置かれても検出座標値がずれないようにする効果がある。
33は芯30と物理的に結合されて芯30を介して加えられる筆圧によって容量が変化する可変容量コンデンサである。34はプリント基板、35は電池である。プリント基板34には一定の周波数で発振する発振回路が設けられており、その発振出力が電極31に供給される。可変容量コンデンサ33に加えられた筆圧は後述する動作により2進コード化されて前記発振回路を制御することによりASK変調された信号を出力する。プリント基板34には、そのためのASK変調回路も設けられている。
図5は、スタイラスペン15の回路の一例を示したものである。図5において図4と同じものは同一記号で表している。31はスタイラスペン15の先端部に設けた電極、35は電池、33は筆圧によって容量が変化する可変容量コンデンサである。図5においてコイL1とコンデンサC1およびコンデンサC2は発振回路の一部を構成しており、この発振出力はコイルL1と結合するコイルL2に誘導して、電極31に供給されている。
図5において36はCPUで、所定のプログラムに従って動作する。CPU36の出力端子P1からの制御信号pは前述した発振回路に接続され、発振を起動または停止状態に制御する。発振回路は、制御信号pがロウレベル「0」のときは発振を停止し、制御信号pがハイレベル「1」のときは発振を行う。可変容量コンデンサ33は抵抗と並列に接続されて、CPU36の端子P2に接続されている。このP2端子の信号をq、電極31に供給される信号をr、としてスタイラスペンの動作を説明する。
図6は、図5における信号p、q、rの各波形を示したものである。CPU36は信号pを一定期間ハイレベル「1」の出力を維持して発振回路の動作を継続する。この期間に位置検出装置側では後述する座標検出動作を行う。また、CPU36は、この信号pがハイレベル「1」である連続送信期間中に、可変容量コンデンサ33に加えられる筆圧を検出する。この筆圧検出を行うため、CPU36は前述した連続送信を開始した後、端子P2をハイレベル「1」出力に設定する。これによって信号qはハイレベル「1」となり、可変容量コンデンサ33は電池35の電圧に充電される。
この充電が完了すると、CPU36は端子P2を入力設定、即ちハイインピーダンス設定とする。これにより、可変容量コンデンサ33に充電された電荷は、これと並列に接続した抵抗によって放電されるため、信号qすなわち端子P2の電圧は徐々に低下する。CPU36において、端子P2の電圧が所定のしきい値電圧以下になると、内部ロジックがロウレベルとなる。CPU36は、端子P2を入力設定に切替えてから端子P2の電圧が前記しきい値以下に達するまでの時間をTp(図6参照)として計測する。この時間Tpは可変容量コンデンサ33の容量、即ち筆圧の大きさによって変化するので、CPU36は筆圧がゼロから最大までの範囲で計測した時間Tpを10ビットのデジタル値として求める。
前述した連続送信期間が終了すると。しばらくしてCPU36は、この10ビットの筆圧データに応じて端子P1を制御することによりASK変調を行う。即ち、データが“0”のときは端子P1をロウレベルとし、データが“1”のときはハイレベルとする。図6において、最初のデータであるスタート信号(Start signal)は、必ず“1”として送出する。これは後続データのタイミングをマイクロプロセッサ23が正確に予測できるようにするためである。なお、図6において、時間Tdは1ビットのデータを送出する周期である。
このように構成した本実施形態の位置検出装置が、スタイラスペン15の座標位置および筆圧データをどのようにして検出するのか、について次に説明する。
[スタイラスペン15による指示位置の検出処理例]
図7は、X軸全面スキャン動作を示す。具体的には、X選択回路13が全てのX電極について順次選択して信号を受信することにより、スタイラスペン15が置かれているおよその位置を求めるX軸全面スキャン動作について示したものである。まずマイクロプロセッサ23はコントロール回路18に対して制御信号gを出力して、切替回路16がX側を選択し、X選択回路13の+端側としてX電極X1を、−端側として、この例では、+端側のX電極との間に4本の電極を隔てたX電極X6をそれぞれ選択するように制御する。
次にマイクロプロセッサ23は、X選択回路13が選択する電極の番号を1ずつ繰り上げ、+端側としてX電極X2を、−端側としてX電極X7をそれぞれ選択するように制御する。この状態で前述したのと同様に信号レベルを求める。このとき水平同期パルスhに同期して信号受信とAD変換を行なう。
同様にしてマイクロプロセッサ23は、X選択回路13が選択するX電極の番号を順次繰り上げながら信号レベルを求め、+端側の選択がX電極X35、−端側の選択がX電極X40になるまで行なう。
このときAD変換出力dの値が前述した全ての場合で一定レベルに達していなければ、スタイラスペン15は透明センサー12上に無いものと判断して、上記のX軸全面スキャン動作を繰り返す。
さらに、図7では、スタイラスペン15が透明センサー12のX電極X11付近に置かれている場合について示している。その場合、図7に示すように、X選択回路13においてX電極X11が+端側または−端側のいずれかとして選択された際に信号レベルがピークとなる。このようにX電極の選択を更新したときの信号レベルの分布よりスタイラスペン15のおよその位置を求めることができる。図7の信号レベル分布よりスタイラスペン15がX電極X11付近に置かれていることがわかると、次に部分スキャンへの移行動作を行なう。
なお、図7で示したX軸全面スキャン動作では、X選択回路13において+端側として選択する電極と−端側として選択する電極との間を4本空けているが、4本以外の本数としても良い。
図8は、部分スキャンへの移行動作について示したもので、スタイラスペン15が図7における連続送信期間となるタイミングを検出するとともに、スタイラスペン15の透明センサー12におけるY方向のおよその位置を求める。この時も水平同期パルスhに同期して信号受信とAD変換を行なうのは前述と同様である。
まずマイクロプロセッサ23はコントロール回路18に対して制御信号gを出力して、切替回路16がX側を選択し、X選択回路13の+端側としてX電極X11を、−端側としてX電極X16をそれぞれ選択するように制御する。このときスタイラスペン15が図6に示した連続送信期間に入るとAD変換回路22から出力される信号レベルが繰り返し所定値以上となる。信号レベルが所定時間Ts(図8参照)以上繰り返し所定値を超えて検出されると、マイクロプロセッサ23はスタイラスペン15が連続送信期間に入ったと判断してY軸全面スキャン動作へ移行する。この所定時間Tsは、スタイラスペン15がデータ送信期間に送信する周期Tdよりも十分に長い時間とする。
マイクロプロセッサ23はY軸全面スキャン動作を行うため、コントロール回路18に対して制御信号gを出力して、切替回路16がY側を選択し、Y選択回路14の+端側としてY電極Y1を、−端側としてY電極Y6をそれぞれ選択するように制御する。続いてマイクロプロセッサ23は、X軸全面スキャンの時と同様にY選択回路14が選択する電極の番号を1ずつ繰り上げながら信号レベルを求め、+端側の選択がY電極Y25、−端側の選択がY電極Y30になるまで行なう。この時もX軸全面スキャンの時と同様に、Y選択回路14の+端側または−端側のいずれかがスタイラスペン15に近い電極を選択した際にピークとなるような信号分布が得られる。本実施形態ではスタイラスペン15がY電極Y20付近に置かれているものとして以下の説明を行う。
以上説明した図7および図8の動作によってスタイラスペン15がX電極X11およびY電極Y20の交点付近に置かれていることがわかった。続いてマイクロプロセッサ23は、X電極X11を中心とする5本のX電極およびY電極Y20を中心とする5本のY電極について順次選択して信号レベルを求める部分スキャン動作へ移行する。
図9は部分スキャン動作について示した図である。マイクロプロセッサ23はX選択回路13が+端側および−端側としてX電極X11およびX電極X16を選択した状態で、AD変換回路22から出力される信号レベルが所定時間Ts継続して所定値以上であったときに、スタイラスペン15からの連続送信期間が開始されたと判断して、座標検出動作へ移行する(図9のステップ1)。この時間Tsは図8で説明したのと同様で、スタイラスペン15がデータ送信期間に送信するデジタル信号の周期Tdよりも十分に長い時間とする。
マイクロプロセッサ23は、スタイラスペン15のX座標を求めるため、切替回路16がX側を選択した状態で、X選択回路13の+端側としてX電極X11を中心とする5本のX電極(X9〜X13)を順次選択して信号レベルを読み取る(ステップ1)。このときX選択回路13の−端側は、+端側で選択したX電極から十分離れたX電極としてX電極X14〜X18を選択する。
本実施形態では同一電極につき4回の検出を行ない、その平均レベルを受信信号レベルとして保存する。
図9において、最も高い信号レベルが検出された際に+端側として選択したX電極の番号(ここではX11)、およびその信号レベルVPX、またその両隣のX電極により検出されたレベルをVAX、VBXとして保存する(ステップ1)。
次にマイクロプロセッサ23は、スタイラスペン15のY座標を求めるため、切替回路16がY側を選択するようにして、Y選択回路14の+端側としてY電極Y20を中心とする5本のY電極(Y18〜Y22)を順次選択して信号レベルを読み取る(ステップ1)。このときY選択回路14の−端側は、+端側で選択したY電極から十分離れたY電極としてY電極Y23〜Y27を選択する。この時も水平同期パルスhに同期して信号受信とAD変換を行なうとともに、同一電極につき4回の検出を行ない、その平均レベルを受信信号レベルとして保存する。
そして、最も高い信号レベルが検出された際に+端側として選択したY電極の番号(ここではY20)、およびその信号レベルVPY、またその両隣の電極により検出されたレベルをVAY、VBYとして保存する(ステップ1)。
ここで求まった信号レベルVPX、VAX、VBX、VPY、VAY、VBYは、後述する計算式による座標値の計算に用いられる。
次いで、マイクロプロセッサ23はスタイラスペン15からの連続送信期間の終了を待つための動作を行う。マイクロプロセッサ23は、切替回路16がX側を選択するように制御するとともに、X選択回路13の+端側として前述した座標検出動作においてピークが検出されたX電極X11を、−端側としてX電極X16をそれぞれ選択するように制御する。この状態で受信される信号レベルが所定値に達しなくなった時刻がスタイラスペン15からの連続送信期間の終了時刻となる(ステップ1)。
次に、上述したステップ1において求められた受信レベルよりスタイラスペン15の座標位置を求める方法について説明する。
ステップ1で求められた受信レベルVPX、VAX、VBX、VPY、VAY、VBYよりスタイラスペン15の座標値(X、Y)は次式によりそれぞれ計算される。
X=Px+
(Dx/2)×((VBX−VAX)/(2×VPX−VAX−VBX))・・(式1)
但し、PxはX軸で最大レベルが検出されたX電極(ここではX11)の座標位置とし、DxはX電極間の配列ピッチ、とする。
Y=Py+
(Dy/2)×((VBY−VAY)/(2×VPY−VAY−VBY))・・(式2)
但し、PyはY軸で最大レベルが検出されたY電極(ここではY20)の座標位置とし、DyはY電極間の配列ピッチ、とする。
前述した計算式の(式1)および(式2)は一例であって、必ずしも最適な方法とは限らない。最適な計算方法は、X電極、Y電極の幅やピッチ、スタイラスペン15の電極形状によっても変わるものである。
上述の実施形態では、ステップ1におけるスタイラスペン15により指示された位置の検出処理においては、X選択回路13およびY選択回路14が選択する電極として+端側がスタイラスペン15の近傍となるようにしたが、−端側をスタイラスペン15の近傍とするように選択しても良い。また、+端と−端として選択する電極を、間に4本の電極を隔てて選択したが、他の本数を隔てても良い。なお、X選択回路13およびY選択回路14の+端および−端として選択する2つの電極は、スタイラスペン15の電極31から放射される電界の放射領域よりもやや広い間隔となる本数を隔てることが好ましい。
上述の実施形態ではスタイラスペン15によって指示された位置のX軸側の座標検出とY軸側の座標検出とを切替回路16により切替えて行っているが、X軸側とY軸側とで差動増幅回路やAD変換回路などを別々に設けて、同時に受信処理を行うようにしても良い。
上述の実施形態では、X選択回路13およびY選択回路14の+端側と−端側として各1本ずつの電極を選択したが、同数の複数本を同時に選択するようにしても良い。
本実施形態では、スタイラスペン15によって指示された位置のX座標とY座標を求める部分スキャンにおいて、同一電極につき4回の信号レベルを求めたが、同一電極につき1回としても良いし、他の回数としても良い。
[スタイラスペン15からの付帯情報の検出処理例]
次に、スタイラスペン15から送信される付帯情報の例としての筆圧データの検出処理例について説明する。なお、この実施形態の位置検出装置では、付帯情報の検出は、X選択回路13またはY選択回路14の一方で固定的に選択される電極又は電極群で受信されるスタイラスペン15からの信号に基づいて行う。固定的に選択される電極又は電極群は、位置検出処理(X軸全面スキャン又はY軸全面スキャン)によりスタイラスペン15の指示位置近傍として検出されたX電極又はY電極を、差動増幅回路17の+側端子又は−側端子の一方に含むように選択される。以下の説明においては、X選択回路13で選択されたX電極又はX電極群からの信号により、付帯情報の検出を行う場合として説明する。
マイクロプロセッサ23は、スタイラスペン15からの連続送信期間の終了を検出すると、筆圧データに先立って送信される図6に示したスタート信号(Start signal)のタイミングを検出する動作に入る(ステップ2)。
このとき、図9に示すように、信号レベルが前述した所定値以上となった時刻をt1として記憶する。マイクロプロセッサ23は、時刻t1から一定時間Twだけ待った時刻よりスタイラスペン15からのデータ受信動作を開始する(ステップ2)。この時間Twは、スタイラスペン15からのスタート信号の送信を終了した後、受信される信号レベルがほぼ無くなるまでとし、予め求めておいた時間とする。
マイクロプロセッサ23は、前述した待ち時間が、時間Twに達すると同時に、図示しないタイマーを起動する。このタイマーはゼロから前述した時間Td(スタイラスペン15からのデータ送信周期)に一致する値までを繰り返しカウントする(ステップ2)。タイマーの1周期の動作期間中、マイクロプロセッサ23は信号受信およびAD変換を繰り返し行い、信号レベルを読み取る。この間の信号レベルが一度も前述した所定値に達しなければスタイラスペン15からの送信が無かったものと判断して、その回のデータを“0”として保存し、その間に所定値以上の信号レベルが検出された場合にはスタイラスペン15からの送信が有ったものと判断して、その回のデータを“1”として保存する(ステップ2)。
前述したタイマーのカウントを10回行い、10ビットのデータが保存される。この10ビットのデータは図7において示した10ビットの筆圧データに対応するものである。図9では、筆圧データが「0101110101」の場合について示している。
ステップ2において10ビットの筆圧データの受信を終了すると、スタイラスペン15からの連続送信期間の開始を検出する動作(ステップ1)へ移行して、マイクロプロセッサ23は図9の動作を繰り返し行う。
<付帯情報の検出処理時の電極の選択について>
従来は、付帯情報を検出する際には、スライラスペン15の位置を検出する期間において+端及び−端に接続するものとして選択する電極と、同じ間隔だけ離れた2本の電極を選択するようにしている。ただし、その一方の電極は、位置検出処理により、スタイラスペン15の指示位置の近傍であるとして検出された電極である。
図10は、この従来の付帯情報の検出処理時におけるX選択回路13での選択状態を説明するための図である。上述したように、この実施形態では、スタイラスペン15により指示される位置の近傍の電極は、X電極X11であるので、X選択回路13の+端がこのX電極X11に接続され、−端には、間に4本の電極を隔てたX電極X16が接続されることになる。
このため、+端に接続される電極と−端に接続される電極との間隔が大きく、図10の例の電極の選択方法では、ノイズの影響を受け易くなる。そこで、この実施形態は、付帯情報の検出処理時においては、X選択回路13(Y選択回路14の場合も同様)における+端及び−端に接続する電極の選択を、スタイラスペン15の指示位置の検出時とは変更し、スタイラスペン15の指示位置の検出時における+端及び−端に接続する電極の間隔よりも、短い間隔とする。
例えば図11に示すように、+端に接続するX電極は、スタイラスペン15の指示位置近傍のX電極X11とするのは変わりないが、−端に接続する電極を、+端に接続するX電極とは2本分だけ隔てたX電極X14とするように、X選択回路13を、マイクロプロセッサ23が制御するようにする。
この図11の例によれば、位置検出処理時よりも間隔が短い2本の電極が、差動増幅回路の+側端子及び−側端子に接続されるように選択されるので、当該2本の電極のノイズが近似したものとなり、ノイズ低減の効果が大きくなり、付帯情報を、より正確に検出することが可能となる。
しかし、スタイラスペン15から送出される付帯情報が、筆圧データの他に、識別情報等が追加されることによる付帯情報のビット数の増加に伴い、スタイラスペン15からの付帯情報の送信時間が長くなることにより、スタイラスペンの高速移動時の付帯情報の取得が難しくなってくる。そこで、この実施形態では、以下に説明するように、差動増幅回路17の+側端子及び−側端子に接続する電極を、それぞれ1本とするのではなく、複数本の電極からなる電極群とすることで、上述したノイズの問題と、スタイラスペンの高速移動時の付帯情報の取得の困難さの問題との両方を解決することができるようにしている。なお、この場合に、第1の電極群を構成する電極数と、第2の電極群を構成する電極数とは同数とする。
<電極選択の第1の例>
図12は、付帯情報の検出処理時の電極選択の第1の例を示すものである。この図12の例では、X選択回路13は、位置検出処理により検出されたスタイラスペン15の指示位置近傍のX電極X11と、その両隣のX電極X10及びX電極X12との3本の電極を第1の電極群として、差動増幅回路17の+側端子に接続し、また、X電極X11とは2本分だけ隔てたX電極X14と、その両隣のX電極X13及びX電極X15との3本の電極を第2の電極群として、差動増幅回路17の−側端子に接続するように、マイクロプロセッサ23により制御される。図9のステップ2においては、この例の場合の選択電極が示されている。
このように電極が選択された場合、X電極X11は、検出されたスライラスペン15の指示位置の近傍であって、スライラスペン15が高速で移動することで、X電極X11から移動しても、その両脇のX電極X10または電極X12で、スタイラスペン15からの信号を受信することが可能である。したがって、スタイラスペン15からの付帯情報の全てを位置検出装置が取得することができる。
そして、この図12の例の場合には、差動増幅回路17の+側端子に接続されるX電極X10、X11,X12からなる第1の電極群と、−側端子に接続されるX電極X13,X14,X15からなる第2の電極群が隣接するので、両電極群に含まれるノイズが近似し、ノイズを有効にキャンセルすることが可能となる。
<電極選択の第2の例>
図13は、付帯情報の検出処理時の電極選択の第2の例を示すものである。この図13の例では、X選択回路13は、スタイラスペン15の指示位置近傍のX電極X11と、その両隣のX電極X10及びX電極X12との3本の電極を第1の電極群として、差動増幅回路17の+側端子に接続するように、マイクロプロセッサ23により制御されるのは、第1の例と同様である。
この第2の例では、差動増幅回路17の−側端子に接続する第2の電極群を構成する複数の電極を、第1の電極群の両脇に設定するようにする。すなわち、図13の例では、X選択回路13は、第1の電極群の両脇に位置するX電極X8,X9、X13を電気的に接続して第2の電極群とし、差動増幅回路17の−側端子に接続するようにする。図14に、この第2の例の場合の部分スキャン動作時のタイミングチャートを示す。
この第2の例においては、検出されたスタイラスペン15の位置は、第1の電極群と第2の電極群とからなる複数の電極のほぼ中央になり、スタイラスペン15が、より高速に移動した場合においても、付帯情報を、より確実に取得することができるようになる。また、この第2の例によれば、差動増幅回路17の+側端子に接続される電極と、−側端子に接続される電極とは、第1の例の場合よりも近接したものとなるので、差動増幅によるノイズ効果が、第1の例よりも大きくなり、よりノイズに対して強くなる。
<電極選択の第3の例>
図15は、付帯情報の検出処理時の電極選択の第3の例を示すもので、第2の例の変形例である。この第3の例は、スタイラスペン15の位置がX電極X11と電極X12との中間にある場合に、どちら側にスタイラスペン15が高速に移動しても、付帯情報を受信することができるようにする場合の例である。
すなわち、この第3の例においては、位置検出処理により検出されたスライラスペン15の位置を中心とし、その位置の両側の2本ずつのX電極X10,X11,X12,X13を第1の電極群として、差動増幅回路17の+側端子に接続すると共に、その第1の電極群の両脇の2本ずつのX電極X8,X9,X14,X15を、差動増幅回路17の−側端子に接続するように、X選択回路13がマイクロプロセッサ23により制御される。図16に、この第3の例の場合の部分スキャン動作時のタイミングチャートを示す。
この実施形態では、図9、図14及び図16に示したように、付帯情報の検出処理時には、それぞれ複数本のX電極からなる第1の電極群と第2の電極群が差動増幅回路17の+側端子及び−側端子に接続されるので、所定時間Tsにおいて、連続送信期間に入ったかどうかを検出する際にも、複数本のX電極からなる第1の電極群と第2の電極群の差分により検出するようになる。したがって、従来のような1本ずつの電極の差分を用いる場合よりも、連続送信期間に入ったかどうかを容易に検出することができるようになる。
また、上述の第1の例〜第3の例によれば、付帯情報の検出処理時においては、それぞれ複数本のX電極からなる第1の電極群と第2の電極群が差動増幅回路17の+側端子及び−側端子に接続されるので、従来のような1本ずつの電極の差分を用いる場合よりも、付帯情報の検出も容易になるという効果もある。
なお、上述した説明では、付帯情報の検出を行うステップ2ではX電極の中から最大レベルが検出されたX電極X11を選択してデータの受信を行ったが、これをY電極の中で最大レベルが検出されたY電極Y20を選択して行っても良い。
また、上述の実施形態ではX選択回路13およびY選択回路14が選択する電極として、+端側がスタイラスペン15の近傍となる電極を含むようにしたが、−端側がスタイラスペン15の近傍となる電極を含むように選択しても良い。
11…LCDパネル、12…透明センサー、13…X選択回路、14…Y選択回路、15…スタイラスペン、16…切替回路、17…差動増幅回路、23…マイクロプロセッサ

Claims (11)

  1. 透明の導電材より構成される電極を互いに交差する第1の方向と第2の方向とにそれぞれ複数配列し、表示装置上に配置される透明なセンサーを備え、スタイラスペンからの、前記センサー上の位置を検出させるための位置検出用信号と所定のデジタルデータに応じて生成したデータ検出用信号とを受信する位置検出装置であって、
    +側端子と−側端子を有し、前記+側端子と前記−側端子に生じる信号の差分を増幅して出力する差動増幅回路と、
    前記センサーに設けた複数の前記電極の中から第1の電極又は、前記第1の電極を含めた複数の電極からなる第1の電極群を選択して前記+側端子に接続すると共に、第2の電極又は、前記第2の電極を含めた複数の電極からなる第2の電極群を選択して前記−側端子に接続する選択回路と、
    を備え、
    前記選択回路は、前記位置検出用信号に基づいて前記スタイラスペンによる指示位置を検出する期間においては、前記第1の電極と前記第2の電極として所定の間隔だけ隔てた電極を選択し、前記データ検出用信号を検出する期間においては、前記第1の電極と前記第2の電極として前記所定の間隔よりも狭い間隔だけ隔てた電極を選択する
    ことを特徴とする位置検出装置。
  2. 前記データ検出用信号を検出する期間において前記選択回路により選択される前記第1の電極又は前記第2の電極の少なくとも一方は、前記指示位置を検出する期間において検出された、前記スタイラスペンにより指示された位置またはその近傍の電極である
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記データ検出用信号を検出する期間において、前記選択回路は、
    前記第1の電極又は前記第1の電極群と前記第2の電極又は前記第2の電極群として、互いに隣接する電極又は電極群を選択するようにした
    ことを特徴とする請求項1の位置検出装置。
  4. 前記データ検出用信号を検出する期間において前記選択回路により選択される電極は、前記第1の電極群と前記第2の電極群であり、前記第1の電極群と前記第2の電極群の一方は、互いに隣接する複数の電極からなり、前記第1の電極群と前記第2の電極群の他方の複数の電極は、前記互いに隣接する複数の電極からなる電極群の両脇に分散されている電極からなる
    ことを特徴とする請求項1の位置検出装置。
  5. 前記スタイラスペンには筆圧検出回路が設けられており、前記スタイラスペンから送信されてくる前記筆圧検出回路で検出された筆圧値を前記デジタルデータとして受信する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置検出装置。
  6. 前記スタイラスペンにはスイッチが設けられており、前記スタイラスペンから送信されてくる、前記スイッチの状態を前記デジタルデータとして受信する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置検出装置。
  7. 前記スタイラスペンから送信されてくる前記スタイラスペンの識別情報を前記デジタルデータとして受信する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置検出装置。
  8. 前記スタイラスペンから前記デジタルデータとして送信されてくる信号は、交流信号を前記デジタルデータに応じてASK変調したものである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の位置検出装置。
  9. 前記スタイラスペンからの前記位置検出用信号と前記デジタルデータを、前記センサーの電極と前記スタイラスペンとの電界結合により受信する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の位置検出装置。
  10. 前記データ検出用信号を検出する期間における前記第1の電極と前記第2の電極との間隔は、可変である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の位置検出装置。
  11. 前記データ検出用信号を検出する期間において前記選択回路により選択される電極は、前記第1の電極群と前記第2の電極群であり、前記第1の電極群及び前記第2の電極群を構成する複数の電極の数は可変である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の位置検出装置。
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