実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報表示装置としての情報表示装置100の構成を概略的に示すブロック図である。なお、図1の括弧内の符号は、実施の形態2における構成を示す。
情報表示装置100は、1つ以上の表示部101と、表示データ切替部104と、制御部105と、1つ以上の光通信部106と、記憶部107とを備える。
記憶部107は、データ蓄積部102と、データ記憶部103とを備える。
情報表示装置100は、車両内に複数設置される。
表示データ切替部104は、表示制御部の一例である。
表示部101は、各種の情報を表示する。情報には、文字情報又は映像情報等が含まれる。
データ蓄積部102は、表示部101に情報を表示するためのデータ及び情報表示装置100の位置等を識別するためのデータ等を記憶する。
データ記憶部103は、情報表示装置100で処理を行うためのデータを記憶する。例えば、データ記憶部103で記憶するデータは、制御部105が使用する一時的なデータ、情報表示装置100が送受信するデータ又は演算の中間値等の情報である。
表示データ切替部104は、データ蓄積部102に記憶されたデータに基づいて、表示部101に情報を表示させる。また、表示データ切替部104は、表示部101に表示する情報を切り替える。
制御部105は、情報表示装置100での処理を制御する。例えば、制御部105は、光通信部106の行う他の情報表示装置100との通信又は記憶部107の行うデータの蓄積等の制御を行う。また、制御部105は、表示データ切替部104の行う表示部101による情報の表示又は列車の位置と状態に応じた表示の切り替え等の制御を行う。
光通信部106は、光を用いた無線での通信を行う。例えば、光通信部106は、他の情報表示装置100と対向して設置される。そして、光通信部106は、光空間通信又は光無線通信を行う。「光空間通信」とは、空間伝搬を利用した光通信である。「光無線通信」とは、光線を用いた通信であり、無線通信の一種である。つまり、光通信部106は、光ファイバー等の通信路を使用せずに通信する。「通信路」とは、情報の送信者から受信者に情報を伝達するための媒体を指す。
典型的には、光通信部106は、発光素子と受光素子とを搭載している。そして、対向して設置された一対の光通信部106は、一対一で通信を行う。しかし、他にも多くのバリエーションが考えられる。
記憶部107は、データ蓄積部102及びデータ記憶部103を構成要素として備えている。
図2は、情報表示装置100のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
情報表示装置100は、1つ以上の表示パネル11と、CPU15と、1つ以上の光通信モジュール16と、メモリ17とを備える。
また、メモリ17は、不揮発性メモリ12と、揮発性メモリ13とを含む。
図2の括弧内の符号は、実施の形態2における構成を示す。
CPU15は、プロセッサとして機能する。プロセッサは、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。なお、図2では1つのCPUを用いているが、複数のCPU15で処理が行われてもよい。
例えば、図1の表示部101は、CPU15が表示パネル11を利用することにより実現することができる。例えば、表示部101は、CPU15が不揮発性メモリ12から映像データを取り出して、表示パネル11に描画することで実現される。
図1のデータ蓄積部102は、CPU15が不揮発性メモリ12を利用することで実現することができる。即ち、CPU15が不揮発性メモリ12にデータの記録又は読み出しを行うことにより、データ蓄積部102は、表示データ、設置情報又はデータ転送の順番等の情報を記録又は読み出すことができる。
図1のデータ記憶部103は、CPU15が揮発性メモリ13を利用することで実現することができる。即ち、CPU15が揮発性メモリ13にデータの記録又は読み出しを行うことにより、データ記憶部103は、通信データ又は演算の中間値等の情報を記憶することができる。
図1の表示データ切替部104及び制御部105は、CPU15が、不揮発性メモリ12に記憶されているプログラムを揮発性メモリ13に読み出して実行することで実現することができる。即ち、時間の経過、車両の走行位置又は車両の状態に応じて、CPU15は、表示パネル11に表示する映像データを選択して、表示パネル11に描画する。つまり、図2のCPU15は、図1の表示データ切替部104及び制御部105の機能を備えている。
図1の光通信部106は、CPU15が光通信モジュール16を利用することで実現することができる。つまり、CPU15は、送信したいデータを光通信モジュール16に送る。また、CPU15は、光通信モジュール16が受信したデータを受け取る。これらによって、光通信部106は、光を用いた無線での通信を行うことができる。この時、光通信モジュール16の種類により、CPU15がデータとして光通信モジュール16とやり取りする場合と、点滅信号のレベルまで変換して直接光通信モジュール16を制御する場合がある。
CPU15がデータとして光通信モジュール16とやり取りする場合には、CPU15は、送出するデータを文字又は数値データとして光通信モジュール16に伝える。そして、光通信モジュール16は、定められた形式の光の点滅に変換してデータを送出する。また、データの受信時には、光通信モジュール16が光の点滅を受信して、点滅パターンを計測する。受信した点滅信号が、定められた形式の点滅信号と一致する場合には、受信したデータを文字又は数値データとして解釈する。そして、光通信モジュール16により解釈が完了したデータをCPU15が受け取る。
また、点滅信号のレベルまで変換して直接光通信モジュール16を制御する場合には、光通信モジュール16は、単なる発光素子と受光素子とを備えることが多い。CPU15は、送出するデータを定められた形式のオン信号又はオフ信号に変換する。さらに、CPU15は、光通信モジュール16の制御信号を加えて、発光素子の制御端子に信号を出力して、発光素子を直接点滅させる。
また、データの受信時には、例えば、受光素子が出力する電気信号を計測し、受信した光の点灯した時刻及び消灯した時刻を記録する。CPU15は、記録された点滅時刻の記録から、定められた形式のオン信号又はオフ信号のパターンを見つけ出し、データとして解釈する。このような方式は、家電製品の赤外線リモコン等、比較的単純な光信号形式の場合に用いられることが多い。
なお、光の点滅信号として説明したが、色の変化、発光点の数又は発光点の配置の変化等他の方式を用いることも考えられる。
なお、図2では、CPU15がプログラムを実行することで、表示データ切替部104及び制御部105を実現するものとして説明した。しかし、このような例に限定されるものではない。
例えば、表示データ切替部104及び制御部105の全て又は一部の機能が、CPU15の指示に基づいて、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積ロジックICによりハード的に実現されてもよい。あるいは、表示データ切替部104及び制御部105の全て又は一部の機能が、CPU15の指示に基づいて、DSP(Digital Signal Processor)等によりソフトウェア的に実現されてもよい。
図3は、情報表示装置100の外形的な構成の一例を示す概略図である。
図3では、中吊り型の情報表示装置100を表している。「中吊り」とは、ポスター等を、電車又はバス等の中の通路の上部に吊り下げることである。
なお、図3では、方向Dfが車両の前側であり、方向Dbが車両の後ろ側である。
この例では、情報表示装置100は、車両の通路の上部に設置されている。また、情報表示装置100は、前後方向から視認しやすいように、前側の面及び後側の面にそれぞれ表示部101a及び表示部101bを備えている。
また、他の情報表示装置100は、この情報表示装置100の前後方向に配置される。このため、光通信部106a及び光通信部106bも前後方向に向けて配置されている。言い換えると、光通信部106a及び光通信部106bは、各々異なる方向に向けて配置されている。ここでは、光通信部106a及び光通信部106bは、各々反対方向に向けて配置されている。つまり、光通信部106aは、方向Dfを向いている。また、光通信部106bは、方向Dbを向いている。
なお、図3では光通信部106a及び光通信部106bは、情報表示装置100の上部に配置されている。これは、乗客又はその荷物により通信が妨げられにくいように、光通信路を天井付近に取るためである。ここで、「光通信路」とは、光通信に用いられる光が通る空間を意味する。
天井に構造物等が存在して妨げになる場合又は車両間を結ぶ貫通路を通して光通信を行う場合には、光通信部106は、情報表示装置100の下部に配置されてもよい。また、光通信部106は、情報表示装置100から張り出されて配置されてもよい。「貫通路」とは、列車で、車両間を移動するために設けられた連結部分にある通路のことである。
図4は、図3に示されている情報表示装置100を車両901a,901bに設置した構成の一例を示す概略図である。図4は、列車900を横方向から見た場合の概略図である。
列車900は、通常複数の車両を結合して、運行される。例えば、図4では、列車900は、車両901aと車両901bとを連結器(図示せず)で結合することにより構成されている。なお、車両901aと車両901bとを特に区別する必要がない場合には、車両901という。列車900には、1両の車両901だけから構成される小規模なものから、数十両の車両901から構成される大規模なものまである。
図4では、説明のために、車両901を2両備える列車900の例を示している。なお、図4の括弧内の符号は、実施の形態2における例を示している。
情報表示装置100は、車両901の通路に沿って、配置されている。情報表示装置100は、車両901の前後方向に分散して配置されている。つまり、情報表示装置100は、車両901の前後方向に間隔を空けて配置されている。
また、情報表示装置100は、例えば、表示部101の表示面が互いに向き合うように設置されている。ここでは、情報表示装置100は、1つの車両901に3台ずつ、設置されている。列車900の全体で6台の情報表示装置100a、情報表示装置100b、情報表示装置100c、情報表示装置100d、情報表示装置100e及び情報表示装置100fが設置されている。
また、列車900の先頭又は後尾には、列車運行システム910が配置されている。列車運行システム910は、情報処理装置としての機能を有する。
列車運行システム910は、近傍に設置された情報表示装置100aに光通信又は別のインターフェース(図示せず)を用いてデータを送信する。または、操作員930が情報処理装置としての端末装置920を携帯していて、操作員930は、端末装置920から、情報表示装置100aに光通信又は別のインターフェース(図示せず)を用いてデータを送信することも可能である。
「インターフェース」とは、複数の装置を接続して通信する際の接続形式等を定めているものである。ここでは、情報表示装置100aと列車運行システム910又は端末装置920との通信形式のことである。「別のインターフェース」とは、例えば、有線又は無線等の通信である。
なお、図4に示されている例では、情報表示装置100cと、情報表示装置100dとの間は、車両の連結部を通して通信している。この場合には、情報表示装置100cの光通信部106と、情報表示装置100dの光通信部106とが、相互に見通せる位置に設置されている。つまり、情報表示装置100cの光通信部106と、情報表示装置100dの光通信部106との間には、通信に用いられる光を遮る物はない。そのため、情報表示装置100cの光通信部106から発せられた光は、情報表示装置100dの光通信部106に到達することができる。そして、光通信が可能となる。
車両の連結部を通っての光通信は、列車900の状態の影響も受ける。図5及び図6は、情報表示装置100における光通信部106の通信可能角度を説明する模式図である。図5及び図6は、ともに車両901を上面からみた模式図である。図5及び図6を使って説明する。
情報表示装置100cは車両901aの前後方向の端部の領域に取り付けられている。情報表示装置100cには、光通信部106bが備えられている。光通信部106bは、隣接する車両901bの方向を向いている。
また、情報表示装置100dは、車両901bの前後方向の端部の領域に取り付けられている。情報表示装置100dには、光通信部106aが備えられている。光通信部106aは、隣接する車両901aの方向を向いている。
光通信部106bは、有効角ANGの範囲で、通信に用いる光を発することができる。つまり、有効角ANGは、光通信部106bの通信可能な角度である。
図6に示すように、情報表示装置100cの光通信部106bは、情報表示装置100dの光通信部106aに向けて光を発している。また、情報表示装置100dの光通信部106aは、情報表示装置100cの光通信部106bに向けて光を発している。
情報表示装置100cの光通信部106bに対向する情報表示装置100dの光通信部106aがこの範囲(有効角ANG)を外れると通信が途絶してしまう。そのため、例えは、列車900を運行している間に通信を行う場合には、運行中に車両901aに対する車両901bの角度が想定上の最大値となった場合でも、通信可能な範囲となるように、有効角ANGを設定する必要がある。
列車900が線路の曲線部分にある場合には、列車900の前後方向に隣接する車両901は、一直線に並ばず、角度をもった位置関係となる。
列車900が線路の曲線部分にある場合の車両901間の角度は、車両長、線路の曲率半径、カント及び車両901自身の傾き量から決まる。
車両長は、車両の長さで、一つの車両901の連結面間の距離を表す。曲率半径は、線路の曲線の程度を表す。カントは、線路面の内側への傾斜を表す。
実際には、運行区間中の最大角度は、曲率半径が小さな低速区間である。カント及び車両自身の傾き量は小さい。そのため、近似的には車両長と曲率半径とから、車両901間の角度を算出することができる。
基準となる車両長と最小曲率半径とは、鉄道会社又は路線ごとに決められている。このため、特定の路線を走行する列車900での車両901間のなす角度の最大値(最大車両間角度)は、(1)式で近似される。
車両901間の角度は、左右方向に振れる可能性がある。つまり、列車900が右側に曲がる場合と、左側に曲がる場合がある。このため、光通信部106bは、車両間の角度の最大値の2倍以上の光通信の有効角ANGを必要とする。
つまり、光通信部106bの光通信の有効角ANGが、(2)式を満たすようにすることにより、列車900が曲線の線路を通過している場合でも、光通信部106bは、通信を行うことができるようになる。なお、(2)式で、光通信有効角は、光通信の有効角ANGである。
例えば、対象とする路線の基準が、車両長20m、高速走行区間での最小曲率半径400m及び低速走行区間での最小曲率半径100mである場合には、曲率の大きな低速走行区間の最小曲率半径100mを使用して、光通信の有効角ANGを算出すればよい。(2)式を適用すると光通信の有効角ANGとして28度以上が必要であることが分かる。なお、例えば、状況に応じて、情報表示装置100の間の接続は、部分的に有線通信又は無線方式を用いる場合も考えられる。有線通信は、例えば、光ファイバー又は電線等である。無線方式は、例えば、電波等である。
図7は、実施の形態1における情報表示装置100のデータの送受信制御を示すフローチャートである。
まず、ステップS10では、情報表示装置100は、受信待機状態となっている。光通信部106の何れかがデータを受信すると、処理はステップS11に移行する。例えば、図3に示す情報表示装置100は、2つの光通信部106a,106bを備えている。
ステップS11では、制御部105は、データD0を受信した光通信部106を識別する光通信部識別情報D1を、データ記憶部103に記憶させる。ここで、光通信部識別情報D1として、光通信部106が情報表示装置100に配置されている位置の情報を用いることができる。
次に、ステップS12では、制御部105は、受信したデータD0をデータ蓄積部102に蓄積させる。
次に、ステップS13では、制御部105は、受信したデータD0を送信する光通信部106(送信先)の選定を行う。ここでは、制御部105は、例えば、データD0の受信に用いられなかった全ての光通信部106から送信を行う。図3に示す情報表示装置100を例にすると、情報表示装置100が光通信部106aで受信した場合には、光通信部106bから送信する。
ステップS14では、制御部105は、受信したデータD0を選定された光通信部106に送り、選定された光通信部106にデータD0を送信させる。
そして、制御部105は、データD0の送信完了後には再び受信待機の状態(S10)に戻る。
図7に示された制御を、図1及び図3の情報表示装置100に当てはめて説明する。
受信待機の状態(S10)にある情報表示装置100が、光通信部106aでデータD0を受信する。
データD0を受信すると、制御部105は、受信した光通信部106aの光通信部識別情報D1をデータ記憶部103に記憶させる(S11)。
そして、制御部105は、データ蓄積部102に受信したデータD0を蓄積させる(S12)。
また、制御部105は、データ記憶部103に記憶されている光通信部識別情報D1を参照することで、データD0を受信しなかった光通信部106bを選定する(S13)。
そして、制御部105は、背面側に取り付けられた光通信部106bに受信したデータD0を送信させる(S14)。
言い換えると、実施の形態1に係る情報表示装置100は、受信したデータD0の蓄積を行う。そして、情報表示装置100は、受信したデータD0を転送する。「転送」とは、送られてきたものを、さらに他へ送ることである。ここでは、光通信部106aで受信したデータD0を、さらに光通信部106bから他の情報表示装置100に送ることである。
例えば、情報表示装置100は、受信したデータD0を、受信した方向と異なる方向に送信している。図4では、受信したデータD0を、受信した方向(方向Df)と反対側(方向Db)に送信している。
これまでの説明は、情報表示装置100の装置内部での制御である。
次に、複数の情報表示装置100が列車900に設置された場合の制御を説明する。
例えば、情報表示装置100は、図4に示すように設置されている。そして、最初のデータD0の送信は、操作員の端末装置920又は列車運行システム910から開始される。
運行の開始前に各情報表示装置100に蓄積しておくデータD01の場合には、操作員930は、端末装置920を操作して、光通信又は専用インターフェースを用いて、まず列車900の端部に設置された情報表示装置100aにデータD01を送信する。この場合のデータD01は、例えば、駅名の表示、ドア開閉の案内メッセージ又は広告等の初期に設定されるデータである。
また、列車900の走行位置に応じたデータD02の場合には、データD02は、列車運行システム910から、光通信又は専用インターフェースを用いて列車900の端部に設置された情報表示装置100aに送信される。この場合のデータD02は、表示内容の切り替え指示又はドアの開閉案内に応じた表示の切り替え指示等のデータである。
データD01及びデータD02は、データD0の一例である。
情報表示装置100aは、受信したデータD0をデータ蓄積部102に蓄積する。また、情報表示装置100aは、受信したデータD0を、例えば、光通信部106から隣接する情報表示装置100bに転送する。
転送を受けた情報表示装置100bは、受信したデータD0を蓄積する。そして、情報表示装置100bは、さらに隣接する情報表示装置100cにデータD0を転送する。
以上のように、情報表示装置100で転送と蓄積とが順次繰り返される。そして、最終的に列車900内に設置された6台の情報表示装置100aから情報表示装置100fまでのすべてにデータD0が蓄積される。このように1台の情報表示装置100にデータD0を送信するだけで、すべての情報表示装置100にデータD0を送信することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、情報表示装置100がすべて同一のデータを蓄積するものとして説明してきた。しかし、情報表示装置100に、それぞれ異なるデータを持たせる方が便利な場合もある。例えば、車両の番号又はドアの位置等に応じて表示内容を変更する場合等である。
車両の番号に応じて表示内容を変更する場合としては、例えば、自由席の車両と指定席の車両とで表示内容を変更する場合が挙げられる。また、ドア位置等に応じて表示内容を変更する場合としては、例えば、次の駅での降車側のドアで「次の駅では、こちらのドアが開きます」等の表示が挙げられる。
図1に示されているように、実施の形態2における情報表示装置200は、1つ以上の表示部101と、表示データ切替部204と、制御部205と、1つ以上の光通信部106と、記憶部107とを備える。記憶部107は、データ蓄積部102と、データ記憶部103とを備える。
実施の形態2に係る情報表示装置200では、表示部101、データ蓄積部102、データ記憶部103及び光通信部106は、実施の形態1に係る情報表示装置100と同様である。これらの構成要素の説明は、実施の形態1の説明で代用する。以下、実施の形態1に係る情報表示装置100とは異なる表示データ切替部204及び制御部205について主に説明する。
制御部205は、実施の形態1における制御部105と同様の処理を行う。その他に、制御部205は、列車900内における自らの装置の位置を特定する処理を行う。
例えば、制御部205は、光通信部106で受信されたデータD0内に含まれている位置カウンタの値(カウント値)により、自らの装置の位置を特定する。言い換えると、位置カウンタの値は、情報表示装置100の位置を識別することのできる位置識別情報D2として機能する。
表示データ切替部204は、制御部205で特定された位置に応じて、表示部101に表示される情報を切り替える。
図8は、実施の形態2における情報表示装置200のデータの送受信制御を示すフローチャートである。
なお、図8に示されているフローにおいて、図7に示されている実施の形態1におけるフローと同じ処理については、同じ符号が付されている。
図8のステップS10からステップS13までの処理は、図7のステップS10からステップS13までの処理と同様である。但し、ステップS13の後は、ステップS20の処理に進む。ステップS10からステップS13までの処理は、実施の形態1での説明で代用する。
ステップS20では、制御部205は、受信したデータD0の中に位置カウンタD2が含まれているかどうかを確認する。
位置カウンタD2が含まれていた場合には、処理はステップS21に進む。図8では、ステップS20で「YES」を選択する。位置カウンタD2が含まれていない場合には、処理はステップS22に進む。図8では、ステップS20で「NO」を選択する。
ステップS21では、制御部205は、受信したデータD0の中に含まれていた位置カウンタD2の値をデータ蓄積部102に記憶させる。また、制御部205は、位置カウンタD2の値を増加させる。例えば、制御部205は、位置カウンタD2の値に「1」を加える。位置カウンタD2の値に加えられる「1」は、例えば、予め定められた値である。
ステップS22では、制御部205は、受信したデータD0をステップS13で選定された光通信部106に送信させる。このとき、受信したデータD0に位置カウンタD2が含まれていた場合には、送信するデータにステップS21で増加された位置カウンタD2の値を含める。
そして、制御部205は、データD0の送信完了後には再び受信待機の状態(S10)に戻る。
なお、受信に使用した光通信部106から送信を行わないのは、同一のデータD0が無限に転送され続けることを防ぐためである。
ここで、位置カウンタD2について説明する。
ここでの説明で、情報表示装置200aに送られるデータD0をD0aとする。また、情報表示装置200bに送られるデータD0をD0bとする。また、情報表示装置200aに送られる位置カウンタD2をD2aとする。情報表示装置200bに送られる位置カウンタD2をD2bとする。他の情報表示装置200cから情報表示装置200fまでも同様とする。
例えば、運行開始前の初期設定の時に位置カウンタD2aの値として「1」をセットされたデータD0aが、情報表示装置200aに送信された場合(図4参照)を例に挙げる。データD0aは、操作員930の端末装置920又は列車運行システム910から、光通信又は専用インターフェースを用いて、情報表示装置200aに送信される。情報表示装置200aは、列車900の端部に設置された情報表示装置200である。
情報表示装置200aは、図8に示されているフローチャートに従って、例えば、初期設定の時の位置カウンタD2aの値「1」をデータ蓄積部102に記録する。そして、情報表示装置200aは、位置カウンタD2aの値に「1」を加算して、その値(位置カウンタD2aの値)を「2」とする。そして、情報表示装置200aは、「2」に変更された位置カウンタD2bを含むデータD0bを、隣接する情報表示装置200bに転送する。
このような処理を順次繰り返し行うことで、最終的に情報表示装置200aから情報表示装置200fまでのそれぞれに、位置カウンタD2aの値「1」から位置カウンタD2fの値「6」までのそれぞれが設定される。
そして、転送するデータD0a,D0b,D0c,D0d,D0e,D0fに、位置識別情報(位置カウンタD2a,D2b,D2c,D2d,D2e,D2f)と、起点情報とを含める。位置識別情報(位置カウンタD2a,D2b,D2c,D2d,D2e,D2f)は、列車900内における情報表示装置100の位置を示す。起点情報は、起点となる位置カウンタD2aの値である。ここで、起点は、情報表示装置200aの位置である。
位置カウンタD2の値に基づいて、それぞれの情報表示装置200は、自身が設置されている位置を知ることができる。
例えば、図4に示されているように、車両1両当たりに3台の情報表示装置200が配置されている。情報表示装置200は、列車900の前後方向に分散して配置されている。つまり、情報表示装置200は、列車900の前後方向に間隔を空けて配置されている。
これら情報表示装置200の位置識別情報が、位置カウンタD2a,D2b,D2c,D2d,D2e,D2fである。
また、位置カウンタD2aの値「1」が、1号車(車両901a)の最も前の1番目の情報表示装置200aに割り当てられている。位置カウンタD2aの値は、起点情報を示す。
位置識別情報D2a,D2b,D2c,D2d,D2e,D2fと起点情報(位置カウンタD2a)とを含むデータが、例えば、列車900の運行前に、予め送信される。
これらの情報に基づいて、情報表示装置200eは、位置カウンタD2eの値「5」を保持することで、2号車の車両901bの前の方向Dfから2番目であることを認識することができる。言い換えると、情報表示装置200eは、列車900内における自らの設置位置を認識することができる。
データD0は、表示部101に情報を表示するためのデータを含んでいる。データD0は、データ蓄積部102に記憶されている。そして、データD0は、列車900内での設置位置に対応付けられている。
表示データ切替部204は、以上のようにして特定される情報表示装置200の設置位置から、表示すべきデータをデータ蓄積部102に蓄積されたデータD0から選択する。表示データ切替部204は、選択されたデータに基づいて、表示部101に情報を表示させる。
このようにして、情報表示装置200は、表示する案内(情報)に、車両901の車両番号の表示又はドアの位置等に応じた表示を加えることができる。
例えば、無線LANは、通信のできる有効範囲内の全ての端末に対して同等に通信を行う。一方、情報表示装置200は、データD0の送受信機能を使って、自らの設置位置を得ることができる。無線LANが、このような機能を実現することは困難である。
以上に記載された実施の形態2では、位置カウンタD2が送信するデータD0に含まれている。しかし、このような例に限定されない。例えば、情報表示装置200は、位置カウンタD2の他に、車両番号カウンタD3(車両番号識別情報)を送信するデータD0に含めることもできる。
この場合には、情報表示装置200は、車両間にまたがって通信を行う光通信部106を識別できる。図4では、車両間にまたがって通信を行う光通信部106は、情報表示装置200cの光通信部106bと情報表示装置200dの光通信部106aとである。
図4に示されている情報表示装置200cは、情報表示装置200dに送信する場合には、車両番号カウンタD3の値を増加させる。そして、情報表示装置200dは、位置カウンタD2dの値を、位置カウンタD2aの値と同じの「1」に設定して送信する。つまり、位置カウンタD2は、1つの車両901内ではカウントを行う。そして、車両901が変わった際には、位置カウンタD2の値は、「1」に戻される。なお、情報表示装置200cは、車両901aに設置されている。情報表示装置200dは、車両901aの次の車両901bに設置されている。
例えば、位置カウンタD2の最大値が予め定められていることで、制御部205は、このような処理を行うことができる。例えば、図4の場合には、位置カウンタD2の最大値は、「3」である。
このようにすることで、情報表示装置200は、車両番号と車両901内の位置とを直接識別することができる。このため、情報表示装置200は、列車編成の変更等に柔軟に対応することができる。
以上に記載された実施の形態1及び2では、光通信部106は、発光部と受光部とを有する光通信モジュール(光送受信機)16により実現されるものとして説明した。しかし、このような例に限定されない。なお、以下に示す例は、実施の形態1の情報表示装置100にも適用できる。
例えば、図3及び図4に示されている例のように、表示部101が表示する方向と、データD0の送受信の方向とが一致する場合には、表示部101と、カメラ等の撮像部206を使ったデータ転送を行うこともできる。
データD0の送信側の情報表示装置100,200は、表示部101の表示面に発光パターン、バーコード、2次元コード又は文字等を表示する。データD0の受信側の情報表示装置100,200は、撮像部206で隣接する情報表示装置100,200の表示面を撮像する。そして、受信側の情報表示装置100,200は、撮像された画像からデータD0をデコードする。撮像部206は、例えば、図3の光通信部106の位置に備えられている。
防犯上の理由で、列車900内にカメラが設置される場合には、カメラを光通信部106として利用することで、情報表示装置100,200の構成を簡素化でき、コストを抑えることも可能である。
図3及び図4に示された例では、光通信を行う経路が一つしか存在しない。そのため、乗客の持つ荷物等で光通信の経路が遮られた場合には、後続の情報表示装置100,200にデータD0が転送されない。そのため、光通信の経路を複数持たせて、冗長化することが望ましい。
「冗長化」とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように、予備装置を平常時からバックアップとして配置しておくことである。例えば、後述する図12に示した例では、各情報表示装置300間に複数の通信経路が存在しており、一か所が遮断された場合にも迂回経路を使って情報を転送することができる。
このように光通信を用いて情報表示装置100,200間で、順次データを転送することで、ネットワークケーブル又はビデオケーブル等のケーブルを設置することが不要となる。そして、既存の車両901への後付けに適した情報表示装置100,200を提供することができる。
また、通信障害の原因を目視で確認できるため、設置時の通信経路の確認及び運用時の障害対策が容易である。そして、メンテナンスの簡略化を図ることができる。
さらに、電波を使用しないため、情報表示装置100,200は、車両901の内部の電波状況又は車両901の外部の電波状況に影響を受けない。また、情報表示装置100,200は、車両901の内部での電波利用に影響を与えることもない。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る情報表示装置300の構成を概略的に示すブロック図である。
情報表示装置300は、1つ以上の表示部101と、表示データ切替部304と、制御部305と、1つ以上の光通信部106と、設置位置推定部308と、記憶部317とを備える。記憶部317は、データ蓄積部102と、データ記憶部103と、識別子記憶部307とを備える。設置位置推定部308は、通信制御部としての機能を有する。情報表示装置300は、車両内に複数設置される。
実施の形態3に係る情報表示装置300では、表示部101、データ蓄積部102、データ記憶部103及び光通信部106は、実施の形態1に係る情報表示装置100と同様である。これらの構成要素の説明は、実施の形態1の説明で代用する。以下、実施の形態1に係る情報表示装置100とは異なる、表示データ切替部304、制御部305、識別子記憶部307及び設置位置推定部308について説明する。
なお、図9の括弧内の符号は、実施の形態4又は5における構成を示す。
表示データ切替部304は、設置位置推定部308で推定された設置位置に応じて、表示部101に情報を表示させる。また、表示データ切替部304は、設置位置推定部308で推定された設置位置に応じて、表示部101に表示する情報を切り替える。
制御部305は、情報表示装置300での処理を制御する。例えば、制御部305は、実施の形態1の制御部105で説明した処理の制御と同様の制御を行う。また、制御部305は、情報表示装置300の設置位置と列車900の運行状況との組み合わせに応じて、表示データ切替部304に指示を出して、表示部101に適切な案内画面を表示させる。
例えば、制御部305は、情報表示装置300の設置位置の推定結果と列車900の運行状態とを基に、列車900に対する車両901の位置又はドア位置によって異なる案内表示を選択することができる。つまり、制御部305は、開くドアと反対側のドアとを識別して案内表示を切り替えることができる。
また、例えば、制御部305は、列車900が走行中の場合には、次駅の案内を表示し、列車900が駅に停車中の場合には、停車している駅の案内を表示することができる。
実施の形態3では、光通信部106で受信したデータD0が既にデータ蓄積部102に蓄積されている場合には、制御部305は、このようなデータD0の蓄積及び転送を行わない。
なお、制御部305は、設置位置推定部308が自らの装置の設置位置を推定する前に、光通信部106を介して、配置情報を取得する。そして、制御部305は、取得した配置情報をデータ蓄積部102に記憶させる。配置情報は、列車900における複数の情報表示装置300の配置位置を示す地図的な情報である。配置情報は、例えば「各車両に乗降ドア上部取り付け型を片側3台、左右で計6台」のような簡単な情報でもよい。
識別子記憶部307は、個体識別子D4及び型識別子D5を記憶する。
個体識別子D4は、情報表示装置300を識別するための識別情報である。例えば、個体識別子D4は、シリアル番号又はUUID(Universally Unique Identifier)等である。個体識別子D4は、複数の情報表示装置300の間で重複しないように決められる。そして、個体識別子D4は、少なくとも1回の運行期間内で変化しない。
型識別子D5は、情報表示装置300の型式(型番)を識別するための識別情報である。例えば、型識別子D5は、情報表示装置300の取り付け位置を示す。それに加えて、型識別子D5は、機器の型式を示す。
車両901内には、取り付けられる位置によって、複数の種類の情報表示装置300が取り付けられる。例えば、通路の上に設置される情報表示装置300と、ドアの上に設置される情報表示装置300とは、異なる種類(型式)である。異なる型式の情報表示装置300は、例えば、光通信部106の数又は取り付け方向等が異なる。
実施の形態3では、型識別子D5として、例えば、図3に示されている中吊り型、図11に示されているドア設置型、及び、図17に示されている貫通路型等が挙げられる。
中吊り型の情報表示装置300は、車両901の通路の上に設置される。ドア設置型の情報表示装置300は、乗降用のドアの上部に設置される。貫通路型の情報表示装置300は、貫通路の出入口の上部に設置される。
設置位置推定部308は、他の情報表示装置300との接続状況に基づいて、情報表示装置300の設置位置を推定する。他の情報表示装置300との接続状況は、光通信部106を用いた光通信で確認される。
図10は、情報表示装置300のハードウェア構成の一例を示す概略図である。
情報表示装置300は、1つ以上の表示パネル11と、第1の不揮発性メモリ12Aと、第2の不揮発性メモリ12Bと、揮発性メモリ13と、プロセッサとしてのCPU15と、1つ以上の光通信モジュール16とを備える。また、メモリ17は、第1の不揮発性メモリ12Aと、第2の不揮発性メモリ12Bと、揮発性メモリ13とを含む。なお、図10には、1つのCPU15を示しているが、複数のCPU15で処理が行われてもよい。
実施の形態3に係る情報表示装置300では、表示パネル11、揮発性メモリ13、CPU15と、1つ以上の光通信モジュール16は、実施の形態1に係る情報表示装置100と同様である。これらの構成要素の説明は、実施の形態1の説明で代用する。
以下、実施の形態1に係る情報表示装置100とは異なる、表示データ切替部304、制御部305、識別子記憶部307及び設置位置推定部308について説明する。
なお、図9の括弧内の符号は、実施の形態4又は5における構成を示す。
実施の形態1と同様に、例えば、図9の表示部101は、CPU15が表示パネル11を利用することにより実現することができる。図9のデータ蓄積部102は、CPU15が第1の不揮発性メモリ12Aを利用することで実現することができる。図9のデータ記憶部103は、CPU15が揮発性メモリ13を利用することで実現することができる。図9の光通信部106は、CPU105が光通信モジュール16を利用することで実現することができる。
図9の表示データ切替部304、制御部305及び設置位置推定部308は、CPU15が、第1の不揮発性メモリ12A又は第2の不揮発性メモリ12Bに記憶されているプログラムを揮発性メモリ13に読み出して実行することで実現することができる。
つまり、第1の不揮発性メモリ12A又は第2の不揮発性メモリ12Bには、例えば、表示データを切り替えるためのプログラムが格納されている。このプログラムは、実行形式データ又は実行形式を圧縮したデータとして格納される。
CPU15は、これらのデータを読み出して、揮発性メモリ13上の実行可能領域に配置する。そして、CPU15は、作業用メモリ領域を割り当て、プログラムの実行を許可し、読み書き可否をメモリ領域に設定する。
その後、CPU15は、揮発性メモリ13に配置された表示データを切り替えるためのプログラムに制御権を与える。そして、CPU15は、表示データを切り替えるためのプログラムを実行することにより表示データ切替部304として動作を開始する。
制御部305又は設置位置推定部308に関しても同様である。第1の不揮発性メモリ12A又は第2の不揮発性メモリ12Bに実行可能領域を設定できる場合には、CPU15によるプログラムの読み込みと配置とは省略することができる。この場合には、揮発性メモリ13上に作業領域を割り当てた後、第1の不揮発性メモリ12A又は第2の不揮発性メモリ12B上の実行形式データに実行権を与えて、プログラムが実行され、それぞれの機能を実現することになる。
図9の識別子記憶部307は、CPU15が第2の不揮発性メモリ12Bを利用することで実現することができる。
つまり、第2の不揮発性メモリ12Bに個体識別子D4及び形式識別子D5を記録しておく。そして、CPU15は、これらのデータを読み出す。このような用途には、EPROM又はマスクROM等が使用されることが多い。これらは、CPUから書き換えできないメモリ素子である。この場合には、情報表示装置300の製造時等に、予め、個体識別子D4及び形式識別子D5を第2の不揮発性メモリ12Bに書き込んでおくことになる。
最近では、メモリ素子の大容量化に伴い、従来、EPROM等の書き換え不可能なメモリ素子に記憶していた情報が、フラッシュメモリ等の書き換え可能なメモリ素子上に記憶されることもある。CPUは、書き換え可能なメモリ素子上の情報を書き換える。この場合には、第2の不揮発性メモリ12Bは、第1の不揮発性メモリ12Aと同じメモリ素子上の一区画となる。個体識別子D4及び形式識別子D5は、CPU15から第2の不揮発性メモリ12Bに書き込まれる。ここで、第2の不揮発性メモリ12Bは、例えば、フラッシュメモリ等の書き換え可能なメモリ素子である。
なお、図10では、CPU15がプログラムを実行することで、表示データ切替部304、制御部305及び設置位置推定部308を実現すると説明した。しかし、このような例に限定されるものではない。
例えば、表示データ切替部304、制御部305及び設置位置推定部308の全て又は一部の機能が、ASIC又はFPGA等の集積ロジックICによりハード的に実現されてもよい。あるいは、表示データ切替部304、制御部305及び設置位置推定部308の全て又は一部の機能が、DSPによりソフトウェア的に実現されてもよい。
なお、図10の括弧内の符号は、実施の形態4又は5における構成を示す。
図11は、実施の形態3におけるドア設置型の情報表示装置300の外形的な構成の一例を示す概略図である。
ドア設置型の情報表示装置300は、乗降用のドアの上部に設置される。図11では、情報表示装置300は、車両901の進行方向(方向Df)に対して、右側のドアの上に取り付けられている。
なお、図11では、方向Dfが車両901の前方であり、方向Dbが車両901の後方である。
図11に示されている情報表示装置300は、乗降用のドアの上部への取り付けを想定されている。
情報表示装置300は、1つの表示部101と、3つの光通信部106a,106b,106cを備える。
光通信部106a及び光通信部106bは、車両901に対して前後方向を向くように取り付けられている。図11では、光通信部106aは、表示部101に向かって右側(方向Db側)に取り付けられている。また、光通信部106bは、表示部101に向かって左側(方向Df側)に取り付けられている。
光通信部106cは、車両901に対して横方向を向くように取り付けられている。つまり、光通信部106cは、表示部101が表示する方向と同じ向きに取り付けられている。図11では、光通信部106cは、表示部101が取り付けられている面と同じ面に取り付けられている。
図12は、図11に示されている情報表示装置300を車両901に設置する一例を示す概略図である。図12は、列車900を上方向から見た場合の概略図である。
図12では、図上左側が方向Dfである。また、図上右側が方向Dbである。
図12に示されている例では、情報表示装置300は、車両901a,901bの進行方向に対して左右方向のドアの上に取り付けられている。車両901a,901bの1両に対して、右側又は左側の片側3か所に、情報表示装置300が取り付けられている。つまり、情報表示装置300は、車両901a,901bの1両に対して、両側合わせて6か所に取り付けられている。
また、車両901a,901bの両側に取り付けられた情報表示装置300は、それぞれ対向するように取り付けられている。
情報表示装置300a,300b,300cは、車両901aの進行方向に対して右側に取り付けられている。情報表示装置300g,300h,300iは、車両901aの進行方向に対して左側に取り付けられている。情報表示装置300d,300e,300fは、車両901bの進行方向に対して右側に取り付けられている。情報表示装置300j,300k,300lは、車両901bの進行方向に対して左側に取り付けられている。車両901a,901bの進行方向は、方向Dfである。
車両901aの右側では、進行方向から、情報表示装置300a、情報表示装置300bそして情報表示装置300cの順に配置されている。また、車両901aの左側では、進行方向から、情報表示装置300g、情報表示装置300hそして情報表示装置300iの順に配置されている。
車両901bの右側では、進行方向から、情報表示装置300d、情報表示装置300eそして情報表示装置300fの順に配置されている。また、車両901bの左側では、進行方向から、情報表示装置300j、情報表示装置300kそして情報表示装置300lの順に配置されている。
それぞれの情報表示装置300が通信を行う光通信路は、車両901a,901bの前後方向と左右方向(対向方向)とに形成されている。情報表示装置300を設置する際には、光通信路を遮る障害物がないようにする。
情報表示装置300aは、列車運行システム910又は操作員930の携帯する端末装置920からデータD0を受け取る。情報表示装置300aは、情報表示装置300gと情報表示装置300bとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300gは、情報表示装置300hに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300bは、情報表示装置300cと情報表示装置300hとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300hは、情報表示装置300iと情報表示装置300bとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300cは、情報表示装置300iと情報表示装置300jとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300iは、情報表示装置300cと情報表示装置300dとに受け取ったデータD0を送信する。
情報表示装置300dは、情報表示装置300eと情報表示装置300jとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300jは、情報表示装置300kと情報表示装置300dとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300eは、情報表示装置300fと情報表示装置300kとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300kは、情報表示装置300lと情報表示装置300eとに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300fは、情報表示装置300lに受け取ったデータD0を送信する。情報表示装置300lは、情報表示装置300fに受け取ったデータD0を送信する。
図12に示されている例では、情報表示装置300は、車両901aと車両901bとの間では、貫通路902を通して通信する。車両901a又は車両901bの前後方向の端部に配置される情報表示装置300c,300d,300i,300jは、光通信部106の向きを調整して、通信方向を斜め方向に向けられている。そして、情報表示装置300c,300d,300i,300jは、貫通路902を通して、斜め反対側にある情報表示装置300と通信している。
図12の例では、情報表示装置300cは、情報表示装置300jと通信している。また、情報表示装置300iは、情報表示装置300dと通信している。
なお、光通信部106の通信方向の向きを調整する代わりに、光通信の有効角ANGの十分に広い光通信部106を採用してもよい。
図13は、実施の形態3における情報表示装置300のデータ送受信制御を示すフローチャートである。
まず、ステップS30では、情報表示装置300は、受信待機状態となっている。光通信部106の何れかがデータを受信すると、処理はステップS31に移行する。
ステップS31では、制御部305は、光通信部識別情報D1を、データ記憶部103に記憶させる。光通信部識別情報D1は、データD0を受信した光通信部106を識別する情報である。ここで、光通信部識別情報D1として、情報表示装置300における光通信部106の配置されている位置の情報を用いることができる。
光通信部識別情報D1は、例えば、光通信部106が取り付けられている位置に応じた文字で表すことができる。図11を例とすると、光通信部106aの位置情報を「L」とし、光通信部106bの位置情報を「R」とし、光通信部106cの位置情報を「F」とすることができる。
さらに、光通信部106が通信する方向の角度を示す情報も光通信部識別情報D1に追加することができる。例えば、表示部101が表示する方向を0度として、光通信部106が通信する方向を0度から360度までで表わすことができる。
図11の情報表示装置300を例とすると、光通信部識別情報D1は、光通信部106cをF000とし、光通信部106aをL090とし、光通信部106bをR270とすることができる。また、斜め方向に通信する場合には、図12を例とすると、光通信部識別情報D1は、情報表示装置300c,300jの光通信部106aをL045とし、情報表示装置300d,300iの光通信部106bをR270とすることができる。図17の情報表示装置400を例とすると、外部に張り出した光通信部106d,106eも同様の表記が可能である。例えば、光通信部106dをUR000とし、光通信部106eをUL000とすることができる。また、文字ではなく、数値に置き換えて表記することも可能である。
次に、ステップS32では、制御部305は、受信したデータD0が、データ蓄積部102に既に蓄積されているか否かを確認する。
例えば、受信されたデータD0には、各々のデータD0を識別することのできるデータ識別情報が付加されている。データ識別情報は、例えば、シーケンス番号等である。「シーケンス番号」とは、送信されるパケットに付けられる通し番号である。受信側ではシーケンス番号を参照することによりパケットの正しい順番又は通信途上でのパケットの欠落等を知ることができる。
制御部305は、このようなデータ識別情報に基づいて、既に蓄積されているか否かを判断する。
また、データD0にデータ識別情報が付加されていない場合には、全てのデータD0を比較してもよい。または、データD0のハッシュ値を算出して比較してもよい。「ハッシュ値」とは、元になるデータから一定の計算手順により求められた、規則性のない固定長の値のことである。ハッシュ値を利用することで、データを探索する際の時間を短縮することできる。
図12では、例えば、情報表示装置300bは、情報表示装置300aと情報表示装置300hとからデータD0を受け取っている。情報表示装置300aから先にデータD0を受け取った場合には、情報表示装置300hから受け取ったデータD0は、既に蓄積されているデータD0と判断される。
受信されたデータD0がまだ蓄積されていない場合には、処理はステップS33に進む。図13では、ステップS32で「NO」を選択する場合である。
受信されたデータD0が既に蓄積されている場合(ステップS32でYes)には、処理はステップS30に戻る。図13では、ステップS32で「YES」を選択する場合である。
ステップS33では、制御部305は、受信したデータD0をデータ蓄積部102に蓄積させる。
次に、ステップS34では、制御部305は、送信先の選定を行う。ここでは、制御部305は、データD0の受信に用いられなかった光通信部106の全てから送信を行う。
図12では、例えば、情報表示装置300bは、情報表示装置300cと情報表示装置300hとにデータD0を送っている。データD0を情報表示装置300aだけから受け取った場合には、情報表示装置300bは、情報表示装置300cと情報表示装置300hとにデータD0を送る。データD0を情報表示装置300aと情報表示装置300hとから受け取った場合には、情報表示装置300bは、情報表示装置300cだけにデータD0を送る。
図12では、情報表示装置300bと情報表示装置300hとの間に、双方に向けた矢印が記載されているが、上述のように受信状態に応じて、データD0は送信される。
ステップS35では、制御部305は、受信したデータD0を選定された光通信部106に送信させる。
そして、制御部305は、データD0の送信完了後には再び受信待機状態に戻る。
以上のように、実施の形態3では、複数の光通信路が形成されている。このため、光通信路が障害物で遮られる等の、一部の光通信路が使えなくなった場合でも、通信に対する耐性を高めることができる。「耐性」とは、環境の変化に対して適応していく能力のことである。つまり、実施の形態3で示した光通信は、冗長化されている。
一方、既にデータD0が蓄積されている場合には、そのようなデータD0の蓄積及び転送を行わないため、データD0の重複した転送をさけることができる。
なお、実施の形態3では、簡単のために、1つの光通信部106からデータD0を受信した場合に着目して説明した。しかし、実際には、複数の光通信部106でデータD0の送受信が行われる場合がある。このため、蓄積済みか否かの判定又は送信先の選定等は、複数の動作を考慮して処理を行う必要がある。例えば、転送中のデータD0が、別の情報表示装置300から受信した新しいデータD0で上書きされないようにするといった処理が必要となる。
次に、設置位置推定部308での処理について説明する。
これまでの説明では、車両901の前後方向の通信は、一方向のみとして説明してきた。つまり、データD0は方向Dbに送信されている。
しかし、冗長性を高めたい場合、又は、複雑な構成で配置されている情報表示装置300の設置位置を推定する場合には、逆方向(方向Df)の通信を行う方がよいことも多い。図12では、車両901の前後方向の通信を示す矢印は一方向(方向Db)のみ記入されているが、以降の設置位置推定の説明では、双方向の通信を行うものとして説明する。
設置位置推定部308は、自らの情報表示装置300と、通信を行った他の情報表示装置300とを結び付ける接続情報120を生成する。そして、情報表示装置300は、生成した接続情報120を他の情報表示装置300に与える。それとともに、情報表示装置300は、他の情報表示装置300で生成された接続情報120を取得する。
接続情報120を基に、情報表示装置300は、複数の情報表示装置300の接続状況を示すグラフを作成する。
ここでいうグラフとは、例えば、ノード(節点)とリンク(枝)とで表現された情報である。個々の情報表示装置300をノードとし、情報表示装置300間の光通信路をリンクとして、情報表示装置300間の関係を表現することができる。
この情報表示装置300間の関係を表現した情報を、ここでは接続情報と呼ぶ。
そして、設置位置推定部308は、作成された接続状況を示すグラフと、データ蓄積部102に記憶されている配置情報とを照らし合わせて検討する。そして、設置位置推定部308は、個々の情報表示装置300の列車900内における設置位置を特定する。
配置情報は、列車900における複数の情報表示装置300の配置された位置を示している。配置情報は、実際の列車900内での配置図として機能する。
図14は、接続情報120の一例に示した概略図である。
接続情報120は、個体識別子欄121と、型識別子欄122と、通信部欄123とを備える。
個体識別子欄121は、情報表示装置300の個体識別子D4を格納する。
型識別子欄122は、情報表示装置300の型識別子D5を格納する。
通信部欄123は、情報表示装置300に備えられている光通信部106毎に、光通信部106の接続先及び光通信部106が通信を行う向きを格納する。
図14に示された通信部欄123には、通信部a、通信部b及び通信部cの欄が設けられている。通信部aには、図11に示す光通信部106aの情報が記載される。通信部bには、図11に示す光通信部106bの情報が記載される。通信部cには、図11に示す光通信部106cの情報が記載される。
各々の欄に、接続先を記載する欄と光通信部106の位置を記載する欄が設けられている。例えば、「通信部a接続先」は、光通信部106aの接続先を記載する欄である。「通信部a−右」は、光通信部106aが情報表示装置300の右側(方向Db側)に取り付けられていることを示している。ここで「右」は、図11に示すように、情報表示装置300に向かった状態での右側である。
図14は、図11に示されているドア設置型の情報表示装置300の例である。3つの光通信部106a,106b,106cのそれぞれについて、その向き及び接続先が通信部欄123に格納される。
ここで、接続情報120の初期状態について説明する。
情報表示装置300の設置位置推定部308は、自らの情報表示装置300の接続状況を示す接続情報120を作成する。そして、情報表示装置300は、接続情報120をデータ蓄積部102に記憶させておく。
設置位置推定部308は、識別子記憶部307に記憶されている自らの情報表示装置300の個体識別子D4及び型識別子D5を自らの情報表示装置300の接続情報120に格納する。また、設置位置推定部308は、自らの情報表示装置300に取り付けられている光通信部106の通信方向及び接続先を、自らの情報表示装置300の接続情報120に格納する。
光通信部106の通信方向の情報は、情報表示装置300毎に識別子記憶部307又はデータ蓄積部102に予め記憶されている。なお、型識別子D5から通信方向が特定できる場合には、設置位置推定部308は、型識別子D5から通信方向を特定してもよい。光通信部106の接続先は、初期値として空又は接続がないことを意味する値が入れられている。「空」とは、初期値としての値がないことである。接続がないことを意味する値としては、例えば、「0(ゼロ)」等が考えられる。
次に、接続情報120の更新及び接続情報120の通信について説明する。
例えば、図12に示されているように、データD0の転送の起点となる情報表示装置300aは、自らの情報表示装置300aの光通信部106から接続情報120の送出を行う。このとき、送出される接続情報120には、送出に使用された光通信部106の接続先の欄に、送信元であることを示す値(送信元識別情報)が入れられる。この送信元識別情報を、送信マークともよぶ。
「送出」とは、回線を通じて、データ等を電気信号として送り出すことである。ここでは、光通信路を用いて、データを光信号として送り出している。
ここで、図12の情報表示装置300aの、右側(方向Db側)の光通信部106から、情報表示装置300bの左側(方向Df側)の光通信部106に通信する場合を説明する。図11に示されている右側(方向Db側)の光通信部106は、光通信部106aである。図11に示されている左側(方向Df側)の光通信部106は、光通信部106bである。
情報表示装置300aから送出される接続情報120には、情報表示装置300aを表す個体識別子D4と、その型識別子D5と、その光通信部106aを用いて送信を行ったことが記載されている。
例えば、図14に示されている接続情報120の「通信部a」が、光通信部106aを示している。通信部欄123の「通信部a接続先」の欄に、送信元であることを示す値が格納される。この送信元であることを示す値は、送信元である光通信部106aを識別することのできる送信元識別情報(送信マーク)として機能する。
情報表示装置300bが、情報表示装置300aから送信された接続情報120を受信すると、設置位置推定部308は、データ蓄積部102に記憶されている自らの情報表示装置300bの接続情報120と、受信した接続情報120とを比較する。そして、設置位置推定部308は、情報表示装置300aから送信された接続情報120が、自らの情報表示装置300bの接続情報120に、既に記録されているか否かを判断する。
情報表示装置300aから送信された接続情報120が未だ記録されていない場合には、設置位置推定部308は、データ蓄積部102に、受信された接続情報120を記録させる。
例えば、図15は、情報表示装置300bのデータ蓄積部102に記憶された接続情報120a,120bの一例を示す概略図である。
接続情報120aは、情報表示装置300aから送信されてきた接続情報を示す。接続情報120bは、情報表示装置300bで生成された自らの情報表示装置300bの接続情報である。
情報表示装置300bは、情報表示装置300aから送信された接続情報120aを光通信部106bで受信している。このため、情報表示装置300bの設置位置推定部308は、自らの情報表示装置300bの接続情報120bの「通信部b2接続先」の欄に、接続先識別情報D6を格納する。
「通信部b2接続先」の欄は、光通信部106bの接続先の情報(接続先識別情報D6)を書き込む欄である。この接続先識別情報D6は、光通信部106bが受信した接続情報120aの送信元を識別できる情報(接続先識別情報D62)である。例えば、ここでの接続先識別情報D62は、情報表示装置300aの「個体識別子D41」及び「通信部a1」でよい。
また、情報表示装置300aの設置位置推定部308は、自らの情報表示装置300aの接続情報120aの「通信部a1接続先」の欄に、接続先識別情報D6を格納する。この接続先識別情報D6は、情報表示装置300aから送信された接続情報120aを受信した光通信部106bを識別する情報(接続先識別情報D61)である。この接続先識別情報D61は、光通信部106aが送信した接続情報120aの受信先を識別できる情報(接続先識別情報D61)である。例えば、ここでの接続先識別情報D61は、情報表示装置300bの「個体識別子D42」及び「通信部b2」でよい。
このようにして、接続情報120aの通信部a1と、接続情報120bの通信部b2とが結びつけられる。これにより、設置位置推定部308は、情報表示装置300aの光通信部106aと、情報表示装置300bの光通信部106bとをリンクさせることができる。
ここで、「リンクさせる」とは、「情報表示装置300aの光通信部106a」と「情報表示装置300bの光通信部106b」とが、直接通信可能な位置関係であることを示す情報(接続先識別情報D6)を、各々の接続情報120上に記憶することである。
例えば、図15では、リンクは、接続情報120a,120bの右側に、接続情報120aと接続情報120bを結ぶ線124として表現されている。具体的には、接続情報120aの通信部a1接続先に「接続情報120bの通信部b2」と記録し、接続情報120bの通信部b2接続先に「接続情報120aの通信部a1」と記録する。これによって、情報表示装置300aと情報表示装置300bとが直接通信可能であることを表わしている。
そして、情報表示装置300bの設置位置推定部308は、受信された接続情報120a及び内部に蓄積されている接続情報120bを更新する。設置位置推定部308は、接続情報120bを更新した後に、全ての接続情報120を、全ての光通信部106a,106b,106cに送信する。接続情報120は、データ蓄積部102に記憶されている。接続情報120は、更新後の接続情報120a,120bを含んでいる。
このように、各々の情報表示装置300は、双方向の送受信によって、列車900に設置されている全ての情報表示装置300の接続情報120を取得することができる。そして、情報表示装置300は、列車900に設置されている全ての情報表示装置300の接続情報120を保持している。
以上の処理を繰り返すことにより、列車900内に取り付けられた全ての情報表示装置300が、全ての情報表示装置300の接続情報120を共有することができる。これにより、全ての情報表示装置300は、列車900に取り付けられた全ての情報表示装置300の接続状況を示すグラフを作成することができる。
設置位置推定部308は、このようにして作成された接続状況を示すグラフと、データ蓄積部102に記憶されている配置情報とを参照する。これにより、設置位置推定部308は、列車900における自らの情報表示装置300の設置位置を推定することができる。
接続状況を基に、例えば、情報表示装置300が接続されている順番及び方向が特定される。
つまり、設置位置推定部308は、グラフ情報と配置情報とを得ることができる。グラフ情報は、各情報表示装置300の接続関係を示している。配置情報は、情報表示装置300の取り付け場所を示す地図である。
グラフ情報では、情報表示装置300の個体がそれぞれどのような接続関係にあるのか特定することができる。しかし、グラフ情報を用いて情報表示装置300の実際の設置位置を知ることはできない。
配置情報では、列車900上に情報表示装置300が取り付けられている位置を特定することができる。しかし、配置情報を用いて情報表示装置300のそれぞれの個体がどこの位置に設置されているのかを知ることはできない。
そこで、設置位置推定部308は、位置を特定できる情報表示装置300を起点として、順次グラフ情報と配置情報とから、接続情報を設置位置の情報に当てはめて、矛盾のない組み合わせを探り出す。位置を特定できる情報表示装置300は、例えば、図12では、最初にデータD0を受け取る情報表示装置300aである。そして、矛盾のない組み合わせが1通りになった場合に、情報表示装置300の設置位置が特定される。
また、データ蓄積部102に記憶されている配置情報に情報表示装置300の型式の情報(型識別子D5)が含まれている場合には、接続状況に型識別子D5も含めておくことで、より確実に情報表示装置300の設置位置を特定することができる。
なお、以上の処理では、データD0の転送が無限に行われてしまう。このため、実際には、データD0の転送の終了条件が必要になる。終了条件としては、時間又はデータD0の転送回数等が挙げられる。例えば、電源を投入した後、最初に位置を特定する情報を受信してから10分以上経過した場合には、その後、位置を特定する情報を受信しても、それ以上転送しない等の方法を取ることができる。また、受信された情報(データD0)と同一の情報については、送信元へ転送しないことで、重複した情報の転送を抑止することを図ることもできる。
図16は、実施の形態3における接続情報120の送受信制御を示すフローチャートである。接続情報120は、情報表示装置300の設置位置を検出するための情報である。
まず、ステップS40では、情報表示装置300は、受信待機状態となっている。光通信部106の何れかが接続情報120を受信すると、制御部305は、処理をステップS41に移行させる。
ステップS41では、設置位置推定部308は、光通信部識別情報D1を、データ記憶部103に一時的に記憶させる。これは、ステップS43で情報を更新する際に、同時に蓄積済み接続情報に追加するためである。光通信部識別情報D1は、接続情報120を受信した光通信部106を識別する情報である。
ここで、光通信部識別情報D1として、光通信部106が情報表示装置300に配置されている位置の情報を用いることができる。光通信部106の位置の情報は、例えば、型式識別子D5を用いることで特定される。
次に、ステップS42では、設置位置推定部308は、受信された接続情報120と、データ蓄積部102に記憶されている接続情報120とを比較して、新規な情報があるか否かを判断する。
図15で説明すると、受信された接続情報120aと、データ蓄積部102に記憶されている接続情報120aとを比較して、新規な情報があるか否かを判断する。また、受信された接続情報120aと、データ蓄積部102に記憶されている接続情報120bの接続情報120aに関係する情報とを比較して、新規な情報があるか否かを判断する。
例えば、受信された接続情報120aの個体識別子欄121a又は通信部欄123aに格納されている情報が、すでにデータ蓄積部102に記憶されている接続情報120aに対応する情報と異なっている場合には、設置位置推定部308は、新規な情報があると判断する。
そして、新規な情報がある場合には、処理はステップS43に進む。図16では、ステップS42で「YES」を選択する場合である。新規な情報がない場合には、処理はステップS40に戻る。図16では、ステップS42で「NO」を選択する場合である。
ステップS43では、設置位置推定部308は、受信された接続情報120に基づいて、データ蓄積部102に記憶されている接続情報120の通信部欄123を更新する。なお、受信された接続情報120の個体識別子D4が、データ蓄積部102に記憶されている接続情報120の個体識別子D4と異なっている場合には、設置位置推定部308は、受信された接続情報120をデータ蓄積部102に記憶させる。
例えば、受信した接続情報120aと既に保存されている接続情報120aとが異なる場合に、新しい接続情報120aを基に、保存されている接続情報120aを書き換える。また、受信した接続情報120aと接続情報120bの対応する情報とが異なる場合に、接続情報120bを書き換える。
そして、ステップS44では、設置位置推定部308は、送信先の選定を行う。ここでは、送信先は、全ての光通信部106であってよい。また、送信する接続情報120が、受信された接続情報120と同一である場合には、設置位置推定部308は、送信元への送信を省略してもよい。
ステップS45では、設置位置推定部308は、データ蓄積部102に記憶されている全ての接続情報120を、選定された光通信部106に送信させる。
図12で説明すると、例えば、接続情報120aを情報表示装置300aから受け取った場合には、更新された接続情報120aと接続情報120bとを情報表示装置300a,300c,300hに送る。
なお、送信される接続情報120には、送信元となる光通信部106に対応する欄に、送信元であることを示す値が格納される。
例えば、図12で情報表示装置300aから情報表示装置300b、情報表示装置300c、情報表示装置300jの順に接続情報120を送った場合について説明する。
情報表示装置300aは、自分の接続情報120aを作成して情報表示装置300bに送る。情報表示装置300bは、受け取った接続情報120aに自分の接続情報120bの情報を追加して格納するとともに、接続情報120a及び接続情報120bの両方を情報表示装置300cに送る。情報表示装置300cは、受け取った接続情報120a,120bに自分の接続情報120cの情報を追加して格納するとともに、接続情報120a、接続情報120b及び接続情報120cの3つ全てを情報表示装置300jに送る。
以上より、情報表示装置300jは、4つの接続情報120a,120b,120c,120jを持っている。これらが、この時点で、情報表示装置300jが記憶している接続情報120である。
この状態で、情報表示装置300jが情報表示装置300dから5つの接続情報120a,120b,120c#,120i,120dを受け取った場合を考える。接続情報120c#は、接続情報120cに対して追加された情報を含んでいる。例えば、情報表示装置300cから情報表示装置300i、情報表示装置300dを経て、情報表示装置300jに情報が伝わった場合には、接続情報120c#には、情報表示装置300i,300dの情報が加えられている。
情報表示装置300cから受け取った接続情報120に含まれていなかった接続情報120i,120dを新たに記憶する。また、接続情報120cが、接続情報120c#に更新されているので、情報の差分を新たに記憶する。つまり、接続情報120c#で追加された情報を新たに記憶する。
また、自分の接続情報120jに、新たな接続先である情報表示装置300dの情報を追加し、接続情報120j#とする。そして、接続情報120dに、新たな接続先として自分(情報表示装置300j)の情報を追加して接続情報120d#とする。
この時点で、情報表示装置300jは、6つの接続情報120a,120b,120c#,120d#,120i,120j#を持っている。
情報表示装置300jは、これらの接続情報120a,120b,120c#,120d#,120i,120j#の全てを、情報表示装置300jが通信している情報表示装置300c,300d,300kに送る。接続情報120の送付先には、受信元である情報表示装置300dも含まれている。
そして、設置位置推定部308は、データD0の送信完了後には再び受信待機状態(S30)に戻る。
このようにして、情報表示装置300は、列車900内の接続情報120からグラフを得ることができる。そして、このグラフによって、情報表示装置300は、列車900内での情報表示装置300の接続状況を特定することができる。
特定された接続状況に基づいて、データ蓄積部102に記憶されている配置情報で特定される情報表示装置300の配置に順次当てはめていくことにより、それぞれの情報表示装置300の設置位置を特定していくことができる。つまり、接続情報120から得たグラフを、情報表示装置300の配置情報に当てはめることで、情報表示装置300の設置位置を特定することができる。なお、データ蓄積部102aからデータ蓄積部102lまでには、同一の配置情報が蓄積されている。
しかし、情報表示装置300が配置されている形状等により、配置の組み合わせが複数通り考えられる場合もある。
例えば、図12において、情報表示装置300が通信で左右方向を区別しない作りとなっており、そして、列車運行システム910又は端末装置920が情報表示装置300aと情報表示装置300gとの両方に情報を送る場合等が考えられる。列車運行システム910及び端末装置920は、通信の起点である。
この場合には、グラフと配置情報との組み合わせは、車両901の左右方向が特定できず、車両901の左右方向で、対向する位置に設置された情報表示装置300が、すべて入れ替わっている場合でも、グラフ情報と配置情報は矛盾のない組み合わせとなってしまう。例えば、情報表示装置300aと情報表示装置300gとが入れ換わる場合である。
また、情報表示装置300bと情報表示装置300hとが入れ換わる場合である。
このような場合のために、設置位置推定部308は、センサを用いて、車両901の左右方向の設置位置の情報又は他の車両内設備との位置関係の情報を得て、情報表示装置300の設置位置の特定に用いることもできる。用いられるセンサとしては、加速度センサ、GPS(Global Positioning System)等の位置センサ、ドアの開閉検知センサ又はカメラ等が考えられる。
例えば、加速センサを用いて、列車900の発車時に、表示部101に向かって左向きの加速度が検出されれば、車両901の右側に設置されていることが判別できる。また、表示部101に向かって右向きの加速度が検出されれば、車両901の左側に設置されていることが分かる。
なお増結又は解結時を除き、少なくとも、列車900の運行中は、情報表示装置300の設置位置が変化することはない。このため、情報表示装置300の位置を検出するための通信は、列車900の運行開始前の最初に一度行えばよい。そのため、情報表示装置300は、列車900の運行開始前で乗客又は荷物等の障害物が存在しない状態で、位置検出のための通信を行うことができる。
「増結」とは、列車の連結車両を増やすことである。列車に、途中から又は臨時に車両を増して連結することである。「解結」とは、平日の昼間等、利用する人が少ない時間帯等に、車両を減らすことで、一つの列車あたりの輸送力を減らすことである。
また、以上に記載された実施の形態1から3まででは、情報の表示を切り替えるためのタイミング情報等を列車運行システム910から送信するものとして説明した。
しかし、客車内での光通信を用いたデータ送信は、運行中に、乗客又は乗客の荷物により遮られる可能性がある。
そこで、鉄道路線の地理的な情報とともに、表示内容及びその表示タイミングを、列車900の運行開始前に全ての情報表示装置100,200,300に送信しておく。表示データ切替部104,204,304は、GPS、速度センサ、加速度センサ又はドアセンサ等のセンサと、鉄道路線の地理的な情報とを用いて走行位置を推定する。これにより、情報表示装置100,200,300は、自律的に表示を切り替えることもできる。この場合には、列車900の運行中に通信を行う必要はなく、通信を遮られても問題はない。
なお、以上に記載した実施の形態3では、接続情報に型識別子D5が含まれている。しかし、列車900に配置されている情報表示装置300が全て同じ型式である場合等には、このような情報(型識別子D5)が含まれていなくてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4に係る情報表示装置400は、図9及び図10に示されているように、実施の形態3に係る情報表示装置300と同様の構成をしている。
実施の形態3と同様の符号を付した、表示部101、データ蓄積部102、データ記憶部103、光通信部106、表示データ切替部304、制御部305、識別子記憶部307、設置位置推定部308、記憶部317、表示パネル11、不揮発性メモリ12A,12B、揮発性メモリ13、CPU15、光通信モジュール16及びメモリ17に関する説明は、実施の形態3の説明で代用する。
図17は、実施の形態4における情報表示装置400の外形的な構成の一例を示す概略図である。
情報表示装置400は、貫通路型である。情報表示装置400は、車両901aと車両901bとをつなぐ貫通路902での通信用である。
これは、貫通路902の開口部(出入り口)が十分に広くない場合を想定している。つまり、貫通路902への出入り口が、車両901a,901b間で光通信をするには狭い場合を想定している。貫通路902は、車両901a,901b間を接続している。
情報表示装置400は、車両901a,901b間の貫通路902に通じる出入り口の上部に設置されている。
情報表示装置400の光通信部106d,106eは、情報表示装置400の本体から下側に張り出している。つまり、光通信部106d,106eは、情報表示装置400の本体から下側に突出している。また、例えば、光通信部106d,106eを、情報表示装置400の本体から分離して設置できる。
このようにすることにより、貫通路902が広く取られていない場合でも、光通信部106d,106eが貫通路902の出入り口に張り出しているため、光通信のための光路(光通信路)を確保することができる。ここで、「張り出す」とは、突き出るという意味である。
ここでは、光通信部106d,106eは、貫通路902の出入り口に張り出すように設置されている。しかし、このような例に限定されない。
例えば、車両901a,901bの端部の妻窓(図示せず)を通して車両間の通信を行うことができる。この妻窓の位置に、光通信部106e,106dを設けてもよい。「妻窓」とは、車両の前後方向の面に設置された窓のことである。通常、貫通路902の出入り口の横に設けられている。
また、光通信部106d,106eは、車両901a,901bの外部に設置されていてもよい。車両901a,901bの外部で光通信を行うようにしてもよい。このようにすることで、貫通路902を持たない列車900にも対応することができる。
図18は、情報表示装置300,400の列車900における配置を説明する概略図である。
情報表示装置300aは、車両901aの方向Df側の端部に設置されている。情報表示装置300fは、車両901bの方向Db側の端部に設置されている。図12と異なり、情報表示装置300a,300fは、貫通路902と対向するように配置されている。つまり、情報表示装置300a,300fは、車両901a,901bの通路の端部に設置されている。
方向Dfを車両901aの進行方向とすると、情報表示装置300b,300cは、車両901aの進行方向に対して右側の乗降用のドアの上部に設置される。情報表示装置300g,300hは、車両901aの進行方向に対して左側の乗降用のドアの上部に設置される。
情報表示装置300d,300eは、車両901bの進行方向に対して右側の乗降用のドアの上部に設置される。情報表示装置300i,300jは、車両901bの進行方向に対して左側の乗降用のドアの上部に設置される。
図17に示されている情報表示装置400は、例えば、図11に示されている情報表示装置300と組み合わせて使用することができる。情報表示装置300,400は、図18に示されているように配置することができる。
図18において、情報表示装置300aから情報表示装置300jまでは、図11に示されている情報表示装置300である。情報表示装置400a,400bは、図17に示されている情報表示装置400である。
但し、情報表示装置300a,300fについては、左右方向に配置されている光通信部106a,106bを、図17に示されている光通信部106a,106bの位置に変更する必要がある。情報表示装置300a,300fは、車両901a,901bの端部に設置されている。
図17に示す光通信部106a,106bは、表示部101の設置されている面と同一の面上に設置されている。光通信部106aは、表示部101に向かって、右側に設置されている。光通信部106bは、表示部101に向かって、左側に設置されている。光通信部106a,106bは、表示部101の上側に設置されている。
光通信部106cは、表示部101の設置されている面と同一の面上に設置されている。光通信部106cは、表示部101の左右方向の中心部分に配置されている。光通信部106cは、表示部101の上側に設置されている。
最初のデータD0の送信は、操作員930の持つ端末装置920又は列車運行システム910から情報表示装置300aに送られる。情報表示装置300aは、情報表示装置300b,300gにデータD0を送る。
情報表示装置300bは、情報表示装置300c,300gにデータD0を送る。情報表示装置300gは、情報表示装置300b,300hにデータD0を送る。情報表示装置300cは、情報表示装置300h,400aにデータD0を送る。情報表示装置300hは、情報表示装置300c,400aにデータD0を送る。
情報表示装置400aは、情報表示装置400bにデータD0を送る。情報表示装置400aの光通信部106dは、情報表示装置400bの光通信部106eにデータD0を送る。情報表示装置400aの光通信部106eは、情報表示装置400bの光通信部106dにデータD0を送る。情報表示装置400bは、情報表示装置300d,300iにデータD0を送る。
情報表示装置300dは、情報表示装置300e,300iにデータD0を送る。情報表示装置300iは、情報表示装置300d,300jにデータD0を送る。情報表示装置300eは、情報表示装置300j,300fにデータD0を送る。情報表示装置300jは、情報表示装置300e,300fにデータD0を送る。
また、車両901の前後方向の通信を、上述のように双方向としてもよい。
このようにして、異なる車両901a,901b間でも光通信を確保することができる。
実施の形態5.
図9は、実施の形態5に係る情報表示装置500の構成を概略的に示すブロック図である。
図9に示されているように、実施の形態5に係る情報表示装置500は、1つ以上の表示部101と、表示データ切替部304と、制御部505と、複数の光通信部106と、設置位置推定部508と、記憶部317とを備える。記憶部317は、データ蓄積部102と、データ記憶部103と、識別子記憶部307とを備える。設置位置推定部508は、通信制御部としての機能を有する。情報表示装置500は、車両内に複数設置される。
実施の形態5に係る情報表示装置500では、表示部101、データ蓄積部102、データ記憶部103、表示データ切替部304、制御部305、光通信部106及び識別子記憶部307については、実施の形態3に係る情報表示装置300と同様である。実施の形態3と同様の構成要素の説明は、実施の形態3での説明で代用する。以下、実施の形態3に係る情報表示装置300とは異なる、設置位置推定部508について説明する。
以上に記載された実施の形態3及び4では、異なる車両901a,901b間での通信を、同じ車両901内での通信と、特に区別していない例を示した。あるいは、情報表示装置300,400は、異なる車両901a,901b間での通信に用いる光通信部106を認識できるとして説明してきた。
しかし、情報表示装置500が、同一の車両901a,901b内での通信と、異なる車両901a,901b間での通信とを自動的に区別できれば便利である。
そこで、実施の形態5における設置位置推定部508は、実施の形態3における設置位置推定部308が行う処理の他に、同一の車両901a,901b内での通信と、異なる車両901a,901b間での通信とを区別する処理を行う。
例えば、光通信部106の受光部にカメラ又は入射角の判別可能なセンサを用いる。これにより、設置位置推定部508は、同一の車両901a,901b内での通信と、異なる車両901a,901b間での通信とを自動判別することができる。
図12に示す情報表示装置300dの光通信部106bは、情報表示装置300iの光通信部106aの発するデータD0を、斜め方向から受け取る。同様に、情報表示装置300jの光通信部106bは、情報表示装置300cの光通信部106aの発するデータD0を、斜め方向から受け取る。一方、例えば、情報表示装置300bの光通信部106bは、情報表示装置300aの光通信部106aの発するデータD0を、横方向から受け取る。
情報表示装置300が光通信部106の受光部に入射角の判別可能なセンサを備えることで、異なる車両901a,901b間での通信を自動判別することができる。
また、光通信部106の受光部にカメラを備えると、情報表示装置300は画像として貫通路902を認識することができる。このため、情報表示装置300は異なる車両901a,901b間での通信を自動判別することができる。
図6で説明したように、異なる車両901a,901b間での通信では線路の曲線部分の運行中に光通信部106同士の角度が変化する。この変化は、一般的に、数秒から数十秒かけて、比較的大きな角度で、主に、車両901の横方向に変化する。
一方、同一の車両901a,901b内に隣接して取り付けられた情報表示装置300間の通信でも、光通信部106同士の角度は変化する。これは運行中の振動又は車体のひずみに起因するもので、主に1秒以下の小さな角度で変化する。
そこで、設置位置推定部508は、通信角度の変化から通信相手が同一の車両901a,901b内か、異なる車両901a,901bに設置されたものかを判断する。
そして、この判断結果を、接続情報120に追加することで、同一の車両901a,901bに設置された情報表示装置500を識別することが可能となる。そして、情報表示装置500の設置位置の推定を容易にすることができる。