JPWO2016093249A1 - パケット転送装置、無線通信システムおよびパケット転送方法 - Google Patents

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Abstract

第1および第2の無線アクセスシステムを備え、第1の無線アクセスシステムは大容量データ伝送が可能、第2の無線アクセスシステムは通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末(データ系端末200,車載端末1100)で生成されたパケットを転送するパケット転送装置(パケット転送装置300,1200)であって、受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、受信したパケットを第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、受信したパケットと同一のパケットを生成して第2の無線アクセスシステムへ送信するか、第2の無線アクセスシステムへ転送し、ペイロードを含んでいる場合、第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して第2の無線アクセスシステムへ送信する。

Description

本発明は、データを送信する端末から受け取ったパケットを複数の経路の中の一つ以上へ転送するパケット転送装置、無線通信システムおよびパケット転送方法に関する。
近年の無線通信システムでは、様々な通信特性の信号を同時に伝送できることが要求される。例えば、昨今の通信トラヒックの急増に伴い、車や列車、航空機等の高速移動通信環境においてもスループット増大への要求が高まっており、アプリケーションデータの大容量伝送が必要になっている。一方で、確認応答信号等の制御情報には高信頼な伝送が必要である。制御情報の伝送誤りは不要な再送、すなわち不要なデータ送信の発生原因になるとともに、伝送瞬断による無通信時間の増長の原因となり、スループットの低下を招くためである。このように、送信データがアプリケーションデータか制御情報を含んだデータかによって要求する伝送品質は異なっており、それらを同一のシステム上で提供できる必要がある。
例えば、特許文献1には、パケットをヘッダ部とペイロード部に分割し、重要度の高いヘッダ部を要求品質の高い転送経路で転送し、ペイロード部は要求品質が低い転送経路で転送する発明が記載されている。
特開2005−65335号公報
特許文献1に記載された無線通信方法では、例えば、RTP(Real-time Transport Protocol)パケットにおいて高信頼が求められるヘッダ部と高信頼でなくてもよいペイロード部を同時に無線伝送する際に、両者を別々のパケットセグメントに分割し、ヘッダ部を要求品質が高いチャネルで伝送し、ペイロード部を要求品質が低いチャネルで伝送することで、ヘッダ部の伝送品質を高くしている。
しかし、上記従来のヘッダ部およびペイロード部の伝送は単一システム内で行われており、例えば、移動端末がハンドオーバすること等により複数の基地局装置から送信された信号を同時に受信する場合において互いの信号が干渉となり通信品質が劣化する問題がある。すなわち、このような状況では要求品質が高いチャネルであっても無線品質が劣化しており、制御情報などの重要度の高い情報を伝送する際に要求される信頼性を保てないという問題があった。
また、TCP(Transmission Control Protocol)の場合はヘッダ部にACK(Acknowledgement)が含まれており、確認応答および再送制御情報として機能するため、無線品質の低下によるスループット劣化の影響がより大きくなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、再送制御情報の高信頼伝送を実現可能なパケット転送装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の無線アクセスシステムおよび第2の無線アクセスシステムを備え、前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置であって、前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信するか、前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合には、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する、ことを特徴とする。
本発明によれば、再送制御情報の高信頼伝送を実現できる、という効果を奏する。
本発明にかかるパケット転送装置を適用した無線通信システムの一例を示す図 位置情報管理サーバが有するデータベースの一例を示す図 位置情報更新通知の構成例を示す図 パケット転送装置が有するデータベースの一例を示す図 データのパケット構成例を示す図 IPヘッダおよびTCPヘッダのフォーマットを示す図 データ系端末から車載端末にデータ送信する際のデータフローのシーケンスの一例を示す図 実施の形態1のパケット転送装置がパケット転送先を特定する動作の一例を示すフローチャート パケット転送装置がカプセル化したIPパケットの構成例を示す図 パケット転送装置によるパケット転送手順の一例を示すフローチャート 実施の形態2のパケット転送装置がパケット転送先を特定する動作の一例を示すフローチャート 実施の形態3の無線通信システムにおいて送受信するフレームの構成例を示す図 ミリ波基地局内部のプロトコルスタックの一例を示す図 再送制御情報の構成例を示す図 実施の形態3の無線通信システムにおいて再送制御情報を送信するシーケンスの一例を示す図 LCX基地局内部のプロトコルスタックの一例を示す図 LCX移動局内部のプロトコルスタックの一例を示す図 ミリ波移動局内部のプロトコルスタックの一例を示す図 パケット転送装置を実現する処理回路の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかるパケット転送装置、無線通信システムおよびパケット転送方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるパケット転送装置を適用した無線通信システムの一例を示す図であり、異なる複数の無線アクセス方式を用いた通信システムである。具体的には、LCX(Leaky CoaXial cable:漏洩同軸ケーブル)システムにミリ波システムを併設し、これらの異なる無線アクセス方式を協調させる列車無線システムの例を示している。LCXシステムは一部の列車無線システムに既に適用されているものである。LCXシステムにおいて、LCX(漏洩同軸ケーブル)は線路沿いに敷設されている。そのため、LCXシステムは列車と常に近い位置で通信できるという特徴があり、無線伝搬による距離減衰はほぼなく高品質な通信が可能である。ただし、LCXシステムは、大容量伝送の実現が難しい。これに対して、ミリ波システムは、ミリ波帯の広帯域な周波数を用いることで大容量伝送サービスを提供することが可能である。一方で、ミリ波システムのアンテナは指向性が強く、また、送受信機から離れるほど伝搬減衰が大きくなるという特徴がある。そのため、送受信機を備えた通信端末は、移動しながらミリ波帯での通信を行う場合、通信品質が劣化すると通信相手の基地局を適宜切り替える。ミリ波システムを第1の無線アクセスシステム、LCXシステムを第2の無線アクセスシステムとする。
以下、図1に示した無線通信システムについて説明する。無線通信システムは、地上側に設置された各種装置などにより構成された地上側システムと移動体である列車に搭載された各種装置などにより構成された車上側システムとに分けることができる。そのため、地上側システムと車上側システムに分けて説明する。
地上側システムは、列車の位置情報を管理する位置情報管理サーバ100と、指令局等に設置されるデータ系端末200と、データ系端末200から受信したパケットを後述するLCX基地局およびミリ波基地局である複数の基地局の中の一台以上へ転送するとともに、複数の基地局の各々から受信したパケットをデータ系端末200に転送するパケット転送装置300と、パケット転送装置300および複数の基地局が接続されたIP(Internet Protocol)ネットワーク400と、LCXシステムの基地局であるLCX基地局500と、ミリ波システムの基地局であるミリ波基地局600、700および800と、を含んで構成されている。LCX基地局500には、微弱な電波が漏れ出るように設計され、LCX基地局500のアンテナとして機能するLCXケーブル501が接続され、LCX基地局500はカバーエリアであるセル502に存在している通信端末と通信する。ミリ波基地局600にはアンテナ601が接続され、ミリ波基地局600はセル602に存在している通信端末と通信する。ミリ波基地局700にはアンテナ701が接続され、ミリ波基地局700はセル702に存在している通信端末と通信する。ミリ波基地局800にはアンテナ801が接続され、ミリ波基地局800はセル802に存在している通信端末と通信する。本実施の形態の無線通信システムでは、ミリ波基地局600、700および800の3台でカバーするエリアよりも広いエリアをLCX基地局500が1台でカバーするものとする。すなわち、セル602、702および802とセル502は重複しているが、ミリ波基地局とLCX基地局のセル境界は互いに重ならないようにするのが望ましい。また、セル602とセル702は一部重複しており、セル702とセル802は一部重複している。そのため、セル602、702または802に存在している通信端末は、1台または2台のミリ波基地局との通信が可能であるとともに、LCX基地局500との通信が可能である。なお、図1では、LCXシステムの基地局がLCX基地局500の1台のみとしているが、一般的には、LCX基地局も複数台となる。複数台のLCX基地局が存在する構成とした場合でも、1台のLCX基地局がカバーするエリアは1台のミリ波基地局がカバーするエリアよりも広く、複数台のミリ波基地局でカバーするエリアを1台のLCX基地局がカバーするものとする。
車上側システムは、列車1000に搭載され、地上側システムのデータ系端末200とデータを送受信する通信端末である車載端末1100と、車載端末1100から受信したパケットを後述するLCX移動局1400およびミリ波移動局1500の一方または双方へ転送するとともに、LCX移動局1400およびミリ波移動局1500から受信したパケットを車載端末1100へ転送するパケット転送装置1200と、パケット転送装置1200、LCX移動局1400およびミリ波移動局1500が接続されたLAN(Local Area Network)1300と、LCXシステムの移動局であるLCX移動局1400と、ミリ波システムの移動局であるミリ波移動局1500と、を含んで構成されている。LCX移動局1400にはアンテナ1401が接続され、ミリ波移動局1500にはアンテナ1501が接続されている。
なお、これ以降の説明では、列車がある基地局のセル内に存在することを「在線する」と表現する。また、説明の便宜上、列車に搭載された各種装置の動作を説明する際に、動作の主体を列車とすることがある。例えば、「車載装置1100が送信したメッセージ」を「列車1000が送信したメッセージ」などと記載する場合がある。
本実施の形態の無線通信システムにおいて、位置情報管理サーバ100は列車1編成ごとの位置情報を管理しており、内部に図2に示すデータベースを有する。図2に示した(a)は列車情報、(b)はLCX基地局情報、(c)はミリ波基地局情報である。列車情報は、各列車の識別情報である編成ID101〜103と、車載端末1100とパケット転送装置1200を接続しているネットワークのネットワークアドレス(以下、車内ネットワークアドレスと称す)104〜106とを対応付けるものである。LCX基地局情報は、LCX基地局の識別情報であるLCX基地局ID107〜109と、IPアドレス110〜112とを対応付けるものである。ミリ波基地局情報は、ミリ波基地局の識別情報であるミリ波基地局ID113〜115とIPアドレス116〜118とを対応付けるものである。ここで、図2に記載した編成ID101の「1000」、LCX基地局ID107の「500」、およびミリ波基地局ID113〜115の「600」〜「800」は、それぞれ図1において列車、LCX基地局およびミリ波基地局に付した符号と一致させている。
列車1000は、セル間を移動するハンドオーバを実行する度に、位置情報管理サーバ100へ在線基地局が変更になったことを通知する位置情報登録要求メッセージを送信する。位置情報登録要求メッセージにはメッセージを送信した列車の編成IDとその列車がハンドオーバする先の基地局IDの情報が含まれている。位置情報管理サーバ100は、位置情報登録要求メッセージを受信すると、図2に示したデータベースからハンドオーバした列車の車内ネットワークアドレスおよびハンドオーバ先基地局のIPアドレスを検索する。図1に示している状態は、列車1000が矢印で示した方向へ走行中であり、ミリ波基地局700からミリ波基地局600へハンドオーバした後の状態である。列車1000がミリ波基地局間をハンドオーバする場合、ミリ波移動局1500が位置登録要求メッセージを送信する。列車1000がミリ波基地局700からミリ波基地局600へハンドオーバする場合、ミリ波移動局1500が送信した位置登録要求メッセージは、ミリ波基地局700、IPネットワーク400およびパケット転送装置300を介して位置情報管理サーバ100に到達する。なお、図示していないLCX基地局からLCX基地局500へのハンドオーバは既に終わっており、位置情報も更新済みである。このとき位置情報登録要求メッセージとして通知される編成IDは「1000」、ミリ波基地局IDは「600」である。
位置情報管理サーバ100は、上記の位置情報登録要求メッセージを受信すると、列車1000がミリ波基地局600へハンドオーバしたことを把握し、図2のデータベースから該当する車内ネットワークアドレス「192.168.1.0」とミリ波基地局IPアドレス「192.168.31.6」を検索する。検索が終了すると、図3に示した構成の位置情報更新通知の該当領域にそれぞれ書き込みを行う。位置情報更新通知は位置情報管理サーバ100がパケット転送装置300に列車の位置情報が更新されたことを通知するメッセージであり、図3に示したように、制御情報が格納される領域120、編成IDが格納される領域121、車内ネットワークアドレスが格納される領域122、ハンドオーバ先LCX基地局のIPアドレスが格納される領域123およびハンドオーバ先ミリ波基地局のIPアドレスが格納される領域124から構成される。図1に示した例では編成ID1000の列車、すなわち列車1000がセル602にハンドオーバしたため、位置情報更新通知の編成ID領域121に「1000」が、車内ネットワークアドレス領域122に「192.168.1.0」が、ハンドオーバ先ミリ波基地局IPアドレス領域124に「192.168.31.6」がそれぞれ書き込まれる。また、LCX基地局間のハンドオーバは起きていないためハンドオーバ先LCX基地局IPアドレス領域123には値は書き込まれず初期値の「0」のままとなる。制御情報領域120には、位置情報更新通知を示す制御情報が書き込まれる。位置情報管理サーバ100は、位置情報登録要求メッセージで通知された編成IDと図2のデータベースを検索して得られた上記の車内ネットワークアドレスおよびミリ波基地局IPアドレスとを更新情報として書き込んだ位置情報更新通知を生成した後、生成した位置情報更新通知をパケット転送装置300に送信する。このように、位置情報管理サーバ100は列車の位置情報を常に把握し、位置情報に変化が生じると、位置情報更新通知を送信することにより、最新の位置情報をパケット転送装置300に通知する。なお、ミリ波基地局間のハンドオーバが起きた場合について説明したが、LCX基地局間のハンドオーバが起きた場合の位置情報管理サーバ100の動作も同様である。LCX基地局間のハンドオーバが起きた場合、位置情報管理サーバ100は、車内ネットワークアドレスおよびLCX基地局IPアドレスを検索し、検索結果が書き込まれた位置情報更新通知を生成してパケット転送装置300へ送信する。
パケット転送装置300は、図4に示すデータベースを有しており、位置情報更新通知を受信すると、受信した位置情報更新通知に書き込まれている更新情報に基づいてデータベースを更新する。パケット転送装置300が有しているデータベースでは、各列車の編成ID301〜303と、車内ネットワークアドレス304〜306と、在線するLCX基地局のIPアドレス307〜309およびミリ波基地局のIPアドレス310〜312とが対応付けられている。図4(a)は位置情報管理サーバ100から位置情報更新通知を受信する前のデータベース情報の例を示し、図4(b)は位置情報管理サーバ100から位置情報更新通知を受信して更新処理を実施した後のデータベース情報の例を示している。ここではミリ波基地局間のハンドオーバが発生したため、位置情報管理サーバ100から送信された位置情報更新通知の情報をもとに、編成ID301に対応するミリ波基地局IPアドレス情報310が書き換えられる。なお、ここでは、位置情報更新通知のハンドオーバ先LCX基地局123が初期値「0」となっているため、LCX基地局IPアドレス307は書き換えられない。このようにして、パケット転送装置300では列車の在線状況を把握している。
パケット転送装置300は、図4に示すデータベースの情報に従い、データ系端末200から受信したパケットを適切な基地局(LCX基地局,ミリ波基地局)に転送し、各基地局から受信したパケットをデータ系端末200に転送する装置であり、ルータとしても機能する。また、パケット転送装置300は、位置情報管理サーバ100およびデータ系端末200と光ケーブルで接続されており、各基地局とはIPネットワークによる通信を行う。
列車1000に搭載されているパケット転送装置1200は、地上側のパケット転送装置300と同じ機能を有するが、パケット転送装置300と異なる点としてパケット転送装置1200と接続されるLCX移動局およびミリ波移動局がそれぞれ1台ずつである。パケット転送装置1200は、パケットの転送先を決定する場合、転送先のミリ波移動局およびLCX移動局を一意に決定する。また、車載端末1100およびパケット転送装置1200はLANケーブルで接続される車内ネットワークである。なお、LAN1300と車内ネットワークは同一のネットワークではない。図1では列車1000はLCX基地局500およびミリ波基地局600のセルに在線しており、LCX移動局1400はアンテナ1401を介しLCX基地局500と通信し、LCX基地局500はLCXケーブル501を介しLCX移動局1400と通信する。また、ミリ波移動局1500はアンテナ1501を介しミリ波基地局600と通信し、ミリ波基地局600はアンテナ601を介しミリ波移動局1500と通信する。
データ系端末200および車載端末1100は終端装置である。データ系端末200と車載端末1100はTCP/IPで通信を行う。以降はデータ系端末200から車載端末1100にデータを送信する場合を例に挙げ、データ送受信の流れを説明する。まず、データ系端末200が送信するデータのパケット構成を図5に示す。TCP/IPパケットは図5(a)に示すようにTCPヘッダ220の前にIPヘッダ210が付加された構成となるが、本実施の形態のデータ系端末200が送信するパケットは、図5(b)に示した構成、すなわち、TCPヘッダ220の後ろにさらにアプリケーションデータ230が付加された構成とする。
図6はIPヘッダ210およびTCPヘッダ220のフォーマットを示す図である。図6(a)がIPヘッダ210のフォーマットである。IPヘッダ210は、バージョン領域21a、ヘッダ長領域21b、サービスタイプ領域21c、パケット長領域21d、ID領域21e、フラグ領域21f、フラグメント・オフセット領域21g、生存時間領域21h、プロトコル番号領域21i、ヘッダチェックサム領域21j、送信元IPアドレス領域21k、宛先IPアドレス領域21lおよびオプション領域21mを含む。図示した各領域の詳細については以降の説明において必要に応じて適宜述べる。IPはOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのネットワーク層のプロトコルであり、図6(a)ではバージョン4(IPv4)のIPヘッダの構成を示している。
図6(b)はTCPヘッダ220のフォーマットである。TCPヘッダ220は、送信元ポート番号領域22a、宛先ポート番号領域22b、シーケンス番号領域22c、確認応答(ACK)番号領域22d、データオフセット領域22e、未使用の領域である予約領域22f、コントロールフラグ領域22g、ウィンドウサイズ領域22h、チェックサム領域22i、緊急ポインタ領域22jおよびオプション領域22kを含む。なお、オプション領域22kで余りがあると残りの領域は全て0(パディング)になる。TCPはOSI参照モデルのトランスポート層にあたり高信頼通信をサポートするプロトコルである。TCPヘッダにはACKやシーケンス番号等の再送制御情報が含まれており、これにより高信頼通信をサポートしている。IPヘッダに続くIPパケットのデータ領域にTCPヘッダおよびTCPパケットのデータ領域が格納され、TCPパケットのデータ領域にアプリケーションデータが格納されることにより、図5(b)に示した構成のTCP/IPパケットとなる。本実施の形態の説明では、アプリケーションデータ1000ByteつきのTCPヘッダ20ByteおよびIPv4ヘッダ(オプションなし)20Byteで構成される合計1040ByteのTCP/IPパケットをデータ系端末200が送信するものとする。
次に、データ系端末200が車載端末1100にデータを送信する動作を説明する。図7は、データ系端末200から車載端末1100にデータ送信する際のデータフローのシーケンスの一例を示す図である。
データ系端末200から車載端末1100へのデータ送信では、まず、データ系端末200が、図5(b)に示した構成のデータパケットを生成してパケット転送装置300に送信する(ステップS100)。なお、データ系端末200は、データパケットを生成する際、IPヘッダ210の送信元IPアドレス領域21kに自装置のIPアドレスを書き込み、宛先IPアドレス領域21lには車載端末1100のIPアドレスを書き込む。ここでは、データ系端末200のIPアドレスを「192.168.10.1」、車載端末1100のIPアドレスを「192.168.1.1」とする。すなわち、データ系端末200はこれらのアドレスを送信元アドレス、宛先アドレスに設定したデータパケットを生成して送信する。
パケット転送装置300は、データ系端末200から送信されたデータパケットを受信し、受信したデータパケットに設定されている宛先IPアドレスからネットワークアドレスを読み取り(サブネットマスクは共通)、図4に示した構成のデータベースに登録されている在線情報と比較することで、宛先の車載端末1100が存在している列車1000が在線するLCX基地局またはミリ波基地局をパケットの転送先として特定する。この転送先の基地局の特定は、図8に示したフローチャートに従って行う。以下、図8を参照しながら、パケット転送装置300がアプリケーションデータつきのパケットを受信して転送先の基地局を特定する場合の動作を説明する。
パケット転送装置300は、データ系端末200からパケットを受信すると、まず、IPヘッダを確認する(ステップS1)。具体的には、図6(a)に示した構成のIPヘッダに格納されている全ての情報を一時的に保持しておくとともに、一時的に保持した情報の中から、送信元情報、宛先情報、上位層プロトコル情報およびデータサイズ情報を取得する。送信元情報は送信元IPアドレス領域21kに格納されている値「C0A8A1」、宛先情報は宛先IPアドレス領域21lに格納されている値「C0A811」であり、これらはそれぞれ「192.168.10.1」および「192.168.1.1」を表す16進数である。これにより、パケット転送装置300は、データ系端末200から車載端末1100に送信されるデータであると判定する。上位層プロトコル情報はプロトコル番号領域21iに格納されている値「6」である。これにより、パケット転送装置300は上位層プロトコルがTCPであると判定する。データサイズ情報はヘッダ長領域21bに格納されている値「5」とパケット長領域21dに格納されている値「104」から求める。ヘッダ長はIPヘッダのサイズを示す。ヘッダ長はオプションがないため最小値の20Byteであるが、32bit(4Byte)単位で数えるため20Byteの場合はヘッダ長領域21bの値は「5」になる。パケット長はIPヘッダを含めたパケット全体のサイズを示し、1040Byteである。ヘッダ長と同様4Byte単位で数えるため1040÷4=260となり、これを16進数表記した「104」がパケット長領域21dの値である。つまり、パケット長領域の値からヘッダ長領域の値を減算するとTCPパケットのサイズを示すデータサイズ情報を得ることができる。
パケット転送装置300は、ステップS1にて上位層プロトコルがTCPであることを確認すると、TCPヘッダを確認する(ステップS2)。具体的には、図6(b)に示した構成のTCPヘッダに格納されている全ての情報を一時的に保持しておくとともに、一時的に保持した情報の中から、送信元情報、宛先情報およびデータサイズ情報を取得する。送信元は送信元ポート番号領域22aに格納されている値、宛先情報は宛先ポート番号領域22bに格納されている値であり、ともに「14」である。これはFTPデータのポート番号「20」を16進数で表した値である。また、データサイズ情報はデータオフセット領域22eに格納されている値「5」であり、4Byte単位で数えるTCPヘッダ長20Byteを意味する。
パケット転送装置300は、次に、コネクション情報を更新する(ステップS3)。具体的には、上記ステップS1のIPヘッダ確認で取得した送信元IPアドレス、宛先IPアドレスおよびプロトコル番号領域に格納される値と、上記ステップS2のTCPヘッダ確認で取得した送信元ポート番号および宛先ポート番号と、に基づいて、受信パケットのコネクションを特定する。また、パケット転送装置300は、各コネクションで送受信されるデータのIPヘッダおよびTCPヘッダの情報(以下、ヘッダ情報と称す)を管理しており、上記のステップS1およびS2で取得した情報に基づいてコネクションを特定すると、特定したコネクションのヘッダ情報を、ステップS1およびS2で一時的に保持しておいたIPヘッダの値およびTCPヘッダの値に書き換えて更新する。ただし、受信したパケットがコネクション確立後最初の送信パケットである場合は、ステップS1およびS2で一時的に保持しておいたIPヘッダおよびTCPヘッダの値を上記特定したコネクションのヘッダ情報として新規に登録する。
パケット転送装置300は、コネクション情報を更新した後、受信パケットにTCPペイロードがあるかどうかを確認する(ステップS4)。具体的には、上記のステップS1およびS2で取得したIPヘッダのデータサイズ情報およびTCPヘッダのデータサイズ情報に基づいて、アプリケーションデータであるTCPペイロードの有無を判定する。IPヘッダのヘッダ長領域の値が「5」、パケット長領域の値が「104」であり、前述のとおり、パケット長領域の値からヘッダ長領域の値を減算した値がTCPパケットのサイズと一致する。一方、TCPヘッダのデータオフセット領域の値「5」はTCPヘッダのサイズを示すため、TCPパケットのサイズとTCPヘッダのサイズを比較することにより、TCPペイロードの有無を判定できる。つまり、IPヘッダのパケット長領域の値からヘッダ長領域の値を減算した値とTCPヘッダのデータオフセット領域の値を比較し、等しければTCPパケットがヘッダのみで構成されていると判定することができ、データオフセット領域の値が小さければ、ヘッダ部とペイロード部から成るTCPパケットであると判定することができる。具体的に比較すると、パケット長領域の値「104」−ヘッダ長領域の値は「5」=「FF」>データオフセット領域の値「5」となり、データオフセット領域の値が小さいためヘッダ部とペイロード部から成るパケットであると判定する。
パケット転送装置300は、受信パケットにTCPペイロードが存在しない場合(ステップS4:No)、LCXシステム、すなわち、列車1000が在線しているLCX基地局をパケットの転送先とする(ステップS6A)。一方、受信パケットにTCPペイロードが存在している場合(ステップS4:Yes)、受信パケットのヘッダ部、すなわち、IPヘッダおよびTCPヘッダ部を複製し、図5(a)に示した構成のヘッダ部のみから成るパケットを新規作成する(ステップS5)。このとき、IPヘッダのヘッダチェックサム領域21jの値およびTCPヘッダのチェックサム領域22iの値を更新する。これはペイロードがなくなったことによりパケット長が変化したためである。このように、ステップS5では、データ系端末200から受信したオリジナルパケットであるペイロード部ありのパケットからヘッダ部のみから成るパケットを新規パケットとして新たに作成する。すなわち、再送制御情報のみを複製する。そして、ミリ波システムおよびLCXシステム、すなわち、列車1000が在線しているLCX基地局およびミリ波基地局をパケットの転送先とする(ステップS6B)。
図7に示した動作の説明に戻り、パケット転送装置300は、図8に示した手順を実行して転送先の基地局を決定すると、転送するパケットをトンネリングして基地局へ転送する(ステップS101a,S101b)。
例えば、データ系端末200から受信したパケットがTCPペイロードありの場合、すなわち、オリジナルパケットおよび新規パケットを転送する場合、オリジナルパケットの転送用にミリ波基地局600とトンネリングし、新規パケットの転送用にLCX基地局500とトンネリングする。トンネリングする先を示すために、図5の(a)および(b)に示した各TCP/IPパケットをIPヘッダでカプセル化して図9の(a)および(b)に示したパケットを生成する。図9の(a)が、オリジナルパケットをIPヘッダ240でカプセル化したもの、図9の(b)が新規パケットをIPヘッダ240でカプセル化したものである。オリジナルパケットは、図9(a)に示したように、送信元IPアドレスにパケット転送装置300のIPアドレス「192.168.11.2」を設定し、宛先IPアドレスにミリ波基地局600のIPアドレス「192.168.31.6」を設定したIPヘッダでカプセル化し、送信する(ステップS101b)。新規パケットは、図9(b)に示したように、送信元IPアドレスにパケット転送装置300のIPアドレス「192.168.11.2」を設定し、宛先IPアドレスにLCX基地局500のIPアドレス「192.168.21.5」を設定したIPヘッダでカプセル化し、送信する(ステップS101a)。
また、データ系端末200から受信したパケットがTCPペイロードなしの場合、受信したパケットを、送信元IPアドレスにパケット転送装置300のIPアドレス「192.168.11.2」を設定し、宛先IPアドレスにLCX基地局500のIPアドレス「192.168.21.5」を設定したIPヘッダでカプセル化し、送信する(ステップS101a)。なお、データ系端末200から受信したパケットがTCPペイロードなしの場合、ステップS101bのミリ波基地局600への転送は行わない。
パケット転送装置300により転送されたパケットを受信したLCX基地局500およびミリ波基地局600は、トンネリング用にカプセル化された自装置宛てのIPヘッダをデカプセル化し、図5(a)および図5(b)に示した構成のパケットに戻した後、移動局に向けて送信する。LCX基地局500は、LCX移動局1400に向けてパケットを送信し(ステップS102a)、ミリ波基地局600は、ミリ波移動局1500に向けてパケットを送信する(ステップS102b)。
以上のように、ヘッダ部とペイロード部から成るパケットを送信する場合、オリジナルのパケットをミリ波システムで送信するとともに、ヘッダ部のみからなる新規パケットを生成してLCXシステムで送信するため、ヘッダ部に含まれる再送制御情報をアプリケーションデータよりも信頼性の高い無線アクセス方式を使って送信することができる。また、LCXシステムとミリ波システムのふたつの無線アクセス方式を使ってヘッダ部を送信しているため、再送制御情報の空間ダイバーシチ効果を得ることもできる。LCXシステムではヘッダ部のみからなるパケットを対象として送信するので、LCXシステムの帯域を必要以上に圧迫するのを防止できる。
列車1000では、上記のステップS102aで送信されたパケットをLCX移動局1400が受信してパケット転送装置1200へ転送するとともに、上記のステップS102bで送信されたパケットをミリ波移動局1500が受信してパケット転送装置1200へ転送する(ステップS103a,S103b)。
パケット転送装置1200は、LCX移動局1400およびミリ波移動局1500の一方または双方からパケットを受信すると、車載端末1100へ転送する(ステップS104)。このステップS104において、パケット転送装置1200は図10に示したフローに従った動作を実行してパケットを転送する。以下、パケット転送装置1200が車載端末1100へパケットを転送する動作について詳しく説明する。
パケット転送装置1200は、LCX移動局1400またはミリ波移動局1500からパケットを受信すると、IPヘッダを確認する(ステップS11)。このステップS11では、上述したパケット転送装置300が図8に示したステップS1を実行してIPヘッダを確認する動作と同様に、IPヘッダに格納されている全ての情報を一時的に保持しておくとともに、一時的に保持した情報の中から、送信元情報、宛先情報、上位層プロトコル情報およびデータサイズ情報を取得する。各情報を取得する具体的な動作はステップS1と同様であるため説明を省略する。IPヘッダを確認したパケット転送装置1200は、宛先情報から受信データが車載端末1100宛であると判断し、また、上位層プロトコル情報から上位層プロトコルがTCPであると判断する。
パケット転送装置1200は、上位層プロトコルがTCPであるため、次に、TCPヘッダを確認する(ステップS12)。このステップS12では、上述したパケット転送装置300が図8に示したステップS2を実行してTCPヘッダを確認する動作と同様に、TCPヘッダに格納されている全ての情報を一時的に保持しておくとともに、一時的に保持した情報の中から、送信元情報、宛先情報およびデータサイズ情報を取得する。各情報を取得する具体的な動作はステップS2と同様であるため説明を省略する。
パケット転送装置1200は、次に、コネクション情報を更新する(ステップS13)。このステップS13では、上述したパケット転送装置300が図8に示したステップS3を実行してコネクション情報を更新する動作と同様に、上記ステップS11で取得した送信元IPアドレス、宛先IPアドレスおよびプロトコル番号領域に格納される値と、上記ステップS12で取得した送信元ポート番号および宛先ポート番号と、に基づいて、受信パケットのコネクションを特定する。パケット転送装置1200も、パケット転送装置300と同様に各コネクションで送受信されるデータのヘッダ情報を管理しており、上記のステップS11およびS12で取得した情報に基づいてコネクションを特定すると、特定したコネクションのヘッダ情報を、ステップS11およびS12で一時的に保持しておいたIPヘッダの値およびTCPヘッダの値に書き換えて更新する。ただし、受信したパケットがコネクション確立後最初の送信パケットである場合は、ステップS11およびS12で一時的に保持しておいたIPヘッダおよびTCPヘッダの値を上記特定したコネクションのヘッダ情報として新規に登録する。
パケット転送装置1200は、コネクション情報の更新が完了すると、IPヘッダに設定されている宛先IPアドレスに従い通信路を確立し、宛先IPアドレスが示す相手へパケットを転送する(ステップS14)。ここでは、車載端末1100へパケットを転送する。
以上の図7に示したステップS100〜S104が、データ系端末200が車載端末1100へデータを送信する際のシーケンス、すなわち、下り回線のデータフローシーケンスである。TCPでの通信では、宛先の装置がパケットを受信すると、送信元の装置へ確認応答のパケットを返す必要がある。そのため、無線通信システムでは、図7に示したステップS105〜S109の処理をさらに実行する。以下、これらの各ステップについて説明する。
車載端末1100は、ペイロード部ありのTCPパケットを受信すると、ペイロード部からアプリケーションデータを取り出して上位レイヤに渡すとともに、送信元に対する確認応答のために、データ系端末200を宛先とする確認応答用パケットを生成する。以下、この確認応答用パケットをACKパケットと称する。ACKパケットにはペイロードを付加することが可能であり、送信データがある場合にはデータを一緒に送ってもよいが、ここでは説明の簡略化のため、ヘッダ部のみから成る構成として説明する。図6の(b)に示した構成のTCPヘッダのACK番号領域22dには受信できたパケットの値が格納されており、具体的には「受信パケットのシーケンス番号」と「受信したアプリケーションデータのサイズ」の合計値が格納されている。本実施の形態では1000byteのアプリケーションデータの送信を想定しているため、例えば、データ系端末200から送信されたパケットのシーケンス番号が「100」であり、かつ送信されたパケットの全てを正常に受信したとすると、ACK番号は100+1000=1100となる。また、ウィンドウサイズ領域22hに受信可能なデータサイズを示す値を格納することでフロー制御も行う。
車載端末1100は、上記のようにして生成した、ヘッダ部のみからなるACKパケットをTCP/IPパケット化してパケット転送装置1200へ送信する(ステップS105)。
パケット転送装置1200は、車載装置1100から上記のTCP/IPパケットを受信すると、ヘッダを解析してパケットの転送先を特定する。パケット転送装置1200がパケットの転送先を特定する動作は、すでに説明した、パケット転送装置300がデータ系端末200から受信したパケットの転送先を特定する動作、具体的には、図8に示したフローチャートに従った動作と同様である。そのため、詳しい動作については説明を省略するが、パケット転送装置1200は、ステップS4に示した、TCPペイロードがあるどうかの判定処理において、TCPペイロードなしと判定する。すなわち、車載装置1100から受信したTCP/IPパケットのヘッダ長領域21bの値が「5」、データオフセット領域22eの値が「5」、パケット長領域21dの値が「A」であり、パケット長領域の値「A」−ヘッダ長領域の値「5」=データオフセット領域の値「5」となるため、TCPペイロードなしと判断する。そして、LCXシステム、すなわち、LCX移動局1400をパケットの転送先とする。
なお、パケット転送装置1200は、車載装置1100から受信したTCP/IPパケットがTCPペイロード部ありのACKパケットの場合、図8のステップS5およびS6Bを実行する。すなわち、受信したACKパケットのヘッダを複製してTCPペイロードなしのACKパケットを新たに作成し、新たに作成したACKパケットの転送先をLCX移動局1400、TCPペイロード部ありのACKパケットの転送先をミリ波移動局1500とする。
パケット転送装置1200は、車載装置1100から受信したTCP/IPパケットの転送先を決定すると、決定した転送先へパケットを送信する。ここでは、受信したTCP/IPパケットにTCPペイロードが存在しないため、すなわち、TCPペイロードなしのACKパケットを受信したため、LCX移動局1400へACKパケットを送信する(ステップS106)。このとき、パケット転送装置1200は、ACKパケットの転送用にLCX移動局1400とトンネリングする。具体的には、送信元IPアドレスにパケット転送装置1200のIPアドレス「192.168.2.2」を設定し、宛先IPアドレスにLCX移動局1400のIPアドレス「192.168.2.4」を設定したIPヘッダでACKパケットをカプセル化する。そして、トンネリングした通信路を使ってLCX移動局1400へACKパケットを転送する。
なお、車載装置1100から受信したTCP/IPパケットがTCPペイロード部ありのACKパケットの場合、パケット転送装置1200は、オリジナルパケットであるTCPペイロード部ありのACKパケットをミリ波移動局1500へ転送するとともに、新たに生成したTCPペイロードなしのACKパケットをLCX移動局1400へ転送する。
パケット転送装置1200により転送されたACKパケットを受信したLCX移動局1400は、トンネリング用にカプセル化された自装置宛てのIPヘッダをデカプセル化し、デカプセル化後のACKパケットをLCX基地局500に向けて送信する(ステップS107)。
なお、パケット転送装置1200がTCPペイロード部ありのACKパケットをミリ波移動局1500へ転送する処理を併せて実行した場合、ミリ波移動局1500は、受信したTCPペイロード部ありのACKパケットをデカプセル化し、ミリ波基地局600に向けて送信する。
以上のように、ヘッダ部のみから成るパケットの送信動作において、パケット転送装置1200は、受信したパケットをそのままLCXシステムで送信する。また、ペイロード部が存在するパケットの送信動作において、パケット転送装置1200は、受信したパケットをそのままミリ波システムで送信するとともに、受信したパケットのヘッダ部であるIPヘッダおよびTCPヘッダを複製してヘッダ部のみから成るパケットを新たに生成し、LCXシステムで送信する。ヘッダ部のみから成るパケットをLCXシステムで送信することにより、TCPヘッダに含まれる再送制御情報の高信頼伝送を実現できるとともに、LCXシステムの帯域を必要以上に圧迫するのを防止できる。
LCX基地局500は、LCX移動局1400からパケットを受信すると、受信したパケットをパケット転送装置300へ転送する(ステップS108)。なお、ミリ波基地局600がミリ波移動局1400からパケットを受信した場合も同様に、受信したパケットをパケット転送装置300へ転送する。
パケット転送装置300は、LCX移動局1400からパケットを受信すると、データ系端末200へ転送する(ステップS109)。このステップS109において、パケット転送装置300は、列車1000に搭載されたパケット転送装置1200がLCX移動局1400またはミリ波移動局1500からパケットを受信して車載端末1100へ転送するステップS104と同様に、図10に示したフローに従った動作を実行してパケットを転送する。パケット転送装置300がデータ系端末200へパケットを転送する動作はパケット転送装置1200が車載端末1100へパケットを転送する動作と同様であるため、詳細説明は省略する。このとき、パケット転送装置300では受信したACKパケットが重複していた場合、そのパケットを破棄しても良い。
以上の図7に示したステップS105〜S109が、車載端末1100がデータ系端末200へパケットを送信する際のシーケンス、すなわち、確認応答の送信シーケンスである。
その後、データ系端末200は、車載端末1100から受信したACKパケットのACK番号領域22dの値を参照することでデータの送達を確認する。さらに送信データがある場合には、ウィンドウサイズ領域22hの値を参照し、ウィンドウサイズで許容されたサイズを超えない範囲でパケットを送信する。
以上のように、本実施の形態にかかる無線通信システムにおいて、パケット転送装置300および1200は、無線区間へ送信するパケットを受信した場合、受信したパケットのTCPペイロードの有無を判定基準として送信に適した無線アクセスシステムを選択し、その無線アクセスシステムの基地局、または、移動局へ転送する。具体的には、受信したパケットがヘッダ部のみから成るパケットの場合はLCXシステムへ転送し、受信したパケットがヘッダ部およびペイロード部から成るパケットの場合は、受信したパケットであるオリジナルパケットをミリ波システムへ転送するとともに、受信したパケットのヘッダ部のみからなるパケットを新たに作成してLCXシステムへ転送する。これにより、再送制御情報を含むヘッダ部をアプリケーションデータの送信で使用する無線アクセスシステムとは異なる高信頼の無線アクセスシステムを利用して送信することが可能になり、再送制御情報を高信頼に伝送できる。また、ヘッダ部のみを対象として高信頼の無線アクセスシステムで送信するので、高信頼の無線アクセスシステムの帯域を必要以上に圧迫してしまうのを防止できる。また、ヘッダ部のみから成るパケットにおいても、受信したパケットであるオリジナルパケットをミリ波システムへ転送するとともに、受信したパケットと同一のパケットを新たに作成してLCXシステムへ転送するようにしても良い。
本実施の形態におけるネットワーク形態は図1に示したものに限らず、システムに合わせて構築できることは自明である。また、同種の無線アクセスシステムを組み合わせる形態であっても良い。パケット転送装置もシステムに1台設置する構成に限定されない。例えば、システムを構築するエリアを複数グループに分け、各グループに対してパケット転送装置を設置してもよい。また、通信プロトコルもTCPに限ったものではなく、再送制御情報がヘッダに含まれ、アプリケーションデータがペイロードになっているフォーマットであればよい。IPのバージョンもIPv4に限らず、IPv6でもよいのは明らかである。無線アクセスシステムの組み合わせも図1に示したものに限定されない。
実施の形態2.
次に、実施の形態2の無線通信システムについて説明する。なお、無線通信システムの構成は実施の形態1と同様である。本実施の形態では、実施の形態1と異なる部分について説明する。
実施の形態1の無線通信システムでは、送信側のパケット転送装置がパケットの送信に適した無線アクセスシステムを選択し、選択した無線アクセスシステムにパケットを転送するものであった。具体的には、パケット転送装置は、データ系端末200または車載端末1100である終端装置から受信したパケットがヘッダ部のみから成るパケットであればLCXシステムへ転送し、ペイロード部つきパケットであればオリジナルパケットをミリ波システムへ転送するとともに、オリジナルパケットのヘッダ部のみからなる新規パケットを生成してLCXシステムへ転送するものであった。実施の形態1の無線通信システムによれば、ヘッダ部の情報を高信頼に送信することができ、TCPヘッダに含まれる再送制御情報の高信頼伝送を実現できる。
これに対して、本実施の形態では、実施の形態1の無線通信システムで得られる上記の効果に加えて、不要な再送制御情報の送信を抑えることが可能な無線通信システムを説明する。詳細については後述するが、本実施の形態のパケット転送装置は、パケットの転送先を特定する際、ペイロード部ありのパケットか否かの確認に加えて、ACKパケットか否かおよびACK番号が更新されたか否かを確認し、転送先を決定する。
実施の形態1でも説明したように、データ系端末200が送信するパケットを受け取って転送する地上側のパケット転送装置300の動作と車載端末1100が送信するパケットを受け取って転送する車上側のパケット転送装置1200の動作は同様である。そのため、本実施の形態では、パケット転送装置300の動作例を説明し、パケット転送装置1200の動作説明は省略する。パケット転送装置300およびパケット転送装置1200がパケットの転送先を特定する動作は図11に示したものとなる。図11に示した動作は、図8に示した動作のステップS3をステップS3Aに置き換え、さらに、ステップS45およびS6Cを追加したものである。これらのステップS3A、S45およびS6C以外の各ステップの処理については、図8の同じステップ番号を付した処理と同様であるため、説明を省略する。
パケット転送装置300は、データ系端末200からパケットを受信すると、転送先を特定するために、図11のステップS1およびS2を実行した後、ステップS3Aを実行してコネクション情報を更新する。ステップS3Aに示したコネクション情報の更新では、図8のステップS3に示したコネクション情報の更新動作に加えて、さらに、ACK番号の更新判定を行う。すなわち、パケット転送装置300は、ステップS1で取得した送信元IPアドレス、宛先IPアドレスおよびプロトコル番号領域に格納される値と、ステップS2で取得した送信元ポート番号および宛先ポート番号と、に基づいて、受信パケットのコネクションを特定し、特定したコネクションのヘッダ情報を、ステップS1およびS2で一時的に保持しておいたIPヘッダの値およびTCPヘッダの値に書き換えて更新する。さらに、上記特定したコネクションのヘッダ情報の更新においてTCPヘッダのACK番号領域の値が更新されたか否かを判定する。ACK番号更新の有無はヘッダ情報更新前後での差分によって判定する。差分が0ならACK番号の変更はなかったと判定し、0以外ならACK番号の更新があったと判定する。例えば、ヘッダ情報更新前のACKを「90」とする。このときヘッダ情報更新後のACK番号が「90」であれば差分が90−90=「0」となり、ACK番号の更新はなかったと判定し、ヘッダ情報更新後のACK番号が「100」であれば差分が100−90=「10」となり、ACK番号が更新されたと判定する。ACK番号が更新されたと判定すると「ACK番号更新確認」を内部情報として記憶する。例えば、ACK番号が更新された場合には、その旨を示すフラグを立てる。
また、パケット転送装置300は、受信パケットにTCPペイロードがあると判定した場合(ステップS4:Yes)、上記ステップS3Aのコネクション情報更新処理においてACK番号が更新されたかどうかを確認する(ステップS45)。上記の「ACK番号更新確認」が記憶されている場合はACK番号が更新されたと判断し(ステップS45:Yes)、ステップS5を実行する。ACK番号が更新されたと判断した場合は「ACK番号更新確認」の削除も行う。一方、上記の「ACK番号更新確認」が記憶されていない場合はACK番号が更新されていないと判断し(ステップS45:No)、ミリ波システムをパケットの転送先とする(ステップS6C)。この場合、パケット転送装置300は、ミリ波基地局600とトンネリングし、ペイロード部ありのパケットであるオリジナルの受信パケットを転送する。具体的には、送信元IPアドレスにパケット転送装置300のIPアドレス「192.168.11.2」を設定し、宛先IPアドレスにミリ波基地局600のIPアドレス「192.168.31.6」を設定したIPヘッダで受信パケットをカプセル化する。なお、コネクション情報の更新処理においてACK番号が更新されない場合、同じACK番号のACKをすでに送信済みであると判断できる。
本実施の形態にかかる無線通信システムにおいて、パケット転送装置300および1200は、ヘッダ部とペイロード部から成るパケットを受信した場合、ACK番号の更新の有無を確認し、ACK番号が更新されていなければミリ波システムの基地局または移動局へ転送し、ACK番号が更新されていれば、受信したオリジナルパケットをミリ波システムの基地局または移動局へ転送するとともに、受信したパケットのヘッダ部のみからなるパケットを新たに作成してLCXシステムの基地局または移動局へ転送する。ここで、受信したパケットのヘッダ部のみからなるパケットを新たに作成する条件を「ACK番号が更新された場合」としたのは、TCPにおける不要な再送を抑制するためである。TCPでは同値のACKを3回重複受信すると再送制御を行う。つまり、実施の形態1で説明したパケット転送装置のようにACK番号の更新を考慮せずヘッダを複製して送信してしまうと一度の送信で同値のACKを常に2回送信することになるため、ACKを3回重複して受信する可能性が高くなり、不要な再送が頻発することになる。しかし、ACK番号が更新された最初のパケットのヘッダのみを複製して送信することで、データ送信元の端末がACKを重複受信する機会を減らすことができ、データ受信側の端末が再送制御情報を必要なときだけ高信頼に送信することができる。また、LCXシステムの帯域を圧迫してしまうのを防止できる。なお、実施の形態1で説明したパケット転送装置において、ヘッダ部のみから成るパケットでもACK番号の更新を考慮せずヘッダを複製して送信する場合、ACK番号の更新の有無を確認し、ACK番号が更新されていなければLCXシステムの基地局または移動局へ転送し、ACK番号が更新されていれば、受信したオリジナルパケットをミリ波システムの基地局または移動局へ転送するとともに、受信したパケットと同一のパケットを新たに作成してLCXシステムの基地局または移動局へ転送する。
実施の形態3.
次に、実施の形態3の無線通信システムについて説明する。なお、無線通信システムの構成は実施の形態1,2と同様である。本実施の形態では、実施の形態1,2と異なる部分について説明する。
実施の形態1および2の無線通信システムでは、送信側のパケット転送装置において、トランスポート層の送信パケットのペイロードの有無、ACK番号更新の有無に基づいてパケットを転送することにより再送制御情報の高信頼性伝送を実現していた。これに対して、本実施の形態の無線通信システムでは、データリンク層における再送制御情報の高信頼性伝送を実現する。
ミリ波システムの送信機、すなわち、ミリ波基地局600,700,800、ミリ波移動局1500の各々が備えている送信機は、パケット転送装置300,1200から受信したパケットをデータリンク層においてフレーム化して送信する。ミリ波システムの受信機、すなわち、ミリ波基地局600,700,800、ミリ波移動局1500の各々が備えている受信機のデータリンク層では、受信したフレームの順序制御を行いデータの整合性をとった後、上位層のIPに受け渡す。また、このとき、フレームの送信側にACKまたはNACK(Negative Acknowledgement)である再送制御情報を送信して再送要求を行う。この機能をARQ(Automatic Repeat reQuest)といい、データリンク層がARQの機能を有することにより、例えばTCPであるトランスポート層における再送制御よりも早い段階でデータの誤りを修復することができる。
図12は、本実施の形態にかかる無線通信システムのデータリンク層で送受信するフレームの構成例を示す図である。本実施の形態にかかる無線通信システムにおけるデータリンク層は、順序制御、再送制御、フロー制御等の機能を有する独自プロトコルとする。この独自プロトコルを図12では「ORI」と記載している。
本実施の形態にかかる無線通信システムのデータリンク層で送受信するフレームは、ORIヘッダ610、ARQ再送データまたはIPパケットであるアプリケーションデータ620、誤り検出用ビットであるFCS(Frame Check Sequence)630により構成されている。また、ORIヘッダ610は、6Byte長の送信元IDを格納するための送信元ID領域611、6Byte長の宛先IDを格納するための宛先ID領域612、ORIヘッダ610からFCS630までの全フレーム長を示す2Byte長のフレーム長情報を格納するためのフレーム長領域613、フレームの種類を示す2Byte長のタイプ情報を格納するためのタイプ領域614、および、フレームの通し番号を示す6Byte長のシーケンス番号情報を格納するためのシーケンス番号領域615により構成されている。タイプ領域614に格納される値はそのフレームがアプリケーションデータを含むフレームであるのか、ACKフレームであるのか、またはNACKであるのかを示す。例えば、値が「0」であればアプリケーションデータ、「1」であればACK、「2」であればNACKとなる。シーケンス番号領域615は、3Byte長の移動局IDを格納するための移動局ID領域615a、および、フレームの通し番号を示す3Byte長の通し番号情報を格納するための通し番号領域615bを含んで構成されている。シーケンス番号領域615に格納されるシーケンス番号情報は、移動局ID領域615aに格納された移動局IDと通し番号領域615bに格納された通し番号情報を組み合わせた値である。これにより、移動局間でのシーケンス番号の重複を回避する。ただし、タイプ情報の値が「1」、すなわち、ACKフレームの場合のシーケンス番号の値は受信が完了した最後のフレームのシーケンス番号の値になる。また、タイプ情報の値が「2」、すなわち、NACKフレームの場合のシーケンス番号の値は誤りが検出されたフレームのシーケンス番号の値になる。なお、ACKを送信するフレーム、NACKを送信するフレームは、アプリケーションデータ620を含まない、ORIヘッダ610とFCS630のみから成るフレーム構成とする。
図13は、ミリ波基地局600内部のプロトコルスタックの一例を示す図である。実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。なお、ミリ波基地局700および800についても同様である。ミリ波基地局600内部のプロトコルスタックは、物理層のEthernet(登録商標)603、データリンク層のMAC(Media Access Control)604、ネットワーク層のIP605、データリンク層のORI606、ミリ波通信準拠の物理層607を含む。以下、ミリ波通信準拠の物理層607をミリ波物理層607と称する。
例えば、ミリ波基地局600が図1に示すパケット転送装置300からIPネットワーク400経由でデータを受信した場合、図13に示したプロトコルスタックにおいては、受信データをEthernet603で復調した後、MAC604に受け渡し、MAC604でMACヘッダを取り除き、IP605に受け渡す。IP605ではMAC604から受け取ったパケットをORI606に受け渡し、ORI606ではIP605から受け取ったパケットにORIヘッダを付与してフレーム化し、ミリ波物理層607に受け渡す。ミリ波物理層607では、ORI606から受け取ったフレームを変調し、アンテナ601から図1に示すミリ波移動局1500に向けて送信する。
一方、ミリ波基地局600がアンテナ601経由でミリ波移動局1500からデータを受信した場合、図13に示したプロトコルスタックにおいては、ミリ波物理層607で復調した後、ORI606にデータを受け渡す。ORI606では、ORIヘッダを取り除き、パケットをIP605に受け渡す。IP605ではORI606から受け取ったパケットをMAC604に受け渡し、MAC604ではIP605から受け取ったパケットにMACヘッダを付加してフレーム化し、Ethernet603に受け渡す。Ethernet603では、MAC604から受け取ったフレームを変調し、IPネットワーク400を経由して図1に示すパケット転送装置300に向けて送信する。
また、ORI606では、データを正常に受信した場合はACKフレームを、受信したデータで誤りが検出された場合にはNACKフレームを、アンテナ601からミリ波移動局1500へ送信して確認応答する。このとき生成するACKフレームおよびNACKフレームが再送制御情報となる。この場合の再送制御情報の構成は図14に示したものとなる。図14は、図12に示したORIヘッダ610の各領域に格納される値の具体例を示す図である。図14に示したように、送信元ID領域611にはミリ波基地局600のID「600」を16進数で表した「258」が格納され、宛先ID領域612にはミリ波移動局1500のID「1500」を16進数で表した「5DC」が格納される。フレーム長領域613には、ORIヘッダ+FCSの合計「26」Byteを16進数で表示した「1A」が格納され、タイプ領域614にはACKフレームであることを示す「1」が格納される。シーケンス番号領域615には16進数の「5DC064」が格納され、これを10進数で表記すると「15000100」となり、この値はIDが「1500」のミリ波移動局1500が送信した「0100」番目のデータフレーム、すなわち100番目のデータフレームまでを受信できたことを示している。
本実施の形態にかかる無線通信システムでは、ACKフレームまたはNACKフレームである再送制御情報をミリ波物理層607経由でアンテナ601から送信するのではなく、Ethernet603およびIPネットワーク400を介して一度LCXシステムに迂回させてからミリ波移動局1500に送信する。
そのため、ORI606では、再送制御情報としてACKフレームまたはNACKフレームの生成が完了するとIP605に渡す。このとき通常の受信データと区別するために専用のインタフェースを使って渡す。IP605は、専用インタフェースからの受信により受け取ったデータがORIの再送制御情報であると判定すると、IPヘッダを付加してカプセル化し、MAC604に渡す。付加したIPヘッダの送信元IPアドレスはミリ波基地局600のIPアドレス、宛先IPアドレスはLCX基地局500のIPアドレスに設定し、これによりLCX基地局500とトンネリングする。このとき、プロトコル番号領域に「140」を格納する。この値はIPヘッダに続くデータがORIフレームであることを示す。IP605でカプセル化されたパケットはMAC604およびEthernet603を経由して順次送信される。
本実施の形態にかかる無線通信システムにおいて再送制御情報を送信するシーケンスは図15に示したものとなる。
ミリ波基地局600は、図13に示したORI606で再送制御情報を生成すると、再送制御情報つきIPパケットとしてIPネットワーク400経由でLCX基地局500へ送信する(ステップS200)。
LCX基地局500は、IPネットワーク400経由でミリ波基地局600から送信された再送制御情報つきIPパケットを受信すると、受信したIPパケットをLCX移動局1400へ転送する(ステップS201)。このステップS201の動作を詳しく説明する。図16は、LCX基地局500内部のプロトコルスタックの一例を示す図である。実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。LCX基地局500内部のプロトコルスタックは、Ethernet503、MAC504、IP505、LCX通信準拠のデータリンク層506、LCX通信準拠の物理層507を含む。以下、LCX通信準拠のデータリンク層506をLCXデータリンク層506、LCX通信準拠の物理層507をLCX物理層507と称する。ミリ波基地局600からの受信パケットはEthernet503、MAC504での処理を経てIP505へ受け渡される。IP505では、IPヘッダのプロトコル番号領域に格納されている値を確認し、値が「140」であることからカプセル化されたデータがORIの再送制御情報であると判定する。そして、IP505は、IPヘッダを取り除いて図14に示したORIフレームの状態に戻す。その後、IP505は、ORIフレームとなった再送制御情報を再度IPヘッダでカプセル化する。このとき、IPヘッダの送信元IPアドレスにはLCX基地局500のIPアドレス、すなわち自装置のIPアドレスを設定し、宛先IPアドレスにはLCX移動局1400のIPアドレスを設定する。また、プロトコル番号領域には「140」を格納する。IP505はカプセル化が完了するとLCXデータリンク層506にパケットを渡し、LCXデータリンク層506は受け取ったパケットをフレーム化する。そして、LCXデータリンク層506はフレームをLCX物理層507に渡し、LCX物理層507は受け取ったフレームを変調し、LCXケーブル501を介してLCX移動局1400に向けて送信する。
LCX移動局1400は、LCX基地局500がLCXケーブル501を介して送信した再送制御情報つきIPパケットをアンテナ1401で受信すると、ミリ波移動局1500へ転送する(ステップS202)。なお、LCX移動局1400からミリ波移動局1500への転送はLAN1300を介して行われる。ステップS202の動作を詳しく説明する。図17は、LCX移動局1400内部のプロトコルスタックの一例を示す図である。実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。LCX移動局1400内部のプロトコルスタックは、Ethernet1403および1404、IP1405、LCXデータリンク層1406、LCX物理層1407を含む。LCX基地局500からの受信パケットはアンテナ1401からLCX物理層1407に受け渡され、LCX物理層1407およびLCXデータリンク層1406での処理を経て、IP1405に受け渡される。IP1405では、IPヘッダのプロトコル番号領域に格納されている値が「140」であることからカプセル化されたデータがORIの再送制御情報であると判定する。そして、IP1405は、IPヘッダを取り除いてORIフレームの状態に戻す。その後、IP1405は、ORIフレームを再度IPヘッダでカプセル化する。このとき、IPヘッダの送信元IPアドレスにはLCX移動局1400のIPアドレス、すなわち自装置のIPアドレスを設定し、宛先IPアドレスにはミリ波移動局1500のIPアドレスを設定する。また、プロトコル番号領域には「140」を格納する。IP1405はカプセル化が完了するとEthernet1404にパケットを渡し、パケットはEthernet1404および1403を介し、さらにLAN1300を介してミリ波移動局1500に転送される。
ミリ波移動局1500は、LAN1300を介してLCX移動局1400から転送されたフレームを受信する。その後、送信すべきデータがある場合には、データをミリ波基地局600へ送信する(ステップS203)。ミリ波移動局1500がLCX移動局1400からフレームを受信した場合の動作を詳しく説明する。図18は、ミリ波移動局1500内部のプロトコルスタックの一例を示す図である。実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。ミリ波移動局1500内部のプロトコルスタックは、Ethernet1503および1504、IP1505、ORI1506、ミリ波物理層1507を含む。ミリ波移動局1500において、LAN1300を介してLCX移動局1400から受信したフレームは、Ethernet1503および1504を経てIPパケットの状態でIP1505に受け渡される。IP1505では、IPヘッダのプロトコル番号領域に格納されている値が「140」であることからカプセル化されたデータがORIの再送制御情報であると判定する。そして、IP1505は、IPヘッダを取り除いてORIフレームの状態に戻した後、専用インタフェースを使ってORI1506に受け渡す。ORI1506では、専用インタフェースから受け取ったORIフレームのORIヘッダ610、具体的には、図14に示した値が設定されているORIヘッダ610の送信元ID611および宛先ID612を確認し、受け取ったORIレームがミリ波基地局600から自装置宛てに送信されたものであることを確認する。これにより、シーケンス番号「15000100」までのデータフレームの送達確認を完了する。再送制御情報がNACKである場合はシーケンス番号領域に格納されている値が示すシーケンス番号のORIフレームを再送する。また、再送制御情報がACKの場合にも、送信が完了しているフレームの最大シーケンス番号よりも値の小さいシーケンス番号のACKを受信したときは間のフレームが届かなかったことが分かるため、そのシーケンス番号以降の送信完了フレームを全て再送する、といったことも可能である。
本実施の形態では、上り回線でのデータ伝送、すなわち、車載端末1100がデータ系端末200宛にデータを送信する場合の動作について説明したが、下り回線でのデータ伝送においても同様に、ミリ波システムを介して送信したデータの再送制御情報をLCXシステムに迂回させて送信することが可能である。
実施の形態1,2と本実施の形態を組み合わせることも可能であり、組み合わせた場合にはさらに信頼性を高めることができる。
以上のように、本実施の形態にかかる無線通信システムにおいて、ミリ波基地局600、700および800は、ミリ波移動局1500から受信したデータの再送制御情報をLCXシステム経由で送信し、ミリ波移動局1500は、ミリ波基地局600、700または800から受信したデータの再送制御情報をLCXシステム経由で送信することとした。これにより、再送制御情報を、ミリ波システムよりも信頼性の高い無線アクセスシステムであるLCXシステムを使って送信することが可能となり、再送制御情報を高信頼に送信することができる。また、再送制御情報はLCXシステム経由のみで送信することに限られたものではなく、ミリ波システムとLCXシステムの双方で送信しても良い。
本実施の形態を上位プロトコルに依存せずに実現できることは明らかであり、例えば、UDP(User Datagram Protocol)のように自身に再送制御機能が備わっていないプロトコルをサポートすることも可能である。
各実施の形態で説明したパケット転送装置300および1200は、例えば、図19に示した処理回路、具体的には、プロセッサ11、メモリ12、通信装置13およびネットワークインタフェース14を備えた処理回路により実現される。具体的には、プロセッサ11が、パケット転送装置300または1200として動作するためのプログラムをメモリ12から読み出して実行することにより、パケット転送装置300または1200が実現される。
図19に示した処理回路がパケット転送装置300を実現する場合、通信装置13は、パケット転送装置300が位置情報管理サーバ100と通信する際およびデータ系端末200と通信する際に使用される。また、ネットワークインタフェース14は、パケット転送装置300がIPネットワーク400を介してLCX基地局500、ミリ波基地局600、700または800と通信する際に使用される。図19に示した処理回路がパケット転送装置1200を実現する場合、通信装置13は、パケット転送装置1200が車載端末1100と通信する際に使用される。また、ネットワークインタフェース14は、パケット転送装置1200がLAN1300を介してLCX移動局1400、ミリ波移動局1500と通信する際に使用される。
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、および磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
100 位置情報管理サーバ、101〜103,121 編成ID、104〜106,122 車内ネットワークアドレス、107〜109 LCX基地局ID、110〜112,116〜118 IPアドレス、113〜115 ミリ波基地局ID、200 データ系端末、300,1200 パケット転送装置、400 IPネットワーク、500 LCX基地局、501 LCXケーブル、502,602,702,802 セル、503,603,1403,1503 Ethernet、504,604 MAC、505,605,1405,1505 IP、600,700,800 ミリ波基地局、601,701,801,1401,1501 アンテナ、606,1506 ORI、607,1507 ミリ波物理層、610 ORIヘッダ、611 送信元ID領域、612 宛先ID領域、613 フレーム長領域、614 タイプ領域、615 シーケンス番号領域、615a 移動局ID領域、615b 通し番号領域、620 アプリケーションデータ、630 FCS、1000 列車、1100 車載端末、1300 LAN、1400 LCX移動局、1500 ミリ波移動局。

Claims (9)

  1. 第1の無線アクセスシステムおよび第2の無線アクセスシステムを備え、前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置であって、
    前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信するか、前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合には、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する、
    ことを特徴とするパケット転送装置。
  2. 第1の無線アクセスシステムおよび第2の無線アクセスシステムを備え、前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置であって、
    前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する、
    ことを特徴とするパケット転送装置。
  3. 前記第1の無線アクセスシステムをミリ波システムのネットワークとし、前記第2の無線アクセスシステムをLCXシステムのネットワークとする、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のパケット転送装置。
  4. 第1の無線アクセスシステムと、
    第2の無線アクセスシステムと、
    通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置と、
    を備え、
    前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好であり、
    前記パケット転送装置は、前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信するか、前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合には、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 第1の無線アクセスシステムと、
    第2の無線アクセスシステムと、
    通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置と、
    を備え、
    前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好であり、
    前記パケット転送装置は、前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  6. 第1の基地局と第1の移動局が通信するための第1の無線アクセスシステムと、
    第2の基地局と第2の移動局が通信するための第2の無線アクセスシステムと、
    前記第1の基地局と前記第2の基地局が直接通信するための基地局間通信用ネットワークと、
    前記第1の移動局と前記第2の移動局が直接通信するための移動局間通信用ネットワークと、
    を備え、
    前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好であり、
    前記第1の基地局は、前記第1の移動局からフレームを受信した場合、当該受信したフレームの再送制御情報を前記基地局間通信用ネットワーク、前記第2の無線アクセスシステムおよび前記移動局間通信用ネットワークを介して前記第1の移動局へ送信し、
    前記第1の移動局は、前記第1の基地局からフレームを受信した場合、当該受信したフレームの再送制御情報を前記移動局間通信用ネットワーク、前記第2の無線アクセスシステムおよび基地局間通信用ネットワークを介して前記第1の基地局へ送信する、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  7. 前記第1の無線アクセスシステムをミリ波システムのネットワークとし、前記第2の無線アクセスシステムをLCXシステムのネットワークとする、
    ことを特徴とする請求項4、5または6に記載の無線通信システム。
  8. 第1の無線アクセスシステムおよび第2の無線アクセスシステムを備え、前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置が実行するパケット転送方法であって、
    前記通信端末から受信したパケットを解析してペイロードを含んだパケットか否かを判定する解析ステップと、
    前記受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信するか、前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合には、前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに、前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する転送ステップと、
    を含むことを特徴とするパケット転送方法。
  9. 第1の無線アクセスシステムおよび第2の無線アクセスシステムを備え、前記第1の無線アクセスシステムは前記第2の無線アクセスシステムよりも大容量データ伝送が可能であり、かつ前記第2の無線アクセスシステムは前記第1の無線アクセスシステムよりも通信品質が良好である無線通信システムにおいて、通信端末で生成されたパケットを受け取って前記第1の無線アクセスシステムおよび前記第2の無線アクセスシステムの少なくとも一方へ転送するパケット転送装置が実行するパケット転送方法であって、
    前記通信端末から受信したパケットを解析してペイロードを含んだパケットか否かを判定する解析ステップと、
    前記通信端末から受信したパケットがペイロードを含んでいない場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第2の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットと同一のパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信し、前記受信したパケットがペイロードを含んでいる場合、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じであれば前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送し、前記受信したパケットのヘッダに含まれているACK番号が前回転送したパケットのヘッダに含まれていたACK番号と同じでなければ前記受信したパケットを前記第1の無線アクセスシステムへ転送するとともに前記受信したパケットからペイロードを削除したパケットを生成して前記第2の無線アクセスシステムへ送信する転送ステップと、
    を含むことを特徴とするパケット転送方法。
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