JPWO2015190297A1 - 波力発電システム - Google Patents

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孝昌 重松
加藤 健司
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真弥 吉岡
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雅一 中里
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Abstract

静穏性を保ちつつ、発電効率を向上させることができる波力発電システムが提供される。前記波力発電システムは、防波堤と共に用いられ、波のエネルギーを消散させるとともに、前記波のエネルギーから発電を行う波力発電システムであって、回転体列と、発電機とを備える。前記防波堤は、水中に設置され、不透過壁を有するが、前記不透過壁の沖側に透過性の前壁を有さない防波堤である。前記回転体列は、前記不透過壁の沖側において、平面視において前記不透過壁の延びる方向に沿って配列された複数の回転体からなる。前記発電機は、前記複数の回転体の回転エネルギーを電力に変換する。

Description

本発明は、波のエネルギーを消散させるとともに、波のエネルギーから発電を行う波力発電システムに関する。
近年、化石燃料の枯渇や地球温暖化等の環境問題への対策として、再生可能エネルギー(自然エネルギー)を利用した発電が注目を集めている。これらのうち波力発電は、地球表面の7割もの領域を覆う海において発生する波力を利用するものであり、有力なエネルギー源として着目されている。
しかしながら、船舶の航行安全や漁場確保等の観点から、海洋に構造物を設置することが厳しく制限される場合があり、波力発電システムの設置が困難となる場合がある。かかる問題に鑑み、特許文献1は、港湾海域に比較的多く設置されている防波堤の遊水室内に水車を設置した波力発電システムを開示している。すなわち、特許文献1の波力発電システムは、既存の港湾インフラを利用するため設置が容易となり、更には、発電装置や送電施設の付加に掛かるコストを低減することもできる。
ところで、特許文献1では、岸側に不透過壁と、沖側に縦スリットを有する透過性の前壁とを備えた防波堤が利用される。この種の防波堤は、不透過壁で波を反射させることで岸側の静穏性を確保するととともに、前壁の縦スリットの近傍で発生する渦により、波のエネルギーを消散させる。これにより、不透過壁における波の反射率を低下させ、岸側だけでなく、船舶等の通過する沖側の静穏性をも確保することができる。
特開2013−2410号公報
しかしながら、透過性の前壁によって波のエネルギーを消散させることは、消波の観点からは必要に思われるが、発電の観点からは非効率である。
本発明は、静穏性を保ちつつ、発電効率を向上させることができる波力発電システムを提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係る波力発電システムは、防波堤と共に用いられ、波のエネルギーを消散させるとともに、前記波のエネルギーから発電を行う波力発電システムであって、回転体列と、発電機とを備える。前記防波堤は、水中に設置され、不透過壁を有するが、前記不透過壁の沖側に透過性の前壁を有さない防波堤である。前記回転体列は、前記不透過壁の沖側において、平面視において前記不透過壁の延びる方向に沿って配列された複数の回転体からなる。前記発電機は、前記複数の回転体の回転エネルギーを電力に変換する。
ここでは、防波堤における不透過壁の沖側において、透過性の前壁が設置されることなく、これに代えて、回転体列が設置される。これにより、従来、前壁の透水孔(スリット)の近傍において渦を発生させることにより消散させられていた波のエネルギーは、回転体の回転に効率的に用いられることになる。すなわち、消波の観点からは、回転体の回転エネルギーとして波のエネルギーを消散させつつも、発電の観点からは、過剰な渦の発生によるエネルギーロスを防ぐことができる。従って、静穏性を保ちつつ、従来、意図的に消散させられていた波のエネルギーを発電のエネルギー源として利用することにより、発電効率を向上させることができる。
本発明の第2観点に係る波力発電システムは、第1観点に係る波力発電システムであって、前記回転体列に含まれる隣り合う回転体は、相反する方向に回転するように構成されている。
ここでは、隣接する回転体の動きが干渉することがなく、水流がスムーズに回転体列を通過することができる。従って、発電効率をさらに向上させることができる。
本発明の第3観点に係る波力発電システムは、第1観点又は第2観点に係る波力発電システムであって、第1整流部材及び第2整流部材の少なくとも一方をさらに備える。前記回転体列に含まれる隣り合う回転体の回転軸間が、沖側から前記不透過壁側に流入する波が通過する流入領域、又は前記不透過壁側から沖側へ流出する波が通過する流出領域となる。前記流入領域及び前記流出領域は、各々少なくとも1つ形成される。前記第1整流部材は、前記流出領域の沖側の近傍に配置され、沖側から前記不透過壁側に流入する波を前記流入領域に導く。前記第2整流部材は、前記流入領域の前記不透過壁側の近傍に配置され、前記不透過壁側から沖側へ流出する波を前記流出領域に導く。
ここでは、隣り合う回転体の回転軸間が波の流入領域又は流出領域となる。なお、回転体列に含まれる隣り合う回転体が相反する方向に回転する場合には、流入領域及び流出領域は交互に形成される。また、ここでは、第1整流部材により、不透過壁側に流入しようとする波が流入領域に導かれ、及び/又は、第2整流部材により、不透過壁側から流出しようとする波が流出領域に導かれる。すなわち、第1整流部材が流入しようとする波を淀みなく流入領域へ導き、及び/又は第2整流部材が流出しようとする波を淀みなく流出領域へ導くことができる。従って、発電効率をさらに向上させることができる。
本発明の第4観点に係る波力発電システムは、第3観点に係る波力発電システムであって、前記回転体列に含まれる回転体は、前記流入領域に対応する箇所と前記流出領域に対応する箇所とで異なる間隔を空けて配列されている。
本発明の第5観点に係る波力発電システムは、第1観点から第4観点のいずれかに係る波力発電システムであって、前記回転体列に含まれる回転体は、不等間隔で配列されている。
本発明の第6観点に係る波力発電システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る波力発電システムであって、前記不透過壁から水平方向に広がり、前記回転体を支持する上壁部をさらに備える。
ここでは、不透過壁と回転体等とをユニット化することができるため、現地での設置作業を容易にすることができる。
本発明の第7観点に係る波力発電システムは、第1観点から第5観点のいずれかに係る波力発電システムであって、ケーソンをさらに備える。前記ケーソンは、前記不透過壁と、前記不透過壁の下部及び上部からそれぞれ沖側に延びる底部及び上壁部とを有する。
本発明の第8観点に係る波力発電システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係る波力発電システムであって、前記回転体列が設置され、前記回転体列の設置箇所の水深が沖側の箇所の水深よりも浅くなるようにされた土台をさらに備える。
ここでは、回転体の設置箇所が土台により嵩上げされ、当該設置箇所よりもさらに沖側の箇所と比べて水位の低い(浅い)位置に回転体が設置される。従って、この場合、回転体間を通過する波の進行速度が速くなり、波のエネルギーの散逸が大きくなる。よって、波の反射率を低下させることができる。
本発明の第9観点に係る波力発電システムは、第8観点に係る波力発電システムであって、前記土台は、沖側に面する垂直面を有する。
ここでは、水車の沖側の近傍で急激に水深が変化する段差が形成され、流入してくる波の流速が速くなる。従って、波の反射率がさらに低下し、発電効率がさらに向上する。
本発明の第10観点に係る波力発電システムは、第1観点から第9観点のいずれかに係る波力発電システムであって、前記回転体は、波の方向によらず一定の方向に回転する水車である。
ここでは、不透過壁に対する寄せ波時においても、引き波時においても、回転体が同じ方向に回転する。従って、発電効率をさらに向上させることができる。
本発明の第11観点に係る波力発電システムは、第10観点に係る波力発電システムであって、前記回転体は、サボニウス水車である。
ここでは、回転体として、サボニウス水車が利用される。従って、低回転でも大きなトルクが発生し、低流速でも稼働し易い発電システムを構築することができる。
本発明の第12観点に係る波力発電システムは、第1観点から第11観点のいずれかに係る波力発電システムであって、前記回転体の回転軸は、鉛直方向に延びている。なお、本明細書において「鉛直方向」というときには、特に断らない限り、鉛直方向に完全に平行な場合と、鉛直方向に概ね平行な場合とが含まれるものとする。
ここでは、発電機を水上等の適切な位置に容易に設置することができる。
本発明によれば、消波の観点からは、回転体の回転エネルギーとして波のエネルギーを消散させつつも、発電の観点からは、エネルギーロスを防ぐことができる。従って、静穏性を保ちつつ、従来、意図的に消散させられていた波のエネルギーを発電のエネルギー源として利用することにより、発電効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る波力発電システムの縦断面図。 図1のII−II断面図。 本発明の第2実施形態に係る波力発電システムの縦断面図。 図3のIV−IV断面図。 本発明の第3実施形態に係る波力発電システムの横断面図。 本発明の第4実施形態に係る波力発電システムの横断面図。 変形例に係る波力発電システムの横断面図。 別の変形例に係る波力発電システムの縦断面図。 さらに別の変形例に係る波力発電システムの縦断面図。 実施例1に係る波力発電システムを含む実験設備の側面図。 実施例1に係る波力発電システムの平面図(Ds=0.084mの場合)。 実施例1に係る波力発電システムの平面図(Ds=0.140mの場合)。 実施例1に係る波力発電システムの平面図(Ds=0.210mの場合)。 実施例1における実験設備に含まれる動力計測システムの側面図。 実施例1(点)及び比較例(曲線)における反射率の比較結果を示すグラフ(Ds/h=0.215の場合)。 実施例1(点)及び比較例(曲線)における反射率の比較結果を示すグラフ(Ds/h=0.350の場合)。 実施例1(点)及び比較例(曲線)における反射率の比較結果を示すグラフ(Ds/h=0.525の場合)。 実施例1における反射率と負荷トルクとの関係を示すグラフ(Ds/h=0.215の場合)。 実施例1における反射率と負荷トルクとの関係を示すグラフ(Ds/h=0.350の場合)。 実施例1における反射率と負荷トルクとの関係を示すグラフ(Ds/h=0.525の場合)。 実施例1における動力獲得効率を示すグラフ(Ds/h=0.215の場合)。 実施例1における動力獲得効率を示すグラフ(Ds/h=0.350の場合)。 実施例1における動力獲得効率を示すグラフ(Ds/h=0.525の場合)。 実施例1における水車の回転速度を示すグラフ(Ds/h=0.215の場合)。 実施例1における水車の回転速度を示すグラフ(Ds/h=0.350の場合)。 実施例1における水車の回転速度を示すグラフ(Ds/h=0.525の場合)。 実施例2に係る波力発電システムを含む実験設備の平面図(上図)及び側面図(下図)。 実施例2に係る波力発電システムの正面図。 実施例2に係る波力発電システムの平面図。 実施例2及び比較例における反射率の比較結果を示すグラフ(l’=0.24mの場合) 実施例2及び比較例における反射率の比較結果を示すグラフ(l’=0.34mの場合)。 実施例2及び比較例における反射率の比較結果を示すグラフ(l’=0.44mの場合)。 実施例2におけるエネルギー変換効率と負荷トルクとの関係を示すグラフ(case2)。 実施例2におけるエネルギー変換効率と負荷トルクとの関係を示すグラフ(case3)。 実施例2における反射率及び水車間を通過する最大流速を示すグラフ。 実施例2における一次変換効率を示すグラフ(l/l’=0.91の場合)。 実施例2における一次変換効率を示すグラフ(l/l’=0.45の場合)。
以下、図面を参照しつつ、本発明のいくつかの実施形態に係る波力発電システムについて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.波力発電システムの構成>
図1及び図2に、第1実施形態に係る波力発電システム1を示す。図1は、波力発電システム1の縦断面図であり、図2は、図1のII−II断面図である。波力発電システム1は、海中に設置され、防波堤としての機能と、発電システムとしての機能を有する構造物である。図1及び図2に示すとおり、波力発電システム1は、不透過壁10と、不透過壁10の沖側に設置される水車列2(回転体列)とを備える。不透過壁10は、波の進行方向と交差するように延び、岸側と沖側とを分離するように設置される。水車列2は、複数の水車20(回転体)を、平面視において不透過壁10の延びる方向に沿って配列することにより構成される。図2に示すように、水車列2を構成する複数の水車20の回転軸21を結んだ線と、不透過壁10とは、平面視において概ね平行である。
図1に示すとおり、不透過壁10は、海底に形成された土台11上に設置され、土台11上から鉛直方向に起立している矩形状の平板である。不透過壁10の上部からは、沖側へと矩形状の屋根部12(上壁部)が不透過壁10に直交するように突出しており、不透過壁10の下部からは、沖側へと矩形状の底部13が不透過壁10に直交するように突出している。すなわち、屋根部12及び底部13は、水平方向に広がっている。底部13は、土台11上に設置され、底部13と一体に形成されている不透過壁10及び屋根部12を強固に支持している。本実施形態に係る水車20は、鉛直方向に延びる回転軸21を有しており、回転軸21の下部が、底部13に回転可能に固定されている。屋根部12の下部には、発電機3が設置されており、回転軸21の上部は、発電機3に回転可能に受け取られている。不透過壁10と屋根部12と底部13とはケーソンを構成し、例えば、コンクリート製である。土台11も、コンクリート製とすることができる。
土台11は、ケーソンや水車列2を安定的に支持する役割も果たすが、波の反射率を低下させることもできる。また、発電効率を上げることも可能である。すなわち、水車20の設置位置が土台11(及び底部13)により嵩上げされることで、水位の低い(浅い)位置に水車20が設置されることになり、この場合、水車20間を通過する波の進行速度が速くなり、波のエネルギーの散逸が大きくなるからである。本実施形態の土台11は、不透過壁10と水車列2との間を広がり、水車列2の沖側の近傍から沖側に向かって下方へ傾斜している。
不透過壁10は、防波堤を構成し、沖側からの波を反射させ、沖側へと返す役割を果たす構造物である。不透過壁10は、沖側に垂直面を有している。海面の水位は、潮の満ち引きや気象条件に応じて変動するが、本実施形態に係る不透過壁10は、一般的な気象条件下では、任意の時刻において海面を超える程度の高さである。また、不透過壁10と水車列2とは、遊水室を構成するかの如く、一定の間隔を空けて配置されている。
沖側から水車列2に達した波は、水車列2を通過して不透過壁10に衝突して反射する。そして、反射波は、水車列2を再度通過して、沖側へと戻ってゆく。この間、水車列2を通過する波の作用により、水車20が各々回転し、波のエネルギーが水車20の回転エネルギーへと変換される。すなわち、水車列2は、不透過壁10とともに、波のエネルギーを消散させる消波工の役割を果たす。また、不透過壁10の沖側には、上記のとおり水車列2が設置されているが、従来の透水孔を有する透過性の前壁(特許文献1参照)は設置されていない。この意味で、水車列2は、従来の防波堤に用いられている透過性の前壁の代替となるものと言える。
本実施形態に係る水車20は、波の方向によらず一定の方向に回転する水車である。従って、不透過壁10に対する寄せ波時においても引き波時においても、各水車20は同じ方向に回転し、発電に寄与する。また、図1に示すように、本実施形態に係る各水車20は、共通の回転軸21を有する上下方向に積層された複数段(本実施形態では、三段)のサボニウス水車20A〜20Cを有する。従って、水車20は、サボニウス水車の一般的な性質として、低回転で大きなトルクを発生し、低流速で稼働し易い性質を有する。なお、他の実施形態では、各水車20を一段構成とすることも可能である。本実施形態に係る水車20は、一般的な気象条件下では、上下方向に並ぶサボニウス水車20A〜20Cの少なくとも一部が、任意の時刻において海面下に存在するように配置されている。従って、波力発電システム1は、波の干満の影響を受けることなく、常時、全ての水車20を回転させることができる。
図2に示すように、本実施形態に係るサボニウス水車20A〜20Cは、各々、横断面視において半円状の水車翼22を2枚ずつ有する。これらの2枚の水車翼22は、一方を回転軸21の周りで180°回転させたときに他方に重なるような位置関係で配置されている。また、上下方向に隣接するサボニウス水車の水車翼22は、回転軸21の周りで所定の角度だけずれた位置に配置されており、これにより、水車20全体の回転が滑らかにされている。なお、本実施形態では、このずれの角度は、360°をサボニウス水車の段数である3で除した120°に設定されており、回転の滑らかさが最適化されている。
また、図2に示すように、本実施形態に係る水車列2に含まれる隣り合う2つの水車20は、相反する方向に回転するように構成されている。すなわち、水車列2では、時計回りの水車20と、反時計回りの水車20とが交互に配列されている。その結果、隣接する水車20間で、水車20の動き、あるいはこれ伴う水流の向きが干渉することがなく、波がスムーズに水車列2を通過することができる。なお、水車列2に含まれる複数の水車20は、隣り合う2つの水車の回転方向が異なる点を除き、同様の構造を有している。
なお、水車列2に含まれる隣り合う2つの水車が相反する方向に回転する構成(以下、互い違い回転構成)は、本実施形態に係る波力発電システム1のみならず、様々な波力発電システムにおいて採用することができる。例えば、特許文献1に記載されるような、不透過壁の沖側に透過性の前壁を有する防波堤の遊水室内に配置される水車列に対しても、互い違い回転構成を適用することができる。
以上のとおり、波の作用により水車20が回転すると、発電機3は、その回転力を回転軸21を介して受け取り、発電を行う。なお、水車の回転エネルギーを電力に変換する発電機の構成については、周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。発電機3は、回転軸21の回転エネルギーを電力に変換することができる限り、構成は問わない。発電機3の配置に関しても同様であり、回転軸21の上方に限らず、任意の位置に設置することができる。
そして、発電機3で発電された電力は、図示されない送電設備を介して、陸側の変電所等に送電される。波力発電システム1は、防波堤の機能を果たすべく、通常近海に設置されているため、送電による電力損失が抑制されるようになっている。
以上より、波力発電システム1では、波のエネルギーは、水車20の回転エネルギーに効率的に変換され、当該回転エネルギーが発電機3により電力に変換される。これにより、波のエネルギーが消散し、消波が行われるとともに、波のエネルギーから効率的に発電することができる。
<1−2.特徴>
波力発電システム1では、防波堤における不透過壁10の沖側において、透過性の前壁が省略されており、これに代えて、水車列2が設置されている。これにより、波のエネルギーは、透過性の前壁を備える従来の波力発電システムのように、前壁の透水孔の近傍において発生する渦により消散させられることなく、水車列2の回転に効率的に用いられる。すなわち、消波の観点からは、水車列2の回転エネルギーとして波のエネルギーを消散させつつも、発電の観点からは、渦の発生によるエネルギーロスが防止されている。従って、波力発電システム1では、静穏性が保たれるとともに、発電効率が高められている。
波力発電システム1は、例えば、漁港や商業港、避難港等の港湾施設として実現することが可能である。また、波力発電システム1は、既存の防波堤が劣化等によって置換する必要が生じた場合等であれば、比較的円滑に導入を図ることができる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る波力発電システム101について説明する。図3は、波力発電システム101の縦断面図であり、図4は、図3のIV−IV断面図である。波力発電システム101は、海中に設置され、防波堤としての機能と、発電システムとしての機能を有する構造物であり、第1実施形態に係る波力発電システム1と多くの点で共通する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明することとし、第1実施形態と同様の構成には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
波力発電システム101は、第1実施形態と同様に、不透過壁10、屋根部12(上壁部)、底部13、土台11、水車列2及び発電機3を備える他、第1整流部材150及び第2整流部材160を備える。本実施形態に係る波力発電システム101と、第1実施形態に係る波力発電システム1との主な相違点は、第1整流部材50及び第2整流部材60が存在するか否かにある。
また、第2実施形態に係る水車列2は、第1実施形態と同様、複数の水車120(回転体)を不透過壁10から一定の間隔を空けつつ、平面視において不透過壁10の延びる方向に沿って配列することにより構成される。しかしながら、各水車120は、第1実施形態と異なり、サボニウス水車が上下方向に積層された複数段構成とはなっておらず、一段構成である。しかしながら、第2実施形態のサボニウス水車120を多段構成とすることもできる。
水車120は、上下方向に上から順に、軸上部131、翼部132及び軸下部133を有している。翼部132は、上フランジ134、下フランジ135及び一対の水車翼136を含んでいる。
各水車翼136は、半円筒形状であり、水車120は、2枚の水車翼136が水車120の回転軸121に対して180°回転対称に配置されたサボニウス型である。このため、第1実施形態と同様、水車120も、一方向にのみ回転することができる。各水車翼136は、上端部に上フランジ134が連結され、下端部に下フランジ135が連結されており、両フランジ134,135の外周に達しているが、外周から外側へは突出していない。また、水車翼136の上部は、一般的な気象条件下では、常に水面114よりも上方に露出している。軸上部131及び軸下部133は、不透過壁10に対して平行であり、不透過壁10から一定の距離を空けて配置されている。
上フランジ134の上面の中心には、軸上部131の下端部が連結されており、軸上部131と上フランジ134とは同軸である。軸上部131は、鉛直方向に延びており、その上端部が屋根部12に設けられた貫通孔115に挿入され、回転自在に軸支されている。同様に、下フランジ135の下面の中心には、軸下部133の上端部が連結されており軸下部133と下フランジ135とは同軸である。軸下部133は、鉛直方向に延びており、その下端部が底部13の上面に設けられた軸受孔116に挿入され、回転自在に軸支されている。
また、図4に示すように、本実施形態に係る隣り合う2つの水車120も、相反する方向に回転するように構成されている。すなわち、平面視において反時計回りに回転する水車120(以下、第1水車120Aということがある)と、平面視において時計回りに回転する水車(以下、第2水車120Bということがある)とが、水車120の配列方向に沿って交互に配列されている。横断面視において、隣り合う第1水車120Aと第2水車120Bとは、両水車120A,120Bの回転軸121から等距離にある直線に対し、線対称な形状を有している。水車列2の間を波が通過するとき、第1水車120Aの2枚の水車翼136は、いずれも当該第1水車120Aが平面視において反時計回りに回転するように波に押される。同様に、第2水車120Bの2枚の水車翼136も、いずれも当該第2水車120Bが平面視において時計回りに回転するように波に押される。
以上のとおり、隣り合う水車120A,120Bは、回転方向が逆向きである。このため、隣り合う第1水車120Aの回転軸121と、第2水車120Bの回転軸121との間は、沖側から不透過壁10側に流入しようとする波F1が通過する流入領域118、又は不透過壁側から沖側へ流出しようとする波F2が通過する流出領域119となる。流入領域118と流出領域119とは、水車120の配列方向に沿って交互に形成される。
本実施形態では、第1整流部材150は複数存在して列を形成しており、第2整流部材160も複数存在して列を形成している。第1整流部材150及び第2整流部材160は、各々、鉛直方向に延びており、それぞれの上端部が屋根部12の下面に固定され、それぞれの下端部が底部13の上面に固定されている。第1整流部材150及び第2整流部材160は、直方体形状であり、図4に示すように、横断面(水平方向の断面)形状は正方形である。第1整流部材150及び第2整流部材160の正方形である横断面の対角線の寸法は、水車120の上フランジ134及び下フランジ135の直径とほぼ同じである。
第1整流部材150は、流出領域119の沖側の近傍に配置され、その横断面の4つの頂点のうちの1つ(以下、第1頂点151という)を流出領域119側に向けている。より詳しくは、第1整流部材150は、横断面視において第1整流部材150の第1頂点151とその対角の第2頂点152とを通る仮想線142が、隣り合う第1水車120A及び第2水車120Bの回転軸121にそれぞれ対応する点を通る仮想線分141の中点又はその近傍を通るように配置されている。仮想線142及び仮想線分141は、直交する。第1頂点151は、仮想線分141より沖側にあるが、第1整流部材150は、隣り合う第1水車120Aと第2水車120Bとの間に形成された隙間に入り込んでいる。
第2整流部材160は、流入領域118の不透過壁10側の近傍に配置され、その横断面の4つの頂点のうちの1つ(以下、第1頂点161という)を流入領域118側に向けている。より詳しくは、第2整流部材160は、横断面視において第2整流部材160の第1頂点161とその対角の第2頂点162とを通る仮想線144が、隣り合う第1水車120A及び第2水車120Bの回転軸121にそれぞれ対応する点を通る仮想線分143の中点又はその近傍を通るように配置されている。仮想線144及び仮想線分143は、直交する。第1頂点161は仮想線分143より不透過壁10側にあるが、第2整流部材160は、隣り合う水車120間に形成された隙間に入り込んでいる。
次に、この波力発電システム101が波を消波しつつ、発電する仕組みについて説明する。図4に示すように、不透過壁10側に流入しようとする波F1は、流出領域119の下流側に配置された第1整流部材150の沖側に位置する第2頂点152に対応する角部にぶつかり左右(図4における上下方向、以下同じ)に分けられ流入領域118に導かれる。その後、波F1は、第1水車120A及び第2水車120Bの水車翼136の内周面を押して、両水車120A,120Bを回転させる。このとき、平面視において第1水車120Aは反時計回りに回転し、第2水車120Bは時計回りに回転する。波F1は、第1水車120A及び第2水車120Bを回転させた後、流入領域118の下流側に配置された第2整流部材160の沖側に位置する第1頂点161に対応する角部にぶつかり、淀みなく流出領域119へ流入する。
また、不透過壁10側から流出しようとする波F2は、流入領域118の下流側に配置された第2整流部材160の不透過壁10側に位置する第2頂点162に対応する角部にぶつかり左右に分けられ、流出領域119に導かれる。その後、波F2は、第1水車120A及び第2水車120Bの水車翼136の内周面を押して、両水車120A,120Bを回転させる。このとき、平面視において第1水車120Aは反時計回りに回転し、第2水車120Bは時計回りに回転する。波F2は、第1水車120A及び第2水車120Bを回転させた後、流出領域119の下流側に配置された第1整流部材150の不透過壁10側に位置する第1頂点151に対応する角部にぶつかり、淀みなく沖側へ流出する。
このように、流入出しようとする波F1,F2の全体は、第1整流部材150及び第2整流部材160によって流入領域118及び流出領域119に導かれ、第1水車120A及び第2水車120Bを一方向に回転させることができる。つまり、この防波堤は、波のエネルギーの多くを水車120の回転エネルギーに変換し、消波することができる。また、波F1,F2は、第1整流部材150及び第2整流部材160により、水車120の水車翼136の内周面に水流を導くが、水車翼136の外周面には水流を導かないため、水車120の回転の抵抗とはならない。
以上のようにして水車120が回転すると、発電機3は、その回転力を軸上部131を介して受け取り、発電を行う。なお、図3に示すとおり、本実施形態では、発電機3は屋根部12上に配置されているが、第1実施形態と同様に屋根部12の下方に配置されていてもよい。本実施形態でも、第1実施形態と同じく、発電機3の配置及び構成は適宜選択することができる。発電機3で発電された電力は、図示されない送電設備を介して、陸側の変電所等に送電される。なお、図3に示すように、不透過壁10を海岸125に接する又は概ね接するように設置することもできる。
<3.第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る波力発電システム201について説明する。図5は、波力発電システム201の横断面図である。波力発電システム201は、第1及び第2実施形態に係る波力発電システム1,101と多くの点で共通する。以下では、第1及び第2実施形態との相違点を中心に説明することとし、第1及び第2実施形態と同様の構成には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
波力発電システム201は、第1及び第2実施形態と同様に、不透過壁10、屋根部12(上壁部)、底部13、土台11、水車列2及び発電機3を備える他、第1整流部材250及び第2整流部材260を備える。本実施形態に係る波力発電システム201と、第2実施形態に係る波力発電システム101との主な相違点は、水車列2に含まれる水車120間の距離にある。
より具体的には、本実施形態では、隣り合う第1水車120Aと第2水車120Bとの間を実質的に隙間なく配置している。こうすることで、第1水車120Aと第2水車120Bとの間の隙間を、水車120A,120Bの回転に殆ど寄与することなくすり抜ける波の量を減らすことができる。すなわち、発電効率を向上させることができる。
本実施形態では、第1整流部材250は、複数存在して列を形成しており、第2整流部材260も、複数存在して列を形成している。第1及び第2整流部材250,260は、第2実施形態に係る第1及び第2整流部材150,160と比較して横断面形状のみが異なり、その余の点においては同様の構成を有する。
図5に示すように、第1整流部材250の横断面形状は、一対の隣接する曲線253及び一対の隣接する線分254で囲まれた4つの頂点を有する形状である。第1整流部材250は、流出領域119の沖側の近傍に配置され、その横断面の4つの頂点のうちの1つであって一対の曲線253の交点(以下、第1頂点251という)を流出領域119側に向けている。第2頂点252は、一対の線分254の交点である。より詳しくは、第1整流部材250は、横断面視において第1整流部材250の第1頂点251とその対角の第2頂点252とを通る仮想線242が、隣り合う第1水車120A及び第2水車120Bの回転軸121にそれぞれ対応する点を通る仮想線分241の中点又はその近傍を通るように配置されている。また、仮想線242及び仮想線分241は、直交する。第1頂点251は、仮想線分241より沖側にあるが、第1整流部材250は、隣り合う水車120間に形成された隙間に入り込んでいる。第1整流部材250の横断面の4つの頂点のうち、第1頂点251及び第2頂点252ではない残りの頂点間の寸法は、水車120の上フランジ134及び下フランジ135の直径とほぼ同じである。第1整流部材250の横断面において、第1頂点251に対応する角部から左右方向(図5における上下方向、以下同じ。)に延びる曲線253は、水車120の上フランジ134及び下フランジ135と同心で、僅かに径の大きい円弧状である。
第2整流部材260の横断面形状は、一対の隣接する曲線263及び一対の隣接する線分264で囲まれた4つの頂点を有する形状である。第2整流部材260は、流入領域118の不透過壁10側の近傍に配置され、その横断面の4つの頂点のうちの1つであって一対の曲線263の交点(以下、第1頂点261という)を流入領域118側に向けている。第2頂点262は、一対の線分264の交点である。より詳しくは、第2整流部材260は、横断面視において第2整流部材260の第1頂点261とその対角の第2頂点262とを通る仮想線244が、隣り合う第1水車120A及び第2水車120Bの回転軸121にそれぞれ対応する点を通る仮想線分243の中点又はその近傍を通るように配置されている。また、仮想線244及び仮想線分243は、直交する。第1頂点261は、仮想線分243より不透過壁10側にあるが、第2整流部材260は、隣り合う水車120間に形成された隙間に入り込んでいる。第2整流部材260の横断面の4つの頂点のうち、第1頂点261及び第2頂点262ではない残りの頂点間の寸法は、水車120の上フランジ134及び下フランジ135の直径とほぼ同じである。第2整流部材260の横断面において、第1頂点261に対応する角部から左右方向(図5における上下方向、以下同じ。)に延びる曲線263は、水車120の上フランジ134及び下フランジ135と同心で、僅かに径の大きい円弧状である。
以上の構成により、第3実施形態に係る波力発電システム201では、既に述べた波力発電システム1,101よりも発電効率を向上させることができる。
<4.第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る波力発電システム301について説明する。図6は、波力発電システム301の横断面図である。波力発電システム301は、第1〜第3実施形態に係る波力発電システム1,101,201と多くの点で共通する。以下では、第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明することとし、第1〜第3実施形態と同様の構成には同様の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
波力発電システム301は、第1〜第3実施形態と同様に、不透過壁10、屋根部12(上壁部)、底部13、土台11、水車列2及び発電機3を備える他、第1整流部材350及び第2整流部材360を備える。本実施形態に係る波力発電システム301と、第2及び第3実施形態に係る波力発電システム101,202との主な相違点は、水車列2に含まれる水車120間の距離にある。
より具体的には、波力発電システム301では、水車列2に含まれる水車120が、不等間隔で配列されている。特に、本実施形態では、水車列2に含まれる水車120は、流入領域118に対応する箇所と流出領域119に対応する箇所とで、異なる間隔を空けて配列されている。流出領域119に対応する位置での隣り合う水車120間の間隔が、流入領域118に対応する位置での隣り合う水車120間の間隔よりも広いが、図7に示すように逆にすることも可能である。
本実施形態では、防波堤が不透過壁10の沖側に透過性の前壁を有さないため、水車120の設置位置の自由度が高い。従って、発電効率を向上させるような防波堤への波の流入量及び流出量を設置場所ごとに判断し、それに併せて、水車列2に含まれる隣り合う水車120間の各間隔を別々に設定することができる。特に、流入領域118に対応する位置での間隔と、流出領域119に対応する位置での間隔とを別々に設定できることは有意義である。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<5−1>
上記実施形態では、回転体としてサボニウス水車が用いられたが、これに限られず、他の種類の水車を用いることもできる。ただし、発電効率の観点からは、寄せ波時においても引き波時においても容易に発電が可能なように、波の方向によらず一定の方向に回転する水車を用いることが好ましい。このような水車の例としては、サボニウス水車の他には、クロスフロー水車が挙げられる。また、上記実施形態の水車において、3枚、4枚等の異なる枚数の水車翼を有するように変形した水車を用いることもできる。
<5−2>
上記実施形態では、水車列2が互い違い回転構成とされたが、これに限定されず、例えば、全ての水車20が同じ方向に回転するように構成してもよい。
<5−3>
上記実施形態では、水車の回転軸の上下が軸支されたが、上だけ又は下だけ軸支してもよい。
<5−4>
上記実施形態では、水車の回転軸は、直接発電機に連結されたが、例えば、油圧ポンプ等の他の機器を介して間接的に発電機に連結するようにしてもよい。
<5−5>
第2から第4実施形態では、回転軸が中央の翼部の上と下に分かれて配置されたが、翼部132を貫通していてもよい。
<5−6>
第2から第4実施形態では、翼部132の上部は水面より上方に露出していたが、常に水没させるようにしてもよい。
<5−7>
上記実施形態では、波力発電システムが海に設置されたが、川や湖等に設置することもできる。
<5−8>
第2から第4実施形態において、第1整流部材及び第2整流部材の一方を省略してもよい。
<5−9>
上記実施形態では、土台11の沖側は、鉛直方向に対し斜面を形成するように構成されていた。しかしながら、図8に示すように、土台11に代えて、沖側に鉛直面111Aを有する土台11Aを設けてもよい。また、図9に示すように、土台11上に設けられた底部13上にさらに土台11Bを形成してもよい。図9の土台11Bは、概ね水車20の下方にのみ形成されており、縦断面視において不透過壁10にまで達していない直方体状の土台であるが、この土台11Bを不透過壁10まで達している土台とすることもできる。なお、本変形例のように、土台を縦断面視において図1のように台形型ではなく、長方形型とした場合には、水車20の直下でありかつ沖側の近傍で急激に水深が変化する段差が形成され、流入してくる波の波長が変化し流速が速くなる。従って、この場合には、波の反射率を低下させる効果及び発電効率を向上させる効果の向上が期待される。
以下、本発明の実施例1について説明する。但し、本発明は、以下の実施例1に限定されない。
<1.実験条件>
ここでは、実施例1として、造波水槽を用い、図10に示すような波力発電システムを作成した。具体的に説明すると、造波水槽のサイズは、長さ20.00m、幅0.50m、高さ0.50mとし、水深h=0.40mで一定とした。造波水槽の長さ方向の一端側(沖側)に造波板を設置し、造波板から他端側(岸側)に13.68m離れた位置に水車の回転軸が位置するように、水車列を設置した。水車列に含まれる各水車は、第1実施形態で説明したのと同様の三段構成のサボニウス水車とした。なお、水車列は3種類用意し、各水車列のサボニウス水車の径Ds[m]を、Ds=0.084,0.140,0.210とした。水車列に含まれる水車数は、造波水槽との幅との関係で、Ds=0.084の場合、5つ(図11A参照)、Ds=0.140の場合、3つ(図11B参照)、Ds=0.210の場合2つ(図11C参照)とした。いずれの水車列についても、互い違い回転構成とした。水車間距離D=Ds+2a(2aは、隣接する水車の翼端間距離)は、2a/D=0.11(一定)となるように設定し、水車高さHwは、Hw/hが概ね0.8で一定となるように設定した。また、水車列からさらにl[m]=0.38岸側に、不透過壁を設置した。
また、実施例1に係る波力発電システムでは、発電機の代わりに、図12に示す動力計測システムを設置した。水車の回転軸(水車軸)は、ボールベアリング軸受けを用いて、摩擦が極力少なくなるようにその下端を支持した。水車軸の上端は、磁気ブレーキと連結し、当該磁気ブレーキにより水車軸に負荷トルクTq[N・m]を与えた。磁気ブレーキとしては、日本創販株式会社製のPerma−Tork HC01−1を使用した。また、水車軸に加速度計を固定し、サンプリング周波数100Hzで造波開始後30秒〜80秒の間、水車の回転速度(角速度)RE[rps]を測定した。また、水車軸から約3.5m沖側に2本の容量式波高計を設置し、水位変動を測定した。また、水車軸から0.18m沖側に1本の容量式波高計を設置し、水車列近傍の水位変動を測定した。波高計のサンプリング周波数はいずれも100Hzとした。作用波は、周期T[s]=0.81〜1.67で、波形勾配H/L=0.01の規則波とした。なお、Hは、波高であり、Lは、波長である。
<2.実験結果及び評価>
<2−1.反射率>
q=1.1×10-3N・mの場合の反射率Krは、図13A〜図13Cに「点」で示される結果となった。図13A〜図13Cは、それぞれDs/h=0.215、0.350、0.525の場合のデータを示している。なお、反射率Krは、水車列から約3.5m沖側の2本の容量式波高計による測定結果に基づいて、入・反射波分離推定法(合田ら,1976年,不規則波における入・反射波の分離推定法,港湾技術研究所資料,No.248)を用いて算出した。また、水車列の代わりに、円柱列を用いた場合(他の条件は、上述の実施例1と同じ)の縦スリット直立消波工のモデル(比較例)を想定し、当該比較例での反射率Krを既往研究による理論解として算出したところ、図13A〜図13Cに「曲線」で示される結果となった。なお、当該比較列における円柱列は、上述の水車列と同じ径の円柱を同じ間隔で配列したものである。
図13A〜図13Cからは、実施例1においては比較例よりも、反射率Krが低くなる傾向にあることが分かる。この傾向は、特に短周期側で顕著であった。これは、水流が水面下に存在する水車の上面を通過することでより大きなせん断流が発生し、エネルギーを損失しているからと考えられる。また、水車の径Dsが大きい程、水車上面の面積が大きくなり、より多くの波のエネルギーを消散し、反射率Krの低減につながっていると考えられる。すなわち、透過性の前壁を設置せずとも、水車列により十分に消波を行うことができることが分かった。また、海域の静穏性を保つためには、水車の径を水深及び波浪の周期に応じて決定すればよいことが分かった。また、水車の径を水深の20%〜50%程度とした場合において、30%〜80%程度の反射率を実現することが可能であり、特に、水車の径を水深の50%程度とした場合において、30%〜50%程度の反射率を実現することが可能である。
また、上記実施形態に係る波力発電システムでは、水車軸に発電機が取り付けられているため、この発電機により水車軸に負荷(ブレーキ)が掛かり、水車軸の回転速度が小さくなると予想される。そこで、この影響を評価するため、様々な負荷トルクTqに対する回転速度RE及び反射率Krを測定したところ、図14A〜図14Cに示す結果が得られた。図14A〜図14Cは、それぞれDs/h=0.215、0.350、0.525の場合のデータを示している。
図14A〜図14Cからは、負荷トルクTqの増加とともに、回転速度REは減少するが、反射率Krには有意な変化が見られないことが分かる。すなわち、反射率は、発電機の負荷に影響を受けず、構造条件(水深、水車の径、周期、波長等の波浪条件)等に応じて決定されることが分かった。また、発電機の負荷によらず反射率が一定であることから、水車周りに形成される渦の発生により消散されるエネルギー量と、水車を回転させるために使用されるエネルギー量とからなるエネルギーの総消散量は、発電機の負荷によらず一定となることが分かった。
<2−2.獲得動力>
様々な水車の径Dsに対する獲得動力効率Keを、以下の式に従って算出したところ、図15A〜図15Cに示す結果が得られた。図15A〜図15Cは、それぞれDs/h=0.215、0.350、0.525の場合のデータを示している。以下のPpは、水車の回転により得られた単位幅あたりの獲得動力であり、Pwは、単位幅当たりの波のエネルギーである。なお、ρは、水の密度であり、gは、重力加速度である。また、以下の式中のREは、平均回転速度である。
既往研究によると、サボニウス水車による波のエネルギーを対象とした発電効率(獲得動力効率)は、5%程度であるとされている。一方、実施例1に係る波力発電システムでは、図15A〜図15Cに示すとおり、いずれの水車の径Dsに対しても、獲得動力効率Keの最大値は10%以上となり、高い発電効率が期待されることが分かった。
また、発電の安定性の観点からは、水車の回転速度の変動が少ないことが求められる。そこで、水車軸から0.18m沖側での推移変動ηと、水車の回転速度REとの関係を調べたところ、図16A〜図16Cに示す結果が得られた。図16A〜図16Cは、それぞれDs/h=0.215、0.350、0.525の場合のデータを示している。
図16Aに示すとおり、Ds/h=0.215の場合には、1波に対して2回の回転速度のピークが現れた。このような傾向は、回転速度は入射波が水車列を通過する際に増大し、不透過壁で反射した反射波が沖側に伝播してゆく際に再び増大することによるものと考えられる。また、図16B及び図16Cに示すとおり、Ds/hが0.350,0.525と大きくなるにつれて、回転速度REの変動は小さくなった。すなわち、水車の径が大きいと、水車が一度周り始めた後は慣性モーメントが作用して波の周波特性を受けにくくなり、安定した速度で回転するようになると考えられる。従って、発電の安定性の観点からは、水車の径が大きい方が有利であると言え、水車の径は、水深の30%以上のサイズとすることが好ましく、特に50%以上のサイズとすることが好ましいことが分かった。
以下、本発明の実施例2について説明する。但し、本発明は、以下の実施例2に限定されない。
<1.実験条件>
ここでは、実施例2として、造波水槽を用い、図17、図18A及び図18Bに示すような波力発電システムを作成した。具体的に説明すると、造波水槽のサイズは、長さ20.00m、幅0.50m、高さ0.60mとし、最大水深h=0.40mで一定とした。造波水槽の長さ方向の一端側(沖側)に造波板を設置し、造波板から他端側(岸側)に約14m離れた位置に水車列の回転軸を設置した。また、水車列の回転軸からさらにl[m]岸側に、不透過壁を設置した。サボニウス水車の径Ds[m]=0.072とした。水車列に含まれる水車数は、6つとし、水車列を、隣接する水車が逆回転する互い違い回転構成とした。また、水車間距離D[m]=1.1Dsとした。水車列に含まれる各水車は、第1実施形態で説明した三段構成のサボニウス水車を二段構成に変更した構成とした。また、不透過壁から沖側にl’[m]広がり、幅方向には造波水槽の幅だけ広がる直方体のステップ11Aを用意し、当該ステップ11A上に水車列を配置した。
また、実施例2に係る波力発電システムでは、発電機の代わりに、図12と同様の動力計測システムを設置し、水車軸に負荷トルクTq[N・m]を与えた。また、水車間(沖側)かつ静水面下0.08mの位置に、アレック電子社製の電磁流速計を設置し、水車間の流速を計測した。また、水車軸の上端に取り付けたATRプロモーションズ株式会社製の加速度計(センサーコントローラ)を用いて、水車の回転速度ωをサンプリング周波数100Hzで計測した。さらに、水車の回転軸から約3.5m沖側に2本の容量式波高計を設置し、入・反射波分離推定法(合田ら,1976年,不規則波における入・反射波の分離推定法,港湾技術研究所資料,No.248)を用いて、入射波の波高H[m]及び反射率Krを求めた。また、水車一本に作用する波エネルギーD・Pω(Pω=ρgH2/8)に対する水車の獲得動力Pの比として求められる一次変換効率Eを求め、これを水車の単位長さ当たりに換算したエネルギー変換効率E’=E/Hsを求めた。なお、Hs[m]は、水車の高さである。作用波は、周期T[s]=0.73〜1.71で、波形勾配H/L=0.020の規則波とした。なお、Hは、波高であり、Lは、波長である。
そして、ステップ11Aのみの条件下(case1:比較例)と、水車列のみの条件下(case2:実施例)と、図17に示すステップ11A及び水車列の両方を用意した条件下(case3:実施例)において、l’=l+0.04とし、l=0.20m,0.30m,0.40mと変化させながら実験を行った。さらに、l’=0.44(一定)として、l/l’を変化させて実験を行った。なお、case1の波力発電システムは、図17の波力発電システムから水車列を除去したものである。また、case2の波力発電システムは、図17の波力発電システムからステップ11Aを除去し、二段構成の水車列を三段構成に変更したものである。case1〜case3でのhs/h及び水車の高さHsに関する実験条件は、下表のとおりである。なお、hs[m]は、水車の設置位置での水深である。
<2.実験結果及び評価>
ステップ長(岸−沖方向のステップ11Aの長さ)l’をl’=0.24,0.34,0.44mと変化させた場合の、反射率Krおよび水車間を通過する最大流速Vmax(ステップ11Aのみの場合には、水車の設置位置における計測値)は、それぞれ図19A〜図19Cに示すとおりの結果となった。図中のumaxは,水深h=0.40mにおける微小振幅波理論から求められる最大速度振幅を表している。同図からは、ステップ11Aのみのcase1では、概して反射率Krは0.6以上と高い傾向にあることが分かった。水車列のみのcase2は,いずれのl’条件下においても、case1よりも反射率が低いことが分かった。さらに、ステップ11A上に水車列を設けたcase3では、短周期帯においてはcase2とほぼ同じKrとなっているが、長周期帯においては大幅なKrの低下傾向が見られ、ステップ11Aが長い程この傾向が顕著であることが分かった。一方、case3のVmax/umaxは、case2のそれよりも大きい。従って、ステップ11A上に水車を設置することにより、水車間を通過する流速が速くなりエネルギー散逸が大きくなって、反射率Krが低下したと考えられる。
以上より、反射率Krは、case3で最も低く、case2で次に低く、case1で最大になる傾向が確認された。従って、水車列により消波性能が向上し、さらに水車列をステップ11A上に設置した場合には、消波性能がさらに向上することが確認された。
図20A及び図20Bは、ステップ長l’=0.44(一定)にして負荷トルクTqを与えたときの、それぞれcase2およびcase3のエネルギー変換効率E’を示している。同図より、case3でのE’の極大値は0.6程度であり、case2では0.4程度であり、case3での方がcase2の場合よりも、概してエネルギー変換効率E’が高いことが分かった。従って、水車列をステップ11A上に設置することで、発電効率が向上することが分かった。より詳細には、ステップ11Aを設けたうえで水車列を設置した場合、概ねエネルギー変換効率E’が向上するとともに、いずれの周期の波に対してもほぼ一定の負荷トルク(Tq=0.003N・m程度)で最大エネルギー変換効率を取ることが分かった。このことは、効率良くエネルギーを獲得するための最適負荷トルクが、対象の波の周期にかかわらず一定であることを意味し、二次変換機構(発電機等を作動させるための機構)の設計においては有用な知見が得られていると言える。
図21は、ステップ長l’=0.44(一定)の条件下で、l/l’=0.45,0.68,0.91と変化させたときの、反射率Kr及び水車間を通過する最大流速Vmaxとを示している。同図からは、l/l’が大きくなるほど、すなわち、水車列の設置位置がステップ11Aの沖側になるほどKrの極小値が小さくなる傾向があることが確認された。従って、消波の観点からは、水車列は、ステップ11Aの沖側端の近傍に配列することが好ましいことが分かった。
図22A及び図22Bは、それぞれl/l’=0.91,0.45の場合の一次変換効率Eを示している。同図からは、l/l’が大きくなるほど、すなわち、水車列の設置位置がステップ11Aの沖側になるほど、一次変換効率Eの極大値が大きくなる傾向があることが確認された。従って、発電効率の観点からも、水車列は、ステップ11Aの沖側端の近傍に配列することが好ましいことが分かった。
1,101,201,301 波力発電システム
2 水車列(回転体列)
3 発電機
10 不透過壁
11,11A,11B 土台(ステップ)
12 屋根部(上壁部)20,120 水車(回転体)
120A 第1水車
120B 第2水車
21,121 回転軸
118 流入領域
119 流出領域
150,250,350 第1整流部材
160,260,360 第2整流部材

Claims (12)

  1. 水中に設置され、不透過壁を有するが、前記不透過壁の沖側に透過性の前壁を有さない防波堤と共に用いられ、波のエネルギーを消散させるとともに、前記波のエネルギーから発電を行う波力発電システムであって、
    前記不透過壁の沖側において、平面視において前記不透過壁の延びる方向に沿って配列された複数の回転体からなる回転体列と、
    前記複数の回転体の回転エネルギーを電力に変換する発電機と
    を備える、波力発電システム。
  2. 前記回転体列に含まれる隣り合う回転体は、相反する方向に回転するように構成されている、
    請求項1に記載の波力発電システム。
  3. 前記回転体列に含まれる隣り合う回転体の回転軸間が、沖側から前記不透過壁側に流入する波が通過する流入領域、又は前記不透過壁側から沖側へ流出する波が通過する流出領域となり、
    前記流入領域及び前記流出領域は、各々少なくとも1つ形成され、
    前記流出領域の沖側の近傍に配置され、沖側から前記不透過壁側に流入する波を前記流入領域に導く第1整流部材、及び、前記流入領域の前記不透過壁側の近傍に配置され、前記不透過壁側から沖側へ流出する波を前記流出領域に導く第2整流部材の少なくとも一方
    をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の波力発電システム。
  4. 前記回転体列に含まれる回転体は、前記流入領域に対応する箇所と前記流出領域に対応する箇所とで異なる間隔を空けて配列されている、
    請求項3に記載の波力発電システム。
  5. 前記回転体列に含まれる回転体は、不等間隔で配列されている、
    請求項1から4のいずれかに記載の波力発電システム。
  6. 前記不透過壁から水平方向に広がり、前記回転体を支持する上壁部
    をさらに備える、
    請求項1から5のいずれかに記載の波力発電システム。
  7. 前記不透過壁と、前記不透過壁の下部及び上部からそれぞれ沖側に延びる底部及び上壁部とを有するケーソン
    をさらに備える、
    請求項1から5のいずれかに記載の波力発電システム。
  8. 前記回転体列が設置され、前記回転体列の設置箇所の水深が沖側の箇所の水深よりも浅くなるようにされた土台、
    をさらに備える、
    請求項1から7のいずれかに記載の波力発電システム。
  9. 前記土台は、沖側に面する垂直面を有する、
    請求項8に記載の波力発電システム。
  10. 前記回転体は、波の方向によらず一定の方向に回転する水車である、
    請求項1から9のいずれかに記載の波力発電システム。
  11. 前記回転体は、サボニウス水車である、
    請求項10に記載の波力発電システム。
  12. 前記回転体の回転軸は、鉛直方向に延びている、
    請求項1から11のいずれかに記載の波力発電システム。
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