JPWO2015025613A1 - 無線通信システム、その制御方法及び基地局装置 - Google Patents

無線通信システム、その制御方法及び基地局装置 Download PDF

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Abstract

端末と無線信号を送受信する複数の基地局を備える無線通信システムであって、前記基地局は、スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、前記端末からの上り信号を受信して、所定の識別情報のセルを形成する無線装置と、無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを有し、前記スケジューラは、移動中の端末の位置を検知し、前記端末の進行先のセルの識別情報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更する。

Description

参照による取り込み
本出願は、平成25年(2013年)8月20日に出願された日本出願である特願2013−170033の優先権を主張し、その内容を参照することにより、本出願に取り込む。
本発明は、無線通信システムに関する。
近年、スマートフォン及びタブレット端末の普及によって、モバイルトラフィックが急増している。特に、トラフィックが集中するホットスポットでは、ネットワークオペレータが、容易に設置できる公衆無線LANを設置し、トラフィックをオフロードしている。しかし、全てのオペレータが同一周波数帯を使用するので、密集して無線LAN基地局が設置されるにつれて、チャネルが混雑し、十分な通信品質の確保が困難になる。チャネルが混雑すると、モバイルトラフィックをオフロードするために無線LANに接続させると、ユーザの体感品質が低下する場合がある。このため、ライセンスバンドでトラフィックをオフロードする対策も必要である。
ホットスポットは、端末を使用するユーザが停止状態で密集している場合が多い。よって、一般的には、マクロセル基地局よりも小型のスモールセル基地局で特定の場所に設置して、トラフィックをオフロードすればよい。スループットを上げるためには、セルを小さくして、少人数のユーザと通信することによるセルスプリットゲインを得る方法がある。また、頻繁にハンドオーバするユーザの多くは、車で道路を走っている。車を運転しているユーザは端末を操作することが困難であるから、高負荷な通信は発生しづらい。低負荷な端末を収容し、ハンドオーバの回数を軽減するためには、セルが広いマクロセル基地局が優れている。
一方、列車、バスなどの公共交通機関では、ユーザは車内で停止し、車両と共に高速で移動する。ユーザは停止しているときに高負荷な通信を行う可能性が高いホットスポットが発生する。このようなホットスポットは、端末が高速で移動しつつ高負荷であるため、対策が困難である。
従来、高速で移動する端末は、ハンドオーバによるデータ通信断時間の増加、EPC(Evolved Packet Core)とのシグナリング負荷(トランザクション数)の増加を避けるため、スモールセルにはオフロードせず、マクロセルに接続する方法が採用されていた。例えば、特開2013−90203号公報には、基地局は、ハンドオーバ先候補となる隣接セルでの端末の滞在時間に応じて、ハンドオーバ先の基地局を決定する。高速移動端末のハンドオーバ先基地局を決定するための情報として、各基地局において一定値以上の移動速度の端末の滞在時間情報を測定、保持する。基地局が高速移動端末をハンドオーバさせる際には、隣接基地局、又は、各基地局から収集した滞在時間情報を保持するログサーバから、高速移動通信端末の平均滞在時間を取得し、各基地局のハンドオーバ基準値に滞在時間に応じたオフセットをする。技術が記載されている。
前述した従来技術では、高速移動する端末が頻繁にハンドオーバをしないようにハンドオーバ先基地局を選択していた。しかし、マクロセルの無線リソースを大人数でシェアするため、高速なデータ通信を提供できない課題がある。
また、高速で移動する端末をスモールセルにオフロードすると、無線区間のシグナリングに由来するデータ通信断時間が増加し、EPCとのシグナリング負荷が増大する課題がある。スマートフォンの普及により、ユーザが端末を操作していなくても常時EPCと接続するアプリケーションがあり、ハンドオーバが発生しやすい状況になっている。ハンドオーバに伴うシグナリングはEPCのトランザクション数でも大きな割合を占めており、ハンドオーバを増やすことはコアネットワークの安定性を損なう。
また、無線区間に着目すると、ハンドオーバ失敗時(RLF、Too early/late HO、ping−pongなど)だけでなく、ハンドオーバ成功時にも、ターゲットセルとのタイミング同期のためのランダムアクセス(RA)手順のやり直しが発生し、データ通信断時間が増加することがある。
高速に移動する端末は、一般的に伝搬路変動が激しいので、ピンポン現象が生じないように、ハンドオーバをトリガするまでの時間を長めに設定する。しかし、ハンドオーバを引き延ばしている間に通信品質が十分に確保できず、無線リンク障害(RLF)が発生することがある。RLFが発生すると、復旧のためのタイマー(例えば、LTEではT310)を設定することによって、初期値で1000msの通信断が発生する。
また、多数の端末が一斉にハンドオーバを試み、ハンドオーバに成功すると、ターゲットセルへのハンドオーバ実行手順及び完了手順におけるRA手順のやり直しで、制御信号のシグナリングが多発し、無線リソースを浪費する。制御信号のシグナリングによって、50ms程度、通信が止まる。高速鉄道では端末の移動速度が最大で350km/hと非常に速く、セル半径が100mである場合、端末のセル内の滞在時間(ToS:Time of Stay)は約1秒となり、ハンドオーバに由来する、無線区間での遅延時間の影響が無視できない。
よって、本発明ではハンドオーバを抑止するセルラ無線システムを構築し、EPC及び無線区間の制御信号によるシグナリングのロスを少なくする。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、端末と無線信号を送受信する複数の基地局を備える無線通信システムであって、前記基地局は、スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、前記端末からの上り信号を受信して、所定の識別情報のセルを形成する無線装置と、無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを有し、前記スケジューラは、移動中の端末の位置を検知し、前記端末の進行先のセルの識別情報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更する。
本発明の代表的な実施の形態によれば、端末群が移動してもハンドオーバを抑止することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例のC−RAN構成の無線通信システムが重畳して設けられる無線通信システムの構成を示す図である。 第1の実施例のC−RAN構成の無線通信システムの構成を示すブロック図である。 第1の実施例の無線通信システムの構成を示す図である。 第1の実施例の無線通信システムのシーケンス図である。 第1の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第2の実施例の無線通信システムのシーケンス図である。 第2の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第2の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第3の実施例の無線通信システムのシーケンス図である。 第3の実施例の運行情報管理テーブルを説明する図である。 第3の実施例のRU管理テーブルを説明する図である。 第4の実施例のC−RAN構成の無線通信システムの構成を示すブロック図である。 第5の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第5の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第5の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第5の実施例のRU管理テーブルを説明する図である。 第6の実施例の無線通信システムの動作を説明する図である。 第6の実施例のRU管理テーブルを説明する図である。
本発明を実施するための形態について、いくつかの実施例を挙げて説明する。これらの実施例は、個別で実施してもよいが、複数の実施例を組み合わせて実施してもよい。以下の説明において、図中で同じ符号を付した構成は、同じ動作を行うため、説明を省略する。
以下、本発明の実施例として、複数の小型基地局とマクロセル基地局とによって構成されるヘテロジーニアスネットワーク構成のセルラ無線通信システムにおいて、高速で移動する端末のトラフィックを小型基地局が提供するエリアへオフロードし、かつ、ハンドオーバを抑止する無線通信システムについて説明する。
以下の説明で、マクロセル基地局1201−Mに接続する端末を1203−M、スモールセル基地局1201−Sに接続する端末を1203−Sというように、アルファベットは接続先の基地局の形態に対応させる。
<実施例1>
図1は、固有のセルIDを持つマクロセル基地局1201−Mを有する無線通信システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す無線通信システムでは、マクロセル基地局1201−Mが、列車のような公共交通機関に乗って高速移動する端末1203を収容する。図1に示す無線通信システムが提供するセルと、図2に示すC−RAN(Cloud-Radio Access Network)構成の基地局が提供するセルとが重畳するように、マクロセル基地局システムとC−RANシステムとが重畳して設けられる。
マクロセル基地局1201−Mは、コアネットワーク1202に接続され、端末1203のモビリティを管理し、データ通信サービスを仲介する。マクロセル基地局1201−Mは、固有のセルIDが割り当てられており、コアネットワーク1202は、セルID及び基地局装置のアドレスによって、端末1203のモビリティを管理する。例えば、セルIDはECGI(E-UTRA Cell Global ID)、アドレスにはIPアドレスなどを用いることができる。
基地局1201は、異なる1以上のセルIDによって複数のセルを形成することができる。基地局1201に複数のセルIDが割り当てられている場合、当該基地局が管理する複数のセルIDとIPアドレスとの対応関係はコアネットワーク1202から管理される。コアネットワーク1202が、あるセルIDの基地局1201に接続中の端末1203にデータを転送する場合、当該セルIDにてサービス中の基地局1201宛にデータを転送し、基地局1201は宛先となるセルIDのセルにデータを割り振る処理を実行する。
前述の処理において、正しくデータが端末に届けば、基地局1201は、管理する1以上のセルIDの範囲内で、各セルに割り当てるセルIDを入れ替え可能であることを示唆している。
端末の移動によって、基地局1201が管理する複数のセル内で、ハンドオーバが起きた時(Intra-eNB Handover)、基地局1201内でデータ転送先を変更すればよいため、コアネットワーク1202との間でデータ転送パスを張り替える必要はない。基地局1201内のハンドオーバは、基地局1201間のハンドオーバと比べて、コアネットワーク1202との制御用のシグナリングが少なくなる。
図2に示すような、C−RAN構成では、1以上の基地局のベースバンド機能を一か所に集約した、集約型基地局装置(CU:Center Unit)1201−Cが、遠隔での無線送信装置(RU:Remote Unit)1201−Rに多数のセルを形成させる。集約されるベースバンド機能の数は、C−RAN構成のエリア内で使用可能なセルIDの最大数である。集約されるベースバンド機能の数が1であり、セルIDが一つの構成は、従来DAS(Distributed Antenna System)と称され、主に屋内向けの小規模エリアを構成するために利用されている。
DAS構成では、一つのCU(1201−C)に接続されるRU(1201−R)間のハンドオーバを、全てIntra-eNB Handoverとして処理することができる。つまり、ハンドオーバ時の、コアネットワーク1202とのシグナリングが少ないという特徴を有する。
CU(1201−C)は、S1/X2コーディネータ401、協調無線リソーススケジューラ402、L1処理部403及びスイッチ404を有する。S1/X2コーディネータ401は、コアネットワーク1202から転送されたデータを、協調無線リソーススケジューラ402へ転送する。協調無線リソーススケジューラ402が複数の物理ノードに分かれている場合、例えば、セルIDごとに分割されたノードで処理を実施している場合は、S1/X2コーディネータは、セルIDとコアネットワーク装置の関係を対応付けるコーディネータの機能を担ってよい。この機能は、IPルータのプライベートアドレスとローカルアドレスの対応付けを行うルータ機能に類似する。協調無線リソーススケジューラ402は、複数のセルの無線リソースを割り当てる端末を決定する。L1処理部403は、協調無線リソーススケジューラ402によって決定された無線リソースの割り当て情報に基づいて、物理層の信号を生成するための変調及び符号処理を行い、生成した下り通信のIQ信号をスイッチ404に出力する。スイッチ404は、IQ信号をRU(1201−R)に転送する。
また、上り通信に関して、RU(1201−R)は、端末1203から受信した無線信号をA/D変換してIQ信号を生成し、スイッチ404に転送する。スイッチ404はIQ信号をL1処理部403に転送する。L1処理部403は入力されたIQ信号に復調及び復号処理を行い、物理層の信号から上り通信のデータを抽出し、協調無線リソーススケジューラ402に転送する。協調無線リソーススケジューラ402は、L1処理部403から入力された上り通信のデータからユーザ単位の情報を抽出し、S1/X2コーディネータ401へ転送する。
S1/X2コーディネータ401は、ユーザ単位の情報を、コアネットワーク1202を通して、必要なノードに転送する。RU部1201−Rは、線路に沿って細長いセルとなるようにビームを形成することが望ましい。アンテナによるビーム形成ではなく、線路に沿って敷設する漏えい同軸ケーブルによってエリアを形成してもよい。一つのRU部1201−Rは、一つの無線I/Fが収容されるとして説明をする。あるエリアにおいて、複数の周波数帯域をサポートする場合は、複数のRU(1201−R)を同一設備内に収容するとよい。同一設備内に収容する場合、アンテナなど電波を送信するための設備は共用してもよい。
前述のとおり、C−RAN構成では、端末1203が、異なるセルIDのセルに入ってハンドオーバが発生しても、コアネットワーク1202とのシグナリングを抑止することはできるが、無線区間の制御信号、例えばランダムアクセス関連のシグナリングは依然として発生する。
図3は、第1の実施例の無線通信システムの構成を示す図である。
無線区間の制御信号を削減するため、C−RAN構成によって鉄道専用のサービスエリアを形成することを考える。一つのCU(1201−C)は、例えば、山手線のように一つの路線が通るエリア全てをカバーするRU(1201−R)を収容する規模がよい。
C−RAN構成を適用することによって、CU(1201−C)が管理するセルIDの範囲内でセルIDを自由に設定できるので、端末1203が移動すると、RU(1201−R)が形成するセルのセルIDを動的に変更する。端末1203が移動するにつれてRU(1201−R)が送信するセルIDを変更することによって、常に同じセルと通信していると端末1203に認識させることができれば、ハンドオーバを抑止することができる。公共交通機関(例えば、鉄道)のように移動経路が分かっている場合、移動経路に沿ってセルを形成し、セルIDをシフトさせることによって、端末1203が移動するにつれてRU(1201−R)が形成するセルのセルIDを動的に変更することができる。
図4は、第1の実施例の無線通信システムのシーケンス図である。
ベースバンドユニット(BBU)1201−Bは、S1/X2コーディネータ401、協調無線リソーススケジューラ402、L1処理部403からなるCU(1201−C)の構成である。
BBU1201−Bからのスイッチ条件通知(Switch indication)によって、1以上のRUを含むRUグループ#1からセルID#1の信号を、1以上のRUを含むRUグループ#2からはセルID#1以外(例えば、セルID#2)の信号を送信するようにスイッチ404がパスを切り替える(P2001)。例えば、LTEではセルIDによって参照信号CRS(Cell-specific Reference Signal)がスクランブルされて運用される。端末1203は、参照信号のパタンでセルIDを認識できる。
図5に示すように、RUグループ#1が、列車内の端末1203−Gを、セルID#1でサービスしている状況を例に説明する。端末1203−Gは、上りデータ信号、制御信号、及びセルID#1の参照信号を送信する。例えば、LTEでは、SRS(Sounding Reference Signal)を送信してもよい。
RUグループ#1及びRUグループ#2では、端末1203−Gから送信された上り信号の強度(RSSI)を測定する(P2002)。測定対象のチャネルは、データ信号、制御信号、参照信号の何れかでよく、又はこれらいずれかの組み合せでもよい。電力を測定するための回路は、RU(1201−R)が有してもよいし、L1処理部403が有してもよいが、測定された電力の情報は、RU毎に周期的(望ましくは、100msごと)に収集される。収集周期は、RUのリンクバジェットと関連し、セル半径が小さいほど、収集周期を短くして、本シーケンスの制御を細かく行う必要がある。
BBU1201−Bは、収集したRU毎の電力情報に基づいて、端末がどのRUの近くに居るかを検知する(P2003)。検知の方法は、所定の閾値を用いて検知してもよいし、周期的に収集している電力情報からの差分を用いて判定してもよい。例えば、時間ごとの電力差を用いて端末の移動を検知することができる。
RUグループ#1に属するRUのうち、RUグループ#2との境界近くのRUに、端末群1203−Gが近づいていることを検知すると、RUグループ#2に属するRUのうち、RUグループ#1の境界近くのRUが送信するセルIDをRUグループ#1で使用しているセルID#1に変更する。
RUグループ#1はセルID#1を送信しているRUによって構成されるので、セルIDを変更したRUはRUグループ#1に属することになる。RUごとのセルIDは、スイッチ404へのパススイッチ命令を更新することによって切り換える。BBU1201−Bは、生成したセルID#1の信号をRUグループ#1に分配し、セルID#2の信号をRUグループ#2に分配するように切り換え命令を出す(P2004)。以上のシーケンスによって、端末群1203−Gの進行方向に存在するRUグループ#2のセルIDをセルID#1に変更することによって、端末群1203−Gは進行先でハンドオーバを行う必要がなくなる。RUグループ#2に属するRUは、前述した検知処理が行われ、RUグループ#1のセルIDで運用しない間は休眠してもよい。
また、列車毎に固有のセルIDが割り当てられるとよく、列車内の端末群1203−GのセルIDが維持されるよう、列車が通るたびにRUのセルIDを置き換える。
列車が通り過ぎた後、次の列車が来るまでの間、置き換えたセルIDのままRUを運用してもよい。列車が通過する間隔が長い場合、同一セルIDのRUが多くなることがある。この場合、同一セルIDで運用できるRUの数をパラメータによって制限して、当該セルIDになったのが古いRUから順に、列車内端末用に割り当てられるセルID以外のセルIDを割り当て、又は、休眠してもよい。
同一セルIDを割り当てるRUは、制御信号の分配の観点から、できるだけ少ない方がよい。これは、制御信号の割当可能な数がボトルネックとなるので、収容される端末数を制限するためである。また、参照信号は同一セルIDで運用するRU全てで同一信号を送信しなければならない。例えば、LTEではセルIDによって参照信号でスクランブルをかけている。このため、同一セルIDの範囲が広くなると、隣接RUからの参照信号(CRS)がマルチパスとして到来するためである。
RU毎に異なる端末にだけ届くように制御信号を送信すれば、収容端末数の制限は回避することができるが、制御信号は参照信号を用いて復号しなければならないため、参照信号を送信するRUと制御信号を送信するRUとの数及び送信地点が異なると、受信性能が劣化する問題が生じる。このため、同一セルID数で運用するRUの数に制限を設ける必要がある。
セルIDとRUとの組み合わせを変更する際、変更対象のRUにおいて使用されているセルIDのセルに収容されている端末が居る場合、当該C−RANのシステム外(例えば、マクロセル基地局)へハンドオーバさせてから、セルIDを変更する。あるRUが形成するエリアに留まり続ける低速な端末をハンドオーバさせることによって、このような端末への影響を低減することができる。ハンドオーバさせる端末の数を減らすために、C−RANシステムの外(例えばマクロセル)からRUが提供するエリアには、ハンドオーバしづらいように制限を設けるとよい。具体的には、マクロセル基地局のネイバーリスト管理でハンドオーバを禁止するか、ハンドオーバの判定基準に使用する電力を通常よりも大きく設定するとよい。又は、RUが形成するエリアを線路上に厳密に制御することによって、列車が居ない間に列車外から端末が接続してくる可能性を減らすことができる。
CA(Carrier Aggregation)を適用している場合、モビリティを管理するPCell(Primary Cell)のセルIDを送信するRU間で、前述した前記のセルID変更処理(P2001〜P2004)を行うと、ハンドオーバを抑止することができる。キャパシティを確保するためにコンフィグされるSCell(Secondary Cell)についても同様のセルID変更処理を行ってもよい。SCellはモビリティに関連しないため、ハンドオーバを抑止する効果はないが、移動しても、SCell情報が変わらず、SCellを再設定するための手続き、例えば、RRC(Radio Resource Control) reconfiguration, Activation/deactivation処理が発生しなくなり、ハンドオーバレスに加えて、CAの再構成が不要になる。
以上に説明したように、本発明の第1の実施例では、端末の移動時に応じて基地局がセルIDを変更することによって、ハンドオーバの発生を抑止するシステムを構築することができる。また、スモールセルを導入する際、システムスループットとデータ通信断時間がトレードオフになる問題を解決することができる。そして、高速に移動する端末をスモールセルに収容することができるため、マクロセルからスモールセルへのオフロードによるセルスプリットゲインを得ることができる。また、高速移動端末のスループットを向上し、データ通信断時間の減少によりリアルタイムトラフィックの性能を向上することができる。
また、第1の実施例では、協調無線リソーススケジューラ402が、端末の上り信号のRSSIの測定結果に基づいて、移動中の端末及びその位置を検知するので、簡単に移動中の端末及びその位置を検知することができる。
<実施例2>
第1の実施例では、同一セルIDのRUグループ内で同一の信号を送信するが、第2の実施例では、同一セルIDを送信するRUグループ内で、RU毎に異なる端末と通信する。
図6は、第2の実施例のシーケンス図である。例えば、複数のRUによって形成されるセル内を列車が通過中の場合、図6に示すシーケンスを適用する。
BBU1201−Bからのスイッチ条件通知(Switch indication)によって、BBU1201−Bで生成されるセルID#1の参照信号が、1以上のRUを含むからRUグループ#1から送信されるように、スイッチ404がパス切り替える(P2101)。
1以上の端末からなる端末群UEG#1、UEG#2、UEG#3は、それぞれ、端末毎の上りの参照信号を送信する。例えば、SRSを参照信号に使用することができる。各端末から送信される上りの信号は、複数のRUが受信する。BBU1201−Bは、各RUにおいて、各端末から送信された上り信号の電力値を集める(P2102)。RUがSRSの受信電力を測定して、BBU1201−Bに転送してもよく、RUはIQデータのみを送信し、RUから送信されたIQデータから、BBU1201−BがRU毎の受信電力を計算してもよい。複数のRUから受信した電力をセルID単位で電力合成する前に、電力測定を行う点が特徴である。
BBU1201−Bは、各RUで各端末の上り電力の強さを収集することによって、各端末の近くにあるRUを検知しグルーピングする(P2103)。例えば、図7Aに示すように、端末群UEG#1は、RU#1での受信電力が検知条件を満たしているが、RU#2での受信電力が検知条件を満たさない端末群である。端末群UEG#2は、RU#1及びRU#2の両方での受信電力が検知条件を満たした端末群である。端末群UEG#3は、RU#2での受信電力が検知条件を満たしているが、RU#1での受信電力が検知条件を満たさない端末群である。
BBU1201−Bは、RU毎に、グルーピングされた端末群の切換処理と、無線リソースの割当処理を行う(P2104)。
一つのRUに近いと判定された端末群UEG#1、3には、一つのRUからデータ信号を送信してもよい。例えば、端末群UEG#1にはRU#1からデータを送信し、端末群UEG#3には、RU#2からデータを送信する。この処理により、同一セルID内で同一無線リソースを複数の端末に割り当てるマルチユーザ通信が可能となり、スループットを改善することができる。ただし、第1の実施例で説明した様に、同じセルIDが複数のRUに割り当てられている場合、端末は参照信号をマルチパス信号として受信する。
例えば、端末群UEG#1に対して、RU#1だけがデータ信号を送信した場合でも、参照信号はRU#1、2から送信されるので、参照信号とデータ信号とでパスが異なることから、チャネル推定が正しく働かず、受信性能が劣化することがある。よって、CRSのように全てのRUから送信される参照信号以外に、一つのRUのみが送信するデータ信号を復号するための参照信号を復調に使用するとよい。例えば、復調参照信号(DMRS)を用いることができる。もちろん、データ信号を送信するRU以外の、RUが送信する参照信号のマルチパス成分が十分に減衰する場合、CRSを用いてデータ通信を復号するモードを用いてもよい。
一方、図7Bに示すように、複数のRUで電力が検知された端末群UEG#2に対しては、複数のRU(例えばRU#1及び2)からデータ信号を協調送信(CoMP:Coordinated Multi Point)してもよい。データ信号を協調送信することによって、電力合成利得も得ることができる。ここでの協調送信は、複数のRUから全く同一のデータを送信する送信ダイバーシチの概念を含む。協調送信する場合、複数のRUから同じ参照信号及びデータ信号を送信し、チャネル推定にずれが生じないようにする。
単独RUからデータを送信する場合と同様に、第三のRUからのCRSの影響が無視できない場合には、データ送信するRUから復号用の参照信号(例えば、DMRS)を送信してもよい。これにより、データと復号用の参照信号の送受信のパスが揃うため、チャネル推定精度が劣化しない。また、復号にCRSを使用しないことから、第三のRUからのCRSの影響を軽減することができる。
BBU1201−Bは、スイッチ404に対して、端末群UEG#1へ送信される信号をRU#1に転送し、端末群UEG#3へ送信される信号をRUグループ#2に転送し、端末群UEG#2へ送信される信号をRUグループ#1及びRUグループ#2に転送するようにスイッチ404に切替命令を出す(P2105)。第2の実施例では、チャネル単位で転送先のRUを変更する命令を出す点が第1の実施例と異なる。例えば、CRSのような全セルで共通に送信する参照信号及び制御信号を送信するチャネル(例えば、LTEにおける、CRSやPDCCH(Physical Downlink Control Channel))は、全てのRUに送信するが、データ信号を送信するチャネル、及びデータチャネルを復号するための参照信号(例えば、LTEにおけるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、DMRS)は、宛先となる端末群によって転送先のRUに分岐する。
端末群UEG#1、2、3は、それぞれ、BBU1201−Bが送信する報知情報や、スケジューリングの結果であるスケジューリング情報を制御チャネルから取得し、データチャネルを復調及び復号し、必要な情報を抽出する(P2106)。端末個別の制御情報もこれらの手順により得られる。また、上りで送信するデータがある場合には、上りのデータ信号を送信するため、変調・符号化を行う。下りのデータ信号に対するHARQ(Hybrid-Automatic Repeat reQuest)の応答や、周期的に送信するSRSなどの情報も変調・符号化がされる。
各RUが受信した上り信号は、スイッチ404を経由して、BBU1201−Bに転送され、BBU1201−Bが復調する(P2107)。BBU1201−Bは、複数のRUで受信した信号を合成する、上りCoMPによって、上りデータ信号の受信品質を改善してもよい。上りCoMPを行うためには、複数のRUが受信した上りの信号のIQデータを、スイッチ404を経由して、セルID#1の信号を復調するL1処理部403に転送するとよい。
第2の実施例によれば、同一セルIDのRUが増加した場合でもスループットの劣化を防ぐことができる。特に、RUが設置される間隔が短い場合に有効である。
<実施例3>
前述した第1の実施例では、上り電力の検知によって列車内の端末群の近くのRUを判定した。一方、鉄道には列車の運行管理システムがあり、この運行管理システムは、一つの閉塞区間内に一つの列車のみが存在するように信号を制御している。BBU1201−Bが列車の走行位置とRUとの対応関係を取得することによって、上り電力の検知より正確にセルIDをシフトすることができる。
図8は、第3の実施例のシーケンス図である。なお、前述した第1の実施例のシーケンスと同じ処理は同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
BBU1201−Bは、列車が走行している閉塞区間の情報、路線及び進行方向などの移動先に関する情報を、鉄道の運行管理システムからデータを周期的に取得する(P2204)。データ取得周期は、列車が閉塞区間を通り過ぎる時間に相当する時間(例えば、数秒)の間隔でよい。
図9Aに示すように、運行管理システムから取得するデータは、運行情報管理テーブル900に登録される。運行情報管理テーブル900は、列車の識別情報(Train ID)901、現在の閉塞区間の識別情報(Current block ID)902及び進行方向の次の閉塞区間の識別情報(Next block ID)903を含む。
図9Bに示すような、閉塞区間912とRUの識別情報911とを対応付ける情報を含むRU管理テーブル910をBBU1201−Bが保持する。そして、BBU1201−Bは、運行管理システムから入手した情報を用いて、当該RUで使用するセルID913を更新する(P2002A)。現在の閉塞区間の識別情報と次の閉塞区間の識別情報が分かれば、予め進行方向のRUのセルIDを現在の閉塞区間のIDと同じになるように変更することができる(P2003)。例えば、図9Aに示す情報を取得した場合、図9Bに示す対応付け情報のRU#1、2が使用しているセルID#1を、進行方向(次の閉塞区間の識別情報である1001)にあるRU#3、4に割り当てることができる(914)。なお、協調無線リソーススケジューラ402が、図9Bに示すRUの識別情報911とセルID913との対応付け管理するRU管理テーブル910を保持し、セルIDとRUの識別情報との対応関係を管理してもよい。
第3の実施例によれば、鉄道の運行管理システムから列車の位置情報を取得し、運行管理システムと連動してセルIDをシフトするので、列車の動きに精度よく追従してセルIDをシフトすることができ、システム内のハンドオーバを抑止することができる。
<実施例4>
前述した第1の実施例では、CPRI分離型のC−RAN構成(図2)について説明したが、第4の実施例では、図10に示すようなFAPI分離型のC−RAN構成におけるハンドオーバレスシステムについて説明する。FAPI分離型は、L1とL2(協調無線リソーススケジューラ402)との間で、CU(1201−C)とRU(1201−R)の機能を分割する構成である。L2とL1の間で送受される信号は、FAPI(Femto Application Platform Interface)の規格に準拠してもよい。
第4の実施例のCU(1201−CF)は、S1/X2コーディネータ401と、協調無線リソーススケジューラ402−Aと、スイッチ404−Aとを有する。RU(1201−RF)は、L1処理部403−Aと、AD/DA変換機能を備えた無線I/F405とを有する。
S1/X2コーディネータ401は、コアネットワーク1202から転送されたデータを、協調無線リソーススケジューラ402−Aへ転送する。協調無線リソーススケジューラ402−Aは、複数のセルの無線リソースを割り当てる端末を決定する。協調無線リソーススケジューラ402−Aによって決定された無線リソースの割り当ての情報、及びL2のペイロードの情報は、スイッチ404−Aを介して、L1処理部403−Aに転送される。L1処理部403−Aは、変調及び符号処理を行い、IQデータを生成し、無線I/F405に出力する。
また、上り通信に関して、無線I/F405は、アンテナ又は漏えい同軸ケーブルで受信した上り信号をAD変換して、生成したIQデータをL1処理部403−Aに出力する。L1処理部403−Aは、入力されたIQ信号に復調及び復号処理を行い、物理層の信号から上り通信のL2のペイロードの情報を抽出し、スイッチ404−Aを介して、協調無線リソーススケジューラ402−Aに転送する。協調無線リソーススケジューラ402−Aは、入力された上り通信のデータからユーザ単位の情報を抽出し、S1/X2コーディネータ401へ転送する。S1/X2コーディネータ401は、ユーザ単位の情報を、コアネットワーク1202を通して、必要なノードに転送する。
第4の実施例の構成では、図4のP2002におけるシーケンスの上り電力の測定はRUが行うため、スイッチ404−Aを介して、電力の測定値を協調無線リソーススケジューラ402−Aに転送する。
第4の実施例によると、L1処理部をRU側に設けたため、複数のRUで受信した上りの電力を合成し、チャネル推定精度の向上及び合成利得を得る上りCoMPは困難である。しかし、複数のRUで、同じ端末からの信号を受信した場合、それぞれのRUで復号処理を行い、復号が成功したRUのL1処理部403−Aから、復号成功判定(CRC OK)とL2データのペイロードを、スイッチ404−Aを通じて、協調無線リソーススケジューラ402−Aに送信する。協調無線リソーススケジューラ402−Aは、複数のRUから受信したCRC OK及びL2データは同一であるはずなので、いずれを用いて以降の処理を進めてもよい。複数のRUからのデータを用いて判定するため、選択性利得を得ることができる。
また、第4の実施例によると、L2(協調無線リソーススケジューラ402)とL1との間でCUとRUとを分割するため、分割したIQ信号をL1とRUとの間で送受信するCPRI分離型のC−RAN構成に比べて、CUとRUとの間で転送されるデータ量を約1/10に圧縮できる。このため、CUとRUとの間を接続する光回線の性能(例えば、スループット)を低くすることができる。
特に、Carrier Aggregationが導入され、セルラ無線通信システムの帯域幅が広くなると、IQ信号のデータサイズは大きくなる。100MHz帯域クラスのデータを転送する際には、CUとRUとの間で送信されるデータの圧縮は大きなメリットとなる。
<実施例5>
第5の実施例では、複数の線路をカバーする場合について説明する。鉄道は、多くの場合一つの路線が複線化されており、都心部では複数の路線が並走することがある。
一つのRUが1本の線路のみをカバーするエリアを形成できれば、各線路に専用のRUを用意して、RUの間を前述した実施例によってセルIDをシフトすればよい。しかし、図11Aに示すように一つのRUが形成するエリアが複数の線路をカバーする場合、進行方向に応じて運用周波数を変更することが有効である。つまり、図11Bに示すように、異なるセルIDのセルで同一エリアをカバーするようにRU(1201−R2)を配置する。同一エリアをカバーする複数のRUは同一設備内に収容してもよい。
列車の進行方向に応じて運用周波数を変更できない場合、図12Aに示すように、線路ごとにセルIDをシフトさせるRUの組み合わせを線路ごとに決めておくとよい。協調無線リソーススケジューラ402は、例えば、ある方向(右方向)にセルIDをシフトさせるRU(1201−RR)と、逆方向(左方向)にセルIDをシフトさせるRU(1201−RL)に分類してRUを管理するとよい。つまり、特定の線路をカバーするRUの組み合わせをつくるとよい。このため、図12Bに示すように、第5の実施例のRU管理テーブル1210は、路線の識別情報1214を有する。そして、図12Bに示すように、特定の線路をカバーするRUの組み合わせ内ではセルIDをシフトできるが、別の線路をカバーするRUの組み合わせ間でのセルIDのシフトを抑止(又は、禁止)するとよい。
また、RUの組み合わせ内で使用するセルIDの範囲を決めておき、セルIDの範囲を超えてハンドオーバを抑止する。これによって、列車がすれ違う時に異なる線路をカバーするセルへのハンドオーバを防止できる。異なる線路をカバーするセルへのハンドオーバを抑止することによって、列車がすれ違った後に、端末がセルIDを見失う無線リンク障害(RLF)の発生を防ぐことができる。
図12Aに示す場合、併走する線路をカバーするRUが使用する周波数が同一であるため、列車がすれ違う時に干渉が発生することが予想される。このため、図11Bに示すように線路ごとに運用周波数帯を変更するとよい。
また、設備を共用して、同一地点から電波を送信すると、右方向にセルIDをシフトさせるRU(1201−RR)と、左方向にセルIDをシフトさせるRU(1201−RL)とが形成するエリアの干渉が強くなる。このため、図12Aに示すように、異なる線路をカバーするRUを異なる位置に配置するとよい。例えば、線路を挟んで向かい側にRUを配置する、RUを半周期ずらして互い違いに配置するなど、地理的に離れた場所にRUを配置するとよい。又は、同一地点に複数のRUを収容しても、カバーする線路ごとにビーム方向が交わらないようにセルを形成すれば、地理的に離れた場所にRUを設置する場合と同様に、線路エリア間の干渉を低減することができる。
第5の実施例によると、協調無線リソーススケジューラ402が、セルIDとRUとの組み合わせに制限を設け、セルを形成すべき線路ごとにRUの組み合わせを分離してセルIDをシフトするように制御することによって、複数の線路が近接して敷設される場合でもハンドオーバを抑止することができる。
<実施例6>
第6の実施例では、本発明を駅に適用する場合について説明する。
駅のプラットフォーム以外の場所(駅本屋、跨線橋、地下通路、コンコースなどの駅舎エリア)では、線路エリアで用いるセルIDではない、固定のセルIDを割り当てたエリアを構築する。図13Aに示す駅舎エリアのセルは、C−RAN基地局に接続されるRUが形成してもよいし、C−RAN以外の基地局が形成してもよい。また、駅舎エリアで用いる周波数は、線路上をカバーするセルの周波数と異なるとよい。
C−RAN基地局が駅舎エリアを形成するRUを収容する場合、協調無線リソーススケジューラ402は、当該エリアをサービスしているセルIDがシフトしないように管理する。
駅舎エリアをカバーするセルと線路エリアをカバーするセルとの間ではハンドオーバが発生する。駅舎エリアのセルIDから、線路エリアで用いるセルIDへのハンドオーバを所定数以上検知した場合、線路エリアで用いるセルIDをシフトするトリガにするとよい。
このため、図13Bに示すように、駅舎エリアと隣接するRUの情報を含むRU管理テーブル1310をBBU1201−Bが保持する。RU管理テーブル1310は、路線の識別情報1214、駅舎エリアと隣接するかを示すフラグ1315及びハンドオーバ数1316を含むとよい。
図13Bに示す例では、RU識別子#1のエリア及びRU識別子#2のエリアは、駅舎エリアと隣接する。#mより大きいRU識別子は、駅舎エリア用のRU識別子である。CU(1201−C)は、駅舎エリア用のRUのセルと、駅舎エリアと隣接するRUのセルとの間のハンドオーバ回数をカウントして記録する(1316)。例えば、S1/X2コーディネータ401が、この機能を有してもよい。
このハンドオーバ回数が所定数以上になった場合、乗客が列車に乗車を開始したと判定し、駅舎エリアと隣接するセルのセルIDを列車が発車した後の端末の動きに追従させるために、隣接セルIDのシフトを開始してもよい。このような判定によって、セルIDのシフトの正確に開始することができる。
駅舎エリアに隣接するセルを形成するRUは、ハンドオーバ回数のカウントによらず、その線路を走る列車用にセルIDを割り当てるとよい。つまり、セルIDのシフトが始まった後、駅舎エリアに隣接するセルを形成するRUに割り当てられたセルIDを変更し、別の列車のために異なるセルIDを割り当てる。前述した第5の実施例のように、線路ごとに異なるRUがサービスする場合、列車毎に固有のセルIDを割り当てるとよい。このようにすると、列車毎に固有のセルIDを割り当てることができる。
なお、前述した各実施例は単独で適用してもよいし、組み合わせて適用してもよい。例えば、RUが上りの電力を検知し、さらに、鉄道の運行管理システムから列車の位置情報を取得し、この二つの情報を併用することによって、端末の位置を高精度で検知することができる。セルIDの変更精度が高くなれば、ハンドオーバの発生確率を低くすることができる。
以上に説明したように、本発明の実施例によれば、端末の移動に応じて基地局がセルIDを変更するので、ハンドオーバの発生を抑止することができる。これによって、スモールセルで高速移動端末を収容する際に、システムスループットとデータ通信断時間がトレードオフになる問題を解決することができる。これによって、高速かつリアルタイムなトラフィックの送受信が可能となり、高速移動中も動画などのリッチコンテンツを享受でき、エンドユーザのQoEを向上できる。また、シンクライアントの利用や、Web、メールの閲覧もスムーズになり、ビジネスユーザに対しても訴求力のあるサービスを提供することができる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、端末と無線信号を送受信する複数の基地局を備える無線通信システムであって、前記基地局は、スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、前記端末からの上り信号を受信する複数の無線装置と、無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを有し、前記複数の無線装置は共通の識別情報を送信してセルを形成し、前記スケジューラは、前記複数の無線装置それぞれと前記端末との間の伝搬品質に基づいて移動中の端末の位置を検知し、前記端末の位置に基づいて前記複数の無線装置のうち一部の無線装置から前記端末に対してデータを送信するようにリソースを割り当てることを特徴とする無線通信システム。

Claims (15)

  1. 端末と無線信号を送受信する複数の基地局を備える無線通信システムであって、
    前記基地局は、
    スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、前記端末からの上り信号を受信して、所定の識別情報のセルを形成する複数の無線装置と、
    無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを有し、
    前記スケジューラは、移動中の端末の位置を検知し、前記端末の進行先のセルの識別情報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更することを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、前記端末の上り信号の測定結果に基づいて、前記移動中の端末の位置を検知することを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、移動体の運行管理システムから位置情報を取得し、前記取得した位置情報に基づいて、前記移動中の端末を検知することを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、一つの識別情報で信号を送信する複数の無線装置の各々による前記端末の上り信号の測定結果に基づいて、複数の無線装置から協調して下り信号を送信するか、一つの無線装置から下り信号を送信するかを、前記端末ごとに判定することを特徴とする無線通信システム。
  5. 請求項4に記載の無線通信システムであって、
    前記一つの無線装置から下り信号を送信する場合、当該無線装置から復号用の参照信号を送信することを特徴とする無線通信システム。
  6. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、セルの識別情報を変更する無線装置に接続中の端末を、当該基地局が提供するセルからハンドオーバさせた後、当該無線装置のセルの識別情報を変更することを特徴とする無線通信システム。
  7. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、セルの識別情報を変更する無線装置の組み合わせ、及びセルの識別情報の範囲を線路ごとに管理し、前記セルの識別情報の範囲を超えたハンドオーバを抑止することを特徴とする無線通信システム。
  8. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、駅舎エリアのセルから前記駅舎エリアに隣接するセルへのハンドオーバが所定回数以上行われた場合、前記移動中の端末の位置を検知することを特徴とする無線通信システム。
  9. 請求項8に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラは、前記駅舎エリアに隣接するセルの識別情報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更した後、当該端末が検知された無線装置に新たなセルの識別情報を割り当てることを特徴とする無線通信システム。
  10. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記集約装置は、
    前記基地局によって形成される複数のセルの情報をコアネットワークと交換し、前記各セルへデータを振り分けるルーティング機能と、
    前記無線リソースの割り当てに基づいて変復調処理を行う変復調部と、
    前記決定された無線リソースを前記無線装置に転送するスイッチと、を有し、
    前記スイッチは、前記変復調部と前記無線装置との間に設けられることを特徴とする無線通信システム。
  11. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記集約装置は、
    前記基地局によって形成される複数のセルの情報をコアネットワークと交換し、前記各セルへデータを振り分けるルーティング機能と、
    前記決定された無線リソースを前記無線装置に転送するスイッチと、を有し、
    前記無線装置は、前記無線リソースの割り当てに基づいて変復調処理を行う変復調部を有し、
    前記スイッチは、前記スケジューラと前記変復調部との間に設けられることを特徴とする無線通信システム。
  12. 請求項11に記載の無線通信システムであって、
    前記スケジューラと前記変復調部との間で送受信される信号のフォーマットがFAPI形式であることを特徴とする無線通信システム。
  13. 請求項11に記載の無線通信システムであって、
    前記変復調部は、前記受信した端末の上り信号を復号し、前記復号されたデータを前記スケジューラに送り、
    前記スケジューラは、前記複数の無線装置から送られた上り信号の復号結果を選択することを特徴とする無線通信システム。
  14. 端末と無線信号を送受信する複数の基地局を備える無線通信システムの制御方法であって、
    前記基地局は、スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、
    前記端末からの上り信号を受信して、所定の識別情報のセルを形成する無線装置と、無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを有し、
    前記方法は、
    前記スケジューラが、移動中の端末の位置を検知し、
    前記スケジューラが、前記端末の進行先のセルの識別情報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更することを特徴とする制御方法。
  15. 端末と無線信号を送受信する複数の基地局装置であって、
    スケジューリングされた無線リソースで前記端末に下り信号を送信し、前記端末からの上り信号を受信して、所定の識別情報のセルを形成する無線装置と、
    無線リソースを前記端末に割り当て、前記割り当てられた無線リソースで信号を送信する無線装置を決定するスケジューラを含み、前記無線装置が送受信する信号を処理する集約装置とを備え、
    前記スケジューラは、移動中の端末の位置を検知し、前記端末の進行先のセルの識別
    報を、当該端末が検知されたセルの識別情報に変更することを特徴とする基地局装置。
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