JPWO2013021670A1 - 再生エネルギー型発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素化された油供給機構でありながら作動油および潤滑油をそれぞれ適正に作用させることができる再生エネルギー型発電装置を提供する。【解決手段】再生エネルギー型発電装置1は、ブレード7と、ハブ6と、回転シャフト9と、ナセル4とを備えるとともに、回転シャフト9により駆動される油圧ポンプ11と、油圧ポンプ11で昇圧した作動油によって駆動される油圧モータ12と、油圧モータ12に連結された発電機と、油圧モータ12から油圧ポンプ11の作動室に作動油を戻すオイルライン14と、オイルライン14を流れる作動油を冷媒との熱交換により冷却するオイルラインクーラ18と、オイルラインクーラ18に冷媒を供給する冷媒ライン41と、オイルライン18から分岐され、油圧ポンプ11及び油圧モータ12の少なくとも一方の潤滑対象部に作動油を導く分岐ライン31と、分岐ライン31を流れる作動油を冷媒との熱交換により冷却する分岐ラインクーラ33とを備える。これに加えて、オイルラインクーラ18及び分岐ラインクーラ33によって異なる温度に冷却された作動油が、それぞれ、オイルライン14及び分岐ライン31を介して作動室と潤滑対象部に供給される。

Description

本発明は、油圧ポンプ及び油圧モータを組み合わせた油圧トランスミッションを介して、再生エネルギー源から得られるロータの回転エネルギーを発電機に伝達する再生エネルギー型発電装置に関する。なお、再生エネルギー型発電装置は、風、潮流、海流、河流等の再生可能なエネルギーを利用した発電装置であり、例えば、風力発電装置、潮流発電装置、海流発電装置、河流発電装置等を挙げることができる。
近年、地球環境の保全の観点から、風力を利用した風力発電装置や、潮流、河流あるいは海流エネルギーを利用した潮流発電装置等の再生エネルギー型発電装置の普及が進んでいる。一般に、再生エネルギー型発電装置では、風、潮流、海流又は河流の運動エネルギーをロータの回転エネルギーに変換し、さらにロータの回転エネルギーをドライブトレインで増速して発電機に入力し、発電を行う。
このような再生エネルギー型発電装置において、従来はドライブトレインとしてギヤ式の増速機が多く用いられていたが、再生エネルギー型発電装置の大型化に伴って、重量及びコストの観点から油圧トランスミッションを採用した再生エネルギー型発電装置が注目を浴びている。
例えば、特許文献1には、ロータの回転により駆動される油圧ポンプと、発電機に接続された油圧モータとを組み合わせた油圧トランスミッションを用いた風力発電装置が記載されている。この風力発電装置の油圧トランスミッションでは、油圧ポンプ及び油圧モータは、高圧油ライン及び低圧油ラインを介して互いに流体的に接続されている。油圧ポンプで加圧された高圧の作動油は高圧油ラインを通って油圧モータに供給され、油圧モータにて作動油の圧力が発電機の駆動力に変換される。そして、油圧モータから吐出される低圧の作動油は、低圧油ラインを通って油圧ポンプに戻される。油圧ポンプは、複数組のピストン及びシリンダと、シリンダ内でピストンを周期的に摺動させるカムとで構成されている。
なお、油圧トランスミッションを備えた風力発電装置ではないが、特許文献2には、コンバータや、変圧器や、制御装置を冷却するための冷却システムを備えた風力発電装置が記載されている。この冷却システムは、タワー外周面に取り付けられた複数の熱交換器を有し、該熱交換器において、コンバータや、変圧器や、制御装置を冷却した後の冷却媒体を大気と熱交換させるようになっている。
また、特許文献3には、複数のデバイス(コンバータ、変圧器、軸受箱、発電機等)を冷却するための風力発電装置用の冷却装置が記載されている。この冷却装置は、複数のデバイスを冷却した後の冷却水を、タワーやナセルの外壁に取り付けられた熱交換器によって冷却するようになっている。
米国特許出願公開第2010/0032959号明細書 欧州特許出願公開第1798414号明細書 欧州特許出願公開第2007184号明細書
ところで、特許文献1のような油圧トランスミッションを備える再生エネルギー型発電装置においては、例えば回転シャフトと油圧ポンプの軸受、油圧モータの出力軸とその軸受、あるいは油圧ポンプのピストンとカムのように、互いに摺動する摺動部材を多数有している。こういった摺動部材には、摩擦により生じる摩耗を防ぐために、通常、潤滑油が供給される。しかし、油圧トランスミッションは既に、作動油を循環させるための高圧油ラインおよび低圧油ラインを備えており、この他に、潤滑油を独立して供給する機構を設けると配管構造が複雑化し、また油を貯留するタンクやポンプ等を新たに設置する必要があるため装置の大型化を招いてしまう。そこで、作動油を分岐させて潤滑油として利用することが考えられるが、作動油と潤滑油とでは求められる粘度が異なるので、このような構成を容易に適用することは難しい。すなわち、作動油は圧力を伝達するために用いられるものであり、エネルギーロスが少なくなるような粘度であることが好ましい。一方、潤滑油は摺動部材の摩擦を低減させる役割を担うので、作動油より高粘度であることが求められる。したがって、単に作動油を分岐させて潤滑油として供給するのみでは、作動油と潤滑油のそれぞれの作用を適正に発揮させることは難しい。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、簡素化された油供給機構でありながら作動油および潤滑油をそれぞれ適正に作用させることができる再生エネルギー型発電装置を提供することを目的とする。
本発明に係る再生エネルギー型発電装置は、再生エネルギーから電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、ブレードと、前記ブレードを支持するハブと、前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーにより回転する回転シャフトと、前記回転シャフトを収納するナセルと、前記回転シャフトにより駆動されて、作動室内の作動油を昇圧して吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された前記作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータに連結された発電機と、前記油圧モータから前記油圧ポンプの前記作動室に前記作動油を戻すオイルラインと、前記オイルラインに設けられ、前記オイルラインを流れる前記作動油を冷媒との熱交換により冷却するオイルラインクーラと、前記オイルラインクーラに前記冷媒を供給する冷媒ラインと、前記オイルラインから分岐され、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の潤滑対象部に前記作動油を導く分岐ラインと、前記分岐ラインに設けられ、前記分岐ラインを流れる前記作動油を冷媒との熱交換により冷却する分岐ラインクーラとを備え、前記オイルラインクーラ及び前記分岐ラインクーラによって異なる温度に冷却された前記作動油が、それぞれ、前記オイルライン及び前記分岐ラインを介して前記作動室と前記潤滑対象部に供給されることを特徴とする。
上記再生エネルギー型発電装置によれば、オイルラインを流れる作動油を分岐して、潤滑油として潤滑対象部に供給する分岐ラインを設けることで、潤滑油用のラインを独立して設ける必要がなくなり、配管構造の簡素化が図れる。また、オイルラインに設けられるオイルラインクーラと分岐ラインに設けられる分岐ラインクーラとによって、作動油と潤滑油とを異なる温度に冷却するようにしたので、作動油および潤滑油がそれぞれ適正な作用を発揮できる。
上記再生エネルギー型発電装置において、前記分岐ラインクーラは、前記分岐ラインを流れる前記作動油を、前記オイルラインクーラで冷却された前記作動油の温度以下に冷却してもよい。
作動油は、油圧ポンプと油圧モータの間で圧力を伝達する場合は、エネルギーロスの少ない粘度(比較的高温)となるような温度であり、潤滑油として用いられる場合は、潤滑対象部が摺動する際に摩耗を低減可能な粘度(比較的低温)となるような温度であることが望ましい。したがって、分岐ラインクーラによって、分岐ラインを流れる作動油をオイルラインクーラで冷却された作動油の温度以下に冷却することで、潤滑油に適した粘度の作動油を潤滑油として潤滑対象部に供給できる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記オイルライン及び前記冷媒ラインの少なくとも一方のラインから分岐して該ラインに合流し、前記オイルラインクーラをバイパスするバイパスラインと、前記バイパスラインの分岐点と合流点との間に位置する前記少なくとも一方のラインに設けられ、前記オイルラインクーラに流入する前記作動油及び前記冷媒の少なくとも一方の流量を調整する流量調整バルブをさらに備えてもよい。
このように、作動油及び冷媒の少なくとも一方の流体がオイルラインクーラをバイパスするようにバイパスラインを設け、流量調整バルブによって、このバイパスラインへの前記流体の流入量を調整するようにしたので、オイルラインクーラにて作動油と冷媒との間で交換される熱量を調整することができる。これにより、オイルラインクーラで冷却される作動油の温度を自在に調整可能となり、周囲の温度や発電機の発熱量等が変化した場合においても、作動油を適切な温度に保つことが可能となるとともに、バイパス量を予め制限することで過冷却防止も可能となる。なお、流量調整バルブは完全に閉とすることもでき、この場合、オイルラインクーラに流入する流体の流量が0となるため、オイルラインクーラでの冷却が行われない状態となる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記冷媒ラインに設けられ、前記再生エネルギー型発電装置の周囲に存在する雰囲気流体によって前記冷媒を冷却する熱交換器をさらに備え、前記熱交換器における前記冷媒と前記雰囲気流体との熱交換量は、前記冷媒の流量及び前記雰囲気流体の流量の少なくとも一方によって調整してもよい。
このように、冷媒ラインに冷媒を雰囲気流体で冷却する熱交換器を設け、冷媒の流量及び雰囲気流体の流量の少なくとも一方によって冷媒と雰囲気流体との熱交換量、すなわち冷媒の冷却温度を調整することで、冷媒を適切な温度に冷却することができる。
また、前記ナセルの壁面に取り付けられ、前記熱交換器が内部に配置されたダクトをさらに備え、前記熱交換器によって前記雰囲気流体である外気を用いて前記冷媒を冷却し、前記冷媒を用いて、前記作動油に加えて、前記ナセル内部における熱発生源を冷却してもよい。
このように、熱交換器における冷媒の冷却と、ナセル内部の熱発生源の冷却において、ナセル壁面に取り付けられたダクトを介して取り込んだ外気を用いることで、冷却対象に対して外気の吸気口を近い位置に配置することができるので、ダクト長さを短くでき、さらにこれにより外気の吸気動力を小さく抑えることができる。
また、前記ナセルの壁面に取り付けられ、前記熱交換器が内部に配置されたダクトをさらに備え、前記ダクトは、前記回転シャフトに沿った前記ナセルの側壁に設けられ前記雰囲気流体である外気を取り込む吸気口と、前記ハブから遠い側の前記ナセルの後端側壁面に設けられ前記外気を排出する排気口とを含んでもよい。
このように、ナセルの側壁にダクトを設けることで、ナセル上面を例えばヘリポート等の他の使用目的で用いることができる。
また、前記吸気口近傍の前記ナセル壁面に設けられ、前記外気に乱流を発生させる乱流発生機構をさらに備えてもよい。
ナセル壁面のような物体表面を流れる外気には、境界層が形成されることが知られている。ここで、境界層とは、流れに置かれた物体の周辺に発生する、流速が主流よりも遅い領域である。流れの下流でナセル壁面が突出しているとここで圧力が増加し、境界層の剥離が発生する。境界層が剥離すると吸気口に導入される外気量が減少し、熱交換量が低減してしまう。そこで、吸気口近傍のナセル壁面に、外気に乱流を発生させる乱流発生機構を設けることによって、ナセル壁面における境界層の剥離を防止し、吸気口への外気流入量を確保することができる。
また、前記吸気口の外壁面の後端側に、該外壁面から突出したつば部を設けてもよい。
ナセル外壁面の外部を流れる空気は、つば部の周辺領域において流路面積が縮小するために加速されて動圧が上昇し、その分だけ静圧が低下する。そのため、つば部の後流側の領域における圧力(静圧)は低くなる。また、つば部の後流側の領域では渦が発生するため、このことによっても領域の圧力が低下する。したがって、つば部の後流側の領域における低い圧力によってより多くの外気を吸気口からダクト内に引き込むことができる。よって、熱交換器において冷媒から外気に移動する熱量が増えて、熱発生源の冷却を効果的に行うことができる。
また、前記ナセルは、前記側壁の後端側に、前記ハブから遠くなるにつれて前記ナセルの中心線に向かって内側に湾曲する湾曲部を有しており、前記ダクトは、少なくとも前記湾曲部が設けられた範囲において、前記吸気口側から前記排気口側に向かって断面積が増大するように形成されていてもよい。
このように、ダクトが、吸気口側から排気口側に向かって断面積が増大するように形成されているので、ディフューザ効果によって、より多くの外気がダクト部に取り込まれるようになる。よって、熱交換器において冷媒から外気に移動する熱量が増えて、熱発生源の冷却を効果的に行うことができる。
また、前記ダクト内に前記熱交換器が複数配置されており、前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内への外気の取り込み量を増大させるファンをさらに備え、前記ファンの回転数を調整することによって、前記熱交換器において外気が前記冷媒から奪う熱量を調節してもよい。
あるいは、前記ダクト内に前記熱交換器が複数配置されており、前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内への外気の取り込み量を増大させる複数のファンをさらに備え、前記複数のファンのうち作動状態のファンの個数を変化させることによって、前記熱交換器において外気が前記冷媒から奪う熱量を調節してもよい。
このように、ファンの回転数あるいは作動状態のファンの個数を変化させて、熱交換器における熱交換量を調節することで、熱交換器を出て熱発生源の冷却に再び用いられる冷媒の温度を適切な範囲に維持して、熱発生源の冷却を適度に行うことができる。
特に、油圧トランスミッションを用いた風力発電装置において、油圧トランスミッションの作動油を冷媒で冷却する場合、冷媒の温度が低すぎると、作動油の冷却が過剰になって、作動油の粘度が上限値を超えてしまう。そして、作動油の粘度が上限値を超えると、油圧トランスミッションにおける損失が大きくなり、発電効率が著しく低下する。そのため、上述した手法のいずれかによって熱交換器における熱交換量を調節して、冷媒の温度を適切な範囲に維持すれば、作動油の粘度上昇による油圧トランスミッションの損失を抑制できる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記ナセル内空間に配置される電気機器を収納し、前記空間から密閉された密閉室をさらに備え、前記密閉室は、前記熱交換器で冷却された前記冷媒を用いて冷却されてもよい。
このように、電気機器を密閉室に収納することで、外気に腐食性成分が含まれる場合であっても電気機器を外気から隔離でき、腐食から保護することができる。また、電気機器は熱発生源の一つであるため密閉室への収納で熱がこもる可能性があるが、密閉室内の空気を冷媒で冷却することで、電気機器の過剰な温度上昇を防止できる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記発電機を冷却する発電機クーラをさらに備え、前記発電機クーラは、前記ナセルの外部からフレキシブル配管を通って導かれる外気によって冷却されてもよい。
発電機は熱発生源の一つであるため、発電機を構成する部品およびその周辺構造は熱伸びが発生する。また、発電機は、回転部材を含むので振動が発生する。これらの熱伸びおよび振動によって、発電機を収納するナセルと相対変位を生じる。そこで、発電機の冷却機構と、ナセルの外部から外気を取り込む吸気口または排気口とをフレキシブル配管で連結することで、これらの間の相対変位をフレキシブル配管の変形で吸収し、配管への荷重を緩和できる。なお、フレキシブル配管とは、可撓性を有する配管であり、ある程度自由に曲げることができるものをいう。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記ナセルを支持するタワー内または前記タワーの周囲に設けられ変圧器が収容される変圧器室と、前記変圧器室内の空気を他の冷媒と熱交換することによって冷却する他の冷却器と、前記冷媒ラインとは独立して設けられ、前記他の冷媒が流れる他の冷媒ラインと、前記他の冷媒ラインに接続され、前記他の冷媒を前記再生エネルギー型発電装置の周囲の雰囲気流体と熱交換することによって冷却する他の熱交換器とをさらに備えてもよい。
タワー内またはタワーの周囲に変圧器室が設けられる場合、ナセル内の油圧トランスミッションを冷却する冷媒をナセルからタワーまで延設すると配管が長大化し、またナセルのヨー旋回に対応するための機構が必要となる。したがって、変圧器室に対しては、ナセル側の冷媒ラインとは独立した他の冷媒ラインから冷媒を供給することによって、配管構造を簡素化することができる。
上記再生エネルギー型発電装置は、前記ナセルを支持するタワー内、前記ナセル内及び前記ハブ内の少なくともいずれかの空間を外気によって冷却する換気機構をさらに備え、前記換気機構は、ファンによって外気を取り込む吸気口と、前記吸気口に設けられ、前記外気に含まれる腐食性物質を遮断するフィルタと、前記空間から空気を排気する排気口とを含んでもよい。
このように、タワー内、ナセル内及びハブ内の少なくともいずれかの空間へ外気を取り込む吸気口に、腐食性物質を遮断するフィルタを設けるようにしたので、空間内に配置される機器の腐食を防止することができる。
この場合、前記換気機構は、前記吸気口を開閉するシャッタをさらに含み、前記シャッタは、前記空間内の温度が設定温度より高いときは開かれ、前記空間内の温度が前記設定温度より低いときは閉じられるようにしてもよい。
再生エネルギー型発電装置は、高所や洋上などの周囲温度が大きく変化する場所に設置されることも多く、このような場合、タワー内、ナセル内あるいはハブ内の空間の温度も変化し、大きな温度変化は機器の動作に影響を与えることがある。したがって、吸気口を開閉するシャッタを設け、空間内の温度が設定温度より高いときはシャッタを開き、空間内の温度が設定温度より低いときはシャッタを閉じることで、空間内の温度変化を最小限に抑え、機器の円滑な動作を可能とする。
あるいはこの場合、前記換気機構が前記ハブに設けられており、前記吸気口は前記ブレードに形成された穴に連通し、該穴から前記外気を排気するようにしてもよい。
再生エネルギー型発電装置の運転時、ブレードの回転によりその周囲は負圧となる。一方、ハブ内の空間は正圧であるため、ブレード周囲とハブ内空間との間には圧力差が生じる。そこで、ブレードに形成した穴によってハブ内空間とブレードの周囲とを連通させることで、上記圧力差によってハブ内空間からブレードを通って外部へ流れる空気流れが形成される。したがって、ハブ内空間の換気用のファンを設ける必要がなくなるか、あるいはファンを小型化でき、換気用の動力を低減できる。
あるいはこの場合、前記換気機構が前記ハブに設けられており、前記吸気口は、前ハブに形成された開口部から前記ハブを覆うスピナーと前記ハブとの間の空間へ連通するか、または前記ハブから前記回転シャフトの中空穴を通って前記ナセル内の空間へ連通し、前記吸気口から吸気した前記外気を、前記スピナーと前記ハブとの間の空間または前記ナセル内の空間へ排気するようにしてもよい。これにより、ハブ内空間の昇温された空気を外部へ排出することが可能となる。なお、吸気口は、スピナーとハブとの間の空間と、ナセル内空間の両方に連通してもよい。
本発明は、オイルラインを流れる作動油を分岐して、潤滑油として潤滑対象部に供給する分岐ラインを設けることで、潤滑油用のラインを独立して設ける必要がなくなり、配管構造の簡素化が図れる。また、オイルラインに設けられるオイルラインクーラと分岐ラインに設けられる分岐ラインクーラとによって、作動油と潤滑油とを異なる温度に冷却するようにしたので、作動油および潤滑油がそれぞれ適正な作用を発揮できる。
本発明の実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。 オイルラインおよび分岐ラインと冷媒ラインの構成例を示す図である。 オイルラインおよび冷媒ラインの具体例を示す図である。 オイルラインおよび冷媒ラインの他の具体例を示す図である。 油圧ポンプの具体的な装置構成を示す断面図である。 ダクトが設けられたナセルを示す図である。 乱流発生機構の具体的な構成例を示す斜視図である。 つば部の具体的な構成例を示す斜視図である。 ダクトの変形例を示す断面図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る風力発電装置について説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図であり、図2は、オイルラインおよび分岐ラインと冷媒ラインの構成例を示す図である。
図1に示すように風力発電装置1は、主として、基礎2上に設置されるタワー3と、タワー3に支持されるナセル4と、風のエネルギーによって回転するロータ5とを備える。
なお、図1には、風力発電装置1として海面SL上に設置される洋上風力発電装置を例示しているが、風力発電装置1は陸上に設置されていてもよい。
ロータ5は、少なくとも一枚(例えば3枚)のブレード7と、該ブレード7を支持するハブ6とで構成される。ハブ6は、ナセル4内に収納された回転シャフト9に連結されている。これにより、ブレード7が風を受けてロータ5が回転すると、ハブ6に連結された回転シャフト9も回転するようになっている。なお、ハブ6はスピナー8で覆われている。
ナセル4内には油圧トランスミッション10及び発電機16が収納されている。
図2に示すように、油圧トランスミッション10は、回転シャフト9に連結された油圧ポンプ11と、発電機16に連結された油圧モータ12と、油圧ポンプ11及び油圧モータ12間に設けられるオイルライン15とを有する。オイルライン15は、油圧ポンプ11の吐出側と油圧モータ12の吸込側とを接続する高圧油ライン13、及び、油圧ポンプ11の吸込側と油圧モータ12の吐出側とを接続する低圧油ライン14により構成されている。
油圧ポンプ11は、回転シャフト9によって駆動されて高圧の作動油を生成する。この高圧の作動油は、高圧油ライン13を介して油圧モータ12に供給され、該高圧の作動油によって油圧モータ12が駆動される。このとき、油圧モータ12に連結された発電機16が駆動され、発電機16において電力が生成される。油圧モータ12から吐出された作動油は、低圧油ライン14を介して油圧ポンプ11に供給され、油圧ポンプ11において再び昇圧されて油圧モータ12に送られる。なお、油圧ポンプ11の具体的な構成については後述する。
低圧油ライン14には、作動油の循環量を調節するオイル補充機構が設けられていてもよい。オイル補充機構は、返送ライン21と、低圧リリーフ弁22と、オイルタンク23と、補充ライン25と、ブーストポンプ26と、オイルフィルタ27とを含んでいる。
補充ライン25は、オイルタンク23を低圧油ライン14に接続している。
オイルタンク23は、補充用の作動油が貯留されている。このオイルタンク23は、大気開放されていてもよい。
ブーストポンプ26は、補充ライン25に設けられ、オイルタンク23から低圧油ライン14に作動油を補充するようになっている。このとき、低圧油ライン14に供給される作動油は、補充ライン25に設けられたオイルフィルタ27によって不純物が除去される。
これにより、作動油の漏洩が油圧トランスミッション10の内部で生じても、ブーストポンプ26によってオイルタンク23から低圧油ライン14に作動油が補充されるので、油圧トランスミッション10内を循環する作動油の量を維持できる。
返送ライン21は、オイルタンク23と低圧油ライン14との間に配置されている。返送ライン21には低圧リリーフ弁22が設けられており、低圧油ライン14内の圧力を設定圧力近傍に保持するようになっている。
これにより、ブーストポンプ26によって作動油が低圧油ライン14に供給されても、低圧油ライン14内の圧力が低圧リリーフ弁22の設定圧力に達すれば、低圧リリーフ弁22が自動的に開いて、返送ライン21を介してオイルタンク23に作動油を逃すことができる。よって、油圧トランスミッション10内を循環する作動油の量を適切に維持できる。
また、低圧油ライン14には、冷却媒体(以下、冷媒という)と作動油とを熱交換することによって、作動油を冷却するためのオイルラインクーラ18が接続されている。なお、図2には一例として、バイパスライン17にオイルラインクーラ18を設けた例を示している。バイパスライン17は、低圧油ライン14から分岐して再び低圧油ライン14に合流する作動油の流路である。ただし、オイルラインクーラ18は低圧油ライン14に直接設けてもよい。
オイルラインクーラ18には、冷媒ライン41を介して冷媒が導入され、作動油と熱交換した後の冷媒は冷媒ライン42を介して排出される。冷媒ライン42は熱交換器50に接続されている。冷媒ライン42を通って熱交換器50に導入される冷媒は、ファン51を備える熱交換器50で外気と熱交換されることによって冷却され、冷却された冷媒は冷媒ライン41を通って再びオイルラインクーラ18に導入される。
具体的に、冷媒ライン41,42は、風力発電装置1の熱発生源(図2では油圧トランスミッション)の冷却を行うための冷媒を循環させる流路であり、閉ループの冷媒回路として構成される。冷媒ライン41,42を循環する冷媒には、任意の液体又は気体からなる冷媒を用いることができる。特に、冷媒として水を用いてもよい。また、冷媒として、不凍液を添加した水を用いてもよい。
熱交換器50は、複数の伝熱管からなる伝熱管群を有する。この熱交換器50は、伝熱管内を流れる冷媒を、伝熱管周囲を流れる雰囲気流体によって冷却するように構成されている。なお、雰囲気流体とは風力発電装置1の周囲に存在する流体であって、例えば空気、海水等である。熱交換器50では、オイルラインクーラ18を通過した後の冷媒が伝熱管内を流れ、この冷媒は、伝熱管外周を流れる雰囲気流体によって冷却される。このとき、雰囲気流体として空気を用いることが好ましい。通常、風力発電装置1においては、風速がある一定以上得られる場所に設置されることが多い。したがって、風力発電装置1において、冷媒を冷却する雰囲気流体として空気を用いることにより、熱交換器50への雰囲気流体の取り込みを容易に行うことが可能となる。また、洋上風力発電装置においては、雰囲気流体として海水を用いてもよい。洋上風力発電装置においては、周囲に海水が十分に存在するため、冷媒を冷却する雰囲気流体として海水を十分に確保することができる。
ここで、熱交換器50における冷媒と雰囲気流体との熱交換量は、冷媒の流量及び雰囲気流体の流量の少なくとも一方によって調整されるようにしてもよい。具体的には、熱交換器50内にファン51で外気を取り込み、外気と作動油とを熱交換することによって作動油を冷却する場合、コントローラ46に、オイルライン15上の作動油温度または外気温度を入力し、この温度に基づいて、ファンの回転数を制御し、熱交換器50に導入する外気の流量を調整する。
このように、熱交換器50における冷媒の流量及び雰囲気流体の流量の少なくとも一方を調整することで、冷媒の保有熱量を自在に調整できる。これにより、冷媒の保有熱量、すなわち冷媒自体の冷却能力を調整可能となるため、作動油の冷却機能を大幅に向上できる。風力発電装置1においては、特に発電機16の負荷によってオイルラインクーラ18の熱損失が変化するため、上記構成を備えることで、発電機16の負荷に応じた作動油の冷却が可能となる。なお、同図には一つの熱交換器50のみを示しているが、想定される風力発電装置1の熱発生源からの発熱量に応じて、複数の熱交換器50を設けてもよい。この場合、複数の熱交換器50は、冷媒ライン41,42に対して並列に接続しても、直列に接続してもよい。
また、バイパスライン17上には、流量調整バルブ19が設けられていてもよい。この流量調整バルブ19によって、オイルラインクーラ18に流入する作動油の流量を調整することができる。
このように、流量調整バルブ19によって、バイパスライン17への作動油の流入量を調整することで、オイルラインクーラ18にて作動油と冷媒との間で交換される熱量を調整することができ、作動油の冷却によって該作動油を適切な温度に保つことが可能となる。なお、流量調整バルブ19は、低圧油ライン14からの分岐点に設けてもよく、この場合、三方バルブを用いることができる。
流量調整バルブ19は、コントローラ46によって開度制御される。この場合、オイルライン15の所定位置における作動油温度を温度センサT1又はT2で検出し、この検出された温度があらかじめ設定された設定温度となるように、コントローラ46によって流量調整バルブ19の開度を調節して、オイルラインクーラ18に流入する作動油流量を調整する。なお、設定温度は、作動油の粘度に基づいて設定してもよい。例えば、設定温度の上限値は、作動油の劣化速度や漏れ量等が抑えられるように設定された粘度下限値に対応した温度とし、設定温度の下限値は、油圧トランスミッション内における作動油の粘性抵抗によるエネルギーロスが抑えられるように設定された粘度上限値に対応した温度とする。
油圧トランスミッションにおいては、オイルライン15上の位置によって作動油の適正温度が異なるため、設定温度はオイルライン15の位置に対応した温度とする。また、設定温度は少なくとも一つ以上有するものとし、設定温度が複数存在する場合は、複数の設定温度がオイルライン上の位置にそれぞれ対応している。すなわち、オイルライン15上の異なる位置に設けられた温度センサT1、T2に対応した設定温度がそれぞれ存在する。なお、オイルライン15上の温度センサT1、T2の位置は、低圧油ライン14上であることが好ましいが、高圧油ライン13であってもよい。
また、流量調整バルブ19は完全に閉とすることもでき、この場合、オイルラインクーラ18に流入する作動油の流量が0となるため、オイルラインクーラ18での冷却が行われない状態となる。
なお、上記構成では、バイパスライン17がオイルライン15に設けられている例について説明したが、バイパスラインを冷媒ライン41,42側に設けてもよい。
この場合、冷媒ライン41,42には、冷媒がオイルラインクーラ18をバイパスするバイパスラインが接続される。さらに、冷媒のバイパス量を調整する流量調整バルブを設け、このバルブでオイルラインクーラに流入する冷媒の流量を調整することによって、オイルラインクーラでの熱交換量を調節することができる。
さらにまた、低圧油ライン14には、作動油の一部を分岐する分岐ライン31が接続されている。分岐ライン31は潤滑対象部まで延設され、低圧油ライン14から分岐された作動油を潤滑油として潤滑対象部へ供給する。分岐ライン31上には、分岐ラインクーラ33が設けられている。分岐ラインクーラ33は、分岐された作動油と冷媒とを熱交換することによって作動油を冷却する。分岐ラインクーラ33には、冷媒を供給する冷媒ライン44と、熱交換した後の昇温された冷媒が排出される冷媒ライン45とが接続されている。冷媒ライン45は、熱交換器50に接続され、ファン51によって熱交換器50に供給される外気によって冷媒は冷却された後、再び冷媒ライン44を通って分岐ラインクーラ33に送給される。
このとき、分岐ラインクーラ33は、分岐ライン31を流れる作動油を、オイルラインクーラ18で冷却された作動油の温度以下に冷却することが好ましい。これにより、潤滑油に適した粘度の作動油を潤滑油として潤滑対象部に供給できる。なお、潤滑油として供給する作動油の温度の冷却を促進する観点から、分岐ライン31はオイルラインクーラ18より下流側に接続されることが望ましく、図1に示すように、オイルラインクーラ18を通過した作動油の一部を分岐ライン31へ分岐させてもよい。
また、分岐ライン31から潤滑対象部へ供給された作動油は、潤滑油として作用した後、返送ライン32を通ってオイルタンク23へ戻される。
なお、図1に示すように、上記した冷媒ライン41および冷媒ライン44上には、冷媒を圧送するポンプが設けられてもよい。さらに、冷媒ライン41には、冷媒を貯留する冷媒タンク43が設けられてもよい。また、図示しないが、冷媒ライン44上にも冷媒タンクが設けられていてもよいことは勿論である。
また、冷媒を外気と熱交換する熱交換器50は、複数設けられていてもよい。熱交換器50は、外気を吸気するファン51を有する。また熱交換器50は、ファン51で吸気した外気に含まれる腐食性物質等の異物を除去するフィルタ52をさらに有することが好ましい。なお、熱交換器50周辺の具体的な構成については後述する。
ここで、図3および図4を参照して、オイルラインおよび冷媒ラインの具体例について説明する。なお、同図に示す数値は一例であり、これらの数値に限定されるものではない。また、同図では、ポンプやタンク等のラインに付設される設備を省略している。
図3に示す例では、オイルラインクーラ18は、第1オイルラインクーラ18Aおよび第2オイルラインクーラ18Bを含む。熱交換器50は、第1熱交換器50A、第2熱交換器50B、第3熱交換器50Cおよび第4熱交換器50Dを含む。
第1熱交換器50A〜第4熱交換器50Dからなる熱交換器50で冷却された約42℃の冷媒410は、熱交換器50に並列に接続された第1オイルラインクーラ18A,第2オイルラインクーラ18Bおよび分岐ラインクーラ33に導入されて、作動油の冷却により約52℃に昇温された冷媒411として熱交換器50に戻る。
第1オイルラインクーラ18Aおよび第2オイルラインクーラ18Bには、それぞれ、低圧油ライン14から導入される60℃程度の作動油141が導入される。この作動油141は、第1オイルラインクーラ18Aおよび第2オイルラインクーラ18Bで、冷媒によってそれぞれ冷却された後、約50℃の作動油142として排出される。この作動油142は分岐され、一部の作動油144は分岐ラインクーラ33に導入され、冷媒と冷却されることによって約45℃の作動油(潤滑油)145として潤滑対象部へ送給される。一方、他の作動油143は、作動油として油圧ポンプ11の作動室へ送給される。
この例の場合、油圧ポンプ11の作動室へ送られる作動油143と、潤滑対象部へ送られる作動油145との温度を異ならせるために、オイルラインクーラ18A,18Bを通過した後の作動油を分岐ラインクーラ33に導入するようにしている。これに加えて、各クーラへ供給する冷媒量を調整してもよい。
図4に示す他の例では、冷媒ラインを分割した場合を示している。すなわち、第1熱交換器50A〜第4熱交換器50Dからなる熱交換器50で冷却された約47℃の冷媒413は、熱交換器50に並列に接続された第1オイルラインクーラ18Aおよび第2オイルラインクーラ18Bに導入されて、作動油の冷却により約52℃に昇温された冷媒414として熱交換器50に戻る。一方、分岐ラインクーラ33には、オイルラインクーラ18A,18Bとは別に独立した冷媒ラインを設けている。熱交換器50Eで外気により約42℃まで冷却された冷媒415は、分岐ラインクーラ33に導入されて、作動油の冷却により約44℃に昇温された冷媒416として熱交換器50Eに戻る。このように、油圧ポンプ11の作動室へ送られる作動油と、潤滑対象部へ送られる作動油との温度を異ならせるために、それぞれ異なるクーラを設けてもよい。
ここで、図5を参照して、油圧ポンプ11の具体的な装置構成について説明する。なお、図5は、油圧ポンプ11の具体的な装置構成を示す断面図である。
油圧ポンプ11は、カム取付台71を介して回転シャフト9に取り付けられている。回転シャフト9は、シャフト軸受70A,70Bを介してナセル側に回転自在に支持されている。なお、図3に示す例では、油圧ポンプ11は、2つのシャフト軸受70A,70Bの間に配置されているが、これらのシャフト軸受70A,70Bよりハブ6から遠い側に油圧ポンプ11が配置されてもよい。
カム取付台71の外周には、ポンプケーシング73がポンプ軸受74を介して固定されている。ポンプケーシング73は、一対のエンドプレート73A,73Bと、これらの間に設けられる円筒ケース73Cとで構成される。ポンプケーシング73は、シリンダ81、ピストン82、高圧マニホルド83、低圧マニホルド86、高圧バルブおよび低圧バルブ(不図示)、カム72の各部を覆うとともに、作動油の外部への漏洩を防止している。カム72は、複数の凹部及び凸部が回転シャフト9の周りに交互に並んだ波状のカム曲面を有するリングカムであることが好ましい。このカム72が収容される空間をカム室77と呼び、通常は潤滑油(低圧油)で満たされている。
油圧ポンプ11は、少なくとも一つのシリンダ81を有するシリンダブロック75と、該シリンダブロック75の各シリンダ81に対して設けられるピストン82と、高圧マニホルド83及び低圧マニホルド86と、高圧バルブ及び低圧バルブとを一つのモジュールとして、該モジュールを複数セット含んでいてもよい。
シリンダ81の内部には、シリンダ81とピストン82とに囲まれる作動室87が形成されている。
ピストン82は、カム72のカム曲線に合わせてピストン82をスムーズに作動させる観点から、シリンダ81内を摺動するピストン本体部と、該ピストン本体部に取り付けられ、カム72のカム曲面に係合するピストンローラー又はピストンシューとで構成することが好ましい。
作動室87は、ピストン82がシリンダ81内を摺動することによって容積が可変となっている。この作動室87には、高圧油通路(図示略)と低圧油通路85とが連通している。高圧油通路は高圧バルブによって開閉され、低圧油通路85は低圧バルブによって開閉される。
複数の高圧油通路のうちいくつかの通路は、シリンダブロック75内に形成された複数の高圧油集合路の一つに連通している。さらに複数の高圧油集合路は、エンドプレート73B内に形成された高圧マニホルド83に連通している。そして、高圧マニホルド83は、図2に示した高圧油ライン13に接続されている。したがって、複数の作動室87から排出される高圧油は、複数の高圧油通路、高圧油集合路、高圧マニホルド83の順に通って高圧油ライン13に排出される。
一方、複数の低圧油通路85は、シリンダブロック75の外周面と円筒ケーシング73Cとで形成される低圧マニホルド(リングタンク)86に連通し、低圧マニホルド86は、低圧油ライン14に接続されている。したがって、低圧油ライン14から導入される低圧油は、低圧マニホルド86、低圧油通路85の順に通って複数の作動室87内に導入される。
上記構成を備える油圧ポンプ11では、回転シャフト9とともにカム72が回転すると、ピストン82が周期的に上下動し、ピストン82が下死点から上死点に向かうポンプ工程と、ピストン82が上死点から下死点に向かう吸入工程とが繰り返される。ポンプ工程では、高圧バルブが開かれ、低圧バルブが閉じられることで、作動室87内の高圧油が高圧油ライン13に送られる。一方、吸入工程では、高圧バルブが閉じられ、低圧バルブが開かれることで、低圧油ライン14から作動室87に低圧油が供給される。
上記構成を有する油圧ポンプ11において、本実施形態における潤滑対象部は、例えばポンプ軸受74やカム室77が挙げられる。具体的には、エンドプレート73A,73Bには、それぞれ、潤滑油供給路90,93および潤滑油排出路91,94が形成されている。
潤滑油供給路90は、一端側が分岐ライン31に接続され、他端側がカム室77に連通している。潤滑油排出路91は、一端側がカム室77に連通し、他端側が返送ライン32、オイルタンク23に接続されている。そして、分岐ライン31から供給される潤滑油(作動油)は、潤滑油供給路90を通ってカム室77に供給され、カム室77から漏出する潤滑油は、潤滑油排出路91から返送ライン32を通ってオイルタンク23に戻される。
潤滑油供給路93は、一端側が分岐ライン31に接続され、他端側がポンプ軸受74の収容空間に連通している。潤滑油排出路94は、一端側がポンプ軸受74の収容空間に連通し、他端側が返送ライン32、オイルタンク23に接続されている。そして、分岐ライン31から供給される潤滑油は、潤滑油供給路93を通ってポンプ軸受74の収容空間に供給され、この空間から漏出する潤滑油は、潤滑油排出路94から返送ライン32を通ってオイルタンク23に戻される。なお、オイルタンク23の代わりに、潤滑油を低圧油ライン14に戻してもよい。
次に、図6を参照して、ナセル4に設けられる熱交換器50およびその周辺構造について詳細に説明する。なお、図6はダクトが設けられたナセルを示す図であり、(A)は平面図で、(B)は側面図で、(C)はハブ側から視た正面図である。
図6(A)〜(C)に示すように、ナセル4の壁面には、それぞれダクト90A,90Bが設けられている。ダクト90A,90Bは、ナセル4の側壁に設けられ、外気を取り込む吸気口91A,91Bと、ハブ6から遠い側のナセル4の後端側壁面に設けられ、外気を排出する排気口92A,92Bとを有する。すなわち、ダクト90A,90Bは、回転シャフト9の軸線方向に対して斜めに設けられている。
ダクト90A,90Bの内部には、熱交換器50が配置されている。熱交換器50は、ファン51(図1参照)および伝熱管群がケーシング内に収容されたユニットが複数配列された構成を有する。このユニットはそれぞれ、外気中の腐食性物質等の異物を除去するためのフィルタ52(図1参照)を有してもよい。また、ファン51は円形で、ケーシングは方形としてもよい。
この熱交換器50によって、外気を用いて冷媒を冷却する。このように、熱交換器50における冷媒の冷却と、ナセル4内部の熱発生源の冷却において、ナセル4壁面に取り付けられたダクト90A,90Bを介して取り込んだ外気を用いることで、冷却対象に対して外気の吸気口91A,91Bを近い位置に配置することができるので、ダクト長さを短くでき、さらにこれにより外気の吸気動力を小さく抑えることができる。また、ナセル4の側壁にダクト90A,90Bを設けることで、ナセル4上面を例えばヘリポート等の他の使用目的で用いることができる。
また、図6(A)に示すように、ナセル4は、その側壁の後端側に、ハブ6から遠くなるにつれてナセル4の中心線Cに向かって内側に湾曲する湾曲部4Aを有してもよい。すなわち、ダクト90A,90Bは、ハブ6から遠くなるにつれてナセル4の中心線Cに近づくように配置され、ナセル4の内部に食い込んだような形状となっている。これに加えて、ダクト90A,90Bは、少なくともこの湾曲部4Aが設けられた範囲において、吸気口91A,91B側から排気口92A,92B側に向かって断面積が増大するように形成されてもよい。これにより、ダクト90A,90Bのディフューザ効果によって、より多くの外気がダクト90A,90Bに取り込まれるようになる。よって、熱交換器において冷媒から外気に移動する熱量が増えて、熱発生源の冷却を効果的に行うことができる。
さらに、ダクト90A,90B内に熱交換器50のユニットが複数配置される場合、ファン51の回転数、あるいは作動状態のファン51の個数を変化させることによって、熱交換器50において外気が冷媒から奪う熱量を調節するようにしてもよい。このように、ファン51の回転数あるいは作動状態のファン51の個数を変化させて、熱交換器50における熱交換量を調節することで、熱交換器50を出て熱発生源の冷却に再び用いられる冷媒の温度を適切な範囲に維持して、熱発生源の冷却を適度に行うことができる。
また、吸気口91A,91B近傍のナセル4壁面に、外気に乱流を発生させる乱流発生機構をさらに備えてもよい。乱流発生機構(ボルテックスジェネレータ)は、例えば図7に示すように、吸気口近傍に設けられた突起部101で構成される。突起部101は、吸気口91A,91Bの開口方向に沿って複数設けられることが好ましい。
ナセル4壁面のような物体表面を流れる外気には、境界層が形成されることが知られている。ここで、境界層とは、流れに置かれた物体の周辺に発生する、流速が主流よりも遅い領域である。流れの下流でナセル4壁面が突出しているとここで圧力が増加し、境界層の剥離が発生する。境界層が剥離すると吸気口91A,91Bに導入される外気量が減少し、熱交換量が低減してしまう。そこで、吸気口91A,91B近傍のナセル壁面に、外気に乱流を発生させる乱流発生機構を設けることによって、ナセル4壁面における境界層の剥離を防止し、吸気口91A,91Bへの外気流入量を確保することができる。
また、図8に示すように、吸気口91A,91Bの外壁面の後端側に、該外壁面から突出したつば部102を設けてもよい。つば部102は、ダクト91A,91Bの高さ方向にわたって設けられる。
ナセル4外壁面の外部を流れる空気は、つば部102の周辺領域において流路面積が縮小するために加速されて動圧が上昇し、その分だけ静圧が低下する。そのため、つば部102の後流側の領域における圧力(静圧)は低くなる。また、つば部102の後流側の領域では渦が発生するため、このことによっても領域の圧力が低下する。したがって、つば部102の後流側の領域における低い圧力によってより多くの外気を吸気口91A,91Bからダクト90A,90B内に引き込むことができる。よって、熱交換器50において冷媒から外気に移動する熱量が増えて、熱発生源の冷却を効果的に行うことができる。
また、図9に示すように、ダクトを形成してもよい。ここで、図9はダクトの変形例を示す断面図である。
図9(A)に示すダクト90−1は、吸気部91を形成するナセル4の側壁96を外気の流れに沿って湾曲させた形状となっている。すなわち、吸気部91を形成する側面のうちハブ6側の側面96を、ハブ6側へ湾曲させた形状となっている。これにより、ダクト90内へ外気が流入しやすくなり、熱交換器50における熱交換効率を向上させることができる。
図9(B)に示すダクト90−2は、ナセル4の側壁から離間して、該側壁に平行なフード97を設け、ナセル4側壁とフード97との間に熱交換器50を配置している。すなわち、ナセル4側壁とフード97との間に外気の流路が形成されている。この構成によれば、既存のナセル4を有する風力発電装置1にもこの冷却構造を簡単に追設できる。
図9(C−1)に示すダクト90−3は、ナセル4側壁の外側にフード98を設けてナセル4側壁とフード98との間に外気流路を形成し、この外気流路と、ナセル4側壁を内側に湾曲させて形成した外気流路とを連通した構成となっている。よって、ナセル4側壁とフード98との間の外気流路から吸気された外気は、ナセル4側壁を内側に湾曲させて形成した外気流路を通って熱交換器50で熱交換に用いられた後、排気される。
図9(C−2)に示すダクト90−3’は、図9(C−1)のダクト90−3とほぼ同一の構成であるが、熱交換器50の位置をナセル4の側壁より外側に配置したものである。これらのダクト90−3,90−3’の構成によれば、ナセル4内の機器配置に関わらずダクトを配置できるのでダクトの形状自由度を高くすることができ、よって冷却に必要とされる外気を十分に吸気可能な形状、大きさのダクトを容易に設けることができる。
以上説明したように本実施形態では、オイルライン15、特に低圧油ライン14を流れる作動油を分岐して、潤滑油として潤滑対象部に供給する分岐ライン31を設けることで、潤滑油用のラインを独立して設ける必要がなくなり、配管構造の簡素化が図れる。また、オイルライン15に設けられるオイルラインクーラ18と分岐ライン14に設けられる分岐ラインクーラ33とによって、作動油と潤滑油とを異なる温度に冷却するようにしたので、作動油および潤滑油がそれぞれ適正な作用を発揮できる。
上述の実施形態に加えて、風力発電装置1は、以下の構成を備えていてもよい。以下は、油圧トランスミッション10以外の冷却機構に関する。
図1に戻り、ナセル4内に配置される電気機器を収納する密閉室35を設けてもよい。ここでいう電気機器とは、例えば、制御装置、モニタ類等である。密閉室35は、ナセル4の内部空間から密閉されている。したがって、密閉室35内には電気機器から発生する熱がこもる可能性があるので、密閉室35には密閉室クーラ36が設置されている。密閉室クーラ36は、冷媒ライン46から供給される冷媒が導入され、熱交換後の冷媒は冷媒ライン47を通って熱交換器50に戻される。密閉室クーラ36は、伝熱管群とファンとを含み、ファンによって循環する密閉室35内空気を、伝熱管に流れる冷媒によって冷却するようになっている。
このように、電気機器を密閉室35に収納することで、外気に腐食性成分が含まれる場合であっても電気機器を外気から隔離でき、腐食から保護することができる。また、電気機器は熱発生源の一つであるため密閉室35への収納で熱がこもる可能性があるが、密閉室内の空気を冷媒で冷却することで、電気機器の過剰な温度上昇を防止できる。
また、ナセル4内空間の換気を目的として、ナセル換気機構を設けてもよい。ナセル換気機構は、ナセル4の壁面(図1ではナセル底面)に設けられる吸気部54と、同様にナセル4の壁面(図1ではナセル側壁)に設けられる排気部55とを有する。排気部55は、ナセル4内空間の空気をナセル4の外部へ排気するファンを含む。このファンによって、ナセル4内に空気の循環が形成される。吸気部54は、外気中に含まれる腐食性物質等の異物を除去するフィルタを含む。そして、吸気部54から吸気された外気は、ナセル4内空間を循環しながら排気部55から排気される。これにより、ナセル4内の熱発生源から発生した熱が、ナセル4の外部へ逃がされる。
また、発電機16の冷却を目的として、発電機クーラ56を設けてもよい。発電機クーラ56は、フレキシブル配管57Aによってナセル4の外部から吸気した外気によって発電機16を冷却する。冷却後の外気は、フレキシブル配管57Bによって排気される。このように、発電機クーラ56と、ナセル4の壁面に設けられた外気吸気口および排気口とを、フレキシブル配管57A,57Bで連結することによって、発電機16の振動や熱伸び等に起因した発電機16およびナセル4間の相対変位をフレキシブル配管57A,57Bの変形で吸収し、配管57A,57Bへの荷重を緩和できる。なお、フレキシブル配管57A,57Bとは、可撓性を有する配管であり、ある程度自由に曲げることができるものをいう。なお、フレキシブル配管とは、可撓性を有する配管であり、ある程度自由に曲げることができるものをいう。金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
また、ハブ6内空間の冷却を目的として、ハブ換気機構を設けてもよい。ハブ換気機構は、ハブ6に設けられた吸気部60と、ブレード7に設けられた排気部としての穴61とを有する。吸気部60は、外気を吸気するファンと、外気中の腐食性物質等の異物を除去するフィルタを含む。排気部としての穴61は、複数のブレード7のうち少なくともいずれかに設けられる。
風力発電装置1の運転時、ブレード7の回転によりその周囲は負圧となる。一方、ハブ6内の空間は正圧であるため、ブレード7周囲とハブ6内空間との間には圧力差が生じる。そこで、ブレード7に形成した穴61によってハブ6内空間とブレード7の周囲とを連通させることで、上記圧力差によってハブ6内空間からブレード7を通って外部へ流れる空気流れが形成される。したがって、ハブ6内空間の換気用のファンを設ける必要がなくなるか、あるいはファンを小型化でき、換気用の動力を低減できる。なお、上記の圧力差を大きくする観点から、穴61はブレード7の先端部に設けられてもよい。
あるいは、ハブ換気機構の別の例として、吸気部60の開口が、ハブ6とスピナー8との間の空間8aに連通してもよい。この場合、吸気部60から吸気した外気は、ハブ6内空間の冷却に用いられた後、ハブ6に形成される穴部(不図示)を通ってハブ6とスピナー8との間の空間8aに排気される。スピナー8内の空間は、完全に密閉された状態ではないので、空間8aに排気された外気は徐々に外部へ排出される。
また、ハブ換気機構のさらに別の例として、吸気部60の開口が、回転シャフト9の内部に形成された中空穴を通ってナセル4内に連通してもよい。中空穴は、回転シャフト9の軸方向に形成され、中空穴の一端側はハブ6内空間に連通し、他端側はナセル内4空間に連通する。この場合、吸気部60から吸気した外気は、ハブ6内空間の冷却に用いられた後、回転シャフト9の中空穴を通ってナセル4内の空間に排気される。ここでも、ナセル4が完全に密閉されていない場合、ナセル4内の空間に排気された外気は徐々に外部へ排出される。このとき、ナセル4が、上述のナセル換気機構を有する場合、ナセル4内の空間に排気された外気は、ナセル換気機構の排気部55から排気される。
なお、ハブ換気機構は、上述の3つの例、すなわちブレード7の穴61から排気する構成、ハブ6とスピナー8との間の空間8aへ排気する構成、およびナセル4内空間へ排気する構成の少なくとも2つを組み合わせた構成としてもよい。例えば、吸気部60から吸気した外気は、ハブ6内空間の冷却に用いられた後、ブレード7の穴61から外部へ排気されるとともに、ナセル内4空間へ排気されてもよい。あるいは、吸気部60から吸気した外気は、ナセル内4空間へ排気されるとともに、ハブ6とスピナー8との間の空間8aに排気されてもよい。
さらに、タワー3またはタワー3の周囲に設けられる変圧器室64の冷却を目的として、変圧器室冷却機構を設けてもよい。なお、ここではタワー3内空間に変圧器室64が設けられる場合を例示している。変圧器63を収容する変圧器室64は、タワー3内の空間から密閉されていてもよい。変圧器室64には、変圧器室64内の空気を循環させるファンと、冷媒が流れる伝熱管群とを含む変圧器室クーラ65が設けられている。一方、タワー3の外部には、外気と冷媒とを熱交換することによって冷媒を冷却する熱交換器66が設けられている。熱交換器66は、外気中の腐食性物質等の異物を除去するためのフィルタを有してもよい。そして、熱交換器66で外気により冷却された冷媒を変圧器室クーラ65に導き、変圧器室クーラ65で冷媒により変圧器室64内空気を冷却する。冷却に用いられた冷媒は、熱交換器66に戻される。
タワー3内またはタワー3の周囲に変圧器室64が設けられる場合、ナセル4内の油圧トランスミッション10を冷却する冷媒をナセル4からタワー3まで延設すると配管が長大化し、またナセル4のヨー旋回に対応するための機構が必要となる。したがって、変圧器室64に対しては、ナセル4側の冷媒ラインとは独立した他の冷媒ラインから冷媒を供給することによって、配管構造を簡素化することができる。
また、タワー3内の空間を冷却する目的で、タワー内換気機構を設けてもよい。タワー内換気機構は、タワー3の壁面に設けられる吸気部67と、同様にタワー3の壁面に設けられる排気部68とを有する。排気部68は、タワー3内空間の空気をタワー3の外部へ排気するファンを含む。このファンによって、タワー3内に空気の循環が形成される。吸気部67は、外気中に含まれる腐食性物質等の異物を除去するフィルタを含む。そして、吸気部67から吸気された外気は、タワー3内空間を循環しながら排気部68から排気される。これにより、タワー3内の熱発生源から発生した熱が、タワー3の外部へ逃がされる。
以上、本実施形態の一例について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
なお、本実施形態では、潤滑対象部として油圧ポンプ11のポンプ軸受74およびカム室77を例示したが、潤滑対象部は、油圧ポンプ11の他の摺動部位であってもよいし、油圧モータ11のクランクシャフト軸受やカム室等の摺動部位であってもよい。
1 風力発電装置
2 基礎
3 タワー
4 ナセル
5 ロータ
6 ハブ
7 ブレード
8 スピナー
9 回転シャフト
10 油圧トランスミッション
11 油圧ポンプ
12 油圧モータ
13 高圧油ライン
14 低圧油ライン
15 オイルライン
16 発電機
17 分岐オイルライン
18 オイルラインクーラ
19 流量調整バルブ
35 密閉室
36 密閉室クーラ
41,42,44,45,46,47 冷媒ライン
51 熱交換器
52 ファン
53 フィルタ
54 吸気部
55 排気部
60 吸気部
61 穴
63 変圧器
64 変圧器室
65 変圧器室クーラ
66 熱交換器

Claims (18)

  1. 再生エネルギーから電力を生成する再生エネルギー型発電装置であって、
    ブレードと、
    前記ブレードを支持するハブと、
    前記ブレードを介して受け取った前記再生エネルギーにより回転する回転シャフトと、
    前記回転シャフトを収納するナセルと、
    前記回転シャフトにより駆動されて、作動室内の作動油を昇圧して吐出する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから吐出された前記作動油によって駆動される油圧モータと、
    前記油圧モータに連結された発電機と、
    前記油圧モータから前記油圧ポンプの前記作動室に前記作動油を戻すオイルラインと、
    前記オイルラインに設けられ、前記オイルラインを流れる前記作動油を冷媒との熱交換により冷却するオイルラインクーラと、
    前記オイルラインクーラに前記冷媒を供給する冷媒ラインと、
    前記オイルラインから分岐され、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの少なくとも一方の潤滑対象部に前記作動油を導く分岐ラインと、
    前記分岐ラインに設けられ、前記分岐ラインを流れる前記作動油を冷媒との熱交換により冷却する分岐ラインクーラとを備え、
    前記オイルラインクーラ及び前記分岐ラインクーラによって異なる温度に冷却された前記作動油が、それぞれ、前記オイルライン及び前記分岐ラインを介して前記作動室と前記潤滑対象部に供給されることを特徴とする再生エネルギー型発電装置。
  2. 前記分岐ラインクーラは、前記分岐ラインを流れる前記作動油を、前記オイルラインクーラで冷却された前記作動油の温度以下に冷却することを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  3. 前記オイルラインおよび前記冷媒ラインの少なくとも一方のラインから分岐して該ラインに合流し、前記オイルラインクーラをバイパスするバイパスラインと、
    前記バイパスラインの分岐点と合流点との間に位置する前記少なくとも一方のラインに設けられ、前記オイルラインクーラに流入する前記作動油および前記冷媒の少なくとも一方の流量を調整する流量調整バルブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  4. 前記冷媒ラインに設けられ、前記再生エネルギー型発電装置の周囲に存在する雰囲気流体によって前記冷媒を冷却する熱交換器をさらに備え、
    前記熱交換器における前記冷媒と前記雰囲気流体との熱交換量は、前記冷媒の流量および前記雰囲気流体の流量の少なくとも一方によって調整されることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  5. 前記ナセルの壁面に取り付けられ、前記熱交換器が内部に配置されたダクトをさらに備え、
    前記熱交換器によって前記雰囲気流体である外気を用いて前記冷媒を冷却し、前記冷媒を用いて、前記作動油に加えて、前記ナセル内部における熱発生源を冷却することを特徴とする請求項4に記載の再生エネルギー型発電装置。
  6. 前記ナセルの壁面に取り付けられ、前記熱交換器が内部に配置されたダクトをさらに備え、
    前記ダクトは、前記回転シャフトに沿った前記ナセルの側壁に設けられ前記雰囲気流体である外気を取り込む吸気口と、前記ハブから遠い側の前記ナセルの後端側壁面に設けられ前記外気を排出する排気口とを含むことを特徴とする請求項4に記載の再生エネルギー型発電装置。
  7. 前記吸気口近傍の前記ナセル壁面に設けられ、前記外気に乱流を発生させる乱流発生機構をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の再生エネルギー型発電装置。
  8. 前記吸気口の外壁面の後端側に、該外壁面から突出したつば部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の再生エネルギー型発電装置。
  9. 前記ナセルは、前記側壁の後端側に、前記ハブから遠くなるにつれて前記ナセルの中心線に向かって内側に湾曲する湾曲部を有しており、
    前記ダクトは、少なくとも前記湾曲部が設けられた範囲において、前記吸気口側から前記排気口側に向かって断面積が増大するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の再生エネルギー型発電装置。
  10. 前記ダクト内に前記熱交換器が複数配置されており、
    前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内への外気の取り込み量を増大させるファンをさらに備え、
    前記ファンの回転数を調整することによって、前記熱交換器において外気が前記冷媒から奪う熱量を調節することを特徴とする請求項6に記載の再生エネルギー型発電装置。
  11. 前記ダクト内に前記熱交換器が複数配置されており、
    前記ダクト内に設けられ、前記ダクト内への外気の取り込み量を増大させる複数のファンをさらに備え、
    前記複数のファンのうち作動状態のファンの個数を変化させることによって、前記熱交換器において外気が前記冷媒から奪う熱量を調節することを特徴とする請求項6に記載の再生エネルギー型発電装置。
  12. 前記ナセル内空間に配置される電気機器を収納し、前記空間から密閉された密閉室をさらに備え、
    前記密閉室は、前記熱交換器で冷却された前記冷媒を用いて冷却されることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  13. 前記発電機を冷却する発電機クーラをさらに備え、
    前記発電機クーラは、前記ナセルの外部からフレキシブル配管を通って導かれる外気によって冷却されることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  14. 前記ナセルを支持するタワー内または前記タワーの周囲に設けられ変圧器が収容される変圧器室と、
    前記変圧器室内の空気を他の冷媒と熱交換することによって冷却する他の冷却器と、
    前記冷媒ラインとは独立して設けられ、前記他の冷媒が流れる他の冷媒ラインと、
    前記他の冷媒ラインに接続され、前記他の冷媒を前記再生エネルギー型発電装置の周囲の雰囲気流体と熱交換することによって冷却する他の熱交換器とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  15. 前記ナセルを支持するタワー内、前記ナセル内および前記ハブ内の少なくともいずれかの空間を外気によって冷却する換気機構をさらに備え、
    前記換気機構は、ファンによって外気を取り込む吸気口と、前記吸気口に設けられ、前記外気に含まれる腐食性物質を遮断するフィルタと、前記空間から空気を排気する排気口とを含むことを特徴とする請求項1に記載の再生エネルギー型発電装置。
  16. 前記換気機構は、前記吸気口を開閉するシャッタをさらに含み、
    前記シャッタは、前記空間内の温度が設定温度より高いときは開かれ、前記空間内の温度が前記設定温度より低いときは閉じられることを特徴とする請求項15に記載の再生エネルギー型発電装置。
  17. 前記換気機構が前記ハブに設けられており、
    前記吸気口は前記ブレードに形成された穴に連通し、該穴から前記外気を排気するようにしたことを特徴とする請求項15に記載の再生エネルギー型発電装置。
  18. 前記換気機構が前記ハブに設けられており、
    前記吸気口は、前ハブに形成された開口部から前記ハブを覆うスピナーと前記ハブとの間の空間へ連通するか、または前記ハブから前記回転シャフトの中空穴を通って前記ナセル内の空間へ連通し、前記吸気口から吸気した前記外気を、前記スピナーと前記ハブとの間の空間または前記ナセル内の空間へ排気するようにしたことを特徴とする請求項15に記載の再生エネルギー型発電装置。
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