JPWO2013018541A1 - バードケージ型高周波コイル及び磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

バードケージ型高周波コイル及び磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Abstract

バードケージ型高周波コイルの環状導体素子に挿入された複数の共振容量素子の容量調整を、個別に行う必要がなく、一括してバランスよく行うことを可能とするために、に、複数の共振容量素子が直列に挿入された2つの環状導体素子と、2つの環状導体素子と電気的に接続する複数の直線状導体素子と、を有してなるバードケージ型高周波コイルであって、2つの環状導体素子の少なくとも一方の環状導体素子の外周に、誘電体部材を間に挟んで、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更する調整ベルトを摺動可能に配置する。

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に、バードケージ型高周波コイル(以下、バードケージコイル又はBCコイルという)の調整に関する。
MRI装置は、被検体に高周波磁場パルス(以下、RFパルスという)を照射して、該被検体を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置において、被検体の所望部位にRFパルスを照射する際には、該所望部位の周囲にRF送信コイルを配置して、静磁場強度と励起対象核種とに応じて定まる核磁気共鳴周波数のRFパルスが該RF送信コイルに供給される。そのため、RF送信コイルの共鳴周波数がRFパルスの周波数である核磁気共鳴周波数となるように、該RF送信コイルの設計又は調整(チューニング)が行われる。
上記RF送信コイルの内で、特に、水平磁場型MRI装置においては、BCコイルが用いられている。
円筒形状のBCコイルの場合には、複数の線状導体素子を、円筒形状の中心軸に平行に、円筒形状の円周に沿って等間隔で配置し、BCコイルの両端には複数の線状導体素子と電気的に接続する円形の環状導体素子がそれぞれ配置される。この環状導体素子には、同一容量の複数の共振容量素子(キャパシタ)が直列に挿入され、RF送信コイルの共鳴周波数やQ値の調整(チューニング)の際には、これらの共振容量素子の容量が調整される。
特許文献1には、2周波数チューニング鳥かご型コイルにおいて、外側(外部)リングと内側リングとの多層構造が開示されている。このコイルでは、外側リングのインダクタンスや、内外リング間の静電容量を適切に設定することで、チューニングを行う例が開示されている。
特表2003-516770号公報
特許文献1に記載のチューニング機構では、外側リングのインダクタンスや、内外リング間の静電容量を個別に設定・調整する必要があり、環状導体素子に直列に挿入された複数の共振容量素子の容量を一括して容易に調整することが困難であると考えられる。そのため、各共振容量素子の調整を個別に行うことになり、その調整作業が煩雑になる。
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、BCコイルの環状導体素子に挿入された複数の共振容量素子の容量調整を、個別に行う必要がなく、一括してバランスよく行うことが可能なBCコイル及びこれを用いたMRI装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、複数の共振容量素子が直列に挿入された環状導体素子と、環状導体素子と電気的に接続する複数の直線状導体素子と、を有して成るバードケージ型高周波コイルにおいて、環状導体素子の外周に、誘電体部材を間に挟んで、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更する調整ベルトを摺動可能に配置する。
本発明のBCコイル及びこれを用いたMRI装置によれば、BCコイルの環状導体素子に挿入された複数の共振容量素子の容量調整を、個別に行う必要がなく、一括してバランスよく行うことが可能となる。
本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図 第1の実施形態の楕円BCコイルを斜めから見た斜視図 第1の実施形態の楕円BCコイルを中心軸201方向の一方の側から見た図 第1の実施形態の楕円BCコイルの一例を中心軸201に平行に切って左右に展開して表した展開図 第1の実施形態の調整ベルトの一例を示す図 導体片の形状の一例を示す図 第1の実施形態のチューニング機構付の楕円BCコイルを中心軸に平行に切って左右に展開して表した展開図 第1の実施形態の楕円BCコイルのボビン端部に設けられたガイド溝651の断面図でり、調整ベルトを固定する構造の一例を示す図 第1の実施形態の楕円BCコイルのボビン端部に設けられた、調整ベルト251の位置を固定する機構の他の例を示す図(a)図は、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261との一体化構造の断面図を示す。(b)図は、固定ベルト661の実効的周長を変更する締め具の一例を示す図 楕円環状導体素子に直列に挿入された共振容量素子と、誘電体シートと、該誘電体シートを挟んで共振容量素子に対向する調整ベルトの三層構造の一部の拡大図 (a)は、第1の実施形態の共振容量素子と導体片とを組み合わせた等価回路を示す図(b)は調整ベルトのスライド移動に伴う各種値の変化を示すグラフ 第1の実施形態の楕円BCコイルのチューニング機構を用いたチューニング手順を示すフローチャート 第2の実施形態の、楕円環状導体素子における任意の共振容量素子とその近傍の導体部、及び、該共振容量素子に対向する位置にある調整ベルトにおける導体片4を楕円筒型曲面に垂直な方向から見た拡大図 (a)は、第2の実施形態の楕円BCコイルのボビン端部に設けられたガイド溝651の断面図(b)は、第2の実施形態の調整ベルトの位置を固定する機構の他の例を示す図 (a)は、第2の実施形態の共振容量素子と導体片とを組み合わせた等価回路を示す図(b)は調整ベルトのスライド移動に伴う各種値の変化を示すグラフ 第3の実施形態の円BCコイルを斜めから見た斜視図 (a)は、第3の実施形態の円BCコイルの一例を中心軸に平行に切って左右に展開して表した展開図(b)は、第3の実施形態の円BCコイルのチューニング機構の内の調整ベルトを示す図
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
静磁場発生系2は、垂直磁場方式であれば、被検体1の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ-ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加する。撮影時には、スライス面(撮影断面)に直交する方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体1にRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル(送信コイル)14aとから成る。高周波発振器11から出力されたRFパルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調されたRFパルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起された被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、RAM,ROM等のメモリ18と、光ディスク、磁気ディスク等の外部記憶装置19と、液晶ディスプレイ等からなる表示装置20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像を表示装置20に表示すると共に、外部記憶装置19に記録する。
操作部25は、MRI装置の各種制御情報や上記信号処理系7で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボール、マウス、キーボード等の入力装置21から成る。この操作部25は表示装置20に近接して配置され、操作者が表示装置20を見ながら操作部25を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図1において、送信側の高周波コイル14aと傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体1に対向して、水平磁場方式であれば被検体1を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
最初に、本発明の概要を説明する。本発明は、BCコイルにおいて、環状(ループ状)導体素子の外周に、誘電体部材を間に挟んで、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更する調整ベルトを摺動可能に配置する。具体的には、複数の共振容量素子が直列に挿入された2つの環状導体素子と、2つの環状導体素子と電気的に接続する複数の直線状導体素子と、を有してなるBCコイルであって、2つの環状導体素子の少なくとも一方の環状導体素子の外周に、誘電体部材を間に挟んで、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更する調整ベルトを摺動可能に配置する。
調整ベルトは、ベルト状の形状を有して、導体片と、隣り合う導体片間を絶縁するスリット部とを交互に配置して構成されたものである。調整ベルトが環状導体素子の外周に配置された状態では環状に構成される。そして、導体片は、調整ベルトが環状導体素子の外周に配置された状態において、共振容量素子と対向する位置の近傍にそれぞれ配置される。これにより、導体片と環状導体素子の導体部との間に浮遊容量が共振容量素子と並列に発生する。調整ベルトを環状導体素子に対してスライド移動させることで、この浮遊容量が変化するので、浮遊容量と共振容量素子の容量との合成容量は、調整ベルトのスライド移動量に応じて変化する。環状導体素子に配置された共振容量素子の両端から見た見かけの容量は、この合成容量になる。
したがって、調整ベルトのスライド移動量に応じて、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更できることになり、BCコイルの共振周波数をチューニングできることなる。以下、共振容量素子の容量の変更とは、共振容量素子自身の容量を実際に変更するのではなく、上記のとおり、浮遊容量を変更することによる共振容量素子の見かけの容量を変更することを意味する。
以下、本発明の各実施形態を詳細に説明する。
<<第1の実施形態>>
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。本第1の実施形態は、BCコイルの断面形状を楕円とする楕円筒型のBCコイル(以下、楕円BCコイルという)とする。つまり、本第1の実施形態の楕円BCコイルは、その環状導体素子の形状が楕円であり、複数の直線状導体素子が楕円環状筒型曲面に沿って配置されている。そして、楕円の環状導体素子(以下、楕円環状導体素子という)に直列に挿入された複数の共振容量素子の容量を一括して変更する調整ベルトを、該楕円環状導体素子の外周に、相互の絶縁を兼ねた誘電体シートを間に挟んで、該楕円環状導体素子の周方向に摺動可能に配置する。調整ベルトには複数の導体片を配置して、該調整ベルトを楕円環状導体素子の周方向にスライド移動させることで、導体片と楕円環状導体素子との間で形成される浮遊容量を変更する。これにより、楕円環状導体素子に配置された複数の共振容量素子の容量を一括して変更して、楕円BCコイルの共振周波数を変更する。
最初に、本第1の実施形態の楕円BCコイルの構造を図2A,2Bを用いて説明する。図2Aは、楕円BCコイルを斜めから見た斜視図であり、図2Bは、楕円BCコイルを中心軸201方向の一方の側から見た図である。
本第1の実施形態の楕円BCコイルは高域通過(ハイパス)型であり、図2,3に示すように、長軸直径Aと短軸直径Bを有する楕円筒型曲面に沿って中心軸201と平行に配置される4N(Nは自然数、図ではN=3)本の直線状導体素子202と、中心軸201上の点を中心とし、楕円筒型曲面に沿って配置される2つの楕円環状導体素子203a,bと、2つの楕円環状導体素子203a,bに直列に挿入された8N(Nは自然数)個の共振容量素子204と、楕円BCコイルを高周波回路に接続するための第1給電点205a及び第2給電点205bと、後述するチューニング機構(図2Aでは図示していない)と、を備えて成る。共振容量素子204は、楕円環状導体素子と直線状導体素子との接続点の間に挿入される。本第1の実施形態では、直線状導体素子202と楕円環状導体素子203とを厚さ数十〜数百μm程度のシート状導体で作成する。導体シートとしては、銅やアルミニウム等の電気伝導性の優れた金属部材を用いる。図2A,2Bでは、中心軸201方向をz軸、長軸方向をx軸、短軸方向をy軸としている。
2つの楕円環状導体素子203a,bは、それぞれそのループ面が互いに平行になるように配置される。即ち、ループ面が中心軸201に垂直になるように配置される。そして、各直線状導体素子202の両端は、それぞれ楕円環状導体素子203に接続点206で電気的に接続される。また、楕円環状導体素子をシート状導体で作成するので、シート状導体の幅方向を中心軸201方向とし、シート状導体の厚み方向を中心軸201に垂直な方向とする。なお、楕円筒型曲面と同様に、楕円環状導体素子203の長軸直径と短軸直径はそれぞれA,Bで、A>Bであって、好ましくは比A/Bが1.1以上1.5以下とする。
4N本の直線状導体素子202は、楕円筒型曲面の長軸(x軸)及び短軸(y軸)に対して、線対称となるように配置される。図2A,2Bの例では、4N本の内の4本が、楕円筒型曲面の長軸(x軸)及び短軸(y軸)との交点を通るようにそれぞれ配置される。残りの4(N-1)本の直線状導体素子202は、楕円筒型曲面の長軸(x軸)及び短軸(y軸)に関して互いに線対称の位置に配置される。
楕円環状導体素子203において、隣り合う2つの直線状導体素子202との接続点を両端とする導体部分を弧状導体という。各弧状導体には、同容量の共振容量素子(Dn、En(n=1,2,3・・・))204が挿入される。その容量は、核磁気共鳴周波数(fc)で楕円BCコイルが共振状態となるように選択されたものである。ここで同容量とは、製造上のばらつきを考慮すれば、許容範囲内で各容量はばらついてもよく、この意味で各容量は実質的に同一又は略同一となる。第1の実施形態では、共振容量素子の容量のばらつきを略10%程度まで許容可能である。以降では、このような意味で同容量という。この様に、全ての共振容量素子204を同容量とすることで、製造時の手間やコストを低減し、性能のばらつきを少なくすることができる。なお、共振容量素子204は、複数の容量素子により構成されていてもよい。この場合は複数の容量素子の合成容量を共振容量素子204の容量とする。
第1給電点205aと第2給電点205bは、長軸(x軸)又は短軸(y軸)に関して線対称の位置であり、かつ、一方の給電点に給電した時に、他方の給電点に流れる高周波電流の振幅が最小となる位置にそれぞれ配置される。各給電点205a,bは、バラン(Balun)を介して、共振容量素子204の両端に接続される。
しかし、上記の様に、楕円筒型曲面の長軸及び短軸に関して線対称に各線状導体素子202を配置すると、直線状導体素子202及び弧状導体のインダクタンスが非対称となってしまい、楕円環状導体素子203に配置された同一の共振容量素子204とでは核磁気共鳴周波数(fc)で楕円BCコイルを共振させることが困難となる。そこで、本第1の実施形態では、4N本の平行に配列された各線状導電素子202のインダクタンスを、楕円筒型曲面の周方向(つまり楕円環状導体203の周方向)に段階的に変化させる。具体的には、各線状導体素子202の中心間の距離を、楕円筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて(つまり楕円環状導体203の短軸方向から長軸方向に向けて)増加させる。
その一例として、直線状導体素子202と楕円環状導体素子203とをシート状導体で作成する場合に、直線状導体素子202の中央部(ラング部)の、楕円筒型曲面の周方向の幅を、楕円筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて増加させる。なお、楕円環状導体素子203のシート状導体の中心軸201方向の幅は略一定とする。その結果、直線状導体素子202の楕円筒型曲面の周方向の配置密度は、楕円筒型曲面の短軸方向が高く、短軸方向から長軸方向に向けて減少していく。これにより、楕円筒型形状に伴う直線状導体素子202及び弧状導体のインダクタンスの非対称性を相殺し、楕円環状導電素子203に直列に挿入された複数の共振用容量素子204(Dn、En(n=1,2,3・・・))が全て同じ容量値であっても、楕円BCコイルの共振周波数を核磁気共鳴周波数(fc)とすることが可能になる。
図3は、第1の実施形態の楕円BCコイルの一例を中心軸201に平行に切って左右に展開して表した展開図である。ただし、後述するチューニング機構は図示していない。図3の左右方向が周方向に対応する。
各直線状導体素子202は、その中央部分の周方向(図3の展開図では左右方向)の幅が異なり、従って周方向の配置間隔や配置密度が異なる。前述したように楕円環状曲面の短軸方向での直線状導体素子の配置密度が高いので、図3の中央部分が短軸方向に対応する。
各直線状導体素子202は、一定幅の中央部(ラング部)と、両端部にラング部よりも周方向の幅が広くなっている幅広部をそれぞれ有する。そして、隣り合う直線状導体素子202の幅広部の間には隙間が形成されるように、各直線状導体素子202が配置される。各幅広部の隙間には共振容量素子204が配置され、該共振容量素子204を介して、隣接する幅広部同士が電気的に接続(半田付け)される。つまり、直線状導体素子202の両端部(幅広部)がそれぞれ共振容量素子204を介して電気的に接続されることで、これらの両端部(幅広部)で楕円環状導体素子203が形成される。そして、複数の直線状導体素子202がそれらの両端で共振容量素子204を介して電気的に接続されることで楕円BCコイルが形成される。なお、前述したように、各線状導体素子202の中心間の距離が楕円筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて増加するので、隙間に配置される各共振容量素子204の配置間隔は、楕円筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて(つまり、楕円環状導体素子203の短軸方向から長軸方向に向けて)増加する。
(チューニング機構の説明)
次に、第1の実施形態の楕円BCコイルのチューニング機構を説明する。
楕円BCコイルをチューニングするために、すなわち、楕円BCコイルの共振周波数を核磁気共鳴周波数(fc)に一致させるために、楕円環状導体素子203に直列の挿入された共振容量素子204[Dn、En(n=1,2,3・・・)]の容量を調整する。各共振容量素子204の容量は同一であることから、各共振容量素子204に対して実質的に同じ容量の変更を一括して行えるようにする。そのためには、図2Bで示すように、絶縁を兼ねた誘電体シート(誘電体部材の一例)261を間に挟んで、調整ベルト251と楕円環状導体素子203とを対向配置し、調整ベルト251を楕円環状導体素子203に対して楕円環状曲面の周方向に相対的に手動でスライド移動、つまり、手動で楕円環状導体素子と同心で相対的に回転移動、できるようにする。
これにより、第1給電点205aと第2給電点205bから見た楕円BCコイルのチューニングをバランス良く行うことができる。なお、チューニング機構は、2つの楕円環状導体素子203a,bのどちらか一方(図2Aでは203a)に配置すれば良いが、両方の楕円環状導体素子203a,bにそれぞれ配置しても良い。
調整ベルト251は、図4に示すように、ベルト状の形状を有して、導体片402と、隣り合う導体片402間を絶縁するスリット部403とを交互に配置して構成される。各導体片402は、調整ベルト251が楕円環状導体素子203の外周に配置された状態において、共振容量素子と対向する位置の近傍に調整ベルト251の内側にそれぞれ配置される。このように調整ベルト251を構成する一例として、ベルト状絶縁部材(基板素材)401の楕円環状導体素子203と対向する面の側に、ベルト状絶縁部材401の長手方向(つまり、楕円環状曲面の周方向)に導体片402を断続的に張り合わせて構成する。この場合には、ベルト状絶縁部材401の導体片402の無い部分がスリット部403となる。
各導体片402はシート状とし、楕円環状導体素子203に挿入された共振容量素子204に対向する位置であって、該共振容量素子204をベルト状絶縁部材401の長手方向に覆う位置に、それぞれ配置される。導体片402は、対向する共振容量素子204の両側に、それぞれ楕円環状導体素子203の導体部との間で浮遊容量を形成するためのものである。そして、調整ベルト251を楕円環状導体素子203の周方向にスライド移動又は楕円環状導体素子203と同心の回転移動させることで、この浮遊容量が変化する。
この浮遊容量は、共振容量素子204と並列に配置された容量素子とみなすことができる。そして、共振容量素子204の両端から見れば、共振容量素子の容量と浮遊容量との合成容量が、共振容量素子の見かけの容量となる。つまり、共振容量素子の見かけの容量は、該共振容量素子の容量と、導体片402が環状導体素子の導体部との間で形成する浮遊容量との合成容量となる。
そこで、調整ベルト251をスライド移動させることで、浮遊容量の変更を介して合成容量である共振容量素子の見かけの容量を変更でき、等価的に共振容量素子204の容量を変更(つまり調整)できることになる。その結果、調整ベルト251の、環状導体素子203の周方向へのスライド移動によって、複数の共振容量素子の見かけの容量が一括してバランスよく変更でき、楕円BCコイルの共振周波数を変更(チューニング)できることになる。
導体片402の中心軸201方向の幅は、共振容量素子204の容量の調整可能範囲に基づいて決定すればよいが、楕円環状導体素子203と同程度の幅でよく、例えば、20mmから80mm程度とすることができる。導体片402の楕円環状曲面の周方向に垂直な方向の厚みは、シート状形状を維持できて可撓性を有する程度の厚みでよく、例えば、0.01〜0.1mm程度の良導体金属(例えば、銅、アルミニウム)とすることができる。
ベルト状絶縁部材401については、その中心軸201方向の幅は、同方向の導体片402の幅以上であれば良く、楕円環状曲面の周方向に垂直な方向の厚みは、シート状形状を維持できて可撓性を有する程度の厚みでよく、例えば、0.1〜0.5mm程度のガラスエポキシシートとすることができる。
誘電体シート261は、調整ベルト251と楕円環状導体素子203とを絶縁するために、中心軸201方向の幅は、導体片402より広くする。楕円環状曲面の周方向に垂直な方向の厚みは、0.1〜0.5mm程度とすることができる。材質としては、誘電損の少ないフッ素樹脂シート等を用いることができる。
(導体片の形状)
導体片402の形状の一例を図5に示す。導体片402は、楕円環状導体素子203の導体部との間で浮遊容量を形成するための2つの浮遊容量形成部502a,bを、空隙(切りかき)部504を間に挟んで対向配置し、2つの浮遊容量形成部502a,bを電気的に接続する接続導体部503とを、一枚の導体シート上に形成して構成されたものである。全体としては、接続導体部503の両端に同方向にそれぞれ突出部502a,bを有する形状であり、別の見方をすれば、略長方形の中央部分の一方の側に空隙部504を形成した形状ともいえる。この空隙部504には導体が無い。
空隙部504は、楕円環状導体素子203に配置された共振容量素子204に対向するように形成される。このように空隙部504を設ける理由としては、傾斜磁場の印加に伴って導体片402上に発生する渦電流を、その流れる経路を遮断することによって、抑制するためである。また、導体片402の浮遊容量形成部502a,bが楕円環状導体素子203の導体部と均等に重なって、浮遊容量形成部502a,bと楕円環状導体素子203の導体部との間に最大の電圧が発生しても、共振容量素子204を間に挟む両側の楕円環状導体素子203の導体部間で、導体片402を経由した放電が発生するリスクを低減するためである。
なお、渦電流の発生が問題ないレベルであり放電リスク抑制の必要もなければ、導体片402の形状を空隙部504の無い単純な正方形、長方形或いは多角形や円形又は楕円形でも良い。
浮遊容量形成部502a,bは、共振容量素子204の容量の調整可能範囲に基づいて、その調整ベルト251の周方向の長さ511a,b及び調整ベルト251の幅方向の長さ512が決定される。
接続導体部503は、浮遊容量形成部502a,bを電気的に接続するための導体なので、その調整ベルト251の幅方向の長さ513を、機械的安定性を保てる範囲で任意に短く又は長くできる。
(チューニング機構の構造)
チューニング機構の構造を図6A、6B、6C、7を用いて説明する。
図6Aは、チューニング機構付の楕円BCコイルを中心軸201に平行に切って左右に展開して表した展開図である。図6Aの左右方向が周方向に対応する。図6A(a)は、各共振容量素子204が配置される位置に、調整ベルト251の各導体片402の空隙部504がそれぞれ配置される位置関係となるように、調整ベルト251の配置位置を設定した場合を示す。図6A(b)は、図6A(a)の状態から、調整ベルト251を図の右側(つまり周方向に)にスライド移動させて、各導体片402の空隙部504が、各直線状導体素子202間の隙間に対して、右側にずれた場合を示す。
楕円環状導体素子203と調整ベルトとの間には、図示しない誘電体シート261が配置されているが、この誘電体シート261は、楕円環状導体素子203を兼ねる直線状導体素子202の幅広部を覆う様に、楕円環状導体素子203側に接着又はねじ止めされて固定されてもよい。或いは、調整ベルト251と誘電体シート261とがねじ止め等により物理的に結合されて一体的に構成されても良く、その場合には、調整ベルト251と誘電体シート261とが一体的にスライド移動し、かつ、ねじ止めされることになる。
誘電体シート261の外周には調整ベルト251が摺動可能に配置される。そして、楕円環状導体素子203と、誘電体シート261と、調整ベルト251とを、収容すると共に、調整ベルトのスライド移動をガイドするガイド溝が、楕円BCコイルの電気回路部を収容するボビンに設けられている。
ボビンに設けられたガイド溝の一例を図6Bに示す。図6Bは楕円BCコイルのボビン端部に設けられたガイド溝651の断面図を示す。ガイド溝651の下側が中心軸203側となり、この断面に垂直な方向(紙面に垂直な方向)が周方向となる。上側に狭い開口部653を有する矩形状の外枠断面を有して外枠の内部が空洞のガイド溝651中に、下側(中心軸201側)から楕円環状導体素子203、誘電体シート261、調整ベルト251が三層を成してガイド溝651中に収容されている。楕円環状導体素子203は直線状導体素子202と一体であることから、ガイド溝の直線状導体素子202側の側面には直線状導体素子202を通すための貫通孔654が形成されている。そして、開口部653より手動で調整ベルト251を楕円環状導体素子203の周方向にスライド移動させることで、楕円BCコイルをチューニングする。調整ベルト251の位置が決定した後に、外枠からねじ652で押さえ込んで調整ベルト251を固定する。
また、調整ベルト251の位置を固定する機構の他の例を図6Cに示す。図6Cの例は、調整ベルト251の外周に固定ベルト661を配置して、固定ベルト661の実効的周長を変更することにより、調整ベルト251を楕円環状導体素子203に押さえつけるように締め付けて固定したり緩めたりする。そのために、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261とを一体化する。そして、それらを周方向に一体的にスライド移動させる。ここで、固定ベルト661の実効的周長とは、固定ベルト661の両端の間隔と固定ベルト661の周長とを合わせた周長であり、固定ベルト661の両端の間隔を広げたり狭めたりすることで、固定ベルト661の実効的周長を変更する。
具体的には、図6C(a)に示すように、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261とに皿ねじ662を貫通させて六角ナット663で締め付けることにより、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261を一体化する。図6C(a)は、その一体化構造の断面図を示す。固定ベルト661は、例えば、厚さ1〜3mmのポリカーボネートとする。
固定ベルト661の両端部がそれぞれ接続されて該両端の間隔を変更することにより、該固定ベルト611の実効的周長を変更する締め具の一例を図6C(b)に示す。図6C(b)の左図は締め具を上から見た正面図を示し、右図は楕円BCコイルのボビン682端部及びその端部に配置された構造強化用のリブ681の一部を示す。図6C(b)に示す締め具は、主に、締め具枠671と、固定具673aと、張力発生具673bと、締め付け調整ねじ672と、を有してなり、固定ベルト661の両端が締め具に接続されて、該固定ベルトの実効的周長が変更される。
締め具枠671の長手方向の一端には、固定ベルト661の一端がねじ674で固定される。また、締め具枠671の短手方向の一端が、楕円BCコイルのボビン682のリブ681に接するように締め具枠671が配置されている。
締め具枠671内には、各々が台形状の固定具673aと張力発生具673bとが配置される。固定具673aは、固定ベルト661の他端がねじ674で固定され、締め具枠671に対してその長手方向に摺動可能に配置された部品である。また、張力発生具673bは、締め具枠671の長手方向の他端と固定具673aとの間に配置され、締め具枠671の長手方向の他端に沿って短手方向に摺動可能に配置された部品である。固定部673aと張力発生具673bとは、それらの台形斜面同士が互いに摺動可能に接している。
締め付け調整ねじ672は、リブ681と締め具枠671とを貫通して、張力発生具673bの内部にねじ込まれる。リブ681には、その周方向に長いねじ穴(図示していない)が設けられており、その周方向に長いねじ穴内で締め付け調整ねじ672を周方向に移動させることにより締め具を周方向に移動させ、この締め具の周方向の移動に伴い、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261とが周方向に一体的にスライド移動する。したがって、共振容量素子204の見かけ上の容量調整は、この締め付け調整ねじ672をリブ681に設けられたねじ穴の範囲内で周方向に移動させることにより、行う。
締め付け調整ねじ672を回転させることにより、張力発生具673bが締め具枠671の短手方向に摺動移動し、この張力発生具673bの摺動移動に応じて固定具673aが締め具枠671の長手方向に摺動移動し、固定具673aの締め具枠671の長手方向の摺動移動に応じて固定ベルト661の実効的周長が変化する。具体的には、締め付け調整ねじ672を一方向に回転させて、張力発生具673bを該ねじ672側に引き寄せるように摺動移動させると、締め具枠671の長手方向の一端側に固定具673aが摺動移動し、固定ベルト661の両端の間隔が狭まり、実効的周長が短くなる。その結果、調整ベルト251が固定ベルト661により楕円環状導体素子203に押さえつけられて固定される。或いは、締め付け調整ねじ672を逆方向に回転させて、張力発生具673bを該ねじ672側から遠ざかるように摺動移動させると、張力発生具673b側に固定具673aが摺動移動し、固定ベルト661の両端の間隔が広がり、実効的周長が長くなる。その結果、固定ベルト661と調整ベルト251とが周方向に緩み、固定ベルト661と調整ベルト251との一体的スライド移動が可能になる。
なお、本固定ベルト661による調整ベルト251の固定は、後述する第3の実施形態における円筒型のBCコイルに対しても適用可能である。つまり、楕円と円の場合を含む任意の環状導体素子に対して、その外周に配置された調整ベルトの外周に、さらに固定ベルトを配置して、固定ベルトにより調整ベルトを環状導体素子に押さえつけるように締め付けて固定する。そのために、固定ベルトの両端を接続して、該固定ベルトの実効的周長を変更する締め具を備える。
また、図7は、楕円環状導体素子203に直列に挿入された共振容量素子204と、誘電体シート261と、該誘電体シート261を挟んで共振容量素子204に対向する調整ベルト251の三層構造の一部の拡大図を示す。なお、全体が楕円環状曲面に沿って湾曲しているが、図7では、わかりやすくするために平坦状に示してある。また、各層間の距離も拡大してある。
前述したように、楕円環状導体素子203は直線状導体素子202の幅広部によって形成され、隣接する幅広部の隙間(つまり楕円環状導体素子203の分離部703)に共振容量素子204が配置され、該共振容量素子204の両端で隣接する幅広部に電気的に接続される(つまり半田付け702a,bされる)。図7(a)は、導体片402及び空隙部504が共振容量素子204に関して楕円環状導体素子402の長手方向に対称となるように調整ベルト251を配置した場合を示し、図7(b)は図7(a)の状態から調整ベルト251を右側にスライド移動させた場合を示し、図7(c)は図7(a)の状態から調整ベルト251を左側にスライド移動させた場合を示す。全体は図7の三層構造が楕円環状導体素子402の長手方向(つまり周方向に)に繰り返された構成になる。
上記のような三層配置において、導体片402の浮遊容量形成部502は、楕円環状導体素子203の導体部分との間で浮遊容量を形成する。しかし、分離部703には導体が殆ど存在しないため、浮遊容量形成部502は分離部703との間で浮遊容量を形成しない。したがって、浮遊容量形成部502と楕円環状導体素子203の導体部分及び分離部703との重なる面積を変えることで、浮遊容量形成部502が楕円環状導体素子203との間で形成する浮遊容量を変更できることになる。
図7(a)に示すように、導体片402及び空隙部504が分離部703或いは共振容量素子204に関して調整ベルト251の長手方向に対称となる配置(つまり、図で空隙部504が分離部703或いは共振容量素子204の真上となる配置)では、浮遊容量形成部502a,bは、それぞれその全面積が楕円環状導体素子203の導体部分との重なり、形成される浮遊容量は共に最大となる。
そこで、図7(b)に示すように、調整ベルト251を右側にスライド移動すると、導体片402の浮遊容量形成部502aと楕円環状導体素子203の導体部分との間の重なる面積は(a)の場合と変わらないが、導体片402の浮遊容量形成部502bと楕円環状導体素子203の導体部分との間の重なる面積が(a)の場合よりも少なくなる。
或いは、図7(c)に示すように、調整ベルト251を左側にスライド移動すると、導体片402の浮遊容量形成部502bと楕円環状導体素子203の導体部分との間の重なる面積は(a)の場合と変わらないが、導体片402の浮遊容量形成部502aと楕円環状導体素子203の導体部分との間の重なる面積が(a)の場合よりも少なくなる。
上記のようにチューニング機構が構成され、導体片402の空隙部504が分離部703或いは共振容量素子204を覆う様に配置された状態から、調整ベルト251をその長手方向(つまり周方向に)スライド移動させることで、導体片402の空隙部504及び浮遊容量形成部502が楕円環状導体素子203の導体部分及び分離部703に対して相対的に移動する。その結果、スライド移動量に応じて、浮遊容量形成部502と楕円環状導体素子203の導体部分との重なる面積が変わり、浮遊容量形成部502と楕円環状導体素子203の導体部分との間で形成される浮遊容量が変化する。浮遊容量と共振容量素子204とで楕円BCコイルの共振周波数が決定されるので、当該チューニング機構により浮遊容量を変更することで楕円BCコイルの共振周波数を変更でき、楕円BCコイルの共振周波数を核磁気共鳴周波数(fc)に一致させるよう調整できることになる。
(等価回路)
次に、導体片402の機能を、図8(a)に示す、共振容量素子204と組み合わせた等価回路800を用いて説明する。等価回路800における各集中定数とチューニング機構の各要素との関係は、共振容量素子204がキャパシタ(C)801に対応し、導体片402の浮遊容量形成部502aがキャパシタ(Ca)802aに対応し、導体片402の浮遊容量形成部502bがキャパシタ(Cb)802bに対応し、導体片402の接続部503がインダクタンス(Lf)803に対応する。なお、調整ベルト251をスライド移動しても、接続部503は変わらないので、そのインダクタンス(Lf)は一定となる。
また、図8(b)は、調整ベルト251のスライド移動に伴う各種変化を示すグラフである。縦軸は各値の相対値を表し、横軸は調整ベルトの相対位置を表す。横軸中央は空隙部504が分離部703の対向位置となった場合を示し、横軸左側(原点側)は調整ベルトが長手方向左側にスライド移動された場合に相当し、横軸右側は調整ベルトが長手方向右側にスライド移動された場合に相当する。前述したように、Caの容量は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくにつれて徐々に増加し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍となったときに最大値となった後は、その最大値を維持する。その様子を図8(b)の一点鎖線グラフ851に示す。一方、Cbの容量は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくまで最大値を維持し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍となった後は、徐々に減少していく。その様子を図8(b)の点線グラフ752に示す。
インダクタンス(Lf)703がゼロ(0)とみなせる場合の等価回路700の合成容量Ccmbは、
Ccmb=C+CaCb/{Ca+Cb} [1]
となる。[1]式の第2項(CaCb/{Ca+Cb})は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくにつれて徐々に増加し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍で最大値となった後は、徐々に減少する。その様子を図8(b)の二点鎖線グラフ853に示す。
この合成容量(Ccmb)を有する共振容量素子が、直列に接続されたインダクタンスと共振する場合の共振周波数(fr)は、
fr∝1/SQRT(Ccmb) [2]
となるので、その様子を図8(b)の実線グラフ854に示す。図8(b)より、調整ベルト251をスライド移動させることにより、共振周波数が変化することが理解される。つまり、調整ベルト251を周方向の左右にスライド移動させることで、楕円BCコイルの共振周波数を変更でき、核磁気共鳴周波数(fc)に一致するようにチューニングできることが理解される。
(チューニング手順)
次に、前述のチューニング機構を用いた楕円BCコイルのチューニング手順を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップ901で、操作者は、楕円BCコイルを静磁場発生系の静磁場空間内に配置し、さらにその内部に生体模擬ファントムを配置する。そして、楕円BCコイルの第1給電点205aと第2給電点205bにインピーダンスアナライザを接続する。
ステップ902で、操作者は、調整ベルト251を所定の初期位置に配置する。例えば、共振周波数を調整できる範囲の中間となる位置に調整ベルトを配置する。具体的には、導体片402の空隙部504を分離部703から1/4程スライドさせた位置(例えば、図8(b)の855の位置に配置する)。
ステップ903で、操作者は、インピーダンスアナライザにより、S11値(反射損失;リターンロス)が最小になる周波数(fr)を計測する。
ステップ904で、ステップ902で計測した周波数(fr)が、核磁気共鳴周波数(fc)よりも高い場合はステップ905へ移行し、核磁気共鳴周波数(fc)よりも低い場合はステップ906へ移行する。核磁気共鳴周波数(fc)に等しければ、チューニング処理を終了し、ステップ907に移行する。
ステップ905で、操作者は、インピーダンスアナライザにより計測されるS11値が最小になる周波数(fr)が低くなるように調整ベルト251をスライド移動させる。例えば、導体片402の空隙部504が分離部703側に近づくように、調整ベルト251を周方向にスライド移動させる。そして、ステップ903に移行する。
ステップ906で、操作者は、インピーダンスアナライザにより計測されるS11値が最小になる周波数(fr)が高くなるように調整ベルト251をスライド移動させる。例えば、導体片402の空隙部504が分離部703側から遠ざかるよう、調整ベルト251を周方向にスライド移動させる。そして、ステップ903に移行する。
ステップ907で、操作者は、調整ベルトのガイド溝651のねじ652を締めて、調整ベルト251を固定する。
以上までが、楕円BCコイルのチューニング手順の説明である。
なお、以上までの説明では、線状導電素子の数が4m(m=1,2,3,・・・)個の場合を説明したが、給電ポート205a,b間の直交性を改善するために、さらに線状導電素子の数を2つ増やして、4m+2個に拡張した楕円BCコイルとしても良い。線状導電素子の数を4m+2個とする場合には、4m個とする場合に比べて、単純に線状導電素子の数及び共振容量素子の数が増えるだけであって、その他は4m個とする場合と同様である。
以上説明したように、第1の実施形態のBCコイル及びこれを用いたMRI装置は、BCコイルを楕円筒型の楕円BCコイルとし、その楕円環状導体素子の外周に誘電体シートを間に挟んで調整ベルトを摺動可能に配置する。調整ベルトには楕円環状導体素子に直列に挿入された共振容量素子を覆う様に複数の導体片が配置される。そして、調整ベルトを周方向(調整ベルトの長手方向)にスライス移動させる。これにより、楕円環状導体素子に直列に挿入された複数の共振容量素子の見かけ上の容量(つまり、浮遊容量と合わせた合成容量)の変更調整を一括してバランスよく行うことができる。その結果、楕円BCコイルの共鳴周波数を容易に変更でき、核磁気共鳴周波数に一致するようにチューニングすることが可能になる。
<<第2の実施形態>>
本発明のBCコイル及びこれを用いたMRI装置の第2の実施形態を説明する。前述の第1の実施形態では、調整ベルトを楕円環状素子の周方向に沿ってスライド移動させる例であったが、第2の実施形態は、調整ベルトを環状導体素子の中心軸方向にスライド移動させることで、楕円BCコイルのチューニングを行う。以下、第2の実施形態を詳細に説明する。
最初に、第2の実施形態のチューニング機構を、図10Aを用いて説明する。図10Aは、楕円環状導体素子203における任意の共振容量素子204とその近傍の導体部、及び、該共振容量素子204に対向する位置にある調整ベルト251の導体片402を楕円筒型曲面に垂直な方向から見た拡大図を示す。なお、調整ベルト251のベルト状絶縁部材401及び誘電体シート261は省略してある。
調整ベルト251を環状導体素子(つまり楕円筒型曲面)の中心軸201方向に移動させることで、導体片402の浮遊容量形成部502a,bが楕円環状導体素子203の導体部と重なる面積が変わり、その面積の変化に応じて浮遊容量も変わる。具体的には、図10Aに示す配置関係では、調整ベルト251を、楕円BCコイルの中心軸201方向に押し込むと、導体片402の浮遊容量形成部502a,bと楕円環状導体素子203の導体部との重なる面積が増加して浮遊容量も増加する。逆に、導体片402を、楕円BCコイルの中心方向から引き出すと、浮遊容量形成部502a,bと楕円環状導体素子203の導体部との重なる面積が減少して浮遊容量も減少する。
第2の実施形態の場合の、楕円環状導体素子203と、誘電体シート261と、調整ベルト251とを、収容すると共に、調整ベルト251の中心軸201方向のスライド移動をガイドするための、楕円BCコイルの電気回路を収容するボビンに設けられたガイド溝の一例を図10B(a)に示す。
図10B(a)は第2の実施形態の楕円BCコイルのボビン端部に設けられたガイド溝1001の断面図を示す。基本的には、前述の第1の実施形態で説明した図6Bに示したガイド溝651と同様の構造を有するが、調整ベルト251を中心軸201方向にスライド移動できるように、ガイド溝1001及びその開口部1003の中心軸方向の幅が広くなっている。また、ガイド溝1001の内部には、調整ベルト251の中心軸201方向に引き出された部分を支持する支持部1002を設けてある。
また、ガイド溝の直線状導体素子202側の側面には直線状導体素子202を通すための貫通孔1005が形成されている。そして、開口部1003より手動で調整ベルト251を中心軸201方向にスライド移動させることで、楕円BCコイルをチューニングする。調整ベルト251の位置が決定した後に、外枠からねじ1004で押さえ込んで調整ベルト251を固定する。ねじ1004を挿入するボビン682のねじ穴は複数設けられており、中心軸201方向にスライド移動された調整ベルト251の位置に対応してねじ穴の位置を選択して、ねじ締めを行う。
また、調整ベルトの位置を固定する機構の他の例を図10B(b)に示す。図10B(b)の例は、前述した図6C(b)に示した構造例を本第2の実施形態に適用した場合の例である。固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261とを一体的に中心軸201方向にスライド移動させるために、締め具の中心軸201方向の位置を調整する調整ねじ1001a,bを締め具枠671の両端にそれぞれ配置する。具体的には、リブ681の貫通穴を通して、調整ねじ1001a,bを締め具枠671の両端にそれぞれねじ込み、調整ねじ1001a,bを共に同方向に回転させることで、締め具枠67をリブ681側に近づけたり、遠ざけたりして、締め具を中心軸201方向に移動させる。この締め具の中心軸201方向への移動に伴い、固定ベルト661と調整ベルト251と誘電体シート261とが一体的に中心軸201方向にスライド移動することになる。そして、調整ベルト251の中心軸方向の位置を決定した後に、締め付け調整ねじ672を回転させることにより、調整ベルト251を固定する。この締め付け固定構造は前述の図6C(b)に示した構造例と同じであり、詳細な説明は省略する。なお、本第2の実施形態における締め付け調整ねじ672は、締め具の中心軸201方向可能範囲をカバーする様にその首下長さを長くしている。
第2の実施形態の場合の等価回路は、前述の第1の実施形態で説明した図8(a)と同じになる。特に、図10Aに示すように、導体片402の浮遊容量形成部502a,bが分離部703に関して対称な配置になり、空隙部504が分離部703と重なる配置の場合は、浮遊容量形成部502a及び502bと楕円環状導体素子203の導体部との重なる面積は、導体片402の中心軸203方向の移動量に依らずに互いに等しくなるので、浮遊容量CaとCbが等しくなる。この場合の等価回路を図11(a)に示す。浮遊容量1101a,bを共にCfとする。他は、図8(a)と同じである。
その結果、インダクタンス(Lf)803がゼロ(0)とみなせる場合の等価回路の合成容量は、
Ccmb=C+Cf/2 [3]
となる。この合成容量を有する共振容量素子(Ccmb)が、直列に接続されたインダクタンスと共振する場合の共振周波数(fr)は、前述の[2]式で表される。その様子を図11(b)のグラフに示す。縦軸は各値の相対値を表し、横軸は、調整ベルト251の相対位置を表す。横軸左端は導体片402が楕円環状導体の導体部と重なり始める直前の状態を意味し、横軸の右側にいくに連れて、調整ベルト251を中心軸201方向に押し込んで導体片402と楕円環状導体の導体部との重なる面積が増えていく状態を意味する。
点線グラフ1111はCfの変化を示し、実線グラフ1112が式[2]の共振周波数(fr)の変化を示す。図11(b)より、調整ベルト251を中心軸201方向にスライド移動させることにより、浮遊容量及び共振周波数が変化することが理解される。具体的には、調整ベルト251を中心軸201方向に押し込むと、浮遊容量が増加し、共振周波数が減少する。逆に、調整ベルト251を中心軸201方向から引き出すと、浮遊容量が減少し、共振周波数が増加する。したがって、調整ベルト251を中心軸201方向に押し込んだり引き出したりするスライド移動により、複数の共振容量素子の見かけの容量が一括して変更されることになり、楕円BCコイルの共振周波数を変更でき、核磁気共鳴周波数(fc)に一致するようにチューニングできることが理解される。
第2の実施形態のチューニング手順は、前述の第1の実施形態で説明した図9のフローチャートに示した手順と、基本的には同じであるが、調整ベルト251のスライド移動方向が中心軸201方向であること、と、ステップ902における調整ベルトの初期位置が異なる。調整ベルト251の初期位置は、導体片402の浮遊容量形成部502a,bと楕円環状導体素子203の導体部とが、相互に半分程度重なるような位置とする。この2点以外は、図9のフローチャートに示した手順と同様なので詳細な説明は省略する。
なお、第2の実施形態では、調整ベルト251を中心軸方向203にスライド移動する場合を説明したが、前述の第1の実施形態で説明した楕円環状導体素子の周方向のスライド移動と組み合わせて、調整ベルト251を楕円筒型曲面に沿って任意方向にスライド移動させることにより、楕円BCコイルのチューニングを行っても良い。
以上説明したように、第2の実施形態のBCコイル及びこれを用いたMRI装置は、楕円BCコイルの調整ベルトを環状導体素子の中心軸方向へスライド移動させることで、複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更し、楕円BCコイルのチューニングを行う。これにより、前述の第1の実施形態と同様の効果を有する。
<<第3の実施形態>>
本発明のBCコイル及びこれを用いたMRI装置の第3の実施形態を説明する。前述の第1、2の実施形態では、楕円BCコイルの例を示したが、第3の実施形態は、円筒型のBCコイル(以下円BCコイルという)に、前述のチューニング機構を適用する。以下、第3の実施形態を詳細に説明する。
最初に、第3の実施形態の円BCコイルの全体構成を説明する。図12は、円BCコイルを斜めから見た図である。円BCコイルは、全体が円筒形状で構成されており、円筒型曲面に沿って中心軸1201と平行に配置される4N(Nは自然数、図ではN=3)本の直線状導体素子1202と、中心軸1201上の点を中心とする円筒型曲面に沿って配置される2つの円環状導体素子1203a,bと、2つの円環状導体素子1203a,bにそれぞれ直列に挿入された8N(Nは自然数)個の共振容量素子1204と、円BCコイルを高周波回路に接続するための第1給電点1205a及び第2給電点1205bと、後述するチューニング機構と、を備えて成る。共振容量素子1204は、円環状導体素子1203と直線状導体素子1202との接続点1206の間の弧状導体に挿入され、容量を略同一とする。
4N本の直線状導体素子1202は、円筒型曲面の周方向に等間隔で配置される。図12の例では、4N本の内の4本が、円筒型曲面の径方向の直交2軸との交点を通るようにそれぞれ配置される。残りの4(N-1)本の直線状導体素子1202は、円筒型曲面の径方向の直交2軸に関して互いに線対称の位置であり、中心軸1201に関して軸対称の位置に配置される。
上記構成では、円環状導体素子1203が円形であることから、共振容量素子1204の容量を略同一としても、直線状導体素子1202及び弧状導体のインダクタンスが対称となる。したがって、円筒型曲面の周方向の、各直線状導体素子1202の幅、及び、配置間隔或いは配置密度を、略同一にすることができる。
第1給電点1205aと第2給電点1205bは、円筒型曲面の中心に対する角度が周方向に90度離れた位置であり、かつ、一方の給電点に給電した時に、他方の給電点に流れる高周波電流の振幅が最小となる位置にそれぞれ配置される。
図13(a)は、第3の実施形態の円BCコイルの一例を中心軸1201に平行に切って左右に展開して表した展開図である。ただし、後述するチューニング機構は図示していない。図13(a)の左右方向が周方向に対応する。各直線状導体素子1202は、その中央部分の周方向の幅が略同一であり、周方向(図13(a)の展開図では左右方向)の配置間隔或いは配置密度も略同一となる。
前述の第1の実施形態の楕円BCコイルと同様に、各直線状導体1202は、一定幅の中央部(ラング部)と、両端部にラング部よりも周方向の幅が広くなっている幅広部をそれぞれ有する。この直線状導体1202の両端の幅広部が円環状導体素子1203を兼ねる構造になっている。そして、隣り合う直線状導体1202の幅広部の間には隙間が形成されるように、各直線状導体1202が配置される。各幅広布の隙間には共振容量素子1204が配置され、該共振容量素子1204を介して、隣接する幅広部同士が電気的に接続(半田付け)される。各直線状導体1202及びそれらの幅広部における隙間が等間隔で配置されることから、該隙間に配置される共振容量素子1204も等間隔に配置されることになる。
図13(b)は、チューニング機構の内の調整ベルト1301を示す。共振容量素子1204が等間隔に配置されることから、導体片1302及び各導体片1302の間のスリット部1303の間隔も等間隔とする。調整ベルト1301の構成及び導体片1302の形状及び機能は、前述の第1の実施形態で説明した楕円BCコイルの場合と同様なので、詳細な説明は省略する。このような調整ベルト1301を、円環状導体素子1203の外周に同心で配置して、円環状導体素子1203の周方向又は中心軸方向にスライド移動させることで、共振容量素子1204の見かけ上の容量(つまり、浮遊容量と合わせた合成容量)を一括して変更する。チューニング手順については、前述の第1の実施形態で説明した図9の処理フローと同様である。
以上説明したように、本実施例のBC型RFコイル及びMRI装置は、円筒形であり、円環状導体素子に直列に挿入される共振容量素子及び直線状導体を、円筒型曲面の周方向に等間隔で配置する円BCコイルであり、チューニング機構の内の調整ベルトに配置される導体片も等間隔で配置される。これにより、円BCコイルにおいても、共振容量素子1204の見かけ上の容量を一括して容易に変更調整できるようになる。その結果、円BCコイルの共鳴周波数を容易に変更でき、核磁気共鳴周波数に一致するようにチューニングすることが可能になる。
以上、本発明の実施例を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1 被検体、2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾斜磁場電源、11 高周波発信器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波コイル(送信コイル)、14b 高周波コイル(受信コイル)、15 信号増幅器、16 直交位相検波器、17 A/D変換器、18 記憶装置、19 外部記憶装置、20 表示装置、21 入力装置、25 操作部
信号処理系7は、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等を行うもので、RAM,ROM等の記憶装置18と、光ディスク、磁気ディスク等の外部記憶装置19と、液晶ディスプレイ等からなる表示装置20とを有する。受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像を表示装置20に表示すると共に、外部記憶装置19に記録する。
本第1の実施形態の楕円BCコイルは高域通過(ハイパス)型であり、図2A、2Bに示すように、長軸直径Aと短軸直径Bを有する楕円筒型曲面に沿って中心軸201と平行に配置される4N(Nは自然数、図ではN=3)本の直線状導体素子202と、中心軸201上の点を中心とし、楕円筒型曲面に沿って配置される2つの楕円環状導体素子203a,bと、2つの楕円環状導体素子203a,bに直列に挿入された8N(Nは自然数)個の共振容量素子204と、楕円BCコイルを高周波回路に接続するための第1給電点205a及び第2給電点205bと、後述するチューニング機構(図2Aでは図示していない)と、を備えて成る。共振容量素子204は、楕円環状導体素子と直線状導体素子との接続点の間に挿入される。本第1の実施形態では、直線状導体素子202と楕円環状導体素子203とを厚さ数十〜数百μm程度のシート状導体で作成する。導体シートとしては、銅やアルミニウム等の電気伝導性の優れた金属部材を用いる。図2A,2Bでは、中心軸201方向をz軸、長軸方向をx軸、短軸方向をy軸としている。
その一例として、直線状導体素子202と楕円環状導体素子203とをシート状導体で作成する場合に、直線状導体素子202の中央部(ラング部)の、楕円筒型曲面の周方向の幅を、楕円筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて増加させる。なお、楕円環状導体素子203のシート状導体の中心軸201方向の幅は略一定とする。その結果、直線状導体素子202の楕円筒型曲面の周方向の配置密度は、楕円筒型曲面の短軸方向が高く、短軸方向から長軸方向に向けて減少していく。これにより、楕円筒型形状に伴う直線状導体素子202及び弧状導体のインダクタンスの非対称性を相殺し、楕円環状導体素子203に直列に挿入された複数の共振用容量素子204(Dn、En(n=1,2,3・・・))が全て同じ容量値であっても、楕円BCコイルの共振周波数を核磁気共鳴周波数(fc)とすることが可能になる。
ボビンに設けられたガイド溝の一例を図6Bに示す。図6Bは楕円BCコイルのボビン端部に設けられたガイド溝651の断面図を示す。ガイド溝651の下側が中心軸201側となり、この断面に垂直な方向(紙面に垂直な方向)が周方向となる。上側に狭い開口部653を有する矩形状の外枠断面を有して外枠の内部が空洞のガイド溝651中に、下側(中心軸201側)から楕円環状導体素子203、誘電体シート261、調整ベルト251が三層を成してガイド溝651中に収容されている。楕円環状導体素子203は直線状導体素子202と一体であることから、ガイド溝の直線状導体素子202側の側面には直線状導体素子202を通すための貫通孔654が形成されている。そして、開口部653より手動で調整ベルト251を楕円環状導体素子203の周方向にスライド移動させることで、楕円BCコイルをチューニングする。調整ベルト251の位置が決定した後に、外枠からねじ652で押さえ込んで調整ベルト251を固定する。
固定ベルト661の両端部がそれぞれ接続されて該両端の間隔を変更することにより、該固定ベルト661の実効的周長を変更する締め具の一例を図6C(b)に示す。図6C(b)の左図は締め具を上から見た正面図を示し、右図は楕円BCコイルのボビン682端部及びその端部に配置された構造強化用のリブ681の一部を示す。図6C(b)に示す締め具は、主に、締め具枠671と、固定具673aと、張力発生具673bと、締め付け調整ねじ672と、を有してなり、固定ベルト661の両端が締め具に接続されて、該固定ベルトの実効的周長が変更される。
締め具枠671内には、各々が台形状の固定具673aと張力発生具673bとが配置される。固定具673aは、固定ベルト661の他端がねじ674で固定され、締め具枠671に対してその長手方向に摺動可能に配置された部品である。また、張力発生具673bは、締め具枠671の長手方向の他端と固定具673aとの間に配置され、締め具枠671の長手方向の他端に沿って短手方向に摺動可能に配置された部品である。固定具673aと張力発生具673bとは、それらの台形斜面同士が互いに摺動可能に接している。
また、図7は、楕円環状導体素子203に直列に挿入された共振容量素子204と、誘電体シート261と、該誘電体シート261を挟んで共振容量素子204に対向する調整ベルト251の三層構造の一部の拡大図を示す。なお、全体が楕円環状曲面に沿って湾曲しているが、図7では、わかりやすくするために平坦状に示してある。また、各層間の距離も拡大してある。
前述したように、楕円環状導体素子203は直線状導体素子202の幅広部によって形成され、隣接する幅広部の隙間(つまり楕円環状導体素子203の分離部703)に共振容量素子204が配置され、該共振容量素子204の両端で隣接する幅広部に電気的に接続される(つまり半田付け702a,bされる)。図7(a)は、導体片402及び空隙部504が共振容量素子204に関して楕円環状導体素子203の長手方向に対称となるように調整ベルト251を配置した場合を示し、図7(b)は図7(a)の状態から調整ベルト251を右側にスライド移動させた場合を示し、図7(c)は図7(a)の状態から調整ベルト251を左側にスライド移動させた場合を示す。全体は図7の三層構造が楕円環状導体素子203の長手方向(つまり周方向に)に繰り返された構成になる。
(等価回路)
次に、導体片402の機能を、図8(a)に示す、共振容量素子204と組み合わせた等価回路800を用いて説明する。等価回路800における各集中定数とチューニング機構の各要素との関係は、共振容量素子204がキャパシタ(C)801に対応し、導体片402の浮遊容量形成部502aがキャパシタ(Ca)802aに対応し、導体片402の浮遊容量形成部502bがキャパシタ(Cb)802bに対応し、導体片402の接続導体部503がインダクタンス(Lf)803に対応する。なお、調整ベルト251をスライド移動しても、接続導体部503は変わらないので、そのインダクタンス(Lf)は一定となる。
また、図8(b)は、調整ベルト251のスライド移動に伴う各種変化を示すグラフである。縦軸は各値の相対値を表し、横軸は調整ベルトの相対位置を表す。横軸中央は空隙部504が分離部703の対向位置となった場合を示し、横軸左側(原点側)は調整ベルトが長手方向左側にスライド移動された場合に相当し、横軸右側は調整ベルトが長手方向右側にスライド移動された場合に相当する。前述したように、Caの容量は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくにつれて徐々に増加し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍となったときに最大値となった後は、その最大値を維持する。その様子を図8(b)の一点鎖線グラフ851に示す。一方、Cbの容量は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくまで最大値を維持し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍となった後は、徐々に減少していく。その様子を図8(b)の点線グラフ852に示す。
インダクタンス(Lf)803がゼロ(0)とみなせる場合の等価回路800の合成容量Ccmbは、
Ccmb=C+CaCb/{Ca+Cb} [1]
となる。[1]式の第2項(CaCb/{Ca+Cb})は、調整ベルト251を右側にスライド移動させて、空隙部504が分離部703に近づくにつれて徐々に増加し、空隙部504が分離部703の対向位置近傍で最大値となった後は、徐々に減少する。その様子を図8(b)の二点鎖線グラフ853に示す。
第2の実施形態の場合の等価回路は、前述の第1の実施形態で説明した図8(a)と同じになる。特に、図10Aに示すように、導体片402の浮遊容量形成部502a,bが分離部703に関して対称な配置になり、空隙部504が分離部703と重なる配置の場合は、浮遊容量形成部502a及び502bと楕円環状導体素子203の導体部との重なる面積は、導体片402の中心軸201方向の移動量に依らずに互いに等しくなるので、浮遊容量CaとCbが等しくなる。この場合の等価回路を図11(a)に示す。浮遊容量1101a,bを共にCfとする。他は、図8(a)と同じである。
なお、第2の実施形態では、調整ベルト251を中心軸201方向にスライド移動する場合を説明したが、前述の第1の実施形態で説明した楕円環状導体素子の周方向のスライド移動と組み合わせて、調整ベルト251を楕円筒型曲面に沿って任意方向にスライド移動させることにより、楕円BCコイルのチューニングを行っても良い。
以上説明したように、本実施例のBC型RFコイルは、円筒形であり、円環状導体素子に直列に挿入される共振容量素子及び直線状導体を、円筒型曲面の周方向に等間隔で配置する円BCコイルであり、チューニング機構の内の調整ベルトに配置される導体片も等間隔で配置される。これにより、円BCコイルにおいても、共振容量素子1204の見かけ上の容量を一括して容易に変更調整できるようになる。その結果、円BCコイルの共鳴周波数を容易に変更でき、核磁気共鳴周波数に一致するようにチューニングすることが可能になる。
以上、本発明の実施例を述べたが、本発明はこれらに限定されるものではない。

Claims (15)

  1. 複数の共振容量素子が直列に挿入された2つの環状導体素子と、前記2つの環状導体素子と電気的に接続する複数の直線状導体素子と、を有してなるバードケージ型高周波コイルであって、
    前記2つの環状導体素子の少なくとも一方の環状導体素子の外周に、誘電体部材を間に挟んで、前記複数の共振容量素子の見かけの容量を一括して変更する調整ベルトを摺動可能に配置したことを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  2. 請求項1記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記調整ベルトは、ベルト状の形状を有して、導体片と、隣り合う導体片間を絶縁するスリット部とを交互に配置して構成されたものであることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  3. 請求項2記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記導体片は、前記調整ベルトが前記環状導体素子の外周に配置された状態において、前記共振容量素子と対向する位置の近傍となるように、該調整ベルトにそれぞれ配置されていることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  4. 請求項2記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記調整ベルトは、ベルト状絶縁部材の前記環状導体素子と対向する面の側に、前記ベルト状絶縁部材の長手方向に前記導体片を断続的に張り合わせて構成されたものであることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  5. 請求項3記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記導体片は、前記環状導体素子の導体部との間で浮遊容量を形成するための2つの浮遊容量形成部を、空隙部を間に挟んで対向配置し、2つの浮遊容量形成部を電気的に接続する接続導体部と、を有して成ることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  6. 請求項3記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記導体片は、略長方形の中央部の一方に空隙部を形成した形状であることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  7. 請求項5記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記調整ベルトの、前記環状導体素子の周方向へのスライド移動によって、前記複数の共振容量素子の見かけの容量が一括して変更されることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  8. 請求項5記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記調整ベルトの、前記環状導体素子の中心軸方向へのスライド移動によって、前記複数の共振容量素子の見かけの容量が一括して変更されることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  9. 請求項1記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記環状導体素子の形状が楕円であり、前記複数の直線状導体素子が楕円環状筒型曲面に沿って配置されていることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  10. 請求項9記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記直線状導体素子の中央部の、前記楕円環状筒型曲面の周方向の幅が、前記楕円環状筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて増加する構造であることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  11. 請求項9記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記共振容量素子の配置間隔が、前記楕円環状筒型曲面の短軸方向から長軸方向に向けて増加する構造であることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  12. 請求項1に記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記直線状導体素子の両端部がそれぞれ前記共振容量素子を介して電気的に接続されることで、前記環状導体素子が形成されることを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  13. 請求項1に記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記調整ベルトの外周に、該調整ベルトを前記環状導体素子に押さえつけるように締め付けて固定する固定ベルトを配置したことを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  14. 請求項13に記載のバードケージ型高周波コイルにおいて、
    前記固定ベルトの両端部がそれぞれ接続されて、該両端の間隔を変更する締め具を有することを特徴とするバードケージ型高周波コイル。
  15. 請求項1乃至14記載のいずれか一項に記載のバードケージ型高周波コイルを用いた磁気共鳴イメージング装置。
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