JPWO2012121366A1 - 炭化水素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

炭素数1から4の炭化水素を原料として、気体状態において、金属もしくは金属化合物を含有する触媒を用いて炭素数5以上の炭化水素を合成する炭化水素の製造方法が開示されている。この方法は、触媒に、マイクロ波を照射して400℃以上900℃以下の温度範囲に加熱しながら、炭素数1から4の炭化水素のガスを供給し、炭素数5以上の炭化水素を合成する。触媒中には、マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質を含有することが好ましい。

Description

本発明は、例えばベンゼンに代表される炭化水素の製造方法に関する。
ベンゼンはわが国では約500万トン/年生産される基礎化学品であるが、現在は90%以上が石油ソースから製造されている。一方、天然ガス(メタン)は主な用途は燃料であり、化学品原料としては合成ガス(CO+H)を経由したメタノール合成が工業的に実施されているのみである。仮に、メタンから直接ベンゼンが合成できれば極めて大きな意義があるが、未だ研究開発段階である。
メタンからのベンゼンの合成に関し、高温の気相で金属を担持したゼオライト触媒を用いることで、メタンを原料として、高い選択率でベンゼンを生成することが報告されている(例えば、非特許文献1)。この方法は、天然ガスからの直接ベンゼン合成法として注目されている。ゼオライトは、結晶細孔径が5〜6オングストロームであるZSM−5が通常用いられ、金属としてはモリブデンやタングステン、レニウムが有効であるが、最も良好な結果を示すのがモリブデンとされている。また、低級炭化水素を反応させて芳香族化合物を生成させる触媒として、メタロシリケートであるZSM−5ゼオライトにモリブデンを担持させた触媒が報告されている(例えば、特許文献1)。
特開2010−42348号公報
S.Liu,Wangら, J. Catal. 181,175(1999)
上記モリブデン(Mo)を担持したゼオライト触媒を用いる方法は、メタンからベンゼンを作る画期的な合成法である。しかし、(1)反応転化率が平衡組成限界で20%と低いこと、(2)約800℃の高温プロセスであり、エネルギー多消費反応であることから装置材料コストも高いこと、(3)触媒表面のカーボン堆積による失活が早く、長寿命触媒の開発または触媒再生法の開発が必要であること、などが課題である。これらの課題を解決するために、流動床反応装置を用いることも考えられるが、装置コストが高い等、工業レベルでの実現にはさらに課題がある。このような課題に対し、COや水を反応系に混合して生成する水素を消費することで反応転化率を上げることができる。また、触媒表面に堆積するカーボンに対しては、CO、CO、水、水素などを反応ガスに混合したり、反応ガスを一旦停止した後、これらを流通させたりすることでカーボンを除去し、触媒寿命の延長を図ることができる。しかし、これらの方法では、反応ガス以外のガスを用いるために、装置コストが増大したり、必要とするエネルギーが増大したりするなど、コスト低減に対して大きな課題を有しており、それがベンゼンの製造を実用化できない大きな原因となっていた。
従って、メタンガス等の炭化水素を原料として用い、ベンゼンやナフタレンなどの芳香族炭化水素をはじめとする炭素数5以上の炭化水素を、簡易な設備と高いエネルギー効率で製造できる手法の開発が望まれていた。
本発明の目的は、炭素数1から4の炭化水素を原料として、脱水素により炭素数5以上の炭化水素を効率よく合成する方法を提供することである。
本発明の炭化水素の製造方法は、炭素数1から4の炭化水素を原料として、気体状態において、金属もしくは金属化合物を含有する触媒を用いて炭素数5以上の炭化水素を合成する炭化水素の製造方法であって、
前記触媒に、マイクロ波を照射して400℃以上900℃以下の温度範囲に加熱しながら、前記炭素数1から4の炭化水素のガスを供給し、前記炭素数5以上の炭化水素を合成することを特徴とする。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記触媒中に、マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質を含有していることが好ましい。この場合、前記マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質の含有量が、前記触媒の全体量に対して、10〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、前記マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質が、炭素材料であることがより好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記炭素数5以上の炭化水素が、芳香族炭化水素であることが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法において、マイクロ波は、周波数が300MHz以上300GHz以下の範囲内であり、前記触媒が存在する閉じられた空間の平均電界密度が0.01W/cm以上3W/cm以下の範囲内であることが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、反応圧力が0.01MPa以上20MPa以下であり、空間速度が100/hr以上6000/hr以下の範囲内の条件で前記炭素数1から4の炭化水素を前記触媒と接触させることが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記触媒100重量部に対して1時間あたり30重量部以上200重量部以下の割合で前記炭素数1から4の炭化水素のガスを供給することが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記触媒が、金属、金属酸化物または金属錯体を固体表面に担持させた触媒であることが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記触媒の形状が、不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状またはハニカム形状であることが好ましい。
本発明の炭化水素の製造方法は、前記触媒が、不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状またはハニカム形状の支持体にコーティングされていることが好ましい。
本発明方法によれば、触媒にマイクロ波を照射して加熱することにより、気体状態において、原料である炭素数1から4の炭化水素を効率よく炭素数5以上の炭化水素に転化することができる。本発明方法は、電気炉加熱に比べて低温での合成が可能であり、簡易な設備により、かつエネルギー消費を抑制しながら、工業的規模でベンゼン等の炭化水素を製造できる。
本発明方法で使用可能な連続方式における反応装置を概念的に示した図面である。 Mo/ZSM−5触媒にカーボンを配合した場合の反応装置を概念的に示した図面である。 触媒の合成手順を説明する図面である。 実施例1〜2、比較例1〜2で用いたベンゼン製造装置の概略構成を示す図面である。 チャンバー内での反応管とマイクロ波出力アンテナの配置例を説明する図面である。 実施例1及び比較例1におけるベンゼンの生成量と反応時間との関係を示すグラフである。 実施例1及び比較例1における水素の生成量と反応時間との関係を示すグラフである。 実施例1、2及び比較例1、2におけるメタンからベンゼンへの転化率、及び水素の生成量の測定結果を示す図面である。 実施例1、2及び比較例2における生成物の選択率を示す図面である。 実施例3〜5及び参考例1〜5で用いたベンゼン製造装置の概略構成を示す図面である。 実施例3における反応生成物のガスクロマトグラフィー(FID)分析の結果を示すチャートである。 比較例3における反応生成物のガスクロマトグラフィー(FID)分析の結果を示すチャートである。
本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る炭化水素の製造方法は、炭素数1から4の炭化水素を原料として、気体状態において、金属もしくは金属化合物を含有する触媒を用いて炭素数5以上の炭化水素を合成するものである。
[原料]
本実施の形態の炭化水素の製造方法において、「炭素数1から4の炭化水素」とは、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン等を挙げることができる。これらの中でも、天然ガス、メタンハイドレート、バイオマス(例えばメタン発酵)などによる産出量が多いメタンを用いることが好ましい。
[生成物]
本実施の形態の炭化水素の製造方法において、上記原料からの製造を目的とする生成物は、炭素数5以上の炭化水素である。炭素数5以上の炭化水素としては、例えば芳香族炭化水素等を挙げることができる。ここで、炭素数5以上の芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等のベンゼン系芳香族炭化水素、ナフタレン、アントラセン、メチルナフタレン、メチルアントラセン、フルオランテン、ピレン等の縮合環芳香族炭化水素を挙げることができる。
なお、本実施の形態の炭化水素の製造方法は、上記炭素数5以上の炭化水素から誘導される多くの有機化合物の合成段階の一部分としても利用できる。
[触媒]
本実施の形態の炭化水素の製造方法では、上記原料を気体の状態で触媒に作用させて炭素数5以上の炭化水素に転換する。使用する触媒は、金属もしくは金属化合物を含有する触媒である。触媒に用いる金属としては、例えばMo、Re、W、Co、Fe、Ni、Ag、Cu、Ga、Zn、Ru、Rh、Pt、Pd、Cr等を挙げることができる。これらの金属は単独または組み合わせて使用することもできる。また、合金としても使用できる。触媒に用いる金属としては、上記金属種の中でも、Moが最も好ましい。また、金属化合物としては、例えば上記金属種の金属酸化物または金属錯体を挙げることができる。
触媒は、固体表面に上記金属もしくは金属化合物を担持させたものを好ましく利用できる。触媒を担持する固体(担持体)としては、例えばゼオライト、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等を挙げることができる。これらは2種以上を組み合わせて配合できる。これらの中でも、ゼオライトを用いることが好ましく、中でもZSM−5を用いることが最も好ましい。従って、触媒としては、Mo/ZSM−5を用いることが好ましく、プロトン化した酸点を持つMo/HZSM−5を用いることが最も好ましい。
このように担持体を含有する触媒の形状は、表面積を大きくして原料との接触機会を増やすために、例えば不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状、ハニカム形状等の任意の形状とすることができる。また、例えば不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状、ハニカム形状等の任意の形状の支持体の表面に触媒を担持させて用いることも可能である。ここで、支持体の表面に触媒を担持させる方法としては、例えば触媒成分を含有するスラリーを支持体に塗布したり、該スラリーに支持体を浸漬したりすることによって、コーティング触媒層を形成する方法が好ましい。また、上記触媒や支持体の形状の中でも、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状、ハニカム形状などの形状は、表面積の増大による触媒作用の増強効果に加え、さらに、マイクロ波による加熱の際に、触媒全体を均一に加熱しやすくする作用が得られるため特に好ましい。
なお、触媒には、上記金属もしくは金属化合物及び担持体のほかに、例えば、マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質(以下、「サセプタ」と記す)、例えばバインダーなどの任意成分を含有することができる。
[サセプタ]
触媒には、サセプタを配合しておくことが好ましい。これにより、後述するマイクロ波加熱の際に、触媒の加熱が促進され、触媒を応答性良く所望の反応温度まで加熱することが可能になり、反応効率を高めることができる。このサセプタは、マイクロ波を吸収して効率よく熱エネルギーに変換させるために、その複素誘電率及び/又は複素透磁率と導電率が、実際の反応温度において、または、使用するマイクロ波の周波数において、それぞれ所定の範囲内である材料を用いることが好ましい。例えば、代表的なサセプタとして、結晶性カーボン、アモルファスカーボン、黒鉛(グラファイト)、コークス、繊維状炭化ケイ素、カーボンブラック、活性炭、繊維状カーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素材料や、炭化ケイ素、酸化チタン、ロッシェル塩、金属粒子等を挙げることができるが、同様にマイクロ波を吸収して熱に変えることができる比誘電率10以上及び/又は比透磁率100以上を有する物質をサセプタとして使用できる。また、加熱分解により炭素を生じる物質を利用することも可能である。そのような炭素前駆物質としては、例えば、ビチューメン類(いわゆるアスファルト、ピッチ類など)、糖類、熱分解性の合成樹脂などが挙げられる。これらのサセプタは、2種以上を組み合わせて使用することができる。上記サセプタの中でも、特に、グラファイト、活性炭、ピッチコークス、炭化ケイ素がマイクロ波を吸収して発熱する効果が大きいため、好ましい。
触媒との均一な混合による加熱促進効果を大きくする観点から、サセプタの形状は粉末が好ましく、例えば0.01μm〜1000μmの範囲内の粒径のものがより好ましい。また、サセプタは、マイクロ波による加熱効率を促す観点から、触媒の全体量に対して、例えば10〜50重量%の範囲内で添加することが好ましく、20〜40重量%の範囲内で添加することがより好ましい。サセプタの添加量が、触媒の全体量に対して10重量%未満では、十分な加熱促進効果が得られない。一方、サセプタの添加量が、触媒の全体量に対して50重量%を超えると、相対的に金属もしくは金属化合物の量が少なくなるため、転化効率が低下する可能性がある。なお、触媒の全体量には、上記金属もしくは金属化合物、担持体のほか、サセプタ、バインダー等の任意成分を含むが、支持体は含まない。サセプタは、例えば撹拌などの処理によって、触媒中に均一に混合することができる。
[マイクロ波]
本実施の形態の炭化水素の製造方法は、上記原料を加熱した触媒に接触させることにより行われる。ここで、原料及び触媒(サセプタを含んでもよい)を加熱する方法としては、マイクロ波照射を利用する。マイクロ波照射による熱的な効果として、マイクロ波が、原料と触媒とが存在する反応場に浸透することにより、反応場全体で均一な加熱が行われる。また、マイクロ波を吸収する物質のみが加熱されるため、反応場以外の部位を加熱しないことにより、望まない副反応を抑えることができる。また、目的の被加熱体のみを加熱するため、必要とされるエネルギーを小さくすることができる。また、マイクロ波によってエネルギーを反応場に直接与えることができるため、急速な加熱を行うことができる。これにより、反応場全体を速やかに均一な温度にすることができる。また、マイクロ波は、反応場での電子移動の促進、原料分子や原子の拡散の促進などの非熱的な反応促進効果も期待できる。従って、マイクロ波照射により、高い反応速度が得られるとともに、反応ガスの平均温度としては低温での反応が可能であり、さらに、反応の選択性も高めることができる。また、マイクロ波は炭素を特に選択的に加熱できる。炭素質は高温になるほど水、CO、CO、水素などと反応しやすいため、反応中に触媒上に堆積する炭素質をマイクロ波によって選択的に加熱することで、生成した炭素質を除去または一定以上に増加させないことが可能である。このため、マイクロ波を利用した加熱により、触媒寿命を延長することができる。また、マイクロ波を利用した加熱により、水、CO、CO、水素などによる表面炭素の除去処理が不要になったり、該除去処理の頻度を下げたり、あるいは、水、CO、CO、水素などの使用量を著しく下げることが可能である。これにより、エネルギー効率や生産効率を高めることが可能となる。このように、マイクロ波加熱は、従来の電気炉による加熱と比較して、加熱効率に優れる上、反応促進効果、触媒寿命の延長効果も得られる。
マイクロ波の周波数は、高い反応効率を得る観点から、例えば300MHz以上300GHz以下の範囲内とすることが好ましく、900MHz以上3GHzの範囲内がより好ましい。マイクロ波発生源としては、例えばダイヤモンドSAW(Surface Acoustic Wave;表面弾性波)、マグネトロン、クライストロン、ジャイロトロン、半導体による発振器などを用いることができ、必要に応じて出力を選定すればよく、特に限定されない。
また、高い反応効率を得ながら、炭素質を選択的に加熱する観点から、反応場(つまり、触媒が存在する部位)を囲む閉じられた空間(例えばチャンバー)の平均電界密度が0.01W/cm以上3W/cm以下の範囲内となるようにマイクロ波を供給することが好ましい。
マイクロ波の照射は、反応活性や生成物の選択性などの反応状態や触媒の温度及びその温度分布を安定させるという観点から、電界強度及び/又は磁界強度を変化させずに行うことができる。より具体的には、例えばマイクロ波の出力、周波数、位相等を変化させずに連続的に照射を行うことができる。
また、マイクロ波の照射は、反応生成物の選択性を変化させる、触媒活性を高める、触媒に堆積する炭素質を取り除くという観点から、電界強度及び/又は磁界強度を変化させて行うこともできる。より具体的には、例えばマイクロ波の出力、周波数、位相等を変化させて照射を行うことができる。また、1つまたは2つ以上の異なる周波数のマイクロ波を同時または交互に照射することもできる。以上の場合は、マイクロ波の振幅変調または周波数変調を行うことでも同じ効果を得ることができる。
[合成反応]
本実施の形態の炭化水素の製造方法は、上記原料を加熱した触媒に接触させることによる脱水素反応を含むものである。また、この反応は固体触媒を用いる気相反応である。従って、原料ガスは、触媒が存在する反応場までガス状で供給される。原料ガスは、反応効率を高め、触媒の失活を抑制する観点から、触媒100重量部に対して1時間あたり好ましくは30重量部以上300重量部以下、より好ましくは30重量部以上200重量部以下の割合で供給することが好ましい。この場合、バッチ式でもよいが、生産効率を上げるため、原料ガスを連続的に流しながら反応場を通過させて反応を行う連続式がより好ましい。連続式の場合、反応効率を高めるため、空間速度が100/hr以上6000/hr以下の範囲内、好ましくは500/hr以上3000/hr以下の範囲内となるようにして、原料ガスと触媒とを接触させることが好ましい。空間速度が100/hr未満では、生産性が低下するほか、触媒との接触時間が長くなりすぎて副反応が多く起こり好ましくない。また、空間速度が、6000/hrを超えると、触媒との接触時間が短くなりすぎて反応が十分に進まなくなることがあり、好ましくない。
また、上記反応は、原料分子と触媒との接触機会を高めるために、例えば0.01MPa以上20MPa以下の圧力条件で行うことが好ましく、0.01MPaから1MPaとすることがより好ましい。
また、反応温度は、原料から炭化水素への転化率を上げるため、触媒の加熱温度として、例えば400℃以上900℃以下の範囲内とすることが好ましく、500℃以上700℃以下とすることがより好ましい。マイクロ波加熱による触媒の加熱温度は、低い程エネルギー消費が少なくなるが、所望の転化率を得るために下限を400℃以上とすることが好ましく、500℃以上とすることがより好ましい。また、触媒の加熱温度が高くなりすぎると、原料の炭化が進み、触媒の寿命が短くなるとともに、ベンゼンの選択率が低下する傾向があるため、上限を900℃以下とすることが好ましく、700℃以下とすることがより好ましい。なお、マイクロ波照射による触媒の加熱では、局所的な温度分布が生じる場合があり、その場合は、触媒全体の平均温度を意味する。
次に、触媒としてMo/ZSM−5を使用し、原料がメタンであり、生成物がベンゼンである場合を例に挙げて、本発明方法をより具体的に説明する。Mo/ZSM−5により触媒されるメタンからベンゼンの合成は、下記反応式に従い行われる。
Figure 2012121366
この場合の反応機構は、以下のa)〜c)の段階を含むと考えられる。
a)触媒上のMoがCHと反応してMoCへと変化する段階;
b)MoCが活性点となって炭素数1若しくは2の活性種が生成する段階;
c)活性種が、ゼオライト酸点上で芳香族化する段階。
ここで、MoCはマイクロ波の吸収能が高いが、Mo及びゼオライト酸点はマイクロ波の吸収能が低いため、近傍に存在するサセプタからの熱供給により加熱されつつ、上記b)の段階のMoCが局所的に高温になり合成反応が進行するが、全体としては比較的低い温度で反応が進むと考えられる。
上述のように、本実施の形態の炭化水素の製造方法は、連続方式で行うことが好ましい。図1は、連続方式における反応装置を概念的に示したものである。メタンガスは、例えば石英ガラスやセラミックスなどの材質の反応管1内を流れ、Mo/ZSM−5触媒3Aが設けられた部位(ここが、反応場3を形成する)へ連続的に供給される。そして、この反応場3にマイクロ波5が供給されることによって、メタンガス及びMo/ZSM−5触媒3Aが所定の温度まで加熱され、上記合成反応が進行する。そして、主要反応生成物であるベンゼンは、連続的に反応場3から放出され、回収される。この場合、予めメタンガスを他の方法で加熱しておくことも可能であるし、また、サセプタと同様の性質の物質を触媒層の前段に設置することにより、触媒層に入る直前にメタンガスを加熱することも可能である。
図2は、好ましい態様であるMo/ZSM−5触媒にサセプタとしてカーボンを配合した場合の反応装置を概念的に示したものである。カーボンを含有するMo/ZSM−5触媒3Bは、反応管1の中で、石英砂7により上下から挟み込むように固定され、さらに石英ウール9によって下側から支持されている。このように、触媒中にカーボンを混合することにより、マイクロ波による触媒の加熱効率を高め、メタンからベンゼンへの合成反応を効率よく進めることができる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
[分析方法]
気体の分析は、出口気体をシリンジで取り、ガスクロマトグラフィー(GC)で行った。分析対象はHとCHであり、Arを内部標準に用いた。使用装置はGC−8A(TCD;Thermal Conductivity Detector)であり、カラムは8G 3.2×4.2m、充填剤は、モレキュラー・シーブ(Molecular Sieve)13Xを使用した。
生成物の分析には、ガスクロマトグラフィー[GC−14B(FID;Flame Ionization Detector)、島津製作所社製]を使用した。芳香族化合物の分析は、出口気体をエタノールでトラップし、これに内部標準としてシクロヘキサノンを0.5ml加えてGCで行った。分析対象は、ベンゼン、および主な副生成物であるトルエン、ナフタレンについて行った。カラムには、CP−Sil 5 CB(アジレント・テクノロジー社製) 0.25mm×60m、膜厚0.25μmを用いた。
[加熱温度の測定]
触媒の加熱温度の測定は、一般的な熱電対とともに、ファイバー温度計[MicroMaterials社製]、放射温度計[(株)チノー社製]により行った。通常の高温反応では温度計として熱電対を使うが、マイクロ波照射下では熱電対自体がマイクロ波を吸収してしまうことから熱電対を使用できないため、本実験では放射温度計も併用した。放射温度計は、物質表面から出る赤外線を測定し、温度を決定する。このため、接していない物質の温度を直接測定できるという利点がある。ただし、赤外線の放射効率は物質とその状態によって異なるため、事前にこの放射効率を測定しておく必要がある。そこで、穴のあいた電気炉を用い、予め、放射温度計と熱電対の計測温度が一致するように放射率を定めた。なお、温度を安定させるために電流制御器を使い手動で温度を合わせた。放射率は物質の種類だけでなく、温度にも左右されるため、温度を変えながら測定を行った。
[触媒の合成]
実験に使用した触媒は、3重量%のMo/HZSM−5であり、図3に示す手順で合成した。すなわち、Si/Al比90のNa型ZSM−5(4g)に対し、1MのNHNO(Na型ZSM−5の1gあたり100mlに相当する)を用い、一回当たり12時間、2回イオン交換し、NH型ZSM−5とした。次に、NH型ZSM−5の細孔容積を窒素吸着により求め、この容積分のHOにMoの担持量が3重量%となる量の(NHMo24・4HOを溶かし、これをNH型ZSM−5に吸収させた。これを100℃で2時間乾燥し、次いで500℃で6時間焼成して目的の触媒Mo/HZSM−5を得た。なお、サセプタを用いる場合は、上記のようにして得られた3重量%Mo/HZSM−5に、サセプタ及び必要に応じてバインダーを混合した。
[実験装置]
図4に、実施例1〜2、比較例1〜2で実験に用いたベンゼン製造装置100の概略構成を示した。このベンゼン製造装置100は、主要な構成として、触媒が充填された反応管1と、原料ガスなどを貯留するガス供給源(図示省略)から反応管1へガスを供給するガス供給配管20と、反応管1の触媒充填部位に局所的にマイクロ波を照射するためのチャンバー30と、反応管1の終端に設けられた生成物回収部(トラップ管40)と、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器50と、マイクロ波発生器50とチャンバー30との間でマイクロ波を伝播させる導波管60と、該導波管60の途中に設けられたインピーダンス整合器70と、を備えている。なお、図4において、電気炉110を備えた反応管101は、比較実験を行うための設備である。
反応管1としては、図2に示したものと同様の構成のものを使用した。触媒活性成分であるMo/HZSM−5は、マイクロ波吸収能が低いため、これにサセプタとしてマイクロ波吸収能の高い活性炭(Activated Carbon;Aldrich社製)を触媒全体量に対して29重量%添加した。
ガス供給配管20には、マスフローコントローラー21が設けられており、原料ガスのCH及びキャリアガスのArを所定流量で反応管1へ供給できるように構成されている。
長尺な反応管1は、マイクロ波照射のため、その一部分がチャンバー30内に挿入されている。チャンバー30は、マイクロ波をシールドする機能を有する金属(例えばアルミニウム、SUSなど)により構成されている。また、チャンバー30には、冷却装置として冷水循環機80が接続されており、循環ライン81A,81Bを介して熱媒体を循環させてチャンバー30を冷却できるように構成されている。マイクロ波の照射によってメタンから合成されたベンゼンは、Arガスとともに反応管1内をさらに移動し、反応管1の終端に設けられた生成物回収部のトラップ管40により回収される。反応管1の出口は、芳香族化合物の凝縮や固化を防ぐため、リボンヒーター90で200℃に保温した。
マイクロ波発生器50として、ダイヤモンドSAW(Surface Acoustic Wave,表面弾性波)を使用した。ダイヤモンドSAWは、図示は省略するが、圧電体基盤上に形成された櫛状電極が入力側及び出力側に接続された構造をしており、入力側に高周波を印加することによって、櫛歯間隔の2倍の波長を持つ電磁波を発生させる。ダイヤモンドSAWは、周波数帯域が非常に狭いマイクロ波を発生させることができるため、再現性の高い実験を行うことができる。
マイクロ波発生装置50には、電力計51及び放射温度計53が付設されている。電力計51は、出力波、および吸収されずに戻ってきた反射波の電力を表示する。チャンバー30の構造上、吸収されなかったマイクロ波のほとんどが出力アンテナ(図示省略)に集中する。そのため、反射電力が大きくなると出力アンテナが発熱し破損する恐れがある。ただし,加熱対象のマイクロ波吸収能が十分に高ければ、出力波の出力を大きくしても反射波の出力はそれほど大きくならない。また、インピーダンス整合器70は、出力側とチャンバー30側の電気特性をマッチングさせる。具体的には、インピーダンス整合器70は、二つの可動スライダを有しており、これらの位置を変化させることで交流の複雑な電気特性を調整する。これにより、チャンバー30内での吸収電力を最大にし、マイクロ波による高温加熱を補助する。
ベンゼン製造装置において、原料であるCHは、キャリアガスとしてのArとともにマスフローコントローラー21により流量制御されながら反応管1に導入される。反応管1内を通流する原料ガスは、Mo/HZSM−5触媒が設けられた部位(反応場;図1及び図2参照)でマイクロ波の照射を受ける。つまり、反応管1において、Mo/HZSM−5触媒が設けられた部位は、チャンバー30に覆われている。チャンバー30は、内部で触媒にマイクロ波を当て加熱を行う。チャンバー30の内壁面30aは、水平断面が楕円形になっており、この楕円の2焦点にそれぞれマイクロ波出力アンテナ61と反応管1とが位置する構造になっている。すなわち、図5に示すように、チャンバー3の天井部において、チャンバー30の水平断面と同じ大きさの仮想の楕円の円周から、マイクロ波出力アンテナ61の中心までの距離をL1、反応管1の中心までの距離をL2としたとき、L1+L2が常に一定になるように、マイクロ波出力アンテナ61及び反応管1が配置されている。このような構造により、マイクロ波出力アンテナ61から放射されたマイクロ波が反応管1の位置に収束し、低出力で高温を達成できるようになっている。
実施例1
Mo担持HZSM−5を触媒に用い、マイクロ波加熱によりメタンを原料としてベンゼンの合成を行った。Mo/HZSM−5 0.30gにActivated Carbon 0.12gを添加、混合したものを触媒として用いた。これを20ml・min−1のAr流通下、マイクロ波で350℃に30分間保ち、脱水した。その後温度を下げ、6.0ml・min−1のCH、1.2ml・min−1のArを流通させたまま、30分間放置し、流量を安定させた。流量安定後、その条件のまま昇温し、加熱温度に達した時点を反応開始後0分とした。10分ごとに出口気体をシリンジでGCへ打ち込み、30分ごとにトラップ管40を交換した。反応は4時間行った。温度の調整は、マイクロ波発生器50の目盛りを手動で調整して行った。
マイクロ波加熱による合成条件は以下のとおりである。
<合成条件>
Arガス合計量;66mL
CHガス合計量;246mL
空間速度;1200/hr
触媒100重量部に対する1時間あたりのCHガス量;108重量部
処理圧力;0.1MPa
反応場における触媒の加熱温度;873K(600℃)
マイクロ波パワー;60W
マイクロ波周波数;2.45GHz
比較例1
加熱手段を電気炉110に代えた以外は、実施例1と同様にして、メタンからベンゼンの合成を行った。なお、電気炉110による加熱では電流制御器を用い、温度の調節を手動で行った。電気炉加熱による合成条件は以下のとおりである。
<合成条件>
Arガス合計量;66mL
CHガス合計量;246mL
空間速度;1200/hr
触媒100重量部に対する1時間あたりのCHガス量;108重量部
処理圧力;0.1MPa
反応場における触媒の加熱温度;873K(600℃)
実施例1及び比較例1におけるベンゼンの生成量と反応時間との関係を図6に示した。また、実施例1及び比較例1における水素の生成量と反応時間との関係を図7に示した。図6及び図7中、黒いひし形(◆)が電気炉(比較例1)、白いひし形(◇)がマイクロ波による加熱(実施例1)のデータである。電気炉を加熱源として用いた場合、873K(600℃)ではベンゼンおよび水素の生成はほとんど見られなかった。一方、マイクロ波照射により加熱した場合、反応開始直後に水素が生成し、その生成量が急激に減少していくこと、および反応開始から60分ほどでベンゼンの生成量が大きく増加し始めることが確認された。
実施例2
加熱温度を773K(500℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、メタンからベンゼンの合成を行った。
比較例2
加熱温度を973K(700℃)に代えた以外は、比較例1と同様にして、メタンからベンゼンの合成を行った。
上記実施例1、2及び比較例1、2におけるメタンからベンゼンへの転化率と水素の生成量の測定結果を図8に示した。なお、図8は、4時間の反応を行ったときの平均値を示している。図8より、マイクロ波加熱では、500℃でも反応が進行したが電気炉加熱では600℃でも反応は起こらなかった。
また、実施例1、2及び比較例2における生成物(ベンゼン、トルエン、ナフタレン)の選択率を示すグラフを図9に示した。なお、図9は、芳香族化合物が生成し始める反応開始1時間後から、4時間後までの平均値を示している。図9から、マイクロ波加熱による500℃(実施例2)と600℃(実施例1)の比較では、600℃(実施例1)の方がベンゼンの選択率が減少していた。高温になるとメタンの炭化が進むために、ベンゼンの選択率が低下するものと考えられた。
上記実施例1、2のマイクロ波加熱における反応の結果は、電気炉を用い973K(700℃)で反応を行った過去の報告(例えば特許文献1)と類似する。一連の報告によれば、この反応の機構は、反応開始後1〜2時間の間にMoがCHと反応し、多量のHを発生しながらMoCが生成し、これが活性サイトとなって炭素数1〜2の活性種を作り、次いでゼオライト酸点上で活性種がベンゼンへ転換されると説明される。電気炉加熱とマイクロ波加熱で反応機構が同一でありながら、マイクロ波加熱ではより低温で反応を進行させることが可能と考えられ、エネルギー効率の改善が期待される。
[実験装置]
図10に、実施例3〜5及び参考例1〜5で実験に用いたベンゼン製造装置200の概略構成を示した。このベンゼン製造装置200は、主要な構成として、触媒が充填された石英製の反応管1[径25mm;触媒充填層最大長さ(高さ)100mm]と、原料ガスなどを貯留するガス供給源(図示省略)から反応管1へガスを供給するガス供給配管20と、反応管1の触媒充填部位に局所的にマイクロ波を照射するためのチャンバー30(径355.6mm×長さ400mm)と、反応管1の終端に設けられた生成物回収部(−70℃に冷却されたトラップ管40)を備えている。反応管1には、触媒層の上部、中央及び下部並びに反応管1の温度を測定するため、複数の熱電対(TC)が配備されている。トラップ管40には、一対のテドラーバック120が接続されており、トラップ管40を通過したガスを交互に封入してサンプリングできるように構成されている。また、ベンゼン製造装置200は、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生器(最大マイクロ波パワー1.5kW)と、マイクロ波発生器とチャンバー30との間でマイクロ波を伝播させる導波管と、該導波管の途中に設けられたインピーダンス整合器と、を備えているが、これからの構成は図4と同様であるため、図示及び説明を省略する。なお、比較例では、マイクロ波加熱に代えて、ヒーターによる加熱を行った。
実施例3
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
反応時間;2時間
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;70mm、充填体積;31.1ml、充填重量;14.7g
空間速度;1929/hr
目標反応温度;800℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
試料ガス流入開始後、5分前後でトラップ管40内(−50℃以下)に微量の結晶が確認された。また、反応管1の下部に黄色(半透明)の物質が付着した。反応中のガスは、0、2、4、6、8、12、16、20、25、30分でテドラーバッグ120にサンプルを封入した。30分以降は、10〜20分間隔でサンプルを封入した。TCD分析の結果、15分前後をピークに水素ガスが検出された。120分でほぼ0となった。
反応終了後、トラップ管40をあけるとナフタレン臭を含む刺激臭があった。触媒の色には、層ごとにムラがあり、上部は灰色、中央部と下部は黒色であった。触媒の実測温度は、上部で550〜600℃、中央部で740〜800℃、下部で720〜850℃で推移していた。上部、中央部及び下部の平均温度としては720℃であった。また、反応開始15分前後で触媒上部と中央部の温度が逆転した。析出した結晶は、アセトンを用いて回収した。反応生成物のFID分析の結果、図11に示したとおり、ベンゼン、ナフタレンを主生成分とした生成物が得られた。副生成物としてのトルエン、キシレンのピークは少なかった。反応管1の下部の黄色物は、アントラセン、フルオランテン、ピレンを主生成物とするものであった。
比較例3
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
反応時間;2時間
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;70mm、充填体積;31.1ml、充填重量;14.7g
空間速度;1929/hr
反応温度;800℃(ヒーター加熱)
<結果>
試料ガス流入開始後、5分前後でトラップ管40内(−50℃以下)に微量の結晶が確認された。また、反応管1の下部に黄色(半透明)の物質が付着した。反応中のガスは、0、2、4、6、8、12、16、20、25、30分でテドラーバッグ120にサンプルを封入した。30分以降は10〜20分間隔でサンプルを封入した。TCD分析の結果、10分前後ピークに水素ガスが検出された。120分でほぼ0となった。
反応終了後、トラップ管40をあけるとナフタレン臭を含む刺激臭があった。触媒は、灰色から黒色に変化していた。析出した結晶は、アセトンを用いて回収した。反応生成物のFID分析の結果、図12に示したとおり、ベンゼン、ナフタレンを主生成分とした生成物が得られたが、主な副生成物として、トルエン、キシレンのピークも確認された。
上記実施例3(マイクロ波加熱)と比較例3(ヒーターによる通常加熱)とを比較した場合、マイクロ波加熱の方が、副生成物が少なかった。触媒の加熱温度の最高点は、どちらも800℃以上であったが、平均温度で比べた場合、通常加熱の800℃に対し、マイクロ波加熱では720℃で反応していることが推察された。また、グラファイト粉30重量%を添加したペレット状触媒は、マイクロ波で充分に加熱されるものであった。
参考例1
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(SiCを30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;100mm、充填体積;44.3ml、充填重量;22.6g
空間速度;1354/hr
目標反応温度;800℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
550℃までは触媒を加熱可能であり、ベンゼンの生成が確認された。しかし、550℃を超えての温度上昇中、触媒層の中央部と反応管1の下部の温度が同等となり、異常加熱が確認されたため、加熱を中断した。この結果から、SiCはグラファイト粉に比べマイクロ波の吸収が少なく、エネルギーが反応管1の下部へ集中したと推察される。
参考例2
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(SiCを30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;30mm、充填体積;14.7ml
空間速度;4082/hr
目標反応温度;800℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
550℃までは触媒を加熱可能であり、ベンゼンの生成が確認された。しかし、マイクロ波の吸収が弱く、長時間を要した。また、550℃を超えたところで、熱電対(TC)がオレンジ色に発光したため、加熱を中断した。
参考例3
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(サセプタ無し、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;30mm、充填体積;14.7ml
空間速度;4082/hr
目標反応温度;800℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
550℃までは触媒を加熱可能であり、ベンゼンの生成が確認された。しかし、550℃を超えたところで、熱電対(TC)がオレンジ色に発光したため、加熱を中断した。
参考例4
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を5重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;100mm、充填体積;44.3ml、充填重量;19.5g
空間速度;1354/hr
目標反応温度;800℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
550℃までは触媒を加熱可能であり、ベンゼンの生成が確認された。しかし、温度上昇中、触媒層の中央部と反応管1の下部の温度が同等となり、異常加熱が確認されたため、加熱を中断した。
実施例4
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
反応時間;2時間
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;100mm、充填体積;44.3ml、充填重量;22.4g
空間速度;1354/hr
目標反応温度;600℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
試料ガス流入開始後、5分前後でトラップ管40内(−70℃以下)に微量の結晶が確認された。反応ガスは、所定の時間で、テドラーバッグ120にサンプルを封入した。TCD分析の結果、15分前後をピークに水素ガスが検出された。120分でほぼ0となった。
反応終了後、トラップ管40をあけるとナフタレン臭を含む刺激臭があった。触媒の色には、層ごとにムラがあり、上部は灰色、中央部と下部は黒色であった。触媒の実測温度は、上部で500℃、中央部及び下部は700℃程度で推移していた。上部、中央部及び下部の平均温度としては600℃であった。また、反応開始15分前後で触媒層の上部と中央部の温度が逆転した。析出した結晶は、アセトンを用いて回収した。FID分析を行うと、ナフタレンを主生成分とした生成物が得られた。ベンゼンも生成していたが、800℃に比べ少なかった。
比較例4
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
反応時間;3時間
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;70mm、充填体積;31.1ml、充填重量;13.7g
空間速度;1929/hr
反応温度;600℃(ヒーター加熱)
<結果>
反応終了後、トラップ管40内(−70℃以下)に目視では、結晶は確認されなかった。また、反応管1の下部に黄色(半透明)の物質が付着していたが、800℃の時に比べ、微量であった。反応中のガスは所定の間隔でサンプルを封入した。TCD分析の結果、微量の水素が発生していた。トラップ管40からの刺激臭はなかった。触媒は、灰色から黒色に変化していたが、800℃の時に比べ薄かった。トラップ管40内、反応管1の下部の付着物は、アセトンを用いて回収した。FID分析を行うと、ベンゼン、ナフタレンを多少含んだ生成物が得られた。主なピークとしては、高沸点物であった。この結果から、ヒーター加熱の600℃では、800℃に比べ明らかにベンゼン、ナフタレンの生成量は少なかった。また、マイクロ波加熱の600℃と比較しても、生成量は少なかった。反応としては、微量の脱水素と高沸点物の生成が起こっていた。反応管1の下部にも、FID分析の結果、アントラセン、フルオランテン、ピレン等はほとんど含まれていなかった。
実施例5
<合成条件>
CHガス(流量;1,000ml/分、反応時間;3時間)
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有、形状;ペレット状、大きさ;5mmΦ×5mm)、充填高さ;70mm、充填体積;31.1ml、充填重量;15.8g
空間速度;1929/hr
目標反応温度;600℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
反応終了後、トラップ管40内(−70℃以下)に目視で、結晶が確認された。また、反応管1の下部に黄色(半透明)の物質が付着していた。反応中のガスは所定の間隔でサンプルを封入した。TCD分析の結果、水素が発生していた。トラップ管40からは刺激臭があった。触媒は、灰色から黒色に変化していた。トラップ管40内、反応管1の下部の付着物は、アセトンを用いて回収した。FID分析を行ったところ、主なピークとしては、トラップ管40内ではナフタレンが95%の純度で生成していた。ベンゼンのピークはごく微量しか確認できなかった。この結果から、マイクロ波加熱の600℃では、多くがナフタレンとして生成されることがわかった。反応ガスのTCD分析からは、還元時に発生する一酸化炭素と、脱水素による水素が読み取れた。反応管1の下部にも、FID分析の結果、アントラセン、フルオランテン、ピレン等が生成していた。
参考例5
<合成条件>
CHガス流量;1,000ml/分
反応時間;3時間
触媒;3重量%Mo/HZSM−5(純度99重量%グラファイト粉を30重量%含有する塗布液をリング状セラミックスの表面に塗布したもの、大きさ;6mmΦ×5mm)、充填高さ;70mm、充填体積;31.1ml、充填重量;22.8g
空間速度;1929/hr
目標反応温度;600℃
マイクロ波(MW)最大出力;1.5kW
<結果>
本実施例で使用した触媒全体に対するグラファイト粉の含有率は30重量%であるが、支持体であるリング状セラミックスと触媒との合計量に対するグラファイト粉の含有率は、約0.7重量%であった。つまり、支持体を使用したことによって、同等の体積のペレット状触媒に比べ、グラファイト粉の含有量は相対的に低下し、1/40程度であった。それにもかかわらず、触媒層を焼成温度の550℃まで加熱できた。また、触媒の加熱温度は、反応温度となる600℃に加熱したのち、さらに上昇させて1050℃まで加熱し、出力を抑えながら、600℃まで下げた。終了後、コーティング触媒には、塗布したものが充分な強度で残っていた。この結果から、触媒の外形がリング状であるため、グラファイト粉の使用量が少ないにも関わらず、触媒層の内部まで効率よくマイクロ波が届き、均一に昇温できたと推測される。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
1…反応管、3…反応場、3A…Mo/ZSM−5触媒、5…マイクロ波

Claims (11)

  1. 炭素数1から4の炭化水素を原料として、気体状態において、金属もしくは金属化合物を含有する触媒を用いて炭素数5以上の炭化水素を合成する炭化水素の製造方法であって、
    前記触媒に、マイクロ波を照射して400℃以上900℃以下の温度範囲に加熱しながら、前記炭素数1から4の炭化水素のガスを供給し、前記炭素数5以上の炭化水素を合成することを特徴とする炭化水素の製造方法。
  2. 前記触媒中に、マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質を含有する請求項1に記載の炭化水素の製造方法。
  3. 前記マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質の含有量が、前記触媒の全体量に対して、10〜50重量%の範囲内である請求項2に記載の炭化水素の製造方法。
  4. 前記マイクロ波を吸収して熱に変換する能力を有する物質が、炭素材料である請求項2又は3に記載の炭化水素の製造方法。
  5. 前記炭素数5以上の炭化水素が、芳香族炭化水素である請求項1から4のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  6. マイクロ波は、周波数が300MHz以上300GHz以下の範囲内であり、前記触媒が存在する閉じられた空間の平均電界密度が0.01W/cm以上3W/cm以下の範囲内である請求項1から5のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  7. 反応圧力が0.01MPa以上20MPa以下であり、空間速度が100/hr以上6000/hr以下の範囲内の条件で前記炭素数1から4の炭化水素を前記触媒と接触させる請求項1から6のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  8. 前記触媒100重量部に対して1時間あたり30重量部以上200重量部以下の割合で前記炭素数1から4の炭化水素のガスを供給する請求項1から7のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  9. 前記触媒が、金属、金属酸化物または金属錯体を固体表面に担持させた触媒である請求項1から8のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  10. 前記触媒の形状が、不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状またはハニカム形状である請求項1から9のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
  11. 前記触媒が、不定形固体状、球形状、ペレット形状、タブレット形状、リング形状、2スポークスリング形状、4スポークスリング形状またはハニカム形状の支持体にコーティングされている請求項1から9のいずれか1項に記載の炭化水素の製造方法。
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