JPWO2012070614A1 - 無線通信システム、伝送路選択方法、及び伝送路選択プログラム - Google Patents

無線通信システム、伝送路選択方法、及び伝送路選択プログラム Download PDF

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Abstract

伝送路選択方法は、複数の伝送経路それぞれの評価値を算出するための情報を収集し、複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出する。また、複数の移動局装置に対して、単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行う。また、複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出する。また、単独評価値と複合評価値とを用いて、複数の移動局装置の通信経路を選択する。

Description

本発明は、無線通信システム、伝送路選択方法、及び伝送路選択プログラムに関する。
本願は、2010年11月25日に、日本に出願された特願2010−262530号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年の無線通信システムは、従来の通話のみの用途の通信システムに比べ、インターネット接続機能、音楽配信機能、映像配信機能、電子決済機能など新しいマルチメディア・データ通信サービスを展開するシステムを対象としている。そのため、より高い無線品質が要求され、また移動局装置の送信電力が電源容量などの制約で制限される。よって、1つの基地局装置がカバーする無線エリアの拡張が、困難である。そこで、通信サービスエリアの拡大や通信品質の向上などの目的で、以下の無線通信システムが用いられている(特許文献1)。この無線通信システムでは、リレー局装置を通信サービスエリアの遠端部や電波不感地帯に配置して、無線基地局装置と移動局装置との間でこのリレー局装置を介してリレー通信を行う。
特許文献2には、リレー局装置を介した基地局装置と移動局装置との無線通信システムについて記載されている。この無線通信システムでは、移動局装置と基地局装置間の伝送路で通信するか、リレー局装置を介して通信するかを判定する場合に、使用周波数帯域、伝送時間、伝播損失値、伝播損失変動値幅、相対移動速度、送信電力値の情報からそれぞれの経路の評価値を算出し、評価値に基づいて経路を算出する。
特開2008−60951号公報 特開2010−232945号公報
しかしながら、移動通信システム、特にセルラーシステムを用いる移動通信システムでは、複数の移動局装置が関与している。そのため、移動局装置毎にこのようなリレー局装置が関連する評価値の算出を独立に行うことは、システム全体としての最適解を与えることにはならない。その上、ある基地局装置に関係する全ての移動局装置について複合的に評価値の算出を行うことは、膨大な演算量を必要とする。その結果、演算に要する時間が増大すると共に、消費電力を浪費する。
本発明は、少ない計算量、少ない消費電力、短い計算時間で最適な通信経路の選択が可能な無線通信システム、伝送路選択方法、及び伝送路選択プログラムを提供することを課題とする。
(1) 本発明の第1の態様による伝送路選択方法は、基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、前記複数の伝送経路それぞれの評価値を算出するための情報を収集し、前記複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出し、前記複数の移動局装置に対して、前記単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行い、前記複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出し、前記単独評価値と前記複合評価値とを用いて、前記複数の移動局装置の通信経路を選択する。
(2) なお、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記単独評価値を算出するための情報は、前記複数の移動局装置で測定した伝搬路損失であって、前記基地局装置又は前記少なくとも1台のリレー局装置からのダウンリンクの伝搬路損失を含んでいても良い。
(3) また、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記単独評価値を算出するための情報は、前記基地局装置又は前記リレー局装置で測定した伝搬路損失であって、前記複数の移動局装置からのアップリンクの伝搬路損失を含んでいても良い。
(4) また、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記複合的評価値を算出するための情報は、前記複数の移動局装置で測定したダウンリンクのチャネル状態情報を含んでいても良い。
(5) また、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記複合的評価値を算出するための情報は、前記基地局装置又はリレー局装置で測定した第1、第3、又は第5の伝送路セグメントのアップリンクのチャネル状態情報を含んでいても良い。
(6) また、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記伝送経路の候補の削減を行う場合に、前記単独評価値について、第1位の評価値と第2位との評価値の差を、予め定めた値と比較し、前記比較した結果が、前記予め定めた値より小さい場合に、前記第1位の評価値と前記第2位の評価値とに対応する経路を残して、他の経路を削減しても良い。
(7) また、本発明の第1の態様による伝送路選択方法において、前記複合的評価値を算出する場合に、前記複数の移動局装置に対して、MU−MIMOを行う場合の複合評価値を算出し、ビームフォーミングによる干渉抑圧を行う場合の複合評価値を算出しても良い。
(8) また、本発明の第2の態様による伝送路選択方法は、基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、前記複数の移動局装置が、前記基地局装置及び前記少なくとも1台のリレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントの品質測定値を送信し、制御装置が、前記基地局装置及び前記少なくとも1台のリレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を要求する信号を、前記移動局装置に送信し、前記複数の移動局装置が、前記基地局装置及び前記リレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を送信する。
(9) また、本発明の第3の態様による伝送路選択方法は、基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、前記少なくとも1台のリレー局装置が、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントの品質測定値を、制御装置に送信し、前記制御装置が、前記少なくとも1台のリレー装置と前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を要求する信号を、前記少なくとも1台のリレー局装置に送信し、前記少なくとも1台のリレー局装置が、前記少なくとも1台のリレー装置と前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を、前記制御装置に送信する。
(10) また、本発明の第4の態様による無線通信システムは、基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムであって、前記基地局装置は、伝送路の複合評価値を算出する複合評価値算出部と、前記複合評価値算出部が算出した複合評価値に基づいて、伝送路を決定する伝送路決定部と、を備える。
(11) また、本発明の第5の態様による伝送路選択プログラムは、各伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出し、前記複数の移動局装置に対して、前記単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行い、前記複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出し、前記単独評価値と前記複合評価値とを用いて、前記複数の移動局装置の通信経路を選択するプログラムをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、移動通信において、最適な経路選択を容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概念図である。 本実施形態に係るリレー局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る移動局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る端末毎、経路毎の単独評価値の例を示すテーブルである。 本実施形態に係る無線通信システムの動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システムを示す概略図である。
本実施形態では、一例として、基地局装置の数を1、リレー局装置(「中継局」と言うことがある。)の数を3、移動局装置(「端末」、「通信端末」と言うことがある。)の数を6とした場合を説明する。
図1において、基地局装置4(基地局装置のことを「BS」と言うことがある。)は、通信サービスエリアAを有する。基地局装置4は、移動局装置3−1〜3−6(移動局装置のことを「MS」と言うことがある。)、又はリレー局装置2−1〜2−3(リレー局装置のことを「RN」と言うことがある。)との無線通信の伝送路を確立する。
リレー局装置2−1〜2−3は、通信サービスエリアB1〜B3を有する。リレー局装置2−1〜2−3は、基地局装置4から大きく離れた場所や電波不感地帯に設置され、基地局装置4の通信サービスエリアの拡大や通信品質の改善に供される。移動局装置3−1〜3−6は、利用者が使用する移動可能な通信端末である。なお、通信サービスエリアのことを「セルエリア」と言ったり、単に「エリア」と言うことがある。また、リレー局装置2−1〜2−3のことを総称してリレー局装置2と言ったり、また、移動局装置3−1〜3−6のことを総称して移動局装置3と言うことがある。
ここで、リレー局装置(RNi)(i=1−3)、移動局装置(MS1)と基地局装置(BS1)の間の伝送路(無線通信経路)について説明する。基地局装置4(BS)と移動局装置3−1(MS1)との間に以下の4つの経路が存在する。
経路0:BS → MS1、
経路1:BS→RN1→MS1、
経路2:BS→RN2→MS1、
経路3:BS→RN3→MS1
つまり、経路0は、基地局装置から直接、移動局装置へと通信を行う経路である。経路0は、1つの伝送路を含む。他方、経路1、経路2、経路3は、基地局装置から1つのリレー局装置によって中継されて、移動局装置と通信を行う経路である。これらの経路i(i=1−3)は、それぞれBS−RNiとRNi―MS1との2つの伝送路セグメントを含む。
図1に破線で示した通信サービスエリアB1〜B3は、リレー局装置2−1〜2−3の通信サービスエリアを示す。基地局装置4は、そのエリア内の複数の伝送路(無線通信経路)の選択を制御する制御装置を含む。この制御装置については、後に説明する。本実施形態の無線通信システムは、上記で説明したよりも、より多くの数の基地局装置、リレー局装置及び移動局装置から構成されてもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係るリレー局装置2の構成を示す概略ブロック図である。この図2に示す概略ブロック図の構成は、リレー局装置2−1〜2−3に共通のものである。
リレー局装置2は、受信部201、信号強度測定部202、伝送路損失算出部203、CSI生成部204、転送制御部205、記憶部206、リファレンス信号生成部207、送信部208、アンテナ209を備える。また、リレー局装置2は、その他、リレー局装置の一般的な公知の機能を備える。
受信部201は、基地局装置4、又は、移動局装置3−1〜3−6が送信し、複数のアンテナ209が受信した無線信号であって、空間多重化されたMIMO技術の無線信号を、受信信号へと変換する。なお、空間多重された無線信号を受信する送受信兼用のアンテナとして、図2では2本のアンテナを例として示す。さらに、受信部201は、受信信号に対して、復調及び復号等の処理を行って、ベースバンド信号に変換する。受信部201は、ベースバンド信号を、信号強度測定部202、CSI制御部204、及び転送制御部205へ出力する。
信号強度測定部202には、基地局装置4及び移動局装置3から送信されたリファレンス信号が、受信部201から入力される。信号強度測定部202は、入力されたリファレンス信号の強度を測定する。信号強度測定部202は、測定したリファレンス信号強度信号IRFを、伝送路損失算定部203に出力する。
伝送路損失算出部203は、信号強度測定部202が出力したリファレンス信号電力IRFと、送信局(この例では、基地局装置4、又は移動局装置3)から送信された、送信時のリファレンス信号電力IRF0とに基づいて、両者の電力比(IRF/IRF0)を計算する。伝送路損出算出部203によって計算された両者の電力比(IRF/IRF0)を、各伝送路の伝送路損失をとして採用する。この伝送路損失は、送信局が基地局装置の場合は、基地局装置とこのリレー局装置との間のダウンリンクの伝送路損失となる。また、この伝送路損失は、送信局が移動局装置の場合は、移動局装置とこのリレー局装置との間のアップリンクの伝送路損失となる。
計算に用いられる基地局装置4及び移動局装置3から送信されるリファレンス信号の電力は、予め定められている場合(基地局装置の場合)は、その値を伝送路損失算定部に記録しておき、その値を用いてもよい。基地局装置4及び移動局装置3から送信されるリファレンス信号電力が、その都度変化する場合は、別途送信されるリファレンス信号の強度に関する情報から得られるリファレンス信号電力を用いてもよい。
CSI生成部204には、基地局装置4が出力した、CSIを要求する信号が、受信部201から入力される。ここで、CSI(Channel State Information)とは、MIMO(Multi Input Multi Output、多入力/多出力)におけるチャネルの状態を表す情報である。CSIは、基地局装置のアンテナ本数をNBSとし、移動局装置のアンテナ本数をNMSとすると、NMS×NBSの複素数のチャネル行列となる。チャネル行列については、後で詳述する。CSI生成部204は、発信局側が送信したリファレンス信号を受信し、その受信信号の振幅及び位相の情報を用いて各伝送路のCSIを生成する。なお、CSIの詳細については後述する。CSI生成部204は、生成したCSI情報を送信部208に出力する。
転送制御部205は、基地局装置4が出力した通信経路情報に基づいて、リレー局装置2が通信を中継するか否かを判定する。リレー局装置2が通信を中継すると判定した場合は、受信部201から中継すべきデータを入力し、送信部208に出力する。リレー局装置2が通信を中継すると判定しなかった場合は、受信部201から送信部208へのデータの転送を行わない。
記憶部206は、伝送路損失算出部203が算出した伝送路損出や、CSI生成部204が生成したCSI情報、リレー局装置2に割り振られたリレー局装置ID(リレー局識別子)などの情報を保持する。
リファレンス信号生成部207は、基地局装置4、及び移動局装置3との間の伝送路損失、SIR(Signal Interference Ratio、受信信号対干渉信号電力比)、及びCSIを算出するために用いるリファレンス信号を生成し、送信部212に出力する。送信部208は、リレー局装置2から基地局装置4、及び移動局装置3へ向けて送信するデータ系列に対してフレーム構成を行い、リソースブロック割り当てを決定し、符号化処理を行って、ベースバンド信号を生成する。さらに、送信部208は、MIMO送信に必要なプレコーディング(送信側であらかじめMIMO信号に行列演算を行うこと)等の処理を行う。さらに、送信部208は、ベースバンド信号を無線信号へと周波数変換する。さらに、送信部208は、無線信号の増幅を行ってアンテナ209に出力する。
アンテナ209は、送信部208から出力された信号を、電波として送信する。
図3は、本発明の一実施形態に係る移動局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
この図3に示す概略ブロック図の構成は、移動局装置3−1〜3−6に共通のものである。
移動局装置3は、受信部301、信号強度測定部302、伝送路損失算出部303、CSI生成部304、記憶部305、リファレンス信号生成部306、送信部307、アンテナ308を備える。また、移動局装置3は、その他、移動局装置の一般的な公知の機能を備える。
移動局装置3に含まれる構成要素と、リレー局装置2に含まれる構成要素とを比較すると、移動局装置3は、リレー局装置2の転送制御部205を備えていない。しかし、移動局装置3の受信部301、信号強度測定部302、伝送路損失算出部303、CSI生成部304、記憶部305、リファレンス信号生成部306、送信部307、アンテナ308の各部の機能は、リレー局装置2の対応する各部(受信部201、信号強度測定部202、伝送路損失算出部203、CSI生成部204、記憶部206、リファレンス信号生成部207、送信部208、アンテナ209)の構成と同様であるため、その説明は省略する。つまり、移動局装置3の構成及び機能は、リレー局装置2の転送制御部205の構成及び機能を欠くだけで、その他の点ではリレー局装置2の構成及び機能と同一である。
図4は、本発明の一実施形態に係る基地局装置4の構成を示す概略ブロック図である。
基地局装置4は、受信部401、信号強度測定部402、伝送路損失算出部403、単独評価値算出部404、記憶部405、経路抽出部406、CSI生成部407、CSI収集部408、複合評価値算出部409、通信経路決定部410、リファレンス信号生成部411、送信部412、経路情報収集部413、アンテナ414を備える。また、基地局装置4は、その他、基地局装置の一般的な公知の機能を備える。
基地局装置4に含まれる構成要素と、リレー局装置2に含まれる構成要素とを比較すると、基地局装置4に含まれる受信部401、信号強度測定部402、伝送路損失算出部403、CSI生成部407、リファレンス信号生成部411、送信部412、アンテナ414の各部の構成及び機能は、図2に示したリレー局装置2の対応する各部(受信部201、信号強度測定部202、伝送路損失算出部203、CSI生成部204、リファレンス信号生成部207、送信部208、アンテナ209)のものと同様であるため、その説明は省略する。以下では専ら、相違点について説明をする。
単独評価値算出部404は、受信部401、及び伝送路損失算出部403から入力された伝送路損失の値を用いて、各移動局装置、各経路について、単独評価値を算出する。単独評価値の算出方法の詳細については後述する。単独評価値算出部404は、各移動局装置、各経路の単独評価値を記憶部405に出力する。
記憶部405は、単独評価値算出部404から出力された各移動局装置、各経路の単独評価値を記憶する。記憶部405は、経路抽出部406からの要求に応じて、各移動局装置、各経路の単独評価値を経路抽出部406に出力する。
経路抽出部406は、記憶部405に記憶された各移動局装置、各経路の単独評価値を読み出し、その情報に基づいて複合評価を行うか否かを判定する。経路抽出部406は、複合評価を行うと判定した各移動局装置、各経路については、その複合評価を行う各移動局装置及び、複合評価に係る経路に関する情報を、CSI収集部408、及び複合評価値算出部409に出力する。また、経路抽出部406は、総合評価を行わないと判定した移動局装置、及びその移動局装置への経路の情報を、通信経路決定部410に出力する。なお、複合評価を行うか否かを判定する方法の詳細については後述する。
CSI生成部407には、移動局装置3−1〜3−6、及びリレー局装置2−1〜2−3から送信されたリファレンス信号が入力される。CSI生成部407は、受信したリファレンス信号の位相、振幅情報を元に、各伝送路の前述のチャネル行列を計算する。CSI生成部407は、計算したチャネル行列をCSI収集部に出力する。
CSI収集部408には、経路抽出部406から、複合評価の対象として選択された移動局装置、及び経路の情報が入力される。CSI収集部408は、複合評価の対象となる経路に含まれる各伝送路のCSIを選択する。CSI収集部408は、選択された各伝送路のCSIを基地局装置4に向けて送信するよう、リレー局装置2−1〜リレー局装置2−3、及び移動局装置3−1〜移動局装置3−6対して送信部412を介して送信する。CSI収集部408には、受信部401を介して、リレー局装置2−1〜リレー局装置2−3、及び移動局装置3−1〜移動局装置3−6から送信された各伝送路のCSIが入力される。CSI収集部408は、収集した各伝送路のCSIを複合評価値算出部409に出力する。
複合評価値算出部409は、経路抽出部406が出力した経路の組み合わせに関する情報、及びCIS情報収集部408が出力したCSI情報に基づいて、複合評価値を算出する。複合評価値の算出方法の詳細については後述する。複合評価値算出部409は、算出した複合評価値を通信経路決定部410に出力する。
通信経路決定部410は、複合評価値算出部409が出力した複合評価値、及び経路抽出部406が出力した単独評価値であって、複合評価の対象とならなかった経路の単独評価値を元に、基地局装置4から移動局装置3−1〜3−6の間の最も通信品質の高い(複合評価値の値の小さい)経路を決定する。通信経路決定部410は、決定した最も通信品質の高い経路に関する情報を送信部412を介してリレー局装置2−1〜2−3、及び移動局装置3−1〜3−6に出力する。
次に、本実施形態に係る単独評価の方法について、基地局装置4(BS)と移動局装置3−1(MS1)との間の経路を例として具体的に説明する。
(1)単独評価値の算出
まず、移動局装置3−1(MS1)に着目し、基地局装置4(BS1)と移動局装置MS1との間で以下の経路を考える。
経路0:BS1→MS1
経路1:BS1→RN1→MS1
経路2:BS1→RN2→MS1
経路3:BS1→RN3→MS1
経路0は、BS1から、RN1〜3を経由せずに、直接MS1に到達する経路を表す。
すなわち、経路0は、1つの伝送路を表す。経路1〜3は、それぞれ、BS1からRN1〜3を経由してMS1に到達する経路を表す。
経路0では、基地局装置4と移動局装置3との間の通信に1つの伝送路セグメント(単に「セグメント」と言うことがある。)のみを用いる。これに対して、経路1〜3では、基地局装置と移動局装置との間の通信に基地局装置とリレー局装置との間、及び、リレー局装置と移動局装置との間、の2つの伝送路セグメントを用いている。単独評価値算出部404は、各移動局装置について各々、単独評価を行う。つまり、本実施形態においては、移動局装置3−1〜3−6(MS1〜6)の6台の移動局装置に対して各々、単独評価を行う。
単独評価は、各経路の評価値の大小を比較して行われる。経路中の各セグメントの評価値の評価は、各セグメントの伝送路損失を用いて行われる。ここで、伝送路損失は、基地局装置4又はリレー局装置2から送信されるリファレンス信号の送信電力に対する、移動局装置3で受信するリファレンス信号の受信電力の比をデシベル(dB)で表したものである。あるいは、伝送路損失は、基地局装置4から送信されるリファレンス信号の送信電力に対する、リレー局装置2で受信するリファレンス信号の受信電力の比をデシベル(dB)で表したものである。
経路が一つのセグメントのみを有する場合(経路0)では、そのセグメントの評価値が経路の評価値となる。経路が複数のセグメントを有する場合(経路1〜3)では、各セグメントの評価値の和を経路の評価値とする。
(2)複合評価を行うか否かの判定
複合評価では、複数の移動局装置3−1〜3−6(MS1〜MS6)から選択した2台又はそれ以上の台数の移動局装置について、複数の異なる経路の組み合わせについて同時に評価を行い、複合的な評価値を算出する。ここでは、簡単な例として、移動局装置がMS1、MS2の2台であり、リレー局装置がRN1〜RN3の3台である例について検討する。
移動局装置(MS1)の経路と移動局装置(MS2)の経路の組み合わせは、以下に示すように16通りの組み合わせがある。
E(MS1:経路0、MS2:経路0)、
E(MS1:経路0、MS2:経路1)、
・・・
E(MS1:経路0、MS2:経路3)、
E(MS1:経路1、MS2:経路0)、
・・・
E(MS1:経路3、MS2:経路3)
上記の移動局装置、経路、評価値の組み合わせを示したテーブルを図5に示す。但し、図5では、1台の基地局装置に対してリレー局装置が3台あり、移動局装置が4台ある例を示している。
図5の1列目には、各移動局を区別するための番号が示されている。図5の2列目には、基地局装置から移動局装置までの経路を区別するための番号が示されている。図5の3列目には、各移動局装置から基地局装置へのアップリンクにおける単独評価の評価値が示されている。図5の4列目には、基地局装置から各移動局装置へのダウンリンクにおける単独評価の評価値が示されている。図5に示した情報は、単独評価値算出部404において計算され、記憶部405に記録される。
これらの経路について全ての組み合わせを含んだ取り扱いをすると、単独評価に比べて計算コストが非常に大きくなる。例えば、基地局から、ある移動局装置に到達する経路が4通り、基地局装置が1台、リレー局装置が3台、移動局装置が6台の簡単なモデルであっても、組み合わせの数は4=4096に達する。
そこで、複合評価では、例えば、上記の例の16通りの全ての経路を対象とするのではなく、全ての経路の中から一部のみを選択して複合評価の対象とする。そのために、まず、複合評価の対象とする移動局装置の組み合わせを選択して、限定する。具体的には、複合評価を行う前に、各移動局装置について単独評価を行い、単独評価に基づく評価値を用い、その大きさに基づいて複合評価の候補を選択する。例えば、移動局装置3−1(MS1)については、各経路の評価値E経路i(i=0〜3)を算出し、その大きさに基づいて複合評価の候補を選択する。
上述の単独評価を行った結果、E経路1<E経路2<E経路0<E経路3であったとする。予め、ある閾値Tを定めておき、4つの評価値E経路i(i=0〜3)のとき、もっとも小さい評価値と、その次に小さい評価値の差が閾値Tより小さい場合に、複合評価の対象とする。すなわち、|E経路2−E経路1|<Tであった場合に、経路1と経路2とを移動局装置(MS1)への経路の候補とし、複合評価の対象とする。同様に移動局装置(MS2〜MS6)に対しても単独評価による評価値の比較を行う。その結果、同じく経路1と経路2を候補とする移動局装置が他にも存在した場合に、それらの端末を含めて同時に複合評価による評価値の評価を行う。
例えば、単独評価の結果、移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)が共に経路1及び経路2を候補と評価した場合、以下に示すように、以下の4組の経路を、複合評価の対象とする。
E(MS1:経路1、MS2:経路1)、
E(MS1:経路1、MS2:経路2)、
E(MS1:経路2、MS2:経路1)、
E(MS1:経路2、MS2:経路2)
(3)複合評価値の算出
ここでは移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)について共に|E経路2−E経路1|≦Tを満たした場合を例として、複合評価値の算出方法について具体的に説明する。
複合評価値の評価は、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を用いて行われる。CSIは、基地局装置4と移動局装置3の間のチャネル行列の形で与えられる。CSIは、基地局装置の送信アンテナの個数をNBSとし、移動局装置の受信アンテナの個数をNMSとすると、NMS×NBS(NMS行NBS列)の複素数の行列となる。
したがって、単純評価では評価値が伝送路損失であったのに比べて、複合評価では情報量が多くなる。しかし、マルチユーザMIMO(MU−MIMO、MIMO技術を複数のユーザー間での空間多重に利用するもの)やビームフォーミング(ビーム形成による送信ダイバーシティ)を利用した高品質の通信を実現するためには、CSIを用いた評価が必要となる。
一例として、移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)について、経路1と経路2を複合評価する場合の評価値の算出法について説明する。簡単のために、リレー局装置2−1(RN1)のアンテナ(送信アンテナ)の個数を2とし、移動局装置3−1、3−2(MS1、2)のアンテナ(順アンテナ)の個数をそれぞれ2とする。そして、RN1からMS1へのチャネル行列をHRN1→MS1とし、RN1からMS2へのチャネル行列をHRN1→MS2とし、RN2からMS1へのチャネル行列をHRN2→MS1とし、RN2からMS2へのチャネル行列をHRN2→MS2とする。
それぞれのチャネル行列は、2×2(2行2列)の行列となる。
(A)共通のリレー局装置(RN)を経由する場合
まず、初めに、E(経路1:MS1、経路1:MS2)、つまり、移動局装置3−1(MS1)も移動局装置3−2(MS2)も、共に、共通のリレー局装置2(RN)を経由するダウンリンクの経路をとる場合の複合評価値の算出方法について述べる。
このように共通のリレー局装置(RN)を経由する場合には、移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)に対してMU−MIMOを適用することができる。MU−MIMOを適用した場合には、自局に対する信号以外に、他の移動局装置に対する信号(干渉成分)が合わせて受信される。
ここでは、リレー局装置(RN1)から移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)へ送信する場合を例として、信号と干渉成分について式を用いて説明する。
まず初めに、チャネル行列の成分を定義する。本例では、NMS×NBS=2×2であるから、チャネル行列は2×2の行列であり、各行列要素は、式(1)および式(2)のように表される。ここでは、HRN1→MS1をH(1)とし、HRN1→MS2をH(2)と記載する。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
ここで、hij (1)は、リレー局装置(RN1)の送信アンテナjから移動局装置(MS1)の受信アンテナiへの伝搬係数、hij (2)は、リレー局装置(RN1)の送信アンテナjから移動局装置(MS2)の受信アンテナiへの伝搬係数を示す。
また、MIMO送信におけるプレコーディング行列を2×2の行列Cとする。行列Cの各行列要素は式(3)のように表される。
Figure 2012070614
2組の送信信号は、リレー局装置2−1(RN1)の2個の送信アンテナからそれぞれ別個のストリームとして送信される。したがって、送信信号Sは、送信信号が2ストリームであるため、2×1のベクトルとなる。送信信号Sは、式(4)のように表される。ここでSe1、Se2は上記の2ストリームの内のそれぞれのストリームを示す。
Figure 2012070614
また、移動局装置(MS1)、移動局装置(MS2)は、それぞれ2つの受信アンテナを持つ。そのため、移動局装置(MS1)、移動局装置(MS2)がそれぞれ受信する受信信号は、2×1のベクトルとなる。移動局装置(MS1)の受信信号ベクトルS (1)および移動局装置(MS2)の受信信号ベクトルS (2)は、式(5)および式(6)のように表される。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
リレー局装置(RN)から送信された移動局装置3−1(MS1)の受信信号S (1)は、一方では、式(7)で表される。
Figure 2012070614
ここで式(7)を展開すると、式(8)のようになる。Sr1 (1)およびSr2 (1)は、それぞれ移動局装置(MS1)のアンテナ1およびアンテナ2での受信信号である。
Figure 2012070614
さらに、展開を行って移動局装置(MS1)が受信する受信信号Sの各成分を求めると、式(9)、式(10)のように表すことができる。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
このように、移動局装置(MS1)に向けた信号に加え、移動局装置(MS2)に向けた信号が干渉信号として含まれている。すなわち、式(9)及び(10)においてSe1を含む第1項が希望信号であり、Se2を含む第2項が干渉信号である。
同様に、移動局装置(MS2)の受信信号は、式(11)〜(13)のようになる。移動局装置(MS2)の受信信号には、移動局装置(MS2)向けの信号に加え、移動局装置(MS1)向けの信号が干渉信号として含まれている。すなわち、式(12)及び(13)においてSe1を含む第1項が干渉信号であり、Se2を含む第2項が希望信号である。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
Figure 2012070614
移動局装置(MS1)の1番目、2番目のアンテナのSIRは、式(14)および(15)で与えられる。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
複合評価においては、SIRの逆数をセグメントの評価値とする。
移動局装置(MS1)においては、式(16)のように重みづけ合成する。
Figure 2012070614
最大比合成を行ったとき、SIR(受信信号対干渉信号電力比)は、各アンテナのSIRの和となる。
すなわち、セグメントの評価値は、式(17)の様になる。
Figure 2012070614
本実施形態では、各アンテナに対するSIRの和の逆数を、セグメントの評価値としたが、これは受信処理のプロセスによって変更しても良い。例えば、選択ダイバーシティを用いる場合は、式(18)のように評価値を決めても良い。
Figure 2012070614
(B)異なるリレー局装置(RN)を経由する場合
E(経路1:MS1、経路2:MS2)、つまり、リレー局装置2−1(RN1)が移動局装置3−1(MS1)に送信し、リレー局装置2−2(RN2)が移動局装置3−2(MS2)に対して送信する場合の評価値の算出方法について説明する。単独評価によって移動局装置(MS1)と移動局装置(MS2)は略同じ条件にあることが分かっているため、同じリソースブロックに割り当てられた場合には相当の干渉があることが予想され、2ストリームのMIMO送信は困難である。そこで、この場合には、1ストリームのビームフォーミングにより、互いの干渉を抑圧し、その際にプリコーディングを行う。
まず、リレー局装置(RN1)から移動局装置(MS1)に対して1ストリームのビームフォーミングを用いた送信を行い、そしてリレー局装置(RN2)から移動局装置(MS2)に対して1ストリームのビームフォーミングを用いた送信を行う場合を考える。1ストリームの送信を行うことは、式(3)においてSe2=0とすることに等しい。したがって、RN1→MS1の経路で移動局装置(MS1)に到達する信号は、式(19)のように表される。なお、ここでは、HRN1→MS1をH(1)と略記する。
Figure 2012070614
このとき、同時にリレー局装置(RN2)から移動局装置(MS2)に向けて、同じリソースブロックで1ストリームのビームフォーミングを行っている。そのため、リレー局装置(RN2)から移動局装置(MS2)に向けた送信信号の一部がリレー局装置(RN1)でも受信されてしまう。このリレー局装置(RN2)から移動局装置(MS1)の経路で到達する信号は、式(20)のように表される。なお、ここでは、HRN2→MS1をH(3)と略記し、その要素をhij (3)で表す。ここで、hij (3)は、リレー局装置(RN2)の送信アンテナjから移動局装置(MS1)の受信アンテナiへの伝搬係数を表す。またリレー局装置(RN2)のプリコーディングをC(3)と略記し、その行列要素をcij (3)で表す。ここで、cij (3)はプリコーディング行列の要素である。
Figure 2012070614
移動局装置(MS1)が実際に受信する信号をS (3)で表すと、式(21)のように、式(19)と式(20)の信号の和として表される。Sr1 (3)およびSr2 (3)は、それぞれ移動局装置(MS1)のアンテナ1およびアンテナ2での受信信号である。
Figure 2012070614
式(19)が希望信号成分であり、式(20)が干渉成分である。
これを展開すると各アンテナ成分は式(22)および式(23)のようになる。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
移動局装置(MS1)の1番目、2番目のアンテナのSIRは、式(24)および(25)で与えられる。
Figure 2012070614
Figure 2012070614
移動局装置(MS1)においては、式(26)のように重みづけ合成する。
Figure 2012070614
最大比合成を行ったとき、SIR(受信信号対干渉信号電力比)は、各アンテナのSIRの和となる。この場合、式(27)に示すように、SIRの逆数をセグメントの評価値とする。
Figure 2012070614
本実施形態では、各アンテナに対するSIRの和の逆数をセグメントの評価値としたが、これは受信処理のプロセスによって変更しても良い。たとえば、選択ダイバーシティを用いる場合は、式(28)のように評価値を決めても良い。
Figure 2012070614
以下に、本発明の一実施形態について、フローチャートを参照しながら説明する。図6は、本発明の一実施形態における伝送経路選択における複合評価の処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、図1に示したように、基地局装置4が1台、リレー局装置2が3台、移動局装置が6台ある場合について説明する。
(ステップS101)
基地局装置4(BS)は、リファレンス信号生成部411が生成したリファレンス信号を、送信部412を介して移動局装置3−1〜3−6に送信する。ここでは、基地局装置4から移動局装置3−1へのセグメント評価値の算出法について例示するが、基地局装置と、移動局装置3−2〜3−6間のセグメント評価値の算出法についても同様である。
基地局装置4が送信したリファレンス信号の強度をIBSとする。移動局装置3−1〜移動局装置3−6は、基地局装置4が送信したリファレンス信号を、受信部301で受信する。受信部301は、受信したリファレンス信号を、信号強度測定部302に出力する。信号強度測定部302は、受信部301から入力されたリファレンス信号を元に、リファレンス信号の強度IMSを求め、伝送路損失算定部303に出力する。
伝送路損失算定部303は、信号強度測定部302が出力したIMSと、基地局装置4が送信したリファレンス信号の強度IBSとの比、IMS/IBSを計算する。この値を、基地局装置と移動局装置間のダウンリンクの伝送路損失(セグメント評価値)Eとよぶ。
ここで、計算に用いるIBSは、いずれかの経路を経て基地局装置4から送信され、移動局装置3−1〜3−6で受信したものを用いてもよい。また、基地局装置4が発信するリファレンス信号の強度のIBSが予め定められている場合は、計算に用いるIBSとして、予め定められた値を用いてもよい。伝送路損失算定部303は、計算されたセグメント評価値Eを、記憶部206に記憶する。
リレー局装置2−1〜2−3(RN1〜RN3)は、リファレンス信号生成部207が生成したリファレンス信号を、送信部208を介して移動局装置3−1〜3−6に送信する。ここでは、リレー局装置2−1から移動局装置3−1へのセグメント評価値の算出法について例示するが、他のリレー局装置、移動局装置間のセグメント評価値の算出法についても同様である。
リレー局装置2−1が送信したリファレンス信号の強度をIRNとする。移動局装置は、基地局装置が発信したリファレンス信号を、受信部301で受信する。受信部301は、受信したリファレンス信号を、信号強度測定部302に出力する。信号強度測定部302は、受信部301から入力されたリファレンス信号を元に、リファレンス信号の強度IMSを求め、伝送路損失算定部303に出力する。
伝送路損失算定部303は、信号強度測定部302が出力したIMSと、基地局装置が送信したリファレンス信号の強度IRNとの比、IMS/IRNを計算する。この値を、リレー局装置2−1と移動局装置3−1間のダウンリンクの伝送路損失(セグメント評価値)Eとよぶ。ここで、計算に用いるIRNは、いずれかの経路を経て基地局装置から送信され、移動局装置で受信したものを用いてもよい。また、リレー局装置が発信するリファレンス信号の強度のIRNが予め分かっている場合は、計算に用いるIRNとして、予め定められた値を用いてもよい。
基地局装置4(BS)は、リファレンス信号生成部411が生成したリファレンス信号を、送信部412を介してリレー局装置2−1〜2−3に送信する。
ここでは、基地局装置4からリレー局装置2−1へのセグメント評価値の算出法について例示するが、基地局装置、リレー局装置間のセグメント評価値の算出法についても同様である。ここで、基地局装置が送信したリファレンス信号の強度をIBSとする。リレー局装置は、基地局装置が発信したリファレンス信号を、受信部201で受信する。受信部201は、受信したリファレンス信号を、信号強度測定部202に出力する。信号強度測定部202は、受信部201から入力されたリファレンス信号の強度IRNを求め、伝送路損失算定部203に出力する。
伝送路損失算定部203は、信号強度測定部202が出力したIRNと、基地局装置が送信したリファレンス信号の強度IBSとの比、IRN/IBSを計算する。この値をリレー局装置と移動局装置間のダウンリンクの評価値Eとよぶ。ここで、IBSは、基地局装置から送信され、リレー局装置で受信したものを用いてもよい。また、基地局装置が発信するリファレンス信号の強度のIBSが予め分かっている場合は、IBSとして、予め定められた値を用いてもよい。
ここまで、ダウンリンクの伝送路損失(セグメント評価値)Eの算出方法について説明してきたが、各伝送路のアップリンクにおける伝送路損失についても、同様の方法を用いて計算を行う。なお、上述したダウンリンク、アップリンクの評価値の算出において、リファレンス信号の受信不可などにより、評価値が算出できない場合には、評価値を大きな値、例えば、無限大とする。
(ステップS102)
経路情報収集部414は、移動局装置3−1〜3−6、及びリレー局装置2−1〜2−3に対して、算出した各セグメントの評価値を基地局装置4に送信させる命令(セグメント情報送信要求)を、送信部412を介して送信する。
リレー局装置2−1〜2−3、及び移動局装置3−1〜3−6は、基地局装置4からのセグメント情報送信要求を受信し、リレー局装置2−1〜2−3、及び移動局装置3−1〜3−6は、ステップS101において伝送路損出推定部203で算出され、記憶部206(リレー局装置)、又は記憶部305(移動局装置)に記憶されたアップリンク、及びダウンリンクの評価値を基地局装置に送信する。
基地局装置4は、移動局装置3−1〜3−6、及びリレー局装置2−1〜2−3から送信された各セグメントの評価値を、受信部201を介して単独評価値算出部404に入力する。また、伝送路損失算定部403は、リレー局装置2−1〜2−3、及び移動局装置3−1〜3−6からのアップリンクの各セグメントの評価値を、単独評価値算出部404に出力する。
(ステップS103)
単独評価値算出部404は、ステップS103で入力された各セグメントの評価値と、各伝送路の上りトラフィック量と下りトラフィック量の割合であるR UL:R DLを用いて、各経路の単独評価値を算出する。各移動局装置についての、各経路の評価値(E経路0、E経路1、E経路2、E経路3)を算出する。各経路の評価値は、経路に含まれる各伝送路のセグメント評価値と、各伝送路の上りトラフィック量と下りトラフィック量の割合であるR UL:R DLを用いて算出する。例えば、各伝送路セグメントの上りトラフィック量と下りトラフィック量との比を、R UL:R DLで表す(R UL+R DL=1)。
すると、各経路の評価値(E経路0、E経路1、E経路2、E経路3)は、E経路0=R DLE(BS1→MS1)+R ULE(MS1→BS1)E経路1=R DLE(BS1→RN1)+R DLE(RN1→MS1)+R ULE(MS1→RN1)+R ULE(RN1→BS1)・・・E経路3=R DLE(BS1→RN3)+R DLE(RN3→MS1)+R ULE(MS1→RN3)+R ULE(RN3→BS1)と表される。ここで、例えば、E(BS1→RN1)は、基地局装置(BS1)からリレー局装置(RN1)へのダウンリンクのセグメント評価値を表す。また、E(MS1→RN1)は、移動局装置(MS1)からリレー局装置(RN1)へのアップリンクのセグメント評価値を表す。なお、上りトラフィック量と下りトラフィック量との比R UL:R DLは、予め想定される上りトラフィック量と下りトラフィック量との比を定めておいたものを用いてもよいし、トラフィック量の変化に応じて変更した値を用いてもよい。
単独評価値算出部404は、上記のように算出された各端末、各経路に対する単独評価による経路評価値を、記録部405に出力する。
(ステップS104)
経路抽出部406は、記憶部405から、ステップS103で計算された、ある移動局装置(例えば、MS1)に対する経路の評価値(E経路0、E経路1、E経路2、E経路3)を読み出す。次に、経路抽出部406は、移動局装置(MS1)に対する経路の評価値(E経路0、E経路1、E経路2、E経路3)を小さい順に並べ、その値を小さな順に(E、E、E、E)とする。予め閾値Tを定めておき、閾値Tに対して、|E−E|>Tとなる移動局装置(MS)に対しては、Eが他の経路に比較して明らかに優位な評価値を持っていると判定し、Eを最適な経路として選択する。対応する経路を選択する。
一方、閾値Tに対して、|E−E|≦Tとなる場合には、Eに対応する経路とEに対応する経路の評価値が概ね等しいことを示している。この場合には、移動局装置(MS1)に対してEに対応する経路とEに対応する経路とを、複合評価の対象として選択する。
移動局装置(MS1)以外の移動局装置についても同様に、各経路の評価値を算出する。
(ステップS105)
経路抽出部406は、ステップS104で選択された複合評価の対象として選択された移動局装置と、その経路の組み合わせの中から、その経路が等しくなる移動局装置の組み合わせを選択する。
具体的には、ある移動局装置(ここでは、MSaと呼ぶ)を単独評価した結果、経路1と経路2が、|E経路1−E経路2|≦Tを満たしたとする。このとき、同時に移動局装置(MSa)と異なる移動局装置(MSb)についても、|E経路1−E経路2|≦Tを満たしたときに、移動局装置(MSa、MSb)と、経路1、2について複合評価を行う組み合わせとする。経路抽出部406は、複合評価の対象となる移動局装置と経路の組み合わせに関する情報を、CSI収集部408に出力する。
(ステップS106)
CSI収集部408は、ステップS105で選択された経路の情報に基づいて、複合評価の対象となった経路に属する各セグメントのCSIを移動局装置、リレー局装置及び基地局装置に要求する。ダウンリンクのCSIは、基地局装置、又はリレー局装置から送信されるリファレンス信号を移動局装置で受信することで求めることができる。また、アップリンクのCSIは、移動局装置から送信されるリファレンス信号を基地局装置、又はリレー局装置で受信することで求めることができる。リレー局装置や移動局装置がリファレンス信号を送信していない場合には、経路情報収集部414は、リレー局装置や移動局装置に対し、リファレンス信号の送信を要求する命令を送信し、CSI情報を生成させる。その後、ステップS107に進む。
(ステップS107)
リレー局装置2の受信部201、及び移動局装置3の受信部301は、基地局4から、経路に属する各セグメントのCSIを要求する信号を受信し、リレー局装置のCSI生成部204、及び移動局装置のCSI生成部304に出力する。CSI生成部204、304は、受信部301が受信したリファレンス信号に基づいてCSI情報を生成する。CSI情報生成部204、304は、リレー局2の送信部208、及び移動局3の送信部307を介してCSI情報を基地局4に送信する。基地局4のCSI収集部408は、ステップS106で移動局装置、リレー局装置、基地局装置に要求したCSIであって、経路に属する各セグメントのCSIを要求する信号に対する応答であるCSIを、受信部401を介して取得する。その後ステップS108に進む。
(ステップS108)
複合評価値算出部409は、経路抽出部406、CSI収集部408から出力された経路情報、CSI情報を用いて、複合評価を行い、各セグメントに対する複合評価値を算出する。複合評価値の算出は、式(1)〜(28)を参照して説明した方法と同様の方法を用いて行う。すなわち、複数の移動局への通信が同一のリレー局装置(RN)を経由する場合、異なるリレー局装置(RN)を経由する場合を含む複数の経路に対して、複合的な評価値の算出を行う。
経路が1つのセグメントからなる場合は、セグメントに対する複合評価値が経路の複合評価値と等しくなる。経路が複数のセグメントを経由する場合は、各セグメントの複合評価値の和を、経路の複合評価値とする。その後ステップS109へ進む。
(ステップS109)
複合評価値算出部409は、経路抽出部406において複合評価の対象として選択されたが、これまでに複合評価を行っていない、移動局装置と、その経路の組み合わせがなお存在するかどうかを判定する。これまでに複合評価を行っていない、複合評価の対象として選択された移動局装置と、その経路の組み合わせがなお存在すると判定した場合は、ステップS106へ進む。これまでに複合評価を行っていない複合評価の対象として選択された移動局装置と、その経路の組み合わせが存在しないと判定した場合は、ステップS110に進む。
(ステップS110)
通信経路決定部410は、ステップS104で経路抽出部406が選択した、複合評価の対象とならなかった移動局装置に対しては、単独評価値が最も小さな経路を、その移動局に対する経路として決定する。通信経路決定部410は、ステップS104で複合評価の対象として選んだ移動局装置に対しては、ステップS108で、複合評価を行い、複合評価算出部409が算出した経路の評価値が最小の経路を、その移動局に対する経路として決定する。
以上のように、本実施形態によれば、複数の伝送経路それぞれの評価値を算出するための情報を収集し、複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出し、複数の移動局装置に対して、単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行い、複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出し、単独評価値と複合評価値とを用いて、複数の移動局装置の通信経路を選択する。これにより、本実施形態では、各伝送路の単独評価値を用いて複合評価を行う経路の数を削減し、経路の数を削減しない場合に比べて少ない計算量で、経路選択を行うことができる。その結果、必要とする消費電力を大幅に削減することが出来、計算時間も短縮することができる。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
なお、上述した各実施形態における時間設定装置が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。そして、この記録媒体に記録されたプログラムを、コンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって、それらの機能を実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
無線通信において経路選択を容易に行うことが必要な無線通信システム、伝送路選択方法、及び伝送路選択プログラムなどに適用することができる。
2−1〜2−3・・・リレー局装置、201・・・受信部、202・・・信号強度測定部、203・・・伝送路損失推定部、204・・・CSI生成部、205・・・転送制御部、206・・・記憶部、207・・・リファレンス信号生成部、208・・・送信部、209・・・アンテナ、3−1〜3−6・・・移動局装置、301・・・受信部、302・・・信号強度測定部、303・・・伝送路損失推定部、304・・・CSI生成部、305・・・記憶部、306・・・リファレンス信号生成部、307・・・送信部、308・・・アンテナ、4・・・基地局装置、4−1・・・制御装置、401・・・受信部、402・・・信号強度測定部、403・・・伝送路損失推定部、404・・・CSI生成部、405・・・記憶部、406・・・経路抽出部、407・・・CSI生成部、408・・・CSI収集部、409・・・複合評価値算出部、410・・・通信経路決定部、411・・・リファレンス信号生成部、412・・・送信部、413・・・経路情報収集部、414・・・アンテナ、A・・・基地局4のサービスエリア、B1〜B3・・・リレー局2−1〜2−3のサービスエリア

Claims (11)

  1. 基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、
    前記複数の伝送経路それぞれの評価値を算出するための情報を収集し、前記複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出し、
    前記複数の移動局装置に対して、前記単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行い、
    前記複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出し、
    前記単独評価値と前記複合評価値とを用いて、前記複数の移動局装置の通信経路を選択する伝送路選択方法。
  2. 前記単独評価値を算出するための情報は、前記複数の移動局装置で測定した伝搬路損失であって、前記基地局装置又は前記少なくとも1台のリレー局装置からのダウンリンクの伝搬路損失を含む請求項1に記載の伝送路選択方法。
  3. 前記単独評価値を算出するための情報は、前記基地局装置又は前記リレー局装置で測定した伝搬路損失であって、前記複数の移動局装置からのアップリンクの伝搬路損失を含む請求項1に記載の伝送路選択方法。
  4. 前記複合的評価値を算出するための情報は、前記複数の移動局装置で測定したダウンリンクのチャネル状態情報を含む請求項1に記載の伝送路選択方法。
  5. 前記複合的評価値を算出するための情報は、前記基地局装置又はリレー局装置で測定した第1、第3、又は第5の伝送路セグメントのアップリンクのチャネル状態情報を含む請求項1に記載の伝送路選択方法。
  6. 前記伝送経路の候補の削減を行う場合に、前記単独評価値について、第1位の評価値と第2位との評価値の差を、予め定めた値と比較し、
    前記比較した結果が、前記予め定めた値より小さい場合に、前記第1位の評価値と前記第2位の評価値とに対応する経路を残して、他の経路を削減する請求項1に記載の伝送路選択方法。
  7. 前記複合的評価値を算出する場合に、前記複数の移動局装置に対して、MU−MIMOを行う場合の複合評価値を算出し、
    ビームフォーミングによる干渉抑圧を行う場合の複合評価値を算出する請求項1に記載の伝送路選択方法。
  8. 基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、
    前記複数の移動局装置が、前記基地局装置及び前記少なくとも1台のリレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントの品質測定値を送信し、
    制御装置が、前記基地局装置及び前記少なくとも1台のリレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を要求する信号を、前記移動局装置に送信し、
    前記複数の移動局装置が、前記基地局装置及び前記リレー局装置と、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を送信する伝送路選択方法。
  9. 基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送経路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムにおける伝送路選択方法であって、
    前記少なくとも1台のリレー局装置が、前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントの品質測定値を、制御装置に送信し、
    前記制御装置が、前記少なくとも1台のリレー装置と前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を要求する信号を、前記少なくとも1台のリレー局装置に送信し、
    前記少なくとも1台のリレー局装置が、前記少なくとも1台のリレー装置と前記複数の移動局装置との間の伝送路セグメントのうち2つ以上のセグメントの通信路状態情報を、前記制御装置に送信する伝送路選択方法。
  10. 基地局装置と、複数の移動局装置と、前記基地局装置と前記複数の移動局装置との間でデータ伝送を中継する少なくとも1台のリレー局装置とを備え、前記基地局装置と前記複数の移動局装置間のデータ伝送を行う複数の伝送路のうち、2つ以上の経路が使用可能である無線通信システムであって、
    前記基地局装置は、伝送路の複合評価値を算出する複合評価値算出部と、
    前記複合評価値算出部が算出した複合評価値に基づいて、伝送路を決定する伝送路決定部と、
    を備える無線通信システム。
  11. 各伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複数の移動局装置それぞれに対して単独に伝送経路の単独評価値を算出し、
    前記複数の移動局装置に対して、前記単独評価値を用いて、伝送経路の候補の削減を行い、
    前記複数の移動局装置の少なくとも1台に対して複合的に伝送経路の評価値を算出するための情報を収集し、複合的評価値を算出し、
    前記単独評価値と前記複合評価値とを用いて、前記複数の移動局装置の通信経路を選択するプログラムをコンピュータに実行させる伝送路選択プログラム。
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