JPWO2011108138A1 - 光学素子、光源装置及び投射型表示装置 - Google Patents

光学素子、光源装置及び投射型表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、発光素子からの光が入射する導光体(12)からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層(16)と、キャリア生成層(16)を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層(17)と、プラズモン励起層(17)によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する波数ベクトル変換層(18)と、を備える。プラズモン励起層(17)は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。プラズモン励起層(17)の導光体(12)側に積層された構造全体を含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層(17)の波数ベクトル変換層(18)側に積層された構造全体と、波数ベクトル変換層(18)に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高い。

Description

本発明は、光を出射するために表面プラズモンを利用した光学素子、光源装置及び投射型表示装置に関する。
光源装置が有する発光素子として発光ダイオード(LED)が用いられるLEDプロジェクタが提案されている。この種のLEDプロジェクタでは、LEDを有する光源装置と、光源装置からの光が入射する照明光学系と、照明光学系からの光が入射する液晶表示板を有するライトバルブと、ライトバルブからの光を投射面上に投射するための投射光学系と、を備えて構成されている。
LEDプロジェクタでは、投射映像の輝度を高めるために、光源装置からライトバルブまでの光路において光損失が可能な限り生じないようにすることが求められている。
また、非特許文献1に記載されているように、光源装置の面積と放射角との積で決まるエテンデュー(Etendue)による制約がある。つまり、光源装置の発光面積と放射角との積の値を、ライトバルブの入射面の面積と、投射レンズのFナンバーで決まる取り込み角(立体角)との積の値以下にしなければ、光源装置からの光が投射光として利用されない。
そのため、LEDと、LEDからの光が入射する光学素子とを有する光源装置では、光学素子からの出射光のエテンデューの低減を図ることによって、上述の光損失の低減を図ることが懸案となっている。
そして、LEDプロジェクタが備える光源装置では、単一のLEDの光量の不足を補うために複数のLEDを用いることによって、数千ルーメン程度の投射光束を実現することが必要不可欠になっている。
このように複数のLEDを用いた光源装置の一例として、特許文献1には、図1に示すように、LED204a〜204fを有する複数の単色光源装置203a〜203fと、これら単色光源装置203a〜203fからの出射光の光軸を一致させる光軸合わせ部材202a〜202dと、これら光軸合わせ部材202a〜202dから光が入射する光源セット201a,201bと、この光源セット201a,201bからの光が入射する導光装置200と、を備える光源ユニットが開示されている。この光源ユニットでは、複数の単色光源装置203a〜203fからの光が合成されて、光源セット201a,201bによって放射角が狭められた光が、導光装置200に入射されている。この構成では、導光装置200に入射する光の放射角が、光源セット201a,201bによって狭められることで、光損失の低減が図られている。
また、複数のLEDを用いた光源装置の他の例として、特許文献2には、図2に示すように、複数のLED300が平面上に配列された光源基板301を備える光源装置が開示されている。この光源装置は、一方の面にプリズム列が形成されプリズム列を交差させて配置された2つのプリズムシート304,305と、これらプリズムシート304,305を支持する枠体303とからなる光学素子を備えている。この光源装置では、複数のLED300からの光が、2つのプリズムシート304,305によって合成されている。
特開2008−145510号公報 特開2009−87695号公報
PhlatLightTM Photonic Lattice LEDs for RPTV Light Engines Christian Hoepfner, SID Symposium Digest 37, 1808 (2006)
しかしながら、上述した特許文献1に記載の構成では、光軸合わせ部材202a〜202dのダイクロイック反射面での発光面積が、LED204a〜204fの発光面積よりも大きくなってしまう。このため、導光装置200に入射する光のエテンデューと、LED204a〜204fからの光のエテンデューとを比べた場合には、結果としてエテンデューが変化していない。
したがって、特許文献1に記載の構成では、導光装置200からの出射光のエテンデューが、LED204a〜204fのエテンデューに依存しており、導光装置200からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
また、特許文献2に記載の構成では、複数のLED300が平面上に配列されることによって、光源全体の発光面積が大きくなってしまうので、光源自体のエテンデューが増加してしまう問題があった。
すなわち、上述した特許文献1,2に開示された構成では、光源ユニット及び光源装置からの出射光のエテンデューが、LEDからの光のエテンデューに依存しており、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができなかった。
本発明の目的は、上記関連する技術の問題を解決し、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減できる光学素子、これを備える光源装置及び投射型表示装置を提供することである。
上述した目的を達成するため、本発明に係る光学素子は、発光素子からの光が入射する導光体と、導光体の上に設けられ導光体からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、キャリア生成層の上に積層されキャリア生成層を発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、プラズモン励起層の上に積層され、プラズモン励起層によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する出射層と、を備える。プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。プラズモン励起層の導光体側に積層された構造全体を含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層の出射層側に積層された構造全体と、出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高い。
また、本発明に係る光源装置は、本発明の光学素子と、導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える。
また、本発明に係る投射型表示装置は、本発明の光源装置と、光源装置からの出射光を変調する表示素子と、表示素子からの出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える。
本発明によれば、発光素子のエテンデューに依存することなく、光学素子からの出射光のエテンデューを低減することができる。
特許文献1の構成を説明するための模式図である。 特許文献2の構成を説明するための分解斜視図である。 第1の実施形態の光源装置を模式的に示す斜視図である。 第1の実施形態の光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第1の実施形態の光源装置における製造工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置を模式的に示す斜視図である。 第2の実施形態の光源装置における、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第2の実施形態の光源装置における、マイクロレンズアレイの形成工程を説明するための断面図である。 第3の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第9の実施形態の光源装置が備える指向性制御層を模式的に示す斜視図である。 第10の実施形態の光源ユニットを模式的に示す斜視図である。 第10の実施形態の光源ユニットが備える軸対称偏光用1/2波長板の構造を示す縦断面図である。 第10の実施形態の光源ユニットが備える軸対称偏光用1/2波長板を説明するために示す模式図である。 第10の実施形態の光源ユニットが備える軸対称偏光用1/2波長板を説明するために示す模式図である。 実施形態の光源ユニットにおいて、軸対称偏光用1/2波長板を備えない構成の場合の出射光のファーフィールドパターンと偏光方向を示す模式図である。 実施形態の光源ユニットにおいて、軸対称偏光用1/2波長板を備える構成の場合の出射光のファーフィールドパターンと偏光方向を示す模式図である。 第1の実施形態の光源装置の出射光における角度分布を示す図である。 第5の実施形態の光源装置の出射光における角度分布を示す図である。 第5の実施形態の光源装置において、実効誘電率から求まるプラズモン共鳴角と、多層膜反射計算によって求まるプラズモン共鳴角とを比較して示す図である。 実施形態の光源装置が適用されるLEDプロジェクタを模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図3に、本実施形態の光源装置の模式的な構成の斜視図を示す。図4に、本発明に係る光源装置における光の振る舞いを説明するための断面図を示す。なお、光源装置において、実際の個々の層の厚さが非常に薄く、またそれぞれ層の厚さの違いが大きいので、各層を正確なスケール、比率で図を描くことが困難である。このため、図面では各層が実際の比率通りに描かれておらず、各層を模式的に示している。
図3及び図4に示すように、本実施形態の光源装置2は、複数の発光素子11(11a〜11n)と、これら発光素子11から出射された光が入射する光学素子1とを備えている。光学素子1は、発光素子11から出射された光が入射する導光体12と、この導光体12からの光によって出射光を出射する指向性制御層13と、を有している。
指向性制御層13は、光源装置2からの出射光の指向性を高めるための層であり、例えば図5に示す第1の実施形態のように、導光体12に設けられ、導光体12から入射する光の一部によってキャリアが生成されるキャリア生成層16と、このキャリア生成層16上に積層され、キャリア生成層16を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層17と、このプラズモン励起層17上に積層され、プラズモン励起層17によって生じる表面プラズモンの波数ベクトルを変換して所定の出射角の光を出射する出射層としての波数ベクトル変換層18と、を備えている。本実施形態における波数ベクトル変換層18は、プラズモン励起層17の直上に配置されているが、波数ベクトル変換層18とプラズモン励起層17との間に、厚さが1μmよりも薄い誘電体層を備えて構成されてもよい。
また、プラズモン励起層17は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれている。本実施形態では、これら2つの層が、キャリア生成層16と波数ベクトル変換層18に対応している。そして、本実施形態における光学素子1は、プラズモン励起層17の導光体12側に積層された構造全体を含む入射側部分(以下、単に入射側部分と称する)の実効誘電率が、プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に積層された構造全体と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分(以下、単に出射側部分と称する)の実効誘電率よりも高くなるように構成されている。なお、プラズモン励起層17の導光体12側に積層された構造全体には、導光体12が含まれる。プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に積層された構造全体には、波数ベクトル変換層18が含まれる。
つまり、第1の実施形態では、プラズモン励起層17に対する、導光体12及びキャリア生成層16を含む入射側部分の実効誘電率が、プラズモン励起層17に対する、波数ベクトル変換層18と媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高くなっている。
詳細には、プラズモン励起層17の入射側部分(発光素子11側)の複素実効誘電率の実部が、プラズモン励起層17の出射側部分(波数ベクトル変換層18側)の複素実効誘電率の実部よりも高く設定されている。
ここで、複素実効誘電率εeffは、プラズモン励起層17の界面に平行な方向をx軸、y軸、プラズモン励起層17の界面に垂直な方向をz軸とし、キャリア生成層16から出射する光の角周波数をω、プラズモン励起層17に対する入射側部分及び出射側部分における誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をjとすれば、
Figure 2011108138
で表される。ここで積分範囲Dは、プラズモン励起層17に対する入射側部分または出射側部分の三次元座標の範囲である。言い換えれば、この積分範囲Dにおけるx軸及びy軸方向の範囲は、入射側部分が含む構造体の外周面または出射側部分が含む構造体の外周面までの媒質を含まない範囲であり、プラズモン励起層17の界面に平行な面内の外縁までの範囲である。また、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲は、入射側部分または出射側部分(媒質を含む)の範囲である。なお、積分範囲Dにおけるz軸方向の範囲に関しては、プラズモン励起層17と、プラズモン励起層17に隣接する、誘電性を有する層との界面を、z=0となる位置とし、この界面から、プラズモン励起層17の、上記隣接する層側の無限遠までの範囲であり、この界面から遠ざかる方向を、式(1)における(+)z方向とする。
また、表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分ksppは、プラズモン励起層17の誘電率の実部をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、
Figure 2011108138
Figure 2011108138
で表される。
したがって、式(1)、式(2)、式(3)を用い、ε(ω,x,y,z)として、プラズモン励起層17の入射側部分の誘電率分布εin(ω,x,y,z)、プラズモン励起層17の出射側部分の誘電率分布εout(ω,x,y,z)をそれぞれ代入して、計算することで、プラズモン励起層17に対する入射側部分の複素実効誘電率層εeffin、及び出射側部分の複素実効誘電率εeffoutがそれぞれ求まる。実際には、複素実効誘電率εeffとして適当な初期値を与え、式(1)、式(2)、式(3)を繰り返し計算することで、複素実効誘電率εeffを容易に求められる。なお、プラズモン励起層17に接する層の誘電率の実部が非常に大きい場合には、その界面における表面プラズモンの波数のz成分kspp,zが実数となる。これは、その界面において表面プラズモンが発生しないことに相当する。そのため、プラズモン励起層17に接する層の誘電率が、この場合の実効誘電率に相当する。
ここで、表面プラズモンの有効相互作用距離を、表面プラズモンの強度がe−2となる距離とすれば、表面プラズモンの有効相互作用距離deffは、
Figure 2011108138
で表わされる。
なお、キャリア生成層16、プラズモン励起層17を除き、導光体12を含めたいずれの層や、波数ベクトル変換層18に接する媒質においても、複素誘電率の虚部は可能な限り低い方が好ましい。複素誘電率の虚部を可能な限り低くすることで、プラズモン結合を生じさせ易くし、光損失を低減することができる。
光源装置2の周囲の媒質、つまり導光体12や波数ベクトル変換層18に接する媒質は、固体、液体、気体のいずれであってもよく、導光体12側と波数ベクトル変換層18側とがそれぞれ異なる媒質であってもよい。
本実施形態では、複数の発光素子11a〜11nが、平板状の導光体12の4つの側面に、それぞれ所定の間隔をあけて配置されている。ここで、発光素子11a〜11nが前記側面と接続されている面を光入射面14とする。発光素子11としては、例えば、キャリア生成層16が吸収できる波長の光を出射する発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、スーパールミネッセントダイオード等が用いられる。発光素子11は、導光体12の光入射面14から離されて配置されてもよく、例えばライトパイプのような導光部材によって導光体12と光学的に接続される構成が採られてもよい。
実施形態では、導光体12が平板状に形成されているが、導光体12の形状は直方体に限定されるものではない。導光体12の内部には、マイクロプリズムのような配光特性を制御する構造体が設けられていてもよい。また、導光体12は、光出射部15と光入射面14を除く外周面の全面、又は外周面の一部に反射膜が設けられていてもよい。同様に、光源装置2は、光出射部15と光入射面14を除く外周面の全面、又は一部に反射膜(不図示)が設けられていてもよい。反射膜としては、例えば銀、アルミニウム等の金属材や、誘電体多層膜が用いられる。
キャリア生成層16としては、例えば、ローダミン(Rhodamine 6G)やスルホローダミン(sulforhodamine 101)等の有機蛍光体や、CdSeやCdSe/ZnS量子ドット等の量子ドット蛍光体等の蛍光体や、GaN、GaAs等の無機材料(半導体)、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、Alq3等の有機材料(半導体材料)が用いられる。また、蛍光体を用いる場合、キャリア生成層16内には、発光波長が同一、又は異なる複数の波長を蛍光する材料が混在されていてもよい。また、キャリア生成層16の厚さは1μm以下が望ましい。
プラズモン励起層17は、キャリア生成層16単体を発光素子11の光で励起したときに発生する光の周波数(発光周波数)よりも高いプラズマ周波数を有する材料によって形成された微粒子層または薄膜層である。言い換えれば、プラズモン励起層17は、キャリア生成層16単体を発光素子11の光で励起したときに発生する発光周波数において負の誘電率を有している。
プラズモン励起層17の材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、イリジウム、鉄、錫、亜鉛、コバルト、ニッケル、クロム、チタン、タンタル、タングステン、インジウム、アルミニウム、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、プラズモン励起層17の材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム及びこれらを主成分とする合金が好ましく、金、銀、アルミニウム及びそれらを主成分とする合金が特に好ましい。また、プラズモン励起層17の厚さは、200nm以下に形成されるのが好ましく、10nm〜100nm程度に形成されるのが特に好ましい。
波数ベクトル変換層18は、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面に励起された表面プラズモンの波数ベクトルを変換することで、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面から光を取り出し、光学素子1から光を出射すための出射層である。言い換えれば、波数ベクトル変換層18は、表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して光学素子1から出射する。つまり、波数ベクトル変換層18は、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面にほぼ直交するように、光学素子1から出射光を出射させる機能を奏している。
波数ベクトル変換層18としては、例えば、表面レリーフ格子、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造、又は準結晶構造、光学素子1からの光の波長よりも大きなテクスチャー構造、例えば粗面が形成された表面構造、ホログラム、マイクロレンズアレイ等を用いたものが挙げられる。なお、準周期構造とは、例えば周期構造の一部が欠けている不完全な周期構造を指している。これらの中でも、フォトニック結晶に代表される周期構造、準周期構造、準結晶構造、マイクロレンズアレイを用いるのが好ましい。これは、光の取り出し効率を高められるだけでなく、指向性を制御できるからである。また、フォトニック結晶を用いる場合には、結晶構造が三角格子構造を採ることが望ましい。また、波数ベクトル変換層18は、平板状の基部の上に凸部が設けられた構造であってもよい。
以上のように構成された光源装置2において、発光素子11から指向性制御層13に入射した光が、指向性制御層13の光出射部15から出射される動作を説明する。
図4に示すように、複数の発光素子11のうち、例えば発光素子11fから出射された光は、導光体12の光入射面14を透過し、導光体12内を全反射しながら伝播する。このとき、導光体12と指向性制御層13との界面に入射した光の一部は、指向性制御層13のプラズモン励起層17における後述する特性に応じた方向、波長で光出射部15から出射される。光出射部15から出射されなかった光は導光体12に戻され、再度、導光体12と指向性制御層13との界面に入射した光の一部が、指向性制御層13を透過し、光出射部15から出射される。これらの繰り返しによって、導光体12に入射した光の大半が光出射部15から出射される。また、複数の発光素子11のうち、導光体12を間に挟んで発光素子11fに対向する位置に配置された発光素子11mから出射し、光入射面14を透過した光についても同様に、光出射部15から出射される。光出射部15から出射される光の方向、波長は、指向性制御層13の特性にのみ依存し、発光素子11の位置、導光体12と指向性制御層13との界面への入射角には無依存である。以降特にことわらない限り、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18を備える構成について説明する。
導光体12内を全反射で伝播している光において、導光体12とキャリア生成層16との界面では全反射条件が崩れ、発光素子11からの光がキャリア生成層16中に入射する。キャリア生成層16に入射した光は、キャリア生成層16においてキャリアを生成する。生成されたキャリアは、プラズモン励起層17中の自由電子とプラズモン結合を起こす。このプラズモン結合を介して、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面に表面プラズモンが励起される。励起された表面プラズモンは、波数ベクトル変換層18で回折されて、光源装置2の外方に出射される。
プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面の誘電率が空間的に均一、つまり平坦な面である場合には、この界面に生じた表面プラズモンを取り出すことはできない。このため、本発明では、波数ベクトル変換層18を設けることで、表面プラズモンを回折し、光として取り出すことができる。波数ベクトル変換層18の一点から出射される光は、伝播するにつれて同心円状に広がる円環状の強度分布を有している。最も強度が高い出射角を中心出射角としたとき、波数ベクトル変換層18から出射する光の中心出射角θradは、波数ベクトル変換層18の周期構造のピッチをΛとすれば、
Figure 2011108138
で表わされる。ここで、i は正または負の整数である。プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との界面には、式(3)によって求まる波数近傍の波数しか存在しないので、式(5)より求まる出射光の角度分布も狭くなる。
図6A〜図6Gに、光源装置2が備える光学素子1の製造工程を示す。これはあくまで一例であって、この作製方法に限定されるものではない。まず、図6A及び図6Bに示すように、導光体12の上にキャリア生成層16をスピンコート法で塗布する。続いて、例えば物理蒸着、電子線ビーム蒸着やスパッタ等によって、図6Cに示すように、キャリア生成層16の上に、プラズモン励起層17を形成する。
次に、図6Dに示すように、キャリア生成層16の上に、フォトニック結晶によって波数ベクトル変換層18を形成する。続いて、図6Eに示すように、波数ベクトル変換層18の上にレジスト膜21をスピンコート法で塗布し、図6Fに示すように、ナノインプリントでレジスト膜21にフォトニック結晶のネガパターンを転写する。図6Gに示すように、ドライエッチングによって、所望の深さまで波数ベクトル変換層18をエッチングし、その後、レジスト膜21を波数ベクトル変換層18から剥離する。最後に、導光体12の外周部に複数の発光素子11を配置することで、光源装置2が完成する。
上述したように本実施形態の光源装置2は、導光体12に指向性制御層13が設けられる比較的簡素な構成であるので、光源装置2全体の小型化を図ることができる。また、本実施形態の光源装置2では、波数ベクトル変換層18から出射する光の出射角が、プラズモン励起層17の複素誘電率と、プラズモン励起層17を挟んでいる入射側部分の実効誘電率と、出射側部分の実効誘電率と、光源装置2内で発生する光の発光スペクトルとによって決定される。このため、本実施形態の光源装置2によれば、光学素子1からの出射光の指向性が、発光素子11の指向性に制限されることがなくなる。また、本実施形態の光源装置2は、放射過程においてプラズモン結合を応用することによって、光学素子1からの出射光の放射角を狭めて出射光の指向性を高めることができる。すなわち、本実施形態によれば、発光素子11のエテンデューに依存することなく、光源装置2からの出射光のエテンデューを低減することができる。また、光源装置2からの出射光のエテンデューが、発光素子11のエテンデューによって制限されないので、光源装置2からの出射光のエテンデューを小さく保ったままで、複数の発光素子11からの入射光を合成することができる。
加えて、上述した特開2008−145510号公報に開示された構成では、光軸合わせ部材202a〜202dや光源セット201a,201bを備えることで光源ユニット全体が大型化してしまう問題があった。しかし、本実施形態における光学素子1によれば、光学素子1全体の小型化を図ることができる。
また、上述した特開2009−87695号公報に開示された構成では、複数のLED300からの光が、交差させて配置されたプリズムシート304,305で様々な方向に曲げられて光の損失を招く問題があった。しかし、本実施形態の光学素子1によれば、複数の発光素子11からの光の利用効率を向上することができる。
以下、他の実施形態の光源装置を説明する。他の実施形態の光源装置は、第1の実施形態の光源装置2と比べて指向性制御層13の構成のみが異なるので、指向性制御層についてのみ説明する。なお、他の実施形態の指向性制御層において、第1の実施形態における指向性制御層13と同一の層には、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
(第2の実施形態)
波数ベクトル変換層18としては、フォトニック結晶が用いられる代わりに、マイクロレンズアレイが配置される構成や、粗い表面が形成された層が用いられる構成であってもよい。図7に、第2の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の模式的な斜視図を示す。
図7に示すように、指向性制御層23は、プラズモン励起層17の表面に、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28が設けられている。指向性制御層23は、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28を備える構成であっても、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18を備える構成と同様の効果が得られる。
プラズモン励起層17の上にマイクロレンズアレイが積層された構成の製造工程について説明するための断面図を、図8A及び図8Bに示す。マイクロレンズアレイを備える構成においても、図6A〜図6Gに示した製造方法と同様に、導光体12に、キャリア生成層16及びプラズモン励起層17を積層するので、これらの製造工程の説明を省略する。
図8A及び図8Bに示すように、図6A〜図6Gに示した製造方法を用いて、導光体12に、キャリア生成層16及びプラズモン励起層17を積層した後、プラズモン励起層17の表面に、マイクロレンズアレイによって波数ベクトル変換層28を形成する。この作製方法はあくまで一例であって、これに限定されるものではない。図8Aに示すように、プラズモン励起層17の表面に、UV硬化樹脂31をスピンコート法等によって塗布した後、ナノインプリントを用いて、UV硬化樹脂31に所望のレンズアレイパターンを成形し、UV硬化樹脂31に光を照射して硬化させることで、マイクロレンズアレイが形成される。
以上のように構成された第2の実施形態における指向性制御層23においても、マイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28を備えることで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、後述する第3の実施形態以降では、波数ベクトル変換層18がフォトニック結晶からなる構成を示すが、上述のように、波数ベクトル変換層18をマイクロレンズアレイからなる波数ベクトル変換層28に置き換えても良く、各実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
図9に、第3の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図9に示すように、第3の実施形態における指向性制御層33は、導光体12の上に、キャリア生成層16、プラズモン励起層17、誘電率層19、波数ベクトル変換層18の順に積層されて構成されている。
したがって、第3の実施形態では、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との間に、誘電率層19を独立して備えている点が第1の実施形態と異なっている。この誘電率層19は、後述する第4の実施形態における誘電率層20(高誘電率層20)よりも誘電率が低く設定されているので、以降、低誘電率層19と称する。低誘電率層19の誘電率としては、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも出射側部分の実効誘電率が低く保たれる範囲が許容される。つまり、低誘電率層19の誘電率が、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも小さい必要はない。
低誘電率層19は、波数ベクトル変換層18と異なる材料によって形成されてもよい。このため、本実施形態は、波数ベクトル変換層18の材料選択の自由度を高めることができる。
低誘電率層19としては、例えば、SiO、AlF、MgF、NaAlF、NaF、LiF、CaF、BaF、低誘電率プラスチック等からなる薄膜又は多孔質膜を用いるのが好ましい。また、低誘電率層19の厚さは、可能な限り薄い方が望ましい。なお、この厚さの許容最大値は、式(4)を用いて算出される低誘電率層19の厚さ方向に生じる表面プラズモンのしみだし長に相当する。低誘電率層19の厚さが式(4)より算出される値を超えた場合には、表面プラズモンを光として取り出すことが困難になる。
第3の実施形態における指向性制御層33においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12及びキャリア生成層16を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18及び低誘電率層19と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第3の実施形態における指向性制御層33によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した低誘電率層19を備えることで、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率の調整を容易にすることが可能になる。
(第4の実施形態)
図10に、第4の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図10に示すように、第4の実施形態における指向性制御層43は、導光体12の上に、キャリア生成層16、誘電率層20、プラズモン励起層17、フォトニック結晶からなる波数ベクトル変換層18の順に積層されて構成されている。
したがって、第4の実施形態では、プラズモン励起層17とキャリア生成層16との間に、誘電率層20を独立して備えている点が第1の実施形態と異なっている。この誘電率層20は、上述の第3の実施形態における低誘電率層19よりも誘電率が高く設定されているので、以降、高誘電率層20と称する。高誘電率層20の誘電率は、プラズモン励起層17に対する入射側部分の実効誘電率よりも出射側部分の実効誘電率が低く保たれる範囲が許容される。つまり、高誘電率層20の誘電率が、プラズモン励起層17に対する出射側部分の実効誘電率よりも大きい必要はない。
高誘電率層20は、キャリア生成層16と異なる材料によって形成されてもよい。このため、本実施形態は、キャリア生成層16の材料選択の自由度を高めることができる。
高誘電率層20としては、例えば、ダイヤモンド、TiO、CeO2、Ta5、ZrO2、Sb、HfO、La、NdO、Y、ZnO、Nb等の高誘電率材料からなる薄膜又は多孔質膜を用いるのが好ましい。高誘電率層20は、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。高誘電率層20の厚さは、可能な限り薄い方が望ましい。なお、この厚さの許容最大値は、キャリア生成層16とプラズモン励起層17との間でプラズモン結合が生じる距離に相当し、式(4)より算出される。
第4の実施形態における指向性制御層43においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12、キャリア生成層16及び高誘電率層20を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第4の実施形態における指向性制御層43によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した高誘電率層20を備えることで、プラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率の調整を容易にすることが可能になる。
(第5の実施形態)
図11に、第5の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図11に示すように、指向性制御層53は、プラズモン励起層17と波数ベクトル変換層18との間に挟まれて設けられた低誘電率層19と、キャリア生成層16とプラズモン励起層17との間に挟まれて設けられ、低誘電率層19よりも誘電率が高い高誘電率層20と、を備えている。
第5の実施形態における指向性制御層53においても、プラズモン励起層17でプラズモン結合を生じさせるために、導光体12、キャリア生成層16及び高誘電率層20を含む入射側部分の実効誘電率は、波数ベクトル変換層18及び低誘電率層19と、波数ベクトル変換層18に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高く設定されている。
以上のように構成された第5の実施形態における指向性制御層53によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、独立した低誘電率層19及び高誘電率層20を備えることで、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率、及びプラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率のそれぞれの調整を容易にすることが可能になる。また、第5の実施形態における指向性制御層53も、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第5の実施形態では、プラズモン励起層17の波数ベクトル変換層18側に低誘電率層19が配置され、プラズモン励起層17のキャリア生成層16側に高誘電率層20が配置されたが、この構成に限定されるものではない。プラズモン励起層17の入射側部分の実効誘電率を、プラズモン励起層17の出射側部分の実効誘電率よりも高くする上で必要であれば、プラズモン励起層17に対する低誘電率層19及び高誘電率層20の配置が第5の実施形態の配置と逆にされてもよい。
(第6の実施形態)
図12に、第6の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図12に示すように、第6の実施形態における指向性制御層63は、第5の実施形態における指向性制御層53と同様の構成であり、第5の実施形態における低誘電率層19及び高誘電率層20が、複数の誘電体層をそれぞれ積層して構成されている点が異なっている。
つまり、第6の実施形態における指向性制御層63は、複数の誘電体層29a〜29cが積層されてなる低誘電率層群29と、複数の誘電体層30a〜30cが積層されてなる高誘電率層群30と、を備えている。
低誘電率層群29では、プラズモン励起層17に近い方から波数ベクトル変換層18側に向って誘電率が単調に低くなるように、複数の誘電体層29a〜29cが配置されている。同様に、高誘電率層群30では、キャリア生成層16に近い方からプラズモン励起層17に向かって誘電率が単調に高くなるように、複数の誘電体層30a〜30cが配置されている。
低誘電率層群29の全体の厚さは、指向性制御層が低誘電率層を独立して備える実施形態における低誘電率層と等しい厚さに形成されている。同様に、高誘電率層群30の全体の厚さは、指向性制御層が高誘電率層を独立して備える実施形態における高誘電率層と同じ厚さに形成されている。なお、低誘電率層群29及び高誘電率層群30は、それぞれ3層構造で示したが、例えば2〜5層程度の層構造で構成することができる。また、必要に応じて、低誘電率層群及び高誘電率層群をそれぞれ構成する誘電体層の数が異なる構成や、低誘電率層及び高誘電率層の一方のみが複数の誘電率層からなる構成としてもよい。
このように高誘電率層及び低誘電率層が複数の誘電体層から構成されることで、プラズモン励起層17の界面に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層16、波数ベクトル変換層18又は波数ベクトル変換層18に接する外部の空気等の媒質と、これらにそれぞれ隣り合う誘電体層との屈折率のマッチングをとることが可能になる。つまり、高誘電率層群30は、波数ベクトル変換層18又は空気等の媒質との界面での屈折率差を小さくし、低誘電率層群29は、キャリア生成層16との界面での屈折率差を小さくすることが可能になる。
以上のように構成された第6の実施形態の指向性制御層63によれば、プラズモン励起層17に隣接する各誘電体層の誘電率を良好に設定すると共に、キャリア生成層16及び波数ベクトル変換層18との界面での屈折率差を小さく設定することが可能になる。このため、光損失を更に低減し、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
なお、低誘電率層群29及び高誘電率層群30の代わりに、内部で誘電率が単調に変化する単層膜が用いてもよい。この構成の場合、高誘電率層は、誘電率がキャリア生成層16側からプラズモン励起層17側に向かって次第に高くなる分布を有する。また同様に、低誘電率層は、誘電率がプラズモン励起層17側から波数ベクトル変換層18側に向かって次第に低くなる分布を有する。
(第7の実施形態)
図13に、第7の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図13に示すように、第7の実施形態における指向性制御層73では、第1の実施形態における指向性制御層13と同様の構成であり、プラズモン励起層群37が、積層された複数の金属層37a,37bによって構成されている点が異なっている。
第7の実施形態における指向性制御層73のプラズモン励起層群37では、金属層37a、37bがそれぞれ異なる金属材料によってそれぞれ形成されて積層されている。これによって、プラズモン励起層群37は、プラズマ周波数を調整することが可能になっている。
プラズモン励起層群37におけるプラズマ周波数が高くなるように調整する場合には、例えば、金属層37a,37bをそれぞれAg及びAlによって形成する。また、プラズモン励起層群37におけるプラズマ周波数が低くなるように調整する場合には、例えば、異なる金属層37a,37bをそれぞれAg及びAuによって形成する。
なお、プラズモン励起層群37は、一例として2層構造を示したが、必要に応じて3層以上の金属層によって構成されてもよいことは勿論である。また、プラズモン励起層群37の厚さは、200nm以下に形成されるのが好ましく、10nm〜100nm程度に形成されるのが特に好ましい。
以上のように構成された第7の実施形態の指向性制御層73によれば、プラズモン励起層群37が複数の金属層37a,37bによって構成されることによって、プラズモン励起層群37における実効的なプラズマ周波数を、キャリア生成層16からプラズモン励起層群37に入射する光の周波数に近づけるように調整することが可能になる。このため、発光素子11から光学素子1に入射する光の利用効率を更に高めることができる。
(第8の実施形態)
図14に、第8の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図14に示すように、第8の実施形態における指向性制御層83では、第1の実施形態におけるプラズモン励起層17に加えて、別のプラズモン励起層としてのプラズモン励起層27が更に配置されている。
第8の実施形態における指向性制御層83では、キャリア生成層16と導光体12との間に、プラズモン励起層27が配置されている。指向性制御層83では、導光体12から入射した光によってプラズモン励起層27でプラズモンが励起され、その励起されたプラズモンによって、キャリア生成層16でキャリアの生成が行われる。
このとき、プラズモン励起層27でプラズモン共鳴を生じさせるために、キャリア生成層16の誘電率を、導光体12の誘電率よりも低くしている。また、キャリア生成層16の材料選択の幅を広げるために、プラズモン励起層27とキャリア生成層16との間に、複素誘電率の実部が導光体12よりも低い誘電率層を挟んで設けてもよい。
なお、プラズモン励起層27は、キャリア生成層16を単体で、発光素子11の光で励起したときに発生する発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、プラズモン励起層27は、発光素子11の発光周波数よりも高いプラズマ周波数を有している。また、異なる複数の発光周波数を有するキャリア生成層16が用いられる場合、プラズモン励起層27は、キャリア生成層16を単体で、発光素子11の光で励起したときに発生する光の異なる周波数のいずれよりも高いプラズマ周波数を有している。同様に、発光周波数が異なる複数種類の発光素子が用いられる場合、プラズモン励起層27は、発光素子の異なる発光周波数のいずれよりもが高いプラズマ周波数を有している。
このような構成では、キャリア生成層16にてプラズモンによってキャリアが生成されるので、プラズモンによる蛍光増強効果を利用できる。
以上のように構成された第8の実施形態によれば、プラズモンによる蛍光増強効果によりキャリア生成層16でキャリアが効率的に生成され、キャリアを増やすことができるので、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
また、プラズモン励起層27は、上述した第7の実施形態におけるプラズモン励起層群37と同様に、複数の金属層が積層されて構成されてもよい。
(第9の実施形態)
図15に、第9の実施形態の光源装置が備える指向性制御層の斜視図を示す。図15に示すように、第9の実施形態における指向性制御層93は、第1の実施形態における指向性制御層13と同様の構成であり、キャリア生成層16と導光体12との間に、上述した実施形態における低誘電率層19と異なる作用を奏する低誘電率層39を設ける点が異なっている。
第9の実施形態における指向性制御層93には、キャリア生成層16の直下に低誘電率層39が配置されている。低誘電率層39の誘電率は、導光体12の誘電率よりも低く設定している。発光素子11からの入射光は、導光体12と低誘電率層39との界面で全反射を起こすように、導光体12の光入射面14に対する入射角が所定の角度に設定されている。
発光素子11から導光体12に入射した入射光は、導光体12と低誘電率層39との界面で全反射を起こし、この全反射に伴ってエヴァネッセント波が生成される。このエヴァネッセント波がキャリア生成層16に作用することで、キャリア生成層16にキャリアが生成される。
ところで、上述した第1〜第8の実施形態の光源装置では、発光素子11から出射した光の一部が各層を透過して出射する。そのため、発光素子11の発光波長とキャリア生成層16の発光波長に対応し、波長が30nm〜300nm程度異なる2種類の光がそれぞれ出射している。しかし、本実施形態のように、エヴァネッセント波のみでキャリアを生成することによって、光源装置からの出射光のうち、発光素子11の発光波長に対応する光を低減し、キャリア生成層16の発光波長に対応する光を増加することが可能になる。したがって、第9の実施形態によれば、発光素子11からの光の利用効率を更に高めることができる。
(第10の実施形態)
図16に、第10の実施形態の光源ユニットの斜視図を示す。図16に示すように、第10の実施形態の光源ユニットでは、光学素子1から入射する軸対称偏光を所定の偏光状態に揃える偏光変換素子として、光学素子1からの入射光を直線偏光する軸対称偏光用1/2波長板100を備えている。光源装置2からの出射光を軸対称偏光用1/2波長板100によって直線偏光することで、出射光の偏光状態が揃えられた光源ユニットを実現できる。なお、偏光変換素子によって軸対称偏光を所定の偏光状態に揃えることには、直線偏光することに限定するものではなく、円偏光することも含まれる。また、本実施形態における光源装置が有する指向性制御層としては、上述した第1〜第9の実施形態における指向性制御層のいずれが適用されてもよいことは勿論である。
図17は、軸対称偏光用1/2波長板100の構造を示すための縦断面図である。軸対称偏光用1/2波長板100の構成は、あくまで一例であって、この構成に限定されない。図17に示すように、軸対称偏光用1/2波長板100は、配向膜102,105がそれぞれ形成された一対のガラス基板101,106と、これらガラス基板101,106の配向膜102,105を対向させてガラス基板101,106の間に挟んで配置された液晶層104と、ガラス基板101,106の間に配置されたスペーサ103と、を備えている。
液晶層104は、常光に対する屈折率をno、異常光に対する屈折率をneとすると、屈折率neが屈折率noよりも大きい。また、液晶層104の厚さdは、(ne−no)×d=λ/2を満たしている。なお、λは真空中における入射光の波長である。
図18A及び図18Bに、軸対称偏光用1/2波長板100を説明するための模式図を示す。図18Aに、軸対称偏光用1/2波長板100の液晶層104を、ガラス基板101の主面に平行に切った状態の横断面図を示す。図18Bに、液晶分子107の配向方向を説明するための模式図を示す。
図18Aに示すように、液晶分子107は、軸対称偏光用1/2波長板100の中心に対して同心円状に配置されている。また、液晶分子107は、図18Bに示すように、液晶分子107の主軸とこの主軸近傍の座標軸とのなす角をΦとし、座標軸と偏光方向とがなす角をθとすると、液晶分子107は、θ=2Φ、又は、θ=2Φ―180のいずれかの関係式を満たす方向に配向されている。ここで、図18Aと図18Bは同一面内を示している。
図19に、光源装置が軸対称偏光用1/2波長板100を備えない構成の場合における、出射光のファーフィールドパターン109を示す。上述した第1〜第9の実施形態において、光源装置からの出射光のファーフィールドパターン109は、図19に示すように、偏光方向108が、光源装置からの出射光の光軸を中心に放射状になった軸対称偏光となる。
図20に、軸対称偏光用1/2波長板100を通過した出射光のファーフィールドパターン109を示す。本実施形態によれば、上述した軸対称偏光用1/2波長板100を用いることで、図20に示すように、偏光方向110が一方向に揃えられた出射光が得られる。
(第1の実施例)
図21に、第1の実施形態の光源装置2の出射光における角度分布を示す。図21において、横軸が出射光の出射角を示し、縦軸が出射光の強度を示している。
導光体12としてSiO、キャリア生成層16としてPVA(ポリビニルアルコール)を母材とする蛍光体、プラズモン励起層17としてAg、波数ベクトル変換層18としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)をそれぞれ用い、それぞれの厚さを、0.5mm、100nm、50nm、100nmとした。また、キャリア生成層16の発光波長を460nmとして計算した。ここで、波数ベクトル変換層18の周期構造の深さ、ピッチ、デューティ比はそれぞれ、100nm、325nm、0.5に設定した。この条件下における出射光は、円環状ではなく、ガウス関数に近い配光分布を有しているが、ピッチを325nmからずらすことでピークが分裂し、円環状の配向分布が得られる。
なお、簡単化のために、計算を2次元で行った。光学素子1から出射した光の強度が半分になる角度の全幅を放射角とした場合、放射角は、波長460nmの光それぞれに対して±3.4(deg)であった。
したがって、実施形態の光源装置2によれば、光源装置2からの出射光の放射角の指向性を高め、かつ、波数ベクトル変換層18の格子構造を適宜調整することで、放射角を±5度以下に狭めて指向性を更に高めることが可能になる。
(第2の実施例)
図22に、第5の実施形態の光源装置の出射光における角度分布を示す。図22において、横軸が出射光の出射角を示し、縦軸が出射光の強度を示している。
導光体12としてSiO、キャリア生成層16としてPVA(ポリビニルアルコール)を母材とする蛍光体、高誘電率層20としてAl、プラズモン励起層17としてAg、低誘電率層19としてポーラスSiOをそれぞれ用い、それぞれの厚さを、0.5mm、100nm、10nm、50nm、10nmとした。ここで、ポーラスSiOの誘電率は1.12とした。また、波数ベクトル変換層18の材質をPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、周期構造の深さ、ピッチ、デューティ比をそれぞれ、100nm、421nm、0.5に設定した。この条件下における出射光は、円環状ではなく、ガウス関数に近い配光分布を有しているが、ピッチを421nmからずらすことでピークが分裂し、円環状の配向分布が得られる。第2の実施例では、プラズモン励起層17を挟む高誘電率層20及び低誘電率層19を設けることにより、第1の実施例に比べて指向性が高い配光分布が得られた。
第2の実施例において、プラズモン励起層17の出射側部分及び入射側部分の実効誘電率は、式(1)よりそれぞれ、1.48、2.52となる。さらに、表面プラズモンの出射側及び入射側におけるz方向の波数の虚部は、式(2)よりそれぞれ、8.96×10、1.71×10となる。表面プラズモンの有効相互作用距離を、表面プラズモンの強度がe−2となる距離とすれば、1/Im(kspp,z)より、表面プラズモンの有効相互作用距離は、出射側及び入射側でそれぞれ、112nm、58nmとなる。
図23に、第5の実施形態の光源装置2において、式(1)を用いて算出した実効誘電率から求まるプラズモン共鳴角(図中に□で示す)と、多層膜反射計算によって求まるプラズモン共鳴角(図中に△で示す)とを比較して示す。計算条件は、低誘電率層19の厚さを除いて、角度分布を求めたときと同じである。図23において、横軸が低誘電率層19の厚さを示し、縦軸がプラズモン共鳴角を示している。図23に示すように、実効誘電率による計算値と、多層膜反射による計算値とが一致しており、式(1)で定義される実効誘電率によってプラズモン共鳴の条件を定義できることが明らかである。
なお、本実施形態の光源装置は、画像表示装置の光源装置として用いられるのに好適であり、投射型表示装置が備える光源装置や、液晶表示板(LCD)の直下型光源装置、いわゆるバックライトとして携帯型電話機、PDA(Personal Data Assistant)等の電子機器に用いられてもよい。
最後に、上述した第1〜第10の実施形態が適用される投射型表示装置としてのLEDプロジェクタの構成例について図面を参照して説明する。図24に、実施形態のLEDプロジェクタの模式的な斜視図を示す。
図24に示すように、実施形態のLEDプロジェクタは、赤(R)光用光源装置2r、緑(G)光用光源装置2g、及び青(B)光用光源装置2bと、これらの光源装置2r、2g、2bからの出射光がそれぞれ入射する照明光学系120r、120g、120bと、これらの照明光学系120r、120g、120bを通過した光が入射する表示素子としてのライトバルブ121r、121g、121bと、を備えている。また、LEDプロジェクタは、ライトバルブ121r、121g、121bによってそれぞれ変調されて入射されたR、G、B光を合成するクロスダイクロイックプリズム122と、このクロスダイクロイックプリズム122からの出射光をスクリーン等の投射面上に投射する投射レンズ(不図示)を含む投射光学系123と、を備えている。
このLEDプロジェクタは、いわゆる3板式プロジェクタに適用された構成である。照明光学系120r、120g、120bとしては、例えば輝度を均一化するためのロッドレンズ(不図示)を有している。ライトバルブ121r、121g、121bは、例えば液晶表示板やDMD等を有している。また、上述した実施形態の光源装置は、単板式プロジェクタにも適用可能であることは勿論である。
本実施形態のLEDプロジェクタによれば、上述した実施形態の光源装置が適用されることで、投射映像の輝度を向上することができる。
また、LEDプロジェクタにおいても、図17及び図18A、18Bに示した軸対称偏光用1/2波長板100を、各光源装置2r、2g、2bからの出射光の光路上に配置することが好ましく、ライトバルブ121r、121g、121bでの偏光損失を抑制することができる。また、照明光学系が偏光子を有する構成の場合には、軸対称偏光用1/2波長板100を、偏光子と光源装置2との間に配置する構成が好ましい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年3月4日に出願された日本出願特願2010−047944を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (17)

  1. 発光素子からの光が入射する導光体と、
    前記導光体の上に設けられ、前記導光体からの光によってキャリアが生成されるキャリア生成層と、
    前記キャリア生成層の上に積層され、前記キャリア生成層を前記発光素子の光で励起したときに発生する光の周波数よりも高いプラズマ周波数を有するプラズモン励起層と、
    前記プラズモン励起層の上に積層され、前記プラズモン励起層によって生じる表面プラズモンを所定の出射角の光に変換して出射する出射層と、を備え、
    前記プラズモン励起層は、誘電性を有する2つの層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に積層された構造全体を含む入射側部分の実効誘電率が、前記プラズモン励起層の前記出射層側に積層された構造全体と、前記出射層に接する媒質とを含む出射側部分の実効誘電率よりも高い、光学素子。
  2. 前記実効誘電率は、複素実効誘電率εeffであって、該複素実効誘電率εeffが、
    前記プラズモン励起層の界面に平行な方向をx軸、y軸、前記プラズモン励起層の界面に垂直な方向をz軸、前記キャリア生成層から出射する光の角周波数をω、前記入射側部分または前記出射側部分の誘電体の誘電率分布をε(ω,x,y,z)、積分範囲Dを前記入射側部分または前記出射側部分の三次元座標の範囲、表面プラズモンの波数のz成分をkspp,z、虚数単位をjとすれば、
    Figure 2011108138

    を満たし、
    かつ、表面プラズモンの波数のz成分kspp,z、表面プラズモンの波数のx、y成分ksppが、
    前記プラズモン励起層の誘電率の実部をεmetal、真空中での光の波数をk0とすれば、
    Figure 2011108138

    Figure 2011108138

    を満たしている、請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記プラズモン励起層の前記出射層側、及び前記プラズモン励起層の前記導光体側の少なくとも一方の側に隣接して設けられた誘電率層を備える、請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記プラズモン励起層は、一対の前記誘電率層の間に挟まれ、
    前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接する前記誘電率層は、前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接する前記誘電率層よりも誘電率が高い、請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かう順に誘電率が低くなるように配置されている、請求項3または4に記載の光学素子。
  6. 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が異なる複数の誘電体層が積層されて構成され、前記複数の誘電体層が、前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かう順に誘電率が高くなるように配置されている、請求項3または4に記載の光学素子。
  7. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が前記プラズモン励起層側から前記出射層側に向かって次第に低くなる分布を有している、請求項3または4に記載の光学素子。
  8. 前記プラズモン励起層の前記導光体側に隣接して設けられた前記誘電率層は、誘電率が前記キャリア生成層側から前記プラズモン励起層側に向かって次第に高くなる分布を有する、請求項3または4に記載の光学素子。
  9. 前記プラズモン励起層の前記出射層側に隣接して設けられた前記誘電率層は、多孔質層である、請求項3ないし5、7のいずれか1項に記載の光学素子。
  10. 前記導光体と前記キャリア生成層との間に設けられ、前記発光素子の周波数よりも高いプラズマ周波数を有する別のプラズモン励起層を更に備える、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学素子。
  11. 前記導光体の前記キャリア生成層側に隣接して設けられ、前記導光体よりも誘電率が低い低誘電率層を備え、
    前記キャリア生成層は、前記導光体からの光が前記キャリア生成層との界面で全反射したときに生じるエヴァネッセント波によってキャリアを生成する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の光学素子。
  12. 前記プラズモン励起層は、異なる金属材料からなる複数の金属層が積層されて構成されている、請求項1ないし9、11のいずれか1項に記載の光学素子。
  13. 前記出射層は、表面周期構造を有している、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学素子。
  14. 前記プラズモン励起層は、Ag、Au、Cu、Pt、Alのうちのいずれか1つ、またはこれらのうちの少なくとも1つを含む合金からなる、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の光学素子。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光学素子と、
    前記導光体の外周部に配置された発光素子と、を備える光源装置。
  16. 前記光学素子から入射する軸対称偏光を所定の偏光状態に揃える偏光変換素子を備える、請求項15に記載の光源装置。
  17. 請求項15または16に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの出射光を変調する表示素子と、
    前記表示素子の出射光によって投射映像を投射する投射光学系と、を備える投射型表示装置。
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