JPWO2011058758A1 - 符号化装置、復号装置およびこれらの方法 - Google Patents

符号化装置、復号装置およびこれらの方法 Download PDF

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Abstract

符号化対象帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化(スケーラブル符号化)方式において、復号信号の品質を改善することができる符号化装置を開示する。この符号化装置(101)は、周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から入力スペクトルの第1量子化対象帯域を選択してこの帯域の第1帯域情報を含む第1レイヤ符号化情報を生成する第1レイヤ符号化部(202)と、第1レイヤ符号化情報を用いて生成された第1復号信号と入力スペクトルとを用いて第1レイヤ差分スペクトルを生成する加算部(204)と、第1レイヤ差分スペクトルの第2量子化対象帯域を選択してこの帯域の第2帯域情報を含む第2レイヤ符号化情報を生成する第2レイヤ符号化部(205)と、を具備し、第1レイヤ符号化部(202)は、第1帯域情報および第2帯域情報に基づいて、入力スペクトルの利得の量子化方法を複数の候補から決定する。

Description

本発明は、信号を符号化して伝送する通信システムに用いられる符号化装置、復号装置およびこれらの方法に関する。
インターネット通信に代表されるパケット通信システムや、移動通信システムなどで音声・楽音信号を伝送する場合、音声・楽音信号の伝送効率を高めるため、圧縮・符号化技術がよく使われる。また、近年では、単に低ビットレートで音声・楽音信号を符号化するという一方で、より広帯域の音声・楽音信号を高品質に符号化する技術に対するニーズが高まっている。
このようなニーズに対して、複数の符号化技術を階層的に統合する様々な技術が開発されてきている。例えば非特許文献1には、基本構成単位をモジュール化されたTwinVQ(Transform Domain Weighted Interleave Vector Quantization;周波数領域重み付きインターリーブベクトル量子化)を用いて所望の周波数帯域のスペクトル(MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)係数)を階層的に符号化する手法が開示されている。当該モジュールを共通化して複数回使用することにより、シンプルかつ自由度の高いスケーラブル符号化を実現できる。この手法では、各階層(レイヤ)の符号化対象となるサブバンドは予め定められている構成が基本となるが、入力信号の性質に応じて各階層(レイヤ)の符号化対象となるサブバンドの位置を予め定められた帯域の中で変動させる構成も開示されている。
神明夫他、「階層的変換符号化基本モジュールによって構成されるスケーラブル楽音符号化(Scalable Audio Coding Based on Hierarchical Transform Coding Modules)」、電子情報通信学会論文誌A, Vol. J83-A, No.3, pp.241-252, 2000年3月 ITU-T:G.718; Frame error robust narrowband and wideband embedded variable bit-rate coding of speech and audio from 8-32 kbit/s. ITU-T Recommendation G.718(2008)
しかしながら、上記非特許文献1では、例えば、各階層(レイヤ)において符号化対象となるサブバンドの位置を予め定められた帯域の中で変動させる構成において、フレーム毎、またレイヤ毎に符号化対象として選択されるサブバンドが異なる。そのため、符号化対象とする帯域(符号化対象帯域)の周波数パラメータの符号化方法として、時間軸方向での予測符号化を適用したり、レイヤ軸方向での予測符号化を適用したりすることができず、符号化効率が不十分であるという問題点がある。その結果、生成される復号音声の品質が不十分となる問題点もある。
本発明の目的は、符号化対象帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化(スケーラブル符号化)方式において、復号信号の品質を改善することができる符号化装置、復号装置およびこれらの方法を提供することである。
本発明の符号化装置は、少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置であって、周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化手段と、前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化手段と、を具備し、前記第1レイヤ符号化手段は、前記第1帯域情報に基づいて、前記第1利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定手段、を具備する。
本発明の符号化装置は、少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置であって、周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化手段と、前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化手段と、を具備し、前記第1レイヤ符号化手段あるいは前記第2レイヤ符号化手段の少なくとも一方は、自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報に基づいて、各レイヤの量子化対象帯域における前記各レイヤの符号化手段への入力信号の利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定手段、を具備する。
本発明の復号装置は、少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置において生成された情報を受信して復号する復号装置であって、前記符号化装置の第1レイヤの符号化により得られた、周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記第1レイヤの第1量子化対象帯域を選択して生成された第1帯域情報を含む前記第1符号化情報と、前記第1符号化情報を用いた前記符号化装置の第2レイヤの符号化により得られた、前記複数のサブバンドの中から前記第2レイヤの第2量子化対象帯域を選択して生成された第2帯域情報を含む前記第2符号化情報と、を有する前記情報を受信する受信手段と、前記情報から得られる前記第1符号化情報を入力し、前記第1帯域情報に基づいて設定される前記第1量子化対象帯域に対する第1復号信号を生成する第1レイヤ復号手段と、前記情報から得られる前記第2符号化情報を入力し、前記第2帯域情報に基づいて設定される前記第2量子化対象帯域に対する第2復号信号を生成する第2レイヤ復号手段と、を具備し、前記第1レイヤ復号手段は、前記第1帯域情報に基づいて、前記第1復号信号の利得の復号方法を複数の候補から決定する判定手段を、を具備する。
本発明の符号化方法は、少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化方法であって、周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化ステップと、前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化ステップと、を具備し、前記第1レイヤ符号化ステップは、前記第1帯域情報に基づいて、前記第1利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定ステップ、を具備する。
本発明の復号方法は、少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置において生成された情報を受信して復号する復号方法であって、前記符号化装置の第1レイヤの符号化により得られた、周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記第1レイヤの第1量子化対象帯域を選択して生成された第1帯域情報を含む前記第1符号化情報と、前記第1符号化情報を用いた前記符号化装置の第2レイヤの符号化により得られた、前記複数のサブバンドの中から前記第2レイヤの第2量子化対象帯域を選択して生成された第2帯域情報を含む前記第2符号化情報と、を有する前記情報を受信する受信ステップと、前記情報から得られる前記第1符号化情報を入力し、前記第1帯域情報に基づいて設定される前記第1量子化対象帯域に対する第1復号信号を生成する第1レイヤ復号ステップと、前記情報から得られる前記第2符号化情報を入力し、前記第2帯域情報に基づいて設定される前記第2量子化対象帯域に対する第2復号信号を生成する第2レイヤ復号ステップと、を具備し、前記第1レイヤ復号ステップは、前記第1帯域情報に基づいて、前記第1復号信号の利得の復号方法を複数の候補から決定する判定ステップを、を具備する。
本発明によれば、符号化対象とする帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化(スケーラブル符号化)方式において、現フレームの周波数パラメータの符号化効率が向上し、その結果復号信号の品質を改善することができる。
本発明の実施の形態1に係る符号化装置および復号装置を有する通信システムの構成を示すブロック図 実施の形態1に係る符号化装置の内部の主要な構成を示すブロック図 図2に示した第1レイヤ符号化部の内部の主要な構成を示すブロック図 実施の形態1に係るリージョンの構成を示す図 図2に示した第1レイヤ復号部の内部の主要な構成を示すブロック図 図2に示した第2レイヤ符号化部の内部の主要な構成を示すブロック図 図2に示した第2レイヤ復号部の内部の主要な構成を示すブロック図 実施の形態1に係る復号装置の内部の主要な構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る符号化装置の内部の主要な構成を示すブロック図 図9に示した第1レイヤ符号化部の内部の主要な構成を示すブロック図 図9に示した第1レイヤ復号部の内部の主要な構成を示すブロック図 図9に示した第2レイヤ符号化部の内部の主要な構成を示すブロック図 図9に示した第2レイヤ復号部の内部の主要な構成を示すブロック図 図9に示した第3レイヤ符号化部の内部の主要な構成を示すブロック図 実施の形態2に係る復号装置の内部の主要な構成を示すブロック図 図15に示した第3レイヤ復号部の内部の主要な構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明に係る符号化装置および復号装置として、音声符号化装置および音声復号装置を例にとって説明する。
本発明は、符号化対象とする帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化(スケーラブル符号化)方式における技術である。具体的には、階層符号化(スケーラブル符号化)方式において、符号化対象帯域の周波数パラメータの量子化方法として、時間軸方向、およびレイヤ軸(階層的)方向での予測符号化又は非予測符号化を適応的に切り替える技術である。なお、非特許文献2には、非階層的符号化方式において、符号化対象帯域の周波数パラメータの量子化方法として、予測符号化/非予測符号化を適応的に切り替える技術が開示されている。以下の各実施の形態では、階層符号化(スケーラブル符号化)方式において、符号化対象帯域の周波数パラメータの量子化方法として、予測符号化/非予測符号化を適応的に切り替え、周波数パラメータの効率的な予測符号化を実現する技術を開示する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る符号化装置および復号装置を有する通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、通信システムは、符号化装置101と復号装置103とを備え、それぞれ伝送路102を介して通信可能な状態となっている。なお、符号化装置101および復号装置103はいずれも、通常、基地局装置あるいは通信端末装置等に搭載されて用いられる。
符号化装置101は、入力信号をNサンプルずつ区切り(Nは自然数)、Nサンプルを1フレームとしてフレーム毎に符号化を行う。ここで、符号化の対象となる入力信号をx(n=0、…、N−1)と表すこととする。nは、Nサンプルずつ区切られた入力信号のうち、信号要素のn+1番目を示す。符号化装置101は、符号化された入力情報(以下「符号化情報」という)を伝送路102を介して復号装置103に送信する。
復号装置103は、伝送路102を介して符号化装置101から送信された符号化情報を受信し、これを復号し出力信号を得る。
図2は、図1に示した符号化装置101の内部の主要な構成を示すブロック図である。符号化装置101は、一例として3つの符号化階層(レイヤ)から成る階層符号化装置とする。ここで、ビットレートの低い方から順に、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤと呼ぶことにする。
直交変換処理部201は、バッファbuf1(n)(n=0、…、N−1)を内部に有し、入力信号x1(n)を修正離散コサイン変換(MDCT:Modified Discrete Cosine Transform)する。これにより、入力信号x1(n)が、周波数領域パラメータ(周波数領域信号)に変換される。
次に、直交変換処理部201における直交変換処理について、その計算手順と内部バッファへのデータ出力に関して説明する。
まず、直交変換処理部201は、下記の式(1)によりバッファbuf1(n)を、「0」を初期値として初期化する。
Figure 2011058758
次いで、直交変換処理部201は、下記の式(2)に従って、入力信号x1(n)に対し修正離散コサイン変換(MDCT)を行い、入力信号x1(n)のMDCT係数(以下「入力スペクトル」と呼ぶ)X1(k)を求める。
Figure 2011058758
ここで、kは1フレームにおける各サンプルのインデックスを示す。直交変換処理部201は、入力信号x1(n)とバッファbuf1(n)とを結合させたベクトルであるx1’(n)を下記の式(3)により求める。
Figure 2011058758
次に、直交変換処理部201は、式(4)によりバッファbuf1(n)を更新する。
Figure 2011058758
そして、直交変換処理部201は、入力スペクトルX1(k)を第1レイヤ符号化部202、および加算部204に出力する。
第1レイヤ符号化部202には、直交変換処理部201から入力スペクトルX1(k)が入力される。また、第1レイヤ符号化部202には、第2レイヤ符号化部205から時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ符号化情報に含まれる第2レイヤ利得符号化情報および第2レイヤ帯域情報が入力される。また、第1レイヤ符号化部202には、第3レイヤ符号化部208から時間的に1つ前の処理フレームにおける第3レイヤ符号化情報に含まれる第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ帯域情報が入力される。
第1レイヤ符号化部202は、これら入力された情報を用いて、入力スペクトルX1(k)を符号化し、第1レイヤ符号化情報を生成する。次に、第1レイヤ符号化部202は、生成した第1レイヤ符号化情報を、第1レイヤ復号部203、および符号化情報統合部209に出力する。なお、第1レイヤ符号化部202の詳細については後述する。
第1レイヤ復号部203には、第1レイヤ符号化部202から第1レイヤ符号化情報が入力される。また、第1レイヤ復号部203には、第2レイヤ符号化部205から時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ利得符号化情報が入力される。また、第1レイヤ復号部203には、第3レイヤ符号化部208から時間的に1つ前の処理フレームにおける第3レイヤ利得符号化情報が入力される。
第1レイヤ復号部203は、これら帯域情報および利得符号化情報を用いて、第1レイヤ符号化情報を復号して、第1レイヤ復号スペクトルを算出する。次に、第1レイヤ復号部203は、生成した第1レイヤ復号スペクトルを加算部204に出力する。なお、第1レイヤ復号部203の詳細については後述する。
加算部204は、第1レイヤ復号スペクトルの極性を反転させて、入力スペクトルに加算することにより、入力スペクトルと第1レイヤ復号スペクトルとの差分スペクトルを算出する。加算部204は、得られた差分スペクトルを第1レイヤ差分スペクトルとして第2レイヤ符号化部205に出力する。
第2レイヤ符号化部205は、加算部204から入力される第1レイヤ差分スペクトルを用いて第2レイヤ符号化情報を生成する。次に、第2レイヤ符号化部205は、生成した第2レイヤ符号化情報を第2レイヤ復号部206、および符号化情報統合部209に出力する。また、第2レイヤ符号化部205は、第2レイヤ符号化情報に含まれる第2レイヤ利得符号化情報および第2レイヤ帯域情報を第1レイヤ符号化部202に出力する。これにより、第1レイヤ符号化部202では、次の処理フレームにおいて、第2レイヤ利得符号化情報および第2レイヤ帯域情報が利用されて符号化が行われる。なお、第2レイヤ符号化部205の詳細については後述する。
第2レイヤ復号部206は、第2レイヤ符号化部205から入力される第2レイヤ符号化情報を復号して、第2レイヤ復号スペクトルを算出する。次に、第2レイヤ復号部206は、生成した第2レイヤ復号スペクトルを加算部207に出力する。なお、第2レイヤ復号部206の詳細については後述する。
加算部207は、第2レイヤ復号スペクトルの極性を反転させて、第1レイヤ差分スペクトルに加算することにより、第1レイヤ差分スペクトルと第2レイヤ復号スペクトルとの差分スペクトルを算出する。加算部207は、得られた差分スペクトルを第2レイヤ差分スペクトルとして第3レイヤ符号化部208に出力する。
第3レイヤ符号化部208は、加算部207から入力される第2レイヤ差分スペクトルを用いて第3レイヤ符号化情報を生成し、生成した第3レイヤ符号化情報を符号化情報統合部209に出力する。また、第3レイヤ符号化部208は、第3レイヤ符号化情報に含まれる第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ帯域情報を、第1レイヤ符号化部202および第1レイヤ復号部203に出力する。これにより、第1レイヤ符号化部202および第1レイヤ復号部203では、次の処理フレームにおいて、第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ帯域情報が利用されて符号化が行われる。なお、第3レイヤ符号化部208の詳細については後述する。
符号化情報統合部209は、第1レイヤ符号化部202から入力される第1レイヤ符号化情報と、第2レイヤ符号化部205から入力される第2レイヤ符号化情報と、第3レイヤ符号化部208から入力される第3レイヤ符号化情報とを統合する。次に、符号化情報統合部209は、統合した情報源符号に対し、必要であれば伝送誤り符号などを付加した上でこれを符号化情報として伝送路102に出力する。
図3は、第1レイヤ符号化部202の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第1レイヤ符号化部202は、帯域選択部301、形状符号化部302、適応予測判定部303、利得符号化部304、および多重化部305を備える。
帯域選択部301は、直交変換処理部201から入力される入力スペクトルを複数のサブバンドに分割し、複数のサブバンドから量子化対象となる帯域(量子化対象帯域)を選択する。帯域選択部301は、選択した量子化対象帯域を示す帯域情報(第1レイヤ帯域情報)を、形状符号化部302、適応予測判定部303、および多重化部305に出力する。また、帯域選択部301は、入力スペクトルを形状符号化部302に出力する。なお、形状符号化部302への入力スペクトルの入力は、直交変換処理部201から帯域選択部301への入力とは別に、直交変換処理部201から直接入力されるようにしても良い。帯域選択部301の処理の詳細は後述する。
形状符号化部302は、帯域選択部301から入力される入力スペクトルのうち、第1レイヤ帯域情報が示す帯域に対応するスペクトル(MDCT係数)を用いて形状情報の符号化を行って第1レイヤ形状符号化情報を生成する。次に、形状符号化部302は、生成した第1レイヤ形状符号化情報を多重化部305に出力する。また、形状符号化部302は、形状符号化時に算出される理想利得(利得情報)を利得符号化部304に出力する。形状符号化部302の処理の詳細は後述する。
適応予測判定部303には、帯域選択部301から第1レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部303には、第2レイヤ符号化部205から、第2レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部303には、第3レイヤ符号化部208から、第3レイヤ帯域情報が入力される。適応予測判定部303は、内部バッファを有し、過去に帯域選択部301、第2レイヤ符号化部205、および第3レイヤ符号化部208からそれぞれ入力された第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報、および3レイヤ帯域情報を記憶する。
適応予測判定部303は、入力される各帯域情報(第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報、第3レイヤ帯域情報)を用いて現フレームの量子化対象帯域と過去のフレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。共通のサブバンドの数が予め定められた所定値以上の場合には、適応予測判定部303は、第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行うと判定する。一方、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合には、適応予測判定部303は、第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行わない(つまり、予測を適用しない符号化を行う)と判定する。
適応予測判定部303は、判定結果を予測情報(Flag_PRE)として利得符号化部304および多重化部305に出力する。ここで、適応予測判定部303は、予測を行うと判定した場合には、Flag_PREの値を1とし、予測を行わないと判定した場合には、Flag_PREの値を0とする。なお、適応予測判定部303の処理の詳細は後述する。
利得符号化部304には、形状符号化部302から理想利得が入力される。また、利得符号化部304には、適応予測判定部303から、予測情報が入力される。また、利得符号化部304には、第2レイヤ符号化部205および第3レイヤ符号化部208から、時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ利得符号化情報が入力される。
利得符号化部304は、予測情報が予測符号化を行うという判定結果を示す場合には、形状符号化部302から入力される理想利得に対して予測符号化を行って、第1レイヤ利得符号化情報を得る。このとき、利得符号化部304は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの量子化利得、内蔵の利得コードブック、第2レイヤ利得符号化情報、および第3レイヤ利得符号化情報を用いて、理想利得に対して予測符号化を行う。
一方、利得符号化部304は、予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合には、形状符号化部302から入力される理想利得を、そのまま量子化する(つまり、予測を適用せずに量子化する)。
利得符号化部304は、理想利得を符号化して得られる第1レイヤ利得符号化情報を多重化部305に出力する。利得符号化部304の処理の詳細は後述する。
多重化部305は、第1レイヤ帯域情報、第1レイヤ形状符号化情報、第1レイヤ利得符号化情報、および予測情報を多重化して第1レイヤ符号化情報を生成する。多重化部305は、生成した第1レイヤ符号化情報を、第1レイヤ復号部203および符号化情報統合部209に出力する。
上記のような構成を有する第1レイヤ符号化部202は以下の動作を行う。
帯域選択部301には、直交変換処理部201から入力スペクトルX1(k)が入力される。
帯域選択部301は、まず、入力スペクトルX1(k)を複数のサブバンドに分割する。ここでは、J(Jは自然数)個のサブバンドに均等に分割する場合を例に挙げて説明する。そして、帯域選択部301は、J個のサブバンドの中で連続するL(Lは自然数)個のサブバンドを選択し、M(Mは自然数)種類のサブバンドのグループを得る。以下、このM種類のサブバンドのグループをリージョンと呼ぶ。
図4は、帯域選択部301において得られるリージョンの構成を例示する図である。
この図において、サブバンドの数は17個(J=17)であり、リージョンの種類は8種類(M=8)であり、各リージョンは連続する5個(L=5)のサブバンドで構成されている。そのうち、例えばリージョン4はサブバンド6〜10からなる。
次いで、帯域選択部301は、下記の式(5)に従い、M種類の各リージョンの平均エネルギE1(m)を算出する。
Figure 2011058758
この式において、jはJ個の各サブバンドのインデックスを示し、mは、M種類の各リージョンのインデックスを示す。なお、S(m)は、リージョンmを構成するL個のサブバンドのインデックスのうちの最小値を示し、B(j)は、サブバンドjを構成する複数のMDCT係数のインデックスのうちの最小値を示す。W(j)は、サブバンドjのバンド幅を示し、以下の説明では、J個の各サブバンドのバンド幅が全て等しい場合、すなわちW(j)が定数である場合を例にとって説明する。
次に、帯域選択部301は、平均エネルギE1(m)が最大となるリージョン、例えばサブバンドj”〜(j”+L−1)からなる帯域を量子化対象となる帯域(量子化対象帯域)として選択する。帯域選択部301は、選択したリージョンを示すインデックスm_maxを第1レイヤ帯域情報として形状符号化部302、適応予測判定部303、および多重化部305に出力する。また、帯域選択部301は、量子化対象帯域の入力スペクトルX1(k)を形状符号化部302に出力する。なお、以下の説明では、帯域選択部301が選択した量子化対象帯域を示すバンドインデックスをj”〜(j”+L−1)とする。
形状符号化部302は、第1レイヤ帯域情報が示す帯域に対応する入力スペクトルX1(k)に対して、サブバンド毎に形状量子化を行う。具体的には、形状符号化部302はL個の各サブバンド毎に、SQ個の形状コードベクトルからなる内蔵の形状コードブックを探索して、下記の式(6)の評価尺度Shape_q(i)が最大となる形状コードベクトルのインデックスを求める。
Figure 2011058758
この式において、SC は形状コードブックを構成する形状コードベクトルを示し、iは形状コードベクトルのインデックスを示し、kは形状コードベクトルの要素のインデックスを示す。
形状符号化部302は、上記の式(6)の評価尺度Shape_q(i)が最大となる形状コードベクトルのインデックスS_maxを第1レイヤ形状符号化情報として多重化部305に出力する。また、形状符号化部302は、下記の式(7)に従い、理想利得Gain_i(j)を算出し、算出した理想利得Gain_i(j)を利得符号化部304に出力する。
Figure 2011058758
適応予測判定部303は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおける第1レイヤ帯域情報を記憶する。以下では、適応予測判定部303が、過去の1フレーム分の帯域情報を記憶するバッファを内蔵している場合を例に挙げて説明する。
適応予測判定部303には、第2レイヤ符号化部205から、時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部303には、第3レイヤ符号化部208から、時間的に1つ前の処理フレームにおける第3レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部303は、まず、過去のフレームにおける第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報、第3レイヤ帯域情報、および現フレームにおける第1レイヤ帯域情報を用いて、過去のフレームの量子化対象帯域と現フレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。
次に、適応予測判定部303は、共通のサブバンドの数が所定値以上の場合は、予測符号化を行うと判定し、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合は、予測符号化を行わないと判定する。具体的には、適応予測判定部303は、時間的に1つ前の処理フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1t−1とする)、第2レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M2t−1とする)、および第3レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M3t−1とする)の和集合のサブバンド群(集合M123t−1とする)と、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すL個のサブバンド(集合M1とする)とを比較する。
ここで、上記集合M123t−1は、集合M1t−1、集合M2t−1、および集合M3t−1を用いて、以下の式(8)のように表せる。
Figure 2011058758
そして、適応予測判定部303は、共通のサブバンドの数がP個以上の場合、予測符号化を行うと判定し、Flag_PRE=1に設定する。一方、適応予測判定部303は、共通のサブバンドの数がP個未満の場合、予測符号化を行わないと判定し、Flag_PRE=0に設定する。
このようにして、適応予測判定部303は、M1およびM123t−1に含まれるサブバンドのうち、共通するサブバンドの数に基づいて、予測情報Flag_PREの値を上記のように設定する。これにより、量子化方法が適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替えられる。
次に、適応予測判定部303は、判定結果を示す情報として予測情報(Flag_PRE)を利得符号化部304および多重化部305に出力する。次いで、適応予測判定部303は、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報、および3レイヤ帯域情報を用いて、内蔵のバッファを更新する。
利得符号化部304は、内部バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。
利得符号化部304には、形状符号化部302から理想利得が入力される。また、利得符号化部304には、適応予測判定部303から、予測情報(Flag_PRE)が入力される。また、利得符号化部304には、第2レイヤ符号化部205および第3レイヤ符号化部208から、第2レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ利得符号化情報が入力される。
利得符号化部304は、予測情報(Flag_PRE)に応じて、量子化方法を適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE=1の場合]
この場合、利得符号化部304は、予測符号化を行う。すなわち、利得符号化部304は、内蔵のバッファに記憶されている時間的に3つ前までの処理フレームにおいて量子化された量子化利得、第2レイヤ利得符号化情報、および第3レイヤ利得符号化情報を用いて、現フレームの利得を予測することにより、現フレームの量子化利得を生成する。具体的には、利得符号化部304は、L個の各サブバンド毎に、GQ個の利得コードベクトルからなる内蔵の利得コードブックを探索して、下記の式(9)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスを求める。
Figure 2011058758
この式において、GC1 は第1レイヤ符号化部202における利得コードブックを構成する利得コードベクトルを示し、iは利得コードベクトルのインデックスを示し、jは利得コードベクトルの要素のインデックスを示す。例えば、リージョンを構成するサブバンド数が5の場合(L=5の場合)、jは0〜4の値を取る。また、サブバンドインデックスj”は、帯域選択部301で選択された帯域のうち先頭のサブバンドを示すインデックスである。ここで、C1 は時間的にtフレーム前に第1レイヤ符号化部202において量子化された利得を示す。例えば、t=1の場合、C1 は時間的に1フレーム前に第1レイヤ符号化部202において量子化された利得を示す。同様に、C2 およびC3 はそれぞれ時間的にtフレーム前に第2レイヤ符号化部205および第3レイヤ符号化部208において量子化された利得を示す。またα〜αは、利得符号化部304に記憶されている4次の線形予測係数である。なお、利得符号化部304は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに、過去フレームにおける量子化対象帯域の利得が存在しない場合、利得符号化部304は、式(9)において、内蔵のバッファに記憶されている利得のうち、現フレームにおける量子化対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE=0の場合]
この場合、利得符号化部304は、非予測符号化を行う。具体的には、利得符号化部304は、下記の式(10)に従い、形状符号化部302から入力される理想利得Gain_i(j)を直接量子化する。ここでも、利得符号化部304は、理想利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
Figure 2011058758
利得符号化部304は、上記の式(9)または式(10)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスG_minを、第1レイヤ利得符号化情報として多重化部305に出力する。
また、利得符号化部304は、現フレームで得られた第1レイヤ利得符号化情報G_min、第1レイヤ帯域情報、および量子化利得C1 、C2 、C3 を用いて、下記の式(11)に従い、内蔵のバッファを更新する。
Figure 2011058758
多重化部305は、第1レイヤ帯域情報、第1レイヤ形状符号化情報、第1レイヤ利得符号化情報、および予測情報を多重化して、第1レイヤ符号化情報を生成する。次に、多重化部305は、生成した第1レイヤ符号化情報を、第1レイヤ復号部203および符号化情報統合部209に出力する。
図5は、第1レイヤ復号部203の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第1レイヤ復号部203は、分離部501、形状復号部502、および利得復号部503を備える。
分離部501は、第1レイヤ符号化部202から出力される第1レイヤ符号化情報を、第1レイヤ帯域情報、第1レイヤ形状符号化情報、第1レイヤ利得符号化情報、および予測情報に分離する。分離部501は、得られる第1レイヤ帯域情報および第1レイヤ形状符号化情報を形状復号部502に出力し、第1レイヤ利得符号化情報および予測情報を利得復号部503に出力する。
形状復号部502は、分離部501から入力される第1レイヤ形状符号化情報を復号することにより、分離部501から入力される第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域に対応するMDCT係数の形状の値を求める。形状復号部502は、求めたMDCT係数の形状の値を利得復号部503に出力する。形状復号部502の処理の詳細は後述する。
利得復号部503には、第2レイヤ符号化部205から時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部503には、第3レイヤ符号化部208から時間的に1つ前の処理フレームにおける第3レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部503には、分離部501から第1レイヤ利得符号化情報および予測情報が入力される。また、利得復号部503には、形状復号部502から、MDCT係数の形状の値が入力される。
利得復号部503は、予測情報が予測復号を行うことを示す場合(つまり、Flag_PRE=1の場合)は、分離部501から入力される第1レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行って利得を得る。ここで、利得復号部503は、第2レイヤ利得符号化情報、第3レイヤ利得符号化情報、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得、および内蔵の利得コードブックを用いて、第1レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行う。
一方、利得復号部503は、予測情報が予測復号を行わないことを示す場合(つまり、Flag_PRE=0の場合)、内蔵の利得コードブックを用いて、第1レイヤ利得符号化情報をそのまま逆量子化して(つまり予測復号せずに)利得を得る。
利得復号部503は、得られる利得、および形状復号部502から入力される形状の値を用いて量子化対象帯域のMDCT係数を求め、求めたMDCT係数を第1レイヤ復号スペクトルとして加算部204に出力する。利得復号部503の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第1レイヤ復号部203は以下の動作を行う。
分離部501は、第1レイヤ符号化情報を、第1レイヤ帯域情報、第1レイヤ形状符号化情報、第1レイヤ利得符号化情報、および予測情報に分離する。次に、分離部501は、得られる第1レイヤ帯域情報、および第1レイヤ形状符号化情報を形状復号部502に出力し、第1レイヤ利得符号化情報、および予測情報を利得復号部503に出力する。
形状復号部502は、第1レイヤ符号化部202の形状符号化部302が備える形状コードブックと同様な形状コードブックを内蔵し、分離部501から入力される第1レイヤ形状符号化情報S_maxをインデックスとする形状コードベクトルを探索する。形状復号部502は、探索した形状コードベクトルを、分離部501から入力される第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のMDCT係数の形状の値として利得復号部503に出力する。ここでは、形状の値として探索された形状コードベクトルをShape_q(k)(k=B(j”),…,B(j”+L)−1)と記す。
利得復号部503は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた利得を記憶する。
利得復号部503は、予測情報(Flag_PRE)に応じて、逆量子化方法を適応的に予測復号方法または非予測復号方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE=1の場合]
この場合、利得復号部503は、予測復号する。すなわち、利得復号部503は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得を用いて、現フレームの利得を予測することにより逆量子化を行う。具体的には、利得復号部503は、第1レイヤ符号化部202の利得符号化部304と同様な利得コードブックを内蔵しており、下記の式(12)に従い、利得の逆量子化を行って利得Gain_q’を得る。
Figure 2011058758
ここで、C1” は時間的にtフレーム前の第1レイヤ復号部203において逆量子化された利得値を示す。例えば、t=1の場合、C1” は1フレーム前の第1レイヤ復号部203において逆量子化された利得を示す。同様に、C2” およびC3” はそれぞれ時間的にtフレーム前の第2レイヤ復号部206および第3レイヤ符号化部208において逆量子化された利得を示す。また、サブバンドインデックスj”は、第1レイヤ帯域情報が示す帯域のうち先頭のサブバンドを示すインデックスである。また、α〜αは、利得復号部503に記憶されている4次の線形予測係数である。利得復号部503は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに過去フレームの復号対象帯域における利得が存在しない場合、利得復号部503は、上記の式(12)において、内部バッファに記憶されている利得のうち、現フレームの復号対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE=0の場合]
この場合、利得復号部503は、非予測復号する。すなわち、利得復号部503は、上記の利得コードブックを用いて、下記の式(13)に従い利得を逆量子化する。ここでも、利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。すなわち、予測復号を行わない場合、利得復号部503は、第1レイヤ利得符号化情報G_minに対応する利得コードベクトルGC1 G_minを直接利得とする。
Figure 2011058758
次いで、利得復号部503は、現フレームの逆量子化で得られる利得、および形状復号部502から入力される形状の値を用いて、下記の式(14)に従い第1レイヤ復号スペクトル(復号MDCT係数)X1”(k)を算出する。なお、MDCT係数の逆量子化において、kがB(j”)〜B(j”+1)−1内に存在する場合、利得はGain_q’(j”)の値をとる。
Figure 2011058758
次に、利得復号部503は、下記の式(15)に従い内蔵のバッファを更新する。
Figure 2011058758
利得復号部503は、上記の式(14)に従い算出された第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を加算部204に出力する。
図6は、第2レイヤ符号化部205の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第2レイヤ符号化部205は、帯域選択部601、形状符号化部602、利得符号化部603、および多重化部604を備える。
帯域選択部601は、加算部204から入力される第1レイヤ差分スペクトルを複数のサブバンドに分割し、複数のサブバンドから量子化対象となる帯域(量子化対象帯域)を選択する。帯域選択部601は、選択した量子化対象帯域を示す帯域情報(第2レイヤ帯域情報)を形状符号化部602、多重化部604に出力する。なお、形状符号化部602への第1レイヤ差分スペクトルの入力は、加算部204から帯域選択部601への入力とは別に、加算部204から直接入力されるようにしても良い。帯域選択部601の処理の詳細は上述した帯域選択部301と同様であるため、説明を省略する。
形状符号化部602は、第1レイヤ差分スペクトルのうち、第2レイヤ帯域情報が示す帯域に対応するスペクトル(MDCT係数)を用いて形状情報の符号化を行って第2レイヤ形状符号化情報を生成する。次に、形状符号化部602は、生成した第2レイヤ形状符号化情報を多重化部604に出力する。また、形状符号化部602は、形状符号化時に算出される理想利得(利得情報)を利得符号化部603に出力する。形状符号化部602の処理の詳細は上述した形状符号化部302と同様であるため、説明を省略する。
利得符号化部603には、形状符号化部602から理想利得が入力される。利得符号化部603は、形状符号化部602から入力される理想利得をそのまま量子化して(つまり、予測を適用せずに量子化して)、第2レイヤ利得符号化情報を得る。利得符号化部603は、得られる第2レイヤ利得符号化情報を多重化部604に出力する。利得符号化部603の処理の詳細は、上述した利得符号化部304において、予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合(Flag_PRE=0)と同様の処理のため、ここでは説明を省略する。但し、利得符号化部603は、利得符号化部304の処理において用いられたGC1 を、GC2 に置き換えて処理する。ここで、GC2 は利得符号化部603が用いる利得コードブックを構成する利得コードベクトルである。
多重化部604は、第2レイヤ帯域情報、第2レイヤ形状符号化情報、および第2レイヤ利得符号化情報を多重化して第2レイヤ符号化情報を生成する。多重化部604は、第2レイヤ符号化情報を第2レイヤ復号部206および符号化情報統合部209に出力する。
以上が、第2レイヤ符号化部205の処理説明である。
図7は、第2レイヤ復号部206の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第2レイヤ復号部206は、分離部701、形状復号部702、および利得復号部703を備える。
分離部701は、第2レイヤ符号化部205から出力される第2レイヤ符号化情報を、第2レイヤ帯域情報、第2レイヤ形状符号化情報、および第2レイヤ利得符号化情報に分離する。分離部701は、得られる第2レイヤ帯域情報および第2レイヤ形状符号化情報を形状復号部702に出力し、第2レイヤ利得符号化情報を利得復号部703に出力する。
形状復号部702は、分離部701から入力される第2レイヤ形状符号化情報を復号することにより、分離部701から入力される第2レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域に対応する復号MDCT係数の形状の値を求める。形状復号部702は、求めた復号MDCT係数の形状の値を利得復号部703に出力する。形状復号部702の処理の詳細は、上述した形状復号部502と同様であるため、ここでは説明を省略する。
利得復号部703は、分離部701から入力される第2レイヤ利得符号化情報をそのまま逆量子化して(つまり、予測復号せずに逆量子化して)利得を得る。利得復号部703は、得られる利得、および形状復号部702から入力される復号MDCT係数の形状の値を用いて量子化対象帯域の復号MDCT係数を求める。利得復号部703は、求めた復号MDCT係数を第2レイヤ復号スペクトルとして加算部207に出力する。利得復号部703の処理の詳細は、上述した利得復号部503において、予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合(Flag_PRE=0)と同様の処理のため、ここでは説明を省略する。但し、利得復号部703は、利得復号部503の処理において用いられたGC1 を、GC2 に置き換えて処理する。ここで、GC2 は、利得復号部703が用いる利得コードブックを構成する利得コードベクトルである。
以上が、第2レイヤ復号部206の処理説明である。
第3レイヤ符号化部208の内部構成、および処理については、入出力される信号の名称が異なるという点以外は、第2レイヤ符号化部205の内部構成および処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、第3レイヤ符号化部208は、第2レイヤ符号化部205の処理において用いられたGC2 を、GC3 に置き換えて処理する。ここで、GC3 は、第3レイヤ符号化部208で用いる利得コードブックを構成する利得コードベクトルである。
以上が符号化装置101の処理説明である。
図8は、図1に示した復号装置103の内部の主要な構成を示すブロック図である。復号装置103は、一例として3つの復号階層(レイヤ)から成る階層復号装置とする。ここでは、符号化装置101側と同様、ビットレートの低い方から順に、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤと呼ぶことにする。
符号化情報分離部801は、伝送路102を介して符号化装置101から送られる符号化情報を入力とし、符号化情報を各レイヤの符号化情報に分離し、それぞれの復号処理を担当する復号部に出力する。具体的には、符号化情報分離部801は、符号化情報中に含まれる第1レイヤ符号化情報を第1レイヤ復号部802に出力する。また、符号化情報分離部801は、符号化情報中に含まれる第2レイヤ符号化情報を第2レイヤ復号部803に出力する。符号化情報分離部801は、符号化情報中に含まれる第3レイヤ符号化情報を第3レイヤ復号部804に出力する。
第1レイヤ復号部802は、符号化情報分離部801から入力される第1レイヤ符号化情報を復号して第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を生成し、生成した第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を加算部806に出力する。第1レイヤ復号部802の処理は、上述した第1レイヤ復号部203の処理と同一であるためここでは説明を省略する。
第2レイヤ復号部803は、符号化情報分離部801から入力される第2レイヤ符号化情報を復号して第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)を生成し、生成した第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)を加算部805に出力する。また、第2レイヤ復号部803は、第2レイヤ符号化情報に含まれる第2レイヤ利得符号化情報および第2レイヤ帯域情報を、第1レイヤ復号部802に出力する。第2レイヤ復号部803の処理は、上述した第2レイヤ復号部206の処理と同一であるためここでは説明を省略する。
第3レイヤ復号部804は、符号化情報分離部801から入力される第3レイヤ符号化情報を復号して第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を生成し、生成した第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を加算部805に出力する。また、第3レイヤ復号部804は、第3レイヤ符号化情報に含まれる第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ帯域情報を、第1レイヤ復号部802に出力する。第3レイヤ復号部804の処理は、上述した第2レイヤ復号部206の処理と同一であるためここでは説明を省略する。但し、第3レイヤ復号部804は、第2レイヤ復号部206の処理において用いられたGC2 を、GC3 に置き換えて処理する。ここで、GC3 は、第3レイヤ復号部804で用いる利得コードブックを構成する利得コードベクトルである。
加算部805には、第2レイヤ復号部803から第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)が入力される。また、加算部805には、第3レイヤ復号部804から第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)が入力される。加算部805は、入力された第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)および第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を加算し、加算したスペクトルを第1加算スペクトルX4”(k)として加算部806に出力する。
加算部806には、加算部805から第1加算スペクトルX4”(k)が入力される。また、加算部806には、第1レイヤ復号部802から第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)が入力される。加算部806は、入力された第1加算スペクトルX4”(k)および第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を加算し、加算したスペクトルを第2加算スペクトルX5”(k)として直交変換処理部807に出力する。
直交変換処理部807は、まず下記の式(16)に従い内蔵のバッファbuf’(k)を「0」値に初期化する。
Figure 2011058758
直交変換処理部807は、第2加算スペクトルX5”(k)を入力とし、下記の式(17)に従い、出力信号y”(n)を求める。
Figure 2011058758
この式において、X6(k)は、第2加算スペクトルX5”(k)とバッファbuf’(k)とを結合させたベクトルであり、下記の式(18)を用いて求められる。
Figure 2011058758
次いで、直交変換処理部807は、下記の式(19)に従いバッファbuf’(k)を更新する。
Figure 2011058758
直交変換処理部807は、出力信号y”(n)を出力する。
以上が、復号装置103の処理説明である。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
このように、本実施の形態によれば、第1レイヤ符号化部202は、時間的に前の処理フレームにおける各レイヤの符号化結果に基づいて、現レイヤの符号化方法を切り替える。これにより、符号化装置101が符号化対象とする帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化方式を用いる場合に、現フレームの周波数パラメータの符号化効率を向上させ、その結果、復号信号の品質を改善することができる。
なお、本実施の形態では、最下位レイヤである第1レイヤ符号化部202のみ適応予測判定部303を備え、第1レイヤ利得情報の符号化/復号に対して予測符号化/復号を適用するかどうかを切り替える構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られない。すなわち、上位レイヤの第2レイヤ符号化部205、および第3レイヤ符号化部208が、適応予測判定部303を備える構成についても、本発明を同様に適用できる。第2レイヤ以降においても、適応的に予測符号化/復号処理を行うことにより、より精度よく周波数パラメータを符号化することができる。但し、演算量を大幅には増やさずに符号化効率を上げるためには、本実施の形態で説明したように、一部のレイヤ(例えば最下位レイヤ)においてのみ、適応的な予測符号化/復号処理を行うという構成は有効である。
なお、本実施の形態では、第1レイヤ符号化部202が予測情報を算出し、これを伝送する構成について説明した。そして、本実施の形態では、適応予測判定部303が、時間的に1つ前の処理フレームにおいて量子化された帯域情報と、現フレームにおいて選択された帯域情報とを用いて予測情報を設定した。ここで、帯域情報および予測情報は、復号装置103においても同様の処理を行うことにより算出することが可能である。したがって、上記判定方法を採る構成に対しては、予測情報を符号化装置101から復号装置103へ伝送しなくともよい。なお、この場合には、第1レイヤ復号部802に対して、第2レイヤ帯域情報、および第3レイヤ帯域情報を別途入力する必要がある。また、第1レイヤ復号部802に、第1レイヤ符号化部202と同様に適応予測判定部303を設け、予測情報を設定する必要がある。但し、復号装置103での予測情報を設定するための演算量を削減するためには、本実施の形態に説明したように、予測情報を伝送する構成が有効である。
なお、本実施の形態では、適応予測判定部303が、時間的に1つ前の処理フレームにおいて量子化された帯域情報と、現フレームにおいて選択された帯域情報とを用いて予測情報を判定した。本発明はこれに限られず、適応予測判定部303が、時間的に二つ以上前の処理フレームにおいて量子化された帯域情報を利用する構成に対しても同様に適用できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、全階層(レイヤ)の符号化部/復号部が、理想利得(利得情報)の適応予測符号化/復号方式を適用する構成について説明する。なお、本実施の形態で説明する適応予測符号化方式は、実施の形態1で説明した適応予測符号化方式とは、予測に用いる過去のフレームの情報が一部異なる。
実施の形態2に係る通信システム(図示せず)は、図1に示した通信システムと基本的に同様であり、符号化装置/復号装置の構成および動作の一部のみにおいて、符号化装置101および復号装置103と相違する。以下、本実施の形態に係る通信システムにおける符号化装置および復号装置に対しそれぞれ符号「111」、「113」を付し、説明を行う。
図9は、図1に示した符号化装置111の内部の主要な構成を示すブロック図である。符号化装置111は、一例として3つの符号化階層(レイヤ)から成る階層符号化装置とする。ここで、ビットレートの低い方から順に、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤと呼ぶことにする。なお、符号化装置111において、第1レイヤ符号化部212、第1レイヤ復号部213、第2レイヤ符号化部215、第2レイヤ復号部216、および第3レイヤ符号化部218以外の構成要素については、実施の形態1の符号化装置101の構成要素と同一であるため、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
第1レイヤ符号化部212には、直交変換処理部201から入力スペクトルX1(k)が入力される。第1レイヤ符号化部212は、入力スペクトルX1(k)を符号化し、第1レイヤ符号化情報を生成する。次に、第1レイヤ符号化部212は、生成した第1レイヤ符号化情報を第1レイヤ復号部213、および符号化情報統合部209に出力する。なお、第1レイヤ符号化部212の詳細については後述する。
第1レイヤ復号部213は、第1レイヤ符号化部212から入力される第1レイヤ符号化情報を復号し、第1レイヤ復号スペクトルを算出する。次に、第1レイヤ復号部213は、生成した第1レイヤ復号スペクトルを加算部204に出力する。また、第1レイヤ復号部213は、第1レイヤ符号化情報を復号する際に得られる理想利得(利得情報)を第2レイヤ符号化部215および第3レイヤ符号化部218に出力する。なお、第1レイヤ復号部213の詳細については後述する。
第2レイヤ符号化部215は、加算部204から入力される第1レイヤ差分スペクトルを用いて第2レイヤ符号化情報を生成し、生成した第2レイヤ符号化情報を第2レイヤ復号部216、および符号化情報統合部209に出力する。なお、第2レイヤ符号化部215の詳細については後述する。
第2レイヤ復号部216は、第2レイヤ符号化部215から入力される第2レイヤ符号化情報を復号し、第2レイヤ復号スペクトルを算出する。次に、第2レイヤ復号部216は、生成した第2レイヤ復号スペクトルを加算部207に出力する。また、第2レイヤ復号部215は、第2レイヤ符号化情報を復号する際に得られる理想利得(利得情報)を、第3レイヤ符号化部218に出力する。なお、第2レイヤ復号部216の詳細については後述する。
第3レイヤ符号化部218は、加算部207から入力される第2レイヤ差分スペクトルを用いて第3レイヤ符号化情報を生成し、生成した第3レイヤ符号化情報を符号化情報統合部209に出力する。なお、第3レイヤ符号化部218の詳細については後述する。
図10は、第1レイヤ符号化部212の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第1レイヤ符号化部212は、帯域選択部301、形状符号化部302、適応予測判定部313、利得符号化部314、および多重化部305を備える。ここで、適応予測判定部313、利得符号化部314以外の構成要素については、実施の形態1の第1レイヤ符号化部202内の構成要素と同一であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
適応予測判定部313には、帯域選択部301から第1レイヤ帯域情報が入力される。適応予測判定部313は、内部バッファを有し、過去に帯域選択部301から入力される第1レイヤ帯域情報を記憶する。
適応予測判定部313は、入力される第1レイヤ帯域情報を用いて現フレームの量子化対象帯域と過去のフレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。共通のサブバンドの数が予め定められた所定値以上の場合、適応予測判定部313は、第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行うと判定する。一方、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合、適応予測判定部313は、第1レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行わない(つまり、予測を適用しない符号化を行う)と判定する。
適応予測判定部313は、判定結果を第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)として利得符号化部314および多重化部305に出力する。ここで、適応予測判定部313は、予測を行うと判定した場合には、第1レイヤ予測情報Flag_PRE1の値を1とし、予測を行わないと判定した場合には、第1レイヤ予測情報Flag_PRE1の値を0とする。適応予測判定部313の処理の詳細は後述する。
利得符号化部314には、形状符号化部302から理想利得が入力される。また、利得符号化部314には、適応予測判定部313から、第1レイヤ予測情報が入力される。
利得符号化部314は、第1レイヤ予測情報が予測符号化を行うという判定結果を示す場合には、形状符号化部302から入力される理想利得に対して予測符号化を行って、第1レイヤ利得符号化情報を得る。このとき、利得符号化部314は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの量子化利得、および内蔵の利得コードブックを用いて、理想利得に対して予測符号化を行って、第1レイヤ利得符号化情報を得る。
一方、利得符号化部314は、第1レイヤ予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合には、形状符号化部302から入力される理想利得をそのまま量子化して(つまり、予測を適用せずに量子化して)、第1レイヤ利得符号化情報を得る。
利得符号化部314は、得られる第1レイヤ利得符号化情報を多重化部305に出力する。利得符号化部314の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第1レイヤ符号化部212は以下の動作を行う。ただし、適応予測判定部313、および利得符号化部314以外の処理については、実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
適応予測判定部313には、帯域選択部301から、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部313は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおける第1レイヤ帯域情報を記憶する。以下では、適応予測判定部313が、過去の1フレーム分の第1レイヤ帯域情報を記憶するバッファを内蔵している場合を例に挙げて説明する。
適応予測判定部313は、まず、過去のフレームにおける第1レイヤ帯域情報、および現フレームにおける第1レイヤ帯域情報を用いて、過去のフレームの量子化対象帯域と現フレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。
次に、適応予測判定部313は、共通のサブバンドの数が所定値以上の場合は、予測符号化を行うと判定し、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合は予測符号化を行わないと判定する。具体的には、適応予測判定部313は、時間的に1つ前の処理フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1t−1とする)と、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すL個のサブバンドとを比較(集合M1とする)する。
そして、適応予測判定部313は、共通のサブバンドの数がP個以上の場合、予測符号化を行うと判定し、Flag_PRE1=1に設定する。一方、適応予測判定部313は、共通のサブバンドの数がP個未満の場合、予測符号化を行わないと判定し、Flag_PRE1=0に設定する。
このようにして、適応予測判定部313は、M1およびM1t−1に含まれるサブバンドのうち、共通するサブバンドの数に基づいて、第1レイヤ予測情報Flag_PRE1の値を上記のように設定する。これにより、量子化方法が適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替えられる。
次に、適応予測判定部313は、判定結果を示す情報として第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)を利得符号化部314および多重化部305に出力する。次いで、適応予測判定部313は、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報を用いて、内蔵のバッファを更新する。
利得符号化部314には、形状符号化部302から理想利得が入力される。また、利得符号化部314には、適応予測判定部313から、第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)が入力される。
利得符号化部314は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。
利得符号化部314は、第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)に応じて、量子化方法を適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE1=1の場合]
この場合、利得符号化部314は、予測符号化を行う。すなわち、利得符号化部314は、内蔵のバッファに記憶されている時間的に3つ前までの処理フレームにおいて量子化された量子化利得、および第1レイヤ利得符号化情報を用いて、現フレームの利得を予測することにより、現フレームの量子化利得を生成する。具体的には、利得符号化部314は、L個の各サブバンド毎に、GQ個の利得コードベクトルからなる内蔵の利得コードブックを探索して、下記の式(20)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスを求める。
Figure 2011058758
この式において、GC1 は第1レイヤ符号化部212における利得コードブックを構成する利得コードベクトルを示し、iは利得コードベクトルのインデックスを示し、jは利得コードベクトルの要素のインデックスを示す。例えば、リージョンを構成するサブバンド数が5の場合(L=5の場合)、jは0〜4の値を取る。ここで、C1 は時間的にtフレーム前に第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。例えば、t=1の場合、C1 は時間的に1フレーム前に第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。また、α〜αは、利得符号化部314に記憶されている4次の線形予測係数である。なお、利得符号化部314は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに、過去フレームにおける量子化対象帯域の利得が存在しない場合、利得符号化部314は、上記の式(20)において、内蔵のバッファに記憶される利得のうち、現フレームにおける量子化対象に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE1=0の場合]
この場合、利得符号化部314は、非予測符号化を行う。具体的には、利得符号化部314は、上述の式(10)に従い、形状符号化部302から入力される理想利得Gain_i(j)を直接量子化する。ここでも、利得符号化部314は、理想利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
利得符号化部314は、上記の式(20)または式(10)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスG_minを、第1レイヤ利得符号化情報として多重化部305に出力する。
また、利得符号化部314は、現フレームで得られた第1レイヤ利得符号化情報G_minおよび量子化利得C1 を用いて、下記の式(21)に従い、内蔵のバッファを更新する。
Figure 2011058758
図11は、第1レイヤ復号部213の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第1レイヤ復号部213は、分離部501、形状復号部502、および利得復号部513を備える。ここで、利得復号部513以外の構成要素については、実施の形態1で説明した第1レイヤ復号部203の構成要素と同一であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。但し、本実施の形態における分離部501は、分離した第1レイヤ帯域情報、および第1レイヤ利得符号化情報を、第2レイヤ符号化部215および第3レイヤ符号化部218に出力する点のみ、実施の形態1における分離部501と異なる。
利得復号部513には、分離部501から第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)が入力される。また、利得復号部513には、形状復号部502から、MDCT係数の形状の値が入力される。
利得復号部513は、第1レイヤ予測情報が予測復号を行うことを示す場合(つまり、Flag_PRE1=1の場合)は、分離部501から入力される利得符号化情報に対し予測復号を行って利得を得る。ここで、利得復号部513は、第1レイヤ利得符号化情報、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得、および内蔵の利得コードブックを用いて、第1レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行う。
一方、利得復号部513は、第1レイヤ予測情報が予測復号を行わないことを示す場合(つまり、Flag_PRE1=0の場合)、内蔵の利得コードブックを用いて、第1レイヤ利得符号化情報をそのまま逆量子化して(つまり予測復号せずに)利得を得る。
利得復号部513は、得られる利得、および形状復号部502から入力される形状の値を用いて量子化対象帯域のMDCT係数を求め、求めたMDCT係数を第1レイヤ復号スペクトルとして加算部204に出力する。利得復号部513の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第1レイヤ復号部213は以下の動作を行う。なお、ここでは、利得復号部513の処理のみ説明する。
利得復号部513は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。
利得復号部513は、第1レイヤ予測情報(Flag_PRE1)に応じて、逆量子化方法を適応的に予測復号方法または非予測復号方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE1=1の場合]
この場合、利得復号部513は、予測復号する。すなわち、利得復号部513は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得を用いて、現フレームの利得を予測することにより逆量子化を行う。具体的には、利得復号部513は、第1レイヤ符号化部212の利得符号化部314と同様な利得コードブックを内蔵しており、下記の式(22)に従い、利得の逆量子化を行って利得Gain_q’を得る。
Figure 2011058758
ここで、C1” は時間的にtフレーム前の第1レイヤ復号部213において逆量子化された利得の値を示す。例えば、t=1の場合、C1” は1フレーム前の第1レイヤ復号部213にて逆量子化された利得を示す。また、α〜αは利得復号部513に記憶されている4次の線形予測係数である。利得復号部513は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに過去フレームの復号対象帯域における利得が存在しない場合、利得復号部513は、上記の式(22)において、内部バッファに記憶されている利得のうち、現フレームの復号対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE1=0の場合]
この場合、利得復号部513は、非予測復号する。すなわち、利得復号部513は、上記の利得コードブックを用いて、式(13)に従い利得値を逆量子化する。ここでも、利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。すなわち、予測復号を行わない場合、利得復号部513は、第1レイヤ利得符号化情報G_minに対応する利得コードベクトルGC1 G_minを直接利得とする。
次いで、利得復号部513は、現フレームの逆量子化で得られる利得、および形状復号部502から入力される形状の値を用いて、式(14)に従い第1レイヤ復号スペクトル(復号MDCT係数)X1”(k)を算出する。なお、MDCT係数の逆量子化において、kがB(j”)〜B(j”+1)−1内に存在する場合、利得はGain_q’(j”)の値をとる。
次に、利得復号部513は、式(21)に従い内蔵のバッファを更新する。
利得復号部513は、式(14)に従い算出された第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を加算部204に出力する。
図12は、第2レイヤ符号化部215の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第2レイヤ符号化部215は、帯域選択部601、形状符号化部602、適応予測判定部613、利得符号化部614、および多重化部604を備える。ここで、適応予測判定部613、および利得符号化部614以外の構成要素については、実施の形態1における第2レイヤ符号化部205内の構成要素と同一であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。
適応予測判定部613は、内部バッファを有し、過去に帯域選択部601および第1レイヤ復号部213から入力される帯域情報(第1レイヤ帯域情報および第2レイヤ帯域情報)を記憶する。適応予測判定部613には、第1レイヤ復号部213から、第1レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部613には、帯域選択部601から、第2レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部613は、入力される各帯域情報(第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報)を用いて現フレームの量子化対象帯域と過去のフレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。
共通のサブバンドの数が予め定められた所定値以上の場合には、適応予測判定部613は、第2レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行うと判定する。一方、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合には、適応予測判定部613は、第2レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行わない(つまり、予測を適用しない符号化を行う)と判定する。
適応予測判定部613は、判定結果を第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)として利得符号化部614および多重化部604に出力する。ここで、適応予測判定部613は、予測を行うと判定した場合には、Flag_PRE2の値を1とし、予測を行わないと判定した場合にはFlag_PRE2の値を0とする。適応予測判定部613の処理の詳細は後述する。
利得符号化部614は、内部バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。
利得符号化部614には、形状符号化部602から理想利得が入力される。また、利得符号化部614には、第1レイヤ復号部213から第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得符号化部614には、適応予測判定部613から、第2レイヤ予測情報が入力される。
利得符号化部614は、第2レイヤ予測情報が予測符号化を行うという判定結果を示す場合には、形状符号化部602から入力される理想利得に対して予測符号化を行って、第2レイヤ利得符号化情報を得る。このとき、利得符号化部614は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの量子化利得、内蔵の利得コードブック、および第1レイヤ利得符号化情報を用いて、理想利得に対して予測符号化を行う。
一方、利得符号化部614は、第2レイヤ予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合には、形状符号化部602から入力される理想利得をそのまま量子化する(つまり、予測を適用せずに量子化する)。
利得符号化部614は、得られる第2レイヤ利得符号化情報を多重化部604に出力する。利得符号化部614の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第2レイヤ符号化部215は以下の動作を行う。なお、ここでは、適応予測判定部613および利得符号化部614の処理のみ説明する。
適応予測判定部613は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおける第2レイヤ帯域情報、および第1レイヤ帯域情報を記憶する。以下では、適応予測判定部613が、過去の1フレーム分の帯域情報を記憶するバッファを内蔵している場合を例に挙げて説明する。
適応予測判定部613には、第1レイヤ復号部213から、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部613は、まず、過去のフレームにおける第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報(これらは内蔵バッファに記憶されている)、および現フレームにおける第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報を用いて、過去のフレームの量子化対象帯域と現フレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。
次に、適応予測判定部613は、共通のサブバンドの数が所定値以上の場合は、予測符号化を行うと判定し、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合は、予測符号化を行わないと判定する。具体的には、適応予測判定部613は、時間的に1つ前の処理フレームにおける第2レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M2t−1とする)および第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1t−1とする)の和集合のサブバンド群(集合M12t−1とする)と、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1とする)および第2レイヤ帯域情報が示すL個のサブバンド(集合M2とする)の和集合のサブバンド群(集合M12とする)と、を比較する。
ここで、上記集合M12t−1は、集合M1t−1および集合M2t−1を使って、以下の式(23)のように表せる。また、集合M12は、集合M1および集合M2を使って、以下の式(24)のように表せる。
Figure 2011058758
Figure 2011058758
そして、適応予測判定部613は、共通のサブバンドの数がP個以上の場合、予測符号化を行うと判定し、Flag_PRE2=1に設定する。一方、適応予測判定部613は、共通のサブバンドの数がP個未満の場合、予測符号化を行わないと判定し、Flag_PRE2=0に設定する。
このようにして、適応予測判定部613は、M12t−1およびM12に含まれるサブバンドのうち、共通するサブバンドの数に基づいて、第2レイヤ予測情報Flag_PRE2の値を上記のように設定する。これにより、量子化方法が適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替えられる。
次に、適応予測判定部613は、判定結果を示す情報として第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)を利得符号化部614および多重化部604に出力する。次いで、適応予測判定部613は、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報、および第2レイヤ帯域情報を用いて、内蔵のバッファを更新する。
利得符号化部614は、内部バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。また、利得符号化部614には、第1レイヤ復号部213から、第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得符号化部614には、適応予測判定部613から、第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)が入力される。
利得符号化部614は、第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)に応じて、量子化方法を適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE2=1の場合]
この場合、利得符号化部614は、予測符号化を行う。すなわち、利得符号化部614は、内蔵のバッファに記憶されている時間的に3つ前までの処理フレームにおいて量子化された量子化利得および時間的に3つ前までの処理フレームにおける第1レイヤ利得符号化情報を用いて、現フレームの利得を予測することにより、現フレームの量子化利得を生成する。具体的には、利得符号化部614は、L個の各サブバンド毎に、GQ個の利得コードベクトルからなる内蔵の利得コードブックを探索して、下記の式(25)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスを求める。
Figure 2011058758
この式において、GC2 は第2レイヤ符号化部215における利得コードブックを構成する利得コードベクトルを示し、iは利得コードベクトルのインデックスを示し、jは利得コードベクトルの要素のインデックスを示す。例えば、リージョンを構成するサブバンド数が5の場合(L=5の場合)、jは0〜4の値を取る。
ここで、C1 は時間的にtフレーム前に第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。例えば、t=1の場合、C1 は時間的に1フレーム前に第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。同様に、C2 は時間的にtフレーム前の第2レイヤ符号化部215にて量子化された利得を示す。またα〜αは、利得符号化部614に記憶されている4次の線形予測係数である。なお、利得符号化部614は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに、過去フレームにおける量子化対象帯域の利得が存在しない場合、利得符号化部614は、上記の式(25)において、内蔵のバッファに記憶されている利得のうち、現フレームにおける量子化対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE2=0の場合]
この場合、利得符号化部614は、非予測符号化を行う。具体的には、利得符号化部614は、下記の式(26)に従い、形状符号化部602から入力される理想利得Gain_i(j)を直接量子化する。ここでも、利得符号化部614は、理想利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
Figure 2011058758
利得符号化部614は、上記の式(25)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスG_minを、第2レイヤ利得符号化情報として多重化部604に出力する。
また、利得符号化部614は、現フレームで得られた第2レイヤ利得符号化情報G_minおよび量子化利得C1 、C2 を用いて、下記の式(27)に従い、内蔵のバッファを更新する。
Figure 2011058758
図13は、第2レイヤ復号部216の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第2レイヤ復号部216は、分離部701、形状復号部702、および利得復号部713を備える。ここで、利得復号部713以外の構成要素については、実施の形態1で説明した第2レイヤ復号部206の構成要素と同一であるため、同一の符号を付し、説明を省略する。但し、本実施の形態における分離部701は、分離した第2レイヤ帯域情報、および第2レイヤ利得符号化情報を、第3レイヤ符号化部218に出力する点のみ、実施の形態1における分離部701と異なるものとする。
利得復号部713には、分離部701から第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)および第2レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部713には、形状復号部702から、MDCT係数の形状の値が入力される。
利得復号部713は、第2レイヤ予測情報が予測復号を行うことを示す場合(つまり、Flag_PRE2=1の場合)は、分離部701から入力される利得符号化情報に対し予測復号を行って利得を得る。ここで、利得復号部713は、第2レイヤ利得符号化情報、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得、および内蔵の利得コードブックを用いて、第2レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行う。
一方、利得復号部713は、第2レイヤ予測情報が予測復号を行わないことを示す場合(つまり、Flag_PRE2=0の場合)、内蔵の利得コードブックを用いて、第2レイヤ利得符号化情報をそのまま逆量子化して(つまり予測復号せずに)利得を得る。利得復号部713は、得られる利得、および形状復号部702から入力される形状の値を用いて量子化対象帯域のMDCT係数を求め、求めたMDCT係数を第2レイヤ復号スペクトルとして加算部207に出力する。
上記のような構成を有する第2レイヤ復号部216は以下の動作を行う。なお、ここでは、利得復号部713の処理のみ説明する。
利得復号部713は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた利得を記憶する。
利得復号部713は、第2レイヤ予測情報(Flag_PRE2)に応じて、逆量子化方法を適応的に予測復号方法または非予測復号方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE2=1の場合]
この場合、利得復号部713は、予測復号する。すなわち、利得復号部713は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得を用いて、現フレームの利得を予測することにより逆量子化を行う。具体的には、利得復号部713は、第2レイヤ符号化部215の利得符号化部614と同様な利得コードブックを内蔵しており、下記の式(28)に従い、利得の逆量子化を行って利得Gain_q’を得る。
Figure 2011058758
ここで、C1” は時間的にtフレーム前の第1レイヤ復号部213において逆量子化された利得の値を示す。例えば、t=1の場合、C1” は1フレーム前の第1レイヤ復号部213において逆量子化された利得を示す。また、C2” は同様に第2レイヤ復号部215にて逆量子化された利得の値を示す。また、α〜αは利得復号部713に記憶されている4次の線形予測係数である。利得復号部713は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに過去フレームの復号対象帯域における利得の値が存在しない場合、利得復号部713は、上記の式(28)において、内部バッファに記憶されている利得のうち、現フレームの復号対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE2=0の場合]
この場合、利得復号部713は、非予測復号する。すなわち、利得復号部713は、上記の利得コードブックを用いて、下記の式(29)に従い利得値を逆量子化する。ここでも、利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。すなわち、予測復号を行わない場合は、利得復号部713は、第2レイヤ利得符号化情報G_minに対応する利得コードベクトルGC2 G_minを直接利得とする。
Figure 2011058758
次いで、利得復号部713は、現フレームの逆量子化で得られる利得、および形状復号部702から入力される形状の値を用いて、下記の式(30)に従い第2レイヤ復号スペクトル(復号MDCT係数)X2”(k)を算出する。なお、MDCT係数の逆量子化において、kがB(j”)〜B(j”+1)−1内に存在する場合、利得はGain_q’(j”)の値をとる。
Figure 2011058758
次に、利得復号部713は、式(27)に従い内蔵のバッファを更新する。
利得復号部713は、式(30)に従い算出された第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)を加算部207に出力する。
図14は、第3レイヤ符号化部218の主要な構成を示すブロック図である。
この図において、第3レイヤ符号化部218は、帯域選択部1401、形状符号化部1402、適応予測判定部1403、利得符号化部1404、および多重化部1405を備える。ここで、帯域選択部1401、形状符号化部1402、および多重化部1405については、入出力される情報の名称が異なるという点以外は、実施の形態1における第2レイヤ符号化部205内の各構成要素と同一であるため、説明を省略する。
適応予測判定部1403には、帯域選択部1401から第3レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部1403には、第1レイヤ復号部213から、第1レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部1403には、第2レイヤ復号部216から、第2レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部1403は、内部バッファを有し、過去に帯域選択部1401、第1レイヤ復号部213、および第2レイヤ復号部216から入力される帯域情報(第3レイヤ帯域情報、第1レイヤ帯域情報、および第2レイヤ帯域情報)を記憶する。
適応予測判定部1403は、入力される各帯域情報(第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報、第3レイヤ帯域情報)を用いて現フレームの量子化対象帯域と過去のフレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。共通のサブバンドの数が予め定められた所定値以上の場合、適応予測判定部1403は、第3レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行うと判定する。一方、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合、適応予測判定部1403は、第3レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域のスペクトル(MDCT係数)に対して予測符号化を行わない(つまり、予測を適用しない符号化を行う)と判定する。
適応予測判定部1403は、判定結果を第3レイヤ予測情報(Flag_PRE3)として利得符号化部1404および多重化部1405に出力する。ここで、適応予測判定部1403は、予測を行うと判定した場合には、Flag_PRE3の値を1とし、予測を行わない場合には、Flag_PRE3の値を0とする。適応予測判定部1403の処理の詳細は後述する。
利得符号化部1404には、形状符号化部1402から理想利得が入力される。また、利得符号化部1404には、適応予測判定部1403から、第3レイヤ予測情報が入力される。また、利得符号化部1404には、第1レイヤ復号部213から第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得符号化部1404には、第2レイヤ復号部216から第2レイヤ利得符号化情報が入力される。
利得符号化部1404は、第3レイヤ予測情報が予測符号化を行うという判定結果を示す場合には、形状符号化部1402から入力される理想利得に対して予測符号化を行って、第3レイヤ利得符号化情報を得る。このとき、利得符号化部1404は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの量子化利得、内蔵の利得コードブック、第1レイヤ利得符号化情報、および第2レイヤ利得符号化情報を用いて、理想利得に対して予測符号化を行って、第3レイヤ利得符号化情報を得る。
一方、利得符号化部1404は、第3レイヤ予測情報が予測符号化を行わないという判定結果を示す場合には、形状符号化部1402から入力される理想利得をそのまま量子化する(つまり、予測を適用せずに量子化する)。
利得符号化部1404は、得られる第3レイヤ利得符号化情報を多重化部1405に出力する。利得符号化部1404の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第3レイヤ符号化部218は以下の動作を行う。なお、ここでは、適応予測判定部1403および利得符号化部1404の処理のみ説明する。
適応予測判定部1403には、第1レイヤ復号部213から、第1レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部1403には、第2レイヤ復号部216から、第2レイヤ帯域情報が入力される。また、適応予測判定部1403には、帯域選択部1401から、第3レイヤ帯域情報が入力される。
適応予測判定部1403は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおける第3レイヤ帯域情報、第1レイヤ帯域情報、および第2レイヤ帯域情報を記憶する。ここでは、適応予測判定部1403が、過去の1フレーム分の帯域情報を記憶するバッファを内蔵している場合を例に挙げて説明する。
適応予測判定部1403は、まず、過去のフレームにおける第3レイヤ帯域情報、第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報(これらは内蔵バッファに記憶されている)、および現フレームにおける第3レイヤ帯域情報、第1レイヤ帯域情報、第2レイヤ帯域情報を用いて、過去のフレームの量子化対象帯域と現フレームの量子化対象帯域との間で共通のサブバンドの数を求める。
次に、適応予測判定部1403は、共通のサブバンドの数が所定値以上の場合は、予測符号化を行うと判定し、共通のサブバンドの数が所定値より小さい場合は、予測符号化を行わないと判定する。具体的には、適応予測判定部1403は、時間的に1つ前の処理フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1t−1とする)、第2レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M2t−1とする)、および第3レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M3t−1とする)の和集合のサブバンド群(集合M123t−1とする)と、現フレームにおける第1レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M1とする)、第2レイヤ帯域情報が示すサブバンド(集合M2とする)、および第3レイヤ帯域情報が示すL個のサブバンド(集合M3とする)の和集合のサブバンド群(集合M123とする)と、を比較する。
ここで、上記集合M123t−1は、集合M1t−1、集合M2t−1、および集合M3t−1を使って、以下の式(31)のように表せる。また、集合M123は、集合M1、集合M2、および集合M3を使って、以下の式(32)のように表せる。
Figure 2011058758
Figure 2011058758
そして、適応予測判定部1403は、共通のサブバンドの数がP個以上の場合、予測符号化を行うと判定し、Flag_PRE3=1に設定する。一方、適応予測判定部1403は、共通のサブバンドの数がP個未満の場合、予測符号化を行わないと判定し、Flag_PRE3=0に設定する。
このようにして、適応予測判定部1403は、M123t−1およびM123に含まれるサブバンドのうち、共通するサブバンドの数に基づいて、第3レイヤ予測情報Flag_PRE3の値を上記のように設定する。これにより、量子化方法が適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替えられる。
次に、適応予測判定部1403は、判定結果を示す情報として第3レイヤ予測情報(Flag_PRE3)を利得符号化部1404および多重化部1405に出力する。次いで、適応予測判定部1403は、現フレームにおける第3レイヤ帯域情報、第1レイヤ帯域情報、および第2レイヤ帯域情報を用いて、内蔵のバッファを更新する。
また、利得符号化部1404には、第1レイヤ復号部213から、第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得符号化部1404には、第2レイヤ復号部216から、第2レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得符号化部1404には、適応予測判定部1403から、第3レイヤ予測情報(Flag_PRE3)が入力される。
利得符号化部1404は、内部バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた量子化利得を記憶する。
利得符号化部1404は、第3レイヤ予測情報(Flag_PRE3)に応じて、量子化方法を適応的に予測符号化方法または非予測符号化方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE3=1の場合]
この場合、利得符号化部1404は、予測符号化を行う。すなわち、利得符号化部1404は、内蔵のバッファに記憶されている時間的に3つ前までの処理フレームにおいて第3レイヤ符号化部218にて量子化された量子化利得、時間的に3つ前までの処理フレームにおける第1レイヤ利得符号化情報、および時間的に3つ前までの処理フレームにおける第2レイヤ利得符号化情報を用いて、現フレームの利得を予測することにより、現フレームの量子化利得を生成する。具体的には、利得符号化部1404は、L個の各サブバンド毎に、GQ個の利得コードベクトルからなる内蔵の利得コードブックを探索して、下記の式(33)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスを求める。
Figure 2011058758
この式において、GC3 は第3レイヤ符号化部218における利得コードブックを構成する利得コードベクトルを示し、iは利得コードベクトルのインデックスを示し、jは利得コードベクトルの要素のインデックスを示す。例えば、リージョンを構成するサブバンド数が5の場合(L=5の場合)、jは0〜4の値を取る。
ここで、C1 は時間的にtフレーム前の第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。例えば、t=1の場合、C1 は時間的に1フレーム前の第1レイヤ符号化部212において量子化された利得を示す。同様に、C2 は時間的にtフレーム前の第2レイヤ符号化部215において量子化された利得を示す。同様に、C3 は時間的にtフレーム前の第3レイヤ符号化部218において量子化された利得を示す。またα〜αは、利得符号化部1404に記憶されている4次の線形予測係数である。なお、利得符号化部1404は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに、過去フレームにおける量子化対象帯域の利得が存在しない場合、利得符号化部1404は、上記の式(33)において、内蔵のバッファに記憶されている利得のうち、現フレームにおける量子化対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE3=0の場合]
この場合、利得符号化部1404は、非予測符号化を行う。具体的には、利得符号化部1404は、下記の式(35)に従い、形状符号化部1402から入力される理想利得Gain_i(j)を直接量子化する。ここでも、利得符号化部1404は、理想利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル量子化を行う。
Figure 2011058758
利得符号化部1404は、上記の式(33)または式(34)の二乗誤差Gain_q(i)が最小となる利得コードベクトルのインデックスG_minを、第3レイヤ利得符号化情報として多重化部1405に出力する。
また、利得符号化部1404は、現フレームで得られた第3レイヤ利得符号化情報および量子化利得C1 、C2 、C3 を用いて、下記の式(35)に従い、内蔵のバッファを更新する。
Figure 2011058758
以上が、符号化装置111の処理の説明である。
図15は、本実施の形態における復号装置113の内部の主要な構成を示すブロック図である。復号装置113は、一例として3つの復号階層(レイヤ)から成る階層復号装置とする。ここでは、符号化装置111側と同様、ビットレートの低い方から順に、第1レイヤ、第2レイヤ、第3レイヤと呼ぶことにする。なお、符号化装置111内の構成要素の内、第1レイヤ復号部812、第2レイヤ復号部813、および第3レイヤ復号部814以外の構成要素については、実施の形態1における復号装置103内の構成要素と同一であるため、ここでは説明を省略する。
第1レイヤ復号部812は、符号化情報分離部801から入力される第1レイヤ符号化情報を復号して第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を生成し、生成した第1レイヤ復号スペクトルX1”(k)を加算部806に出力する。第1レイヤ復号部812の処理は、符号化装置111内の第1レイヤ復号部213の処理と同一であるため、説明を省略する。
第2レイヤ復号部813は、符号化情報分離部801から入力される第2レイヤ符号化情報を復号して第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)を生成し、生成した第2レイヤ復号スペクトルX2”(k)を加算部805に出力する。第1レイヤ復号部812の処理は、符号化装置111内の第2レイヤ復号部216の処理と同一であるため、説明を省略する。
第3レイヤ復号部814は、符号化情報分離部801から入力される第3レイヤ符号化情報を復号して第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を生成し、生成した第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を加算部805に出力する。第3レイヤ復号部814の処理の詳細については後述する。
図16は、第3レイヤ復号部814の内部の主要な構成を示すブロック図である。第3レイヤ復号部814は、分離部1601、形状復号部1602、および利得復号部1603から主に構成される。
分離部1601は、符号化情報分離部801から出力される第3レイヤ符号化情報を、第3レイヤ帯域情報、第3レイヤ形状符号化情報、第3レイヤ利得符号化情報、および第3レイヤ予測情報に分離する。分離部1601は、得られる第3レイヤ帯域情報および第3レイヤ形状符号化情報を形状復号部1602に出力し、第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ予測情報を利得復号部1603に出力する。
形状復号部1602は、分離部1601から入力される第3レイヤ形状符号化情報を復号することにより、分離部1601から入力される第3レイヤ帯域情報が示す量子化対象帯域に対応するMDCT係数の形状の値を求める。形状復号部1602は、求めたDCT係数の形状の値を利得復号部1603に出力する。形状復号部1602の処理は、実施の形態1における形状復号部502と同一であるため、ここでは説明を省略する。
利得復号部1603には、分離部1601から第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ予測情報が入力される。また、利得復号部1603には、第1レイヤ復号部812から第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部1603には、第2レイヤ復号部813から第2レイヤ利得符号化情報が入力される。
利得復号部1603は、第3レイヤ予測情報が予測復号を行うことを示す場合(つまり、Flag_PRE3=1の場合)は、第3レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行って利得を得る。ここで、利得復号部1603は、第1レイヤ利得符号化情報、第2レイヤ利得符号化情報、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得、および内蔵の利得コードブックを用いて、第3レイヤ利得符号化情報に対し予測復号を行う。
一方、利得復号部1603は、第3レイヤ予測情報が予測復号を行わないことを示す場合(つまり、Flag_PRE=0の場合)、内蔵の利得コードブックを用いて、第3レイヤ利得符号化情報をそのまま逆量子化して(つまり予測復号せずに)利得を得る。
利得復号部1603は、得られる利得、および形状復号部1602から入力される形状の値を用いて量子化対象帯域のMDCT係数を求め、求めたMDCT係数を第3レイヤ復号スペクトルとして加算部805に出力する。利得復号部1603の処理の詳細は後述する。
上記のような構成を有する第3レイヤ復号部814は以下の動作を行う。
分離部1601は、第3レイヤ符号化情報を、第3レイヤ帯域情報、第3レイヤ形状符号化情報、第3レイヤ利得符号化情報、および第3レイヤ予測情報に分離する。次に、分離部1601は、得られる第3レイヤ帯域情報、および第3レイヤ形状符号化情報を形状復号部1602に出力し、第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ予測情報を利得復号部1603に出力する。
利得復号部1603は、内蔵バッファを有し、過去のフレームにおいて得られた利得を記憶する。また、利得復号部1603には、第1レイヤ復号部812から第1レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部1603には、第2レイヤ復号部813から第2レイヤ利得符号化情報が入力される。また、利得復号部1603には、分離部1601から第3レイヤ利得符号化情報および第3レイヤ予測情報が入力される。また、利得復号部1603には、形状復号部1602から、MDCT係数の形状の値が入力される。
利得復号部1603は、第3レイヤ予測情報(Flag_PRE3)に応じて、逆量子化方法を適応的に予測復号方法または非予測復号方法のいずれかの方法に切り替える。
[Flag_PRE3=1の場合]
この場合、利得復号部1603は、予測復号する。すなわち、利得復号部1603は、内蔵のバッファに記憶されている過去のフレームの利得を用いて、現フレームの利得を予測することにより逆量子化を行う。具体的には、利得復号部1603は、第3レイヤ符号化部218の利得符号化部1404と同様な利得コードブックを内蔵しており、下記の式(36)に従い、利得の逆量子化を行って利得Gain_q’を得る。
Figure 2011058758
ここで、C1” は時間的にtフレーム前の第1レイヤ復号部812において逆量子化された利得を示す。例えば、t=1の場合、C1” は1フレーム前の第1レイヤ復号部812において逆量子化された利得を示す。同様に、C2” およびC3” はそれぞれ時間的にtフレーム前の第2レイヤ復号部813および第3レイヤ復号部814において逆量子化された利得を示す。また、α〜αは、利得復号部1603に記憶されている4次の線形予測係数である。利得復号部1603は、1リージョン内のL個のサブバンドをL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。
なお、内蔵のバッファに過去フレームの復号対象帯域における利得が存在しない場合、利得復号部1603は、上記の式(36)において、内部バッファに記憶されている利得のうち、現フレームの復号対象帯域に周波数的に最も近いサブバンドの利得を代用する。
[Flag_PRE3=0の場合]
この場合、利得復号部1603は、非予測復号する。すなわち、利得復号部1603は、上記の利得コードブックを用いて、下記の式(37)に従い利得値を逆量子化する。ここでも、利得をL次元ベクトルとして扱い、ベクトル逆量子化を行う。すなわち、予測復号を行わない場合は、利得復号部1603は、利得符号化情報G_minに対応する利得コードベクトルGC3 G_minを直接利得とする。
Figure 2011058758
次いで、利得復号部1603は、現フレームの逆量子化で得られる利得、および形状復号部1602から入力される形状の値を用いて、下記の式(38)に従い第3レイヤ復号スペクトル(復号MDCT係数)X3”(k)を算出する。なお、MDCT係数の逆量子化において、kがB(j”)〜B(j”+1)−1内に存在する場合、利得はGain_q’(j”)の値をとる。
Figure 2011058758
次に、利得復号部1603は、式(35)に従い内蔵のバッファを更新する。
利得復号部1603は、上記の式(38)に従い算出された第3レイヤ復号スペクトルX3”(k)を加算部805に出力する。
以上が、復号装置113の処理説明である。
このように、本実施の形態によれば、第1レイヤ符号化部212、第2レイヤ符号化部215、および第3レイヤ符号化部218は、符号化対象とする帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化方式において、時間的に前の処理フレームにおける各レイヤの符号化結果に基づいて、現レイヤの周波数パラメータの符号化方法を切り替える。これにより、符号化装置111が符号化対象とする帯域を階層(レイヤ)毎に選択する階層符号化方式を用いる場合に、現フレームの周波数パラメータの符号化効率が向上し、その結果復号信号の品質を改善することができる。さらに、実施の形態1とは異なり、各レイヤの利得符号化部は、各レイヤ以下のレイヤの量子化利得のみを用いて適応予測量子化を行う。これにより、時間軸上でビットレート(レイヤ数)が切り替わるような伝送環境においても、符号化装置と復号装置とが同一条件で符号化/復号することができるため、符号化性能を保証することができる。
なお、本実施の形態では、各レイヤの符号化部が予測情報を算出し、これを伝送する構成について説明した。そして、本実施の形態では、適応予測判定部313、613、1403が、時間的に1つ前の処理フレームにおいて量子化された帯域情報と、現フレームにおいて選択された帯域情報とを用いて予測情報を設定した。ここで、帯域情報および予測情報は、復号装置113においても同様の処理により予測情報を算出することが可能である。したがって、上記判定方法を採る構成に対しては、予測情報を符号化装置111から復号装置113へ伝送しなくともよい。但し、復号装置113での適応予測判定部における演算量を削減するためには、本実施の形態に説明したように、予測情報を伝送する構成が有効である。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態では、符号化装置が3つの符号化階層(レイヤ)から成る構成について説明したが、本発明はこれに限らず、階層数が3以外の構成においても同様に適用できる。
また、上記実施の形態では、符号化情報等の情報が連続する2ステップで多重化が行なわれる場合には、後段のステップにてまとめて多重化を行なっても良い(例えば、多重化部305と符号化情報統合部209との2ステップなど)。また、多重化された符号化情報等の情報が、連続する2ステップで分離される場合には、前段のステップにてまとめて分離を行なっても良い(例えば、符号化情報分離部801と分離部1601との2ステップなど)。また、3つ以上の信号が連続する2ステップで加算される場合には、一括でまとめて加算しても良い(例えば、加算部805と加算部806との2ステップなど)。
また、上記実施の形態における復号装置は、上記実施の形態における符号化装置から伝送された符号化情報を用いて処理を行うとしたが、本発明はこれに限定されない。必要なパラメータやデータを含む符号化情報であれば、必ずしも上記実施の形態における符号化装置からの符号化情報でなくても処理は可能である。
また、信号処理プログラムを、メモリ、ディスク、テープ、CD、DVD等の機械読み取り可能な記録媒体に記録、書き込みをし、動作を行う場合についても、本発明は適用することができ、本実施の形態と同様の作用および効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル/プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2009年11月13日出願の特願2009−259949に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる符号化装置、復号装置およびこれらの方法は、階層的に量子化対象帯域を選択し、符号化/復号する構成において、復号信号の品質を向上することができ、例えば、パケット通信システム、移動通信システムなどに適用できる。
101、111 符号化装置
102 伝送路
103、113 復号装置
201、807 直交変換処理部
202、212 第1レイヤ符号化部
203、213、802、812 第1レイヤ復号部
204、207、805、806 加算部
205、215 第2レイヤ符号化部
206、216、803、813 第2レイヤ復号部
208、218 第3レイヤ符号化部
209 符号化情報統合部
301、601、1401 帯域選択部
302、602、1402 形状符号化部
303、313、613、1403 適応予測判定部
304、314、603、614、1404 利得符号化部
305、604、1405 多重化部
501、701、1601 分離部
502、702、1602 形状復号部
503、513、703、713、1603 利得復号部
801 符号化情報分離部
804、814 第3レイヤ復号部

Claims (26)

  1. 少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置であって、
    周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化手段と、
    前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化手段と、を具備し、
    前記第1レイヤ符号化手段は、
    前記第1帯域情報に基づいて、前記第1利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定手段、を具備する、
    符号化装置。
  2. 前記判定手段は、
    更に前記第2帯域情報に基づいて、前記符号化方法を決定する、
    請求項1記載の符号化装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記第1帯域情報及び前記第2帯域情報に基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項1記載の符号化装置。
  4. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報とに基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項1記載の符号化装置。
  5. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報を用いて求められる、過去のフレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域の和集合である第3量子化対象帯域と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報を用いて求められる、現フレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域の和集合である第4量子化対象帯域と、を比較した結果に基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項1記載の符号化装置。
  6. 前記判定手段は、
    前記結果が、前記第3量子化対象帯域と前記第4量子化対象帯域とに含まれる共通のサブバンドの数が予め設定された閾値以上である場合には、前記符号化方法を予測符号化方法に決定し、前記共通のサブバンドの数が前記閾値未満の場合には、前記符号化方法を非予測符号化方法に決定する、
    請求項5記載の符号化装置。
  7. 前記第1レイヤ符号化手段は、
    前記複数のサブバンドの中から前記入力信号の前記第1量子化対象帯域を選択して前記第1帯域情報を生成するとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号を出力する帯域選択手段と、
    前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の形状及び前記第1利得を符号化して形状符号化情報及び前記第1利得符号化情報を生成する形状・利得符号化手段と、
    を具備する、
    請求項1記載の符号化装置。
  8. 前記形状・利得符号化手段は、
    決定された前記符号化方法を用いて、前記第1利得を符号化する、
    請求項7記載の符号化装置。
  9. 少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置であって、
    周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化手段と、
    前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化手段と、を具備し、
    前記第1レイヤ符号化手段あるいは前記第2レイヤ符号化手段の少なくとも一方は、
    自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報に基づいて、各レイヤの量子化対象帯域における前記各レイヤの符号化手段への入力信号の利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定手段、を具備する、
    符号化装置。
  10. 前記判定手段は、
    前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報に基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項9記載の符号化装置。
  11. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報のうち、前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報に基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項9記載の符号化装置。
  12. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報のうち、前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報を用いて求められる、過去のフレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域のうち、前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報の和集合である第3量子化対象帯域と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報のうち、前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報を用いて求められる、現フレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域のうち、前記自レイヤ以下のレイヤにおける帯域情報の和集合である第4量子化対象帯域と、を比較した結果に基づいて、前記符号化方法を、予測符号化方法と非予測符号化方法とのいずれかに決定する、
    請求項9記載の符号化装置。
  13. 前記判定手段は、
    前記結果が、前記第3量子化対象帯域と前記第4量子化対象帯域とに含まれる共通のサブバンドの数が予め設定された閾値以上である場合には、前記符号化方法を予測符号化方法に決定し、前記共通のサブバンドの数が前記閾値未満の場合には、前記符号化方法を非予測符号化方法に決定する、
    請求項9記載の符号化装置。
  14. 請求項1に記載の符号化装置を具備する通信端末装置。
  15. 請求項1に記載の符号化装置を具備する基地局装置。
  16. 少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置において生成された情報を受信して復号する復号装置であって、
    前記符号化装置の第1レイヤの符号化により得られた、周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記第1レイヤの第1量子化対象帯域を選択して生成された第1帯域情報を含む前記第1符号化情報と、前記第1符号化情報を用いた前記符号化装置の第2レイヤの符号化により得られた、前記複数のサブバンドの中から前記第2レイヤの第2量子化対象帯域を選択して生成された第2帯域情報を含む前記第2符号化情報と、を有する前記情報を受信する受信手段と、
    前記情報から得られる前記第1符号化情報を入力し、前記第1帯域情報に基づいて設定される前記第1量子化対象帯域に対する第1復号信号を生成する第1レイヤ復号手段と、
    前記情報から得られる前記第2符号化情報を入力し、前記第2帯域情報に基づいて設定される前記第2量子化対象帯域に対する第2復号信号を生成する第2レイヤ復号手段と、を具備し、
    前記第1レイヤ復号手段は、
    前記第1帯域情報に基づいて、前記第1復号信号の利得の復号方法を複数の候補から決定する判定手段を、を具備する、
    復号装置。
  17. 前記判定手段は、
    更に前記第2帯域情報に基づいて、前記復号方法を決定する、
    請求項16記載の復号装置。
  18. 前記判定手段は、
    前記第1帯域情報および前記第2帯域情報に基づいて、前記復号方法を、予測復号方法と非予測復号方法とのいずれかに決定する、
    請求項16記載の復号装置。
  19. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報とに基づいて、前記復号方法を、予測復号方法と非予測復号方法とのいずれかに決定する、
    請求項16記載の復号装置。
  20. 前記判定手段は、
    過去のフレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報を用いて求められる、過去のフレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域の和集合である第3量子化対象帯域と、現フレームにおける前記第1帯域情報および前記第2帯域情報を用いて求められる、現フレームにおける前記第1量子化対象帯域および前記第2量子化対象帯域の和集合である第4量子化対象帯域と、を比較した結果に基づいて、前記復号方法を、予測復号方法と非予測復号方法とのいずれかに決定する、
    請求項16記載の復号装置。
  21. 前記判定手段は、
    前記結果が、前記第3量子化対象帯域と前記第4量子化対象帯域とに含まれる共通のサブバンドの数が予め設定された閾値以上である場合には、前記復号方法を予測復号方法に決定し、前記共通のサブバンドの数が前記閾値未満の場合には、前記復号方法を非予測復号方法に決定する、
    請求項20記載の復号装置。
  22. 前記受信手段は、
    前記符号化装置の第1レイヤの符号化により得られた、前記第1量子化対象帯域における利得の符号化方法として予測符号化を用いたか否かを判定した判定情報を更に含む前記第1符号化情報を受信し、
    前記判定手段は、
    更に前記判定情報に基づいて、前記復号方法を、予測復号方法と非予測復号方法とのいずれかに決定する、
    請求項16記載の復号装置。
  23. 請求項16に記載の復号装置を具備する通信端末装置。
  24. 請求項16に記載の復号装置を具備する基地局装置。
  25. 少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化方法であって、
    周波数領域の入力信号を入力し、前記周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記入力信号の第1量子化対象帯域を選択して第1帯域情報を求めるとともに、前記第1量子化対象帯域の前記入力信号の第1利得を求め、前記第1帯域情報と、前記第1利得を符号化して得られる第1利得符号化情報と、を含む第1符号化情報を生成し、前記第1符号化情報を用いた復号を行うことにより得られる復号信号と前記入力信号との差分信号を生成する第1レイヤ符号化ステップと、
    前記差分信号を入力し、前記複数のサブバンドの中から前記差分信号の第2量子化対象帯域を選択して第2帯域情報を求めるとともに、前記第2量子化対象帯域の前記差分信号の第2利得を求め、前記第2帯域情報と前記第2利得を符号化して得られる第2利得符号化情報とを含む第2符号化情報を生成する第2レイヤ符号化ステップと、を具備し、
    前記第1レイヤ符号化ステップは、
    前記第1帯域情報に基づいて、前記第1利得の符号化方法を複数の候補から決定する判定ステップ、を具備する、
    符号化方法。
  26. 少なくとも2つの符号化レイヤを有する符号化装置において生成された情報を受信して復号する復号方法であって、
    前記符号化装置の第1レイヤの符号化により得られた、周波数領域を分割した複数のサブバンドの中から前記第1レイヤの第1量子化対象帯域を選択して生成された第1帯域情報を含む前記第1符号化情報と、前記第1符号化情報を用いた前記符号化装置の第2レイヤの符号化により得られた、前記複数のサブバンドの中から前記第2レイヤの第2量子化対象帯域を選択して生成された第2帯域情報を含む前記第2符号化情報と、を有する前記情報を受信する受信ステップと、
    前記情報から得られる前記第1符号化情報を入力し、前記第1帯域情報に基づいて設定される前記第1量子化対象帯域に対する第1復号信号を生成する第1レイヤ復号ステップと、
    前記情報から得られる前記第2符号化情報を入力し、前記第2帯域情報に基づいて設定される前記第2量子化対象帯域に対する第2復号信号を生成する第2レイヤ復号ステップと、を具備し、
    前記第1レイヤ復号ステップは、
    前記第1帯域情報に基づいて、前記第1復号信号の利得の復号方法を複数の候補から決定する判定ステップを、を具備する、
    復号方法。
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