JPWO2011007795A1 - 標的遺伝子の発現を抑制する組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を封入したリポソームを含有する、組成物であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである、組成物。
(2) (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、前記(1)記載の組成物。
(3) 二本鎖核酸分子が、RNA干渉(RNAi)を利用した該標的遺伝子の発現抑制作用を有する二本鎖核酸分子である、前記(1)または(2)記載の組成物。
(4) 標的遺伝子が、腫瘍または炎症に関連する遺伝子である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 標的遺伝子が、血管新生に関連する遺伝子である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(7) mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、リード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9) 極性有機溶媒がアルコールである、前記(8)記載の組成物。
(10) 極性有機溶媒がエタノールである、前記(8)記載の組成物。
(11) リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(8)〜(10)のいずれかに記載の組成物。
(12) 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、カチオン性物質を含むリード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(13) 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、前記(1)〜(12)のいずれかに記載の組成物。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、癌または炎症疾患の治療剤。
(15) 極性有機溶媒がアルコールである、前記(14)記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(16) 極性有機溶媒がエタノールである、前記(14)記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(17) リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(14)〜(16)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(18) カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子とを構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する癌または炎症疾患の治療剤であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、癌または炎症疾患の治療剤。
(19) 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、前記(14)〜(18)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(20) (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、前記(14)〜(19)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(21) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管新生に関与する遺伝子である、前記(14)〜(20)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(22) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、前記(14)〜(20)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
(23) mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、前記(14)〜(22)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法。
(25) 極性有機溶媒がアルコールである、前記(24)記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(26) 極性有機溶媒がエタノールである、前記(24)記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(27) リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(24)〜(26)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(28) カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法。
(29) 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、前記(24)〜(28)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(30) (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、前記(24)〜(29)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(31) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管新生に関与する遺伝子である、前記(24)〜(30)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(32) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、前記(24)〜(30)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
(33) mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、前記(24)〜(32)のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療方法。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用。
(35) 極性有機溶媒がアルコールである、前記(34)記載の使用。
(36) 極性有機溶媒がエタノールである、前記(34)記載の使用。
(37) リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(34)〜(36)のいずれかに記載の使用。
(38) カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用。
(39) 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、前記(34)〜(38)のいずれかに記載の使用。
(40) (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、前記(34)〜(39)のいずれかに記載の使用。
(41) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管新生に関与する遺伝子である、前記(34)〜(40)のいずれかに記載の使用。
(42) 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、前記(34)〜(40)のいずれかに記載の使用。
(43) mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、前記(34)〜(42)のいずれかに記載の使用。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである、該組成物を哺乳動物に投与する該標的遺伝子の発現抑制方法。
(45) (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、前記(44)記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(46) 二本鎖核酸分子が、RNA干渉(RNAi)を利用した該標的遺伝子の発現抑制作用を有する二本鎖核酸分子である、前記(44)または(45)記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(47) 標的遺伝子が、腫瘍または炎症に関連する遺伝子である、前記(44)〜(46)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(48) 標的遺伝子が、血管新生に関連する遺伝子である、前記(44)〜(47)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(49) 標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、前記(44)〜(47)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(50) mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、前記(44)〜(49)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(51) 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、リード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該複合粒子を被覆する脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該複合粒子を被覆する脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能である、前記(44)〜(50)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(52) 極性有機溶媒がアルコールである、前記(51)記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(53) 極性有機溶媒がエタノールである、前記(51)記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(54) リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(51)〜(53)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(55) 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、カチオン性物質を含むリード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、前記(44)〜(50)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
(56) 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、前記(44)〜(55)のいずれかに記載の該標的遺伝子の発現抑制方法。
KLFファミリーは、C末端側のジンク・フィンガー(zinc finger)モチーフを特徴とする、転写因子のファミリーであり、KLF1、KLF2、KLF3、KLF4、KLF5、KLF6、KLF7、KLF8、KLF9、KLF10、KLF11、KLF12、KLF13、KLF14、KLF15、KLF16等が知られている。哺乳類において、KLFファミリーは、様々な組織や細胞、例えば赤血球、血管内皮細胞、平滑筋、皮膚、リンパ球等の分化に重要であること、また癌、心血管疾患、肝硬変、腎疾患、免疫疾患等の各種疾患の病態形成に重要な役割を果たしていることが報告されている[ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry),2001年,第276巻,第37号,p.34355-34358、ジェノム・バイオロジー(Genome Biology),2003年,第4巻,第2号,p.206]。
BCL2は、いくつかの細胞種でアポトーシスによる細胞死の阻害を示す、ミトコンドリア内膜蛋白質である。bcl2遺伝子の大量発現によるアポトーシスの抑制は、癌や、血液学的悪性疾患などの原因となると考えられている。実際に、BCL2はリンパ肉腫、前立腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌および直腸癌などの様々な固形癌に大量に産生されている(T.J.McDonnellら、“Cancer Research”、1992年12月15日、52巻、24号、p.6940-6944)。また、胸腺のアポトーシスにはbcl2遺伝子の発現が関係していることが示されている(Kanavaros et al., Histol. Histopathol. 16(4):1005-12 (Oct. 2001))。
BCL2が大量に産生される細胞においては、そのアポトーシス抑制作用から細胞死が誘導されないため、様々な抗癌剤に対する薬物耐性が引き起こされる。一方前立腺癌細胞においてBCL2産生を抑制すると、細胞増殖の抑制が見られ、アポトーシスを誘導しやすくなることが知られている(Shi et al., Cancer Biother. Radiopharm., 16(5):421-9 (Oct. 2001))。したがって、固形癌および血液学的悪性疾患など、その治癒においてアポトーシスの促進が必要な疾患においては、bcl2遺伝子の発現を抑制する方法は効果的な治療法または予防法となり得る。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基、好ましくは19〜25塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基、好ましくは19〜25塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、好ましくは、配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、かつ9〜11番目の塩基に結合する糖の0%がデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%、好ましくは40%以上がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%、好ましくは、30〜60%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、ただし9〜11番目の塩基に結合する糖の0%がデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースが好ましく、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%、好ましくは40%以上がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、二本鎖核酸分子があげられる。
また、アンチセンス鎖の配列aの3’末端側に隣接して付加しているヌクレオチドの塩基の配列を、標的遺伝子のmRNA内で配列aと隣接する塩基の配列と相補的な塩基の配列としてもよく、RNA干渉(RNAi)を利用した標的遺伝子の発現抑制作用の面から、この構造がより好ましい。すなわち、アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って少なくとも1〜17番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列であり、好ましくは、該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜19番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する19塩基の配列と相補的な塩基の配列であるか、1〜21番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する21塩基の配列と相補的な塩基の配列であるか、1〜25番目の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNAの連続する25塩基の配列と相補的な塩基の配列である。
さらに、本発明で用いられる二本鎖核酸分子は、該二本鎖核酸分子中の糖の10〜70%、好ましくは15〜60%、より好ましくは20〜50%が、2’位において修飾基で置換されたリボースである。本発明におけるリボースの2’位において修飾基で置換されたとは、2’位の水酸基が修飾基に置換されているものを意味し、リボースの2’位の水酸基と立体配置が同じであっても異なっていてもよいが、好ましくはリボースの2’位の水酸基と立体配置が同じである。
本発明における修飾基として、2’-シアノ、2’-ハロゲン、2’-O-シアノ、2’-アルキル、2’-置換アルキル、2’-O-アルキル、2’-O-置換アルキル、2’-O-アルケニル、2’-O-置換アルケニル、2’-Se-アルキル、2’-Se-置換アルキルが好ましく、2’-シアノ、2’-フルオロ、2’-クロロ、2’-ブロモ、2’-トリフルオロメチル、2’-O-メチル、2’-O-エチル、2’-O-イソプロピル、2’-O-トリフルオロメチル、2'-O-[2-(メトキシ)エチル]、2'-O-(3-アミノプロピル)、2'-O-(2-[N,N-ジメチル]アミノオキシ)エチル、2'-O-[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]、2'-O-[2-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]エチル]、2'-O-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]、2’-Se-メチル等がより好ましく、2’-O-メチル、2’-O-エチル、2’-フルオロ等がさらに好ましく、2’-O-メチル、2’-O-エチルがもっとも好ましい。
また、本発明における修飾基は、その大きさから好ましい範囲を定義することもでき、フルオロの大きさから、-O-ブチルの大きさに相当するものが好ましく、-O-メチルの大きさから-O-エチルの大きさに相当する大きさのものがより好ましい。
ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
アミノ酸としては、例えば脂肪族アミノ酸(具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等)、ヒドロキシアミノ酸(具体的には、セリン、トレオニン等)、酸性アミノ酸(具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸等)、酸性アミノ酸アミド(具体的には、アスパラギン、グルタミン等)、塩基性アミノ酸(具体的には、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン等)、含硫アミノ酸(具体的には、システイン、シスチン、メチオニン等)、イミノ酸(具体的には、プロリン、4-ヒドロキシプロリン等)等があげられる。
置換アルキルおよび置換アルケニルの置換基としては、例えば、ハロゲン(前記ハロゲンと同義)、ヒドロキシ、スルファニル、アミノ、オキソ、-O-アルキル(該-O-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、-S-アルキル(該-S-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、-NH-アルキル(該-NH-アルキルのアルキル部分は前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノオキシ(該ジアルキルアミノオキシの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノ(該ジアルキルアミノの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義)、ジアルキルアミノアルキレンオキシ(該ジアルキルアミノアルキレンオキシの2つのアルキルは同一または異なって前記アルキルと同義であり、該アルキレンは前記アルキルから水素原子が除かれたものを意味する)等があげられ、置換数は好ましくは1〜3である。
なお、本発明において、二本鎖核酸分子中の糖の2’位において修飾基で置換されたリボースは、最終的に構造が同じであれば、製造方法や原料や中間体にかかわらず本発明で用いられる二本鎖核酸分子に包含され、原料や中間体がDNAまたはデオキシリボースであっても、最終的に構造が同じであれば本発明で用いられる二本鎖核酸分子に包含される。すなわち、本発明におけるリボースの2’位において修飾基で置換されたリボースは、2’位において水素が修飾基に置換されたデオキシリボースを包含する。
また、向かい合った相補的塩基対の片方だけが修飾基で置換されたリボースであることがより好ましい。ただし、アンチセンス鎖またはセンス鎖の5’末端または3’末端で、向かい合った相補的塩基対の両方がデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであることは好ましい。
また、アンチセンス鎖の3’末端側に隣接して付加しているヌクレオチドの塩基の配列を、標的遺伝子のmRNA内に相当する塩基の配列と相補的な塩基の配列としてもよく、この構造がより好ましい。なお、本発明において、アンチセンス鎖の塩基の配列が、標的遺伝子のmRNA内に相当する塩基の配列とすべて相補的な塩基の配列であることが最も好ましい。
また、アンチセンス鎖およびセンス鎖の3’末端の塩基に結合する糖は、それぞれ3’位の水酸基が、リン酸基もしくは前記の修飾基、または生体内の核酸分解酵素等で、リン酸基もしくは前記の修飾基になる基によって修飾されていてもよい。
二本鎖核酸分子のプロドラッグとしては、例えば、アンチセンス鎖の配列aの5’末端側に4〜8個、好ましくは5〜6個のヌクレオチドが同一または異なって付加しており、センス鎖の配列bの3’末端側には、アンチセンス鎖の塩基の配列と相補的な塩基の配列が同数付加しており、アンチセンス鎖の配列aの3’末端側に2個の標的遺伝子のmRNA内に相当する塩基の配列と同じ配列が付加しており、センス鎖の配列bの5’末端側には、アンチセンス鎖の塩基の配列と相補的な塩基の配列が2個付加し、さらにアンチセンス鎖の3’末端側に1〜6個、好ましくは2〜4個のヌクレオチドが同一または異なって、向かい合う塩基対なく付加しているオーバーハングになっていて、好ましくはセンス鎖の5’末端の塩基に結合する糖は、5’位の水酸基がリン酸化されている二本鎖核酸分子があげられ、このプロドラッグは、ダイサーによって、アンチセンス鎖の配列aの5’末端側に付加したヌクレオチドのすべてと、センス鎖の配列bの3’末端側に付加した1および2番目以外のヌクレオチドが取り去られて、本発明の二本鎖核酸分子となる。
なお、本発明において、分散とは、溶解せずに分散することを意味する。
また、これら例示したリポソームは、血液中での滞留性が高められたリポソームとしても報告されており、いずれの組織や臓器にも体循環を介して送達される可能性が高まっているので、標的にできる遺伝子は制限されない。
脂質におけるカチオン性物質としては、例えばカチオン脂質(DOTAP、DODAP、DOTMA、DOSPA、DMRIE、DORIE等)またはDC-Chol等があげられる。
カチオン性高分子としては、例えばポリ-L-リジン、ポリエチレンイミン、ポリフェクト(polyfect)またはキトサン等があげられる。
本発明における極性有機溶媒を含む液中の、極性有機溶媒以外の溶媒としては、例えば、水、液体二酸化炭素、液体炭化水素、ハロゲン化炭素またはハロゲン化炭化水素等が挙げられ、好ましくは水が挙げられる。また、イオンまたは緩衝成分等を含んでいてもよい。溶媒は1種または2種以上を用いることができるが、2種以上用いる場合は、相溶する組み合わせが好ましい。
リード粒子を、例えば水等の溶媒中に分散させ、リード粒子が分散した液中に、前記二本鎖核酸分子を分散または溶解して含有させて混合し、リード粒子に該二本鎖核酸分子を付着させることが好ましい。工程1において、リード粒子の凝集を抑制するために、リード粒子は凝集抑制物質を含有するリード粒子であることが好ましい。凝集抑制物質としては、前記糖、ペプチド、核酸および水溶性高分子から選ばれる1つ以上の物質の脂質誘導体もしくは脂肪酸誘導体または界面活性剤が好ましくあげられる。また、リード粒子が、正電荷をもつものである場合、リード粒子が分散した液中で、該二本鎖核酸分子と付着競合剤を共存させ、付着競合剤を該二本鎖核酸分子とともにリード粒子に付着させてもよく、さらにリード粒子が凝集抑制物質を含有するリード粒子である場合にも、リード粒子の凝集をより抑制させるために付着競合剤を用いてもよい。リード粒子と前記二本鎖核酸分子の組み合わせとしては、複合粒子が極性有機溶媒を含有する液に分散可能となる組み合わせを選択することが好ましく、極性有機溶媒に対しての複合粒子の溶解度が、工程2または3で用いる脂質二重膜の構成成分のそれよりも低いことがより好ましく、また、該極性有機溶媒を含む液中に、該脂質二重膜の構成成分が分散可能で、該複合粒子も分散可能な濃度で該極性有機溶媒を含む液が存在する組み合わせを選択することがより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばアシルサルコシン、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数7〜22の脂肪酸ナトリウム等があげられる。具体的にはドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムまたはタウロデオキシコール酸ナトリウム等があげられる。
等電点以上の値のpHでアニオン性を呈する蛋白質またはペプチドとしては、その物質の等電点以上の値のpHでアニオン性を呈する蛋白質またはペプチドであれば、特に限定されない。例えば、アルブミン、オロソムコイド、グロブリン、フィブリノーゲン、ヒストン、プロタミン、リボヌクレアーゼまたはリゾチーム等があげられる。
工程1で得られた複合粒子が分散し、かつ脂質二重膜の構成成分が溶解した極性有機溶媒を含む液(液A)を調製する操作、次いで、液A中の極性有機溶媒の濃度を減少させることによって、複合粒子を脂質二重膜で被覆する操作を含む製造方法によってリポソームAが製造できる。この場合、リポソームAは分散液(液B)の形態で得られる。液Aにおける溶媒は、該脂質二重膜の構成成分が可溶で、該複合粒子が分散可能な極性有機溶媒の濃度の該極性有機溶媒を含む溶媒であり、液A中の極性有機溶媒の濃度を減少させた液Bでは、該脂質二重膜の構成成分が分散可能で、該複合粒子も分散可能であることが好ましい。液A中の溶媒が、極性有機溶媒と極性有機溶媒以外の溶媒との混合液である場合、例えば該極性有機溶媒と混合可能な極性有機溶媒以外の溶媒を含む溶媒(液C)を加えること、および/または、蒸発留去、半透膜分離、分留等によって、選択的に極性有機溶媒を取り除くことで、極性有機溶媒の濃度を減少させることができる。ここで、液Cは、極性有機溶媒以外の溶媒を含む液が好ましいが、極性有機溶媒も液Aにおける極性有機溶媒の濃度より低ければ含んでいてよい。
工程1で得られた複合粒子および脂質二重膜の構成成分を、該脂質二重膜の構成成分が可溶な極性有機溶媒を含み、該脂質二重膜の構成成分が分散状態で存在することが可能な濃度で該極性有機溶媒を含む液(液F)中に分散させる操作を含む製造方法でリポソームAが製造でき、この場合、リポソームAは分散液の状態で得られる。なお、液Fは、該脂質二重膜の構成成分が可溶な極性有機溶媒を含むが、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子がともに分散可能な特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液である。
また、複合粒子および脂質二重膜の構成成分が分散し、極性有機溶媒を含有する液を、複合粒子が脂質二重膜で被覆されるに充分な時間、静置または混合する操作を含むことが好ましい。複合粒子と脂質二重膜の構成成分を、極性有機溶媒を含有する液中に分散させた後、静置または混合する時間は、複合粒子および脂質二重膜の構成成分を、極性有機溶媒を含有する液中に分散させた後に瞬時に終了させるのでなければ制限はないが、脂質二重膜の構成成分や、極性有機溶媒を含有する液の種類に応じて任意に設定することができ、得られたリポソームAの収率が定常量となる時間を設定することが好ましく、例えば約3秒〜30分である。なお、複合粒子および脂質二重膜の構成成分を、極性有機溶媒を含有する液中に分散させると、複合粒子への脂質二重膜の被覆が開始され、速やかに複合粒子への脂質二重膜の被覆が完了することもあり、例えば、脂質二重膜の構成成分の溶解液を調製した後、複合粒子の分散液と、脂質二重膜の構成成分の溶解液とを混合して液Fを調製する場合において、脂質二重膜の構成成分の液Fへの溶解性が低いと、脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒を含有する液中に分散するのとほぼ同時に、複合粒子への脂質二重膜の被覆が完了することもある。
即ち、本発明は、上記説明した本発明の組成物を哺乳動物に投与する標的遺伝子の発現抑制方法も提供する。投与対象は、人であることが好ましい。
即ち、本発明は、上記説明した本発明の組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法も提供する。投与対象は、人であることが好ましく、癌または炎症疾患に罹患している人がより好ましい。
また、本発明の組成物は、癌または炎症疾患の治療剤または予防剤に関するin vivoのスクリーニング系においてピーオーシー[POC(Proof of concept)]取得のツールとして使用することもできる。
投与量は、投与対象の病状や年齢、投与経路などによって異なるが、例えばRNAに換算した1日投与量が約0.1μg〜1000mgとなるように投与すればよい。
注射剤の場合、前記のリポソームAの分散液または前記の溶媒を除去または凍結乾燥したリポソームAに、例えば水、酸、アルカリ、種々の緩衝液、生理的食塩液またはアミノ酸輸液等を混合して注射剤を調製することが好ましい。また、例えばクエン酸、アスコルビン酸、システインもしくはEDTA等の抗酸化剤またはグリセリン、ブドウ糖もしくは塩化ナトリウム等の等張化剤等を添加して注射剤を調製することも可能である。また、例えばグリセリン等の凍結保存剤を加えて凍結保存することもできる。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、該二本鎖核酸分子であって、リポソームAが、(1)リード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜であるリポソーム、または(2)カチオン性物質を含むリード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜であるリポソームである場合の、該リポソームを含有する組成物があげられる。本発明の癌または炎症疾患の治療剤において、癌としては、好ましくは固形癌があげられ、炎症疾患としては、好ましくは血管もしくは血管近傍の炎症があげられる。
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、該二本鎖核酸分子であって、リポソームAが、(1)リード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜であるリポソーム、または(2)カチオン性物質を含むリード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜であるリポソームである場合の、該リポソームを含有する組成物の、癌または炎症疾患の治療剤、好ましくは固形癌または血管もしくは血管近傍の炎症の治療剤の製造のための使用も提供する。
表1に示したセンス(sense)鎖およびアンチセンス(antsense)鎖からなる(表中のdが付された塩基に結合する糖は、デオキシリボースであり、mが付された塩基に結合する糖は、2’-O-メチルで置換されているリボースである)、BCL2遺伝子のmRNAの連続する19塩基の配列5’-GUG AAG UCA ACA UGC CUG C-3’を含む二本鎖核酸分子を、実施例1〜4および比較例1〜9において用いた。それらの二本鎖核酸分子は、それぞれのセンス鎖およびアンチセンス鎖を北海道システム・サイエンス社から入手し、アニーリングさせることにより調製した。
一方、EPC(日本油脂社製)/PEG-DSPE(日本油脂社製)/エタノール(和光純薬社製)/水を15 mg/3.125 mg/0.625mL/0.375mLとなるように混合し、脂質二重膜の構成成分の溶液を調製した。
得られたリード粒子の分散液0.0125 mLに、表1に記載されたBCL2siRNA-Exp.1/水を24 mg/1mLとなるように混合して得られた水溶液0.00417 mLを混合して複合粒子を調製した。得られた複合粒子の分散液を、脂質二重膜の構成成分の溶液0.06667 mLに添加し、続いて0.02083 mLの蒸留水を添加した。さらにEPC/PEG-DSPEを62.5mg/62.5mg/mLになるように40vol%エタノールに溶解した溶液を0.00667 mL添加後、蒸留水を0.7758 mLを徐々に加えて、エタノールの濃度が5%以下になるように調整し、リポソームを調製した。得られたリポソーム懸濁液を食塩水で等張化した。さらに生理食塩水(大塚製薬社製)で最終液量を1 mLとすることで、BCL2siRNA-Exp.1濃度を0.1 mg/mLに調整し、製剤を得た。
DLSで製剤中のリポソームの平均粒子径を測定したところ、82.59 nmであった。
DLSで製剤中のリポソームの平均粒子径を測定したところ、83.94 nmであった。
BCL2siRNA-Exp.1をそれぞれBCL2siRNA-Com.1〜9にした以外、実施例1と同様にして製剤を得た。
DLSで各製剤中のリポソームの平均粒子径を測定した。表1に各製剤中のリポソームの平均粒子径を示した。
DLSで製剤中のリポソームの平均粒子径を測定したところ、82.42 nmであった。
DLSで製剤中のリポソームの平均粒子径を測定したところ、83.47 nmであった。
BCL2siRNA-Exp.1〜4およびBCL2siRNA-Com.1〜9のRNAi活性を、以下に示したようにBcl2mRNAの発現抑制効果を測定して評価した。
6cm径の培養ディッシュにヒト前立腺癌細胞PC-3を2×105細胞数/ディッシュで播種し、10%ウシ胎仔血清を含むF-12 Kaighn’s培地(GIBCO、21127)中、37℃、5%CO2条件下で一晩培養した。翌日、培養ディッシュから培地を吸引し、0.8mLの低血清基本培地であるOPTI-MEM(GIBCO、31985)に交換した。そこに、OPTI-MEM中で混合したsiRNA-オリゴフェクトアミン複合体溶液を0.2mL添加することにより、siRNAをPC-3に導入した。siRNAの最終濃度は3nM、30nMの2点とした。
siRNAを導入したヒト前立腺癌細胞PC-3を37℃の5%CO2インキュベーター内で48時間培養し、PBSで2回洗浄し、セルスクレーパーを用いて1.5mLチューブに移した。1000×gで2分間遠心分離し、上清を取り除いた後、細胞をRLT buffer (キアゲン社製 RNA回収キット「RNeasy」に添付)に溶解して回収し、キットに添付された説明書に従って全RNAを回収した。
全RNA1μgを鋳型として、Superscript VILO(インビトロジェン社)を用いて逆転写反応を行い、cDNAを作成した。このcDNAをPCR反応の鋳型に用い、ABI7900HT Fast(ABI社)を用いたTaqman probe法によりbcl-2遺伝子および構成的発現遺伝子であるGADPH(D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)遺伝子に特異的なPCR増幅をそれぞれ行い、mRNA量の定量を行った。それぞれの遺伝子のPCR増幅には250ngの全RNA由来cDNAを鋳型に用いた。検体のmRNA量は、siRNA未導入群(未処理)における、bcl-2のmRNA量またはGADPHのmRNA量を1としたときの相対的な割合として表した。各検体の発現量比を1から差し引いたものを発現抑制率と表現し、図1に示した。
以下に示したように、一回目投与PEG修飾リポソームとして実施例1〜2および比較例1〜9で得られた製剤を、マウスに投与し、次に、7日間の間隔をあけ、二回目投与PEG修飾リポソームとして比較例1で得られた製剤を投与し、投与3時間後の血液中のBCL2siRNA-Com.1の濃度を測定することにより、実施例1〜2および比較例1〜9で得られた製剤の、二回目投与PEG修飾リポソームの血中滞留性に対する影響を評価した。
実施例1〜2および比較例1〜9で得られた製剤を、雄性Balb/cマウス(6週齢、日本クレア)に、薬液(siRNA濃度 50μg/mL) 100 μLを尾静脈より投与した(投与量は5 μg/mouse)。7日間の間隔をあけ、比較例1で得られた製剤の薬液(siRNA濃度 50μg/mL) 100 μLを尾静脈より投与した(投与量は5 μg/mouse)。2回目の投与の後、投与3時間後に、尾動脈より10 μLの血液を採取し、denaturing solution (4 mol/L グアニジンチオシアネート、25 mmol/L クエン酸ナトリウム、0.1 v/v% 2-メルカプトエタノール、0.5 w/v% sodium N-lauroyl sarcosine;以下、D溶液という) 90 μLを添加して混合し、10 v/v% 血液とした。
<装置>
HPLC装置;ACQUITY UPLC system (Waters)
質量分析装置;API4000 Q TRAP (Applied Biosystems/MDS Sciex)
<HPLC条件>
内標準物質(I.S.)
5'-GUG AAG UCA ACA UGC CUG dTdT-3'(dが付された塩基に結合する糖は、デオキシリボースである)(配列番号27)
5'-CAG GCA UGU UGA CUU CAC dTdT-3'(dが付された塩基に結合する糖は、デオキシリボースである)(配列番号28)
カラム;Xbridge C18 (3.5 μm、2.1 mm I.D. x 50 mm、Waters)
移動層;triethylamine/hexafluoroisopropanol/water (0.4/30/1000):メタノール = 93:7 〜75:25
すなわち、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を封入したリポソームを含有する、組成物であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである本発明の組成物は、siRNAの活性が高いことに加え、PEG修飾リポソームの二回目投与における血中滞留性の低下が抑制されたことより、副作用を低減できること、また標的遺伝子の発現部位を含む組織または臓器への薬剤集積性を増大できることが明らかとなった。
一方、EPC(日本油脂社製)/PEG-DSPE(日本油脂社製)/エタノール(和光純薬社製)/水を15 mg/3.125 mg/0.625mL/0.375mLとなるように混合し、脂質二重膜の構成成分の溶液を調製した。
得られたリード粒子の分散液0.025mLに、BCL2siRNA-Exp.5の24 mg/mL水溶液0.00833 mLを混合して複合粒子を調製した。得られた複合粒子の分散液を、脂質二重膜の構成成分の溶液0.13334 mLに添加し、続いて0.04166 mLの蒸留水を添加した。さらにEPC/PEG-DSPEを62.5mg/62.5mg/mLになるように40vol%エタノールに溶解した溶液を0.01334 mL添加後、蒸留水を1.5517 mLを徐々に加え、エタノールの濃度が5%以下になるように調整し、リポソームを調製した。得られたリポソーム懸濁液を食塩水で等張化した。さらに生理食塩水(大塚製薬社製)で最終液量を2 mLとすることで、BCL2siRNA-Exp.5濃度を0.1 mg/mLに調整し、製剤を得た。
DLSで製剤中のリポソームの平均粒子径を測定したところ、77.26 nmであった。
BCL2siRNA-Exp.5をそれぞれBCL2siRNA-Com.10〜13にした以外、実施例5と同様にして製剤を得た。
DLSで各製剤中のリポソームの平均粒子径を測定した。表2に各製剤のリポソームの平均粒子径を示した。
BCL2siRNA-Exp.5およびBCL2siRNA-Com.10〜13のRNAi活性を、以下に示したようにBcl2mRNAの発現抑制効果を測定して評価した。
6cm径の培養ディッシュにPC-3を2×105細胞数/ディッシュで播種し、10%ウシ胎仔血清を含むF-12 Kaighn’s培地(GIBCO、21127)中、37℃、5%CO2条件下で一晩培養した。翌日、培養ディッシュから培地を吸引し、0.8mLの低血清基本培地であるOPTI-MEM(GIBCO、31985)に交換した。そこに、OPTI-MEM中で混合したsiRNA-オリゴフェクトアミン複合体溶液を0.2mL添加することにより、siRNAをPC-3に導入した。siRNAの最終濃度は10nMとした。
siRNAを導入した細胞を37℃の5%CO2インキュベーター内で48時間培養し、PBSで2回洗浄し、セルスクレーパーを用いて1.5mLチューブに移した。1000×gで2分間遠心分離し、上清を取り除いた後、細胞をRLT buffer (キアゲン社製 RNA回収キット「RNeasy」に添付)に溶解して回収し、キットに添付された説明書に従って全RNAを回収した。
全RNA1μgを鋳型として、Superscript VILO(インビトロジェン社)を用いて逆転写反応を行い、cDNAを作成した。このcDNAをPCR反応の鋳型に用い、ABI7900HT Fast(ABI社)を用いたTaqman probe法によりbcl-2遺伝子および構成的発現遺伝子であるGADPH(D-glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)遺伝子に特異的なPCR増幅をそれぞれ行い、mRNA量の定量を行った。それぞれの遺伝子のPCR増幅には250ngの全RNA由来cDNAを鋳型に用いた。検体のmRNA量は、siRNA未導入群(未処理)における、bcl-2のmRNA量またはGADPHのmRNA量を1としたときの相対的な割合として表し、図3に示した。
一回目投与PEG修飾リポソームとして実施例5および比較例10〜13で得られた製剤を用い、一方、二回目投与PEG修飾リポソームとしてもそれぞれ同じ実施例5および比較例10〜13とし、試験例2と同様にして、実施例5および比較例10〜13で得られた製剤の、二回目投与PEG修飾リポソームの血中滞留性に対する影響を評価した。
2回目の投与の後、投与3時間後の血液中のBCL2siRNA-Exp.5(実施例5)およびBCL2siRNA-Com.10〜13(比較例10〜13)のそれぞれの濃度を測定した結果を第4図に示す。
ただし、内標準物質(I.S.)は、5'-GmUG mAAmG UmCA mACmA UmGC mCUmG CdT-3'(5’-側から2、4、6、8、10、12、14、16、18番目のmが付された塩基に結合する糖は、2’-O-メチルで置換されているリボースであり、dが付された塩基に結合する糖は、デオキシリボースである)(配列番号39)および5'-GCA GGC AUG UUG ACU UCA CdT-3'(dが付された塩基に結合する糖は、デオキシリボースである)(配列番号40)を用いた。
すなわち、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を封入したリポソームを含有する、組成物であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである本発明の組成物は、siRNAの活性が高いことに加え、PEG修飾リポソームの二回目投与における血中滞留性の低下が抑制されたことより、副作用を低減できること、また標的遺伝子の発現部位を含む組織または臓器への薬剤集積性を増大できることが明らかとなった。
配列番号2-比較例1のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号3-実施例1のsiRNA センス鎖
配列番号4-実施例1のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号5-比較例2のsiRNA センス鎖
配列番号6-比較例2のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号7-比較例3のsiRNA センス鎖
配列番号8-比較例3のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号9-比較例4のsiRNA センス鎖
配列番号10-比較例4のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号11-比較例5のsiRNA センス鎖
配列番号12-比較例5のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号13-実施例2のsiRNA センス鎖
配列番号14-実施例2のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号15-比較例6のsiRNA センス鎖
配列番号16-比較例6のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号17-比較例7のsiRNA センス鎖
配列番号18-比較例7のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号19-比較例8のsiRNA センス鎖
配列番号20-比較例8のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号21-比較例9のsiRNA センス鎖
配列番号22-比較例9のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号23-実施例3のsiRNA センス鎖
配列番号24-実施例3のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号25-実施例4のsiRNA センス鎖
配列番号26-実施例4のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号27-実施例1〜4および比較例1〜9のsiRNA センス鎖のIS
配列番号28-実施例1〜4および比較例1〜9のsiRNA アンチセンス鎖のIS
配列番号29-実施例5のsiRNA センス鎖
配列番号30-実施例5のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号31-比較例10のsiRNA センス鎖
配列番号32-比較例10のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号33-比較例11のsiRNA センス鎖
配列番号34-比較例11のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号35-比較例12のsiRNA センス鎖
配列番号36-比較例12のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号37-比較例13のsiRNA センス鎖
配列番号38-比較例13のsiRNA アンチセンス鎖
配列番号39-実施例5および比較例10〜13のsiRNA センス鎖のIS
配列番号40-実施例5および比較例10〜13のsiRNA アンチセンス鎖のIS
配列番号41-bcl2 mRNA
Claims (28)
- センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を封入したリポソームを含有する、組成物であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである、組成物。 - (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、請求項1記載の組成物。
- 二本鎖核酸分子が、RNA干渉(RNAi)を利用した該標的遺伝子の発現抑制作用を有する二本鎖核酸分子である、請求項1または2記載の組成物。
- 標的遺伝子が、腫瘍または炎症に関連する遺伝子である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- 標的遺伝子が、血管新生に関連する遺伝子である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- 標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
- 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、リード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。 - 極性有機溶媒がアルコールである、請求項8記載の組成物。
- 極性有機溶媒がエタノールである、請求項8記載の組成物。
- リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、請求項8〜10のいずれかに記載の組成物。
- 二本鎖核酸分子を封入したリポソームが、カチオン性物質を含むリード粒子と該二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームであり、
該複合粒子を被覆する脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。 - 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
- リード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子とを構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する癌または炎症疾患の治療剤であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、癌または炎症疾患の治療剤。 - 極性有機溶媒がアルコールである、請求項14記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- 極性有機溶媒がエタノールである、請求項14記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- リード粒子が、カチオン性物質を含むリード粒子であり、脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、請求項14〜16のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子とを構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する癌または炎症疾患の治療剤であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、癌または炎症疾患の治療剤。 - 水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体が、ポリエチレングリコール-ホスファチジルエタノールアミンである、請求項14〜18のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- (v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の50〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースである、請求項14〜19のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管新生に関与する遺伝子である、請求項14〜20のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- 腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子が、血管内皮増殖因子、血管内皮増殖因子受容体、線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子受容体、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、クルッペル様因子、Ets転写因子、核因子および低酸素誘導因子のいずれかの遺伝子である、請求項14〜20のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- mRNAがヒトまたはマウスのmRNAである、請求項14〜22のいずれかに記載の癌または炎症疾患の治療剤。
- リード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法。 - カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物を哺乳動物に投与する癌または炎症疾患の治療方法。 - リード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜の構成成分が特定の極性有機溶媒に可溶であり、該脂質二重膜の構成成分および該複合粒子が、特定の濃度で該極性有機溶媒を含む液に分散可能であり、
該脂質二重膜が、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用。 - カチオン性物質を含むリード粒子と、センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を構成成分とする複合粒子および該複合粒子を被覆する脂質二重膜を含むリポソームを含有する組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、腫瘍または炎症に関連する標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、
該脂質二重膜が、中性脂質および水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜である、該組成物の癌または炎症疾患の治療剤の製造のための使用。 - センス鎖およびアンチセンス鎖から構成される二本鎖核酸分子を封入したリポソームを含有する、組成物を含有する組成物を哺乳動物に投与する標的遺伝子の発現抑制方法であって、
該アンチセンス鎖は、5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列(配列a)が、標的遺伝子のmRNAの連続する17塩基の配列と相補的な塩基の配列である、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであり、該アンチセンス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該センス鎖は、該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基の配列と相補的な塩基の配列(配列b)を含む、17〜30塩基の長さのポリヌクレオチドであって、該センス鎖中の糖がそれぞれリボース、デオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(i)配列aの5’末端側から3’末端側に向って1〜8番目の塩基に結合する糖の0〜30%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(ii)配列aの5’末端側から3’末端側に向って9〜16番目の塩基に結合する糖の0〜20%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iii)該アンチセンス鎖の5’末端側から3’末端側に向って17番目〜3’末端の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(iv)配列bの5’末端側から3’末端側に向って1〜17番目の塩基に結合する糖の10〜70%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
(v)該センス鎖の配列b以外の塩基に結合する糖の30〜100%がそれぞれデオキシリボースまたは2’位の水酸基が修飾基で置換されたリボースであり、
該リポソームが静脈内投与可能な大きさのリポソームであり、該リポソームが、水溶性物質の脂質誘導体、脂肪酸誘導体または脂肪族炭化水素誘導体を構成成分とする脂質二重膜を有するリポソームである、該組成物を哺乳動物に投与する該標的遺伝子の発現抑制方法。
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