JPWO2010146782A1 - 算術符号化装置、算術復号装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、各符号化シンボルにおける生起確率は異なるため、シンボル毎に生起確率を別々のメモリに記憶している。前記H.264動画像符号化方式では、約1000種類の生起確率を保持するよう構成されている。
また、算術符号化装置は、シンボルの生起確率を参照して、当該シンボルの2値化データを算術符号化すると、当該シンボルの生起確率を更新する。
一方、発生事象であるシンボルがLPSであれば、当該シンボルの生起確率を低める方向に変更する(生起確率の学習を行う)。
ここで、図13は算術符号化装置が使用する生起確率の状態遷移図の一例を示す説明図である。
また、図14は各状態における確率を表現する値を示す説明図である。
図13及び図14において、pStateIdxは遷移状態インデックス、transIdrLPSは発生事象であるシンボルがLPSであるときの次の状態の遷移状態インデックス、transIdrMPSは発生事象であるシンボルがMPSであるときの次の状態の遷移状態インデックスを示している。
また、qCodIRangeIdxは確率を表現する値であり、図14の例では、生起確率の逆数を近似した値である。
図15では、MPS=0、MPSの発生する確率が0.75、LPSの発生する確率が0.25であるときに、入力バイナリ列“0001”が算術符号化され、“011”の出力バイナリに算術符号化されている例を示している。
図16の動画像では、自動車が左向きに進行しており、図中、太枠のブロックでは、符号化順(ラスタスキャン順)で前ブロックまでは背景だけであったが、当該ブロックでは運転者の頭部が進入してきているので、前ブロックまでとは性質が異なるブロックとなっている。
図17は、特定の符号化対象シンボルとして例えばブロックの動き情報を示す符号化パラメータであるMVD(Motion Vector Difference:動きベクトル差分値)を2値化した際の先頭の2値データである第一のシンボルと、ブロックに直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBP(Coded Block Pattern:符号化ブロックパターン)を2値化した際の先頭の2値データである第二のシンボルに着目しそのブロックごとの情報量を図示したものである。
ここで動きが大きいところでは直交変換係数も発生しやすく、動きが少ないところでは直交変換係数も発生しにくいことから、前記第一のシンボルと第二のシンボルのMPSの発生確率には相関関係がある。
図17より、先頭から数ブロックの間は背景画像という性質が同じブロックが符号化されるため、発生するシンボルは常にMPSとなり生起確率の学習効果によって徐々にシンボルごとの発生情報量が減少していく。
このように生起確率の学習が十分行われた状態で図中太枠のブロックように性質の異なるブロックの算術符号化を行うと、シンボルによっては発生事象がLPSとなり、例えば図17に示すように、符号化対象のシンボルの発生情報量が急激に増加する。
また、この発明は、算術符号化装置により符号化効率が高められたシンボルを正しく復号することができる算術復号装置及び算術復号方法を得ることを目的とする。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による算術符号化装置が実装されている動画像符号化装置を示す構成図である。
図1において、画像入力部1は符号化対象の動画像を入力し、その動画像をマクロブロック単位に分割して、分割後の各マクロブロックの画像(以下、「マクロブロック画像」と称する)を出力する処理を実施する。
イントラ予測部2はイントラ予測を実施することで、後述するフレームメモリ10に格納された局部復号画像から予測画像を生成するとともに、イントラ予測の予測モードをエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
符号化制御部4は選択スイッチ5を制御するとともに、その選択スイッチ5に対する制御信号及び量子化スケールをエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
選択スイッチ5は符号化制御部4から出力された制御信号にしたがって、イントラ予測部2により生成された予測画像又は動き補償予測部3により生成された予測画像のうち、予測精度が高い方の予測画像を選択する処理を実施する。
量子化変換部7は減算器6から出力された予測誤差信号を直交変換して、その予測誤差信号の直交変換係数を量子化し、量子化後の直交変換係数を逆量子化変換部8及びエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
加算器9は選択スイッチ5により選択された予測画像と逆量子化変換部8から出力された予測誤差信号を加算して、局部復号画像を生成する処理を実施する。
フレームメモリ10は加算器9により生成された局部復号画像を参照画像として格納する記録媒体である。
図1の例では、符号化対象のパラメータとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール・制御信号及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)をエントロピー符号化している。
図2では、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVD(Motion Vector Difference:動きベクトル差分値)を2値化した際の第1ビット目の2値化データ(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(第2のシンボル))をエントロピー符号化するものとして説明する。
ただし、エントロピー符号化部11がエントロピー符号化する符号化対象のパラメータの個数は2個に限るものではなく、3個以上でもよいことは言うまでもない。
また、第1のシンボルがMVDの1ビット目、第2のシンボルがCBPの1ビット目に限るものではなく、第1のシンボルがMVDの1ビット目ではない2値化データやMVD以外の符号化パラメータの2値化データ、第2のシンボルがCBPの1ビット目ではない2値化データやCBP以外の符号化パラメータの2値化データであってもよいことは言うまでもない。
確率テーブルメモリ22は各状態における生起確率を示す確率テーブル(図14を参照:図14の確率テーブルは、生起確率の逆数の近似値を格納している)を記憶している記録媒体である。
なお、遷移状態記憶メモリ21及び確率テーブルメモリ22から生起確率記憶手段が構成されている。
また、従来のH.264では、図13の状態遷移図や図14の確率テーブルを使用することにより生起確率を更新・記憶しているが、これに限らず、生起確率を更新・記憶する手段であれば、いかなる手段であっても本発明を適用することができる。例えば、符号化対象となるシンボルの2値化データの発生事象が“0”である回数と、“1”である回数をカウントし、統計的に確率を算出するなどの方法であってもよい。
2値化部24は符号化対象のパラメータであるMVDとCBPを2値化して、それぞれの2値化データを出力する処理を実施する。なお、2値化部24は2値化手段を構成している。
図4はこの発明の実施の形態1による算術符号化装置であるエントロピー符号化部11の処理内容を示すフローチャートである。
図5はエントロピー符号化部11における状態リセット判定部26の判定処理を示すフローチャートである。
画像入力部1は、符号化対象の動画像を入力すると、その動画像をマクロブロック単位に分割して、分割後の各マクロブロックの画像をマクロブロック画像として出力する(図3のステップST1)。
減算器6は、画像入力部1からマクロブロック画像が出力され、選択スイッチ5から予測画像が出力されると、そのマクロブロック画像と予測画像の差分画像である予測誤差信号を算出し、その予測誤差信号を量子化変換部7に出力する(ステップST2)。
逆量子化変換部8は、量子化変換部7から量子化後の直交変換係数を受けると、量子化後の直交変換係数を逆量子化して、逆量子化後の直交変換係数を逆直交変換することで、減算器6から出力された予測誤差信号に相当する予測誤差信号を加算器9に出力する(ステップST4)。
動き補償予測部3は、画像入力部1からマクロブロック画像を受けると、そのマクロブロック画像とフレームメモリ10により格納されている参照画像から動きベクトルを検出し、その動きベクトルを用いて当該参照画像に対する動き補償予測を実施することで、予測画像を生成するとともに、その動きベクトルをエントロピー符号化部11に出力する(ステップST6)。
選択スイッチ5は、符号化制御部4から出力された制御信号にしたがって、イントラ予測部2により生成された予測画像又は動き補償予測部3により生成された予測画像を選択し、その選択した予測画像を減算器6に出力する。
図1の例では、符号化対象のシンボルとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)をエントロピー符号化している。
また、図1の例では、選択スイッチ5に対する制御信号もエントロピー符号化している。
ここでは、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(MVD1=第1のシンボル))、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(CBP1=第2のシンボル))をエントロピー符号化するものを例として説明する。
エントロピー符号化部11の2値化部24は、符号化対象のパラメータとして、MVDとCBPを入力すると、そのMVDとCBPを2値化して、そのMVD1とCBP1を含む2値化データを算術符号化演算処理部25及び状態リセット判定部26に出力する(図4のステップST11)。
算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の生起確率を特定すると、その生起確率を参照して、2値化部24から出力されたMVD1の2値化データを算術符号化する(ステップST15)。
次に、算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを状態遷移図に照らし合わせて、MVD1(第1のシンボル)の次の遷移状態インデックスを特定し、遷移状態記憶メモリ21におけるMVD1に割り当てられているメモリ領域に記憶されている遷移状態インデックスを特定された次の遷移状態インデックスに更新する。(ステップST16)。
一方、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが“7”であるとき、MVD1(第1のシンボル)が2値化データがLPS(劣勢シンボル)であれば、次の遷移状態インデックスを“5”であると特定する(図13を参照)。
算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新すると、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術符号化結果である符号化データを出力する(ステップST17)。
即ち、状態リセット判定部26は、図5に示すように、下記の3つの条件を全て満足するとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定し(ステップST24)、下記のいずれかの条件を満足しないとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていないと判定する(ステップST25)。
(1)算術符号化演算処理部25により今回更新される前のMVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第1の閾値(例えば、0.875)以上である。
(2)2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データが劣勢シンボルLPSである。
(3)算術符号化演算処理部25により今回更新される前のCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第2の閾値(例えば、0.75)以上である。
例えば、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期値(例えば、遷移状態インデックス“0”や、遷移状態インデックス=“n”(nは任意の値))にリセットすることで、CBP1(第2のシンボル)の生起確率を初期値(例えば、“0.5”や“x”(xは任意の値))にリセットする。
即ち、算術符号化演算処理部25は、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを参照し、確率テーブルメモリ22により格納されている確率テーブルからCBP1(第2のシンボル)の生起確率を特定する。
算術符号化演算処理部25は、CBP1(第2のシンボル)の2値化データを算術符号化すると、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する場合と同様に、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する。
算術符号化演算処理部25は、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新すると、CBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化結果である符号化データを出力する。
図6の例では、予測不能ブロックを符号化する際、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れることで、MVD1(第1のシンボル)の発生情報量が急激に増加しているが、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが初期値にリセットされることで、MVD1(第1のシンボル)と相関があるCBP1(第2のシンボル)の発生情報量の増加が抑制されていることを示している。
因みに、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスが初期値にリセットされない場合、図17に示すように、CBP1(第2のシンボル)の発生情報量が急激に増加する。
例えば、H.264では、マクロブロックの符号化モードを特定するマクロブロックモード(フレーム内予測を用いるか、フレーム間予測を用いるか、フレーム内予測の単位を4×4・8×8・16×16画像のどれにするか、動きベクトルを送信する単位を16×16・16×8・8×16・8×8それ以下のどれにするかなどを示す情報)、マクロブロック内は全て予測値だけで再構成するスキップモードであるか否かを特定するスキップフラグ、動きを特定する差分動きベクトル(動きベクトルの予測値と実際の動きベクトルの差分値)、予測差分情報のブロック毎の有無を示すCBP、輝度信号のフレーム内予測モード、色差信号のフレーム内予測モード、前のマクロブロックとの量子化パラメータの差である差分量子化パラメータ、予測誤差信号の直交変換係数などの符号化パラメータをマクロブロックデータとして符号化する。
また、画像信号に変化がないので、差分動きベクトルは0になる確率が高くなる。CBPも予測差分情報が発生し難いことから、0になる確率が高くなる。
フレーム内予測モードは、輝度も色差も、どの予測モードでもあまり変わらないので、隣接するブロックと同じ値になる確率が高くなる。差分量子化パラメータも変化がないので、0になる確率が高くなる。
フレーム内予測モードもテクスチャに応じて様々なモードが選択される確率が高くなる。
差分量子化パラメータも、符号量を抑えるため量子化パラメータを大きい値に変化させるために0でなくなる確率が高くなる。
上記実施の形態1では、状態リセット判定部26が2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、算術符号化演算処理部25によりCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するものについて示したが、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている場合、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する代わりに、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPS(優勢シンボル)とLPS(劣勢シンボル)の意味付けを反転するようにしてもよい。
これらの場合も、上記実施の形態1と同様に、CBP1(第2のシンボル)の発生情報量を速やかに抑制して、符号化効率を高めることができる。
図7はこの発明の実施の形態3による算術符号化装置であるエントロピー符号化部11を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
遷移状態記憶メモリ27は図2の遷移状態記憶メモリ21と同様に、符号化対象の各シンボルの、各シンボルの現在の遷移状態インデックスを記憶している記録媒体であるが、図2の遷移状態記憶メモリ21のように、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが状態リセット判定部26によって初期化されるのではなく、例えば、イントラ予測部2や動き補償予測部3から、2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグ(状態遷移情報)を受信すると、算術符号化演算処理部25によりMVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、MVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化する点で相違している。
なお、遷移状態記憶メモリ27は、生起確率記憶手段及び生起確率初期化手段を構成している。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、過去に符号化したブロックと性質の異なるブロック(予測不能ブロックと呼ぶ)における予測画像を生成する際、予測不能ブロックを解析するので、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判別することができる。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定すると、定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化部11の遷移状態記憶メモリ27に出力する。
この場合、算術符号化演算処理部25によりMVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、遷移状態記憶メモリ27が、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていることを認識することができるので、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化するだけでなく、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスも初期化する。
その他の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図8はこの発明の実施の形態4による算術復号装置が実装されている動画像復号装置を示す構成図である。
図8において、エントロピー復号部31は、この発明の実施の形態4による算術復号装置であり、図1のエントロピー符号化部11から送信された符号化データを受信すると、その符号化データから、例えば、マクロブロックの符号化モードを特定するマクロブロックモード(フレーム内予測を用いるか、フレーム間予測を用いるか、フレーム内予測の単位を4×4・8×8・16×16画像のどれにするか、動きベクトルを送信する単位を16×16・16×8・8×16・8×8それ以下のどれにするかなどを示す情報)、マクロブロック内は全て予測値だけで再構成するスキップモードであるか否かを特定するスキップフラグ、動きを特定する差分動きベクトル(動きベクトルの予測値と実際の動きベクトルの差分値)、予測差分情報のブロック毎の有無を示すCBP、輝度信号のフレーム内予測モード、色差信号のフレーム内予測モード、前のマクロブロックとの量子化パラメータの差である差分量子化パラメータ、予測誤差信号の直交変換係数などをエントロピー復号して復号パラメータとして出力する処理を実施する。
図8の例では、復号対象のパラメータとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数をエントロピー復号している。
また、図8の例では、選択スイッチ5に対する制御信号もエントロピー復号している。
イントラ予測画像生成部33はエントロピー復号部31によりエントロピー復号されたイントラ予測の予測モードにしたがってイントラ予測を実施することで、図1のイントラ予測部2により生成された予測画像に相当する予測画像を生成する処理を実施する。
選択スイッチ35はエントロピー復号部31によりエントロピー復号された図1の選択スイッチ5に対する制御信号にしたがって、イントラ予測画像生成部33又は動き補償部34により生成された予測画像を選択する処理を実施する。
フレームメモリ37は加算器36により生成されたマクロブロック画像を参照画像として格納する記録媒体である。
図9では、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の1ビット目の2値化データであるMVD1(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データであるCBP1(第2のシンボル))をエントロピー復号するものとして説明する。
ただし、エントロピー復号部31がエントロピー復号する復号対象のパラメータの個数は2個に限るものではなく、3個以上でもよいことは言うまでもない。
また、第1のシンボルがMVDの1ビット目、第2のシンボルがCBPの1ビット目に限るものではなく、第1のシンボルがMVDの1ビット目ではない2値化データやMVD以外の符号化パラメータの2値化データ、第2のシンボルがCBPの1ビット目ではない2値化データやCBP以外の符号化パラメータの2値化データであってもよいことは言うまでもない。
確率テーブルメモリ42は図2の確率テーブルメモリ22と同様に、各状態における生起確率を示す確率テーブル(図14を参照:図14の確率テーブルは、生起確率の逆数の近似値を格納している)を記憶している記録媒体である。
なお、遷移状態記憶メモリ41及び確率テーブルメモリ42から生起確率記憶手段が構成されている。
また、従来のH.264では、図13の状態遷移図や図14の確率テーブルを使用することにより生起確率を更新・記憶しているが、これに限らず、生起確率を更新・記憶する手段であれば、いかなる手段であっても本発明を適用することができる。例えば、復号されたシンボルの2値化データの発生事象が“0”である回数と、“1”である回数をカウントし、統計的に確率を算出するなどの方法であってもよい。
逆2値化部46は算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)を含む2値化データとCBP1(第2のシンボル)を含む2値化データを逆2値化して、復号結果として復号対象パラメータであるMVDとCBPを出力する処理を実施する。なお、逆2値化部46は逆2値化手段を構成している。
図11はこの発明の実施の形態4による算術復号装置であるエントロピー復号部31の処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態4の算術復号装置は、図1の算術符号化装置により符号化効率が高められたシンボルを正しく復号して、画像を復号する装置である。
エントロピー復号部31は、図1のエントロピー符号化部11から送信された符号化データを受信すると、その符号化データから相関がある複数のパラメータを復号して出力する(図10のステップST31)。
即ち、エントロピー復号部31は、図1のイントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトルの予測差分値である動きベクトル差分値、符号化制御部4から出力された量子化スケール、量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)及び選択スイッチ5に対する制御信号をエントロピー復号する。
エントロピー復号部31の処理内容の詳細は後述する。
イントラ予測画像生成部33は、エントロピー復号部31がイントラ予測の予測モードをエントロピー復号すると、そのイントラ予測の予測モードにしたがってイントラ予測(フレーム内予測)を実施することで、図1のイントラ予測部2により生成された予測画像に相当する予測画像を生成する(ステップST33)。
選択スイッチ35は、エントロピー復号部31が図1の選択スイッチ5に対する制御信号をエントロピー復号すると、その制御信号にしたがって、イントラ予測画像生成部33又は動き補償部34により生成された予測画像を選択する。
加算器36は、逆量子化変換部32により算出された予測誤差信号と選択スイッチ35により選択された予測画像を加算して、図1の画像入力部1から出力されたマクロブロック画像に相当するマクロブロック画像をフレームメモリ37に格納するとともに、そのマクロブロック画像を外部に出力する(ステップST35)。
ここでは、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の1ビット目の2値化データであるMVD1(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データであるCBP1(第2のシンボル))をエントロピー復号するものを例として説明する。
コンテキスト生成部43は、復号対象のシンボルを識別する種別信号と周辺ブロック(復号対象のマクロブロックの周辺に存在しているマクロブロック)の情報を参照して、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているシンボル毎に遷移状態インデックスを格納するために遷移状態記憶メモリ41上に割り当てられたメモリ領域の中から、算術復号演算処理部44により参照されるメモリ領域を選択し、そのメモリ領域を識別するコンテキスト情報を生成する(図11のステップST41)。
算術復号演算処理部44は、MVD1(第1のシンボル)の生起確率を特定すると、その生起確率を参照して、MVD1(第1のシンボル)の2値化データを算術復号する(ステップST44)。
逆2値化部46は、算術復号演算処理部44がMVD1(第1のシンボル)を含む2値化データを算術復号すると、その2値化データを逆2値化して(ステップST46)、復号パラメータとしてMVDを出力する(ステップST47)。
即ち、状態リセット判定部45は、図5に示すように、下記の3つの条件を全て満足するとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定し(ステップST24)、下記のいずれかの条件を満足しないとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていないと判定する(ステップST25)。
(1)算術復号演算処理部44により今回更新される前のMVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第1の閾値(例えば、0.875)以上である。
(2)算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データが劣勢シンボルLPSである。
(3)算術復号演算処理部44により今回更新される前のCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第2の閾値(例えば、0.75)以上である。
即ち、算術復号演算処理部44は、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを参照し、確率テーブルメモリ42により格納されている確率テーブルからCBP1(第2のシンボル)の生起確率を特定する。
算術復号演算処理部44は、CBP1(第2のシンボル)の2値化データを算術復号すると、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する場合と同様に、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する。
逆2値化部46は、算術復号演算処理部44がCBP1(第2のシンボル)を含む2値化データを算術復号すると、その2値化データを逆2値化して、復号パラメータとしてCBPを出力する。
上記実施の形態4では、状態リセット判定部45が算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、算術復号演算処理部44によりCBP(第2のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するものについて示したが、上記実施の形態2の動画像符号化装置のように、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているとき、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPS(優勢シンボル)とLPS(劣勢シンボル)の意味付けが反転される場合、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する代わりに、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPSとLPSの意味付けを反転するように動作する。
これらの場合も、上記実施の形態4と同様に、算術符号化装置により符号化効率が高められたシンボルを正しく復号することができる効果を奏する。
図12はこの発明の実施の形態6による算術復号装置であるエントロピー復号部31を示す構成図であり、図において、図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
遷移状態記憶メモリ47は図9の遷移状態記憶メモリ41と同様に、復号対象の各シンボルの遷移状態インデックスを記憶している記録媒体であるが、図9の遷移状態記憶メモリ41のように、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが状態リセット判定部45によって初期化されるのではなく、例えば、動画像符号化装置のイントラ予測部2や動き補償予測部3から、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグ(状態遷移情報)を受信すると、算術復号演算処理部44によりMVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、MVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化する点で相違している。
なお、遷移状態記憶メモリ47は、生起確率記憶手段及び生起確率初期化手段を構成している。
動画像符号化装置のイントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、過去に復号したブロックとは性質の異なるブロック(予測不能ブロックと呼ぶ)における予測画像を生成する際、予測不能ブロックを解析するので、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判別することができる。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定すると、定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化部11に出力する。
エントロピー符号化部11は、複数のパラメータをエントロピー符号化するとともに、その遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化する。
この場合、算術復号演算処理部44によりMVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、遷移状態記憶メモリ47が、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていることを認識することができるので、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するだけでなく、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する。
その他の処理内容は、上記実施の形態4と同様であるため説明を省略する。
ここで、各符号化シンボルにおける生起確率は異なるため、シンボル毎に生起確率を別々のメモリに記憶している。前記H.264動画像符号化方式では、約1000種類の生起確率を保持するよう構成されている。
また、算術符号化装置は、シンボルの生起確率を参照して、当該シンボルの2値化データを算術符号化すると、当該シンボルの生起確率を更新する。
一方、発生事象であるシンボルがLPSであれば、当該シンボルの生起確率を低める方向に変更する(生起確率の学習を行う)。
ここで、図13は算術符号化装置が使用する生起確率の状態遷移図の一例を示す説明図である。
また、図14は各状態における確率を表現する値を示す説明図である。
図13及び図14において、pStateIdxは遷移状態インデックス、transIdrLPSは発生事象であるシンボルがLPSであるときの次の状態の遷移状態インデックス、transIdrMPSは発生事象であるシンボルがMPSであるときの次の状態の遷移状態インデックスを示している。
また、qCodIRangeIdxは確率を表現する値であり、図14の例では、生起確率の逆数を近似した値である。
図15では、MPS=0、MPSの発生する確率が0.75、LPSの発生する確率が0.25であるときに、入力バイナリ列“0001”が算術符号化され、“011”の出力バイナリに算術符号化されている例を示している。
図16の動画像では、自動車が左向きに進行しており、図中、太枠のブロックでは、符号化順(ラスタスキャン順)で前ブロックまでは背景だけであったが、当該ブロックでは運転者の頭部が進入してきているので、前ブロックまでとは性質が異なるブロックとなっている。
図17は、特定の符号化対象シンボルとして例えばブロックの動き情報を示す符号化パラメータであるMVD(Motion Vector Difference:動きベクトル差分値)を2値化した際の先頭の2値データである第一のシンボルと、ブロックに直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBP(Coded Block Pattern:符号化ブロックパターン)を2値化した際の先頭の2値データである第二のシンボルに着目しそのブロックごとの情報量を図示したものである。
ここで動きが大きいところでは直交変換係数も発生しやすく、動きが少ないところでは直交変換係数も発生しにくいことから、前記第一のシンボルと第二のシンボルのMPSの発生確率には相関関係がある。
図17より、先頭から数ブロックの間は背景画像という性質が同じブロックが符号化されるため、発生するシンボルは常にMPSとなり生起確率の学習効果によって徐々にシンボルごとの発生情報量が減少していく。
このように生起確率の学習が十分行われた状態で図中太枠のブロックように性質の異なるブロックの算術符号化を行うと、シンボルによっては発生事象がLPSとなり、例えば図17に示すように、符号化対象のシンボルの発生情報量が急激に増加する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による算術符号化装置が実装されている動画像符号化装置を示す構成図である。
図1において、画像入力部1は符号化対象の動画像を入力し、その動画像をマクロブロック単位に分割して、分割後の各マクロブロックの画像(以下、「マクロブロック画像」と称する)を出力する処理を実施する。
イントラ予測部2はイントラ予測を実施することで、後述するフレームメモリ10に格納された局部復号画像から予測画像を生成するとともに、イントラ予測の予測モードをエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
符号化制御部4は選択スイッチ5を制御するとともに、その選択スイッチ5に対する制御信号及び量子化スケールをエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
選択スイッチ5は符号化制御部4から出力された制御信号にしたがって、イントラ予測部2により生成された予測画像又は動き補償予測部3により生成された予測画像のうち、予測精度が高い方の予測画像を選択する処理を実施する。
量子化変換部7は減算器6から出力された予測誤差信号を直交変換して、その予測誤差信号の直交変換係数を量子化し、量子化後の直交変換係数を逆量子化変換部8及びエントロピー符号化部11に出力する処理を実施する。
加算器9は選択スイッチ5により選択された予測画像と逆量子化変換部8から出力された予測誤差信号を加算して、局部復号画像を生成する処理を実施する。
フレームメモリ10は加算器9により生成された局部復号画像を参照画像として格納する記録媒体である。
図1の例では、符号化対象のパラメータとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール・制御信号及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)をエントロピー符号化している。
図2では、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVD(Motion Vector Difference:動きベクトル差分値)を2値化した際の第1ビット目の2値化データ(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(第2のシンボル))をエントロピー符号化するものとして説明する。
ただし、エントロピー符号化部11がエントロピー符号化する符号化対象のパラメータの個数は2個に限るものではなく、3個以上でもよいことは言うまでもない。
また、第1のシンボルがMVDの1ビット目、第2のシンボルがCBPの1ビット目に限るものではなく、第1のシンボルがMVDの1ビット目ではない2値化データやMVD以外の符号化パラメータの2値化データ、第2のシンボルがCBPの1ビット目ではない2値化データやCBP以外の符号化パラメータの2値化データであってもよいことは言うまでもない。
確率テーブルメモリ22は各状態における生起確率を示す確率テーブル(図14を参照:図14の確率テーブルは、生起確率の逆数の近似値を格納している)を記憶している記録媒体である。
なお、遷移状態記憶メモリ21及び確率テーブルメモリ22から生起確率記憶手段が構成されている。
また、従来のH.264では、図13の状態遷移図や図14の確率テーブルを使用することにより生起確率を更新・記憶しているが、これに限らず、生起確率を更新・記憶する手段であれば、いかなる手段であっても本発明を適用することができる。例えば、符号化対象となるシンボルの2値化データの発生事象が“0”である回数と、“1”である回数をカウントし、統計的に確率を算出するなどの方法であってもよい。
2値化部24は符号化対象のパラメータであるMVDとCBPを2値化して、それぞれの2値化データを出力する処理を実施する。なお、2値化部24は2値化手段を構成している。
図4はこの発明の実施の形態1による算術符号化装置であるエントロピー符号化部11の処理内容を示すフローチャートである。
図5はエントロピー符号化部11における状態リセット判定部26の判定処理を示すフローチャートである。
画像入力部1は、符号化対象の動画像を入力すると、その動画像をマクロブロック単位に分割して、分割後の各マクロブロックの画像をマクロブロック画像として出力する(図3のステップST1)。
減算器6は、画像入力部1からマクロブロック画像が出力され、選択スイッチ5から予測画像が出力されると、そのマクロブロック画像と予測画像の差分画像である予測誤差信号を算出し、その予測誤差信号を量子化変換部7に出力する(ステップST2)。
逆量子化変換部8は、量子化変換部7から量子化後の直交変換係数を受けると、量子化後の直交変換係数を逆量子化して、逆量子化後の直交変換係数を逆直交変換することで、減算器6から出力された予測誤差信号に相当する予測誤差信号を加算器9に出力する(ステップST4)。
動き補償予測部3は、画像入力部1からマクロブロック画像を受けると、そのマクロブロック画像とフレームメモリ10により格納されている参照画像から動きベクトルを検出し、その動きベクトルを用いて当該参照画像に対する動き補償予測を実施することで、予測画像を生成するとともに、その動きベクトルをエントロピー符号化部11に出力する(ステップST6)。
選択スイッチ5は、符号化制御部4から出力された制御信号にしたがって、イントラ予測部2により生成された予測画像又は動き補償予測部3により生成された予測画像を選択し、その選択した予測画像を減算器6に出力する。
図1の例では、符号化対象のシンボルとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)をエントロピー符号化している。
また、図1の例では、選択スイッチ5に対する制御信号もエントロピー符号化している。
ここでは、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(MVD1=第1のシンボル))、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データ(CBP1=第2のシンボル))をエントロピー符号化するものを例として説明する。
エントロピー符号化部11の2値化部24は、符号化対象のパラメータとして、MVDとCBPを入力すると、そのMVDとCBPを2値化して、そのMVD1とCBP1を含む2値化データを算術符号化演算処理部25及び状態リセット判定部26に出力する(図4のステップST11)。
算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の生起確率を特定すると、その生起確率を参照して、2値化部24から出力されたMVD1の2値化データを算術符号化する(ステップST15)。
次に、算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを状態遷移図に照らし合わせて、MVD1(第1のシンボル)の次の遷移状態インデックスを特定し、遷移状態記憶メモリ21におけるMVD1に割り当てられているメモリ領域に記憶されている遷移状態インデックスを特定された次の遷移状態インデックスに更新する。(ステップST16)。
一方、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが“7”であるとき、MVD1(第1のシンボル)が2値化データがLPS(劣勢シンボル)であれば、次の遷移状態インデックスを“5”であると特定する(図13を参照)。
算術符号化演算処理部25は、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新すると、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術符号化結果である符号化データを出力する(ステップST17)。
即ち、状態リセット判定部26は、図5に示すように、下記の3つの条件を全て満足するとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定し(ステップST24)、下記のいずれかの条件を満足しないとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていないと判定する(ステップST25)。
(1)算術符号化演算処理部25により今回更新される前のMVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第1の閾値(例えば、0.875)以上である。
(2)2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データが劣勢シンボルLPSである。
(3)算術符号化演算処理部25により今回更新される前のCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第2の閾値(例えば、0.75)以上である。
例えば、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期値(例えば、遷移状態インデックス“0”や、遷移状態インデックス=“n”(nは任意の値))にリセットすることで、CBP1(第2のシンボル)の生起確率を初期値(例えば、“0.5”や“x”(xは任意の値))にリセットする。
即ち、算術符号化演算処理部25は、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを参照し、確率テーブルメモリ22により格納されている確率テーブルからCBP1(第2のシンボル)の生起確率を特定する。
算術符号化演算処理部25は、CBP1(第2のシンボル)の2値化データを算術符号化すると、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する場合と同様に、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する。
算術符号化演算処理部25は、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新すると、CBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化結果である符号化データを出力する。
図6の例では、予測不能ブロックを符号化する際、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れることで、MVD1(第1のシンボル)の発生情報量が急激に増加しているが、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが初期値にリセットされることで、MVD1(第1のシンボル)と相関があるCBP1(第2のシンボル)の発生情報量の増加が抑制されていることを示している。
因みに、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスが初期値にリセットされない場合、図17に示すように、CBP1(第2のシンボル)の発生情報量が急激に増加する。
例えば、H.264では、マクロブロックの符号化モードを特定するマクロブロックモード(フレーム内予測を用いるか、フレーム間予測を用いるか、フレーム内予測の単位を4×4・8×8・16×16画像のどれにするか、動きベクトルを送信する単位を16×16・16×8・8×16・8×8それ以下のどれにするかなどを示す情報)、マクロブロック内は全て予測値だけで再構成するスキップモードであるか否かを特定するスキップフラグ、動きを特定する差分動きベクトル(動きベクトルの予測値と実際の動きベクトルの差分値)、予測差分情報のブロック毎の有無を示すCBP、輝度信号のフレーム内予測モード、色差信号のフレーム内予測モード、前のマクロブロックとの量子化パラメータの差である差分量子化パラメータ、予測誤差信号の直交変換係数などの符号化パラメータをマクロブロックデータとして符号化する。
また、画像信号に変化がないので、差分動きベクトルは0になる確率が高くなる。CBPも予測差分情報が発生し難いことから、0になる確率が高くなる。
フレーム内予測モードは、輝度も色差も、どの予測モードでもあまり変わらないので、隣接するブロックと同じ値になる確率が高くなる。差分量子化パラメータも変化がないので、0になる確率が高くなる。
フレーム内予測モードもテクスチャに応じて様々なモードが選択される確率が高くなる。
差分量子化パラメータも、符号量を抑えるため量子化パラメータを大きい値に変化させるために0でなくなる確率が高くなる。
上記実施の形態1では、状態リセット判定部26が2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、算術符号化演算処理部25によりCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するものについて示したが、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている場合、遷移状態記憶メモリ21により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する代わりに、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPS(優勢シンボル)とLPS(劣勢シンボル)の意味付けを反転するようにしてもよい。
これらの場合も、上記実施の形態1と同様に、CBP1(第2のシンボル)の発生情報量を速やかに抑制して、符号化効率を高めることができる。
図7はこの発明の実施の形態3による算術符号化装置であるエントロピー符号化部11を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
遷移状態記憶メモリ27は図2の遷移状態記憶メモリ21と同様に、符号化対象の各シンボルの、各シンボルの現在の遷移状態インデックスを記憶している記録媒体であるが、図2の遷移状態記憶メモリ21のように、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが状態リセット判定部26によって初期化されるのではなく、例えば、イントラ予測部2や動き補償予測部3から、2値化部24から出力されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグ(状態遷移情報)を受信すると、算術符号化演算処理部25によりMVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、MVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化する点で相違している。
なお、遷移状態記憶メモリ27は、生起確率記憶手段及び生起確率初期化手段を構成している。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、過去に符号化したブロックと性質の異なるブロック(予測不能ブロックと呼ぶ)における予測画像を生成する際、予測不能ブロックを解析するので、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判別することができる。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定すると、定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化部11の遷移状態記憶メモリ27に出力する。
この場合、算術符号化演算処理部25によりMVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術符号化が行われる前に、遷移状態記憶メモリ27が、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていることを認識することができるので、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化するだけでなく、MVD1(第1のシンボル)の現在の遷移状態インデックスも初期化する。
その他の処理内容は、上記実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
図8はこの発明の実施の形態4による算術復号装置が実装されている動画像復号装置を示す構成図である。
図8において、エントロピー復号部31は、この発明の実施の形態4による算術復号装置であり、図1のエントロピー符号化部11から送信された符号化データを受信すると、その符号化データから、例えば、マクロブロックの符号化モードを特定するマクロブロックモード(フレーム内予測を用いるか、フレーム間予測を用いるか、フレーム内予測の単位を4×4・8×8・16×16画像のどれにするか、動きベクトルを送信する単位を16×16・16×8・8×16・8×8それ以下のどれにするかなどを示す情報)、マクロブロック内は全て予測値だけで再構成するスキップモードであるか否かを特定するスキップフラグ、動きを特定する差分動きベクトル(動きベクトルの予測値と実際の動きベクトルの差分値)、予測差分情報のブロック毎の有無を示すCBP、輝度信号のフレーム内予測モード、色差信号のフレーム内予測モード、前のマクロブロックとの量子化パラメータの差である差分量子化パラメータ、予測誤差信号の直交変換係数などをエントロピー復号して復号パラメータとして出力する処理を実施する。
図8の例では、復号対象のパラメータとして、イントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトル、符号化制御部4から出力された量子化スケール及び量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数をエントロピー復号している。
また、図8の例では、選択スイッチ5に対する制御信号もエントロピー復号している。
イントラ予測画像生成部33はエントロピー復号部31によりエントロピー復号されたイントラ予測の予測モードにしたがってイントラ予測を実施することで、図1のイントラ予測部2により生成された予測画像に相当する予測画像を生成する処理を実施する。
選択スイッチ35はエントロピー復号部31によりエントロピー復号された図1の選択スイッチ5に対する制御信号にしたがって、イントラ予測画像生成部33又は動き補償部34により生成された予測画像を選択する処理を実施する。
フレームメモリ37は加算器36により生成されたマクロブロック画像を参照画像として格納する記録媒体である。
図9では、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の1ビット目の2値化データであるMVD1(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データであるCBP1(第2のシンボル))をエントロピー復号するものとして説明する。
ただし、エントロピー復号部31がエントロピー復号する復号対象のパラメータの個数は2個に限るものではなく、3個以上でもよいことは言うまでもない。
また、第1のシンボルがMVDの1ビット目、第2のシンボルがCBPの1ビット目に限るものではなく、第1のシンボルがMVDの1ビット目ではない2値化データやMVD以外の符号化パラメータの2値化データ、第2のシンボルがCBPの1ビット目ではない2値化データやCBP以外の符号化パラメータの2値化データであってもよいことは言うまでもない。
確率テーブルメモリ42は図2の確率テーブルメモリ22と同様に、各状態における生起確率を示す確率テーブル(図14を参照:図14の確率テーブルは、生起確率の逆数の近似値を格納している)を記憶している記録媒体である。
なお、遷移状態記憶メモリ41及び確率テーブルメモリ42から生起確率記憶手段が構成されている。
また、従来のH.264では、図13の状態遷移図や図14の確率テーブルを使用することにより生起確率を更新・記憶しているが、これに限らず、生起確率を更新・記憶する手段であれば、いかなる手段であっても本発明を適用することができる。例えば、復号されたシンボルの2値化データの発生事象が“0”である回数と、“1”である回数をカウントし、統計的に確率を算出するなどの方法であってもよい。
逆2値化部46は算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)を含む2値化データとCBP1(第2のシンボル)を含む2値化データを逆2値化して、復号結果として復号対象パラメータであるMVDとCBPを出力する処理を実施する。なお、逆2値化部46は逆2値化手段を構成している。
図11はこの発明の実施の形態4による算術復号装置であるエントロピー復号部31の処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態4の算術復号装置は、図1の算術符号化装置により符号化効率が高められたシンボルを正しく復号して、画像を復号する装置である。
エントロピー復号部31は、図1のエントロピー符号化部11から送信された符号化データを受信すると、その符号化データから相関がある複数のパラメータを復号して出力する(図10のステップST31)。
即ち、エントロピー復号部31は、図1のイントラ予測部2から出力された予測モード、動き補償予測部3により検出された動きベクトルの予測差分値である動きベクトル差分値、符号化制御部4から出力された量子化スケール、量子化変換部7から出力された量子化後の直交変換係数情報(CBPを含む)及び選択スイッチ5に対する制御信号をエントロピー復号する。
エントロピー復号部31の処理内容の詳細は後述する。
イントラ予測画像生成部33は、エントロピー復号部31がイントラ予測の予測モードをエントロピー復号すると、そのイントラ予測の予測モードにしたがってイントラ予測(フレーム内予測)を実施することで、図1のイントラ予測部2により生成された予測画像に相当する予測画像を生成する(ステップST33)。
選択スイッチ35は、エントロピー復号部31が図1の選択スイッチ5に対する制御信号をエントロピー復号すると、その制御信号にしたがって、イントラ予測画像生成部33又は動き補償部34により生成された予測画像を選択する。
加算器36は、逆量子化変換部32により算出された予測誤差信号と選択スイッチ35により選択された予測画像を加算して、図1の画像入力部1から出力されたマクロブロック画像に相当するマクロブロック画像をフレームメモリ37に格納するとともに、そのマクロブロック画像を外部に出力する(ステップST35)。
ここでは、2つのシンボル(動きベクトル差分値を示す符号化パラメータであるMVDを2値化した際の1ビット目の2値化データであるMVD1(第1のシンボル)、ブロック内に非零直交変換係数が存在するか否かを示す符号化パラメータであるCBPを2値化した際の第1ビット目の2値化データであるCBP1(第2のシンボル))をエントロピー復号するものを例として説明する。
コンテキスト生成部43は、復号対象のシンボルを識別する種別信号と周辺ブロック(復号対象のマクロブロックの周辺に存在しているマクロブロック)の情報を参照して、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているシンボル毎に遷移状態インデックスを格納するために遷移状態記憶メモリ41上に割り当てられたメモリ領域の中から、算術復号演算処理部44により参照されるメモリ領域を選択し、そのメモリ領域を識別するコンテキスト情報を生成する(図11のステップST41)。
算術復号演算処理部44は、MVD1(第1のシンボル)の生起確率を特定すると、その生起確率を参照して、MVD1(第1のシンボル)の2値化データを算術復号する(ステップST44)。
逆2値化部46は、算術復号演算処理部44がMVD1(第1のシンボル)を含む2値化データを算術復号すると、その2値化データを逆2値化して(ステップST46)、復号パラメータとしてMVDを出力する(ステップST47)。
即ち、状態リセット判定部45は、図5に示すように、下記の3つの条件を全て満足するとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定し(ステップST24)、下記のいずれかの条件を満足しないとき(ステップST21〜ST23)、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていないと判定する(ステップST25)。
(1)算術復号演算処理部44により今回更新される前のMVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第1の閾値(例えば、0.875)以上である。
(2)算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データが劣勢シンボルLPSである。
(3)算術復号演算処理部44により今回更新される前のCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスにより特定されるMPSの生起確率が第2の閾値(例えば、0.75)以上である。
即ち、算術復号演算処理部44は、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを参照し、確率テーブルメモリ42により格納されている確率テーブルからCBP1(第2のシンボル)の生起確率を特定する。
算術復号演算処理部44は、CBP1(第2のシンボル)の2値化データを算術復号すると、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する場合と同様に、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを更新する。
逆2値化部46は、算術復号演算処理部44がCBP1(第2のシンボル)を含む2値化データを算術復号すると、その2値化データを逆2値化して、復号パラメータとしてCBPを出力する。
上記実施の形態4では、状態リセット判定部45が算術復号演算処理部44により算術復号されたMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、算術復号演算処理部44によりCBP(第2のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するものについて示したが、上記実施の形態2の動画像符号化装置のように、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているとき、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPS(優勢シンボル)とLPS(劣勢シンボル)の意味付けが反転される場合、遷移状態記憶メモリ41により記憶されているCBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する代わりに、CBP1(第2のシンボル)の2値化データにおけるMPSとLPSの意味付けを反転するように動作する。
これらの場合も、上記実施の形態4と同様に、算術符号化装置により符号化効率が高められたシンボルを正しく復号することができる効果を奏する。
図12はこの発明の実施の形態6による算術復号装置であるエントロピー復号部31を示す構成図であり、図において、図9と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
遷移状態記憶メモリ47は図9の遷移状態記憶メモリ41と同様に、復号対象の各シンボルの遷移状態インデックスを記憶している記録媒体であるが、図9の遷移状態記憶メモリ41のように、CBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスが状態リセット判定部45によって初期化されるのではなく、例えば、動画像符号化装置のイントラ予測部2や動き補償予測部3から、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグ(状態遷移情報)を受信すると、算術復号演算処理部44によりMVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、MVD1(第1のシンボル)及びCBP1(第2のシンボル)の現在の遷移状態インデックスを初期化する点で相違している。
なお、遷移状態記憶メモリ47は、生起確率記憶手段及び生起確率初期化手段を構成している。
動画像符号化装置のイントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、過去に復号したブロックとは性質の異なるブロック(予測不能ブロックと呼ぶ)における予測画像を生成する際、予測不能ブロックを解析するので、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れているか否かを判別することができる。
イントラ予測部2(または、動き補償予測部3)は、予測不能ブロックにおけるMVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていると判定すると、定常状態が途切れている旨を示す遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化部11に出力する。
エントロピー符号化部11は、複数のパラメータをエントロピー符号化するとともに、その遷移状態リセットフラグをエントロピー符号化する。
この場合、算術復号演算処理部44によりMVD1(第1のシンボル)の2値化データの算術復号が行われる前に、遷移状態記憶メモリ47が、MVD1(第1のシンボル)の2値化データの定常状態が途切れていることを認識することができるので、CBP1(第2のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化するだけでなく、MVD1(第1のシンボル)の遷移状態インデックスを初期化する。
その他の処理内容は、上記実施の形態4と同様であるため説明を省略する。
Claims (12)
- 符号化対象のパラメータを2値化して、2値化データを出力する2値化手段と、上記2値化データに含まれるシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある上記2値化データに含まれる第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶手段と、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データを算術符号化してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第2のシンボルの2値化データを算術符号化するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術符号化手段と、上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、上記算術符号化手段により第2のシンボルの2値化データの算術符号化が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化手段とを備えた算術符号化装置。
- 生起確率初期化手段は、2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データが劣勢シンボルであり、かつ、生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率が所定の閾値以上である場合、上記第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れていると判定することを特徴とする請求項1記載の算術符号化装置。
- 生起確率初期化手段は、2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データが劣勢シンボルであり、また生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率が第1の閾値以上であり、かつ、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率が第2の閾値以上である場合、上記第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れていると判定することを特徴とする請求項1記載の算術符号化装置。
- 生起確率初期化手段は、第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れている場合、生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する代わりに、上記第2のシンボルの2値化データにおける優勢シンボルと劣勢シンボルの意味付けを反転することを特徴とする請求項1記載の算術符号化装置。
- 符号化対象のパラメータを2値化して、2値化データを出力する2値化手段と、上記2値化データに含まれるシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある上記2値化データに含まれる第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶手段と、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データを算術符号化してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第2のシンボルの2値化データを算術符号化するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術符号化手段と、上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れている旨を示す状態遷移情報を受信すると、上記算術符号化手段により第1及び第2のシンボルの2値化データの算術符号化が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化手段とを備えた算術符号化装置。
- 復号対象のシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶手段と、上記第1及び第2のシンボルの2値化データの算術符号化結果である符号化データを入力し、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記第1のシンボルの2値化データを算術復号してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記第2のシンボルの2値化データを算術復号するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術復号手段と、上記算術復号手段により算術復号された第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、上記算術復号手段により第2のシンボルの2値化データの算術復号が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化手段と、上記算術復号手段により算術復号された第1及び第2のシンボルを含む2値化データを逆2値化して復号パラメータを出力する逆2値化手段とを備えた算術復号装置。
- 生起確率初期化手段は、算術復号手段により算術復号された第1のシンボルの2値化データが劣勢シンボルであり、かつ、生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率が所定の閾値以上である場合、上記第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れていると判定することを特徴とする請求項6記載の算術復号装置。
- 生起確率初期化手段は、算術復号手段により算術復号された第1のシンボルの2値化データが劣勢シンボルであり、また生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率が第1の閾値以上であり、かつ、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率が第2の閾値以上である場合、上記第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れていると判定することを特徴とする請求項6記載の算術復号装置。
- 生起確率初期化手段は、第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れている場合、生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する代わりに、上記第2のシンボルの2値化データにおける優勢シンボルと劣勢シンボルの意味付けを反転することを特徴とする請求項6記載の算術復号装置。
- 復号対象のシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶手段と、上記第1及び第2のシンボルの2値化データの算術符号化結果である符号化データを入力し、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記第1のシンボルの2値化データを算術復号してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記第2のシンボルの2値化データを算術復号するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術復号手段と、算術符号化装置から上記第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れている旨を示す状態遷移情報を受信すると、上記算術復号手段により第1及び第2のシンボルの2値化データの算術復号が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化手段と、上記算術復号手段により算術復号された第1及び第2のシンボルを含む2値化データを逆2値化して復号パラメータを出力する逆2値化手段とを備えた算術復号装置。
- 2値化手段が符号化対象のパラメータを2値化して、2値化データを出力する2値化処理ステップと、生起確率記憶手段が上記2値化データに含まれる符号化対象のシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある上記2値化データに含まれる第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶処理ステップと、算術符号化手段が上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データを算術符号化してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記2値化手段から出力された第2のシンボルの2値化データを算術符号化するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術符号化処理ステップと、生起確率初期化手段が上記2値化手段から出力された第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、上記算術符号化手段により第2のシンボルの2値化データの算術符号化が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化処理ステップとを備えた算術符号化方法。
- 生起確率記憶手段が復号対象のシンボルである第1のシンボルの生起確率を記憶するとともに、上記第1のシンボルと相関がある第2のシンボルの生起確率を記憶する生起確率記憶処理ステップと、算術復号手段が上記第1及び第2のシンボルの2値化データの算術符号化結果である符号化データを入力し、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1のシンボルの生起確率を参照して、上記第1のシンボルの2値化データを算術復号してから、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を参照して、上記第2のシンボルの2値化データを算術復号するとともに、上記生起確率記憶手段により記憶されている第1及び第2のシンボルの生起確率を更新する算術復号処理ステップと、生起確率初期化手段が上記算術復号手段により算術復号された第1のシンボルの2値化データの定常状態が途切れているか否かを判定し、定常状態が途切れていれば、上記算術復号手段により第2のシンボルの2値化データの算術復号が行われる前に、上記生起確率記憶手段により記憶されている第2のシンボルの生起確率を初期化する生起確率初期化処理ステップと、逆2値化手段が上記算術復号手段により算術復号された第1及び第2のシンボルを含む2値化データを逆2値化して復号パラメータを出力する逆2値化処理ステップとを備えた算術復号方法。
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