JPWO2008059634A1 - 脊髄誘発電位測定装置及び脊髄誘発電位測定システム - Google Patents

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Abstract

一対の電極14と、一対の電極14を保持する保持部12と、を有し、電極14の先端部が保持部12の端部から外側へ突出し、電極14と保持部12とが相対的に移動可能である脊髄誘発電位測定装置である。電極14の先端部に肋間神経に係合可能なフック部15が設けられ、フック部15に肋間神経を係合した状態で電極14又は保持部12を移動して、フック部15と保持部12の端部との間で肋間神経を挟持可能である。手術前準備が不要で、急患にも対応でき、かつ麻酔の影響も受けにくい、脊髄誘発電位測定システムおよびそれに使用する脊髄誘発電位測定装置を提供する。

Description

本発明は、肋間神経刺激−記録による脊髄誘発電位測定システムおよびそれに使用する脊髄誘発電位測定装置に関する。
胸腹部大動脈手術、胸部下行大動脈瘤手術および脊髄損傷手術において、手術中の脊髄虚血による対麻痺(下半身麻痺)は患者の生活の質(QOL)を著しく損なう合併症である。
現在までさまざまな脊髄保護法が開発されてきたが、対麻痺を完全に防止するには至っていない。
術中の脊髄虚血をモニタリングする方法の一つとして、脊髄誘発電位がある。これは電気刺激によって脊髄を流れる電流を電磁波形として記録するもので、脊髄が虚血にさらされると、電気の伝導が悪くなり、波形の振幅低下などの変化を観察する方法である。
従来、刺激電極を頭皮や頚部脊髄硬膜外におき、胸腰部硬膜外や足の筋肉に置いた記録電極から波形を得ていた。
しかし、従来の脊髄誘発電位測定法では次に示す様々な問題点があった。
(1)硬膜外に電極を入れる場合、手術当日は術中にヘパリンを使用するため、出血の合併症を避けるために術前日に電極を硬膜外へ挿入留置しておく必要がある。
(2)緊急手術の際に使用することができない。
(3)足の筋肉から電位を記録する場合、術中に筋弛緩剤を使用すると、電位が記録できない。
以上の欠点のために麻酔法や電位測定方法に非常に難渋している。
本発明は、上記の欠点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、術前準備が不要で急患にも対応でき、かつ麻酔の影響も受けにくい、脊髄誘発電位測定システムおよびそれに使用する脊髄誘発電位測定装置を提供することにある。
本発明の脊髄誘発電位測定装置は、一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、該電極と該保持部とが相対的に移動可能である、脊髄誘発電位測定装置であって、該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で該電極又は保持部を移動して、該フック部と保持部の端部との間で肋間神経を挟持可能であり、そのことにより上記目的が達成される。
一つの実施形態では、前記保持部がケースであり、該ケース内に前記一対の電極が突出没入可能に配置され、該一対の電極をケース内へ没入するように電極とケースとの間に弾性体が設けられ、該電極のフック部と該ケースの先端部との間で肋間神経を挟持可能である。
一つの実施形態では、前記ケース内に前記電極への電気接続手段が設けられている。
一つの実施形態では、前記電気接続手段が、ステレオジャックと、該ステレオジャックと該電極とを接続する電極ケーブルと、を有する。
一つの実施形態では、前記保持部に組織へ刺通可能な固定爪が設けられている。
一つの実施形態では、前記保持部が前記電極を収容する筒体であり、該筒体内に一対の電極が筒体の軸方向へ移動可能に配置され、該電極を支持する支持部が該筒体に嵌合され、該筒体と該支持部との間に電極を筒体内へ没入するように付勢する弾性体が配設されている。
一つの実施形態では、前記保持部が前記電極を包むチューブであり、チューブが電極の軸方向へ移動可能に構成され、該電極を支持する支持部が該チューブに移動可能に嵌合され、該支持部と該チューブとの間にチューブを電極のフック部の方向へ付勢するスプリングが配設されている。
一つの実施形態では、前記各電極がそれぞれ前記チューブに包囲され、該一対のチューブは連結部材にて連結されている。
一つの実施形態では、前記一対の電極間の間隔が、2〜3mmである。
本発明の手術中の脊髄虚血をモニタリングする脊髄誘発電位測定システムは、上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される脊髄誘発電位測定装置を有し、該脊髄誘発電位測定装置は、一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、該電極と該保持部とが相対的に移動可能であり、該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で電極又は保持部を移動して、フック部と保持部の端部との間で肋間神経を挟持可能であり、そのことにより上記目的が達成される。
一つの実施形態では、前記保持部がケースであり、該ケース内に前記一対の電極が突出没入可能に配置され、該一対の電極をケース内へ没入するように電極とケースとの間にスプリングが設けられ、該電極のフック部と該ケースの先端部との間で肋間神経を挟持可能である。
一つの実施形態では、前記上位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置に、上位の肋間神経を電気刺激する電気刺激手段が接続され、前記下位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置に、脊髄を伝導して下位の肋間神経に伝わる電気信号を波形として記録する記録手段が接続されている。
一つの実施形態では、前記保持部内に前記電極への電気接続手段が設けられている。
一つの実施形態では、前記電気接続手段が、ステレオジャックと、該ステレオジャックと該電極とを接続する電極ケーブルと、を有する。
本発明の手術中の脊髄虚血をモニタリングする脊髄誘発電位測定システムは、手術中に遮断する大動脈の上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される脊髄誘発電位測定装置を有し、該脊髄誘発電位測定装置は、一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、該電極と該保持部とが相対的に移動可能であり、該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で該電極又は保持部を移動して、該フック部と保持部の端部との間で肋間神経を挟持可能であり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の脊髄誘発電位測定装置によれば、電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で電極又は保持部を移動して、フック部と保持部の端部との間で肋間神経を挟持可能である。
従って、電極を保持部から移動してその電極の先端部に形成したフック部を保持部から外側へ突出し、フック部を肋間神経に係合し、その状態で電極を保持部側へ移動させる(又はフック部を肋間神経に係合させた状態で保持部を移動させる)ことで、フック部と保持部の先端との間に肋間神経を挟持する。そのことにより、確実にかつ安定して電極を肋間神経に接触させることができる。
このようにして、手術中に遮断する大動脈の上位と下位の露出された肋間神経それぞれに脊髄誘発電位測定装置の電極を装着し、上位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置によって上位の肋間神経を電気刺激し、下位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置から脊髄を伝導して下位の肋間神経に伝わる電気信号を波形として記録する。
このようにして肋間神経刺激−肋間神経記録による脊髄誘発電位測定システムが得られるので、術前準備が不要で急患にも対応でき、かつ麻酔の影響も受けにくい。
ケースに電極への電気接続手段が設けられ(例えば、ステレオジャックと電極ケーブルなど)ていることにより、ケースに対して電極を容易に前方へ押し出し或いはケース内に収めることができ、また測定装置の製作も容易である。
本発明の手術中の脊髄虚血をモニタリングする脊髄誘発電位測定システムによれば、上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される脊髄誘発電位測定装置を有することにより、上位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置から上位の肋間神経を電気刺激し、下位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置が、脊髄を伝導して下位の肋間神経に伝わる電気信号を波形として記録する。ここで、脊髄誘発電位測定装置は、上記した構成であることにより、確実かつ安定して電極を肋間神経に接触させることができる。また、神経伝達経路としての脊髄の機能を詳細に評価することが可能となり、また虚血、損傷などが発生している脊髄の位置を正確に把握することができる。
特許出願人は、この方法をすでに動物実験にて使用し、その有効性を実証した。
本発明の脊髄誘発電位測定装置は、手術分野で使用できるため、緊急手術症例にも応用可能である。また、筋弛緩剤などの麻酔による影響が少なく、手術する大動脈の位置に対応した脊髄のモニタリングを行え、より脊髄虚血の限局診断が可能である。
また、脊髄誘発電位測定装置による脊髄誘発電位測定によれば、検出結果を連続的に解析することにより、神経伝達経路としての脊髄の機能を詳細に評価することが可能となり、また虚血、損傷などが発生している脊髄の位置を把握することができる。
また、本方法を施行するのに必要な肋間神経の刺激、記録電極は、肋間神経を障害せずに、効率よく、刺激、記録できる。これは電気刺激によって脊髄を流れる電流を電磁波形として記録するもので、脊髄が虚血にさらされると、電気の伝導が悪くなり、波形の振幅低下などの変化を観察する方法であるからである。また、脊髄誘発電位測定用電極として、微小かつ軽量でフレキシブル性を有すると、神経に直接接触させても神経を損傷させることなく適度な圧力で表面に適切に配置することが可能となる。
なお、胸腹部大動脈手術、胸部下行大動脈瘤手術および脊髄損傷手術における脊髄虚血のモニタリング以外に、交通事故、高所転落、転倒、打撲、下敷等による脊髄の損傷、変成、腫瘍等による脊髄損傷の診断にも本発明を適用することができる。
また、肋間神経刺激による脊髄誘発電位(Tic−ESCP)をモニタリングするので、第1にTic−ESCPの波形は単純でありかつ脊髄の短い分節にわたる活性化を反映するため、外部ノイズに影響されにくい。第2に電極の硬膜外への配置のような術前の準備を必要とせず、緊急の場合に利用可能なだけでなく、抗凝血治療または抗血小板治療を行っている患者においても利用可能である。第3に、筋弛緩薬を用いることができ、神経電位を筋肉の妨害なしに評価することができる。電極は小さいが、波形は単純で明瞭であり、したがって波形の解析が容易である。第4に神経への直接刺激のため、必要とされるのはより小さな刺激である。
特に、保持部に組織へ刺通可能な固定爪が設けられていることにより、固定爪を組織内へ刺し通して保持部を組織の任意の位置に固定できる。
保持部としてケースで構成することもできる。その場合には、ケース内に配置された一対の電極は、ケースから突出没入自在(前後方向へ移動可能)であるので、電極をケースからスライドして突出し、電極の先端部に設けられたフック部を肋間神経に係合し、その状態で電極をケース内へ移動させることで、確実にかつ安定して電極を肋間神経に接触させることができる。
本発明の一実施例の脊髄誘発電位測定装置の斜視図である。 図1で示した脊髄誘発電位測定装置の平面図である。 図1で示した脊髄誘発電位測定装置の側断面図である。 図1で示した脊髄誘発電位測定装置の正面図である。 図1で示した脊髄誘発電位測定装置の背面図である。 本発明の一実施例の脊髄誘発電位測定装置の使用状態を説明する概略図である。 本発明の一実施例の脊髄誘発電位測定システムの説明図である。 本発明の一実施例の脊髄誘発電位測定システムを使用して得られた波形図である。 Tic−ESCPの波形を定義する図である。 本発明の他の実施例の脊髄誘発電位測定装置の概略図である。 本発明のさらに他の実施例の脊髄誘発電位測定装置の斜視図である。 図11に示した脊髄誘発電位測定装置の作用説明図である。 本発明のさらに他の実施例の脊髄誘発電位測定装置の概略断面図である。
符号の説明
2 脊髄誘発電位測定装置
12 ケース
14 電極
15 フック部
16 固定手段
18 開口部
27 スプリング
28 固定爪
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5に示すように、本発明の脊髄誘発電位測定装置2は、保持部としてのケース12と、該ケース12内に突出没入可能に配置された一対の電極14と、両電極14をケース12の開口部18から突出した状態で該ケース12に固定可能な固定手段26と、を有する。
ケース12は、電気絶縁製樹脂などにて偏平な箱状に形成され、ケース12内の両側に電極14がそれぞれ配置されている。
ケース12の前端には開口部18が設けられ、ケース12の収容部内に配置された各電極14の先端部が開口部18から前方へ突出可能である。両電極14は収容部から開口部18を通して前方へ突出し、あるいはケース12内へ没入して収容されるようにスライド可能に構成されている。
電極14の形状は肋間神経を損傷しない形状であれば何ら限定するものではないが、この実施形態では図1に示すように電極14は帯状の導電性金属片にて形成されている。
電極の材質としては、従来より公知のものを使用することができる。例えば、
白金、銀、銅、ステンレス、金、導体に金メッキしたものなどを使用することができる。特に、金および金メッキしたものが好ましい。電極の太さは、0.8〜1.2mmが好ましい。
また、電極の材質として導電性ポリマーを使用することもできる。そのような導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリp−フェニレン、ポリフェニレンビニレン等があげられる。
一対の電極14,14間の間隔は、電位差の安定性の点から2〜3mmとするのが好ましい。
なお、電極14を針金状に形成してもよい。電極14はやや弾性を有しているのが好ましい。上記開口部18はケース12の全幅に亘って形成してもよい。
両電極14の先端部には下方へ湾曲したフック部15が形成されている。このフック部15は肋間神経に係合できる形状とされている。フック部15の形状は側面視で半円形とすることができる。
ケース12の上面には前後方向へ長い長孔20が形成され、各電極14に接続された電極レバー22がこの長孔20を通して外部へ突出している。両電極レバー22は電気絶縁性の連結部材24にて相互に連結されている。
該連結部材24をケース12の前後方向へ手などで移動操作すると、両電極14はケース12内を前後方向へスライド移動する。この連結部材24には固定手段としてのネジ26が取り付けられており、ネジ26を手で回すことにより連結部材24をケース12に固定したり、ネジ26を緩めることにより上記したように連結部材24および電極14を長孔20に沿ってケース12の前後方向へ移動させることができる。
ケース12の後部下面には組織へ刺通可能な固定爪28が左右に一対設けられている。この固定爪28を任意の位置の組織へ刺し通すことにより、ケース12を組織の所望位置へ固定することができる。
図2に示すように、ケース12内には、電極14への電気接続手段30が設けられている。この電気接続手段30は、手術中に遮断する大動脈の上位と下位の肋間神経を露出して、それぞれの肋間神経に電極14を装着し、上位の肋間神経を電気刺激し、また脊髄を伝導して下位の肋間神経に伝わる信号を受信するためのものである。
具体的には、電気接続手段30は、ケース12内に配置されたステレオジャック32と、このステレオジャック32から電極14に接続された電極ケーブル34とを有する。
ステレオジャック32の陽極部が一方の陽極側の電極14の後端部に電極ケーブル34によって接続され、ステレオジャック32の陰極部が他方の陰極側の電極14の後端部に電極ケーブル34によって接続されている。
なお、ケース12内に固定手段としてスプリングなどの弾性体27を配設して、各電極14をケース12内へ収容する方向へ付勢してもよい(図10)。弾性体27を配設する場合には、上記ネジ26は不要であり得る。
弾性体27をケース12内に配設する場合には、連結部材24を手で操作することにより電極14をケース12より突出させ、その電極14のフック部15に肋間神経Nを係合した後、連結部材24から手を離すことで、弾性体27の引張り力によって、両電極14はケース12側へ移動する。肋間神経Nは、フック部15とケース12の前端面12aとの間に挟持される。
弾性体27としては、例えば、コイルスプリングなどを使用することができる。
本発明の脊髄誘発電位測定システムは、図6および図7に示すように、上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される上記構成の脊髄誘発電位測定装置2を有し、手術中の脊髄虚血をモニタリングするものである。なお、図6はイヌにおける実際の電位測定を示したもので、図中4は大動脈、6は第11肋間神経、8は第12肋間神経、10は脊髄をそれぞれ示している。
本発明の脊髄誘発電位測定システムは、上記脊髄誘発電位測定装置2以外に、脊髄10に印加する電気刺激としての刺激パルスを生成するパルスジェネレーター40と、刺激パルスの印加により脊髄10で発生した脊髄誘発電位の信号波形を検出するデジタルオシロスコープ42とを備える測定部44と、該測定部44で得られた脊髄誘発電位の測定結果を処理する処理部46と、を主たる構成要素として備える。
パルスジェネレーター40は、生成した刺激パルスの情報を処理部46に出力可能に構成されている。デジタルオシロスコープ42は、脊髄誘発電位測定装置2に配設された電気接続手段30に信号取り出し側端部が接続され、配線を介して入力される脊髄誘発電位の信号波形を検出してその結果を処理部46に出力可能に構成されている。
処理部46は、例えば、パーソナルコンピュータ等により構成されている。この場合、処理部46は、演算処理部(CPU)48と、半導体メモリ等からなる記憶部49と、CRT等から構成されたディスプレイ50とを備えることができる。ディスプレイ50は、演算処理部48で取得される処理結果を可視化して表示する。また、髄誘発電位装置2はアンプ等が配置されてもよい。
脊髄誘発電位を測定するには、パルスジェネレーター40で刺激パルスを生成し(例えば、10mA以下、特に2mA〜3mAの電流)、この刺激パルスを脊髄誘発電位測定装置2から上位肋間神経6に印加する。このとき、パルスジェネレーター40から処理部46に刺激パルスの情報が出力される。処理部46に入力された刺激パルスの情報は、演算処理部48における処理に供される。ここでは、刺激パルスとして電流パルスを用いるが、パルスジェネレーター40からの電圧を刺激として印加してもよい。
印加された刺激パルスによって肋間神経6の神経細胞が刺激され、それにより脊髄10では脊髄誘発電位(誘発電位パルス)が生じる。この誘発電位パルスは、脊髄10を構成する神経組織内に形成された神経伝達経路を通じて伝播される。そして、この誘発電位パルスの伝播に対応して下位肋間神経8に装着された測定装置2において電気信号が検出される。検出された電気信号は、配線を介してデジタルオシロスコープ42に出力される。デジタルオシロスコープ42では、電極14から出力される電気信号から、以下のように誘発電位パルスの波形を取得する。
図8は、第12肋間神経に装着された電極14で検出される電気信号に基づいてデジタルオシロスコープ42により取得される誘発電位パルスの波形を示す図である。
ここでは第11肋間神経に装着された電極に印加された刺激パルスにより、第12肋間神経に装着された電極で検出される誘発電位のパルスの波形T12、第1腰神経に装着された電極で検出される誘発電位のパルスの波形L1、第2腰神経に装着された電極で検出される誘発電位のパルスの波形L2をそれぞれ示しており、脊髄10の各領域付近が脊髄虚血を生じておらず正常であることがモニタリングできる。脊髄虚血を生じている場合には、上記パルス波形がフラットとなる。
図8は、筋弛緩薬を用いた場合と用いなかった場合のT12とL2の間で記録されたTic−ESCPを示しており、Tic−ESCPの波形は、どちらの条件においても小さい正(P1)の波とその後に続く大きい負(N1)の波からなる。各波と潜伏期は図9に示されるように定義され、Tic−ESCPの波形における上方への反屈は本発明において負として定義される。波形は遠位の肋間神経からよりも、近位の肋間神経からの方がより明瞭に記録された。筋弛緩薬を用いた場合、N1波が大きいので小さいP1波は不明瞭であった。Tic−ESCPのベースラインは安定であり、波形は刺激によるアーチファクトがほとんどないので、Tic−ESCPの振幅は、N1波の振幅として測定される。Tic−ESCPの潜伏期はP1の潜伏期およびN1の潜伏期として測定される。
以上のことから以下のことがわかる。
肋間神経刺激による脊髄誘発電位(Tic−ESCP)モニタリングの利点として、第1にTic−ESCPの波形は単純でありかつ脊髄の短い分節にわたる活性化を反映するため、外部ノイズに影響されにくい。第2に電極の硬膜外への配置のような術前の準備を必要とせず、緊急の場合に利用可能なだけでなく、抗凝血治療または抗血小板治療を行っている患者においても利用可能である。第3に、筋弛緩薬を用いることができ、神経電位を筋肉の妨害なしに評価することができる。電極は小さいが、波形は単純で明瞭であり、したがって波形の解析が容易である。第4に神経への直接刺激のため、必要とされるのはより小さな刺激である。
図11は他の実施形態を示した図である。
この実施形態では、保持部材として、筒状のケース12で構成されている。
ケース12の先端部には、電極14を通す挿通孔19が形成されている。
一対の電極14は筒状の支持部52内に挿通されている。電極14の基部は支持部52に固定されている。その支持部52は、ケース12内に、ケース12の軸方向へ移動可能に挿入されている。
支持部52とケース12との間にコイルスプリング27が配置され、電極14の先端に形成されたフック部15をケース12側へ移動する方向へ付勢している。
支持部52の外面には、支持部52又はケース12を軸方向へ手で容易に操作できるよう操作用突起54が形成されている。図中66は電気コードである。
操作用突起54を操作してケース12に対して支持部52をその長手方向へ移動すると、電極14のフック部15がケース12から突出し、あるいはケース12側へ移動する。
従って、図12に示すように、フック部15を突出した状態でそのフック部15の先端に肋間神経を係合させる。その係合状態で、再び操作用突起から手を離すと、支持部52がケース12から離れる方向へ移動するので、フック部15がケース12側へ移動する。その結果、フック部15に係合された肋間神経Nはケース12の先端面とフック部15との間で挟持される。
また、図13はさらに他の実施形態を示したものである。
この実施形態では、脊髄誘発電位測定装置は、一対の電極14と、該電極14をそれぞれ包む保持部としてのチューブ56と、を有する。
電極14は支持部52内に挿通され、その支持部52の基部は連結部材58にて連結されている。
該チューブ56は支持部52および電極14を間隙を介して被覆し、チューブ56は電極14の軸方向に移動可能に構成されている。一対のチューブ56、56間は操作部材60にて連結されている。
チューブ56の基部と連結部材58との間には圧縮スプリング62が配設され、チューブ56を連結部材58に対して離間する方向へ付勢している。チューブ56の先端部には外方へ延設されたフランジ57が形成されている。
従って、操作部材60を手で操作して、スプリング62に抗してチューブ56を連結部材58方向へ移動すると、電極14のフック部15とチューブ56先端のフランジ57との間に空間が形成される。この空間内に肋間神経を位置させ、次に操作部材60から手を離すと、チューブ56がスプリング62に押されて電極14のフック部15方向へ移動する。肋間神経はそのフック部15とフランジ57との間に挟持される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許出願は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。

Claims (15)

  1. 一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、
    該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、
    該電極と該保持部とが相対的に移動可能である、脊髄誘発電位測定装置であって、
    該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で該電極又は保持部を移動して、該フック部と保持部との間で肋間神経を挟持可能である脊髄誘発電位測定装置。
  2. 前記保持部がケースであり、該ケース内に前記一対の電極が突出没入可能に配置され、該一対の電極をケース内へ没入するように電極とケースとの間に弾性体が設けられ、該電極のフック部と該ケースの先端部との間で肋間神経を挟持可能である請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  3. 前記ケース内に前記電極への電気接続手段が設けられている請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  4. 前記電気接続手段が、ステレオジャックと、該ステレオジャックと該電極とを接続する電極ケーブルと、を有する請求項3に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  5. 前記保持部に組織へ刺通可能な固定爪が設けられている請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  6. 前記保持部が前記電極を収容する筒体であり、該筒体内に一対の電極が筒体の軸方向へ移動可能に配置され、
    該電極を支持する支持部が該筒体に嵌合され、該筒体と該支持部との間に電極を筒体内へ没入するように付勢する弾性体が配設されている請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  7. 前記保持部が前記電極を包むチューブであり、チューブが電極の軸方向へ移動可能に構成され、該電極を支持する支持部が該チューブに移動可能に嵌合され、該支持部と該チューブとの間にチューブを電極のフック部の方向へ付勢するスプリングが配設されている請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  8. 前記各電極がそれぞれ前記チューブに包囲され、該一対のチューブは連結部材にて連結されている請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  9. 前記一対の電極間の間隔が、2〜3mmである請求項1に記載の脊髄誘発電位測定装置。
  10. 上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される脊髄誘発電位測定装置を有し、手術中の脊髄虚血をモニタリングする脊髄誘発電位測定システムであって、
    該脊髄誘発電位測定装置は、
    一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、
    該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、
    該電極と該保持部とが相対的に移動可能であり、
    該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で電極又は保持部を移動して、フック部と保持部との間で肋間神経を挟持可能である、脊髄誘発電位測定システム。
  11. 前記保持部がケースであり、該ケース内に前記一対の電極が突出没入可能に配置され、該一対の電極をケース内へ没入するように電極とケースとの間にスプリングが設けられ、該電極のフック部と該ケースの先端部との間で肋間神経を挟持可能である請求項10に記載の脊髄誘発電位測定システム。
  12. 前記上位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置に、上位の肋間神経を電気刺激する電気刺激手段が接続され、前記下位の肋間神経に装着される脊髄誘発電位測定装置に、脊髄を伝導して下位の肋間神経に伝わる電気信号を波形として記録する記録手段が接続されている請求項10に記載の脊髄誘発電位測定システム。
  13. 前記保持部内に前記電極への電気接続手段が設けられている請求項10に記載の脊髄誘発電位測定システム。
  14. 前記電気接続手段が、ステレオジャックと、該ステレオジャックと該電極とを接続する電極ケーブルと、を有する請求項13に記載の脊髄誘発電位測定システム。
  15. 手術中の脊髄虚血をモニタリングする脊髄誘発電位測定システムであって、
    手術中に遮断する大動脈の上位と下位の露出された肋間神経それぞれに装着される脊髄誘発電位測定装置を有し、
    該脊髄誘発電位測定装置は、
    一対の電極と、該一対の電極を保持する保持部と、を有し、
    該電極の先端部が該保持部の端部から外側へ突出し、
    該電極と該保持部とが相対的に移動可能であり、
    該電極の先端部に肋間神経に係合可能なフック部が設けられ、該フック部に肋間神経を係合した状態で該電極又は保持部を移動して、該フック部と保持部との間で肋間神経を挟持可能である脊髄誘発電位測定システム。

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