JPWO2007110902A1 - 信号バイパス装置 - Google Patents
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Abstract
電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種の特性に影響され難く、かつ効率よくバイパスする信号バイパス装置を得ることを目的として、2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに当該電線に沿って移動可能に配置した分割型コアと、前記通信障害機器の両端側において対応する前記分割型コア同士をトランスとして機能するように接続するケーブルとを備えている。
Description
この発明は、電線上の通信信号を途中に存在する通信障害機器をバイパスして伝送する信号バイパス装置に関するものである。
電線上の通信信号を途中に存在する通信障害機器をバイパスして伝送する信号バイパス伝送方法として、従来では、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信において、配電トランスが通信障害を与えることから、高圧配電線上の通信信号を高圧配電線から配電トランスをバイパスして低圧配電線に伝送する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4)。
すなわち、特許文献1では、高圧配電線に高周波の通信信号を重畳し、高圧配電線の相間に第1コンデンサとこのコンデンサに直列に接続された抵抗とを形成し、抵抗の両端を低圧配電線に接続することで、高圧配電線から配電トランスをバイパスして低圧配電線に高周波の通信信号を伝送する電力線を用いた信号伝送方法(つまり、信号バイパス伝送方法)が開示されている。
また、特許文献2では、信号線を変圧器の2次側のブレーカの手前の2本の電力線及び需要家の電力量計を通過した2本の電力線にそれぞれ磁気結合することにより、ブレーカ及び電力量計を信号線によりバイパスする方法が開示されている。
また、特許文献3では、配電線の電圧分布が極小となる地点において電流分布が極大となるので、電力線への信号送受点がこの位置でも、磁気結合させる電流トランスを使うことによって信号送受信を可能にする方法が開示されている。
また、特許文献4では、電力線の途中に介在する電気機器の両側における電力線に、断面が半円弧状のフェライトで構成された2つの磁気コア片で当該電力線を挟み込む形で装着した伝送信号注入器を設け、両伝送信号注入器の相互間をバイパス回路で接続した伝送信号バイパス装置が開示されている。
しかしながら、従来技術による信号バイパス伝送方法では、バイパス対象の配電機器の影響を受けるという問題がある。例えば、バイパス対象の配線機器が分電盤のような分岐のある機器であるときは、分岐端からの信号反射の影響を受けるので、バイパスさせる信号の伝送特性が悪くなる。
また、従来の信号バイパス伝送方法は、コンデンサの形成方法として、導電性テープまたはシートを高圧(低圧)配電線の絶縁被覆上に巻き付ける方法、または導電性円筒部材の分割片で高圧(低圧)配電線の絶縁被覆を挟み込む方法などを採っており、伝送特性確保のために電線1mに渡ってコンデンサを形成することが例として挙げられている。このように、コンデンサ形成のための作業が容易でないという問題もある。
一方、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、例えば電線がスイッチを介して繋がっているが、そのスイッチが開路状態にある場合には当該スイッチは通信障害機器になるので、そのスイッチをバイパスして両端の電線を高周波的に接続することができれば、任意の電線を用いた高周波信号の伝送ができるので、通信サービスの向上が図れる。
この場合、特許文献4に記載の技術では、注入した高周波信号の波形歪みがなく、高周波ノイズも含まない形でバイパスできるが、装着した伝送信号注入器の取り付け位置の調整ができないので、バイパス対象機器の機種の特性に合わせた効率のよいバイパスが行えないという問題がある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種の特性に影響され難く、かつ効率よくバイパスすることができる信号バイパス装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明にかかる信号バイパス装置は、2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに当該電線に沿って移動可能に配置した分割型コアと、前記通信障害機器の両端側において対応する前記分割型コア同士をトランスとして機能するように接続するケーブルとを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、コア配置位置から通信障害機器側を見たインピーダンスが低くなるように、コア配置位置と通信障害機器との間の線路長を調整できるので、バイパス対象機器の機種の特性に合わせた効率のよいバイパスが行える。
この発明によれば、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種の特性に影響され難く、かつ効率よくバイパスすることができるという効果を奏する。
1〜4,21〜24,25〜28 配電線
5 配電機器
6a,6b,7a,7b 分割型のコア
6 分割型のコア6a,6bを一体的に移動可能としたコア
7 分割型のコア7a,7bを一体的に移動可能としたコア
10 ケーブル
10a,10b 通信線
A1,A2,B1,B2 接続点
TL10,TL11,TL12 伝送線路
T1〜T4 トランス
5 配電機器
6a,6b,7a,7b 分割型のコア
6 分割型のコア6a,6bを一体的に移動可能としたコア
7 分割型のコア7a,7bを一体的に移動可能としたコア
10 ケーブル
10a,10b 通信線
A1,A2,B1,B2 接続点
TL10,TL11,TL12 伝送線路
T1〜T4 トランス
以下に図面を参照して、この発明にかかる信号バイパス装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施の形態による信号バイパス装置の機器配置を示す図である。図2は、図1に示す信号バイパス装置の回路構成を示す等価回路図である。なお、この実施の形態では、この発明の理解を容易にするため、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信を例に挙げて説明する。
図1において、配電線1,2と配電線3,4との間には、通信障害となる配電機器5が設置されている。配電機器5は、分電盤、柱上変圧器やキャパシタバンクなどである。図1に示す信号バイパス装置は、この配電機器5をバイパスして一端側の配電線1,2と他端側の配電線3,4とを高周波的に接続し高周波信号の通信路を形成するように構成されている。
すなわち、配電機器5の一端側の配電線1,2それぞれに分割型のコア6a,6bを挟み込んで設置し、また配電機器5の他端側の配電線3,4それぞれに分割方のコア7a,7bを挟み込んで設置し、コア6a,6bとコア7a,7bとをそれぞれのコアに通したケーブル10によって接続する。これによって、コア6a,6b,7a,7bは、それぞれトランスとして機能する。
ここで、コア6a,6bの配電線1,2への取り付け構造は、コア6a,6bをひとまとめにしたコア6として一体的に配電線1,2に沿って任意の位置に移動して配置できるようになっている。同様に、コア7a,7bの配電線3,4への取り付け構造は、コア7a,7bをひとまとめにしたコア7として一体的に配電線3,4に沿って任意の位置に移動して配置できるようになっている。すなわち、コア6(6a,6b)の配置位置から配電線1,2の配電機器5との接続位置までの線路長x11を任意に変えることができ、また、コア7(7a,7b)の配置位置から配電線3,4の配電機器5との接続位置までの線路長x12を任意に変えることができるようになっている。
このように「コア」を移動可能に「配電線」に配置する構造は、種々考えられるが、例えば、「コア」を所定長の「レール」に移動可能に取り付け、その「レール」を「配電線」に固定する構造が簡単である。後述するように計算で求めた「線路長」が「コア」の初期位置であるので、「レール」を固定する「配電線」上の位置は、その計算で求めた「線路長」が「レール」の例えば中央位置となるように選定する。「コア」の位置調節は、治具を用いて配電機器5の特性や「配電線」の伝送特性を観測しながら行うことになる。
したがって、図1に示す信号バイパス装置の回路構成は、図2に示すようになる。図2において、配電機器5の一端側では、外部に一端が接続される配電線21の他端はコア6aが形成するトランスT1の一方の入出力側巻線を介して配電線23の一端に接続され、配電線23の他端は配電機器5の一端側の接続点A1に接続される。以上が図1に示す配電線1とコア6aとの関係である。
また、外部に一端が接続される配電線22の他端はコア6bが形成するトランスT2の一方の入出力側巻線を介して配電線24の一端に接続され、配電線24の他端は配電機器5の一端側の接続点A2に接続される。以上が図1に示す配電線2とコア6bとの関係である。
同様に、配電機器5の他端側では、外部に一端が接続される配電線27の他端はコア7aが形成するトランスT3の一方の入出力側巻線を介して配電線25の一端に接続され、配電線25の他端は配電機器5の他端の接続点B1に接続される。以上が図1に示す配電線3とコア7aとの関係である。
また、外部に一端が接続される配電線28の他端はコア7bが形成するトランスT4の一方の入出力側巻線を介して配電線26の一端に接続され、配電線26の他端は配電機器5の他端側の接続点B2に接続される。以上が図1に示す配電線4とコア7bの関係である。
そして、図1に示すケーブル10は、トランスT1およびトランスT3の各他方の入出力側巻線の他端間を接続する通信線10aと、トランスT2およびトランスT4の各他方の入出力側巻線の他端間を接続する通信線10bとで構成されるとしている。なお、通信線10a,10bが構成する伝送線路TL10の特性は、特性インピーダンスZ010と、単位長さ当たりの伝送遅延τ10と、線路長x10とで決められる。
また、トランスT1,T2と配電機器5との間を接続する配電線23,24で構成される伝送線路TL11の特性は、特性インピーダンスZ011と、単位長さ当たりの伝送遅延τ11と、図1に示す線路長x11とで決められる。同様に、トランスT3,T4と配電機器5との間を接続する配電線25,26で構成される伝送線路TL12の特性は、特性インピーダンスZ012と、単位長さ当たりの伝送遅延τ12と、図1に示す線路長x12とで決められる。
なお、トランスT1は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL11を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL12を有し、結合係数k1を有するとしている。同様に、トランスT2は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL21を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL22を有し、結合係数k2を有するとしている。
また、トランスT3は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL31を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL32を有し、結合係数k3k4を有するとしている。同様に、トランスT4は、一方の入出力巻線が配電線側の自己インダクタンスL41を有し、他方の入出力側巻線がケーブル側の自己インダクタンスL42を有し、結合係数k4を有するとしている。
次に、図2を参照して、以上のように構成されるこの実施の形態による信号バイパス装置の動作について説明する。まず、電力線通信の高周波信号が配電線21,22の一端側に注入されていて、トランスT1,T2からその高周波信号を取り出し、それを通信線10a,10bを経由してトランスT3,T4に注入する信号バイパス動作について説明する。
配電線21,22の一端側には、商用周波数の電力の他、高周波信号である電力線通信信号が重畳されている。その高周波信号のみがトランスT1,T2によって通信線10a,10b側に取り出される。取り出された高周波信号は、通信線10a,10bによってトランスT3,T4の一方の入出力巻線に伝達され、トランスT3,T4の他方の入出力巻線から配電線27,28に注入される。
このとき、トランスT1と配電線23との接続点と、トランスT2と配電線24との接続点との間のインピーダンスが低くなるように伝送線路TL11の線路長x11を調整する。調整方法は後述するが、このインピーダンスをトランスT1,T2から配電線23,24をみたインピーダンスと呼ぶことにすると、このインピーダンスを低くすることによる効果には2点ある。
すなわち、第1の効果は、トランスT1,T2から配電線23,24を見たインピーダンスを低くすると、伝送信号の使用する高周波帯域において配電機器5の損失特性の影響が、高周波信号を取り出す地点であるトランスT1,T2において、見え難くなることである。つまり、このインピーダンスが低ければ、配電機器5の特性が現れる電圧は小さくなるので、トランスT1,T2では、配電機器5の特性の影響を受け難くなり、配電線21,22から高周波信号を取り出し通信線10a,10bに送り出すことができる。
また、第2の効果は、トランスT1,T2から配電線23,24を見たインピーダンスを低くすると、トランスT1,T2による高周波信号の取り出し効率が向上することである。トランスT1は、配電線21と配電線23との間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。同様に、トランスT2は、配電線22と配電線24の間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。配電線21と配電線22から来た高周波信号の電圧は、トランスT1のインダクタンスによるインピーダンスと、トランスT2のインダクタンスによるインピーダンスと、トランスT1,T2から配電線23,24を見たインピーダンスとの3つのインピーダンスの割合に応じてそれぞれに分配される。
したがって、これら3つのインピーダンスのうち、トランスT1,T2から配電線23,24を見たインピーダンスを低くすることにより、他の2つのインピーダンス、すなわちトランスT1のインダクタンスによるインピーダンスとトランスT2のインダクタンスによるインピーダンスとによって分配される電位差の割合は高くなるので、トランスT1,T2にそれぞれ発生する電位差を大きくすることができ、トランスT1,T2が配電線21,22から高周波信号を取り出す効率を上げることができる。
同様に、トランスT3と配電線25との接続点とトランスT4と配電線26との接続点との間のインピーダンスが低くなるように伝送線路TL12の線路長x12を調整する。調整方法は後述するが、このインピーダンスをトランスT3,T4から配電線25,26を見たインピーダンスと呼ぶことにすると、このインピーダンスを低くすることによる効果には2点ある。
すなわち、第1の効果は、トランスT3,T4から配電線25,26を見たインピーダンスを低くすると、伝送信号の使用する高周波帯域において配電機器5の損失特性の影響が、高周波信号を取り出す地点であるトランスT3,T4において、見え難くなることである。つまり、このインピーダンスが低ければ、配電機器5の特性が現れる電圧は小さくなるので、トランスT3,T4では、配電機器5の特性の影響を受け難くなり、通信線10a,10bから高周波信号を取り出し配電線27,28に送り出すことができる。
また、第2の効果は、トランスT3,T4から配電線25,26を見たインピーダンスを低くすると、トランスT3,T4による高周波信号の取り出し効率が向上することである。トランスT3は、配電線25と配電線27との間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。同様に、トランスT4は、配電線26と配電線28との間にそのインダクタンスによるインピーダンス分の電位差を生じさせる。通信線10a,10bから来た信号は、トランスT3,T4に発生させる電圧となる。この電圧は、トランスT3,T4から配電線25,26を見たインピーダンスと、配電線27,28の間のインピーダンスとの2つのインピーダンスの割合に応じてそれぞれに分配される。
したがって、これら2つのインピーダンスのうち、トランスT3,T4から配電線25,26を見たインピーダンスを低くすることにより、他のインピーダンス、すなわち配電線27,28の間のインピーダンスによって分配される電位差の割合は高くなるので、配電線27,28の間に発生する電位差を大きくすることができ、通信線10a,10bがトランスT3,T4から高周波信号を取り出す効率を上げることができる。
以上のように、コア6,7から配電機器5側の配電線23,24および配電線25,26を見たインピーダンスが低いと、伝送信号をバイパスする性能が良好となる。そして、このコア6,7から配電機器5側の配電線23,24および配電線25,26を見たインピーダンスは、配電線23,24および配電線25,26を分布定数線路としての線路長x11,x12を調整することによって低くすることができると説明した。以下に、線路長x11,x12の調整方法について具体的に説明する。
線路長x11,x12の調整手順は、まず、配電機器5の特性や配電線23,24および配電線25,26の特性から計算によってインピーダンスを低くする線路長x11,x12を求め、配置位置を調整可能にする構造を付与したコア6,7を配電線23,24および配電線25,26に配置し、その配電線23,24および配電線25,26においてコア6,7の配置位置を調節して適切な線路長x11,x12に設定するという手順となる。線路長x11,x12は、次の2通りのいずれかの方法で求める。
まず、配電機器5の特性として配電線がオープンの状態である場合(例えば、ブレーカで開いた状態や、開閉器で開いた状態が該当する)または配電機器5のインピーダンスが高い場合には、コア6,7を配電機器5直近に設置すると、コア設置部から見た配電機器側5の配電線のインピーダンスが高いので、コア6,7による信号伝達性能は悪い。そこで、当該インピーダンスを低くする線路長x11,x12を次のようにして求めてコア6,7を設置する。ここでは、配電機器5に接続されている配電線23,24および配電線25,26がオープン状態である場合について説明する。
コア6の設置部から配電機器5までの配電線23,24について、線路長をx11、単位長さ当りの伝送遅延をτ11、特性インピーダンスをZ011とする。また、伝送信号の周波数をf、波長をλとすれば、コア6の設置部から配電機器5側の配電線23,24を見たインピーダンスZ_u1は、次の式(1)で与えられる。
Z_u1=−j*Z011*cot(β*x11) …(1)
ここで、β=2π*f*τ11であり、また、λ=1/(f*τ)である。そして、線路長x11とインピーダンスZ_u1との関係は、nを任意の整数とすれば、x11=(2n+1)*λ/4のとき、|Z_u1|=0となり、また、x11=n*λ/4のとき、|Z_u1|=∞となる。
Z_u1=−j*Z011*cot(β*x11) …(1)
ここで、β=2π*f*τ11であり、また、λ=1/(f*τ)である。そして、線路長x11とインピーダンスZ_u1との関係は、nを任意の整数とすれば、x11=(2n+1)*λ/4のとき、|Z_u1|=0となり、また、x11=n*λ/4のとき、|Z_u1|=∞となる。
つまり、コア6の設置部から配電機器5側の配電線23,24を見たインピーダンスZ_u1が低インピーダンスとなるように、伝送信号の周波数を勘案して線路長x11を、(2n+1)*λ/4の値となるように選定する、または、これに近い値となるように選定するのである。
なお、伝送信号の周波数が帯域幅をもつ場合には、帯域幅内が最も低インピーダンスとなるように、周波数fを定めて線路長x11を決定するとよい。また、物理的制約などの条件で線路長x11を(2n+1)*λ/4の値にとれない場合には、条件の許す限りこの値に近づけて低インピーダンス化を図るようにする。そして、コア7の設置部から配電機器5側の配電線25,26を見たインピーダンスZ_u2も式(1)において、線路長x11を線路長x12と置き換えて同様に求める。
次に、配電機器5側の特性として、配電線23,24および配電線25,26がショート状態である場合、または配電機器5のインピーダンスが低い場合には、コア6,7を配電機器5直近に設置すると、コア設置部からみた配電機器5側のインピーダンスが低いので、コア6,7による信号伝達性能は良好である。この場合、コア6,7の設置部から配電機器5側の配電線23,24および配電線25,26を見たインピーダンスを低くする線路長x11,x12を次のようにして求めてコア6,7を設置する。ここでは、配電機器5に接続されている配電線23,24および配電線25,26がショート状態である場合について説明する。
この場合には、コア6の設置部から配電機器5側の配電線23,24を見たインピーダンスZ_u1は、上記の式(1)で与えられ、β=2π*f*τ11であり、また、λ=1/(f*τ)であるが、線路長x11とインピーダンスZ_u1との関係が、上記とは逆に、nを任意の整数とすれば、x11=(2n+1)*λ/4のとき、|Z_u1|=∞となり、また、x11=n*λ/4のとき、|Z_u1|=0となる。
つまり、コア6の設置部から配電機器5側の配電線23,24を見たインピーダンスZ_u1が低インピーダンスとなるように、伝送信号の周波数を勘案して線路長x11を、n*λ/2の値となるように選定する、または、これに近い値となるように選定するのである。
なお、伝送信号の周波数が帯域幅をもつ場合には、帯域幅内が最も低インピーダンスとなるように、周波数fを定めて線路長x11を決定するとよい。また、物理的制約などの条件で線路長x11をn*λ/2の値にとれない場合には、条件の許す限りこの値に近づけて低インピーダンス化を図るようにする。そして、コア7の設置部から配電機器5側の配電線25,26を見たインピーダンスZ_u2も式(1)において、線路長x11を線路長x12と置き換えて同様に求める。
以上のように、配電線上において低インピーダンスとなるコア位置を求め、配電線23,24および配電線25,26にコア6,7を配置するが、その配置位置は、実際の配電機器5が有するインピーダンスによって変わるので、伝送路特性を測定しながら、コア6,7の位置を移動させて伝送路特性が最も良い位置を見つけ出し、コア6,7の最終的な位置を選定する。
そして、その後に、一度設置した通信装置が変更となるなどして使用する伝送信号の周波数が変われば、最適なコアの設置位置も変わるが、コアの設置位置の微調整も可能であるので、これにも柔軟に対応できる。
このように、この実施の形態によれば、配電線上においてコアの位置を移動することによって信号バイパスの伝達性能が最も良くなる位置に調整設置できるので、伝送路、配電線21,22に注入され伝送されてきた電力線通信の高周波信号を、トランスT1,T2によって取り出し、通信線10a,10bを経由してトランスT3,T4によって配電線27,28に注入することが高効率に可能となる。
そして、逆方向、すなわち配電線27,28に注入され伝送されてきた電力線通信の高周波信号をトランスT3,T4によって取り出し、通信線10a,10bを経由してトランスT1,T2によって配電線21,22に注入することも、配電機器5を中心に対称の構成になっているので、上記と同様に行うことができる。
なお、以上説明した実施の形態では、配電機器の両端側における2本の電線のそれぞれに分割型コアを当該電線に沿って移動可能に配置する場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、配電機器の両端側における2本の電線のうち対応する一方の電線のそれぞれに分割型コアを当該電線に沿って移動可能に配置する構成でもよいことは言うまでもない。
以上のように、この発明にかかる信号バイパス装置は、電力線を用いて高周波信号を伝送する電力線通信だけでなく、任意の電線を用いて高周波信号を伝送する場合に、バイパス対象機器の機種の特性に影響され難く、かつ効率よくバイパスするのに有用である。
Claims (2)
- 2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、
前記通信障害機器の両端側における2本の電線のそれぞれに当該電線に沿って移動可能に配置した分割型コアと、
前記通信障害機器の両端側において対応する前記分割型コア同士をトランスとして機能するように接続するケーブルと
を備えていることを特徴とする信号バイパス装置。 - 2本の電線の途中に通信障害機器が存在する場合において、
前記通信障害機器の両端側における2本の電線のうち対応する一方の電線のそれぞれに当該電線に沿って移動可能に配置した分割型コアと、
前記分割型コア同士をトランスとして機能するように接続するケーブルと
を備えていることを特徴とする信号バイパス装置。
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JPS5123016A (ja) * | 1974-08-20 | 1976-02-24 | Mitsubishi Electric Corp | Denryokusenryohansotsushinsochino shingochunyuhoshiki |
JPH09284255A (ja) * | 1996-04-18 | 1997-10-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 高圧配電路を介して信号伝送を行う信号伝送システム |
JP2004032585A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-01-29 | Toyo Commun Equip Co Ltd | 配電線搬送信号の入出力回路 |
WO2005088858A1 (ja) * | 2004-03-15 | 2005-09-22 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | 高周波バイパス装置 |
-
2006
- 2006-03-24 JP JP2008507283A patent/JPWO2007110902A1/ja active Pending
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