JPWO2005074084A1 - 火花ギャップアレスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】封入構造のアレスタにおいて、アーク電流に依存しない電圧降下を増大することにより、雷電流通過後の電源電圧による再点弧を防止し、続流のない火花ギャップアレスタを実現する。【解決手段】火花ギャップを収容する円筒状金属ケース内に、火花ギャップを構成する円錐または円柱状電極と同心の複数の磁性体金属リングを消弧板として配置する。雷電流の通過により生じたアークを、外周の消弧板に導き、雷電流通過後の電源電圧による再点弧を消弧板両面に生ずるアーク電圧により防止する。【選択図】 図7
Description
本発明は、落雷の際に過電圧に対して敏感な電子機器を保護するために、低圧交流電源回路に設置され、雷電流を大地にバイパス、放流するためのアレスタ構造に関するものである。
1700年代後半にフランクリン型避雷針が発明された後、約200年間は建物に対する雷保護装置としては専ら避雷針と導線が用いられた (外部雷保護)。雷撃電流をこれらの導体で受雷し、最短距離で接地電極を介して大地に放流すれば被害を最も少なくする事が出来たからである。1900年代初頭に配電線、電話線が普及し始めると、これらの電線を経由して建物内部に流入する雷電流、又は建物に落雷した時にこれらの電線を経由して建物外部の接地に流入する雷電流によって、電気、通信機器の絶縁部が破壊される事故が多発するようになった。特に最近、電子機器の普及度が高まり、経済、交通、電力、通信、生産運営の中枢部を担うようになったため、落雷によるシステムダウン防止対策は重要な技術課題となっている。
建物に流入、又は建物から流出する雷電流による事故を防止する方法として、建物基礎構造体の主要金属部分(例えば鉄骨、鉄筋等)を電気的に接続して基礎接地とし、建物内部に単数又は複数の接地母線を設けて最短距離で基礎接地に接続し、外部から引込まれる金属管(例えば水道管、ガス管等)、電線 (配電線、電話線、アンテナ線等)をすべて入口付近でボンディング用バーに電気的に接続する事(等電位ボンディング)が最良であることが提案され、1987年にドイツで規格化された(非特許文献1)。この規格は略そのままの内容で国際規格(非特許文献2)として採用され、日本でも上記IEC規格に準拠した新しい規格(非特許文献3)が制定された。
落雷時の雷電流に関して国際規格(非特許文献4)では表1に示す電流値,波形,電荷量を提示している。
雷電流波高値I=100〜200kA, 波尾長T2=350μsは従来予想されていた値を大幅に超える値であった。基準波形の変更は、一面においては従来のアレスタが落雷の際に比較的簡単に焼損、破裂し、アレスタとしての本来の役割を果たさない原因を明らかにし、一面においては、雷電流アレスタのインパルス電流耐量の大幅な増大が必要である事を示唆している。
図1は非特許文献3に規定された内部雷保護を一般的な建物の低圧配電システムに適用した例である。建物10の点31に落雷した時、雷電流32は建物の金属構造体又は避雷導線を経由して大地に放流(雷電流33)されるが、建物基礎接地抵抗R1のために建物全体の電位上昇が起る。例えばR1=10Ωとして、雷電流波高値100kAのうち50kAがR1に流れたとすれば、建物全体の電位は500kVとなる。建物基礎接地に接続されたボンディング用バー11も同電位となり、低圧配電線の通常の電位(大地に対し約300V以下)を遥かに超えるため、アレスタ12がブレークオーバして雷電流の一部(雷電流34)が流れる。雷電流34は配電線の各導線に流れ(雷電流35)、最終的には配電用変圧器20の2次巻線21の中性点から接地抵抗R2を介して大地に放流される(雷電流36)。R1≒R2と仮定すれば、雷電流33,36の分流比は略1:1であり、アレスタ12の1極当たりのインパルス電流波高値は雷電流32の約1/6と想定される (雷電流波高値=100kAの場合、約17kA)。このため、配電線引込み口に設置される雷電流アレスタはインパルス電流波形10/350μsにて20kA以上のインパルス電流耐量が必要である。
配電線に発生する過電圧を制限するために従来最も多く用いられてきたアレスタは酸化亜鉛からなるバリスタ素子を主要要素とするデバイスであった。酸化亜鉛バリスタにインパルス電流が流れた時の電流,電圧波形を図2に示す。酸化亜鉛バリスタは、立上り速度の速いインパルス電流に対して過電圧制限の遅延がなく、制限電圧と電源電圧最大値の比(制限電圧/電源電圧最大値)を比較的小さな値に選定する事が出来、かつ電源電圧最大値よりも高い電圧値でクランプするために、インパルス電流消滅後、電源回路からの続流の心配がない点で優れた過電圧保護要素である。
しかし、図2に示されるように、インパルス電流通電中にバリスタ端子電圧は数100Vに維持されるため、バリスタ内部でのエネルギー変換量が大きく、特に波尾長の長いインパルス電流では容易に破損、破裂してしまうために、雷電流アレスタとして使用できない。
表2はインパルス電流10/350μsにおけるバリスタの限界負荷値 (破壊せずに1回負荷可能) とバリスタ直径との関係を示す。
直径80mmの大型バリスタを使用しても、所要のインパルス電流耐量20kAの1/4の耐量しか得られない事が判る。
火花ギャップを主要要素とするアレスタは、本質的には過電圧スィッチング特性を有する (図3参照)。 過電圧値がギャップの放電開始電圧を超えると、火花ギャップはブレークオーバを起こし、アーク放電を開始する。アーク電圧は数10V程度であり、雷放電電流が流れた時のアレスタ内部でのエネルギー変換量が少ない。従って高温に耐え得る材料、構造を選定することによって、雷電流アレスタとして実用化出来る可能性がある。
しかし、火花ギャップを雷電流アレスタとして実用化するために、次の2つの技術的課題がある。
1) 雷インパルス電流が消滅した後、イオン化された空気経路を通って電源回路から続流が流れる。外部保護回路によってこの続流を遮断すれば、負荷回路に対する電源供給が遮断されたり、又は火花ギャップアレスタが電源線から遮断されるために過電圧保護機能が失われる等の不都合が生ずる。
2) 大きな雷インパルス電流が流れると、気中アーク放電路周辺の空気が加熱、イオン化され、爆発的に膨張、噴出することによって周辺の配線や器具に影響を及ぼす。
しかし、火花ギャップを雷電流アレスタとして実用化するために、次の2つの技術的課題がある。
1) 雷インパルス電流が消滅した後、イオン化された空気経路を通って電源回路から続流が流れる。外部保護回路によってこの続流を遮断すれば、負荷回路に対する電源供給が遮断されたり、又は火花ギャップアレスタが電源線から遮断されるために過電圧保護機能が失われる等の不都合が生ずる。
2) 大きな雷インパルス電流が流れると、気中アーク放電路周辺の空気が加熱、イオン化され、爆発的に膨張、噴出することによって周辺の配線や器具に影響を及ぼす。
課題2)は特許文献1の技術により解決された。図4は文献1に開示された火花ギャップアレスタの基本構造を示す。全ての部品は中心軸に対して回転対称構造で配置され、2個の主電極1a,1bは円柱状絶縁物2により、一定のギャップを保持して対向している。このギャップの耐圧を超えるインパルス電圧が加わるとギャップ間で火花放電が始まり、アーク放電に移行する。大電流のアーク放電はアレスタ内部空間の空気の急激なイオン化と膨張を惹き起すが、円筒状絶縁物3,熱絶縁版4a,4b及び蓋部材5a,5bからなるケースの外側を金属パイプ6によって覆われ、その両側はカーリング加工によって堅固に閉じられているため、内部圧力が数10気圧を超えても爆発、破損することがない。インパルス電流の持続時間は1ms以下の短時間であり、金属部品の熱容量が充分に大きいために過度の温度上昇も生じない。従ってこの封入構造によって前項の課題2)は解決される。なお、図中7a,7bは電極1a,1bにねじ込まれた引出し導体である。
前記の課題1)は前述の特許文献1の構造により完全に解決されたとは言えない。何故ならアーク電圧にはアーク電流依存性があり、圧力一定の条件では一般に次式が成り立つ。
前記の課題1)は前述の特許文献1の構造により完全に解決されたとは言えない。何故ならアーク電圧にはアーク電流依存性があり、圧力一定の条件では一般に次式が成り立つ。
UB=(UA+UK)+RB・IB
ここにUB=アーク電圧、UA+UK=アノード電圧降下+カソード電圧降下、
RB=アーク抵抗そしてIB=アーク電流である。
ここにUB=アーク電圧、UA+UK=アノード電圧降下+カソード電圧降下、
RB=アーク抵抗そしてIB=アーク電流である。
図5はアーク電流IBとアーク電圧UBの関係を示しており、気圧,アーク長等によってアーク抵抗RBが変化すればa,b,c,dに示すように関係直線の傾斜が変化するものの、電流0点の電圧(UA+UK)は変化しない。(UA+UK)の値は圧力,温度等の影響を受けず略一定値、約60Vである。
図6は220Vの電源電圧の位相角60°(電圧瞬時値約270V)においてアレスタにインパルス電流が流れた場合の続流波形を示す。インパルス電流が略0に低減した際に、アーク電圧が電源電圧に略等しくなれば続流は発生しないが、アーク電圧が上記の(UA+UK)=60Vであれば続流を阻止する事が出来ない。
電源回路インピーダンス及び/又はアーク抵抗RBが比較的大きい場合、続流1の電流波形となり、電流0点での電源再起電圧は60V以下であるため、この点で続流は消滅する。しかし電源回路インピーダンス及びアーク抵抗が小さい場合、続流2の電流波形となり、電流0点での電源再起電圧は60V以上であるため、アークは再点弧し続流が継続する。
欧州特許出願公開第78434号明細書
DIN VDE 0185 Part 100『建物雷保護に対する規定、一般的原則』
IEC 61024-1(1990)"Protection of structures against lightning Part 1"
JIS A 4201-2003『建築物等の雷保護』
IEC 61312-1(1995)"Protection against lightning electromagnetic impulse Part 1 General principles"
従って本発明の課題は、封入構造アレスタにおいて、雷電流通過後の再点弧を防ぎ、続流のない火花ギャップアレスタを実現することにある。
アーク電流に依存しない電圧降下はアーク放電路に金属板を挿入してアークを分断し、金属板の両面に夫々アノード、カソード電圧降下を発生させる事で得られる。1対のアノード、カソード電極によって得られる電圧降下は約60Vであるため、200Vの電源電圧を想定し、300Vの電圧降下を得るために最少4枚の金属板追加が必要である。
磁性体板に近接して導体を配置し、導体に電流を流すと磁性体板と導体間には吸引力が働く。電流によって生ずる磁束は通常は導体を中心とする同心円状であるが、導体付近に透磁率の高い磁性体があれば磁束の大部分は磁性体内部に集中し、導体の磁性体側の磁束密度が低下するためである。この吸引力は導体が磁性体板の中心まで移動すれば0となる。本発明においては、この原理を応用し、落雷時に両放電電極間に生じたアークを消弧板グリッド構造内に移動させて消弧する。
更に、アーク放電路を移動させるための補助的な手段として、アーク放電路に隣接して消弧絶縁材料(ポリアセタ−ル,ポリプロピレン等)を配置し、アーク発生時に前記絶縁材料の熱分解に伴い噴出する消弧ガスを利用すると効果的である。
本発明の構造によれば、次に述べるような優れた効果が得られる。
・円筒状金属ケース内部に配置された火花ギャップアレスタにおいて、円錐又は円柱状電極の円形断面と同心の複数の磁性体金属リングを消弧板として配置する事によって、雷インパルス電流及び/又は電源回路続流によって発生するアークの陽極,陰極電圧降下を高め、電源インピーダンスに依存しない続流自己遮断性能が得られる。
・両放電電極の基部を銅や真鍮のような通常の導電材料で作り、先端部のみを銅タングステンや銀タングステンのような耐熱性、耐アーク性の材料で作る本発明の1つの実施の形態によれば、材料費を抑えつつ、アレスタの機能を保証することが出来る。
・電極の基部に凹部を設け、ここに電極先端部の凸部を圧入する上記形態の発展形態によれば、異種材料のろう付け等の面倒な作業を回避できる。電極には、金属ケースにより常時圧縮力が加わっているので、基部と先端部の分離は起らない。
・円錐又は円柱状電極の先端部と基部を除き、有機系消弧絶縁材料により覆う本発明の他の実施形態によれば、アーク放電路の延長を助長し、続流自己遮断性能が高められる。
・両放電電極の互いに対向する端面に各々凹部を設け、両凹部に跨って絶縁碍子を間挿し、両凹部の深さの和と、絶縁碍子の厚みとの差により火花ギャップの寸法を定めるようにした更に他の実施の態様によれば、組立て作業を簡素化しつつ、高精度でギャップ寸法を規定できる。
・複数のリング状消弧板間に、スペーサとして有機系消弧絶縁材料からなり、断面階段状のリング状円板を挿入する別の形態によれば、消弧板は金属ケースから絶縁して固定され、アーク放電が金属ケースに転移する事が防止される。
・消弧板を両放電電の先端部から基部の有機系消弧絶縁材料で覆われていない部分に亘り配置した更に別の形態によれば、両放電電極間に生じたアークを完全に消弧板に移行させ、確実な消弧を図ることができる。
・有機系消弧絶縁材料に対し無機強化材を添加することによって部品の消弧性能を低下させることなく、耐熱性と機械強度を高める事が出来る。
・消弧板として使用する磁性体金属リングの残留磁気を小さくするためにエアギャップを設けることによって磁性体の透磁率を高め、アーク放電路に対する吸引力を大きくする事が出来る。
・円筒状金属ケース内部に配置された火花ギャップアレスタにおいて、円錐又は円柱状電極の円形断面と同心の複数の磁性体金属リングを消弧板として配置する事によって、雷インパルス電流及び/又は電源回路続流によって発生するアークの陽極,陰極電圧降下を高め、電源インピーダンスに依存しない続流自己遮断性能が得られる。
・両放電電極の基部を銅や真鍮のような通常の導電材料で作り、先端部のみを銅タングステンや銀タングステンのような耐熱性、耐アーク性の材料で作る本発明の1つの実施の形態によれば、材料費を抑えつつ、アレスタの機能を保証することが出来る。
・電極の基部に凹部を設け、ここに電極先端部の凸部を圧入する上記形態の発展形態によれば、異種材料のろう付け等の面倒な作業を回避できる。電極には、金属ケースにより常時圧縮力が加わっているので、基部と先端部の分離は起らない。
・円錐又は円柱状電極の先端部と基部を除き、有機系消弧絶縁材料により覆う本発明の他の実施形態によれば、アーク放電路の延長を助長し、続流自己遮断性能が高められる。
・両放電電極の互いに対向する端面に各々凹部を設け、両凹部に跨って絶縁碍子を間挿し、両凹部の深さの和と、絶縁碍子の厚みとの差により火花ギャップの寸法を定めるようにした更に他の実施の態様によれば、組立て作業を簡素化しつつ、高精度でギャップ寸法を規定できる。
・複数のリング状消弧板間に、スペーサとして有機系消弧絶縁材料からなり、断面階段状のリング状円板を挿入する別の形態によれば、消弧板は金属ケースから絶縁して固定され、アーク放電が金属ケースに転移する事が防止される。
・消弧板を両放電電の先端部から基部の有機系消弧絶縁材料で覆われていない部分に亘り配置した更に別の形態によれば、両放電電極間に生じたアークを完全に消弧板に移行させ、確実な消弧を図ることができる。
・有機系消弧絶縁材料に対し無機強化材を添加することによって部品の消弧性能を低下させることなく、耐熱性と機械強度を高める事が出来る。
・消弧板として使用する磁性体金属リングの残留磁気を小さくするためにエアギャップを設けることによって磁性体の透磁率を高め、アーク放電路に対する吸引力を大きくする事が出来る。
10 建物構造体、11 ボンディング用バー、12 アレスタ、20 配電用変圧器、21 同上2次巻線、31 落雷点、32〜36 雷電流経路、R1, R2 接地抵抗、100 火花ギャップ、101a、101b 電極銅タングステンチップ、102a, 102b 電極銅部材、103a, 103b フランジ、104a,104b 端子ねじ、105a、105b 気管、106 アーク室、201〜209 消弧板、301 絶縁碍子、302 絶縁パイプ、303a, 303b 絶縁リング、304a,304b 絶縁キャップ、305a,305b 絶縁板、306 金属パイプ、311 スペーサリング、312 エアギャップ。
以下図7、図8を参照し、本発明による低圧交流電源回路用アレスタの構造と機能を詳細に説明する。
図7は円筒封入型アレスタの縦断面図である。 部品は中心軸に対して回転対称型に製作、配置される。両放電電極は、基部が通常の導電体である銅部材102a,102bそして先端部が耐熱性、耐アーク性に優れる銅タングステンのチップ101a,101bからなる。基部102a,102bと先端部101a,101bとは、基部に設けた凹部内に先端部の凸部を嵌め込むことにより、ろう付け等の面倒な処理を行うことなく一体化されている。基部と先端部の凹凸部は逆の組合せであってもよい。放電電極は、この実施例では円錐状をなしている。これに代えて、放電電極を円筒状としてもよい。両放電電極は、絶縁碍子301,絶縁板305a,305b,絶縁キャップ304a,304bと共に金属パイプ306に収容される。金属パイプの両端をカーリング加工により内側に折り曲げ、銅電極のフランジ103a,103bに対して軸方向の圧力を加えることで強固な耐圧構造体を構成する。絶縁碍子301の厚みと、銅タングステンチップ101a,101bの互いに対向する端面に設けた凹部の深さの和との差により、、電極間の火花ギャップの寸法が自動的に定まり、面倒な調整は不要である。銅電極の外部引出し部には端子ねじ104a,104bがあり、これによって外部導線との接続が行われる。電極周辺の空間はアーク室106となり、アーク放電の際に高温、高圧のガスが充満するので、外気との圧力均衡のために、銅電極には排気管105a,105bが設けられている。
絶縁碍子301の外側には有機系消弧絶縁材料、例えばポリアセタール或いはポリプロピレン等からなる絶縁パイプ302が配置されている。該パイプ302は、火花ギャップにアーク放電(アークa)が発生した時の熱により分解して消弧ガスを噴出し、アーク脚点をギャップの外側の、電極101a,101bの円錐面に移行させる(アークb)。
前記アーク室106内に、円錐状電極101a,102aおよび101b,102bの円形断面と同心のn枚、この実施例では9枚の金属磁性体消弧板201〜209が配置されている。金属磁性体は例えば軟鉄であってもよい。中央の消弧板205がギャップに最も接近して配置されていることからアーク放電路とリング内側エッジ間に働く前記の吸引力により、アーク放電路は外側に移行し、まず消弧板205がアーク放電路内部に入り、その両面にアーク放電の陰極、陽極が形成される(アークc)。
これによって(UA+UK)=約60Vのアーク電圧が加わる。次いで、消弧板205の両側の全消弧板201〜204並びに206〜209も同様にして順次アーク放電路内部に入り、最終的には全消弧板に跨るアークdが形成され、n×(UA+UK)(V)のアーク電圧が加わる。
消弧絶縁材料からなり、両放電電極101a,102aと101b,102bの側面を覆う絶縁リング303a,303bは、そこにアークの脚点が生ずるのを防ぎ、アーク放電路の延長を助成する効果を有する。
インパルス電流がピーク値を越えて減衰過程に入ってもアーク放電路は維持されるが、電流値が略0となった時、電源電圧瞬時値V1がアーク電圧よりも小さければ電源からの続流は発生せず、アークは消滅する。
雷インパルス電流値が比較的小さい場合、インパルス電流はアークa又はbの段階で消滅することがある。この場合、アーク電圧の充分な増加がないため電源からの続流が発生する可能性がある。続流によるアークもインパルス電流によるアークと同様に、有機系消弧絶縁材料からなる絶縁パイプ302から噴出する消弧ガスによりギャップの外側、放電電極101a,101bの円錐面に移行して沿面放電となり(アークb)、更に消弧板からの吸引力によってアークc,dに移行する。
アークが消弧板に接触することによる冷却効果と金属リングの両面に発生する陰極,陽極電圧のために続流電流は急速に低減し交流電圧の0点付近で消滅する。アーク抵抗が充分大きいために、仮に電源インピーダンスが充分に小さくても続流電流は図6,続流1の波形となり、1/2サイクル以内で遮断できる。
放電電極,消弧絶縁部材及び消弧磁性体リングは全て回転対称構造で配置されている故、最初の火花放電が主電極のどの位置で発生してもアークの自己消弧機能は同一である。
金属磁性体リング201〜209の位置を固定し、金属パイプ306との絶縁を保つために階段状断面形スペーサリング311が用いられる。アークを冷却し、かつアークが金属パイプに転移する事を防止するために、スペーサリング311として有機系消弧絶縁材料を使用することが有効である。
消弧板として使用する磁性体金属リング201〜209の残留磁気を小さくするために、図8に示すように金属リングの一部を切り欠き、磁路内にエアギャップ312を設ける。磁性体金属リングの残留磁気が小さくなれば、磁性体付近にインパルス電流が流れる時に磁性体内部の磁束変化を大きくすることが出来、磁性体の透磁率を高め、アーク放電路に対する吸引力を大きくする事が出来る。
Claims (9)
- 円筒状金属ケース内部に円錐又は円柱状をなす2個の放電電極を対向配置してなる火花ギャップアレスタにおいて、前記放電電極と同心の複数の磁性体金属リングを消弧板として放電電極の外周に配置したことを特徴とするアレスタ。
- 両放電電極の先端部と基部とが別個の導電性材料からなり、先端部の材料のみ耐熱性、耐アーク性を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のアレスタ。
- 両放電電極の基部に凹部又は凸部が設けられ、該凹部又は凸部と放電電極の凸部又は凹部が嵌め込み結合されたことを特徴とする請求の範囲第2項に記載のアレスタ。
- 両放電電極は、先端部と基部を除き、有機系消弧絶縁材料により覆われたことを特徴とする請求の範囲第1項から第3項の1つに記載のアレスタ。
- 両放電電極の互いに対向する端面に各々凹部が設けられ、両凹部に跨って絶縁碍子が間挿され、両凹部の深さの和と、絶縁碍子の厚みとの差により、火花ギャップの寸法が定まることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項の1つに記載のアレスタ。
- 複数のリング状磁性体金属円板間に、スペーサとして有機系消弧絶縁材料からなるリング状円板が挿入され、かつ該スペーサが消弧板の位置を固定し、金属ケースと各消弧板を電気的に絶縁するために、階段状の断面形状を有することを特徴とする請求の範囲第1項から第5項の1つに記載のアレスタ。
- 消弧板が、両側電極先端部から基部の有機系消弧絶縁材料で覆われていない部分に亘って配置されたことを特徴とする請求の範囲第1項から第6項の1つに記載のアレスタ。
- 有機系消弧絶縁材料が無機強化材を含む複合材料であることを特徴とする請求の範囲第1項から第7項の1つに記載のアレスタ。
- 消弧板として使用する磁性体金属リングの残留磁気を小さくするためにエアギャップを設けたことを特徴とする請求の範囲第1項から第8項の1つに記載のアレスタ。
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