JPWO2004061723A1 - V−cadデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法と装置 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の技術分野
本発明は、形状と物理量を統合した実体データを記憶するV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法と装置に関する。
関連技術の説明
形状と物性を統合した実体データを小さい記憶容量で記憶することができ、これにより、物体の形状・構造・物性情報・履歴を一元的に管理し、設計から加工、組立、試験、評価など一連の工程に関わるデータを同じデータで管理することができ、CADとシミュレーションを一元化することできる実体データの記憶方法として、[特許文献1]が開示されている。
上述した[特許文献1]の発明は、対象物の形状データからなる外部データを、八分木分割により境界平面が直交する直方体のセルに分割し、各セル毎に種々の物性値を記憶するものである。分割された各セルは対象物の内側に位置する内部セルと、境界面を含む境界セルとからなる。また、内部セルは、属性として1種の物性値を持ち、境界セルは、対象物の内側と外側の2種の物性値をもつものである。
以下、この方法によるデータを「V−CADデータ」と呼び、このデータを用いた設計やシミュレーションを「ボリュームCAD」又は「V−CAD」と呼ぶ。図1において14がV−CADデータである。
CFD(Computational Fluid Dynamics)が実用化するに従って格子生成に手間や時間がかかり、複雑形状では計算時間よりも格子生成の時間の方が長くなってきている。このため、近年、直交格子による流体解析が再び話題となっている。直交格子による流体解析に関しては、[非特許文献1]〜[非特許文献17]が知られている。
また、「強制振動円柱まわりの流れ」に関しては、[非特許文献18]に実験結果が開示され、「円柱の渦放出による自励振動」に関しては、[非特許文献19]にALE有限要素法による計算結果が開示されている。
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直交格子系による任意形状の数値解析では、物体境界の取り扱いの難しさがよく知られている。近年、流れ場の境界近くの離散化や境界条件の扱う方法によって、いくつかの直交格子法が提案されている。
例えば、仮想境界法[非特許文献1](Virtual Boundary)、CIP[非特許文献2](Cubic−Interpolated Propagation)密度関数法、Immersed Boundary method法[非特許文献3],NPLC(Neighboring Point Local Collocation)法[非特許文献4],格子点間に位置する境界までの距離を差分スキームに取り込む法[非特許文献5]、部分境界適合直交格子法[非特許文献6]などがある。
これらの方法は物体境界が厳密に扱われるが、その分計算処理が複雑であり、必ずしも任意形状の三次元問題に向いているとはいえない。
一方、実用化の観点から、直交格子法は基本的に直交格子だけで階段状の境界を生成し、物体形状を近似する方法(例えば、小野[非特許文献7]・日産自動車、桑原[非特許文献8]・計算流体研)と、カットセルを導入して境界形状を取り扱う近似度を高める方法(例えば、藤井[非特許文献9]・宇宙研、Quirk[非特許文献10].J.J.,NASA)の二種類が有望である。
しかし、カットセルによる方法では、直交格子内を境界が任意の場所を通るため、境界上で隣り合ったセルの大きさに大きな差が生じることがあり、カットセル直交格子では粘性流れの解析が難しいという報告[非特許文献11]もあった。
上述したように、従来の重合格子や非構造格子を用いて、非圧縮粘性流体の流れ場の数値解析を行う場合には、格子生成を完全には自動化できず、そのため格子生成がシミュレーション時間全体に占める割合が高く、シミュレーション時間の短縮が困難な問題点があった。
一方、直交格子を用いた流れ場の数値解析は、格子生成を自動化できるものの、直交格子により物体境界を表現することが難しく、結果としてシミュレーション精度がわるい問題点があった。特に、移動境界に伴う流れの数値計算では、境界の移動距離が一定の大きさのメッシュの倍数に制約されるため、計算不安定に落ちる場合も多かった。
また特に、カットセルによる方法では、直交格子内を境界が任意の場所を通るため、境界上で隣り合ったセルの大きさに大きな差が生じることがあり、カットセル直交格子では粘性流れの解析が難しかった。
発明の要約
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、格子生成を完全に自動化することができ、物体境界の表現が容易であり、比較的簡単な計算処理により、計算不安定に落ちいることなく、精度の高いシミュレーションを短時間で行うことができるV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法と装置を提供することにある。
本発明によれば、非圧縮性粘性流体と接する対象物の境界データからなる外部データ(12)を境界が直交する複数のセル(13)に分割する分割ステップ(A)と、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分するセル区分ステップ(B)と、前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求める切断点決定ステップ(C)と、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとする境界面決定ステップ(D)と、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する解析ステップ(E)と、を備えたことを特徴とするV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法が提供される。
また、本発明によれば、非圧縮性粘性流体と接する対象物(1)の境界データからなる外部データ(12)を入力する入力装置(2)と、形状と物理量を統合した実体データとその記憶演算プログラムを記憶する外部記憶装置(3)と、前記記憶プログラムを実行するための内部記憶装置(4)及び中央処理装置(5)と、実行結果を出力する出力装置(6)とを備え、
前記外部データを境界が直交する複数のセル(13)に分割し、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分し、前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求め、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとし、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する、ことを特徴とするV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析装置が提供される。
さらに、本発明によれば、コンピュータに、非圧縮性粘性流体と接する対象物の境界データからなる外部データ(12)を境界が直交する複数のセル(13)に分割する分割ステップ(A)と、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分するセル区分ステップ(B)と、前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求める切断点決定ステップ(C)と、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとする境界面決定ステップ(D)と、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する解析ステップ(E)と、を実行させるための非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析プログラムが提供される。
上記本発明の方法及び装置により、精度と安定性を有し、計算コストがあまりかからず、かつ、格子生成を完全に自動化することができ、物体境界の表現が容易であり、比較的簡単な計算処理により、精度の高いシミュレーションを短時間で行うことができることが分かった。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記解析ステップ(E)において、空間積分について、対流項に二次元のQUICK補間スキームを使用し、拡散項に二次精度の中心差分を用い、時間進行について、対流項と拡散項を合わせて二次精度のAdams−Bashforth法を適用し、圧力勾配項に一次精度のEuler陰解法を用いる。
この方法により、格子生成を完全に自動化することができ、かつ安定性と離散化精度を確保することができる。
二次元境界セルにおいて、有限体積法における支配方程式を式(7)であらわす。
この式(7)は、非圧縮粘性流体の基礎支配方程式(1)をテンソル形の発散型に書き換えた式(6)を二次元境界セルの流体部分をコントロールボリューム(CV)Vi,jとして、空間積分したものであり、非圧縮粘性流体の基礎支配方程式(1)を満たすことができる。
有限体積法における支配方程式における対流項、圧力勾配項および拡散項を式(8)、(9)、(10)であらわす。
式(8)〜(10)には、稜線の切断点を結ぶ対象物の境界データが含まれるため、境界における流れ場の非圧縮性粘性流体の数値解析ができる。
固体境界の積分において、固体境界でノースリップ境界条件の場合に、対流項は零とし、圧力勾配項と拡散項に対しては、切断線の中間点Pの値を平均値として用いて積分し、空間積分に対してはすべての項に開口率を適用する。
この方法により、直交格子の完全自動化が保たれ、かつ流体計算におけるコントロールボリュームで保存則を厳密に満たすことができる。
カットセルにおいて算出される物理変数の定義点を、VOF=0.01を閾値としてそれより小さい境界セルは完全な固体とみなし、それより大きい境界セルにおいて算出される変数をセルの中心に置く、また、稜線の変数定義点をセル稜線の中心に定義し、更に、線分4の中心点の変数値を線形補間により求める。
この方法によっても、直交格子の完全自動化が保たれ、かつ流体計算におけるコントロールボリュームで保存則を厳密に満たすことができる。
物体に働く抗力(流れ方向の力)と揚力(流れの垂直方向の力)を、式(12)(13)であらわす。
この式により、直交格子において、抗力と揚力を容易かつ精度よく求めるもとができる。
移動境界を伴う流体構造連成解析において、所定の時間刻み毎に、流体系と構造系を別々に解析し、それぞれの境界条件を陽的に受け渡す、ことが好ましい。
この解析方法により、流体系と構造系を連立して統一的に扱う強連成に比較して計算処理を簡略化でき、計算時間を短縮化できる。また境界の移動距離が一定の大きさのメッシュの倍数に制約されないので、計算不安定に落ちいることがほとんどない。
円柱の強制振動の流体構造連成解析において、円柱が弾性支持された剛体構造物として、流れ方向に対して直角方向に振動する1質点1自由度系モデルと仮定し、円柱中心のY方向の変位を式(17)で与え、円柱表面のY方向の速度境界条件を、式(18)で与える。
また、式(18)から求められた振動する円柱の運動速度を、流れ場の速度境界条件として計算時間ステップごとに変化して与える。
この解析方法により、(1)振動する円柱に作用する抗力および揚力が静止円柱のものより大きい、(2)Strouhal数0.2付近の0.15<fc<0.25において、強制振動による渦放出周波数のロックイン現象がよく再現される、(3)ロックイン領域での抗力や揚力が増大する、等、実験データと整合性の高い解析結果が確認された。
また円柱の渦放出による自励振動の流体構造連成解析において、、有次元の振動方程式を1質点1自由度のダンパ・ばねモデルとて、式(19)又は式(20)であらわす。
さらに式(20)から求められた振動する円柱の運動速度を、流れ場の速度境界条件として計算時間ステップごとに変化して与える。
また円柱の初期変位と初期速度を0とし、かつ式(20)の揚力は現在の値を用いて陽的に与え、式(20)の振動方程式をニューマークのβ法により積分し、円柱の振動変位と振動速度を求める。
この解析方法により、(1)無次元流速Vr=4(円柱の固有振動数fo=1/4=0.25)の場合に円柱の振幅がもっとも大きくなる、(2)最大変位yが、Vr=2、3、4ではyの最大変位は次第に大きくなり、Vr=4で最大になる、(3)その後、Vrが大きくなるにつれて、yの最大変位は波状に小さくなっていく、等、ALE有限要素法による計算結果と定性的に一致していることが確認された。
本発明のその他の目的及び有利な特徴は、添付図面を参照した以下の説明から明らかになろう。
図2は、本発明の数値解析方法を実行するための数値解析装置の構成図である。
図3は、本発明の数値解析方法とそのプログラムのフロー図である。
図4Aと図4Bは、二次元における開口率の定義を示す図である。
図5は、境界セルにおける有限体積法による空間離散化の説明図である。
図6A,B,Cは、解析した3ケースのVOF分布を示す画像である。
図7A,B,Cは、解析した3ケースの流れ方向速度の分布と理論解析解との比較図である。
図8は、解析格子とVOF分布を示す画像である。
図9は、速度ベクトルを示す画像である。
図10は、圧力等値線を示す画像である。
図11は、本発明による平均抗力係数を示す図である。
図12は、本発明による平均Strouhal数を示す図である。
図13Aは、直交適合格子法による静止円柱の抗力係数を示す図であり、図13Bは、その平均Strouhal数を示す図である。
図14Aは、一般座標系境界適合格子による静止円柱の抗力係数を示す図であり、図14Bはその平均Strouhal数を示す図である。
図15Aは、Re=300,T=2.5の場合の実験による流脈線を示す画像であり、図15Bはその流線を示す画像である。
図16Aは、Re=550,T=2.5の場合の実験による流脈線を示す画像であり、図16Bは、その流線を示す画像である。
図17Aは、抗力と揚力の履歴変化を示す本発明の結果であり、図17Bは、その部分境界適合直交格子法の結果である。
図18A〜Fは、実用問題に向けての応用例を示す画像である。
図19A〜Iは、静止円柱と各振動数での円柱に作用する流体力の抗力係数CDおよび揚力係数CLの時間履歴の変動波形を示す図である。
図20は、流れの渦放出状態を表すStrouhal数Stと強制振動周波数fcの関係図である。
図21A〜Cは、無次元流速Vrが2,3,4における変位y(左図)と抗力係数CD及び揚力係数CL(右図)の時間履歴を示す図である。
図22D〜Gは、無次元流速Vrが5,6,7,8における変位y(左図)と抗力係数CD及び揚力係数CL(右図)の時間履歴を示す図である。
図23は、各々の無次元流速Vrに対するyの最大変位を示す図である。
好ましい実施例の説明
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。
図2は、本発明の数値解析方法を実行するための数値解析装置の構成図である。
この図に示すように、本発明の数値解析装置10は、入力装置2、外部記憶装置3、内部記憶装置4、中央処理装置5および出力装置6を備える。
入力装置2は、例えばキーボードであり、対象物1の形状データからなる外部データ12を入力する。外部記憶装置3は、ハードディスク、フロッピィーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク等であり、形状と物理量を統合した実体データとその記憶演算プログラムを記憶する。内部記憶装置4は、例えばRAM,ROM等であり、演算情報を保管する。中央処理装置5(CPU)は、演算や入出力等を集中的に処理し、内部記憶装置4と共に、記憶プログラムを実行する。出力装置6は、例えば表示装置とプリンタであり、記憶した実体データと記憶プログラムの実行結果を出力するようになっている。
本発明の記憶演算装置10は、上述した外部記憶装置3、内部記憶装置4、及び中央処理装置5により、外部データを境界が直交する複数のセル13に分割し、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル13aと境界データを含む境界セル13bとに区分し、境界データによる境界セル13bの稜線の切断点を求め、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとし、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する。
図3は、本発明の数値解析方法とそのプログラムのフロー図である。この図に示すように、本発明の方法及び変換プログラムは、分割ステップ(A)、セル区分ステップ(B)、切断点決定ステップ(C)、境界面決定ステップ(D)、及び解析ステップ(E)からなる。
外部から入力する外部データ12は、多面体を表すポリゴンデータ、有限要素法に用いる四面体又は六面体要素、3次元CAD又はCGツールに用いる曲面データ、或いはその他の立体の表面を部分的な平面や曲面で構成された情報で表現するデータである。
外部データ12は、このようなデータ(S−CADデータと呼ぶ)のほかに、(1)V−CAD独自のインターフェース(V−interface)により人間の入力により直接作成されたデータと、(2)測定機やセンサ、デジタイザなどの表面のデジタイズデータや、(3)CTスキャンやMRI、および一般的にVolumeレンダリングに用いられているボクセルデータなどの内部情報ももつVolumeデータであってもよい。
分割ステップ(A)では、外部データ取得ステップ(図示せず)で取得した非圧縮性粘性流体と接する対象物の境界データからなる外部データ12を境界平面が直交する複数のセル13に分割する。この分割は、3次元の場合は、八分木分割であり、2次元の場合には4分割である。
すなわちこの分割ステップ(A)における分割とは、目的とする非圧縮性粘性流体と接する対象物を含む、基準となる直方体(または矩形)を分割(8分割又は4分割)し、それぞれの領域の中に立体が完全に含まれるか、含まれなくなるまで再帰的に分割処理を繰り返す。この分割によりボクセル表現よりも大幅にデータ量を減らすことができる。
空間分割により分割された一つの空間領域をセル13とよぶ。セルは境界が直交する直方体または矩形である。セルによる階層構造、分割数もしくは分解能によって空間中に占める領域を表現する。これにより空間全体の中で対象は大きさの異なるセルを積み重ねたものとして表現される。
セル区分ステップ(B)では、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル13aと境界データを含む境界セル13bとに区分する。
すなわち本発明では非圧縮性粘性流体と接する対象物の内側または外側に完全に内部に含まれるものはその最大の大きさをもつ内部セル13a(立方体)とし、外部データ12からの境界情報を含むセルは境界セル13bとする。
切断点決定ステップ(C)では、境界データによる境界セル13bの稜線の切断点を求める。
境界面決定ステップ(D)では、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとする。以下、かかる切断点を結ぶ多角形を含むセルを「カットセル」と呼ぶ。
解析ステップ(E)では、上述した内部セル13aと境界セル13bに対して、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析を行う。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
1.本発明ではV−CADプログラムにおける実用性のある流体解析技術を目指し、カットセル(KTC)直交格子による任意形状の非圧縮粘性流れの解析方法を開発した。本発明において、流れ場の境界での扱いについては、Hirtらが提案しているVOF(Volume Of Fluid)法[非特許文献12]を併用したカットセル有限体積法を用いた。また本発明の方法による内部流であるチャンネル内流れと、外部流の円柱まわり流れを解析し、実験データ、理論解、及び既存の方法による解析結果との比較を行った。更に、本解析法の応用例として、いくつかの計算結果を合わせて示した。
2.基礎方程式と計算方法
2.1 基礎方程式
本発明で用いる基礎支配方程式は[数4]の式(1)(2)に示す非圧縮粘性流体のNavier・Stokes方程式と連続の式である。
2.2 計算精度・計算コスト及び計算方法
流体のシミュレーションは一種の数値実験であり、つねに一定の誤差を伴う。流体解析を精度よく行うには、以下の四つの条件が必要となる。
▲1▼流れの最小長さスケール(境界層・渦・衝撃波・火炎面など)を捕られるほど細かい空間解像度。
▲2▼流れの最大長さスケールを十分に捕獲するほど大きい計算領域と、人為的な流入・流出境界条件・壁によるブロッキングなど影響を無視できるほどの計算領域。
▲3▼打ち切り誤差や数値拡散などを無視できるほど十分な空間的・時間的な離散化精度。
▲4▼特定問題に即したモデル(壁面モデル・乱流SGSモデル・燃焼モデルなど)やスキーム(K−K・QUICK・MUSCL・TVD・ENOなど)、差分法を援用すれば、できるだけ直交等方性のある格子。
流体解析の計算コスト(計算時間・必要なメモリ)は、その計算方法に求められる解析精度によって決められるといえる。実用的な流体解析では、ある程度の精度(例えば、普通の物理実験の精度範囲や、ユーザーに求められる精度)があれば、十分と考えられる。
一方、流れ場は内部流、外部流及びそのほか(例えば噴流)に分類される。一般に外部流の解析領域は内部流のものより大きくとるのが普通である。本発明では実用性の観点から、外部流の場合には、流れ場の代表長さスケールD(=1)として、解析領域の大きさはすべて10D×10Dとした。
本発明では、差分法を併用した有限体積法を用いる。ある程度の安定性や離散化精度を確保するため、空間積分について、対流項に二次元のQUICK補間スキームを使用し、拡散項に二次精度の中心差分を用いる。時間進行について、対流項と拡散項を合わせて二次精度のAdams−Bashforth法を適用し、圧力勾配項に一次精度のEuler陰解法を用いる。解析アルゴリズムとしての圧力と速度のカップリングには、Hirtらにより提案された圧力と速度を同時緩和するSOLA−HSMAC法[非特許文献13]を使用し、緩和係数1.65でSOR法を用いて反復計算を行う。収束判定は連続方程式(2)の残差が0.0002とする。また圧力振動を防ぐために三方向の速度u,v,w,及び圧力pの格子上の定義点を、半メッシュをずれるスタガード格子を配置する。
2.3 V−CADデータによる固体・流体境界の取扱い
Volume−CADシステムの中でもっとも重要なアルゴリズムは加瀬・手嶋[非特許文献14]により提案されるセルの切断点からモノの表面形状を復元するKTCアルゴリズムである。このKTCアルゴリズムは流体解析分野における直交格子カットセル(Cut Cell)法と同じ概念であることを注意されたい。また、KTCは二次元においても一個のセルの四つの稜線上に2個以上の交点(切断点)があり得るが、本発明では簡単のために二次元で一個のセルの稜線上に2個だけの切断点に限るとする。この場合のKTCは図4Aと図4Bに示すように二種類しかないことがわかる。
カットセル法における開口率は、セルの稜線に流体部分が占める比率として図4Aと図4Bに示すように流体・固体境界とセル稜線との交点情報から[数5]の式(3)で定義される。
ここで、Δxi,j、Δyi,jはそれぞれX方向とY方向の格子幅であり、Ai, j、Bi,jはX方向とY方向の開口率である。また、Vxi,j、Vyi,jはそのセル稜線上に固体が 占める線分を表す。
各方向の開口率が分かれば、VOF法における流体の体積占有率は[数5]の式(4)と式(5)により求められる。
有限体積法で保存型の支配方程式を離散化する場合、方程式(1)の積分形をグリーン定理(発散定理)に適用するため、微分型の方程式(1)をテンソル形の発散型に書き換えると[数6]の式(6)のようになる。
ここで、○に×はテンソル積であり、ベクトルIはKroneckerδijに対応する単位テンソルである。
流体固体境界での離散化は、本発明の肝心なところになる。境界セル以外の格子における有限体積法による直交格子での離散化は従来の方法でもあまり問題が生じないのでここでは省略する。流体固体境界では図4のようなKTCセルを想定して式(6)の空間離散化を行う。また式(6)の時間離散化について、流体占有率VOFを用いてコントロールボリューム(CV)内における速度の時間勾配を平均値とみなして、従来の方法通りで行えるため、境界セルでの時間離散化の説明も省く。
さて、図5の二次元境界セルの流体部分をコントロールボリューム(CV)Vi,jとして、式(6)を空間積分する(ここで簡単のため外力項ベクトルf=0とした)と、有限体積法における支配方程式は[数6]の式(7)になる。
カットセルによる離散化には、二つのキーポイントがあることを注意されたい。
キーポイントの一つは固体境界(図5の切断線4)の積分の取り扱いである。有限体積法では、一階偏微分の対流項と圧力勾配項の境界条件はディリクレ条件であり、二階偏微分の拡散項の境界条件はノイマン問題となる。固体境界でノースリップ境界条件の場合に、図5の切断線4のところに対流項が零となるから対流項を積分しなくてもいいが、圧力勾配項と拡散項に対して切断線4のところに積分しなければいけない。これは式(9)と式(10)の各々最後の項に切断線4の中間点Pの値を(平均値として)用いて積分するわけである。また空間積分に対してすべての項に開口率を適用する必要もあることを注意されたい。
もう一つのキーポイントは、カットセルにおいて算出される物理変数の定義点である。有限体積法では流体占有率VOFで体積平均を行うため、物理変数の定義点は流体のコントロールボリュームの中心(例えば図5の○に・点で示すC点)に置くのが自然だが、そうすると直交等間隔格子の完全自動化メリットがなくなる。その故、本発明ではVOF=0.01を閾値としてそれより小さい境界セルは完全の固体とみなし、それより大きい境界セルにおいて算出される変数はコントロールボリュームの中心ではなく、セルの中心(例えば図5の○に+印で示すD点)に置くこととする。同じく図5の稜線3と稜線5の変数定義点も線分の中心○ではなく、セル稜線の中心◎に定義される。また線分4の中心点Pに変数が定義されていないため、本発明でその点の変数値を線形補間により求める。こう処理すると、固体境界の再現性を損するものの、直交格子の完全自動化が保たれ、実用化に向ける。また流体の計算はコントロールボリュームで保存則が厳密に満たされ、上記の処理は流れ場の計算精度に及ぼす影響がそれほど大きくないと考えられる。
2.5 物体に働く抗力と揚力について
物体まわりの流れを解析するとき、その物体に働く抗力と揚力の計算について、一般座標系の境界適合格子の場合に物体の第1格子点に沿って積分すれば簡単だが、直交格子で取り扱う場合にはやや煩雑となる。そこで本発明では、以下の方法で抗力と揚力を求める。
物体に働く力は、その物体表面に作用する流体応力テンソルを閉積分して、グリーン定理を適用すれば、二次元の場合に[数8]の式(11)ように得られる。
ここでσnは法線方向の平面に働く応力テンソル、σは物体表面の点での応力テンソルである。また二次元の二階応力テンソルの発散はそのテンソルの四つの方向からなることを注意されたい。それでX方向を流れ方向、Y方向を流れの垂直方向とすると、物体に働く抗力(流れ方向の力)と揚力(流れの垂直方向の力)は、グリーン定理を再び適用すると[数8]の式(12)(13)のようになる。
抗力と揚力が分かれば、無次元量としての抗力係数CDと揚力係数CLを、主流速度U、流体密度ρ及び物体の基準面積A(二次元の場合は基準長さ)を用いて[数5]の式(14)のように無次元化される。
また非定常現象を表わす無次元量のストローハル数Stは、CLの周波数fLから[数8]の式(15)で求める。
流体の数値解析において解析スキームや数値モデルなどを検証することにあたって、内部流のベンチマークテストとしてチャネル流れと、外部流のベンチマークテストとしての円柱まわりの流れはしばしば検証の対象となる。本発明でも、上記のVOF法を併用したカットセル有限体積法を検証するために、解析理論解のある二次元Poiseuille流と、多くの実験や計算データのある静止円柱まわりの流れについて数値解析を行い、他の研究者のデータとの比較を行った。なお、実用問題に向けての応用例として、バックステップを過ぎる流れ、狭窄管内の流れ、チャネル内障害物周りの流れ、分岐管内の流れ、複数Bluff Bodyまわりの流れや予混合燃焼器内の流れなどについて解析を行い、その計算結果の可視化例を示す。
3.1 チャネルPoiseuille流による検証
セルのカットされたVOFの効果を検証するため、10D×10D正方形の解析領域におけるダクトを、0度、10度及び45度を斜めにして解析を行った。全体の格子数は64×64、ダクトの半幅は2.5D、この半幅で定義されるレイノルズ数Re=1、時間刻み△t=0.0001、解析時間steps=10000とする。ダクトの流入条件と流出条件はともに放物型の分布を仮定した。流れ方向の圧力勾配は1.0とした。またHSMAC法を用い、入口・出口および壁での圧力境界条件は直接与えていない。三ケースのVOF分布を図6A,B,Cに示す。図6A,B,Cにおける破線は、境界を示している。その三ケースに対応する流れ方向速度分布を理論解析解と比較して図7A,B,Cに示す。
図7A,B,Cの中に線Aのanalysisは理論解析解であり、線Bのi=32は第32格子点断面にある流れ軸中心での流れ垂直断面の速度分布である。ダクトを傾けない(角度0)計算結果の速度分布は解析解とよく一致し、傾斜角度を10度、45度にすると、軸中心の最大速度がわずかに過小評価されるものの、全体として解析結果は理論解と一致していると言える。
3.2 静止円柱まわり流れによる検証
解析スキームやモデルなどの検証対象となる円柱まわり流れの解析は、直交格子にとって最も困難な例題であろう。本発明では、3.1の解析領域(10D×10D)と格子数(64×64)のままで、円柱直径Dで定義されるレイノルズ数のRe=1からRe=20000までの24ケースについて、一様流中に置かれている静止円柱まわり流れの解析を行った。計算の無次元時間は100とし、円柱の円心座標の図6のようにX=2.5D,Y=5.0Dとした。速度の境界条件として、円柱表面で滑り無し条件、流入側の流入条件は一様流(流れ方向速度=1.0)条件、流出側の流出条件はX方向に自由流出(速度勾配0),Y方向にフリースリップ条件とした。また、HSMAC法を用いて速度・圧力を同時に緩和するため、流入・流出および壁での圧力境界条件を直接与える必要がない。
図8は解析格子と解析全領域のVOF分布を示す。図9、図10はレイノルズ数Re=300の場合の、速度ベクトルと圧力等値線であり、円柱後方に周期的なカルマン渦列の形成が観察されており、非定常流の流れパタンーの特徴を捉えている。これはレイノルズ数Re>80の場合に共通なので、他のレイノルズ数における計算結果は省略した。
図11、図12にそれぞれ実験データなどと比較した無次元時間50〜100にわたる抗力係数の平均値と、平均Strouhal数を示す。抗力係数について、低レイノルズ数(Re<60)の本発明による計算結果は今井の式による結果(B)とよく一致している。レイノルズ数Re=100付近あたりにおいて、本発明による計算結果は実験データ(C)と比較してわずかに小さくなっている。レイノルズ数Re>400では、本発明による計算結果は実験データ(C)とほとんど相違がない結果となっている。
これは主に本発明で用いる空間解像度(10/64=0.15)が低いので、Re=100(O)オーダー以上になると、円柱壁における境界層は十分に解像されていないと考えられる。図11から分かるようにレイノルズ数Re>50では、カットセル無しの階段近似による計算結果(D)は実験より明らかに過大評価される。これに対して、本発明で提案したカットセルVOF法による計算は、計算結果(D)に比べて大幅に改善されていることが分かる。
図12の平均Strouhal数について、本発明での計算結果は、実験データより大きめであるが、レイノルズ数Re>200の適正値とされる0.2〜0.25の範囲に収まっていることがわかる。
図13A,Bに他の研究者による直交適合格子法[非特許文献15]を使用した円柱の抗力係数とStrouhal数の解析結果を示す。また図14A,Bに一般座標系適合格子法[非特許文献16]による抗力係数とStrouhal数の解析結果を示す。これら従来の方法による結果では、レイノルズ数Re>200の適正値とされる0.2〜0.25の範囲から部分的に外れていることがわかる。従って本発明による平均Strouhal数の計算結果(図11、図12)は、これら従来の境界適合格子による計算結果と比べて計算精度が優れていることが分かる。
レイノルズ数Re=300の場合に無次元時間T=2.5の時の可視化実験[非特許文献17]の結果と、本発明での同じ条件による計算結果の円柱近傍拡大図を図15A,Bに示す。またレイノルズ数Re=550の場合(無次元時間T=2.5)に実験[非特許文献17]と対照する円柱付近の計算結果を図16A,Bに示す。
上記の図から分かるようにいずれのケースで円柱付近の双子渦の形状や大きさ、円柱直後から渦の循環再合流までの距離など、本発明での計算結果は可視化実験とよく一致している。
図17A,Bにレイノルズ数Re=200場合の、本発明の方法による円柱抗力と揚力の時間履歴変化を、朴ら[非特許文献6]により提案された部分境界適合直交格子法による計算結果と比較して示す。この図から、本発明の等間隔直交格子による抗力およびStrouhal数は、部分境界適合直交格子法による結果とよく一致していることが確認された。なお、本発明の揚力の変動幅は部分境界適合直交格子法による結果より小さく評価されているが、これは主に[非特許文献6]の許算領域は30D×15Dであり、流出境界として放射条件を使用しているためと考えられる。
ここで図に示されていないが、本発明でレイノルズ数Re=1からRe=20000までの24ケース計算を行ったが、レイノルズ数80以上でカルマン渦が出るようになった。実験や理論の臨界レイノルズ数Re=50位に比べてやや大きめであるが、実用上十分であると思われる。
3.3 実用問題に向けての応用例
今回開発した解析方法をいくつかの例に応用してみた。それらは図18A〜Fのようにバックステップを過ぎる流れ(A)、狭窄管内の流れ(B)、チャネル内障害物周りの流れ(C)、分岐管内の流れ(D)、複数Bluff Bodyまわりの流れ(E)や予混合燃焼器内の流れ(F)などである。
ここに示しているのはX方向速度u分布のみであり、これらの応用例の計算は3.1のダクト計算や3.2の円柱まわりの計算と同じように計算領域は10D×10Dで、格子数は64×64とした。またレイノルズ数はRe=100、流入条件や流出条件等は3.2の計算と同じにした。つまり、開発した計算プログラムを変更することなく、V−CADデータを直接に入力するだけで、任意形状の流れ場を計算できるようになった。
4. 次に本発明の解析方法を移動境界に伴う流れの数値計算(流体構造連成解析)に適用する。流体構造連成解析は、風工学や熱交換器など工学的見地において特に重要である。
流体構造連成解析の具体例として、(1)一様流の中に置かれた二次元円柱の強制振動と、(2)円柱の渦自励振動(渦励振)の数値計算を行い、構造物に致命的な損傷を与える代表的な流体構造連成問題としてのロックイン現象や渦励振による共振状態を検証し、移動境界の流体構造連成解析における本発明の解析方法の有効性を示す。
4.1 基礎方程式
円柱の振動計算に関しては、弾性支持された剛体構造物として、流れ方向に対して直角方向に振動する1質点1自由度系モデルを仮定している。
円柱が強制振動の場合には、円柱を一様流と直角な方向(Y方向)にsin波で強制的に振動させる。即ち円柱中心のY方向の変位を[数9]の式(17)で与える。ここで、Aは振幅、fcは強制振動周波数、tは時間である。
また、円柱表面のY方向の速度境界条件は、[数9]の式(18)で与えられる。
円柱が渦放出による自励振動をする場合には、有次元の振動方程式は1質点1自由度のダンパ・ばねモデルによって[数9]の式(19)に示す。
式(19)の中でそれぞれmは円柱の質量、cはダンパの粘性減衰係数、kはバネの弾性回復係数、ρは流体の密度、U0は一様流の流速、Dは円柱の直径、CLは揚力係数である。式(19)を無次元化して円柱の固有振動数f0=(k/m)0.5/(2π)、無次元減衰係数h=c/(2(mk)0.5)、スクルートン数Sc=2πh(2ρe/ρ)などの振動応答を支配するパラメータで整理すると、[数9]の式(20)になる。
円柱が振動する場合には、式(18)または式(20)から求められた振動する円柱の運動速度を、流れ場の速度境界条件として計算時間ステップごとに変化して与えている。
円柱の渦自励振動の解析については、円柱の初期変位と初期速度を0として、式(20)の振動方程式をニューマークのβ法により積分し、円柱の振動変位や振動速度を求められる。
本発明の流体構造連成解析は、流体系と構造系を連立して統一的に扱う強連成ではなく、流体と構造の方程式を別々に離散化し、それぞれの境界条件を陽的に受け渡す弱連成となる。複雑な流体構造系の連成解析における時間刻みは、特に強連成の場合、流体または構造計算の時間刻みの小さい方に制約されることは原則であるが、本発明での構造系の計算には単純なダンパ・バネモデルを用いるため、計算の時間刻みは流体解析のCFL条件のみから決められる。また、ニューマークのβ法により将来の加速度を積分する際に、式(20)の揚力は現在の値を用いて陽的に与える。
4.3 強制振動円柱まわりの流れ
流れ場のレイノルズ数Re=1000の場合には、3.2の解析条件のままで、式(17)と式(18)による強制振動円柱まわりの流れ解析を行った。レイノルズ数Re=1000の際に、静止円柱の無次元渦放出周波数のStrouhal数はSt=0.2位であることが実験値で知られている。強制振動の計算条件として振幅Aを0.1、強制振動周波数を0.2に中心としてfc=0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5の8ケースで計算を行なった。静止円柱を含めて各振動数での円柱に作用する流体力の抗力係数CDおよび揚力係数CLの時間履歴の変動波形をそれぞれ図19A〜Iに示す。
図19A〜Iの抗力係数と揚力係数の時間履歴波形図から、振動周波数fc=0.5を除いて、振動する円柱に作用する抗力および揚力が静止円柱のものより大きいことが分かった。
揚力の変動波により求められた流れの渦放出状態を表わすStrouhal数Stと強制振動周波数fcの関係を図20に示す。Strouhal数0.2付近の0.15<fc<0.25におけるfc/St=1の計算結果から、強制振動による渦放出周波数のロックイン現象がよく再現されていることが分かった。また、図19A〜Iからロックイン領域での抗力や揚力が増大することも捉えている。
本発明とOkamotoらの実験[非特許文献18]とはレイノルズ数(Re=19000)や円柱振動振幅(A=0.05)とも異なるが、Okamotoらの実験による0.186<fc<0.216のロックイン範囲は本発明のロックイン領域に含まれることが確認された。
4.4 円柱の渦放出による自励振動
4.3の解析条件で、ニューマークのβ法により式(20)の振動方程式を積分し、円柱の渦自励振動の振動変位や振動速度を求める。円柱の振動速度をさらに流れ場の速度境界条件として課する。流れ場のレイノルズ数Reを10000、スクルートン数Scを5、減衰係数hを1%、無次元流速Vr=Uo/(foD)を2,3,4,5,6,7,8の七ケースで計算を行い、各々の無次元流速に対する抗力係数CD、揚力係数CL、そして変位yの時間履歴を図21A〜Cと図22D〜Gに示す。
図21A〜Cと図22D〜Gに示された円柱の渦励振解析について、流れ方向に対して直角方向に振動する弾性支持された剛体構造物の1質点1自由度系モデルを仮定しているが、図21A〜Cと図22D〜Gの計算結果から分かるように、式(20)の振動方程式の右辺の揚力CL項は、非定常な渦放出により不規則的な変化を呈している。そして流体構造の連成運動としてさらに振動円柱が流れ場に非定常な擾乱をも与えているため、4.3のsin強制振動に比べて、渦励振による揚力と抗力の平均値は、静止円柱のものより増大することが一致しているものの、その時刻歴変化曲線はもっと不規則的な波形となっていることが見られる。また無次元流速Vr=4(円柱の固有振動数fo=1/4=0.25)の場合に円柱の振幅がもっとも大きくなることが分かった。これは静止円柱の流れ場のStrouhal数St=0.25にも関連すると考えられる。
各々の無次元流速Vrに対するyの最大変位を整理して図23に示す。最大変位yについてみると、Vr=2、3、4ではyの最大変位は次第に大きくなり、Vr=4で最大になる。その後、Vrが大きくなるにつれて、yの最大3変位は波状に小さくなっていく。本計算での渦励振応答振幅の変化傾向は、近藤[非特許文献19]のALE有限要素法による計算結果と定性的に一致していると確認された。
5.結論
(1)V−CADデータを直接利用する流体解析方法を開発し、内部流・外部流ともにベンチマークテストを用いて検証した。その結果、本発明で提案した流体解析方法は十分な安定性を有し、二次元静止円柱まわりの流れの計算では、従来のボクセル法より良く、境界適合格子と比べて遜色がない計算精度を持つことが検証された。
(2)流れ場の形状に関しては、どんな複雑な形状があっても、V−CADデータさえを読み込めば、短時間で直接二次元の非圧縮性粘性流れの数値シミュレーションができるようになった。
(3)二次元円柱の流体構造連成振動の計算では、円柱まわり流れのレイノルズ数Re=1000の場合に、円柱の強制振動によるロックイン(fc/St=1)領域は0.15<fc<0.25であることが予測された。
また、レイノルズ数Re=10000 かつ無次元流速Vr=4の時、つまり、円柱固有振動数(fo=1/4)が静止円柱のStrouhal数(St=0.25)と等しくなる時に、渦自励振動による共振状態が起こることが示された。
これらの計算結果は、実験データやALE有限要素法による結果と定性的に一致している。したがって、移動境界の流体構造連成問題においても、提案した流体解析方法の有効性が示されたと言える。
従って、本発明のV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法と装置は、格子生成を完全に自動化することができ、物体境界の表現が容易であり、比較的簡単な計算処理により、精度の高いシミュレーションを短時間で行うことができる等の優れた効果を有する。
Claims (15)
- 非圧縮性粘性流体と接する対象物の境界データからなる外部データ(12)を境界が直交する複数のセル(13)に分割する分割ステップ(A)と、
分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分するセル区分ステップ(B)と、
前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求める切断点決定ステップ(C)と、
求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとする境界面決定ステップ(D)と、
流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する解析ステップ(E)と、を備えたことを特徴とするV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。 - 前記解析ステップ(E)において、空間積分について、対流項に二次元のQUICK補間スキームを使用し、拡散項に二次精度の中心差分を用い、時間進行について、対流項と拡散項を合わせて二次精度のAdams−Bashforth法を適用し、圧力勾配項に一次精度のEuler陰解法を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 固体境界の積分において、固体境界でノースリップ境界条件の場合に、対流項は零とし、圧力勾配項と拡散項に対しては、切断線の中間点Pの値を平均値として用いて積分し、空間積分に対してはすべての項に開口率を適用する、ことを特徴とする請求項3に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- カットセルにおいて算出される物理変数の定義点を、VOF=0.01を閾値としてそれより小さい境界セルは完全な固体とみなし、それより大きい境界セルにおいて算出される変数をセルの中心に置く、また、稜線の変数定義点をセル稜線の中心に定義し、更に、線分4の中心点の変数値を線形補間により求める、ことを特徴とする請求項3に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 移動境界を伴う流体構造連成解析において、所定の時間刻み毎に、流体系と構造系を別々に解析し、それぞれの境界条件を陽的に受け渡す、ことを特徴とする請求項3に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 式(18)から求められた振動する円柱の運動速度を、流れ場の速度境界条件として計算時間ステップごとに変化して与える、ことを特徴とする請求項9に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 式(20)から求められた振動する円柱の運動速度を、流れ場の速度境界条件として計算時間ステップごとに変化して与える、ことを特徴とする請求項11に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 円柱の初期変位と初期速度を0とし、かつ式(20)の揚力は現在の値を用いて陽的に与え、式(20)の振動方程式をニューマークのβ法により積分し、円柱の振動変位と振動速度を求める、ことを特徴とする請求項11に記載の非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析方法。
- 非圧縮性粘性流体と接する対象物(1)の境界データからなる外部データ(12)を入力する入力装置(2)と、形状と物理量を統合した実体データとその記憶演算プログラムを記憶する外部記憶装置(3)と、前記記憶プログラムを実行するための内部記憶装置(4)及び中央処理装置(5)と、実行結果を出力する出力装置(6)とを備え、
前記外部データを境界が直交する複数のセル(13)に分割し、分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分し、前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求め、求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとし、流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する、ことを特徴とするV−CADデータを直接用いた非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析装置。 - コンピュータに、非圧縮性粘性流体と接する対象物の境界データからなる外部データ(12)を境界が直交する複数のセル(13)に分割する分割ステップ(A)と、
分割された各セルを対象物の内側に位置する内部セル(13a)と境界データを含む境界セル(13b)とに区分するセル区分ステップ(B)と、
前記境界データによる境界セル(13b)の稜線の切断点を求める切断点決定ステップ(C)と、
求めた切断点を結ぶ多角形を境界面のセル内部データとする境界面決定ステップ(D)と、
流れ場の境界に、VOF法を併用したカットセル有限体積法を適用して解析する解析ステップ(E)と、を実行させるための非圧縮性粘性流体の流れ場の数値解析プログラム。
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