産業上の利用分野
本発明は、IgA腎症の新規な検査法に関し、更に詳細には、IgA1のヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を決定することにより、受診者に与える精神的苦痛、腎周囲出血等の危険性および経済的負担が少ない、IgA腎症の迅速・簡便な検査法および抗体の決定方法に関するものである。
従来の技術
IgA(免疫グロブリンA)腎症は、Bergerら(J.Urol.,7 4,pp694〜695(1968年)により提唱された疾患概念で、臨床的には持続的尿蛋白、血尿以外に臨床症状に乏しく、組織学的には糸球体メサンギウム領域にIgAを主体とする沈着物が認められることを特徴とする原発性糸球体腎炎である。
わが国でのIgA腎症の頻度は高く、慢性腎炎の約30%を占める。近年その長期予後は必ずしも良好ではなく、10年の経過で10〜15%、20年の経過で約30%の患者が末期腎不全に陥ることが明らかになってきた。このため、IgA腎症は末期腎不全に至る原因疾患として特に注目されてきている。
現在のところ、IgA腎症の検査法としては、腎生検による方法しかない。しかしながら、この検査法は、受診者に大きな精神的苦痛を与える他、検査後に腎周囲出血等が起こる危険性がある。さらに、腎生検検査後は24時間以上の絶対安静が必要で、受診者に数日間の入院を強いることになり、受診者の経済的負担も大きいのが現状である。また、この検査法には多くの設備が必要で、検査に長時間要するという欠点がある。
従って、より簡便な操作で、短時間に実施でき、かつ受診者に与える精神的苦痛、腎周囲出血等の危険性および経済的負担が少ない、IgA腎症の検査法が望まれている。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的は、IgA腎症の検査法としてこれまで必須とされてきた腎生検によらない、IgA1のヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を決定することにより、受診者に与える精神的苦痛、腎周囲出血等の危険性および経済的負担が少ない、IgA腎症の迅速・簡便な検査法を提供することにある。
課題を解決するための手段
本発明者らは上記課題について種々検討した結果、IgA1のヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を決定することにより、IgA腎症の検査が容易にでき、受診者に精神的苦痛、腎周囲出血等の危険性、経済的負担が少ない、IgA腎症の迅速・簡便な検査法および抗体の決定方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は:
IgA1のヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を決定する、IgA腎症の検査法に関するものである。本発明の好ましい実施態様によれば、ヒンジ部コアペプチドが、Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Cysで表されるアミノ酸配列の少なくとも一部を構成し、かつ少なくとも3つ以上のアミノ酸からなる検査法に関する。更に本発明の好ましい実施態様によれば、抗体の決定において、IgA1のヒンジ部コアペプチド固相を用いる検査法に関し、該固相がマイクロタイタープレートあるいはラテックス粒子である検査法に関する。
本発明において抗体を決定する方法としては、酵素免疫測定法、ラテックス凝集免疫測定法、免疫比ろう測定法、ラテックススライド凝集法、免疫比濁法、発光免疫測定法、蛍光偏光免疫測定法、蛍光免疫測定法またはラジオイムノアッセイ法に基づく、IgA腎症の検査法が用いられる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は、IgA1分子構造の概略を示す模式である。
IgA腎症の成因に関与すると考えられるIgAとは、免疫グロブリンの一種である。IgA分子は、2本の重鎖と2本の軽鎖から成り、重鎖構造の違いからIgA1とIgA2の2つのサブタイプに分類される。
IgA腎症において、糸球体内に沈着するIgAはIgA1サブタイプが主体である(Conleyら、J.Clin.Invest、第66巻、1432〜1436頁、1980年)ことから、IgA腎症患者と健常者または非IgA腎症患者のIgA1の性質に差があることが推定される。
IgA1とIgA2との最も大きな構造上の違いは重鎖のヒンジ部にあり、IgA1のヒンジ部(基礎免疫学(上)第158〜162頁(1986年)東京大学出版会)に対してIgA2のヒンジ部では、13個のアミノ酸が欠損している(Frangioneら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第69巻、3673〜3676頁、1972年)。
一方、Baenzigerらは、IgA1分子のヒンジ部にO結合型糖鎖が5ヶ所のセリン残基に結合していると報告している(J.Biol.Chem、第249巻、7270−7281頁、1974年)。
本発明者らは、IgA1ヒンジ部の合成ペプチドをウサギに対して免疫して得られた抗体とIgA腎症患者血清IgA1との結合能は、健常者等の非IgA腎症患者血清IgA1との結合能と比較して、高くなっていることを示し、IgA腎症患者のIgA1は、ヒンジ部に結合するO結合型糖鎖に異常があり、その結果、ヒンジ部コアペプチド(ヒンジ部コアペプチドとは、ヒンジ部を構成するペプチドのことを言う)が露出した状態にあることを報告している(アメリカ腎臓学会誌、第8巻、538A頁、1997年)。
このヒンジ部コアペプチドは、アミノ酸としてプロリン、セリン、スレオニンを多く含む点でムチンと構造上類似している。
既にヒトムチンコアペプチドには免疫活性化能が存在することが知られている。
例えば、Koteraらは、ある種の癌細胞に高頻度に発現しているムチンは糖鎖が少ないためにコアペプチドが露出しており、その結果、宿主においてはコアペプチドに対する免疫反応が生じていることを報告している(Cancer Res、第54巻、2856〜2860頁、1994年)。
本発明者らは、上記の知見に基づいて鋭意研究した結果、IgA腎症患者においては、IgA1のヒンジ部に結合するO結合型糖鎖が減少し、ヒンジ部のコアペプチドが露出することでIgA1ヒンジ部コアペプチドに対する免疫反応が生じ、IgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体価が上昇していること、かつこの知見はIgA腎症の検査に利用することが可能であることを見い出し、本発明を完成するに達した。
即ち、受診者の体液等を被検液として、その中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を決定することにより、IgA腎症の迅速な検査が可能となる。すなわち、本発明は、IgA1のヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を決定することに基づくIgA腎症の検査法である。
本発明において、IgA1ヒンジ部とは、IgA1分子を構成する重鎖中で、CH1ドメインとCH2ドメインとの間にある領域を指し、適宜N末端側にPro−Val−を付加したものであってもよい。
この領域は、重鎖間のジスルフィド結合部分を含み、アミノ酸としてプロリン、セリン、スレオニンを多く含む。
本発明において、抗原であるIgA1ヒンジ部コアペプチドとしては、IgA1ヒンジ部を構成するペプチドまたはその一部を使用できる。
好ましくは、アミノ酸配列が、Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Cysで示されるペプチド、またはその一部を構成し、かつ3つ以上のアミノ酸からなるペプチドを使用することが望ましく、例えばVal Pro Ser、Ser Thr Pro、Thr Pro Pro、Pro Pro Thr、Pro Thr Pro、Thr Pro Ser、Pro Ser Pro、Ser Pro SerあるいはPro Ser Thrで示されるアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられ、より好ましくは、5つ以上のアミノ酸からなるペプチド、例えば、Pro Val Pro Ser Thr、Pro Ser Thr Pro Pro、Thr Pro Pro Thr Pro、Pro Thr Pro Ser Pro、Pro Ser Pro Ser ThrあるいはPro Ser Pro Ser Cysで示されるアミノ酸配列を含むペプチドが挙げられる。
また、本発明においては、実施可能な限り、IgA1ヒンジ部またはその一部を構成するペプチドを含むすべてのペプチドまたは蛋白質等を使用できる。
さらに、IgA1ヒンジ部コアペプチドを種々のもの、例えば糖、脂質、官能基、保護基、あるいは架橋剤等で修飾したものであってもよく、また該ペプチドを蛋白質、プラスチック、またはラテックス粒子等の担体に結合せしめたものであってもよい。
本発明において、抗原であるIgA1ヒンジ部コアペプチドは、いかなる方法によって生成したものであってもよく、例えば合成によって生成したもの、患者または健常者等の非IgA腎症患者に由来するIgA1から生成したもの、遺伝子組み換え技術によって生成したもの等を使用できる。
本発明において、被検液としては、血液、血漿、血清、唾液または尿等の生体体液、生体組織抽出液、組織培養上清液等が挙げられる。
本発明に関わる抗体の決定法の原理、検出感度、測定レンジあるいはその他の要因を考慮して、被検液原液で、あるいは被検液原液を緩衝液等により適宜希釈して使用される。
被検液中には、例えばEDTA−ナトリウム、クエン酸ナトリウム、あるいはヘパリンナトリウム等に代表される抗血液凝固剤、被検液の安定化のために添加された物質、またはその他の物質を含んでいてもよい。
本発明に使用される緩衝液は、自体公知の抗原抗体反応を利用した抗体の免疫学的決定方法において通常用いられる緩衝液を使用することができるが、好ましくはpH5〜9の範囲である緩衝液を使用することが望ましい。
例えばリン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、ベロナール緩衝液、グッド(Good’s)緩衝液(例えばヘペス(HEPES)緩衝液、ピペス(PIPES)緩衝液、メス(MES)緩衝液等)等を使用できる。
また、本発明に関わる決定方法において使用されるマイクロタイタープレート、ラテックス粒子等の担体への蛋白質の非特異的吸着を防ぐ等の目的で、添加剤として、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチンまたはスキムミルク等の蛋白質、界面活性剤、糖、キレート剤、還元剤、あるいは塩等を緩衝液中に適宜添加することは任意である。
その濃度範囲等は、例えば自体公知の抗原抗体反応を利用した抗体の免疫学的決定方法において通常用いられる濃度範囲等から適宜選択すればよい。
本発明において、決定される抗体としては、IgA1ヒンジ部コアペプチドと反応する被検液中に存在するすべての抗体が挙げられるが、より好ましい抗体クラスとしては、IgGクラス、IgMクラスまたはIgAクラスが挙げられる。
本発明において、IgA1ヒンジ部コアペプチドを抗原として被検液中の該抗原を認識する抗体を免疫学的に決定する方法は、抗原抗体複合体を形成せしめる条件下で、前述のIgA1ヒンジ部コアペプチドと被検液とを反応させ、形成された抗原抗体反応の生成物を測定することに基づいて被検液中のIgA1ヒンジ部コアペブチドを認識する抗体を定性または定量することにより特徴づけられる。
例えば、一般的に広く用いられている酵素免疫測定(enzyme immunoassay;EIA)法(蛋白質核酸酵素、別冊第31号 酵素免疫測定法、13〜26頁、1987年)を用いることができる。
具体的には、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化した担体と被検液とを反応させ、次いで、標識抗体(抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体、抗ヒトIgA抗体または抗原との結合活性をもつそれらのフラグメント等と標識酵素の複合体)を反応させ、次いで、抗原抗体複合体を介して担体に結合した標識酵素による反応を利用して発色を生じさせるための発色剤(基質)を加え反応させる。
必要に応じて酵素反応停止剤を反応させた後、生じた発色を任意の波長にて吸光度を測定することに基づいて被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法を例として挙げることができる。
より具体的には、IgA1ヒンジ部コアペプチド、例えばPro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Cysで示されるアミノ酸配列から適宜選択されるアミノ酸3つ以上、好ましくはアミノ酸5つ以上のペプチドよりなる合成IgA1ヒンジ部コアペプチドをウシ血清アルブミン(BSA)に1:1〜15:1(ペプチド:BSA)の結合比で、好ましくは1:1〜10:1(ペプチド:BSA)の結合比で結合させたものを抗原として用いた場合、通常0.01μg/ml〜100μg/mlの範囲になるよう濃度調整した抗原を、プラスチック製のマイクロタイタープレートにウエルあたり通常25μl〜200μl添加し、通常4℃〜40℃の温度範囲で、通常10分間〜48時間の範囲で静置した後、適当な緩衝液で洗浄して抗原を固相化する。
さらに、適当な緩衝液で希釈した被検液(例えば受診者の血清)を抗原を固相化したマイクロタイタープレートに通常25〜200μl添加し、通常4℃〜40℃の温度範囲で、通常5分間〜48時間の範囲で静置した後、適当な緩衝液で洗浄する。
次に、適当な緩衝液で希釈した自体公知の標識抗体(抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体、抗ヒトIgA抗体または抗原との結合活性をもつそれらのフラグメント等と標識酵素、例えば酵素免疫測定法において通常使用されるペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはグルコースオキシダーゼ等との複合体)を、通常25μl〜200μl添加し、通常4℃〜40℃の温度範囲で、通常10分〜48時間の範囲で反応させた後、適当な緩衝液で洗浄する。
さらに、用いられた標識酵素による反応を利用して発色を生じさせるための発色剤(基質)を通常25〜200μl添加し、通常4℃〜40℃の温度範囲で、通常1分間〜48時間の範囲で反応させる。
必要に応じて酵素反応停止液を反応させた後、標識酵素と用いた基質との関係による酵素反応での発色を吸光度として任意の波長にて測定することに基づいて、被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法を例として挙げることができる。
上記において、例えば標識酵素としてペルオキシダーゼを選択した場合には、基質としてオルトフェニレンジアミン等を用いることができ、酵素反応の結果生じた発色の程度を、例えば波長490nmでの吸光度としてとらえればよい。
また、例えば標識酵素としてアルカリフォスファターゼを選択した場合には、基質として、パラニトロフェニルリン酸等を用いることができ、酵素反応の結果生じた発色の程度を、例えば波長405nmでの吸光度としてとらえればよい。
上記の吸光度の値は、IgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体価(IgGクラス抗体価、IgMクラス抗体価もしくはIgAクラス抗体価)が高い程、高い値となる。
例えば、健常者等の非IgA腎症患者群の吸光度、あるいは得られた吸光度を標準物質から求められた検量線と比較することによって定量された濃度等の平均値+2×標準偏差値を越える場合を陽性、越えない場合を陰性とする判断基準を用いて、受診者の吸光度値、あるいは上記と同様にして求められた濃度等の定量値からIgA腎症かどうかの検査を行うことが可能である。
酵素免疫測定法に限らず、抗IgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を決定できる方法は、すべてこの検査法に用いることが可能である。例えば
(イ)一般的に広く用いられているラテックス凝集免疫測定(latex agglutination photometric immunoassay;LAPIA)法(櫻林郁之介ら、日本臨床、第48巻、増刊号、1356〜1361頁、1990年)に準じて、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したラテックス粒子と被検液とを混合し、抗原抗体反応の結果生じる濁度を吸光度としてとらえ、その変化量を測定することに基づいて被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法;
(ロ)免疫比ろう測定(nephelometric immunoassay;NIA)法(山岸安子、臨床検査、第23巻、臨時増刊、1286〜1289頁、1979年)に準じて、IgA1ヒンジ部コアペブチドを固相化したラテックス粒子と被検液とを混合することによって生じた抗原抗体複合体に光(レーザー光)を照射し、その散乱光の強度の変化量を測定することに基づいて被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法;
(ハ)ラテックススライド凝集法(柴田里美ら、機器・試薬、第11巻、338〜342頁、1988年)に準じて、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したラテックス粒子と被検液とを判定板上で混合し、抗原抗体反応の結果生じるラテックス粒子の凝集の有無またはその度合いを目視で確認することによって、被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性する方法;あるいは
(ニ)カウンティングイムノアッセイ(counting immunoassay;CIA)法(橋本好一ら、検査と技術、第22巻、第5号、67〜68頁、1994年)に準じ、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したラテックス粒子と被検液とを混合し、抗原抗体反応の結果生じる凝集物の大きさおよび数を測定することに基づいて被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法等を用いることができる。
(ホ)免疫比濁測定(turbidimetric immunoassay;TIA)法(富山哲雄、臨床病理、第35巻、868〜873頁、1987年)に準じ、IgA1ヒンジ部コアペプチドと被検液とを混合し、抗原抗体反応の結果生じる濁度を吸光度としてとらえ、その変化量を測定することに基づいて被検液中に存在するIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量する方法等を用いることができる。
(ヘ)発光免疫測定(luminescent immunoassay;LIA)法(蛋白質核酸酵素、別冊第31号 酵素免疫測定法、252〜263頁、1987年);
(ト)蛍光偏光免疫測定(fluorescence polarization immunoassay;FPIA)法(倉田邦夫、免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用、経営教育出版1985年6月20日発行、91〜102頁);
(チ)免疫電気泳動法(漆崎一朗、新津洋司郎、幸田久平、免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用、経営教育出版1985年6月20日発行、63〜72頁);
(リ)スピンイムノアッセイ(spin immunoassay;SIA)法(佐用博照、免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用、経営教育出版1985年6月20日発行、52〜62頁);
(ヌ)蛍光免疫測定(fluorescence immunoassay;FIA)法(橋本琢磨ら、検査と技術、第22巻、第5号、61〜66頁、1994年);および
(ル)ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay;RIA)法(倉田邦夫、免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬・治療薬開発への応用、経営教育出版1985年6月20日発行、33〜41頁)等を用いることができる。
本発明における抗原抗体反応の生成物を定性または定量する方法は、用手法に限らず、自動分析装置を利用した方法であってもよい。
酵素免疫測定法により、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したマイクロタイタープレート等を用いて被検液中のIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を決定する場合においては、例えば被検液分注、試薬分注、洗浄操作、吸光度測定、データ処理等を自動システム化した装置である、BECKMAN Biomek 1000 Automated Laboratory Workstation(ベックマン社製)またはCELL ASSAY−2000 ROBOTIC ASSAY SYSTEM(モリテックス社製)等が利用できる。
詳しくは、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したマイクロタイタープレートに被検液、酵素標識抗体および基質液を洗浄操作をはさんで順次反応させ、必要に応じて酵素反応停止液を反応させた後、標識酵素と用いた基質との関係による酵素反応での発色を公知の測定条件から選択された任意の波長にて吸光度を測定することに基づいて被検液中のIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を定性または定量することができる。
また、ラテックス凝集免疫測定法により、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したラテックス粒子を用いて被検液中のIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を決定する場合においては、例えば被検液分注、試薬分注、吸光度測定およびデータ処理等を自動システム化した装置である日立705、7050、7150、736、7070等の自動分析装置が利用できる。
詳しくは、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化したラテックス粒子と被検液とを反応セル中で混合し、公知の測定条件から選択された任意の波長、好適には400nm〜950nmの適宜な波長にて、ブランク補正を行い、一定時間後の吸光度変化量を測定することによって被検液中のIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する抗体を決定できる。
本発明の方法は、本発明の実施に必要な試薬類をキットにしておくと、操作がさらに容易となる。また、自動分析装置を使って本発明を実施する場合においても有利である。
本発明で用いられる試薬キットは、IgA1ヒンジ部コアペプチドを固相化した担体(例えばマイクロタイタープレートあるいはラテックス粒子等)と本発明を実施するに必要なその他の試薬類等、例えば緩衝剤、標準物質、標識抗体、基質、基質溶解剤あるいは反応停止剤等を適宜組合わせてなるキットを挙げることができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
実施例1
(1)抗原の調製方法
BSA(ウシ血清アルブミン、SIGMA社から購入)をPBS(0.15M NaCl含有の0.01Mリン酸緩衝液(pH7.2))で13.4mg/mlとなるように溶解し、その1.5mlを15mlプラスチック遠心管(住友ベークライト社から購入)に添加した。
この液にEMCS(N−(ε−Maleimidocaproyloxy)succinimide、同仁化学研究所から購入)をDMSO(Dimethyl sulfoxide、和光純薬工業社から購入)にて100mg/mlの濃度になるよう溶解した液を100μl添加し、室温にて60分間反応させた。
反応後、PBSにて平衡化したEcono−Pac 10DGカラム(Bio−Rad社から購入)に全量をかけ、PBSにて溶出させた。溶出液を1mlずつ15mlプラスチック遠心管(住友ベークライト社から購入)に分画し、280nmの吸光度を測定して蛋白質画分を集めた。
上記集められた蛋白質画分3mlに、合成IgA1ヒンジ部コアペプチド(Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Cys(分子量=2031.3)、アコード社にて合成)をPBSで20mg/mlの濃度になるように溶解した液を250μl添加し、4℃にて36時間反応させた。
反応後、PBSにて平衡化したEcono−Pac 10DGカラムに全量をかけ、PBSにて溶出させた。その溶出液を1mlずつ15mlプラスチック遠心管(住友ベークライト社から購入)に分画し、280nmの吸光度を測定して蛋白質画分を集め、19.3mg/mlの蛋白質濃度の液3mlを得た。得られた液を抗原液として以下の実験に使用した。
(2)抗体価の測定
上記抗原液を、0.015Mの炭酸緩衝液(pH9.6)に10μg/mlの濃度になるように溶解し、96穴マイクロタイタープレート(A Flow General Company社製 Linbro/Titertek EIA Microtitration plate、Cat.no.76−381−04)の各ウエルに100μlずつ加え、4℃で一晩、インキュベーション(静置)した。
各ウエルに1%ウシ血清アルブミン(fraction V、SIGMA社から購入)含有のPBS(0.15M NaCl含有の0.01Mリン酸緩衝液(pH7.5))を200μlずつ加え、4℃で一晩、インキュベーションした。各ウエルを200μlのPBSで洗浄を行った。
IgA腎症患者群32例の血清および非IgA腎症患者群(IgA腎症以外の腎疾患患者群)32例の血清を、PBSで1/100に希釈し、この希釈液を各ウエルに100μlずつ添加した。室温で3時間インキュベーションした後、各ウエルを200μlの0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.05%Tween20含有のPBS(以下PS/BSA/Tweenと略す)で3回洗浄を行った。
各ウエルに、ペルオキシダーゼ標識した抗ヒトIgG(Organon Tecknika社から購入)もしくはペルオキシダーゼ標識した抗ヒトIgM(Organon Tecknika社から購入)を1/200にPBSで希釈したものを100μlずつ添加した。
室温で1時間、インキュベーションした後、各ウエルを200μlのPS/BSA/Tweenで3回洗浄を行った。
発色剤(オルトフェニレンジアミン20mg、リン酸水素二ナトリウム12水1.795g、クエン酸0.525g、過酸化水素15μlを、水50mlに溶解したもの)を、各ウエルに100μlずつ加え、室温で1時間、インキュベーションした。
Bio−Rad社製のマイクロプレートリーダー(Microplate reader Model 450)を用いて、波長490nmの吸光度を測定した。
(3)IgGクラス抗体価の結果
第2図は、抗ヒトIgGを添加した場合の、IgA腎症患者群(第2図中、IgAN群)および非IgA腎症患者群(第2図中、非IgAN群)各32例の490nmの吸光度をプロットしたグラフである。
この場合、非IgA腎症患者群32例の平均値(0.316)+2×標準偏差値=0.606以上の吸光度のものを陽性とした。
実験の結果、非IgA腎症患者群では、32例すべてが陰性であるのに対して、IgA腎症患者群では32例中、16例が陽性となり、両2群間で、陽性率に統計学的な有意差が確認された。
(4)IgMクラス抗体価の結果
第3図は、抗ヒトIgMを添加した場合の、IgA腎症患者群(第3図中、IgAN群)および非IgA腎症患者群(第3図中、非IgAN群)各32例の490nmの吸光度をプロットしたグラフである。
この場合、非IgA腎症患者群32例の平均値(0.134)+2×標準偏差値=0.272以上の吸光度のものを陽性とした。
実験の結果、非IgA腎症患者群では、32例すべてが陰性であるのに対して、IgA腎症患者群では32例中、13例が陽性となり、両2群間で、陽性率に統計学的な有意差が確認された。
実施例2
(1)抗原の調製方法
前記の実施例1(1)に記載の方法に従って、抗原を調製した。
(2)各種合成ペプチドの反応阻害活性の測定
上記抗原液を、0.015Mの炭酸緩衝液(pH9.6)に10μg/mlの濃度になるように溶解し、96穴マイクロタイタープレート(A Flow General Company社製 Linbro/Titertek EIA Microtitration plate、Cat.no.76−381−04)の各ウエルに100μlずつ加えて、4℃で一晩、インキュベーション(静置)した。
各ウエルに1%ウシ血清アルブミン(fraction V、SIGMA社から購入)含有のPBS(0.15M NaCl含有の0.01Mリン酸緩衝液(pH7.5))を200μlずつ加え、4℃で一晩、インキュベーションした。各ウエルを200μlのPBSで洗浄を行い、抗原を固相化した。
一方で、実施例1において、陽性を示したIgA腎症患者1例の血清をPBSで1/50に希釈した液と合成ペプチド〔Pro Val Pro Ser Thr(以下、PVPSTと称する)、Pro Ser Thr Pro Pro(以下、PSTPPと称する)、Thr Pro Pro Thr Pro(以下、TPPTPと称する)、Pro Thr Pro Ser Pro(以下、PTPSPと称する)、Pro Ser Pro Ser Thr(以下、PSPSTと称する)、Pro Ser Pro Ser Cys(以下、PSPSCと称する);
以上IgA1ヒンジ部の一部を構成するコアペプチドおよび
Ser Pro Asp Leu Pro(以下、SPDLPと称する)、Leu Lys Pro Asp Pro(以下、LKPDPと称する)、Leu Pro Pro Leu Thr(以下、LPPLTと称する)、Thr Pro Val Glu Ser(以下、TPVESと称する)、Thr Pro Asp Glu Thr(以下、TPDETと称する);
以上ウシ血清アルブミンの一部を構成するコアペプチド〕を1μg/mlの濃度になるようPBSに溶解した液あるいは合成ペプチドを含まないPBS(以下ブランク液という)とを等容量(1:1)混合し、室温で3時間インキュベーションした。
インキュベーション終了後、この液を抗原を固相化した96穴マイクロタイタープレートの各ウエルに100μlずつ添加し、室温で3時間インキュベーションした。
各ウエルを200μlの0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.05%Tween20含有のPBS(以下PS/BSA/Tweenと略す)で3回洗浄を行った。
次に各ウエルに、ペルオキシダーゼ標識した抗ヒトIgG(Organon Tecknika社から購入)を1/200にPBSで希釈したものを100μlずつ添加した。
室温で1時間、インキュベーションした後、各ウエルを200μlのPS/BSA/Tweenで3回洗浄を行った。
さらに、発色剤(オルトフェニレンジアミン20mg、リン酸水素二ナトリウム12水1.95g、クエン酸0.525g、過酸化水素15μlを、水50mlに溶解したもの)を、各ウエルに100μlずつ加え、室温で1時間、インキュベーションした。
インキュベーション終了後、Bio−Rad社製のマイクロプレートリーダー(Microplate reader Model 450)を用いて、波長490nmの吸光度を測定した。
(3)各種合成ペプチドの反応阻害活性測定の結果
第4図は、各種合成ペプチドあるいはブランク液を予め反応させたIgA腎症患者血清とIgA1ヒンジ部コアペプチドとの反応性を490nmの吸光度としてプロットしたグラフである。
実験の結果、ウシ血清アルブミンの一部を構成するコアペプチド(第4図中、SPDLP、LKPDP、LPPLT、TPVES、TPDET)を添加した場合には反応阻害は認められず、いずれもブランク液の吸光度値に対して10%未満の差であった。
一方、IgA1ヒンジ部の一部を構成するコアペプチド(第4図中、PVPST、PSTPP、TPPTP、PTPSP、PSPST、PSPSC)を添加した場合には反応阻害が認められ、いずれもブランク液(第4図中、Blank)の吸光度値に対して10%以上の差が確認された。
以上の結果より、本発明による検査法はPro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Pro Ser Cysのアミノ酸配列で表されるIgA1ヒンジ部コアペプチドを認識する被検液中の抗体を特異的に測定していること、および、IgA1ヒンジ部コアペプチドの一部を構成し、かつ少なくとも5つ以上のアミノ酸からなるペプチドを抗原として用いれば検査が実施できることが判明した。
なお、参考のために、IgA1のヒンジ部コアペプチド及びウシ血清アルブミンの一部を構成するコアペプチドの配列表を後記に示す。
発明の効果
本発明の検査法は、これまでの腎生検による検査法と比較して、受診者に与える精神的苦痛、腎周囲出血等の危険性および経済的負担が少なく、より簡単な操作で、短時間に検査が実施可能となるため、IgA腎症の迅速・簡便な検査法として適している。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
第1図はIgA1分子の構造の概略を示す模式図である。
第2図は抗ヒトIgGを添加した場合の、IgA腎症患者群および非IgA腎症患者群各32例の波長490nmの吸光度をプロットしたグラフである。
第3図は抗ヒトIgMを添加した場合の、IgA腎症患者群および非IgA腎症患者群各32例の波長490nmの吸光度をプロットしたグラフである。
第4図は各種合成ペプチドあるいはブランク液を予め反応させたIgA腎症患者血清とIgA1ヒンジ部コアペプチドとの反応性を490nmの吸光度としてプロットしたグラフである。 Industrial applications
The present invention relates to a novel test method for IgA nephropathy, and more particularly, to the determination of an antibody in a test solution that recognizes the hinge core peptide of IgA1, thereby providing mental pain and perinephric to a patient. The present invention relates to a quick and simple test method for IgA nephropathy and a method for determining an antibody, which have a low risk of bleeding or the like and a low economic burden.
Conventional technology
IgA (immunoglobulin A) nephropathy is described in Berger et al. (J. Urol.,7 4Pp. 694-695 (1968), which is clinically poor in clinical manifestation in addition to continuous urinary protein and hematuria, and histologically contains IgA-based deposits in the glomerular mesangial region. Is primary glomerulonephritis characterized by the presence of
The frequency of IgA nephropathy in Japan is high, accounting for about 30% of chronic nephritis. In recent years, it has been revealed that the long-term prognosis is not always good, and 10 to 15% of patients after 10 years and about 30% of patients after 20 years have end-stage renal failure. For this reason, IgA nephropathy has received particular attention as a causative disease leading to end-stage renal failure.
At present, the only test method for IgA nephropathy is a renal biopsy method. However, this test method causes great mental distress to the examinee, and may cause perirenal bleeding or the like after the test. Furthermore, after a renal biopsy test, absolute rest is required for at least 24 hours, and the patient is forced to be hospitalized for several days, which presents a large financial burden on the patient. Further, this inspection method has a drawback that it requires a lot of equipment and the inspection takes a long time.
Therefore, there is a demand for a method for testing IgA nephropathy that can be performed in a shorter time with a simpler operation and that has less of a psychological pain and a risk such as perinephric hemorrhage given to a patient and an economic burden.
Problems to be solved by the invention
An object of the present invention is to determine an antibody in a test solution that recognizes the hinge core peptide of IgA1 without using a renal biopsy, which has been essential as a test method for IgA nephropathy. It is an object of the present invention to provide a quick and simple test method for IgA nephropathy, which reduces the risk of psychological distress, perirenal bleeding, etc. and economic burden.
Means for solving the problem
The present inventors have conducted various studies on the above problems, and as a result, by determining the antibody in the test solution that recognizes the hinge core peptide of IgA1, the test for IgA nephropathy can be easily performed, and the patient suffers from mental distress. The present inventors have found a rapid and simple test method for IgA nephropathy and a method for determining an antibody, which have a low risk of perinephric hemorrhage and a low economic burden, and have completed the present invention.
That is, the present invention provides:
The present invention relates to a method for testing IgA nephropathy, which determines an antibody in a test solution that recognizes a hinge core peptide of IgA1. According to a preferred embodiment of the present invention, the hinge core peptide constitutes at least a part of the amino acid sequence represented by Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Ser Ser Pro Ser Thr Pro Pro Ser Ser Pro Ser Cys. And a test method comprising at least three or more amino acids. Further, according to a preferred embodiment of the present invention, the present invention relates to a test method using an IgA1 hinge core peptide solid phase in the determination of an antibody, wherein the solid phase is a microtiter plate or latex particles.
In the present invention, the method for determining an antibody includes enzyme immunoassay, latex agglutination immunoassay, immunonephelometry, latex slide agglutination, immunoturbidimetry, luminescence immunoassay, fluorescence polarization immunoassay, fluorescence A test for IgA nephropathy based on immunoassay or radioimmunoassay is used.
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic diagram showing the outline of the IgA1 molecular structure.
IgA, which is considered to be involved in the pathogenesis of IgA nephropathy, is a type of immunoglobulin. IgA molecules are composed of two heavy chains and two light chains, and are classified into two subtypes, IgA1 and IgA2, based on the difference in heavy chain structure.
In IgA nephropathy, IgA deposited in the glomerulus is mainly composed of the IgA1 subtype (Conley et al., J. Clin. Invest, 66, 1432-1436, 1980). It is presumed that there is a difference in the properties of IgA1 between healthy subjects and non-IgA nephropathy patients.
The biggest structural difference between IgA1 and IgA2 lies in the hinge part of the heavy chain, and the IgA2 hinge part (basic immunology (above), pp. 158-162 (1986), University of Tokyo Press). In the hinge region, 13 amino acids are deleted (Frangion et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 3673-3676, 1972).
On the other hand, Baenziger et al. Report that an O-linked sugar chain is bound to five serine residues at the hinge portion of an IgA1 molecule (J. Biol. Chem, Vol. 249, pp. 7270-7281, 1974).
The present inventors have found that the binding ability of an antibody obtained by immunizing a rabbit with a synthetic peptide of the IgA1 hinge region to the IgA1 serum of a patient with IgA nephropathy is different from that of serum IgA1 of non-IgA nephropathy patients such as healthy subjects. In comparison with the binding ability, IgA1 of IgA nephropathy patients has an abnormality in the O-linked sugar chain binding to the hinge, and as a result, the hinge core peptide (hinge core peptide) (Refers to a peptide constituting the hinge portion) is in an exposed state (American Society of Nephrology, 8, 538A, 1997).
The hinge core peptide is structurally similar to mucin in that it contains many proline, serine and threonine as amino acids.
It is already known that human mucin core peptide has immunostimulating ability.
For example, Kotera et al. Show that mucin, which is frequently expressed in certain types of cancer cells, has a low sugar chain and thus exposes the core peptide, resulting in an immune response to the core peptide in the host. (Cancer Res, 54, 2856-2860, 1994).
The present inventors have conducted intensive studies based on the above findings. As a result, in IgA nephropathy patients, the number of O-linked sugar chains binding to the hinge portion of IgA1 decreased, and the core peptide of the hinge portion was exposed. The present inventors have found that an immune reaction to the IgA1 hinge core peptide occurs, the antibody titer recognizing the IgA1 hinge core peptide is increased, and that this finding can be used for testing IgA nephropathy. The invention has been completed.
That is, a rapid test for IgA nephropathy becomes possible by using a body fluid or the like of the examinee as a test liquid and determining an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide present therein. That is, the present invention is a test method for IgA nephropathy based on determining an antibody in a test solution that recognizes a hinge core peptide of IgA1.
In the present invention, the IgA1 hinge portion refers to a region between the CH1 domain and the CH2 domain in the heavy chain constituting the IgA1 molecule, and is obtained by appropriately adding Pro-Val- to the N-terminal side. Is also good.
This region contains a disulfide bond between heavy chains and is rich in proline, serine, and threonine as amino acids.
In the present invention, as the IgA1 hinge core peptide as an antigen, a peptide constituting the IgA1 hinge or a part thereof can be used.
Preferably, the peptide whose amino acid sequence is represented by Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Ser Pro Thr Pro Pro Thr Ser Ser Pro Ser Ser Cys, or a part thereof, and a peptide consisting of three or more amino acids It is preferable to use an amino acid sequence represented by, for example, Val Pro Ser, Ser Thr Pro, Thr Pro Pro, Pro Pro Thr, Pro Thr Pro, Thr Pro Ser, Pro Ser Pro, Ser Pro Ser or Pro Ser Thr. Peptides, more preferably peptides consisting of 5 or more amino acids, such as Pro Val Pro Ser Thr, Pro Ser Th Examples of the peptide include a peptide containing an amino acid sequence represented by rProPro, ThrProProThrPro, ProThrProSerPro, ProSerProSerThr or ProSerProSerCys.
Further, in the present invention, as far as practicable, any peptide or protein including the peptide constituting the hinge portion of IgA1 or a part thereof can be used.
Further, the core peptide of the IgA1 hinge region may be various ones, for example, those modified with sugars, lipids, functional groups, protecting groups, cross-linking agents or the like, and the peptides may be proteins, plastics, latex particles or the like. It may be bonded to a carrier.
In the present invention, the IgA1 hinge core peptide as an antigen may be produced by any method, for example, synthetically produced, or produced from IgA1 derived from a patient or a non-IgA nephropathy patient such as a healthy subject. And those produced by genetic recombination techniques can be used.
In the present invention, examples of the test liquid include biological fluids such as blood, plasma, serum, saliva, and urine, biological tissue extracts, and tissue culture supernatants.
In consideration of the principle of the method for determining an antibody according to the present invention, the detection sensitivity, the measurement range or other factors, it is used as a test solution stock solution or a test solution stock solution diluted appropriately with a buffer solution or the like.
The test solution contains, for example, an anticoagulant represented by EDTA-sodium, sodium citrate, or sodium heparin, a substance added for stabilizing the test solution, or other substances. May be.
As the buffer used in the present invention, a buffer commonly used in a method for immunologically determining an antibody utilizing a known antigen-antibody reaction can be used, and preferably a buffer having a pH of 5 to 9 is used. It is desirable to use a liquid.
For example, phosphate buffer, borate buffer, carbonate buffer, Tris-HCl buffer, Veronal buffer, Good's buffer (for example, HEPES buffer, Pipes (PIPES) buffer, scalpel) (MES) buffer and the like.
As an additive, for example, bovine serum albumin (BSA), gelatin, or the like, for the purpose of preventing non-specific adsorption of proteins to carriers such as microtiter plates and latex particles used in the determination method according to the present invention. It is optional to appropriately add a protein such as skim milk, a surfactant, a sugar, a chelating agent, a reducing agent, or a salt to the buffer.
The concentration range and the like may be appropriately selected from, for example, a concentration range ordinarily used in an antibody immunological determination method using a known antigen-antibody reaction.
In the present invention, the antibody to be determined includes all antibodies present in a test solution that reacts with the IgA1 hinge core peptide. More preferred antibody classes include IgG class, IgM class and IgA class. No.
In the present invention, the method for immunologically determining an antibody recognizing the antigen in a test solution using the IgA1 hinge core peptide as an antigen comprises the above-described IgA1 hinge core under the condition that an antigen-antibody complex is formed. The method is characterized by reacting a peptide with a test solution and qualitatively or quantitatively determining an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide in the test solution based on the measurement of the formed product of the antigen-antibody reaction.
For example, a generally widely used enzyme immunoassay (EIA) method (protein nucleic acid enzyme, separate volume No. 31, enzyme immunoassay, pages 13 to 26, 1987) can be used.
Specifically, a carrier on which an IgA1 hinge core peptide is immobilized is reacted with a test solution, and then a labeled antibody (anti-human IgG antibody, anti-human IgM antibody, anti-human IgA antibody or antigen-binding activity) A complex of a labeling enzyme) with a fragment or the like having the above, and then a coloring agent (substrate) for producing a color by utilizing the reaction of the labeling enzyme bound to the carrier via the antigen-antibody complex. Add and react.
After reacting with an enzyme reaction terminator as necessary, the resulting color is qualitatively determined to be an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide present in the test solution based on measuring absorbance at an arbitrary wavelength or A method for quantification can be mentioned as an example.
More specifically, three or more amino acids appropriately selected from the amino acid sequence represented by an IgA1 hinge core peptide, for example, Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Ser Pro Ser Thr Pro Pro Ser Ser Pro Ser Cys, preferably Refers to a synthetic IgA1 hinge core peptide consisting of a peptide of 5 or more amino acids bound to bovine serum albumin (BSA) at a binding ratio of 1: 1 to 15: 1 (peptide: BSA), preferably 1: 1 to 10: 1 ( (Peptide: BSA) at the binding ratio, when the antigen is used as the antigen, the antigen whose concentration is usually adjusted to be in the range of 0.01 μg / ml to 100 μg / ml is usually added to the plastic microtiter plate per well. 25 μl to 200 μl And, in the temperature range of usually 4 ° C. to 40 ° C., allowed to stand in a range of usually 10 minutes to 48 hours, to immobilize the antigen by washing with a suitable buffer.
Further, a test solution (for example, serum of a patient) diluted with an appropriate buffer is added to a microtiter plate on which an antigen is immobilized, usually in an amount of 25 to 200 μl, and usually in a temperature range of 4 ° C. to 40 ° C., usually 5 to 200 μl. After allowing to stand for a period ranging from minutes to 48 hours, the plate is washed with an appropriate buffer.
Then, a labeled antibody (anti-human IgG antibody, anti-human IgM antibody, anti-human IgA antibody or a fragment thereof having an activity of binding to an antigen, etc.) diluted with an appropriate buffer and labeled enzyme, for example, enzyme immunoassay Peroxidase, alkaline phosphatase, β-galactosidase, glucose oxidase, or the like) usually used in the method), usually added in an amount of 25 μl to 200 μl, and usually in a temperature range of 4 ° C. to 40 ° C., usually for 10 minutes to 48 hours. After reacting in the range, washing is performed with an appropriate buffer.
Further, a coloring agent (substrate) for generating color by utilizing the reaction of the used labeling enzyme is usually added in an amount of 25 to 200 μl, and usually in a temperature range of 4 ° C. to 40 ° C., usually for 1 minute to 48 hours. React in a range.
After reacting the enzyme reaction stop solution as required, the color is determined in the enzyme reaction based on the relationship between the labeling enzyme and the substrate used. An example is a method for qualitatively or quantitatively determining an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide.
In the above, for example, when peroxidase is selected as the labeling enzyme, orthophenylenediamine or the like can be used as the substrate, and the degree of color development resulting from the enzymatic reaction may be taken as, for example, the absorbance at a wavelength of 490 nm.
Further, for example, when alkaline phosphatase is selected as the labeling enzyme, paranitrophenyl phosphate or the like can be used as a substrate, and the degree of color development resulting from the enzyme reaction can be taken as, for example, the absorbance at a wavelength of 405 nm. Good.
The above absorbance value increases as the antibody titer (IgG class antibody titer, IgM class antibody titer or IgA class antibody titer) that recognizes the IgA1 hinge core peptide becomes higher.
For example, when the absorbance of a non-IgA nephropathy patient group such as a healthy person or the average value of the concentration determined by comparing the obtained absorbance with a calibration curve obtained from a standard substance + 2 × standard deviation is exceeded. It is possible to test for IgA nephropathy from the absorbance value of the examinee, or the quantitative value such as the concentration determined in the same manner as described above, using the judgment criteria of positive and negative if not exceeded. is there.
Not only the enzyme immunoassay, but any method that can determine an antibody that recognizes the anti-IgA1 hinge core peptide can be used for this test method. For example
(A) A latex agglutination photometric immunoassay (LAPIA) method which is widely used in general (Ikunosuke Sakurabayashi et al., Japan Clinical Laboratory, 48, extra number, pages 1356-1361, 1990) The test liquid is mixed with a latex particle having the IgA1 hinge core peptide immobilized thereon, and the turbidity generated as a result of the antigen-antibody reaction is measured as the absorbance, and the change is measured based on the amount of change. A method for qualitatively or quantitatively determining an antibody recognizing an IgA1 hinge core peptide present in a solution;
(B) A latex in which a core peptide of an IgA1 hinge portion is immobilized in accordance with a method for measuring immunological immunoassay (NIA) (NIA) (Yamagishi Yasuko, Clinical Laboratory, Vol. 23, extra edition, pp. 1286-1289, 1979). The antigen-antibody complex generated by mixing the particles and the test liquid is irradiated with light (laser light), and IgA1 present in the test liquid is measured based on the measurement of the change in the intensity of the scattered light. A method for qualitatively or quantitatively determining an antibody that recognizes the hinge core peptide;
(C) According to the latex slide agglutination method (Satomi Shibata et al., Instruments and Reagents, Vol. 11, pp. 338-342, 1988), the latex particles having the IgA1 hinge core peptide immobilized thereon and the test solution are used. A method for qualifying an antibody recognizing an IgA1 hinge core peptide present in a test solution by mixing on a determination plate and visually confirming the presence or absence or the degree of aggregation of latex particles resulting from the antigen-antibody reaction. Or
(D) The IgA1 hinge core peptide was immobilized in accordance with the counting immunoassay (CIA) method (Hashimoto, Y. et al., Inspection and Technology, Vol. 22, No. 5, pp. 67-68, 1994). The latex particles thus obtained are mixed with the test solution, and the antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide present in the test solution is qualitatively determined based on the measurement of the size and number of aggregates resulting from the antigen-antibody reaction. Alternatively, a quantification method or the like can be used.
(E) The IgA1 hinge core peptide was mixed with the test solution in accordance with the method of immunoturbidimetry (turbidimetric immunoassay; TIA) (Tetsuo Toyama, Clinical Pathology, Vol. 35, pp. 868-873, 1987). A method of qualitatively or quantitatively determining an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide present in the test solution based on the turbidity generated as a result of the antigen-antibody reaction as the absorbance and measuring the change is used. it can.
(F) Luminescent immunoassay (LIA) method (protein nucleic acid enzyme, separate volume 31, enzyme immunoassay, pages 252 to 263, 1987);
(G) Fluorescence polarization immunoassay (FPIA) method (Kunio Kurata, New application example of immunoassay method and application to development of diagnostic reagents and therapeutic drugs, Management Education Publishing, June 20, 1985, 91-91 102 pages);
(H) Immunoelectrophoresis method (Ichiro Urushizaki, Yojiro Niitsu, Hisahei Koda, New applications of immunoassay and its application to the development of diagnostic reagents and therapeutic agents, Management Education Publishing, June 20, 1985, 63-72 page);
(I) Spin immunoassay (SIA) method (Hiroteru Sayo, New application example of immunoassay and application to development of diagnostic reagents and therapeutic agents, Management Education Publishing, June 20, 1985, pp. 52-62) );
(U) Fluorescence immunoassay (FIA) method (Takuma Hashimoto et al., Inspection and Technology, Vol. 22, No. 5, pp. 61-66, 1994);
(R) Radioimmunoassay (RIA) method (Kunio Kurata, New application example of immunoassay and application to development of diagnostic reagents and therapeutic drugs, Management Education Publishing, June 20, 1985, pp. 33-41) Can be used.
The method of qualitatively or quantitatively determining the product of the antigen-antibody reaction in the present invention is not limited to the method used, but may be a method using an automatic analyzer.
When an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide in the test solution is determined by enzyme immunoassay using a microtiter plate or the like on which the IgA1 hinge core peptide is immobilized, for example, dispensing the test solution BECKMAN Biomek 1000 Automated Laboratory Workstation (manufactured by Beckman) or CELL ASSAY-2000 ROBOTIC ASSYY SYSTEM (manufactured by Moritex, Inc.), which is an apparatus that automatically automates reagent dispensing, washing operation, absorbance measurement, data processing, and the like. it can.
Specifically, a test solution, an enzyme-labeled antibody, and a substrate solution were sequentially reacted with a microtiter plate on which an IgA1 hinge core peptide was immobilized, followed by a reaction solution for stopping the enzyme reaction, if necessary. Thereafter, the IgA1 hinge core peptide in the test solution was determined based on the measurement of absorbance at an arbitrary wavelength selected from known measurement conditions to determine the color development in the enzyme reaction based on the relationship between the labeling enzyme and the substrate used. Recognizing antibodies can be qualitative or quantitative.
When an antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide in the test solution is determined by latex agglutination immunoassay using latex particles having the IgA1 hinge core peptide immobilized thereon, for example, the test solution Automatic analyzers such as Hitachi 705, 7050, 7150, 736, 7070, which are automated systems for injection, reagent dispensing, absorbance measurement, data processing, and the like, can be used.
Specifically, the test solution is mixed with a latex particle having the IgA1 hinge core peptide immobilized thereon in a reaction cell, and an appropriate wavelength selected from known measurement conditions, preferably from 400 nm to 950 nm. By performing blank correction, the antibody that recognizes the IgA1 hinge core peptide in the test solution can be determined by measuring the amount of change in absorbance after a certain period of time.
The operation of the method of the present invention is further facilitated if reagents necessary for carrying out the present invention are prepared in a kit. It is also advantageous when implementing the present invention using an automatic analyzer.
The reagent kit used in the present invention includes a carrier (for example, a microtiter plate or latex particles) on which an IgA1 hinge core peptide is immobilized and other reagents and the like necessary for carrying out the present invention, such as a buffer, a standard, and the like. Examples of the kit include a kit in which a substance, a labeled antibody, a substrate, a substrate lysing agent, a reaction terminator and the like are appropriately combined.
Embodiment of the Invention
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings, but the present invention is not limited thereto.
Example 1
(1) Method for preparing antigen
BSA (bovine serum albumin, purchased from SIGMA) was dissolved in PBS (0.01 M phosphate buffer (pH 7.2) containing 0.15 M NaCl) to a concentration of 13.4 mg / ml, and 1.5 ml thereof was dissolved. Was added to a 15 ml plastic centrifuge tube (purchased from Sumitomo Bakelite).
100 μl of a solution obtained by dissolving EMCS (N- (ε-Maleimidocaproyloxy) succinimide, purchased from Dojin Chemical Research Laboratories) in DMSO (Dimethyl Sulfoxide, purchased from Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) to a concentration of 100 mg / ml in this solution. The mixture was added and reacted at room temperature for 60 minutes.
After the reaction, the whole amount was applied to an Econo-Pac 10DG column (purchased from Bio-Rad) equilibrated with PBS, and eluted with PBS. The eluate was fractionated by 1 ml into 15 ml plastic centrifuge tubes (purchased from Sumitomo Bakelite), and the protein fraction was collected by measuring the absorbance at 280 nm.
3 ml of the collected protein fraction was added to a synthetic IgA1 hinge core peptide (Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Pro Ser Ser Pro Thr Pro Pro Thr Pro Ser Ser Ser Cys (molecular weight = 2031.3) by Accord. 250 μl of a solution prepared by dissolving (synthesis) in PBS to a concentration of 20 mg / ml was added, and the mixture was reacted at 4 ° C. for 36 hours.
After the reaction, the whole amount was applied to an Econo-Pac 10DG column equilibrated with PBS, and eluted with PBS. The eluate was fractionated in 1 ml portions into 15 ml plastic centrifuge tubes (purchased from Sumitomo Bakelite), and the protein fraction was collected by measuring the absorbance at 280 nm to obtain 3 ml of a solution having a protein concentration of 19.3 mg / ml. The obtained solution was used as an antigen solution in the following experiments.
(2) Measurement of antibody titer
The antigen solution was dissolved in a 0.015 M carbonate buffer (pH 9.6) to a concentration of 10 μg / ml, and a 96-well microtiter plate (Linbro / Titertek EIA Microtitration plate manufactured by A Flow General Company) was used. No. 76-381-04) was added to each well in an amount of 100 μl, and the mixture was incubated (rested) at 4 ° C. overnight.
To each well, 200 μl of PBS (0.01 M phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 M NaCl) containing 1% bovine serum albumin (fraction V, purchased from SIGMA) was added at 4 ° C. overnight. And incubated. Each well was washed with 200 μl of PBS.
The serum of 32 IgA nephropathy patients and the serum of 32 non-IgA nephropathy patients (kidney disease patients other than IgA nephropathy) were diluted 1/100 with PBS, and the diluted solution was added to each well in an amount of 100 μl. Was added. After incubation at room temperature for 3 hours, each well was washed three times with 200 μl of PBS containing 0.1% bovine serum albumin and 0.05% Tween 20 (hereinafter abbreviated as PS / BSA / Tween).
To each well, 100 μl of peroxidase-labeled anti-human IgG (purchased from Organon Tecknika) or peroxidase-labeled anti-human IgM (purchased from Organon Tecknika) diluted 1/200 with PBS was added.
After incubation for 1 hour at room temperature, each well was washed three times with 200 μl of PS / BSA / Tween.
A color former (20 mg of orthophenylenediamine, 1.795 g of disodium hydrogenphosphate 12 water, 0.525 g of citric acid, and 15 μl of hydrogen peroxide dissolved in 50 ml of water) was added to each well in an amount of 100 μl. Incubated for hours.
The absorbance at a wavelength of 490 nm was measured using a Bio-Rad microplate reader (Microplate reader Model 450).
(3) Result of IgG class antibody titer
FIG. 2 shows 490 nm in each of 32 cases of an IgA nephropathy patient group (IgAN group in FIG. 2) and a non-IgA nephropathy patient group (non-IgAN group in FIG. 2) when anti-human IgG was added. 5 is a graph in which the absorbance of the sample is plotted.
In this case, those having an absorbance of not less than the average value (0.316) + 2 × standard deviation value = 0.606 of the 32 non-IgA nephropathy patients were regarded as positive.
As a result of the experiment, in the non-IgA nephropathy patient group, all 32 cases were negative, whereas in the IgA nephropathy patient group, 16 cases were positive, and the positive rate was statistically significant between the two groups. A significant difference was confirmed.
(4) Results of IgM class antibody titer
FIG. 3 shows 490 nm in each of 32 cases of IgA nephropathy patient group (IgAN group in FIG. 3) and non-IgA nephropathy patient group (non-IgAN group in FIG. 3) when anti-human IgM was added. 5 is a graph in which the absorbance of the sample is plotted.
In this case, those having an absorbance of not less than the average value (0.134) + 2 × standard deviation = 0.272 of the group of 32 non-IgA nephropathy patients were regarded as positive.
As a result of the experiment, in the non-IgA nephropathy patient group, all 32 cases were negative, whereas in the IgA nephropathy patient group, 13 cases were positive, and the positive rate was statistically significant between the two groups. A significant difference was confirmed.
Example 2
(1) Method for preparing antigen
An antigen was prepared according to the method described in Example 1 (1) above.
(2) Measurement of reaction inhibitory activity of various synthetic peptides
The antigen solution was dissolved in a 0.015 M carbonate buffer (pH 9.6) to a concentration of 10 μg / ml, and a 96-well microtiter plate (Linbro / Titertek EIA Microtitration plate manufactured by A Flow General Company) was used. No. 76-381-04) was added to each well in an amount of 100 μl, and the mixture was incubated at 4 ° C. overnight (stationary).
To each well, 200 μl of PBS (0.01 M phosphate buffer (pH 7.5) containing 0.15 M NaCl) containing 1% bovine serum albumin (fraction V, purchased from SIGMA) was added at 4 ° C. overnight. And incubated. Each well was washed with 200 μl of PBS to immobilize the antigen.
On the other hand, in Example 1, a solution obtained by diluting the serum of one case of IgA nephropathy patient who showed positive with PBS to 1/50 and synthetic peptide [Pro Val Pro Ser Thr (hereinafter referred to as PVPST), Pro Ser Thr] Pro Pro (hereinafter referred to as PSTPP), Thr Pro Pro Thr Pro (hereinafter referred to as TPPTP), Pro Thr Pro Ser Ser Pro (hereinafter referred to as PTPSP), Pro Ser Pro Ser Ser Thr (hereinafter referred to as PSPST), Pro Ser Pro Ser Cys (hereinafter, referred to as PPSSC);
A core peptide constituting a part of the IgA1 hinge region and
Ser Pro Asp Leu Pro (hereinafter referred to as SPDLP), Leu Lys Pro Asp Pro (hereinafter referred to as LKPDP), Leu Pro Pro Leu Thr (hereinafter referred to as LPPLT), Thr Pro Val Glu Ser (hereinafter referred to as TPVES) ), Thr Pro Asp Glu Thr (hereinafter referred to as TPDET);
The above-mentioned core peptide constituting a part of bovine serum albumin] is mixed with PBS at a concentration of 1 μg / ml or PBS containing no synthetic peptide (hereinafter referred to as blank solution) in an equal volume (1: 1). And incubated at room temperature for 3 hours.
After the incubation, 100 µl of this solution was added to each well of a 96-well microtiter plate on which the antigen was immobilized, and incubated at room temperature for 3 hours.
Each well was washed three times with 200 μl of PBS containing 0.1% bovine serum albumin and 0.05% Tween 20 (hereinafter abbreviated as PS / BSA / Tween).
Next, to each well, 100 μl of a peroxidase-labeled anti-human IgG (purchased from Organon Tecknika) diluted 1/200 with PBS was added.
After incubation at room temperature for 1 hour, each well was washed three times with 200 μl of PS / BSA / Tween.
Further, a color developing agent (20 mg of orthophenylenediamine, 1.95 g of disodium hydrogen phosphate 12 water, 0.525 g of citric acid, and 15 μl of hydrogen peroxide dissolved in 50 ml of water) was added to each well in an amount of 100 μl. For 1 hour.
After the incubation was completed, absorbance at a wavelength of 490 nm was measured using a microplate reader Model 450 manufactured by Bio-Rad.
(3) Result of measurement of reaction inhibitory activity of various synthetic peptides
FIG. 4 is a graph plotting the reactivity of IgA nephropathy patient serum preliminarily reacted with various synthetic peptides or blank solutions with the core peptide of the IgA1 hinge region as absorbance at 490 nm.
As a result of the experiment, when the core peptide (SPDLP, LKPDP, LPPLT, TPVES, TPDET in FIG. 4) constituting a part of bovine serum albumin was added, no inhibition of the reaction was observed, and the absorbance of the blank solution was observed. Less than 10% difference to the value.
On the other hand, when a core peptide (PVPST, PSTPP, TPPTP, PTPSP, PSPST, PPSSC in FIG. 4) constituting a part of the hinge portion of IgA1 was added, the reaction was inhibited, and in all cases, a blank solution (4 In the figure, a difference of 10% or more with respect to the absorbance value of Blank was confirmed.
From the above results, the test method according to the present invention provides a test solution that recognizes the IgA1 hinge core peptide represented by the amino acid sequence of Pro Val Pro Ser Thr Pro Pro Thr Thr Ser Ser Pro Thr Pro Pro Thr Ser Ser Cys. It was found that the antibody in the medium was specifically measured, and that the test could be carried out by using a peptide constituting a part of the core peptide of the IgA1 hinge region and comprising at least five amino acids as an antigen.
For reference, a sequence listing of the core peptide of the hinge portion of IgA1 and the core peptide constituting a part of bovine serum albumin is shown below.
The invention's effect
The test method of the present invention has less psychological distress, risk of perinephric hemorrhage, etc., and economic burden on the examinee than conventional test methods based on renal biopsy, and is simpler and easier to perform. Since the test can be performed in a short time, it is suitable as a quick and simple test method for IgA nephropathy.
[Sequence list]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing the outline of the structure of an IgA1 molecule.
FIG. 2 is a graph in which the absorbance at a wavelength of 490 nm is plotted for each of 32 cases of an IgA nephropathy patient group and a non-IgA nephropathy patient group when anti-human IgG is added.
FIG. 3 is a graph in which the absorbance at a wavelength of 490 nm is plotted in each of 32 cases of an IgA nephropathy patient group and a non-IgA nephropathy patient group when anti-human IgM is added.
FIG. 4 is a graph plotting the reactivity between the IgA nephropathy patient serum preliminarily reacted with various synthetic peptides or blank solutions and the core peptide of the IgA1 hinge region as absorbance at 490 nm.